説明

カートリッジホルダユニット及び記録装置

【課題】カートリッジホルダを上下方向に積層した構造であっても、カートリッジホルダを備えた装置外へのインクの漏れを確実に防止することのできるカートリッジホルダユニット及び記録装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るカートリッジホルダユニットは、インクカートリッジ12内に収容されているインクを圧送するために当該インクカートリッジ12内に加圧空気を供給するための空気流路と、インクを供給するためのインク流路とを有する流路ユニット114に対して、インクカートリッジ12を保持するための複数個のカートリッジホルダ13が上下に積層して組み付けられたカートリッジホルダユニットであって、積層したカートリッジホルダ13の最下段の下に、カートリッジホルダ13で漏れたインクを収容可能な廃液収容部39が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクカートリッジを保持するための複数個のカートリッジホルダが組み付けられるカートリッジホルダユニット、及びそれを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体にノズルからインク滴を吐出して印刷を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式の記録装置が広く用いられている。
この記録装置は、キャリッジと、同キャリッジに搭載された記録ヘッドとを備えており、キャリッジを記録媒体に対して移動させながら、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出し、記録媒体に対して印刷を行う。
【0003】
この種の記録装置には、印刷用のインクを収容したインクカートリッジを複数収容して保持するために、カートリッジホルダが複数設けられているものが知られている。
また、インクカートリッジは、カートリッジケースの内部にインクを収容したインクパックが収容されたものがあり、カートリッジケースの内部に加圧空気を導入することによりインクパックを押し潰してインクを導出部材(インク供給針)から導出して記録ヘッドへ供給するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、図14に示すように、特許文献1に記載のカートリッジホルダ200は、薄型の略直方体形状の箱体であるケース201を有しており、前側面201aには直方体形状の挿入口202が形成されている。ケース201の後側面201bには導出針203が設けられており、針部203aの先端を挿入口202に向けており、導出針203の下方には、空気導入部材204が設けられている。また、ケース201内部の後部にはスライダ205が設けられており、スライダ205には第1案内孔206aおよび第2案内孔206bが設けられている。第1案内孔206aの内部には導出針203が挿入されている。第2案内孔206bには空気導入部材204が挿入されて、スライダ205の内部空間に連通している。なお、カートリッジホルダ200の下側には受け皿211が設けられており、受け皿211の内部には吸収体212が収容されている。
【0005】
したがって、インクを収容したインクカートリッジ207をカートリッジホルダ200内部に挿入してスライダ205に取り付けると、インクカートリッジ207の取出部材208の内部に導出針203が差し込まれるとともに、スライダ205に設けられている内部空間にインクカートリッジ207の空気導入孔209に接続される。このため、カートリッジホルダ200の空気導入部材204から、スライダ205の第2案内孔206bと内部空間を介してインクカートリッジ207のケース内部207aに加圧空気が供給されてインクパック210を押圧する。これにより、インクパック210内部のインクは、取出部材208から導出針203へ押し出されて、記録ヘッド(図示省略)へ供給されることになる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−82291号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1のカートリッジホルダ200では、インクカートリッジ207の取り外しの際に、空気導入部材204が導出針203よりも早くインクカートリッジ207から引き離されてインクカートリッジ207の内部を大気に解放し、インクカートリッジ207からのインク漏れを抑制している。それでもインクが漏れた場合には、導出針203近傍に配置された吸収材213や、カートリッジホルダ200の下側の受け皿211の吸収体212で吸収するようにしている。また、特許文献1のカートリッジホルダ200では、複数のカートリッジを図14に示したように立てた姿勢で横方向に積層させるように並列している。
しかしながら、カートリッジホルダを上下方向に積層した構造の場合には、各カートリッジホルダに対して受け皿を設けることは難しく、カートリッジホルダ外へのインクの漏れが生じやすくなる。そのため、カートリッジホルダ内の吸収体による吸収量を超えてオーバーフローした際に、装置外へのインク漏れが生じる可能性があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、カートリッジホルダを上下方向に積層した構造であっても、カートリッジホルダを備えた装置外へのインクの漏れを確実に防止することのできるカートリッジホルダユニット及び記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決することのできる本発明に係るカートリッジホルダユニットは、インクカートリッジ内に収容されているインクを圧送するために当該インクカートリッジ内に加圧空気を供給するための空気流路と、前記インクを供給するためのインク流路とを有する流路ユニットに対して、前記インクカートリッジを保持するための複数個のカートリッジホルダが上下に積層して組み付けられたカートリッジホルダユニットであって、前記積層したカートリッジホルダの最下段の下に、前記カートリッジホルダで漏れたインクを収容可能な廃液収容部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このように構成されたカートリッジホルダユニットにおいては、カートリッジホルダ内でインク漏れが発生し、各カートリッジホルダからインクが漏れ出しても、上下に積層して組み付けられたカートリッジホルダの最下段の下に廃液収容部が設けられているため、各カートリッジホルダから漏れたインク(廃液)が流れ出しても、廃液収容部に収容してカートリッジホルダユニットの外へインクが漏れ出すことを確実に防止できる。
【0011】
また、本発明に係るカートリッジホルダユニットにおいて、複数個の前記カートリッジホルダが、前記流路ユニットとともにフレームに対して組み付けて固定され、前記廃液収容部が直接前記フレームに対して組み付けて固定されることが好ましい。
【0012】
このように構成されたカートリッジホルダユニットにおいては、複数個のカートリッジホルダは流路ユニットとともにフレームに対して組み付けて固定される一方、廃液収容部が直接フレームに対して組み付けて固定されるため、カートリッジホルダと流路ユニットの組み付け状態に関わらず廃液収容部の組み付け及び取り外しを行うことができる。したがって、廃液収容部の廃液の収容量が多くなった時などに、廃液収容部を取り外して廃液を処理したり、新たな廃液収容部と交換したりすることが容易である。
【0013】
また、本発明に係るカートリッジホルダユニットにおいて、前記廃液収容部は、最下段の前記カートリッジホルダに係合されつつ前記フレームに対して接近及び離反方向にスライド可能であり、前記フレームに対してネジ止めされることが好ましい。
【0014】
このように構成されたカートリッジホルダユニットにおいては、ネジを外すだけで廃液収容部をスライドさせて容易に取り外すことができるとともに、組み付け時も最下段のカートリッジホルダに係合させつつスライドさせ、ネジ止めすることでフレームに固定できるため、着脱の作業性が良好である。
【0015】
また、本発明に係るカートリッジホルダユニットにおいて、前記カートリッジホルダには、漏れたインクを前記廃液収容部へ向けて案内するインク案内部が設けられていることが好ましい。
【0016】
このように構成されたカートリッジホルダユニットにおいては、カートリッジホルダ内で漏れたインクがカートリッジホルダ内に広がらず、インク案内部によって廃液収容部へ向けられるため、廃液収容部の廃液回収率が向上するとともに、カートリッジホルダユニットの外へインクが漏れ出すことを効果的に防止できる。
【0017】
また、本発明に係るカートリッジホルダユニットにおいて、前記廃液収容部にインク吸収材が設けられていることが好ましい。
【0018】
このように構成されたカートリッジホルダユニットにおいては、廃液収容部に流れてきた廃液をインク吸収材により捕捉しておくことができるため、廃液収容部を取り外す際などに廃液がこぼれてしまうことを防止できる。
【0019】
また、本発明に係るカートリッジホルダユニットにおいて、前記廃液収容部は、積層した前記カートリッジホルダの下面と当該カートリッジホルダに組み付けられた前記流路ユニットの下端面に臨む開口を上面に有することが好ましい。
【0020】
このように構成されたカートリッジホルダユニットにおいては、廃液収容部は、積層したカートリッジホルダから直接流れてきた廃液だけでなく、カートリッジホルダから流路ユニットを伝わって流れてきた廃液も収容できる構造となっているため、インクカートリッジから漏れたインクを確実に回収できる。
【0021】
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る記録装置は、上記本発明に係るカートリッジホルダユニットを備えていることを特徴とする。
【0022】
このように構成された記録装置においては、カートリッジホルダユニットから外へインクが漏れることが確実に防がれるため、記録装置内の汚れや漏れインクが広がることによる不具合の発生を防止することができる。したがって、記録装置の信頼性を高め、メンテナンスにかかるランニングコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係るカートリッジホルダユニット及び記録装置の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、記録装置をメディア処理装置であるパブリッシャに適用した場合を例にとって説明する。
図1はパブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図、図2はパブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図、図3はパブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図、図4はパブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図、図5はパブリッシャの内部概略構成図である。
【0024】
パブリッシャ1は、例えばCDあるいはDVD等の円板状のメディアへのデータの書き込みやメディアのレーベル面への印刷を行うメディア処理装置であり、ほぼ直方体形状のケース2を備えている。このケース2の前面には、左右に開閉可能な開閉扉3,4が取り付けられている。ケース2の上側右端部には、表示ランプ、操作ボタンなどが配列された操作面5が設けられており、また、ケース2の下端には、メディア排出口6が設けられている。
【0025】
正面視右側の開閉扉3は、閉じた状態にてロックされており、操作面5には、例えば、指紋センサなどの図示せぬ生体認証用の読み取り部が配置され、予め登録されている者のみが開閉できるようになっている。また、開閉扉3は、パブリッシャ1と通信可能に接続された後述する上位機器97側(図5参照)からの指令によっても開閉可能となっている。
【0026】
図2に示すように、正面視左側の開閉扉4は、レーベルプリンタ(記録装置)11のインクカートリッジ12の入れ換え時に開閉するためのものであり、この開閉扉4を開けると、鉛直方向に配列された複数のカートリッジホルダ13を有するカートリッジ装着部14が露出するようになっている。
【0027】
図3にも示すように、パブリッシャ1のケース2の内部には、データ書き込み処理が行われていない複数枚の未使用のブランクメディアMAをスタック可能なブランクメディア保管部21と、作成済みメディアMBが保管される作成済みメディア保管部22が同軸状態で上下に配置されている。なお、この作成済み保管部22には、使用済みメディアMCを処分する場合に、この使用済みメディアMCがセットされる。
【0028】
ブランクメディア保管部21は、前方に水平に引き出し可能なスライド板23と、このスライド板23の上に垂直に配置されている左右一対の円弧状の枠板24,25とを備えており、これらにより、ブランクメディアMAを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収納可能なスタッカが構成されている。ブランクメディア保管部21にブランクメディアMAを収納あるいは補充する作業は、開閉扉3を開け、スライド板23を手前に引き出すことにより、簡単に行うことが可能となっている。
【0029】
下側の作成済みメディア保管部22も同一構造となっており、前方に水平に引き出し可能なスライド板26と、この上面に垂直に配置されている左右一対の円弧状の枠板27,28とを備えており、これらによって、作成済みメディアMBあるいは使用済みメディアMCを上側から受け入れ、同軸に積層した状態で収納可能なスタッカが構成されている。
【0030】
使用済みメディアMCを処分する場合には、開閉扉3を開けて、作成済みメディア保管部22に、使用済みメディアMCをセットして処分動作を行うことが可能となっている。また、開閉扉3からは、作成済みメデイアMB(すなわち、データの書き込み、及びレーベル面印刷が終了したメディア)を取り出すこともできる。
【0031】
これらのブランクメディア保管部21及び作成済みメディア保管部22の後側には、メディア搬送機構31が配置されている。メディア搬送機構31は、ケース2に垂直に取り付けられているシャーシ32と、このシャーシ32の上下の水平支持板部33,34の間に垂直に架け渡されている垂直ガイド軸35と、この垂直ガイド軸35に取り付けたメディアキャリア36とを備えている。メディアキャリア36は、駆動モータ37によって垂直ガイド軸35に沿って昇降可能であるとともに、垂直ガイド軸35を中心に左右に旋回可能である。メディア搬送機構31によってメディア排出口6に搬送されてきたメディアは、このメディア排出口6から外部に取り出すことが可能である。
【0032】
上下の保管部21,22及びメディア搬送機構31の側方の部位には、上下に積層された2つのメディアドライブ41が配置され、これらメディアドライブ41の下側にレーベルプリンタ11の後述するキャリッジ62(図4参照)が移動可能に配置されている。
メディアドライブ41は、メディアへのデータ書き込み位置とメディアの受け取り及び受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ41aをそれぞれ有している。
【0033】
また、レーベルプリンタ11は、メディアのレーベル面へのレーベル印刷可能な位置とメディアの受け取り及び受け渡しを行うメディア受け渡し位置との間を移動可能なメディアトレイ51を有している。
【0034】
図2及び図3では、上側のメディアドライブ41のメディアトレイ41aが手前に引き出されてメディア受け渡し位置にある状態、及び下側のレーベルプリンタ11のメディアトレイ51が奥側のレーベル印刷可能位置にある状態が示されている。また、レーベルプリンタ11はインクジェットプリンタであり、インク供給機構71として各色(本実施形態ではブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの6色)のインクカートリッジ12が用いられ、これらのインクカートリッジ12がカートリッジ装着部14の各カートリッジホルダ13に前方から装着されている。
【0035】
ここで、ブランクメディア保管部21の左右一対の枠板24,25の間及び作成済みメディア保管部22の左右一対の枠板27,28の間には、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が昇降可能な隙間が形成されている。また、これら上下のブランクメディア保管部21と作成済みメディア保管部22との間には、メディア搬送機構31のメディアキャリア36が水平に旋回して、作成済みメディア保管部22の真上に位置できるように隙間が開いている。さらに、メディアトレイ41aをメディアドライブ41に押し込むと、メディア搬送機構31のメディアキャリア36を下降させて、メディア受け渡し位置にあるメディアトレイ51にアクセス可能となっている。したがって、メディアキャリア36の昇降及び左右への旋回の組み合わせ動作によって、メディアを各部に搬送することが可能とされている。
【0036】
メディアトレイ51のメディア受け渡し位置の下方には、廃棄用メディアMDを保管するための廃棄用スタッカ52が配置されており、この廃棄用スタッカ52には、例えば30枚程度の廃棄用メディアMDが保管可能とされている。メディアトレイ51が廃棄用スタッカ52の上方のメディア受け渡し位置からデータ書き込み位置へ退避した状態にてメディア搬送機構31のメディアキャリア36により、廃棄用メディアMDを廃棄用スタッカ52に供給可能となっている。
【0037】
このような構成により、CDあるいはDVDからなるメディアは、ブランクメディア保管部21、作成済みメディア保管部22、廃棄用スタッカ52、メディアドライブ41のメディアトレイ41a及びレーベルプリンタ11のメディアトレイ51間を、メディア搬送機構31のメディアキャリア36によって搬送される。
【0038】
また、レーベルプリンタ11の前方側には、メディア処分機構92(図5参照)が取り付けられている。このメディア処分機構92は、プランジャなどの駆動機構によって突起部を突出させることにより、後側あるいは前側に移動するメディアトレイ51に搭載されたメディアに突起部を接触させ、メディアの記録面を機械的に破壊し、書き込み及び読み出しを不能な状態とする。
【0039】
次に、レーベルプリンタ11の構成について説明する。
図2から図4にも示すように、レーベルプリンタ11はインクジェットヘッド61を有するキャリッジ62を備えており、このキャリッジ62は、キャリッジガイド軸63に沿って、水平方向に往復移動可能に支持されている。そして、このキャリッジ62は、キャリッジガイド軸63に沿って水平に架け渡したタイミングベルト64と、これを駆動するためのキャリッジモータ65とを備えている。
【0040】
キャリッジ62に搭載されているインクジェットヘッド61は、そのノズル面が下向きとされており、インクジェットヘッド61の下側位置を、前後方向に水平にメディアトレイ51が往復移動可能となっている。メディアトレイ51は、その右側の端が、前後方向に水平に延びるガイド軸66によって支持され、その左側の端が、スライド可能な状態で、前後方向に水平に延びるガイドレール67によって支持されている。このメディアトレイ51の駆動機構も、前後方向に水平に架け渡した図示しないタイミングベルトと、これを駆動するためのトレイモータとを備えた構成となっている。
【0041】
レーベルプリンタ11は、インクカートリッジ12が装着されるカートリッジ装着部14を有するインク供給機構71を備えている。このインク供給機構71は、縦型構造を有しており、パブリッシャ1のベース72上に立設されて鉛直方向に配設されている。このインク供給機構71には、可撓性を有するインク供給チューブ73の一端が接続されており、このインク供給チューブ73の他端は、キャリッジ62に接続されている。
【0042】
そして、インク供給機構71のインクカートリッジ12のインクは、インク供給チューブ73を介してキャリッジ62に供給され、このキャリッジ62に設けられた図示しないダンパユニット及び背圧調整ユニットを経てインクジェットヘッド61に供給される。
なお、インク供給機構71には、その上部に、加圧機構74が設けられており、この加圧機構74は、インクカートリッジ12内を加圧し、インクカートリッジ12内のインクパックに貯留しているインクを送り出す。
【0043】
また、キャリッジ62のホームポジション(図4に示す位置)における下方側には、インク吸引機構81が設けられている。このインク吸引機構81は、ホームポジションに配置されたキャリッジ62の下面に露出するインクジェットヘッド61のノズルを覆うキャップ82と、インクジェットヘッド62のヘッドクリーニング動作やインク充填動作によってキャップ82に排出された廃インクを吸引する廃インク吸引ポンプ83とを備えている。
【0044】
そして、このインク吸引機構81の廃インク吸引ポンプ83によって吸引された廃インクは、チューブ84を介して、廃インク吸収タンク85へ送り込まれる。
この廃インク吸収タンク85は、ケース86内に図示しない吸収材を配設したもので、その上面は、複数の孔部87を有するカバー88によって覆われている。
なお、廃インク吸引機構81の下方には、廃インク吸収タンク85の一部である廃インク受け部89が設けられ、廃インク吸引機構81から滴下した廃インクを受け止め、吸収材によって吸収するようになっている。
【0045】
メディアトレイ51は、矩形の板の上面に、メディアを載せるための円形の浅い凹部51aを備えている。また、この凹部51aの中心部には、同心円上において120度間隔に配置された図示せぬ3本の垂直爪を備えている。そのうち2本の垂直爪は半径方向に一体となって移動可能であり、残りの1本の垂直爪は、固定位置に配置されている。電磁ソレノイドなどの不図示の駆動機構によって2本の垂直爪が移動するようになっている。
【0046】
メディアを、そのレーベルなどが印刷されるレーベル面を上向きにして、上から凹部51aに落とすと、メディアのセンターホールに3本の垂直爪が差し込まれた状態になる。この後に、2本の垂直爪を半径方向の外方に僅かに移動すると、これら3本の垂直爪がメディアのセンターホールの内周面に内側から押し付けられた状態になる。これにより、メディアがメディアトレイ51に保持される。この状態で、図示せぬトレイモータを駆動して、メディアトレイ51をガイド軸66に沿って後ろ側に移動させ、インクジェットヘッド61の印字領域内まで移動させることができる。この後は、インクジェットヘッド61によって、メディアのレーベル面に所定の印刷を施すことができる。
【0047】
なお、廃インク吸収タンク85は、インクジェットヘッド61の印字領域における下方位置にも配置されており、インクジェットヘッド61から滴下したインク液が廃インク吸収タンク85によって受け止められるようになっている。
【0048】
次に、パブリッシャ1の内部構成について説明する。
図5に示すように、パブリッシャ1は、各部の制御を司る制御部91を有し、パブリッシャ1内の各部間の動作制御を行う中央制御部となっている。具体的には、メディアドライブ41、レーベルプリンタ11、メディア搬送機構31等の動作を制御する。
【0049】
パブリッシャ1は、メディア作成のための機能に加えて、作成後に不要となった使用済みメディアMCを、データ書き込み、データ読み出し不能な状態に処分するためのメディア処分機構92を備え、また、このメディア処分機構92によって処分される使用済みメディアMCのレーベル面の印刷画像を読み取るための、例えば、CCDなどを有するラインセンサからなる画像センサ93と、読み取られたレーベル面の印刷画像をメディア処分機構92によるメディア処分履歴94aとして記憶するための記憶部94を備えている。
【0050】
メディア処分機構92は、前述したように、レーベルプリンタ11におけるメディアトレイ51の動きを利用して、使用済みメディアMCの記録面に機械的に傷を付けて、データの読み出し及び書き込みが不能の廃棄用メディアMDとするようになっている。
レーベル面の印刷画像の読取用の画像センサ93は、例えば、メディア搬送機構31に搭載されている。メディア搬送機構31に把持された使用済みメディアMCを回転させ、このメディアMCのレーベル面に受光面が対峙する状態で、メディア半径方向に沿って配置されている画像センサ93によって、レーベル面の全体の印刷画像を読み取るようになっている。この代わりに、メディア搬送機構31に把持された使用済みメディアMCのレーベル面に沿って、その半径方向に配置されている画像センサ93側を回転させて、レーベル面の全印刷画像を読み取るようにしても良い。
【0051】
さらに、制御部91には操作部95が接続されており、操作部95には認証用のパスワードなどを入力するためのテンキーなどの英数字キ一群、各種のファンクションキ一群、及び状態表示ランプなどの表示器群が配置されている。また、制御部91は、通信用のインターフェース96を介して、専用通信回線あるいは一般通信回線によって上位機器97と接続されている。通常は、上位機器97側から制御部91に供給されるメディア作成指令、メディア処分指令などに基づき、メディア作成動作(データ書き込み動作、レーベル面印刷動作)、メディア処分履歴作成動作(レーベル面印刷画像読取動作)、メディア処分動作などが起動するようになっている。
【0052】
次に、上記のパブリッシャ1におけるレーベルプリンタ11を構成するインク供給機構71の具体的な構造について説明する。
図6はインク供給機構を側方から見た斜視図、図7はインク供給機構を後方から見た斜視図、図8はインク供給機構を示す分解斜視図、図9はインクカートリッジの斜視図、図10はカートリッジホルダの斜視図、図11(A)はインクカートリッジを装着したカートリッジホルダを示す平面図、図11(B)はカートリッジホルダの部分断面図、図12(A)はインク供給機構の背面図、図12(B)は図12(A)中B−B線の断面図、図13(A)は上方から見た廃液収容部の斜視図、図13(B)は下方から見た廃液収容部の斜視図である。
【0053】
図6及び図7に示すように、インク供給機構71は、パブリッシャ1の基台であるベース72(図2〜図4参照)に垂直に立設されるフレーム110を有している。このフレーム110は、鋼板を折り曲げ加工することにより断面視L字状に形成されたもので、カートリッジ取付板部111及びバルブユニット取付板部112を有している。また、このフレーム110には、その上部に、回路基板118が設置される基板取付板部113が水平に形成されている。
【0054】
カートリッジ取付板部111には、板状に形成された流路ユニット114を介して、カートリッジ装着部14を構成する複数(本実施形態では例えば6個)のカートリッジホルダ13が固定されており、これらカートリッジホルダ13に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタのインクを貯留した各色のインクカートリッジ12が着脱可能とされている。このように、各カートリッジホルダ13はフレーム110に対して流路ユニット114とともに組み付けられて、カートリッジホルダユニットが構成されている。また、このカートリッジホルダユニットは、上下に積層して組み付けられたカートリッジホルダ13の最下段の下に、カートリッジホルダ13内でインクカートリッジ12から漏れたインク(廃液)を収容可能な廃液収容部39を着脱可能に備えている。
【0055】
図9に、カートリッジホルダ13に収容されるインクカートリッジ12の一例を示す。
インクカートリッジ12は、ほぼ直方体形状のカートリッジケース151を有しており、カートリッジケース151の内部には仕切り板により隔てられた1対の空気室が形成されている。各空気室内には、それぞれインクを収容するインクパック153が収容されている。各インクパック153には、インクパック153の内部に連通するインク導出部材154が設けられている。カートリッジケース151の後面151aの中央部には、カートリッジケース151の内外を連通する取着孔155が設けられており、これら取着孔155を介してインク導出部材154の導出口154aが露出している。この導出口154aには、カートリッジホルダ13内に配置されたインク供給針が挿入されてインク供給針を介してインクが導出される。カートリッジケース151の後面151aにおける取着孔155の近傍には、それぞれ各空気室に空気を圧入するための空気導入孔156が設けられている。さらにカートリッジケース151の後面151aには、取着孔155及び空気導入孔156を挟むようにして一対の挿入穴157が設けられている。これらの挿入穴157は、カートリッジホルダ13内の位置決め部材が挿入されるものであり、カートリッジケース151の内部空間とは連通していない。
【0056】
カートリッジケース151の一側面の前端部には、ICチップ158が設けられている。このICチップ158は、インクカートリッジ12をカートリッジホルダ13内に挿入して装着した際に、パブリッシャ1の制御部91と電気的に接続されるようになっている。ICチップ158には、各インクパック153内のインクの種類や残量等に関する情報が記憶されている。
【0057】
インクカートリッジ12は、カートリッジケース151の空気導入孔156から空気室に加圧空気を導入することにより、インクパック153を押し潰して、インクパック153内部に収容されているインクを、インク導出部材154を介して圧送するようになっている。
【0058】
図10に示すように、前述したインクカートリッジ12を収容するカートリッジホルダ13は、前面にインクカートリッジ12を出し入れするための開口43が設けられるとともに、上面が開口したほぼ直方体の箱状に形成されている。カートリッジホルダ13の後面13aには、インクカートリッジ12の空気室に空気を圧入するための空気供給部材45を保持する空気供給部材保持部45aが、インクカートリッジ12の空気導入孔156に対応して設けられている。また、空気の圧入によってインクカートリッジ12からインクを押し出すためのインク導出部材154に対応してインク供給針保持部45bが設けられている。各インク供給針保持部45bの内周面には、合成ゴムなどからなるシール部材49が装着されている。空気供給部材保持部45a及びインク供給針保持部45bは、インクカートリッジ12の構成に対応してそれぞれ上下2段に設けられている。また、カートリッジホルダ13を流路ユニット114に固定するためのネジ穴47a、及びカートリッジホルダ13を流路ユニット114を挟んでフレーム110に固定するためのネジ穴47bが設けられている。本実施形態では、例えばネジ穴47aを1箇所、ネジ穴47bを2箇所に設けてある。
【0059】
さらに、カートリッジホルダ13の両側面前端部付近には、上下のカートリッジホルダ13と接続するための係止部46が設けられている。係止部46においては、上側のカートリッジホルダ13を係止するために上方かつ両外側に突出して設けられている係止爪46aと、下側のカートリッジホルダ13の係止爪46aによって係止される係止凹部46bを有している。また、カートリッジホルダ13の前面には、各カートリッジホルダ13の流路ユニット114に対する正しい組み付け位置を識別するためのカートリッジホルダ識別部44が設けられている。
【0060】
また、カートリッジホルダ13の内部空間後部には、スライダ48が前後方向に沿って移動可能に設けられている。スライダ48におけるカートリッジホルダ13のインク供給針保持部45bに対応する位置にはインク導出針48a(図11(A)参照)が設けられており、インクカートリッジ12をカートリッジホルダ13にセットする際に、インクカートリッジ13のインク導出部材54の内部に挿入される。また、スライダ48の前後両面におけるインク導出針48aの近傍には、インク導出針48aから漏れたインクを吸収するためのインク吸収材48bが取り付けられている(図11(B)参照)。
【0061】
また、図11(A)に示すように、カートリッジホルダ13の底板13b上面には、インク導出針48aの下方に対応する位置から、カートリッジホルダ13の後面13aの端部まで、インク案内部としての溝13cを設けることが望ましい。これにより、インクカートリッジ12を取り外した際にインク導出針48aから漏れたインクは、溝13cを流れて、カートリッジホルダ13の後面13aから下方へ流下することになる。あるいは、他のインク案内部として、図11(B)に示すように、カートリッジホルダ13の底板13bのインク導出針48aの先端の下方に開口部13cを設け、開口部13cの周縁に沿って底板13bから下方へ突出するリブ13dを設けるようにしても良い。この場合には、インク導出針48aから漏れたインクは、開口部13cから下方へ滴下することになるが、リブ13dがあるため、インク(廃液)はカートリッジホルダ13の底板13bの下面を伝って広がることなく、下方へ滴下することになる。したがって、廃液の回収率が向上するとともに、カートリッジホルダユニットの外へインクが漏れ出すことを効果的に防止できる。
【0062】
図8及び図12に示すように、フレーム110のカートリッジ取付板部111とカートリッジホルダ13との間に取り付けられる流路ユニット114は、一枚の板状に形成されたもので、合成樹脂等から形成され、その内部にインク流路及び空気流路が形成されている。流路ユニット114には、カートリッジ装着部14の各カートリッジホルダ13の空気供給部材保持部45a及びインク供給針保持部45bに対応して、インク導出部53及び空気供給部材挿通孔54が各々上下2段に設けられている。また、カートリッジホルダ13のネジ穴47a,47bに対応して、1箇所にネジ穴55a、2箇所にネジ穴55bが設けられている。
【0063】
流路ユニット114の上端部には加圧空気を導入するための空気導入口56が設けられており、下方に向かってパイプ状の空気流路57が配設されている。この空気流路57は、途中で各カートリッジホルダ13に対応する位置で枝分かれして一旦後面側へ導かれ、後面側からパイプ58(図7参照)を介して各段のカートリッジホルダ13の空気供給部材保持部45aに装着される空気供給部材まで接続される。その際、パイプ58は後面側から空気供給部材挿通孔54を挿通させて前面側へ配設される。
【0064】
インク導出部53には、カートリッジホルダ13の内側へ向けてインク供給針48aが取り付けられる。また、流路ユニット114内にはインク導出部53と連通したインク流路が設けられており、インクカートリッジ12から圧送されたインクをフレーム110の前面側に導いて、図7に示すように連結チューブ124を介してフレーム110に装着されたバルブユニット122へ送る。バルブユニット122は、フレーム110のバルブユニット取付板部112に着脱可能に取り付けられており、各カートリッジホルダ13に装着されるインクカートリッジ12に対応したチョークバルブ121を有する。
【0065】
図7に示すように、バルブユニット122は、連結チューブ124を装着した側と反対側に突出する複数の接続管127が形成されている。これら接続管127は、バルブユニット122の略中間高さ位置にて狭い間隔にて配列されたもので、それぞれ各チョークバルブ121に連通されている。そして、これら接続管127には、キャリッジ62に接続された可撓性を有するインク供給チューブ73(図4参照)が接続される。
【0066】
また、図11に示すように、流路ユニット114においてカートリッジホルダ13が取り付けられる前面114aには、各段のカートリッジホルダ13に設けられているカートリッジホルダ識別部44(図10参照)に対向する位置に流路側識別部59が設けられている。カートリッジホルダ識別部44と流路側識別部59は、正しいカートリッジホルダ13が取り付けられる場合にのみ互いに干渉しない突起構造であり、間違ったカートリッジホルダ13を取り付けようとすると複数個の突起の組み合わせ構造を有するカートリッジホルダ識別部44と流路側識別部59とが互いに干渉して装着できないので、容易に誤装着を識別することができるようになっている。
【0067】
図12及び図13に示すように、積層されているカートリッジホルダ13の最下段の下には、廃液収容部39が設けられている。廃液収容部39は、積層したカートリッジホルダ13の下面とカートリッジホルダ13に組み付けられた流路ユニット114の下端面をカバーする開口39Aを上面に有している。このため、カートリッジホルダ13あるいは流路ユニット114を伝って流れてくる漏れインク(廃液)を確実に受けることができ、このカートリッジホルダユニット外へのインク漏れを防止することができる。なお、インクの漏れは、インクカートリッジ12をインク導出針48aから外す時にインクカートリッジ12内の圧力が陽圧となっていて、インクカートリッジ12がインク導出針48aから外れた時にインク導出針48aからインクが漏れ出てくることで発生したり、カートリッジホルダ13のシール部材49からインクが漏れ出て発生することもある。シール部材49から漏れ出たインクは、流路ユニット114を伝って下方へ流れるが、上記開口39Aを有する廃液収容部39により確実に回収可能である。
【0068】
また、図13(A)に示すように、廃液収容部39の内部は、リブ39cによって細かく区切り、適度な強度を確保しておくと良い。また、廃液収容部39の内部にインク吸収材を設けておくと、廃液収容部39に流れてきた廃液をそのインク吸収材により捕捉しておくことができるため、廃液収容部39を取り外す際などに廃液収容部39を傾けても廃液がこぼれてしまうことを防止できる。
【0069】
廃液収容部39は、後壁39Bにネジ穴39a(図13(B)参照)が設けられており、フレーム110に対してネジ39bで止められている。このように、複数個のカートリッジホルダ13は流路ユニット114とともにフレーム110に対して組み付けて固定される一方で、この廃液収容部39は直接フレーム110に対して組み付けてネジ39bにより固定される。そのため、カートリッジホルダ13と流路ユニット114の組み付け状態に関わらず廃液収容部39の組み付け及び取り外しを行うことができる。したがって、廃液収容部39の廃液の収容量が多くなった時などに、ネジ39bを外すことにより廃液収容部39を取り外して廃液を処理したり、新たな廃液収容部39と交換したりすることが容易である。
【0070】
また、廃液収容部39には、最下段のカートリッジホルダ13の係止凹部46bと係止する係止爪39eが設けられており、これはカートリッジホルダ13の係止爪46aと同じ構造である。すなわち、カートリッジホルダ13相互の組み付けと同じようにして廃液収容部39をカートリッジホルダ13の下側に組み付けることが可能である。廃液収容部39は、最下段のカートリッジホルダ13の係止凹部46bに対して係止爪39eが係合されつつ、フレーム110に対して接近及び離反方向にスライド可能であり、組み付け時にはフレーム110へ向かってスライドさせてフレーム110に突き当てた後、ネジ穴39aにネジ39bを締め付けてフレーム110に対して組み付けて容易に固定することができる。廃液収容部39を取り外す際には、ネジ39bを外してフレーム110から離れる方向(図12(B)の右側)にスライドさせればよい。このように、廃液収容部39は、ネジ39bを外すことにより引き出して容易に交換することができる。
また、図13(B)に示すように、廃液収容部39の底面には、ベース72に対して摺接してスライドしやすいように四隅にガイド39dが設けられている。
【0071】
以上説明したように、上記実施形態のカートリッジホルダユニット及び記録装置(レーベルプリンタ11)によれば、カートリッジホルダ13を上下方向に積層した構造であっても、カートリッジホルダ13あるいは流路ユニット114を伝って流れてくる漏れインク(廃液)を、最下段のカートリッジホルダ13の下方に設けた廃液収容部39によって確実に収容することができ、カートリッジホルダユニット外へのインク漏れを確実に防止することができる。また、カートリッジホルダユニットから外へ廃液が漏れることが確実に防がれるため、レーベルプリンタ11内を廃液で汚さず、レーベルプリンタ11内に廃液が広がることによる不具合の発生を防止することができる。したがって、レーベルプリンタ11の信頼性を高め、メンテナンスにかかるランニングコストを低減することができる。
【0072】
なお、本発明に係るカートリッジホルダユニット及び記録装置は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、記録装置をCDあるいはDVD等の円板状のメディアのレーベル面を印刷するレーベルプリンタ11として、メディアを処理するパブリッシャ1に適用した場合を例示したが、これに限らず、例えば用紙などのシート状の記録媒体に印刷を行うプリンタや、ファクシミリやコピー機能を備えた複合機等の記録装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の記録装置に係るパブリッシャ(メディア処理装置)の外観斜視図である。
【図2】パブリッシャのケースを外した状態の前方側の斜視図である。
【図3】パブリッシャのケースを外した状態の後方側の斜視図である。
【図4】パブリッシャに設置された記録装置部分の斜視図である。
【図5】パブリッシャの内部概略構成図である。
【図6】インク供給機構を側方から見た斜視図である。
【図7】インク供給機構を後方から見た斜視図である。
【図8】インク供給機構を示す分解斜視図である。
【図9】インクカートリッジの一例を示す斜視図である。
【図10】カートリッジホルダの斜視図である。
【図11】(A)はインクカートリッジを装着したカートリッジホルダを示す平面図、(B)はカートリッジホルダの部分断面図である。
【図12】(A)はインク供給機構の背面図、(B)は(A)中B−B線の断面図である。
【図13】(A)は上方から見た廃液収容部の斜視図、(B)は下方から見た廃液収容部の斜視図である。
【図14】従来のカートリッジホルダの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0074】
1…パブリッシャ、11…レーベルプリンタ(記録装置)、12…インクカートリッジ、13…カートリッジホルダ、31…メディア搬送機構、39…廃液収容部、41…メディアドライブ、71…インク供給機構、61…インクジェットヘッド、62…キャリッジ、74…加圧機構、110…フレーム、114…流路ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクカートリッジ内に収容されているインクを圧送するために当該インクカートリッジ内に加圧空気を供給するための空気流路と、前記インクを供給するためのインク流路とを有する流路ユニットに対して、前記インクカートリッジを保持するための複数個のカートリッジホルダが上下に積層して組み付けられたカートリッジホルダユニットであって、
積層した前記カートリッジホルダの最下段の下に、前記カートリッジホルダで漏れたインクを収容可能な廃液収容部が設けられていることを特徴とするカートリッジホルダユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジホルダユニットであって、
複数個の前記カートリッジホルダが、前記流路ユニットとともにフレームに対して組み付けて固定され、前記廃液収容部が直接前記フレームに対して組み付けて固定されることを特徴とするカートリッジホルダユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のカートリッジホルダユニットであって、
前記廃液収容部は、最下段の前記カートリッジホルダに係合されつつ前記フレームに対して接近及び離反方向にスライド可能であり、前記フレームに対してネジ止めされることを特徴とするカートリッジホルダユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載のカートリッジホルダユニットであって、
前記カートリッジホルダには、漏れたインクを前記廃液収容部へ向けて案内するインク案内部が設けられていることを特徴とするカートリッジホルダユニット。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のカートリッジホルダユニットであって、
前記廃液収容部にインク吸収材が設けられていることを特徴とするカートリッジホルダユニット。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のカートリッジホルダユニットであって、
前記廃液収容部は、積層した前記カートリッジホルダの下面と当該カートリッジホルダに組み付けられた前記流路ユニットの下端面に臨む開口を上面に有することを特徴とするカートリッジホルダユニット。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載のカートリッジホルダユニットを備えていることを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−44256(P2008−44256A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222807(P2006−222807)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】