説明

カード用コネクタ装置

【課題】片持ち梁状及びピン形状のコンタクト端子を使用する2種類のカードに対応でき、前者を使用するカードの長さ寸法が後者を使用するカードの長さ寸法よりも長い場合においても、装置自体の薄型化を図ること。
【解決手段】カードA又はカードAよりも挿入方向の長さ寸法が長いカードBを選択的に装着可能な装着空間を有するハウジングを備え、このハウジングに、カードAの接触部に接触するピン形状のカードA用コンタクト201と、このカードA用コンタクト201よりもカードの挿入方向の前方側であって上方側に配置されカードBの接触部に接触する片持ち梁状のカードB用コンタクト202とを有するコンタクトハウジング2を設け、カードAの装着空間SAにおけるカードA用コンタクト201よりもカードB用コンタクト202側の一部をカードBの装着空間SBとして利用することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタ装置に関し、特に、挿入方向の長さ寸法が異なる2種類のカードが装着可能なカード用コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに寸法及び形状が異なる2種類のカードを装着可能とするカード用コネクタ装置が知られている。例えば、特許文献1記載のカード用コネクタ装置においては、ピン形状のコンタクト端子(第1電極)と、片持ち梁状のコンタクト端子(第2電極)とを備え、長さの異なる2種類のカードを選択的に装着可能としたカード用コネクタ装置を提案している。このカード用コネクタ装置においては、カードの挿入方向の前方側にピン形状のコンタクト端子が配置され、これよりも挿入口側に片持ち梁状のコンタクト端子が配置されている。
【特許文献1】実開平6−44052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、現在、このようなカード用コネクタ装置に装着されるカードの形状は多岐に亘っており、その挿入方向の長さ寸法や使用するコンタクト端子もカードの種類によって異なっている。このため、カード用コネクタ装置に装着されるカードの組み合わせにおいて、片持ち梁状のコンタクト端子を使用するカードの長さ寸法が、ピン形状のコンタクト端子を使用するカードの長さ寸法よりも長い場合が発生し得る。
【0004】
しかしながら、上述したような従来のカード用コネクタ装置においては、ピン形状のコンタクト端子が挿入方向の前方側に配置されているため、このような組み合わせのカードに対応することはできない。仮に、ピン形状のコンタクト端子を、片持ち梁状のコンタクト端子よりも挿入口側に配置する場合には、カード用コネクタ装置の薄型化を図ることが困難であるという問題がある。すなわち、ピン形状のコンタクト端子は、片持ち梁状のコンタクト端子と異なり、カード挿入経路から退避させることが不可能であるため、当該コンタクト端子を使用するカードに固有のカード装着空間を確保しなければならないからである。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、片持ち梁状及びピン形状のコンタクト端子を使用する2種類のカードに対応でき、前者を使用するカードの長さ寸法が後者を使用するカードの長さ寸法よりも長い場合においても、装置自体の薄型化を図ることができるカード用コネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカード用コネクタ装置は、第1カード又はこの第1カードよりも挿入方向の長さ寸法が長い第2カードを選択的に装着可能な装着空間を有するハウジングを備え、前記ハウジングに、前記第1カードの接触部に接触するピン形状の第1コンタクト端子と、この第1コンタクト端子よりもカードの挿入方向の前方側であって上方側又は下方側に配置され前記第2カードの接触部に接触する片持ち梁状の第2コンタクト端子とを有するコンタクトハウジングを設け、前記第1カードの装着空間における前記第1コンタクト端子よりも前記第2コンタクト端子側の一部を前記第2カードの装着空間に利用することを特徴とする。
【0007】
上記カード用コネクタ装置によれば、第2コンタクト端子を第1コンタクト端子よりもカードの挿入方向の前方側であって上方側又は下方側に配置し、第1コンタクト端子よりも第2コンタクト端子側の一部を第1、第2カードの装着空間として共有し、第1コンタクト端子をピン形状のコンタクト端子とする一方、第2コンタクト端子を片持ち梁状のコンタクト端子とした場合に第1コンタクト端子に第2カードを接触させることなく装着可能としつつ、双方のカードの装着空間に要する必要な厚さを薄くすることができるので、片持ち梁状及びピン形状のコンタクト端子を使用する2種類のカードに対応でき、前者を使用するカードの長さ寸法が後者を使用するカードの長さ寸法よりも長い場合においても、装置自体の薄型化を図ることが可能となる。
【0008】
上記カード用コネクタ装置においては、前記コンタクトハウジングに前記第1コンタクト端子を保持する保持部を設け、当該保持部の上面で前記第2カードの下面を支持することが好ましい。この場合には、第1コンタクト端子の保持部の上面で第2カードが支持されることから、第2カードの自重による負荷を軽減することが可能となる。
【0009】
また、上記カード用コネクタ装置において、コンタクトハウジングは、前記第1カード及び第2カードの装着時におけるカード挿入口からの突出量が同一となる位置に前記第1コンタクト端子及び第2コンタクト端子を設けることが好ましい。この場合には、第1カード及び第2カードを装着した場合におけるカード挿入口からの突出量が同一となることから、第1カードに比べて第2カードがカード挿入口から突出するのを防止でき、第2カードの破損を防止することが可能となる。
【0010】
さらに、上記カード用コネクタ装置において、前記第1及び第2コンタクト端子は、単一部材で構成される保持部材に保持されることが好ましい。この場合には、第1コンタクト端子と、第2コンタクト端子とを一定の位置関係に配置することが可能となるので、位置調整を必要とすることなく、適切な位置に第1、第2コンタクト端子を配置することが可能となる。
【0011】
さらに、上記カード用コネクタ装置において、前記第2カードは、前記第1カードの外形寸法と同等の寸法を有するアダプタに装着された状態で前記ハウジングに装着され、前記ハウジングは、前記第1カードをガイドするために設けられたガイド部を用いて前記アダプタをガイドすることが好ましい。この場合には、第1カードの外形寸法と同等の寸法を有するアダプタに装着された状態で第2カードがハウジングに装着されることから、第1カードの幅寸法及び厚さ寸法が包含される第2カードの接触部を第2コンタクト端子に適切に接触させることが可能となる。特に、第1カードをガイドするためのガイド部を用いて、第2カードが装着されたアダプタをガイドすることから、アダプタを位置決めするための特別な構成を要することなく、アダプタを適切に位置決めすることが可能となる。
【0012】
特に、上記カード用コネクタ装置においては、前記ハウジングに対する装着時に前記第1コンタクト端子を収容する凹部を前記アダプタに設けることが好ましい。この場合には、ハウジングに対するアダプタの装着時に凹部により第1コンタクト端子が収容されるので、第1コンタクト端子に影響を与えることなく、第2カードを挿入方向の前方側に挿入することが可能となる。
【0013】
また、上記カード用コネクタ装置においては、前記ハウジングに装着された前記第1カードの挿入方向の前端部に当接して当該第1カードを排出方向に移動させる当接部を有する排出機構を備え、前記排出機構は、前記ハウジングに装着された前記アダプタの挿入方向の前端部に前記当接部を当接させて当該アダプタを排出方向に移動させることが好ましい。この場合には、装着された第1、第2カードを排出する排出機構を共通化することができるので、装置の部品点数を低減でき、装置を小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第2コンタクト端子を第1コンタクト端子よりもカードの挿入方向の前方側であって上方側又は下方側に配置し、第1コンタクト端子よりも第2コンタクト端子側の一部を第1、第2カードの装着空間として共有し、第1コンタクト端子をピン形状のコンタクト端子とする一方、第2コンタクト端子を片持ち梁状のコンタクト端子とした場合に第1コンタクト端子に第2カードを接触させることなく装着可能としつつ、双方のカードの装着空間に要する必要な厚さを薄くすることができるので、片持ち梁状及びピン形状のコンタクト端子を使用する2種類のカードに対応でき、前者を使用するカードの長さ寸法が後者を使用するカードの長さ寸法よりも長い場合においても、装置自体の薄型化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るカード用コネクタ装置(以下、単に「コネクタ」という)1は、装置自体の薄型化を図りつつ、挿入方向の長さ寸法が異なる2種類のカードを装着可能に構成されるものである。具体的には、ピン形状のコンタクト端子を使用する第1カードとしてのカードAと、このカードAよりも長さ寸法が長く、片持ち梁状のコンタクト端子を使用する第2カードとしてのカードBを装着可能に構成されている。なお、カードA、Bの構成については後述する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係るコネクタ1の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係るコネクタ1の分解斜視図である。なお、以下においては、適宜、図1に示す紙面上方側を「コネクタ1の前方側」又は単に「前方側」と呼び、同図に示す紙面下方側を「コネクタ1の後方側」又は単に「後方側」と呼ぶものとする。また、図1に示す紙面右方側を「コネクタ1の右方側」又は単に「右方側」と呼び、同図に示す紙面左方側を「コネクタ1の左方側」又は単に「左方側」と呼ぶものとする。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1は、合成樹脂材料を成型して形成されるコンタクトハウジング2と、金属薄板材料に打ち抜き加工及び折り曲げ加工などを施して形成されるカバー部材3と、コネクタ1に装着されたカードA、Bを排出する排出機構4とを備えている。なお、これらのコンタクトハウジング2と、カバー部材3とにより本実施の形態に係るコネクタ1のハウジングが構成される。
【0018】
コンタクトハウジング2は、図1に示すように、コネクタ1の前方側端部に配置され、コネクタ1の側壁部の一部及び奥壁部を構成している。また、コンタクトハウジング2には、図2に示すように、カードAの装着時に使用される第1コンタクト端子としてのカードA用コンタクト201と、カードBの装着時に使用される第2コンタクト端子としてのカードB用コンタクト202とが設けられている。さらに、コンタクトハウジング2には、後述するカードBの装着空間の一部が形成されている。なお、このコンタクトハウジング2の構成については後述する。
【0019】
カバー部材3は、コネクタ1の上面を構成する上面部301と、この上面部301の側端部から下方側に延出する側面部302とを有し、上面部301の前方側端部において、コンタクトハウジング2に取り付けられる。そして、カバー部材3は、コンタクトハウジング2に取り付けられた状態において、搭載される機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に固定される。これらの上面部301と、側面部302と、搭載される機器の被取付面との間にカードA、Bの装着空間が形成される。また、搭載される機器に固定された状態で、図1に示すように、コネクタ1の後方側端部にカード挿入口5が形成される。
【0020】
上面部301における前方側端部近傍の所定位置には、後述する排出機構4のレバー部材402、403を回動可能に保持するための一対の保持部303が形成されている。これらの保持部303は、上面部301の一部をプレス加工することで形成され、上面部301の下面において下方側に突出する円環形状を有している。この円環形状部分にレバー部材402、403が回動可能に取り付けられる。
【0021】
側面部302には、排出機構4を保持するための複数の爪部304と、後述するカードA等の段差部A4に弾接する弾接部305と、コネクタ1の内側に僅かに延出し、カードA等の側面を軽く押圧する弾性片306とを有している。側面部302の下端部は、コネクタ1の内側に折り曲げられており、カードA等の側方側端部の下面をガイドするガイド部307を形成している。さらに、側面部302よりもコネクタ1の前方側には、後述するコンタクトハウジング2の係合片209を収容する開口部が形成された一対の固定部308が設けられている。
【0022】
排出機構4は、カバー部材3が有する右方側の側面部302に取り付けられるカード押出機構401と、カバー部材3が有する保持部303に取り付けられるレバー部材402、403とを有している。カード押出機構401は、コネクタ1の側面と同等の長さを有するベース部材401aと、ベース部材401aに取り付けられるカバー401bと、ベース部材401aとカバー401bとの間の空間にその一部が収納される摘み部401cと、同じくベース部材401aとカバー401bとの間の空間に収納され、摘み部401cに対する押圧操作に応じてレバー部材402を駆動する不図示の駆動機構401dとを有する。
【0023】
摘み部401cは、コネクタ1の前後方向にスライド移動可能に構成され、その後方側端部がコネクタ1の後方側に突出している。駆動機構401dは、ベース部材401aに形成されたガイド溝に係合する係合部材と、このガイド溝上における係合部材の位置に応じて前後方向及び上下方向に移動する当接片401eを有するカム部材とから構成される。当接片401eは、ベース部材401aとカバー部材401bとの間に形成されるスリットから上方側に突出し、このスリット上に配置されるレバー部材402の係合部402bと当接する(図3参照)。
【0024】
レバー部材402は、例えば、金属薄板材料で形成され、図2に示すように、コネクタ1の左右方向に延在する長尺の板状部材で構成される。レバー部材402は、平面部402aと、この平面部402aの右方側端部に設けられた係合部402bと、平面部402aの左方側端部近傍から下方側に延出する回動規制部402cとを有している。平面部402aの中央よりも僅かに左方側には、円形状の開口部402dが形成されている。カバー部材3の保持部303は、レバー部材402が回動可能な程度にこの開口部402dに圧入される。
【0025】
レバー部材403は、レバー部材402と同様に、例えば、金属薄板材料で形成され、コンタクトハウジング2の半分程度の長さを有する板状部材で構成される。レバー部材403は、平面部403aと、この平面部403aの左方側端部で上方側に突出する突出片403bと、平面部403aの右方側端部から下方側に延出する当接片403cとを有している。突出片403bは、レバー部材402の前端面と当接する。当接片403cは、レバー部材403の回動に応じてコネクタ1に装着されたカードA等の前端部に当接し、カードA等を後方側に押し出す。平面部403aの中央よりも僅かに左方側には、円形状の開口部403dが形成されている。カバー部材3の保持部303は、レバー部材403が回動可能な程度にこの開口部403dに圧入される。
【0026】
図3は、このような構成を有する排出機構4の構成の位置関係を説明するための斜視図である。なお、図3においては、説明の便宜上、コンタクトハウジング2も示している。図3に示すように、排出機構4のレバー部材402、403は、コンタクトハウジング2のカードA用コンタクト201の上方において、左右方向に並ぶように配置されている。レバー部材402の係合部402bは、カード押出機構401の当接片401eが当接可能な位置に配置されている。レバー部材402の回動規制部402cは、後述するコンタクトハウジング2における左方側の奥壁部203に対向配置され、レバー部材402の一定位置以上の回動を規制する。また、レバー部材403の当接片403cは、後述するコンタクトハウジング2における右方側の奥壁部203に対向配置される一方、コネクタ1に装着されるカードA等の前端部に対向配置される。なお、この排出機構4によるカードA等の排出動作については後述する。
【0027】
ここで、本実施の形態に係るコネクタ1が有するコンタクトハウジング2の構成について説明する。図4は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するコンタクトハウジング2の斜視図である。図5は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するコンタクトハウジング2の上面図(同図(a))及び後面図(同図(b))である。図6は、図5(a)に示す一点鎖線Aにおけるコンタクトハウジング2の断面図である。なお、図6においては一点鎖線Aから右方側のコンタクトハウジング2を示したものであり、同図に示す左方側がコネクタ1の前方側に相当し、右方側がコネクタ1の後方側に相当する。
【0028】
図4及び図5に示すように、コンタクトハウジング2においては、コネクタ1の奥壁部を構成する奥壁部203と、この奥壁部203の側方側端部から後方側に延出し、コネクタ1の側壁部の一部を構成する側壁部204とを有している。奥壁部203の内壁(後方側の内壁)には、その中央にカードA用コンタクト201を保持する第1保持部205と、カードB用コンタクト202を保持する第2保持部206とが設けられている。図4及び図5(a)に示すように、第2保持部206は、第1保持部205よりもコネクタ1の前方側の位置に設けられると共に、図4及び図5(b)に示すように、第1保持部205よりも上方側の位置に設けられている。
【0029】
図4及び図5(b)に示すように、カードA用コンタクト201は、第1保持部205において、上下2列でコネクタ1の左右方向に配列されている。カードA用コンタクト201は、ピン形状のコンタクト端子で構成されている。また、カードA用コンタクト201は、図6に示すように、第1保持部205の前面部からコネクタ1の前方側に導出されている。
【0030】
第1保持部205の中央部分であって上方には、カードBを受け入れる開口部207が形成され、この開口部207の前方側には後述するカードBの装着空間SBの一部が形成されている。カードB用コンタクト202は、このカードBの装着空間SBの中央部分における第2保持部206に1列でコネクタ1の左右方向に配列されている。カードB用コンタクト202は、その前方側端部が第2保持部206に保持されると共に、その後方側端部が自由端を構成する、所謂、片持ち梁状のコンタクト端子で構成されている。また、カードB用コンタクト202は、図6に示すように、第2保持部206の前面部からコネクタ1の前方側に導出されている。
【0031】
このようなカードA用コンタクト201及びカードB用コンタクト202は、合成樹脂材料でコンタクトハウジング2の樹脂部分を形成した後に所定位置に設けられた複数の挿入孔に圧入される。なお、合成樹脂材料で形成された樹脂部分は、単一部材で構成される保持部材として機能する。これにより、コンタクトハウジング2において、カードA用コンタクト201と、カードB用コンタクト202とを一定の位置関係に配置することが可能となるので、位置調整を必要とすることなく、適切な位置にカードA用コンタクト201及びカードB用コンタクト202を配置することが可能となる。
【0032】
なお、カードB用コンタクト202の周囲には、第2保持部206からコネクタ1の後方に延出する保護板部208が配設されている。この保護板部208は、異なるカードの誤挿入に伴うカードB用コンタクト202の破損を防止するためのものである。なお、この保護板部208には、カードB用コンタクト202に対応する位置に複数のスリットが形成されている。カードB用コンタクト202は、これらのスリットを介してその後方側端部近傍が上方側に露出可能に構成されている。
【0033】
側壁部204の外面には、図4及び図5(a)に示すように、その後方側端部近傍であって上端部にカバー部材3の固定部308に形成された開口部と係合する係合片209が設けられている。一方、側壁部204の内面であって、下方側部分には、図4及び図5(b)に示すように、後述するカードAの溝部に入り込む一対の係合片210が設けられている(同図に示す右方側の側壁部204の係合片210は不図示:図6参照)。これらの係合片210は、カードAを所定位置にガイドするためのガイド部として機能すると共に、異なるカードの誤挿入に伴うカードA用コンタクト201の破損を防止する役割を果たすものである。
【0034】
このような構成を有し、本実施の形態に係るコネクタ1は、挿入方向の長さ寸法が異なるカードA、Bを装着可能とするものである。なお、本実施の形態に係るコネクタ1において、カードBは、カードAと略同一の形状を有するカードアダプタ(以下、「アダプタ」という)6に装着された状態でコネクタ1に装着される。以下、本実施の形態に係るコネクタ1に装着されるカードA、B及びカードBが装着されるアダプタ6の構成について説明する。
【0035】
図7(a)は、カードAを後方側から示した斜視図であり、同図(b)は、カードAの前面図である。図8(a)は、カードBを後方側から示した斜視図であり、同図(b)は、カードBの前面図である。図9(a)、(b)及び(c)は、それぞれカードBの上面図、側面図及び下面図である。図10(a)は、アダプタ6を後方側から示した斜視図であり、同図(b)は、アダプタ6の前面図である。図11(a)、(b)及び(c)は、それぞれアダプタ6の上面図、側面図及び下面図である。図12(a)は、カードBが装着されたアダプタ6を後方側から示した斜視図であり、同図(b)は、カードBが装着されたアダプタ6の前面図である。なお、図9(b)及び図11(b)においては、それぞれカードB及びアダプタ6を右方側から示した側面図を示している。
【0036】
図7(a)に示すように、カードAは、挿入方向に沿った長さ方向の寸法がA1であり、幅方向の寸法がA2であり、厚さ方向の寸法がA3に設定されている。カードAの側方側の端部には、段差部A4が設けられている。また、カードAの側面には、前方側から一定長さの溝A5が形成されている。カードAがコネクタ1に挿入される際、コンタクトハウジング2に設けられた係合片209は、溝A5に受け入れられる。カードAの前面には、図7(b)に示すように、カードA用コンタクト201を収容する複数の収容穴A6が設けられている。
【0037】
一方、図8(a)に示すように、カードBは、長さ方向の寸法がカードAのA1よりも長いB1であり、幅方向の寸法がカードAのA2よりも短いB2であり、厚さ方向の寸法がカードAのA3よりも薄いB3に設定されている。カードBの側方側の端部上面には、段差部B4が設けられている(図9(a)、(b)参照)。この段差部B4には、左右に一対の凹部B5が形成されている。また、カードBの後端部には、カードBをコネクタ1から抜き取る際に利用される摘み部B6が設けられている。
【0038】
カードBの側方側の端部下面には、段差部B7が設けられている(図9(b)、(c)参照)。この段差部B7の後端部には、後述するアダプタ6のガイド片64に当接する当接部B8が設けられている。この当接部B8がアダプタ6のガイド片64に当接することにより、アダプタ6におけるカードBの位置決めが可能となっている。カードBの前面には、図8(b)に示すように、凹部B9が形成されている。この凹部B9の内側の上面には、カードB用コンタクト202と接触し、信号を送受信するための複数の接触パッド(不図示)が設けられている。
【0039】
アダプタ6は、その外形において、カードAと同一の寸法に設定されている。すなわち、アダプタ6は、図10(a)に示すように、長さ方向の寸法がカードAのA1と同一であり、幅方向の寸法がカードAのA2と同一であり、厚さ方向の寸法がカードAのA3と同一に設定されている。アダプタ6の側方側の端部には、カードAの段差部A4と同一形状の段差部61が設けられている(図11(b)参照)。また、アダプタ6の側面には、カードAの溝A5と同一形状の溝62が形成されている(図11(b)参照)。溝62は、カードAの溝A5と同様に、コンタクトハウジング2の係合片210を受け入れる。
【0040】
アダプタ6の上面であって中央部分には、カードBを収容する収容部63が設けられている。収容部63は、アダプタ6の上面よりも低くなっている。この収容部63の側端部であって後方側には、カードBの段差部B7を下方側から支持するガイド片64が複数設けられている(なお、図10(a)において右方側の当接片64は不図示、図11(a)参照)。なお、最も後方側に位置するガイド片64の後端部には、アダプタ6に装着されたカードBの当接部B8が当接するように構成されている。
【0041】
収容部63の側方側端部に対応するアダプタ6の上面には、装着されたカードBを保持する複数の保持片65が設けられている。これらの保持片65は、図10(b)に示すように、ガイド片64の上面と対向する保持面を有し、ガイド片64の上面とこの保持面とでカードBの側端部を上下方向から保持するように構成されている。また、最も前方側の保持片65の前方側には、一対の凹部66が形成されている。この凹部66には、アダプタ6に装着されたカードBの凹部B5に係合する係合片としての板ばね67が取り付けられている。
【0042】
また、アダプタ6の前面には、図10(b)に示すように、凹部68が形成されている(図11(c)参照)。この凹部68は、カードBが装着された状態のアダプタ6がコネクタ1に挿入される際、カードA用コンタクト201を収容するように構成されている。なお、アダプタ6の後方側の端面には、装着されたカードBを取り外し易くするための凹部69が形成されている(図11(a)、(c)参照)。
【0043】
このような構成を有するアダプタ6において、カードBは、図12(a)に示すように、その前端部がコネクタ1の前方側に突出した状態で装着される。また、カードBの後端面は、アダプタ6の後端面と同一面上に配置され、摘み部B6がアダプタ6の凹部68に入り込んだ状態となっている。また、図12(b)に示すように、カードBの側端部は、ガイド片64により下方側から支持され、保持片65により上方側から支持されている。そして、カードBの凹部B5に板ばね67が入り込むことで、カードBがアダプタ6上で固定されている。カードBは、このようにアダプタ6に装着された状態でコネクタ1に装着されることとなる。
【0044】
このように本実施の形態に係るコネクタ1においては、カードAの外形寸法と同等の寸法を有するアダプタ6に装着された状態でカードBがコネクタ1に装着されることから、カードAの幅寸法及び厚さ寸法が包含されるカードBの接触パッドをカードB用コンタクト202に適切に接触させることが可能となる。特に、カードAをガイドするための係合片210を用いて、カードBが装着されたアダプタ6をガイドすることから、アダプタ6を位置決めするための特別な構成を要することなく、アダプタ6を適切に位置決めすることが可能となる。
【0045】
次に、本実施の形態に係るコネクタ1にカードA、Bが装着された状態について説明する。図13は、カードAが装着された状態のコネクタ1の斜視図である。図14は、カードBが装着されたアダプタ6が装着された状態のコネクタ1の斜視図である。図13に示すように、カードAは、その後端部がコネクタ1の後方側に僅かに突出した状態で装着される。なお、カードAの後端面は、概して、排出機構4の摘み部401cの後端部と同一面上に配置されている。
【0046】
一方、図14に示すように、カードBが装着されたアダプタ6は、図13に示すカードAと同様に、その後端部がコネクタ1の後方側に僅かに突出した状態で装着される。アダプタ6に装着されたカードBの後端部は、アダプタ6の後端部と同一面上に配置されるため、カードBもコネクタ1の後方側に僅かに突出した状態で装着されている。すなわち、コネクタ1に装着された状態において、カードA、Bは、カード挿入口5から同一の長さだけ突出するものとなる。このようにカードA、Bを装着した場合におけるカード挿入口5から突出する長さを一致させているので、カードAに比べてカードBがカード挿入口5から突出するのを防止でき、カードBの破損を防止することが可能となる。
【0047】
ここで、カードA、Bが装着されたコネクタ1の内部状態について説明する。図15は、本実施の形態に係るコネクタ1の断面図である。図16は、カードAが装着された状態のコネクタ1の断面図である。図17は、カードBが装着されたアダプタ6が装着された状態のコネクタ1の断面図である。なお、図15〜図17においては、コネクタ1の中央部分における断面から右方側を示している。また、図15〜図17においては、同図における左方側がコネクタ1の前方側に相当する。
【0048】
図15に示すように、コネクタ1の内部においては、概して、コンタクトハウジング2の保護板部208の上面が形成する水平面と、カバー部材3のガイド部307の上面が形成する水平面との間の空間にカードAの装着空間SAが設けられている。一方、概して、コンタクトハウジング2の第1保持部205の上面が形成する水平面と、カバー部材3の上面部301の下面が形成する水平面との間の空間にカードBの装着空間SBが設けられている。すなわち、カードAの装着空間SAと、カードBの装着空間SBとは、保護板部208の上面が形成する水平面と、第1保持部207の上面が形成する水平面との間で空間を共有している。
【0049】
カードAは、装着空間SAをコネクタ1の前方側に挿入され、図16に示すように、前端部が第1保持部205の後方側端面に当接した位置で装着された状態となる。このとき、第1保持部205に保持されるカードA用コンタクト201は、カードAの前端面に形成された収容穴A6(図16において不図示)に収容されている。また、装着された状態のカードAに対して、カバー部材3の弾接部305(図16において不図示:図15参照)が段差部A4に弾接し、弾性片306(図16において不図示:図15参照)が側面を軽く押圧することで、カードAがコネクタ1から飛び出すことが防止されている。
【0050】
一方、カードBは、アダプタ6に装着された状態で、装着空間SBをコネクタ1の前方側に挿入され、図17に示すように、前端部が第2保持部206の後方側端面に当接した位置で装着された状態となる。このとき、カードB用コンタクトは、カードBに設けられた接触パッドに下方側からに接触している。また、コンタクトハウジング2の第1保持部205の上面は、挿入されたカードBの前方側端部近傍の下面を支持している。これにより、アダプタ6から前方側に突出するカードBの前端部近傍を下方側から支持し、カードBの自重による負荷を軽減させている。
【0051】
なお、この場合において、アダプタ6は、カードAと同様に、装着空間SAをコネクタ1の前方側に挿入され、第1保持部205の後方側端面に当接した位置で装着された状態となっている。また、カバー部材3の弾接部305及び弾性片306による押圧作用も同様である。このように装着された状態において、アダプタ6は、その凹部68でカードA用コンタクト201を収容している。このため、カードA用コンタクト201に影響を与えることなく、カードBをコネクタ1の前方側に挿入することが可能となっている。
【0052】
このように本実施の形態に係るコネクタ1によれば、カードB用コンタクト202をカードA用コンタクト201よりもカードの挿入方向の前方側であって上方側に配置し、カードAの装着空間SAにおけるカードA用コンタクト201よりもカードB用コンタクト202側の一部をカードBの装着空間SBに利用している。これにより、ピン形状のカードA用コンタクト201にカードBを接触させることなく装着可能としつつ、双方のカードの装着空間に要する必要な厚さを薄くすることができるので、片持ち梁状及びピン形状のコンタクト端子を使用する2種類のカードに対応でき、前者を使用するカードの長さ寸法が後者を使用するカードの長さ寸法よりも長い場合においても、装置自体の薄型化を図ることが可能となる。
【0053】
次に、コネクタ1に装着されたアダプタ6を排出する場合の動作について説明する。なお、コネクタ1に装着されたカードAを排出する場合の動作は、アダプタ6を排出する場合の動作と同一の要領で行われるため、その説明を省略する。図18〜図21は、コネクタ1に装着されたアダプタ6を排出する場合の動作を説明するための上面図である。なお、図18〜図21においては、説明の便宜上、カバー部材3を省略している。
【0054】
図18は、カードBが装着されたアダプタ6が装着された状態のコネクタ1について示している。この場合において、カード押出機構401の当接片401eは、レバー部材402の係合部402bの前方側に配置されている。また、レバー部材403の当接片403cは、コンタクトハウジング2と、アダプタ6の前端部との間に挟まれる位置に配置されている。アダプタ6を排出する際には、まず、図18に示す状態のカード押出機構401から摘み部401cが後方側に引き出される。摘み部401cを引き出す際には、一度、摘み部401cを前方側に押し込むことでロック状態を解除した後に引き出される。
【0055】
図19は、図18に示す状態のカード押出機構401から摘み部401cが後方側に引き出された状態のコネクタ1について示している。ロック状態から解除され、摘み部401cが後方側に引き出される際、カード押出機構401の当接片401eは、カード押出機構401の内部側を移動する。このため、当接片401eが係合部402bの当接することはない。そして、完全に引き出された状態で当接片401eは、再びカード押出機構401の表面が突出した状態となる。このとき、当接片401eは、係合部402bの後方側に配置されている。そして、この状態から摘み部401cが前方側に押し込まれる。
【0056】
図20は、図19に示す状態のカード押出機構401から摘み部401cを前方側に押し込んだ状態のコネクタ1について示している。この場合、摘み部401cの移動に伴って当接片401eが前方側に移動し、係合部402bを前方側に押し出す。係合部402bが押し出されると、レバー部材402は、開口部402dの中心を支点として反時計回転方向に回動する。レバー部材402が回動すると、その前端面がレバー部材403の突出片403bを前方側に押し出す。突出片403bが押し出されると、レバー部材403は、開口部403dの中心を支点として時計回転方向に回動する。レバー部材403が回動すると、その当接片403c(図20において不図示、図19参照)が後方側に移動し、装着されたアダプタ6を後方側に押し出す。これにより、装着される状態のアアプタ6が後方側に移動する。そして、この状態から摘み部401cが前方側に更に押し込まれる。
【0057】
図21は、図20に示す状態のカード押出機構401から摘み部401cを前方側に更に押し込んだ状態のコネクタ1について示している。このように図20に示す状態から更に摘み部401cを前方側に押し込むと、更に係合部402bが前方側に押し出される結果、更にレバー部材402及びレバー部材403が回動し、当接片403cが更にアダプタ6を後方側に押し出す。この状態において、アダプタ6は、装着されている状態に比べてコネクタ1から後方側に突出した状態となり、ユーザは、手でこれを抜き取ることが可能となる。このようにしてコネクタ1に装着されたアダプタ6が排出されることとなる。
【0058】
このように本実施の形態に係るコネクタ1においては、装着されたカードAの挿入方向の前端部、並びに、アダプタ6の挿入方向の前端部に当接してカードA又はアダプタ6を排出方向に移動させる当接片403cを有する排出機構4を備えている。本実施の形態に係るコネクタ1においては、このように装着されたカードA及びアダプタ6を単一の排出機構4で排出可能に構成されているので、装置の部品点数を低減でき、装置を小型化することが可能となる。
【0059】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0060】
例えば、上記実施の形態においては、コンタクトハウジング2において、カードA用コンタクト201よりもコネクタ1の前方側であって上方側にカードB用コンタクト202を配置した場合について示している。しかしながら、コンタクトハウジング2の構成については、これに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、カードA用コンタクト201よりもコネクタ1の前方側であって下方側にカードB用コンタクト202を配置するようにしても良い。このように配置した場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施の形態に係るコネクタの外観を示す斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係るコネクタの分解斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係るコネクタが有する排出機構の構成の位置関係を説明するための斜視図である。
【図4】上記実施の形態に係るコネクタが有するコンタクトハウジングの斜視図である。
【図5】上記実施の形態に係るコネクタが有するコンタクトハウジングの上面図(a)及び後面図(b)である。
【図6】図5(a)に示す一点鎖線Aにおけるコンタクトハウジングの断面図である。
【図7】上記実施の形態に係るコネクタに装着されるカードAを後方側から示した斜視図(a)及びカードAの前面図(b)である。
【図8】上記実施の形態に係るコネクタに装着されるカードBを後方側から示した斜視図(a)及びカードBの前面図(b)である。
【図9】上記実施の形態に係るコネクタに装着されるカードBの上面図(a)、側面図(b)及び下面図(c)である。
【図10】上記実施の形態に係るコネクタに装着されるアダプタを後方側から示した斜視図(a)及びアダプタの前面図(b)である。
【図11】上記実施の形態に係るコネクタに装着されるアダプタの上面図(a)、側面図(b)及び下面図(c)である。
【図12】上記実施の形態に係るコネクタに装着される、カードBが装着されたアダプタを後方側から示した斜視図(a)及びアダプタの前面図(b)である。
【図13】上記実施の形態に係るコネクタにカードAが装着された状態の斜視図である。
【図14】上記実施の形態に係るコネクタにカードBが装着されたアダプタが装着された状態の斜視図である。
【図15】上記実施の形態に係るコネクタの断面図である。
【図16】上記実施の形態に係るコネクタにカードAが装着された状態の断面図である。
【図17】上記実施の形態に係るコネクタにカードBが装着されたアダプタが装着された状態の断面図である。
【図18】上記実施の形態に係るコネクタに装着されたアダプタを排出する場合の動作を説明するための上面図である。
【図19】上記実施の形態に係るコネクタに装着されたアダプタを排出する場合の動作を説明するための上面図である。
【図20】上記実施の形態に係るコネクタに装着されたアダプタを排出する場合の動作を説明するための上面図である。
【図21】上記実施の形態に係るコネクタに装着されたアダプタを排出する場合の動作を説明するための上面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 カード用コネクタ装置(コネクタ)
2 コンタクトハウジング
201 カードA用コンタクト
202 カードB用コンタクト
203 奥壁部
204 側壁部
205 第1保持部
206 第2保持部
207 開口部
208 保護板部
209 係合片
210 係合片
3 カバー部材
301 上面部
302 側面部
303 保持部
304 爪部
305 弾接部
306 弾性片
307 ガイド部
308 固定部
4 排出機構
401 カード押出機構
401a ベース部材
401b カバー
401c 摘み部
401d 駆動機構
401e 当接片
402 レバー部材
402a 平面部
402b 係合部
402c 回動規制部
402d 開口部
403 レバー部材
403a 平面部
403b 突出片
403c 当接片
403d 開口部
5 カード挿入口
6 アダプタ(カードアダプタ)
61 段差部
62 溝
63 収容部
64 ガイド片
65 保持片
66 凹部
67 板ばね
68 凹部
69 凹部
SA カードAの装着空間
SB カードBの装着空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カード又はこの第1カードよりも挿入方向の長さ寸法が長い第2カードを選択的に装着可能な装着空間を有するハウジングを備え、前記ハウジングに、前記第1カードの接触部に接触するピン形状の第1コンタクト端子と、この第1コンタクト端子よりもカードの挿入方向の前方側であって上方側又は下方側に配置され前記第2カードの接触部に接触する片持ち梁状の第2コンタクト端子とを有するコンタクトハウジングを設け、前記第1カードの装着空間における前記第1コンタクト端子よりも前記第2コンタクト端子側の一部を前記第2カードの装着空間に利用することを特徴とするカード用コネクタ装置。
【請求項2】
前記コンタクトハウジングに前記第1コンタクト端子を保持する保持部を設け、当該保持部の上面で前記第2カードの下面を支持することを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ装置。
【請求項3】
コンタクトハウジングは、前記第1カード及び第2カードの装着時におけるカード挿入口からの突出量が同一となる位置に前記第1コンタクト端子及び第2コンタクト端子を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカード用コネクタ装置。
【請求項4】
前記第1及び第2コンタクト端子は、単一部材で構成される保持部材に保持されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のカード用コネクタ装置。
【請求項5】
前記第2カードは、前記第1カードの外形寸法と同等の寸法を有するアダプタに装着された状態で前記ハウジングに装着され、前記ハウジングは、前記第1カードをガイドするために設けられたガイド部を用いて前記アダプタをガイドすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のカード用コネクタ装置。
【請求項6】
前記ハウジングに対する装着時に前記第1コンタクト端子を収容する凹部を前記アダプタに設けたことを特徴とする請求項5記載のカード用コネクタ装置。
【請求項7】
前記ハウジングに装着された前記第1カードの挿入方向の前端部に当接して当該第1カードを排出方向に移動させる当接部を有する排出機構を備え、
前記排出機構は、前記ハウジングに装着された前記アダプタの挿入方向の前端部に前記当接部を当接させて当該アダプタを排出方向に移動させることを特徴とする請求項6記載のカード用コネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−181789(P2009−181789A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19287(P2008−19287)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】