説明

ガス処理装置およびこれを備えた車両

【課題】蓄電装置内で発生するガスの処理を適切に行うことのできる技術を提供する。
【解決手段】前記蓄電装置は、収容容器902内に収容された冷却液904中に蓄電素子903を浸漬させて構成され、例えば車両に搭載されたものである。蓄電部9内で発生するガスを蓄電部9外に導くガス排出路101と、排出路101により蓄電部9外に導かれたガスを気液分離するフィルタ部102と、捕集対象物の捕集もしくは触媒作用により浄化するガス浄化部104とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電部内で発生するガスの処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電池パック等の蓄電装置において、当該蓄電装置内においてガスが発生した場合、このガスを蓄電装置外に排出する必要がある。(例えば、特許文献1〜特許文献6を参照。)。
【特許文献1】特開昭58−133464号公報
【特許文献2】実開昭63−61758号公報
【特許文献3】実開平2−123064号公報
【特許文献4】特開平9−120812号公報
【特許文献5】特開平8−306394号公報
【特許文献6】特開2005−347162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、蓄電装置内で発生するガスには、黒鉛ススやCO等が含まれる場合があり、このようなガスをそのまま蓄電装置外に排出することは好ましいとは言い難い。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、蓄電装置内で発生するガスの処理を適切に行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係るガス処理装置は、蓄電部内で発生するガスを前記蓄電部外に導くガス排出路と、前記ガス排出路により前記蓄電部外に導かれたガスを、捕集対象物の捕集もしくは触媒作用により浄化するガス浄化部と、を有することができる。
【0006】
ここで、前記蓄電部は、収容容器内に収容された液体に蓄電素子を浸漬させて構成されるものであり、前記ガス排出路における、前記蓄電部から前記ガス浄化部までの間に設けられ、前記ガス排出路内を流れるガスと液体を分離するフィルタ部をさらに備えることができる。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部における浄化性能の維持に寄与することができる。
【0007】
ここで、前記蓄電部は、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成された極板を、電解液と共に収容する単電池であり、前記ガス排出路における、前記蓄電部から前記ガス浄化部までの間に設けられ、前記ガス排出路内を流れるガスと前記電解液を分離するフィルタ部をさらに備えることができる。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部における浄化性能の維持に寄与することができる。
【0008】
また、本発明に係るガス処理装置は、車両に備えられた蓄電部内で発生するガスを処理するガス処理装置であって、捕集対象物の捕集もしくは触媒作用によるガスの浄化を行うガス浄化部と、前記車両のエンジンからの排気ガスを前記ガス浄化部へと導く第1のガス排出路と、前記蓄電部内で発生するガスを、前記第1のガス排出路内に流入させる第2のガス排出路と、を有することができる。これによれば、蓄電部内で発生したガスの浄化のために、車両に通常備わっている排気ガス用のガス浄化部を兼用することにより、特別なガス浄化装置を追加する必要がなく、省スペース化、構成の簡略化および低コスト化に寄与することができる。
【0009】
ここで、前記第2のガス排出路は、前記蓄電部内で発生するガスを、少なくとも1つの逆止弁を介して前記第1のガス排出路内に流入させることができる。これによれば、通常高圧となるエンジンからの排気ガスにより蓄電部側にガスが逆流してしまうことを防止することができる。
【0010】
ここで、前記蓄電部は、収容容器内に収容された液体に電池素子を浸漬させて構成されるものであり、前記第2のガス排出路における、前記蓄電部から、前記第2のガス排出路と前記第1のガス排出路との合流位置までの間に設けられ、前記第2のガス排出路内を流れるガスと液体を分離するフィルタ部をさらに備えることができる。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部における浄化性能の維持に寄与することができる。
【0011】
ここで、前記蓄電部は、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成された極板を、電解液と共に収容する単電池であり、前記ガス排出路における、前記蓄電部から前記ガス浄化部までの間に設けられ、前記ガス排出路内を流れるガスと前記電解液を分離するフィルタ部をさらに備えることができる。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部における浄化性能の維持に寄与することができる。
【0012】
ここで、前記第2のガス排出路は、少なくとも一部が耐熱性材料から形成されていることができる。これにより、通常高熱となるエンジンからの排気ガスを通す第1のガス排出路からの伝熱により、第2のガス排出路が溶けてしまうといった事態を回避することができる。
【0013】
また、第2のガス排出路を断熱材料から形成することにより、第1のガス排出路から伝達される熱により蓄電部に影響が及ぶことを回避することもできる。
【0014】
また、本発明に係る車両は、上述のような構成のガス処理装置を備えることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上に詳述したように本発明によれば、蓄電装置内で発生するガスの処理を適切に行うことのできる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(実施例1)
まず、本発明の実施例1について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施例1によるガス処理装置について説明するための概略構成図である。
【0019】
本実施例によるガス処理装置1aは、例えば車両に配置され、当該車両に搭載される蓄電部9内で発生するガスを処理(浄化など)する役割を有している。
【0020】
蓄電部9において、複数の円筒型電池903からなる組電池は、ハイブリッド車両の駆動用または補助電源として使用され、蓋体901により密閉される収容容器902内に収容されている。収容容器902には組電池を冷却するための冷却液(液状の熱交換媒体)904が収容されており、この冷却液904の中に組電池(蓄電素子に相当)が浸漬されている。具体的に、液状の熱交換媒体としての冷却液904には、例えば、オートマチックトランスミッションフルード(ATF:Automatic Transmission Fluid)を採用することができる。
【0021】
本実施例によるガス処理装置1aは、ガス排出路101、フィルタ部102、逆止弁103およびガス浄化部104を備えている。
【0022】
ガス排出路101は、蓄電部9内で発生するガスを蓄電部9外に導く役割を有している。ここでのガス排出路101は、例えば、蓄電部9の蓋体901に設けられた、いわゆる破壊型の弁や復帰型の弁を介して蓄電部9内部からのガスを受け入れ可能となっている。ここで、破壊型の弁としては、収容容器の壁に局所的に圧力変化に弱い部分を設け、例えば内圧の上昇により破壊されて内部のガスを排出する構成の弁等が相当する。また、復帰型の弁としては、収容容器の壁に設けられたガス排出口に対してバネ等によって弾性的に押し当てられている栓が、内圧の上昇に伴って開栓し、内部のガスを排出する構成の弁等が相当する。
【0023】
フィルタ部102は、ガス排出路101における、蓄電部9からガス浄化部104までの経路上に設けられ、ガス排出路101内を流れるガスと冷却液904を分離する機能を有している。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部104における浄化性能の維持および性能の安定化に寄与することができる。
【0024】
逆止弁103は、同図に示すように、フィルタ部102からガス浄化部104までのガス排出路上に配置されており、ガス浄化部104から蓄電部9側へのガスの逆流を防止している。
【0025】
ガス浄化部104は、ガス排出路101により蓄電部9外に導かれたガスを、捕集対象物である黒鉛スス等の捕集もしくは例えば酸化触媒やNOX触媒等による触媒作用により浄化する機能を有している。なお、ここでのガス浄化部104によるガスの浄化機能は、蓄電部9から排出されるガスを必要な状態まで浄化することができるものであればよく、上記した例に限定されるものではない(例えば、遠心分離機能等を含むこともできる。)。
【0026】
なお、本実施例では、蓄電部が電池パックに相当する構成である例を示したが、これに限られるものではない。例えば、蓄電部を、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成された極板を、電解液と共にケーシングに収容する単電池とし、当該単電池のケーシングに上記破壊型の弁や復帰型の弁を設け、この弁を介して第1のガス排出路にガスを排出する構成としてもよい。この場合、蓄電部9からガス浄化部104までの経路上に設けられるフィルタ部102は、ガス排出路101内を流れるガスと上記電解液を分離する。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部における浄化性能の維持に寄与することができる。
【0027】
このような構成により、蓄電部内で発生したガスに含まれる黒鉛ススやCO等を減少させて車両外に排出することが可能となる。
【0028】
(実施例2)
続いて、本発明の実施例2について説明する。
【0029】
本発明の実施例2は、上述した実施例1の変形例である。本実施例と実施例1とは、ガス浄化部直前に設けられる逆止弁の数が異なっている。以下、上述の実施例にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については、同一符号を付し、説明は割愛する。
【0030】
図2は、本発明の実施例2によるガス処理装置1bについて説明するための概略構成図である。
【0031】
同図に示すように、本実施例では、3つの逆止弁103a、103bおよび103cがフィルタ部102からガス浄化部104までのガス排出路上に配置されており、ガス浄化部104から蓄電部9側へのガスの逆流を防止している。
【0032】
このように、複数の逆止弁を設ける構成としたことにより、例えば、これら複数の逆止弁の内のいずれかが破損したような場合でも、残りの逆止弁が正常に機能していれば、ガスの蓄電部9への逆流を防止することができ、実施例1に比べてさらにガスの逆流防止効果を高めることができる。
【0033】
(実施例3)
続いて、本発明の実施例3について説明する。
【0034】
本発明の実施例3は、上述した実施例1の変形例である。本実施例と実施例1とは、ガス浄化部の配置、およびガスをガス浄化部まで導く経路が異なっている。以下、上述の実施例にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については、同一符号を付し、説明は割愛する。
【0035】
図3は、本発明の実施例3によるガス処理装置1cについて説明するための概略構成図である。
【0036】
本実施例によるガス処理装置1cは、フィルタ部102、逆止弁103、ガス浄化部104、第1のガス排出路105および第2のガス排出路106を備えている。
【0037】
本実施例において、第1のガス排出路105は、例えば、金属や耐熱樹脂等の耐熱材料からなる管路から構成されており、蓄電部9およびガス処理装置1cを搭載した車両のエンジン2からの排気ガスをガス浄化部104へと導く役割を有している。
【0038】
また、第2のガス排出路106は、蓄電部9内で発生するガスを、第1のガス排出路105内に流入させる管路として構成されている。
【0039】
これによれば、蓄電部9内で発生したガスの浄化のために、車両に通常備わっている排気ガス用のガス浄化部104を兼用することにより、蓄電部9にて発生するガス専用の特別なガス浄化装置を追加する必要がなく、装置全体としての省スペース化、構成の簡略化および低コスト化に寄与することができる。
【0040】
なお、第2のガス排出路106は、蓄電部9内で発生するガスを、逆止弁103を介して第1のガス排出路105内に流入させることができる。これによれば、通常高圧となるエンジン2からの排気ガスにより蓄電部9側にガスが逆流してしまうことを防止することができる。
【0041】
なお、本実施例では、蓄電部が電池パックに相当する構成である例を示したが、これに限られるものではない。例えば、蓄電部を、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成された極板を、電解液と共にケーシングに収容する単電池とし、当該単電池のケーシングに上記破壊型の弁や復帰型の弁を設け、この弁を介して第2のガス排出路106にガスを排出する構成としてもよい。この場合、蓄電部9からガス浄化部104までの経路上に設けられるフィルタ部102は、第2のガス排出路106内を流れるガスと上記電解液を分離する。このような構成とすることにより、浄化対象であるガスがガス浄化部に到達する前に気液分離させることができ、ひいてはガス浄化部における浄化性能の維持に寄与することができる。
【0042】
また、本実施例において、第2のガス排出路106は、少なくとも一部が金属や耐熱性樹脂等の耐熱性材料から形成されていることが好ましい。これにより、通常高熱となるエンジン2からの排気ガスを通す第1のガス排出路105からの伝熱により、第2のガス排出路106が溶けたり変形したりしてしまうといった事態を回避することができる。
【0043】
さらに、第2のガス排出路106を、断熱材料から形成したり、ガスの流れ方向における中間位置に断熱材料を挟みこむ構成としたりすることにより、第1のガス排出路105から蓄電部9への伝熱を抑制し、蓄電部9に排気ガスの熱の影響が及ぶことを回避することもできる。
【0044】
(実施例4)
続いて、本発明の実施例4について説明する。
【0045】
本発明の実施例4は、上述した実施例3の変形例である。本実施例と実施例3とは、ガス浄化部直前に設けられる逆止弁の数が異なっている。以下、上述の実施例にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については、同一符号を付し、説明は割愛する。
【0046】
図4は、本発明の実施例4によるガス処理装置について説明するための概略構成図である。
【0047】
同図に示すように、本実施例では、3つの逆止弁103a、103bおよび103cが、フィルタ部102から第1のガス排出路105と第2のガス排出路106との合流位置までのガス排出路上に配置されており、ガス浄化部104側もしくはエンジン2側からの蓄電部9側へのガスの逆流を防止している。
【0048】
このように、複数の逆止弁を設ける構成としたことにより、例えば、これら複数の逆止弁の内のいずれかが破損したような場合でも、残りの逆止弁が正常に機能していれば、ガスの蓄電部9への逆流を防止することができ、実施例3に比べてさらにガスの逆流防止効果を高めることができる。
【0049】
(実施例5)
続いて、本発明の実施例5について説明する。
【0050】
以下、上述の実施例にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については、同一符号を付し、説明は割愛する。
【0051】
図5は、従来の電池処理方法について説明するための概略図である。
【0052】
従来、ATFのような液状の熱交換媒体により冷却等を行う蓄電装置(上述の蓄電部9に相当)を廃棄する場合、廃棄処理に先立って、蓄電装置に内蔵されている電池を完全放電させることが好ましい。
【0053】
従来の電池処理方法では、図5に示すように、蓄電装置の外部電極に抵抗回路を接続し、完全放電させていた。しかし、当該従来の電池処理方法では、蓄電装置内の電池の電池容量がばらついている場合に、過放電してしまう可能性がある。
【0054】
そこで、本発明の実施例5では、上記従来の電池処理方法における問題点を解決することのできる電池処理方法について説明する。
【0055】
図6は、本発明の実施例5による電池処理方法について説明するための概略図である。
【0056】
同図に示すように、本実施例による電池処理方法では、廃棄対象となる蓄電装置内の冷却液に導電性物質からなる粒子を混入させる。なお、ここでの冷却液への粒子の混入は、蓄電装置内に収容されている冷却液の外部への漏れ出しを防止するため、例えば、蓄電装置のケーシングの蓋に粒子混入用の(栓等により閉塞可能な)取り込み口を設け、当該取り込み口から行うようにしてもよい。
【0057】
このように、導電性物質からなる粒子を蓄電装置内の冷却液に混入させることで、蓄電装置内の電池が当該粒子によって短絡し、過放電を引き起こすことなく、完全放電させることができる。
【0058】
(実施例6)
続いて、本発明の実施例6について説明する。
【0059】
以下、上述の実施例にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分については、同一符号を付し、説明は割愛する。
【0060】
図7は、従来の蓄電装置の収容容器への電池収容構造を示す概略斜視図である。
【0061】
図7に示すように、従来の蓄電装置9Jでは、複数の円筒型電池903を、電池拘束板905により所定の位置関係で拘束し、当該拘束された電池群を収容容器902J内に収容する。
【0062】
電池拘束板905は収容容器902Jを密閉するための蓋体901側に突出する突起部905aを備えており、蓋体901の収容容器902Jに当接する側の面には、突起部905aに対応する位置に穴部が形成されている。
【0063】
このような構成により、収容容器902J内に収容された電池群は、収容容器902Jを蓋体901によって密閉することにより、収容容器902Jに対して相対移動不能に固定される。
【0064】
図8は、従来の蓄電装置における蓄電部が収容容器に収容された状態を示す概略斜視図である。
【0065】
上述した従来の蓄電装置9Jにおける電池群の収容構造では、例えば蓄電装置9Jに対して大きな衝撃(例えば、150Gの衝撃など)や振動が加わった場合に、電池拘束板905が変形もしくは破損し、電池拘束板905により拘束されていた複数の円筒型電池903の端子部分が収容容器の内面に接触してしまい、電池の端子同士の短絡や端子の変形を引き起こす可能性がある。
【0066】
図9は、本発明の実施例6による蓄電装置(蓄電部)における収容容器の構造を示す概略斜視図である。
【0067】
本実施例による蓄電装置9では、収容容器902の内部空間の側壁に、樹脂やゴム等の絶縁材料からなる絶縁層H1を形成し、例え電池拘束板905の変形等によって電池の端子が収容容器902の内壁に接触したとしても、短絡等の不具合を生じないような構成となっている。また、この絶縁層にある程度の厚みを持たせることにより、衝撃等による電池の端子の破損や変形を抑制することもできる。
【0068】
図10は、本発明の実施例6による蓄電装置における収容容器の他の構造(蓄電装置9’)を示す概略斜視図である。
【0069】
図10に示すように、収容容器902’の内壁に絶縁層を設ける面は、必ずしも側壁全面(4面)である必要はなく、少なくとも蓄電装置9が衝撃等を受けた際に、電池の端子が接触する可能性のある領域に設けられていればよい(同図に示す絶縁層H2を参照)。同図に示す例では、収容容器902’の内壁の内の、電池拘束板905と対向する面のみに絶縁層を形成している。もちろん、ある方向を向く矩形の壁面全面に絶縁層を設ける必要はなく、電池拘束板905により拘束された電池群を収容容器902’内に収容した際における、電池群の各端子の近傍にのみ絶縁層を形成するようにしてもよい。また、当該絶縁層は、電池群におけるすべての端子の近傍に設ける必要はなく、特に、収容容器内壁に当接する可能性の高い箇所(例えば、電池拘束板905における破損もしくは変形しやすい箇所近傍)にのみ形成するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施例1によるガス処理装置について説明するための概略構成図である。
【図2】本発明の実施例2によるガス処理装置について説明するための概略構成図である。
【図3】本発明の実施例3によるガス処理装置について説明するための概略構成図である。
【図4】本発明の実施例4によるガス処理装置について説明するための概略構成図である。
【図5】従来の電池処理方法について説明するための概略図である。
【図6】本発明の実施例5による電池処理方法について説明するための概略図である。
【図7】従来の蓄電装置の蓄電部の収容容器への収容構造を示す概略斜視図である。
【図8】従来の蓄電装置における蓄電部が収容容器に収容された状態を示す概略斜視図である。
【図9】本発明の実施例6による蓄電装置における収容容器の構造を示す概略斜視図である。
【図10】本発明の実施例6による蓄電装置における収容容器の他の構造を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1a〜1d ガス処理装置
9 蓄電部
901 蓋体
902 収容容器
903 円筒型電池
904 冷却液
101 ガス排出路
102 フィルタ部
103,103a,103b,103c 逆止弁
104 ガス浄化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電部内で発生するガスを前記蓄電部外に導くガス排出路と、
前記ガス排出路により前記蓄電部外に導かれたガスを、捕集対象物の捕集もしくは触媒作用により浄化するガス浄化部と、
を有することを特徴とするガス処理装置。
【請求項2】
前記蓄電部は、収容容器内に収容された液体に蓄電素子を浸漬させて構成されるものであり、
前記ガス排出路における、前記蓄電部から前記ガス浄化部までの間に設けられ、前記ガス排出路内を流れるガスと液体を分離するフィルタ部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。
【請求項3】
前記蓄電部は、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成された極板を、電解液と共に収容する単電池であり、
前記ガス排出路における、前記蓄電部から前記ガス浄化部までの間に設けられ、前記ガス排出路内を流れるガスと前記電解液を分離するフィルタ部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。
【請求項4】
車両に備えられた蓄電部内で発生するガスを処理するガス処理装置であって、
捕集対象物の捕集もしくは触媒作用によるガスの浄化を行うガス浄化部と、
前記車両のエンジンからの排気ガスを前記ガス浄化部へと導く第1のガス排出路と、
前記蓄電部内で発生するガスを、前記第1のガス排出路内に流入させる第2のガス排出路と、
を有することを特徴とするガス処理装置。
【請求項5】
前記第2のガス排出路は、前記蓄電部内で発生するガスを、少なくとも1つの逆止弁を介して前記第1のガス排出路内に流入させることを特徴とする請求項4に記載のガス処理装置。
【請求項6】
前記蓄電部は、収容容器内に収容された液体に電池素子を浸漬させて構成されるものであり、
前記第2のガス排出路における、前記蓄電部から、前記第2のガス排出路と前記第1のガス排出路との合流位置までの間に設けられ、前記第2のガス排出路内を流れるガスと液体を分離するフィルタ部をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載のガス処理装置。
【請求項7】
前記蓄電部は、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成された極板を、電解液と共に収容する単電池であり、
前記ガス排出路における、前記蓄電部から前記ガス浄化部までの間に設けられ、前記ガス排出路内を流れるガスと前記電解液を分離するフィルタ部をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載のガス処理装置。
【請求項8】
前記第2のガス排出路は、少なくとも一部が耐熱性材料から形成されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のガス処理装置を備えたことを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−289655(P2009−289655A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142576(P2008−142576)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】