カーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法
本発明は、カーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法に関し、特に、高抵抗性カーボンマイクロファイバーとカーボン粉末を効率よくコートし、既存のニクロム線の抵抗熱を用いる発熱体を100%代替できるのみならず、面状発熱体の初期モジュールであるカーボン粉末印刷タイプの発熱体が具現しなかった広幅の単一発熱体と、温度の制約を受けない超薄型発熱体を形成することにより、空間の制約、及び設置上、使用上台頭されてきた多くの問題等を一度に解決し、直流電気及び交流電気を用いて発熱体を形成するのに制約を受けずに発熱モジュールを形成することができ、多様かつ便利な発熱体を具現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法に関し、詳しくは、カーボンマイクロファイバーとパルプ及び人造糸を混合し、面状発熱体の下地紙を組成した後、下地紙の両面にカーボン粉末と伝導性ポリマーを混合してコートすることにより、発熱体の全体の均一の温度分布の具現と、局部抵抗減少のために発生する温度上昇の防止及び発熱体の寿命を延長させ、局部的な外部荷重が作用する際、性能を維持させ続けるようにするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カーボンを材料として作った面状発熱体は、安全、無騒音、電磁波を遮断して、アパート、住宅等の住居暖房材料として用いられる。
その他、事務室、商家等の商業用宅地の暖房材料として、車、倉庫、各種の天幕等の産業用暖房と、各種の産業加熱装置として、プラスチック天幕と農産品乾燥設備等の農業用設備、道路と停車場、滑走路、橋梁の除雪除氷用途として、休息、防寒等の保温装備、健康用品、家電製品、畜産暖房装置としても用いられる。
【0003】
面状発熱体の既存の方式は、PET(ポリエステル)フィルム上にカーボン粉末とバインダーを混合して、一定の形状に印刷した後、ポリエステルフィルムと熱接着剤であるEVAを用いて絶縁接着し、面状発熱体を形成して用いてきた。
【0004】
しかしながら、上述した伝統的な方式の面状発熱体は、発熱温度が局限的であり(理論上、両極間隔300〜500mmであるとき、発熱寸法は約83℃である)、実際に用いられる温度と用途は制限的であり、用いられる絶縁膜の材料は限定的であり、一定の温度(約65℃)以上の発熱製品であるときは、絶縁膜のEVAが熱で膨れ上がり、面状発熱体の外観と機能に致命的な欠陥が発生し、両極間間隔が300〜500mmであるときは、商用温度が60℃以下に制限的な発熱体を製造するしかなかった。
【0005】
また、このような従来の面状発熱体は、皺にも敏感であり、フィルムが皺くちゃになると、皺の界面に沿った電気集中現象による不通電状態と火災につながる可能性が内在されていた。また、従来の面状発熱体は、規則正しく配列された模様を作るためにPETのみを用いており、使用中に皺による感電と致命的な欠陥が懸念される。皺の防止のために多方面に実験を行ったが、一定の模様の配列を維持しながら接着性を有する絶縁材料及び製造方法の技術を見出さなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス公開第2847114号公報
【特許文献2】特開平06-231869 号公報
【特許文献3】特開2004-342509 号公報
【特許文献4】韓国公開第10-2003-0010826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、複合構造カーボン発熱体を用いて、温度制限幅を顕著に改善し、高温でも使用可能にすることで、様々な用途に適用可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、発熱温度別に絶縁仕上げ材を選択的に用いて絶縁層を構成することで、様々な温度の発熱体を完成可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、絶縁層の形成の際に、既存の熱体または熱ローラを用いた圧着ラミネート方式を脱皮したT−ダイ押出成形方式または熱プレスで加圧成形し、カーボンマイクロファイバーの粒子が有機性バインダーに混合され、カーボンマイクロファイバーが空気と接触する可能性を源泉的に遮断することで、発熱体の寿命を相対的に改善させるようにするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、エネルギー使用量の効率化を極大化するために平板プレスまたはロールプレスで面状発熱体を打孔し、一定の空間配置と面状発熱体の長手方向の切断部位に対する絶縁性能及び防水性能を付与し、経済性及び安全性を同時に付与可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、皺に自由な軟性を有したPE、LDPE、LLDPE、PVC、ターポリンまたはTPU、PU(ポリウレタン)等と、絶縁物の機械的強度を付与した硬い硬性を有するエポキシ含浸ガラス繊維織布(プリプレグ)、フェノール含浸ガラス繊維、織り布等のフィルムを絶縁材として自由に選択可能にすることで、様々な用途と機能性を付与可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、数種の幅(両極間隔2400mmであるとき、発熱温度は35〜150℃である)、最大発熱温度380℃、数種の絶縁層表面材料で、多機能面状発熱体の生産をすることができ、発熱部分が一定の模様を作る過程を経て不要な電気消費を減らし、最大限に電力節減を可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、数層の複合構造で面状発熱体を製造することで、発熱体が、皺または部分的な損傷下でも、持続的に正常の機能を行うことができ、発熱紙が単位負荷が一箇所に集中するとき、電力を減少させて集中する単位負荷の物体輪郭に同一の電気を発生させることで、短路現象の発生を防止し、発熱機能を持続させることができ、発熱部分の割れ問題を解決するために、100%の水溶性接着剤、希釈剤と水を用いて環境問題を解決し、揮発性残留量を維持する問題を解決し、商品の長期的な耐熱と使用寿命を増やすことができるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、面状発熱体を製造する方法において、長さ5〜25mm、太さ20〜100μmのカーボンマイクロファイバーを、製紙用パルプ、水溶性バインダー、及び水と混合して形成されたカーボンマイクロファイバー混合液によって下地紙を形成する下地紙形成工程と、前記下地紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、前記下地紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、前記下地紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合し、カーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、前記カーボンマイクロファイバーが形成された下地紙に伝導性ポリマーを塗布して伝導性ポリマー層を形成する伝導性ポリマー層形成工程と、前記伝導性ポリマー層が形成された下地紙の上面または両面に、前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、裁断された面状発熱体の上面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の上面両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融塗布した後、乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とする。
【0014】
ここで、前記下地紙形成工程は、前記カーボンマイクロファイバー混合液を、培養タンクで、ヒート温度を60〜150℃に維持した状態で、下地紙の形成のための毛布上に前記カーボンマイクロファイバー混合液を噴射する。
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、ポリエステル系人造糸がさらに添加される。
【0015】
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
【0016】
また、前記カーボン粉末混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して8〜30%のカーボンマイクロファイバーと、前記下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル人造繊維と、前記下地紙の重量に対して40〜90%のパルプと、からなる。
また、前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
【0017】
また、前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
また、前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させる。
また、前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
本発明の他の特徴は、前記製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体を特徴とする。
【0018】
本発明の他の特徴は、面状発熱体を製造する方法において、製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維とを水と混合して1次下地紙を形成するが、前記1次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、1次下地紙の重量に対して5〜30%のポリエステル繊維を混合する1次下地紙製造工程と、製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維と、カーボンマイクロファイバーとを水と混合して2次下地紙を形成するが、2次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、2次下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル繊維と、その太さが15nm〜50μmであるカーボンマイクロファイバーと混合して組成されたカーボンマイクロファイバー混合液を、前記2次下地紙の重量に対して8〜50%で混合する2次下地紙製造工程と、前記1次下地紙と2次下地紙を合紙して原紙を製造する原紙製造工程と、前記原紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、原紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、原紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合してカーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、前記原紙のうち2次下地紙が形成された面に前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、裁断された面状発熱体のうち前記カーボン粉末混合層が形成された面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融した後、塗布乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とする。
【0019】
ここで、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して0.1〜40%のカーボンナノチューブがさらに添加される。
また、前記2次下地紙は、VATワイヤを介して一定の間隔や模様が規則正しく配列された網構造の形態で形成される。
【0020】
また、前記1次下地紙は、製紙用パルプを噴射方式により製造する。
【0021】
また、前記2次下地紙の模様は、三角形、菱形、六角形のような直線図形で形成され、前記模様から一定間隔の距離を置いて切り取り線が形成される。
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
【0022】
また、前記カーボン粉末混合液は、前記原紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
また、前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
【0023】
また、前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
【0024】
また、前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させる。
【0025】
また、前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
本発明のまた他の特徴は、前記製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体を特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、複合構造カーボン発熱体を用いて、温度制限幅を顕著に改善し、高温でも使用可能にすることで、様々な用途に適用可能にし、発熱温度別に絶縁仕上げ材を選択的に用いて絶縁層を構成することで、様々な温度の発熱体を完成することができる。
また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、既存の面状発熱体と対比して、エネルギー使用量を効率よく節減することができる製品構成及び設計で、面状発熱体そのもので不要な空間を除去し、最大75%のエネルギー節減効果を具現することができ、カーボンの基本物性である遠赤外線を多量放出できる新環境的素材により、現代人の健康増進にも一助を担うことができる面状発熱体を完成することができる。
【0027】
また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、絶縁層の形成の際、既存の熱体または熱ローラを用いた圧着ラミネート方式を脱皮したT−ダイ押出成形方式または熱プレスで加圧成形し、カーボンマイクロファイバーの粒子が有機性バインダーに混合され、カーボンマイクロファイバーが空気と接触する可能性を源泉的に遮断することで、発熱体の寿命を相対的に改善させることができ、皺に自由な軟性を有したPE、LDPE、LLDPE、PVC、ターポリンまたはTPU、PU(ポリウレタン)等と、絶縁物の機械的強度を付与した硬い硬性を有するエポキシ含浸ガラス繊維織布(プリプレグ)、フェノール含浸ガラス繊維、織り布等の樹脂フィルムを絶縁材として自由に選択可能にすることで、様々な用途と機能性を付与することができる。
【0028】
また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、カーボンマイクロファイバーとカーボンナノチューブとカーボン粉末と効率よくコートし、既存のニクロム線の抵抗熱を用いる発熱体を100%代替できるのみならず、面状発熱体の初期モジュールであるカーボン粉末印刷タイプの発熱体が具現しなかった広幅の単一発熱体と、温度の制約を受けない超薄型発熱体を形成することにより、空間の制約、及び設置上、使用上台頭されてきた多くの問題等を一度に解決し、直流電気及び交流電気を用いて発熱体を形成するのに制約を受けずに発熱モジュールを形成することができ、多様かつ便利な発熱体を具現することができる。また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、既存の発熱体が有する電磁波または磁気波の弊害が源泉的に発生しない構造であるので、使用上、健康に有益であり、他の発熱体と対比して、電気消耗量が顕著に節減されるので、経済性及び環境汚染を最小化させる次世代発熱モジュールとして位置付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボンマイクロファイバーを組成培養した下地紙を示す平面図及び断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により下地紙を製造するための設備を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボン粉末混合液を、組成培養した下地紙上に塗布した様子を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銀粉末コート装備を示す側面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銅箔設置装備を示す側面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法の一実施例により製造された面状発熱体の断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造装置を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、1次下地紙を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、2次下地紙を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、原紙を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の構造を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる長繊維解離装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備のワイヤの構成を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる絶縁膜塗布設備の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明を説明するのにあたって、関連した公知の機能または構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語として、これは、使用者、運用者の意図または慣例等により異ならせてもよい。そのため、その定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定められなければならない。
図1は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法を説明するための工程図であり、図2は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボンマイクロファイバーを組成培養した下地紙を示す平面図及び断面図であり、図3は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により下地紙を製造するための設備を示す側面図であり、図4は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボン粉末混合液を、組成培養した下地紙上に塗布した様子を示す断面図であり、図5は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銀粉末コート装備を示す側面図であり、図6は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銅箔設置装備を示す側面図であり、図7は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の断面図であり、図8は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法の一実施例により製造された面状発熱体の断面図である。
【0031】
<下地紙形成工程>
まず、本発明の下地紙形成工程をみると、長さ5〜25mm、太さ20〜100μmのカーボンマイクロファイバー1を、製紙用パルプ3、水溶性バインダー、及び水と混合し、または、カーボンマイクロファイバー1を、ポリエステル系人造糸2と、製紙用パルプ3と、水溶性バインダーと、水とを混合するが、カーボンマイクロファイバー1(8〜30%)と、ポリエステル系人造糸2(2〜30%)と、パルプ3(40〜90%)と、水溶性バインダーと、水とを混合して、カーボンマイクロファイバー混合液を製造する(S1)。
【0032】
ここで、水の含量は、混合液が緩くなる程度に適宜配合し、カーボンマイクロファイバー混合液には、粉末形態の電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物4を一定の比率でさらに混合してもよい。
【0033】
その後、図3に示すような設備の培養タンクのヒート温度を60〜150℃に維持した状態で、下地紙の形成のための毛布上に、ヘッドボックス31から1次噴射し、カーボンマイクロファイバーの長さが長くて、ヘッドボックス31から噴射される過程で係止しまたは一塊になる現象を防止するために、オープンヘッドボックス32で2次噴射塗布して下地紙を形成する。このような過程を通じて30〜100cm以上の幅を有する発熱体を形成しなかった短所を解消し、カーボンマイクロファイバー発熱体を30〜240cm以上に形成することができる。
【0034】
このような工程を図2及び図3を参照してより詳細に説明すると、カーボンマイクロファイバー1と、ポリエステル系人造糸2と、製紙用パルプ3と、水溶性バインダー(ポリアクリロニトリルまたはエポキシ樹脂またはポリウレタン樹脂)とを水と混合して作ったカーボンマイクロファイバー混合液を加温された培養タンクに入れ、培養タンク内に設置された正逆方向の回転が可能な回転羽根でカーボンマイクロファイバー混合液を攪拌させる。
【0035】
また、カーボンマイクロファイバー混合液を一定量の噴射比率で噴射装置であるヘッドボックス31とオープンヘッドボックス32により毛布上に噴射し、カーボンマイクロファイバーの方向性と培養のために、コンビネーション、グラビア、ストリップバー方式を用いて、カーボンマイクロファイバーの下地紙が面状発熱体としての基礎抵抗を有する通電物質で形成される。
【0036】
その後、空気減圧装置によって減圧空気で下地紙の水分を除去し、熱ドライヤーで下地紙を乾燥させた後、一定量の長さで巻き、下地紙の両面の異物を除去するように裁断工程を経ると、本発明のカーボンマイクロファイバーが混合された下地紙が完成される。
【0037】
<カーボン粉末混合液組成工程>
本発明のカーボン粉末混合液組成工程をみると、アセチレン系、ピッチ系、PAN系、ヤシ系カーボン粉末から選ばれたいずれか一つ以上を適切な比率で混合し、下地紙の重量に対して0.1〜50%のカーボン粉末と、下地紙の重量に対して0.2〜30%の伝導性ポリマーと、下地紙の重量に対して0.1〜40%の水溶性バインダーとを水と混合してカーボン粉末混合液を組成する(S2)。
【0038】
一方、ここで、カーボン粉末混合液には、下地紙の重量に対して0.1〜45%で、電気石、星光石の少なくともいずれか一つ以上が混合された機能性無機物をさらに混合してもよい。
【0039】
一方、従来の面状発熱体では、有機性バインダーを用いてカーボン粉末を固着させる場合、有毒性揮発物質(MEK等)を用いるので、空気汚染及び作業環境に及ぼ影響が至大であり、バインダーと希釈剤の揮発残留量が5%以下に維持されなければ、発熱体の温度上昇による膨れまたはカーボン粉末混合層6の割れが発生するが、製造工程上、短時間内に乾燥させることが難しく、揮発残留量の維持に困難があった。
このため、本発明では、上記問題点を解決するために、100%水溶性バインダーと水を用いることにより、環境的問題と揮発残留量を維持させる工程を簡素化、計量化することができ、カーボン粉末混合液の抵抗を既存の400〜600Ωの範囲内で用いているが、30〜5800Ωの範囲内で自在に具現することができ、発熱体の幅と発熱温度の限界範囲を外れて様々な発熱体を構成することができる。
【0040】
<伝導性ポリマー層形成工程>
本発明の伝導性ポリマー層形成工程をみると、アニリン系、ピロール系、チオフェン系から選ばれたいずれか一つ以上を混合した伝導性ポリマーを、カーボンマイクロファイバーが形成された下地紙に塗布して伝導性ポリマー層5を形成する(S3)。
【0041】
<面状発熱体製造工程>
本発明の面状発熱体製造工程
をみると、伝導性ポリマー層5が形成された下地紙の片面または両面に、カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥し、カーボン粉末混合層6を形成して面状発熱体を製造する(S4)。
図4は、伝導性ポリマーと、カーボン粉末混合液のカーボンマイクロファイバー1と、ポリエステル系人造糸2と、パルプ3とで組成された下地紙上の片面または両面に、一定量の含浸または塗布コート工程を経た状態の下地紙上の片面を示すものであり、これは、カーボンマイクロファイバー1の不均一な分布または縺れにより発生する面状発熱体の温度偏差を減らし、局部抵抗の減少による急な部分的温度上昇を防止し、伝導性ポリマーを用いて、カーボン粉末混合層6の微細空隙を充填し、温度の均一性を提供し、外部から作用する集中荷重に対する耐力を増加させ、単位面積当たり消費エネルギー効率を極大化させ、消費電力の小さな発熱体を構成することができる。
【0042】
また、従来の面状発熱体は、PETフィルム上にシルク印刷で紋様を印刷し、またはカーボンフィラメントが混在された下地紙を、発熱体として用いてきたが、本発明では、上記のようにカーボンマイクロファイバーが混在された下地紙上に含浸方式またはエアスプレー方式またはグラビア印刷方式等を用いて、カーボン粉末混合液を下地紙にコートするものである。
【0043】
ここで、含浸コート方式では、カーボン粉末混合液の抵抗調整及び含浸工程時の圧着ローラの間隔を調節してコートされるカーボン粉末混合液の厚さを調節することにより、同時にカーボンマイクロファイバー下地紙の片面または両面をコートすることができ、面状発熱体の発熱温度及び幅を自在に具現することができる。
【0044】
また、エアスプレーコート方式では、カーボン粉末混合液の組成及び抵抗値を異ならせることで、両面の発熱温度に差等を与える方法の具現と共に、噴射量の調節を通じて、面状発熱体の温度と幅を自在に具現することができる。
また、グラビア印刷コート方式では、カーボン粉末混合液の粘土及び抵抗を調節し、彩度の差による様々な色相を具現し、外観の美麗さを具現することができ、面状発熱体の温度と幅を自在に具現することができる。
【0045】
そうして、下地紙のカーボンマイクロファイバー1の含量と、伝導性ポリマー、カーボン粉末混合液の含量とを組み合わせて、様々な抵抗数値を具現し、面状発熱体の幅を広幅化することができ、同幅の面状発熱体でも相違した温度を発熱可能にし、電気が通電可能な多層構造を形成することにより、皺や曲げにも短絡による問題点が発生しない多機能性の優れた面状発熱体として完成される。
【0046】
従来のカーボン粉末をPETフィルムに一定の厚さでコートするとき、有機性希釈剤(主にMEKまたはアセトン)をバインダー及びカーボン粉末と混合して、塗布後、急速乾燥させるので、乾燥工程で割れが発生し、または、希釈剤の不十分な乾燥により、面状発熱体から絶縁フィルムが剥離しまたは膨れ上がり、機能を失う要因として作用するが、本発明では、水溶性アクリル系または水溶性エポキシ系のバインダーを、カーボン粉末混合液と水を溶媒として希釈することにより、作業環境の改善及び乾燥過程での十分な乾燥を誘導することができ、未乾燥分の水分も、乾燥過程以降でも、残熱による持続的乾燥が行われることで、乾燥不良による割れや剥離現象を完璧に解決することができる。
【0047】
また、図3に示すような設備により機械的に混合されたカーボン粉末混合液を持続的に供給することができ、抵抗の要求変化幅を30〜5800Ωまで実現可能であるので、一定幅の面状発熱体で様々な温度を発熱することができ、また、様々な幅の面状発熱体で一定の温度を発熱することができ、様々な直流、交流電圧の発熱体を構成することができる。
【0048】
<裁断工程>
本発明の裁断工程をみると、カーボン粉末混合層6が形成された面状発熱体を必要な一定の幅と長さに切断加工する(S5)。
【0049】
<電極線設置工程>
本発明の電極線設置工程をみると、一定の幅と長さに切断された面状発熱体に銀粉末を、シリコンまたはウレタン、ウレポキシ(ウレタン+エポキシ樹脂混合物)バインダーと希釈剤に混合して形成された銀粉末混合液を水平または垂直の回転羽根44が設置されたポンピングローラ45と、スクラッチ装置(ドクターナイフ)41が装着された銀粉末タンク43、すなわち、混合タンクに移送させる。その後、一定間隔の単数または複数の電極46の形状(一定の電極が形成されるように、漏斗状の紋様を陰刻する)が、電極幅(1〜25mm)で刻まれたゴムまたはステンレス印刷ローラ42に銀粉末混合液を付けて面状発熱体に印刷した後、乾燥させ、幅1〜25mmの銀電極線7を設置する(S6)。
【0050】
また、銀電極線7上に伝導性ポリマー(アニリン系、ピロール系、チオフェン系)を基本とする伝導性粘着剤または接着剤が底面に処理された35〜50μmの厚さを有する圧延銅箔を10〜25mmの幅でレーザー切断加工した後、銀電極線7上に重ね、または、約2〜10mmの一定間隔で離隔させた後、圧着設置し、銅箔電極線8を形成する(S7)。
【0051】
このように銅箔電極線8を設置すると、従来の銅箔が分離される現象を防止することにより、皺に対応することができ、放電による電気共鳴を防止し、使用中に発生する湿気による漏電を遮断することができる。
これを詳述すると、カーボン粉末混合液を塗布して乾燥させた面状発熱体を、銀粉末混合液が入れた混合タンクで持続的に攪拌しながら、基礎電極である銀電極線7を形成するが、これは、電極の局所部位に電気が集中して発生するアーク現象を未然に防止するように機能を付与するものである。
【0052】
また、銀粉末混合液を持続的に攪拌することは、銅箔電極線8が有する電気損失を補正し、通電率を補償することにより、電極に発生する自体抵抗による発熱を極小化させ、寿命を延長できる機能を付与し、銀電極線7が面状発熱体と完全密着して電極が形成されるので、電極線でのアーク現象を未然に防止することができる。
【0053】
このためには、均一の性能の銀電極線7を形成することが課題であるので、図5に示すように、特殊開発されたポンピングローラ45は、アルミニウムまたはステンレススチール、特殊コートされたゴムを素材としたパイプにゴムまたは金属の回転羽根44を付着し、これを通じて、陰刻の漏斗状紋様が形成されたステンレス印刷ローラに一定量の銀粉末を飛散塗布する。
【0054】
また、陰刻の漏斗状紋様が形成されたステンレス印刷ローラでは、陰刻の漏斗状紋様に銀粉末混合液が盛られた状態で回転し、これをスクラッチ装置であるドクターナイフで一定量のみを残して引っ掻き、面状発熱体に銀粉末混合液が移植され、面状発熱体に銀電極線7が印刷される。
【0055】
また、銀電極線7が完全に乾燥すると、伝導性ポリマー(アニリン系、ピロール系、チオフェン系)を基本とする伝導性粘着剤または接着剤を、4〜30μmの厚さで圧延銅箔板の底面(銀電極線と接する面)にコート処理した後、離型フィルム(PE、LDPE)で伝導性粘着剤または接着剤が貼り合わないように仮接させながら、ロール状に巻き取り、銅箔(厚さ25〜50μm)を2〜25mmの幅でレーザ切断加工する。
【0056】
その後、図6に示すような、プラスチックまたは金属材質の電極ローラ51に装着した後、プラスチックまたはテフロン(登録商標)素材で形成され、0.2〜3mm深さの溝が形成された電極ガイドローラ52の溝に銅箔電極線8を誘導させた後、離型フィルムを分離し、エフで吸入する離型フィルム吸入装置に流入させ、伝導性粘着剤または接着剤が処理された銅箔電極線8を銀電極線7上に重ね、または、2〜10mm程度の一定間隔で離隔した後、銅箔電極線8を圧着設置する。
【0057】
このように銀電極線7上に銅箔電極線8を圧着させることにより、界面通電抵抗の増加と、電気集中化現象によるアーク放電形態の電極不良を防止し、通電可能な面状発熱体の単一体の長さ15〜30m2まで、電気引入部と終端との間の温度偏差無しに用いることができる。また、電極での過負荷による電極線の発熱現象を防止することができる多重電極線の形態を構成することにより、電極線の部分破損及び面状発熱体との界面通電の抵抗増加によるアーク現象の防止と、フローティングによるアーク現象を未然に防止し、面状発熱体の安定性と電極線での電磁気波共鳴現象を極小化させ、面状発熱体の寿命を延長することができる。
【0058】
<面状発熱体絶縁工程>
本発明の面状発熱体絶縁工程をみると、銅箔電極線8が形成設置された面状発熱体を、絶縁材が溶融された絶縁液を塗布した後、絶縁フィルムで圧着し、または、絶縁液でコートし射出して絶縁層を形成すると、図8のように完成された面状発熱体となる(S8)。
【0059】
ところが、従来面状発熱体の方式は、ポリエステル(PET)フィルム上にカーボン粉末とバインダーを混合し、一定の模様に印刷した後、ポリエステルフィルムと熱接着剤であるEVAを用いて、面状発熱体に絶縁接着するので、従来方式の面状発熱体は、発熱温度具現の限界(理論可能値83℃)を外れず、用途の多様性に制限を受けるだけでなく、絶縁フィルムの素材にも制限を受け、一定の温度(約65℃)以上発熱時は、絶縁フィルムに積層されたEVAが膨れ上がり、面状発熱体の外観及び性能に致命的欠陥を発生させてしまい、制限的な面状発熱体を製造するしかなかった。
本発明において、従来の面状発熱体の製造工程と対比して、最も大別される工程は、絶縁材コート工程であり、また、従来の面状発熱体と対比して、接着方式及び接着素材部分が大別される。
【0060】
従来の面状発熱体の製造時に用いられる絶縁層と絶縁フィルムが多層構造で形成されているのではなく、一定の物性を有するフィルム(代表的にPETフィルムに熱接着剤が塗布された熱ラミネート型絶縁フィルム)を用い、面状発熱体の構造強度の増加及び防水性、耐久性の確保のために、熱ローラ型ラミネート装備を用いて、熱接着剤の接着力で熱ローラを加温した後、圧着ローラで押圧して一定の温度と圧力で絶縁材を密着させる。
このような従来の工程は、既存の面状発熱体製品が共通的に有している特徴であり、最も簡便であり、製造費も安価であるが、面状発熱体の使用中に一定の温度60〜80℃以上に発熱すると、フィルム接着剤として用いられたEVAが溶けながら、体積膨張を行い続け、面状発熱体の絶縁フィルムが膨れ上がり、面状発熱体としての致命的な欠陥が発生するものである。
【0061】
本発明は、このような致命的な欠陥を未然に防止し、消費者が安心して使用可能な製品を構成するために、既存のフイルム接着剤であるEVAに代えて、絶縁材であるHDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、ターポリン、難燃PVC、PU、TPU、PI、エポキシ含浸ガラス繊維織布(プリプレグ)、フェノール含浸ガラス繊維織布、シリコン、耐熱シリコン等の原料(ペレット)をT−ダイ方式で押出機で溶融させた後、一定の圧力で押し出し、面状発熱体に塗布した後、面状発熱体をスクリューを通じてバレルとアミを通過させ、T−ダイで絶縁フィルム(HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコン)を直接面状発熱体に溶融接着させることにより、既存の接着剤の温度限界性を外れ、自由な温度の製品群を形成するだけでなく、耐久性及び防水性を大いに向上させた。
【0062】
これにより、本発明は、複合構造カーボン発熱体を用いて、温度制限幅を顕著に改善し、0.15〜0.8mm厚さの発熱体で、具現温度380℃まで可能にすることにより、様々な用途に適用可能に改善しており、発熱温度別に絶縁材及び絶縁フィルムを選択的に用いて絶縁層を構成することにより、様々な温度の発熱体を完成することができる。
例えば、100℃以下の発熱体には、PET素材の複合多層フィルムとPVC素材の複合多層フィルム、PEN素材の複合多層フィルムで絶縁フィルムを形成し、EVAを全く用いていない状態で、T−ダイでPVC、PET、PE、ウレタン樹脂を溶かし、PVC、PET、PE、ウレタン樹脂を接着剤として用いることにより、耐熱性及び熱圧着フィルムラミネート接着時に発生し得る空気量を極端的に制御することができるので、完璧な接着力と密閉性を確保するだけでなく、温度上昇による面状発熱体のねじれ、縮み、膨れ変形及び発熱体の機能喪失及びアーク発生現象を源泉的に除去し、用途多様化と製品寿命の保障を具現することができるものである。
【0063】
また、70〜180℃以下の発熱体には、PEN素材の複合多層フィルムまたはPREPREG(ガラス繊維にフェノール樹脂またはエポキシ樹脂を含浸した材料)で絶縁フィルムを形成し、T−ダイでPVC系樹脂、PE系樹脂またはウレポキシ樹脂またはポリウレタン樹脂を溶かして接着剤として用いることと、150〜300℃以下の発熱体には、ポリイミドフィルム(PI)で絶縁フィルムを形成し、ポリイミドを接着剤として用いる。
【0064】
また、200〜400℃以下の発熱体に、耐熱性シリコン樹脂を用いて絶縁フィルムを形成し、温度別に選択された絶縁フィルムを形成する方法を、既存の熱体または熱ローラ圧着ラミネート方式を脱皮したT−ダイ押出成形方式または熱プレスで加圧成形し、カーボン複合構造の面状発熱体を形成することにより、幅方向にわたって比較的に均一の厚さの絶縁コーティングを具現し、フィルムの冷却速度を速くすることができ、高速量産体制を構築すると共に、製品の品質を一定の維持し、使用する絶縁フィルムが耐熱性または難燃性素材で構成され、アーク発生時に火災につながらず、自体消火することが特徴であると言える。
【実施例2】
【0065】
以下、本発明の第2の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明を説明するのにあたって、関連した公知の機能または構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語として、これは、使用者、運用者の意図または慣例等により異ならせてもよい。そのため、その定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定められなければならない。
【0066】
図9は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造装置を示す図であり、図10は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、1次下地紙を示す図であり、図11は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、2次下地紙を示す図であり、図12は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、原紙を示す図であり、図13は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の構造を示す図であり、図14は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる長繊維解離装置の構成を示す図であり、図15は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備を示す図であり、図16は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備のワイヤの構成を示す図であり、図17は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる絶縁膜塗布設備の構成を示す斜視図である。
【0067】
まず、図9を参照すると、本発明は、原料混合過程を経てワイヤパートで1次下地紙が形成され、VATパートで2次下地紙が形成され、2次下地紙の上面に網状の発熱体が形成され、乾燥パートで乾燥過程を経て、後続の紙製造パートで2次下地紙に銀粉末タンクと銀粉末ポンピングローラと電極印刷ローラーで構成された銀電極形成装置において、銀電極線を形成した後、銅箔供給装置で銅箔を銀電極線上に接着結合し、もう一度乾燥させた後、絶縁フィルム供給装置とT−ダイで溶かした樹脂を絶縁フィルムと圧着結合し、本発明による面状発熱体を製造するものである。
【0068】
図10を参照すると、1次下地紙の製造は、1次下地紙の重量に対して40〜90%を占める天然パルプ101と、1次下地紙の重量に対して5〜30%を占めるポリエステル人造繊維102と、水溶性バインダー(水溶性ポリアクリルニトリルまたは水溶性エポキシ樹脂とPVA等の化学混合物)104と、黄土、セラミック、星光石、電気石等の無機混合物103とを、加温された叩解タンク内に一定の間隔で刃を備えた回転羽根を設置し、回転羽根を正方向と逆方向に回転攪拌させた後、一定量の噴射比率で混合液噴射装置であるヘッドボックスまたはオープンヘッドボックスを通じて毛布上に噴射し、下地紙の方向性と培養のために、長網丸網のコンビネーションまたはグラビア、ストリップバー方式を用いて、カーボンマイクロファイバーの形成のための1次下地紙を形成する。
【0069】
2次下地紙の製造は、2次下地紙の重量に対して40〜90%を占める天然パルプと、2次下地紙の重量に対して2〜30%を占めるポリエステル人造繊維と、2次下地紙の重量に対して8〜50%を占めるカーボンマイクロファイバーとを混合して培養する。この際、カーボンマイクロファイバーは、太さが15nm〜50μmで、一定の温度(60〜150℃)を加熱した後、固体状態で原料を移すとき、繊維が一方に偏りまたは絡み合う現象を防ぎ、原料を均一に噴射可能に低速(20〜150rpm/min)のモータを用いることが好ましい。
【0070】
図14を参照すると、2次下地紙は、培養タンクを叩解状態が円滑に維持されるように、ヒート温度(60〜150℃)に維持した状態で、長繊維であるカーボンマイクロファイバーの移送に適合した1ピッチタイプのスクリューポンプを適用し、原料の押送時に繊維の偏重または縺れ現象を防止する配管装置を備えた長繊維解離装置を適用した。長繊維解離装置は、原料投入口401から流入した原料の均一の分散と混合を維持するために、低速(20〜150rpm/min)モータ407と、左右上下の傾斜がR1100に調整された解離タンク402と、移送された原料を水平方向ではなく、垂直方向に回転可能に考案されたインペラ404と、長繊維の切断を防止する長刃状の補助インペラ405と、で構成され、解離タンク402の傾斜角を大きくし、傾斜角が小さい場合に発生する原料タンクの両端部に原料の不十分な混合と縺れ等を原則的に解決することができ、均一な面状発熱体の抵抗分布が得られる。
【0071】
また、図15を参照すると、2次下地紙の精密な秤量と抵抗値を維持するために、原料の供給圧力のない傾斜型チューブ管502を用いたシリンダーVATを用いることにより、原料のパイプ押送圧力を減少させ、過流による塊りを防止するために考案された傾斜型チューブ管502から充填された原料混合物を、自然圧に近い状態でゲートウォール503に供給する。また、シリンダーの回転速度と原料混合物の流速により決定される面状発熱体の縦端引張強度(MD−機械進行方向)と横断引張強度(CD−機械進行方向との直角方向)の比率を、既存の円網装置の一般的比率である80:20の比率をスライスコントロールスクリュージャック504を通じて、スライス507を開閉することで、流速を調節して60:40まで調節し、傾斜型チューブ管502と一定の水位差を発生させるように、内部に水を満たしたシリンダー505を回転させる。すると、水位差により機能性発熱紙原料物質がシリンダー505の表面に付着し、湿紙状態の水分を上部の真空ファン509で吸収し、プレス過程に移送させ、ここで、残った原料混合物は、オーバーフロー508を通じて流れ出て、原料投入口501に合流するようになる。このような過程で、初期状態の2次下地紙が形成されるものである。
【0072】
図16を参照すると、VAT設備に移送された2次下地紙は、三角形、菱形、梯形、六角形、平行四辺形、クローバー形等の様々な紋様と一定の形式を有した発熱体を有し、一定の幅(300〜2400mm)に形成され、一定の強度を維持することができる。
これを作製するためには、VATシリンダーの表面金属針金602に、鉛、アルミニウム、または合金を溶接し、規則的な配列の三角形、角形、六角形等の模様を作り、または、エポキシ樹脂、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン、ゴム化合物等のように、金属と貼り付ける化学物質または樹脂で構成された模様を有するVATワイヤ601を製造し、打孔すべき紋様と切り取り線603を形成させる。その後、2次下地紙をVATワイヤ601の表面と密着させた状態で、金属と接着可能なエポキシレジン等の充填物で、ワイヤメッシュ面に打孔された紋様と同一の紋様でメッシュー溝を埋めると、VATシーリングと切り取り線が完成される。
【0073】
また、2次下地紙は、様々な機能性具現のために、伝導性ポリマー(1〜10%)と、機能性無機物混合物601(電気石、星光石、陰イオン発生鉱物)を一定の含量(1〜10%)で添加し、製紙用パルプ(40〜90%)と、ポリエステル繊維等の人造繊維(5〜30%)と結合することが好ましい。
【0074】
一方、2次下地紙の上面にカーボン粉末混合液を塗布するが、カーボン粉末混合液は、カーボンナノチューブ(単一井戸構造)、すなわち、原紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末に、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合した電導性ポリマーを、原紙の重量に対して2〜30%、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上が混合された水溶性バインダーを、原紙の重量に対して1〜5%で、水と混合し塗布して、カーボン粉末混合層(発熱体層)を形成する。ここで、電気通電が不要な紋様の内外部分には、カーボン粉末混合液が塗布されないので、切り取り線が自然に確保される。
【0075】
また、発熱体であるカーボン粉末混合層が形成された2次下地紙の上面に銀電極線を形成するが、図13及び図17を参照すると、カーボン粉末混合層が形成された2次下地紙の発熱体上に銀電極線305をシリコン、ウレタンまたはウレポキシ(ウレタン+エポキシ樹脂混合物)等の柔軟性を付与することができるバインダーと希釈剤に混合した後、水平または垂直の回転羽根とスクラッチ装置(ドクターナイフ)が装着された混合タンクに移送させ、一定の間隔の単数または複数の電極の形状(一定の電極が形成されるように、漏斗状の紋様を陰刻する)と、電極幅(1〜25mm)が刻まれたゴムまたはステンレスローラ42に付けて銀粉末を印刷して乾燥させる。ここで、また、銀電極線305上に伝導性ポリマー(アニリン系、ピロール系、チオフェン系)を基本とする伝導性粘着剤または接着剤が処理された銅箔電極線(35〜50μm)304を、10〜25mmの幅でレーザー切断加工して、銀電極線305上に重ね、または、銀電極線305の終端から約2〜10mmの一定間隔で離隔した後、銅箔電極線304を冷却ローラ703とプレートアウトローラ705を通じて、銅箔電極線304を圧着設置する。ここで、また、本発明による面状発熱体の電気絶縁性の確保のために、絶縁部材(HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコン)の原料樹脂を絶縁しようとする仕上げ絶縁フィルムと同一乃至接着性が確保される樹脂を、T−ダイ704で溶融押出させ、絶縁フィルム供給装置707から供給される絶縁フィルムとキャスティングローラ706を通じて圧着させて絶縁層を形成する。
【0076】
そうして、銀電極線305と銅箔電極線304が形成設置された面状発熱体を、絶縁フィルム306で圧着またはコート、射出する絶縁工程で、温度制限幅を顕著に改善し、0.15〜2.8mm厚さの発熱体で、具現温度308℃まで可能にすることにより、様々な用途に適用可能に改善した複合多層構造の面状発熱体を形成することができる。
したがって、本発明は、高抵抗性カーボンマイクロファイバーとカーボン粉末を効率よくコートし、既存のニクロム線の抵抗熱を用いる発熱体を100%代替できるのみならず、面状発熱体の初期モジュールであるカーボン粉末印刷タイプの発熱体が具現しなかった広幅の単一発熱体と、温度の制約を受けない超薄型発熱体を形成することにより、空間の制約、及び設置上、使用上台頭されてきた多くの問題等を一度に解決し、直流電気及び交流電気を用いて発熱体を形成するのに制約を受けずに発熱モジュールを形成することができ、多様かつ便利な発熱体を具現することができる。
【0077】
また、本発明は、機能性を付与可能な面状発熱体を、使用者の要求に応えることができる温度の具現可能範囲を大いに増加させ、面状発熱体の幅に対する制限要素をごく一部分に最小化させ、直流電気及び交流電気の使用に広範囲に適用され得るのみならず、清浄エネルギーである電気を使用しながらも、電磁波の弊害を極小化させ、遠赤外線の発生により健康上の利点を付与し、エネルギー節減効果も、既存の発熱体とは比較できないほどに革新的であり、暖房効果も極大化させることができる。
【0078】
また、本発明は、従来の面状発熱体が有する電磁波の弊害が源泉的に発生しない構造であるので、使用上健康に有益であり、他の面状発熱体と対比して、電気消耗量が顕著に節減されるので、経済性及び環境汚染を最小化させる次世代発熱モジュールとして位置付けるものである。
【0079】
また、本発明は、対地電圧に対する帯電現象を防止するために、絶縁フィルムまたは溶融接着樹脂に帯電防止剤を添加またはコートして使用することができ、電気的安定性をさらに極大化させることができる。
【0080】
本発明を説明するため好ましい実施例を述べてきたが、当業者は、添付の請求項記載の発明の主旨及び請求の範囲を逸脱することなく種々の変更、追加、置換が可能となることを認識できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、家庭用暖房用ヒーター、事務用暖房用ヒーター、自動車用ヒーターに適用することができ、電気消耗量を顕著に節減させ、経済性及び環境汚染を最小化させることにより、産業上利用可能性がある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法に関し、詳しくは、カーボンマイクロファイバーとパルプ及び人造糸を混合し、面状発熱体の下地紙を組成した後、下地紙の両面にカーボン粉末と伝導性ポリマーを混合してコートすることにより、発熱体の全体の均一の温度分布の具現と、局部抵抗減少のために発生する温度上昇の防止及び発熱体の寿命を延長させ、局部的な外部荷重が作用する際、性能を維持させ続けるようにするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カーボンを材料として作った面状発熱体は、安全、無騒音、電磁波を遮断して、アパート、住宅等の住居暖房材料として用いられる。
その他、事務室、商家等の商業用宅地の暖房材料として、車、倉庫、各種の天幕等の産業用暖房と、各種の産業加熱装置として、プラスチック天幕と農産品乾燥設備等の農業用設備、道路と停車場、滑走路、橋梁の除雪除氷用途として、休息、防寒等の保温装備、健康用品、家電製品、畜産暖房装置としても用いられる。
【0003】
面状発熱体の既存の方式は、PET(ポリエステル)フィルム上にカーボン粉末とバインダーを混合して、一定の形状に印刷した後、ポリエステルフィルムと熱接着剤であるEVAを用いて絶縁接着し、面状発熱体を形成して用いてきた。
【0004】
しかしながら、上述した伝統的な方式の面状発熱体は、発熱温度が局限的であり(理論上、両極間隔300〜500mmであるとき、発熱寸法は約83℃である)、実際に用いられる温度と用途は制限的であり、用いられる絶縁膜の材料は限定的であり、一定の温度(約65℃)以上の発熱製品であるときは、絶縁膜のEVAが熱で膨れ上がり、面状発熱体の外観と機能に致命的な欠陥が発生し、両極間間隔が300〜500mmであるときは、商用温度が60℃以下に制限的な発熱体を製造するしかなかった。
【0005】
また、このような従来の面状発熱体は、皺にも敏感であり、フィルムが皺くちゃになると、皺の界面に沿った電気集中現象による不通電状態と火災につながる可能性が内在されていた。また、従来の面状発熱体は、規則正しく配列された模様を作るためにPETのみを用いており、使用中に皺による感電と致命的な欠陥が懸念される。皺の防止のために多方面に実験を行ったが、一定の模様の配列を維持しながら接着性を有する絶縁材料及び製造方法の技術を見出さなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス公開第2847114号公報
【特許文献2】特開平06-231869 号公報
【特許文献3】特開2004-342509 号公報
【特許文献4】韓国公開第10-2003-0010826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、複合構造カーボン発熱体を用いて、温度制限幅を顕著に改善し、高温でも使用可能にすることで、様々な用途に適用可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、発熱温度別に絶縁仕上げ材を選択的に用いて絶縁層を構成することで、様々な温度の発熱体を完成可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、絶縁層の形成の際に、既存の熱体または熱ローラを用いた圧着ラミネート方式を脱皮したT−ダイ押出成形方式または熱プレスで加圧成形し、カーボンマイクロファイバーの粒子が有機性バインダーに混合され、カーボンマイクロファイバーが空気と接触する可能性を源泉的に遮断することで、発熱体の寿命を相対的に改善させるようにするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、エネルギー使用量の効率化を極大化するために平板プレスまたはロールプレスで面状発熱体を打孔し、一定の空間配置と面状発熱体の長手方向の切断部位に対する絶縁性能及び防水性能を付与し、経済性及び安全性を同時に付与可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、皺に自由な軟性を有したPE、LDPE、LLDPE、PVC、ターポリンまたはTPU、PU(ポリウレタン)等と、絶縁物の機械的強度を付与した硬い硬性を有するエポキシ含浸ガラス繊維織布(プリプレグ)、フェノール含浸ガラス繊維、織り布等のフィルムを絶縁材として自由に選択可能にすることで、様々な用途と機能性を付与可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、数種の幅(両極間隔2400mmであるとき、発熱温度は35〜150℃である)、最大発熱温度380℃、数種の絶縁層表面材料で、多機能面状発熱体の生産をすることができ、発熱部分が一定の模様を作る過程を経て不要な電気消費を減らし、最大限に電力節減を可能にするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、数層の複合構造で面状発熱体を製造することで、発熱体が、皺または部分的な損傷下でも、持続的に正常の機能を行うことができ、発熱紙が単位負荷が一箇所に集中するとき、電力を減少させて集中する単位負荷の物体輪郭に同一の電気を発生させることで、短路現象の発生を防止し、発熱機能を持続させることができ、発熱部分の割れ問題を解決するために、100%の水溶性接着剤、希釈剤と水を用いて環境問題を解決し、揮発性残留量を維持する問題を解決し、商品の長期的な耐熱と使用寿命を増やすことができるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、面状発熱体を製造する方法において、長さ5〜25mm、太さ20〜100μmのカーボンマイクロファイバーを、製紙用パルプ、水溶性バインダー、及び水と混合して形成されたカーボンマイクロファイバー混合液によって下地紙を形成する下地紙形成工程と、前記下地紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、前記下地紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、前記下地紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合し、カーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、前記カーボンマイクロファイバーが形成された下地紙に伝導性ポリマーを塗布して伝導性ポリマー層を形成する伝導性ポリマー層形成工程と、前記伝導性ポリマー層が形成された下地紙の上面または両面に、前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、裁断された面状発熱体の上面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の上面両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融塗布した後、乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とする。
【0014】
ここで、前記下地紙形成工程は、前記カーボンマイクロファイバー混合液を、培養タンクで、ヒート温度を60〜150℃に維持した状態で、下地紙の形成のための毛布上に前記カーボンマイクロファイバー混合液を噴射する。
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、ポリエステル系人造糸がさらに添加される。
【0015】
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
【0016】
また、前記カーボン粉末混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して8〜30%のカーボンマイクロファイバーと、前記下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル人造繊維と、前記下地紙の重量に対して40〜90%のパルプと、からなる。
また、前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
【0017】
また、前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
また、前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させる。
また、前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
本発明の他の特徴は、前記製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体を特徴とする。
【0018】
本発明の他の特徴は、面状発熱体を製造する方法において、製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維とを水と混合して1次下地紙を形成するが、前記1次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、1次下地紙の重量に対して5〜30%のポリエステル繊維を混合する1次下地紙製造工程と、製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維と、カーボンマイクロファイバーとを水と混合して2次下地紙を形成するが、2次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、2次下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル繊維と、その太さが15nm〜50μmであるカーボンマイクロファイバーと混合して組成されたカーボンマイクロファイバー混合液を、前記2次下地紙の重量に対して8〜50%で混合する2次下地紙製造工程と、前記1次下地紙と2次下地紙を合紙して原紙を製造する原紙製造工程と、前記原紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、原紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、原紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合してカーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、前記原紙のうち2次下地紙が形成された面に前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、裁断された面状発熱体のうち前記カーボン粉末混合層が形成された面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融した後、塗布乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とする。
【0019】
ここで、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して0.1〜40%のカーボンナノチューブがさらに添加される。
また、前記2次下地紙は、VATワイヤを介して一定の間隔や模様が規則正しく配列された網構造の形態で形成される。
【0020】
また、前記1次下地紙は、製紙用パルプを噴射方式により製造する。
【0021】
また、前記2次下地紙の模様は、三角形、菱形、六角形のような直線図形で形成され、前記模様から一定間隔の距離を置いて切り取り線が形成される。
また、前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
【0022】
また、前記カーボン粉末混合液は、前記原紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加される。
また、前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
【0023】
また、前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
【0024】
また、前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させる。
【0025】
また、前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いる。
本発明のまた他の特徴は、前記製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体を特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、複合構造カーボン発熱体を用いて、温度制限幅を顕著に改善し、高温でも使用可能にすることで、様々な用途に適用可能にし、発熱温度別に絶縁仕上げ材を選択的に用いて絶縁層を構成することで、様々な温度の発熱体を完成することができる。
また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、既存の面状発熱体と対比して、エネルギー使用量を効率よく節減することができる製品構成及び設計で、面状発熱体そのもので不要な空間を除去し、最大75%のエネルギー節減効果を具現することができ、カーボンの基本物性である遠赤外線を多量放出できる新環境的素材により、現代人の健康増進にも一助を担うことができる面状発熱体を完成することができる。
【0027】
また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、絶縁層の形成の際、既存の熱体または熱ローラを用いた圧着ラミネート方式を脱皮したT−ダイ押出成形方式または熱プレスで加圧成形し、カーボンマイクロファイバーの粒子が有機性バインダーに混合され、カーボンマイクロファイバーが空気と接触する可能性を源泉的に遮断することで、発熱体の寿命を相対的に改善させることができ、皺に自由な軟性を有したPE、LDPE、LLDPE、PVC、ターポリンまたはTPU、PU(ポリウレタン)等と、絶縁物の機械的強度を付与した硬い硬性を有するエポキシ含浸ガラス繊維織布(プリプレグ)、フェノール含浸ガラス繊維、織り布等の樹脂フィルムを絶縁材として自由に選択可能にすることで、様々な用途と機能性を付与することができる。
【0028】
また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、カーボンマイクロファイバーとカーボンナノチューブとカーボン粉末と効率よくコートし、既存のニクロム線の抵抗熱を用いる発熱体を100%代替できるのみならず、面状発熱体の初期モジュールであるカーボン粉末印刷タイプの発熱体が具現しなかった広幅の単一発熱体と、温度の制約を受けない超薄型発熱体を形成することにより、空間の制約、及び設置上、使用上台頭されてきた多くの問題等を一度に解決し、直流電気及び交流電気を用いて発熱体を形成するのに制約を受けずに発熱モジュールを形成することができ、多様かつ便利な発熱体を具現することができる。また、本発明のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によると、既存の発熱体が有する電磁波または磁気波の弊害が源泉的に発生しない構造であるので、使用上、健康に有益であり、他の発熱体と対比して、電気消耗量が顕著に節減されるので、経済性及び環境汚染を最小化させる次世代発熱モジュールとして位置付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボンマイクロファイバーを組成培養した下地紙を示す平面図及び断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により下地紙を製造するための設備を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボン粉末混合液を、組成培養した下地紙上に塗布した様子を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銀粉末コート装備を示す側面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銅箔設置装備を示す側面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法の一実施例により製造された面状発熱体の断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造装置を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、1次下地紙を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、2次下地紙を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、原紙を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の構造を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる長繊維解離装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備のワイヤの構成を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる絶縁膜塗布設備の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明を説明するのにあたって、関連した公知の機能または構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語として、これは、使用者、運用者の意図または慣例等により異ならせてもよい。そのため、その定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定められなければならない。
図1は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法を説明するための工程図であり、図2は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボンマイクロファイバーを組成培養した下地紙を示す平面図及び断面図であり、図3は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により下地紙を製造するための設備を示す側面図であり、図4は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法によるカーボン粉末混合液を、組成培養した下地紙上に塗布した様子を示す断面図であり、図5は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銀粉末コート装備を示す側面図であり、図6は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法による銅箔設置装備を示す側面図であり、図7は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の断面図であり、図8は、本発明の第1の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法の一実施例により製造された面状発熱体の断面図である。
【0031】
<下地紙形成工程>
まず、本発明の下地紙形成工程をみると、長さ5〜25mm、太さ20〜100μmのカーボンマイクロファイバー1を、製紙用パルプ3、水溶性バインダー、及び水と混合し、または、カーボンマイクロファイバー1を、ポリエステル系人造糸2と、製紙用パルプ3と、水溶性バインダーと、水とを混合するが、カーボンマイクロファイバー1(8〜30%)と、ポリエステル系人造糸2(2〜30%)と、パルプ3(40〜90%)と、水溶性バインダーと、水とを混合して、カーボンマイクロファイバー混合液を製造する(S1)。
【0032】
ここで、水の含量は、混合液が緩くなる程度に適宜配合し、カーボンマイクロファイバー混合液には、粉末形態の電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物4を一定の比率でさらに混合してもよい。
【0033】
その後、図3に示すような設備の培養タンクのヒート温度を60〜150℃に維持した状態で、下地紙の形成のための毛布上に、ヘッドボックス31から1次噴射し、カーボンマイクロファイバーの長さが長くて、ヘッドボックス31から噴射される過程で係止しまたは一塊になる現象を防止するために、オープンヘッドボックス32で2次噴射塗布して下地紙を形成する。このような過程を通じて30〜100cm以上の幅を有する発熱体を形成しなかった短所を解消し、カーボンマイクロファイバー発熱体を30〜240cm以上に形成することができる。
【0034】
このような工程を図2及び図3を参照してより詳細に説明すると、カーボンマイクロファイバー1と、ポリエステル系人造糸2と、製紙用パルプ3と、水溶性バインダー(ポリアクリロニトリルまたはエポキシ樹脂またはポリウレタン樹脂)とを水と混合して作ったカーボンマイクロファイバー混合液を加温された培養タンクに入れ、培養タンク内に設置された正逆方向の回転が可能な回転羽根でカーボンマイクロファイバー混合液を攪拌させる。
【0035】
また、カーボンマイクロファイバー混合液を一定量の噴射比率で噴射装置であるヘッドボックス31とオープンヘッドボックス32により毛布上に噴射し、カーボンマイクロファイバーの方向性と培養のために、コンビネーション、グラビア、ストリップバー方式を用いて、カーボンマイクロファイバーの下地紙が面状発熱体としての基礎抵抗を有する通電物質で形成される。
【0036】
その後、空気減圧装置によって減圧空気で下地紙の水分を除去し、熱ドライヤーで下地紙を乾燥させた後、一定量の長さで巻き、下地紙の両面の異物を除去するように裁断工程を経ると、本発明のカーボンマイクロファイバーが混合された下地紙が完成される。
【0037】
<カーボン粉末混合液組成工程>
本発明のカーボン粉末混合液組成工程をみると、アセチレン系、ピッチ系、PAN系、ヤシ系カーボン粉末から選ばれたいずれか一つ以上を適切な比率で混合し、下地紙の重量に対して0.1〜50%のカーボン粉末と、下地紙の重量に対して0.2〜30%の伝導性ポリマーと、下地紙の重量に対して0.1〜40%の水溶性バインダーとを水と混合してカーボン粉末混合液を組成する(S2)。
【0038】
一方、ここで、カーボン粉末混合液には、下地紙の重量に対して0.1〜45%で、電気石、星光石の少なくともいずれか一つ以上が混合された機能性無機物をさらに混合してもよい。
【0039】
一方、従来の面状発熱体では、有機性バインダーを用いてカーボン粉末を固着させる場合、有毒性揮発物質(MEK等)を用いるので、空気汚染及び作業環境に及ぼ影響が至大であり、バインダーと希釈剤の揮発残留量が5%以下に維持されなければ、発熱体の温度上昇による膨れまたはカーボン粉末混合層6の割れが発生するが、製造工程上、短時間内に乾燥させることが難しく、揮発残留量の維持に困難があった。
このため、本発明では、上記問題点を解決するために、100%水溶性バインダーと水を用いることにより、環境的問題と揮発残留量を維持させる工程を簡素化、計量化することができ、カーボン粉末混合液の抵抗を既存の400〜600Ωの範囲内で用いているが、30〜5800Ωの範囲内で自在に具現することができ、発熱体の幅と発熱温度の限界範囲を外れて様々な発熱体を構成することができる。
【0040】
<伝導性ポリマー層形成工程>
本発明の伝導性ポリマー層形成工程をみると、アニリン系、ピロール系、チオフェン系から選ばれたいずれか一つ以上を混合した伝導性ポリマーを、カーボンマイクロファイバーが形成された下地紙に塗布して伝導性ポリマー層5を形成する(S3)。
【0041】
<面状発熱体製造工程>
本発明の面状発熱体製造工程
をみると、伝導性ポリマー層5が形成された下地紙の片面または両面に、カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥し、カーボン粉末混合層6を形成して面状発熱体を製造する(S4)。
図4は、伝導性ポリマーと、カーボン粉末混合液のカーボンマイクロファイバー1と、ポリエステル系人造糸2と、パルプ3とで組成された下地紙上の片面または両面に、一定量の含浸または塗布コート工程を経た状態の下地紙上の片面を示すものであり、これは、カーボンマイクロファイバー1の不均一な分布または縺れにより発生する面状発熱体の温度偏差を減らし、局部抵抗の減少による急な部分的温度上昇を防止し、伝導性ポリマーを用いて、カーボン粉末混合層6の微細空隙を充填し、温度の均一性を提供し、外部から作用する集中荷重に対する耐力を増加させ、単位面積当たり消費エネルギー効率を極大化させ、消費電力の小さな発熱体を構成することができる。
【0042】
また、従来の面状発熱体は、PETフィルム上にシルク印刷で紋様を印刷し、またはカーボンフィラメントが混在された下地紙を、発熱体として用いてきたが、本発明では、上記のようにカーボンマイクロファイバーが混在された下地紙上に含浸方式またはエアスプレー方式またはグラビア印刷方式等を用いて、カーボン粉末混合液を下地紙にコートするものである。
【0043】
ここで、含浸コート方式では、カーボン粉末混合液の抵抗調整及び含浸工程時の圧着ローラの間隔を調節してコートされるカーボン粉末混合液の厚さを調節することにより、同時にカーボンマイクロファイバー下地紙の片面または両面をコートすることができ、面状発熱体の発熱温度及び幅を自在に具現することができる。
【0044】
また、エアスプレーコート方式では、カーボン粉末混合液の組成及び抵抗値を異ならせることで、両面の発熱温度に差等を与える方法の具現と共に、噴射量の調節を通じて、面状発熱体の温度と幅を自在に具現することができる。
また、グラビア印刷コート方式では、カーボン粉末混合液の粘土及び抵抗を調節し、彩度の差による様々な色相を具現し、外観の美麗さを具現することができ、面状発熱体の温度と幅を自在に具現することができる。
【0045】
そうして、下地紙のカーボンマイクロファイバー1の含量と、伝導性ポリマー、カーボン粉末混合液の含量とを組み合わせて、様々な抵抗数値を具現し、面状発熱体の幅を広幅化することができ、同幅の面状発熱体でも相違した温度を発熱可能にし、電気が通電可能な多層構造を形成することにより、皺や曲げにも短絡による問題点が発生しない多機能性の優れた面状発熱体として完成される。
【0046】
従来のカーボン粉末をPETフィルムに一定の厚さでコートするとき、有機性希釈剤(主にMEKまたはアセトン)をバインダー及びカーボン粉末と混合して、塗布後、急速乾燥させるので、乾燥工程で割れが発生し、または、希釈剤の不十分な乾燥により、面状発熱体から絶縁フィルムが剥離しまたは膨れ上がり、機能を失う要因として作用するが、本発明では、水溶性アクリル系または水溶性エポキシ系のバインダーを、カーボン粉末混合液と水を溶媒として希釈することにより、作業環境の改善及び乾燥過程での十分な乾燥を誘導することができ、未乾燥分の水分も、乾燥過程以降でも、残熱による持続的乾燥が行われることで、乾燥不良による割れや剥離現象を完璧に解決することができる。
【0047】
また、図3に示すような設備により機械的に混合されたカーボン粉末混合液を持続的に供給することができ、抵抗の要求変化幅を30〜5800Ωまで実現可能であるので、一定幅の面状発熱体で様々な温度を発熱することができ、また、様々な幅の面状発熱体で一定の温度を発熱することができ、様々な直流、交流電圧の発熱体を構成することができる。
【0048】
<裁断工程>
本発明の裁断工程をみると、カーボン粉末混合層6が形成された面状発熱体を必要な一定の幅と長さに切断加工する(S5)。
【0049】
<電極線設置工程>
本発明の電極線設置工程をみると、一定の幅と長さに切断された面状発熱体に銀粉末を、シリコンまたはウレタン、ウレポキシ(ウレタン+エポキシ樹脂混合物)バインダーと希釈剤に混合して形成された銀粉末混合液を水平または垂直の回転羽根44が設置されたポンピングローラ45と、スクラッチ装置(ドクターナイフ)41が装着された銀粉末タンク43、すなわち、混合タンクに移送させる。その後、一定間隔の単数または複数の電極46の形状(一定の電極が形成されるように、漏斗状の紋様を陰刻する)が、電極幅(1〜25mm)で刻まれたゴムまたはステンレス印刷ローラ42に銀粉末混合液を付けて面状発熱体に印刷した後、乾燥させ、幅1〜25mmの銀電極線7を設置する(S6)。
【0050】
また、銀電極線7上に伝導性ポリマー(アニリン系、ピロール系、チオフェン系)を基本とする伝導性粘着剤または接着剤が底面に処理された35〜50μmの厚さを有する圧延銅箔を10〜25mmの幅でレーザー切断加工した後、銀電極線7上に重ね、または、約2〜10mmの一定間隔で離隔させた後、圧着設置し、銅箔電極線8を形成する(S7)。
【0051】
このように銅箔電極線8を設置すると、従来の銅箔が分離される現象を防止することにより、皺に対応することができ、放電による電気共鳴を防止し、使用中に発生する湿気による漏電を遮断することができる。
これを詳述すると、カーボン粉末混合液を塗布して乾燥させた面状発熱体を、銀粉末混合液が入れた混合タンクで持続的に攪拌しながら、基礎電極である銀電極線7を形成するが、これは、電極の局所部位に電気が集中して発生するアーク現象を未然に防止するように機能を付与するものである。
【0052】
また、銀粉末混合液を持続的に攪拌することは、銅箔電極線8が有する電気損失を補正し、通電率を補償することにより、電極に発生する自体抵抗による発熱を極小化させ、寿命を延長できる機能を付与し、銀電極線7が面状発熱体と完全密着して電極が形成されるので、電極線でのアーク現象を未然に防止することができる。
【0053】
このためには、均一の性能の銀電極線7を形成することが課題であるので、図5に示すように、特殊開発されたポンピングローラ45は、アルミニウムまたはステンレススチール、特殊コートされたゴムを素材としたパイプにゴムまたは金属の回転羽根44を付着し、これを通じて、陰刻の漏斗状紋様が形成されたステンレス印刷ローラに一定量の銀粉末を飛散塗布する。
【0054】
また、陰刻の漏斗状紋様が形成されたステンレス印刷ローラでは、陰刻の漏斗状紋様に銀粉末混合液が盛られた状態で回転し、これをスクラッチ装置であるドクターナイフで一定量のみを残して引っ掻き、面状発熱体に銀粉末混合液が移植され、面状発熱体に銀電極線7が印刷される。
【0055】
また、銀電極線7が完全に乾燥すると、伝導性ポリマー(アニリン系、ピロール系、チオフェン系)を基本とする伝導性粘着剤または接着剤を、4〜30μmの厚さで圧延銅箔板の底面(銀電極線と接する面)にコート処理した後、離型フィルム(PE、LDPE)で伝導性粘着剤または接着剤が貼り合わないように仮接させながら、ロール状に巻き取り、銅箔(厚さ25〜50μm)を2〜25mmの幅でレーザ切断加工する。
【0056】
その後、図6に示すような、プラスチックまたは金属材質の電極ローラ51に装着した後、プラスチックまたはテフロン(登録商標)素材で形成され、0.2〜3mm深さの溝が形成された電極ガイドローラ52の溝に銅箔電極線8を誘導させた後、離型フィルムを分離し、エフで吸入する離型フィルム吸入装置に流入させ、伝導性粘着剤または接着剤が処理された銅箔電極線8を銀電極線7上に重ね、または、2〜10mm程度の一定間隔で離隔した後、銅箔電極線8を圧着設置する。
【0057】
このように銀電極線7上に銅箔電極線8を圧着させることにより、界面通電抵抗の増加と、電気集中化現象によるアーク放電形態の電極不良を防止し、通電可能な面状発熱体の単一体の長さ15〜30m2まで、電気引入部と終端との間の温度偏差無しに用いることができる。また、電極での過負荷による電極線の発熱現象を防止することができる多重電極線の形態を構成することにより、電極線の部分破損及び面状発熱体との界面通電の抵抗増加によるアーク現象の防止と、フローティングによるアーク現象を未然に防止し、面状発熱体の安定性と電極線での電磁気波共鳴現象を極小化させ、面状発熱体の寿命を延長することができる。
【0058】
<面状発熱体絶縁工程>
本発明の面状発熱体絶縁工程をみると、銅箔電極線8が形成設置された面状発熱体を、絶縁材が溶融された絶縁液を塗布した後、絶縁フィルムで圧着し、または、絶縁液でコートし射出して絶縁層を形成すると、図8のように完成された面状発熱体となる(S8)。
【0059】
ところが、従来面状発熱体の方式は、ポリエステル(PET)フィルム上にカーボン粉末とバインダーを混合し、一定の模様に印刷した後、ポリエステルフィルムと熱接着剤であるEVAを用いて、面状発熱体に絶縁接着するので、従来方式の面状発熱体は、発熱温度具現の限界(理論可能値83℃)を外れず、用途の多様性に制限を受けるだけでなく、絶縁フィルムの素材にも制限を受け、一定の温度(約65℃)以上発熱時は、絶縁フィルムに積層されたEVAが膨れ上がり、面状発熱体の外観及び性能に致命的欠陥を発生させてしまい、制限的な面状発熱体を製造するしかなかった。
本発明において、従来の面状発熱体の製造工程と対比して、最も大別される工程は、絶縁材コート工程であり、また、従来の面状発熱体と対比して、接着方式及び接着素材部分が大別される。
【0060】
従来の面状発熱体の製造時に用いられる絶縁層と絶縁フィルムが多層構造で形成されているのではなく、一定の物性を有するフィルム(代表的にPETフィルムに熱接着剤が塗布された熱ラミネート型絶縁フィルム)を用い、面状発熱体の構造強度の増加及び防水性、耐久性の確保のために、熱ローラ型ラミネート装備を用いて、熱接着剤の接着力で熱ローラを加温した後、圧着ローラで押圧して一定の温度と圧力で絶縁材を密着させる。
このような従来の工程は、既存の面状発熱体製品が共通的に有している特徴であり、最も簡便であり、製造費も安価であるが、面状発熱体の使用中に一定の温度60〜80℃以上に発熱すると、フィルム接着剤として用いられたEVAが溶けながら、体積膨張を行い続け、面状発熱体の絶縁フィルムが膨れ上がり、面状発熱体としての致命的な欠陥が発生するものである。
【0061】
本発明は、このような致命的な欠陥を未然に防止し、消費者が安心して使用可能な製品を構成するために、既存のフイルム接着剤であるEVAに代えて、絶縁材であるHDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、ターポリン、難燃PVC、PU、TPU、PI、エポキシ含浸ガラス繊維織布(プリプレグ)、フェノール含浸ガラス繊維織布、シリコン、耐熱シリコン等の原料(ペレット)をT−ダイ方式で押出機で溶融させた後、一定の圧力で押し出し、面状発熱体に塗布した後、面状発熱体をスクリューを通じてバレルとアミを通過させ、T−ダイで絶縁フィルム(HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコン)を直接面状発熱体に溶融接着させることにより、既存の接着剤の温度限界性を外れ、自由な温度の製品群を形成するだけでなく、耐久性及び防水性を大いに向上させた。
【0062】
これにより、本発明は、複合構造カーボン発熱体を用いて、温度制限幅を顕著に改善し、0.15〜0.8mm厚さの発熱体で、具現温度380℃まで可能にすることにより、様々な用途に適用可能に改善しており、発熱温度別に絶縁材及び絶縁フィルムを選択的に用いて絶縁層を構成することにより、様々な温度の発熱体を完成することができる。
例えば、100℃以下の発熱体には、PET素材の複合多層フィルムとPVC素材の複合多層フィルム、PEN素材の複合多層フィルムで絶縁フィルムを形成し、EVAを全く用いていない状態で、T−ダイでPVC、PET、PE、ウレタン樹脂を溶かし、PVC、PET、PE、ウレタン樹脂を接着剤として用いることにより、耐熱性及び熱圧着フィルムラミネート接着時に発生し得る空気量を極端的に制御することができるので、完璧な接着力と密閉性を確保するだけでなく、温度上昇による面状発熱体のねじれ、縮み、膨れ変形及び発熱体の機能喪失及びアーク発生現象を源泉的に除去し、用途多様化と製品寿命の保障を具現することができるものである。
【0063】
また、70〜180℃以下の発熱体には、PEN素材の複合多層フィルムまたはPREPREG(ガラス繊維にフェノール樹脂またはエポキシ樹脂を含浸した材料)で絶縁フィルムを形成し、T−ダイでPVC系樹脂、PE系樹脂またはウレポキシ樹脂またはポリウレタン樹脂を溶かして接着剤として用いることと、150〜300℃以下の発熱体には、ポリイミドフィルム(PI)で絶縁フィルムを形成し、ポリイミドを接着剤として用いる。
【0064】
また、200〜400℃以下の発熱体に、耐熱性シリコン樹脂を用いて絶縁フィルムを形成し、温度別に選択された絶縁フィルムを形成する方法を、既存の熱体または熱ローラ圧着ラミネート方式を脱皮したT−ダイ押出成形方式または熱プレスで加圧成形し、カーボン複合構造の面状発熱体を形成することにより、幅方向にわたって比較的に均一の厚さの絶縁コーティングを具現し、フィルムの冷却速度を速くすることができ、高速量産体制を構築すると共に、製品の品質を一定の維持し、使用する絶縁フィルムが耐熱性または難燃性素材で構成され、アーク発生時に火災につながらず、自体消火することが特徴であると言える。
【実施例2】
【0065】
以下、本発明の第2の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明を説明するのにあたって、関連した公知の機能または構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語として、これは、使用者、運用者の意図または慣例等により異ならせてもよい。そのため、その定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定められなければならない。
【0066】
図9は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造装置を示す図であり、図10は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、1次下地紙を示す図であり、図11は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、2次下地紙を示す図であり、図12は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法のうち、原紙を示す図であり、図13は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法により製造された面状発熱体の構造を示す図であり、図14は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる長繊維解離装置の構成を示す図であり、図15は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備を示す図であり、図16は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられるVAT設備のワイヤの構成を示す図であり、図17は、本発明の第2の実施形態によるカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法に用いられる絶縁膜塗布設備の構成を示す斜視図である。
【0067】
まず、図9を参照すると、本発明は、原料混合過程を経てワイヤパートで1次下地紙が形成され、VATパートで2次下地紙が形成され、2次下地紙の上面に網状の発熱体が形成され、乾燥パートで乾燥過程を経て、後続の紙製造パートで2次下地紙に銀粉末タンクと銀粉末ポンピングローラと電極印刷ローラーで構成された銀電極形成装置において、銀電極線を形成した後、銅箔供給装置で銅箔を銀電極線上に接着結合し、もう一度乾燥させた後、絶縁フィルム供給装置とT−ダイで溶かした樹脂を絶縁フィルムと圧着結合し、本発明による面状発熱体を製造するものである。
【0068】
図10を参照すると、1次下地紙の製造は、1次下地紙の重量に対して40〜90%を占める天然パルプ101と、1次下地紙の重量に対して5〜30%を占めるポリエステル人造繊維102と、水溶性バインダー(水溶性ポリアクリルニトリルまたは水溶性エポキシ樹脂とPVA等の化学混合物)104と、黄土、セラミック、星光石、電気石等の無機混合物103とを、加温された叩解タンク内に一定の間隔で刃を備えた回転羽根を設置し、回転羽根を正方向と逆方向に回転攪拌させた後、一定量の噴射比率で混合液噴射装置であるヘッドボックスまたはオープンヘッドボックスを通じて毛布上に噴射し、下地紙の方向性と培養のために、長網丸網のコンビネーションまたはグラビア、ストリップバー方式を用いて、カーボンマイクロファイバーの形成のための1次下地紙を形成する。
【0069】
2次下地紙の製造は、2次下地紙の重量に対して40〜90%を占める天然パルプと、2次下地紙の重量に対して2〜30%を占めるポリエステル人造繊維と、2次下地紙の重量に対して8〜50%を占めるカーボンマイクロファイバーとを混合して培養する。この際、カーボンマイクロファイバーは、太さが15nm〜50μmで、一定の温度(60〜150℃)を加熱した後、固体状態で原料を移すとき、繊維が一方に偏りまたは絡み合う現象を防ぎ、原料を均一に噴射可能に低速(20〜150rpm/min)のモータを用いることが好ましい。
【0070】
図14を参照すると、2次下地紙は、培養タンクを叩解状態が円滑に維持されるように、ヒート温度(60〜150℃)に維持した状態で、長繊維であるカーボンマイクロファイバーの移送に適合した1ピッチタイプのスクリューポンプを適用し、原料の押送時に繊維の偏重または縺れ現象を防止する配管装置を備えた長繊維解離装置を適用した。長繊維解離装置は、原料投入口401から流入した原料の均一の分散と混合を維持するために、低速(20〜150rpm/min)モータ407と、左右上下の傾斜がR1100に調整された解離タンク402と、移送された原料を水平方向ではなく、垂直方向に回転可能に考案されたインペラ404と、長繊維の切断を防止する長刃状の補助インペラ405と、で構成され、解離タンク402の傾斜角を大きくし、傾斜角が小さい場合に発生する原料タンクの両端部に原料の不十分な混合と縺れ等を原則的に解決することができ、均一な面状発熱体の抵抗分布が得られる。
【0071】
また、図15を参照すると、2次下地紙の精密な秤量と抵抗値を維持するために、原料の供給圧力のない傾斜型チューブ管502を用いたシリンダーVATを用いることにより、原料のパイプ押送圧力を減少させ、過流による塊りを防止するために考案された傾斜型チューブ管502から充填された原料混合物を、自然圧に近い状態でゲートウォール503に供給する。また、シリンダーの回転速度と原料混合物の流速により決定される面状発熱体の縦端引張強度(MD−機械進行方向)と横断引張強度(CD−機械進行方向との直角方向)の比率を、既存の円網装置の一般的比率である80:20の比率をスライスコントロールスクリュージャック504を通じて、スライス507を開閉することで、流速を調節して60:40まで調節し、傾斜型チューブ管502と一定の水位差を発生させるように、内部に水を満たしたシリンダー505を回転させる。すると、水位差により機能性発熱紙原料物質がシリンダー505の表面に付着し、湿紙状態の水分を上部の真空ファン509で吸収し、プレス過程に移送させ、ここで、残った原料混合物は、オーバーフロー508を通じて流れ出て、原料投入口501に合流するようになる。このような過程で、初期状態の2次下地紙が形成されるものである。
【0072】
図16を参照すると、VAT設備に移送された2次下地紙は、三角形、菱形、梯形、六角形、平行四辺形、クローバー形等の様々な紋様と一定の形式を有した発熱体を有し、一定の幅(300〜2400mm)に形成され、一定の強度を維持することができる。
これを作製するためには、VATシリンダーの表面金属針金602に、鉛、アルミニウム、または合金を溶接し、規則的な配列の三角形、角形、六角形等の模様を作り、または、エポキシ樹脂、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン、ゴム化合物等のように、金属と貼り付ける化学物質または樹脂で構成された模様を有するVATワイヤ601を製造し、打孔すべき紋様と切り取り線603を形成させる。その後、2次下地紙をVATワイヤ601の表面と密着させた状態で、金属と接着可能なエポキシレジン等の充填物で、ワイヤメッシュ面に打孔された紋様と同一の紋様でメッシュー溝を埋めると、VATシーリングと切り取り線が完成される。
【0073】
また、2次下地紙は、様々な機能性具現のために、伝導性ポリマー(1〜10%)と、機能性無機物混合物601(電気石、星光石、陰イオン発生鉱物)を一定の含量(1〜10%)で添加し、製紙用パルプ(40〜90%)と、ポリエステル繊維等の人造繊維(5〜30%)と結合することが好ましい。
【0074】
一方、2次下地紙の上面にカーボン粉末混合液を塗布するが、カーボン粉末混合液は、カーボンナノチューブ(単一井戸構造)、すなわち、原紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末に、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合した電導性ポリマーを、原紙の重量に対して2〜30%、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上が混合された水溶性バインダーを、原紙の重量に対して1〜5%で、水と混合し塗布して、カーボン粉末混合層(発熱体層)を形成する。ここで、電気通電が不要な紋様の内外部分には、カーボン粉末混合液が塗布されないので、切り取り線が自然に確保される。
【0075】
また、発熱体であるカーボン粉末混合層が形成された2次下地紙の上面に銀電極線を形成するが、図13及び図17を参照すると、カーボン粉末混合層が形成された2次下地紙の発熱体上に銀電極線305をシリコン、ウレタンまたはウレポキシ(ウレタン+エポキシ樹脂混合物)等の柔軟性を付与することができるバインダーと希釈剤に混合した後、水平または垂直の回転羽根とスクラッチ装置(ドクターナイフ)が装着された混合タンクに移送させ、一定の間隔の単数または複数の電極の形状(一定の電極が形成されるように、漏斗状の紋様を陰刻する)と、電極幅(1〜25mm)が刻まれたゴムまたはステンレスローラ42に付けて銀粉末を印刷して乾燥させる。ここで、また、銀電極線305上に伝導性ポリマー(アニリン系、ピロール系、チオフェン系)を基本とする伝導性粘着剤または接着剤が処理された銅箔電極線(35〜50μm)304を、10〜25mmの幅でレーザー切断加工して、銀電極線305上に重ね、または、銀電極線305の終端から約2〜10mmの一定間隔で離隔した後、銅箔電極線304を冷却ローラ703とプレートアウトローラ705を通じて、銅箔電極線304を圧着設置する。ここで、また、本発明による面状発熱体の電気絶縁性の確保のために、絶縁部材(HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコン)の原料樹脂を絶縁しようとする仕上げ絶縁フィルムと同一乃至接着性が確保される樹脂を、T−ダイ704で溶融押出させ、絶縁フィルム供給装置707から供給される絶縁フィルムとキャスティングローラ706を通じて圧着させて絶縁層を形成する。
【0076】
そうして、銀電極線305と銅箔電極線304が形成設置された面状発熱体を、絶縁フィルム306で圧着またはコート、射出する絶縁工程で、温度制限幅を顕著に改善し、0.15〜2.8mm厚さの発熱体で、具現温度308℃まで可能にすることにより、様々な用途に適用可能に改善した複合多層構造の面状発熱体を形成することができる。
したがって、本発明は、高抵抗性カーボンマイクロファイバーとカーボン粉末を効率よくコートし、既存のニクロム線の抵抗熱を用いる発熱体を100%代替できるのみならず、面状発熱体の初期モジュールであるカーボン粉末印刷タイプの発熱体が具現しなかった広幅の単一発熱体と、温度の制約を受けない超薄型発熱体を形成することにより、空間の制約、及び設置上、使用上台頭されてきた多くの問題等を一度に解決し、直流電気及び交流電気を用いて発熱体を形成するのに制約を受けずに発熱モジュールを形成することができ、多様かつ便利な発熱体を具現することができる。
【0077】
また、本発明は、機能性を付与可能な面状発熱体を、使用者の要求に応えることができる温度の具現可能範囲を大いに増加させ、面状発熱体の幅に対する制限要素をごく一部分に最小化させ、直流電気及び交流電気の使用に広範囲に適用され得るのみならず、清浄エネルギーである電気を使用しながらも、電磁波の弊害を極小化させ、遠赤外線の発生により健康上の利点を付与し、エネルギー節減効果も、既存の発熱体とは比較できないほどに革新的であり、暖房効果も極大化させることができる。
【0078】
また、本発明は、従来の面状発熱体が有する電磁波の弊害が源泉的に発生しない構造であるので、使用上健康に有益であり、他の面状発熱体と対比して、電気消耗量が顕著に節減されるので、経済性及び環境汚染を最小化させる次世代発熱モジュールとして位置付けるものである。
【0079】
また、本発明は、対地電圧に対する帯電現象を防止するために、絶縁フィルムまたは溶融接着樹脂に帯電防止剤を添加またはコートして使用することができ、電気的安定性をさらに極大化させることができる。
【0080】
本発明を説明するため好ましい実施例を述べてきたが、当業者は、添付の請求項記載の発明の主旨及び請求の範囲を逸脱することなく種々の変更、追加、置換が可能となることを認識できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、家庭用暖房用ヒーター、事務用暖房用ヒーター、自動車用ヒーターに適用することができ、電気消耗量を顕著に節減させ、経済性及び環境汚染を最小化させることにより、産業上利用可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状発熱体を製造する方法において、
長さ5〜25mm、太さ20〜100μmのカーボンマイクロファイバーを、製紙用パルプ、水溶性バインダー、及び水と混合して形成されたカーボンマイクロファイバー混合液によって下地紙を形成する下地紙形成工程と、
前記下地紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、前記下地紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、前記下地紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合し、カーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、
前記カーボンマイクロファイバーが形成された下地紙に伝導性ポリマーを塗布して伝導性ポリマー層を形成する伝導性ポリマー層形成工程と、
前記伝導性ポリマー層が形成された下地紙の上面または両面に、前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、
前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、
裁断された面状発熱体の上面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の上面両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、
前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、
前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融塗布した後、乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項2】
前記下地紙形成工程は、前記カーボンマイクロファイバー混合液を、培養タンクで、ヒート温度を60〜150℃に維持した状態で、下地紙の形成のための毛布上に前記カーボンマイクロファイバー混合液を噴射することを特徴とする請求項1に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項3】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、ポリエステル系人造糸がさらに添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項4】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項5】
前記カーボン粉末混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項6】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して8〜30%のカーボンマイクロファイバーと、前記下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル人造繊維と、前記下地紙の重量に対して40〜90%のパルプと、からなることを特徴とする請求項1に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項7】
前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項1または6に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項8】
前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項1または6に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させることを特徴とする請求項1に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項9に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体。
【請求項12】
面状発熱体を製造する方法において、
製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維とを水と混合して1次下地紙を形成するが、前記1次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、1次下地紙の重量に対して5〜30%のポリエステル繊維を混合する1次下地紙製造工程と、
製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維と、カーボンマイクロファイバーとを水と混合して2次下地紙を形成するが、2次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、2次下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル繊維と、その太さが15nm〜50μmであるカーボンマイクロファイバーと混合して組成されたカーボンマイクロファイバー混合液を、前記2次下地紙の重量に対して8〜50%で混合する2次下地紙製造工程と、
前記1次下地紙と2次下地紙を合紙して原紙を製造する原紙製造工程と、
前記原紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、原紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、原紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合してカーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、
前記原紙のうち2次下地紙が形成された面に前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、
前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、
裁断された面状発熱体のうち前記カーボン粉末混合層が形成された面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、
前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、
前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融した後、塗布乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項13】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して0.1〜40%のカーボンナノチューブがさらに添加されることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項14】
前記2次下地紙は、VATワイヤを介して一定の間隔や模様が規則正しく配列された網構造の形態で形成されることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項15】
前記1次下地紙は、製紙用パルプを噴射方式により製造することを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項16】
前記2次下地紙の模様は、三角形、菱形、六角形のような直線図形で形成され、前記模様から一定間隔の距離を置いて切り取り線が形成されることを特徴とする請求項12または14に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項17】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項12または13に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項18】
前記カーボン粉末混合液は、前記原紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項19】
前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項20】
前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項21】
前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項22】
前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項12または21に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項23】
請求項12乃至22のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体。
【請求項1】
面状発熱体を製造する方法において、
長さ5〜25mm、太さ20〜100μmのカーボンマイクロファイバーを、製紙用パルプ、水溶性バインダー、及び水と混合して形成されたカーボンマイクロファイバー混合液によって下地紙を形成する下地紙形成工程と、
前記下地紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、前記下地紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、前記下地紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合し、カーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、
前記カーボンマイクロファイバーが形成された下地紙に伝導性ポリマーを塗布して伝導性ポリマー層を形成する伝導性ポリマー層形成工程と、
前記伝導性ポリマー層が形成された下地紙の上面または両面に、前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、
前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、
裁断された面状発熱体の上面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の上面両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、
前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、
前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融塗布した後、乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項2】
前記下地紙形成工程は、前記カーボンマイクロファイバー混合液を、培養タンクで、ヒート温度を60〜150℃に維持した状態で、下地紙の形成のための毛布上に前記カーボンマイクロファイバー混合液を噴射することを特徴とする請求項1に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項3】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、ポリエステル系人造糸がさらに添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項4】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項5】
前記カーボン粉末混合液は、前記下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項6】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記下地紙の重量に対して8〜30%のカーボンマイクロファイバーと、前記下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル人造繊維と、前記下地紙の重量に対して40〜90%のパルプと、からなることを特徴とする請求項1に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項7】
前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項1または6に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項8】
前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項1または6に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させることを特徴とする請求項1に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項9に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体。
【請求項12】
面状発熱体を製造する方法において、
製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維とを水と混合して1次下地紙を形成するが、前記1次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、1次下地紙の重量に対して5〜30%のポリエステル繊維を混合する1次下地紙製造工程と、
製紙用パルプと、ポリエステル繊維のような人造繊維と、カーボンマイクロファイバーとを水と混合して2次下地紙を形成するが、2次下地紙の重量に対して40〜90%の製紙用パルプと、2次下地紙の重量に対して2〜30%のポリエステル繊維と、その太さが15nm〜50μmであるカーボンマイクロファイバーと混合して組成されたカーボンマイクロファイバー混合液を、前記2次下地紙の重量に対して8〜50%で混合する2次下地紙製造工程と、
前記1次下地紙と2次下地紙を合紙して原紙を製造する原紙製造工程と、
前記原紙の重量に対して3〜50%のカーボン粉末と、原紙の重量に対して2〜30%の伝導性ポリマーと、原紙の重量に対して1〜5%の水溶性バインダーとを水と混合してカーボン粉末混合液を組成するカーボン粉末混合液組成工程と、
前記原紙のうち2次下地紙が形成された面に前記カーボン粉末混合液を含浸または塗布した後、乾燥させ、カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を製造する面状発熱体製造工程と、
前記カーボン粉末混合層が形成された面状発熱体を一定の幅と長さに切断加工する裁断工程と、
裁断された面状発熱体のうち前記カーボン粉末混合層が形成された面に銀粉末と、前記水溶性バインダーと、希釈剤とを混合して形成された銀粉末混合液を、前記面状発熱体の両端から幅10〜25mmで塗布した後、乾燥させ、銀電極線を形成する銀電極線形成工程と、
前記伝導性ポリマーを基本とする伝導性粘着剤または接着剤がその底面にコートされ、厚さ35〜50μm、幅10〜25mmを有し、長さは、銀電極線と同一の銅箔電極線を前記銀電極線上に圧着形成する銅箔電極線形成工程と、
前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体に絶縁材を溶融した後、塗布乾燥し、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、からなることを特徴とするカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項13】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して0.1〜40%のカーボンナノチューブがさらに添加されることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項14】
前記2次下地紙は、VATワイヤを介して一定の間隔や模様が規則正しく配列された網構造の形態で形成されることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項15】
前記1次下地紙は、製紙用パルプを噴射方式により製造することを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項16】
前記2次下地紙の模様は、三角形、菱形、六角形のような直線図形で形成され、前記模様から一定間隔の距離を置いて切り取り線が形成されることを特徴とする請求項12または14に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項17】
前記カーボンマイクロファイバー混合液は、前記2次下地紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項12または13に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項18】
前記カーボン粉末混合液は、前記原紙の重量に対して1〜5%で、電気石、星光石の少なくとも一つ以上を混合した機能性無機物がさらに添加されることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項19】
前記水溶性バインダーは、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂から選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項20】
前記伝導性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項21】
前記絶縁層形成工程は、前記絶縁材を高温で溶融して形成された絶縁液を、前記銀電極線と銅箔電極線が設置された面状発熱体の両面に塗布した後、これに絶縁材で製造された絶縁フィルムを溶融接着させ、さらに前記絶縁フィルムの上面に前記絶縁液を塗布後、さらに前記絶縁フィルムを形成して少なくとも絶縁層を2層以上形成させることを特徴とする請求項12に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項22】
前記絶縁材は、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、PP、PEN、PET、難燃PET、PVC、難燃PVC、PU、TPU、PI、シリコン、耐熱シリコンから選ばれたいずれか一つ以上を混合して用いることを特徴とする請求項12または21に記載のカーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体の製造方法。
【請求項23】
請求項12乃至22のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたカーボンマイクロファイバーを用いた面上発熱体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2009−543288(P2009−543288A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517973(P2009−517973)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003116
【国際公開番号】WO2008/002071
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(509004114)ナオス カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NAOS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】B/908 Digital Empire, 980−3, Yeongtong−dong, Yeongtong−gu, Suwon−si, Gyeonggi−do 443−470 KOREA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003116
【国際公開番号】WO2008/002071
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(509004114)ナオス カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NAOS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】B/908 Digital Empire, 980−3, Yeongtong−dong, Yeongtong−gu, Suwon−si, Gyeonggi−do 443−470 KOREA
【Fターム(参考)】
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