説明

カートリッジのカバー部材

【課題】画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジを交換するときの現像液漏れを抑制する。
【解決手段】現像液により画像形成を行う画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に現像液が担持される現像ローラ65と、現像ローラ65を支持し、装置本体への装着方向とは反対側(上側)で現像ローラ65を露出させる開口60Bが形成された現像フレーム60Aと、を有する現像カートリッジ60のカバー部材100である。カバー部材100は、現像ローラ65を覆うように開口60Bを塞ぐカバー部110と、カバー部110を現像フレーム60Aに着脱可能に係合する係合部120と、カバー部110と一体に設けられる把持部130とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像液により画像形成を行う画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なカートリッジのカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トナー粒子とキャリア液からなる現像液(液体現像剤)により画像形成を行う画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された画像形成装置では、現像液は、供給ローラから現像ローラに供給され、さらに静電潜像が形成された感光体ドラムに供給されてトナー像を形成する。その後、トナー像が感光体ドラムから中間転写ベルトを介して用紙に転写されることで用紙に画像が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−268917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現像液により画像形成を行う画像形成装置において、感光体ドラムや現像ローラなどを容易に交換するため、感光体ドラムや現像ローラなどを備えるカートリッジを装置本体に対して着脱(交換)可能とする構成が提案されている。しかしながら、このようなカートリッジ内には現像液が残っているので、交換するときにカートリッジが傾いてしまうと、感光体ドラムや現像ローラなどの一部を外部に露出させる開口からを現像液が漏れるおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、カートリッジを交換するときの現像液漏れを抑制することができるカートリッジのカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明のカートリッジのカバー部材は、現像液により画像形成を行う画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に現像液が担持される現像液担持体と、前記現像液担持体を支持し、前記装置本体への装着方向とは反対側で前記現像液担持体を露出させる開口が形成されたフレーム部材と、を有するカートリッジのカバー部材であって、前記現像液担持体を覆うように前記開口を塞ぐカバー部と、前記カバー部を前記フレーム部材に着脱可能に係合する係合部と、前記カバー部と一体に設けられる把持部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
このように構成されたカートリッジのカバー部材によれば、カバー部がカートリッジの開口を塞ぐので、カートリッジを交換するときの現像液漏れを抑制することができる。また、把持部を把持して操作することで、カートリッジの着脱を容易に行うことができる。さらに、係合部によってフレーム部材(カートリッジ)に着脱可能に係合するので、カートリッジに直接カバーを設ける場合と比較して、カートリッジの構成を簡略化できるととともに、カートリッジや画像形成装置を小型化できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカートリッジのカバー部材によれば、カバー部がカートリッジの開口を塞ぐように取り付けられるので、カートリッジを交換するときの現像液漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】現像カートリッジを備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】現像カートリッジに取り付けられたカバー部材の断面図である。
【図3】現像カートリッジに取り付けられたカバー部材の斜視図である。
【図4】ロック部材と装置本体に装着された現像カートリッジの斜視図である。
【図5】カバー部材を現像カートリッジに取り付けるときの様子を示す図(a),(b)である。
【図6】カバー部材を取り付けた現像カートリッジを装置本体から脱着するときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<画像形成装置と現像カートリッジの概略構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、カートリッジの一例としての現像カートリッジ60と、現像カートリッジ60が着脱される画像形成装置の概略構成について説明した後、本発明の実施形態に係るカバー部材100の構成について説明する。
【0011】
また、以下の説明において、方向は、図1に示す状態を基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置は、トナー粒子(現像剤粒子)を不揮発性のキャリア液に混合させてなる現像液により画像形成を行うプリンタや複写機、複合機などである。この画像形成装置は、装置本体10内に、感光体ドラム51を露光する露光部材40と、用紙Sにトナー像を転写する感光体カートリッジ50と、感光体ドラム51に現像液を供給する現像カートリッジ60とを主に備えている。
【0013】
なお、装置本体10内には、用紙Sを給紙する給紙装置と、用紙S上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置と、現像カートリッジ60(貯溜容器61)に供給する現像液を所定の濃度に調整する濃度調整装置とが設けられているが、いずれも公知のものを利用することができるので図示および説明を省略する。
【0014】
感光体カートリッジ50は、装置本体10に対して着脱可能に構成され、感光体フレーム50A内に、感光体ドラム51と、第1帯電器52と、第1クリーニングブレード53と、転写ローラ54とを主に備えている。
【0015】
感光体ドラム51は、導電性を有する円筒状のドラム本体の表面(外周面)に感光層が形成されて構成され、露光部材40によって露光されることで表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に現像ローラ65から現像液(トナー粒子)が供給されることで可視像化されて、トナー像が形成される。
【0016】
第1帯電器52は、感光体ドラム51と接触しないように所定間隔を隔てて対向して配置され、感光体ドラム51に電界を印加することによって感光体ドラム51の表面を一様に帯電させるように構成されている。
【0017】
第1クリーニングブレード53は、感光体ドラム51と転写ローラ54とが接触する位置より、感光体ドラム51の回転方向下流側で摺接するように配置されている。この第1クリーニングブレード53は、回転する感光体ドラム51に摺接して感光体ドラム51上の現像液を掻き取って回収する。回収された現像液は、感光体フレーム50Aに形成された廃棄口55から外部に排出され、図示しない廃現像液タンクに貯溜される。
【0018】
なお、図示は省略するが、廃棄口55および後述する供給口68と回収口69には、現像液漏れを防ぐため、装置本体10に装着されたときに現像液を通過可能とし、装置本体10から脱着されたときに現像液の通過を遮断する公知の弁が設けられている。
【0019】
転写ローラ54は、給紙装置から給紙された用紙Sを、感光体ドラム51との間で挟み込んだ状態で搬送することにより、感光体ドラム51上に形成されたトナー像を用紙Sに転写するローラである。この転写ローラ54には、転写時に転写バイアスが印加される。
【0020】
現像カートリッジ60は、装置本体10に対して着脱可能、詳細には、上方に持ち上げることで装置本体10から取り外される(脱着される)ように構成されている(図6参照)。この現像カートリッジ60は、フレーム部材の一例としての現像フレーム60A内に、貯溜容器61と、供給ローラ62と、中間ローラ63と、液量規制ブレード64と、現像液担持体の一例としての現像ローラ65と、第2帯電器66と、第2クリーニングブレード67とを主に備えている。
【0021】
貯溜容器61は、現像フレーム60Aの一部を構成する容器であり、図示しない濃度調整装置から供給口68を介して供給された現像液を貯溜している。
供給ローラ62は、回転することで、貯溜容器61に貯留された現像液を表面に担持して中間ローラ63に供給する金属製のローラである。
【0022】
中間ローラ63(アニロックスローラとも呼ばれる。)は、表面に形成された溝に所定量の現像液を担持可能に構成された金属製のローラである。この中間ローラ63を介して現像ローラ65に現像液を供給することで、現像ローラ65への現像液の供給量を均一に保つことができる。
【0023】
液量規制ブレード64は、供給ローラ62と中間ローラ63とが接触する位置より中間ローラ63の回転方向下流側で摺接するように配置されている。この液量規制ブレード64は、回転する中間ローラ63に摺接することで、中間ローラ63の表面に付着した現像液を擦り切る。
【0024】
現像ローラ65は、中間ローラ63から供給された現像液を表面に担持して、現像液(トナー粒子)を感光体ドラム51上に形成された静電潜像に供給することで、感光体ドラム51上にトナー像を形成する。なお、現像ローラ65の回転軸65Aは、その両端が現像フレーム60Aの側面から外部に突出している(図4参照)。
【0025】
第2帯電器66は、現像ローラ65と接触しないように所定間隔を隔てて対向して配置され、現像ローラ65に電界を印加することによって、現像液中のトナー粒子を現像ローラ65の表面に押し付けるように構成されている。
【0026】
第2クリーニングブレード67は、感光体ドラム51と現像ローラ65とが接触する位置より現像ローラ65の回転方向下流側で摺接するように配置されている。この第2クリーニングブレード67は、回転する現像ローラ65に摺接して現像ローラ65上の現像液を掻き取って回収する。回収された現像液は、回収口69から外部に排出され、図示しない回収経路を通って濃度調整装置に戻されて再利用される。
【0027】
現像フレーム60Aは、貯溜容器61を形成し、現像ローラ65などを支持するフレームである。この現像フレーム60Aの上部には、現像カートリッジ60の装置本体10への装着方向(下に向かう方向)とは反対側となる上側で現像ローラ65の一部(後部)を外部に露出させる開口60Bが形成されている。
【0028】
以上のように構成された感光体カートリッジ50および現像カートリッジ60では、感光体ドラム51の表面が、第1帯電器52により一様に帯電された後、露光部材40によって露光されることで、感光体ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。貯溜容器61内の現像液は、供給ローラ62および中間ローラ63を介して現像ローラ65に供給され、現像ローラ65の表面に担持される。
【0029】
現像ローラ65の表面に担持された現像液(トナー粒子)は、現像ローラ65から感光体ドラム51上の静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム51上にトナー像が形成される。そして、給紙装置から給紙された用紙Sを、感光体ドラム51と転写ローラ54との間で挟み込んで搬送することで、感光体ドラム51上に形成されたトナー像が用紙Sに転写される。その後、用紙Sは、図示しない定着装置を通過する間にトナー像が熱定着され、装置本体10の外部に排出される。このようにして用紙S上にトナー像(画像)が形成される。
【0030】
<カバー部材の構成>
次に、本発明の実施形態に係るカバー部材100の構成について説明する。
図2および図3に示すように、カバー部材100は、現像カートリッジ60を装置本体10に対して着脱(交換)するときに、現像カートリッジ60に取り付けられる部材であり、カバー部110と、係合部120と、把持部130と、シール部材140と、押圧部150とを主に備えている。
【0031】
カバー部110は、現像カートリッジ60に取り付けられたとき(以下、カバー部材100の取り付け時という。)に、現像カートリッジ60(現像フレーム60A)の上部から上部後方にかけての部位を、その形状に沿って覆うように、詳細には現像ローラ65と開口60Bを覆うように配置される。これにより、カバー部110は、カバー部材100の取り付け時に開口60Bを塞ぐこととなる。
【0032】
係合部120は、カバー部110(カバー部材100)を現像フレーム60Aに着脱可能とする部分であり、カバー部110の後端部から前斜め下方に向けて延び、先端に現像フレーム60A側に突出する爪部121を有している。この係合部120は、爪部121が現像フレームに設けられた係止部60Cに引っ掛かることで、現像フレーム60Aと係合する。これにより、カバー部材100(把持部130)を上に向けて引くことで現像カートリッジ60を装置本体10から脱着できるようになっている(図6参照)。
【0033】
把持部130は、現像カートリッジ60を着脱するときにユーザによって把持される部分であり、カバー部110の上部の左右両端から上方に向かって延び、互いの上端が連結された略U形状をなすようにカバー部110と一体に設けられている。この把持部130は、装置本体10に装着された状態の現像カートリッジ60に取り付けられたときに、現像カートリッジ60の上に位置する。
【0034】
したがって、把持部130が、上方に持ち上げることで装置本体10から脱着される現像カートリッジ60の上にあるので、装置本体10から現像カートリッジ60を脱着しやすくなっている。また、装置本体10から現像カートリッジ60を脱着するときに、現像カートリッジ60が傾きにくくなっている。
【0035】
シール部材140は、カバー部110と現像フレーム60Aとの間の隙間を塞ぐ部材であり、カバー部110の内面(現像フレーム60A側の面)に設けられている。このシール部材140は、カバー部110を現像フレーム60Aに係合したとき(カバー部材100の取り付け時)に開口60Bを囲むように配設されている。
【0036】
より詳細に、本実施形態において、シール部材140は、カバー部材100の取り付け時に、現像ローラ65の開口60Bから露出する部分と開口60Bの周縁部とに接するような略板状に形成されている。これにより、シール部材140が現像ローラ65と開口60Bの周縁部(現像フレーム60A)とに支持されて撓んだりしないので、カバー部110と現像フレーム60Aとの間の隙間をより確実に塞ぐことができる。
【0037】
押圧部150は、カバー部110の前端部にあって、装置本体10に装着された状態の現像カートリッジ60に取り付けるときに、後述するロック部材11を押圧して、ロック部材11をロック位置から解除位置に揺動させる部分である。押圧部150の詳細な作用については後述する。
【0038】
ここで、ロック部材11の構成について説明する。
図4に示すように、ロック部材11は、装置本体10内に設けられ、一対のロック部12と、回動軸13とから主に構成されている。
【0039】
ロック部12は、装置本体10に装着された状態の現像カートリッジ60の左右両側にそれぞれ配置され、その上部に、後方に向かって延びる鉤部12Aと、上端部に、前方から後方に向けて下方傾斜する傾斜面12Bとを有している。
【0040】
一対のロック部12は、下部に連結された回動軸13を中心にして、鉤部12Aが現像ローラ65の回転軸65Aの上方に位置して現像カートリッジ60を着脱できないようにロックするロック位置と、鉤部12Aが現像ローラ65の回転軸65Aの上方から退避して現像カートリッジ60を着脱可能とする解除位置(図5(b)参照)との間で前後に揺動可能となっている。なお、ロック部12は、図示しないバネなどの付勢部材によって通常はロック位置に付勢されている。
【0041】
<カバー部材の作用効果>
次に、現像カートリッジ60を着脱するときの動作について説明しつつ、本発明の実施形態に係るカバー部材100の作用効果について説明する。
【0042】
現像カートリッジ60を脱着するときには、まず、現像カートリッジ60にカバー部材100を取り付ける。具体的には、図5(a)に示すように、把持部130を把持し、係合部120(爪部121)を現像フレーム60Aの係止部60Cに引っ掛ける。そして、図5(b)に示すように、把持部130を回動させるように前方に引くことで、カバー部110が現像フレーム60Aの上部に嵌り、カバー部材100が現像カートリッジ60に取り付けられる。
【0043】
この途中で、押圧部150が、傾斜面12Bに当接し、さらに傾斜面12Bを押圧することで、ロック部12が解除位置(前方)へ揺動し、鉤部12Aが現像ローラ65の回転軸65Aの上方から退避する。これにより、現像カートリッジ60を装置本体10から脱着できるようになる。
【0044】
そして、図6に示すように、把持部130を上方に引くことで、現像カートリッジ60が持ち上げられて装置本体10から脱着される。本実施形態では、現像カートリッジ60が上方に脱着されるように構成され、把持部130がカバー部材100の取り付け時に現像カートリッジ60の上に位置するので、装置本体10から現像カートリッジ60を脱着しやすくなっている。また、現像カートリッジ60を脱着するときに現像カートリッジ60が傾きにくいので現像液漏れを抑制することができる。
【0045】
なお、現像カートリッジ60を装着するときには、現像カートリッジ60にカバー部材100を取り付けた後、把持部130を把持して、現像カートリッジ60を装置本体10の上方から下方(装着位置)に向けて装着していく。このとき、まず、現像ローラ65の回転軸65Aがロック部12の傾斜面12Bを押圧してロック部材11を解除位置(前方)に揺動させ、次いで、押圧部150が傾斜面12Bに当接することでロック部材11を解除位置に維持する。
【0046】
現像カートリッジ60が装着されたら、現像カートリッジ60からカバー部材100を取り外す。具体的には把持部130を回動させるように後方に押し、係合部120(爪部121)を現像フレーム60Aの係止部60Cから外す。このとき、図示しない付勢部材の付勢力によってロック部材11がロック位置に戻り、鉤部12Aが現像ローラ65の回転軸65Aの上方に位置する。これにより、現像カートリッジ60を上方に持ち上げようとしても、回転軸65Aが鉤部12Aに引っ掛かるため、現像カートリッジ60が装置本体10から脱着できないようになる。
【0047】
以上説明した本実施形態のカバー部材100は、カバー部110が現像カートリッジ60の開口60Bを塞ぐように取り付けられるので、現像カートリッジ60を交換するときの現像液漏れを抑制することができる。また、把持部130を把持して着脱操作することで、現像カートリッジ60の着脱を容易に行うことができる。
【0048】
さらに、係合部120によって現像フレーム60Aに着脱可能に係合するので、現像カートリッジ60に直接カバーを設ける場合と比較して、交換部品(消耗品)である現像カートリッジ60の構成を簡略化してコスト削減を図ることができる。また、現像カートリッジ60や当該現像カートリッジ60が装着される画像形成装置を小型化することができる。
【0049】
特に本実施形態のカバー部材100は、カバー部材100の取り付け時に開口60Bを囲むように配設され、カバー部110と現像フレーム60Aとの間の隙間を塞ぐシール部材140を備えるので、現像液漏れをより確実に抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態のカバー部材100は、装置本体10に装着された状態の現像カートリッジ60に取り付けるときに、ロック部材11を押圧してロック位置から解除位置に揺動させる押圧部150を備えるので、カバー部材100を取り付けないと現像カートリッジ60を装置本体10から脱着できない構成を実現することができる。これにより、現像液漏れをより確実に抑制することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0052】
前記実施形態では、本発明のカバー部材が取り付けられるカートリッジとして、現像液担持体の一例である現像ローラ65の一部が外部に露出した現像カートリッジ60を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像液担持体の他の例としての感光体ドラムの一部が外部に露出したカートリッジ、具体的には、前記実施形態の感光体カートリッジ50や、感光体カートリッジ50と現像カートリッジ60とが一体に形成されたカートリッジなどを採用してもよい。
【0053】
前記実施形態で示したカバー部材100の各部や装置本体10内に設けられたロック部材11などの構成は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。これらは、前記実施形態と同様の作用を有する構成であれば適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態では、シール部材140が現像ローラ65および開口60Bの周縁部と接するような略板状に形成された例を示したが、これに限定されず、開口の縁部と接する枠状に形成されていてもよい。
【0054】
なお、本発明は、揮発性のキャリア液に現像剤粒子を混合させた現像液により画像形成を行う画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成されたカートリッジのカバー部材であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 装置本体
11 ロック部材
12 ロック部
12A 鉤部
12B 傾斜面
60 現像カートリッジ
60A 現像フレーム
60B 開口
65 現像ローラ
100 カバー部材
110 カバー部
120 係合部
121 爪部
130 把持部
140 シール部材
150 押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像液により画像形成を行う画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成され、表面に現像液が担持される現像液担持体と、前記現像液担持体を支持し、前記装置本体への装着方向とは反対側で前記現像液担持体を露出させる開口が形成されたフレーム部材と、を有するカートリッジのカバー部材であって、
前記現像液担持体を覆うように前記開口を塞ぐカバー部と、
前記カバー部を前記フレーム部材に着脱可能に係合する係合部と、
前記カバー部と一体に設けられる把持部とを備えたことを特徴とするカートリッジのカバー部材。
【請求項2】
前記カバー部を前記フレーム部材に係合したときに前記開口を囲むように配設され、前記カバー部と前記フレーム部材との間の隙間を塞ぐシール部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジのカバー部材。
【請求項3】
前記カートリッジは、上方に持ち上げることで前記装置本体から取り外され、
前記把持部は、前記装置本体に装着された状態の前記カートリッジに取り付けられたときに、前記カートリッジの上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジのカバー部材。
【請求項4】
前記装置本体は、前記カートリッジを着脱できないようにロックするロック位置と、前記カートリッジを着脱可能とする解除位置との間で揺動可能なロック部材を有し、
さらに、前記装置本体に装着された状態の前記カートリッジに取り付けるときに、前記ロック部材を押圧して前記ロック位置から前記解除位置に揺動させる押圧部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカートリッジのカバー部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−217690(P2010−217690A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66177(P2009−66177)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】