ガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具
【課題】従来のガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、器具判別を行う手段が複雑であるという課題がある。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、ガス器具30〜32に流量変化を行う手段を持たせ、その変化を短い時間間隔で流量測定ができるガスメータ37を用いる。そして、ガスメータ37での測定時間間隔とガス器具30〜32の流量変化時間に特定の関係を持たせることで器具判別と流量測定時の省電力化を実現する。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、ガス器具30〜32に流量変化を行う手段を持たせ、その変化を短い時間間隔で流量測定ができるガスメータ37を用いる。そして、ガスメータ37での測定時間間隔とガス器具30〜32の流量変化時間に特定の関係を持たせることで器具判別と流量測定時の省電力化を実現する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で使用されるガス器具および、家庭に設置されるガスメータに関するもので、ガス器具とガスメータ双方に、ガスメータでどの器具が動作しているかを判別できる機能を持たせる。これにより、ガス器具に対応したガス料金設定や、保安機能の充実が可能になる。
【背景技術】
【0002】
従来のガス器具判定装置およびガス器具判定機能を有するガスメータとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
これは、燃焼制御に伴って発生する一連のガス流量パターンを分割した部分流量パターンを制御ステップ毎に分類した流量パターンテーブルと、複数種類のガス器具とそれに対応する前記部分流量パターンの組合せとを対応付けた器具テーブルと、前記ガス流量パターンとマッチングする部分流量パターンテーブルから抽出し、当該抽出された部分流量パターンの組合せとマッチングするガス器具を、前記器具テーブルから抽出する器具判定手段を特徴としている。
【0004】
また、特許文献2には、意図的にガス流量を変化することで、ガス配管を情報通信媒体として利用し、ガスメータでガス器具判別ができることが記載されている。
【0005】
ガスメータとして用いられる超音波式流量計は、ガス中の超音波の伝播速度からガス流量を求める方式のもので、家庭用に用いられるものは電池で動作し、10年間は電池交換不要という仕様のものが求められる。電池はリチウム電池を用い、サイズはおよそ単2サイズに近いもので、5本程度用いられる。このように電池駆動とするために、流量測定に要する電力は様々な工夫で省電力化が行われている。
【0006】
以下に超音波式流量計について説明する。
【0007】
従来の超音波流量計は、例えば特許文献3に記載されている。
【0008】
図11は前記特許に記載されている従来の超音波流量計の第1の実施例を示す制御ブロック図である。図11において、流体管路4の途中に超音波を発信する第1振動子5と受信する第2振動子6とが流れ方向に配置されている。7は第1振動子5への発信回路、8は第2振動子6で受信した信号の増幅回路で、この増幅された信号は基準信号と比較回路9で比較され、発信から受信までの時間をタイマカウンタのような計時手段10で求め、その超音波伝幡時間に応じて管路の大きさや流れの状態を考慮して流量演算手段11で流量値を求め、この流量演算手段11の値によって発信回路7のトリガ手段13への信号送出のタイミングを調節する。
【0009】
次にその動作について述べる。トリガ手段13から発信回路7よりバースト信号を送出される。第1振動子5で発信された超音波信号は、流れの中を伝幡して第2振動子6で受信される。増幅回路8と比較回路9で信号処理され、発信から受信までの時間を計時手段10で測定する。
【0010】
静止流体中の音速をc、流体の流れの速さをvとすると、流れ方向の超音波の伝幡速度は(c+v)となる。振動子5と6の間の距離をL、超音波伝幡軸と管路の中心軸とがなす角度をφとすると、超音波が到達する時間Tは、
T=L/(c+v×COSφ) (1)
となり、(1)式より
v=(L/T−c)/COSφ (2)
となり、Lとφが既知ならTを測定すれば流速vが求められる。この流速より流量Qは、通過面積をS、補正計数をKとすれば、
Q=K×S×v (3)
となる。
【0011】
図12は前記特許に記載されている従来の超音波流量計の第4の実施例を示す制御ブロック図であり、発信から受信を繰り返し手段15によって繰り返し、設定手段16で設定された回数だけ繰り返しを行う。さらに発振と受信の切換えを切換手段17で行った後、同様に繰り返しを行う。すなわち発振回路7によって第1振動子4から超音波が発生し、この超音波を第2振動子5で受信し、増幅回路8を介し比較回路9に到達すると繰り返し手段16で再びトリガ手段13で発信回路7をトリガする。この繰り返しは繰り返し設定手段15で設定された回数だけ行われ、設定回数に達すると繰り返しに要した時間を計時手段10で計測する。しかる後、切換手段17により第1振動子4と第2振動子5の発信受信を逆に接続し、今度は第2振動子から第1振動子5に向かって超音波を発信し前述と同様に到達時間を求め、この差を流量演算手段11で流量値を演算する。
【0012】
静止流体中の音速をc、流体の流れの速さをvとすると、流れに対して順方向の超音波の伝幡速度は(c+v)、逆方向の伝幡速度は(c−v)となる。振動子7と8の間の距離をL、超音波伝幡軸と管路の中心軸とがなす角度をφ、繰り返し回数をnとすると、順方向と逆方向のそれぞれの繰り返し時間T1とT2は、
T1=n×L/(c+v×COSφ) (4)
T2=n×L/(c−v×COSφ) (5)
となり、(4)、(5)式より
v=n×L/(2×COSφ)×(1/T1−1/T2) (6)
となり、Lとφが既知ならT1とT2を測定すれば流速vが求められる。
【0013】
このような方法はシングアラウンド方式と呼ばれる。
【0014】
図13はシングアラウンド方式を説明する波形図で、同図(a)は第1振動子を駆動するための駆動パルスの波形図、同図(b)は第2振動子で受信した受信波形図、同図(c)は伝播時間を計測するためのクロックの波形図である。駆動パルスP1と同時にクロックは動作を始める。駆動パルスP1から超音波の伝播時間TT1後に受信され、受信から時間TD後に再び、駆動パルスP2が出る。このような動作をn回繰り返し、駆動パルスP1からn回目の受信波形までのクロックの数NCをカウントする。
【0015】
クロックの周期をTSとすると、T1は次式であたえられる。
【0016】
T1=TS×NC=(TT1+TT2+・・・TTn)+(n−1)×TD (7)
平均の伝播時間TTは次式であたえられる。
【0017】
TT=(TT1+TT2+・・・TTn)/n
=NC×(TS/n)−(n−1)×(TD/n) (8)
上式はTSをnで割っているので、見かけの分解能(クロック周期)はTSのn分の一になり、シングアラウンド方式を用いれば分解能が向上することになる。
【0018】
同様にして、反対方向の平均の伝播時間TRを、第2振動子を駆動して第1振動子で受信することで求める。このようにTTとTRを求めることで流量データが一つ求められるが、この一連の動作の単位をパケットと呼ぶことにする。流量の無い場合、TT=TR=300μsec、TD=200μsec、シングアラウンドの回数n=100回とすると、1パケット当たりの時間TPはおよそ100msecの時間を要する。
【0019】
実際の計測は省電力化のため計測性能に影響がでない範囲で間欠動作での計測を行っている。
【0020】
図14は測定間隔を表したもので、例えば、1パケット当たりの時間TPはおよそ100msec、測定周期T1は2秒である。
【特許文献1】特開2003−149027号公報
【特許文献2】特開平3−236515号公報
【特許文献3】特開平8−122117号公報(図1、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、部分流量パターンの器具テーブルを持つ方法は、器具の流量パターンは非常に多様であるため、器具テーブルは膨大になる。また、膨大なパターンからマッチングしたパターンを選択することを迅速に行うためには、その手段が複雑かつ大規模な電子回路となる課題がある。
【0022】
また、意図的にガス流量を変化することで、ガス配管を情報通信媒体として利用する方法は、ガスメータの計量方法と意図的なガス流量変化とが関係付けられたものである必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、流量変化を行う手段を持たせたガス器具と、その流量変化を検知するガスメータにおいて、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、特定の関係を持たせる。これにより、ガスを情報通信媒体として、ガス器具でガスメータに器具を認識させるために行う意図的なガス流量変化を、ガスメータが的確に認識してガス器具判別が実現できる。
【0024】
また、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにする。これにより、器具の動作の開始・継続・終了が明確になる。
【0025】
また、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定する。これにより、流量値にかかわらず、変化した時間がどれだけあるかを判断するので、異なる器具が同時に動いた場合でも判別がしやすくなる。
【0026】
また、ガスメータはガスの使用が確認された場合、通常のガス流量測定から、器具判別を行うためのガス流量測定に切換えるようにすることで、ガス器具の動作判別をより迅速に行えるようになる。
【0027】
また、ガスメータは超音波式流量計とすることにより、低消費電力で、迅速、かつ的確な器具判別を行うことができるようになる。
【0028】
また、複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の使用に応じて、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせるようにする。これにより一つの機器で大きなガス消費を行う動作機能と、小さな流量を扱う動作機能が混在する場合でも、ガスメータで機器がどの機能を動作させているかを判別しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、ガス器具による意図的な流量変化をガスメータが的確に捉えて動作しているガス器具がどのような器具であるかを判断することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1の発明は、ガスメータで器具判別を行うために、流量変化を行う手段を持たせたガス器具と、その流量変化を検知するガスメータにおいて、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、仲居に特定の関係を持たせる。ガスメータは低消費電力で動作させるため、ガス流量測定を連続で行うことはせず、短い時間間隔で測定と停止を繰り返すことが必要である。このため、ガスメータでどのようなガス器具が動作しているかを早く判断するためには、ガス器具で行わせる器具判断のための流量変化の時間を、ガスメータの流量測定における測定間隔よりも長く設定する。これによりガス器具が行う器具判別のための流量変化をガスメータで的確に捕らえることができる。
【0031】
第2の発明は流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにする。これにより、ガスメータはガス器具の動作中は流量変化情報を得ることができるので、ガス器具の動作の継続を判断することができる。
【0032】
第3の発明は、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定する。ガスメータには流量変化時間とガス器具との関係を登録し、器具により器具判断のための流量変化の時間を変えることで、どの器具の動作かをガスメータで判断できる。これにより、流量値にかかわらず、変化した時間がどれだけあるかを判断するので、異なる器具が同時に動いた場合でも判別がしやすくなる。
【0033】
第4の発明は、ガスメータはガスの使用が確認された場合、通常のガス流量測定から、器具判別を行うためのガス流量測定に切換えるようにする。これにより器具判断のための流量変化の時間を短縮することができる。
【0034】
第5の発明は、ガスメータは超音波式流量計とすることにより、器具判断のための流量変化の時間を短縮することができる。
【0035】
第6の発明は、複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の中で、流量安定性の高い機能について、大流量を扱う機能の停止時にガスメータで器具判別ができるようにするために流量変化を行う。これにより、複数の機能を有するガス器具の特定機能の動作判断が行える。
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この実施の形態において本発明が限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明での第1の実施の形態における流量変化を行う手段を持たせたガス器具30〜32と、ガス器具判別機能を有する超音波式流量計のガスメータ37が配管38で接続された、一般家庭での状態を示したブロック図である。ガス給湯器30は温水配管39によって、給湯器30の本体から、蛇口36、シャワー35、浴室乾燥機33、温水床暖房器34に温水を供給している。このようにガス給湯器30は、複数の機器に温水39を供給する機能を有している。これらの機能は、それぞれ必要とする温水温度・量が異なるので、ガス給湯器30はそれぞれ別個に燃焼制御ができる複数の機能を有している。ガステーブル31は三口タイプで魚焼きグリル付のものが上げられているが、それぞれ燃焼制御が可能である。ガスファンヒータ32についても燃焼制御が可能である。一般にこれらの機器の燃焼制御は、図2に示されるように比例弁40とそれを制御する回路41で、燃焼部43に送るガス量を調整することで行われる。
【0038】
図3(a)はガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図である。横軸は時間、縦軸は流量を表している。器具の動作開始の時間T1から時間T2の間は、例えば最低の燃焼レベルのQ1で維持されている。これはあらかじめ設定されたレベルであり、ガステーブルの使用者が設定するレベルQ2とは別に強制的になされる。これはガス器具が行う器具判別のための動作で、ガスメータ37はこの流量変化と、その時間を器具判別の情報とする。また、同図(b)はこのような器具判別を行わない従来のガステーブルでの燃焼による流量特性を示した流量特性図である。
【0039】
図4は給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。温水床暖房機能は、温水温度によるフィードバック制御が行われる。立ち上がりは緩やかに燃焼を増大させ最大レベルQ3に達し、規定温度に達すると、低いレベルの燃焼Q4で維持される。時間T3〜T4で流量はほぼ零になっているが、これは給湯器30で行われる器具判別のための燃焼制御動作で、温水温度制御とは関係なしに行う動作である。ガスメータ37はこの流量変化と、その時間を器具判別の情報とする。また、同図(b)はこのような器具判別を行わない従来の給湯器での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。
【0040】
図5は給湯器30のシャワー35や蛇口36への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。シャワー35や蛇口36への給湯は、使用者が湯量や温度を頻繁に変えることや、配管中の水温の変化を受けるので、給湯温度を一定に保つための燃焼制御によるガス流量変化は非常に大きく、また非常に短い時間で変化する。同図では、給湯の最大流量が3000リッター毎時間に達し、給湯温度を一定に保っている期間(時間T5〜T6)での流量変化幅は300リッター毎時間程度ある。また、使用者が湯量を最小にした場合が期間T7〜T8で流量は1000リッター毎時間になっている。このようなシャワー35や蛇口36への給湯中は、そのガス流量を器具判別のために、強制的に変化させることは大きな湯温変化を起こす不都合がある。しかしながら、シャワー35や蛇口36への給湯中は、その流量が他の機能や、他の器具に比べて非常に大きく、かつ、湯温制御による流量変化が大きいという流量の特徴を有しているので、この特徴を瞬時計測が可能な超音波式流量計のガスメータであればとらえることができるため、給湯器のシャワー35や蛇口36への給湯機能であることが判断できる。
【0041】
図6は給湯器30の浴槽への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。シャワー35や蛇口36への給湯に比べて、湯温制御による流量変化は小さいが、使用されるガス流量は2000リッター毎時強で大きな流量を持ち、その連続動作の時間が長いという特徴がある。このためガス流量を器具判別のために、強制的に変化させることは必要がないが、このような機能を入れても、それが数秒程度の短時間であれば湯温の変化もさほど問題にはならない。
【0042】
図7はガスファンヒータ32の燃焼による流量特性を示した流量特性図である。流量Q5は300リッター毎時間程度である。立ち上がりの時間T9からT10では、例えば最低の燃焼レベルのQ6で維持されている。これはあらかじめ設定されたレベルであり、ガスファンヒータの使用者が設定するレベルQ5とは別に強制的になされる。これはこのガス器具が行う器具判別のための動作で、ガスメータ37はこの流量変化と、その時間を器具判別の情報とすることがでる。
【0043】
図8(a)は背景技術で述べた超音波式流量計の間欠動作での計測タイミングを示し、同図(b)は流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図で、同図(c)は同じく流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図で、すべての図は時間軸の大きさをあわせている。ガステーブル31の流量変化時間(T2−T1)は、超音波式流量計の間欠動作のパケットTPが2個入る長さに関係付けられている。また、温水床暖房機能での流量変化時間(T4−T3)は、超音波式流量計の間欠動作のパケットTPが3個から4個入る長さに関係付けられている。
【0044】
これにより、超音波式流量計はガス流量が変化した時間間隔を認識できるので、ガステーブル31か給湯器30の温水床暖房機能の動作かを区別することができる。流量変化はあるレベル以上の差を持たせて、瞬時に行うようにしておく。超音波式流量計はガス流量の変化量も認識できるので、この情報も活用すれば、より正確に器具を判断することができる。同図(b)によれば、ガステーブル31の流量変化を行う手段でのガス流量の変化量は(Q2−Q1)が約45リッター毎時間であり、同図(c)によれば温水床暖房機能での流量変化は(Q4−0)が約180リッター毎時間である。燃焼制御がされた場合でも、両者にはある程度の差がある。従って、これらの器具が同時に動作している場合でも、流量変化時の流量変化量の情報を活用すれば、器具の判別がより容易になる。
【0045】
同図(c)の流量変化時間(T4−T3)は、湯温を一定に保つ制御期間中の流量が安定したところで行っている。しかしながら、温水床暖房機能での立ち上がりの流量は徐々に増加していくので、この期間での器具判別のための流量変化をおこない、超音波式流量計で検知することも可能である。
【0046】
前述した方法で器具の動作開始は判断することができるが、器具の動作の継続および停止を判断するために、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、超音波式流量計で器具判別ができるように、設定された時間ごとに流量変化を行うようにする。図9はこの様子を示しており、同図(a)は背景技術で述べた超音波式流量計の間欠動作での計測タイミングを示し、同図(b)は流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図で、同図(c)は同じく流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図で、すべての図は時間軸の大きさをあわせている。同図(b)は流量変化を行う手段での流量変化を時間T1からT2の間行い、さらに定められた時間後に時間T1’からT2’の間で行う。このような動作をガステーブル31が動作している間継続することで、超音波式流量計がガステーブル31の動作の継続と停止を判断することができる。同図(c)は同様に、量変化を行う手段での流量変化を時間T3からT4の間行い、さらに定められた時間後に時間T3’からT4’の間行う。このような動作をガステーブル31が動作している間継続することで、超音波式流量計が給湯器30の温水床暖房機能の動作継続と停止とを判断することができる。
【0047】
超音波式流量計の間欠動作のパケットTP間隔が2秒の場合、器具判別を行うために器具が行う強制的な流量の変化時間は、必要なパケット数入る間行う必要があるのでそれが長すぎて、器具性能に不具合を生じる場合は、以下のようにして解消することができる。
これは超音波式流量計がガスの流量を検知すると、パケット間隔を例えば1秒に変更する。この場、計測にかかる消費電力が増大するので、シングアラウンド回数を低減して1パケットの時間を短縮し、消費電力の増大を抑制することができる。背景技術でも述べたようにシングアラウンド回数nを減らすと分解能が悪くなる。
【0048】
しかしながら、例えばシングアラウンド回数100回に相当する分解能は、非常に微小な流量を検知するために必要な分解能である。ガスメータには保安機能として漏洩検知機能を必要とするものがある。これは、微少な流れ、例えば流量3リッター毎時間は器具では使用されることの無い微少な流量なので、このような微少流量があれば配管、あるいは器具でのガス漏れがあると判断して、ガスメータでガスを遮断する。このためすべての器具の動作が停止している状態では0リッター毎時間と3リッター毎時間の流量を見極めなくてはならない。この見極めに必要な分解能が、例えばシングアラウンド回数100回に相当する分解能である。従って50リッター毎時間以上の流量がある場合の計測精度は、漏洩検知ほどの精度を要求されないので、分解能を低減することが可能である。すなわちシングアラウンド回数nを低減することができる。
【0049】
図10は、このような方法を用いた場合の器具判別を示している。同図(a)は超音波式流量計の間欠動作での計測タイミングを示し、同図(b)は流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図で、同図(c)は同じく流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図で、すべての図は時間軸の大きさをあわせている。ガステーブル31を例にとると、時間T1で動作が開始してガスが流れ始め、同図(a)の2回目のパケットで、超音波式流量計はガスの流れを認識する。超音波式流量計はガスの流れを認識すると次のパケットからシングアラウンド回数を半部以上低減して1パケットの時間をTI’としてTIより短くして低消費電力化を行う。
【0050】
また、パケット間隔TP’はTPの2分の1にする。この測定を、器具判別を行うためのガス流量測定と呼ぶ。これに対して、パケット間隔TP、1パケットの時間をTIでの測定を通常のガス流量測定と呼ぶ。このようにすれば、ガステーブル31の流量変化時間T1からT2の間にはパケット3個、T1’からT2’の間には4個入るようになる。立ち上がり時の部分では判断できなくなるが、それ以外の領域であれば、流量変化時間を半分にしても2個パケットを入れることができる。同様に、同図(c)では流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での流量変化時間T3からT4の間にはパケット7個、T3’からT4’の間には8個入るようになる。従って、流量変化時間を半分にしても3から4個のパケットを入れることができるので、ガステーブル31とは違う器具と判断することができる。
【0051】
このように、2秒間隔、1秒間隔あるいはそれよりも短い間隔で測定が可能な超音波流量計を用いれば、ガス器具の性能に大きな影響を与えずに、器具判別のための流量変化を強制的に起こせることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明にかかるガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、器具判別のためのガス器具で流量変化を強制的に行い、その変化をガスメータが計測して、その変化パターンを認識することで動作しているガス器具を判別することができる。器具判別の情報をもとにして、器具の消し忘れ(本来長時間連続使用されることのない器具の長時間の連続動作)を検知して、ガスメータでガス供給を遮断するなどの安全機能の充実や、特定の器具の使用によるガス料金割引などのサービスの向上を図る手段として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のガス器具判別機能を有するガスメータおよび流量変化を行う手段を持たせたガス器具が接続された状態を示したブロック図
【図2】本発明のガス器具に用いられる流量変化を行う一手段を示したブロック図
【図3】(a)本発明のガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(b)従来のガステーブルの燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図4】(a)本発明の給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図(b)従来の給湯器の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図5】本発明の給湯器30のシャワー35や蛇口36への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図6】本発明の給湯器30の浴槽への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図7】本発明のガスファンヒータ32の燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図8】(a)本発明の超音波式流量計の計測タイミング図(b)本発明の流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(c)本発明の流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図9】(a)本発明の超音波式流量計の計測タイミング図(b)本発明の流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(c)本発明の流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図10】(a)本発明の超音波式流量計の計測タイミング図(b)本発明の流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(c)本発明の流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図11】従来の超音波流量計の構成を示す制御ブロック図
【図12】従来の超音波流量計の構成を示す制御ブロック図
【図13】(a)従来の超音波流量計の第1振動子を駆動するための駆動パルスの波形図(b)従来の超音波流量計の第2振動子の受信信号波形図(c)伝播時間を計測するためのクロックの波形図
【図14】従来の超音波流量計の測定間隔を表したタイミングチャート
【符号の説明】
【0054】
30〜32 流量変化を行う手段を有するガス器具
37 超音波式流量計であるガスメータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で使用されるガス器具および、家庭に設置されるガスメータに関するもので、ガス器具とガスメータ双方に、ガスメータでどの器具が動作しているかを判別できる機能を持たせる。これにより、ガス器具に対応したガス料金設定や、保安機能の充実が可能になる。
【背景技術】
【0002】
従来のガス器具判定装置およびガス器具判定機能を有するガスメータとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
これは、燃焼制御に伴って発生する一連のガス流量パターンを分割した部分流量パターンを制御ステップ毎に分類した流量パターンテーブルと、複数種類のガス器具とそれに対応する前記部分流量パターンの組合せとを対応付けた器具テーブルと、前記ガス流量パターンとマッチングする部分流量パターンテーブルから抽出し、当該抽出された部分流量パターンの組合せとマッチングするガス器具を、前記器具テーブルから抽出する器具判定手段を特徴としている。
【0004】
また、特許文献2には、意図的にガス流量を変化することで、ガス配管を情報通信媒体として利用し、ガスメータでガス器具判別ができることが記載されている。
【0005】
ガスメータとして用いられる超音波式流量計は、ガス中の超音波の伝播速度からガス流量を求める方式のもので、家庭用に用いられるものは電池で動作し、10年間は電池交換不要という仕様のものが求められる。電池はリチウム電池を用い、サイズはおよそ単2サイズに近いもので、5本程度用いられる。このように電池駆動とするために、流量測定に要する電力は様々な工夫で省電力化が行われている。
【0006】
以下に超音波式流量計について説明する。
【0007】
従来の超音波流量計は、例えば特許文献3に記載されている。
【0008】
図11は前記特許に記載されている従来の超音波流量計の第1の実施例を示す制御ブロック図である。図11において、流体管路4の途中に超音波を発信する第1振動子5と受信する第2振動子6とが流れ方向に配置されている。7は第1振動子5への発信回路、8は第2振動子6で受信した信号の増幅回路で、この増幅された信号は基準信号と比較回路9で比較され、発信から受信までの時間をタイマカウンタのような計時手段10で求め、その超音波伝幡時間に応じて管路の大きさや流れの状態を考慮して流量演算手段11で流量値を求め、この流量演算手段11の値によって発信回路7のトリガ手段13への信号送出のタイミングを調節する。
【0009】
次にその動作について述べる。トリガ手段13から発信回路7よりバースト信号を送出される。第1振動子5で発信された超音波信号は、流れの中を伝幡して第2振動子6で受信される。増幅回路8と比較回路9で信号処理され、発信から受信までの時間を計時手段10で測定する。
【0010】
静止流体中の音速をc、流体の流れの速さをvとすると、流れ方向の超音波の伝幡速度は(c+v)となる。振動子5と6の間の距離をL、超音波伝幡軸と管路の中心軸とがなす角度をφとすると、超音波が到達する時間Tは、
T=L/(c+v×COSφ) (1)
となり、(1)式より
v=(L/T−c)/COSφ (2)
となり、Lとφが既知ならTを測定すれば流速vが求められる。この流速より流量Qは、通過面積をS、補正計数をKとすれば、
Q=K×S×v (3)
となる。
【0011】
図12は前記特許に記載されている従来の超音波流量計の第4の実施例を示す制御ブロック図であり、発信から受信を繰り返し手段15によって繰り返し、設定手段16で設定された回数だけ繰り返しを行う。さらに発振と受信の切換えを切換手段17で行った後、同様に繰り返しを行う。すなわち発振回路7によって第1振動子4から超音波が発生し、この超音波を第2振動子5で受信し、増幅回路8を介し比較回路9に到達すると繰り返し手段16で再びトリガ手段13で発信回路7をトリガする。この繰り返しは繰り返し設定手段15で設定された回数だけ行われ、設定回数に達すると繰り返しに要した時間を計時手段10で計測する。しかる後、切換手段17により第1振動子4と第2振動子5の発信受信を逆に接続し、今度は第2振動子から第1振動子5に向かって超音波を発信し前述と同様に到達時間を求め、この差を流量演算手段11で流量値を演算する。
【0012】
静止流体中の音速をc、流体の流れの速さをvとすると、流れに対して順方向の超音波の伝幡速度は(c+v)、逆方向の伝幡速度は(c−v)となる。振動子7と8の間の距離をL、超音波伝幡軸と管路の中心軸とがなす角度をφ、繰り返し回数をnとすると、順方向と逆方向のそれぞれの繰り返し時間T1とT2は、
T1=n×L/(c+v×COSφ) (4)
T2=n×L/(c−v×COSφ) (5)
となり、(4)、(5)式より
v=n×L/(2×COSφ)×(1/T1−1/T2) (6)
となり、Lとφが既知ならT1とT2を測定すれば流速vが求められる。
【0013】
このような方法はシングアラウンド方式と呼ばれる。
【0014】
図13はシングアラウンド方式を説明する波形図で、同図(a)は第1振動子を駆動するための駆動パルスの波形図、同図(b)は第2振動子で受信した受信波形図、同図(c)は伝播時間を計測するためのクロックの波形図である。駆動パルスP1と同時にクロックは動作を始める。駆動パルスP1から超音波の伝播時間TT1後に受信され、受信から時間TD後に再び、駆動パルスP2が出る。このような動作をn回繰り返し、駆動パルスP1からn回目の受信波形までのクロックの数NCをカウントする。
【0015】
クロックの周期をTSとすると、T1は次式であたえられる。
【0016】
T1=TS×NC=(TT1+TT2+・・・TTn)+(n−1)×TD (7)
平均の伝播時間TTは次式であたえられる。
【0017】
TT=(TT1+TT2+・・・TTn)/n
=NC×(TS/n)−(n−1)×(TD/n) (8)
上式はTSをnで割っているので、見かけの分解能(クロック周期)はTSのn分の一になり、シングアラウンド方式を用いれば分解能が向上することになる。
【0018】
同様にして、反対方向の平均の伝播時間TRを、第2振動子を駆動して第1振動子で受信することで求める。このようにTTとTRを求めることで流量データが一つ求められるが、この一連の動作の単位をパケットと呼ぶことにする。流量の無い場合、TT=TR=300μsec、TD=200μsec、シングアラウンドの回数n=100回とすると、1パケット当たりの時間TPはおよそ100msecの時間を要する。
【0019】
実際の計測は省電力化のため計測性能に影響がでない範囲で間欠動作での計測を行っている。
【0020】
図14は測定間隔を表したもので、例えば、1パケット当たりの時間TPはおよそ100msec、測定周期T1は2秒である。
【特許文献1】特開2003−149027号公報
【特許文献2】特開平3−236515号公報
【特許文献3】特開平8−122117号公報(図1、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、部分流量パターンの器具テーブルを持つ方法は、器具の流量パターンは非常に多様であるため、器具テーブルは膨大になる。また、膨大なパターンからマッチングしたパターンを選択することを迅速に行うためには、その手段が複雑かつ大規模な電子回路となる課題がある。
【0022】
また、意図的にガス流量を変化することで、ガス配管を情報通信媒体として利用する方法は、ガスメータの計量方法と意図的なガス流量変化とが関係付けられたものである必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、流量変化を行う手段を持たせたガス器具と、その流量変化を検知するガスメータにおいて、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、特定の関係を持たせる。これにより、ガスを情報通信媒体として、ガス器具でガスメータに器具を認識させるために行う意図的なガス流量変化を、ガスメータが的確に認識してガス器具判別が実現できる。
【0024】
また、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにする。これにより、器具の動作の開始・継続・終了が明確になる。
【0025】
また、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定する。これにより、流量値にかかわらず、変化した時間がどれだけあるかを判断するので、異なる器具が同時に動いた場合でも判別がしやすくなる。
【0026】
また、ガスメータはガスの使用が確認された場合、通常のガス流量測定から、器具判別を行うためのガス流量測定に切換えるようにすることで、ガス器具の動作判別をより迅速に行えるようになる。
【0027】
また、ガスメータは超音波式流量計とすることにより、低消費電力で、迅速、かつ的確な器具判別を行うことができるようになる。
【0028】
また、複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の使用に応じて、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせるようにする。これにより一つの機器で大きなガス消費を行う動作機能と、小さな流量を扱う動作機能が混在する場合でも、ガスメータで機器がどの機能を動作させているかを判別しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、ガス器具による意図的な流量変化をガスメータが的確に捉えて動作しているガス器具がどのような器具であるかを判断することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1の発明は、ガスメータで器具判別を行うために、流量変化を行う手段を持たせたガス器具と、その流量変化を検知するガスメータにおいて、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、仲居に特定の関係を持たせる。ガスメータは低消費電力で動作させるため、ガス流量測定を連続で行うことはせず、短い時間間隔で測定と停止を繰り返すことが必要である。このため、ガスメータでどのようなガス器具が動作しているかを早く判断するためには、ガス器具で行わせる器具判断のための流量変化の時間を、ガスメータの流量測定における測定間隔よりも長く設定する。これによりガス器具が行う器具判別のための流量変化をガスメータで的確に捕らえることができる。
【0031】
第2の発明は流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにする。これにより、ガスメータはガス器具の動作中は流量変化情報を得ることができるので、ガス器具の動作の継続を判断することができる。
【0032】
第3の発明は、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定する。ガスメータには流量変化時間とガス器具との関係を登録し、器具により器具判断のための流量変化の時間を変えることで、どの器具の動作かをガスメータで判断できる。これにより、流量値にかかわらず、変化した時間がどれだけあるかを判断するので、異なる器具が同時に動いた場合でも判別がしやすくなる。
【0033】
第4の発明は、ガスメータはガスの使用が確認された場合、通常のガス流量測定から、器具判別を行うためのガス流量測定に切換えるようにする。これにより器具判断のための流量変化の時間を短縮することができる。
【0034】
第5の発明は、ガスメータは超音波式流量計とすることにより、器具判断のための流量変化の時間を短縮することができる。
【0035】
第6の発明は、複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の中で、流量安定性の高い機能について、大流量を扱う機能の停止時にガスメータで器具判別ができるようにするために流量変化を行う。これにより、複数の機能を有するガス器具の特定機能の動作判断が行える。
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、この実施の形態において本発明が限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明での第1の実施の形態における流量変化を行う手段を持たせたガス器具30〜32と、ガス器具判別機能を有する超音波式流量計のガスメータ37が配管38で接続された、一般家庭での状態を示したブロック図である。ガス給湯器30は温水配管39によって、給湯器30の本体から、蛇口36、シャワー35、浴室乾燥機33、温水床暖房器34に温水を供給している。このようにガス給湯器30は、複数の機器に温水39を供給する機能を有している。これらの機能は、それぞれ必要とする温水温度・量が異なるので、ガス給湯器30はそれぞれ別個に燃焼制御ができる複数の機能を有している。ガステーブル31は三口タイプで魚焼きグリル付のものが上げられているが、それぞれ燃焼制御が可能である。ガスファンヒータ32についても燃焼制御が可能である。一般にこれらの機器の燃焼制御は、図2に示されるように比例弁40とそれを制御する回路41で、燃焼部43に送るガス量を調整することで行われる。
【0038】
図3(a)はガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図である。横軸は時間、縦軸は流量を表している。器具の動作開始の時間T1から時間T2の間は、例えば最低の燃焼レベルのQ1で維持されている。これはあらかじめ設定されたレベルであり、ガステーブルの使用者が設定するレベルQ2とは別に強制的になされる。これはガス器具が行う器具判別のための動作で、ガスメータ37はこの流量変化と、その時間を器具判別の情報とする。また、同図(b)はこのような器具判別を行わない従来のガステーブルでの燃焼による流量特性を示した流量特性図である。
【0039】
図4は給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。温水床暖房機能は、温水温度によるフィードバック制御が行われる。立ち上がりは緩やかに燃焼を増大させ最大レベルQ3に達し、規定温度に達すると、低いレベルの燃焼Q4で維持される。時間T3〜T4で流量はほぼ零になっているが、これは給湯器30で行われる器具判別のための燃焼制御動作で、温水温度制御とは関係なしに行う動作である。ガスメータ37はこの流量変化と、その時間を器具判別の情報とする。また、同図(b)はこのような器具判別を行わない従来の給湯器での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。
【0040】
図5は給湯器30のシャワー35や蛇口36への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。シャワー35や蛇口36への給湯は、使用者が湯量や温度を頻繁に変えることや、配管中の水温の変化を受けるので、給湯温度を一定に保つための燃焼制御によるガス流量変化は非常に大きく、また非常に短い時間で変化する。同図では、給湯の最大流量が3000リッター毎時間に達し、給湯温度を一定に保っている期間(時間T5〜T6)での流量変化幅は300リッター毎時間程度ある。また、使用者が湯量を最小にした場合が期間T7〜T8で流量は1000リッター毎時間になっている。このようなシャワー35や蛇口36への給湯中は、そのガス流量を器具判別のために、強制的に変化させることは大きな湯温変化を起こす不都合がある。しかしながら、シャワー35や蛇口36への給湯中は、その流量が他の機能や、他の器具に比べて非常に大きく、かつ、湯温制御による流量変化が大きいという流量の特徴を有しているので、この特徴を瞬時計測が可能な超音波式流量計のガスメータであればとらえることができるため、給湯器のシャワー35や蛇口36への給湯機能であることが判断できる。
【0041】
図6は給湯器30の浴槽への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図である。シャワー35や蛇口36への給湯に比べて、湯温制御による流量変化は小さいが、使用されるガス流量は2000リッター毎時強で大きな流量を持ち、その連続動作の時間が長いという特徴がある。このためガス流量を器具判別のために、強制的に変化させることは必要がないが、このような機能を入れても、それが数秒程度の短時間であれば湯温の変化もさほど問題にはならない。
【0042】
図7はガスファンヒータ32の燃焼による流量特性を示した流量特性図である。流量Q5は300リッター毎時間程度である。立ち上がりの時間T9からT10では、例えば最低の燃焼レベルのQ6で維持されている。これはあらかじめ設定されたレベルであり、ガスファンヒータの使用者が設定するレベルQ5とは別に強制的になされる。これはこのガス器具が行う器具判別のための動作で、ガスメータ37はこの流量変化と、その時間を器具判別の情報とすることがでる。
【0043】
図8(a)は背景技術で述べた超音波式流量計の間欠動作での計測タイミングを示し、同図(b)は流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図で、同図(c)は同じく流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図で、すべての図は時間軸の大きさをあわせている。ガステーブル31の流量変化時間(T2−T1)は、超音波式流量計の間欠動作のパケットTPが2個入る長さに関係付けられている。また、温水床暖房機能での流量変化時間(T4−T3)は、超音波式流量計の間欠動作のパケットTPが3個から4個入る長さに関係付けられている。
【0044】
これにより、超音波式流量計はガス流量が変化した時間間隔を認識できるので、ガステーブル31か給湯器30の温水床暖房機能の動作かを区別することができる。流量変化はあるレベル以上の差を持たせて、瞬時に行うようにしておく。超音波式流量計はガス流量の変化量も認識できるので、この情報も活用すれば、より正確に器具を判断することができる。同図(b)によれば、ガステーブル31の流量変化を行う手段でのガス流量の変化量は(Q2−Q1)が約45リッター毎時間であり、同図(c)によれば温水床暖房機能での流量変化は(Q4−0)が約180リッター毎時間である。燃焼制御がされた場合でも、両者にはある程度の差がある。従って、これらの器具が同時に動作している場合でも、流量変化時の流量変化量の情報を活用すれば、器具の判別がより容易になる。
【0045】
同図(c)の流量変化時間(T4−T3)は、湯温を一定に保つ制御期間中の流量が安定したところで行っている。しかしながら、温水床暖房機能での立ち上がりの流量は徐々に増加していくので、この期間での器具判別のための流量変化をおこない、超音波式流量計で検知することも可能である。
【0046】
前述した方法で器具の動作開始は判断することができるが、器具の動作の継続および停止を判断するために、流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、超音波式流量計で器具判別ができるように、設定された時間ごとに流量変化を行うようにする。図9はこの様子を示しており、同図(a)は背景技術で述べた超音波式流量計の間欠動作での計測タイミングを示し、同図(b)は流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図で、同図(c)は同じく流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図で、すべての図は時間軸の大きさをあわせている。同図(b)は流量変化を行う手段での流量変化を時間T1からT2の間行い、さらに定められた時間後に時間T1’からT2’の間で行う。このような動作をガステーブル31が動作している間継続することで、超音波式流量計がガステーブル31の動作の継続と停止を判断することができる。同図(c)は同様に、量変化を行う手段での流量変化を時間T3からT4の間行い、さらに定められた時間後に時間T3’からT4’の間行う。このような動作をガステーブル31が動作している間継続することで、超音波式流量計が給湯器30の温水床暖房機能の動作継続と停止とを判断することができる。
【0047】
超音波式流量計の間欠動作のパケットTP間隔が2秒の場合、器具判別を行うために器具が行う強制的な流量の変化時間は、必要なパケット数入る間行う必要があるのでそれが長すぎて、器具性能に不具合を生じる場合は、以下のようにして解消することができる。
これは超音波式流量計がガスの流量を検知すると、パケット間隔を例えば1秒に変更する。この場、計測にかかる消費電力が増大するので、シングアラウンド回数を低減して1パケットの時間を短縮し、消費電力の増大を抑制することができる。背景技術でも述べたようにシングアラウンド回数nを減らすと分解能が悪くなる。
【0048】
しかしながら、例えばシングアラウンド回数100回に相当する分解能は、非常に微小な流量を検知するために必要な分解能である。ガスメータには保安機能として漏洩検知機能を必要とするものがある。これは、微少な流れ、例えば流量3リッター毎時間は器具では使用されることの無い微少な流量なので、このような微少流量があれば配管、あるいは器具でのガス漏れがあると判断して、ガスメータでガスを遮断する。このためすべての器具の動作が停止している状態では0リッター毎時間と3リッター毎時間の流量を見極めなくてはならない。この見極めに必要な分解能が、例えばシングアラウンド回数100回に相当する分解能である。従って50リッター毎時間以上の流量がある場合の計測精度は、漏洩検知ほどの精度を要求されないので、分解能を低減することが可能である。すなわちシングアラウンド回数nを低減することができる。
【0049】
図10は、このような方法を用いた場合の器具判別を示している。同図(a)は超音波式流量計の間欠動作での計測タイミングを示し、同図(b)は流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図で、同図(c)は同じく流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図で、すべての図は時間軸の大きさをあわせている。ガステーブル31を例にとると、時間T1で動作が開始してガスが流れ始め、同図(a)の2回目のパケットで、超音波式流量計はガスの流れを認識する。超音波式流量計はガスの流れを認識すると次のパケットからシングアラウンド回数を半部以上低減して1パケットの時間をTI’としてTIより短くして低消費電力化を行う。
【0050】
また、パケット間隔TP’はTPの2分の1にする。この測定を、器具判別を行うためのガス流量測定と呼ぶ。これに対して、パケット間隔TP、1パケットの時間をTIでの測定を通常のガス流量測定と呼ぶ。このようにすれば、ガステーブル31の流量変化時間T1からT2の間にはパケット3個、T1’からT2’の間には4個入るようになる。立ち上がり時の部分では判断できなくなるが、それ以外の領域であれば、流量変化時間を半分にしても2個パケットを入れることができる。同様に、同図(c)では流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での流量変化時間T3からT4の間にはパケット7個、T3’からT4’の間には8個入るようになる。従って、流量変化時間を半分にしても3から4個のパケットを入れることができるので、ガステーブル31とは違う器具と判断することができる。
【0051】
このように、2秒間隔、1秒間隔あるいはそれよりも短い間隔で測定が可能な超音波流量計を用いれば、ガス器具の性能に大きな影響を与えずに、器具判別のための流量変化を強制的に起こせることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明にかかるガス器具判別機能を有するガスメータおよびガス器具は、器具判別のためのガス器具で流量変化を強制的に行い、その変化をガスメータが計測して、その変化パターンを認識することで動作しているガス器具を判別することができる。器具判別の情報をもとにして、器具の消し忘れ(本来長時間連続使用されることのない器具の長時間の連続動作)を検知して、ガスメータでガス供給を遮断するなどの安全機能の充実や、特定の器具の使用によるガス料金割引などのサービスの向上を図る手段として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のガス器具判別機能を有するガスメータおよび流量変化を行う手段を持たせたガス器具が接続された状態を示したブロック図
【図2】本発明のガス器具に用いられる流量変化を行う一手段を示したブロック図
【図3】(a)本発明のガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(b)従来のガステーブルの燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図4】(a)本発明の給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図(b)従来の給湯器の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図5】本発明の給湯器30のシャワー35や蛇口36への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図6】本発明の給湯器30の浴槽への給湯を行う機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図7】本発明のガスファンヒータ32の燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図8】(a)本発明の超音波式流量計の計測タイミング図(b)本発明の流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(c)本発明の流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図9】(a)本発明の超音波式流量計の計測タイミング図(b)本発明の流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(c)本発明の流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図10】(a)本発明の超音波式流量計の計測タイミング図(b)本発明の流量変化を行う手段を持たせたガステーブル31の燃焼による流量特性を示した流量特性図(c)本発明の流量変化を行う手段を持たせた給湯器30の温水床暖房機能での燃焼による流量特性を示した流量特性図
【図11】従来の超音波流量計の構成を示す制御ブロック図
【図12】従来の超音波流量計の構成を示す制御ブロック図
【図13】(a)従来の超音波流量計の第1振動子を駆動するための駆動パルスの波形図(b)従来の超音波流量計の第2振動子の受信信号波形図(c)伝播時間を計測するためのクロックの波形図
【図14】従来の超音波流量計の測定間隔を表したタイミングチャート
【符号の説明】
【0054】
30〜32 流量変化を行う手段を有するガス器具
37 超音波式流量計であるガスメータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータで器具判別を行うために、ガス器具の流量変化を検知するガスメータにおいて、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、特定の関係を持たせたガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項2】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項3】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定するようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項4】
ガスメータはガスの使用が確認された場合、通常のガス流量測定から、器具判別を行うためのガス流量測定に切り替えるようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項5】
ガスメータは超音波式流量計とした請求項2から4記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項6】
複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の使用に応じて、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせるようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項7】
ガスメータで器具判別を行うために、流量変化を行う手段を持たせたガス器具において、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、特定の関係を持たせたガス器具。
【請求項8】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにした請求項7記載のガス器具。
【請求項9】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定するようにした請求項7記載のガス器具。
【請求項10】
複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の使用に応じて、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせるようにした請求項7記載のガス器具。
【請求項1】
ガスメータで器具判別を行うために、ガス器具の流量変化を検知するガスメータにおいて、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、特定の関係を持たせたガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項2】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項3】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定するようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項4】
ガスメータはガスの使用が確認された場合、通常のガス流量測定から、器具判別を行うためのガス流量測定に切り替えるようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項5】
ガスメータは超音波式流量計とした請求項2から4記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項6】
複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の使用に応じて、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせるようにした請求項1記載のガス器具判別機能を有するガスメータ。
【請求項7】
ガスメータで器具判別を行うために、流量変化を行う手段を持たせたガス器具において、前記ガス器具に流量変化を起こさせる時間と、前記ガスメータの流量測定時間との間に、特定の関係を持たせたガス器具。
【請求項8】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、設定された時間ごとにガスメータで器具判別を行うための流量変化を行うようにした請求項7記載のガス器具。
【請求項9】
流量変化を行う手段を持たせたガス器具は、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせる時間を器具ごとに設定するようにした請求項7記載のガス器具。
【請求項10】
複数の機能を有するガス器具は、それぞれの機能の使用に応じて、ガスメータで器具判別ができるように、流量変化を行わせるようにした請求項7記載のガス器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−200801(P2006−200801A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12286(P2005−12286)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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