説明

ガスバーナのためのガス弁システムを制御する方法及びかかるガス弁システムを有するガス調理機器

【課題】ガス弁システムにおいて、ガス制御弁の制御エラー状態を検出し、遮断弁でガス供給を閉鎖する。
【解決手段】ガス弁システムは制御装置、制御弁、及び遮断弁を有し、制御弁は制御要素とステッピングモータを有するステッピングモータ弁である。制御弁のエラー状態は、もしステッピングモータが制御弁の通常制御範囲内でブロックするなら又はもし実際の位置値エラーがあるなら、起こる。かかる実際の位置値エラーは、もし制御要素が参照位置(Posreference)にあるなら存在し、この参照位置に到達すると、ステッピングモータは、予め規定された許容値より多く位置参照値(Wreference)から逸脱する実際の位置値(Wactual)でブロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバーナのためのガス弁システムを制御する方法、及びかかるガス弁システムを有するガス調理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス弁システムは、ガス調理機器のガスバーナへのガス流量又はバーナ出力の正確で微細な段階的な設定のために使用される。ガスバーナはそれぞれ、制御弁及び少なくとも一つの遮断弁を有するガス弁システムを割り当てられ、制御弁はガス流量を設定するための制御要素を有する。制御要素が制御装置によって活性化されるステッピングモータによって駆動されるそれらの制御弁は特に好適である。バーナ出力を設定するためにこれらの制御弁を用いると、ガス流量はかなりの範囲で高い精度で設定されることができる。
【0003】
ガス調理機器のための安全条件に合致するために、自動遮断弁が使用され、それらは各場合において制御弁及びガスバーナと直列に接続され、欠陥の場合に確実に閉鎖する。欠陥があるか又は閉鎖しない遮断弁の場合であっても安全性を確保するために、そしてこの場合にガス流れを完全に遮断することを可能にするために、二つの遮断弁がそれぞれ直列に接続されるが、制御弁が安全性の点から考慮されていない。しかしながら、これはコストのかかることであり、対応する設置空間を必要とする。さらに、調理操作の終わりに、炎検出装置の助けで二つの遮断弁の一つが適切に閉鎖されたかどうかをチェックすることができるだけである。他の遮断弁の対応する機能不全は検出されないままである。
【0004】
JP2003/254534から、制御弁を通るガス流量を測定するセンサーを使用することが知られている。センサーの助けで、実際に設定されたガス流量を測定することができ、ガス流量の信頼性のある遮断をチェックすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の問題を克服することができる、ガスバーナのためのガス弁システムを制御するための方法、及びガス弁システムを有するガス調理機器を提供する課題に結果的に対処するものであり、本発明は特に、安全条件を満足し、ガスバーナへのガス供給が完全に遮断されたかどうかに関して確実に決定できる低コストの調理機器を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法及び請求項13の特徴を有するガス調理機器によって解決される。本発明の有利でかつ好ましい形態はさらなる請求項の対象であり、以下においてより詳細に説明される。請求項の用語は明細書の内容の明白な参照によって作られる。以下の特徴及び特性の幾つかは方法及びガス調理機器の両方に関係する。それらはある場合には一回だけ説明されるが、互いに独立して方法及びガス調理機器の両方に適用することができる。
【0007】
少なくとも一つのガスバーナのためのガス弁システム、特に電子制御ガス弁システムは、制御装置、各ガスバーナに対して制御装置によって活性化されることができる制御弁、及び各ガスバーナに対して制御装置によって活性化されることができる遮断弁を有し、それはまた、各ガスバーナに対してより多くの弁を持つことができる。これらの二つの弁、即ち制御弁及び遮断弁はガス流れの方向に直列で接続され、制御弁は好ましくはガス流れの方向に遮断弁の後に配置され、ガスバーナへのガス供給を遮断するために互いに独立して閉鎖位置をとることができる。この場合において、制御弁は、ステッピングモータによって駆動される制御要素を有するステッピングモータ弁である。制御要素は、ステッピングモータによって直接的に又はギヤ機構によって間接的に駆動されることができる。制御弁は好ましくは制御要素として回転円板を有する回転円板弁、特に間接的に駆動される回転円板弁であり、そこでは回転円板はギヤ機構によってステッピングモータの出力軸に接続される。遮断弁として特に好適なものは電磁弁である。なぜならばそれらは極めて力強く、迅速に閉鎖されることができるからである。
【0008】
制御弁はまた、少なくとも一つの機械的制御要素停止位置によって限定される全体制御範囲を持つ。この全体制御範囲の中にガス流量を設定するための通常制御範囲がある。少なくとも一つの機械的制御要素停止位置は通常制御範囲の外側にある。
【0009】
通常操作モードでは、制御弁のステッピングモータは、制御要素が通常制御範囲内の制御要素位置にもたらされるだけであり、全体制御範囲を限定する機械的制御要素停止位置にもたらされないような方法で制御装置によって活性化される。これは、制御要素が通常操作モードにおいて機械的制御要素停止位置に対して移動することを防止することができ、通常操作モードにおけるブロッキングが端の停止位置まで走行するのに寄与しうることを防止することができる。結果として、ブロッキングが検出されるとき、欠陥があるに違いない。制御要素が通常制御範囲の外側の制御要素位置をとることを避けるために、様々な活性化の可能性が考えられる。一方、通常制御範囲の外側の制御要素位置に相当する位置値の事前選択は制御装置によって無視されることができる。他方、かかる位置の事前選択はまた、エラーとして出力されることができる。さらに、通常制御範囲の外側の位置値の事前選択の場合において通常制御範囲の最も近い限界まで走行することができる。
【0010】
ステッピングモータは、活性化パルスを有する制御装置によって活性化されることができ、活性化パルスによって予め決定された方向に規定された差の値だけ各活性化パルスに反応してそれ自体移動し、従ってこの方向に制御要素も移動させる。規定された差の値は、この関連において制御要素又はステッピングモータが各活性化パルスに対して規定された距離をカバーすることを意味する。その量に関して、カバーされる距離又は規定された差の値は、差の値が増加量として言及されるように、全ての活性化パルスに対して各場合において同じ長さ又は等距離であることが好ましい。
【0011】
ガス弁システムに割り当てられかつ直列に接続されたガスバーナのガス流量又は体積ガス流量、結果としてバーナ出力は、制御弁によって設定されることができる。ガス流量は、この場合において、例えばオペレータによる要求に依存して、制御装置による事前選択に対応するように設定される。これに依存して、制御装置は、ステッピングモータ自体が移動するように、結果として制御要素も移動させるようにステッピングモータを活性化し、かくしてそれはバーナ出力の設定と関連した制御要素位置をとるか、又は制御要素位置は設定されるバーナ出力に対応するように変化される。
【0012】
ガス弁システムの制御装置はまた、コストの高い位置センサーなしで、ステッピングモータの実際の位置値、結果として実際の位置値に割り当てられる制御要素位置を決定するために設計される。制御要素は、ステッピングモータの位置変化が制御要素の独自に割り当てられた位置変化に導くような方法でステッピングモータに強制的に結合される。実際の位置値は、ここではステッピングモータがその時点でどの位置にあるかを示し、従って制御要素がその時点でどの位置にあるかもそのときにわかる。
【0013】
実際の位置値は、この場合において差の値の合計及び予め規定された位置参照値に依存して決定される。差の値の合計は、実際の位置値の最後の初期化以来のステッピングモータに制御装置によって放出された活性化パルスの数、及び差の値、即ち各活性化パルスに対してカバーされる増加量から決定される。この場合において、差の値の合計は、全距離を与えるまで加えるときにカバーされる増加量に対応し、加数の数は、放出された活性化パルスの数に対応する。それゆえ、差の値の合計は放出された活性化パルスの数と、差の値又は各活性化パルスに対してカバーされる増加量との積から得られる。
【0014】
結果として、差の値の合計は最後の初期化以来のステッピングモータの位置変化に対応する。他方、位置参照値は、ステッピングモータの最後の初期化の時点での位置、結果として参照位置又は出発位置を規定する。もし参照位置が知られ、結果として関連する位置参照値が知られるなら、実際の位置値であるステッピングモータの現在の位置は、位置変化、即ち差の値の合計と関連して決定されることができる。ステッピングモータの位置への制御要素位置の割り当てのため、制御要素位置もまた、結果として知られる。
【0015】
用語「初期化」は、実際の位置値への位置参照値の割り当て又は位置参照値への実際の位置値の再設定を意味するものとして理解される。初期化又は再設定時に、ステッピングモータ、結果として制御要素は機械的制御要素停止位置の関連参照位置にある。位置参照値は、この場合において、予め規定された初期値、例えばゼロであることが好ましい。用語「初期化」はまた、ガス弁システムを開始した後の実際の位置値の最初の設定だけでなく、操作時に起こりうる、実際の位置値の訂正又は精度の改良も意味するものとして理解される。
【0016】
ガス弁システムを制御するために、特にガス流れを設定したり、確実に遮断又は閉鎖するために本発明による方法を実施するために、最初の工程で制御弁の状態がまず決定される。もし制御弁の状態が制御弁のエラー状態として検出されるなら、遮断弁が閉鎖される。遮断弁の助けで、ガスバーナへのガス供給がロックされ、ガスバーナがスイッチオフされる。
【0017】
制御弁のエラー状態は、一方で、ステッピングモータ又は制御要素のブロッキングが検出され、制御要素が通常制御範囲内の制御要素位置にあるなら、即ちステッピングモータのブロッキングが通常操作モード時に検出されるなら、検出される。この場合において、ブロッキングは、ステッピングモータのトルクがさらにそれを動かすにはもはや十分でない状況、又はそれが予め規定された制限値に到達するか又はそれを超える状況において検出される。ステッピングモータのブロッキングは様々な要因によってもたらされうる。ステッピングモータ自体、制御要素、又はステッピングモータと制御要素の間のトルク伝達又はギヤ機構がブロックされることができる。機械的制御要素停止位置は通常制御範囲の外側に位置され、制御要素停止位置に到達することによって起こされるブロッキングは、もし制御要素が通常制御範囲内にあるなら排除されることができる。結果として、制御弁の状態に関する信頼性のある主張をなしうることができ、制御弁のエラー状態を確実に検出することができる。
【0018】
他方、制御弁のエラー状態は、実際の位置値エラーがあるとき又はかかるエラーが検出されるときに起こる。これは、制御要素が機械的制御要素停止位置の参照位置にあるときに当てはまり、この参照位置に到達すると、ステッピングモータは、予め規定された位置参照値から予め規定された許容値より多く、例えば二つ又は三つ分の増加量だけ逸脱する実際の位置値でブロックする。この場合において、ステッピングモータの位置参照値は制御要素の参照位置に割り当てられる。それゆえ、実際の位置値エラーは現在の実際の位置値への真の制御要素位置の割り当てにおけるエラーである。
【0019】
これは、換言すれば、制御弁の制御要素が制御弁の機械的端部停止位置にあり、この制御要素位置に対して決定された実際の位置値が端部停止位置に対応する関連位置参照値から許容可能な逸脱値より多く逸脱するときに実際の位置値エラーがあることを意味する。この場合において、いったん制御要素が機械的制御要素停止位置に対して走行するとステッピングモータがブロックするときに適用する実際の位置値は、位置参照値と比較される。
【0020】
ステッピングモータ又は制御要素の位置への実際の位置値の誤った割り当ては、制御要素位置に関する信頼性のある主張がもはや可能でなくなり、結果として実際に適用可能なガス流れに関する主張ももはや可能でなくなることを意味する。この場合において、ガス弁システムは安全上の理由のためにいかなる場合にもスイッチオフにされなければならない。割り当てにおけるかかる誤り(エラー)は、特に不正確に数えられた活性化パルスによって又は差の値又は増加量より多い制御要素とステッピングモータの間のずれによって起こりうる。
【0021】
本発明の改良では、ステッピングモータのブロッキングは、ステッピングモータの現在の消費電力に依存してブロッキング検出装置によって検出されるが、ステッピングモータからの他のフィードバック情報に依存して、好ましくは電気的変数値に依存して検出されることができる。特にフィードバック情報として好適なものはステッピングモータの現在の消費電力、入力電圧、モータトルク、及び回転スピードの勾配である。
【0022】
結果として、本発明による方法を用いると、あらゆる操作状態において制御要素位置を確実に決定することができ、又はコストが高いか又は誤りの多い位置センサー又はマイクロスイッチなしでステッピングモータのブロッキングのため又は実際の位置値エラーのための制御弁の可能なエラー状態を検出することができる。従って、ステッピングモータによって駆動される制御弁の安全性は有意に増大されることができ、正確に言うと、遮断弁に対応する方法で、制御弁は同様に対応する安全性機能を有する。このようにして直列に接続された二つの遮断弁の代わりに一つだけの遮断弁を有するガス弁システムを得ることができる。なぜならば本発明による方法は、除去された遮断弁の安全性機能が制御弁に一体化されることを可能にするからである。
【0023】
本発明の好ましい改良では、ガス弁システムは少なくとも二つの操作状態(即ち通常操作モードである第一操作状態と、初期化及びチェック操作モードである第二操作状態)で操作されることができる。通常操作モードは、ガス流量、従ってバーナ出力を設定するために意図される。初期化及びチェック操作モードは、ガス弁システムを初期化又はチェックするために意図され、そのとき実際の位置値の初期化が実施されることができるか及び/又は実際の位置値エラーがあるかどうかがチェックされることができる。
【0024】
ガス弁システムは通常制御範囲の外側にのみ機械的制御要素停止位置を持つので、もし通常操作モードにおいて制御要素が通常制御範囲内で移動されるだけであるなら有利である。対応して、初期化及びチェック操作モードにおいてのみ実際の位置値の初期化及びチェックを行なうことが有利であり、そこでは制御要素は全体制御範囲を超えて機械的制御要素停止位置まで移動されることができる。このようにして制御弁が制御弁エラーのためにブロックしているかどうか又は制御要素もしくはステッピングモータが機械的制御要素停止位置にあるかどうかを区別することができる。これは制御弁の安全性機能のために特に重要である。
【0025】
本発明の好ましい改良では、実際の位置値の初期化又は割り当ては、まずもし必要ならガス弁システムを初期化及びチェック操作モードに変えることによって実施される。続いて、ステッピングモータは予め規定された参照位置まで走行し、ステッピングモータは、ステッピングモータがブロックし、これが検出されるまで、参照位置の方向にこの目的のために移動される。次いで、ステッピングモータの活性化、結果として特に制御要素停止位置に対する移動はすぐに終了され、ステッピングモータ又はその出力電子部品を保護する。いったん参照位置が機械的制御要素停止位置まで走行すると、即ち制御要素が機械的制御要素停止位置にあると、参照位置に割り当てられた位置参照値はステッピングモータの実際の位置値に割り当てられる。それゆえ、実際の位置値は、初期化によって位置参照値に再設定されることができ、又は初めて設定されることができ、結果として初期化されることができる。次の工程では、予め規定された出発値への差の値の合計の再設定が実施されることができ、特にゼロの出発値に再設定されることができる。次いで初期化及びチェック操作モードを終了することができる。
【0026】
本発明の好ましい改良では、ステッピングモータの実際の位置値エラーがあるかどうかをチェックするために、もし必要なら、システムはまず初期化及びチェック操作モードに変えられる。これは、機械的制御要素停止位置にともかく走行することができるために、そして参照位置をとることができるために要求されることができる。初期化及びチェック操作モードでのみ起こることが好ましい次の工程では、ステッピングモータは、そのブロッキングが検出されるまで参照位置の方向に移動される。次いで活性化は中断及び/又は終了される。次に、ステッピングモータの実際の位置値は、ブロッキングが検出された位置で決定される。この位置は理想的な場合において機械的制御要素停止位置の参照位置に相当し、制御要素はこの停止位置に位置される。次に、予め規定された位置参照値からのステッピングモータの実際の位置値の逸脱値が決定され、実際の位置値の逸脱値が予め規定された許容値より多く又は少なく位置参照値から逸脱しているかどうかがチェックされる。実際の位置値は、そのとき、もし実際の位置値の決定された逸脱値が予め規定された許容値より少なく位置参照値から逸脱するなら訂正されることが好ましい。この目的のため、初期化の場合のように、ステッピングモータが参照位置にある間、実際の位置値は位置参照値を割り当てられる。次に、差の値の合計は予め規定された出発値に再設定される。次いで初期化及びチェック操作モードは終了されることが好ましい。
【0027】
本発明の発展例では、制御弁エラー又は制御弁のエラー状態はまた、もしステッピングモータが参照位置の方向に移動するとき、予め規定された最大数の放出された活性化パルスを超えるか又はステッピングモータのブロッキングが検出されずに予め規定された時間が経過するなら、検出される。このようにして「空転エラー(idling error)」も検出することができる。即ち、ステッピングモータと制御要素の間の機械的結合が不完全であり、ステッピングモータが例えば材料破壊の結果として空転し、それで制御要素が動かないことも検出することができる。
【0028】
本発明の好ましい改良では、ステッピングモータがブロックするとき、ステッピングモータの活性化が中断され、好ましくは終了される。これは、特にステッピングモータのブロッキングが十分に、信頼性高く、素早く検出されることに依存する。即ち、ブロッキングの時に適用可能な実際の位置値の正確な記録と同時に活性化の中断で、構成要素の負荷を抑制し、特に出力電子部品の高い電気消費による熱負荷を抑制する。
【0029】
本発明の発展では、遮断弁の状態はさらに、さらなる方法工程において、遮断弁を閉鎖するための活性化操作の完了後にそれを通るガス流れがまだ検出されるかどうかがチェックされることで決定される。この目的のため、例えばガスバーナの炎検出装置又はガスセンサーによって、閉鎖命令を実施した後にまだガス流れがあるかがチェックされる。もしこれが当てはまるなら、遮断弁の状態は遮断弁のエラー状態として検出され、制御弁は閉鎖される。この目的のため、制御弁は閉鎖制御範囲を持つ。
【0030】
制御弁の閉鎖制御範囲は、通常制御範囲内の範囲から少なくとも一つの機械的制御要素停止位置まで及ぶことが好ましい。もし閉鎖制御範囲の一部分が通常制御範囲内にあり、別の部分が通常制御範囲の限界を超えて制御要素停止位置まで及ぶなら、有利である。このようにして、一方で、通常制御範囲内で制御弁を完全に閉鎖し、バーナへのガス供給を完全に遮断することがなお可能である。他方で、結果として、閉鎖位置がまた、初期化及びチェック操作モード時に確実にされるか又は保持されることができる。閉鎖制御範囲のこの配置又は形態により、制御要素が機械的制御要素停止位置まで走行するときに閉鎖位置をとるか又は閉鎖制御範囲を通過する。好ましくは、閉鎖制御範囲は通常制御範囲内で既に始まっているか又はそれと重複している。
【0031】
ガス弁システム又はガス弁の一つを通ってガスが流れているかどうか、結果としてガス流れが完全に遮断されていないかどうかのチェックは、炎検出装置によって実施されることができる。これは、炎がガスバーナで燃えているかどうかをチェックする。
【0032】
本発明の発展では、さらなる方法工程において、制御弁のエラー状態及び/又は遮断弁のエラー状態から独立してスイッチオフ情報、例えばオペレータによるスイッチオフ要求があるかどうかがチェックされる。もしかかるスイッチオフ情報があるなら、まず遮断弁が閉鎖され、次いで制御弁が閉鎖される。この順序は、調理作業を終えるとき、第一に炎検出装置の助けで遮断弁の閉鎖機能をチェックし、第二に制御弁の閉鎖機能をチェックするか又は制御弁の可能なエラー状態を検出することを可能にする。この目的のため、遮断弁の閉鎖後、ガス弁システムは初期化及びチェック操作モードで操作されるか、又はそれはこのモードに変えられる。この変化は遮断弁の閉鎖直後に行なわれることが好ましい。ガス弁システムは、スイッチオフにされるか又は遮断弁が閉じられた後に毎回初期化及びチェック操作モードで操作されることが好ましい。
【0033】
本発明のさらなる改良では、ガス弁システムは、制御弁の制御操作の予め決められた数(最後の初期化及びチェック操作モード以来のサーボモータの移動の数)を超えるとすぐに初期化及びチェック操作モードに変わる。
【0034】
本発明の改良では、初期化及びチェック操作モードへの各変化の後、実際の位置値エラーがあるかどうかがチェックされる。これは、遮断弁が閉鎖されるごとに、最後の初期化以来の活性化パルスの数に依存して得られる決定された実際の位置値が実際のステッピングモータ位置又は実際の制御要素位置と一致するかどうかがチェックされることを意味する。
【0035】
好ましい改良では、その主電源の中断後、ガス弁システムは初期化及びチェックモードに変わり、好ましくは続いて初期化を実施する。
【0036】
本発明によるガス調理機器も提供され、特に上述の方法を実施するために設計される電子制御ガス調理機器又はガスレンジが提供される。それは、上述のように、ガスバーナのガス供給又はガスバーナへのガス流れ、従ってそのバーナ出力を制御又は設定するための少なくとも一つのガス弁システムを有する少なくとも一つのガスバーナを持つ。
【0037】
本発明の好ましい改良では、ガス調理機器は、少なくとも一つの制御弁のステッピングモータの実際の位置値を決定するための位置決定装置を有する。
【0038】
本発明の改良では、ガス調理機器は、ステッピングモータ及び/又は制御要素のブロッキングを検出するためにブロッキング検出装置を有する。
【0039】
有利な改良では、ガス調理装置は自動点火装置を有し、それはガスバーナの自動点火のための制御装置によって活性化されることができる。
【0040】
さらに有利な改良では、ガス調理機器は炎検出装置を有し、それは、ガスバーナで断火及び/又は炎燃焼を検出するため、並びに断火情報及び/又は炎燃焼情報を制御装置に伝達するために設計されている。これは、特に制御装置が自動ガス燃焼装置として設計されるガス調理機器の場合に有利である。なぜならば断火が検出されるとき、ガスバーナは自動点火装置によって再び点火されることができるからである。ガス調理機器は、この場合、ほとんど完全に自動的に操作されることができる。一つの構成要素又は一つの構造ユニットにおいて全ての安全関連の制御機能を組み合わせること、および自動ガス燃焼装置のための完全な機能を制御装置に与え、点火装置及び炎検出装置を制御装置に結合することが特に有利である。
【0041】
これらの特徴及びさらなる特徴は請求項からだけでなく、明細書及び図面からも現われ、そこでは個々の特徴は本発明の実施形態によって及び他の分野において各場合において単独で又はサブコンビネーションの形の組み合わせとして実現されることができ、保護がここで主張される有利でかつ本質的に保護可能な実施形態を構成することができる。本願の個々の部分及び見出しへの分割は、以下になされる文章の一般的な妥当性を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の実施形態は図面に概略的に示され、以下においてより詳細に説明される。個々の図面に示された実施形態は、ある場合において、表われている本発明の他の実施形態が持たない特徴を持つ。しかしながら、特徴は本発明の範囲から逸脱せずに望むように互いに組み合わせることができる。
【図1】図1は、本発明によるガス調理機器のブロック図を示す。
【図2】図2は、例として与えられる、制御弁の制御範囲にわたるガス流量の変化を示す。
【図3】図3は、図1からのガス調理機器のガス弁システムを制御するために、例として与えられる、本発明による方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1では、本発明によるガス調理機器の概略的なブロック図が、ガスバーナ101を有するガス弁システム100を持つガスレンジとして表わされている。ガス弁システム100は、ガスバーナ101へのガス流れを設定したり安全に遮断するように設計され、ガスレンジに一体化されている。ガスバーナ101を別として、それは遮断弁104及び制御弁103を持ち、それらはガス流れ105の方向にガスバーナ101の上流で直列に接続されている。このようにして、ガスバーナ101へのガス供給は、二つの弁103,104の一つを閉鎖することによって遮断されることができる。
【0044】
制御弁103は、制御要素106、及び前記制御要素を駆動するためのステッピングモータ107を有する。制御弁103は、例えばDE 10 2009 047 914 A1から知られている回転円板弁であることができ、そこでは制御弁の制御要素は、ステッピングモータによって駆動される回転円板である。制御弁103によって、ガスバーナ101へのガス流れは設定されるか又は対応して制御されることができる。この目的のため、ステッピングモータ107は制御装置102によって活性化され、それは、オペレータ制御装置117によって使用者によって設定又は予め決定された関連するガスバーナ101のバーナ出力が得られるように、制御要素106を位置する。遮断弁104は、制御装置102によって活性化される自動又は自動閉鎖電磁弁であることが有利である。
【0045】
また、関連するガスバーナ101で炎の燃焼又は断火を検出するために設計される炎検出装置115も与えられている。それは同様に制御装置102に接続され、それはまた、その信号を評価することができる。さらに、ガスバーナ101は自動点火装置116を割り当てられ、それは同様に制御装置102によって活性化されることができ、それによって断火の場合に制御装置102によって自動再点火が開始されることができる。さらに、この方法では本発明によるガス調理機器を自動ガス燃焼装置として設計することも可能である。さらに、点火装置116は、オペレータ制御装置117を経由してオペレータによって入力され、制御装置102を介して点火装置116に渡された、ガスバーナ101をスイッチオンするというオペレータの要求に依存して自動的にガスバーナ101を点火することができる。しかしながら、これは、ガス流れが開放されていることを前提とする。この目的のため、遮断弁104及び制御弁103は対応して制御装置102によって活性化されることができる。対応して、例えばオペレータによるスイッチオフ入力のため又はガス弁システム100のエラー状態が検出されたためにスイッチオフ情報があるとき、ガス供給は完全に遮断されることができる。
【0046】
さらに、ガス弁システム100はブロッキング検出装置114を有し、それによりステッピングモータ107のブロッキングが上記のように検出されることができる。さらに、ガス弁システム100は、制御弁103の制御要素106の位置を決定し、ガス流れを制御することができるために位置決定装置113を有する。位置決定装置113によって制御要素位置Posactualを記録するために、最後の初期化又は最後の再設定以来放出されたステッピングモータ107に制御装置102によって放出された活性化パルスが決定される。ステッピングモータ107は、この場合において、活性化パルスに依存して、それが差の値108又は増加量108だけ移動されるように設計される(図2参照)。ブロッキング検出装置114はまた、初期化及びチェック操作モード内の手順の一つとして、位置決定装置113によって決定される制御要素106の位置をチェックするために使用される。
【0047】
図2では、制御要素位置Posactualに依存したガス流量の変化が、良好な理解のために例として表わされている。この場合において、制御要素106は全体制御範囲109内で制御要素位置Posactualをとることができるだけであり、それはこの示された例示的な実施形態の場合には二つの機械的制御要素停止位置119a及び119bによって制限される。ステッピングモータ107の移動の方向、結果として制御要素106の移動の方向は、活性化パルスの算術符号によって予め決定されている。もし例えば同じ方向にステッピングモータを移動するための10個の活性化パルスが放出されたら、ステッピングモータは10回移動し、各場合において規定された差の値108又は増加量108の分、合計すると「差の値の合計」の分を移動する。差の値の合計に依存して実際の位置値を決定するための出発位置として又は参照変数として使用されるものは位置参照値Wreferenceであり、それは参照位置Posreferenceに割り当てられ、そこでは制御要素106は最後の初期化で位置される。図2に示された例示的実施形態では、参照位置Posreferenceは左側の機械的制御要素停止位置119aにあるか、又はそれによって規定される。制御要素106によってカバーされる距離に対応する差の値の合計、及び位置参照値Wreferenceを出発値として用いると、次いで関連した実際の位置値Wactualを有する現在の制御要素位置Posactualを決定することができる。活性化パルスの算術符号に依存した活性化パルスの方向はここでは各場合において考慮されなければならない。正の活性化パルスは、例えば右への制御要素106の移動、及びガス流量の増加を意味し、負の活性化パルスは、左への移動、及びガス流量の減少を意味することができる(図2参照)。この方法では、実際の位置値Wactualは、位置センサーを必要とせずに決定されることができる。
【0048】
制御弁103はまた、全体制御範囲109内で、通常制御範囲110として言及される範囲を持つように設計され、その範囲は機械的制御要素停止位置119a及び119bまで及ばない。ガス弁システム100は、二つの操作状態で、具体的には通常操作モード、及び初期化及びチェック操作モードで操作されることができ、制御要素106は通常操作モードでは通常制御範囲110内で移動されることができるにすぎない。これは、通常操作モードにおいて制御要素停止位置119a及び119bまで走行することは可能でなく、従って通常操作モードでのブロッキングは必ず欠陥を原因とするものであることを意味する。
【0049】
さらに、制御弁103は閉鎖制御範囲111を持つ。もし制御要素106がこの閉鎖制御範囲111に走行することになるなら、ガス供給は完全に遮断される。もし示された例示的な実施形態のように、閉鎖制御範囲111が少なくとも部分的に通常制御範囲110と重なるように設計されるなら、通常操作モード時に制御弁103を閉鎖位置にもたらすことが可能であり、そこでは制御要素は通常制御範囲110内のみで移動されることができ、ガスバーナ101へのガス流れを完全に遮断できる。
【0050】
また、制御弁は全体制御範囲109の一端に機械的制御要素停止位置119aを持つだけにすることも可能であり、この停止位置は本発明による方法を実施するために閉鎖制御範囲111の端に配置されることが好ましい。従って、機械的制御要素停止位置119aによって形成される参照位置Posreferenceまで走行することは、ガス流れを遮断する効果を持つ。特に有利には、機械的制御要素停止位置119a又は参照位置Posreferenceは閉鎖制御範囲111内又はその端に配置される。
【0051】
制御要素106を制御要素停止位置119a又は119bの一つまで移動するため又はそれを参照位置Posreferenceまで走行するためには、初期化及びチェック操作モードに変えることが要求される。この方法では、通常操作モードにおけるステッピングモータ107のブロッキングが常に制御弁のエラー状態として信頼性高く検出されることができることを確実にすることができる。なぜならば通常操作モードでは、制御要素106が機械的制御要素停止位置119a又は119bの一つに対して走行することは排除されているからである。
【0052】
図3は、ガス弁システム100を制御するために本発明による方法の例示的な実施形態の方法工程S0〜S13を有するフロー図を示す。待機状態S0から工程S1によるガスバーナ101のスイッチオンの後、通常操作モードが工程S2で開始される。通常操作モードは、点線によって描かれた枠によって表わされ、オペレータによる様々な設定及び制御弁103の対応する動作によって行なわれる。
【0053】
もし続く方法工程S3に対応するように、上述したブロッキングが起こり、ステッピングモータ107又はブロッキング検出装置114の活性化によって常に監視されるなら、工程S4において遮断弁104が閉鎖される。それも記載されている。次いで、上記したように深刻な欠陥があるので、工程S9においてガスバーナ101のロッキングが行なわれる。もし必要なら、警報が与えられてもよい。
【0054】
もし通常操作モードでブロッキングが全く起こらないなら、通常操作モードが継続する。ある時間において、ガスバーナ101は、調理操作の完了後にオペレータによってスイッチオフにされる(工程S5)。工程S6では、遮断弁104の閉鎖及び制御弁103の閉鎖が次いで起こる。なぜならば、もはやいかなるバーナの活性化も意図されないからである。
【0055】
そのとき、点線によって表わされかつ左に行く矢印に従って、待機状態S0へ変えることが可能である。代替的にかつ好ましくは、初期化及びチェック操作モードの開始は、工程S7において、実際の位置値Wactualを設定するものとしても言及される実際の位置値Wactualを初期化するために行なわれる。この目的のため、制御要素106は機械的制御要素停止位置119aまで走行する。それゆえ、予め規定された参照位置Posreferenceは、ステッピングモータ107によって、参照位置Posreference又は機械的制御要素停止位置119aの方向に移動するステッピングモータ107によって、正確に言うと制御要素106がそれに到達し、ステッピングモータのこのブロッキングがブロッキング検出装置114によって検出されるまで走行する。次いで、ステッピングモータ107の活性化は終了される。続いて、予め規定された位置参照値Wreferenceが実際の位置値Wactualに割り当てられる。それゆえ、実際の位置値Wactualは新しく設定又は初期化されたように割り当てられ、そこではそれは、制御要素106が参照位置Posreferenceにあるときに位置参照値Wreferenceを割り当てられる。実際の位置値Wactualの初期化の後、差の値の合計は予め規定された出発値、好ましくはゼロに再設定されることができる。
【0056】
実際の位置値エラーがあるかどうかをチェックするために、ステッピングモータ107の活性化は、機械的制御要素停止位置119aに到達するときに中断される。ステッピングモータ107の関連する実際の位置値Wactualが決定される。即ち、ブロッキングが検出されている実際の位置値が決定される。この実際の位置値Wactualは、参照位置Posreferenceに割り当てられる予め規定された位置参照値Wreferenceと比較され、これらの値の間のずれΔが工程S8において決定され、実際の位置値エラーを決定する。もし制御弁103がエラーなしで作動しているなら、ステッピングモータ107は、位置参照値Wreferenceに対応する実際の位置値Wactualでブロックする。もしこのエラーのため、ステッピングモータ107が通常制御範囲110内で、又は位置参照値Wreferenceのまわりの許される許容値の外側にある実際の位置値Wactualでブロックするなら、これは制御弁のエラー状態に導く。もしずれΔが予め規定された許容値より大きく、例えば最大許容値Δとして二つ又は三つ分の増加量108より大きいなら、実際の位置値エラーがあり、制御弁の状態は制御弁のエラー状態として検出される。この場合において、方法工程S3によるのと同じ方法で、遮断弁104が同様に閉鎖され、ガスバーナ101が工程S9としてロックされる。もし実際の位置値エラーが検出されないなら、決定されたずれΔは予め規定された許容値より小さいので、次に二つの可能性がある。
【0057】
もし工程S10におけるΔのさらなるチェックにおいてずれが全くないなら、即ちΔ=0であるなら、待機状態S0への変化がなされる。
【0058】
他方、実際の位置値Wactualのずれがある場合には、初期化又は再設定は工程S11に従って実施され、それはこの場合には修正に対応し、実際の位置値Wactualの精度の改良に導く。初期化は上述したのでそれを参照されたい。その後、制御要素停止位置119aの実際の位置値Wactualは、位置参照値Wreferenceがゼロであるときに正確にゼロであることが好ましい。次いで、初期化された実際の位置値Wactualにより、工程S0への変化がなされることができる。
【0059】
習慣的に起こりうる工程S12における主電源欠陥を検出した後、初期化S13が同様に実施されることができることも示されている。これは、主電源欠陥の後、実際の位置値Wactualが失われるか又はもはや正しくないという危険があるので、そのようにする。工程S11に従って前に記載された方法に対応する方法で工程S13において初期化することにより、それは再び正しく設定されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子制御ガス調理機器におけるガスバーナ(101)のためのガス弁システム(100)を制御するための方法であって、ガス弁システム(100)が、制御装置(102)、制御装置(102)によって活性化されることができる少なくとも一つの制御弁(103)、及び制御装置(102)によって活性化されることができる少なくとも一つの遮断弁(104)を有し、制御弁(103)及び遮断弁(104)がガス流れ(105)の方向に直列で接続され、制御弁(103)が、制御要素(106)と、制御要素(106)を駆動するためのステッピングモータ(107)とを有するステッピングモータ弁であり、ステッピングモータ(107)が、活性化パルスを有する制御装置(102)によって活性化されることができ、活性化パルスによって予め決められた方向に規定された差の値(108)だけ各活性化パルスに反応してそれ自体移動し、従って制御要素(106)も移動させ、制御装置(102)がステッピングモータの実際の位置値(Wactual)、結果として実際の位置値(Wactual)に割り当てられた制御要素位置(Posactual)を決定するために設計され、実際の位置値(Wactual)の初期化が機械的制御要素停止位置(119a,119b)で制御要素(106)の予め規定された参照位置(Posreference)で起こり、実際の位置値(Wactual)が、差の値の合計及び予め規定された位置参照値(Wreference)に依存して各活性化パルスに対して連続的に計算され、制御弁(103)が、少なくとも機械的制御要素停止位置(119a,119b)によって限定される全体制御範囲(109)を有し、全体制御範囲(109)の中にガス流量を設定するための通常制御範囲(110)を有し、少なくとも一つの機械的制御要素停止位置(119a,119b)が通常制御範囲(110)の外側にあり、通常操作モードでは、制御装置(102)が通常制御範囲(110)内の制御要素位置を活性化するだけであるものにおいて、制御装置(102)が、
(1a)もしステッピングモータ(107)又は制御要素(106)のブロッキングが通常操作モード時に検出されるなら、又は
(1b)もし実際の位置値エラーがあるなら、但し実際の位置値エラーは、制御要素(106)が機械的制御要素停止位置(119a,119b)の参照位置(Posreference)にあるときであり、この参照位置に達すると、ステッピングモータ(107)が予め規定された許容値より多く予め規定された位置参照値(Wreference)から逸脱する実際の位置値(Wactual)でブロックし、ステッピングモータの位置参照値が制御要素の参照位置に割り当てられる、
制御弁のエラー状態を検出し、
次いで遮断弁(104)の助けでガス供給をロック又は閉鎖することを特徴とする方法。
【請求項2】
第一操作状態としての通常操作モードを別として、ガス弁システム(100)が、第二操作状態としての初期化及びチェックモードでも操作されることができ、初期化及びチェック操作モードでは、制御装置(102)が制御要素(106)を機械的停止位置(119a,119b)まで移動させ、この機械的停止位置(119a,119b)で、実際の位置値(Wactual)の初期化が実施されることができ、かつ/又は実際の位置値エラーが存在するかどうかをチェックされることができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
実際の位置値(Wactual)の初期化(S11,S13)又は割り当てが以下の工程によって実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法:
(3a)もし必要なら、操作状態を初期化及びチェック操作モードに変える、
(3b)ステッピングモータ(107)で予め規定された参照位置(Posreference)まで走行させる、但しステッピングモータのブロッキングがあるまで参照位置の方向にステッピングモータ(107)を移動することによって参照位置まで走行させる、
(3c)好ましくは、ステッピングモータがブロックするときにステッピングモータ(107)の活性化を中断又は終了する、
(3d)ステッピングモータが参照位置にある間に、参照位置(Posreference)に割り当てられた位置参照値(Wreference)をステッピングモータ(107)の実際の位置値(Wactual)に割り当てる、
(3e)好ましくは、差の値の合計を予め規定された出発値に、特にゼロの出発値に再設定する。
【請求項4】
実際の位置値エラーが存在するかどうかをチェックするために以下の工程が実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法:
(4a)もし必要なら、操作状態を初期化及びチェック操作モードに変える、
(4b)ステッピングモータのブロッキングがあるまで参照位置(Posreference)の方向にステッピングモータ(107)を移動する、
(4c)ブロッキングが検出された位置でステッピングモータ(107)の実際の位置値(Wactual)を決定する、
(4d)予め規定された位置参照値(Wreference)からステッピングモータ(107)の実際の位置値(Wactual)の逸脱値を決定する、
(4e)実際の位置値(Wactual)の逸脱値が位置参照値(Wreference)から予め規定された許容値より多く又は少なく逸脱しているかどうかをチェックする、そして
(4f)好ましくは、もし実際の位置値(Wactual)の決定された逸脱値が位置参照値(Wreference)から許容値より少なく逸脱するなら、実際の位置値を初期化するために請求項3に記載の(3d)〜(3e)の方法工程を実施する。
【請求項5】
制御弁のエラー状態が、方法工程(3b)又は(4b)において、制御装置(102)によってステッピングモータ(107)に放出された予め規定された最大数の活性化パルスを超えているか、又は予め規定された時間が経過し、ステッピングモータ(107)のブロッキングが全く検出されないときは必ず検出されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
遮断弁(S7)の状態を決定するために、遮断弁(104)を閉鎖するための完全な活性化操作の後に、遮断弁(104)を通るガス流れが制御弁(102)によって検出されるかどうかがチェックされ、遮断弁の状態が、閉鎖されたガス流れを検出した場合に遮断弁のエラー状態として検出され、制御弁(103)が次いで閉じられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
さらなる方法工程において、制御弁のエラー状態及び/又は遮断弁のエラー状態から独立してスイッチオフ情報があるかどうかがチェックされ、遮断弁(104)が好ましくはかかるスイッチオフ情報があるなら閉鎖され、特に遮断弁(104)の閉鎖後、制御弁(103)も閉鎖されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
遮断弁(104)が制御弁の前に検出されたエラー状態及び/又は前に得られたスイッチオフ情報のために閉鎖された場合、ガス弁システム(100)がこの閉鎖後、好ましくはこの閉鎖の直後、請求項2に記載の初期化及びチェック操作モードに変えられることをを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
最後の初期化及びチェック操作モードの時からの予め決められた数の制御操作又は制御弁の移動を超えるとすぐに、ガス弁システム(100)が請求項2に記載の初期化及びチェック操作モードに変わることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
遮断弁(104)が閉じられるときにガス弁システム(100)が請求項2に記載の初期化及びチェック操作モードでのみ操作されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項2に記載の初期化及びチェック操作モードへの各変化の後、実際の位置値エラーがあるかどうかがチェックされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ガス弁システム(100)がその主電源の中断後に請求項2に記載の初期化及びチェック操作モードに変わり、続いて初期化(S11,S13)が実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも一つのガスバーナ(101)、及びガスバーナ(101)のガス供給を制御するための少なくとも一つのガス弁システム(100)を有する電子制御ガス調理機器、特にガスレンジであって、ガス弁システム(100)が制御装置(102)、少なくとも一つの制御弁(103)、及び少なくとも一つの遮断弁(104)を有し、弁(103,104)が制御装置(102)によって活性化されることができ、制御弁(103)、遮断弁(104)、及びガスバーナ(101)が直列に接続され、制御弁(103)が、制御要素(106)と、制御要素(106)を駆動するためのステッピングモータ(107)とを有するステッピングモータ弁であり、ステッピングモータ(107)が、活性化パルスを有する制御装置(102)によって活性化されることができ、活性化パルスによって予め決められた方向に規定された差の値(108)だけ各活性化パルスに反応して移動することができ、制御装置(102)が、差の値の合計及び予め規定された位置参照値(Posreference)に依存して、ステッピングモータ(107)の実際の位置値(Wactual)、結果として実際の位置値(Wactual)に割り当てられた制御要素位置(Posactual)を決定するために設計され、制御弁(103)が少なくとも一つの機械的制御要素停止位置(119a,119b)を有し、それが全体制御範囲(109)を制限し、全体制御範囲(109)の中にガス流量を設定するための通常制御範囲(110)が与えられ、少なくとも一つの機械的制御要素停止位置(119a,119b)が通常制御範囲(110)の外側にあるものにおいて、ガス弁システム(110)が請求項1〜12のいずれかに記載の方法を実施するために設計されていることを特徴とするガス調理機器。
【請求項14】
制御弁(103)が完全に遮断する閉鎖位置が設定されることができるように制御弁(103)が閉鎖制御範囲(111)を有し、閉鎖制御範囲(111)が好ましくは通常制御範囲(110)の一端及び部分的にはその外側に、特に機械的制御要素停止位置(119a)の方の通常制御範囲(110)の端に配置されることを特徴とする請求項13に記載のガス調理機器。
【請求項15】
制御要素(106)が通常制御範囲(110)の外側の制御要素位置(Posclosed)にあるときに制御弁(103)が完全に閉鎖されるように制御弁(103)が設計されていることを特徴とする請求項13に記載のガス調理機器。
【請求項16】
ガス調理機器が少なくとも一つの制御弁(103)のステッピングモータ(107)の実際の位置値(Wactual)を決定するために位置決定装置(113)を有し、位置決定装置(113)が実際の位置値(Wactual)の最後の初期化以後に制御装置(102)によってステッピングモータ(107)に放出された活性化パルスに依存して、ステッピングモータ(107)の実際の位置値(Wactual)を決定するために設計されていることを特徴とする請求項13に記載のガス調理機器。
【請求項17】
ステッピングモータ(107)及び/又は制御要素(106)のブロッキングを検出するためのブロッキング検出装置(114)が具備され、ブロッキング検出装置(114)が好ましくはステッピングモータ(107)の現在の消費電力に依存してステッピングモータ(107)のブロッキングを検出するために設計されていることを特徴とする請求項13に記載のガス調理機器。
【請求項18】
制御装置(102)によって活性化されることができる自動点火装置(116)が具備され、それがガスバーナ(101)を自動的に点火するために設計されていることを特徴とする請求項13に記載のガス調理機器。
【請求項19】
ガスバーナ(101)における断火及び/又は炎燃焼を検出し、断火情報及び/又は炎燃焼情報を制御装置(102)に伝達するために設計される炎検出装置(115)が具備されることを特徴とする請求項13に記載のガス調理機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−193947(P2012−193947A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−56623(P2012−56623)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(597022218)エーゲーオー エレクトロ・ゲレーテバウ ゲーエムベーハー (64)
【Fターム(参考)】