説明

カード本体中に電気モジュールを埋め込むための電気的の異方性の導電性のホットメルト接着シート

【課題】温度変化に耐える、カード本体中に電気モジュールを埋め込む為の異方性導電性接着シートの提供。
【解決手段】・接着剤系の軟化温度が65℃〜165℃の範囲内に位置し、
・導電性粒子が接着剤系と混合され、そこで粒子が平均25〜100μmの粒径を有し(但し導電性粒子の平均粒径が接着剤系の層の厚さより大きいことを条件とする)、
・導電性粒子が銅もしくはニッケルのコアをもつ、
ことを特徴とする、少なくとも1種の加熱活性化可能な接着剤を基剤にした少なくとも1層の接着剤系から成る、特に、カード本体中に電気モジュールを接着結合するための接着シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカード本体中に電気モジュールを接合するための、そして更にカード本体中に電気モジュールとアンテナ間の電気的接触を恒久的に確立するための電気的に異方性の導電性のホットメルト接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
カード本体中への電気モジュールの埋め込みに関して、先行技術はすでに多数の接着シートもしくは接合方法を開示している。これらの埋め込みの目的はテレホンカード、クレジットカード、駐車機械のカード、保険のカード等を製造することである。対応する接着結合方法の例は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3に認めることができる。
【0003】
接着結合のこの分野において、接着剤系に課せられる要請に関する障害が継続的に提起されている(the bar is being raised)。例えば、接着剤はポリカーボネートに対し、ABS、PVCおよびPETに対し、そして更に電気モジュールに対し十分に接着しなければならない。ここで結合は一般にエポキシ材料、ポリエステルもしくはポリイミドに対する。一時は、シアノアクリレートが液体接着剤として使用され、カード本体およびで電気的チップ双方の最適な湿潤化の利点を有した。しかし、この方法は工程が非常に遅いために乾燥する(is drying out)。カード本体中の孔からの溶媒の蒸発が緩徐であり、乾燥の結果として停止時間中に計量ノズルが詰まり、そしてまた計量能が低く、そして液体接着剤も同様に硬化に一定の時間を要する。その結果、接着結合の品質が決定的に劣っていた。
【0004】
感圧性ホットメルト接着剤は液体接着剤より著しく優れていることが判明している。しかしながら、この接合法に対しては極めて厳密な条件が課せられるので、ここでも同様に、適当な化合物の選択が非常に限定される。
【0005】
デュアルインターフェースのスマートカードとして知られるカードの製造のためには、この接着剤が更に異方性導電性の機能を担うことを要求されるので、更なる問題が存在する。この種の異方性導電性接着剤はすでに昔から知られている。もっとも単純には、一定量の導電性粒子が接着剤と混合される。濃度の選択がXY方向の導電性の発生を防止することを可能にする。Z方向の導電性は接着剤の層の厚さより直径の大きい幾つかの導電性粒子を製造することにより達成される。従って、圧縮後に、接続されなければならない電気接点間に直接的接触がもたらされる。
【0006】
特許文献はすでに多数の異方性導電性接着剤につき記載している。特許文献4は導電性および熱伝導性粒子を含んで成る接着性トランスファーテープにつき記載している。圧力および温度がかけられると粒子が圧縮される。これを達成するためには、粒子は2層を備える。温度活性化時には、導電性粒子のコアもしくは外殻のいずれかが融解する。この種の融解し易い化合物の例には鉛合金が含まれる。しかし、接着力をもたらすためには、接着性マトリックスも同様に融解し、従って相分離の事例が起る可能性があり、それが、不都合な場合にはアンテナのパッドとチップモジュール間の接着結合を妨げるために、この種の系は、スマートカードの分野での使用には不適切である。更に、導電性層の融解により、融解領域において、導電性の面積が有意に増大するので、短絡の危険性がある。
【0007】
特許文献5は異方性に導電性の粘着テープの製法を記載している。そうでないと、押し出し処理操作の工程中に粒子が破壊される危険があるために、その場合は、対応する粒子が一定の間隔で接着剤上に配置される。
【0008】
特許文献6はZ方向に導電性の粒子を配列する方法を記載している。配列は電磁放射により実施される。この方法は細長いもしくはとがった粒子に対してのみ合理的である。
【0009】
特許文献7は導電性粒子の使用につき記載している。
【0010】
特許文献8は10nm〜90nmの間の粒径を有する特別な導電性粒子を使用している。これらの粒子は、結合物の層の厚さが低すぎるので、デュアルインターフェースのスマートカードにおける使用には適さない。接着剤によりカードおよび電気モジュールの機械加工からの表面の荒れを代償することはもはや可能ではないと考えられる。
【0011】
特許文献9は弾性のコアを有する導電性粒子の使用につき記載している。弾性は例えばポリマーによりもたらされる。異方性導電性接着剤は半導体を接合するために使用される。しかし、デュアルインターフェースのスマートカードにおける使用のためには、これらの接着剤は適さない。カードはたわみ応力に耐えることを要請される。これは粒子上に連続的な力を与えるので、長期間の応力付与の経過中、導電性層が破壊すると考えられる。
【0012】
特許文献10はICチップを接合するために反応性系と導電性粒子を基剤にした異方性導電性接着剤を提唱している。しかし、反応性系は、反応のために、導電性粒子の腐蝕を促進するあるいはまた、気体成分として反対の圧力を形成し、従って接合に拮抗するように働く物質を放出するかも知れない欠点を有する。
【0013】
適用のもう1つの重要な基準は、それらのその後の使用過程中にこれらのカードが高温および低温双方に耐え、そして場合により洗濯にすら生き残ることを要求されるので、温度のばらつきおよび湿度の影響である。従って、接着剤は低温で脆弱になってはならず、高温で液体になってはならず、そして低い、水吸収傾向をもたねばならない。
【特許文献1】欧州特許第0 842 995号
【特許文献2】欧州特許第1 078 965号
【特許文献3】ドイツ特許第199 48 560号
【特許文献4】米国特許第4,606,962号
【特許文献5】米国特許第5,499,730号
【特許文献6】米国特許第5,685,939号
【特許文献7】米国特許第6,042,894号
【特許文献8】米国特許第6,452,111号
【特許文献9】米国特許第6,451,875号
【特許文献10】米国特許第6,426,021号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
当該技術分野のこの状態を考慮して、本発明が基礎とする目的は前記に特定された基準を充たす、カード本体中に電気モジュールを埋め込むための異方性導電性接着シートを特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従うと、この目的は、少なくとも1種の加熱活性化可能な接着剤を基剤にした少なくとも1層の接着剤系から成る、異方性導電性接着シートにより達成され、ここで接着剤系の軟化温度が65℃〜165℃の範囲内に位置し、そこで導電性粒子が接着剤系と混合され、粒子が更に平均、25〜100μmの粒径を有する(但し導電性粒子の平均粒径が接着剤系の層の厚さより大きいことを条件とする)。軟化温度の表示はドイツ工業規格53460に従う測定法により実施される。
【0016】
それに添加された導電性粒子が銅もしくはニッケルコアを有し、そして/もしくはそれの導電性粒子が金もしくは銀の鞘を有する接着シートが本発明に従い特に有利である。
【0017】
特に有利な接着シートは熱可塑性物質および場合により1もしくは複数の樹脂から成るものであり、ここで
a)接着剤系は65℃より高く、165℃未満の軟化温度を有し、
b)銅もしくはニッケルコアおよび銀金属の鞘を有する導電性粒子が、接着剤に対して2%〜60重量%の割合で接着剤系と均一に混合され、
c)粒子が平均25〜100μmの粒径を有し、そこで平均粒径が接着剤系の層の厚さより少なくとも5μmだけ大きい。
【0018】
図1)において、1はデュアルインターフェースモジュールを表わし、2はカード本体を表わし、3は接着剤4および混合導電性粒子5から成る本発明の接着シートを表わし、そして6はアンテナを表わす。1つの好ましい態様において、本発明の温度活性化可能な接着剤は20〜95μm間の層の厚さを有し、特に好ましい態様においては30〜80μmの層の厚さを有する。
加熱活性化可能接着剤
電気モジュールを接合する目的のためには、加熱活性化可能接着剤はエポキシ材料、ポリエステルおよびポリイミドに高い接着性をもち、そしてカード本体への接合の目的のためには、それはPC、ABS、PVCおよびPETに良好な接着性を有する。1つの非常に好ましい方法は、例えば熱可塑性材料(例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアセテート)、合成ゴム(例えばスチレン−イソプレン・ジブロックおよびトリブロック・コポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン・ジブロックおよびトリブロック・コポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン・ジブロックおよびトリブロック・コポリマー(SEBS))、ポリビニルアセテート、ポリイミド、ポリエーテル、コポリアミド、コポリエステル)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)、またはポリ(メタ)アクリレートを使用する。この引用は完全性を主張しない。ポリマーは65〜175℃の間の軟化範囲を有する。
【0019】
工業的接着性および活性化範囲を最適化するために、接着力を高める樹脂を添加することは有利な可能性がある。樹脂の好ましい割合は熱可塑性物質に基づき2%〜50重量%の間である。
【0020】
使用することができる添加粘着性付与樹脂は文献に記載された粘着性付与樹脂である。挙げることができる代表にはピネン樹脂、インデン樹脂およびロジン、それらの不均化、水素化、重合化および/もしくはエステル化誘導体および塩、脂肪族および芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂およびテルペン−フェノール樹脂およびC5、C9およびその他の炭化水素樹脂が含まれる。必要とされるものに従って、生成される接着剤の特性を調整するために、これらのおよび更なる樹脂の任意の所望の組み合わせ物を使用することができる。一般的に言えば、対応する熱可塑性物質と相容性の(それに可溶性の)任意の樹脂を使用することができる、特に、すべての脂肪族、芳香族、アルキル芳香族炭化水素樹脂、単一のモノマー基剤の炭化水素樹脂、水素化炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂および天然樹脂を参照することができる。Donatas Satas(Nostrand,1989)による”Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology(感圧性接着剤工学ハンドブック)”中の当該技術分野の状態の説明を明白に参照する(express reference)ことができる。
【0021】
更に好ましい態様において、エポキシ樹脂が付け加えられる。エポキシ樹脂の分子量は100g/モルから、ポリマーのエポキシ樹脂に対する最大10 000g/モルまで様々である。
【0022】
エポキシ樹脂は例えば、ビスフェノールAおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、フェノールとホルムアルデヒド(ノボラク樹脂)およびエピクロロヒドリン、グリシジルエステルの反応生成物並びにエピクロロヒドリンおよびp−アミノフェノールの反応生成物を含んで成る。
【0023】
好ましい市販の例はCiba GeigyからのAralditeTM6010、CY−281TM、ECNTM1273、ECNTM1280、MY 720、RD−2、Dow ChemicalからのDERTM331、DERTM732、DERTM736、DENTM432、DENTM438、DENTM485、Shell ChemicalからのEponTM812、825、826、828、830、834、836、871、872、1001、1004、1031等および同様にShell ChemicalからのHPTTM1071、HPTTM1079である。
【0024】
市販の脂肪族エポキシ樹脂の例はビニルシクロヘキサンジオキシド(例えばUnion Carbide Corp.からのERL−4206、ERL−4221、ERL 4201、ERL−4289もしくはERL−0400)である。
【0025】
使用することができるノボラク樹脂の例には、CelaneseからのEpi−RezTM5132、Sumitomo ChemicalからのESCN−001、Ciba GeigyからのCY−281、Dow ChemicalからのDENTM431、DENTM438、Quatrex 5010、Nippon KayakuからのRE 305S、DaiNippon Ink ChemistryからのEpiclonTMN673もしくはShell ChemicalからのEpicoteTM152が含まれる。
【0026】
樹脂としては更にメラミン樹脂(例えば、CytecからのCymelTM327および323)を使用することもできる。
【0027】
使用することができる更なる樹脂はテルペン−フェノール樹脂(例えばArizona ChemicalからのNIREZTM2019)である。
【0028】
フェノール樹脂(例えばToto KaseiからのYP 50、Union Carbide Corp.からのPKHCおよびShowa Union Gosei CorpからのBKR 2620)も同様に使用される樹脂の中にあることができる。
【0029】
ポリイソシアネート樹脂(例えばNippon Polyurethan Ind.からのCoronateTMLもしくはBayerからのDesmodurTMN3300もしくはMondurTM489)も更に使用することができる。
【0030】
樹脂の外に、更に可塑剤を使用することもできる。ここでは、本発明の1つの好ましい態様において、ポリグリコールエーテル、ポリエチレンオキシド、リン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステルおよび/もしくは安息香酸エステルを基剤にした可塑剤を使用することができる。更に、芳香族カルボン酸エステル、高分子ジオール、スルホンアミドおよびアジピン酸エステルを使用することもできる。
【0031】
場合により、更なる可能性は、充填剤(例えば繊維、炭素黒、酸化亜鉛、二酸化チタン、チョーク、固形もしくは中空のガラス球、その他の材料の微細球、シリカ、シリケート)、核形成剤、膨張剤、配合剤および/もしくは、例えば一次および二次抗酸化剤の形態もしくは光安定剤の形態の老化防止剤を添加することである。
【0032】
もう1つの態様において、使用される接着剤はポリオレフィン、特に、65℃より高く、175℃未満の軟化範囲をもち、そして同様に冷却過程において接着結合の後に再度固化するポリ−α−オレフィンである。異なる加熱活性化可能なポリ−α−オレフィンはVestoplastTMの商品名でDegussaから市販されている。好ましい態様において、ポリオレフィン活性化可能な接着剤は+65℃〜150℃の静的(static)軟化温度TE,Aもしくは融点TS,Aを有する。これらのポリマーの接合力は特定の添加剤を添加することにより増強することができる。例えば、ポリイミンもしくはポリビニルアセテートコポリマーを接合力を促進する添加剤として使用することができる。本発明の1つの非常に好ましいバージョンにおいて、コポリアミドは熱可塑性接着剤として使用される。それらは例えばAtofinaから市販されている。
導電性粒子
導電性粒子として、銅のコアもしくはニッケルのコアを有する粒子を使用することが有利である。鞘は非常に好ましくは、銀もしくは金から成る。粒子の総重量の一部としての鞘の割合は好ましくは、2%〜50重量%の間、より好ましくは5%〜25重量%の間である。1つの好ましいバージョンにおいて、粒子は球形の構造を有する。本発明のもう1つの非常に好ましいバージョンにおいて、粒子は、アンテナ上もしくはデュアルインターフェースモジュール上への粒子の定着を増強するために、かなりぎざぎざした表面を有する粗い球形構造のみを有する。その場合、球形の形態はむしろ顆粒状と呼ばれる。この種の粒子は商品名Sil−Shield Ag/NiおよびAg/CuとしてNanotechnology BVから市販されている。
製法
電気モジュールのカード本体への接着結合のための更なる処理として、接着テープを剥離紙もしくは剥離ライナー上に利用可能にさせなければならない。溶液からもしくは、非常に好ましくは溶融物からの被覆を実施することができる。溶融物からの適用のためには、溶媒−ポリマーが溶液中にある場合に−を好ましくは、減圧下で、何か例えば、単軸もしくは二軸押し出し機を使用して実施することができ、好ましくは、異なるもしくは同一真空段階で溶媒を留去し、供給物予熱器を有する濃縮用押し出し機中で除去される。次にメルトダイもしくは押し出しダイにより被覆が実施され、そこで所望される場合は、最適な被膜の厚さを達成するために接着剤のフィルムを延伸させる。樹脂の混合を混練装置もしくは二軸押し出し機を使用して実施することができる。1つの非常に好ましいバージョンにおいて、導電性粒子と混合するために、熱可塑性ポリマーを粉砕により非常に小さい粒子に転化させる。次に第2段階で、例えばStephan撹拌装置中で成分を合せることにより、熱可塑性接着剤および導電性粒子の均一な混合物がもたらされる。次に接着剤を一軸押し出し機中で融解し、次にコートハンガーマニホールドをもつ押し出しダイにより被覆される。
【0033】
接着剤のために使用される裏材料は当業者に知られた通常の材料、例えばフィルム(ポリエステル、PET、PE、PP、BOPP、PVC、ポリイミド)、不織布、発泡体、織物生地および織物フィルムおよび更に剥離紙(グラシン紙、HDPE、LDPE)である。裏材料には剥離層を提供されるべきである。本発明の1つの非常に好ましいバージョンにおいて、剥離層はシリコーンの剥離ワニスもしくはフッ素化剥離ワニスから成る。
【0034】
本発明は更に特にカード本体中に電気モジュールを接着結合するための、接着部位上で基剤の導電性接触をもたらすために基剤を接合するための前記の接着シートの使用を提供する。粒子は好ましくは、特に高温下で−すなわち外気温度より上の温度で−圧力負荷下で接着結合段階において圧縮され、その結果圧縮されないときの接合状態に比較して、電気接触面積が増加する。非常に好ましい方法において、接着結合段階における温度は120℃〜250℃の間である。
【0035】
本発明の接着シートによる接合の結果として、特に前節に明記された接着結合の場合に、電気的接触を維持するために、接合後に、粒子が応力負荷下で(例えば、湾曲もしくはその他の強力な機械的応力により)電気接触とかみ合わせる(mesh with)場合に非常に有利であることが証明される。
【実施例1】
【0036】
AtofinaからのPlatamid 2395(コポリアミド)を40℃の真空中で24時間100μmの粉末の形態で乾燥した。次に40重量%の銀処理銅のビーズ(粒径50μm、24重量%の銀)を撹拌添加し、粉末をドラムローラー上のドラム中で24時間、均質化した。
【実施例2】
【0037】
AtofinaからのPlatamid 2395(コポリアミド)を40℃で真空中で24時間100μmの粉末の形態で乾燥した。次に40重量%の銀処理ニッケルのビーズ(粒径50μm、24重量%の銀)を撹拌添加し、粉末をドラムローラー上のドラム中で24時間、均質化した。
被覆
実施例1および2をSIG単軸押し出し機中で融解し、180℃のBreyerダイをとおして被覆した。接着フィルムを両面に漸増されたシリコーン処理を伴うグラシン剥離紙上に上塗りする。被覆後の接着剤の被膜重量は約60g/mであり、そこで導電性粒子は押し出し工程にそのままで耐え、50μmの平均粒径を伴って裏材料上の接着剤から突き出した。
電気モジュールの埋め込み
電気モジュールをRuhlamatからの埋め込み装置を使用してカード本体に埋め込んだ。使用した材料は以下である:
電気モジュール:Philips Mifare
エッチングされた複数テープのアンテナを伴うPVCカード。
【0038】
第1段階において、実施例1および2からの試料をMuehlbauer CML 3400機器を使用して3バールの張り付け圧によりモジュールベルト上に張り付けた。次に電気モジュールをカード本体中の適合している孔に埋め込んだ。すべての実施例に使用されたパラメーターは以下である:
加熱段階:1
穿孔温度:205℃
時間:1×1.5s
冷却段階:1×800ms、25℃
圧力:モジュール1個に付き200N
試験法
Iso湾曲A)
Iso湾曲試験をIso/IEC基準10373:1993(E)−6.1節と同様に実施する。試験は合計4000回を超える湾曲を達成する場合に通過する。電気接触は各250回の湾曲後にモジュールの抵抗を測定することにより検定される。導電度の低下がない時にのみ試験を通過する。
Iso湾曲B)
Iso湾曲試験をA)に対するように、しかし試料を交互天候試験において15日間貯蔵後に実施した。天候は−30℃と65℃間を交替され、大気湿度は−30℃で0%そして+65℃で+95%であった。天候は2種の温度および湿度間を6時間毎に交替された。
結果:
本発明の接着剤を用いて製造されたチップカードを試験法AおよびBに従って試験した。結果は表1に示される。
表1
実施例 試験法A 試験法B
1 >4000 >4000
2 >4000 >4000
表1は本発明の実施例がデュアルインターフェースのチップカードの主要な基準を満し、従ってカード本体への電気モジュールの接着結合に著しく適することを示す。カードが本試験法を受けた後に、異方性伝導度を維持し、接着剤も同様に交互天候試験を通過後に全く脆弱性を示さなかった。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】カード本体に対する電気モジュールの接着結合が図式により表わされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・接着剤系の軟化温度が65℃〜165℃の範囲内に位置し、
・導電性粒子が接着剤系と混合され、そこで粒子が平均25〜100μmの粒径を有し(但し導電性粒子の平均粒径は接着剤系の層の厚さより大きいことを条件とする)、
・導電性粒子が銅もしくはニッケルのコアをもつ、
ことを特徴とする、少なくとも1種の加熱活性化可能な接着剤を基剤にした、少なくとも1層の接着剤系から成る、特に、カード本体中に電気モジュールを接着結合するための接着シート。
【請求項2】
導電性粒子が金もしくは銀の鞘を有することを特徴とする、請求項1記載の接着シート。
【請求項3】
導電性粒子の平均粒径が接着剤系の層の厚さより少なくとも5μm大きいことを特徴とする、請求項1〜2の少なくとも1項に記載の接着シート。
【請求項4】
接着剤系中の導電性粒子の割合が粒子を含まない接着剤に基づいて2%〜60重量%であることを特徴とする、請求項1〜3の少なくとも1項に記載の接着シート。
【請求項5】
導電性粒子が接着剤系中に均一に分布されていることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも1項に記載の接着シート。
【請求項6】
接着剤系の層の厚さが20〜95μm、特に30〜80μmの範囲内に位置することを特徴とする、請求項1〜5の少なくとも1項に記載の接着シート。
【請求項7】
熱可塑性物質が加熱活性化可能接着剤として使用されることを特徴とする、請求項1〜6の少なくとも1項に記載の接着シート。
【請求項8】
粒子が接着結合段階で圧力の行使により圧縮され、その結果電気接触面が圧縮によらない接合状態に比較して増加する、特に圧縮が外気温より高い温度で実施されることを特徴とする、接合部位上の基剤の導電性接触をもたらすために基剤を接合するための、特にカード本体中に電気モジュールを接着結合するための、請求項1〜7の少なくとも1項に記載の接着シートの使用方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−2150(P2006−2150A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171189(P2005−171189)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(501237327)テサ・アクチエンゲゼルシヤフト (62)
【Fターム(参考)】