説明

ガスケット、プレフィルドシリンジ、及び打栓方法

【課題】打栓工程において、薬液内に異物が混入することなく、また、残空量の調節が容易にできる打栓方法を提供する。また、その打栓方法に用いるガスケット、及びそのガスケットを用いたプレフィルドシリンジを提供する。
【解決手段】ガスケット本体27に打栓治具18を取り付け、打栓治具18によりガスケット本体27を、その側部12の中心軸に沿った方向に延伸させる。これにより、側部12の外径を延伸させる前の状態から小さくすることができる。このため、薬液Mが予め充填された筒状の薬液容器2内に容易に挿入し、打栓することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め薬液が収納された薬液容器を備えるプレフィルドシリンジにおいて、薬液容器内に薬液を気密に保持するためのガスケットと、そのガスケットを用いたプレフィルドシリンジ、及び打栓方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、予め薬液が充填された薬液容器を備えたプレフィルドシリンジが多く利用されるようになってきた。このようなプレフィルドシリンジでは、薬液容器内に薬液が充填された後、その薬液容器内に例えばガスケットを装着(打栓)する。薬液容器内にガスケットが打栓されることで、薬液容器内の薬液が使用時まで気密に保持される。
【0003】
従来のプレフィルドシリンジにおけるガスケットの打栓工程では、薬液を薬液容器内に充填した後、ガスケットを、打栓冶具を用いて薬液容器内に打栓する。この場合、打栓治具で薬液容器内の内腔部を脱気した後、打栓治具の押圧部によりガスケットを薬液容器内に押圧する。そうすると、薬液容器内の内腔部は脱気されているため、薬液容器の内側と外側との圧力差によって、ガスケットが薬液容器内の所定の位置に自動的に挿入される(特許文献1)。
【0004】
ところで、予め薬液が収納された薬液容器を備えるプレフィルドシリンジでは、薬液容器内に設けられたガスケットを薬液容器内で摺動移動させることで薬液を排出する。このため、薬液容器の内周面には、ガスケットが円滑に摺動移動するためにシリコンオイル等が塗布されている。
【0005】
したがって、薬液容器内を真空にして打栓を行う打栓方法では、打栓時において薬液容器内をガスケットが摺動移動する際に、薬液容器内部に予め塗布されたシリコンオイルなどが、ガスケットや打栓治具によって薬液側にかき寄せられてしまう。このため、薬液中のシリコン量を増大させる可能性がある。
【0006】
また、薬液容器内を真空状態にして打栓を行う打栓方法では、真空圧の調整で、薬液容器内の薬液とガスケットとの間の薬液撹拌のための空気の量(残空量)を調節する。このため、残空量にバラツキが生じやすい。また、薬液を突沸させないように真空度を設定するため、残空量を極微量に調節することが難しく、残空量をほぼ0とすることは困難である。
【0007】
また、プレフィルドシリンジでは、薬液容器の内径が小さいため、従来の方法でガスケットを薬液容器内に装着することが難しくなっている。
【0008】
したがって、予め薬液が収納された薬液容器を備えるプレフィルドシリンジでは、打栓工程において、シリコンオイルの薬液側に溜まる量を少なくし、薬液中に混入する量を減少させ、また、残空量の調節が容易にできる打栓方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平07−124230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の点に鑑み、本発明は、打栓工程において、薬液内に異物が混入することなく、また、残空量の調節が容易にできる打栓方法を提供する。また、その打栓方法に用いるガスケット、及びそのガスケットを用いたプレフィルドシリンジを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のガスケットは、内径が3.5mm以上10mm以下とされた筒体の内部に摺動可能に設けられるガスケットであって、軸方向に延伸することにより、その外径が径方向に縮径可能とされたガスケット本体を備える。
【0012】
本発明のガスケットでは、打栓工程において、ガスケット本体に打栓治具を取り付け、側部の中心軸に沿ってガスケット本体を延伸させることにより、その外径を縮径することができる。これにより、打栓工程では、薬液容器内部にガスケット本体を容易に挿入することができる。
【0013】
本発明のプレフィルドシリンジは、内径が3.5mm以上10mm以下とされ、内部に薬液が収納される薬液容器と、その薬液容器内に設けられるガスケットと、ガスケットを薬液容器内で摺動移動させる押圧部とを備える。ガスケットは、薬液容器の内部を密封し、薬液容器内に摺動可能に設けられるガスケットであって、軸方向に延伸することにより、その外径が径方向に縮径可能とされたガスケット本体を備える。
【0014】
また、本発明のプレフィルドシリンジは以下のようにして形成されたものである。まず、係止部と、係止部の一端から所望の突出位置まで突き出し可能な軸部とを有する打栓治具の係止部を、ガスケット本体の被係止部に係止する。次に、係止部を被係止部に係止した状態で、軸部を前記係止部の一端から突き出すことにより、ガスケット本体を延伸させる。そして、延伸されたガスケット本体を、内部に薬液が充填された薬液容器の内部の所望の位置に挿入する。次に、軸部を係止部側に戻し、係止部と被係止部との係止を解除し、ガスケット本体から打栓治具を取り外す。これにより、薬液容器内部にガスケットが打栓され、本発明のプレフィルドシリンジが形成される。
【0015】
本発明のプレフィルドシリンジでは、ガスケット本体が打栓治具を係止することができる被係止部を有し、中心軸に沿って延伸可能とされている。この構成を有することにより、打栓工程において、打栓治具を用いてガスケット本体をその中心軸に沿って延伸させることにより、外径を縮径することができる。このため、薬液容器内部にガスケット本体を打栓する工程において、薬液容器の内部に容易にガスケット本体を挿入し、打栓することができる。
【0016】
本発明の打栓方法は、係止部と、係止部の一端から所望の突出位置まで突き出し可能な軸部とを有する打栓治具の係止部を、ガスケット本体の被係止部に係止する工程を有する。ガスケット本体は、内径が3.5mm以上10mm以下とされた筒状の薬液容器の内部に摺動可能に設けられるガスケット本体であって、軸方向に延伸することにより、その外径が径方向に縮径可能とされている。また、係止部を被係止部に係止した状態で、軸部を係止部の一端から突き出すことにより、ガスケット本体を軸方向に沿って延伸させる工程を有する。また、延伸されたガスケット本体を、内部に薬液が充填された薬液容器の内部の所望の位置に挿入する工程を有する。また、軸部を係止部側に戻し、係止部と被係止部との係止を解除し、ガスケット本体から打栓治具を取り外す工程を有する。
【0017】
本発明の打栓方法では、ガスケット本体に打栓治具を取り付け、打栓治具によりガスケット本体を、中心軸に沿った方向に延伸させる。これにより、ガスケット本体の外径を縮径することができる。このため、薬液が予め充填された筒状の薬液容器内に容易にガスケット本体を挿入し、打栓することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、薬液容器内の薬液のシリコンオイル量が増大することなくガスケットを打栓できる。また、薬液容器内のガスケットと薬液との間の極微量の残空量を無くすこと(ほぼ0にすること)が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るプレフィルドシリンジの構成を示す断面図である。
【図2】A,B,C ガスケット本体の平面図と、そのA−A線上に沿う断面図と、B−B線上に沿う断面図である。
【図3】A,B ガスケット本体に打栓治具を装着するときの平面図と、ガスケット本体に打栓治具を装着したときの断面図である。
【図4】A,B,C,D 本発明の一実施形態に係るプレフィルドシリンジの打栓方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係るガスケット、打栓方法、及びプレフィルドシリンジの一例を、図1〜図4を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0021】
〈一実施形態:プレフィルドシリンジ〉
図1〜図4を用いて、本発明の一実施形態に係るプレフィルドシリンジ、そのプレフィルドシリンジに用いられるガスケット、及び打栓方法について説明する。
【0022】
[プレフィルドシリンジの構成]
まず、本実施形態例のプレフィルドシリンジの構成について説明する。図1は、本実施形態のプレフィルドシリンジ1の構成を示す断面図である。
【0023】
本実施形態例のプレフィルドシリンジ1は、図1に示すように、薬液容器2と、薬液容器2内に薬液Mを気密に保持するためのガスケット3と、ガスケット3を薬液容器2の内部で摺動移動させる押圧部4と、薬液容器2の先端側に設けられた保護部材9とを備えている。
【0024】
薬液容器2は、内径が3.5mm以上10mm以下の円筒状の部材から構成され、一端には、使用時において針ハブが装着され、未使用時において保護部材9が装着される筒状のノズル部8が設けられ、他端は開口されている。ノズル部8は、薬液容器2の径よりも小さい径とされ、先端側に行くにつれて縮径して形成されている。本実施形態例では、薬液容器2とノズル部8は一体に形成されており、円筒状の薬液容器2の内部とノズル部8の内部は連通した構成とされている。また、薬液容器2内部には、薬液Mが充填されており、他端の開口がガスケット3で密封されている。
【0025】
薬液容器2及びノズル部8の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられる。その中でも、成形が容易であるという点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂を用いることが好ましい。なお、薬液容器2は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明な材料で構成する。また、薬液容器2の外周面には、図示しない目盛りが形成されている。これにより、薬液容器2内部に収納されている薬液の量を把握することができる。
【0026】
ガスケット3は、ガスケット本体27と、ガスケット本体27内部に装着されたガスケット支持部材22とから構成され、薬液容器2の他端側の開口を封止すると共に、薬液容器2内を内周面に沿って摺動可能となるように、薬液容器2内部に装着されている。
【0027】
ガスケット本体27は、軸方向に延伸することにより、その外径を縮径することができる構成とされている。
図2Aにガスケット本体27を一方の面側から見たときの平面図を示す。また、図2Bに、図2AのA−A線上に沿う断面図を示し、図2Cに、図2AのA−A線上に対して垂直方向に交わるB−B線上に沿う断面図を示す。
【0028】
図2B及び図2Cに示すように、本実施形態例のガスケット本体27は、筒状の側部12と、側部12の一端側を封止するように設けられた底部14とを有する。すなわち、本実施形態例のガスケット3は、一端に底部14を有し、他端側に開口部17を有する有底筒状の部材で構成されている。また、側部12の内側には、図2Cに示すように、後述する打栓治具を係止可能な被係止部25を有する。
【0029】
側部12の外周面には、側部12の外周面から半径外方向に突出するように設けられた突出部13a、13bが、円周方向に沿ってリング状に形成されている。本実施形態例では、突出部13a、13bが形成された位置における側部12の外径W2が、ガスケット本体27の最大径となるが、この外径W2が、薬液容器2の内径より少し大きくなるようにする。これにより、ガスケットが薬液容器2内部に装着された場合には、弾性力により突出部13a、13bが薬液容器2の内周面に密着して気密性(液密性)を確実に保持することができる。
【0030】
また、側部12の中腹に位置する内周面には、凹状の溝部15が側部12の円周方向に沿って形成されている。この溝部15を形成することにより、側部12の一部に他の部分よりも薄い肉薄部が構成されるため、側部12の中心軸に沿う方向への弾性力が小さくなり、ガスケット本体27が側部12の中心軸に沿う方向へ延伸されやすくなる。
【0031】
側部12の他端面には、側部12の内径を一部縮径する鍔部16が形成されている。この鍔部16の底部14側の端面(すなわち、アンダーカットされた部分)が被係止部25となる。鍔部16は、図2AのA−A線上に沿う位置では形成されておらず、図2AのB−B線上に沿った位置では形成されている。すなわち、図2Bに示す断面では、側部12の他端側の開口部17の径は側部12の内径と同じに形成され、図2Cに示す断面では、側部12の他端側の開口部17の径は、鍔部16が形成された分だけ側部12の内径よりも小さく形成されている。
【0032】
また、側部12の底部14側の内周面には、径方向に突出した突出部28が周方向に連続して形成されている。この突出部28は、後述するガスケット支持部材22をガスケット本体27の内部に固定して保持するために設けられるものである。この突出部28の突出長は、例えば、鍔部16の径方向の長さと同じ長さに設定される。
【0033】
また、ガスケット本体27の構成材料としては、側部12の中心軸に沿って延伸可能となるように弾性材料を用いることができ、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料を用いることができる。また、ガスケット本体27の構成材料として弾性材料が用いられることにより、薬液容器2との液密性が良好にされる。
【0034】
薬液容器2の内径が約3.5mm以上10mm以下の場合には、ガスケット本体27の側部12の最薄部(肉薄部)の厚さ(図2B及び図2Cでは、溝部15が形成された部分の側部12の厚さ)W1は、0.4mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
【0035】
ガスケット本体27は、プレス成形によって形成されるが、ガスケット本体27の側部12の最肉薄部の厚さが0.4mm未満である場合には、成形が困難となる。また、ガスケット本体27の側部12の肉薄部の厚さが2.0mmよりも厚い場合には、打栓工程において、ガスケット本体27を側部12の中心軸に沿って十分に延伸できない。
【0036】
そして、本実施形態例では、図1に示すように、ガスケット本体27の底部14が薬液容器2内の薬液に面するようにガスケット3が薬液容器2内に装着されている。
【0037】
ガスケット支持部材22は、筒状の部材の一端に底部11を有する有底筒状の部材で構成されており、内周面には雌ネジ23が形成されている。また、ガスケット支持部材22の外周面の一端側、及び他端側には、径方向に凹んだ凹部が周方向に形成されている。
【0038】
ガスケット支持部材22は、その底部11が、ガスケット本体27の底部14に当接するように配置されている。そして、その状態において、ガスケット支持部材22の一端側の凹部29aは、ガスケット本体27の突出部28に係止され、ガスケット支持部材22の他端側の凹部29bは、ガスケット本体27の被係止部25に係止されている。これにより、ガスケット支持部材22は、ガスケット本体27の内周面に固定されて保持されている。そして、本実施形態例では、ガスケット本体27の内部にガスケット支持部材22が装着されることによりガスケット支持部材22がガスケットの側部12が補強される。
【0039】
本実施形態例では、ガスケット支持部材22を有底筒状とする構成としたが、ガスケット本体27を補強できる形状であればよく、一端と他端が開口された筒状体で構成してもよい。
【0040】
ガスケット支持部材22の構成材料としては、特に限定されないが、例えば上述した薬液容器2の構成材料と同じものを用いることができる。
【0041】
押圧部4は、断面が例えば十文字状又は円形状をなし、一端がガスケット支持部材22に固定され、ガスケットが薬液容器2内を摺動移動できる長さとほぼ同じかそれよりも長い棒状の本体部5と、本体部5の他端側に設けられた円盤状のフランジ6とから構成されている。
【0042】
本体部5の一端の外周面には、ガスケット支持部材22に形成された雌ネジ23と螺合する雄ネジ24が形成されており、本体部5の雄ネジ24とガスケット支持部材22の雌ネジ23を螺合することにより、押圧部4をガスケット支持部材22に固定する。ガスケット支持部材22はガスケット本体27内に固定されているので、押圧部4はガスケット本体27に対しても固定されており、押圧部4を押したり引いたりすることで、ガスケット3を薬液容器2内部で移動操作することができる。
【0043】
本実施形態例では、ガスケット支持部材22と押圧部4の本体部5とを螺合する例としたが、押圧部4にガスケット支持部材22を固定する方法は、特に限定されず、ガスケット支持部材22と本体部5とを嵌合するように構成してもよい。
【0044】
押圧部4の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、上述した薬液容器2の構成材料と同じものを用いることができる。
【0045】
保護部材9は、先端側に底部を有する有底の筒状、本実施形態例では、有底の円筒状の部材で構成されており、その内周面とノズル部8の外周面とが嵌合することにより、保護部材9がノズル部8に装着可能とされている。そして、保護部材9がノズル部8の先端側から装着された場合には、ノズル部8の先端面が保護部材9の底部に当接することによりノズル部8の先端側の開口が封止される。このような保護部材9は、未使用時においてノズル部8に装着されることで、ノズル部8側の無菌を維持する。また、使用時には、ノズル部8から保護部材9を離脱して使用する。
【0046】
保護部材9の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、薬液容器2と同様の材料を用いることができる。
【0047】
そして、本実施形態例では、ノズル部8先端から、薬液容器2内に装着されたガスケット3までの間の空間7に、予め薬液Mが気密(液密)に収納されている。薬液が収納された空間7は、未使用状態(初期状態)において保護部材9とガスケット3によって気密的に封止されているため、薬液Mの無菌状態が維持される。
【0048】
薬液容器2の空間7に収納される薬液Mとしては、本実施形態例では、例えばインフルエンザ等の各種の感染症を予防する各種のワクチンが挙げられるが、ワクチンに限定されるものではない。なお、ワクチン以外では、例えば、ブドウ糖等の糖質注射液、塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、抗生物質注射液、造影剤、ステロイド剤、蛋白質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗癌剤、麻酔薬、覚せい剤、麻薬、ヘパリンカルシウム、抗体医薬等が挙げられる。
【0049】
また、空間7に収納される薬液Mの量は、例えば、0.02〜2.0mL程度が好ましく、0.05〜1.2mL程度がより好ましい。すなわち、プレフィルドシリンジ1は、特に、このような少量の薬液を投与する場合に好適なものである。
【0050】
また本実施形態例のプレフィルドシリンジ1では、薬液容器2内のガスケット3の端面と薬液Mとの間には残空部10が設けられており、その残空量は、後述するが、ガスケット本体27の薬液容器2内への打栓時に限りなく0とすることができる。
【0051】
以上の構成のプレフィルドシリンジ1では、使用時においては、ノズル部8から保護部材9を取り外した後、生体に穿刺可能な鋭利な針先を有する穿刺針が保持された針ハブをノズル部8に装着し、穿刺針の針穴に薬液Mを通液させる。その後、所望の生体に穿刺針を穿刺した後、押圧部4を押圧してガスケット3を薬液容器2のノズル部8側に摺動移動させることにより、薬液Mの投与を行う。
【0052】
[打栓方法]
次に、予め薬液Mが充填された薬液容器2内にガスケット3を打栓するときの薬液容器2への打栓方法について説明する。図3Aは、ガスケット本体27に打栓治具18を装着したときの平面図であり、図3Bは、図3AのC−C線上に沿う断面図である。また、図4A〜Dは、本実施形態例の打栓方法を示す工程図である。
【0053】
まず、本実施形態例の打栓方法に用いる打栓治具18の要部について説明する。打栓治具18は、先端にガスケット本体27の被係止部25に係止可能な係止部19を有する円筒状の固定部21と、固定部21内に挿通された棒状の軸部20とで構成されている。
【0054】
固定部21の外径は、図2AのB−B線上に沿った開口部17の径W3とほぼ同じか、それよりも少しだけ小さい径とされており、内径は、軸部20が挿通可能な径とされている。係止部19は、固定部21の先端面の対向する二個所に設けられており、それぞれ外周面から半径外方向に突出するように設けられている。対向する2つの係止部19の端部から端部までの径は、図2AのA−A線上に沿った開口部17の径W4とほぼ同じ径とされている。
【0055】
軸部20は、固定部21内を、固定部21の中心軸に沿って摺動可能とされており、固定部21の係止部19が形成された側の先端から、所望の突出位置に軸部20の先端がくるように突き出すことができる構成とされている。すなわち、軸部20は、固定部21に対して図3Bの矢印aで示す方向に移動可能とされている。
【0056】
以上の構成を有する打栓治具18を、ガスケット本体27の鍔部16が形成されていない開口部17に打栓治具18の係止部19が対応するように位置合わせし、その後、ガスケット3の側部12内に挿入する。そして、打栓治具18の係止部19が、ガスケット本体27の鍔部16よりも底部14側に達した時点で、打栓治具18を図3Aの矢印bの方向に回転させる。そうすると、図3Bに示すように、ガスケット本体27内部では、ガスケット本体27の被係止部25に打栓治具18の係止部19が係止された状態で固定され、ガスケット本体27から打栓治具18が外れないようにされる。
【0057】
このようにして、ガスケット本体27に打栓治具18が取り付けられ、薬液容器2内への打栓の準備が完了する。その後、打栓治具18に取り付けられたガスケット本体27を、予め薬液Mが充填された薬液容器2へ打栓する。図4A〜Dを用いて、打栓方法について説明する。図4A〜Dでは図示を省略するが、打栓時において、薬液容器2のノズル部8側には保護部材9が装着されており、薬液Mが充填された薬液容器2のノズル部8の先端は封止されている。
【0058】
まず、ガスケット本体27に打栓治具18を取り付けた後、打栓治具18を駆動することにより軸部20を固定部21の係止部19が形成された先端面から突き出してガスケット本体27の底部14に当接させる。そして、軸部20の先端面を底部14に当接させた状態でさらに軸部20をガスケット本体27の底部14側に突き出す。これにより、ガスケット本体27は、図4Aに示すように、側部12の中心軸に沿って延伸する。ガスケット本体27が延伸した分、ガスケット本体27の側部12の外径の最大径W6が延伸前の最大径W2よりも小さくなる。そして、ガスケット本体27の外径の最大径W6が薬液容器2の内径W5よりも小さくなり、少なくとも、薬液容器2の内周面とガスケット本体27の外周面との間の一部に隙間ができるような径となるまで、軸部20を突き出してガスケット本体27を延伸させる。
【0059】
この状態で図4Aに示すように、薬液容器2内部にガスケット本体27を挿入すると、薬液容器2の内径W5よりもガスケット本体27の外径W6の方が小さいため、ガスケット本体27の外周面と薬液容器2の内周面との間に隙間ができる。このため、ガスケット本体27を薬液容器2内に容易に挿入することができる。
【0060】
そして、薬液容器2内の所望の位置までガスケット3を挿入した後は、図4Bに示すように、軸部20の先端面がガスケット本体27の底部14から離れるように、軸部20を固定部21の係止部19側に戻す。そうすると、側部12の中心軸に沿って延伸していたガスケット本体27が元の形状に戻るため、ガスケット本体27の外径も元に戻る。そして、突出部13a、13bが形成された位置における側部12の外径W2は、薬液容器2の内径よりやや大きく形成されているため、ガスケット本体27はその弾性力により薬液容器2の内周面に密着する。これにより、ガスケット本体27が薬液容器2内の薬液Mを液密に保持できるように装着される。
【0061】
その後、打栓治具18の係止部19がガスケット本体27の鍔部16が形成されていない開口部17にくるように打栓治具18を回転させ、打栓治具18の係止部19とガスケット本体27の被係止部25との係止を解除する。そして、ガスケット本体27から打栓治具18を取り外す。
このようにして、薬液容器2へのガスケット本体27の打栓が完了する。
【0062】
その後、図4Cに示すように、ガスケット本体27内部にガスケット支持部材22を挿入する。そして、ガスケット本体27の被係止部25及び突出部28に、ガスケット支持部材22の凹部29a、29bを係止させる。これにより、ガスケット本体27内部にガスケット支持部材22が固定保持された状態で装着される。
【0063】
図4Dに示すように、ガスケット支持部材22の内周面に設けられた雌ネジ23に、押圧部4の本体部5の先端に設けられた雄ネジ24を螺合することで、ガスケット支持部材22と押圧部4とを固定する。
これにより、図1に示す本実施形態例のプレフィルドシリンジが完成する。
【0064】
本実施形態例では、ガスケット本体27を薬液容器2内に挿入した後、ガスケット支持部材22をガスケット本体27内部に装着する例としたが、ガスケット支持部材22をガスケット本体27内に装着した後に薬液容器2内に挿入する例としてもよい。この場合には、打栓治具18の固定部21をガスケット支持部材22に固定できる構成とし、ガスケット支持部材22は、軸部20の先端がガスケット本体27の底部14に当接可能となるように、ガスケット本体27の底部14が臨む筒体で構成すればよい。
【0065】
本実施形態例のガスケット本体27を用いた打栓方法では、打栓治具18を用いてガスケット本体27を延伸させた状態で薬液容器2に挿入するのでガスケット本体27が薬液容器2内に容易に挿入できる。このため、薬液容器2内に塗布されたシリコンオイルをガスケット3が薬液側にかき寄せる心配がない。これにより、シリコンオイルが過剰に薬液M内に混入することを防ぐことができる。
【0066】
また、図4Aでは、ガスケット本体27の外周面と薬液容器2の内周面が接触しないような図としているが、ガスケット本体27は、少なくとも、その外周面と薬液容器2の内周面の間の一部に空気が通過できる隙間ができる程度に縮径されればよい。ガスケット本体27の外周面と薬液容器2の内周面との間に空気が通過できる隙間が形成された状態でガスケット本体27を挿入することで、本発明の効果を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態例では、打栓治具18自体も薬液容器2の内周面に接触しない構成とすることができる。このため、打栓治具18によって薬液容器2の内周面に塗布されたシリコンオイルが拭き取られてしまうような心配もない。これにより、使用時において、ガスケット3が薬液容器2内を摺動移動する際の円滑性を保持することもできる。
【0068】
さらに、本実施形態例では、ガスケット本体27を内径が3.5mm以上10mm以下の小さいサイズの薬液容器2に挿入する場合でも打栓工程を容易に行うことが可能となる。
そして、本実施形態例のプレフィルドシリンジ1では、ガスケット本体27内部にガスケット支持部材22を装着することで、ガスケット本体27の側部の肉厚が薄肉化した場合にも、ガスケット本体27の限界耐性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態例では、ガスケット本体27の開口部17側に形成された被係止部25と、底部14側に形成された突出部28に、ガスケット支持部材22の凹部29a、29bが係止される。これにより、ガスケット支持部材22の上下端がガスケット本体27に固定されるので、使用時に押圧部4を操作してガスケット3を薬液容器2内で摺動移動する際、ガスケット本体27が軸方向に延伸することがない。すなわち、打栓治具18を用いて延伸させることができるガスケット3とした場合にも、ガスケット本体27とガスケット支持部材22とを上下端で固定することにより、使用時に延伸することを防ぐことができる。これにより、安定した薬液の投与を行うことができる。
【0070】
また、従来の真空打栓方法では、薬液とガスケットとの間にできる残空量を0とすることは困難であるという問題があった。しかしながら、本実施形態例では、ガスケット本体27の外周面と薬液容器2の内周面の一部に隙間がある状態でガスケット本体27を薬液容器2内に挿入するので、ガスケット本体27の装着位置の調節を精度良く行うことができる。このため、薬液Mとガスケット3との間の残空部10の残空量を無くす(ほぼ0にする)ことができ、他のプレフィルドシリンジとのバラツキも抑えることができる。
【0071】
また、本実施形態例では、ガスケット本体27の側部12の内周面に溝部15が形成されることで、側部12に肉薄部が形成される。このため、ガスケット本体27の側部12の弾性力が弱まるので、小さい力でガスケット本体27を延伸することができ、安定した打栓工程を行うことができる。
【0072】
図1では、溝部15は、側部12の突出部13aが形成された部分に対応する内周面に形成される例としたが、溝部15によって形成される肉薄部の位置は、本実施形態例に限定されるものではない。例えば、突出部13a、13bが形成された部分に対応する内周面の2箇所に設ける例としてもよく、突出部13a、13bの間の領域に対応する内周面に設ける例としてもよい。
【0073】
また、上述の本実施形態例では、ガスケット本体27と打栓治具18との係止は、ガスケット本体27の内部にアンダーカットで形成された被係止部25と、打栓治具18の固定部21の外周面に突出して形成された係止部19によってなされていたが、これに限定されるものではない。ガスケット本体27と打栓治具18との係止は、ガスケット本体27に雌ネジを形成し、打栓治具18の固定部21の外周面に、その雌ネジに螺合する雄ネジを形成し、両者を螺合することによって行ってもよい。すなわち、ガスケット本体27と打栓治具18の固定部21とが固定される構成であればよい。
【0074】
また、図1では、ガスケット本体27の内周面とガスケット支持部材22の外周面との間には隙間が形成されているが、両者が密着するように、ガスケット本体27の内部にガスケット支持部材22を挿入する構成としてもよい。ガスケット支持部材22をガスケット本体27の内周面に密着させるように装着することで、ガスケット支持部材22がガスケット本体27の側部12を補強するとともに、側部12を外側に押し出す。これにより、ガスケット3の薬液容器2の内周面への密着強度が高まる。
【0075】
また、ガスケット支持部材22の底部に空気抜き用の穴が形成されてあってもよい。空気抜き用の穴をガスケット支持部材22の底部に形成することで、ガスケット支持部材22をガスケット本体27内に挿入する際にガスケット本体27内部の空気が抜けるため、ガスケット支持部材22の装着が容易になる。
【0076】
また、本実施形態例では、ガスケット本体27内にガスケット支持部材22をその上下端で係止させることにより固定する構成としている。しかしながら、ガスケット本体27の弾性力、及び打栓治具18を用いたガスケット本体27の延伸時のガスケット本体27にかかる力を適宜選択することにより、打栓時においては軸方向に延伸可能であり、使用時には延伸しないガスケット3とすることが可能である。この場合は、ガスケット支持部材22をガスケット本体27に必ずしも係止する必要はなく、両者を嵌合接続するのみの構成としてもよい。
【0077】
また、本実施形態例では、ガスケット支持部材22をガスケット本体27内部に装着する構成としたが、ガスケット支持部材22を装着せず、直接、ガスケット本体27に押圧部4の本体部5を嵌合する例としてもよい。すなわち、ガスケット本体27と本体部5とが固定できれば、ガスケット支持部材22を使用しなくてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1・・・プレフィルドシリンジ、2・・・薬液容器、3・・・ガスケット、4・・・押圧部、5・・・本体部、6・・・フランジ、7・・・空間、8・・・ノズル部、9・・・保護部材、10・・・残空部、11・・・底部、12・・・側部、13a、13b・・・突出部、14・・・底部、15・・・溝部、16・・・鍔部、17・・・開口部、18・・・打栓治具、19・・・係止部、20・・・軸部、21・・・固定部、22・・ガスケット支持部材、23・・・雌ネジ、24・・・雄ネジ、25・・・被係止部、26・・・プレフィルドシリンジ、27・・・ガスケット本体、28・・・突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径が3.5mm以上10mm以下とされた筒体の内部に摺動可能に設けられるガスケットであって、軸方向に延伸することにより、外径が径方向に縮径可能とされたガスケット本体を備えるガスケット。
【請求項2】
さらに、前記ガスケット本体内部に装着されるガスケット支持部材を備える
請求項1に記載のガスケット。
【請求項3】
前記ガスケット本体の延伸時において、前記筒体の内周面と前記ガスケット本体の外周面との間の少なくとも一部に隙間が形成されるように前記ガスケット本体は縮径可能とされている
請求項1又は2に記載のガスケット。
【請求項4】
前記ガスケット本体は、その側部の一部に肉薄部を有し、前記肉薄部の厚さは、0.4mm以上2.0mm以下である
請求項1〜3のいずれかに記載のガスケット。
【請求項5】
内径が3.5mm以上10mm以下とされ、内部に薬液が収納される薬液容器と、
前記薬液容器の内部を密封し、前記薬液容器内に摺動可能に設けられるガスケットであって、軸方向に延伸することにより、その外径が径方向に縮径可能とされたガスケット本体を備えるガスケットと、
前記ガスケットを前記薬液容器内で摺動移動させるための押圧部と、
を備えるプレフィルドシリンジ。
【請求項6】
前記ガスケット本体の延伸時において、前記筒体の内周面と前記ガスケット本体の外周面との間の少なくとも一部に隙間が形成されるように前記ガスケット本体は縮径可能とされている
請求項5に記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項7】
前記ガスケットは、前記ガスケット本体内部に装着されるガスケット支持部材を備える
請求項5又は6に記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項8】
前記ガスケット本体は、その側部の一部に肉薄部を有し、前記肉薄部の厚さは、0.4mm以上2.0mm以下である
請求項5〜7のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項9】
係止部と、前記係止部の一端から所望の突出位置まで突き出し可能な軸部とを有する打栓治具の前記係止部を、内径が3.5mm以上10mm以下とされた筒状の薬液容器の内部に摺動可能に設けられるガスケット本体であって、軸方向に延伸することにより、外径が径方向に縮径可能とされたガスケット本体の被係止部に係止する工程と、
前記係止部を前記被係止部に係止した状態で、前記軸部を前記係止部の一端から突き出すことにより、前記ガスケット本体を軸方向に沿って延伸させる工程と、
延伸されたガスケット本体を、内部に薬液が充填された前記薬液容器の内部の所望の位置に挿入する工程と、
前記軸部を前記係止部側に戻し、前記係止部と前記被係止部との係止を解除し、前記ガスケット本体から前記打栓治具を取り外す工程と、
を有する打栓方法。
【請求項10】
前記ガスケット本体の延伸時において、前記薬液容器の内周面と前記ガスケット本体の外周面との間の少なくとも一部に隙間が形成されるように前記ガスケット本体を縮径する
請求項9記載の打栓方法。
【請求項11】
前記ガスケット本体は、その側部の一部に肉薄部を有し、前記肉薄部の厚さは、0.4mm以上2.0mm以下である
請求項9又は10に記載の打栓方法。
【請求項12】
前記ガスケット本体から前記打栓治具を取り外す工程の後、前記ガスケット本体内部にガスケット支持部材を装着する工程を有する
請求項9〜11のいずれかに記載の打栓方法。
【請求項13】
内部に薬液を収納できる筒状に形成され、内径が3.5mm以上10mm以下の薬液容器と、
前記薬液容器の内部を密封し、前記薬液容器内を摺動可能とされたガスケットであって、軸方向に延伸することにより、外径が径方向に縮径可能とされたガスケット本体を備えるガスケットと、
前記ガスケットを前記薬液容器内で摺動移動させるための押圧部と、を備え、
前記ガスケットは、
係止部と、前記係止部の一端から所望の突出位置まで突き出し可能な軸部とを有する打栓治具の前記係止部を、前記ガスケット本体の被係止部に係止する工程と、
前記係止部を前記被係止部に係止した状態で、前記軸部を前記係止部の一端から突き出すことにより、前記ガスケット本体を延伸させる工程と、
延伸されたガスケット本体を、内部に薬液が充填された前記薬液容器の内部の所望の位置に挿入する工程と、
前記軸部を前記係止部側に戻し、前記係止部と前記被係止部との係止を解除し、前記ガスケット本体から前記打栓治具を取り外す工程と、により前記薬液容器内部に打栓された
プレフィルドシリンジ。
【請求項14】
前記打栓治具を取り外した後、前記ガスケット本体内部にガスケット支持部材が装着された
請求項13に記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項15】
前記ガスケット本体の延伸時において、前記筒体の内周面と前記ガスケット本体の外周面との間の少なくとも一部に隙間が形成されるように前記ガスケット本体は縮径可能とされている
請求項13又は14記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項16】
前記ガスケット本体は、その側部の一部に肉薄部を有し、前記肉薄部の厚さは、0.4mm以上2.0mm以下である
請求項13〜15のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−29918(P2012−29918A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172724(P2010−172724)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】