説明

カード式遊技機及び携帯型精算器

【課題】種々の営業形態に対応でき、多数台設置しても管理システムが不要で低コスト化でき、カードの安全性が高く、また臨機応変なサービスが可能なカード式遊技機及び携帯型精算器を提供する。
【解決手段】カード22の有価情報を変換した球数情報で遊技を行うカード式遊技機であって、大当り抽選手段6h、大当り状態起動・完了手段6kを備えた構成において、遊技停止手段6lと精算実行・遊技停止解除手段6nを設けた。遊技停止手段6lは、大当り状態起動・完了手段6kによる大当り状態完了時点で遊技状態を停止させ、その後に店員の介在を必須とした。大当り状態完了後の処置が店員により柔軟に行え、不正防止も可能とした。精算実行・遊技停止解除手段6nは、無権限者が操作不能な精算スイッチ32で遊技停止状態を解除させるので、店員の適宜処置後の停止状態解除が安全、簡単に行える。携帯型精算器は機外での持ち球から景品球への変換を容易にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価情報を読書き可能なカード状の記録媒体を用いて遊技を開始し、また終了時の精算を行うカード式遊技機及び携帯型精算器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼球等からなる実際の遊技球(実球)を使用しないで遊技を行う、つまり、遊技球と種々の部材が配置された遊技盤面とを画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式の遊技機においては、実球を使用していないので遊技終了時の精算を実球によって行うことができない。
また、封入球式の遊技機においては、実球を使用して遊技を行うが、獲得した賞球等の持ち球は遊技機外(機外)に蓄積されることはないので、映像式の遊技機と同様に、遊技終了時の精算を実球によって行うことができない。
【0003】
そこでこれらの遊技機においては、カード状の記録媒体(以下、単にカードという。)を用いて遊技を行う。すなわち遊技者は、予め購入したカードを遊技機のカード挿入口に挿入すると、カードに記録された有価情報(ポイントや金額情報等)が読み取られ持ち球数情報(持ち球数)に変換されて遊技が可能となる。
遊技は持ち球数の範囲内で行えるが、遊技中、この持ち球数は増減するので、遊技の終了時には精算が必要となる。すなわち遊技は、精算スイッチの操作により、その操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換してカードに記録し、そのカードを機外に排出することによって終了する。
カードに記録された有価情報は、景品等の交換時に呈示、例えば情報読取手段によって読み出されることによって呈示され、景品等との交換価値情報としての機能を果たす。
【0004】
ところで遊技店においては、遊技者との関係で種々の営業形態が採られている。
例えば、獲得球(獲得した遊技球)がある状態で他の遊技機への移動を禁止する台移動制限形態、大当りによる獲得球を用いてそのまま遊技を続けることを禁止する1回交換形態、あるいは獲得球が一定数に達したときにそのまま遊技を続けることを禁止する定量制等が採られている。
このような場合、実球を使用して遊技を行う遊技機(実遊技機)では、上記台移動、1回交換あるいは定量制等の禁止事項に対して、実球による確認が可能であった。
しかしカード式遊技機では、実球を使用しないので、あるいは実球からなる獲得球を機外に蓄積しないので、遊技店の従業者等(店員)による獲得球の監視が困難であり、上記禁止事項が守られているか否かの監視が困難である。
【0005】
そこで従来、上記のような営業形態対応の設定を遊技機側で行い、かつ管理装置でも管理し、それらに従って遊技制限をすることで、種々の営業形態に自動的に対応できるようにした遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−299530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来技術では、次のような問題点があった。
(1)遊技機側での設定が必要、しかもこの設定を店舗に設置された全ての遊技機についてする必要があるため、遊技機システムが複雑となる。特に、新規遊技機の導入時や設定変更の必要時に多大な手間を要する。
(2)管理装置、すなわち管理用ホールコンピュータが必須であり、大規模で複雑なシステムとなってしまう。このため、導入及び運用に多大なコストがかかり、また、データの蓄積が多くなり、その管理を確実に行わないと正規カードを不正カードと誤認識してしまう可能性があり、遊技客との間でトラブル発生が頻発する虞がある。
(3)獲得球のカードヘの書込みが自動で、つまり店員が介在することなく行われるため、不正が発見されにくい。
(4)臨機応変なサービスへの対応、例えば「ただいまから大当り先着3名様まで、終日無定量となります」というようなサービス対応が困難になる。
【0007】
本発明(第1の発明)は、上記従来技術の問題点を解消するためになされたもので、種々の営業形態に対応可能である上に、店舗に多数台設置する場合に、複雑なシステムや設定作業等が不要であり、多数台設置及びその運用に当たって低コスト化が図れ、カードに関してのトラブルが生じることも少なくなり、かつ安全性が高く、しかも臨機応変なサービスが可能なカード式遊技機を提供することを目的とする。
また本発明(第2の発明)は、カード式遊技機に用いられたカード状の記録媒体に記録された有価情報内容の変換(交換)を、遊技機外において、また任意の場所に移動して行うことのできる便利な携帯型精算器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、始動入賞口、及び開閉体の開動作によって他の入賞口よりも遊技球の入球が容易な形態となる可変入賞口を含む複数の入賞口、アウト口、前記始動入賞口への入球遊技球である始動入賞球による図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄の種類により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部、並びに遊技釘を配置した遊技盤面上に、発射操作部の操作によって遊技球を打ち込み、移動させ、前記入賞口又はアウト口へ入球させる遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機であって、遊技球の入賞確率が比較的低い通常遊技中よりも高くなる特別遊技状態へ移行させる大当りとするか否かの大当り抽選を前記始動入賞球が生じる毎に行う大当り抽選手段と、予め設定された第1の所定条件が充足した場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、当該特別遊技状態において第2の所定条件が充足した場合に特別遊技状態を完了させる特別遊技状態起動・完了手段と、この特別遊技状態起動・完了手段による特別遊技状態の完了を契機として、少なくとも前記発射操作部の操作による遊技球の発射が不能であって、かつ前記図柄表示部の図柄を停止させた遊技停止状態とする遊技停止手段と、前記遊技停止状態の期間中に前記精算スイッチが操作されることによって、前記精算処理手段を作動させると共に前記遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段とを具備することを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記特別遊技状態へ移行させることとなる第1の所定条件は、予め設定された種類の停止図柄の表示が得られたときであると共に、前記特別遊技状態は前記可変入賞口の開閉体が所定条件に基づき開閉するものであることを特徴とする。
【0009】
特許請求の範囲の請求項3に記載の発明は、始動入賞口、及び開閉体の開動作によって他の入賞口よりも遊技球の入球が容易な形態となる可変入賞口を含む複数の入賞口、アウト口、前記始動入賞口への入球遊技球である始動入賞球による図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄の種類により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部、並びに遊技釘を配置した遊技盤面上に、発射操作部の操作によって遊技球を打ち込み、移動させ、前記入賞口又はアウト口へ入球させる遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機であって、前記可変入賞口の開閉体が一定時間、開動作する特別遊技状態へ移行させる大当りとするか否かの大当り抽選を前記始動入賞球が生じる毎に行う大当り抽選手段と、前記大当り抽選の結果が大当りであった場合に、前記図柄表示部における、予め選択された種類の停止図柄の表示後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記開閉体の開動作を一旦終了した後に再度開始する特別遊技状態の継続動作を、現在の特別遊技状態の期間中において一定の継続条件を充足する限り予め定められた最大回数まで可能とし、この最大回数に達した満了回、又は最大回数未満の特別遊技状態の期間中において前記継続条件を充足しなかった途中回をもって特別遊技状態を完了させる特別遊技状態起動・完了手段と、この特別遊技状態起動・完了手段による特別遊技状態の完了を契機として、少なくとも前記発射操作部の操作による遊技球の発射が不能であって、かつ前記図柄表示部の図柄を停止させた遊技停止状態とする遊技停止手段と、前記遊技停止状態の期間中に前記精算スイッチが操作されることによって、前記精算処理手段を作動させると共に前記遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段とを具備し、前記精算スイッチは、遊技機裏面側に設けられ、若しくはリモートコントロール式の操作手段により操作可能に構成され、又は鍵スイッチからなることを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、遊技者用精算スイッチを備え、精算実行・遊技停止解除手段は、遊技停止状態の期間外にその遊技者用精算スイッチが操作されることによって精算処理手段を作動させるように構成され、前記遊技者用精算スイッチは、遊技機正面側に設けられたことを特徴とする。
【0010】
特許請求の範囲の請求項5に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、遊技店用精算スイッチを備え、精算実行・遊技停止解除手段は、遊技停止状態の期間外にその遊技店用精算スイッチが操作されることによって精算処理手段を作動させるように構成され、前記遊技店用精算スイッチは、遊技機裏面側に設けられ、若しくはリモートコントロール式の操作手段により操作可能に構成され、又は鍵スイッチからなることを特徴とする。
【0011】
特許請求の範囲の請求項6に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、遊技者用精算スイッチ及び遊技店用精算スイッチと、これら両スイッチのうちの任意の一方の操作を有効とし、又は両方の操作を有効とする設定が可能な精算操作主体選択手段とを備え、精算実行・遊技停止解除手段は、遊技停止状態の期間外にその精算操作主体選択手段によって操作が有効と設定された前記スイッチが操作されることによって精算処理手段を作動させるように構成され、前記遊技者用精算スイッチは、遊技機正面側に設けられ、前記遊技店用精算スイッチ及び精算操作主体選択手段の設定部は、遊技機裏面側に設けられ、若しくはリモートコントロール式の操作手段により操作可能に構成され、又は鍵スイッチからなることを特徴とする。
【0012】
特許請求の範囲の請求項7に記載の発明は、遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、所望時に精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機に用いられる携帯型精算器であって、残高を内容とする金額情報と、遊技可能な持ち球数を内容とする持ち球数情報と、景品にのみ交換可能の景品球数を内容とする景品球数情報とを記録する領域が設定された前記記録媒体が挿入口に挿入され、キー操作部が操作されることによって、前記持ち球数情報の内容である持ち球数のうち前記操作に応じた数を金額情報又は景品球数情報に変換し、変換に係る情報内容の額又は数を加減算し、結果をその記録媒体の該当領域に更新記録することを特徴とする。
【0013】
特許請求の範囲の請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の発明において、キー操作部には、金額情報又は景品球数情報に変換する数として持ち球数の全数をワンタッチで指定可能な全数指定キーを備えることを特徴とする。
【0014】
特許請求の範囲の請求項9に記載の発明は、上記請求項7又は8に記載の発明において、記録媒体に更新記録された内容の一部又は全部をプリントアウトするプリンタを内蔵することを特徴とする。
【0015】
なお請求項1〜6に記載の発明(カード式遊技機)は、遊技球と遊技盤面とを画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式の遊技機(カード式の映像式遊技機)、及び実球と実際の盤面構成部材が配置された遊技盤とを備えた実遊技機(カード式実遊技機)共に適用される。
この場合、請求項1において「始動入賞球が生じる」とは、カード式の映像式遊技機の場合は消滅位置が始動入賞口と決定されることをいい、カード式実遊技機の場合は始動入賞口への遊技球の入球がセンサ等により検出されることをいう。
【発明の効果】
【0016】
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、大当り状態の完了を契機として遊技停止状態とする遊技停止手段を設け、以後の遊技や精算等を不能とした。
これによれば、個々のパチンコ機において、大当り状態が完了した場合には、その後に必ず遊技店側の者、例えば店員を介在させ得るので、従来のパチンコ機及びその管理装置において生じていた上掲(1)〜(4)の問題点を解消できる。
具体的には、台移動制限形態、1回交換形態あるいは定量制等、種々の営業形態に対応可能である上に、パチンコ機を店舗に多数台設置する場合において、複雑な管理装置等のシステムや設定作業等が不要であり、多数台設置及びその運用に当たって低コスト化が図れる。
また、カード(記録媒体)による精算もパチンコ機毎に店員が介在することになるので、多量のカード記録情報を蓄積する管理システムの不具合により正規カードを不正カードと誤認識してしまうことも防止されてカードに関するトラブルが生じることも少なくなり、カードの記録情報の改竄等による不正も発見しやすくなる。更に、上記営業形態の変更もカードによる精算に店員が介在するので容易に可能となり、臨機応変なサービスが可能となる。
そして本発明では、精算スイッチを操作して精算処理手段を作動させ、遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段を設けたので、店員により適宜の処置を行った後の遊技停止状態の解除が簡易、円滑に行える。
特許請求の範囲の請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明を具体化したもので、請求項1の発明と同様の効果が得られる。
【0017】
特許請求の範囲の請求項3に記載の発明では、特別遊技状態の継続動作を、継続条件を充足する限り最大回数まで可能とし、この最大回数に達した満了回、又は最大回数未満の途中回をもって大当り状態を完了させる構成において、大当り状態の完了を契機として遊技停止状態とする遊技停止手段を設け、以後の遊技や精算等を不能とした。
これによれば、個々のパチンコ機において、大当り状態が完了した場合には、その後に必ず遊技店側の者、例えば店員を介在させ得るので、従来のパチンコ機及びその管理装置において生じていた上掲(1)〜(4)の問題点を解消できる。
具体的には、台移動制限形態、1回交換形態あるいは定量制等、種々の営業形態に対応可能である上に、パチンコ機を店舗に多数台設置する場合において、複雑な管理装置等のシステムや設定作業等が不要であり、多数台設置及びその運用に当たって低コスト化が図れる。
また、カード(記録媒体)による精算もパチンコ機毎に店員が介在することになるので、多量のカード記録情報を蓄積する管理システムの不具合により正規カードを不正カードと誤認識してしまうことも防止されてカードに関するトラブルが生じることも少なくなり、カードの記録情報の改竄等による不正も発見しやすくなる。更に、上記営業形態の変更もカードによる精算に店員が介在するので容易に可能となり、臨機応変なサービスが可能となる。
そして本発明では、精算スイッチを操作して精算処理手段を作動させ、遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段を設けたので、店員により適宜の処置を行った後の遊技停止状態の解除が簡易、円滑に行える。
上記精算スイッチは、遊技店側の者、例えば店員のみが操作可能な位置に設けられ、あるいはそのような店員のみが操作可能に構成されている。具体的には、遊技機裏面側に設けられ、あるいはリモートコントロール(リモコン)式の操作手段により操作可能に構成され、また鍵スイッチ(鍵により操作されるスイッチ)で構成されている。遊技機裏面側は店員のみが携帯する鍵によって開けられ、リモコン式の操作手段、例えば携帯型操作器、携帯型精算器等も店員のみが携帯するものであり、また、鍵スイッチのON/OFFも店員のみが携帯する鍵によって操作可能であるので、何ら権限のない遊技者等による操作を排除でき、安全性が保たれる。
【0018】
特許請求の範囲の請求項4に記載の発明では、遊技機正面側、つまり遊技者も操作可能な位置に遊技者用精算スイッチを設けた。そして、このスイッチが遊技停止状態の期間外に操作された場合に、精算処理手段を作動させ得るように精算実行・遊技停止解除手段を構成した。つまり、遊技停止状態の期間外においては遊技者によって精算処理を行えるようにした。
大当り状態の完了を契機として遊技停止状態とし、この遊技停止状態の期間中に店員を介在させれば所期の目的(請求項1に記載の発明の目的)を達成できる。遊技停止状態の期間外(遊技停止状態となっていない時)の精算処理までも店員を呼ばなければならないとすると、遊技者及び店員の双方にとって負担になるが、本発明によればこのような負担は解消される。遊技者にとっては、遊技停止状態の期間外であれば店員を呼ぶことなくいつでも精算可能となり、便利である。
【0019】
特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、遊技店側の者、例えば店員のみが操作可能な位置に設けられ、あるいはそのような店員のみが操作可能に構成された遊技店用精算スイッチを設けた。そして、このスイッチが遊技停止状態の期間外に操作された場合に、精算処理手段を作動させ得るように精算実行・遊技停止解除手段を構成した。つまり、遊技停止状態の期間外においても精算処理を行えるが、その操作は店員のみよって行えるようにした。
遊技停止状態の期間外の精算処理とはいえ、店員を介在させて遊技機に記録されている大当り回数等をチェックし、精算時において獲得球数の適否等を確認したい要望に応えられる。
【0020】
特許請求の範囲の請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の発明と請求項5に記載の発明の両方の構成を備え、かつそれらの構成による機能を選択的に、あるいは両方得られるように構成した。つまり、遊技停止状態の期間外における精算処理の操作をすることができる者(精算操作主体)の選択に、上記安全性を維持しつつ柔軟性をもたせた。
これによれば、請求項4に記載の発明の効果と請求項5に記載の発明の効果とを選択的に、あるいは両方得られるようになり、遊技停止状態の期間外における精算操作主体の選択に柔軟性をもたせることができる。
【0021】
特許請求の範囲の請求項7に記載の発明では、遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機に用いられる携帯型精算器を次のように構成した。この場合、記録媒体には、残高を内容とする金額情報と、遊技可能な持ち球数を内容とする持ち球数情報と、景品にのみ交換可能の景品球数を内容とする景品球数情報とを記録する領域(記録領域)が設定されている。
このような記録媒体が、挿入口に挿入され、キー操作部が操作されることによって、持ち球数情報の内容である持ち球数のうち上記操作に応じた数(持ち球数の全数であっても一部であってもよい)を金額情報又は景品球数情報に変換し、変換に係る情報内容の額又は数を加減算し、結果をその記録媒体の該当領域に更新記録するように構成した。
これによれば、記録媒体に記録された持ち球数情報を遊技機外において金額情報又は景品球数情報に変換(持ち球数を金額又は景品球数に交換)して記録することができ、遊技者及び店員の双方にとって便利である。すなわち、携帯型精算器は遊技機から独立して持ち運び可能であり、店員は店内のどこにでも移動して、一旦遊技機において精算された記録媒体であっても任意に再精算でき、遊技者及び店員の双方にとって便利である。
またこの携帯型精算器は、店員のみが携帯可能であり、無人の精算器を設置する場合に比べて安全性が保たれる。すなわち、記録媒体への記録情報の改竄等による不正防止にも役立つ。更に、上記情報変換時における変換レートを携帯型精算器に設定することも容易であり、レートを適宜値に設定してそのレートに応じた変換も可能となる。
この携帯型精算器に、上記精算スイッチのリモコン式操作手段を組み込むこともでき、この場合は、何ら権限のない遊技者等による精算スイッチの操作を排除でき、精算スイッチの安全性が保たれる。また、精算スイッチをリモコン操作する専用の携帯型操作器を省略できる。
【0022】
特許請求の範囲の請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明において、キー操作部に、金額情報又は景品球数情報に変換する数として持ち球数の全数をワンタッチで指定可能な全数指定キーを備えたので、遊技終了時の精算形態として多い持ち球数の全数交換が簡単に行える。
【0023】
特許請求の範囲の請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の発明において、プリンタを内蔵させ、記録媒体に更新記録された内容の一部又は全部をプリントアウト(印刷物として出力)するようにしたので、記録媒体に記録された各種情報を可視化でき、遊技者及び店員の確認の便宜が図れる。また、プリントアウト結果(印刷物)を景品交換時における景品球数の証明としての利用も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は第1の発明が適用されたパチンコ機の一実施形態の要部を示す構成図である。第1の発明は映像式の遊技機に係るものであり、図1は映像式のパチンコ機を例示している。
図において、遊技機枠1は、パチンコ遊技場内のいわゆる島と呼ばれるパチンコ機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。可動枠3の内側には、画像表示器5が、画面を前側に向けて取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等からなり、電気的に表示形態を変えられる画像を表示できる。可動枠3の裏面側には主制御装置6、画像表示制御装置7、カード制御装置8及び持ち球管理装置9が取り付けられる。
【0025】
このうち主制御装置6は、画像表示制御装置7の制御を経て画像表示器5に遊技盤面を画像としてを表示させ、かつこの表示させた盤面画像における遊技状態の制御及び賞球制御等、パチンコ機全般の制御を司る装置である。
ここで、上記盤面画像は、実パチンコ機(実球を使用して遊技を行うパチンコ機)の遊技盤面形態を模した画像である。すなわち、図1に例示するように、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センタ飾り42、図柄表示部43、一般入賞口44〜47、始動入賞口48、大入賞口(可変入賞口)49、大入賞口49の前面の開閉体50、風車51、サイドランプ52、アウト口53、及び図示を省略した多数の遊技釘等の盤面構成部材(部品)等を表す画像からなる。
【0026】
上記主制御装置6は、図2に示すように、例えばCPU6a、RAM6b、ROM6c及び入出力インタフェース6dを備えて構成されている。また、ROM6cには、制御プログラム6c1、データ群6c2及び入賞率テーブル6c3が格納されている。
主制御装置6は、CPU6aがRAM6bを作業域として用いて制御プログラム6c1を実行し、ROM6c中のデータ群6c2及び入賞率テーブル6c3を適宜読み出しながら上述した遊技状態等の制御を行う。
【0027】
上記入賞率テーブル6c3には、図1に示す各入賞口44〜49へ遊技球が入球する割合(以下、入賞口別の入球割合という。)が、その遊技球の発射強度に対応させて表わされている。遊技球の発射強度は、後述する発射操作部の操作量に対応づけられている。
以下、図3に図1を併用して入賞率テーブル6c3について説明する。
図3は、入賞率テーブル6c3の一例を示す図である。この図において、消滅位置とは遊技球の入球位置を指す。この例では、入球位置として入賞口のみが示されているので消滅位置は入賞口を指す。
図示するように入賞率テーブル6c3は、入賞口別の入球割合、つまり入賞率を遊技球の発射強度(値)に応じて表わしている。例えば、遊技球の発射強度が11〜20の範囲内では、図1に示す入賞口44,45が0.01%、入賞口46,47が0.00%、始動入賞口48が4.00%、大入賞口49が35.00%で入球(入賞)することを表わしている。アウト口53へは残余の率で入球する。
【0028】
この例では、上記発射強度に応じた入賞口別の入球割合が、上記11〜20の範囲の次は21〜30、その次は31〜40というように、発射強度の範囲10刻みで1111〜1120まで、各1組の入賞口別の入球割合が設定されている。大入賞口49の入賞率は、開閉体50が開動作していないときは0.00%であり、ここでの大入賞口49の入賞率はそのままアウト口53への入球率に加算される。
なお開閉体50の開動作には、連続開放や、適宜の時間間隔をおいて開閉動作を繰り返す間欠開放等があり、その何れを適用してもよいが、本実施形態では連続開放が適用されてる。
【0029】
図2に示すように、主制御装置6は、球属性決定手段6e、開閉体開閉信号生成手段6f、信号送信手段6g、大当り抽選手段6h、確率変動手段6i及び始動入賞球保留・消化手段6jを備える。主制御装置6は、また大当り状態(特別遊技状態)起動・完了手段6k、遊技停止手段6l、変動時間短縮手段6m及び精算実行・遊技停止解除手段6nも備える。
ここで球属性決定手段6eは、入賞率テーブル6c3に表わされた入賞口別の入球割合に従い、後述する発射操作部の操作により発射される遊技球(発射球)の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定するように構成されている。
【0030】
開閉体開閉信号生成手段6fは、予め定められた条件1が充足されることにより、開閉体50を開動作させる開信号(開動作開始信号)S2を生成し、開閉体50の開動作開始後は予め定められた条件2、すなわち大入賞口49への予め定められた個数の遊技球の入球、又は開閉体50の開動作開始後の、予め定められた時間の経過により閉動作させる閉信号(開動作終了信号)S3を生成する手段である。
ここで、「予め定められた条件1が充足される」とは、後述する複数の図柄が大当り図柄で停止することや、大当り状態(開閉体50の開動作によって大入賞口50が他の入賞口44〜48よりも遊技球の入球が容易な形態となる特別遊技状態)が継続することを指す。「予め定められた個数」としては、ここでは10個が、また「予め定められた時間」としては、ここでは30秒が設定されている。
【0031】
信号送信手段6gは、球属性決定手段6eにより決定された球属性を含む遊技球発射信号(以下、発射信号と略記する。)S1を、発射球毎に画像表示制御装置7に送信する手段である。
信号送信手段6gは、開閉体開閉信号生成手段6fで生成された開閉体50の開信号S2及び閉信号S3、図柄の変動表示(大当り/外れ演出画像表示)を開始させる図柄変動開始信号S4並びに図柄の変動パターンの種類を指定する図柄変動パターン指定信号S5も画像表示制御装置7に送信する。
上記「図柄の変動パターン」とは、図柄表示部43に表示される3つの図柄(L、C、R)についての変動時間、停止順序及び停止図柄の種類等からなる図柄変動表示の形態を指す。3つの図柄L、C、Rは、各々複数種類の図柄、例えば0〜9までの数字図柄からなり、それらがサイクリックに1図柄ずつ表示されるようになされている。
【0032】
このような図柄変動パターンの種類を指定する図柄変動パターン指定信号S5を図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信すれば、図柄表示部43において、これら両信号の受信時から、図柄変動パターン指定信号S5で指定された図柄変動パターンの種類に応じて図柄の変動表示が開始する。この図柄の変動表示は、上記図柄変動パターン中に設定された変動時間の満了時に、上記停止図柄の種類をもって停止する。
【0033】
大当り抽選手段6hは、大当り抽選を行う手段である。この大当り抽選は、球属性決定手段6eにより消滅位置が始動入賞口48に決定された遊技球である始動入賞球について、予め定められた大当り確率で大当り/外れの別を決定するための抽選である。
この大当り抽選の結果(大当り抽選結果)は、図柄変動パターン指定信号S5の内容に反映される。つまり、信号送信手段6gに与えられる図柄変動パターン指定信号S5は、大当り抽選結果の大当り/外れの別に応じた図柄で停止させる信号であり、信号送信手段6gに与えられ、図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信される。
更に大当り抽選結果は、主制御装置6が設定する遊技状態に反映される。具体的には、主制御装置6はパチンコ機各部を大当り抽選結果に応じた遊技状態に制御する。例えば、大当り抽選結果が大当りであれば、主制御装置6は図柄変動パターン指定信号S5による図柄変動表示の終了時に遊技状態を大当り状態とする。
大当り抽選は、上記のように消滅位置が始動入賞口48に決定(始動入賞決定)された遊技球である始動入賞球について、同決定の際に大当り抽選値取得手段(図示せず)から取得された抽選値を大当り値と照合して行われる。
【0034】
本実施形態では、上記抽選値として、0〜1579までの数値をエンドレスで繰り返しカウントする大当り抽選用カウンタ(図示せず)の上記始動入賞決定の際に読み込まれたカウント値が用いられ、このカウント値を、抽選用テーブル(図示せず)に予め設定された大当り値と照合することで大当り/外れの別を決定している。これによれば、大当り確率は大当り値の数を変えることで変化させ得る。
【0035】
ここでは、大当り値を、低確率時(低確率状態)について157、479、787、1061、1163の5種類設定され、高確率時(高確率状態)について157、479、787、1061、1163、199、263、317、383、443、503、577、641、701、769、839、887、983、1049、1109、233、419、607、877、1087、1123の26種類設定されている。
つまり、低確率時には5/1580=1/316の大当り確率となり、高確率時には26/1580≒1/61の大当り確率となる。
このような大当り確率の変更は、次に述べる確率変動手段6iが行う。
【0036】
すなわち確率変動手段6iは、上記大当り抽選で大当りと決定される確率(大当り確率)を高低相互間で変化させる手段である。上述したように、例えば低確率時の大当り確率が5/1580=1/316であれば、高確率時には26/1580≒1/61にする、というように確率を高くあるいは逆に低くする手段である。
確率変動手段6iは、低確率時の大当り抽選において大当りと決定され、図柄変動後の停止図柄が、大当り図柄のうち特定の図柄(特定図柄)であるときに低確率状態から高確率状態に変化させる。確率変動手段6iは、このような高確率状態を、例えば次回以降、一定回数までの大当り抽選において再度大当りと決定されるまで、あるいは非特定図柄で大当りと決定されるまで継続させ、その後、低確率状態に戻す。
なお、大当り図柄のうち特定図柄以外の図柄を非特定図柄という。
【0037】
始動入賞球保留・消化手段6jは、上記始動入賞球に係る図柄の変動表示中又は大当り状態継続中に新たな始動入賞球が生じた場合に、予め定められた数(一定数)、ここでは4個までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶する始動入賞球保留処理を行う手段である。
始動入賞球保留・消化手段6jは、先行する始動入賞球又は保留球に係る図柄の変動表示又は大当り状態の終了後に、後続する保留球を始動入賞球としてその始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信させる。
【0038】
保留球の記憶数は、その記憶された保留球に係る始動入賞球についての図柄の変動表示を行わせる毎に1個ずつ減算(デクリメント)される。この保留球による図柄の変動表示及び保留球記憶数の減算を保留球消化処理という。保留球の記憶数が減算され、4個未満になったときは、その時点から4個を上限として再び積算記憶可能である。
図1中の54は、各々保留球を表すランプ(保留球ランプ)であり、保留球の発生に従って、例えば左側のランプ54から順に1個ずつ点灯し、また保留球の消化に従って、例えば右側のランプ54から順に1個ずつ消灯し、その点灯ランプ数が現在の保留球記憶数を表すように構成されている。
【0039】
大当り状態起動・完了手段6kは、次のような機能を有する手段である。
すなわち、上記大当り抽選の結果が大当りであった場合に、上記図柄表示部43における、予め選択された種類の停止図柄、つまり大当り図柄の表示後に遊技状態を大当り状態へ移行させる。そして、上記大入賞口49の開閉体50の開動作を一旦終了した後に再度開始する大当り状態の継続動作を、現在の大当り状態の期間中において一定の継続条件を充足する限り予め定められた最大回数まで可能とする。この最大回数に達した満了回、又は最大回数未満の大当り状態の期間中において上記継続条件を充足しなかった途中回をもって大当り状態を完了させるという手段である。
本実施形態において、一定の継続条件は、開閉体50の開動作中に大入賞口49に入賞した遊技球のうち少なくとも1個がその大入賞口49の内部に設定された特定領域に入賞することにより充足される。最大回数は、本実施形態では16回に設定されている。
なお、上記「現在の大当り状態の期間」には、初回(大当り状態の第1回目の期間)も含まれることは勿論であり、したがって上記「途中回」にはこの初回も含まれる。つまり、大当り状態起動・完了手段6kは、大当り状態を第2回目に継続させず、第1回目で完了させることもある。
【0040】
遊技停止手段6lは、上記大当り状態起動・完了手段6kによる大当り状態の完了を契機として、本例では大当り状態完了時点において、少なくとも後述する発射操作部の操作による遊技球の発射が不能であって、かつ上記図柄表示部43に図柄が変動表示中であればその図柄を停止させた遊技停止状態とする手段である。
遊技球の発射が不能とは遊技球の発射が停止することを指すが、本実施形態は、遊技球と種々の部材が配置された遊技盤面とを画像として画像表示器5に表示し、仮想的に遊技を行う映像式の遊技機である。したがって、遊技球の発射は盤面画像上に遊技球の表示が開始されることで表現され、遊技球の発射停止は新たな遊技球の表示が開始されないことを意味する。
【0041】
また本例は、大当り状態完了時点において遊技全体を停止させることを目的としている。一方、本実施形態における遊技機は、上記のように映像式の遊技機であるので、図柄表示部43に動画像として表示されている遊技球と種々の部材が配置された遊技盤面とを、画像表示制御装置7の制御によって静止画像とすることができる。
したがって本例において、遊技停止手段6lは、大当り状態完了時点で画像表示制御装置7に画像静止信号S6を送り、図柄表示部43に表示されている盤面画像及びこの盤面画像上を移動している遊技球(発射球)を、その時点における状態で静止(停止)させる。遊技停止手段6lは、同時に発射問合せ信号S8の持ち球管理装置9への送信を停止させると共に持ち球管理装置9に発射停止信号S7を送り、発射可否状態信号S10をOFF状態とする。つまり、新たな遊技球の発射を停止させる。
なお、遊技停止手段6lは、大当り状態完了後、既に発射され盤面上にある遊技球が全て消滅(入賞若しくはアウト口53へ入球)した時点で静止させるように構成してもよい。
【0042】
変動時間短縮手段6mは、予め定められた条件を充足することにより、少なくとも次回の図柄の変動時においてその変動時間を短縮する手段である。
変動時間短縮手段6mは、例えば図柄変動後の停止図柄が、大当りとされる特定図柄のうち特に定められた図柄(変動時間短縮図柄)、一例として「5、5、5」又は「9、9、9」で停止した場合に、次回以降、100回までの図柄変動について、その変動時間を5秒から2.5秒に短縮させる。
【0043】
精算実行・遊技停止解除手段6nは、上記遊技停止状態の期間中に後述する精算スイッチが操作されることによって作動し、後述する精算処理手段を作動させると共に上記遊技停止状態を解除する手段である。
【0044】
持ち球管理装置9は、持ち球の出入管理を行うと共に、主制御装置6からの発射可否を問い合わせる発射問合せ信号S8に対する返答を行う装置である。持ち球管理装置9は、基本的に持ち球がある(持ち球数が0でない)場合にON状態を保持する発射可否状態信号S10を出力しており、上記返答は、ここでは発射可否状態信号S10がON状態にあるか否かを参照させることで行われる。発射可否状態信号S10のON状態が発射許可を表す。
持ち球管理装置9は、遊技停止手段6l(主制御装置6)から発射停止信号S7を受けた場合に、持ち球があってもOFF状態として発射を不許可とする。なお、予め定めた遊技の正常な進行を妨げるエラー状態が検知されたときにも発射可否状態信号S10をOFF状態にし、持ち球があっても遊技球の発射を不許可とするようにしてもよい。
【0045】
上記持ち球の出入管理は、主に、持ち球数に対して球発射を許可したときの持ち球の減算(−1)処理、及び入賞口44〜49に遊技球が入賞したときの持ち球数への賞球の加算処理により行われる。管理結果、つまり持ち球数は、持ち球数メモリ9aに更新記憶され、また持ち球数表示器19に表示される。
なお図4は、各入賞口44〜49への遊技球入賞時に払い出される、つまり持ち球数に加算処理される賞球数の例と、その賞球の払出しを指示するために主制御装置6から持ち球管理装置9に送られる賞球払出し信号S9の内容の一例を示す。
【0046】
上記精算処理手段9bは、後述する精算スイッチの操作によって精算処理を行う手段である。精算処理とは、精算スイッチ操作時点における持ち球数(持ち球数情報)をその数に応じた有価情報に変換してカード制御装置8に与え、このカード制御装置8によって後述するカード状の記録媒体に記録させ、この記録媒体を機外に排出させる一連の処理である。
有価情報としては、上記持ち球数(持ち球数情報)そのままであってもよく、あるいは持ち球数に応じて定められた金額やポイント、その他の有価情報であってもよい。
【0047】
以上の各手段6e〜6l,6m,6nは、本実施形態においてはCPU6aがRAM6bを作業域として用い、ROM6c中のデータ群6c2及び入賞率テーブル6c3を適宜読み出しながら制御プログラム6c1を実行することにより、その機能が実現される。
【0048】
次に、画像表示制御装置7について説明する。
画像表示制御装置7は、主制御装置6の制御に基づき、つまり主制御装置6からの発射信号S1、その他、各種の信号を受信し、これらの信号等により画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う装置である。
ここで、「表示させた盤面画像における表示制御を行う」とは、具体的には、画像表示器5を制御して、盤面画像自体の制御表示、例えば後述する複数の図柄の変動表示や図1に示す大入賞口49の開閉体50の動画像表示等をさせ、あるいは遊技球を盤面画像上に移動表示させること等をいう。
画像表示制御装置7の制御によるこれらの表示は、主制御装置6の制御に基づいている。特に、画像表示制御装置7による盤面画像自体の制御表示は、主制御装置6による上記盤面画像における遊技状態の制御に基づいている。
【0049】
この画像表示制御装置7は、図5に示すように、例えばCPU7a、RAM7b、ROM7c、画像処理専用の演算処理ユニット(GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)7d、ビデオRAM7e、入力インタフェース7f及び出力インタフェース7gを備えて構成されている。
【0050】
上記ROM7cには、制御プログラム7c1と、遊技釘の位置・形状(大きさを含む。)を表す遊技釘データ7c2と、球属性別、ここでは発射強度に基づく遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3と、その他のデータ群7c4とが格納されている。
データ群7c4には、遊技釘データ7c2と共に盤面画像を表示するためのガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、開閉体50、風車51、サイドランプ52及びアウト口53等の盤面構成部材の表示用データや、盤面背景データ等が含まれる。
上記表示用データは、表示対象である各盤面構成部材の位置、形状(大きさを含む。)を表すデータであり、これらのデータから、遊技球を球ルート(位置座標データ群)に沿って移動表示させて入賞口44〜49やアウト口53で消滅させることが可能となる。
【0051】
画像表示制御装置7は、CPU7aがRAM7bを作業域として用いて制御プログラム7c1を実行し、ROM7c中の遊技釘データ7c2及びデータ群7c4を適宜読み出し、またGPU7dを制御してビデオRAM7eに描画データを書き込ませる。これにより画像表示制御装置7は、上述したように画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う。
【0052】
本実施形態では、画像表示制御装置7は遊技球移動表示手段7h、開閉体開閉表示手段7i及び図柄表示制御手段7jを備える。
上記遊技球移動表示手段7hは、図2に示す主制御装置6の信号送信手段6gからの発射信号S1を受信して各発射信号S1中の球属性に基づき各遊技球の球ルートを取得し、その球ルートで各遊技球を盤面画像上に移動表示させるように構成されている。
球ルートは、各遊技球が盤面画像上に表示(発射)されてから入賞口44〜49又はアウト口53(図1参照)で消滅、つまり入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなる。
球ルートの終点である入賞口44〜49又はアウト口53での遊技球の消滅はその生存時間の満了時となることは勿論であり、上記位置座標データ群中の各位置座標データは経過時間対応で、ここでは単位時間=16ミリ秒毎に、表されている。
【0053】
なお、球ルートは遊技球中心位置のルートを指す。また映像式のパチンコ機においては、遊技球、入賞口44〜49及びアウト口53は画像で表示されているので、入賞口44〜49やアウト口53の位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が盤面画像上から消滅することは、遊技球が入賞口44〜49やアウト口53に入球することを指す。
【0054】
開閉体開閉表示手段7iは、信号送信手段6gからの上記開信号S2又は閉信号S3の受信によって盤面画像上の開閉体50の開又は閉動作表示を行わせる手段である。
この開閉体開閉表示手段7iは、上記大当り抽選結果が大当りと決定された始動入賞球に係る図柄の変動表示の終了時、つまり図柄の停止時に信号送信手段6gから送信される開信号S2を受信し、盤面画像上の開閉体50の開動作表示を行わせる。
【0055】
図柄表示制御手段7jは、上記図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5の受信によって、盤面画像上の図柄表示部43にその図柄変動開始信号S4に係る始動入賞球(保留球を含む。)についての図柄の変動表示を開始させる。そして、所定時間後に、その始動入賞球に係る図柄変動パターン指定信号S5で指定された図柄の変動パターンに応じた、つまり上記大当り抽選結果に応じた停止図柄で停止させる手段である。
【0056】
説明を図1に戻すと、可動枠3には、その前面に前面飾り枠11がヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備え、この丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられた無色透明のガラス又は合成樹脂からなる画像表示器保護用パネル13で塞がれる。
丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、発射操作機構18、持ち球数表示器19、残高表示器20等を備える。また、前面飾り枠11の裏面部には、精算操作機構17を備える。
【0057】
カード挿入口14は、ポイントや金額情報等の有価情報が書き込まれたカード状の記録媒体、ここでは金額情報が書き込まれたプリペイドカード等(以下、カードという。)22を挿入するスリット状の口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23、カード搬送機構24、情報読取器25及び情報書替器26が、前面飾り枠11の裏部等に取り付けられた状態で位置する。
貸出操作機構15は、遊技者により操作される貸出操作部27と、この貸出操作部27を介して操作される貸出スイッチ28とを備える。
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、この返却操作部29を介して操作される返却スイッチ30とを備える。
【0058】
精算操作機構17は、精算操作部31と、この精算操作部31を介して操作される精算スイッチ32とを備える。精算スイッチ32を直接操作可能にしてもよく、この場合は精算操作部31を省略できる。
精算スイッチ32(精算操作部31)は、遊技者によって操作できないようにパチンコ機裏面側に設けられている。遊技店側以外の者によって精算処理が行れることを禁止するためであり、具体的には、携帯する鍵により可動枠3の施錠を解いた店員のみが操作可能に、例えば前面飾り枠11の裏面部に設けられている。精算スイッチ32は、本実施形態では押釦式のスイッチが用いられており、一回押圧すればONした後、OFF状態に自動復帰する。
【0059】
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から回動操作される発射操作部(発射レバー)33と、この発射操作部33の操作により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、この発射停止操作部35によりON/OFF動作する発射停止スイッチ36とを備える。また発射操作機構18は、遊技者が発射操作部33に触れているか否かを検出するタッチセンサ(図示せず)を備える。
上記持ち球数表示器19は、数値表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11又は可動枠3に取り付けられる。
【0060】
以下、上述実施形態の基本的な動作について、主に図1、図2及び図5を参照しつつ説明する。
まず、主制御装置6、画像表示制御装置7、カード制御装置8及び持ち球管理装置9等が、遊技機枠1に設けられた電源装置(図示せず)から直流電源が供給されて起動されると、主制御装置6の制御に基づき画像表示制御装置7が画像表示器5を制御して、この画像表示器5に盤面画像を表示させる。
この盤面画像は、上述したように各種の盤面構成部材39、42〜54、及び図示を省略した多数の遊技釘等を表す画像からなる。
【0061】
いま、遊技者がカード22をカード挿入口14に挿入すると(図1中の矢印参照)、カード検出器23がカード検出信号をカード制御装置8に出力し、カード搬送機構24を引込制御する。これにより、カード22が機内に搬送され(図1中の矢印ロ参照)、情報読取器25がカード22の金額情報を読み取ってカード制御装置8に出力する。カード制御装置8は、読み取った金額情報を残高表示器20に表示する。
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、入力された投資金額に相当する投資金額情報が貸出信号として貸出スイッチ28からカード制御装置8に出力される。カード制御装置8は、貸出スイッチ28からの貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、カード22から読み取って記憶しておいた金額情報(カード読取金額情報)が上記投資金額情報以上であるか否かを判定する。
【0062】
次にカード制御装置8は、上記カード読取金額情報が投資金額情報以上である場合には投資金額情報をそのまま、投資金額情報未満である場合には上記カード読取金額情報を投資金額情報として、持ち球管理装置9に出力する。
持ち球管理装置9は、カード制御装置8から出力された投資金額情報に応じた持ち球数情報を持ち球数表示器19に出力し、この持ち球数表示器19に持ち球数としての数値を表示させ、同時に持ち球数メモリ9aに記憶する。
【0063】
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、カード22には500円の整数倍の金額情報が書き込まれている。そして、カード挿入口14に挿入されたカード22に、例えば1000円の金額情報が書き込まれている場合であって、遊技者が、貸出操作部27を1回操作した場合には500円に、2回操作した場合には1000円に、相当する球数を持ち球数表示器19に表示させ、記憶する。カード22に500円の金額情報が書き込まれていて、遊技者が貸出操作部27を2回操作した場合には、2回の操作に拘わらず500円に相当する球数を持ち球数表示器19に表示させ、持ち球数メモリ9aに記憶する。
【0064】
持ち球数表示器19による球数表示と並行して、カード制御装置8は、上記カード読取金額情報から貸出としての持ち球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、カード22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。
残額情報が「0」の場合、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。また、遊技者が返却操作部29を操作すると、カード制御装置8は、返却スイッチ30から返却信号を受けてカード搬送機構24を戻し制御する。
これらの戻し制御によって、カード搬送機構24はカード22を搬送してその一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を遊技機枠1から取り出し可能とする(機外に排出する)。
【0065】
持ち球数表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、図示しないタッチセンサがONすると共に、可変抵抗器34が発射操作部33の操作量に応じた可変抵抗値を主制御装置6に出力する。なお、発射停止操作部35は操作されてなく、発射停止スイッチ36はOFFしているものとする。
【0066】
主制御装置6は、発射操作部33の操作量がいわゆる遊びの範囲を超えているか否か、具体的には可変抵抗器34の可変抵抗値が一定値以上か否かによる発射可否の判定を行う。また、持ち球管理装置9に発射問合せ信号S8を送って持ち球数があるか否かを問い合わせる。
主制御装置6は、発射可否の判定結果が発射可であり、かつ発射可否状態信号S10がON状態である(持ち球数あり)と返答されると、発射ON信号を生成すると共に、この発射ON信号毎に、その信号生成時の上記可変抵抗値、換言すれば発射操作部33の操作量を取得する。
また主制御装置6は、画像表示器5に画像として描かれる遊技球が発射表示されてから遊技領域41をどのようなルートで流下、移動させるかについての基本的な情報となる球属性を上記発射ON信号毎、つまり発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に決定する。
【0067】
上記球属性は、主制御装置6に備わる球属性決定手段6eにより決定される。
すなわち球属性決定手段6eは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度を求め、この発射強度に基づき、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定する。
【0068】
図6に、遊技球の発射強度とこの発射強度に基づいて求められる生存時間との関係の一例を示す。ここでは、発射強度に基づいて求められる生存時間が一定の幅をもつ例が示されている。一定の幅をもつ生存時間から特定の生存時間を求める方法としては、抽選等が用いられる。
遊技球の生存時間を、遊技球の発射強度に基づくものではあるが、直接的には上記消滅位置に応じて求めたものであってもよい。また、遊技球の発射強度を球属性に含めてもよい。
【0069】
上記発射強度は、遊技球の発射の強さを表す情報であり、上述したように遊技球の消滅位置及び生存時間を求める基本的な情報として用いられる。
遊技球の消滅位置は、入賞口44〜49に入賞(入球)するか、入賞するときはどの入賞口に入賞するか、又は入賞せずにアウト口53に入球するかを表す入球位置に係る球属性である。遊技球は入賞口44〜49への入賞、又はアウト口53への入球時にその表示が終了し、盤面画像上から消滅する。
遊技球の生存時間は、発射操作部33が操作され、遊技球が発射されてから消滅するまで、つまり盤面画像上に表示が開始されてから終了するまでの経過時間に係る球属性である。
【0070】
球属性決定手段6eにより決定された各球属性を含む発射信号S1は信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。
画像表示制御装置7は、信号送信手段6gからの発射信号S1を受信して同発射信号S1中の上記2つの球属性に基づき各遊技球の移動ルート、つまり球ルートを選択(取得)し、その球ルートで各遊技球を画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示させる。
球ルートは、盤面画像上に遊技球が打ち込まれ、移動され、入賞口44〜49又はアウト口53に入球するまでの道筋を表す情報である。具体的には、遊技球が発射(表示)されガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に打ち込まれた後、流下、移動しながら風車51や図示しない遊技釘等に当たって、入賞口44〜49の何れかに入賞し、又は非入賞となってアウト口53に入球するまでの道筋を表わす位置座標データ群からなる情報である。球ルートは、上記発射信号S1に応じて多数種類設定されている。
【0071】
入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜48(図示例では開閉体50が閉じているので大入賞口49は含まない。)の何れかに入球することを表わす情報である。
非入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜49の何れにも入賞しないでアウト口53に入球することを表わす情報である。
なお、入賞として始動入賞口48への入賞が決定された場合にだけ、大当り/外れ情報(大当り/外れの別)が決定される。
大当り/外れ情報は、主制御装置6において、入賞として始動入賞口48への入賞が決定されたタイミングで大当り抽選用カウンタ(図示せず)のカウント値を取得し、このカウント値を抽選値として大当り値と照合(大当り抽選)して決定される。上記抽選値及び大当り/外れ情報(抽選結果)はRAM6bに記憶される。
【0072】
遊技球が画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示されると、主制御装置6は、上記発射ON信号毎に持ち球数情報を減算し、この減算した持ち球数情報を持ち球数表示器19に出力する。
持ち球数表示器19は、主制御装置6からの減算した持ち球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値となる。持ち球数メモリ9aには、この減算された数値が更新記憶される。
【0073】
球属性を含む発射信号S1を、上記発射ON信号毎に順次画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7で画像表示器5を制御させれば、画像表示器5は遊技球動画像(球ルートに沿って移動する遊技球画像)を次々と表示する。
この遊技球動画像は、遊技球が1分間当たり100発の割合で盤面画像中の発射通路40から遊技領域41に打ち込まれ、この遊技領域41を流下、移動する動画像である。
【0074】
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が一般入賞口44〜47に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、一般入賞口44〜47に対応する定数、この例では10個の賞球数情報をその時点における持ち球数情報に加算した持ち球数情報を持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が持ち球数情報に相当する球数を数値表示する。
持ち球数表示器19で表示される数値(持ち球数)は、遊技球が発射される毎に減算した数値と一般入賞口44〜47に対応する賞球数との加算値となる。この数値は、持ち球数メモリ9aに更新記憶される。このような持ち球数の加減算は、例えば持ち球管理装置9における賞球払出し信号S9の受信の有無と受信内容(入賞口の種類)、及び発射問合せ信号S8の有無あるいは発射可否状態信号S10による返答の有無(発射可否状態信号S10のON/OFF状態参照の有無。以下同じ。)に基づいて行われる。
【0075】
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、図柄変動開始信号S4及び大当り抽選結果に応じた図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する(盤面画像における表示制御を行う)。
この制御によって、画像表示器5は、図柄表示部43に3つの図柄(L、C、R)の変動表示を開始させ、図柄変動パターン指定信号S5で指定された大当り抽選結果(大当り/外れの別)を反映させて、つまり、所定時間後に、その始動入賞球に係る大当り抽選結果に応じた停止図柄で停止させる。
【0076】
この図柄停止によって、図柄表示部43に表示される図柄(停止図柄「L、C、R」)は、大当り大当り抽選の結果が大当りである場合には例えば「2、2、2」、「3、3、3」、…「7、7、7」、…「9、9、9」のように全て同一の数字が一列に並んだ表示形態(大当り図柄)となる。また、上記大当り大当り抽選の結果が外れである場合には、例えば「1、3、3」、「5、9、1」、「7、6、7」のように全てが同一とはなっていない数字が一列に並んだ表示形態となる。
【0077】
なお確率変動手段6iは、低確率時において大当りとなり、その停止図柄「L、C、R」が大当り図柄のうち、特定図柄、ここでは奇数の同一数字の図柄、つまり「1、1、1」、「3、3、3」、「5、5、5」、「7、7、7」、「9、9、9」となったときに、大当り確率を低確率から高確率に変化させる。
また確率変動手段6iは、高確率状態を、例えば次回以降、一定回数までの大当り抽選において再度大当りと決定されるまで、あるいは非特定図柄で大当りと決定されるまで継続させ、その後、低確率状態に戻す。
高低何れの確率状態にあっても、大当りとなる確率は、確率変動手段6iが現在設定している大当り確率に従う。
【0078】
図柄表示部43における停止図柄が大当り図柄である場合には、主制御装置6が、開閉体50を開動作表示させるための開信号S2を画像表示制御装置7に送信し、これを受けた画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開動作画像を表示する。
この大入賞口49の開動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として垂直に閉じた状態から斜め前方に開く動画像である。このようにして開閉体50が開動作すると、大入賞口49は他の入賞口(一般入賞口)44〜47よりも遊技球の入球が容易な形態となり、大入賞口49には、他の入賞口44〜47に比べてより多い遊技球の入賞が可能となる。
【0079】
大当り状態の継続中に、遊技球が大入賞口49に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像から消滅すると、主制御装置6は、大入賞口49に対応する定数、この例では15個の賞球数情報をその時点における持ち球数情報に加算した持ち球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が持ち球数情報に相当する球数を数値表示する。
持ち球数表示器19で表示される数値(持ち球数)は、遊技球が発射される毎に減算した数値と大入賞口49に対応する定数の賞球数との加算値となる。この数値は、持ち球数メモリ9aに更新記憶される。このような持ち球数の加減算は、例えば持ち球管理装置9における賞球払出し信号S9の受信の有無と受信内容(入賞口の種類)、及び発射問合せ信号S8の有無あるいは発射可否状態信号S10による返答の有無に基づいて行われる。
【0080】
遊技領域41に打ち込まれ、大入賞口49に入賞した遊技球は、大入賞口49の内部に設定された普通領域又はVゾーンと称される特定領域(共に図示せず)に入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開動作開始からの経過時間をカウントアップすると共に、大入賞口49に入賞した遊技球の数をカウントアップする。
【0081】
上記カウントアップした経過時間が規定時間、ここでは30秒に達するか、又はカウントアップした大入賞口49への入賞個数が規定入賞個数、ここでは10個に達することにより、主制御装置6は開閉体50を閉動作表示させるための閉信号S3を画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の閉動作画像を表示する。この大入賞口49の閉動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方から図1に示す垂直状態に閉じる動画像である。
【0082】
この開閉体50が開動作してから閉動作するまでの間、つまり開動作中において、大入賞口49の特定領域に遊技球が入賞した場合、主制御装置6は、特定領域への入賞があったことをカウントアップ(+1)する。開閉体50の1回の開動作(大当り状態)中に特定領域への入賞数が複数個あっても、最初の+1カウントアップ以降はカウントアップされない(+1のままである)。
このカウントアップがあった場合、主制御装置6は、画像表示制御装置7による上記開閉体50の1回の開動作が終了した後に、同開閉体50を再び開動作するための開情報を内容とする信号を画像表示制御装置7に送信し、上記画像表示器5を再び制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方に開く形態の動画像を表示する。
【0083】
この開閉体50が再び開動作する大当り状態(いわゆるラウンド)の継続は、カウントアップした特定領域への入賞が予め設定された最大回数、例えば16回(満了回)に達するまで行われる可能性がある。満了回に達する前の、開閉体50の1回の開動作中において特定領域への入賞が1回もなければ、つまり継続条件を充足しなければ、その回(途中回)で大当り状態の継続が終了することから、上記16回まで大当り状態が継続するかは可能性にとどまる。
このような大当り状態の開始及び完了(上記満了回での終了又は途中回での終了をいう)の制御は、大当り状態起動・完了手段6kが行っている。
【0084】
本例においては、大当り状態起動・完了手段6kにより上述した大当り状態が完了すると、遊技停止手段6lは、発射停止信号S7を生成して持ち球管理装置9に送信し、発射操作部33の操作による遊技球の発射が不能であって、かつ図柄表示部43に図柄が変動表示中であればその図柄を停止させる処理を含む遊技停止処理を行う。
遊技球の発射を不能にするとは、上述したように遊技球の発射を停止することを指す。具体的には、主制御装置6から持ち球管理装置9への発射問合せ信号S8の送信を停止すること、及び持ち球管理装置9から主制御装置6への発射可否状態信号S10の返答を停止する(発射可否状態信号S10をOFF状態にする)ことを指す。
【0085】
図7のタイムチャートはこのような動作状態を例示する。図中の大当り状態につき、ONは大当り状態にあることを、OFFは大当り状態にないことを意味する。また遊技停止状態につき、OFFは遊技停止状態にあることを、ONは遊技停止状態にない、つまり遊技可能状態にあることを意味する。
図示例では、大当り状態完了時点t1、つまり発射停止信号S7の送、受信時点から遊技停止状態となる。具体的には、大当り状態完了時点において、上記信号S8,S10が抑止されて新たな遊技球の発射が停止される(発射状態を発射停止状態とする)。この時、図柄表示部43に図柄が変動表示中であり、あるいは盤面画像上を遊技球(発射球)が移動中であれば、上記遊技球の発射停止に加え、これら図柄の変動や遊技球の移動が停止される。その他、盤面画像上に変動、移動する部分画像があれば、その部分画像も停止される。
【0086】
図7において、発射状態とは上記発射ON信号の生成に係る上記信号S8,S10の状態を指し、これらの信号S8,S10が抑止され新たな遊技球の発射が停止される状態を発射停止状態という。また盤面画像状態とは、画像表示器5による表示画像の状態、つまり、図柄の変動や遊技球の移動、その他、盤面画像上の部分画像の変動、移動についての状態をいい、これら図柄の変動や遊技球の移動が停止され、その他、盤面画像上に変動、移動する部分画像が停止されることを盤面画像停止状態という。遊技停止状態とは、このような発射停止状態にあり、かつ盤面画像停止状態にある状態を指す。後掲タイムチャートにおいても同様である。
上記遊技停止手段6lは、この例では大当り状態完了時点で遊技停止状態、つまり発射状態を発射停止状態とし、かつ盤面画像状態を盤面画像停止状態としている。
【0087】
図柄表示部43における停止図柄が大当り図柄でない(外れ図柄である)場合には、主制御装置6は開閉体50を開動作表示させるための開信号S2を画像表示制御装置7に送信することはなく、遊技状態を大当り状態にすることはない。
なお、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅した場合も、主制御装置6は、始動入賞口48に対応する定数の賞球数情報をその時点における持ち球数情報に加算した持ち球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が持ち球数情報に相当する球数を数値表示する。
持ち球数表示器19で表示される数値(持ち球数)は、遊技球が発射される毎に減算した数値と始動入賞口48に対応する定数の賞球数との加算値となる。この数値は、持ち球数メモリ9aに更新記憶される。このような持ち球数の加減算は、例えば持ち球管理装置9における賞球払出し信号S9の受信の有無と受信内容(入賞口の種類)、及び発射問合せ信号S8の有無あるいは発射可否状態信号S10による返答の有無に基づいて行われる。
【0088】
始動入賞球保留・消化手段6jは、上記のような開閉体50の開動作中又は図柄の変動表示中に新たな始動入賞球が生じた場合に、4個までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、その数に応じた数の保留球ランプ54を点灯させる。
そして始動入賞球保留・消化手段6jは、先行する始動入賞球又は保留球に係る図柄の変動表示又は大当り状態の終了後に、後続する保留球を始動入賞球としてその始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信させる。上記信号S4,S5を受信した画像表示制御装置7、具体的には図柄表示制御手段7jは、図柄表示部43に3つの図柄(L、C、R)の変動表示を開始させ、所定時間後に、その始動入賞球に係る大当り抽選結果に応じた停止図柄で停止させる。停止図柄に応じた制御は主制御装置6が行う。
上記保留球の記憶数は、その記憶された保留球に係る始動入賞球についての図柄の変動表示を開始又は終了する毎に、つまり保留球が消化される毎に1個ずつ減算され、これに伴い保留球ランプ54も1個ずつ消灯される。
なお本実施形態では、上述した大当り状態が完了すると、保留球ランプ54の点、消灯動作も停止するように構成されている。
【0089】
大当り状態が完了すると遊技停止手段6lが作動して遊技停止状態となる。遊技者はこの時点で(遊技停止状態の期間中に)店員を呼んで精算処理を要請する。遊技停止状態となった時にそれを報知するブザーや表示器等を例えば遊技機枠1の上部に設けておけば店員を呼びやすくなる。
精算処理を要請された店員が精算操作部31(精算スイッチ32)を操作すると、精算実行・遊技停止解除手段6nが作動し、精算処理手段9bを作動させると共に遊技停止状態を解除するが、その詳細は後述する。
【0090】
精算処理手段9bは、精算スイッチ操作時点における持ち球数を、その数に応じたポイントや金額情報等の有価情報、ここでは金額情報に変換し、これをカード22に残されている金額情報に加算して書替え記録し、そのカード22を機外に排出させる。
なお精算スイッチ32は、前面飾り枠11の裏面部に設けられており、携帯する鍵により可動枠3の施錠を解いた店員のみが操作可能である。
【0091】
具体的には、精算スイッチ32を操作した時点で精算信号が精算スイッチ32から持ち球管理装置9に出力される。これにより持ち球管理装置9は、持ち球数表示器19に表示されている球数に相当する持ち球数情報をカード制御装置8に出力すると共に、持ち球数表示器19の数値を「0」となるように持ち球数表示器19を制御し、持ち球数をクリアする。
カード制御装置8は、遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報に持ち球管理装置9から入力された持ち球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。
その後、カード制御装置8がカード搬送機構24を戻し制御する。すなわち、金額情報の書き替えられたカード22を搬送機構24により搬送し、その一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を遊技機枠1から取り出し可能とする。つまり、カード22が機外に排出され、精算処理を完了する。
【0092】
なお、精算時にカード22に記録される有価情報としては、上記のように金額情報等に変換したものでなく、上記精算スイッチ操作時点における持ち球数、つまり持ち球数情報そのままとしてもよい。この場合は、カード22に、金額情報(残高)及び持ち球数情報(遊技可能な球残数=持ち球数)を記録する領域の他に、景品にのみ交換可能の景品球数、つまり景品球数情報を記録する領域を設定しておき、この領域に上記精算スイッチ操作時点における持ち球数を記録するようにしてもよい。
【0093】
精算実行・遊技停止解除手段6nは、上述したように精算処理手段9bを作動させて精算処理を行うと共に、以下のように遊技停止状態を解除する。
この解除は、具体的には画像表示制御装置7に画像静止解除信号(図示せず)を送ると共に、発射問合せ信号S8の送信停止を解除し、かつ持ち球管理装置9に発射停止解除信号(図示せず)を送って発射可否状態信号S10をON状態に復帰させることでなされる。これにより遊技が可能な状態に復帰する。
【0094】
図8のタイムチャートはこのような精算実行・遊技停止解除手段6nの動作を例示する。この図において図7と同様の語、符号の意味するところは図7と同様である。
図示するように、大当り状態完了時点t1において遊技停止状態となったとする。遊技停止状態となった後、遊技者に請われた店員が時点t2において精算スイッチ32をON操作すると精算処理手段9bが作動を開始、つまりカード22への金額情報の書替えを開始する。時点t3において、この書替えが終了し、カード22が機外排出処理に回されると、この時点t3(精算処理終了時)において、精算実行・遊技停止解除手段6nは遊技停止状態を解除、つまり遊技可能状態とする。具体的には、画像表示制御装置7に画像静止解除信号(図示せず)を送ると共に、発射問合せ信号S8の送信停止を解除し、かつ持ち球管理装置9に発射停止解除信号(図示せず)を送って発射可否状態信号S10をON状態に復帰させる。これにより遊技可能な状態(遊技可能状態)に復帰する。
このように、遊技停止状態となった後、つまり遊技停止状態の期間中において、店員のみが操作可能な位置に設けられた精算スイッチ32をON操作すると、精算実行・遊技停止解除手段6nが精算処理手段9bを作動して精算処理を実行させると共に遊技停止状態を解除し、遊技可能な状態に復帰させる。
【0095】
以下、図9に図1、図2及び図5を併用して、上記遊技球の発射強度、球属性(遊技球の消滅位置、生存時間)、発射信号S1、及び球属性別の球ルートテーブル7c3の関係について説明する。
球属性のうち、遊技球の消滅位置は、主制御装置6の球属性決定手段6eにより遊技球の発射強度に基づいて決定される。ここでは、遊技球の消滅位置が、0〜9999までの数値をエンドレスで繰り返しカウントする消滅位置決定用カウンタ(図示せず)を用い、このカウンタの上記発射ON信号生成時のカウント値と上記遊技球の発射強度に基づいて決定される。
【0096】
いま、球属性決定手段6eにおいて発射強度値505が取得され、消滅位置決定用カウンタの上記発射ON信号の生成時のカウント値が250であるとする。このような場合、球属性決定手段6eは、図3に示す入賞率テーブル6c3の発射強度501〜510の欄の入賞率を検索し、ここから遊技球の消滅位置を決定する。
具体的には、この欄の各入賞口44〜49の入賞率を、入賞口44側から順に大入賞口49側に向けて各々10000倍した数値1、2、2、1、450…を順次加算して行く。すると、入賞口47の位置で合計値6が得られ、始動入賞口48の位置で合計値456が得られる。
消滅位置決定用カウンタのカウント値は250であり、この値は入賞口47の位置の合計値6を超え、始動入賞口48の位置の合計値456以下の範囲内にあるから、ここでは始動入賞口48がその遊技球の消滅位置と決定する。
【0097】
これにより、遊技球の発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c3に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置が決定されるが、遊技球の発射強度に基づき、かつ入賞率に従った方法であれば、上述方法以外の方法により遊技球の消滅位置を決定してもよい。
【0098】
球属性のうち、遊技球の生存時間は、図6にも示したように一定の幅をもつが、その幅内の特定の生存時間が上記遊技球の消滅位置に応じて決定される。図9に示すように、同一消滅位置の中にも更に異なる値の生存時間を複数種類設定してもよいが、この場合は、消滅位置決定用カウンタを用いた抽選によりランダムに決定された複数種類の中の1種類の消滅位置に応じた特定の生存時間が決定される。
このように決定された球属性は、発射信号S1に含められて主制御装置6の信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。図9に示す例において、頭文字「S1」が付された4桁の数字は各々球属性を含む発射信号S1を表す。
【0099】
球属性別の球ルートテーブル7c3は、画像表示制御装置7のROM7cに格納されている。この球ルートテーブル7c3は、主制御装置6の信号送信手段6gから送信されてくる発射信号S1、換言すれば球属性と、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)が盤面画像上に表示する遊技球の移動経路、つまり球ルートとの対照表である。
【0100】
球ルートは、図9に示す例においては頭文字「RT」が付された4桁の数字で表されているが、具体的には遊技球が盤面画像上に表示されてから消滅するまでの単位時間毎、例えば16ミリ秒毎の位置座標データの集合(位置座標データ群)である。
位置座標データは、例えば遊技盤面を含む画像表示器5の画像表示面(二次元平面)をX,Y平面とし、図1中の左右方向にX軸、上下方向にY軸をとり、同画像表示面の図1中の左下隅部を基準位置、つまりX=0,Y=0として表わす。
遊技盤面に直交する、遊技盤面の前面側(遊技者側)の方向にZ軸をとり、位置座標データをX,Y,Zの三次元座標で表わしてもよい。
なお図9は、球属性の一部を例示している。球属性別の球ルートテーブル7c3も一部を例示している。
【0101】
遊技者が、図1に示す発射操作部33をある操作量、例えば回転角度35°〜45°までの間の回転角度θxに操作した場合、主制御装置6は回転角度θxに応じた値を発射操作量として取得し、同装置6内の球属性決定手段6eはその発射操作量に応じて遊技球の発射強度Fxを求める。
球属性決定手段6eは、求めた発射強度Fxに対応する遊技球消滅位置Pxを、上記入賞率テーブル6c3及び消滅位置決定用カウンタを用いて抽選により求め、続いて、この消滅位置Px(詳しくは発射強度Fx及び消滅位置Px)から、各消滅位置までの遊技球生存時間Txを求める。
【0102】
主制御装置6の信号送信手段6gは、球属性決定手段6eで決定された遊技球消滅位置Px及び生存時間Txからなる球属性を含む発射信号S1を画像表示制御装置7に送信する。
発射信号S1は発射される遊技球毎に画像表示制御装置7に送信されるが、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)はこの発射信号S1を受信する毎に、各発射信号S1中の球属性に応じた球ルートを遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3から読み出す。
【0103】
次に、本実施形態において、図1に示す発射操作部33が操作されてから遊技球が盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅(表示が終了)するまでの一連の処理動作を図10及び図11のフローチャートに、図1、図2、図5及び図9を参照して説明する。
【0104】
まず、図10に図1及び図2を併用して主制御装置6における遊技球の発射処理を説明する。
図10において、ステップ301では、発射操作機構18が遊技球を発射できる状態になっているか否かを判定する。
すなわち、発射操作部33のタッチセンサ(図示せず)がON、発射停止スイッチがOFF、更に発射操作部33の操作量が遊びの範囲を超えているか否かを判定する。遊技者が実際に遊技球を発射するために発射操作部33を操作しているか否かを判定するためである。ステップ301の判定結果がNo(否定)であれば発射処理を終了し、Yes(肯定)であれば次ステップ302に進む。
【0105】
ステップ302では前回の発射から一定時間経過しているか否かを判定する。これは1分間に例えば100発を超えて発射されないようにするためで、一定時間とはここでは0.6秒である。ステップ302で一定時間経過していないと判定された場合には発射処理を終了する。つまり、主制御装置6は、遊技球の発射に関しては何の処理もしない。一定時間経過していると判定された場合には処理をステップ303に移す。
ステップ303では、持ち球数があるか(持ち球数表示器19が表示する球数が1以上か)否かを判定し、判定結果がNoであれば空打ち音を図示しない音声制御装置で発生させるための空打ち音発生信号を同音声制御装置に送信する(ステップ304)。
【0106】
ステップ303における判定結果がYesであればステップ305に進む。
ステップ305では、遊技停止手段6lが発射停止信号S7を生成(送信)したか否か、つまり遊技停止状態となっているか否かを判定し、判定結果がNoであれば発射処理を終了する。
ステップ305における判定結果がNoであれば球属性決定手段6eにより球属性を決定する(ステップ306)。ここでは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度が求められ、この発射強度及び遊技球の消滅位置に基づいて生存時間が求められ、これら消滅位置及び生存時間が球属性とされる。
【0107】
球属性が決定されるとステップ307に移行し、決定された球属性を含んだ発射信号S1を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信し、発射処理を終了する。
以上の処理は、発射球毎に行われる。
【0108】
図11は、図5に示す画像表示制御装置7による表示処理を説明するためのフローチャートである。以下、この図11に図1、図2、図5及び図9を併用して画像表示制御装置7による表示処理を説明する。
【0109】
まず、ステップ501において、画像表示制御装置7は、主制御装置6からの各種の信号を受信する。この信号には、図10中のステップ307で送信される発射信号S1の他、適時送信される図柄変動開始信号S4、図柄変動パターン指定信号S5、開閉体50の開信号S2、同閉信号S3等の演出表示制御用の信号がある。
発射信号S1は、発射球毎に画像表示制御装置7で受信され、その他の信号は、主制御装置6が制御する遊技状態に応じて送信する都度、受信される。
【0110】
ステップ502では、遊技球移動表示手段7hは受信した発射信号S1中の球属性に基づいた球ルートを取得し、ここでは球ルートテーブル7c3(図9参照)から球ルートRTを選択し、その球ルートRTに応じた位置座標で遊技球を画像表示器5に表示させる。
具体的には、図5に示すCPU7aが上記球ルートテーブル7c3から選択した球ルートRTに基づき、次のフレーム更新時に移動する遊技球の位置座標データをGPU7dが読み出し、ビデオRAM7eに書き込む。
【0111】
ステップ503では、ステップ502における処理が終了したか否か、つまり今回のフレーム分の移動を行ったか否かを判定する。未終了の場合はステップ503の処理を繰り返し、終了していればステップ504を実行する。
盤面画像に複数個の遊技球が表示される場合には、上述した表示処理は同時並行して行われる。このような場合、ステップ503における判定は、上記複数個の遊技球の全ての位置についてステップ502における処理が終了したか否かの判定となり、終了していればステップ504を実行する。
【0112】
ステップ504では、盤面画像上の図柄表示部43における図柄変動・停止、大入賞口49の開閉体50の開閉動作等、大当り状態あるいは大当り状態を招来させ得る遊技状態への演出表示制御を行う。
ステップ505では、ステップ504で行った表示制御以外の、例えば盤面画像におけるサイドランプ52や、図示しないが前面飾り枠11の前面部に取り付けられた電飾等の点消灯制御(一般演出制御処理)を行う。
ステップ506では、ステップ502、504、505の処理(制御)結果を合成して画像表示器5に描画、つまり表示させる。
【0113】
ステップ501〜506は、一定周期で繰り返されるので、画像表示器5には、大入賞口49の開閉体50の開閉動作、図柄変動、サイドランプ52の点滅等の様々な演出表示がされる盤面画像上に遊技球(画像)が重ねて移動表示される。
【0114】
本実施形態においては、ステップ501において画像表示制御装置7が受信する信号中には画像静止信号S6もあり得る。
画像表示制御装置7が画像静止信号S6を受信したときには、この画像表示制御装置7は盤面画像を遊技停止状態とする。具体的には、図柄表示部43に図柄が変動表示中であり、あるいは盤面画像上を遊技球が移動中であれば、これら図柄の変動や遊技球の移動を停止(静止)させる。保留球ランプ54の点、消灯動作も停止させる。風車51が回転中であったり、サイドランプ52が点滅中であった場合には、これらの動作も同時に停止させる。要するに、画像表示器5の表示画像全体を静止させる。
【0115】
図1では省略されているが、盤面画像中に、図柄表示部43の他にもう1つの図柄表示部(図柄表示部43で表示される図柄を特別図柄といったときに普通図柄といわれる図柄を表示する図柄表示部)を配置する場合には、その普通図柄の変動も停止させる。
普通図柄は盤面画像中に同時に配置されるゲート(図示せず)を遊技球が通過することで変動するが、この普通図柄の変動中に上記ゲートを再び遊技球が通過する場合にはその通過球を例えば4個まで普通図柄作動用の保留球として積算記憶可能である。そして、この保留球の数に応じてランプ(保留球ランプ)が点灯し、またこの保留球による普通図柄変動が行われる毎に同保留球記憶数が減算(保留球が消化)され、これによって上記ランプが消灯するが、この普通図柄作動用の保留球ランプの点、消灯動作も停止される。
なお、このような普通図柄表示部を有するパチンコ機は、上記ゲートに遊技球が通過すると抽選が行われ、この抽選に当たれば始動入賞口48に組み込まれた可動体(図示せず)が開いて始動入賞口48への入賞が容易になるように構成されている。上記普通図柄の変動は、このようなパチンコ機において、変動後の停止図柄で抽選結果を報知するまでの演出のために行われている。
このように、遊技停止は遊技球の発射ON信号を生成させるための信号系及び画像表示器5による表示画像の双方について行われる。
【0116】
以上説明したように本実施形態では、大当り状態の継続動作を、継続条件を充足する限り最大回数まで可能とし、この最大回数に達した満了回、又は最大回数未満の途中回をもって大当り状態を完了させる構成において、大当り状態の完了時点で遊技停止状態となるように遊技停止手段6lを設け、以後の遊技や精算等を不能とした。
これによれば、大当り状態の完了時以降の遊技はできなくなるので、個々のカード式遊技機において、大当り状態完了後に必ず店員を介在させ得ることになる。つまり、大当り状態の完了後の処置が店員に任されて柔軟な運用が可能となり、あるいは店員によるチェック等の管理が可能となるので、従来のカード式遊技機及びその管理装置において生じていた上掲(1)〜(4)の問題点を解消できる。
すなわち、台移動制限形態、1回交換形態あるいは定量制等、種々の営業形態に対応可能である上に、パチンコ機を店舗に多数台設置する場合において、複雑な管理装置等のシステムや設定作業等が不要であり、多数台設置及びその運用に当たって低コスト化が図れる。
また、カード22による精算もパチンコ機毎に店員が介在することになるので、多量のカード記録情報を蓄積する管理システムの不具合により正規カードを不正カードと誤認識してしまうことも防止されてカード22に関するトラブルが生じることも少なくなり、カード22の記録データの改竄等による不正も発見しやすくなる。更に、上記営業形態の変更もカード22による精算に店員が介在するので容易に可能となり、臨機応変なサービスが可能となる。
【0117】
そして本実施形態は、精算スイッチ32を操作して精算処理手段9bを作動させ、遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段6nを設けたので、店員により適宜の処置を行った後の遊技停止状態の解除が簡易、円滑に行える。
精算スイッチ32は、遊技店側の者、例えば店員のみが操作可能な位置に設けられ、あるいはそのような店員のみが操作可能に構成されている。具体的には、遊技機裏面側に設けられ、あるいはリモコン式の操作手段により操作可能に構成され、また鍵スイッチで構成されている。遊技機裏面側は店員のみが携帯する鍵によって開けられ、リモコン式の操作手段、例えば携帯型操作器、携帯型精算器等も店員のみが携帯するものであり、また、鍵スイッチのON/OFFも店員のみが携帯する鍵によって操作可能であるので、何ら権限のない遊技者等による操作を排除でき、安全性が保たれる。
【0118】
なお上述した例では、遊技停止手段6lを大当り状態完了時点において遊技停止状態(発射停止状態であり、かつ盤面画像停止状態にある状態)となるように構成したが、これのみに限定されず、例えば次のように構成してもよい。
すなわち遊技停止手段6lを、保留球があった場合に、その全てについて始動入賞球保留・消化手段6jによる保留球消化処理を終了した後に遊技停止状態とするように構成してもよい。また、保留球消化処理中において、保留球に係る始動入賞球の大当り抽選結果が大当りと決定されたものがあった場合には、その始動入賞球(保留球)による大当り動作を許容し、その後に遊技停止状態とするように構成してもよい。保留球に係る始動入賞球の大当り抽選結果がどうであったか知りたい遊技者を満足させ、また、保留球消化処理途中における大当り状態を許容して遊技者を満足させるためである。
また遊技停止手段6lを、大当り状態が完了した後の遊技状態が高確率状態になっていたり、図柄変動時間が短縮状態になっているとき、つまり、遊技者にとって有利な状態となっているときには遊技停止状態とせず、このような有利な状態が終了した後に遊技停止状態とするように構成してもよい。遊技者を満足させるためである。
【0119】
また上述した例では、精算実行・遊技停止解除手段6nを、遊技停止状態の期間中に精算スイッチ32が操作されることによって作動し、精算処理手段9bを作動させると共に遊技停止状態を解除するように構成したが、これに加えて、例えば次のように動作する構成としてもよい。
【0120】
例えば図12に示すように、持ち球管理装置9に遊技者用精算スイッチ9cを付加し、精算実行・遊技停止解除手段6nを、遊技停止状態の期間外にそのスイッチ9cが操作された場合に精算処理手段9bが作動するように構成してもよい。この場合、遊技者用精算スイッチ9cは遊技者自身が遊技停止状態期間外の所望時に操作可能に遊技機正面側に設けられている。
つまり、遊技停止状態の期間外においては、遊技者によって精算処理を行えるようにした。
大当り状態の完了を契機として遊技停止状態とし、この遊技停止状態の期間中に店員を介在させれば所期の目的を達成できる。遊技停止状態の期間外(遊技停止状態となっていない時)の精算処理までも店員を呼ばなければならないとすると、遊技者及び店員の双方にとって負担になる。
本例によればこのような負担は解消され、遊技者は、遊技停止状態の期間外であれば店員を呼ぶことなくいつでも精算可能となる。この設定は店員数が少ない場合に特に役立つ。
【0121】
図13は、遊技停止状態の期間中、つまり時点t1以降(精算スイッチ32がON操作されるまでの間)は、店員のみが操作可能の精算スイッチ32により、精算実行・遊技停止解除手段6nを作動させ、精算処理手段9bを作動させると共に遊技停止状態を解除できる。また、遊技停止状態の期間外、つまり時点t3からt6、更にこの時点t6で開始された大当り状態が完了するまでの間は、遊技者によっても操作可能の遊技者用精算スイッチ9cにより、精算実行・遊技停止解除手段6nを作動させ、精算処理手段9bを作動させることが可能であることを示している。
【0122】
また図14に示すように、持ち球管理装置9に遊技店用精算スイッチ9dを付加し、精算実行・遊技停止解除手段6nを、遊技停止状態の期間外にその遊技店用精算スイッチ9dが操作された場合に精算処理手段9bが作動するように構成してもよい。この場合、遊技店用精算スイッチ9dは遊技機裏面側に設けられる。権限のない遊技者等による操作を排除し、安全性を保つためである。
つまり、遊技停止状態の期間外においても精算処理を行えるが、その操作は店員のみよって行えるようにした。
本例によれば、遊技停止状態の期間外の精算処理であっても店員を介在させ、例えば遊技機に記録されている大当り回数等をチェックし、この精算時において獲得球数の適否等を確認することができる。
【0123】
更に図15に示すように、持ち球管理装置9に上記遊技者用精算スイッチ9c及び遊技店用精算スイッチ9dを付加し、これら両スイッチ9c,9dのうちの任意の一方の操作を有効とし、又は両方の操作を有効とする設定が可能な精算操作主体選択手段9eを付加する。そして、精算実行・遊技停止解除手段6nを、遊技停止状態の期間外に精算操作主体選択手段9eによって操作が有効と設定された上記スイッチ9c,9dが操作された場合に、精算処理手段9bが作動するように構成してもよい。
この場合、遊技者用精算スイッチ9cは遊技機正面側に設けられ、遊技店用精算スイッチ9d及び精算操作主体選択手段9eの設定部は遊技機裏面側に設けられる。遊技者用精算スイッチ9dは遊技者自身が遊技停止状態の期間外の所望時に操作可能とするためであり、また、遊技店用精算スイッチ9d及び精算操作主体選択手段9eは権限のない遊技者等による操作を排除し、安全性を保つためである。
つまり、遊技停止状態の期間外においては、遊技者及び/又は店員によっても精算処理を行えるようにした。
【0124】
図15において、精算操作主体選択手段9eの設定部90は、例えば並設された2個のスライドスイッチ91,92からなり、各スイッチ91,92を“1”側に位置させるか、“0”側に位置させるかによって4種類の設定が可能である。
図16に、上記設定部90におけるスイッチ状態と設定内容との関係の一例を示す。
この図においてスイッチ状態は、図15に示すスライドスイッチ91,92の操作位置を左側から右側の順で表しており、図15はスイッチ状態“1”“0”(設定番号3)を例示している。
設定番号1のスイッチ状態“0”“0”は、遊技者用精算スイッチ9c及び遊技店用精算スイッチ9d共に操作を有効とする場合の設定である。この場合、一定球数、例えば1万発以上であった場合には遊技店用精算スイッチ9dの操作のみを有効とし、一定球数未満であった場合に遊技者用精算スイッチ9cの操作を有効とするというように、獲得球数を条件として更に操作を有効とするスイッチを選択するように設定してもよい。獲得球数が多い場合には、遊技停止状態の期間外の精算処理であっても店員を介在させ、例えば遊技機に記録されている大当り回数等をチェックして、この精算時において獲得球数の適否等を確認し、不正防止に役立てたいからである。このような、獲得球数を条件として操作を有効とするスイッチの自動選択はプログラムによって実現できる。
【0125】
設定番号2のスイッチ状態“0”“1”は、遊技店用精算スイッチ9dの操作のみを有効とする場合の設定である。遊技停止状態の期間外の精算処理であっても、また獲得球数の多寡に拘わらず店員を介在させ、例えば遊技機に記録されている大当り回数等をチェックして、この精算時において獲得球数の適否等を確認し、不正防止に役立てたいからである。
設定番号3のスイッチ状態“1”“0”は、遊技者用精算スイッチ9cの操作を有効とする場合の設定である。遊技停止状態の期間外においては、店員を呼ぶことなく遊技者が精算処理を行えるようにし、遊技者及び店員双方の負担をなくすためである。この設定は店員数が少ない場合に特に役立つ。
設定番号4のスイッチ状態“1”“1”は何も設定されていない。
設定部90をスライドスイッチ91,92に代えてディップスイッチを用いてもよい。
本例によれば、遊技停止状態の期間外における精算処理の操作をすることができる者(精算操作主体)を柔軟に選択、ここでは3通りに選択することができる。
【0126】
以上の実施形態において、精算実行・遊技停止解除手段6nの操作部、精算スイッチ32(精算操作部31)及び精算操作主体選択手段9eの設定部90を、前面飾り枠11の裏面部に設けたが、これのみに限定されることはない。
これら操作部、スイッチ及び設定部を、リモコン式の操作手段により操作可能に構成したり、あるいは鍵によってON/OFF操作する鍵スイッチを用いて構成してもよい。リモコン式の操作手段を組み込んだ、例えば携帯型操作器等は店員のみが携帯するものであり、また、鍵スイッチのON/OFF操作も店員のみが携帯する鍵によって可能であるので、何ら権限のない遊技者等による操作を排除でき、安全性が保たれる。
【0127】
なお、画像表示器5に表示される盤面画像は、図1に示す態様に限定されない。以上に述べた盤面画像の態様はおおよそ第1種パチンコ機を模したものであるが、本発明はこれ以外のパチンコ機、その他の弾球遊技機にも適用可能である。
【0128】
また図1においては、主制御装置6は、その制御対象として画像表示制御装置7のみを備えた場合について示したが、実際には、画像表示制御装置7の他、音声制御装置や、例えば前面飾り枠11に取り付けられた電飾(図示せず)等を制御するランプ制御装置も備える。つまり主制御装置6は、盤面画像の表示や、表示された盤面画像における遊技状態の制御のみならず、音声やランプによる演出制御も可能である。
【0129】
図1に示す主制御装置6が制御する遊技状態には、例えば大入賞口49の開閉体50が開動作によって他の入賞口44〜48よりも遊技球の入球が容易な形態となる特別遊技状態(大当り状態)、この特別遊技状態以外の通常遊技状態、例えば遊技球が発射され、一般入賞口44〜47やアウト口53に入球する基本的な遊技状態がある。また、通常遊技状態ではあっても、図柄表示部43による図柄の変動表示(大当り/外れ演出画像表示)をしている遊技状態のように上記特別遊技状態を招来させ得る遊技状態等もある。
主制御装置6は、このような遊技状態を、画像表示制御装置7による盤面画像における演出表示制御によって現出させ、同時に上記音声やランプによる演出制御も加えて遊技者を楽しませている。遊技状態の制御には、その状態の開始、継続、終了の各制御を含む。
【0130】
以上の実施形態では、本発明(カード式遊技機)を映像式の遊技機に適用した場合について説明したが、本発明はこれのみに限らず、封入球式等の実遊技機にも同様に適用できる。
実遊技機では、遊技球が実球であることは勿論であるが、始動入賞口や可変入賞口(開閉体を含む)等の入賞口、アウト口、図柄表示部及び遊技釘等の盤面構成部材は、全てが実際の、つまり画像のような仮想のものではなく実体のある構造部材からなり、これらは同じく実際の(実体のある)遊技盤面上に配置されている。
そして実遊技機では、始動入賞口に入球し、その際、センサによって検出された遊技球が始動入賞球である。つまり実遊技機においては、遊技球が実際に始動入賞口に入球してセンサで検出されることにより始動入賞球が生じる。映像式の遊技機では、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置が始動入賞口と決定された時に始動入賞球が生じることになり、この点で両者は相違する。
しかし、いずれも始動入賞球が生じる(始動入賞球が検出される、又は消滅位置が始動入賞口と決定される)ことによって図柄の変動を開始し、停止図柄の種類により特別遊技状態(大当り状態)となり得る等の動作については同様である。発射操作部の操作によって遊技球が遊技盤面上に打ち込まれ、移動し、入賞口又はアウト口に入球するという基本的な遊技形態も同様であることはいうまでもない。
【0131】
本発明が適用される実遊技機においても、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した球数情報に基づいて遊技が行われ、精算スイッチの操作により、その操作時点における球数情報を有価情報に変換して上記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出することによって終了する。
大当り抽選手段、特別遊技状態起動・完了手段、確率変動手段、大当り抽選手段、始動入賞球保留・消化手段、特別遊技状態起動・完了手段等、また、遊技停止手段、変動時間短縮手段及び精算実行・遊技停止解除手段、精算操作主体選択手段等の構成、作用も上述実施形態における映像式の遊技機と特に変わるところはなく、これらの構成によって得られる効果も同様である。
なお、本発明が適用される実遊技機において、遊技停止手段が行う遊技停止処理(遊技停止状態とする処理)は、主として図柄表示部(図柄表示装置)の図柄変動の停止及び発射操作部の機能(遊技球発射装置の作動)を停止する処理を指す。
【0132】
次に、第2の発明に係る携帯型精算器について説明する。
この携帯型精算器は、上述したような、遊技が、カード(カード状の記録媒体)に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、所望時に精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して上記カードに記録し、そのカードを機外に排出するカード式遊技機に用いられる。
そしてこの携帯型精算器では、残高を内容とする金額情報と、遊技可能な持ち球数を内容とする持ち球数情報と、景品にのみ交換可能の景品球数を内容とする景品球数情報とを記録する領域が設定された上記カードが挿入口に挿入され、キー操作部が操作されることによって、上記持ち球数情報の内容である持ち球数のうち上記操作に応じた数を金額情報又は景品球数情報に変換し、変換に係る情報内容の額又は数を加減算し、結果をそのカードの該当領域に更新記録するという精算器である。
【0133】
以下、携帯型精算器の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図17は本発明(第2の発明)による携帯型精算器の一実施形態示す正面図である。
この携帯型精算器100は、図示例ではカード(記録媒体)22を挿入する挿入口101と、数値、演算用の指令を入力するキー操作部102とを備える。また、共にケース103内にあって図示されていないが、入力された数値や指令に従って変換(交換)演算を行う演算部と、カード22に記録された情報を読み、上記演算部による演算結果(変換後の情報)をカード22に書き込む、つまり更新記録する情報読書き部を備える。そして、上記演算部による演算前にはカード22記録されている情報を、演算後には演算結果を表示する表示部104を備える。
上記キー操作部102には、テンキー105、交換(変換)キー106、エンタキー107、デリートキー108を備える。カーソルを移動させるカーソルキーは図示省略されている。
【0134】
本実施形態では、これらのキー105〜108等に加えて、オールキー(全数指定キー)109を備える。オールキー109は、金額(情報)又は景品球数(情報)に交換する数として持ち球数(情報)の全数をワンタッチで指定可能なキーである。
また、上記演算部による演算結果、つまりカード22に更新記録された内容の一部又は全部をプリントアウトするプリンタ(図示せず)を内蔵している。
なお、図17中の110は上記プリンタを作動させるためのプリントキー、111は上記プリンタによるプリントアウト結果(印刷物)、ここではレシート112の排出口である。レシート112には、例えばプリントアウトした年月日(カード22の更新記録年月日)及び景品球数が印刷される。レシート用紙に特殊な認証用情報を施す等により、プリントアウト後のレシート112を、景品交換時における景品球数の証明としての利用が可能である。
レシート112を、景品交換時における景品球数の証明として利用可能とする場合には、更新記録されるカード22の景品球数を、レシート112に印刷した景品球数を差し引いた数とするようにしてもよい。
【0135】
このような携帯型精算器100によれば、カード22に記録された持ち球数情報を遊技機外において金額情報又は景品球数情報に変換して記録することができ、遊技者及び店員の双方にとって便利である。すなわち、携帯型精算器100は遊技機から独立して持ち運び可能であり、店員は店内のどこにでも移動して、一旦遊技機において精算されたカードであっても任意に再精算でき、遊技者及び店員の双方にとって便利である。
またこの携帯型精算器100は、店員のみが携帯可能であり、無人の精算器を設置する場合に比べて安全性が保たれる。すなわち、カード22への記録情報の改竄等による不正防止にも役立つ。更に、上記情報変換時における変換レートを携帯型精算器100に設定することも容易であり、レートを適宜値に設定してそのレートに応じた変換も可能となる。 この携帯型精算器100に、精算スイッチ32(図1、図2等、参照)のリモコン式操作手段を組み込むこともでき、この場合は、何ら権限のない遊技者等による精算スイッチ32の操作を排除でき、精算スイッチ32の安全性が保たれる。また、精算スイッチ32をリモコン操作する専用の携帯型操作器を省略できる。
【0136】
また、オールキー109を設けたことによれば、持ち球数の全数を交換する場合において使用して、その全数交換操作を容易にする。
更に、プリンタを内蔵させ、カード22に更新記録された内容の一部又は全部をプリントアウト(印刷物として出力)するようにしたことによれば、カード22に記録された各種情報を可視化でき、遊技者及び店員の確認の便宜が図れる。また、プリントアウト結果である印刷物を景品交換時における景品球数の証明としての利用も可能となる。
【0137】
次に、このような携帯型精算器100の使用例を、図18及び図19を併用し、上述カード式遊技機との関係で説明する。
図18は、1回交換形態における使用例を示す。
いま、大当り状態完了後の精算スイッチ32のON操作(押釦押圧)によって記録されたカード22の有価情報内容が、カード22Aに示すように残高(金額):1000円、持ち球(数):2000球、景品球(数):1000球であったとする。
1回交換形態においては、店員は現在の持ち球の全てを景品球に交換(変換)する必要がある。そこでこの場合は、携帯型精算器100のキー操作部102を、交換キー106→オールキー109→エンタキー107の順に操作し、カード22を挿入口101に挿入する。その結果、カード22の有価情報内容は、カード22Bに示すように残高:1000円、持ち球:0球、景品球:3000球となる。
このようにオールキー109は、1回交換形態において持ち球数の全数を交換する場合に使用して、その全数交換操作を容易にする。オールキー109は、遊技を終了して遊技店を退出する時の最終的な精算形態として持ち球数の全数を交換する場合において使用して、その全数交換操作を容易にする。
【0138】
完了した大当り状態が予め指定された図柄(ラッキーナンバ)の停止によるものであった場合には、遊技停止状態となった後に、その遊技機で、かつその際の持ち球を景品球に交換することなく、引き続き遊技を可能とするラッキーナンバ制という営業形態がある。このようなラッキーナンバ制を採っている場合には、店員は上記精算スイッチ32のON操作によって機外に排出されたカード22を携帯型精算器100に通すことなく、そのまま遊技者に返却する。遊技者は、同遊技機に再びカード22を挿入し遊技を開始(連続遊技)することが可能となる。
ラッキーナンバ以外の図柄の停止による場合であって1回交換形態を採っている場合には、携帯型精算器100を用い、上述した1回交換形態の場合と同様の作業を経て持ち球の全てを景品球に交換する。
【0139】
獲得球がある状態でも他の遊技機への移動が可能であり、また獲得球の一定数を超えても連続遊技が可能な無制限制という営業形態がある。このような無制限制を採っている場合は、上述したラッキーナンバ制を採っている場合と同様である。すなわち店員は、上記精算スイッチ32のON操作によって機外に排出されたカード22を携帯型精算器100に通すことなく、そのまま遊技者に返却する。遊技者は、同遊技機に再びカード22を挿入し遊技を開始(連続遊技)することが可能となる。
【0140】
また、上述した無制限制において、貯球可能な営業形態がある。すなわち、遊技者が遊技を終了して景品球に交換する時に、持ち球の一部のみを景品球に交換することを許容する営業形態である。
図19は、このような営業形態における携帯型精算器100の使用例を示す。
いま、大当り状態完了後の精算スイッチ32のON操作によって記録されたカード22の有価情報内容が、カード22Aに示すように残高(金額):1000円、持ち球(数):2000球、景品球(数):1000球であったとする。
貯球可能な形態においては、遊技者が、持ち球を例えば1000球残し、それ以外は景品球に交換したいと望む場合がある。この場合は、携帯型精算器100のキー操作部102を、交換キー106→テンキー105(1000を入力)→エンタキー107の順に操作し、その後、プリントキー110を操作してカード22を挿入口101に挿入する。
その結果、カード22の有価情報内容は、カード22Cに示すように残高:1000円、持ち球:1000球、景品球:0球となり、また、景品球数を意味する2000球との印刷がされたレシート112が排出口111から排出(発券)される。
この例では、レシート112は景品交換時における景品球数の証明として利用されている。
なお、図18及び図19共に、持ち球数情報を景品球数情報に変換する例について述べたが、持ち球数情報を金額情報に変換するようにしてもよい。
【0141】
図12、図14及び図15に示す精算実行・遊技停止解除手段6nの操作部、精算スイッチ32及び精算操作主体選択手段9eの設定部90をリモコン式の操作手段により操作可能に構成し、このリモコン式操作手段を上述したような携帯型精算器100に組み込んでもよい。携帯型精算器100は店員のみが携帯するものであり、何ら権限のない遊技者等による操作を排除でき、安全性が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明が適用されたパチンコ機の一実施形態の要部構成図である。
【図2】図1中の主制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2中の入賞率テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1中の各入賞口への賞球数とその賞球払出し信号の内容例を示す図である。
【図5】図1中の画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図2中の球属性決定手段で球属性として決定される遊技球の発射強度と生存時間との関係を示す図である。
【図7】図1に示すパチンコ機における遊技停止処理時の動作状態を例示するタイムチャートである。
【図8】同上パチンコ機の精算実行・遊技停止解除手段の動作を例示するタイムチャートである。
【図9】同上パチンコ機において球ルートを決定するための遊技球の発射強度、球属性、発射信号及び球属性別の球ルートテーブルの関係の一例を説明するための図である。
【図10】図2に示す主制御装置における遊技球の発射処理の詳細を例示するフローチャートである。
【図11】図5に示す画像表示制御装置による表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】精算実行・遊技停止解除手段の他の例(その1)を説明するためのブロック図である。
【図13】図12の例による精算実行・遊技停止解除手段の動作を例示するタイムチャートである。
【図14】精算実行・遊技停止解除手段の他の例(その2)を説明するためのブロック図図である。
【図15】精算実行・遊技停止解除手段の他の例(その3)を説明するためのブロック図図である。
【図16】図15中の精算実行・遊技停止解除手段の設定部におけるスイッチ状態と設定内容との関係の一例を示す図である。
【図17】本発明による携帯型精算器の一実施形態を示す正面図である。
【図18】同上携帯型精算器を用いた情報変換例を示す説明図である。
【図19】他の情報変換例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0143】
5:画像表示器、6h:大当り抽選手段、6k:大当り状態(特別遊技状態)起動・完了手段、6l:遊技停止手段、6n:精算実行・遊技停止解除手段、8:カード制御装置、9:持ち球管理装置、9b:精算処理手段、22:カード(カード状の記録媒体)、32:精算スイッチ、33:発射操作部、43:図柄表示部、44〜47:入賞口、48:始動入賞口、49:大入賞口(可変入賞口)、50:大入賞口の開閉体、53:アウト口、100:携帯型精算器、101:挿入口、102:キー操作部、109:オールキー(全数指定キー)、110:プリントキー。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞口、及び開閉体の開動作によって他の入賞口よりも遊技球の入球が容易な形態となる可変入賞口を含む複数の入賞口、アウト口、前記始動入賞口への入球遊技球である始動入賞球による図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄の種類により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部、並びに遊技釘を配置した遊技盤面上に、発射操作部の操作によって遊技球を打ち込み、移動させ、前記入賞口又はアウト口へ入球させる遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、
精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機であって、
遊技球の入賞確率が比較的低い通常遊技中よりも高くなる特別遊技状態へ移行させる大当りとするか否かの大当り抽選を前記始動入賞球が生じる毎に行う大当り抽選手段と、
予め設定された第1の所定条件が充足した場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、当該特別遊技状態において第2の所定条件が充足した場合に特別遊技状態を完了させる特別遊技状態起動・完了手段と、
この特別遊技状態起動・完了手段による特別遊技状態の完了を契機として、少なくとも前記発射操作部の操作による遊技球の発射が不能であって、かつ前記図柄表示部の図柄を停止させた遊技停止状態とする遊技停止手段と、
前記遊技停止状態の期間中に前記精算スイッチが操作されることによって、前記精算処理手段を作動させると共に前記遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段とを具備することを特徴とするカード式遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載のカード式遊技機において、
前記特別遊技状態へ移行させることとなる第1の所定条件は、予め設定された種類の停止図柄の表示が得られたときであると共に、
前記特別遊技状態は前記可変入賞口の開閉体が所定条件に基づき開閉するものであることを特徴とするカード式遊技機。
【請求項3】
始動入賞口、及び開閉体の開動作によって他の入賞口よりも遊技球の入球が容易な形態となる可変入賞口を含む複数の入賞口、アウト口、前記始動入賞口への入球遊技球である始動入賞球による図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄の種類により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部、並びに遊技釘を配置した遊技盤面上に、発射操作部の操作によって遊技球を打ち込み、移動させ、前記入賞口又はアウト口へ入球させる遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、
精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機であって、
前記可変入賞口の開閉体が一定時間、開動作する特別遊技状態へ移行させる大当りとするか否かの大当り抽選を前記始動入賞球が生じる毎に行う大当り抽選手段と、
前記大当り抽選の結果が大当りであった場合に、前記図柄表示部における、予め選択された種類の停止図柄の表示後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記開閉体の開動作を一旦終了した後に再度開始する特別遊技状態の継続動作を、現在の特別遊技状態の期間中において一定の継続条件を充足する限り予め定められた最大回数まで可能とし、この最大回数に達した満了回、又は最大回数未満の特別遊技状態の期間中において前記継続条件を充足しなかった途中回をもって特別遊技状態を完了させる特別遊技状態起動・完了手段と、
この特別遊技状態起動・完了手段による特別遊技状態の完了を契機として、少なくとも前記発射操作部の操作による遊技球の発射が不能であって、かつ前記図柄表示部の図柄を停止させた遊技停止状態とする遊技停止手段と、
前記遊技停止状態の期間中に前記精算スイッチが操作されることによって、前記精算処理手段を作動させると共に前記遊技停止状態を解除する精算実行・遊技停止解除手段とを具備し、
前記精算スイッチは、遊技機裏面側に設けられ、若しくはリモートコントロール式の操作手段により操作可能に構成され、又は鍵スイッチからなることを特徴とするカード式遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載のカード式遊技機において、
遊技者用精算スイッチを備え、
精算実行・遊技停止解除手段は、遊技停止状態の期間外にその遊技者用精算スイッチが操作されることによって精算処理手段を作動させるように構成され、
前記遊技者用精算スイッチは、遊技機正面側に設けられたことを特徴とするカード式遊技機。
【請求項5】
請求項3に記載のカード式遊技機において、
遊技店用精算スイッチを備え、
精算実行・遊技停止解除手段は、遊技停止状態の期間外にその遊技店用精算スイッチが操作されることによって精算処理手段を作動させるように構成され、
前記遊技店用精算スイッチは、遊技機裏面側に設けられ、若しくはリモートコントロール式の操作手段により操作可能に構成され、又は鍵スイッチからなることを特徴とするカード式遊技機。
【請求項6】
請求項3に記載のカード式遊技機において、
遊技者用精算スイッチ及び遊技店用精算スイッチと、これら両スイッチのうちの任意の一方の操作を有効とし、又は両方の操作を有効とする設定が可能な精算操作主体選択手段とを備え、
精算実行・遊技停止解除手段は、遊技停止状態の期間外にその精算操作主体選択手段によって操作が有効と設定された前記スイッチが操作されることによって精算処理手段を作動させるように構成され、
前記遊技者用精算スイッチは、遊技機正面側に設けられ、
前記遊技店用精算スイッチ及び精算操作主体選択手段の設定部は、遊技機裏面側に設けられ、若しくはリモートコントロール式の操作手段により操作可能に構成され、又は鍵スイッチからなることを特徴とするカード式遊技機。
【請求項7】
遊技が、カード状の記録媒体に記録された有価情報を読み取り、変換した持ち球数情報に基づいて行われ、所望時に精算スイッチが操作されることによって精算処理手段が作動し、その精算スイッチ操作時点における持ち球数情報を有価情報に変換して前記記録媒体に記録し、その記録媒体を機外に排出するカード式遊技機に用いられる携帯型精算器であって、
残高を内容とする金額情報と、遊技可能な持ち球数を内容とする持ち球数情報と、景品にのみ交換可能の景品球数を内容とする景品球数情報とを記録する領域が設定された前記記録媒体が挿入口に挿入され、キー操作部が操作されることによって、前記持ち球数情報の内容である持ち球数のうち前記操作に応じた数を金額情報又は景品球数情報に変換し、変換に係る情報内容の額又は数を加減算し、結果をその記録媒体の該当領域に更新記録することを特徴とする携帯型精算器。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯型精算器において、
キー操作部には、金額情報又は景品球数情報に変換する数として持ち球数の全数をワンタッチで指定可能な全数指定キーを備えることを特徴とする携帯型精算器。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の携帯型精算器において、
記録媒体に更新記録された内容の一部又は全部をプリントアウトするプリンタを内蔵することを特徴とする携帯型精算器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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