説明

カード印刷装置

【課題】装置全体の小型化を可能としつつ、カードを搬送して印刷を行う際のカード搬送精度およびカード印刷精度の向上が可能となるカード印刷装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るカード印刷装置は、挿入部から挿入されるカードの搬送機構と、搬送されるカードに印刷する印刷機構とを備え、該搬送機構は、動力部により駆動されるプラテンローラと、プラテンローラに固定される駆動プーリと、第1の従動プーリと、それらの間に張り渡されて、駆動プーリの回転によって周回移動する歯付ベルトと、第1の従動プーリに対向する第1のピンチローラとを備え、該印刷機構は、プラテンローラに対向する印刷ヘッドと、カードを印刷ヘッドとプラテンローラとの間で挟持する圧力付加部とを備えて構成され、歯付ベルトの外周面と第1のピンチローラとによってカードが挟持されて搬送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード印刷装置に関し、さらに詳細には、カードを搬送路上で搬送するカード搬送機構、および搬送される該カードに印刷を行う印刷機構を備えるカード印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カード用サーマル式(ライン)印刷装置の印刷機構の構造は、カード表面に感熱特殊塗料が塗布された感熱面をサーマルヘッドによって加熱し、加熱温度をコントロールすることにより印刷・消去を繰り返す種々の技術が提案されているが、近年ではロイコ染料を用いたロイコプリンタが多く使われるようになってきている。
【0003】
ロイコプリンタは、印刷幅と等しいサイズのサーマルヘッドにより、印刷面全幅をカバーし、カードの移動量に合わせて、ヘッドの各サーマルドットそれぞれの発熱温度とタイミングをコントロールすることにより、既に発色している部分を消去しつつ新たな印刷パターンを形成させるものである。
【0004】
従来のカード印刷装置(ロイコプリンタ)の例を図8に示す(特許文献1参照)。この装置101は、情報担体104のための入出力機構と、消去・印刷機構122が設けられており、情報、例えばキャラクタ、グラフィック等を、より有利にはデータ記憶エレメントあるいはバーコードを備えた情報担体104、例えばIDカード、有価カード、アクセスカードまたは商品ラベルカード等、の感熱層103(シート)に熱的に格納する装置102を備え、動作改善のため、消去・印刷機構122に出力制御回路が前置接続されており、情報の処理及び消去・印刷機構122への転送はプロセッサを介して行われるというものである。
【0005】
【特許文献1】特表2001−504765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の一般的なロイコプリンタの構造として、印刷されるカードを上下に挟持させるため、カード上方にサーマルヘッド、および、カード下方にサーマルヘッドの印刷のための押圧力を受ける位置に「プラテンローラ」と呼ぶ中軟質表面硬度を持つゴムローラが設けられる。
当該カードが、このプラテンローラの回転による表面摩擦力と他に設けられている搬送ローラ等の機構による搬送複合力によって所定の速度で所定距離進むことにより、搬送に合わせて印刷工程が行われる。
ただし、印刷位置までのカード搬送時には、印刷が行われないため印刷ヘッドをカードより離反させて待機させる。このとき、プラテンローラからはカードの搬送力が発生せず、したがって、別の位置に搬送ローラが複数配設される。例えば、プラテンローラを中心位置とする場合、ほぼ対称の前後位置にカード搬送ローラを少なくとも各1セット合計2セット設ける必要があり、当該2セットの搬送ローラ同士の間隔はカードの搬送方向長さよりも短くするのが一般的である。
【0007】
以上の構成を備えるカード印刷装置において、プラテンローラおよびカード進行方向前後に各1セットある搬送ローラは、搬送力を受けるカードの面に対する周速度に関して全ての当該搬送系ローラを完全に同期させて回転させないと、印刷送り精度に関し、特にドット単位でパターン表現がなされる微細印刷においては、送りエラー分の形状に“ずれ”が生じ、著しいときは印刷情報の判読が不可能となる。
そのため従来のカード印刷装置においては、搬送駆動系の伝達機構をタイミングベルトまたは歯車列により構成し、且つ堅牢な構造によって搬送路の両側に配置される構成が採用されていた。しかし、いずれの伝達方式も歯車の歯部を噛み合わせることから、微少な余裕(バックラッシ)がないと動作せず、その微少な組立隙間が搬送精度すなわち印字精度に直接影響を与えるため、細密な印刷、あるいは極小文字の印刷は難しいという課題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、装置全体の小型化を可能としつつ、カードを搬送して印刷を行う際のカード搬送精度およびカード印刷精度の向上が可能となるカード印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0010】
本発明に係るカード印刷装置は、挿入部から挿入されるカードを搬送路上で搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送される前記カードに印刷を行う印刷機構とを備えるカード印刷装置であって、前記搬送機構は、前記カードが搬送される方向と直交する回転軸で回転可能に設けられ、動力部により駆動されるプラテンローラと、前記プラテンローラに固定されて、該プラテンローラと同軸で回転可能に設けられる駆動プーリと、前記駆動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第1の従動プーリと、前記駆動プーリと前記第1の従動プーリとの間に張り渡されて、該駆動プーリの回転によって周回移動可能に設けられる歯付ベルトと、前記第1の従動プーリに対向させて、該第1の従動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第1のピンチローラとを備え、前記印刷機構は、前記プラテンローラの外周面に対向させて設けられる印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを所定の圧力で押圧することにより、前記カードを該印刷ヘッドと前記プラテンローラとの間で挟持する圧力付加部とを備え、前記第1の従動プーリとの噛み合い位置で前記搬送路側に露出される前記歯付ベルトの外周面に前記カードが接触することにより、該歯付ベルトの外周面と前記第1のピンチローラとによって該カードが挟持され、該歯付ベルトの周回移動と該第1のピンチローラの共回りとによって該カードの搬送が行われ、前記プラテンローラの外周面に前記カードが接触することにより、必要に応じて前記印刷ヘッドと該プラテンローラとによって前記カードが挟持され、該プラテンローラの回転によって該カードの搬送が行われると共に、該印刷ヘッドにより該カードに印刷が行われることを特徴とする。
【0011】
また、前記プラテンローラの半径と、前記歯付ベルトが前記駆動プーリに噛み合った状態における該駆動プーリの回転軸から該歯付ベルトの外周面までの半径とが同径であること、もしくは、前記プラテンローラの半径が、該プラテンローラが前記印刷ヘッドから受ける押圧力によって撓んだ場合に前記歯付ベルトが前記駆動プーリに噛み合った状態における該駆動プーリの回転軸から該歯付ベルトの外周面までの半径と同径となるように、該歯付ベルトの外周面までの半径より大きく構成されることを特徴とする。
【0012】
また、前記歯付ベルトの外周面が前記カードの裏面において接触する領域が、前記カードの印刷用面における印刷対象外領域に対応する領域となるように、前記プラテンローラと前記駆動プーリとが配設されることを特徴とする。
【0013】
また、前記第1の従動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第2の従動プーリを備えると共に、前記駆動プーリが中央となるように、該第1の従動プーリが一端側に、該第2の従動プーリが他端側にそれぞれ配設され、前記歯付ベルトが、前記第1の従動プーリから前記駆動プーリを経て前記第2の従動プーリに至るように周回移動可能に張り渡されて、前記第2の従動プーリに対向させて、該第2の従動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第2のピンチローラを備え、前記第2の従動プーリとの噛み合い位置で前記搬送路側に露出される前記歯付ベルトの外周面に前記カードが接触することにより、該歯付ベルトの外周面と前記第2のピンチローラとによって該カードが挟持され、該歯付ベルトの周回移動と該第2のピンチローラの共回りとによって該カードの搬送が行われることを特徴とする。
【0014】
また、前記第1の従動プーリと前記駆動プーリとの間に第1のテンションプーリが設けられ、前記駆動プーリと前記第2の従動プーリとの間に第2のテンションプーリが設けられ、前記第1のテンションプーリおよび前記第2のテンションプーリは、それぞれが、前記歯付ベルトを、該歯付ベルトの外周面側から内周面側に押圧するように配設されて、該歯付ベルトが前記駆動プーリに円弧状に接触する噛み合い状態が構成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記駆動プーリは、前記プラテンローラの軸方向の両端側に2箇所設けられ、該それぞれの駆動プーリによって2本の歯付ベルトが駆動されることを特徴とする。
【0016】
また、前記カードの進行方向に対する左右両端部が、前記2本の歯付ベルトにそれぞれ接触するように、前記駆動プーリ、前記プラテンローラ、および前記歯付ベルトが構成されることを特徴とする。
【0017】
また、前記搬送路上を搬送される前記カードの位置を検知する位置検知センサを備え、前記位置検知センサによって前記カードが所定位置まで到達したことが検知されたときに、前記プラテンローラの回転方向を逆転させて、該カードを排出する排出部を兼ねた前記挿入部へ向けて該カードが搬送されることを特徴とする。
【0018】
また、前記カードは、所定の熱量を与えられることにより発色もしくは消色する可逆感熱記録媒体であり、前記印刷ヘッドは、所定の熱量を発生させるサーマルヘッドであることを特徴とする。
【0019】
また、前記動力部は、ステッピングモータであって、該ステッピングモータの1ステップの回転によって駆動される前記プラテンローラの外周面移動距離が、前記カードの最小印刷ドットと同一の長さもしく該最小印刷ドットの整数分の一の長さであることを特徴とする。
【0020】
また、前記プラテンローラの外周面および前記歯付ベルトの外周面は、ゴム材料もしくは樹脂材料により形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1によれば、歯付ベルトに搬送力と動力伝達を担わせる構成を備えて、プラテンローラ、駆動プーリ、第1の従動プーリのカード搬送動作を完全同期させることが可能となる。それによって、同一のカード搬送方向においては、送り噛み合いガタの影響が発生せず、印刷送り精度を向上させることが可能となる。さらに、歯付ベルトが本体部内側のカードと接触可能なように、搬送機構が略カード幅内に設けられるため、カード印刷装置全体の幅を小さくすることが可能となる。
【0022】
請求項2によれば、歯付ベルトの外周面によってカードが搬送される速度と、プラテンローラによってカードが搬送される速度とを一致させることが可能となる。ここで、プラテンローラが印刷ヘッドから受ける押圧力によって僅かに撓むことを考慮した場合、撓んだときに同径となるようにプラテンローラの半径を歯付ベルトの外周面までの半径より僅かに大きくすることによって、上記速度の一致を高精度に達成することが可能となる。
また、速度を一致させる効果に加えて、プラテンローラの外周面と歯付ベルトの外周面との間に段差が生じないため、カードに変形(反り)が発生せず、その結果、カードへの印刷品質を均質化することが可能となる。
【0023】
請求項3によれば、カード印刷領域の裏面をプラテンローラで均一に支持することが可能となり、印刷ヘッドによる押圧力に対して均一で安定した反発力を発生させて、均一な印刷状態を得ることが可能となる。
【0024】
請求項4によれば、プラテンローラ、駆動プーリ、第1の従動プーリ、第2の従動プーリのカード搬送動作を完全同期させることが可能となる。また、第2の従動プーリを設けることにより、カードの搬送領域の拡大が可能となり、その結果、同一面積のカードにおける印刷可能領域の拡大が可能となる。
【0025】
請求項5によれば、印刷時にカードに印加される印刷ヘッドの押圧力を、同じ曲率からなる曲面で受けることができるため、カードの幅方向における当該押圧力がプラテンローラ上と、歯付ベルトの外周面上とで、ほぼ均一化することが可能となり、その結果、印字品質を均質化することが可能となる。
【0026】
請求項6によれば、カードにおける幅方向の左右両端部に搬送力を伝達させることができ、カードを搬送方向に対して蛇行させることなく直線的に進行させることが可能となる。その結果、印刷のブレをなくすことが可能となる。
【0027】
請求項7によれば、カードが幅方向で上方(印刷用面側)に凸状の反りが生じている場合に、カードにおける幅方向の左右両端部が、2本の歯付ベルトのそれぞれの外周面上を適度に横滑りすることにより、反りを解消させることが可能となる。
【0028】
請求項8によれば、挿入部を搬出部として共通利用することが可能となり、装置の簡素化が可能となる。
【0029】
請求項9に記載の通り、本発明は、カードとして所定の熱量を与えられることにより発色もしくは消色する可逆感熱記録媒体が用いられ、印刷ヘッドとして所定の熱量を発生させるサーマルヘッドが用いられるカード印刷装置への適用が好適である。
【0030】
請求項10によれば、ステッピングモータが1ステップもしくは整数倍ステップ回転したときに、プラテンローラの外周面および歯付ベルトの外周面が、1ドット相当距離だけカードを搬送することが可能となり、高精度のカード搬送が可能となる。
【0031】
請求項11に記載の通り、搬送力と反発力を適切に生じさせるゴム材料もしくは樹脂材料を用いて、プラテンローラの外周面および歯付ベルトの外周面を構成することが好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るカード印刷装置1の一例を示す概略図である。図2は、そのカード印刷装置1の平面図である。図3は、そのカード印刷装置1の正面図である。図4は、そのカード印刷装置1から印刷機構4を取り外した状態を示す概略図である。図5は、そのカード印刷装置1の搬送機構3の構成を示す概略図である。図6は、そのカード印刷装置1におけるカード9の反りの解消作用を説明するための説明図である。図7は、図6と対比させた従来のカード印刷装置における作用を説明するための説明図である。
【0033】
本発明に係るカード印刷装置1は、図1〜3に示すように、本体部2に、挿入部12から矢印B方向に挿入されるカード9を搬送路14上で搬送する搬送機構3と、カード9の印刷用面9aに付着している塵埃を除去するクリーナ機構5と、カード9に印刷を行う印刷機構4とを備える。
【0034】
先ず、搬送機構3について説明する。図3〜5に示すように、搬送機構3は、カード9が搬送路14上で搬送される方向(図中矢印A)と直交する回転軸で回転可能に設けられ、動力部51により駆動されるプラテンローラ16を備える。プラテンローラ16は、後述する印刷ヘッド40によってカード9に印刷を行う際の押圧力を受ける作用を生じさせる部材であって、一例として、表面が中軟質硬度(本実施例ではゴム硬度40°)のゴム材料で形成される。
【0035】
さらに、プラテンローラ16の軸方向の端部には、当該プラテンローラ16と同軸で回転する駆動プーリ18が固定される。駆動プーリ18には歯付プーリが用いられる。
また、駆動プーリ18の回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第1の従動プーリ20が設けられる。第1の従動プーリ20には駆動プーリ18と同様に歯付プーリが用いられる。
【0036】
なお、第1の従動プーリ20に対向する位置に、当該第1の従動プーリ20の回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第1のピンチローラ22が設けられる。
【0037】
また、本実施例においては、図3、5に示すように、第1の従動プーリ20の回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第2の従動プーリ24を備える。駆動プーリ18が中央となるように、挿入部12に近い位置に第1の従動プーリ20が配設され、挿入部12から遠い位置に第2の従動プーリ24が配設されて構成される。第2の従動プーリ24にも駆動プーリ18と同様に歯付プーリが用いられる。
【0038】
なお、第2の従動プーリ24に対向する位置に、当該第2の従動プーリ24の回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第2のピンチローラ26が設けられる。
【0039】
さらに、第1の従動プーリ20から駆動プーリ18を経て第2の従動プーリ24に至るように歯付ベルト28が張り渡されて設けられる。駆動プーリ18が回転駆動されることによって、当該歯付ベルト28の周回移動が行われる。一例として、歯付ベルト28には、心線をゴム材料で被覆して形成されるものが用いられる。
【0040】
上記の搬送機構3の作用について説明する。動力部51により生じる回転動力が減速歯車52を介して、プラテンローラ16を駆動させ、その駆動力は、プラテンローラ16に固定される駆動プーリ18によって、歯付ベルト28に伝達されて、当該歯付ベルト28が周回移動することによって、第1の従動プーリ20が回転する。
ここで、挿入部12からカード9が挿入されると、第1の従動プーリ20と歯付ベルト28とが噛み合っている位置において搬送路14側に露出される歯付ベルト28の外周面28a(図3、4参照)にカード9が接触し、それによって、歯付ベルト28の外周面28aと第1のピンチローラ22とによってカード9が挟持され、歯付ベルト28の周回移動と第1のピンチローラ22の共回りとによってカード9の搬送が行われる。
このとき、歯付ベルト28の外周面28aと第1のピンチローラ22との間隔は、歯付ベルト28の外周面28aがカード9の裏面9bに対して適当な摩擦力を発生させ、且つカード9の通過を妨げない距離となるように、カード9の厚さに応じて適切に設定される。
なお、上記のごとく挿入部12から挿入されたカード9が本体部2の内方へ搬送される際のそれぞれの回転部材の回転方向を「正回転」とする。
【0041】
これに続いて、歯付ベルト28の外周面28aと第1のピンチローラ22とによって挟持されて搬送されて来るカード9は、第2の従動プーリ24と歯付ベルト28とが噛み合っている位置において搬送路14側に露出される歯付ベルト28の外周面28aに接触し、それによって、歯付ベルト28の外周面28aと第2のピンチローラ26とによって挟持され、歯付ベルト28の周回移動と第2のピンチローラ26の共回りとによって当該カード9の搬送が行われる。
第1のピンチローラ22の場合と同様に、歯付ベルト28の外周面28aと第2のピンチローラ26との間隔は、歯付ベルト28の外周面28aがカード9の裏面9bに対して適当な摩擦力を発生させ、且つカード9の通過を妨げない距離となるように、カード9の厚さに応じて適切に設定される。
また、前記同様に、挿入部12から挿入されたカード9の進行方向のまま搬送される際のそれぞれの回転部材の回転方向を「正回転」とする。
【0042】
なお、第1の従動プーリ20の回転軸と、第2の従動プーリ24の回転軸との間隔は、カード9の搬送方向長さよりも短い距離となるように構成される。
【0043】
上記のように、歯付ベルト28に搬送力と動力伝達を担わせる構成および後述する搬送速度を同一化する構成を備えて、プラテンローラ16および駆動プーリ18、第1の従動プーリ20、第2の従動プーリ24の搬送動作を完全同期させることが可能となる。すなわち、同一のカード搬送方向においては、送り噛み合いガタの影響が発生せず、印刷送り精度を格段に向上させることが可能となる。
【0044】
なお、第1の従動プーリ20のみを設けて、第2の従動プーリ24を省略する構成も可能である。ただし、第2の従動プーリ24を設けることにより、カード9の搬送領域の拡大等が可能となる。
【0045】
続いて、印刷機構4について説明する。図1〜3に示すように、印刷機構4は、プラテンローラ16の外周面16aに対向させて設けられる印刷ヘッド40と、先端側に印刷ヘッド40が固定され、後端側が本体部2によって回動可能に支持されて、当該先端側がプラテンローラ16に対して接近・離反可能に構成されるヘッド支持部41と、印刷ヘッド40を所定の圧力で押圧させてカード9を当該印刷ヘッド40とプラテンローラ16との間で挟持する作用を生じさせる圧力付加部42とを備える。
一例として、圧力付加部42は、本体部2とヘッド支持部41との間に係止される付勢部材43を備えて構成される。すなわち、付勢部材43によって、ヘッド支持部41が本体部2側へ付勢されて、印刷ヘッド40とプラテンローラ16との間でカード9を挟持することが可能となる。
【0046】
ちなみに、本実施例においては、カード9は、所定の熱量を与えられることにより発色もしくは消色する可逆感熱記録媒体であり、印刷ヘッド40は、所定の熱量を発生させるサーマルヘッドである。
【0047】
上記の印刷機構4の作用について説明する。前述の搬送機構3によって、挿入部12に挿入されたカード9は、搬送機構3によって搬送されて、プラテンローラ16と印刷ヘッド40との間を通過する(図3参照)。ここで印刷を行う場合は、圧力付加部42により印刷ヘッド40を所定の圧力で押圧させてカード9を当該印刷ヘッド40とプラテンローラ16との間で挟持し、例えば、サーマル式印刷であれば、印刷ヘッド(サーマルヘッド)40を所定の温度に加熱して、カード(可逆感熱記録媒体)9に所定の熱量を与えて、情報の印刷(発色)もしくは消去(消色)を行う作用を生じさせる。一方、印刷を行わない場合は、圧力付加部42による印刷ヘッド40の押圧を行わず、カード9の厚さ以上の間隔で、印刷ヘッド40をプラテンローラ16から離隔させておく。
ちなみに、本実施例においては、挿入部から挿入されるカードを搬送路上で所定位置まで一旦搬送して、当該該所定位置から該挿入部へ向けて搬送する工程において必要に応じて印刷を行う構成としている。
なお、印刷が行われる際は、印刷ヘッド40とプラテンローラ16とによってカード9が挟持されるため、当該プラテンローラ16の回転によってカード9を搬送させる作用も生じることとなる。
【0048】
ここで、本発明に特徴的な構成として、プラテンローラ16の半径と、歯付ベルト28が駆動プーリ18に噛み合った状態における当該駆動プーリ18の回転軸から当該歯付ベルト28の外周面28aまでの半径とが同径に構成される。
なお、プラテンローラ16が印刷ヘッド40から受ける押圧力によって僅かに撓むことを考慮した場合、プラテンローラ16が当該押圧力によって撓んだときに、プラテンローラ16の半径と、歯付ベルト28が駆動プーリ18に噛み合った状態における当該駆動プーリ18の回転軸から当該歯付ベルト28の外周面28aまでの半径とが同径となるように、押圧されていない状態におけるプラテンローラ16の半径を、歯付ベルト28の外周面28aまでの半径より僅かに大きく構成することによって、印刷ヘッド40とプラテンローラ16とによってカード9が挟持された状態におけるプラテンローラ16の半径と前記歯付ベルト28の外周面28aまでの半径とを高精度に一致させることができる。
つまり、印刷ヘッド40による押圧時に、歯付ベルト28の外周面28aがプラテンローラ16の外周面16aより高く突き出て段差を生じさせることのないように、それぞれの半径を適切に設定することが重要である。
【0049】
これにより、歯付ベルト28の外周面28aによってカード9が搬送される速度と、プラテンローラ16によってカード9が搬送される速度とを一致させることが可能となる。その結果、搬送精度が高精度化されて、印刷品質の高品質化が可能となる。
また、速度を一致させる効果に加えて、プラテンローラ16の外周面16aと歯付ベルト28の外周面28aとの間に段差が生じないため、カード9に変形(反り)が発生せず、その結果、印刷品質を均質化することが可能となる。
【0050】
また、本発明に特徴的な構成として、図3、5に示すように、第1の従動プーリ20と駆動プーリ18との間に第1のテンションプーリ32が設けられ、駆動プーリ18と第2の従動プーリ24との間に第2のテンションプーリ34が設けられる。第1のテンションプーリ32および第2のテンションプーリ34は、それぞれが、歯付ベルト28を、その外周面28a側から内周面28b側に押圧するように配設される。つまり歯付ベルト28が駆動プーリ18に円弧状に接触する噛み合い状態が構成される。
【0051】
これにより、印刷時にカード9に印加される印刷ヘッド40の押圧力を、同じ曲率からなる曲面で受けることができるため、カード9の幅方向における当該押圧力がプラテンローラ16上と、歯付ベルト28の外周面28a上とで、ほぼ均一化することが可能となり、その結果、当該幅方向での印字品質を均質化、すなわち高品質化することが可能となる。
【0052】
より詳細には、印刷ヘッド40の押圧力に対する反発力はカード9を搬送するプラテンローラ16にて発生させる。
一例として、印刷ヘッド(サーマルヘッド)40の発熱体は約0.1mm前後の幅で印刷長さ分の数が一列に並んでいる。この一列の発熱体で均一な印刷状態を得るためには、カードの裏面9bを支えるプラテンローラ16が均一で安定した反発力を発生させる必要がある。
この目的を達成させるため、プラテンローラ16には高い加工精度がもとめられ、一般的に研磨仕上げが行われる。
また形状精度だけでなく、印刷ヘッド(サーマルヘッド)40との相対位置も、印刷状態に大きな影響を与え、印刷ヘッド(サーマルヘッド)40の発熱体に対して正確に平行で、且つプラテンローラ16の回転軸中心が当該発熱体列に対して一定誤差内で一致させなければならない。
このようにプラテンローラ16はカード9を搬送する役目と同時に良好な印刷結果を得るための重要な要素となる。
【0053】
本実施例においては、カード搬送を目的として歯付ベルト28をカードの略幅方向内に配置して省スペースを実現しているが、これは、カード9の印刷領域外に当該ベルト歯付ベルト28を配置し、且つ印刷領域内に上記の高度な機能を有するプラテンローラ16配置することによって実現している。
この歯付ベルト28とプラテンローラ16との並列配置の実現は、プラテンローラ16外周面16a上のカード搬送速度と、歯付ベルト28の外周面28a上のカード搬送速度とをきわめて高い精度で一致させることによって実現している。
なお、歯付ベルト28の外周面28aもプラテンローラ16の外周面16a上から僅かに高さを低く押さえるため研磨加工を実施して形成することが好適である。
【0054】
ところで、本実施例において、駆動力を発生させる動力部51には、ステッピングモータが用いられる。このとき、ステッピングモータの1ステップの回転によって駆動されるプラテンローラ16の外周面移動距離が、カード9の最小印刷ドットと同一の長さもしく該最小印刷ドットの整数分の一の長さに設定する。
より詳しくは、例えば、8ドット/mmの分解能を持つ印刷ヘッド(サーマルヘッド)40を搭載したカード印刷装置(ロイコプリンタ)1を想定した場合、カード9の幅方向の分解能は、この8ドット/mmとなる。ここで、カード9の搬送方向の分解能も同じ8ドット/mmとすることで1ドットが正方形となる。
一方、プラテンローラ16の半径は、ステッピングモータの1ステップがカード9の搬送方向における1ドット相当となるように設定する(ただし、当該1ステップが1ドットの整数分の1相当となるように設定しても良い)。
これによって、ステッピングモータが1ステップ(前記1ステップが1ドットの整数分の1相当となるように設定した場合には、当該整数倍ステップ)回転したときに、プラテンローラ16の外周面16a(さらには歯付ベルト28の外周面28a)が、1ドット相当距離だけカード9を搬送することが可能となる。
【0055】
なお、第1の従動プーリ20および第2の従動プーリ24の半径は、プラテンローラ16の半径と異なってもよい。カード9は歯付ベルト28の外周面28aで搬送されるため、第1の従動プーリ20および第2の従動プーリ24の半径には依存しないからである。
【0056】
ここで、図3〜5に示すように、搬送路14上を搬送されるカード9の位置を検知する位置検知センサ54が本体部2に設けられる。本実施例においては、挿入部12から挿入されて搬送されるカード9が所定位置まで到達したことを、位置検知センサ54によって検知して、次いで、動力部51の回転方向を前記正回転から逆転させて(以下、「逆回転」という)、カード9を排出する排出部を兼ねた挿入部12へ向けてカード9が搬送される構成とした。
なお、逆回転させずに、そのまま搬送を行い、本体部2における挿入部12と逆側の端部から、カード9を搬出する構成としてもよいし、挿入部12と逆側の端部からカード9を挿入し、逆回転のまま挿入部12に排出する構成としてもよい。
【0057】
また、本実施例においては、駆動プーリ18は、プラテンローラ16の軸方向の両端側に2箇所設けて、それぞれの駆動プーリ18によって2本の歯付ベルト28が駆動される構成とした(図5参照)。
【0058】
これによって、カード9における幅方向の左右両端部9c、9dに搬送力を伝達させることができ、カード9を搬送方向に対して蛇行させることなく直線的に進行させることが可能となる。その結果、印刷のブレをなくすことが可能となる。
【0059】
さらに、本発明に特徴的な構成として、カード9における幅方向の左右両端部9c、9dが、2本の歯付ベルト28にそれぞれ接触するように、プラテンローラ16、駆動プーリ18、歯付ベルト28を構成する(図6参照)。
【0060】
これにより、カード9が幅方向で上方(印刷用面9a側)に凸状の反りが生じている場合であっても、印刷ヘッド40の押圧力(矢印C)が印加されて、カード9における幅方向の左右両端部9c、9dが、2本の歯付ベルト28のそれぞれの外周面28a上を適度に横滑りすることによって(矢印D)、反りを解消させる効果を奏する。
したがって、歯付ベルト28の外周面28aは、カード9に対して、搬送方向の搬送力を発生させ、且つ幅方向に適度な横滑りを可能とするように、適当なゴム材料もしくは樹脂材料により形成されることが好適である。
なお、例えば、印字幅に構成されるプラテンローラ16の両側に別材質のローラ状部材を組み込んでプラテンローラ16の回転軸に平行方向の左右に適度な遊びをもたせつつ一体化すれば同様の効果が得られるが、組立性、コスト面において本構成が有利となる。
【0061】
ちなみに、その他の方向のカードの反り、つまり、前記と逆に下方に凸状の反りが生じている場合には、印刷ヘッド40とプラテンローラ16の押圧力によって容易に解消でき、また、カード9が搬送方向で上方に凸状の反りが生じている場合は、印刷ヘッド40の位置において幅方向には平坦となるため、上方および下方のどちらに反っていても、搬送に支障がない程度の反りであれば問題は生じない。
【0062】
以上の説明のように、本発明に係るカード印刷装置によれば、従来のカード印刷装置において本体部の外側に配設される歯付ベルトを用いる駆動系を、本体部内側のカード搬送路内に配置させ、且つ、歯付ベルトの外周面の摩擦力を利用してカードを直接搬送する構成が実現される。その結果、主要搬送系が、略カード幅で足りることとなるため、カード印刷装置全体の幅を小さくすること、つまり、当該装置全体の投影面積を小さくすることが可能となる。
また、従来の駆動系が占めていた容積部分に、他の付加装置を収容することが可能となるため、例えば、従来、別に組み立て配置されていた通信制御部等を同一容積の中に収容することができ、結果としてシステム全体を小さくすることが可能となる。
【0063】
さらに、歯付ベルトが搬送系の駆動と動力伝達の双方を担う構成が実現される。すなわち、当該歯付ベルトの外周面の摩擦力を利用してカードを直接搬送することで、当該外周面が従来装置における搬送ローラと同役を担うこととなる。
その結果、搬送系は幅方向の左右両側に設けられる一対の歯付ベルトが「無限軌道(無端)ベルト」を形成し、本装置における幅左右の各送り点の全てにおいて完全同期させることが可能となり、送り噛み合いガタの影響がカードの同一搬送方向においては発生せず印刷送り精度を格段に向上させることが可能となる。
ちなみに、歯付ベルトと各プーリとの噛み合いにおいてもバックラッシが設けられ得るが(バックラッシが理論上無い構成も可能)、歯車を用いる従来の伝達方式との比較において、上記ガタの影響は発生しないあるいは無視できる程度となる。
【0064】
また、カードの印刷用面への印刷面積は、4辺のそれぞれに数mm幅の非印刷部分を設けることが一般的であるが、プラテンローラの有効幅をカード印刷幅に合わせる構成によって、カード幅よりも当該プラテンローラの幅方向長さを短く形成することが可能となる。その結果、カードの幅方向の左右両端部における非印刷部分を搬送用として利用することが可能となる。
このことにより、カードの搬送方向に対して、幅方向で且つ上方に凸状の反りがカードに生じたときに、当該反りを解消させて、印刷品質を格段に向上させることが可能となる。
この点、図7に示すような搬送系が外側に設けられる従来装置において、プラテンローラ216をカード209の幅より広く設ける構成の場合には、カード209に幅方向で且つ上方に凸状の反りが生じていても、印刷ヘッド240の押圧力(矢印C)の印加によってカード両端の角部209c、209dがプラテンローラ216の外周面に食い込む形となり、押圧しても反りが解消できず(図7(a)参照)、逆に、プラテンローラ216をカード209の幅より狭く設ける構成の場合には、プラテンローラ216両端の角部がカード209の湾曲に負けて凹んでしまうため、カード209の反りの解消が不十分となる(図7(b)参照)という課題の解決を図るものとなる。
【0065】
なお、カード印刷装置として、カードに可逆感熱記録媒体を用い、印刷ヘッドにサーマルヘッドを用いるロイコプリンタを例にとり説明をしたが、本発明に係る技術的思想を他のカード印刷装置に応用することももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態に係るカード印刷装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1のカード印刷装置の平面図である。
【図3】図1のカード印刷装置の正面図である。
【図4】図1のカード印刷装置から印刷機構を取り外した状態を示す概略図である。
【図5】図1のそのカード印刷装置の搬送機構の構成を示す概略図である。
【図6】図1のカード印刷装置におけるカードの反りの解消作用を説明するための説明図である。
【図7】図6と対比させた従来のカード印刷装置における作用を説明するための説明図である。
【図8】従来の実施の形態に係るカード印刷装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0067】
1 カード印刷装置
2 本体部
3 搬送機構
4 印刷機構
5 クリーナ機構
9 カード
12 挿入部(排出部)
14 搬送路
16 プラテンローラ
18 駆動プーリ
20 第1の従動プーリ
22 第1のピンチローラ
24 第2の従動プーリ
26 第2のピンチローラ
28 歯付ベルト
32 第1のテンションプーリ
34 第2のテンションプーリ
40 印刷ヘッド
41 ヘッド支持部
42 圧力付加部
43 付勢部材
51 動力部
54 位置検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部から挿入されるカードを搬送路上で搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送される前記カードに印刷を行う印刷機構とを備えるカード印刷装置であって、
前記搬送機構は、前記カードが搬送される方向と直交する回転軸で回転可能に設けられ、動力部により駆動されるプラテンローラと、
前記プラテンローラに固定されて、該プラテンローラと同軸で回転可能に設けられる駆動プーリと、
前記駆動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第1の従動プーリと、
前記駆動プーリと前記第1の従動プーリとの間に張り渡されて、該駆動プーリの回転によって周回移動可能に設けられる歯付ベルトと、
前記第1の従動プーリに対向させて、該第1の従動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第1のピンチローラとを備え、
前記印刷機構は、前記プラテンローラの外周面に対向させて設けられる印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを所定の圧力で押圧することにより、前記カードを該印刷ヘッドと前記プラテンローラとの間で挟持する圧力付加部とを備え、
前記第1の従動プーリとの噛み合い位置で前記搬送路側に露出される前記歯付ベルトの外周面に前記カードが接触することにより、該歯付ベルトの外周面と前記第1のピンチローラとによって該カードが挟持され、該歯付ベルトの周回移動と該第1のピンチローラの共回りとによって該カードの搬送が行われ、
前記プラテンローラの外周面に前記カードが接触することにより、必要に応じて前記印刷ヘッドと該プラテンローラとによって前記カードが挟持され、該プラテンローラの回転によって該カードの搬送が行われると共に、該印刷ヘッドにより該カードに印刷が行われること
を特徴とするカード印刷装置。
【請求項2】
前記プラテンローラの半径と、前記歯付ベルトが前記駆動プーリに噛み合った状態における該駆動プーリの回転軸から該歯付ベルトの外周面までの半径とが同径であること、もしくは、前記プラテンローラの半径が、該プラテンローラが前記印刷ヘッドから受ける押圧力によって撓んだ場合に前記歯付ベルトが前記駆動プーリに噛み合った状態における該駆動プーリの回転軸から該歯付ベルトの外周面までの半径と同径となるように、該歯付ベルトの外周面までの半径より大きく構成されること
を特徴とする請求項1記載のカード印刷装置。
【請求項3】
前記歯付ベルトの外周面が前記カードの裏面において接触する領域が、前記カードの印刷用面における印刷対象外領域に対応する領域となるように、前記プラテンローラと前記駆動プーリとが配設されること
を特徴とする請求項1または請求項2記載のカード印刷装置。
【請求項4】
前記第1の従動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第2の従動プーリを備えると共に、前記駆動プーリが中央となるように、該第1の従動プーリが一端側に、該第2の従動プーリが他端側にそれぞれ配設され、
前記歯付ベルトが、前記第1の従動プーリから前記駆動プーリを経て前記第2の従動プーリに至るように周回移動可能に張り渡されて、
前記第2の従動プーリに対向させて、該第2の従動プーリの回転軸と平行する回転軸で回転可能に設けられる第2のピンチローラを備え、
前記第2の従動プーリとの噛み合い位置で前記搬送路側に露出される前記歯付ベルトの外周面に前記カードが接触することにより、該歯付ベルトの外周面と前記第2のピンチローラとによって該カードが挟持され、該歯付ベルトの周回移動と該第2のピンチローラの共回りとによって該カードの搬送が行われること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のカード印刷装置。
【請求項5】
前記第1の従動プーリと前記駆動プーリとの間に第1のテンションプーリが設けられ、
前記駆動プーリと前記第2の従動プーリとの間に第2のテンションプーリが設けられ、
前記第1のテンションプーリおよび前記第2のテンションプーリは、それぞれが、前記歯付ベルトを、該歯付ベルトの外周面側から内周面側に押圧するように配設されて、該歯付ベルトが前記駆動プーリに円弧状に接触する噛み合い状態が構成されること
を特徴とする請求項4記載のカード印刷装置。
【請求項6】
前記駆動プーリは、前記プラテンローラの軸方向の両端側に2箇所設けられ、該それぞれの駆動プーリによって2本の歯付ベルトが駆動されること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のカード印刷装置。
【請求項7】
前記カードの進行方向に対する左右両端部が、前記2本の歯付ベルトにそれぞれ接触するように、前記駆動プーリ、前記プラテンローラ、および前記歯付ベルトが構成されること
を特徴とする請求項6記載のカード印刷装置。
【請求項8】
前記搬送路上を搬送される前記カードの位置を検知する位置検知センサを備え、
前記位置検知センサによって前記カードが所定位置まで到達したことが検知されたときに、前記プラテンローラの回転方向を逆転させて、該カードを排出する排出部を兼ねた前記挿入部へ向けて該カードが搬送されること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のカード印刷装置。
【請求項9】
前記カードは、所定の熱量を与えられることにより発色もしくは消色する可逆感熱記録媒体であり、
前記印刷ヘッドは、所定の熱量を発生させるサーマルヘッドであること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載のカード印刷装置。
【請求項10】
前記動力部は、ステッピングモータであって、該ステッピングモータの1ステップの回転によって駆動される前記プラテンローラの外周面移動距離が、前記カードの最小印刷ドットと同一の長さもしく該最小印刷ドットの整数分の一の長さであること
を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載のカード印刷装置。
【請求項11】
前記プラテンローラの外周面および前記歯付ベルトの外周面は、ゴム材料もしくは樹脂材料により形成されること
を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載のカード印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−154334(P2009−154334A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333055(P2007−333055)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(397011111)株式会社ウインテック (87)
【Fターム(参考)】