説明

ガス放電により発生されたプラズマにより生きている細胞を包含する生物学材料の処理

【課題】
生きている細胞を含有する生物学材料が僅かなエネルギー費用で、事故の危険が僅かでしかも局部的に狭く限定された領域で処理されることができる方法と装置を提供すること。
【解決手段】
大気圧でガス放電(9)によって発生したプラズマ(4)により生きている細胞を含有する生物学的材料(1)を処理するために、電極(3)が生物学的材料(1)と間隔をおいて配置されている。誘電体(2)は生物学的材料(1)と電極(3)の間で生物学的材料(1)と間隔をおいて配置され、生物学的材料と電極の間の誘電体によって阻止されたガス放電を惹起するために交流高電圧が電極に付与される。この場合に誘電体(2)として固体誘電体が電極(3)の前に間隔なしに配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求項1の上位概念に基づく大気圧におけるガス放電により発生されたプラズマにより生きた細胞を包含する生物学材料を処理する方法並びに請求項11の上位概念に基づく対応する装置に関する。
この場合にプラズマはこの発明の意味において血漿ではなく、むしろ物理的プラズマ、即ちガス或いはガス混合物の所定の電気伝導性状態である。
【背景技術】
【0002】
大気圧におけるガス放電により発生されたプラズマによる有機材料の処理は、例えばドイツ特許第19957775号明細書(特許文献1)によって知られている。ここでは、木の表面が誘電的に阻止された放電によって修正されている。けれども、生きている細胞を含有する生物学材料を処理する示唆はここに与えられていない。
【0003】
特許請求項1或いは請求項11の上位概念に基づく方法と装置は、米国特許第5866082号明細書(特許文献2)から知られている。ここでは、ネオンで充填されたガラス電球が設けられ、誘電体を形成する。ガラス電球の裏面には電極が配置されており、交流高電圧発生器から交流高電圧を作用されて、ガス放電を一方でガラス電球内のネオンガス内に、他方でガラス電球と皮膚表面の間に惹起させる。公知の方法と公知の装置はガス放電において空気中に生じるオゾンによって、皮膚を処理するのに用いられ、その皮膚表面の上にガス放電が惹起される。電気出力は、交流高電圧発生器から電極に与えられ、10ワットより多い領域に生じる。それ故に、その間に位置するガラス電球が破壊されるときに、電極と皮膚の直接接触を避けることが重要である。この理由から電気絶縁材料製の遮蔽部が電極を越えて前方へガラス電球の領域に突き出している。公知の装置の電気エネルギーの供給は通常の電力網によって行われる。公知の装置と公知の方法は皮膚の大きな表面処理のために設けられている。電極とガラス電球の寸法は局部的処理を許容できない。皮膚のオゾン処理は、皮膚表面におけるバクテリアが殺されるから、美容的目的に用いられる。
【0004】
特許文献2から知られた装置の更なる開発は英国特許出願公開第2378387号明細書(特許文献3)に記載されている。この開発によると、特にガラス電球の破損の可能性と結びついている問題に遭遇されるはずである。このために、皮膚表面に対してガス放電を可能とするために、破断部を有するガラス電球用保護外皮が設けられている。この場合に、特許文献3は、ガラス電球が破壊してネオンガスが漏れ出るときに、ガラス電球がガス放電用電気エネルギーを導く状態で細長くないことを示している。
【0005】
ドイツ特許出願公開第19820240号明細書(特許文献4)から、阻止されないガス放電によって酸素を含有する不活性ガス或いはガス混合物にプラズマを形成させる電気外科器具が知られている。この器具により処理される組織へのプラズマの作用は実質的に熱的であり、即ち熱的凝固を生じる。阻止されていない電気放電は極めて高い周波数範囲のみの比較的高い電気出力で実現できる。
【0006】
歯科学の領域では、オゾンによる虫歯の処理が知られている。このために、虫歯に襲われる歯の箇所の上部の限定された領域がオゾンにより洗浄される。オゾンは固定装置において発生され、処理ベルのホースを介して口ゾンデに供給される。同じ処理ベルからオゾンは再び吸い出され、使用されなかったオゾンはフイルタ内で中和される。その全体を虫歯処理する公知の装置は本当に費用がかかる。
【特許文献1】ドイツ特許第19957775号明細書
【特許文献2】米国特許第5866082号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第2378387号明細書
【特許文献4】ドイツ特許出願公開第19820240号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の課題は、生きている細胞を含有する生物学材料が僅かなエネルギー費用で、事故の危険が僅かでしかも局部的に狭く限定された領域で処理されることができる特許請求項1と11の上位概念に基づく方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の課題は、独立特許請求項1の特徴事項を備える方法と独立特許請求項11の特徴事項を備える装置とによって解決される。この方法と装置の好ましい実施態様は従属請求項2乃至10或いは従属請求項12乃至20に記載されている。
【発明の効果】
【0009】
新たな方法と新たな装置では、誘電体は、交流高電圧が処理すべき生物学材料上にガス放電を惹起させるように供給される電極の前に間隔なしに配置されている固体誘電体である。即ち、費用のかからないガス充填されたガラスシリンダが存在する。むしろ、誘電体は簡単な固体である。この場合に、誘電体は全体としてガラスから成り立ち得る。しかし。質量的ガラスが重要である。誘電体はガス放電の影響に比べて十分に不活性であるセラミック或いはそのような合成樹脂から成り立つ。ガス充填されたガラスピストンと比較して、誘電体は新たな方法と新たな装置では極めて薄いものである。その典型的厚さが僅かである、即ち最高5mmである。特に誘電体は最高3mm厚さである。しかし、誘電体の材料に応じて例えば0.5mmの厚さであり、十分に僅かである。誘電体の僅かな厚さは処理すべき生物学材料の小さく定義された面上のガス放電の形成を容易にさせる。誘電体と電極の間或いは誘電体の内部の各追加的ガス空間の断念はガス放電の電気エネルギーに関する必要性を減少させる。この発明における誘電的に阻止されたガス放電は実質的に冷たいプラズマを発生し、即ち熱効果がほんの僅かである。プラズマに起因される化学的且つマイクロ物理的効果が重大できる。酸素の存在におけるガス放電が行われるときに、本質的効果が自由酸素、即ち原子及び/又は励起された酸素の発生に起因されて、酸素が高く酸化されているので、例えば微生物が処理すべき生物学材料の表面にて適切に殺されることができる。殺すべき微生物では、例えば歯の虫歯被害が重要である。自由酸素がこの関係においてオゾンとしてより有効になる。自由酸素の反応によって組織の表面皮膜も殺されるが、この場合に変質した組織が問題である。この発明におけるプラズマの実質的に非熱的作用にもかかわらず、例えば出血を止める酸化凝固も可能である。
【0010】
具体的にこの発明におけるガス放電は、100mm2 より少なく、特に50mm2 より少ない生物学的材料の表面上に形成されることができる。全領域と思われるガス放電により過度に緊張された面がガス放電にて発生され、個別の放電経路のみでなく、ほんの数平方ミリメートル大きさであり得るので、生物学的材料の極めて目標に合った局部的処理が可能である。
【0011】
処理すべき生物学材料からプラズマの各熱的影響を遠避けるために、生物学材料を冷却するガス流はガス放電に領域において生物学材料上に案内されることができる。このガス流によってプラズマ領域からの反応製品も搬出されることができる。
【0012】
自由酸素を制御せずにガス放電の領域に到達させるために、ガス放電の領域からのガスを吸い出すことが好ましい。この場合に、電極と共軸方向の吸い出しが、例えば電極の周りの環状空間を通して或いは電極により形成された管を通して行われることができるので、装置がガス放電の領域においてガス放電にもかかわらず極めて狭く構成できる。
【0013】
しかし、ガス流はガス放電をガス或いはガス混合物内で惹起させるのに利用されることができ、その構成はガス或いはガス混合物の所定の中味材料をもつ処理すべき生物学材料の所定の処理を適切に引き起こすために、空気とは相違している。
【0014】
ガス放電の電気出力はこの発明では典型的には10ワットより少ない値である。特に電気出力はより少なく、5ワット以内である。この電気出力は具体的に一ワット或いはそれ以下であり得る。
【0015】
特に、交流高電圧が1から3000kHzの周波数により1kVの大きさの個々の双極電圧パルスの形態で発生されるときに、好ましい。これは商慣習上の電子半導体構成要素により可能である。即ち、新たな装置の交流高電圧発生器は比較的に好ましい価格で実現されることができる。パルスの双極性によって、生物学材料と交流高電圧発生器をアースする、或いは還流電流回路をそれら生物学材料と交流高電圧発生器の間に準備することは、強制的には必要ない。しかし、この措置はこの発明の範囲内で把握され得る。
【0016】
誘電体の作用面と生物学材料との望ましからぬ接触を阻止するために、ガス放電の領域は横に電気絶縁性且つ非静的荷電性材料により遮断されることができる。これは、例えば、ガス放電が虫歯に襲われた歯を処理する口腔内に惹起され、その際に患者の舌が誘電体と接触する危険が生じるときに、有効である。誘電体と処理すべき歯との直接的接触は望ましくない。
【0017】
この発明の好ましい利点として、これが電池駆動に換えられることができるが明らかになる。即ち、ガス放電を惹起して維持する交流高電圧は商慣習上の蓄電池からの電気エネルギーの使用の下で発生されることができる。それによって新たな方法を実施する新たな装置はコンパクトな手持ち装置として形成できる。
【0018】
特許請求項11から20までにおける新たな装置との定義との関係において誘電体の作用面が示唆されている限り、装置の使用の際に生物学材料に向いた誘電体の表面が問題であり、その表面上に交流高電圧を電極に供給する際に電界力が形成し、その電界力はガス放電を惹起して維持するために十分である。個々の場合に誘電体の作用面と見做されることは、電極と誘電体の幾何学形状に依存しており、当然に電極に供給される交流高電圧に影響を与えられている。しかし、実際には、誘電体の作用面の週辺は、誘電体の表面の前でガス放電が行われることが留意されるので、容易に確認できる。
【0019】
新たな方法と新たな装置の具体的用途は、例えば神経皮膚や蚊の刺し傷において生じるような皮膚におけるかゆみ刺激の処理を包含する。プラズマ処理後にそのようなかゆみ刺激は明確に減退する。皮膚処理におけるウィルスの殺菌は疣、帯状疱疹或いはヘルペスを処理するために利用されることができる。新たな方法と新たな装置による歯処理において歯がプラズマにより唾液残物から清掃されるので、歯は虫歯予防のためにも準備されることができ、バクテリアやウィルスが殺され、その歯表面が活性化されるか、或いは歯の表面エネルギーが向上される。この前処理は、弗素保護体、亀裂封止或いはそのようなものによる歯の次のラッカー塗布が歯を良くして長く保持することを奏する。ガス放電がプラズマを発生させるように惹起されるガスには例えばメタンやシランが添加されるときに、歯の皮膜はプラズマ自体によっても奏され得る。テトラフルオメタンのようなフッ化ガスも供給され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、この発明は図に図示された好ましい実施例に基づいてさらに説明されて記載されている。
【実施例1】
【0021】
図1に図示された装置は、実質的構成部材として針状電極3、電極3の丸くなった尖端6を覆う誘電体2と交流高電圧発生器7を有し、この発生器は装置の運転中に電極3に供給する交流高電圧を発生させる。この装置のこれら構成部材は電気エネルギーを交流高電圧発生器7に供給する一つ或いは複数の蓄電池8と一緒に手持ち装置内に収納されることができる。しかし、この交流高電圧発生器7はエリミネーターを介して電気エネルギーを供給されることができる。この場合には、エリミネーター或いはエリミネーターと交流高電圧発生器から成るユニットがコンソール型テレビとして形成されることができる。誘電体2は、一方では電極3を絶縁するために用いられる。他方では、誘電体はガス放電9を誘電的に阻止するために用いられ、そのガス放電は誘電体2と生物学材料1の表面との間の電極3に交流高電圧を供給することにより惹起されることができ、プラズマ4を生物学材料1の表面上に発生させる。酸素、例えば空気酸素の存在におけるガス放電が行われるときに、プラズマ4は自由酸素、即ち化学的に表面に生物学材料1上に作用する高反応性自由酸素原子を包含する。誘電体2によるガス放電9の誘電的阻止は冷たいプラズマ4を生じる。即ち、プラズマ4の熱効果が数秒までの僅かな秒の生物学材料1上への少なくとも短い作用時間にわたり無視できる。ガス放電9の横断面は、誘電体2と生物学材料1の間にガス放電9を維持するのに十分な電界力が存在する領域によって定義される。ここで、誘電体2の対応する表面は誘電体2の作用面として関連されている。この作用面の外部には、誘電体2は主として電極3の絶縁体として用いられる。そのために、誘電体は作用面の外部には、適切に他の組成及び/又はより厚い壁厚を有する。誘電体2の作用面領域では、壁厚は典型的には若干の数ミリメートルである。誘電体2の材料は特にセラミックである。しかし、ガラス或いはプラズマに対して十分に抵抗する合成樹脂が重要である。プラズマ4による生物学材料1の処理は実質的に、生物学材料1の表面における細胞、例えばバクテリアや変質した組織のような望ましからぬ微生物を殺すことにある。具体的に、これは歯の虫歯を処理するために行われ得る。
【実施例2】
【0022】
新たな装置の図2に図示された実施態様は、図1による実施態様とは、まず最初に、交流高電圧発生器と電気エネルギーの供給に関する詳細部が省略されることが相違している。けれども、ここで、吸出し絶縁ケーシングが誘電体2の周りに間隔をもって配置されていて、誘電体は誘電体2の作用面の前に開口11を有し、その開口を通してガスがガス放電9の領域から吸い出されることが重大である。この吸出しによって、自由酸素からガス放電9の周辺への制御されていない遊離がプラズマ4により阻止される。むしろ、そのような酸素は適切なフィルタへの吸出し後に中和されることができる。絶縁吸出ケーシング10の材料は電気絶縁性で、非静的に荷電でき、ガス放電が誘電体2と吸出し絶縁ケーシング10の間の中間室において惹起されることも、伝導対象物と絶縁吸出ケーシング10自体との直接接触が電気エネルギーを伝達するように導くことも保証される。それで、例えば、口腔内の虫歯の処理の場合には、患者の舌が誘電体2と或いは電極3と接触し、それで不愉快な電気刺激を導いたことは、阻止され得る。
【0023】
ガス放電9の領域から吸出しの代わりに、この領域には、適切に構成が空気とは相違しているガスが供給され得るか、或いは単に生物学材料1の表面を冷却するために用いられる。しかし、そのような冷却は図2による装置におけるガス12の吸出しによっても達成される。各場合には、ガス流による生物学材料1の表面の冷却は、プラズマ4の作用が非熱化学的とマイクロ物理的効果に限定されることをもたらす。
【実施例3】
【0024】
図3による装置の実施態様の場合には、特殊な空気と相違する組織をもつ反応ガス13がガス放電の領域に噴射される。これは図2におけるように共軸方向配列で行われる。しかし、図3 では、電極3は管状に内及び外並びにその尖端6には誘電体2により覆われている。誘電体2の生じる作用面は環状面である。即ちガス放電9の地帯は円筒外皮状である。反応ガス13の供給に追加して、ここで例えば自由酸素からガス放電9の周辺への制御されていない遊離を抑圧するために、図2に一致する配列においてガス放電9の領域からのガスも吸出される。
【実施例4】
【0025】
図4はおよそ別の幾何学的配列をもつ装置の実施態様を示す。ここでは、ロッド状電極3が循環して誘電体2により包囲される。生物学材料1の表面と電極の平行な配列の際にガス放電9の直線状領域が形成されて、その領域にはプラズマ4が発生される。誘電体2の作用面に一致する生物学材料1の或る時点に処理された表面がいつも比較的に小さいにもかかわらず、生物学材料1の表面上の電極3の運動によって生物学材料1の比較的大きい面がプラズマ4により処理されることができる。ガス放電9の地帯の僅かな大きさは、ガス放電9の誘電的阻止と同様にガス放電9のエネルギー必要性を減少させ、それは、ガス放電9が蓄電池、具体的に商慣習的電池の使用の下で電気エネルギー供給部として可能であること仮定する。同時にガス放電9の僅かな電気出力も、極端な場合に新たな装置の使用と、即ち新たな方法の用途と結合されている各電気的刺激のレベルが小さいままであることを保証する。これは重要な安全観点である。追加的安全観点は、誘電体2が継目なしに電極3に配置されている質量的固体誘電体であるので、電極3との直接接触の危れが新たな装置の不適切な使用の場合にも実際的に存在しないことである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】新たな方法の実施の際の新たな装置の第一実施態様の構成を概略的に示す。
【図2】新たな方法の第二実施態様の実施の際の新たな装置の第二実施態様の構成を概略的に示す。
【図3】新たな方法の別の実施態様の実施の際の新たな装置の別の実施態様の構成を概略的に示す。
【図4】新たな方法のなお別の実施態様の実施の際の新たな装置のなお別の実施態様の構成を概略的に示す。
【符号の説明】
【0027】
1.....生物学材料
2.....誘電体
3.....電極
4.....プラズマ
5.....作用面
6.....尖端
7.....交流高電圧発生器
8.....蓄電池
9.....ガス放電
10.....絶縁吸出しケーシング
11.....開口
12.....ガス
13.....反応ガス
14.....ガス流
15.....ガス供給

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧でガス放電によって発生したプラズマにより生きている細胞を含有する生物学的材料を処理し、電極が生物学的材料と間隔をおいて配置され、誘電体が生物学的材料と電極の間で生物学的材料と間隔をおいて配置され、生物学的材料と電極の間の誘電体によって阻止されたガス放電を惹起するために交流高電圧が電極に付与される方法において、誘電体(2)として固体誘電体が電極(3)の前に間隔なしに配置されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
ガス放電(9)は100mm2 より少なく、特に50mm2 より少ない生物学的材料(1)の面上に発生されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガス流(14) はガス放電(9)の領域において生物学的材料(1)上に案内されることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
ガス(12) はガス放電(9)の領域から吸い出されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ガス(12) は電極(3)と共軸方向に吸い出されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ガス放電(9)はガス或いはガス混合物(13) 内で惹起されて、その構成は空気とは相違することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
交流高電圧はガス放電(9)の電気出力が10Wより少なく、特に5Wより少ない値であるように電極(3)に供給されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
交流高電圧は1から3000kHzの周波数により1kVの大きさの個々の双極電圧パルスの形態で発生されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ガス放電(9)の領域は横に電気絶縁性且つ非静的荷電性の材料(10) により遮蔽されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
交流高電圧は蓄電池(8)からの電気エネルギーの使用の下で発生されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
大気圧でガス放電によって発生したプラズマと、電極と、電極の前に配置された誘電体と、電極に供給する交流高電圧を発生させる交流高電圧発生器と備えて、その交流高電圧が誘電体によって阻止されたガス放電を誘電体の作用面と生物学材料の間に惹起させる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法に基づく生きている細胞を含有する生物学材料を処理する装置において、誘電体(2)は電極(3)の前に間隔なしに配置される固体誘電体であることを特徴とする装置。
【請求項12】
誘電体(2)の作用面(5)は100mm2 より少なく、特に50mm2 より少ないことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
ガス導入部(15)は誘電体(2)の作用面(5)前の領域に設けられていることを特徴とする請求項11或いは12に記載の装置。
【請求項14】
ガス導入部(15)はガス或いはガス混合物(13) 用貯槽にて空気と別の構成と接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
ガス吸出し部(10)は誘電体(2)の作用面(5)前の領域から設けられていることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
ガス吸出し部(10)は電極(3)と共軸方向に配置された吸出し管を有することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
交流高電圧発生器(7)は10Wより少なく、特に5Wより少ない値である電気出力を電極(3)に与えることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
交流高電圧発生器(7)は1から3000kHzの周波数をもつ交流高電圧を1kVの大きさの個々の双極電圧パルスの形態で発生させることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
電気絶縁性且つ非静的荷電性材料から成る横遮蔽部(10)は誘電体(2)の作用面(5)を越えて突き出すことを特徴とする請求項11乃至18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
交流高電圧発生器(7)と誘電体(2)をもつ電極(3)は電池駆動手持装置の一部であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−526442(P2006−526442A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508258(P2006−508258)
【出願日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005988
【国際公開番号】WO2004/105810
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505444031)
【Fターム(参考)】