ガス交換を減少させた流体収容パウチおよびその作製方法
本発明は、流体収容パウチおよび流体収容パウチを形成するための方法を対象とする。一実施形態においては、本発明は、第1および第2の対抗シートと、第1の対向シートと第2の対向シートとの間に配置される、流体(例えば、較正用流体、反応物流体、または洗浄流体)とを含む、流体収容パウチを対象とする。第1のシートおよび第2のシートは、実質的に液体およびガス不透過性周辺シールを有する。これらのシートは、例えば、熱圧着、圧力圧着、熱および圧力圧着、超音波溶接、金属間溶接、またはレーザ溶接のうちの1つもしくは複数によって、封止され得る。本開示の方法および装置に従って封止される流体収容パウチは、ガス交換の減少、特にCO2加圧レベルに関して、実質的な改善を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年9月15日に出願された米国特許第12/211,095号の優先権を主張し、それは、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療用診断センサパッケージに関する。より具体的には、本発明は、単回使用の医療用診断センサパッケージのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な感知技術を使用して患者の血液検査を行なう領域において、所望の精度で測定を行なう場合には、センサは、適切に較正しなければならないことは周知である。臨床診断における近年の開発は、センサが試験の単一パネルに使用され、次いで、破棄される装置内にパッケージ化される、統合試験システムの開発につながった。これらの装置は、典型的には、装置と相互作用することが可能である、読み込み機と併せて使用される。相互作用には、各センサから信号を抽出することと、装置内の流体の動作を任意に制御すること、例えば、センサに対してサンプルおよび較正用流体を配置することが挙げられる。本明細書において、i−STAT(登録商標)と称される、そのようなシステムの詳細な説明は、特許文献1で確認することができ、それは、共同所有され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
これらの感知システムの主な特性は、これらの装置が定期的に製造され、顧客に発送されることである。しかしながら、装置の製造と使用との間の時間は、数ヶ月である可能性がある。その結果、装置は、ある条件下で使用可能な保存期間、例えば、保管条件の中でもとりわけ、冷蔵庫で6ヶ月、および室温で2週間を示す標識と共に、製造される。
【0005】
所与のセンサの保存期間が制限され得る様々な理由が存在し、センサの安定性および較正用流体の安定性が含まれるが、これらに限定されない。較正用流体に関しては、較正用分析物の濃度(例えば、とりわけ、カリウムイオン濃度、二酸化炭素の分圧)は、保管中に変化しないことが重要である。この問題に対する1つの解決策は、較正用流体を封止ガラス製容器またはアンプルに保管することである。封止容器では、この容器の壁が、ガスまたは液体交換を不可能にする。しかしながら、装置が、例えば、ベッド脇またはケア試験環境の場所における従来の使用のために設計される時には、ガラス製保管容器を使用することは、非実用的であり得る。非実用性は、脆性およびガラス要素を試験筐体、例えば、単回使用の試験カートリッジ内にパッケージ化する問題に関連する可能性がある。その結果、プラスチック相を有するホイルパウチが、シールに作用するために使用されている。例えば、特許文献1は、周辺シールを有するプラスチックライニングホイルで作製される、較正用パックを開示する。具体的には、プラスチック面が接合されたプラスチックライニングホイルの2つの部分は、液体相およびガス相を含む封入容器を形成するために相互に封止される。ここで、周辺シールは、プラスチックを融解するために十分な熱、およびプラスチック周辺シールを形成するために十分な圧力を加えることによって形成される。封入容器(またはパウチ)内で、液体相は、較正用流体、例えば、とりわけ、カリウム、ナトリウム、グルコース、およびラクトースを含む、例えば、公知の濃度の試験される分析物を含有する、緩衝水性混合物を含む。また、そのパウチ内のガス相は、例えば、空気または所望のガス組成物、例えば、5%の二酸化炭素、20%の酸素、および75%の窒素であってもよい。そのガス相またはその液体相中の溶解ガスはまた、例えば、酸素および二酸化炭素、pO2およびpCO2のそれぞれの分圧の血液ガス感知のための較正として機能することができる。
【0006】
本パウチの構成に関して、ホイルの選択、例えば、約40μmのアルミニウムロールは、そのバリア特性、すなわち、ガス、蒸気、および液体の輸送に対する耐性によって決定される。ホイルはまた、望ましくは、ピンホールを最小限化するために選択される。ピンホール破損を特定するための様々な最適な検査手段は、当該技術分野において周知である。プラスチック層は、シールを提供し、また、較正用流体成分のうちの1つもしくは複数の分解を引き起こす可能性のある、金属ホイルとの直接接触から流体を保護するための手段として機能する。
【0007】
ホイルは、一般に、効果的なバリアである一方、様々なガス、例えば、酸素、二酸化炭素、および水蒸気は、異なる程度でプラスチック中に可溶であり、所与の速度でプラスチック母材に浸透することができる。この速度は、温度および圧力、プラスチックの化学組成物、溶媒からそれが鋳造される溶媒、ならびに鋳造材料の濃度の関数である。
【0008】
特別なガス、例えば、pCO2センサを較正するための公知の分圧の二酸化炭素(pCO2)が較正目的のために使用される場合は、シールがpCO2に対して低い透過性および溶解性を有することが好ましい。しかしながら、筐体の中に流体収容パウチがパッケージ化される、筐体の寸法は、シール寸法を制限し得る。
【0009】
小さいプラスチック筐体へのパウチのパッケージ化は、特許第’669号に示されている。ここでは、パウチは、パウチを穿孔することが可能なバルブ構造を有するプラスチック基板内に配置する。パウチは、プラスチックカバーに取り付けられた両面接着テープによって定位置に保持される。プラスチックカバーは、パウチの真上にあり、それと整合する可撓性へらを有する。へらに力が加えられた時に、それは、バルブに対してパウチを圧迫し、導管を流れてセンサの配列に接触させるために、パウチを破断させ、較正用流体を解放する。
【0010】
可能である場合は、さらなる検討は、駆動力、すなわち、シールの両側面上の分析物の圧力および濃度の差異を最小限化させることによって、シールを横切るガス交換、を最小限化することである。低下した温度はまた、ガス交換を減少させるが、パウチ内の水性流体を凍結させることが、望ましくない効果につながり得るため、このアプローチは、思慮深く使用されなければならない。結果として、冷蔵が有用な妥協案である。
【0011】
他の技術分野に関しては、特許文献2は、圧調整された較正を含む、液体を有する、内蔵型試薬チャンバを説明し、そのチャンバ壁は、材料の複数の層を含み、少なくとも1つの層は、薄い可撓性ガラス材料である。これらの壁は、泡が試薬チャンバ内に捕獲されないように、充填線の下の封止線に沿って、熱および圧力によって封止される充填ネックを形成するために延在する。
【0012】
特許文献3は、血液等の生理的液体中のガスパラメータを測定するために、装置の較正または品質管理を実施する上での使用のための、参照ガスのための可撓性容器を開示する。当該可撓性容器は、環境圧力において、またはその近くの圧力で参照ガスを保持するように適合される。
【0013】
特許文献4は、液体試薬のための容器を開示し、この容器は、外壁と内部の穿孔部材とを有する。そのような容器は、容器が破裂した場合以外、内部の液体の喪失を最小限に抑え、6〜18ヶ月の期間、液体を保管するように構成される。本容器は、望ましくは、マイクロ流体装置との使用に適合される。
【0014】
特許文献5は、化学分析を実施するための、電極モジュールおよび流体を取り込む、診断装置を開示する。この装置は、流体導線を有するプラスチックカード状本体、およびホイルライニング空洞に含まれる封止された流体貯蔵器から成る。この貯蔵器は、電極を較正するために使用される、較正用流体を保持する。
特許文献1に説明するタイプの従来の流体収容パウチは、パウチが冷蔵により延長された保存期間を有する、血液試験センサを較正することに商業的に成功することが照明されている。しかしながら、それらの内容物が延長された室温保管で実質的に変化しないよう、冷蔵せずに延長された保存期間を有する、流体収容パウチを改善する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5096669号明細書
【特許文献2】米国特許第6178832号明細書
【特許文献3】米国特許公開広報第20060013744号明細書
【特許文献4】米国特許公開広報第20060183216号明細書
【特許文献5】米国特許公開広報第20040222091号明細書
【特許文献6】米国特許公開広報第5112455号明細書
【特許文献7】米国特許公開広報第5200051号明細書
【特許文献8】米国特許公開広報第5112455号明細書
【特許文献9】米国特許公開広報第5614416号明細書
【特許文献10】米国特許公開広報第6030827号明細書
【特許文献11】米国特許公開広報第6438498号明細書
【特許文献12】米国特許公開広報第6750053号明細書
【特許文献13】米国特許公開広報第7263501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の一般的態様は、前述の種類の問題を未然に防ぐか、または最小限化する、流体収容パウチを提供することである。様々な実施形態においては、本発明は、ガス、例えば、CO2ガスに対して低透過性および溶解性を有するシールを有する、流体収容パウチに関する。減少した透過性および溶解性は、例えば、ガス、例えば、CO2ガスに対して低透過性および溶解性を有するシール材料から形成される、改善されたパウチシールを用いることによって、達成されてもよい。いくつかの実施形態においては、シール寸法は、最小限の断面、すなわち、経路長に対する断面積の比率が小さい断面を用いて、長い蛇行した経路長を提供する。本発明はまた、そのような流体収容パウチを形成するための様々なプロセスを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一実施形態においては、本発明は、第1および第2の対向シートと、第1および第2の対抗シートとの間に配置される流体とを備える、流体収容パウチを対象とし、第1のシートおよび第2のシートは、実質的に、液体およびガス不透過性である周辺シールを有し、その少なくとも一部分は、約4mm未満のシール幅を有し、本パウチは、約10mmHg未満の、本明細書に規定するパウチ完全性試験のΔpCO2値をもたらす。実質的に液体およびガス不透過性であるシールを有する他に、本流体収容パウチは、望ましくは、12%未満の破裂強度標準偏差を有する。そのようなパウチは、少なくとも1つのセンサを含む、単回使用カートリッジの使用に特に最適であり、そのカートリッジは、サンプル、例えば、血液サンプル中の分析物を測定するための読み取り機と併せて使用される。
【0018】
第1のシートおよび第2のシートは、任意に、複数の屈曲を有する、波状パターンで折り畳まれる。好ましい態様においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含む。任意に、本パウチはさらに、周辺シールの内縁に配置される、内部プラスチックシールビーズを備える。
【0019】
一態様においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、周辺シールは、第1のホイルと第2のホイルとの間に配置され、第1および第2のプラスチック層の合わせた厚さより薄い平均厚を有する、第3のプラスチック層を備える。第3のプラスチック層は、例えば、任意に、第1および第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約25%薄い、例えば、少なくとも約50%薄い平均厚を有する。好ましい実施形態においては、第1および第2のプラスチック層は、Primacor、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ならびにニトロセルロース、尿素およびアクリル樹脂に基づくラッカーから成る群から選択される、プラスチックを備える。一実施形態においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のラッカー層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のラッカー層とを含み、第1および第2のホイル層は、周辺シールにおいて相互に融合される。
【0020】
周辺シールは、好ましくは、約34.5MN/m2〜約62.1MN/m2の範囲の圧力を加えることによって、および/または約200℃〜約500℃の範囲の熱を加えることによって、形成される。周辺シールは、任意に、約1mm〜約2cmの周幅を有し、任意に、約1cm〜約20cmの周長を有する。
【0021】
パウチ内に収容される流体は、異なってもよいが、好ましくは、公知の濃度の1つもしくは複数の分析物を含有する較正用流体であるか、反応物流体であるか、または洗浄流体である。パウチは、好ましくは、約5μL〜約5mLのパウチ容量を有する。パウチ内の液体容量は、パウチ容量の合計に基づき、好ましくは、約50%〜約95%であり、ガス容量は、好ましくは、パウチ容量の合計に基づき、約5%〜約50%である。ガス相中のガスは、好ましくは、公知の濃度または分圧の1つもしくは複数のガスを有する、較正ガスを備える。ガス相中のガスは、任意に、環境大気である。
【0022】
好ましい実施形態においては、周辺シールは、1つもしくは複数の圧着領域を含む。この1つもしくは複数の圧着領域は、好ましくは、複数の同心圧着環を備える。
【0023】
別の実施形態においては、本発明は、第1および第2の対向シートと、第1および第2の対向シートとの間に配置される流体とを備える、流体収容パウチに関し、このパウチは、12%未満の標準偏差を有する破裂強度を有する。
【0024】
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1のシート上に流体を沈着させるステップと、(b)第2のシートを第1のシートの反対に配置するステップと、(c)対向する第1および第2のシートを相互に封止し、それらの間に流体を収容させた封止領域を形成するステップであって、その封止領域は、実質的に、液体およびガス不透過性であるステップと、を含む、流体収容パウチを形成するための方法を対象とする。好ましくは、パウチは、10mmHg未満の、本明細書に定義するパウチ完全性試験のΔpCO2値をもたらす。好ましくは、本プロセスはさらに、第1のシート内に空洞を形成し、空洞内に流体を沈着させることを含む。
【0025】
封止することは、好ましくは、第1のシートおよび第2のシートに熱および/または圧力を加えることを含む。別の態様においては、封止することは、超音波溶接またはレーザ溶接することを含む。任意に、第1のシートおよび第2のシートは、複数の屈曲を有する波状パターンで折り畳まれる。特に好ましい態様においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、封止することは、内部プラスチックシールビーズが形成されるように、第1のシート上の第1のプラスチック層を第2のシート上の第2のプラスチック層とともに融解することを含む。内部プラスチックシールビーズは、較正用液体が第1および第2のホイル層のうちのいずれか一方、または両方に接触するのを実質的に防止する。
【0026】
別の実施形態においては、本発明は、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分が相互に封止される場所でプラスチック面が接合されたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールに関する。このシールは、プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、それによって、シールの1つもしくは複数の領域をもたらす圧着要素によって熱および圧力が加えられ、圧着領域内のプラスチックの平均厚は、2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄く、かつそれによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送が、封止中にプラスチックが圧着されないシールよりも実質的に少ない。好ましくは、該方法は、リール上の該ホイルを用いて実施される。圧力は、任意に、該ホイルを圧着させる治具を用いて加えられる。熱および圧力は、任意に、超音波溶接を用いて加えられる。
【0027】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む封止容器を形成するようにプラスチック面を相互に封止させ、接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、周辺シールを有する実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチに関する。周辺シールは、プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、圧力は、周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって加えられ、圧着領域内の周辺シールのプラスチックの平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄い。
【0028】
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成し、ポケット内に液体の一部分を適用することと、(b)プラスチック面を接合させて第2のプラスチックライニングホイルでポケットを被覆することと、(c)周辺シールを形成するために、第1および第2のプラスチックライニングホイルを相互に封止することであって、前記周辺シールは、プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成される、ことと、を含む、プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性のシールを形成するための方法に関する。この実施形態においては、圧力は、周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす圧着要素によって加えられ、圧着領域内のプラスチックの平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄く、前記シールは、液体相およびガス相を含む実質的にガス気密性のパウチを形成する。
【0029】
別の実施形態においては、本発明は、(a)液体相およびガス相を含む周辺シールを用いて封入容器を形成するために、プラスチック面を接合させるようにプラスチックライニングホイルの2つの部分を相互に封止する、第1のステップを含む、周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチを形成する方法である。周辺シールは、プラスチックを融解するために十分な熱、および連続プラスチック周辺シールを形成するために十分な圧力を加えることによって形成される。該方法は、(b)周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらすために、前記周辺シールを圧着させ、圧着領域内のプラスチックの平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄い、第2のステップを含む。
【0030】
別の実施形態においては、本発明は、第2の相から第1の相を分離するために、隣接領域が相互に封止される場所でプラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を有する、プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールに関し、このシールは、プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な超音波溶接を適用することによって形成される。超音波溶接は、プラスチックシールの1つもしくは複数の領域をもたらし、シール領域の平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄く、かつそれによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送は、プラスチックの厚さが2つのプラスチックライニングの合わせた厚さである、シールよりも実質的に少ない。
【0031】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む封入容器を形成するためにプラスチック面を相互に接合させ、封止させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、周辺シールを有する実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチに関し、前記周辺シールは、プラスチックを融解して、連続プラスチック周辺層を形成し、かつシール領域から封入容器の周辺の少なくとも一部分内にプラスチックの一部分を押し出し、それによって、周辺シール内のプラスチックの平均厚が2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄くなるように、超音波溶接を適用することによって形成される。
【0032】
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成することと、(b)ポケット内に液体の一部分を適用することと、(c)プラスチック面を接合させるように第2のプラスチックライニングホイルでポケットを被覆することと、(d)周辺シールを形成するために、第1および第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することであって、前記周辺シールは、プラスチックを融解し、プラスチックの一部分をシール領域からポケット内に押し出すために、超音波溶接を適用することによって形成される、ことと、を含む、プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性のシールを形成する方法に関する。このシールは、液体相およびガス相を含む、実質的にガス気密性のポケットを形成し、それによって、周辺シール内のプラスチックの平均厚が、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄くなる。
【0033】
別の実施形態においては、本発明は、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分がいっしょに封止される場所でプラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、プラスチックライニングホイルで形成された、実質的にガス気密性のシールに関する。このシールは、シール領域からプラスチックを実質的に除去し、かつホイルを融解し、前記シール領域内に金属対金属シールを形成するために十分な溶接エネルギーを加えることによって形成される。溶接エネルギーは、好ましくは、超音波エネルギーまたはレーザエネルギーによって提供される。
【0034】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む、内側プラスチック周辺シールによって囲まれた封入容器を形成するために、領域およびプラスチック面を整合させ、接合させ、いっしょに封止させたホイルの所定の領域上にプラスチックライニングを有するホイルの2つの部分を含み、ホイルの2つの部分の周囲部分がいっしょにレーザ溶接され外側金属間シールを形成している、内側プラスチック周辺シールと外側金属間シールとを有する、実質的にガス気密性のホイルパウチに関する。
【0035】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む、内部封止されたプラスチック封入容器と、ホイルの2つの部分が前記プラスチック封入容器を封入する外側金属間シールを形成するためにいっしょにレーザ溶接される、外側封止されたホイル封入容器とを含む、実質的にガス気密性のパウチに関する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】流体収容パウチを充填し、かつ封止するための、自動形成、充填および封止プロセスの概略設計を図示する。
【図2】図1に示す自動流体収容パウチ封止システムに進入するときの、封止ホイルの2つの部品の断面図を図示する。
【図3】従来の流体収容パウチ封止治具を図示する。
【図4】封止領域を示す、従来通り封止された流体収容パウチの上面図を図示する。
【図5】特許文献1に説明するように、封止後の流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。
【図6A】本発明の例示的実施形態に従う、封止後の2つの流体収容パウチのシール領域の断面顕微鏡写真を例示する。
【図6B】本発明の例示的実施形態に従う、封止後の2つの流体収容パウチのシール領域の断面顕微鏡写真を例示する。
【図7A】本発明の例示的実施形態に従う、図1に示す、システムを使用して製造される流体収容パウチの上面図。
【図7B】図7Aの流体収容パウチの斜視図。
【図7C】図7Aの流体収容パウチの側面図。
【図7D】従来通り封止された図7Aの流体収容パウチの斜視図。
【図7E】図7Aの流体収容パウチのもう一つの斜視図。
【図8】本発明の例示的実施形態に従う、封止治具の断面図を図示する。
【図9】図8に示す、圧着治具の圧着領域の接近断面図を図示する。
【図10】下部圧着治具に対して定置される、下部封止ホイル2を有する、圧着領36のさらなる接近断面図を図示する。
【図11A】制御された温度で延長された期間、制御されたガス環境において、流体収容パウチを保管するために使用される、ガス制御保管容器を図示する。
【図11B】制御された温度で延長された期間、制御されたガス環境において、流体収容パウチを保管するために使用される、ガス制御保管容器を図示する。
【図12】図11Aおよび11Bに示す、ガス制御保管容器の分解図を図示する。
【図13】本発明の実施形態に従う、超音波溶接システムを図示する。
【図14】本発明の超音波溶接実施形態に従い、流体収容パウチの上部封止ホイル層と下部封止ホイル層との間に位置する、Primacorを用いて製造される、流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図15A】本発明の超音波溶接実施形態に従い、流体収容パウチの上部封止ホイル層と下部封止ホイル層との間に位置する、Primacorを用いて製造される、流体収容パウチの別のシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図15B】図15Aの領域の接近断面図である。
【図16】本発明の超音波溶接実施形態に従い、流体収容パウチの2つの封止ホイル層との間に位置する、ラッカーを用いて製造される、流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図17】図16に示す断面の一部分の接近図である。
【図18】本発明の代替的実施形態に従う、レーザ溶接システムを図示する。
【図19】本発明の代替的実施形態に従い、流体収容パウチの2つの封止ホイル層との間に位置する、Primacorを使用するレーザ溶接を使用して、製造される、流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図20A】本発明の代替的実施形態に従い、流体収容パウチの2つの封止ホイル層との間に位置する、Primacorを使用するレーザ溶接を使用して、製造される、流体収容パウチのシール領域の断面のさらなる顕微鏡写真である。
【図20B】図20Aの接近図である。
【図21】本発明の様々な実施形態に従う、様々なシール設計の様々なパラメータおよび改善度を表にする。
【図22】本発明の様々な実施形態に従う、様々なシール設計のそれぞれのために図21に表示した、改善度のプロットである。
【図23】約180日間の期間にわたり、50℃で保管された流体収容パウチの2組の二酸化炭素(CO2)圧力対時間のデータプロットを図示し、流体収容パウチの第1の組は、従来の方法で封止されており、流体収容パウチの第2の組は、本発明の実施形態に従う方法を使用して封止されている。
【図24】流体収容パウチの第1の組および流体収容パウチの第2の組の破裂強度と破裂強度変化を比較した、データプロットを図示する。
【図25】本発明の代替的実施形態に従う、圧着治具の圧着領域の接近断面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の新規特性および利点は、付随の図面と併せて読む時に、それに続く発明を実施するための好ましい実施形態への参照により、より良く理解されるであろう。
これから、好ましい実施形態の様々な特性を、同じ部品が同一の参照番号で特定される図面を参照して説明する。
【0038】
本発明は、i−STAT血液試験システムに有用な実施形態に関して説明する。しかしながら、当業者は、本発明が、臨床および非臨床環境の両方に使用される、水質試験を含むが、それに限定されない、他の同様のシステムに対する広域な適用性を有することを理解するであろう。i−STATシステムの広範囲にわたる説明は、以下の共同所有の特許で確認することができ、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる:特許文献1、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、および特許文献12。
【0039】
i−STATシステムは、様々な単回使用の使い捨てカートリッジで動作する、手持ち式読み取り機を備える。各カートリッジは、例えば、ナトリウム、カリウム、グルコース、クレアチニン、pH、酸素、二酸化炭素、トロポニンI、B−ナトリウム利尿ペプチド、および同等物等の様々な分析物の濃度を測定するために使用することができる、1組の電気化学センサを備える、シリコーンチップを有する。
【0040】
各i−STATカートリッジはまた、サンプルと反応するように、または洗浄流体として、較正を提供するために、分析プロセス、例えば、アッセイプロセス中に使用される、流体を収容する気密性封止されたホイルパウチを有する。較正のために流体が使用される場合では、第1のステップにおいて、パウチは、読み取り機によって生成された力によって破裂させられる。次いで、流体は、導管を流れ、センサと接触する。読み取り機と電気接触しているセンサは、読み取り機によって記録される較正用信号を生成する。第2のステップにおいて、血液サンプルは、較正用流体を置換する導管を通って押し出され、血液サンプルと接触しているセンサからの信号が、記録される。読み取り機は、較正用流体内の分析物の公知の濃度に基づき、2つの信号を使用するアルゴリズムによって、血液中の分析物の未知の濃度を計算することができる。
【0041】
例示的実施形態に従い製造された流体収容パウチは、病院および他のユーザのために、製品の簡略化された発送および保管の利点を提供する。例示的実施形態に従い、高度なパウチ封止技術は、パウチの形成中に使用される。好ましい実施形態においては、材料の対向シート、例えば、ホイルは、それらが相互に融合され、その周辺において実質的に液体およびガス不透過性である界面を生成するように、相互に封止される。好適な封止プロセスの例としては、他のパウチ封止技術の中でもとりわけ、熱圧着、圧力圧着、熱および圧力圧着、超音波溶接、金属間溶接およびレーザ溶接が挙げられる。
【0042】
当業者は、得られるパウチの完全性が、流体、例えば、較正用流体の完全性に直接左右されることを理解するであろう。これは、流体が製造された時間とパウチ内に封止された時間との間、およびそれが、例えば、アッセイに使用される時に、実質的に不変のままであることを意味する。この時間差は、数ヶ月であり得る。その結果、パウチの封止は、その完全性に極めて重要である。
【0043】
従来の流体収容パウチの形成および封止
図2に示すように、各封止ホイル2a、2bは、プラスチックライニング側面10とホイル側面8とを備える。従来の方法に従い、図3に図示する、治具4は、一般に凹型形状の下部部分4a、と平面である上部部分4bとを備える。この状況においては、「凹型」という用語は、一般に、凹型形状ではない可能性もある、くぼみ部分を指すために使用される。下部部分4aおよび/または上部部分4bのうちのいずれか、または両方は、発熱体6a、6bをそれぞれ含む。封止ホイル2aの一部品は、下部の凹型部分4aから離れて対向する、ホイル2aのプラスチックライニング側面10を有する、治具4の下部部分4aによって、凹型態様で形成される。凹型形状へのホイルの形成は、圧縮空気手段によるか、真空チャックを用いるか、または凹型形状を有するプレス機の使用によるものであり得る。次いで、下部部分4aの凹型領域内に配置されるホイル2aは、所望の流体5(図3に示す)、例えば、較正用流体で部分的に充填され、第2の封止ホイル2bは、封止ホイル2aのプラスチックライニング側面(図2および3に示す)を接合する、封止ホイル2bのプラスチックライニング側面を有するホイル2aの上部に定置される。次いで、治具4の上部部分4bは、封止をもたらすように、封止ホイル2a、2bの2つの部品に適用され、熱および圧力は、発熱体6a、6bを通って、封止ホイル2a、2bの周辺領域に加えられる。その結果、ホイル2a、2bの2つの個別のプラスチック層10a、10bはそれぞれ、ホイル2aおよびホイル2bを相互に融合した単一のプラスチック相を形成するように、いっしょに融解する。このプロセスは、以下のように段階的に効果的に進められる(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成すること、(b)ポケット内に液体を沈着させること、(c)プラスチック面を相互に接合させるよう第2のプラスチックライニングホイルでポケットを被覆すること、および(d)周辺シールを形成するために、第1および第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することであって、周辺シールは、周辺シールをもたらすために十分な熱および/または圧力を加えることによって形成される。図4は、周辺封止面積52(番号記号)を示す、従来通り封止された流体収容パウチ50の上面図を図示する。図7Dは、同様のパウチ50の斜視図を図示する。
【0044】
図5は、上述の従来の治具4で封止した後の流体収容パウチ100のシール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。示すように、上部の層ホイル2bは、下部のホイル層2aに極めて接近し、上部および下部のプラスチック層10b、10aはそれぞれ相互に融解して、単一の連続プラスチック層9を形成している。顕微鏡写真は、プラスチックシール層(上部のホイル層2bおよび下部のホイル層2aのそれぞれの上部および下部のプラスチック層10b、10aから成る)は、シールが生じる全領域にわたって実質的に均一の厚さを有する。上述のように、本発明の流体収容パウチは、パウチ内からパウチの外部の環境大気へのガス交換をより阻害する、シールを有する。
【0045】
改善された流体収容パウチ
いくつかの実施形態においては、本発明は、実質的に液体およびガス不透過性であるシールを有する、改善された流体収容パウチを対象とする。本仕様書および請求項の目的のために、シールが、30mmHg未満、好ましくは20mmHg,または10mmHg未満の、下記に説明するパウチの完全性試験のΔpCO2値をもたらす場合、それは「実質的に液体およびガス不透過性」である。10mmHg未満のΔpCO2値をもたらすパウチは、それらが特に室温において、従来のパウチよりも改善されたパウチの保存期間を提供するため、非常に望ましい。別の態様においては、本発明は、流体収容パウチを形成するための様々なプロセスを対象とする。
【0046】
パウチは、例えば、材料が目的とする形状を保持するよう、1つもしくは複数の屈曲を有する、通常の波動で材料を圧着(例えば、熱および/または圧力を用いる)、超音波溶接、レーザ溶接、および折り畳むことによって形成され得る。好ましい実施形態においては、流体収容パウチは、熱および圧力が対向ホイルを相互に封止し、実質的に液体およびガス不透過性であるシールを形成するために加えられる、圧着プロセスによって封止される。好ましくは、熱は、プラスチックを融解するために十分であり、圧力は、融解したプラスチックの一部分をシール領域からポケット内に押し出すために十分であり、それによって、周辺シールのプラスチックの平均厚が2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄い、好ましくは、加熱前の2つのプラスチックライニングの合わせた厚さよりも、少なくとも25%薄い、例えば、少なくとも50%薄い、少なくとも75%薄い、少なくとも90%薄い構造がもたらされる。
【0047】
図6Aおよび6Bは、本発明の2つの例示的実施形態に従う、シール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。これらの顕微鏡写真は、シールの画像が記録されるように、パウチを切断し、それを樹脂ブロック内に載置し、表面を研磨して作製された。具体的には、樹脂、例えば、Crystalbond(登録商標)を加熱し(約250℃)、構成要素を用いて鋳型内に定置した。冷却後、好ましくは、例えば、まず、徐々に細かくなる研磨剤である、800研磨紙で樹脂を用いて、次いで、光学的に十分な表面が生成されるまで、最終的に3μmのダイアモンド研磨を用いて研磨した。暗い領域の画像は、より優れた詳細を提供することが分かっており、本方法を示した画像に使用する。
【0048】
図6Aの実施形態に示すように、下部の封止ホイル2aは、減少したプラスチック封止領域12(減少した厚さ)を形成するために圧着治具18(図8参照)を使用して、上部封止ホイル2bおよび形成内部プラスチックシールビーズ14で封止されており、その正味の影響は、下記により詳細に説明するように、実質的に液体およびガス不透過性であるシールを提供する。図6Bの実施形態においては、下部封止ホイル2aは、減少したプラスチック封止領域12(減少した厚さ)を形成するために圧着治具18(図8参照)を使用し、および実質的に液体およびガス不透過性であるシールを提供するための内部プラスチックシールビーズ14ならびに外部プラスチックシールビーズ16を形成する上部封止ホイル2bで封止されている。図6Aの実施形態は、例えば、外側ビーズ16を除去するように、減少したプラスチック封止領域内のパウチを(任意に、図1を参照して下記に説明する、穿孔ステーション32内)をトリミングすることによって、図6Bの実施形態から形成され得る。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態に従い、流体収容パウチを充填し、封止するための自動形成、充填、ならびにシールプロセスおよびシステム(パウチ封止システム150)の概略設計である。好ましい実施形態に従い、封止ホイル2a、2bは、約0.01〜約2.0mm、好ましくは、約0.02〜約0.05mmの範囲、好ましい実施形態においては、約0.0015インチ(0.038mm)の呼び厚さを有する、アルミニウムホイル8を含む。このホイルはまた、好ましくは、そのホイル上に形成された、約0.005〜約0.5mm、好ましくは、約0.01〜約0.05mm、好ましい実施形態においては、約0.0008インチ(0.020mm)の呼び厚さを有する、プラスチック層10を含む。
【0050】
プラスチック層に使用される具体的なプラスチック材料は、大幅に異なり得る。いくつかの例示的実施形態においては、そのプラスチックは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンおよびポリプロピレン、例えば、Dow Corning(登録商標)Primacor(登録商標)プラスチックライナーから選択される。製造中、プラスチック層10は、好ましくは、アルミニウムホイルロール8上に押し出される。当業者は、例えば、PVCでコーティングされたアルミニウム、またはポリエチレンでコーティングされたアルミニウムを含む、他のライニングホイルを使用することもできることを認識するであろう。ホイル層には、アルミニウムの使用の他に、銅もしくは真ちゅうホイル、または他の金属ホイルを使用し得る。
【0051】
図1に示すように、封止システム150は、形成ホイル巻き戻しステーション20、アクティブ/パッシブインデックスステーション(インデックスステーション)22、形成ステーション24、流体分配ステーション25、蓋ホイル巻き戻しステーション26、シールステーション28、ディンプルステーション30、穿孔地点32、およびリアインデックスステーション33を含む、いくつかの構成要素を備える。下部封止ホイル2aを保持し、分配する、形成ホイル巻き戻しステーション20は、ガイドローラ、駆動ローラ、およびカウンタゴムローラを含む、様々な材料のリール幅の調節を含む。封止ホイル2aの移動を可能にする、インデックスステーション22は、アクティブインデックスのための機械的停止部を有する摺動テーブル上の空気圧式ドライバ、および封止ホイル2a上の一定張力を維持するためのバネ戻りパッシブインデックスを含む。インデックスステーション22は、アクティブおよびパッシブインデックスの両方のために調節可能である。形成ステーション24は、成形された形状(図8に示す、凹型圧着治具18)にわたる高圧の加圧によるか、または機械的変形によって、ホイルを空気圧で冷間成形する。どちらの方法も、流体が流体分配ステーション25内で分配されるポケットを形成する。流体分配ステーション25は、ポンプおよびコントローラ実装部を含む。様々な実施形態に従い、約0.01〜約2の流体を使用し得る。好ましい実施形態においては、約0.1〜約0.3mLが使用され、好ましくは、約0.16mLの流体、例えば、較正用流体、反応物流体、または洗浄流体が各ポケット内に分配される。
【0052】
蓋ホイル巻き戻しステーション26は、上部封止ホイル2bを提供し、様々な材料のリール幅およびガイドローラのための調節を含む。シールステーション28は、蓋ホイル巻き戻しステーション26に続く。圧着治具18の部品を形成する、シールステーション28のシール構成要素は、冷却された上部プレートおよび加熱された上部封止プレート(図8に示す、平面の圧着治具18b)、ならびに温度コントローラを含む。例示的実施形態に従い、シール温度は、使用されているプラスチックの融解点に左右され、典型的には、約200℃〜約500℃、例えば、約200℃〜約450℃の範囲である。これらの値は、プラスチックの文献から容易に得られる。Primacorを使用する、好ましい実施形態においては、約300〜400℃の封止温度を使用することが好ましく、実際のパウチの産生では、温度を、360℃±5℃に設定した。シール力は、好ましくは、初期で約900ニュートン±50Nであり、封止サイクル中に約6,700ニュートン±230Nの最大力まで増加させる。任意に、周辺シールは、約5,000lb/平方インチ(34.5MN/m2)〜約9,000lb/平方インチ(62.1MN/m2)の範囲、および任意に約6,666lb/平方インチ(46.0MN/m2)の圧力を加えることによって形成される。
【0053】
当業者は、シールの領域が、確実なシールを得るために所望の適用した圧力に影響を及ぼすことを理解するであろう。これは、本明細書に説明する方法を使用する、必要以上の実験を伴わずに確認し得る。流体分散ステーション28はまた、好ましくは、封止力を監視するためのロードセルを含む。
【0054】
例示的封止システム150の次の構成要素は、ディンプルステーション30である。ディンプルステーション30は、封止されたホイルパウチの1つの側面を機械的に変形させて、圧痕を形成する。圧痕は、好ましくは、図7Aおよび7Bに示すように、流体収容パウチ100のポケットの中心にある。図7A〜7Cは、封止システム150を使用して製造された流体収容パウチ100の上面図、斜視図、および側面図をそれぞれ図示する。図7Eは、圧着縁部101を示す、さらなる斜視図を提供する。(比較のために、図7Dは、圧着縁部101が欠乏する、従来通りの封止された流体収容パウチを図示する)。図1に図示しない、レーザを使用して、圧痕の寸法を測定することができる。i−STATカートリッジにおいて、圧痕の目的とは、ホイルパウチとの穿孔要素の早期接触を回避することである。
【0055】
例示的封止システム150はまた、ホイルリールから流体収容パウチ100を切り抜くように機能する、穿孔つまり切断ステーション32を含む。穿孔ステーション32は、例えば、テーブル、ガイド支柱、ダイアルインジケータ、および調節ネジを含み得る。さらに、穿孔ステーション32は、例えば、1分当たり約10〜約100サイクルの範囲、典型的には、1分辺り約30サイクルの速度で、穿孔された流体収容パウチ100を排出コンベヤに排出する、送達シュートを含み得る。ホイルの幅が2つ以上のパウチに対応する場合に、生産速度は、2倍、3倍等になることに留意されたい。好ましい封止システム150においては、ホイルの幅は、3つの隣接するパウチに対応する。インデックスステーション22と同様の方法で動作し得る、リアインデックスステーション33が穿孔ステーション32に続く。
【0056】
好ましい実施形態に従い、図1に示すように、プラスチックライニング封止ホイル2a、2bの2つの個々の部分は、流体収容パウチ100を作製するために使用される(すなわち、封止ホイル2の2つの個別のロールが共に集結され、相互に融合される)。別の実施形態においては、封止ホイル2の単一部品が、流体収容パウチ100を製造するために使用される。この代替的実施形態に従い、封止ホイルの単一部品は、例えば、折り畳まれ、対向する端部を封止して流体収容パウチ100を形成する。
【0057】
封止ステップ前の1つもしくは複数のステップ、例えば、液体適用および封止ステップは、パウチ内に収容される、得られるガス相組成物を制御するために、制御された気圧において実施され得る。例えば、グローブボックスは、この目的のために使用され得る。さらにまたはあるいは、液体相の化学組成物は、封止後にガス相組成物を実質的に決定するために選択され得る。可能な場合、全体の製造プロセスを簡素化するため、後者が好ましい。例えば、重炭酸塩を流体に添加し、ヘッドの間隙がない、封止された分配容器内で保管することができる。次いで、混合された流体および重炭酸塩は、ポケット内に分散され、即座に封止することができる。その後、重炭酸がパウチ内の小さなヘッドの間隙内の空気と平衡するため、流体およびヘッドの間隙内の二酸化炭素の分圧が決定される。重炭酸の平衡は、周知であり、反応順序
【0058】
【化1】
に従う。
【0059】
上述のパウチ形成プロセスは、ホイル形成治具が、封止治具とは分離して実質的な手動フォーマットで実施され、充填ステップは、手動ピペットによって行われる。しかしながら、自動流体収容パウチリールベースの封止システム150を示す、図1に示すように、ホイル2a、2bのロールが形状に断続的に送り込まれ、充填され、封止されるプロセスが自動であることが好ましい。自動化は、流体分散ステップと封止ステップとの間の時間が共に短くなり(例えば、約1秒〜約10秒)、パウチ毎に制御されることを可能にする。
【0060】
図8は、流体分散および封止ステーション28に使用する、例示的実施形態に従う、圧着治具18の断面図を図示し、図9は、図8に示す、治具18の圧着領域の接近断面図を図示する。圧着治具18は、下部の凹型圧着治具18aと、平面の圧着治具18bとを含む。示すように、圧着治具の開口部34は、形成ホイル巻き戻しステーション、インデックスステーション22、および形成ステーション24から下部の凹型圧着治具18aの上を通過すると、真空の任意の適用により、下部封止ホイル2aを許容する。下部封止ホイル2aの外周縁は、圧着領域36の上に位置する。図9でより詳細に示される、圧着領域36は、内部圧着領域縁38と、平面の圧着領域40と、外部圧着領域縁42とを含む。示すように、内向きに角度付けされた縁39は、内部圧着領域縁38および平面圧着領域40を分離する。プレス中、内向きに角度付けされた縁39は、平面圧着領域40から内部圧着領域縁38に向かう、融解されたプラスチックの内向きの移動を促進する。さらに、またはあるいは、その圧着領域は、外部圧着領域縁42から圧着領域40を分離する、外向きに角度付けされた縁(図示せず)を含み得、外向きに角度付けされた縁は、平面圧着領域40から外部圧着領域縁42に向かう、融解されたプラスチックの外向きの移動を促進する。
【0061】
図8は、下部の凹型圧着治具18aの一部として、圧着領域36を図示するが、別の実施形態(図示せず)においては、その圧着領域は、上部圧着治具の一部であり、下部の凹型圧着治具の周辺領域は、実質的に平面である。別の態様(図示せず)においては、上部および下部の圧着治具の両方は、圧着領域を含む(すなわち、上部または下部の圧着治具のいずれも、その周辺において実質的な平面領域を含まない)。
【0062】
図10は、下部封止ホイル2aが下部の凹型圧着治具18aに対して定置され、かつ、開口部34が、封止ホイル2aを許容した後であるが、上部封止ホイル2bおよび上部平面圧着治具18bが、下部封止ホイル2aおよび下部圧着治具18aに対してプレスされる前の、圧着領域36を図示する。結局、圧着流体収容パウチ100を形成するために、好ましくは、熱の存在下(下部凹型圧着治具18aおよび/または上部平面圧着治具18bのうちのいずれか、または両方が加熱され得る)で、上部平面圧着治具18bおよび上部封止ホイル2bを下部封止ホイル2aおよび下部圧着治具18aに対してプレスすることによって、力をかける。上記のように、ホイル2a、2bのプラスチック側面は、ホイル2aおよびホイル2bのプラスチックが相互に融解され、内部および/または外部プラスチックシールビーズをそれぞれ形成するために、平面圧着領域40から内向きおよび/または外向きに移動するように、好ましくは、相互に対向するか、または接合される。
【0063】
平面圧着領域40の幅(W)は、大幅に異なり得る。いくつかの異なる設計変更(A〜H)は、平面圧着領域40の幅がガス処理における流体収容パウチ100のCO2に抵抗する能力に及ぼす影響を判定するために試験された。いくつかの設計寸法、A、B、C、およびDを、図7A〜7Cに示す。試験設計A〜Hのための設計パラメータを図21に提供する。一実施形態においては、寸法AとBとの間の差異は、流体収容パウチ100の2つの側面上の平面圧着領域40の幅(単一側面では、[A〜B]/2)を提供し、寸法CとDとの間の差異は、流体収容パウチ100の他の2つの側面上の平面圧着領域40の幅を提供する。他の態様においては、平面圧着領域40は、流体収容パウチ100の2つの側面上の寸法AとBとの間の差異よりも少なく(例えば、寸法AとBとの間の差異よりも、10〜90パーセント少ない、25〜75パーセント少ない、または45〜55パーセント少ない)、および流体収容パウチ100の他の2つの側面上の寸法CとDとの間の差異よりも少ない(例えば、寸法CとDとの間の差異よりも、10〜90パーセント少ない、25〜75パーセント少ない、または45〜55パーセント少ない)。圧着された領域が、寸法AとB、および/または寸法CとDとの間の差異よりも少ない、これらの態様においては、圧着領域は、好ましくは、寸法AとB、または寸法CとDとの間をそれぞれ中心とする。結果を、図21に表にし、図22に図形で示し、下記により詳細に説明する。図21はまた、A、B、C、およびDの寸法の関数である、平方インチの封止領域を表にする。
【0064】
図5は、加熱プレス後の従来の流体収容パウチ100のシール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。この顕微鏡写真は、プラスチックシール領域12が、シール全体にわたって実質的に均一の厚さを有することを示す。対照的に、本発明の例示的実施形態に従う、圧着ステップの影響を、図6Aおよび6Bの顕微鏡写真に示す。示すように、上部および下部の封止ホイル2の両方のプラスチック10のうちのいくつかは、内部プラスチックシールビーズ14を形成するために、シール領域12から流体収容パウチ100の内部内に、すなわち、圧着領域36から離れて押し出されている。これらの画像は、圧着後に、圧着領域36の外縁および圧着領域36の内部の両方に向かって押し出されると、圧着領域36内のプラスチック層が実質的に厚さを減少したことを明確に示すことに留意されたい。その圧着領域内のシールの厚さは、大幅に異なり得るが、いくつかの例示的実施形態においては、2〜30μm、例えば、2〜20μM、または2〜10μmの範囲である。圧着領域にわたって厚さが異なる、これらの実施形態においては、これらの範囲は、圧着領域全体にわたる平均厚を指す。
【0065】
図6Aおよび6Bに示す実施形態においては、封止ホイルの各層上のプラスチック層10の初期の製造された厚さは、約0.0008インチ(または約0.020mmもしくは20μm)である。したがって、圧着前のプラスチックの平均厚は、ホイル2aおよびホイル2bの両方を考慮すると、約0.0016インチつまり40μmの範囲である。圧着後、プラスチックシール領域12は、好ましくは、約1μm〜約10μm、約3μm〜約7μmの範囲、または好ましくは、約5μmの平均厚を有する。したがって、本発明のこの実施形態は、かなりの倍数で、全体のシールの断面のプラスチック領域を実質的に減少させる。好ましい実施形態においては、全体のシール幅は、約2mmであり、シール周辺の長さは、約75mmである。
【0066】
本発明の様々な実施形態において、多くの異なる圧着パターンを使用し得る。いくつかの例示的試験パターンから得られるシールの有効性を図21に示す。様々な設計A〜Hは、異なって選択された封止表面を有した。図7A〜7Cに示すように、これらのパウチ設計は、全体的に長方形の形状を有したことに留意されたい。その結果、長方形設計の長軸および短軸の内側および外側シールは、特定の寸法を有する。各設計A〜Hでは、較正用流体をそれぞれ収容するパウチのバッチは、ガス交換を試験するために調製された。パウチ完全性試験(PIT)システムおよび方法を下記により詳細に説明する。
【0067】
パウチ完全性試験
図11Aおよび11Bは、PITを実施する目的で、制御された温度で延長された期間、制御されたガス環境下で流体収容パウチを保管するために使用する、ガス制御保管容器44を図示し、図12は、図11Aおよび11Bに示す、ガス制御保管容器44の分解図を図示する。保管容器44は、ガス入口ポート46とガス出口48とを有する、封止可能な金属ボックス45を備える。保管容器44は、試験前に、制御された条件、例えば、温度、圧力、および外部ガス組成物下における流体収容パウチのインキュベーションを可能にする。保管容器44内に定置される、流体収容パウチは、異なる期間の間、インキュベートされ、次いで、シールを通って生じたガス交換の量を測定するために試験することができる。PITにおいては、較正用パウチは、較正用管または注射器を用いて破裂させられ、内容物は、化学分析システム、例えば、商業用血液ガス分析器または臨床化学分析器内に導入される。当業者は、商業用血液ガス分析器がpO2、pCO2、およびpHを試験し、毛細管または注射筒によって送達されるサンプルに対応することができる、サンプル導入ポートを有することを認識するであろう。PITは、ガス組成物を判定するための特定の装置に左右されないことに留意されたい。重要な要素は、試験手段が、容器44内でのインキュベーション前後のサンプルの溶解したガス組成物を決定するための確実な方法を提供することである。さらに、パウチが単回使用の使い捨て構成要素であるため、同一の方法でパウチのバッチを作製し、次いで、時間の経過に伴う、シール設計の全体の性能を判定するために、PITプロセスの異なる段階でバッチの部分を試験する必要があることを理解する。
【0068】
PITを以下のとおり実施した。確実にサンプルが保管容器44の内側のガス入口ポート46およびガス出口ポート48を被覆しないように、流体収容パウチを保管容器44内に定置する。次いで、O型環56を清浄し、領域およびO型環56が、適切なシールを防止し得る、任意の汚染物質を含まないことを確認して、O型環溝58内に定置する。次いで、保管容器44の蓋54を、供給されたハードウエアを使用して、封止可能な金属ボックス45を封止し、6個のボルト64を交差パターンで締める。次いで、保管容器44上の入口弁60および出口弁62を開口し、入口弁60をCO2ガスシリンダ(図示せず)に接続する。好ましくは、保管容器44の容量の少なくとも10倍のCO2ガス流を、最低限約15分間、保管容器44を満たすために使用する。最終的に、入口弁60を閉じ、次いで、出口弁62を閉じる。次いで、保管容器44を、所望の試験環境下、例えば、制御された温度で保管する。
【0069】
本明細書に説明するPITにおいては、各流体収容パウチは、以下を収容した:pH7.3の47mMのHEPES緩衝液中のグルコース(90mg/dL)、尿素(4.0mM)、ナトリウム(118mM)、カリウム(4.0mM)、塩素(100mM)、カルシウム(1.5mM)、および乳酸(2.0mM)を含有する、160μLの水溶液。勿論、試験するパウチの具体的な目的によって、他の流体を使用し、PIT下で分析し得る。十分な重炭酸はまた、パウチ内のガス相が約100μLである、初期の28mmHgのpCO2を生じるために存在した。PITにおいては、パウチを、8日間、1気圧の二酸化炭素で上述のインキュベーション容器内に保管する。これらの実験を50℃の温度で実施した。パウチ内の初期のpCO2を測定し、パウチ内のpCO2を、再度、実験の最後に測定した。典型的には、pCO2(初期)は、第1のパウチを毛細管で破裂させることによって測定され、pCO2(最終)は、同一の方法で決定されるが、第1のパウチと同一のパウチ内に形成された第2のパウチから測定される。pCO2(初期)とpCO2(最終)との間の差異は、ΔpCO2値を提供し、それは、パウチの完全性を示し、より低いΔpCO2値は、少ないガス交換、したがって、より優れたシールを示す。
【0070】
提案した各設計を、上述のインキュベーション容器を使用して加速試験モードで評価した。流体収容パウチ(A〜H)のいくつかのサンプルを、二酸化炭素の1気圧で インキュベーション容器内に定置し、8日間保管した。これらの実験を50℃の温度で実施した。パウチ内の初期のpCO2(一般に、約28mmHg)を測定し、pCO2を実験の最後に再度測定した。従来のシールを用いる標準的プロセスでは、最終pCO2は、約60mmHgであった。これは、上述のように、シールを通るCO2の侵入によるものであった。この32mmHgのΔpCO2値を、様々な圧着設計を試験するための基準結果として使用した。図21の表は、本明細書において、新たなプロセスのためのΔpCO2で割った標準プロセスのためのΔpCO2として定義する、改善度を列挙する。Aの設計では、ΔpCO2値は、標準プロセスで認められた32mmHgよりも遥かに少なく、4.8の改善度を生じる。他の設計のための改善度を図21に列挙し、図22において図形で示し、設計Eが最良の結果をもたらす。設計Eをすぐ下記に説明する試験に使用した。
【0071】
長期安定性研究
次の一連の実験を、通常の保管条件、すなわち、冷蔵または室温のうちのいずれかの環境大気下での設計Eの長期性能を示すように設計した。これらの実験もまた、加速モード、すなわち、試験サンプルを50℃で保管することによって実施した。当業者は、プラスチックのガス透過性が一般に温度に伴い上昇するため、加速モードで得られた満足のいく結果が、環境または冷蔵温度において同様または(おそらく)より良い性能を示さなければならないことを認識するであろう。
【0072】
設計Eの流体収容パウチ100内のヘッドの間隙またはガス相は、約100μLの容量を有し、流体収容パウチ100内のCO2の分圧は、血液サンプルに見られる分圧、例えば、約28mmHgと同様であった。対照的に、環境大気中のCO2濃度は、約0.03%、または約0.24mmHgである。これは、実質的に少なく、したがって、流体収容パウチ100からのCO2の損失を生じさせる駆動力である。駆動力は、質量作用の法則に基づき、ネットプロセスは、CO2がプラスチックシールを通って徐々に拡散し、流体収容パウチ100から出ることである。当業者は、上述のPIT実験と同様の試験が二酸化炭素ガスではなく、環境大気で実施できることを理解するであろう。1気圧(760mmHg)で二酸化炭素を使用することにより、CO2の侵入のための駆動力が提供される一方、環境大気は、放出のための駆動力を提供する。それらの両方は、シールの完全性に関する情報を提供することができるが、PITは、パウチ内のpCO2の増加を測定することがより容易であり、また、結果がよりすぐれた駆動力によって、より早く得られるため、二酸化炭素環境を使用する。上昇温度は、2種類のパウチ、例えば、例示的実施形態に従い圧着されたパウチと、従来通りに封止された流体収容パウチ50との間の明白な差異を認めることを意図して、ガス輸送の速度を増加させるために使用されることに留意されたい。
【0073】
流体収容パウチ100のCO2の内部の初期分圧における任意の変化を判定するために、流体収容パウチ100の一部を断続的に試験した。具体的には、0日、30日、60日、90日、120日、150日、および180日の時点で、流体収容パウチ100および従来の流体収容パウチ50の両方を、50℃の環境大気インキュベータから除去し、試験した。これは、それらをi−STAT EG7+カートリッジに組立て、28mmHgのpCO2で、二酸化炭素(pCO2)の得られた分圧対圧調整された対照流体を試験することによって行われた。pCO2は、電気化学pCO2センサを使用する、i−STATシステムによって提供される標準試験であることに留意されたい。
【0074】
背景として、i−STAT読み取り機内の試験アルゴリズムは、較正用流体内に記録された信号に28mmHgの値を代入することに留意することが重要である。これは、工場での較正プロセスであり、読み取り機は、較正用流体のpCO2値が28mmHgであると仮定するソフトウエアで事前にプログラムされ、流体収容パウチ100は、28mmHgであることを意図する流体組成物を用いて製造される。流体収容パウチ100のバッチが作製され、試験機器内に組立てられた時点で、バッチの統計的に有効なサンプルを、目的としたpCO2値が実際に認められるか否かを判定するために試験した。認められた場合は、流体収容パウチ100のバッチは、カートリッジ内に組立てることができ、次いで、顧客に発送することができる。
【0075】
その結果、実験において、較正用流体および圧調節された流体の両方が、約28mmHgの濃度を有する場合には、次いで、これは、報告値になるであろう(図23のデータ点を参照)。しかしながら、センサが実際に28mmHgである圧調節されたサンプルを提示された時に、読み取り機が事前にプログラムした28mmHg値を較正用流体からの信号に代入するため、CO2が流体収容パウチ100から喪失されており、実際の値が、例えば、10mmHgである場合には、報告値は、より高くなるであろう。報告値が28mmHg以上であるという範囲は、保管中にどれほどのCO2がパウチから喪失されているかの測定値である。
【0076】
図23は、約180日間にわたり、50℃で保管された、2組の流体収容パウチの二酸化炭素(CO2)の分圧対時間のデータプロットを図示し、流体収容パウチ50の第1の組は、従来の方法で封止されており、流体収容パウチの第2の組は、本発明の例示的実施形態(設計E)に従う方法を使用して圧着されている。図23においては、ダイアモンドは、設計Eの流体収容パウチのpCO2値を表し、四角は、従来の流体収容パウチ50のpCO2値を表し、それらの両方は、データ点を通って計算された直線の当てはめを用いて、50℃で保管される。初めに、パウチの両組のpCO2は、約28mmHgを読み取った。しかしながら、180日後に、標準パウチ内のpCO2は、圧調節された流体サンプルが約47mmHgを読み取らせせるように有意に低下した一方、設計Eに従い製造された流体収容パウチは、約31mmHgを読み取るように、わずかに変化したのみであった。
【0077】
これは、圧着ステップが、シールの断面を狭窄するにもかかわらず、シールへの有害な影響を有することが予期される可能性があるため、驚くべき予期せぬ有意な結果である。例えば、プラスチック層10またはホイル層8封止ホイル2のうちのいずれか、または両方における微小な亀裂の形成は、パウチ性能を低下させることが予期され得る。その結果、驚くべきことに、ガス交換を減少させることによって、圧着特性が実質的にシールを改善させることが発見された。
【0078】
上記のように、あるいは、CO2の喪失は、流体収容パウチ100(または従来の流体収容パウチ50)を破裂させ、ガラス製毛管を流体収容パウチ内の流体の一部分で充填させることによって判定し得ることも明らかであろう。次いで、流体は、流体が注入され、pCO2の結果が分析器によって報告される、標準ベンチトップ血液ガス分析器に輸送される。これらの実験においては、設計Eの流体収容パウチが、50℃で、180日後にpCO2値を実質的に変化させなかったことも示したが、従来の流体収容パウチ50は、CO2の喪失を呈した。
【0079】
破裂強度試験
図23のデータに基づく結論を、流体収容パウチ100の破裂強度に対する個別の実験で確認した。破裂強度試験においては、異なる治具を使用して、流体収容パウチ100を破裂させる、すなわち、シールの破壊故障を引き起こすために必要とされる力を判定した。圧着がシールへの損傷を引き起こす状況においては、これは、より変化しやすいシールの破裂強度をもたらすであろう。図24に示すように、従来の流体収容パウチ50の破裂強度がより高い(n=102において平均551.7Nであり、66.1(12%)の標準偏差)一方、例示的実施形態の設計Eに従う流体収容パウチ100(n=105において平均307.2Nであり、30.7(10%)の標準偏差)よりも変化しやすい。流体収容パウチ100の設計Eの、より一定の破裂強度、すなわち、より低い絶対変化は、より確実で再現性のあるプロセスを示す。より低い破裂強度は、シール領域内のPrimacor(登録商標)接着剤の量の減少を示すことに留意されたい。
【0080】
上述のように、図21は、異なる圧着設計を示す表を図示し、設計Eは、流体収容パウチ100の好ましい実施形態に対応する。これらの結果はまた、多量の需要に好適な圧着プロセスが改善され実行可能な製造プロセスをもたらすことができることを示す。所望の圧着設計は、ホイル層間の間隙が実質的に最小限化されるものである。しかしながら、圧着は、流体収容パウチ100内に収容される流体の潜在的な腐食特性およびそのアルミニウム層8との相互作用により、封止ホイル2のポリマー(プラスチック)ライナー10の完全性を妨害してはならない。圧着は、アルミニウム層8に亀裂または他の損傷を引き起こしてはならない。
【0081】
さらなる実験および設計を通して、以下の特性が流体収容パウチの好ましい実施形態を示すことを発見した。好ましい実施形態に従い、封止ホイル2の2つの部分は、約3.3cm2の面積を有する長方形、例えば、1.5cm×2.2cmである。有用なホイル面積は、約0.5cm2〜20cm2の範囲である可能性があることを発見した。
【0082】
好ましい実施形態に従い、流体収容パウチ100の封入容器の容量は、約100〜300μLであるが、約5μL〜約5mLの範囲の内部容量を有するパウチを使用し得る。したがって、封入容器内の液体相の容量は、約5μL〜約5mLの範囲である可能性がある。同様に、封入容器内のガス相の容量は、約5μL〜約5mLの範囲である可能性がある。
【0083】
好ましい実施形態に従い、封入容器内の液体相の容量は、封入容器の総容量の約50%〜95%、例えば、60%〜65%である。また、封入容器内のガス相の容量は、封入容器の総容量の約5%〜約50%の範囲である可能性がある。
【0084】
好ましい実施形態に従い、プラスチック層10の一部分は、図6Aおよび6Bに示すように、封止および圧着する作用によって、封入内に押し込まれ、シールの内周の少なくとも1部分に沿って内部シールビーズ14を形成する。このプロセスは、封止および圧着中にシール領域から喪失される、プラスチックに対応する。図5および6で見られるように、周辺シール内のプラスチックの平均厚は、2つのプラスチック層10の従来の合わせた厚さより薄く、少なくとも20%薄い。
【0085】
好ましい実施形態に従い、周辺シールは、約20mm未満、例えば、約10mm未満または約5mm未満の周幅(またはガス拡散経路長)を有する。範囲に関しては、周辺シールは、任意に、約1mm〜約20mm、最も好ましくは、約2mm〜約3mmの幅を有する。この周幅は、図7Aに示すように、好ましくは、Aの半分−(マイナス)B、またはCの半分−Dで画定される長さ以下である。具体的な周幅は、典型的には、圧着領域の幅によって決定されるであろう。また、好ましい実施形態に従い、周辺シールは、図7Aに示すように、約1cm〜約20cm、最も好ましくは、約7cm〜約8cmの周長、すなわち、2A+2Cで定義される長さを有する。
【0086】
流体収容パウチ100を圧着するための装置の好ましい実施形態を図8および図9に示すが、圧着された部分はまた、複数の同心圧着環から成り得、環は、例えば、2〜10個の数の圧着環であり得る。このコンテキストにおいては、「環」および「同心」という用語は、四角形または長方形の圧着機能が好ましいため、円形形状に制限されない。典型的には、これらは、丸角を有するであろう。例えば、図9を参照すると、平面の圧着領域40は、5つの部分に均一に分割することができ、内側、外側、および中心部分は、平面の圧着領域40に示す高さと同一の高さであり、中心部分のいずれかの側面上の2つの部分は、領域52に図示する高さを有する。この構成は、図25に示し、3つの同心圧着環を形成するように機能する。示すように、これらの環は、先端部40a、40b、40cから形成され、谷部42a、42b、および42cに対応する間隙によって分離される。勿論、他のパターンは、先端部の数および/または幅を変化させることによって同様に形成され得る。
【0087】
本明細書に示し、説明する本発明の原理に従い製造された例示的流体収容パウチは、血液試験センサを較正する上での成功を証明した。また、本発明の流体収容パウチは、冷蔵での延長された保存期間を呈し、また、延長された室温保管、例えば、6ヶ月間、実質的に変化されないままであった。本発明の流体収容パウチは、好ましくは、3ヶ月を超える、6ヶ月を超える、9ヶ月を超える、または1年を超える、室温の保存期間を有する。その結果、本発明の流体収容パウチは、本発明の流体収容パウチを収容する試験カートリッジの製造のために簡素化された発送、ならびに病院のおよび他のユーザのためのカートリッジの簡素化された保管の利点も提供する。
【0088】
さらなる例示的実施形態に従い、実質的に液体およびガス不透過性のシールを有する流体収容パウチは、図13に示す、超音波溶接機械66を使用して製造することができる。当業者は、ポリマーがそれらのガス輸送率によって特徴付けられ得、したがって、非気密性材料であることを理解するであろう。したがって、ピンホールの非存在下で、金属、例えば、アルミニウムが一般にガスに対して不浸透性であるため、金属間封止を得るための利点とみなされる。しかしながら、金属間封止の利点は、上述のように、金属との較正用流体の相互作用の可能性に対して均衡される必要がある。介在する不活性ポリマーの使用は、この潜在的な問題を未然に防ぐ。
【0089】
少なくとも2つのさらなる種類の封止ホイルは、様々な例示的実施形態に従い、超音波溶接機械66とともに使用することができ、上述の第1の種類は、Primacorでコーティングされたアルミニウムホイル(すなわち、ホイル層8およびプラスチック層10を有する封止ホイル2)であり、第2の種類は、ラッカーでコーティングされた封止ホイル(ホイル層8およびラッカー層11を有する封止ホイル2′)である。例示的実施形態に従い、較正用流体とアルミニウムとの直接接触を回避するために、ホイル層8の上に存在するラッカー層11を有することが望ましい。ラッカーは、例えば、1つもしくは複数のニトロセルロース、尿素およびアクリル樹脂を含み得、例えば、印刷することによって、塗布され得る。塗布されるラッカーの量は、一般に約0.1〜約10g/m2、好ましくは、約1.5g/m2である。
【0090】
図13は、例示的実施形態に従う溶接機械66を図示する。超音波溶接は、定常多重山プレート70と、超音波周波数で振動する可動多重山プレート68との間に把持される部品への加圧によって達成される。封止ホイル72の可動部分に対して封止ホイル74の固定部分を摩擦する動作は、酸素の分散を引き起こし、金属間の結合が生じるのを可能にする。勿論、他の実施形態においては、下部プレートは、上部プレートの代わりに、または上部プレートに加えて振動し得る。
【0091】
図14は、プラスチック層(Primacor(登録商標)から形成)を有する封止ホイル2を使用して形成され、および突起プレートを有する超音波溶接機械から形成されたシール領域の顕微鏡写真を図示する。図14は、シールの上部および下部の38μmの上部封止ホイル2bおよび下部封止ホイル2aが未損傷であり、Primacor(約5〜30μmの変厚)の連続層が残存することを示す。図14に示すシールは、第1のプラスチック領域76と、その第1のプラスチックよりも薄い第2のプラスチック領域78とを有する。図15Aおよび15Bは、また超音波溶接によって形成され、約5μmの厚さであるプラスチック層を有する第1のプラスチック領域76と、約15μmの厚さであるプラスチック層を有する第2のプラスチック領域78とを有する、同様のシール領域の顕微鏡写真を示す。例示的実施形態に従い、実質的に非直接的な金属間接触または結合は、図15Aおよび15Bの領域82に示すように、薄い領域においてさえも生じる。具体的には、領域82は、プラスチック層10a、10bの厚さが、約10μmである領域を表す。領域80は、プラスチック層10a、10bの厚さが、約30μmである、
【0092】
図16は、接合する保護ラッカー層を有する封止ホイルの超音波溶接によって形成されたシール領域の顕微鏡写真である。示す実施形態は、実質的に平面プレートを有する超音波溶接機械から形成される。図16、特に、図16に示すシール領域を拡大した図17は、上部封止ホイル層2aと下部封止ホイル層2bとの間に最小限の間隙があり、いくつかの領域において、図17の拡大図の領域81に示すように、金属間接触があることを示す。
【0093】
したがって、例示的実施形態に従い、圧着治具18a、bによって作製された圧着シールと同様に、超音波溶接機械66によって作製されたシールはまた、有利に、流体収容パウチの内部と外部環境大気との間のガス交換を最小限化または除外することができる。
【0094】
別の実施形態においては、実質的に液体およびガス不透過性のシールは、レーザ溶接システムによって形成される。図18は、レーザ溶接システム84を図示する。レーザ溶接はまた、Primacorでコーティングされた封止ホイル、またはラッカーでコーティングされた封止ホイルを使用して、流体収容パウチを封止するために有効に適用することができる。レーザ溶接は、2つのシート、例えば、ホイルを密接に接触させた後に、材料の融解を引き起こすために、レーザ光の十分高い電力密度(アルミニウムでは、約107ワット/平方インチ)を加えることによって達成される。ポリマーコーティングされた封止ホイル等の薄い材料を溶接するためのレーザ溶接システム84を、図18に図示する。この図においては、上部封止ホイル2bおよび下部封止ホイル2aの両方を融解させるように、レーザ光学素子ガイド88を使用して、十分に高いエネルギー密度までレーザ光を集光するために、レーザ光学素子86を使用する。代替的溶接形状はまた、例えば、接合またはT溶接連結部を形成するためのレーザ溶接で可能である。
【0095】
好ましい実施形態に従い、レーザ溶接機械84は、レーザ光学素子86およびレーザ光学素子ガイド88を介して結合された、パルスネオジムYAGレーザを用いて、封止ホイル2a、2bの気密レーザ溶接を達成する。レーザパルス幅は、約1.5ミリ秒の持続時間であり、パルス毎に送達されるエネルギーは、約1.0ジュールである。連続溶接(または、シール)は、例えば、約1〜20mm/秒、好ましくは、5mm/秒の速度で、アセンブリ、すなわち、レーザ溶接機械84に対する封止ホイル2a、2bの位置を平衡移動することによる、レーザパルスの重複によって達成することができる。
【0096】
レーザ溶接機械84が、Primacorでコーティングされたシールホイル2(すなわち、ホイル層8およびプラスチック層10を有する封止ホイル2)を使用して、金属間シールを生じることができることを証明するために、ホイル層8a、8bが相互に接合されるように、封止ホイル層2a、2bを反転させた。図19は、シール領域の顕微鏡写真であり、上部および下部封止ホイル層2b、2aとの間に間隙がなく、レーザ封止領域90において金属間結合が形成されていることを図示する。図20Aは、レーザ封止領域90を有する溶接の1つの側面のさらなる顕微鏡写真を提供し、図20Bは、図20Aの領域の接近図を示す。前述のように、完全な金属間シールは、それが、プラスチックシールを介するガス交換の機会を無くし、したがって、実質的に液体およびガス不透過性のシールを形成するため、非常に望ましい。金属間結合はまた、プラスチック層とホイル層をともに接合し、レーザ溶接プロセスを実施することによって形成することができることに留意されたい。ここでは、シール領域内のプラスチックは、好ましくは、金属間結合形成を可能にするように、蒸発される。
【0097】
代替的実施形態に従い、完全な金属間封止された流体収容パウチ100は、パターン化されたポリマーをコーティングしたホイルが使用可能であるという条件で、収容された流体をポリマー内に完全に封入して、製造することができる。ポリマーパターンホイルは、空間的に制御されたホイルへのポリマーの追加か、または完全にポリマーでコーティングされたホイルからのポリマーの選択的除去によって産生することができる。空間的に制御されたホイルへのポリマーの追加を可能にするために使用し得る方法の例には、印刷、フォトリソグラフィー、およびラミネーションが挙げられる。完全にポリマーでコーティングされたホイルからのポリマーの選択的除去は、レーザ切断によって達成することができる。そのようなパウチの連続製造では、重要なプロセス制御問題は、上面および底面パターンのホイル部分の整合である。それによって、一貫した整合が達成し得る、1つの方法は、リール上のインデックス付きストック材料の使用を介することである。さらなる代替的実施形態に従い、完全な金属間封止された流体収容パウチ100は、まず、流体を収容するポリマーパウチを封止し、次いで、気密性金属間封止されたパウチ内のその容器を封止することによって、内部流体がポリマー内に完全に収容されるように製造することができる。ポリマーパウチは、流体で充填されたポリマー管の断片を熱的に封止し、切断することによって産生することができる。次いで、これらのポリマーパウチは、ホイルパウチ内で封止するために適切に定置することができる。
【0098】
本発明は、その特定の例示的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、本発明を上述の例示的実施形態の形態ではなく、具体的な形態で具体化することが可能であることは、当業者には容易に明らかとなるであろう。これは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行い得る。例示的実施形態は、単に、例示的なものであり、多少なりとも制限するものとみなされるべきではない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、付属の請求項およびそれらの等価物によって定義される。上記に示した、すべての米国特許および明細書、海外の特許、ならびに発刊物は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年9月15日に出願された米国特許第12/211,095号の優先権を主張し、それは、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療用診断センサパッケージに関する。より具体的には、本発明は、単回使用の医療用診断センサパッケージのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な感知技術を使用して患者の血液検査を行なう領域において、所望の精度で測定を行なう場合には、センサは、適切に較正しなければならないことは周知である。臨床診断における近年の開発は、センサが試験の単一パネルに使用され、次いで、破棄される装置内にパッケージ化される、統合試験システムの開発につながった。これらの装置は、典型的には、装置と相互作用することが可能である、読み込み機と併せて使用される。相互作用には、各センサから信号を抽出することと、装置内の流体の動作を任意に制御すること、例えば、センサに対してサンプルおよび較正用流体を配置することが挙げられる。本明細書において、i−STAT(登録商標)と称される、そのようなシステムの詳細な説明は、特許文献1で確認することができ、それは、共同所有され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
これらの感知システムの主な特性は、これらの装置が定期的に製造され、顧客に発送されることである。しかしながら、装置の製造と使用との間の時間は、数ヶ月である可能性がある。その結果、装置は、ある条件下で使用可能な保存期間、例えば、保管条件の中でもとりわけ、冷蔵庫で6ヶ月、および室温で2週間を示す標識と共に、製造される。
【0005】
所与のセンサの保存期間が制限され得る様々な理由が存在し、センサの安定性および較正用流体の安定性が含まれるが、これらに限定されない。較正用流体に関しては、較正用分析物の濃度(例えば、とりわけ、カリウムイオン濃度、二酸化炭素の分圧)は、保管中に変化しないことが重要である。この問題に対する1つの解決策は、較正用流体を封止ガラス製容器またはアンプルに保管することである。封止容器では、この容器の壁が、ガスまたは液体交換を不可能にする。しかしながら、装置が、例えば、ベッド脇またはケア試験環境の場所における従来の使用のために設計される時には、ガラス製保管容器を使用することは、非実用的であり得る。非実用性は、脆性およびガラス要素を試験筐体、例えば、単回使用の試験カートリッジ内にパッケージ化する問題に関連する可能性がある。その結果、プラスチック相を有するホイルパウチが、シールに作用するために使用されている。例えば、特許文献1は、周辺シールを有するプラスチックライニングホイルで作製される、較正用パックを開示する。具体的には、プラスチック面が接合されたプラスチックライニングホイルの2つの部分は、液体相およびガス相を含む封入容器を形成するために相互に封止される。ここで、周辺シールは、プラスチックを融解するために十分な熱、およびプラスチック周辺シールを形成するために十分な圧力を加えることによって形成される。封入容器(またはパウチ)内で、液体相は、較正用流体、例えば、とりわけ、カリウム、ナトリウム、グルコース、およびラクトースを含む、例えば、公知の濃度の試験される分析物を含有する、緩衝水性混合物を含む。また、そのパウチ内のガス相は、例えば、空気または所望のガス組成物、例えば、5%の二酸化炭素、20%の酸素、および75%の窒素であってもよい。そのガス相またはその液体相中の溶解ガスはまた、例えば、酸素および二酸化炭素、pO2およびpCO2のそれぞれの分圧の血液ガス感知のための較正として機能することができる。
【0006】
本パウチの構成に関して、ホイルの選択、例えば、約40μmのアルミニウムロールは、そのバリア特性、すなわち、ガス、蒸気、および液体の輸送に対する耐性によって決定される。ホイルはまた、望ましくは、ピンホールを最小限化するために選択される。ピンホール破損を特定するための様々な最適な検査手段は、当該技術分野において周知である。プラスチック層は、シールを提供し、また、較正用流体成分のうちの1つもしくは複数の分解を引き起こす可能性のある、金属ホイルとの直接接触から流体を保護するための手段として機能する。
【0007】
ホイルは、一般に、効果的なバリアである一方、様々なガス、例えば、酸素、二酸化炭素、および水蒸気は、異なる程度でプラスチック中に可溶であり、所与の速度でプラスチック母材に浸透することができる。この速度は、温度および圧力、プラスチックの化学組成物、溶媒からそれが鋳造される溶媒、ならびに鋳造材料の濃度の関数である。
【0008】
特別なガス、例えば、pCO2センサを較正するための公知の分圧の二酸化炭素(pCO2)が較正目的のために使用される場合は、シールがpCO2に対して低い透過性および溶解性を有することが好ましい。しかしながら、筐体の中に流体収容パウチがパッケージ化される、筐体の寸法は、シール寸法を制限し得る。
【0009】
小さいプラスチック筐体へのパウチのパッケージ化は、特許第’669号に示されている。ここでは、パウチは、パウチを穿孔することが可能なバルブ構造を有するプラスチック基板内に配置する。パウチは、プラスチックカバーに取り付けられた両面接着テープによって定位置に保持される。プラスチックカバーは、パウチの真上にあり、それと整合する可撓性へらを有する。へらに力が加えられた時に、それは、バルブに対してパウチを圧迫し、導管を流れてセンサの配列に接触させるために、パウチを破断させ、較正用流体を解放する。
【0010】
可能である場合は、さらなる検討は、駆動力、すなわち、シールの両側面上の分析物の圧力および濃度の差異を最小限化させることによって、シールを横切るガス交換、を最小限化することである。低下した温度はまた、ガス交換を減少させるが、パウチ内の水性流体を凍結させることが、望ましくない効果につながり得るため、このアプローチは、思慮深く使用されなければならない。結果として、冷蔵が有用な妥協案である。
【0011】
他の技術分野に関しては、特許文献2は、圧調整された較正を含む、液体を有する、内蔵型試薬チャンバを説明し、そのチャンバ壁は、材料の複数の層を含み、少なくとも1つの層は、薄い可撓性ガラス材料である。これらの壁は、泡が試薬チャンバ内に捕獲されないように、充填線の下の封止線に沿って、熱および圧力によって封止される充填ネックを形成するために延在する。
【0012】
特許文献3は、血液等の生理的液体中のガスパラメータを測定するために、装置の較正または品質管理を実施する上での使用のための、参照ガスのための可撓性容器を開示する。当該可撓性容器は、環境圧力において、またはその近くの圧力で参照ガスを保持するように適合される。
【0013】
特許文献4は、液体試薬のための容器を開示し、この容器は、外壁と内部の穿孔部材とを有する。そのような容器は、容器が破裂した場合以外、内部の液体の喪失を最小限に抑え、6〜18ヶ月の期間、液体を保管するように構成される。本容器は、望ましくは、マイクロ流体装置との使用に適合される。
【0014】
特許文献5は、化学分析を実施するための、電極モジュールおよび流体を取り込む、診断装置を開示する。この装置は、流体導線を有するプラスチックカード状本体、およびホイルライニング空洞に含まれる封止された流体貯蔵器から成る。この貯蔵器は、電極を較正するために使用される、較正用流体を保持する。
特許文献1に説明するタイプの従来の流体収容パウチは、パウチが冷蔵により延長された保存期間を有する、血液試験センサを較正することに商業的に成功することが照明されている。しかしながら、それらの内容物が延長された室温保管で実質的に変化しないよう、冷蔵せずに延長された保存期間を有する、流体収容パウチを改善する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5096669号明細書
【特許文献2】米国特許第6178832号明細書
【特許文献3】米国特許公開広報第20060013744号明細書
【特許文献4】米国特許公開広報第20060183216号明細書
【特許文献5】米国特許公開広報第20040222091号明細書
【特許文献6】米国特許公開広報第5112455号明細書
【特許文献7】米国特許公開広報第5200051号明細書
【特許文献8】米国特許公開広報第5112455号明細書
【特許文献9】米国特許公開広報第5614416号明細書
【特許文献10】米国特許公開広報第6030827号明細書
【特許文献11】米国特許公開広報第6438498号明細書
【特許文献12】米国特許公開広報第6750053号明細書
【特許文献13】米国特許公開広報第7263501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の一般的態様は、前述の種類の問題を未然に防ぐか、または最小限化する、流体収容パウチを提供することである。様々な実施形態においては、本発明は、ガス、例えば、CO2ガスに対して低透過性および溶解性を有するシールを有する、流体収容パウチに関する。減少した透過性および溶解性は、例えば、ガス、例えば、CO2ガスに対して低透過性および溶解性を有するシール材料から形成される、改善されたパウチシールを用いることによって、達成されてもよい。いくつかの実施形態においては、シール寸法は、最小限の断面、すなわち、経路長に対する断面積の比率が小さい断面を用いて、長い蛇行した経路長を提供する。本発明はまた、そのような流体収容パウチを形成するための様々なプロセスを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一実施形態においては、本発明は、第1および第2の対向シートと、第1および第2の対抗シートとの間に配置される流体とを備える、流体収容パウチを対象とし、第1のシートおよび第2のシートは、実質的に、液体およびガス不透過性である周辺シールを有し、その少なくとも一部分は、約4mm未満のシール幅を有し、本パウチは、約10mmHg未満の、本明細書に規定するパウチ完全性試験のΔpCO2値をもたらす。実質的に液体およびガス不透過性であるシールを有する他に、本流体収容パウチは、望ましくは、12%未満の破裂強度標準偏差を有する。そのようなパウチは、少なくとも1つのセンサを含む、単回使用カートリッジの使用に特に最適であり、そのカートリッジは、サンプル、例えば、血液サンプル中の分析物を測定するための読み取り機と併せて使用される。
【0018】
第1のシートおよび第2のシートは、任意に、複数の屈曲を有する、波状パターンで折り畳まれる。好ましい態様においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含む。任意に、本パウチはさらに、周辺シールの内縁に配置される、内部プラスチックシールビーズを備える。
【0019】
一態様においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、周辺シールは、第1のホイルと第2のホイルとの間に配置され、第1および第2のプラスチック層の合わせた厚さより薄い平均厚を有する、第3のプラスチック層を備える。第3のプラスチック層は、例えば、任意に、第1および第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約25%薄い、例えば、少なくとも約50%薄い平均厚を有する。好ましい実施形態においては、第1および第2のプラスチック層は、Primacor、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ならびにニトロセルロース、尿素およびアクリル樹脂に基づくラッカーから成る群から選択される、プラスチックを備える。一実施形態においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のラッカー層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のラッカー層とを含み、第1および第2のホイル層は、周辺シールにおいて相互に融合される。
【0020】
周辺シールは、好ましくは、約34.5MN/m2〜約62.1MN/m2の範囲の圧力を加えることによって、および/または約200℃〜約500℃の範囲の熱を加えることによって、形成される。周辺シールは、任意に、約1mm〜約2cmの周幅を有し、任意に、約1cm〜約20cmの周長を有する。
【0021】
パウチ内に収容される流体は、異なってもよいが、好ましくは、公知の濃度の1つもしくは複数の分析物を含有する較正用流体であるか、反応物流体であるか、または洗浄流体である。パウチは、好ましくは、約5μL〜約5mLのパウチ容量を有する。パウチ内の液体容量は、パウチ容量の合計に基づき、好ましくは、約50%〜約95%であり、ガス容量は、好ましくは、パウチ容量の合計に基づき、約5%〜約50%である。ガス相中のガスは、好ましくは、公知の濃度または分圧の1つもしくは複数のガスを有する、較正ガスを備える。ガス相中のガスは、任意に、環境大気である。
【0022】
好ましい実施形態においては、周辺シールは、1つもしくは複数の圧着領域を含む。この1つもしくは複数の圧着領域は、好ましくは、複数の同心圧着環を備える。
【0023】
別の実施形態においては、本発明は、第1および第2の対向シートと、第1および第2の対向シートとの間に配置される流体とを備える、流体収容パウチに関し、このパウチは、12%未満の標準偏差を有する破裂強度を有する。
【0024】
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1のシート上に流体を沈着させるステップと、(b)第2のシートを第1のシートの反対に配置するステップと、(c)対向する第1および第2のシートを相互に封止し、それらの間に流体を収容させた封止領域を形成するステップであって、その封止領域は、実質的に、液体およびガス不透過性であるステップと、を含む、流体収容パウチを形成するための方法を対象とする。好ましくは、パウチは、10mmHg未満の、本明細書に定義するパウチ完全性試験のΔpCO2値をもたらす。好ましくは、本プロセスはさらに、第1のシート内に空洞を形成し、空洞内に流体を沈着させることを含む。
【0025】
封止することは、好ましくは、第1のシートおよび第2のシートに熱および/または圧力を加えることを含む。別の態様においては、封止することは、超音波溶接またはレーザ溶接することを含む。任意に、第1のシートおよび第2のシートは、複数の屈曲を有する波状パターンで折り畳まれる。特に好ましい態様においては、第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、封止することは、内部プラスチックシールビーズが形成されるように、第1のシート上の第1のプラスチック層を第2のシート上の第2のプラスチック層とともに融解することを含む。内部プラスチックシールビーズは、較正用液体が第1および第2のホイル層のうちのいずれか一方、または両方に接触するのを実質的に防止する。
【0026】
別の実施形態においては、本発明は、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分が相互に封止される場所でプラスチック面が接合されたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールに関する。このシールは、プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、それによって、シールの1つもしくは複数の領域をもたらす圧着要素によって熱および圧力が加えられ、圧着領域内のプラスチックの平均厚は、2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄く、かつそれによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送が、封止中にプラスチックが圧着されないシールよりも実質的に少ない。好ましくは、該方法は、リール上の該ホイルを用いて実施される。圧力は、任意に、該ホイルを圧着させる治具を用いて加えられる。熱および圧力は、任意に、超音波溶接を用いて加えられる。
【0027】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む封止容器を形成するようにプラスチック面を相互に封止させ、接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、周辺シールを有する実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチに関する。周辺シールは、プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、圧力は、周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって加えられ、圧着領域内の周辺シールのプラスチックの平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄い。
【0028】
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成し、ポケット内に液体の一部分を適用することと、(b)プラスチック面を接合させて第2のプラスチックライニングホイルでポケットを被覆することと、(c)周辺シールを形成するために、第1および第2のプラスチックライニングホイルを相互に封止することであって、前記周辺シールは、プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成される、ことと、を含む、プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性のシールを形成するための方法に関する。この実施形態においては、圧力は、周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす圧着要素によって加えられ、圧着領域内のプラスチックの平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄く、前記シールは、液体相およびガス相を含む実質的にガス気密性のパウチを形成する。
【0029】
別の実施形態においては、本発明は、(a)液体相およびガス相を含む周辺シールを用いて封入容器を形成するために、プラスチック面を接合させるようにプラスチックライニングホイルの2つの部分を相互に封止する、第1のステップを含む、周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチを形成する方法である。周辺シールは、プラスチックを融解するために十分な熱、および連続プラスチック周辺シールを形成するために十分な圧力を加えることによって形成される。該方法は、(b)周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらすために、前記周辺シールを圧着させ、圧着領域内のプラスチックの平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄い、第2のステップを含む。
【0030】
別の実施形態においては、本発明は、第2の相から第1の相を分離するために、隣接領域が相互に封止される場所でプラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を有する、プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールに関し、このシールは、プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な超音波溶接を適用することによって形成される。超音波溶接は、プラスチックシールの1つもしくは複数の領域をもたらし、シール領域の平均厚は、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄く、かつそれによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送は、プラスチックの厚さが2つのプラスチックライニングの合わせた厚さである、シールよりも実質的に少ない。
【0031】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む封入容器を形成するためにプラスチック面を相互に接合させ、封止させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、周辺シールを有する実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチに関し、前記周辺シールは、プラスチックを融解して、連続プラスチック周辺層を形成し、かつシール領域から封入容器の周辺の少なくとも一部分内にプラスチックの一部分を押し出し、それによって、周辺シール内のプラスチックの平均厚が2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄くなるように、超音波溶接を適用することによって形成される。
【0032】
別の実施形態においては、本発明は、(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成することと、(b)ポケット内に液体の一部分を適用することと、(c)プラスチック面を接合させるように第2のプラスチックライニングホイルでポケットを被覆することと、(d)周辺シールを形成するために、第1および第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することであって、前記周辺シールは、プラスチックを融解し、プラスチックの一部分をシール領域からポケット内に押し出すために、超音波溶接を適用することによって形成される、ことと、を含む、プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性のシールを形成する方法に関する。このシールは、液体相およびガス相を含む、実質的にガス気密性のポケットを形成し、それによって、周辺シール内のプラスチックの平均厚が、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄くなる。
【0033】
別の実施形態においては、本発明は、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分がいっしょに封止される場所でプラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備える、プラスチックライニングホイルで形成された、実質的にガス気密性のシールに関する。このシールは、シール領域からプラスチックを実質的に除去し、かつホイルを融解し、前記シール領域内に金属対金属シールを形成するために十分な溶接エネルギーを加えることによって形成される。溶接エネルギーは、好ましくは、超音波エネルギーまたはレーザエネルギーによって提供される。
【0034】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む、内側プラスチック周辺シールによって囲まれた封入容器を形成するために、領域およびプラスチック面を整合させ、接合させ、いっしょに封止させたホイルの所定の領域上にプラスチックライニングを有するホイルの2つの部分を含み、ホイルの2つの部分の周囲部分がいっしょにレーザ溶接され外側金属間シールを形成している、内側プラスチック周辺シールと外側金属間シールとを有する、実質的にガス気密性のホイルパウチに関する。
【0035】
別の実施形態においては、本発明は、液体相およびガス相を含む、内部封止されたプラスチック封入容器と、ホイルの2つの部分が前記プラスチック封入容器を封入する外側金属間シールを形成するためにいっしょにレーザ溶接される、外側封止されたホイル封入容器とを含む、実質的にガス気密性のパウチに関する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】流体収容パウチを充填し、かつ封止するための、自動形成、充填および封止プロセスの概略設計を図示する。
【図2】図1に示す自動流体収容パウチ封止システムに進入するときの、封止ホイルの2つの部品の断面図を図示する。
【図3】従来の流体収容パウチ封止治具を図示する。
【図4】封止領域を示す、従来通り封止された流体収容パウチの上面図を図示する。
【図5】特許文献1に説明するように、封止後の流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。
【図6A】本発明の例示的実施形態に従う、封止後の2つの流体収容パウチのシール領域の断面顕微鏡写真を例示する。
【図6B】本発明の例示的実施形態に従う、封止後の2つの流体収容パウチのシール領域の断面顕微鏡写真を例示する。
【図7A】本発明の例示的実施形態に従う、図1に示す、システムを使用して製造される流体収容パウチの上面図。
【図7B】図7Aの流体収容パウチの斜視図。
【図7C】図7Aの流体収容パウチの側面図。
【図7D】従来通り封止された図7Aの流体収容パウチの斜視図。
【図7E】図7Aの流体収容パウチのもう一つの斜視図。
【図8】本発明の例示的実施形態に従う、封止治具の断面図を図示する。
【図9】図8に示す、圧着治具の圧着領域の接近断面図を図示する。
【図10】下部圧着治具に対して定置される、下部封止ホイル2を有する、圧着領36のさらなる接近断面図を図示する。
【図11A】制御された温度で延長された期間、制御されたガス環境において、流体収容パウチを保管するために使用される、ガス制御保管容器を図示する。
【図11B】制御された温度で延長された期間、制御されたガス環境において、流体収容パウチを保管するために使用される、ガス制御保管容器を図示する。
【図12】図11Aおよび11Bに示す、ガス制御保管容器の分解図を図示する。
【図13】本発明の実施形態に従う、超音波溶接システムを図示する。
【図14】本発明の超音波溶接実施形態に従い、流体収容パウチの上部封止ホイル層と下部封止ホイル層との間に位置する、Primacorを用いて製造される、流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図15A】本発明の超音波溶接実施形態に従い、流体収容パウチの上部封止ホイル層と下部封止ホイル層との間に位置する、Primacorを用いて製造される、流体収容パウチの別のシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図15B】図15Aの領域の接近断面図である。
【図16】本発明の超音波溶接実施形態に従い、流体収容パウチの2つの封止ホイル層との間に位置する、ラッカーを用いて製造される、流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図17】図16に示す断面の一部分の接近図である。
【図18】本発明の代替的実施形態に従う、レーザ溶接システムを図示する。
【図19】本発明の代替的実施形態に従い、流体収容パウチの2つの封止ホイル層との間に位置する、Primacorを使用するレーザ溶接を使用して、製造される、流体収容パウチのシール領域の断面の顕微鏡写真である。
【図20A】本発明の代替的実施形態に従い、流体収容パウチの2つの封止ホイル層との間に位置する、Primacorを使用するレーザ溶接を使用して、製造される、流体収容パウチのシール領域の断面のさらなる顕微鏡写真である。
【図20B】図20Aの接近図である。
【図21】本発明の様々な実施形態に従う、様々なシール設計の様々なパラメータおよび改善度を表にする。
【図22】本発明の様々な実施形態に従う、様々なシール設計のそれぞれのために図21に表示した、改善度のプロットである。
【図23】約180日間の期間にわたり、50℃で保管された流体収容パウチの2組の二酸化炭素(CO2)圧力対時間のデータプロットを図示し、流体収容パウチの第1の組は、従来の方法で封止されており、流体収容パウチの第2の組は、本発明の実施形態に従う方法を使用して封止されている。
【図24】流体収容パウチの第1の組および流体収容パウチの第2の組の破裂強度と破裂強度変化を比較した、データプロットを図示する。
【図25】本発明の代替的実施形態に従う、圧着治具の圧着領域の接近断面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の新規特性および利点は、付随の図面と併せて読む時に、それに続く発明を実施するための好ましい実施形態への参照により、より良く理解されるであろう。
これから、好ましい実施形態の様々な特性を、同じ部品が同一の参照番号で特定される図面を参照して説明する。
【0038】
本発明は、i−STAT血液試験システムに有用な実施形態に関して説明する。しかしながら、当業者は、本発明が、臨床および非臨床環境の両方に使用される、水質試験を含むが、それに限定されない、他の同様のシステムに対する広域な適用性を有することを理解するであろう。i−STATシステムの広範囲にわたる説明は、以下の共同所有の特許で確認することができ、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる:特許文献1、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、および特許文献12。
【0039】
i−STATシステムは、様々な単回使用の使い捨てカートリッジで動作する、手持ち式読み取り機を備える。各カートリッジは、例えば、ナトリウム、カリウム、グルコース、クレアチニン、pH、酸素、二酸化炭素、トロポニンI、B−ナトリウム利尿ペプチド、および同等物等の様々な分析物の濃度を測定するために使用することができる、1組の電気化学センサを備える、シリコーンチップを有する。
【0040】
各i−STATカートリッジはまた、サンプルと反応するように、または洗浄流体として、較正を提供するために、分析プロセス、例えば、アッセイプロセス中に使用される、流体を収容する気密性封止されたホイルパウチを有する。較正のために流体が使用される場合では、第1のステップにおいて、パウチは、読み取り機によって生成された力によって破裂させられる。次いで、流体は、導管を流れ、センサと接触する。読み取り機と電気接触しているセンサは、読み取り機によって記録される較正用信号を生成する。第2のステップにおいて、血液サンプルは、較正用流体を置換する導管を通って押し出され、血液サンプルと接触しているセンサからの信号が、記録される。読み取り機は、較正用流体内の分析物の公知の濃度に基づき、2つの信号を使用するアルゴリズムによって、血液中の分析物の未知の濃度を計算することができる。
【0041】
例示的実施形態に従い製造された流体収容パウチは、病院および他のユーザのために、製品の簡略化された発送および保管の利点を提供する。例示的実施形態に従い、高度なパウチ封止技術は、パウチの形成中に使用される。好ましい実施形態においては、材料の対向シート、例えば、ホイルは、それらが相互に融合され、その周辺において実質的に液体およびガス不透過性である界面を生成するように、相互に封止される。好適な封止プロセスの例としては、他のパウチ封止技術の中でもとりわけ、熱圧着、圧力圧着、熱および圧力圧着、超音波溶接、金属間溶接およびレーザ溶接が挙げられる。
【0042】
当業者は、得られるパウチの完全性が、流体、例えば、較正用流体の完全性に直接左右されることを理解するであろう。これは、流体が製造された時間とパウチ内に封止された時間との間、およびそれが、例えば、アッセイに使用される時に、実質的に不変のままであることを意味する。この時間差は、数ヶ月であり得る。その結果、パウチの封止は、その完全性に極めて重要である。
【0043】
従来の流体収容パウチの形成および封止
図2に示すように、各封止ホイル2a、2bは、プラスチックライニング側面10とホイル側面8とを備える。従来の方法に従い、図3に図示する、治具4は、一般に凹型形状の下部部分4a、と平面である上部部分4bとを備える。この状況においては、「凹型」という用語は、一般に、凹型形状ではない可能性もある、くぼみ部分を指すために使用される。下部部分4aおよび/または上部部分4bのうちのいずれか、または両方は、発熱体6a、6bをそれぞれ含む。封止ホイル2aの一部品は、下部の凹型部分4aから離れて対向する、ホイル2aのプラスチックライニング側面10を有する、治具4の下部部分4aによって、凹型態様で形成される。凹型形状へのホイルの形成は、圧縮空気手段によるか、真空チャックを用いるか、または凹型形状を有するプレス機の使用によるものであり得る。次いで、下部部分4aの凹型領域内に配置されるホイル2aは、所望の流体5(図3に示す)、例えば、較正用流体で部分的に充填され、第2の封止ホイル2bは、封止ホイル2aのプラスチックライニング側面(図2および3に示す)を接合する、封止ホイル2bのプラスチックライニング側面を有するホイル2aの上部に定置される。次いで、治具4の上部部分4bは、封止をもたらすように、封止ホイル2a、2bの2つの部品に適用され、熱および圧力は、発熱体6a、6bを通って、封止ホイル2a、2bの周辺領域に加えられる。その結果、ホイル2a、2bの2つの個別のプラスチック層10a、10bはそれぞれ、ホイル2aおよびホイル2bを相互に融合した単一のプラスチック相を形成するように、いっしょに融解する。このプロセスは、以下のように段階的に効果的に進められる(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成すること、(b)ポケット内に液体を沈着させること、(c)プラスチック面を相互に接合させるよう第2のプラスチックライニングホイルでポケットを被覆すること、および(d)周辺シールを形成するために、第1および第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することであって、周辺シールは、周辺シールをもたらすために十分な熱および/または圧力を加えることによって形成される。図4は、周辺封止面積52(番号記号)を示す、従来通り封止された流体収容パウチ50の上面図を図示する。図7Dは、同様のパウチ50の斜視図を図示する。
【0044】
図5は、上述の従来の治具4で封止した後の流体収容パウチ100のシール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。示すように、上部の層ホイル2bは、下部のホイル層2aに極めて接近し、上部および下部のプラスチック層10b、10aはそれぞれ相互に融解して、単一の連続プラスチック層9を形成している。顕微鏡写真は、プラスチックシール層(上部のホイル層2bおよび下部のホイル層2aのそれぞれの上部および下部のプラスチック層10b、10aから成る)は、シールが生じる全領域にわたって実質的に均一の厚さを有する。上述のように、本発明の流体収容パウチは、パウチ内からパウチの外部の環境大気へのガス交換をより阻害する、シールを有する。
【0045】
改善された流体収容パウチ
いくつかの実施形態においては、本発明は、実質的に液体およびガス不透過性であるシールを有する、改善された流体収容パウチを対象とする。本仕様書および請求項の目的のために、シールが、30mmHg未満、好ましくは20mmHg,または10mmHg未満の、下記に説明するパウチの完全性試験のΔpCO2値をもたらす場合、それは「実質的に液体およびガス不透過性」である。10mmHg未満のΔpCO2値をもたらすパウチは、それらが特に室温において、従来のパウチよりも改善されたパウチの保存期間を提供するため、非常に望ましい。別の態様においては、本発明は、流体収容パウチを形成するための様々なプロセスを対象とする。
【0046】
パウチは、例えば、材料が目的とする形状を保持するよう、1つもしくは複数の屈曲を有する、通常の波動で材料を圧着(例えば、熱および/または圧力を用いる)、超音波溶接、レーザ溶接、および折り畳むことによって形成され得る。好ましい実施形態においては、流体収容パウチは、熱および圧力が対向ホイルを相互に封止し、実質的に液体およびガス不透過性であるシールを形成するために加えられる、圧着プロセスによって封止される。好ましくは、熱は、プラスチックを融解するために十分であり、圧力は、融解したプラスチックの一部分をシール領域からポケット内に押し出すために十分であり、それによって、周辺シールのプラスチックの平均厚が2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄い、好ましくは、加熱前の2つのプラスチックライニングの合わせた厚さよりも、少なくとも25%薄い、例えば、少なくとも50%薄い、少なくとも75%薄い、少なくとも90%薄い構造がもたらされる。
【0047】
図6Aおよび6Bは、本発明の2つの例示的実施形態に従う、シール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。これらの顕微鏡写真は、シールの画像が記録されるように、パウチを切断し、それを樹脂ブロック内に載置し、表面を研磨して作製された。具体的には、樹脂、例えば、Crystalbond(登録商標)を加熱し(約250℃)、構成要素を用いて鋳型内に定置した。冷却後、好ましくは、例えば、まず、徐々に細かくなる研磨剤である、800研磨紙で樹脂を用いて、次いで、光学的に十分な表面が生成されるまで、最終的に3μmのダイアモンド研磨を用いて研磨した。暗い領域の画像は、より優れた詳細を提供することが分かっており、本方法を示した画像に使用する。
【0048】
図6Aの実施形態に示すように、下部の封止ホイル2aは、減少したプラスチック封止領域12(減少した厚さ)を形成するために圧着治具18(図8参照)を使用して、上部封止ホイル2bおよび形成内部プラスチックシールビーズ14で封止されており、その正味の影響は、下記により詳細に説明するように、実質的に液体およびガス不透過性であるシールを提供する。図6Bの実施形態においては、下部封止ホイル2aは、減少したプラスチック封止領域12(減少した厚さ)を形成するために圧着治具18(図8参照)を使用し、および実質的に液体およびガス不透過性であるシールを提供するための内部プラスチックシールビーズ14ならびに外部プラスチックシールビーズ16を形成する上部封止ホイル2bで封止されている。図6Aの実施形態は、例えば、外側ビーズ16を除去するように、減少したプラスチック封止領域内のパウチを(任意に、図1を参照して下記に説明する、穿孔ステーション32内)をトリミングすることによって、図6Bの実施形態から形成され得る。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態に従い、流体収容パウチを充填し、封止するための自動形成、充填、ならびにシールプロセスおよびシステム(パウチ封止システム150)の概略設計である。好ましい実施形態に従い、封止ホイル2a、2bは、約0.01〜約2.0mm、好ましくは、約0.02〜約0.05mmの範囲、好ましい実施形態においては、約0.0015インチ(0.038mm)の呼び厚さを有する、アルミニウムホイル8を含む。このホイルはまた、好ましくは、そのホイル上に形成された、約0.005〜約0.5mm、好ましくは、約0.01〜約0.05mm、好ましい実施形態においては、約0.0008インチ(0.020mm)の呼び厚さを有する、プラスチック層10を含む。
【0050】
プラスチック層に使用される具体的なプラスチック材料は、大幅に異なり得る。いくつかの例示的実施形態においては、そのプラスチックは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンおよびポリプロピレン、例えば、Dow Corning(登録商標)Primacor(登録商標)プラスチックライナーから選択される。製造中、プラスチック層10は、好ましくは、アルミニウムホイルロール8上に押し出される。当業者は、例えば、PVCでコーティングされたアルミニウム、またはポリエチレンでコーティングされたアルミニウムを含む、他のライニングホイルを使用することもできることを認識するであろう。ホイル層には、アルミニウムの使用の他に、銅もしくは真ちゅうホイル、または他の金属ホイルを使用し得る。
【0051】
図1に示すように、封止システム150は、形成ホイル巻き戻しステーション20、アクティブ/パッシブインデックスステーション(インデックスステーション)22、形成ステーション24、流体分配ステーション25、蓋ホイル巻き戻しステーション26、シールステーション28、ディンプルステーション30、穿孔地点32、およびリアインデックスステーション33を含む、いくつかの構成要素を備える。下部封止ホイル2aを保持し、分配する、形成ホイル巻き戻しステーション20は、ガイドローラ、駆動ローラ、およびカウンタゴムローラを含む、様々な材料のリール幅の調節を含む。封止ホイル2aの移動を可能にする、インデックスステーション22は、アクティブインデックスのための機械的停止部を有する摺動テーブル上の空気圧式ドライバ、および封止ホイル2a上の一定張力を維持するためのバネ戻りパッシブインデックスを含む。インデックスステーション22は、アクティブおよびパッシブインデックスの両方のために調節可能である。形成ステーション24は、成形された形状(図8に示す、凹型圧着治具18)にわたる高圧の加圧によるか、または機械的変形によって、ホイルを空気圧で冷間成形する。どちらの方法も、流体が流体分配ステーション25内で分配されるポケットを形成する。流体分配ステーション25は、ポンプおよびコントローラ実装部を含む。様々な実施形態に従い、約0.01〜約2の流体を使用し得る。好ましい実施形態においては、約0.1〜約0.3mLが使用され、好ましくは、約0.16mLの流体、例えば、較正用流体、反応物流体、または洗浄流体が各ポケット内に分配される。
【0052】
蓋ホイル巻き戻しステーション26は、上部封止ホイル2bを提供し、様々な材料のリール幅およびガイドローラのための調節を含む。シールステーション28は、蓋ホイル巻き戻しステーション26に続く。圧着治具18の部品を形成する、シールステーション28のシール構成要素は、冷却された上部プレートおよび加熱された上部封止プレート(図8に示す、平面の圧着治具18b)、ならびに温度コントローラを含む。例示的実施形態に従い、シール温度は、使用されているプラスチックの融解点に左右され、典型的には、約200℃〜約500℃、例えば、約200℃〜約450℃の範囲である。これらの値は、プラスチックの文献から容易に得られる。Primacorを使用する、好ましい実施形態においては、約300〜400℃の封止温度を使用することが好ましく、実際のパウチの産生では、温度を、360℃±5℃に設定した。シール力は、好ましくは、初期で約900ニュートン±50Nであり、封止サイクル中に約6,700ニュートン±230Nの最大力まで増加させる。任意に、周辺シールは、約5,000lb/平方インチ(34.5MN/m2)〜約9,000lb/平方インチ(62.1MN/m2)の範囲、および任意に約6,666lb/平方インチ(46.0MN/m2)の圧力を加えることによって形成される。
【0053】
当業者は、シールの領域が、確実なシールを得るために所望の適用した圧力に影響を及ぼすことを理解するであろう。これは、本明細書に説明する方法を使用する、必要以上の実験を伴わずに確認し得る。流体分散ステーション28はまた、好ましくは、封止力を監視するためのロードセルを含む。
【0054】
例示的封止システム150の次の構成要素は、ディンプルステーション30である。ディンプルステーション30は、封止されたホイルパウチの1つの側面を機械的に変形させて、圧痕を形成する。圧痕は、好ましくは、図7Aおよび7Bに示すように、流体収容パウチ100のポケットの中心にある。図7A〜7Cは、封止システム150を使用して製造された流体収容パウチ100の上面図、斜視図、および側面図をそれぞれ図示する。図7Eは、圧着縁部101を示す、さらなる斜視図を提供する。(比較のために、図7Dは、圧着縁部101が欠乏する、従来通りの封止された流体収容パウチを図示する)。図1に図示しない、レーザを使用して、圧痕の寸法を測定することができる。i−STATカートリッジにおいて、圧痕の目的とは、ホイルパウチとの穿孔要素の早期接触を回避することである。
【0055】
例示的封止システム150はまた、ホイルリールから流体収容パウチ100を切り抜くように機能する、穿孔つまり切断ステーション32を含む。穿孔ステーション32は、例えば、テーブル、ガイド支柱、ダイアルインジケータ、および調節ネジを含み得る。さらに、穿孔ステーション32は、例えば、1分当たり約10〜約100サイクルの範囲、典型的には、1分辺り約30サイクルの速度で、穿孔された流体収容パウチ100を排出コンベヤに排出する、送達シュートを含み得る。ホイルの幅が2つ以上のパウチに対応する場合に、生産速度は、2倍、3倍等になることに留意されたい。好ましい封止システム150においては、ホイルの幅は、3つの隣接するパウチに対応する。インデックスステーション22と同様の方法で動作し得る、リアインデックスステーション33が穿孔ステーション32に続く。
【0056】
好ましい実施形態に従い、図1に示すように、プラスチックライニング封止ホイル2a、2bの2つの個々の部分は、流体収容パウチ100を作製するために使用される(すなわち、封止ホイル2の2つの個別のロールが共に集結され、相互に融合される)。別の実施形態においては、封止ホイル2の単一部品が、流体収容パウチ100を製造するために使用される。この代替的実施形態に従い、封止ホイルの単一部品は、例えば、折り畳まれ、対向する端部を封止して流体収容パウチ100を形成する。
【0057】
封止ステップ前の1つもしくは複数のステップ、例えば、液体適用および封止ステップは、パウチ内に収容される、得られるガス相組成物を制御するために、制御された気圧において実施され得る。例えば、グローブボックスは、この目的のために使用され得る。さらにまたはあるいは、液体相の化学組成物は、封止後にガス相組成物を実質的に決定するために選択され得る。可能な場合、全体の製造プロセスを簡素化するため、後者が好ましい。例えば、重炭酸塩を流体に添加し、ヘッドの間隙がない、封止された分配容器内で保管することができる。次いで、混合された流体および重炭酸塩は、ポケット内に分散され、即座に封止することができる。その後、重炭酸がパウチ内の小さなヘッドの間隙内の空気と平衡するため、流体およびヘッドの間隙内の二酸化炭素の分圧が決定される。重炭酸の平衡は、周知であり、反応順序
【0058】
【化1】
に従う。
【0059】
上述のパウチ形成プロセスは、ホイル形成治具が、封止治具とは分離して実質的な手動フォーマットで実施され、充填ステップは、手動ピペットによって行われる。しかしながら、自動流体収容パウチリールベースの封止システム150を示す、図1に示すように、ホイル2a、2bのロールが形状に断続的に送り込まれ、充填され、封止されるプロセスが自動であることが好ましい。自動化は、流体分散ステップと封止ステップとの間の時間が共に短くなり(例えば、約1秒〜約10秒)、パウチ毎に制御されることを可能にする。
【0060】
図8は、流体分散および封止ステーション28に使用する、例示的実施形態に従う、圧着治具18の断面図を図示し、図9は、図8に示す、治具18の圧着領域の接近断面図を図示する。圧着治具18は、下部の凹型圧着治具18aと、平面の圧着治具18bとを含む。示すように、圧着治具の開口部34は、形成ホイル巻き戻しステーション、インデックスステーション22、および形成ステーション24から下部の凹型圧着治具18aの上を通過すると、真空の任意の適用により、下部封止ホイル2aを許容する。下部封止ホイル2aの外周縁は、圧着領域36の上に位置する。図9でより詳細に示される、圧着領域36は、内部圧着領域縁38と、平面の圧着領域40と、外部圧着領域縁42とを含む。示すように、内向きに角度付けされた縁39は、内部圧着領域縁38および平面圧着領域40を分離する。プレス中、内向きに角度付けされた縁39は、平面圧着領域40から内部圧着領域縁38に向かう、融解されたプラスチックの内向きの移動を促進する。さらに、またはあるいは、その圧着領域は、外部圧着領域縁42から圧着領域40を分離する、外向きに角度付けされた縁(図示せず)を含み得、外向きに角度付けされた縁は、平面圧着領域40から外部圧着領域縁42に向かう、融解されたプラスチックの外向きの移動を促進する。
【0061】
図8は、下部の凹型圧着治具18aの一部として、圧着領域36を図示するが、別の実施形態(図示せず)においては、その圧着領域は、上部圧着治具の一部であり、下部の凹型圧着治具の周辺領域は、実質的に平面である。別の態様(図示せず)においては、上部および下部の圧着治具の両方は、圧着領域を含む(すなわち、上部または下部の圧着治具のいずれも、その周辺において実質的な平面領域を含まない)。
【0062】
図10は、下部封止ホイル2aが下部の凹型圧着治具18aに対して定置され、かつ、開口部34が、封止ホイル2aを許容した後であるが、上部封止ホイル2bおよび上部平面圧着治具18bが、下部封止ホイル2aおよび下部圧着治具18aに対してプレスされる前の、圧着領域36を図示する。結局、圧着流体収容パウチ100を形成するために、好ましくは、熱の存在下(下部凹型圧着治具18aおよび/または上部平面圧着治具18bのうちのいずれか、または両方が加熱され得る)で、上部平面圧着治具18bおよび上部封止ホイル2bを下部封止ホイル2aおよび下部圧着治具18aに対してプレスすることによって、力をかける。上記のように、ホイル2a、2bのプラスチック側面は、ホイル2aおよびホイル2bのプラスチックが相互に融解され、内部および/または外部プラスチックシールビーズをそれぞれ形成するために、平面圧着領域40から内向きおよび/または外向きに移動するように、好ましくは、相互に対向するか、または接合される。
【0063】
平面圧着領域40の幅(W)は、大幅に異なり得る。いくつかの異なる設計変更(A〜H)は、平面圧着領域40の幅がガス処理における流体収容パウチ100のCO2に抵抗する能力に及ぼす影響を判定するために試験された。いくつかの設計寸法、A、B、C、およびDを、図7A〜7Cに示す。試験設計A〜Hのための設計パラメータを図21に提供する。一実施形態においては、寸法AとBとの間の差異は、流体収容パウチ100の2つの側面上の平面圧着領域40の幅(単一側面では、[A〜B]/2)を提供し、寸法CとDとの間の差異は、流体収容パウチ100の他の2つの側面上の平面圧着領域40の幅を提供する。他の態様においては、平面圧着領域40は、流体収容パウチ100の2つの側面上の寸法AとBとの間の差異よりも少なく(例えば、寸法AとBとの間の差異よりも、10〜90パーセント少ない、25〜75パーセント少ない、または45〜55パーセント少ない)、および流体収容パウチ100の他の2つの側面上の寸法CとDとの間の差異よりも少ない(例えば、寸法CとDとの間の差異よりも、10〜90パーセント少ない、25〜75パーセント少ない、または45〜55パーセント少ない)。圧着された領域が、寸法AとB、および/または寸法CとDとの間の差異よりも少ない、これらの態様においては、圧着領域は、好ましくは、寸法AとB、または寸法CとDとの間をそれぞれ中心とする。結果を、図21に表にし、図22に図形で示し、下記により詳細に説明する。図21はまた、A、B、C、およびDの寸法の関数である、平方インチの封止領域を表にする。
【0064】
図5は、加熱プレス後の従来の流体収容パウチ100のシール領域の断面の顕微鏡写真を図示する。この顕微鏡写真は、プラスチックシール領域12が、シール全体にわたって実質的に均一の厚さを有することを示す。対照的に、本発明の例示的実施形態に従う、圧着ステップの影響を、図6Aおよび6Bの顕微鏡写真に示す。示すように、上部および下部の封止ホイル2の両方のプラスチック10のうちのいくつかは、内部プラスチックシールビーズ14を形成するために、シール領域12から流体収容パウチ100の内部内に、すなわち、圧着領域36から離れて押し出されている。これらの画像は、圧着後に、圧着領域36の外縁および圧着領域36の内部の両方に向かって押し出されると、圧着領域36内のプラスチック層が実質的に厚さを減少したことを明確に示すことに留意されたい。その圧着領域内のシールの厚さは、大幅に異なり得るが、いくつかの例示的実施形態においては、2〜30μm、例えば、2〜20μM、または2〜10μmの範囲である。圧着領域にわたって厚さが異なる、これらの実施形態においては、これらの範囲は、圧着領域全体にわたる平均厚を指す。
【0065】
図6Aおよび6Bに示す実施形態においては、封止ホイルの各層上のプラスチック層10の初期の製造された厚さは、約0.0008インチ(または約0.020mmもしくは20μm)である。したがって、圧着前のプラスチックの平均厚は、ホイル2aおよびホイル2bの両方を考慮すると、約0.0016インチつまり40μmの範囲である。圧着後、プラスチックシール領域12は、好ましくは、約1μm〜約10μm、約3μm〜約7μmの範囲、または好ましくは、約5μmの平均厚を有する。したがって、本発明のこの実施形態は、かなりの倍数で、全体のシールの断面のプラスチック領域を実質的に減少させる。好ましい実施形態においては、全体のシール幅は、約2mmであり、シール周辺の長さは、約75mmである。
【0066】
本発明の様々な実施形態において、多くの異なる圧着パターンを使用し得る。いくつかの例示的試験パターンから得られるシールの有効性を図21に示す。様々な設計A〜Hは、異なって選択された封止表面を有した。図7A〜7Cに示すように、これらのパウチ設計は、全体的に長方形の形状を有したことに留意されたい。その結果、長方形設計の長軸および短軸の内側および外側シールは、特定の寸法を有する。各設計A〜Hでは、較正用流体をそれぞれ収容するパウチのバッチは、ガス交換を試験するために調製された。パウチ完全性試験(PIT)システムおよび方法を下記により詳細に説明する。
【0067】
パウチ完全性試験
図11Aおよび11Bは、PITを実施する目的で、制御された温度で延長された期間、制御されたガス環境下で流体収容パウチを保管するために使用する、ガス制御保管容器44を図示し、図12は、図11Aおよび11Bに示す、ガス制御保管容器44の分解図を図示する。保管容器44は、ガス入口ポート46とガス出口48とを有する、封止可能な金属ボックス45を備える。保管容器44は、試験前に、制御された条件、例えば、温度、圧力、および外部ガス組成物下における流体収容パウチのインキュベーションを可能にする。保管容器44内に定置される、流体収容パウチは、異なる期間の間、インキュベートされ、次いで、シールを通って生じたガス交換の量を測定するために試験することができる。PITにおいては、較正用パウチは、較正用管または注射器を用いて破裂させられ、内容物は、化学分析システム、例えば、商業用血液ガス分析器または臨床化学分析器内に導入される。当業者は、商業用血液ガス分析器がpO2、pCO2、およびpHを試験し、毛細管または注射筒によって送達されるサンプルに対応することができる、サンプル導入ポートを有することを認識するであろう。PITは、ガス組成物を判定するための特定の装置に左右されないことに留意されたい。重要な要素は、試験手段が、容器44内でのインキュベーション前後のサンプルの溶解したガス組成物を決定するための確実な方法を提供することである。さらに、パウチが単回使用の使い捨て構成要素であるため、同一の方法でパウチのバッチを作製し、次いで、時間の経過に伴う、シール設計の全体の性能を判定するために、PITプロセスの異なる段階でバッチの部分を試験する必要があることを理解する。
【0068】
PITを以下のとおり実施した。確実にサンプルが保管容器44の内側のガス入口ポート46およびガス出口ポート48を被覆しないように、流体収容パウチを保管容器44内に定置する。次いで、O型環56を清浄し、領域およびO型環56が、適切なシールを防止し得る、任意の汚染物質を含まないことを確認して、O型環溝58内に定置する。次いで、保管容器44の蓋54を、供給されたハードウエアを使用して、封止可能な金属ボックス45を封止し、6個のボルト64を交差パターンで締める。次いで、保管容器44上の入口弁60および出口弁62を開口し、入口弁60をCO2ガスシリンダ(図示せず)に接続する。好ましくは、保管容器44の容量の少なくとも10倍のCO2ガス流を、最低限約15分間、保管容器44を満たすために使用する。最終的に、入口弁60を閉じ、次いで、出口弁62を閉じる。次いで、保管容器44を、所望の試験環境下、例えば、制御された温度で保管する。
【0069】
本明細書に説明するPITにおいては、各流体収容パウチは、以下を収容した:pH7.3の47mMのHEPES緩衝液中のグルコース(90mg/dL)、尿素(4.0mM)、ナトリウム(118mM)、カリウム(4.0mM)、塩素(100mM)、カルシウム(1.5mM)、および乳酸(2.0mM)を含有する、160μLの水溶液。勿論、試験するパウチの具体的な目的によって、他の流体を使用し、PIT下で分析し得る。十分な重炭酸はまた、パウチ内のガス相が約100μLである、初期の28mmHgのpCO2を生じるために存在した。PITにおいては、パウチを、8日間、1気圧の二酸化炭素で上述のインキュベーション容器内に保管する。これらの実験を50℃の温度で実施した。パウチ内の初期のpCO2を測定し、パウチ内のpCO2を、再度、実験の最後に測定した。典型的には、pCO2(初期)は、第1のパウチを毛細管で破裂させることによって測定され、pCO2(最終)は、同一の方法で決定されるが、第1のパウチと同一のパウチ内に形成された第2のパウチから測定される。pCO2(初期)とpCO2(最終)との間の差異は、ΔpCO2値を提供し、それは、パウチの完全性を示し、より低いΔpCO2値は、少ないガス交換、したがって、より優れたシールを示す。
【0070】
提案した各設計を、上述のインキュベーション容器を使用して加速試験モードで評価した。流体収容パウチ(A〜H)のいくつかのサンプルを、二酸化炭素の1気圧で インキュベーション容器内に定置し、8日間保管した。これらの実験を50℃の温度で実施した。パウチ内の初期のpCO2(一般に、約28mmHg)を測定し、pCO2を実験の最後に再度測定した。従来のシールを用いる標準的プロセスでは、最終pCO2は、約60mmHgであった。これは、上述のように、シールを通るCO2の侵入によるものであった。この32mmHgのΔpCO2値を、様々な圧着設計を試験するための基準結果として使用した。図21の表は、本明細書において、新たなプロセスのためのΔpCO2で割った標準プロセスのためのΔpCO2として定義する、改善度を列挙する。Aの設計では、ΔpCO2値は、標準プロセスで認められた32mmHgよりも遥かに少なく、4.8の改善度を生じる。他の設計のための改善度を図21に列挙し、図22において図形で示し、設計Eが最良の結果をもたらす。設計Eをすぐ下記に説明する試験に使用した。
【0071】
長期安定性研究
次の一連の実験を、通常の保管条件、すなわち、冷蔵または室温のうちのいずれかの環境大気下での設計Eの長期性能を示すように設計した。これらの実験もまた、加速モード、すなわち、試験サンプルを50℃で保管することによって実施した。当業者は、プラスチックのガス透過性が一般に温度に伴い上昇するため、加速モードで得られた満足のいく結果が、環境または冷蔵温度において同様または(おそらく)より良い性能を示さなければならないことを認識するであろう。
【0072】
設計Eの流体収容パウチ100内のヘッドの間隙またはガス相は、約100μLの容量を有し、流体収容パウチ100内のCO2の分圧は、血液サンプルに見られる分圧、例えば、約28mmHgと同様であった。対照的に、環境大気中のCO2濃度は、約0.03%、または約0.24mmHgである。これは、実質的に少なく、したがって、流体収容パウチ100からのCO2の損失を生じさせる駆動力である。駆動力は、質量作用の法則に基づき、ネットプロセスは、CO2がプラスチックシールを通って徐々に拡散し、流体収容パウチ100から出ることである。当業者は、上述のPIT実験と同様の試験が二酸化炭素ガスではなく、環境大気で実施できることを理解するであろう。1気圧(760mmHg)で二酸化炭素を使用することにより、CO2の侵入のための駆動力が提供される一方、環境大気は、放出のための駆動力を提供する。それらの両方は、シールの完全性に関する情報を提供することができるが、PITは、パウチ内のpCO2の増加を測定することがより容易であり、また、結果がよりすぐれた駆動力によって、より早く得られるため、二酸化炭素環境を使用する。上昇温度は、2種類のパウチ、例えば、例示的実施形態に従い圧着されたパウチと、従来通りに封止された流体収容パウチ50との間の明白な差異を認めることを意図して、ガス輸送の速度を増加させるために使用されることに留意されたい。
【0073】
流体収容パウチ100のCO2の内部の初期分圧における任意の変化を判定するために、流体収容パウチ100の一部を断続的に試験した。具体的には、0日、30日、60日、90日、120日、150日、および180日の時点で、流体収容パウチ100および従来の流体収容パウチ50の両方を、50℃の環境大気インキュベータから除去し、試験した。これは、それらをi−STAT EG7+カートリッジに組立て、28mmHgのpCO2で、二酸化炭素(pCO2)の得られた分圧対圧調整された対照流体を試験することによって行われた。pCO2は、電気化学pCO2センサを使用する、i−STATシステムによって提供される標準試験であることに留意されたい。
【0074】
背景として、i−STAT読み取り機内の試験アルゴリズムは、較正用流体内に記録された信号に28mmHgの値を代入することに留意することが重要である。これは、工場での較正プロセスであり、読み取り機は、較正用流体のpCO2値が28mmHgであると仮定するソフトウエアで事前にプログラムされ、流体収容パウチ100は、28mmHgであることを意図する流体組成物を用いて製造される。流体収容パウチ100のバッチが作製され、試験機器内に組立てられた時点で、バッチの統計的に有効なサンプルを、目的としたpCO2値が実際に認められるか否かを判定するために試験した。認められた場合は、流体収容パウチ100のバッチは、カートリッジ内に組立てることができ、次いで、顧客に発送することができる。
【0075】
その結果、実験において、較正用流体および圧調節された流体の両方が、約28mmHgの濃度を有する場合には、次いで、これは、報告値になるであろう(図23のデータ点を参照)。しかしながら、センサが実際に28mmHgである圧調節されたサンプルを提示された時に、読み取り機が事前にプログラムした28mmHg値を較正用流体からの信号に代入するため、CO2が流体収容パウチ100から喪失されており、実際の値が、例えば、10mmHgである場合には、報告値は、より高くなるであろう。報告値が28mmHg以上であるという範囲は、保管中にどれほどのCO2がパウチから喪失されているかの測定値である。
【0076】
図23は、約180日間にわたり、50℃で保管された、2組の流体収容パウチの二酸化炭素(CO2)の分圧対時間のデータプロットを図示し、流体収容パウチ50の第1の組は、従来の方法で封止されており、流体収容パウチの第2の組は、本発明の例示的実施形態(設計E)に従う方法を使用して圧着されている。図23においては、ダイアモンドは、設計Eの流体収容パウチのpCO2値を表し、四角は、従来の流体収容パウチ50のpCO2値を表し、それらの両方は、データ点を通って計算された直線の当てはめを用いて、50℃で保管される。初めに、パウチの両組のpCO2は、約28mmHgを読み取った。しかしながら、180日後に、標準パウチ内のpCO2は、圧調節された流体サンプルが約47mmHgを読み取らせせるように有意に低下した一方、設計Eに従い製造された流体収容パウチは、約31mmHgを読み取るように、わずかに変化したのみであった。
【0077】
これは、圧着ステップが、シールの断面を狭窄するにもかかわらず、シールへの有害な影響を有することが予期される可能性があるため、驚くべき予期せぬ有意な結果である。例えば、プラスチック層10またはホイル層8封止ホイル2のうちのいずれか、または両方における微小な亀裂の形成は、パウチ性能を低下させることが予期され得る。その結果、驚くべきことに、ガス交換を減少させることによって、圧着特性が実質的にシールを改善させることが発見された。
【0078】
上記のように、あるいは、CO2の喪失は、流体収容パウチ100(または従来の流体収容パウチ50)を破裂させ、ガラス製毛管を流体収容パウチ内の流体の一部分で充填させることによって判定し得ることも明らかであろう。次いで、流体は、流体が注入され、pCO2の結果が分析器によって報告される、標準ベンチトップ血液ガス分析器に輸送される。これらの実験においては、設計Eの流体収容パウチが、50℃で、180日後にpCO2値を実質的に変化させなかったことも示したが、従来の流体収容パウチ50は、CO2の喪失を呈した。
【0079】
破裂強度試験
図23のデータに基づく結論を、流体収容パウチ100の破裂強度に対する個別の実験で確認した。破裂強度試験においては、異なる治具を使用して、流体収容パウチ100を破裂させる、すなわち、シールの破壊故障を引き起こすために必要とされる力を判定した。圧着がシールへの損傷を引き起こす状況においては、これは、より変化しやすいシールの破裂強度をもたらすであろう。図24に示すように、従来の流体収容パウチ50の破裂強度がより高い(n=102において平均551.7Nであり、66.1(12%)の標準偏差)一方、例示的実施形態の設計Eに従う流体収容パウチ100(n=105において平均307.2Nであり、30.7(10%)の標準偏差)よりも変化しやすい。流体収容パウチ100の設計Eの、より一定の破裂強度、すなわち、より低い絶対変化は、より確実で再現性のあるプロセスを示す。より低い破裂強度は、シール領域内のPrimacor(登録商標)接着剤の量の減少を示すことに留意されたい。
【0080】
上述のように、図21は、異なる圧着設計を示す表を図示し、設計Eは、流体収容パウチ100の好ましい実施形態に対応する。これらの結果はまた、多量の需要に好適な圧着プロセスが改善され実行可能な製造プロセスをもたらすことができることを示す。所望の圧着設計は、ホイル層間の間隙が実質的に最小限化されるものである。しかしながら、圧着は、流体収容パウチ100内に収容される流体の潜在的な腐食特性およびそのアルミニウム層8との相互作用により、封止ホイル2のポリマー(プラスチック)ライナー10の完全性を妨害してはならない。圧着は、アルミニウム層8に亀裂または他の損傷を引き起こしてはならない。
【0081】
さらなる実験および設計を通して、以下の特性が流体収容パウチの好ましい実施形態を示すことを発見した。好ましい実施形態に従い、封止ホイル2の2つの部分は、約3.3cm2の面積を有する長方形、例えば、1.5cm×2.2cmである。有用なホイル面積は、約0.5cm2〜20cm2の範囲である可能性があることを発見した。
【0082】
好ましい実施形態に従い、流体収容パウチ100の封入容器の容量は、約100〜300μLであるが、約5μL〜約5mLの範囲の内部容量を有するパウチを使用し得る。したがって、封入容器内の液体相の容量は、約5μL〜約5mLの範囲である可能性がある。同様に、封入容器内のガス相の容量は、約5μL〜約5mLの範囲である可能性がある。
【0083】
好ましい実施形態に従い、封入容器内の液体相の容量は、封入容器の総容量の約50%〜95%、例えば、60%〜65%である。また、封入容器内のガス相の容量は、封入容器の総容量の約5%〜約50%の範囲である可能性がある。
【0084】
好ましい実施形態に従い、プラスチック層10の一部分は、図6Aおよび6Bに示すように、封止および圧着する作用によって、封入内に押し込まれ、シールの内周の少なくとも1部分に沿って内部シールビーズ14を形成する。このプロセスは、封止および圧着中にシール領域から喪失される、プラスチックに対応する。図5および6で見られるように、周辺シール内のプラスチックの平均厚は、2つのプラスチック層10の従来の合わせた厚さより薄く、少なくとも20%薄い。
【0085】
好ましい実施形態に従い、周辺シールは、約20mm未満、例えば、約10mm未満または約5mm未満の周幅(またはガス拡散経路長)を有する。範囲に関しては、周辺シールは、任意に、約1mm〜約20mm、最も好ましくは、約2mm〜約3mmの幅を有する。この周幅は、図7Aに示すように、好ましくは、Aの半分−(マイナス)B、またはCの半分−Dで画定される長さ以下である。具体的な周幅は、典型的には、圧着領域の幅によって決定されるであろう。また、好ましい実施形態に従い、周辺シールは、図7Aに示すように、約1cm〜約20cm、最も好ましくは、約7cm〜約8cmの周長、すなわち、2A+2Cで定義される長さを有する。
【0086】
流体収容パウチ100を圧着するための装置の好ましい実施形態を図8および図9に示すが、圧着された部分はまた、複数の同心圧着環から成り得、環は、例えば、2〜10個の数の圧着環であり得る。このコンテキストにおいては、「環」および「同心」という用語は、四角形または長方形の圧着機能が好ましいため、円形形状に制限されない。典型的には、これらは、丸角を有するであろう。例えば、図9を参照すると、平面の圧着領域40は、5つの部分に均一に分割することができ、内側、外側、および中心部分は、平面の圧着領域40に示す高さと同一の高さであり、中心部分のいずれかの側面上の2つの部分は、領域52に図示する高さを有する。この構成は、図25に示し、3つの同心圧着環を形成するように機能する。示すように、これらの環は、先端部40a、40b、40cから形成され、谷部42a、42b、および42cに対応する間隙によって分離される。勿論、他のパターンは、先端部の数および/または幅を変化させることによって同様に形成され得る。
【0087】
本明細書に示し、説明する本発明の原理に従い製造された例示的流体収容パウチは、血液試験センサを較正する上での成功を証明した。また、本発明の流体収容パウチは、冷蔵での延長された保存期間を呈し、また、延長された室温保管、例えば、6ヶ月間、実質的に変化されないままであった。本発明の流体収容パウチは、好ましくは、3ヶ月を超える、6ヶ月を超える、9ヶ月を超える、または1年を超える、室温の保存期間を有する。その結果、本発明の流体収容パウチは、本発明の流体収容パウチを収容する試験カートリッジの製造のために簡素化された発送、ならびに病院のおよび他のユーザのためのカートリッジの簡素化された保管の利点も提供する。
【0088】
さらなる例示的実施形態に従い、実質的に液体およびガス不透過性のシールを有する流体収容パウチは、図13に示す、超音波溶接機械66を使用して製造することができる。当業者は、ポリマーがそれらのガス輸送率によって特徴付けられ得、したがって、非気密性材料であることを理解するであろう。したがって、ピンホールの非存在下で、金属、例えば、アルミニウムが一般にガスに対して不浸透性であるため、金属間封止を得るための利点とみなされる。しかしながら、金属間封止の利点は、上述のように、金属との較正用流体の相互作用の可能性に対して均衡される必要がある。介在する不活性ポリマーの使用は、この潜在的な問題を未然に防ぐ。
【0089】
少なくとも2つのさらなる種類の封止ホイルは、様々な例示的実施形態に従い、超音波溶接機械66とともに使用することができ、上述の第1の種類は、Primacorでコーティングされたアルミニウムホイル(すなわち、ホイル層8およびプラスチック層10を有する封止ホイル2)であり、第2の種類は、ラッカーでコーティングされた封止ホイル(ホイル層8およびラッカー層11を有する封止ホイル2′)である。例示的実施形態に従い、較正用流体とアルミニウムとの直接接触を回避するために、ホイル層8の上に存在するラッカー層11を有することが望ましい。ラッカーは、例えば、1つもしくは複数のニトロセルロース、尿素およびアクリル樹脂を含み得、例えば、印刷することによって、塗布され得る。塗布されるラッカーの量は、一般に約0.1〜約10g/m2、好ましくは、約1.5g/m2である。
【0090】
図13は、例示的実施形態に従う溶接機械66を図示する。超音波溶接は、定常多重山プレート70と、超音波周波数で振動する可動多重山プレート68との間に把持される部品への加圧によって達成される。封止ホイル72の可動部分に対して封止ホイル74の固定部分を摩擦する動作は、酸素の分散を引き起こし、金属間の結合が生じるのを可能にする。勿論、他の実施形態においては、下部プレートは、上部プレートの代わりに、または上部プレートに加えて振動し得る。
【0091】
図14は、プラスチック層(Primacor(登録商標)から形成)を有する封止ホイル2を使用して形成され、および突起プレートを有する超音波溶接機械から形成されたシール領域の顕微鏡写真を図示する。図14は、シールの上部および下部の38μmの上部封止ホイル2bおよび下部封止ホイル2aが未損傷であり、Primacor(約5〜30μmの変厚)の連続層が残存することを示す。図14に示すシールは、第1のプラスチック領域76と、その第1のプラスチックよりも薄い第2のプラスチック領域78とを有する。図15Aおよび15Bは、また超音波溶接によって形成され、約5μmの厚さであるプラスチック層を有する第1のプラスチック領域76と、約15μmの厚さであるプラスチック層を有する第2のプラスチック領域78とを有する、同様のシール領域の顕微鏡写真を示す。例示的実施形態に従い、実質的に非直接的な金属間接触または結合は、図15Aおよび15Bの領域82に示すように、薄い領域においてさえも生じる。具体的には、領域82は、プラスチック層10a、10bの厚さが、約10μmである領域を表す。領域80は、プラスチック層10a、10bの厚さが、約30μmである、
【0092】
図16は、接合する保護ラッカー層を有する封止ホイルの超音波溶接によって形成されたシール領域の顕微鏡写真である。示す実施形態は、実質的に平面プレートを有する超音波溶接機械から形成される。図16、特に、図16に示すシール領域を拡大した図17は、上部封止ホイル層2aと下部封止ホイル層2bとの間に最小限の間隙があり、いくつかの領域において、図17の拡大図の領域81に示すように、金属間接触があることを示す。
【0093】
したがって、例示的実施形態に従い、圧着治具18a、bによって作製された圧着シールと同様に、超音波溶接機械66によって作製されたシールはまた、有利に、流体収容パウチの内部と外部環境大気との間のガス交換を最小限化または除外することができる。
【0094】
別の実施形態においては、実質的に液体およびガス不透過性のシールは、レーザ溶接システムによって形成される。図18は、レーザ溶接システム84を図示する。レーザ溶接はまた、Primacorでコーティングされた封止ホイル、またはラッカーでコーティングされた封止ホイルを使用して、流体収容パウチを封止するために有効に適用することができる。レーザ溶接は、2つのシート、例えば、ホイルを密接に接触させた後に、材料の融解を引き起こすために、レーザ光の十分高い電力密度(アルミニウムでは、約107ワット/平方インチ)を加えることによって達成される。ポリマーコーティングされた封止ホイル等の薄い材料を溶接するためのレーザ溶接システム84を、図18に図示する。この図においては、上部封止ホイル2bおよび下部封止ホイル2aの両方を融解させるように、レーザ光学素子ガイド88を使用して、十分に高いエネルギー密度までレーザ光を集光するために、レーザ光学素子86を使用する。代替的溶接形状はまた、例えば、接合またはT溶接連結部を形成するためのレーザ溶接で可能である。
【0095】
好ましい実施形態に従い、レーザ溶接機械84は、レーザ光学素子86およびレーザ光学素子ガイド88を介して結合された、パルスネオジムYAGレーザを用いて、封止ホイル2a、2bの気密レーザ溶接を達成する。レーザパルス幅は、約1.5ミリ秒の持続時間であり、パルス毎に送達されるエネルギーは、約1.0ジュールである。連続溶接(または、シール)は、例えば、約1〜20mm/秒、好ましくは、5mm/秒の速度で、アセンブリ、すなわち、レーザ溶接機械84に対する封止ホイル2a、2bの位置を平衡移動することによる、レーザパルスの重複によって達成することができる。
【0096】
レーザ溶接機械84が、Primacorでコーティングされたシールホイル2(すなわち、ホイル層8およびプラスチック層10を有する封止ホイル2)を使用して、金属間シールを生じることができることを証明するために、ホイル層8a、8bが相互に接合されるように、封止ホイル層2a、2bを反転させた。図19は、シール領域の顕微鏡写真であり、上部および下部封止ホイル層2b、2aとの間に間隙がなく、レーザ封止領域90において金属間結合が形成されていることを図示する。図20Aは、レーザ封止領域90を有する溶接の1つの側面のさらなる顕微鏡写真を提供し、図20Bは、図20Aの領域の接近図を示す。前述のように、完全な金属間シールは、それが、プラスチックシールを介するガス交換の機会を無くし、したがって、実質的に液体およびガス不透過性のシールを形成するため、非常に望ましい。金属間結合はまた、プラスチック層とホイル層をともに接合し、レーザ溶接プロセスを実施することによって形成することができることに留意されたい。ここでは、シール領域内のプラスチックは、好ましくは、金属間結合形成を可能にするように、蒸発される。
【0097】
代替的実施形態に従い、完全な金属間封止された流体収容パウチ100は、パターン化されたポリマーをコーティングしたホイルが使用可能であるという条件で、収容された流体をポリマー内に完全に封入して、製造することができる。ポリマーパターンホイルは、空間的に制御されたホイルへのポリマーの追加か、または完全にポリマーでコーティングされたホイルからのポリマーの選択的除去によって産生することができる。空間的に制御されたホイルへのポリマーの追加を可能にするために使用し得る方法の例には、印刷、フォトリソグラフィー、およびラミネーションが挙げられる。完全にポリマーでコーティングされたホイルからのポリマーの選択的除去は、レーザ切断によって達成することができる。そのようなパウチの連続製造では、重要なプロセス制御問題は、上面および底面パターンのホイル部分の整合である。それによって、一貫した整合が達成し得る、1つの方法は、リール上のインデックス付きストック材料の使用を介することである。さらなる代替的実施形態に従い、完全な金属間封止された流体収容パウチ100は、まず、流体を収容するポリマーパウチを封止し、次いで、気密性金属間封止されたパウチ内のその容器を封止することによって、内部流体がポリマー内に完全に収容されるように製造することができる。ポリマーパウチは、流体で充填されたポリマー管の断片を熱的に封止し、切断することによって産生することができる。次いで、これらのポリマーパウチは、ホイルパウチ内で封止するために適切に定置することができる。
【0098】
本発明は、その特定の例示的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、本発明を上述の例示的実施形態の形態ではなく、具体的な形態で具体化することが可能であることは、当業者には容易に明らかとなるであろう。これは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行い得る。例示的実施形態は、単に、例示的なものであり、多少なりとも制限するものとみなされるべきではない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、付属の請求項およびそれらの等価物によって定義される。上記に示した、すべての米国特許および明細書、海外の特許、ならびに発刊物は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体収容パウチであって、
第1および第2の対向シートと、
前記第1の対向シートと前記第2の対向シートとの間に配置される流体と、を備え、前記第1のシートおよび前記第2のシートは、実質的に液体およびガス不透過性である周辺シールを有し、その少なくとも一部分は、約4mm未満のシール幅を有し、前記パウチは、約10mmHg未満のパウチ完全性試験のΔpCO2値をもたらす、流体収容パウチ。
【請求項2】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、複数の屈曲を有する波状パターンで折り畳まれる、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項3】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項4】
前記周辺シールの内縁に配置される、内部プラスチックシールビーズをさらに備える、請求項3に記載の流体収容パウチ。
【請求項5】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、前記周辺シールは、前記第1のホイルと前記第2のホイルとの間に配置され、かつ前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さ未満の平均厚を有する、第3のプラスチック層を備える、請求項3に記載の流体収容パウチ。
【請求項6】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約25%薄い平均厚を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項7】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約50%薄い平均厚を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項8】
前記第1および前記第2のホイル層は、約0.01〜約2.0mmの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項9】
前記第1および前記第2のプラスチック層は、約0.005〜約0.5mmの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項10】
前記第1および前記第2のプラスチック層は、Primacor、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ならびにニトロセルロース、尿素およびアクリル樹脂に基づくラッカーから成る群から選択される、プラスチックを備える、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項11】
前記第1および前記第2のプラスチック層は、実質的に長方形であり、約0.5cm2〜約20cm2の範囲の各面積を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項12】
前記周辺シールの少なくとも一部分に沿って、プラスチックビーズをさらに備える、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項13】
前記周辺シールは、約200℃〜約500℃の範囲の熱を加えることによって形成される、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項14】
前記周辺シールは、約34.5MN/m2〜約62.1MN/m2の範囲の圧力を加えることによって形成される、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項15】
前記周辺シールは、約1mm〜約2cmの周辺幅を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項16】
前記周辺シールは、約1cm〜約20cmの周長を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項17】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のラッカー層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のラッカー層とを含み、前記第1および第2のホイル層は、前記周辺シールにおいて相互に融合される、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項18】
前記流体は、公知の濃度の1つもしくは複数の分析物を含有する、較正用流体である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項19】
前記流体は、反応物流体である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項20】
前記流体は、洗浄流体である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項21】
前記パウチは、12%未満の破裂強度標準偏差を有する、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項22】
前記第1のシートおよび前記第2のシートはそれぞれ、単一のプラスチックライニングホイルの対向する折り畳み部分である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項23】
前記第1のシートおよび前記第2のシートはそれぞれ、2つの個別のホイルである、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項24】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、アルミニウムホイル、銅ホイル、および真ちゅうホイルから成る群から選択される、金属ホイルを備える、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項25】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、約0.01〜約2.0mmの範囲の厚さを有するホイルを備える、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項26】
前記パウチは、約5μL〜約5mLのパウチ容量を有する、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項27】
前記パウチは、約5μL〜約5mLの液体容量を有する、液体を含む、請求項26に記載の流体収容パウチ。
【請求項28】
前記液体容量は、パウチ容量の合計に基づき、約50%〜約95%である、請求項27に記載の流体収容パウチ。
【請求項29】
前記パウチは、約5μL〜約5mLのガス容量を含む、請求項26に記載の流体収容パウチ。
【請求項30】
前記ガス容量は、パウチ容量の合計に基づき、約5%〜約50%である、請求項29に記載の流体収容パウチ。
【請求項31】
ガス相の前記ガスは、公知の濃度または分圧の1つもしくは複数のガスを有する、較正ガスを含む、請求項29に記載の流体収容パウチ。
【請求項32】
前記ガス相の前記ガスは、環境大気である、請求項29に記載の流体収容パウチ。
【請求項33】
前記周辺シールは、1つもしくは複数の圧着領域を含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項34】
前記1つもしくは複数の圧着領域は、複数の同心圧着環を備える、請求項33に記載の流体収容パウチ。
【請求項35】
前記パウチは、センサを含むカートリッジ内にある、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項36】
前記パウチは、センサを較正するために使用する、較正用流体を含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項37】
前記パウチは、所定の分圧の二酸化炭素を有する、較正用流体であって、前記分圧の二酸化炭素のためにセンサを較正するために使用される、較正用流体を含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項38】
前記パウチは、少なくとも1つのセンサを含む、単回使用カートリッジ内にあり、前記カートリッジは、サンプル中の分析物を測定するために、読み取り機と併せて使用される、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項39】
第1および第2の対向シートと、
前記第1および第2の対抗シートとの間に配置される、流体と、を備え、前記パウチは、12%未満の標準偏差を有する破裂強度を有する、流体収容パウチ。
【請求項40】
流体収容パウチを形成するための方法であって、
(a)第1のシート上に流体を沈着させるステップと、
(b)第2のシートを、前記第1のシートの反対に配置するステップと、
(c)前記対向する第1および第2のシートを相互に封止し、それらの間に含まれる前記流体を収容させた封止領域を形成するステップであって、前記封止領域は、実質的に液体およびガス不透過性である、ステップと、を含む、方法。
【請求項41】
前記パウチは、約10mmHg未満のパウチ完全性試験ΔpCO2値をもたらす、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記封止領域は、封止周辺領域を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記封止することは、前記第1のシートおよび前記第2のシートに熱および圧力を加えることを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記封止するステップは、超音波溶接を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記封止するステップは、レーザ溶接を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、複数の屈曲を有する、波状パターンで折り畳まれる、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、前記封止するステップは、内部プラスチックシールビーズが形成されるように、前記第1のシート上の前記第1のプラスチック層を、前記第2のシート上の前記第2のプラスチック層とともに融解するステップを含み、前記内部プラスチックシールビーズは、前記較正用液体が、前記第1および前記第2のホイル層のうちのいずれか一方に、または両方に接触するのを実質的に防止する、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、前記周辺シールは、前記第1のホイルと前記第2のホイルとの間に配置され、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さより薄い平均厚を有する、第3のプラスチック層を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも50%薄い平均厚を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項50】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約25%薄い平均厚を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のラッカー層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のラッカー層とを含み、前記封止するステップは、前記第1のホイル層を前記第2のホイル層に超音波溶接するステップを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項52】
前記流体は、較正用流体である、請求項40に記載の方法。
【請求項53】
前記流体は、反応物流体である、請求項40に記載の方法。
【請求項54】
前記流体は、洗浄流体である、請求項40に記載の方法。
【請求項55】
前記パウチは、12%未満の破裂強度標準偏差を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項56】
前記プロセスは、前記第1のシート内に空洞を形成し、前記流体を前記空洞内に沈着させるステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項57】
請求項40の方法によって、形成される、流体収容パウチ。
【請求項58】
プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールであって、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分がいっしょに封止されるプラスチック面が接合された、プラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、それによって、前記シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって熱および圧力が加えられ、前記圧着領域のプラスチックの平均厚は、前記2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄く、かつ、それによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送が、封止中にプラスチックが圧着されないシールよりも実質的に少ない、シール。
【請求項59】
周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチであって、液体相およびガス相を収容する、封入容器を形成するために、プラスチック面をいっしょに接合させ、封止させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、前記圧力は、前記周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって加えられ、前記圧着領域内の前記周辺シールのプラスチックの平均厚は、実質的に前記2つのプラスチックライニングの前記初期の合わせた厚さより薄い、パウチ。
【請求項60】
プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性のシールを形成するための方法であって、
(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成し、前記ポケット内に液体の一部を適用することと、
(b)前記プラスチック面を接合させて第2のプラスチックライニングホイルで前記ポケットを被覆することと、
(c)周辺シールを形成するために、前記第1および前記第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することと、を含み、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、前記圧力は、前記周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって加えられ、前記圧着領域内の前記周辺シールのプラスチックの平均厚は、実質的に、前記2つのプラスチックライニングの前記初期の合わせた厚さより薄く、前記シールは、液体相およびガス相を含む、実質的にガス気密性のパウチを形成する、方法。
【請求項61】
リール上で前記ホイルを用いて実施する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記圧力は、前記ホイルを圧着する治具を用いて加えられる、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記熱および圧力は、超音波溶接を用いて加えられる、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチを形成するための方法であって、
(a)前記プラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分は、液体相およびガス相を含む、周辺シールで封入容器を形成するために、いっしょに封止され、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解するために十分な熱、および連続プラスチック周辺シールを形成するために十分な圧力を加えることによって形成される、第1のステップと、
(b)前記周辺シールは、前記周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらすように圧着され、前記圧着領域のプラスチックの平均厚は、実質的に、前記2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄い、第2のステップと、を含む、方法。
【請求項65】
プラスチックライニングホイルで形成された、実質的にガス気密性のシールであって、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分がいっしょに封止される前記プラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な超音波溶接を加えることによって形成され、それによって、前記超音波溶接は、前記プラスチックシールの1つもしくは複数の領域をもたらし、前記シール領域内のプラスチックの平均厚は、実質的に、前記2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄く、かつそれによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送が、プラスチックの厚さが、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さであるシールよりも実質的に少ない、シール。
【請求項66】
周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチであって、液体相およびガス相を含む封入容器を形成するために、前記プラスチック面をいっしょに接合させ、封止させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、連続プラスチック周辺層を形成し、かつプラスチックの一部分を前記シール領域から前記封入容器の周辺の少なくとも一部分内に押し出すために、超音波溶接を適用することによって形成され、それによって、前記周辺シール内のプラスチックの平均厚が前記2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄い、パウチ。
【請求項67】
プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性シールを形成するための方法であって、
(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成することと、
(b)前記ポケット内に液体の一部分を適用することと、
(c)前記プラスチック面を接合させて第2のプラスチックライニングホイルで前記ポケットを被覆することと、
(d)周辺シールを形成するために、前記第1および第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することと、を含み、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチックの一部分を前記シール領域から前記ポケット内に押し出すために、超音波溶接を適用することによって形成され、前記シールは、液体相およびガス相を含む、実質的にガス気密性ポケットを形成し、それによって、前記周辺シール内のプラスチックの平均厚は、前記2つのプラスチックライニングの合わせた厚さよりも実質的に薄い、方法。
【請求項68】
プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールであって、第2の相から第1の相を分離するために隣接部分がいっしょに封止される前記プラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記シールは、前記シール領域からプラスチックを実質的に除去し、前記ホイルを融解し、前記シール領域内に金属間シールを形成するために十分な溶接エネルギーを加えることによって形成される、シール。
【請求項69】
前記溶接エネルギーは、超音波エネルギーまたはレーザエネルギーによって提供される、請求項68に記載のシール。
【請求項70】
内側プラスチック周辺シールと外側金属間シールとを有する、実質的にガス気密性のホイルパウチであって、封入容器を形成するために、液体相およびガス相を含む、内側プラスチック周辺シールによって、前記領域およびプラスチック面を整合させ、接合させ、いっしょに封止させた前記ホイルの所定領域上のプラスチックライニングを有するホイルの2つの部分を備え、前記ホイルの前記2つの部分の周囲部分は、いっしょに溶接され、外側金属間シールを形成する、パウチ。
【請求項71】
実質的にガス気密性パウチであって、液体相およびガス相を含む、内側封止プラスチック封入容器と、外側封止ホイル封入容器とを備え、ホイルの2つの部分は、前記プラスチック封入容器を封入する、外側金属間シールを形成するようにいっしょに溶接される、パウチ。
【請求項1】
流体収容パウチであって、
第1および第2の対向シートと、
前記第1の対向シートと前記第2の対向シートとの間に配置される流体と、を備え、前記第1のシートおよび前記第2のシートは、実質的に液体およびガス不透過性である周辺シールを有し、その少なくとも一部分は、約4mm未満のシール幅を有し、前記パウチは、約10mmHg未満のパウチ完全性試験のΔpCO2値をもたらす、流体収容パウチ。
【請求項2】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、複数の屈曲を有する波状パターンで折り畳まれる、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項3】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項4】
前記周辺シールの内縁に配置される、内部プラスチックシールビーズをさらに備える、請求項3に記載の流体収容パウチ。
【請求項5】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、前記周辺シールは、前記第1のホイルと前記第2のホイルとの間に配置され、かつ前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さ未満の平均厚を有する、第3のプラスチック層を備える、請求項3に記載の流体収容パウチ。
【請求項6】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約25%薄い平均厚を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項7】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約50%薄い平均厚を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項8】
前記第1および前記第2のホイル層は、約0.01〜約2.0mmの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項9】
前記第1および前記第2のプラスチック層は、約0.005〜約0.5mmの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項10】
前記第1および前記第2のプラスチック層は、Primacor、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ならびにニトロセルロース、尿素およびアクリル樹脂に基づくラッカーから成る群から選択される、プラスチックを備える、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項11】
前記第1および前記第2のプラスチック層は、実質的に長方形であり、約0.5cm2〜約20cm2の範囲の各面積を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項12】
前記周辺シールの少なくとも一部分に沿って、プラスチックビーズをさらに備える、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項13】
前記周辺シールは、約200℃〜約500℃の範囲の熱を加えることによって形成される、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項14】
前記周辺シールは、約34.5MN/m2〜約62.1MN/m2の範囲の圧力を加えることによって形成される、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項15】
前記周辺シールは、約1mm〜約2cmの周辺幅を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項16】
前記周辺シールは、約1cm〜約20cmの周長を有する、請求項5に記載の流体収容パウチ。
【請求項17】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のラッカー層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のラッカー層とを含み、前記第1および第2のホイル層は、前記周辺シールにおいて相互に融合される、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項18】
前記流体は、公知の濃度の1つもしくは複数の分析物を含有する、較正用流体である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項19】
前記流体は、反応物流体である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項20】
前記流体は、洗浄流体である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項21】
前記パウチは、12%未満の破裂強度標準偏差を有する、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項22】
前記第1のシートおよび前記第2のシートはそれぞれ、単一のプラスチックライニングホイルの対向する折り畳み部分である、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項23】
前記第1のシートおよび前記第2のシートはそれぞれ、2つの個別のホイルである、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項24】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、アルミニウムホイル、銅ホイル、および真ちゅうホイルから成る群から選択される、金属ホイルを備える、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項25】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、約0.01〜約2.0mmの範囲の厚さを有するホイルを備える、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項26】
前記パウチは、約5μL〜約5mLのパウチ容量を有する、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項27】
前記パウチは、約5μL〜約5mLの液体容量を有する、液体を含む、請求項26に記載の流体収容パウチ。
【請求項28】
前記液体容量は、パウチ容量の合計に基づき、約50%〜約95%である、請求項27に記載の流体収容パウチ。
【請求項29】
前記パウチは、約5μL〜約5mLのガス容量を含む、請求項26に記載の流体収容パウチ。
【請求項30】
前記ガス容量は、パウチ容量の合計に基づき、約5%〜約50%である、請求項29に記載の流体収容パウチ。
【請求項31】
ガス相の前記ガスは、公知の濃度または分圧の1つもしくは複数のガスを有する、較正ガスを含む、請求項29に記載の流体収容パウチ。
【請求項32】
前記ガス相の前記ガスは、環境大気である、請求項29に記載の流体収容パウチ。
【請求項33】
前記周辺シールは、1つもしくは複数の圧着領域を含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項34】
前記1つもしくは複数の圧着領域は、複数の同心圧着環を備える、請求項33に記載の流体収容パウチ。
【請求項35】
前記パウチは、センサを含むカートリッジ内にある、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項36】
前記パウチは、センサを較正するために使用する、較正用流体を含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項37】
前記パウチは、所定の分圧の二酸化炭素を有する、較正用流体であって、前記分圧の二酸化炭素のためにセンサを較正するために使用される、較正用流体を含む、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項38】
前記パウチは、少なくとも1つのセンサを含む、単回使用カートリッジ内にあり、前記カートリッジは、サンプル中の分析物を測定するために、読み取り機と併せて使用される、請求項1に記載の流体収容パウチ。
【請求項39】
第1および第2の対向シートと、
前記第1および第2の対抗シートとの間に配置される、流体と、を備え、前記パウチは、12%未満の標準偏差を有する破裂強度を有する、流体収容パウチ。
【請求項40】
流体収容パウチを形成するための方法であって、
(a)第1のシート上に流体を沈着させるステップと、
(b)第2のシートを、前記第1のシートの反対に配置するステップと、
(c)前記対向する第1および第2のシートを相互に封止し、それらの間に含まれる前記流体を収容させた封止領域を形成するステップであって、前記封止領域は、実質的に液体およびガス不透過性である、ステップと、を含む、方法。
【請求項41】
前記パウチは、約10mmHg未満のパウチ完全性試験ΔpCO2値をもたらす、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記封止領域は、封止周辺領域を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記封止することは、前記第1のシートおよび前記第2のシートに熱および圧力を加えることを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記封止するステップは、超音波溶接を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記封止するステップは、レーザ溶接を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記第1のシートおよび前記第2のシートは、複数の屈曲を有する、波状パターンで折り畳まれる、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、前記封止するステップは、内部プラスチックシールビーズが形成されるように、前記第1のシート上の前記第1のプラスチック層を、前記第2のシート上の前記第2のプラスチック層とともに融解するステップを含み、前記内部プラスチックシールビーズは、前記較正用液体が、前記第1および前記第2のホイル層のうちのいずれか一方に、または両方に接触するのを実質的に防止する、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のプラスチック層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のプラスチック層とを含み、前記周辺シールは、前記第1のホイルと前記第2のホイルとの間に配置され、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さより薄い平均厚を有する、第3のプラスチック層を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも50%薄い平均厚を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項50】
前記第3のプラスチック層は、前記第1および前記第2のプラスチック層の合わせた厚さよりも、少なくとも約25%薄い平均厚を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のシートは、第1のホイル層と第1のラッカー層とを含み、前記第2のシートは、第2のホイル層と第2のラッカー層とを含み、前記封止するステップは、前記第1のホイル層を前記第2のホイル層に超音波溶接するステップを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項52】
前記流体は、較正用流体である、請求項40に記載の方法。
【請求項53】
前記流体は、反応物流体である、請求項40に記載の方法。
【請求項54】
前記流体は、洗浄流体である、請求項40に記載の方法。
【請求項55】
前記パウチは、12%未満の破裂強度標準偏差を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項56】
前記プロセスは、前記第1のシート内に空洞を形成し、前記流体を前記空洞内に沈着させるステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項57】
請求項40の方法によって、形成される、流体収容パウチ。
【請求項58】
プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールであって、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分がいっしょに封止されるプラスチック面が接合された、プラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、それによって、前記シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって熱および圧力が加えられ、前記圧着領域のプラスチックの平均厚は、前記2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄く、かつ、それによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送が、封止中にプラスチックが圧着されないシールよりも実質的に少ない、シール。
【請求項59】
周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチであって、液体相およびガス相を収容する、封入容器を形成するために、プラスチック面をいっしょに接合させ、封止させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、前記圧力は、前記周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって加えられ、前記圧着領域内の前記周辺シールのプラスチックの平均厚は、実質的に前記2つのプラスチックライニングの前記初期の合わせた厚さより薄い、パウチ。
【請求項60】
プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性のシールを形成するための方法であって、
(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成し、前記ポケット内に液体の一部を適用することと、
(b)前記プラスチック面を接合させて第2のプラスチックライニングホイルで前記ポケットを被覆することと、
(c)周辺シールを形成するために、前記第1および前記第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することと、を含み、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチック周辺層を形成するために十分な熱および圧力を加えることによって形成され、前記圧力は、前記周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらす、圧着要素によって加えられ、前記圧着領域内の前記周辺シールのプラスチックの平均厚は、実質的に、前記2つのプラスチックライニングの前記初期の合わせた厚さより薄く、前記シールは、液体相およびガス相を含む、実質的にガス気密性のパウチを形成する、方法。
【請求項61】
リール上で前記ホイルを用いて実施する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記圧力は、前記ホイルを圧着する治具を用いて加えられる、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記熱および圧力は、超音波溶接を用いて加えられる、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチを形成するための方法であって、
(a)前記プラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分は、液体相およびガス相を含む、周辺シールで封入容器を形成するために、いっしょに封止され、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解するために十分な熱、および連続プラスチック周辺シールを形成するために十分な圧力を加えることによって形成される、第1のステップと、
(b)前記周辺シールは、前記周辺シールの1つもしくは複数の領域をもたらすように圧着され、前記圧着領域のプラスチックの平均厚は、実質的に、前記2つのプラスチックライニングの合わせた厚さより薄い、第2のステップと、を含む、方法。
【請求項65】
プラスチックライニングホイルで形成された、実質的にガス気密性のシールであって、第2の相から第1の相を分離するために、隣接部分がいっしょに封止される前記プラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチックシールを形成するために十分な超音波溶接を加えることによって形成され、それによって、前記超音波溶接は、前記プラスチックシールの1つもしくは複数の領域をもたらし、前記シール領域内のプラスチックの平均厚は、実質的に、前記2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄く、かつそれによって、前記プラスチックシールを通る、前記第1の相と前記第2の相との間のガス輸送が、プラスチックの厚さが、実質的に、2つのプラスチックライニングの合わせた厚さであるシールよりも実質的に少ない、シール。
【請求項66】
周辺シールを有する、実質的にガス気密性のプラスチックライニングホイルパウチであって、液体相およびガス相を含む封入容器を形成するために、前記プラスチック面をいっしょに接合させ、封止させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、連続プラスチック周辺層を形成し、かつプラスチックの一部分を前記シール領域から前記封入容器の周辺の少なくとも一部分内に押し出すために、超音波溶接を適用することによって形成され、それによって、前記周辺シール内のプラスチックの平均厚が前記2つのプラスチックライニングの初期の合わせた厚さより薄い、パウチ。
【請求項67】
プラスチックライニングホイルパウチ内に実質的にガス気密性シールを形成するための方法であって、
(a)第1のプラスチックライニングホイル内にポケットを形成することと、
(b)前記ポケット内に液体の一部分を適用することと、
(c)前記プラスチック面を接合させて第2のプラスチックライニングホイルで前記ポケットを被覆することと、
(d)周辺シールを形成するために、前記第1および第2のプラスチックライニングホイルをいっしょに封止することと、を含み、前記周辺シールは、前記プラスチックを融解し、プラスチックの一部分を前記シール領域から前記ポケット内に押し出すために、超音波溶接を適用することによって形成され、前記シールは、液体相およびガス相を含む、実質的にガス気密性ポケットを形成し、それによって、前記周辺シール内のプラスチックの平均厚は、前記2つのプラスチックライニングの合わせた厚さよりも実質的に薄い、方法。
【請求項68】
プラスチックライニングホイルで形成される、実質的にガス気密性のシールであって、第2の相から第1の相を分離するために隣接部分がいっしょに封止される前記プラスチック面を接合させたプラスチックライニングホイルの2つの部分を備え、前記シールは、前記シール領域からプラスチックを実質的に除去し、前記ホイルを融解し、前記シール領域内に金属間シールを形成するために十分な溶接エネルギーを加えることによって形成される、シール。
【請求項69】
前記溶接エネルギーは、超音波エネルギーまたはレーザエネルギーによって提供される、請求項68に記載のシール。
【請求項70】
内側プラスチック周辺シールと外側金属間シールとを有する、実質的にガス気密性のホイルパウチであって、封入容器を形成するために、液体相およびガス相を含む、内側プラスチック周辺シールによって、前記領域およびプラスチック面を整合させ、接合させ、いっしょに封止させた前記ホイルの所定領域上のプラスチックライニングを有するホイルの2つの部分を備え、前記ホイルの前記2つの部分の周囲部分は、いっしょに溶接され、外側金属間シールを形成する、パウチ。
【請求項71】
実質的にガス気密性パウチであって、液体相およびガス相を含む、内側封止プラスチック封入容器と、外側封止ホイル封入容器とを備え、ホイルの2つの部分は、前記プラスチック封入容器を封入する、外側金属間シールを形成するようにいっしょに溶接される、パウチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図14】
【図15B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図25】
【図13】
【図15A】
【図16】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【図7C】
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【図17】
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【図19】
【図20A】
【図20B】
【図25】
【図13】
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【図16】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2012−502854(P2012−502854A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527034(P2011−527034)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/056909
【国際公開番号】WO2010/031026
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(501354521)アボット ポイント オブ ケア インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/056909
【国際公開番号】WO2010/031026
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(501354521)アボット ポイント オブ ケア インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】
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