説明

ガスレーザ発振器

【解決手段】 ガスレーザ発振器1は、レーザガスが封入されたハウジング2と、ハウジング2内部に設けた筒状の外側電極4と、該外側電極4の内側に設けられて上記外側電極4との間に筒状の放電空間を形成する内側電極5と、上記外側電極4および内側電極5を冷却する冷却手段7と、上記放電空間の軸方向に離隔するとともに異なる磁極が相互に向き合うように配置された永久磁石6a、6bからなる磁界発生手段6とを備えている。
上記外側電極4と内側電極5との間で放電するとともに、上記磁界発生手段6が磁界を発生させることで、ローレンツ力により上記放電空間のレーザガスを周回させ、さらに上記永久磁石を外側電極4または内側電極5に隣接した位置に設けて、上記電極とともに上記冷却手段7によって冷却する。
【効果】 放電空間内のレーザガスを高速に周回させて効率的にレーザ光Lを発振することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスレーザ発振器に関し、詳しくは外側電極および内側電極の間に形成した筒状の放電空間内に磁界を印加することで、ローレンツ力によりレーザガスを周回させるガスレーザ発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザガスを励起することでレーザ光を発振するガスレーザ発振器が知られ、このようなガスレーザ発振器として、2つの電極間に形成した放電空間内に磁界を印加することで、ローレンツ力により放電空間内のレーザガスに回転流を与えるようにしたものが知られている(特許文献1〜3)。
このようにレーザガスに回転流を与えることで、レーザ光の光路上に位置するレーザガスを入れ替えることができ、レーザガスが高温になって出力効率が低下してしまうのを防止するようになっている。
このうち特に特許文献3のガスレーザ発振器は、レーザガスが充満した筒状の放電空間と、該放電空間の外周に設けられる外側電極と、上記放電空間の内周に設けられる内側電極とを備え、さらに上記放電空間に磁界を印加するため、上記外側電極のさらに外周側にコイルを設けた構成を有している。
そして上記外側電極と内側電極との間で放電して半径方向の放電電流を発生させるとともに上記コイルに直流電圧を印加して軸方向の磁界を発生させることで、放電空間内のレーザガスに円周方向のローレンツ力を作用させて、レーザガスを周回させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭64−69085号公報
【特許文献2】特許第3826228号公報
【特許文献3】特公昭57−13146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献3のガスレーザ発振器の場合、磁界印加手段としてのコイルは外側電極のさらに外周側に設けられているため、コイルによって上記放電空間に印加される磁界は弱いものとなっていた。
そのため、上記放電空間内を周回するレーザガスの周回速度は遅く、レーザ光路上に位置するレーザガスを速やかに入れ替えることができないため、レーザ光の発振効率が低いという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は放電空間内のレーザガスを高速に周回させて効率的にレーザ光を発振することが可能なガスレーザ発振器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明にかかるガスレーザ発振器は、レーザガスが充満した筒状の放電空間と、該放電空間の外周に設けられる外側電極と、上記放電空間の内周に設けられる内側電極と、上記放電空間の内部に軸方向の磁界を印加する磁界印加手段と、上記外側電極および内側電極を冷却する冷却手段とを備え、
上記外側電極と内側電極との間で放電することで、ローレンツ力により上記放電空間のレーザガスを周回させるガスレーザ発振器において、
上記磁界印加手段は、上記放電空間の軸方向に離隔するとともに、異なる磁極が相互に向き合うように配置された少なくとも2つの永久磁石であって、
該永久磁石を外側電極または内側電極の少なくともいずれか一方に隣接した位置に設けるとともに、上記電極とともに上記冷却手段によって冷却することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、磁界印加手段を放電空間の軸方向に離隔した少なくとも2つの永久磁石とすることで、上記放電空間の内部に直接強力な磁界を印加できるため、レーザガスを高速に周回させて高効率にレーザ光を発振することができる。
さらに、上記永久磁石を上記電極とともに冷却手段によって冷却することから、高温による永久磁石の磁力低下を防止して安定した磁界を印加することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施例にかかるガスレーザ発振器の断面図。
【図2】図1におけるII−II部の断面図。
【図3】図1におけるIII−III部の断面図。
【図4】図1におけるIV−IV部の断面図。
【図5】ガスレーザ発振器内で形成されるレーザ光の光路を説明する図。
【図6】第2実施例にかかるガスレーザ発振器の断面図。
【図7】第3実施例にかかるガスレーザ発振器でのレーザ光の光路を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、図1は第1実施例にかかるガスレーザ発振器1の断面図を示し、図2は図1のII―II部の断面図を、図3は図1のIII―III部の断面図を、図4は図1のIV―IV部の断面図をそれぞれ示している。
上記ガスレーザ発振器1は、所定のレーザガスを封入したハウジング2と、ハウジング2の側壁部に設けられてレーザ光Lを共振させる共振器3と、ハウジング2内部に設けた外側電極4と、上記外側電極4との間に筒状の放電空間を形成する内側電極5と、上記外側電極4と内側電極5との間に形成される放電空間に磁界Bを印加する磁界印加手段6と、上記外側電極4および内側電極5を冷却する冷却手段7とを備えている。
上記共振器3はハウジング2の一側に設けられたフロントミラー3aおよびリアミラー3bと、これらフロントミラー3aおよびリアミラー3bの間で形成されるレーザ光Lの光路上に設けた6つの反射ミラー3cとから構成されている。
図5はこれらフロントミラー3a、リアミラー3b、反射ミラー3cの配置図を示したものであり、共振器3によって形成されるレーザ光Lの光路は、6つの反射ミラー3cによって筒状の放電空間を複数回通過するようにマルチパスを形成し、レーザ光Lをフロントミラー3aから発振するようになっている。
なお、図2〜図4において、上記レーザ光Lが通過する部分を円形の領域にて示している。
【0009】
上記外側電極4は外周が断面4角形を有するとともに中心部に断面円形の円柱状の中空部が形成された銅製の部材であり、上記内側電極5は全長が上記外側電極4と同じ長さに製造された銅製の部材であって、上記外側電極4の中空部と同軸上に設けられた円筒形をしている。
これら外側電極4および内側電極5の素材としては、上記銅の他、導電体かつ非磁性体であればその他の素材を使用することも可能である。また熱伝導度が高い素材を使用することが望ましい。
また、上記外側電極4および内側電極5の軸方向の両端部には、それぞれ図4に示すようにレーザ光Lの光路を避けるような位置に絶縁性の連結部材8が設けられており、該連結部材8によって外側電極4と内側電極5とを連結固定している。
このような構成とすることで、上記外側電極4と内側電極5との間には円筒状の放電空間が形成されることとなり、この放電空間内を軸方向に貫通するように上記共振器光路が形成されている。
【0010】
上記外側電極4および内側電極5は図示しない電源に接続されており、本実施例では上記外側電極4をアノード電極として使用し、上記内側電極5をカソード電極として使用するようになっている。
上記外側電極4は上記冷却手段7を構成する導電性の2つの冷却プレート11に保持された状態で上記ハウジング2に固定され、該上記冷却プレート11に接続した導電性の供給パイプ11aまたは排出パイプ11bを介してハウジング2に接地されている。
上記内側電極5の内部には冷却手段7を構成する導電性の冷却パイプ12が挿入され、該冷却パイプ12および該冷却パイプ12に接続した導電性の供給パイプ12aまたは排出パイプ12bを介して上記電源に接続されている。
本実施例における電源は直流電源となっており、該直流電源は交流電源に較べて安価であるものの、直流電流によるDC放電の場合は放電集中が起こりやすくアーク放電に移行しやすいことから、均一な放電を長く維持できないという問題がある。
そこで、内側電極5の外周面に直径数100〜500μm、深さ500〜1000μmのディンプル5aを数mmピッチで形成し、内側電極5をいわゆるマイクロホローカソード電極としている。
内側電極5をマイクロホローカソード電極とすることで、DC放電でありながらハウジング2内のレーザガスが高圧(数百Torr)となっている状態においても、放電集中の無い均一な放電を維持することが可能となっている。
【0011】
上記磁界印加手段6は、上記外側電極4および内側電極5の軸方向両端部にそれぞれ設けられた、2つ1組の外側永久磁石6aおよび2つ1組の内側永久磁石6bによって構成されている。
上記外側永久磁石6aは外側電極4の両端部内周面に形成された段差部に嵌合し、外側電極4と外側永久磁石6aとが相互に密着して設けられており、また上記外側永久磁石6aの内周面の径は上記外側電極4の内周面の径よりも若干大径となっている。
これと同様、上記内側永久磁石6bは内側電極5の両端部外周面に形成された段差部に嵌合し、内側電極5と内側永久磁石6bとが相互に密着して設けられており、また上記内側永久磁石6bの外周面の径は上記内側電極5の外周面の径よりも若干小径となっている。
このような構成により、外側電極4における外側永久磁石6aより内周側に突出した部分と、内側電極5における内側永久磁石6bより外周側に突出した部分とが、各電極において実質的に放電の行われる放電部となり、この間の空間が上記放電空間となる。
また、上記外側電極4および内側電極5の各放電部の軸方向両端部はアールに形成されることにより、放電した際にコーナー部に放電が集中してしまうのを防止するようになっている。
そして、上記外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bはそれぞれリング状をしたサマリウムコバルト磁石であって、それぞれ図1における図示左方にN極が位置し、右方にS極が位置するように配置されている。
換言すると、1組の外側永久磁石6aおよび1組の内側永久磁石6bはそれぞれ異なる磁極が相互に向き合うように配置されており、これにより1組の外側永久磁石6aの間および1組の内側永久磁石6bの間の放電空間には、それぞれN極からS極に向かう磁界Bが形成されるようになっている。
【0012】
上記冷却手段7は、上記外側電極4を冷却する2つの冷却プレート11と、上記内側電極5を冷却する冷却パイプ12と、これら冷却プレート11および冷却パイプ12に冷却液として電気的に絶縁体である純水を循環させる図示しない送液ポンプと、冷却液を冷却する図示しない冷却器とを備えている。
上記冷却プレート11は上記外側電極4とハウジング2との間に設けられ、またハウジング2と冷却プレート11との間にスプリングピン13を介在することで、冷却プレート11を外側電極4に強固に密着させるとともにハウジング2の内部に位置決めされるようになっている。
また冷却プレート11の内部には上記冷却液を流通させる液体通路が形成され、図2に示すように該液体通路には冷却液を供給する供給パイプ11aと、冷却液を排出する排出パイプ11bとが接続されている。
上記冷却パイプ12は上記内側電極5を軸方向に貫通するとともに両端部が外部に突出しており、該冷却パイプ12の両端にはそれぞれホルダ14を介して冷却液を供給する供給パイプ12aと、冷却液を排出する排出パイプ12bとが接続されている。
上記供給パイプ12aおよび排出パイプ12bはそれぞれ冷却パイプ12に対して直交する方向に向けて設けられ、かつ上記レーザ光Lの光路を避けるような位置に設けられている。そしてこれら供給パイプ12aおよび排出パイプ12bは絶縁性のブッシュによってハウジング2に固定されている。
このように、外側電極4および内側電極5を冷却手段7により冷却することで、放電空間に位置するレーザガスをこれら外側電極4および内側電極5の表面において拡散冷却するようになっている。
【0013】
以下、上記構成を有するガスレーザ発振器1の動作について説明する。
上記ハウジング2内にレーザガスを封入した状態で、上記電源によりアノード電極である外側電極とカソード電極である内側電極5の間に直流電圧を印加すると、外側電極4の内周面と内側電極5の外周面との間の放電空間でDC放電が行われ、放電空間内のレーザガスが励起される。
具体的には、外側電極4における2つの外側永久磁石6aの間に形成された放電部から、上記内側電極5における2つの内側永久磁石6bの間に形成された放電部に向かう電流Iが形成される。
そして、上記内側電極5は放電部に複数のディンプル5aを形成したマイクロホローカソード電極となっていることから、放電空間内ではDC放電でありながら放電集中の無い均一な放電を維持することが可能となっている。
【0014】
一方、上記磁界印加手段6としての2つの外側永久磁石6aの間と、2つの内側永久磁石6bとの間には、それぞれN極からS極に向けて磁界Bが印加されている。
つまり、上記放電によって形成された放電空間における外側電極4から内側電極5へと向かう電流Iに対して、上記外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bによって形成された軸方向の磁界Bが印加されるようになっている。
その結果、放電空間の内部には上記電流Iと磁界Bとによってローレンツ力Fが発生し、図2に示すように放電空間内のレーザガスが図示時計方向に周回することになる。
このようにして放電空間で放電が行われると、上記放電空間内のレーザガスが励起されるとともに周回するようになり、レーザ光Lが上記フロントミラー3aとリアミラー3bとの間で反射ミラー3cを反射しながら共振され、一部のレーザ光Lがフロントミラー3aを透過して発振されるようになっている。
そして、本実施例における磁界印加手段6は放電空間の軸方向に隣接してリング状の永久磁石を設けたことから、上記放電空間内に強い磁界Bを直接印加することができる。
つまり、上記ローレンツ力によるレーザガスの周回速度を高速とすることが可能となるため、レーザ光の光路上に位置するレーザガスを高速で入れ替えることができ、その結果、レーザガスの温度上昇を抑制できる。
これに対し、上記特許文献2、3のように磁界印加手段6をコイルとすると、該コイルを構成するエナメル線や被覆絶縁性樹脂を高温となるレーザガス環境内に設置することができないことから、放電空間内に強力な磁界Bを発生させることができず、レーザガスを高速に周回させることができなかった。
【0015】
さらに、上記冷却手段7は上記冷却プレート11内に冷却液を循環させることで上記外側電極4を冷却しており、また上記冷却パイプ12内に冷却液を循環させることで上記内側電極5を冷却するようになっている。
これら外側電極4および内側電極5を冷却することで、外側電極4の放電部および内側電極5の放電部に接触するレーザガスを拡散冷却している。本実施例ではレーザガスの周回速度を高速とすることができることから、電極表面での拡散冷却の効果が高いものとなっている。このためハウジング2にレーザガスを冷却するための冷却器を別途設ける必要が無い。
このように、本実施例のガスレーザ発振器1によれば、放電空間内のレーザガスを効率よく冷却することができるため、レーザ光Lを効率よく発振することができるようになっている。
そして、冷却手段7は上記外側電極4および内側電極5を介して、これらに密着するように設けられた上記外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bを冷却するようになっている。
従って、これら外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bが高温となって磁力が低下してしまうのを防止し、強力な磁界Bを維持してレーザガスの周回速度を高速に維持するようになっている。
【0016】
次に図6は第2実施例にかかるガスレーザ発振器1を示しており、上記第1実施例におけるガスレーザ発振器1に対し、複数の外側電極4および内側電極5を設けるとともに各外側電極4および内側電極5ごとにそれぞれリング状の永久磁石を設けた構成となっている。なお、第1実施例と共通する部分については説明を省略する。
具体的には、上記外側電極4および内側電極5をそれぞれ軸方向に3つずつ整列させ、このうち図示右端に位置している外側電極4および内側電極5の両端に段差部を形成して、それぞれ外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bを嵌合させ、その他の2つの外側電極4および内側電極5には、それぞれ図示左端に段差部を形成して、外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bを嵌合させたものとなっている。
そして、上記外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bはいずれもN極が図示左方に位置し、S極が右方に位置するように配置されており、隣接する外側永久磁石6aはそれぞれ異なる磁極が相互に向き合い、隣接する内側永久磁石6bもそれぞれ異なる磁極が相互に向き合うようになっている。
【0017】
このような構成とすることで、本実施例のガスレーザ発振器1では、外側電極4と内側電極5との間には軸方向に3つの円筒状をした放電空間が形成されるようになっている。
そして、各放電空間を挟むようにそれぞれ4つの外側永久磁石6aおよび4つの内側永久磁石6bを設けることで、各放電空間に対応して磁界Bを発生させるようになっている。
その結果、各放電空間内においてそれぞれローレンツ力を発生させてレーザガスを高速に周回させて冷却することができるため、第1実施例と同様にレーザ光Lを効率的に発振することが可能となっている。
また、上記第1実施例に比べ、放電空間を通過する共振器光路の距離を長くすることができることから、より高出力なレーザ光Lを発振することが可能となっている。
なお、本実施例では3つの放電空間を形成するようになっているが、例えば2つの放電空間を形成したり、4つ以上の放電空間を形成するような構成であってもよい。
【0018】
また、上記実施例において、上記外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bについては、リング状に限らず、半円状の永久磁石を組み合わせた構成や、ブロック状の永久磁石を外側電極4の内周面や内側電極5の外周面に沿って整列させた構成としてもよい。
また、上記実施例では外側電極4および内側電極5に段差部を形成して、これら段差部に外側永久磁石6aおよび内側永久磁石6bを嵌合させているが、これを外側永久磁石6aの外周面を直接上記冷却プレート11に密着させたり、内側永久磁石6bの内周面を上記冷却パイプ12に密着させて、上記冷却手段7により直接冷却するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では外側電極4の内周面が放電部を構成しているが、該内周面に放電空間に向けて棒状電極を複数立設した構成としてもよい。これと同様、内側電極5の外周面にディンプルを設ける代わりに、放電空間に向けて複数の棒状電極を立設した構成であってもよい。
そして、上記第1、第2実施例では、共振器3として図5に示すような反射ミラー3cを複数設けて、マルチパス光路を形成しているが、図7に示すように、図示右方側に位置する反射ミラーをパラボリックミラー3dとしてもよい。
このパラボリックミラー3dとすることで、レーザ光Lの横モードを円形にすることができ、ガスレーザ発振器1から発振されたレーザ光Lのモードを光学素子によって変換する必要がない。
【符号の説明】
【0019】
1 ガスレーザ発振器 4 外側電極
5 内側電極 6 磁界印加手段
6a 外側永久磁石 6b 内側永久磁石
7 冷却手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザガスが充満した筒状の放電空間と、該放電空間の外周に設けられる外側電極と、上記放電空間の内周に設けられる内側電極と、上記放電空間の内部に軸方向の磁界を印加する磁界印加手段と、上記外側電極および内側電極を冷却する冷却手段とを備え、
上記外側電極と内側電極との間で放電することで、ローレンツ力により上記放電空間のレーザガスを周回させるガスレーザ発振器において、
上記磁界印加手段は、上記放電空間の軸方向に離隔するとともに、異なる磁極が相互に向き合うように配置された少なくとも2つの永久磁石であって、
該永久磁石を外側電極または内側電極の少なくともいずれか一方に隣接した位置に設けるとともに、上記電極とともに上記冷却手段によって冷却することを特徴とするガスレーザ発振器。
【請求項2】
上記永久磁石は上記電極に密着し、上記冷却手段は該電極を介して永久磁石を冷却することを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ発振器。
【請求項3】
上記放電空間を軸方向に離隔した位置に複数形成し、各放電空間にそれぞれ磁界を印加するように永久磁石を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のガスレーザ発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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