説明

ガスタービンの冷却の加速

【課題】ガスタービンの運転後にガスタービンを速く冷却する方法及びその方法を実施するためのガスタービンを提供する。
【解決手段】ガスタービンの運転後、運転の結果熱せられたガスタービンを冷却するために、ローターを低い冷却速度nで動作させる。それによって、点検又は保守作業を早く開始し、それによってガスタービンの停止期間を低減することができる。本発明の核心は、ガスタービンの運転後、一定の低い冷却速度nで冷却を実施するのではなく、少なくとも一つの臨界温度Tkと時間tの中の一つ以上の関数として、冷却速度nを制御する方法である。この場合、冷却速度nは、臨界温度Tkに応じて、発生する熱負荷と周期的な負荷の中の一つ以上が速い冷却の実現を許容する程度の速さに保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの運転方法とその方法を実施するためのガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの運転中は、負荷運転段階と停止又は保守段階が交互に出現する。特に、多くの場合、ガスタービンがアクセス可能となる前に、ガスタービンが冷却するのを待たなければならないことによって、保守段階が妨げられたり、遅れたりする。
【0003】
ガスタービンの運転後、運転の結果熱せられたガスタービンをより速く冷却するために、ローターを低速で動作させることが知られている。ローターとその上に配置されたローターブレードを回転させた結果、冷たい周囲の空気が、コンプレッサーの流路、燃焼室及びタービンを経由して押し出される。そのような冷たい周囲の空気は、通過して行く過程の間に、ガスタービンに蓄積された熱、特に、筐体及びローターに蓄積された熱を吸収して、それを運び出して行く。その結果、ガスタービンは、より速く冷却されて、より早く点検又は保守作業を開始することが可能となる。ガスタービンの停止期間を低減して、その稼働率を向上させることが一般的な課題となっている。
【0004】
ガスタービンの停止毎に、周期的な熱負荷が、熱い部分と運転中に熱せられる全ての構造部分に加わる。より速い冷却の結果、温度勾配とそれに対応する熱応力がガスタービン内に発生する。更に、速く冷却すると、熱せられる部品の周期的な負荷を増大させて、ガスタービンの耐用年数を短くする。ガスタービンを冷却する場合、検査又は保守のためにガスタービンにアクセスできるように、速く冷却せよとの要求と、ガスタービンの耐用年数を延長せよとの要求の間に矛盾が有る。
【0005】
今日の手順では、部品の負荷を出来る限り小さくした冷却を許容する速度で冷却が行われている。
【0006】
冷却を加速するために、特許文献1では、冷却段階の間にコンプレッサーの上流に流入する空気流に液体を少なくとも周期的に投入して、その冷却用の液体が、コンプレッサーの流路、燃焼器及びガスタービンのタービンを通って流れるようにすることが提案されている。その場合、液体の投入のために、「湿り圧縮」又は「高噴霧」のために周知の噴射器が使用されている。その方法では、明らかに、冷却を速めることを目的としており、熱負荷が高くなることを容認している。
【0007】
この周知のガスタービンの冷却方法は、冷却期間を長くするか、或いは部品の熱負荷を高くして、耐用年数を損ねてしまい、それと関連して、それに応じて保守間隔を短くしている。それらは、いずれも発電のための発電所の稼働率を低下させて、コスト率を高めてしまうこととなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許公開第2006/021520号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第1454044号明細書
【特許文献3】欧州特許公開第0620362号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、耐用年数への悪影響を制御しつつ、ガスタービンの冷却を速めることを可能とするガスタービンの冷却方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本課題は、本発明の独立請求項に記載された特徴によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明の核心は、ガスタービンの運転後に、少なくとも一つの臨界温度と時間の中の一つ以上の関数として冷却速度を制御する方法である。この場合、冷却速度は、速い冷却を実現するための少なくとも一つの臨界温度に応じて、発生する熱負荷と周期的な負荷の中の一つ以上が許容される程度の速さに保持される。
【0012】
従来の「強制冷却」とも称されるガスタービンを速く冷却する方法では、一定の冷却速度で冷却が行われていた。その場合、冷却期間の開始時に、最大の熱負荷に到達する。金属の温度は、冷却プロセスの開始時に最も高い。冷却用空気の温度、即ち、冷却のためにガスタービン内に通される空気の温度は、周囲環境から導入される空気の流入温度に近い。この温度は、第一の近似では、冷却プロセスの間一定である。冷却用空気の流量、即ち、一定の冷却速度でガスタービンに流入する流量は、実際にも冷却プロセスの間一定である。消失熱は、金属の温度と冷却用空気の温度の間の温度差に比例する。それは、冷却プロセスの開始時に最も大きく、そのため材料内の最も大きな温度勾配と最も速い冷却を発生させる。時間の経過と共に、金属の温度とその結果生じる温度勾配が低下する。そのため、熱負荷も小さくなる。従って、負荷が低下するや否や、従来通り、許容されるよりも遅い速度でしか冷却が行われない。
【0013】
冷却を加速するための一つの手法は、冷却用空気の流量を増大することである。それは、冷却速度を上昇することによって実現することができる。その場合の目的は、熱負荷の限度を上回ることではなく、冷却プロセスの間、その限度内で出来る限り長く動作させて、速い冷却を実現することである。その場合、冷却プロセスの間、様々な部品を考慮に入れなければならない。そのような制限を加える最も臨界と関連する部品は、冷却プロセスの間に変わる可能性が有る。例えば、速く冷える燃焼器板などの薄い部品が、最初に制限を加える部品となる。ローターや厚い筐体部分などの別の部品は、それよりも著しく遅く冷えるため、その後最初の部品が漸く非臨界温度にまで冷えた場合に制限を加える部品となる。
【0014】
一つの実施形態では、冷却速度は、一つ以上の臨界と関連する部品の温度又は臨界温度勾配の関数として制御される。その速度は、典型的には、臨界温度に反比例する。別の実施形態では、より単純に、冷却速度が段階的に上昇される。例えば、次に低い臨界温度以下に低下する毎に、冷却速度の上昇を段階的に実施することができる。
【0015】
冷却中の温度プロフィルは基本的に既知なので、別の実施形態では、冷却速度は、時間の関数として上昇される。従って、冷却速度は、時間に応じて段階的に上昇させることもできる。
【0016】
臨界と関連する限界パラメータとして、時間自体の経過に応じた冷却とするか、或いは冷却の結果部品内に生じる温度勾配に応じた冷却とするかを選択することができる。
【0017】
実施形態に応じて、例えば、部品の表面と部品の内部の間の臨界温度勾配は、直接測定するか、或いは表面温度のプロフィルから近似することができる。その場合、表面上で測定した温度の変化は、熱放散に比例する。更に、材料内の温度勾配も、熱放散に比例する。
【0018】
別の実施形態では、臨界温度に応じて冷却速度を決定するための少なくとも二つの関数が与えられ、それらは、冷却結果として異なる耐用年数の損失を生じさせる。そのため、オペレーターは、所定の限界パラメータ内において、ガスタービンへの速いアクセスを可能とするために、速い冷却に対して如何なる耐用年数の損失を適用するかを決定することができる。選択した速度又は速度プロフィルが速い程、耐用年数の損失は大きくなる。更に別の実施形態では、オペレーターは、許容される耐用年数の損失を規定して、ガスタービンの制御コンピュータが、それに対応する速度曲線に沿って動作する。
【0019】
本方法に加えて、本方法を実施するためのガスタービンは、本発明の対象である。本方法を実施するためのガスタービンは、冷却に関して低い方の速度範囲内に制御した形でガスタービンを回転させることが可能な駆動部を有することを特徴とする。典型的には、公称速度の30%までの速度範囲が低い方の速度範囲と称される。公称速度の20%まで、或いは僅かに約5%又は10%までの速度範囲が、速い冷却に適している。この場合、ガスタービンが発電のために発電機を経由して電力網と接続されて動作する場合の速度が、公称速度と称される。
【0020】
ガスタービンの駆動部は、典型的には、所謂「スタティック型周波数変換器」を用いて、モーターとして動作する発電機によって実現される。
【0021】
一つの実施形態では、ガスタービンのコントローラは、公称速度の時間に関する曲線に従って、速い冷却を行う。
【0022】
別の実施形態では、ガスタービンは、少なくとも一つの臨界と関連する部品内に少なくとも一つの温度測定器を有する。別の実施形態では、ガスタービンは、少なくとも一つの臨界と関連する部品内の温度勾配を測定するための少なくとも一対の温度測定点を有する。それは、例えば、一方がその部品の表面上に位置し、他方がその表面から所定の間隔だけ下に位置する一対の温度測定点とすることができる。
【0023】
本発明の別の利点及び発展形態は、従属請求項に記載されており、本明細書及び添付図面から得られる。例示した全ての利点は、ここで開示した各組合せに適用されるだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、それ以外の組合せに適用することも、或いは単独で適用することも可能である。
【0024】
例えば、一つの実施形態は、例えば、特許文献2から周知の通り、出力増大用の「湿り圧縮システム」を備えたガスタービンを特徴とする。そのシステムは、冷却プロセスを最低速度後に更に加速するために作動される。一つの実施形態では、噴射される水の量は、ガスタービンに導入される空気の流量に比例して増大される。単純化するために、更に、導入される空気の流量が速度に比例すると仮定することもできる。そのため、噴射される水の量は、速度に比例して増大させることができる。水の噴射を開始するための最低速度は、典型的には、ガスタービンのコンプレッサー洗浄速度のオーダー内である。
【0025】
別の実施形態は、例えば、特許文献3から周知の逐次燃焼式ガスタービンに本方法を適用すること、並びに本方法を実施するための逐次燃焼式ガスタービンである。
【0026】
噴射量の制御が噴射ノズルグループの作動によって実行される場合、噴射量の比例した増大は、階段状に近似される。
【0027】
本発明は、図1〜3の実施例に基づき模式図に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】臨界温度Tk を計測するための温度測定器を備えたガスタービンの図
【図2】速度と冷却の結果生じる臨界温度Tk の時間に関するプロフィル例の図
【図3】臨界温度Tk で一定の勾配を実現するための速度プロフィル例の図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明による方法を実施するためのガスタービン1を模式的に図示している。ガスタービン1は、周知の通り、基本的に、少なくとも一つのコンプレッサー2、少なくとも一つの燃焼器3及び少なくとも一つのタービン4を有する。発電機は、典型的には、ガスタービン1の冷えた端部、即ち、コンプレッサー2の所に有るローター8と接続されている。
【0030】
通常運転の間、燃焼器3内において、燃料が、コンプレッサー2で圧縮されたガスと混合されて燃焼される。熱いガスは、それに続くタービン4内で膨張して、出力を発生させる。このプロセスにおいて、熱いガスと直接的又は間接的に接触する全ての部品が熱せられる。それらは、特に、しばしばシャフトと称されるローター8、所謂ローターカバー5、燃焼器3、タービン4及びガスタービンの筐体部分、即ち、タービンの筐体17、燃焼器の筐体15及びコンプレッサーの筐体14である。
【0031】
ガスタービンの中央部分、即ち、コンプレッサーの端部とタービンの入口の間の領域は、静止したガスタービンの典型的な実施形態を代表する部分である。タービンの回転部分のためのタービン冷却用空気は、コンプレッサーの端部で排出されて、ローターカバー5とドラム6と称されるローターの中央部分の間の環状通路7内において、燃焼器3を経由してタービン4の方に誘導される。その空気は、タービン4の回転部分に入る前に、渦流用バッフル13を経由して渦を加えられる。
【0032】
ドラム6の領域、それと隣接するローターディスク及びローターカバー5は、大きな熱負荷を受ける。この場合、環状通路7を通って流れる空気の温度上昇は、機械の中央区画内の臨界と関連する部品の熱放散の測度として使用することができる。その空気の温度上昇は、放散される熱量に比例する。更に、その温度上昇は、環状の空間を通って流れる空気の量に逆比例し、そのためガスタービンの速度に逆比例する。その温度上昇は、例えば、環状の空間7の入口領域内への冷却用空気の流入温度9の測定値と環状の空間7から排出された時の冷却用空気の流出温度10の測定値の差として決定することができる。
【0033】
一つの実施形態では、許容可能な冷却速度nは、そのような冷却用空気の温度差の関数として決定される。別の実施形態では、より正確な制御のために、許容可能な冷却速度nは、冷却用空気の温度差と実際の冷却速度の関数として決定される。
【0034】
一つの実施形態では、許容可能な冷却速度nは、ローターカバー5の臨界温度Tk の関数として決定される。そのために、図示されている例では、ローターカバーの臨界温度の測定器11が、当該のローターカバー5に配備されている。
【0035】
別の実施形態では、許容可能な冷却速度nは、ローター8の臨界温度Tk の関数として決定される。そのために、図示されている例では、ローターの臨界温度の測定器12が、当該のローター8に配備されている。
【0036】
有利には、部品に応じて、臨界温度Tk ではなく、部品の材料内の臨界温度差又は部品の表面と部品内部の測定点の間の臨界温度差を計測することができ、その温度差に応じて、許容可能な冷却速度nを決定することができる。
【0037】
例示的に参照した臨界温度Tk 又は温度差は、個々に、或いは組み合わせて使用することができる。更に、燃焼器ライナーの温度、筐体の温度、ライナー壁又は筐体壁内の温度差などの別の臨界温度Tk 又は温度差を使用することもできる。所謂燃焼器ライナー16は、燃焼器3の側面を画定して、流れを下流のタービンに向ける部品である。
【0038】
複数の臨界温度又は温度差を組み合わせるために、それと関連する許容可能な冷却速度は、典型的には、考慮すべき各臨界温度Tk 又は温度差に対して決定される。ガスタービンを冷却するための全体として制限を加える許容可能な冷却速度nは、全ての許容可能な冷却速度の中の最小値と等しい。
【0039】
許容可能な冷却速度を決定するための関数又は依存関係は、例えば、ガスタービンの制御コンピュータ内に保存された近似関数又はテーブルで表すことができる。
【0040】
図2は、時間tに関する正規化した臨界温度Tk のプロフィルを模式的に図示している。図示した例では、ガスタービンは、時間t1 後に、冷却のための一定の正規化した第一の冷却速度n1 で回転される。より速く冷却するために、正規化した冷却速度nは、時間t2 後に、正規化した第二の冷却速度n2 にまで上昇されている。それと関連する正規化した温度プロフィルTk が、実線で図示されている。比較のために、時点t2 後でも正規化した冷却速度nを正規化した第一の冷却速度n1 で一定に保持した場合に得られる正規化した温度プロフィルTk ' が破線で図示されている。図2では、ここで提案している方法の結果、如何に臨界温度Tk が著しくより速く低下して、より早く停止することが可能になるかが明らかに分かる。
【0041】
冷却速度を第二の冷却速度n2 にまで上昇させた後、臨界温度Tk が大きな勾配で低下している。部品は、既に比較的冷たくなっているので、耐用年数を更に損なうことなく、時間t1 で達成された勾配よりも著しく急勾配である、そのような大きな勾配に耐えることができる。
【0042】
図示されている例では、臨界温度Tk は、冷却期間の開始時に到達する最大臨界温度で正規化されている。冷却速度は、第二段階で到達する最大冷却速度n2 で正規化されている。
【0043】
正規化した冷却速度を2段階で単純に上昇させるのに加えて、多数の小さいステップ又は一定の勾配で上昇させることも考えられる。その場合、各温度限界又は各時間限界に到達した後、それぞれ、より速い冷却速度(ni )に冷却速度を段階的に上昇させてから、それぞれ次の限界に到達するまで、その上昇させた冷却速度(ni )で冷却が実行される。
【0044】
図3は、時間tに関する正規化した臨界温度Tk のプロフィルの別の例を図示している。そこに図示されている例では、正規化した冷却速度nは、時間tに関して初期値n1 から開始して、正規化した臨界温度Tk を低下させる勾配が一定となるように上昇している。
【0045】
図示されている例では、臨界温度Tk は、冷却期間の開始時に到達する最大臨界温度で正規化されている。冷却速度は、冷却期間の終了時に到達する最大冷却速度n2 で正規化されている。
【0046】
図示されていない別の実施形態では、冷却速度nは、冷却速度の最大値に到達するまでの時間に比例して上昇される。最大値に到達した後、ガスタービンが十分に冷却されて停止することができるまで、ガスタービンは冷却速度の最大値で更に冷却される。
【符号の説明】
【0047】
1 ガスタービン
2 コンプレッサー
3 燃焼器
4 タービン
5 ローターカバー
6 ロータードラム
7 環状通路
8 ローター
9 冷却用空気の流入温度の測定器
10 冷却用空気の流出温度の測定器
11 ローターカバーの臨界温度の温度測定器
12 ローターの臨界温度の温度測定器
13 渦流用バッフル
14 コンプレッサーの筐体
15 燃焼器の筐体
16 燃焼器ライナー
17 タービンの筐体
k 臨界温度
n 許容可能な冷却速度
1 第一の冷却速度
2 第二の冷却速度
t 時間
1 第一の冷却速度n1 での冷却開始時点
2 第二の冷却速度n2 での冷却開始時点
k 正規化した臨界温度
n 正規化した冷却速度
1 正規化した第一の冷却速度
2 正規化した第二の冷却速度
i 正規化したi番目の冷却速度
t 正規化した時間
1 第一の冷却速度n1 での冷却開始時点(正規化した時点)
2 第二の冷却速度n2 での冷却開始時点(正規化した時点)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン(1)の運転後に実施される、ガスタービン(1)のローター(8)を冷却速度(n)で動作させて、ガスタービン(1)を冷却させる、ガスタービン(1)の冷却方法において、
少なくとも一つの臨界温度(Tk )と時間(t)の中の一つ以上の関数として、冷却速度(n)を制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
当該の少なくとも一つの臨界温度(Tk )が、ガスタービン(1)の冷却用空気の温度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一対の臨界温度(Tk )から、その温度差を求めて、その少なくとも一つの温度差と時間(t)の中の一つ以上の関数として、冷却速度(n)を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該の少なくとも一つの臨界温度(Tk )が、ローターカバー(5)の温度であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
当該の少なくとも一つの臨界温度(Tk )が、筐体区画(14,15,17)又はローター(8)の温度であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
当該の冷却速度(n)が、時間(t)に比例して制御されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
当該の冷却速度(n)が、その最大値に到達するまで、時間(t)に比例して上昇されて、その冷却速度(n)の最大値で更に冷却が実施されることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
当該の冷却速度(n)が、先ずは第一の冷却速度(n1 )で一定に保持され、臨界温度又は時間限界に到達した後、冷却速度(n)が、第二の冷却速度(n2 )にまで上昇されて、その第二の冷却速度(n2 )で一定に保持されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
当該の冷却速度(n)が、先ずは第一の冷却速度(n1 )で一定に保持され、各温度限界又は各時間限界に到達した後、より高い冷却速度(ni )にまで段階的に上昇されて、それぞれ次の各温度限界又は各時間限界に到達するまで、そのより高い冷却速度(ni )で冷却が実施され、それが、最大冷却速度に到達するまで行われることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
少なくとも二つの許容可能な冷却速度(n)が、少なくとも二つの臨界温度又はそれらの温度差の関数として決定され、ガスタービンが、これらの許容可能な冷却速度(n)の中の最も低い速度で冷却されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法で運転するためのガスタービン。
【請求項12】
ガスタービン(1)の冷却に関する臨界温度(Tk )を計測するための少なくとも一つの温度測定器(9,10,11,12)が、ガスタービンが停止された時に高い熱負荷を受ける部品又はガスタービンの空気の流路に配備されていることを特徴とする請求項11に記載のガスタービン(1)。
【請求項13】
ガスタービン(1)の冷却に関する臨界温度(Tk )を計測するための少なくとも一つの温度測定器(11)が、ローターカバー(6)に配備されていることを特徴とする請求項11又は12に記載のガスタービン(1)。
【請求項14】
ガスタービン(1)の冷却に関する臨界温度(Tk )を計測するための少なくとも一つの温度測定器(12)が、ローター(8)に配備されていることを特徴とする請求項11から13までのいずれか一つに記載のガスタービン(1)。
【請求項15】
ガスタービン(1)の冷却に関する臨界温度(Tk )を計測するための少なくとも一つの温度測定器(9,10)が、冷却用空気の流路に配備されていることを特徴とする請求項11から14までのいずれか一つに記載のガスタービン(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−208634(P2011−208634A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−43544(P2011−43544)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】