カートンスリーブ収納包装方法
【課題】偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブの収納包装及び開封作業における作業性を良くするとともに、カートン容器製函業者などに納入するための一括包装用ケースを、安価に製函することができ、また低コストにて収納包装できるカートンスリーブ収納包装方法を提供することにある。
【解決手段】偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブ１を複数枚重ね合わせて集積しテープ１０にて結束したスリーブ結束体Ａと、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用と洗浄が可能な一括包装ケースＢとにより構成され、該一括包装ケースＢ内に複数の前記スリーブ結束体Ａを一括収納包装する。
【解決手段】偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブ１を複数枚重ね合わせて集積しテープ１０にて結束したスリーブ結束体Ａと、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用と洗浄が可能な一括包装ケースＢとにより構成され、該一括包装ケースＢ内に複数の前記スリーブ結束体Ａを一括収納包装する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、パッケージ分野において、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブをカートン容器製函業者に納入するために、包装ケース内に一括して収納包装するためのカートンスリーブ収納包装方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の収納包装方法としては、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚ずつクラフト包装した後、そのクラフト包装体の複数個を、ライナーシートとコルゲートシートを用いた従来の紙製のダンボール箱内に一括収納包装するものであったが、紙製のダンボールには、紙粉の発生があり、また再使用、繰り返し使用、通いケース性などが無いために、近年、市場の衛生上の問題への関心の高まり、及び産業廃棄物低減の流れが加速しており、紙製のダンボールに対する脱ダンボールの要望が生じてきている。
【０００３】
そこで、紙製のダンボールに替わって、フィルムを周囲に巻回して一括包装するストレッチ包装方式や、プラスチック製のダンボールケースを用いた通いケース方式等が採用されるようになってきている。
【０００４】
例えば、クラフト包装の場合には、偏平状に折り畳んだ角筒状カートンスリーブの複数枚ずつを、クラフト紙にて同一直方体の形状にクラフト包装した後に、それらのクラフト包装体の複数個をパレット上に縦、横方向に集積し、そのパレットに集積されたクラフト包装体の集積体の各コーナーに支柱を立て、その周囲をフィルムにより巻回してストレッチ包装する包装方式が採用されている。
【０００５】
しかしながら、クラフト包装体の場合には、包装体に防虫対策として接着テープを用いているため、包装体を開封してカートンスリーブをカートン製函充填密封機に装填する際の作業性が悪い問題がある。
【０００６】
また、プラスチック製ダンボール（通称；プラダン）を用いた収納包装の場合には、紙粉の発生は無いものの、プラダンを用いた箱状ケースの製函装置が高価であり、また装置が大掛かりになるためにコスト高になる傾向があり、またダンボールのコルゲートシートの波部に虫が浸入する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明の課題は、このような不都合を解消することにあり、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブの収納包装及び開封作業における作業性を良くするとともに、カートン容器製函業者などに納入するための一括包装用ケースを、安価に製函することができ、また低コストにて収納包装できるカートンスリーブ収納包装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚重ね合わせて集積しテープにて結束したスリーブ結束体Ａと、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用可能な一括包装ケースＢとにより構成され、該一括包装ケースＢ内に複数の前記スリーブ結束体Ａを一括収納包装することを特徴とするカートンスリーブ収納包装方法である。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のカートンスリーブ収納包装方法によれば、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚重ね合わせて集積しテープにて結束した複数個のスリーブ結束体Ａを、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用可能な一括包装ケースＢ内に収納して一括包装して、カートン容器製函業者などに納入することができるものである。
【００１０】
偏平状に折り畳んだ各々角筒状カートンスリーブは、プラスチック製、紙製、ゴム製等のリング状テープや巻回用テープ等のテープによって、所定枚数を重ね合わせて簡単に結束することができる。
【００１１】
一括包装ケースＢは、発泡プラスチックシートにより製函されているために、耐水性があり、水性洗剤（又は水性溶剤）に対しても耐性があり、また該ケースＢのプラスチックの種類に対応して選択される該ケースＢの劣化や溶解を生じない油性洗剤（又は油性溶剤）に対しての耐油性があり、そのために、それら洗剤や溶剤を用いた洗浄、浄化が可能であり、繰り返し使用が可能であり、通い用ケースとして使用展開が可能になる。
【００１２】
また、本発明のカートンスリーブ収納包装方法によれば、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の各々角筒状カートンスリーブは、所定枚数（例えば５０〜１００枚）ずつを取り付け易く取り外し易いテープによって結束するためにスリーブ結束が容易であり、また、一括包装ケースＢ内に収納する際は、所定枚数ずつ結束された角筒状カートンスリーブの結束体Ａとして、そのまま該結束体Ａを１個ずつ一括包装ケースＢ内に収納包装することができるために、収納する際のスリーブ同士の突き揃えの手間が掛からず、整然とした状態で一括包装ケースＢ内に容易に収納包装することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明のカートンスリーブ収納包装方法の実施の形態を、図面に沿って以下に詳細に説明すれば、図１（ａ）は、本発明の収納包装方法にて包装されるカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブ１の全体斜視図であり、角筒状カートンスリーブ１は、折目ａを介して四側面板を有する胴部２と、該胴部２の各々側面板には折目ｂを介して連設されたトップ成形部３と折目ｇを介して連設されたボトム成形部４とを備えている。
【００１４】
図１（ｂ）は、カートン容器製函用の前記角筒状カートンスリーブ１を、対向する一対の折目ａ、ａにて偏平状に折り畳んだカートンスリーブ１を、所定枚数（例えば５０〜１００枚程度）重ね合わせて集積し、テープ１０にて結束したスリーブ結束体Ａである。
【００１５】
前記テープ１０の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、プラスチックフィルム（シート）、紙、ゴムシートなどであり、そのテープ１０の形状は、テープの両端部がリング状に予め連結しているものでもよいし、あるいはテープ両端部がリボン状に開放していて後に結び目を作って連結するものでもよい。
【００１６】
図２は、本発明の収納包装方法にて使用される一括包装ケースＢの一例を示す全体斜視図であり、該ケースＢは、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡アクリル等、あるいはこれらの複合材料を用いて発泡成形された発泡プラスチックプレートにより製函された直方体や立方体の箱状体であり、公知のダンボールシートと同様に剛性のあるこの発泡プラスチックプレートは、プレート層内部に不連続な多数の気泡を備えており、軽量化されている。
【００１７】
上記一括包装ケースＢの構造や形体としては、特に本発明においては限定されるもので
はなく、例えば、図２に示すような公知の構造の直方体形状の箱状体であり、それぞれ折目ｍを介して連設した四つの側面板２０、２０、２０、２０と、閉鎖する底面板２１と、開閉可能な上面板２２、２２と、開閉可能なフラップ板２３、２３とにより構成され、開閉可能な上面板２２、２２と、フラップ板２３、２３には、それぞれ接着閉鎖用の両面粘着テープ領域、あるいは結合閉鎖用の平面ジッパ（マジックテープ(登録商標)）等による封止部２４、２５が形成されている。
【００１８】
前記各々折目ｍは、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡アクリル等、あるいはこれらの複合材料を用いて発泡成形された１枚の発泡プラスチックプレートを、折目線状に罫押し加工して形成された折目線状肉薄部により形成されている。
【００１９】
また、前記各々折目ｍは他の形態によって形成されていてもよく、例えば、発泡成形された１枚の発泡プラスチックプレートを、それぞれ箱状体を構成するパーツプレートとして、箱状体を構成する四つの側面板２０、２０、２０、２０と、閉鎖する底面板２１と、開閉可能な上面板２２、２２と、開閉可能なフラップ板２３、２３のそれぞれサイズ相当に裁断して、得られた各々パーツプレートを、ビニル製の接着テープやガムテープなど柔軟な連結材にて折り曲げ可能に接続して、その連結材部分を折目ｍとしてもよい。
【００２０】
図３は、角筒状カートンスリーブ１の包装順序を説明する斜視図であり、図３（ａ）に示すように、角筒状カートンスリーブ１を対向する一対の折目ａ、ａにて偏平状に折り畳んだ偏平状のカートンスリーブ１を、所定枚数（例えば１００枚）に重ね合わせて集積して集積体を形成する。
【００２１】
続いて、必要に応じて、図３（ｂ）に示すように、その集積体を二つの折目ｃにて上向きコの字型に三つ折りしたトレーシート１１上に載置する。
【００２２】
その後、図３（ｃ）に示すように、その集積体の外側周囲にテープ１０を巻回して、１００枚ずつ偏平状のカートンスリーブ１を結束したスリーブ結束体Ａを、適宜個数、順次形成する。
【００２３】
なお、必要に応じて、図３（ｄ）に示すように、その結束体Ａの外側からシュリンクフィルム１２を被覆して包装することができる。
【００２４】
このようにして偏平状のカートンスリーブ１の集積体を結束した、図１（ｂ）又は図３（ｃ）又は図３（ｄ）に示す複数個の結束体Ａは、図２に示す一括包装ケースＢ内に整列して収納ほ包装されるものである。
【００２５】
図４（ａ）〜（ｃ）は、本発明のカートンスリーブ収納包装方法を説明する斜視図であり、図４（ａ）に示す一括包装ケースＢ内には、図４（ｂ）ニ示す偏平状のカートンスリーブ１の集積体を結束した複数個の結束体Ａを整列して収納し、ケースを閉鎖して、封止部２４、２５、あるいは梱包テープ、紐、接着テープ、梱包金具などの封止材にて封止して包装された後、所定の出荷先、発送先へ発送される。その後、一括包装ケースＢは出荷・発送先にて開封され、各結束体Ａ毎に取り出されて、結束テープ１０を取り外した偏平状のカートンスリーブ１の集積体は、カートン製函、充填包装機の機上に掛けられる。
【００２６】
結束テープ１０を取り外した偏平状のカートンスリーブ１の集積体は、カートン製函、充填包装機のカートン供給部（図示せず、フィーダー）に載置され、カートン製函、充填包装機の角筒立ち起こし手段、マンドレル手段（角筒状カートン保持手段）にて、カートン１は側面部２が偏平状から立体の四角形角筒状（図１（ａ）参照）に立ち起こされ、続
いてボトム形成ヒートシール手段を経て、ボトム成形部４はボトム成形ヒートシールされて、有底の角筒状カートン容器として製函された後、熱風殺菌手段、内容物充填手段等を経て、その角筒状カートン容器内に内容物が充填され、その後に、トップ成形ヒートシール手段にてトップ成形部３は成形ヒートシールされて、内容物の充填された角筒状カートン容器が密封包装される。
【００２７】
図５は、本発明のカートンスリーブ収納包装方法における一括包装ケースＢの繰り返し再使用（リユース）システムを説明する概略図であり、製函業者側（Ｉ）にて、図４（ａ）〜（ｂ）に示すように、一括包装ケースＢが製函され、さらにカートンスリーブ１及びそのカートンスリーブ１の偏平集積体をテープ１０にて結束した結束体Ａが作製されて、その結束体Ａが一括包装ケースＢ内に収納包装される。そして、結束体Ａを収納包装した一括包装ケースＢはカートン製函・充填密封包装業者側に発送、納入される。
【００２８】
次に、カートン製函・充填密封包装業者側（ＩＩ）にて、図４（ｃ）に示すように一括包装ケースＢが開封されて、該一括包装ケースＢ内から偏平状のカートンスリーブ１の集積体が取り出され、該偏平状のカートンスリーブ１はカートン容器として製函されて内容物が充填密封包装される。一方、空になった一括包装ケースＢは、洗浄業者（ＩＩＩ）に回収されて、所定の洗剤や溶剤、殺菌剤等によって洗浄、殺菌される。そして、洗浄、殺菌された一括包装ケースＢは再使用のために、製函業者に納入されて、再使用される。
【００２９】
以下に、本発明によるカートンスリーブ収納包装試験と、従来のダンボールによるカートンスリーブ収納包装試験と、従来のストレッチ包装によるカートンスリーブ収納包装試験の各々試験結果を、下記の表１にそれぞれ示す。
【００３０】
【表１】
表１より、本発明によるカートンスリーブ収納包装方法は、従来のダンボール箱包装及びストレッチ包装によるカートンスリーブ収納包装方法に比較して、約１３倍のコストが掛かるものの、繰り返し使用回数が２０〜３０倍あり、コスト高を打ち消すだけの作用、効果があるものである。
【００３１】
また、本発明によるカートンスリーブ収納包装方法は、従来のダンボール箱包装及びストレッチ包装によるカートンスリーブ収納包装方法に比較して、繰り返し使用における洗浄適性があり、寸法自由度もあり、また、結束体Ａを個別にフィルム包装（シュリンク包装）するために、虫等の異物の混入がなく衛生対応が良好であり、積載効率及び輸送強度も良好であった。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】（ａ）本発明のカートンスリーブ収納包装方法におけるカートンスリーブを説明する斜視図、（ｂ）は本発明のカートンスリーブ収納包装方法に使用するカートンスリーブの結束体Ａを説明する斜視図。
【図２】本発明のカートンスリーブ収納包装方法に使用される一括包装ケースの一例を説明する全体斜視図。
【図３】本発明のカートンスリーブ収納包装方法におけるカートンスリーブの結束体Ａの作製順序の一例を説明する全体斜視図。
【図４】（ａ）〜（ｃ）は本発明のカートンスリーブ収納包装方法を説明する斜視図。
【図５】本発明のカートンスリーブ収納包装方法における一括包装ケースの繰り返し再使用システムを説明する概要図。
【符号の説明】
【００３３】
Ａ…カートンスリーブ結束体
Ｂ…一括包装ケース
１…カートンスリーブ
２…側面部
３…トップ成形部
４…ボトム成形部
１０…結束テープ
１１…トレー
１２…包装フィルム
ａ、ｂ、ｇ、ｍ…折目
【技術分野】
【０００１】
本発明は、パッケージ分野において、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブをカートン容器製函業者に納入するために、包装ケース内に一括して収納包装するためのカートンスリーブ収納包装方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の収納包装方法としては、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚ずつクラフト包装した後、そのクラフト包装体の複数個を、ライナーシートとコルゲートシートを用いた従来の紙製のダンボール箱内に一括収納包装するものであったが、紙製のダンボールには、紙粉の発生があり、また再使用、繰り返し使用、通いケース性などが無いために、近年、市場の衛生上の問題への関心の高まり、及び産業廃棄物低減の流れが加速しており、紙製のダンボールに対する脱ダンボールの要望が生じてきている。
【０００３】
そこで、紙製のダンボールに替わって、フィルムを周囲に巻回して一括包装するストレッチ包装方式や、プラスチック製のダンボールケースを用いた通いケース方式等が採用されるようになってきている。
【０００４】
例えば、クラフト包装の場合には、偏平状に折り畳んだ角筒状カートンスリーブの複数枚ずつを、クラフト紙にて同一直方体の形状にクラフト包装した後に、それらのクラフト包装体の複数個をパレット上に縦、横方向に集積し、そのパレットに集積されたクラフト包装体の集積体の各コーナーに支柱を立て、その周囲をフィルムにより巻回してストレッチ包装する包装方式が採用されている。
【０００５】
しかしながら、クラフト包装体の場合には、包装体に防虫対策として接着テープを用いているため、包装体を開封してカートンスリーブをカートン製函充填密封機に装填する際の作業性が悪い問題がある。
【０００６】
また、プラスチック製ダンボール（通称；プラダン）を用いた収納包装の場合には、紙粉の発生は無いものの、プラダンを用いた箱状ケースの製函装置が高価であり、また装置が大掛かりになるためにコスト高になる傾向があり、またダンボールのコルゲートシートの波部に虫が浸入する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明の課題は、このような不都合を解消することにあり、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブの収納包装及び開封作業における作業性を良くするとともに、カートン容器製函業者などに納入するための一括包装用ケースを、安価に製函することができ、また低コストにて収納包装できるカートンスリーブ収納包装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚重ね合わせて集積しテープにて結束したスリーブ結束体Ａと、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用可能な一括包装ケースＢとにより構成され、該一括包装ケースＢ内に複数の前記スリーブ結束体Ａを一括収納包装することを特徴とするカートンスリーブ収納包装方法である。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のカートンスリーブ収納包装方法によれば、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚重ね合わせて集積しテープにて結束した複数個のスリーブ結束体Ａを、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用可能な一括包装ケースＢ内に収納して一括包装して、カートン容器製函業者などに納入することができるものである。
【００１０】
偏平状に折り畳んだ各々角筒状カートンスリーブは、プラスチック製、紙製、ゴム製等のリング状テープや巻回用テープ等のテープによって、所定枚数を重ね合わせて簡単に結束することができる。
【００１１】
一括包装ケースＢは、発泡プラスチックシートにより製函されているために、耐水性があり、水性洗剤（又は水性溶剤）に対しても耐性があり、また該ケースＢのプラスチックの種類に対応して選択される該ケースＢの劣化や溶解を生じない油性洗剤（又は油性溶剤）に対しての耐油性があり、そのために、それら洗剤や溶剤を用いた洗浄、浄化が可能であり、繰り返し使用が可能であり、通い用ケースとして使用展開が可能になる。
【００１２】
また、本発明のカートンスリーブ収納包装方法によれば、偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の各々角筒状カートンスリーブは、所定枚数（例えば５０〜１００枚）ずつを取り付け易く取り外し易いテープによって結束するためにスリーブ結束が容易であり、また、一括包装ケースＢ内に収納する際は、所定枚数ずつ結束された角筒状カートンスリーブの結束体Ａとして、そのまま該結束体Ａを１個ずつ一括包装ケースＢ内に収納包装することができるために、収納する際のスリーブ同士の突き揃えの手間が掛からず、整然とした状態で一括包装ケースＢ内に容易に収納包装することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明のカートンスリーブ収納包装方法の実施の形態を、図面に沿って以下に詳細に説明すれば、図１（ａ）は、本発明の収納包装方法にて包装されるカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブ１の全体斜視図であり、角筒状カートンスリーブ１は、折目ａを介して四側面板を有する胴部２と、該胴部２の各々側面板には折目ｂを介して連設されたトップ成形部３と折目ｇを介して連設されたボトム成形部４とを備えている。
【００１４】
図１（ｂ）は、カートン容器製函用の前記角筒状カートンスリーブ１を、対向する一対の折目ａ、ａにて偏平状に折り畳んだカートンスリーブ１を、所定枚数（例えば５０〜１００枚程度）重ね合わせて集積し、テープ１０にて結束したスリーブ結束体Ａである。
【００１５】
前記テープ１０の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、プラスチックフィルム（シート）、紙、ゴムシートなどであり、そのテープ１０の形状は、テープの両端部がリング状に予め連結しているものでもよいし、あるいはテープ両端部がリボン状に開放していて後に結び目を作って連結するものでもよい。
【００１６】
図２は、本発明の収納包装方法にて使用される一括包装ケースＢの一例を示す全体斜視図であり、該ケースＢは、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡アクリル等、あるいはこれらの複合材料を用いて発泡成形された発泡プラスチックプレートにより製函された直方体や立方体の箱状体であり、公知のダンボールシートと同様に剛性のあるこの発泡プラスチックプレートは、プレート層内部に不連続な多数の気泡を備えており、軽量化されている。
【００１７】
上記一括包装ケースＢの構造や形体としては、特に本発明においては限定されるもので
はなく、例えば、図２に示すような公知の構造の直方体形状の箱状体であり、それぞれ折目ｍを介して連設した四つの側面板２０、２０、２０、２０と、閉鎖する底面板２１と、開閉可能な上面板２２、２２と、開閉可能なフラップ板２３、２３とにより構成され、開閉可能な上面板２２、２２と、フラップ板２３、２３には、それぞれ接着閉鎖用の両面粘着テープ領域、あるいは結合閉鎖用の平面ジッパ（マジックテープ(登録商標)）等による封止部２４、２５が形成されている。
【００１８】
前記各々折目ｍは、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ウレタン、発泡アクリル等、あるいはこれらの複合材料を用いて発泡成形された１枚の発泡プラスチックプレートを、折目線状に罫押し加工して形成された折目線状肉薄部により形成されている。
【００１９】
また、前記各々折目ｍは他の形態によって形成されていてもよく、例えば、発泡成形された１枚の発泡プラスチックプレートを、それぞれ箱状体を構成するパーツプレートとして、箱状体を構成する四つの側面板２０、２０、２０、２０と、閉鎖する底面板２１と、開閉可能な上面板２２、２２と、開閉可能なフラップ板２３、２３のそれぞれサイズ相当に裁断して、得られた各々パーツプレートを、ビニル製の接着テープやガムテープなど柔軟な連結材にて折り曲げ可能に接続して、その連結材部分を折目ｍとしてもよい。
【００２０】
図３は、角筒状カートンスリーブ１の包装順序を説明する斜視図であり、図３（ａ）に示すように、角筒状カートンスリーブ１を対向する一対の折目ａ、ａにて偏平状に折り畳んだ偏平状のカートンスリーブ１を、所定枚数（例えば１００枚）に重ね合わせて集積して集積体を形成する。
【００２１】
続いて、必要に応じて、図３（ｂ）に示すように、その集積体を二つの折目ｃにて上向きコの字型に三つ折りしたトレーシート１１上に載置する。
【００２２】
その後、図３（ｃ）に示すように、その集積体の外側周囲にテープ１０を巻回して、１００枚ずつ偏平状のカートンスリーブ１を結束したスリーブ結束体Ａを、適宜個数、順次形成する。
【００２３】
なお、必要に応じて、図３（ｄ）に示すように、その結束体Ａの外側からシュリンクフィルム１２を被覆して包装することができる。
【００２４】
このようにして偏平状のカートンスリーブ１の集積体を結束した、図１（ｂ）又は図３（ｃ）又は図３（ｄ）に示す複数個の結束体Ａは、図２に示す一括包装ケースＢ内に整列して収納ほ包装されるものである。
【００２５】
図４（ａ）〜（ｃ）は、本発明のカートンスリーブ収納包装方法を説明する斜視図であり、図４（ａ）に示す一括包装ケースＢ内には、図４（ｂ）ニ示す偏平状のカートンスリーブ１の集積体を結束した複数個の結束体Ａを整列して収納し、ケースを閉鎖して、封止部２４、２５、あるいは梱包テープ、紐、接着テープ、梱包金具などの封止材にて封止して包装された後、所定の出荷先、発送先へ発送される。その後、一括包装ケースＢは出荷・発送先にて開封され、各結束体Ａ毎に取り出されて、結束テープ１０を取り外した偏平状のカートンスリーブ１の集積体は、カートン製函、充填包装機の機上に掛けられる。
【００２６】
結束テープ１０を取り外した偏平状のカートンスリーブ１の集積体は、カートン製函、充填包装機のカートン供給部（図示せず、フィーダー）に載置され、カートン製函、充填包装機の角筒立ち起こし手段、マンドレル手段（角筒状カートン保持手段）にて、カートン１は側面部２が偏平状から立体の四角形角筒状（図１（ａ）参照）に立ち起こされ、続
いてボトム形成ヒートシール手段を経て、ボトム成形部４はボトム成形ヒートシールされて、有底の角筒状カートン容器として製函された後、熱風殺菌手段、内容物充填手段等を経て、その角筒状カートン容器内に内容物が充填され、その後に、トップ成形ヒートシール手段にてトップ成形部３は成形ヒートシールされて、内容物の充填された角筒状カートン容器が密封包装される。
【００２７】
図５は、本発明のカートンスリーブ収納包装方法における一括包装ケースＢの繰り返し再使用（リユース）システムを説明する概略図であり、製函業者側（Ｉ）にて、図４（ａ）〜（ｂ）に示すように、一括包装ケースＢが製函され、さらにカートンスリーブ１及びそのカートンスリーブ１の偏平集積体をテープ１０にて結束した結束体Ａが作製されて、その結束体Ａが一括包装ケースＢ内に収納包装される。そして、結束体Ａを収納包装した一括包装ケースＢはカートン製函・充填密封包装業者側に発送、納入される。
【００２８】
次に、カートン製函・充填密封包装業者側（ＩＩ）にて、図４（ｃ）に示すように一括包装ケースＢが開封されて、該一括包装ケースＢ内から偏平状のカートンスリーブ１の集積体が取り出され、該偏平状のカートンスリーブ１はカートン容器として製函されて内容物が充填密封包装される。一方、空になった一括包装ケースＢは、洗浄業者（ＩＩＩ）に回収されて、所定の洗剤や溶剤、殺菌剤等によって洗浄、殺菌される。そして、洗浄、殺菌された一括包装ケースＢは再使用のために、製函業者に納入されて、再使用される。
【００２９】
以下に、本発明によるカートンスリーブ収納包装試験と、従来のダンボールによるカートンスリーブ収納包装試験と、従来のストレッチ包装によるカートンスリーブ収納包装試験の各々試験結果を、下記の表１にそれぞれ示す。
【００３０】
【表１】
表１より、本発明によるカートンスリーブ収納包装方法は、従来のダンボール箱包装及びストレッチ包装によるカートンスリーブ収納包装方法に比較して、約１３倍のコストが掛かるものの、繰り返し使用回数が２０〜３０倍あり、コスト高を打ち消すだけの作用、効果があるものである。
【００３１】
また、本発明によるカートンスリーブ収納包装方法は、従来のダンボール箱包装及びストレッチ包装によるカートンスリーブ収納包装方法に比較して、繰り返し使用における洗浄適性があり、寸法自由度もあり、また、結束体Ａを個別にフィルム包装（シュリンク包装）するために、虫等の異物の混入がなく衛生対応が良好であり、積載効率及び輸送強度も良好であった。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】（ａ）本発明のカートンスリーブ収納包装方法におけるカートンスリーブを説明する斜視図、（ｂ）は本発明のカートンスリーブ収納包装方法に使用するカートンスリーブの結束体Ａを説明する斜視図。
【図２】本発明のカートンスリーブ収納包装方法に使用される一括包装ケースの一例を説明する全体斜視図。
【図３】本発明のカートンスリーブ収納包装方法におけるカートンスリーブの結束体Ａの作製順序の一例を説明する全体斜視図。
【図４】（ａ）〜（ｃ）は本発明のカートンスリーブ収納包装方法を説明する斜視図。
【図５】本発明のカートンスリーブ収納包装方法における一括包装ケースの繰り返し再使用システムを説明する概要図。
【符号の説明】
【００３３】
Ａ…カートンスリーブ結束体
Ｂ…一括包装ケース
１…カートンスリーブ
２…側面部
３…トップ成形部
４…ボトム成形部
１０…結束テープ
１１…トレー
１２…包装フィルム
ａ、ｂ、ｇ、ｍ…折目
【特許請求の範囲】
【請求項１】
偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚重ね合わせて集積しテープにて結束したスリーブ結束体Ａと、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用と洗浄が可能な一括包装ケースＢとにより構成され、該一括包装ケースＢ内に複数の前記スリーブ結束体Ａを一括収納包装することを特徴とするカートンスリーブ収納包装方法。
【請求項１】
偏平状に折り畳んだカートン容器製函用の角筒状カートンスリーブを複数枚重ね合わせて集積しテープにて結束したスリーブ結束体Ａと、発泡プラスチックシートにより製函された繰り返し使用と洗浄が可能な一括包装ケースＢとにより構成され、該一括包装ケースＢ内に複数の前記スリーブ結束体Ａを一括収納包装することを特徴とするカートンスリーブ収納包装方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−１２３９３７（Ｐ２００６−１２３９３７Ａ）
【公開日】平成１８年５月１８日（２００６．５．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３１１９５６（Ｐ２００４−３１１９５６）
【出願日】平成１６年１０月２７日（２００４．１０．２７）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年５月１８日（２００６．５．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１０月２７日（２００４．１０．２７）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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