説明

ガス攪拌式誘導炉及びその解体方法

【課題】ガスバブリングプラグと押出ブロックとを設けたガス攪拌式誘導炉について、湯面のスラグを周囲に広げず1箇所に集めることができ、別途作成した押出プラグを使用しないで築炉できる。
【解決手段】誘導炉のほぼ中心のルツボ中心軸16から離れた偏心軸17位置に配置され、スリーブ7の内側に挿入される円錐台状のガスバブリングブプラグ5と、ガスバブリングブプラグ5の底面中心部に接続し、炉体底部11の下部まで延伸させたガス導入管6と、固定レンガ9の周囲と炉体底部11上に配置された耐火セメント4との間に形成された押出ブロック10と、炉体底部11に形成した開口部に設けられた架台13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は誘導加熱により、金属を溶解する誘導溶解炉に関する。詳しくは、金属溶湯内にガスを吹き込むためのガスバブリングプラグと、ルツボを炉底から押出して解体するための押出ブロックとを備えたガス攪拌式誘導炉に関する。
【背景技術】
【0002】
ルツボ形誘導炉には、炉底にガスバブリングプラグを取り付けてガスを吹き込む方法が用いられている。この方法には次に示す効果がある。
(1)大気中の酸素、水素、及び窒素などのガス成分の侵入防止。
(2)原料スクラップの不純物、例えばめっき鋼板の亜鉛、鉛などの低融点金属の蒸発及び非金属介在物の分離浮上。
(3)攪拌効果による溶湯温度均一化の促進、鋳込温度の安定化、及び攪拌作用による溶湯成分均一化の促進。
【0003】
従来例1として、ガスバブリングプラグを備えたルツボ形誘導炉の概略図を図2に示す。溶解室1は耐火物製のルツボ2で形成されている。ルツボ2の外側には、誘導コイル3が配置されている。ルツボ2は、耐火セメント4で形成した台床上に載せられている。ルツボ2の底部には、ポーラスプラグからなるガスバブリングプラグ5が組込まれている。不活性ガスは、ガス配管6を通してガスバブリングプラグ5から溶湯中に吹き込まれる。
【0004】
ルツボ2は、一般にスタンプ材と呼ばれる粉体のマグネシア耐火物等を突き固めて形成する。このルツボ2は、使用すると次第に損耗するので、解体して更新する必要がある。例えば、ルツボ2の下側の耐火セメント4内に押出ブロック10を組込み、この押出ブロック10を押上げてルツボ2を炉底から押出す解体方法がある。
【0005】
従来例2として、特許文献1の特開平10−227571号公報には、下記内容の発明が記載されている。ルツボの底部中心にガスバブリングプラグを設ける。ガスバブリングプラグ下側の耐火レンガ内に、ガスバブリングプラグと同心に押出ブロックを組込む。これにより、押出ブロックの交換が容易となる。ルツボを更新する場合には、油圧機構を用いて押出ブロックを押す。すると、ルツボが押出されて解体される。
【0006】
【特許文献1】特開平10−227571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例2では、ルツボ押出し時のバランス上から、押出ブロックをルツボの中心に位置させ、ガスバブリングプラグもルツボ中心軸に位置させている。そのため、以下のような問題点がある。
【0008】
溶解時等にはスラグが発生し、湯面上に浮遊するため、スラグはスプーン等を用いて除去する必要がある。ガスバブリングプラグを通して不活性ガスを吹き込むと、湯面上に浮遊するスラグは、湯面上で広がってルツボの周囲に分散する。ルツボ内側周囲に分散したスラグを取り除くには手間がかり、完全に除去することは難しい。更に、炉修等で炉を更新する場合には、別途作成した押出しプラグを、あらかじめ準備しておく必要がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、ガスバブリングプラグと押出ブロックとを設けたガス攪拌式誘導炉について、湯面のスラグを周囲に広げることなく1箇所に集めることができ、別途作成した押出しプラグを使用しないで築炉できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明の第1の態様は、下記部材を備えたことを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。
(a)出湯口を備えたガス攪拌式誘導炉の、ほぼ中心に配設されるルツボ(2)のルツボ中心軸(16)から当該出湯口側に離れた偏心軸(17)位置に配置されたガスバブリングプラグ(5)と、
(b)前記ガスバブリングプラグ(5)の中心軸に軸を合わせて前記ガスバブリングプラグ(5)の下部に配置された、逆円錐形状の押出ブロック(10)と、
(c)前記ガス攪拌式誘導炉の前記出湯口近くに設けられ、炉体を前記出湯口側に傾動させるための回転軸。
【0011】
本発明の第2の態様は、更に下記のセパレータを備えたことを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。すなわち、
ルツボ(2)の周囲に形成された耐火セメント(4)と前記押出ブロック(10)の接する面の一部又は全面、
前記耐火セメント(4)と前記ルツボ(2)の接する面の一部又は全面、
及び前記押出ブロック(10)と前記誘導炉の底部(11)に形成された架台(13)とが接する面の一部又は全面に挿入されたセパレーター(12)。
【0012】
本発明の第3の態様は、偏心軸(17)位置が、ルツボ中心軸(16)からルツボ半径の20〜75%離れた位置であることを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。
【0013】
本発明の第4の態様は、押出ブロック(10)は、ルツボ(2)に用いた材料とバインダーとを混ぜ合わせて形成されたものであることを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。
【0014】
本発明の第5の態様は、架台(13)が、中心にガス導入管(6)を通す穴が設けられ、下部にはガス導入管(6)の接続端を保護するためとルツボ(2)を押出す治具をあてがうための円形の筒部(15)が設けられたものであることを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。
【0015】
本発明の第6の態様は、ガス導入管(6)が、外面にネジを形成してナット(14)を用いて架台(13)に固定されたものであることを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。
【0016】
本発明の第7の態様は、セパレーター(12)が、ガラス繊維の布、マイカ板等の耐火シートからなることを特徴とするガス攪拌式誘導炉である。
【0017】
本発明の第8の態様は、以下の工程からなることを特徴とするガス攪拌式誘導炉の解体方法である。
(a)出湯口を備えたガス攪拌式誘導炉の当該出湯口近くに設けられた回転軸により、炉体を前記出湯口側に傾動させ、
(b)前記ガス攪拌式誘導炉の、ほぼ中心に配設されるルツボ(2)のルツボ中心軸(16)から前記出湯口側に離れた偏心軸(17)位置に配置されたガスバブリングプラグ(5)の下部に前記ガスバブリングプラグ(5)の中心軸に軸を合わせて配置された、逆円錐形状の押出ブロック(10)を押し出す。
【0018】
本発明の第9の態様は、炉体を出湯口側に約90度傾動させることにより、ルツボ(2)をほぼ水平にして、偏芯軸(17)をルツボ中心軸(16)の下側に位置させて、ルツボ(2)を押し出すことを特徴とするガス攪拌式誘導炉の解体方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操業時にスラグが湯面一部分に集積するので、その除去が確実にできるようになる。また、除去作業時間が短縮できる。また、炉修時に、押出ブロックはその場で施工できるようになる。そのため、押出しプラグは、別途作成して予め用意したものを用いる必要がなく、緊急時にも対応でき、コスト減にもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の実施の形態を示すガス攪拌式誘導炉の概略断面図である。多孔質中空円錐体のスリーブ7は、ルツボ中心軸16から偏心した偏心軸17位置に設けられる。ここで、ルツボ中心軸16とは、ルツボ2の中心の縦軸を示すもので、炉の中心の縦軸を示す場合もあるが、ルツボ中心軸として表わす。また、偏心軸17とは、ルツボ中心軸16からずれた位置の縦軸を示す。スリーブ7の内側には、ポーラスプラグからなる円錐台状のガスバブリングプラグ5を挿入している。ガスバブリングプラグ5は、高アルミナ質の多孔質材料で形成する。ガスバブリングプラグ5のポーラスプラグの通気量は、例えばポーラスプラグの先端径が50mmφの場合には、圧力(ゲージ圧)0.098Mpaで50〜100l/minである。ガスバブリングプラグ5の底面には、金属製の円板を固着している。円板の中心穴には、不活性ガスを導入するための金属製のガス導入管6を接続している。
【0021】
ガス導入管6を通してガスバブリングプラグ5から溶湯中に不活性ガスを吹き込む。このとき、ルツボ2に投入した材料の溶解時、保温時、及び合金調合時等に発生したスラグは溶湯面に浮上する。スラグは、必要に応じ治具を用いて除去する。
【0022】
本発明では、ガスバブリングプラグ5の位置が、ルツボ中心軸16から離れた偏心軸17位置にあるので、不活性ガスを吹き込んだ際に、溶湯の循環状態が中心に位置する場合と違って、スラグは溶湯面の片面に集中して集まるようになる。偏心軸17の位置は、ルツボ中心軸16から、ルツボの最大直径部の半径の20〜75%離れた位置が望ましい。75%を超えたり、20%未満では、湯面上のスラグは分散して片面に集中して集まりにくくなる。この範囲に保つことにより、溶解室1の円周周囲に広がって分散することがなくなり、スラグの除去作業を短時間で行うことができる。また、ガスバブリングプラグを中心から偏心させると攪拌機能も高められる。
【0023】
ルツボ2の下側の構成は、以下のようである。炉体底部11には、ガスバブリングプラグ5の中心軸に合わせて形成した開口部に、架台13が設けられる。炉体底部11の上面には、ガスバブリングプラグ5の中心軸に軸を合わせて、円錐状に切欠部が設けられた耐火セメント4が、前記開口部の周囲に配置される。ルツボ2の周囲にも、耐火セメント4が配置される。耐火セメント4の材質を、アルミナ質としても良い。耐火セメント4の円錐状の切欠部には、ガスバブリングプラグ5に中心軸を合わせて形成した固定レンガ9が配置される。固定レンガ9の周囲には、押出ブロック10が配置されている。
【0024】
固定レンガ9は、炉体低部11の開口部に設けた架台13の上に載置される。炉体低部11の開口部は、ガスバブリングプラグ5の中心軸に軸を合わせて形成する。固定レンガ9は、スリーブ7を支え、ガスバブリングプラグ5の位置を確保させるためと、ガス導入管6を保護するために設けたものである。固定レンガ9の材質はアルミナ質であり、流し込み成形などの方法を用いて形成する。固定レンガ9の中心部は、ガス導入管を通すため中空円筒状となっている。また、固定レンガ9は、押出ブロック10と同様ルツボ2を押出す際に、荷重を支える役目も担っている。
【0025】
押出ブロック10は、耐火セメント4の円錐状切欠部から容易に抜け出るように、逆円錐形とする。本発明では、押出ブロック10は、ルツボ2と同じ材質、例えばAl2O3・MgO系のスピネルを用いて形成できる。更に、押出ブロック10は、ルツボ2を製作したものと同じ材質、例えばAl2O3・MgO系のスピネルを用い、これに、例えばリン酸ナトリウム、第1リン酸アルミニウムなどのバインダーを混練して形成できる。
【0026】
押出ブロック10は、ルツボ2と同じ材質の耐火セメントを用いて、ルツボの補修、更新時に同時に形成できる。そのため、別途作成した押出しプラグを用いる必要がない。更に、押出ブロック10は、ルツボ2を構築する際に、ルツボ2と同じ材質、例えばスピネルを用いて、ルツボ2と押出ブロックが一体となったものに形成できる。もちろん、押出ブロック10は、ルツボ2を構築する際に、ルツボ2と別の材質のもので良く、ルツボ2と押出ブロック10を別々に形成しても良い。
【0027】
耐火セメント4と押出ブロック10の円錐面と接する面の一部又は全面、耐火セメント4とルツボ2と接する面の一部又は全面、及び押出ブロック10の底面と架台13とが接する面の一部又は全面に、セパレーター12が挿入される。セパレーター12は、耐火シート、例えば、ガラス繊維の布、マイカ板等が利用できる。このセパレーター12により、押出ブロック10、ルツボ2、耐火セメント4、及び架台13が隔離される。このセパレーター12を用いることにより、湯の浸透を防ぐ効果を発揮するとともに、ルツボ2を押出す際に分離を容易にする。セパレーター12は、ルツボ2の側面と耐火セメント4との間に挿入しても良いことはもちろんである。
【0028】
架台13は金属製、例えばステンレス鋼製である。形状は円盤状であり、周縁部を炉体底部11で保持している。架台13の中心にはガス導入管6を通す穴を設けている。ガス導入管6は、外面にネジを形成してナット14を用いて前記架台13に固定している。架台13は固定レンガ9及び押出ブロック10を支え、ルツボ2を押出す際に治具から受ける荷重も支える。
【0029】
架台13の下部には、金属製、例えば架台13と同じ材質の円筒状の筒部15を設けている。この筒部15は、内側に設けたガス導入管6の接続端を保護するものである。また、この筒部15に、例えば油圧駆動のルツボ押出治具をあてがって、ルツボ2を押出す。なお、炉体は、油圧シリンダを備えており、傾動可能となっている。
【0030】
本発明に関し、炉の新設、及び修理等の際の築炉方法は以下のようである。開口部をガスバブリングプラグ5の中心軸(偏心軸17)に合わせ、炉体底部11に設ける。円錐状に切欠部を設けた耐火セメント4を、炉体底部11上面開口部の周囲に形成する。ルツボ2の周囲も耐火セメント4で形成する。架台13を、炉体底部11の開口部に設ける。
【0031】
耐火セメント4で形成する開口部の円錐面全面、耐火セメントとルツボ2の底面と接する面全面、及び架台13上面の全面にセパレーター12を敷設する。固定レンガ9を、炉体低部11の開口部に設けた架台13の上に載置する。固定レンガ9は、例えば、レンガ上部から中空部にボルトを通し、ナットを用いて架台13に仮固定する。
【0032】
押出ブロック10は、ルツボ2の製作に用いたものと同じ材質の耐火材とリン酸系バインダーとを混練したものを用い、固定レンガ9の外側円周と耐火セメント4の円錐部と架台13上面との間に打設等して形成する。ルツボ2を安定して載置できるように、押出ブロック10の上面は、固定レンガ9の上面に合わせ、かつ水平に調整する。固定レンガ9を架台13に仮固定する際に用いたボルト、ナットをはずす。
【0033】
ガスバブリングプラグ5、スリーブ7、及びガス導入管6は、一体として固定レンガ9上に載置する。架台13の下側に突き出たガス導入管6のネジ部を架台13にナット14で止付け、ガスバブリングプラグ5、スリーブ7、及びガス導入管6を一体として固定レンガ9上に固定する。
【0034】
ルツボ2を作成する。ルツボ2と耐火セメント4の間にはセパレーター12を設ける。ルツボ2の底部は、例えばスピネル系の耐火セメントを用いて、ポーラスプラグ5と押出ブロック10と耐火セメント4との間に、ポーラスプラグ5の上面に合わせて形成する。ルツボ2の底部から上は、例えばルツボ中央に溶解室1と同型の型を挿入し、型と耐火セメント4との間にルツボ底部2の成形に用いた、例えばスピネル系の耐火セメントを装入し、打設等の方法により成形する。
【0035】
炉修の際には、ルツボを押出して解体する。例えば、油圧シリンダーを押して炉体を、例えば90度傾動させる。次に、炉体底部11の筒部15に治具をあてがい、架台13上の押出ブロック10を押す。これにより、ルツボ2は押出される。炉体を傾動する場合の回転軸は、例えば炉の出湯口近くに設けられている。また、炉体を傾動する場合には、偏心軸17をルツボ中心軸16の下側に位置させる。偏心軸17をルツボ中心軸16の下側に位置させるには、例えば45度から90度を超えて135度程度傾動させれば良い。通常、油圧シリンダーを押して炉体を90度回転させ、ルツボ2をほぼ水平にして、偏心軸17をルツボ中心軸16の下側に位置させ、ルツボ2を押出すことが望ましい。
【0036】
この理由は、炉体を傾けるとルツボの自重により、ルツボ2と耐火セメント4との隙間は上側になるほど隙間が生じ、反対に下側は押しつぶされようとする。この状態で、ルツボ2のルツボ中心軸16を押すと、ルツボ2と耐火セメント4との上側と下側の摩擦の差により、ルツボ2が破壊されることがある。押出し途中でルツボ2が破壊すると、ルツボ2を抜き出すのに大変手間がかかる。
【0037】
本発明のように、傾動してルツボを水平とし、ルツボ偏心軸17をルツボ中心軸16の下側に位置させ、押出ブロック10を押してルツボ2を押出すと、ルツボ2の摩擦の中心を押すことができ、均一な押出しができ、ルツボ2を破壊することなく解体作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のガス攪拌式誘導炉の概略図である。
【図2】従来技術のルツボ型誘導炉の概略図である。
【符号の説明】
【0039】
1 溶解室
2 ルツボ
3 誘導コイル
4 耐火セメント
5 ガスバブリングプラグ
6 ガス導入管
7 スリーブ
9 固定レンガ
10 押出ブロック
11 炉体底部
12 セパレーター
13 架台
14 ナット
15 円筒状筒部
16 ルツボ中心軸
17 偏心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記部材を備えたことを特徴とするガス攪拌式誘導炉。
(a)出湯口を備えた前記ガス攪拌式誘導炉の、ほぼ中心に配設されるルツボ(2)のルツボ中心軸(16)から当該出湯口側に離れた偏心軸(17)位置に配置されたガスバブリングプラグ(5)と、
(b)前記ガスバブリングプラグ(5)の中心軸に軸を合わせて前記ガスバブリングプラグ(5)の下部に配置された逆円錐形状の押出ブロック(10)と、
(c)前記ガス攪拌式誘導炉の前記出湯口近くに設けられ、炉体を前記出湯口側に傾動させるための回転軸。
【請求項2】
更に下記のセパレータを備えたことを特徴とする請求項1に記載のガス攪拌式誘導炉。
前記ルツボ(2)の周囲に形成された耐火セメント(4)と前記押出ブロック(10)の接する面の一部又は全面、
前記耐火セメント(4)と前記ルツボ(2)の接する面の一部又は全面、
及び前記押出ブロック(10)と前記ガス攪拌式誘導炉の底部(11)に形成された架台(13)とが接する面の一部又は全面に挿入されたセパレーター(12)。
【請求項3】
前記偏心軸(17)位置は、前記ルツボ中心軸(16)からルツボ半径の20〜75%離れた位置であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のガス攪拌式誘導炉。
【請求項4】
前記押出ブロック(10)は、前記ルツボ(2)に用いた材料とバインダーとを混ぜ合わせて形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のガス攪拌式誘導炉。
【請求項5】
前記架台(13)は、中心にガス導入管(6)を通す穴が設けられ、下部には当該ガス導入管(6)の接続端を保護するためと前記ルツボ(2)を押出す治具をあてがうための円形の筒部(15)が設けられたものであることを特徴とする請求項2に記載のガス攪拌式誘導炉。
【請求項6】
前記ガス導入管(6)は、外面にネジを形成してナット(14)を用いて前記架台(13)に固定されたものであることを特徴とする請求項5に記載のガス攪拌式誘導炉。
【請求項7】
前記セパレーター(12)が、ガラス繊維の布、マイカ板等の耐火シートからなることを特徴とする請求項2に記載のガス攪拌式誘導炉。
【請求項8】
以下の工程からなることを特徴とするガス攪拌式誘導炉の解体方法。
(a)出湯口を備えた前記ガス攪拌式誘導炉の当該出湯口近くに設けられた回転軸により、炉体を前記出湯口側に傾動させ、
(b)前記ガス攪拌式誘導炉の、ほぼ中心に配設されるルツボ(2)のルツボ中心軸(16)から前記出湯口側に離れた偏心軸(17)位置に配置されたガスバブリングプラグ(5)の下部に前記ガスバブリングプラグ(5)の中心軸に軸を合わせて配置された逆円錐形状の押出ブロック(10)を押し出す。
【請求項9】
前記炉体を前記出湯口側に約90度傾動させることにより、前記ルツボ(2)をほぼ水平にして、前記偏芯軸(17)を前記ルツボ中心軸(16)の下側に位置させて、前記ルツボ(2)を押し出すことを特徴とする請求項8に記載のガス攪拌式誘導炉の解体方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−145201(P2006−145201A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11862(P2006−11862)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【分割の表示】特願2000−397563(P2000−397563)の分割
【原出願日】平成12年12月27日(2000.12.27)
【出願人】(000231855)日本鋳造株式会社 (19)
【出願人】(000220767)東京窯業株式会社 (211)
【Fターム(参考)】