説明

ガス流体に含有される硫黄化合物の接触還元において有用な触媒組成物ならびに当該組成物を製造および使用する方法

ガス流体に含有される硫黄化合物の加水分解において有用な組成物が開示される。この組成物はアルミナ、VI族金属成分およびVIII族金属成分を含む。この組成物はこの全細孔容積の高い割合が10,000オングストロームを上回る細孔径を有する細孔内に収まるような細孔構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流体に含有される硫黄化合物の接触還元において有用な触媒組成物、このような触媒組成物の製造方法およびガス流体に含有される硫黄化合物を還元変換するための加水分解法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のClaus法においては、硫化水素(HS)を有意なパーセンテージで含有する酸性気体を、HSの一部を二酸化硫黄(SO)に酸化するため、熱的段階において燃焼する。この燃焼は、内部に存在するHSおよびSOをHS 2モル毎SOモル(2:1)のおおよそこのモル比で含有する処理ガス流体がこれによって得られるように制御される。この処理ガス流体は触媒段階に送られ、この段階によってHSおよびSOがアルミナ触媒の存在下、Claus反応に従って反応させられ、元素状硫黄および水を生じる。その後、硫黄はClaus反応気体から濃縮され、Clausテールガス流体(tail gas stream)が生じる。このClausテールガス流体は、典型的には、HSならびに他の硫黄化合物、例えば、SO、二硫化炭素(CS)、硫化カルボニル(COS)および元素状硫黄(S)を小濃度含有する。このテールガス流体を燃焼するか、または他の方法で処理するためには、これらから硫黄の多くを除去し、これによりこの燃焼または雰囲気中への放出を可能にする十分に少ない硫黄含有量を有する処理ガスを得るため、これをさらに処理しなければならない。
【0003】
テールガスを処理する方法の1つは、これを還元反応器に送り、これによってテールガス流体中の硫黄化合物(即ち、SO、CS、COSおよびS)をHSに触媒的に還元し、これによりこれらのHSへの変換のために硫黄化合物の濃度が低下した処理ガス流体を得ることである。その後、この処理ガス流体をさらに処理してこれらからHSを除去することができ、これは、例えば、この処理ガス流体を吸収ユニットに送り、これによってHSを処理ガス流体から除去するために吸収剤と接触させることによる。
【0004】
米国特許3,554,689が教示する初期の方法の1つは、HSへの接触加水分解によるガス流体からのオキシ硫化炭素、即ち、COSの除去を提供する。この特許においては、酸素をも含有する燃焼気体からCOSを除去する方法であって、まず、酸素を変換するため、気体を活性水素化触媒と接触させ、その後、COSをHSに変換するため、生じる実質的に酸素非含有の気体をCOS変換触媒と接触させることによる方法が開示される。その後、HSは、吸収によって除去することができる。COSの変換は150℃未満の温度で達成することができる。COS変換触媒には50m/gを上回る比表面積を有するアルミナが含まれ、1以上のVI族および/またはVIII族金属酸化物を含有することができる。COS変換触媒のさらなる実施形態には、これらの内部でのアルカリ金属リン酸塩所定量の存在が含まれる。’689特許には、COS変換触媒が他の硫黄化合物、例えば、CS、SOおよび元素状硫黄の還元における有用性を有することを示す開示は存在しない。さらに、’689特許の方法の必要条件の1つは、燃焼気体をまず触媒的酸素除去工程に処し、そうすることで接触加水分解によってCOSを除去するように処理される気体が実質的に酸素非含有であることである。
【0005】
米国特許4,668,491は、一酸化炭素含有処理気体中に存在する硫黄化合物COSおよび/またはCSの選択的接触加水分解のための方法および触媒を開示する。’491特許によって開示される加水分解触媒は酸化アルミニウム担体上に支持された酸化クロムおよびアルカリ金属化合物を含み、ガンマアルミニウムが酸化アルミニウムの好ましい形態である。処理気体の一酸化炭素含有率は重要であり、100℃から350℃の範囲の温度で加水分解触媒上を通過させる。
【0006】
米国特許5,132,098は、Clausユニット・テールガス(残留気体)中に含有されるSO、CS、COSおよび元素状硫黄の硫黄化合物を、HSへの水素化または加水分解のいずれかによって触媒的に変換する方法を開示する。この水素化または加水分解処理は、140℃から550℃の範囲の温度で、シリカまたはシリカ/アルミナ支持体上に被着された、周期律表のVa、VIaおよびVIII族の金属から選択される金属の化合物を含有する触媒を用いて行う。’098特許に開示されるより具体的な触媒にはアルミナ上に被着された酸化コバルトおよび酸化モリブデンが含まれる。’098特許は1.75重量%コバルトおよび8重量%モリブデンを含浸させたアルミナを含む触媒を開示するが、これらの成分の範囲または触媒のアルミナの形態に関する教示は存在しない。さらに、低温水素化および加水分解反応に備える上での、または硫黄化合物の硫化水素への高変換に備える上での、触媒の細孔構造の特徴の重要性の認識が存在しない。
【0007】
米国特許5,132,098は、ガス流体に含有される硫黄化合物、例えば、COSおよびCSの硫化水素への変換において用いるための触媒を開示する。この触媒は、少なくとも3種類の金属の酸化物を含む、金属酸化物の混合物が含浸される無機酸化物支持体を含む。好ましい触媒は、無機酸化物支持体が酸化アルミニウム、好ましくは、γ−アルミニウムならびにCu、Zn、Cr、Mo、W、Fe、CoおよびNiの酸化物であるものであり、金属酸化物の各々は約0.05から約4重量%の量で存在する。この触媒は3種類以上の金属酸化物を含有することを必要とすることが注目に値する。
【0008】
米国特許6,080,379は、Claus反応の実施または加水分解のいずれかによる硫黄含有気体の処理に用いられるアルミナ触媒を開示する。この触媒は最適化されたマクロ多孔性(macroporosity)を有し、この多孔性は0.1μm(1,000A)を上回る直径を有する細孔の容積が12ml/触媒100gを上回り、および1μm(10,000A)を上回る直径を有する細孔の容積の0.1μm(1,000A)を上回る直径を有する細孔の容積に対する比が0.65以上であるようなものである。アルミナは、おそらくは、ロー(ρ)、カイ(χ)、イータ(η)、ガンマ(γ)、カッパ(κ)、シータ(θ)、デルタ(δ)およびアルファ(α)からなる群より選択される遷移アルミナであり得る。この触媒は金属酸化物をさらに含有することができる。CSの加水分解におけるこの触媒の使用は著しく高い反応器温度を必要とするように思われるが、依然として高いCS変換を提供することはないものと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,554,689号明細書
【特許文献2】米国特許第4,668,491号明細書
【特許文献3】米国特許第5,132,098号明細書
【特許文献4】米国特許第6,080,379号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ガス流体に含有される硫黄化合物を接触還元するための(即ち、COSおよびCSの加水分解ならびにSOおよびSのHSへの水素化による)方法を提供すること、特に、Clausユニット・テールガス流体に含有される硫黄化合物の接触還元を提供することが望ましい。
【0011】
ガス流体に含有される硫黄化合物の低温還元を提供することができ、さらに、このような硫黄化合物の硫化水素への高率変換を提供することができる触媒組成物を有することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、ガス流体に含有される硫黄化合物の接触還元において有用な触媒組成物であって、アルミナ、VI族金属成分およびVIII族金属成分を含み、前記触媒組成物の全細孔容積の高い割合が10,000Aを上回る細孔径を有する前記触媒組成物の細孔内に収まるような細孔構造を有する触媒組成物が提供される。この触媒組成物は、この全細孔容積の10%を上回るものが10,000Aを上回る細孔径を有する細孔内に収まるアルミナを含むアルミナ粒子にVI族金属成分およびVIII族金属成分を組み込み、これにより中間体を得;前記中間体を焼成し、これにより前記触媒組成物を得ることによって製造することができる。
【0013】
適切な還元反応条件で稼働する反応器にガス流体を導入する工程であって、前記ガス流体は硫黄化合物を含む工程、ならびに前記ガス流体を触媒組成物と接触させる工程であって、前記触媒組成物はアルミナ、VI族金属成分およびVIII族金属成分を含み、前記触媒組成物の全細孔容積の高い割合が10,000Aを上回る細孔径を有する前記触媒組成物の細孔内に収まるような細孔構造を有する工程;ならびに前記反応器から前記硫黄化合物の濃度が低下している処理ガス流体を得る工程を含む加水分解法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の触媒組成物および比較触媒の実測累積細孔容積対細孔サイズ径のプロットを示す。
【図2】本発明の触媒組成物および比較触媒の実測増分細孔容積対細孔サイズ径のプロットを示す。
【図3】COSを含有するガス流体の処理に本発明の触媒または比較触媒のいずれかを用いて稼働する加水分解反応器からの処理ガス流体中に存在する硫化カルボニル(COS)硫黄化合物の濃度レベルのプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の触媒は、これをガス流体に含有される硫黄化合物の低温接触加水分解において特に有用にする特性を有する。本明細書で用いられる場合、「加水分解」という用語は、HSおよびCOを生じるCSもしくはCOSのいずれかと水(HO)との加水分解反応またはHSおよび、SO反応の場合には、水を生じるSOもしくはSのいずれかと水素(H)との水素化反応の両方を指し得る。本発明の触媒は、比較触媒の使用で典型的に必要とされるものよりも比較的低い反応温度条件下で触媒が用いられるときでさえ、処理しようとするガス流体に含有される硫黄化合物の例外的に高い変換を提供する。本発明の触媒のこの例外的に高い性能の理由は確実には知られていないが、このような例外的な性能を提供するのが本発明の触媒の独自細孔構造と金属の特定の型および触媒の高金属含有率(high metal loading)との組み合わせであるものと理論付けられる。
【0016】
従って、本発明の触媒組成物は、これらの金属含有率に加えて、触媒組成物の全細孔容積の高い割合が10,000オングストローム(A)を上回る非常に大きい細孔径を有するこの細孔内に収まる独自細孔構造を有する。この10,000Aを上回る細孔径の細孔内に収まる触媒組成物の全細孔容積の高い割合は、一般には、全細孔容積の10パーセントを超えるべきである。特大細孔に収まる全細孔容積の高い割合は、触媒組成物が高い気体空間速度の用途を含む反応条件下で用いられるときでさえガス流体の硫黄化合物の高変換および低温加水分解を提供する触媒組成物の能力に貢献するものと信じられる。従って、10,000Aを上回る細孔径のこの細孔に収まる触媒組成物の全細孔容積のパーセントは触媒組成物の全細孔容積の15パーセントを超えることが好ましい。この割合は25パーセントを超えることがさらにより好ましく、割合が35パーセントを超えることが最も好ましい。
【0017】
接触加水分解用途におけるこの例外的な性能におそらく貢献すると考えられる本発明の触媒組成物の細孔構造の別の独自特性は、この細孔のサイズの二峰性分布である。この触媒組成物は、この細孔分布が、この細孔容積が非常に大きい細孔径を有する細孔および小細孔径を有する細孔内に優先的に収まるが、中サイズの直径を有する細孔内に収まる触媒組成物の細孔容積は非常に僅かであるようなものであるという特性を有する。従って、触媒組成物の全細孔容積の有意の割合が小細孔径、即ち、70A未満の細孔径を有するこの細孔内に収まらなければならない。この70A未満の細孔の細孔内に収まる触媒組成物の全細孔容積の有意の割合は、一般には、全細孔容積の10パーセントを超えるべきである。70A未満の細孔径の細孔に収まる触媒組成物の全細孔容積のパーセントは全細孔容積の15パーセントを超えることが好ましい。この割合は25パーセントを超えることがより好ましく、割合が35パーセントを超えることが最も好ましい。
【0018】
触媒細孔構造に必須の特徴の1つが、これが以下で定義される高いマクロ多孔性を有することであるため、70A未満の細孔径の細孔内に収まる触媒組成物の全細孔容積の割合は全細孔容積の70パーセント未満でなければならない。70A未満の細孔径の細孔内に収まる触媒組成物の全細孔容積のパーセントは全細孔容積の65パーセント未満であることが好ましく、この割合は60パーセント未満であることがより好ましい。従って、例えば、70A未満の細孔径の細孔内に収まる触媒組成物の全細孔容積の割合は10から70%の範囲であり得、特に好ましい範囲は、例えば、35から60%である。
【0019】
本発明の触媒組成物はこのマクロ多孔性によってさらに特徴付けることができる。「マクロ多孔性」という用語は、本明細書では、このマクロ細孔(macropore)内に収まる触媒の全細孔容積の割合によって表される、触媒組成物の多孔性の尺度を指すのに用いられる。マクロ細孔は350Aを上回る細孔径を有する触媒組成物の細孔である。10,000Aを超える細孔内に収まる触媒の全細孔容積の高い割合を有する細孔構造の特徴が触媒組成物の特に重要な特徴であるものと認められるものの、この特性は、30%を上回り、好ましくは35%を上回り、より好ましくは40%を上回らなければならないマクロ多孔性の特性に包含される。上述のように、触媒のメソ細孔(mesopores)内に収まるのは触媒の全細孔容積のうちのごく僅かである。メソ細孔は70Aから350Aの細孔径を有する触媒の細孔である。
【0020】
上に暗示されるように、ある意味では、本発明の触媒組成物内での10,000Aを上回る特大細孔に収まるこの全細孔容積の高い割合および70A未満のより小さい細孔に収まる全細孔容積の高い割合の存在の組み合わせが、接触加水分解用途において用いられるときの、本発明の触媒の比類なく特別な触媒特性に貢献するものと理論付けられる。これらの望ましい特徴のうちの幾つかを反映する本発明の触媒組成物の物理的特性の1つは、10,000Aを上回る細孔に収まるこの細孔容積の70A未満の細孔に収まるこの細孔容積に対するこの比(本明細書では大/小細孔比とも呼ぶ)が0.6を超えることである。この大/小細孔比は0.75を超えることがさらに望ましいが、大/小細孔比が0.8を超えることがより望ましい。大/小細孔比は1を超えることが最も望ましく、大/小細孔比が1.2を超えることが特に望ましい。
【0021】
本発明の触媒組成物は、高いマクロ多孔性の特徴を依然として有しながら、比較的高い金属含有率を有する。この特徴の組み合わせが、低温反応条件下および高反応器空間速度での硫黄化合物の加水分解において特に有用である触媒をもたらすものと信じられる。従って、この触媒組成物は、VI族金属化合物もしくはVIII族金属化合物のいずれか、またはVI族金属化合物およびVIII族金属化合物の両者の金属成分を含有することができる。
【0022】
触媒組成物のVI族金属成分は、触媒組成物の他の成分との組み合わせで、硫黄化合物の加水分解において用いるための触媒組成物を適切にもたらすVI族金属または金属化合物から選択される。VI族金属はクロム、モリブデンおよびタングステンからなる金属の群から選択することができる。好ましいVI族金属はモリブデンまたはクロムのいずれかであり、モリブデンであることが最も好ましい。
【0023】
触媒組成物に含有されるVI族金属成分は元素状形態であっても金属化合物、例えば、酸化物、硫化物等の形態であってもよい。触媒組成物中のVI族金属の量は、触媒組成物の総重量を基準にして、上方に20重量%元素状金属までの範囲であり得る。好ましくは、触媒組成物中のVI族金属の濃度は3重量%から15重量%、最も好ましくは、6重量%から12重量%の範囲にある。
【0024】
触媒組成物のVIII族金属成分は、触媒組成物の他の成分との組み合わせで、硫黄化合物の加水分解において用いるための触媒組成物を適切にもたらすVIII族金属または金属化合物から選択される。VIII族金属はニッケルおよびコバルトからなる金属の群から選択することができ、コバルトが好ましい。触媒組成物に含有されるVIII族金属成分は元素状形態であっても、金属化合物、例えば、酸化物、硫化物等の形態であってもよい。触媒組成物中のVIII族金属の量は、触媒組成物の総重量を基準にして、上方に10重量%元素状金属の範囲であり得る。好ましくは、触媒組成物中のVIII族金属の濃度は0.5重量%から6重量%、好ましくは、1重量%から5重量%、最も好ましくは、2重量%から4重量%の範囲である。
【0025】
触媒組成物は、高いマクロ多孔性および高い金属含有率を有することに加えて、有意に大きい表面積を有することが望ましい。従って、触媒組成物の表面積は、B.E.T.法による測定で、一般には200m/gから400m/gの範囲である。より典型的には、表面積は220m/gから375m/gの範囲であり、最も典型的には、表面積は220m/gから300m/gである。
【0026】
標準水銀圧入法を用いることによって測定される触媒組成物の全細孔容積は0.4cc/gから1.2cc/gの範囲である。より典型的には、触媒組成物の全細孔容積は0.45cc/gから1.1cc/g、最も典型的には、0.5から1cc/gの範囲である。
【0027】
触媒組成物のアルミナ成分の特性は重要であり、これらは、アルミナから粒子を調製または形成することができ、この粒子に金属成分を含浸または組み込むことができ、最終的に本明細書で記述される細孔構造および他の特性を有する触媒組成物をもたらすようなものでなければならない。
【0028】
アルミナ粒子は、粉末を凝集または形成してアルミナを含有する粒子にするための、当業者に公知のあらゆる適切な方法によって調製することができる。金属成分を組み込もうとするアルミナ粒子を調製する適切な方法の1つにおいては、アルミナ粉末またはアルミナ前駆体、例えば、水和アルミナ、例えば、ハイドラルジライト、バイヤライト、ベーマイトおよび疑ベーマイトの粉末を回転するディスク・パン凝集器(agglomerator)に乗せ、粉末上に水を噴霧する。ディスク・パンが回転するに従い、粉末はボールまたはビーズを形成する。ディスク・パンの傾斜角、回転速度および材料(例えば、アルミナおよび水)添加速度はすべて所望のサイズの球状に成形されたアルミナボールを生じるように制御され、次にこのボールは熟成され、高温焼成によって活性化される。最終ボールはふるい分けし、所望のサイズ範囲のボールを分離することができる。
【0029】
アルミナボールまたはビーズを本発明の触媒組成物の調製において用いるとき、これらは1.5mmから15mm、好ましくは、2mmから12mm、最も好ましくは、2.5mmから10mmの範囲の公称径を有することができる。
【0030】
本発明の触媒組成物のアルミナは、この触媒組成物が本明細書に記述される細孔構造および他の特性を有するのであれば、アルミナの幾つかの相、例えば、ロー(ρ)、カイ(χ)、イータ(η)、ガンマ(γ)、カッパ(κ)、シータ(θ)、デルタ(δ)およびアルファ(α)のいずれかでこの内部に存在することができる。しかしながら、本発明の触媒組成物のアルミナ成分の特定の相が硫黄化合物の接触加水分解に向けてこれが有する有益な特性に寄与し得るものであり、重要なアルミナの特定の形態がアルミナのイータ相であるものと信じられる。従って、触媒組成物のアルミナ成分が実質的にイータ−アルミナの形態にあることが望ましく、本発明の触媒組成物の好ましい実施形態においては、アルミナの少なくとも50パーセントがイータ−アルミナの形態にあり、より好ましくは、アルミナの少なくとも75パーセントがイータ−アルミナの形態にある。最も好ましい実施形態においては、触媒組成物のアルミナの少なくとも90パーセントがイータ−アルミナである。
【0031】
本発明の触媒組成物の調製においては、金属化合物を形成または成形されたアルミナ粒子に組み込むための、当業者に公知のあらゆる適切な手段または方法により、金属成分をアルミナ粒子に組み込む。好ましい方法の1つにおいては、標準初期湿潤含浸法によって金属成分をアルミナ粒子に組み込む。
【0032】
金属成分は、金属成分またはこれらの前駆体の1以上を含有する1以上の含浸溶液を用いてアルミナ粒子に含浸させることができる。
【0033】
好ましい含浸溶液は所望の金属化合物の金属塩の水溶液である。VIII族金属(NiおよびCo)の場合、VIII族金属酢酸塩、炭酸塩、硝酸鉛、水酸化物、硫酸塩およびこれらの混合物を用いることができ、好ましい化合物は金属水酸化物または金属硝酸塩である。VI族金属(Cr、MoおよびW)の場合、金属酸化物または金属硫化物の前駆体であり得るあらゆる金属塩を含浸溶液において用いることができる。VI族金属の好ましい塩は、アンモニウムイオンを含むもの、例えば、ヘプタモリブデン酸アンモニウムおよびジモリブデン酸アンモニウムである。含浸溶液中の金属化合物の濃度は本発明の最終触媒組成物における所望の金属濃度がもたらされるように選択される。典型的には、含浸溶液中の金属化合物の濃度はリットルあたり0.01から100モルの範囲である。アルミナ粒子に組み込まれる金属化合物の量は、内部に金属成分が組み込まれているアルミナ粒子を乾燥させ焼成されるとき、最終触媒組成物が本明細書で定義される金属成分の所望の濃度を有するようなものである。
【0034】
含浸アルミナ粒子は、この焼成に先立ち、一般には、空気中、約75℃から250℃の範囲の温度で乾燥させることができる。乾燥時間は焼成に先立って所望の乾燥量をもたらすことができるあらゆる適切な時間であり、0.1時間から72時間の範囲であり得る。乾燥後、含浸アルミナ粒子を酸素含有流体、例えば、空気の存在下、所望の焼成の程度を達成して本発明の最終触媒組成物をもたらすのに適する温度および時間で焼成することができる。一般には、焼成温度は300℃から800℃、好ましくは、350℃から700℃、最も好ましくは、400℃から600℃の範囲である。焼成時間は0.1時間から96時間の範囲であり得る。
【0035】
本発明の触媒組成物はガス流体に含有される硫黄化合物の加水分解において有用であり、より特に、この触媒組成物は、Claus処理ユニットによって生成されるテールガス流体の処理において、テールガス流体に含有される硫黄化合物をHSに変換するために特に有用であり、このHSは、続いて、ガス流体からHSを除去するための、当業者に公知の多くの適切な手段または方法のいずれかによって除去することができる。この触媒組成物は、Clausユニット・テールガス流体の処理において用いるとき、従来の触媒を用いる加水分解反応器に必要とされるものよりも低い温度条件での加水分解反応器の稼働を可能にする特定の独自触媒特性を有し、より低い反応器温度条件でさえ硫黄化合物の高変換を提供する。この触媒組成物は、さらに、従来の触媒が搭載される加水分解反応器が可能であるものよりも非常に速い流速での、従って、非常に速い空間速度での、ガス流体の加水分解反応器の通過を可能にするが、依然として低温条件での硫黄化合物の高変換を提供する。
【0036】
従来の加水分解触媒が搭載される反応器を含む典型的な従来の加水分解反応器システムの稼働においては、テールガスを、加水分解反応器内へのこの導入に先立ち、著しく加熱する必要がある。これは、元素状硫黄の濃縮温度近辺で稼働する硫黄濃縮器から渡される、Clausユニットから放出されるテールガスのためである。典型的なClausユニット・テールガス流体の温度は110℃から125℃の範囲である。従来の加水分解ユニットでは、テールガスは、典型的には、加水分解反応器に供給されるテールガスの導入温度または反応器導入口温度が250℃から350℃の範囲であるように加熱しなければならない。加水分解反応器へのこの必要とされるテールガス供給導入口温度のいかなる低下もこの稼働における著しいエネルギーの節約をもたらす。従って、Clausテールガス流体の処理における本発明の触媒組成物の使用は、Clausテールガス流体の処理に必要とされる温度を低下させることにより、著しいエネルギーの節約をもたらし得る。
【0037】
本発明の触媒組成物を用いて処理することができるガス流体は1以上の気体状化合物を含み、さらに、少なくとも1種類の硫黄化合物を含む。硫黄化合物は、この用語が本明細書で用いられる場合、硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS)、二酸化硫黄(SO)および元素状硫黄(S)からなる化合物の群より選択される分子状または元素状化合物である。硫化水素はこの硫黄化合物の定義から省略される;これは、本発明の触媒組成物がHSの変換を賄おうとするものではなく、むしろ還元反応によって硫黄化合物を硫化水素に還元することを目的とするためである。硫化水素は、後に、処理ガス流体から除去することができる。従って、ガス流体は、通常気体状であるか、または加水分解反応器稼働の温度および圧力条件で気相にある化合物を含む。気体状化合物の例には、前述の硫黄化合物以外に、窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、水ならびに低級炭化水素、例えば、メタン、エタンおよびエチレンが含まれる。
【0038】
本発明の触媒組成物を収容する加水分館反応器に投入または導入されるガス流体中に含有される硫黄可能物の合計濃度は全ガス流体の0.01容積%(100ppmv)から5容積%の範囲であり得る。より典型的には、硫黄化合物濃度は0.02vol%(200ppmv)から3vol%の範囲である。
【0039】
前述のように、この触媒組成物はClausテールガス流体の処理に、硫黄化合物の濃度が処理しようとするテールガス流体中の硫黄化合物の濃度を下回って低下している処理ガス流体がもたらされるようにそこに含有される硫黄化合物を硫化水素に変換するために、特に適する。下記表1はClausテールガス流体を構成するさらなる通常の成分の典型的な範囲を示す。
【0040】
【表1】

【0041】
本発明の加水分解法においては、硫黄化合物一定濃度を有するガス流体を、触媒組成物を収容し、適切な加水分解または還元反応条件で稼働する加水分解反応器に導入する。加水分解反応器内で、ガス流体を、そこに収容される触媒組成物と接触させる。硫黄化合物の濃度が低下している処理ガス流体が加水分解反応器から生じる。処理ガス流体にはガス流体のものを上回るHSの濃度の増加があるが、処理ガス流体にはガス流体のものを上回る硫黄化合物の濃度の低下がある。硫黄化合物の濃度の減少は、一般には、100ppmv未満、好ましくは、50ppmv未満、最も好ましくは、30ppmv未満であるべきである。
【0042】
前述のように、Clausテールガス流体の加水分解における本発明の触媒組成物の使用からの利点の1つは、これが、例えば250℃未満の、比較的低い導入口温度での加水分解反応器の稼働を可能にすることである。ガス流体を加水分解反応器導入するべき最低温度が存在し、従って、ガス流体を加水分解反応器に投入または導入する導入口温度は、一般には、140℃から250℃の範囲である。導入温度は150℃から240℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは、導入温度は160℃から230℃の範囲である。加水分解反応器へのガス流体の導入温度は170℃から220℃の範囲であることが最も好ましい。
【0043】
加水分解反応器の稼働圧力は、一般には、1bar(14.5psi)から100bar(1450.3psi)、好ましくは、2bar(29.0psi)から70bar(1015.3psi)、より好ましくは、3bar(43.5psi)から50bar(725.2psi)の範囲である。
【0044】
ガス流体および、幾らかでも存在する場合には、添加された還元性気体を加水分解反応器に導入する流速は、一般には、10hr−1から10,000hr−1の範囲の気体時空間速度(GHSV)をもたらすようなものである。「気体時空間速度」という用語は、容積毎時表示での炭化水素原料を加水分解反応器に投入する速度を、ガス流体を投入する加水分解反応器内に収容される触媒の容積で除した数値比を指す。好ましいGHSVは10hr−1から8,000hr−1、より好ましくは、500hr−1から5,000hr−1、最も好ましくは、1000hr−1から4,000hr−1の範囲である。
【0045】
Clausテールガス流体の処理においては、ほとんどの場合、加水分解法の加水分解反応に必要とされる還元性気体の源であり得る、水および水素一定濃度が含有される。しかしながら、ガス流体が還元性気体成分の十分な濃度を含有しない場合、還元性気体を必要とされるだけガス流体に添加することができる。完了間近まで進行する加水分解反応を可能とするのに化学量論的に必要とされる還元性気体の量をガス流体中に有することが一般に望ましい。
【0046】
以下の実施例は本発明の特定の態様をさらに説明するために示すが、これらは本発明の範囲を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0047】
(実施例I)
この実施例Iは本発明の触媒組成物および比較触媒の調製を説明し、これら2つの触媒の細孔構造特性の特定のものに関するデータを提示する。
【0048】
本発明の触媒組成物
完成触媒において(元素基準で)9重量%モリブデンおよび(元素基準で)3重量%コバルトを目標とするような量のアンモニア水、ジモリブデン酸アンモニウムおよび水酸化コバルトを混合することにより含浸溶液を調製した。この混合物を45℃に加熱し、コバルトのモルあたり1.2から1.5モルMEAの量のモノエタノールアミン(MEA)を混合物に添加した。この混合物を、温度を維持しながら、金属塩が蒸解するまで攪拌した。次に、この溶液を約30℃に冷却し、この溶液を含浸させようとするアルミナ球の細孔容積に近い溶液の総容積が得られるように水で仕上げた。4mmの公称径を有するアルミナ球またはビーズに溶液を含浸させ、凝集を防止するために時折混合しながら2時間エージングした。含浸アルミナ球を対流式オーブン内、125℃の温度で1時間乾燥させた。乾燥した球をマッフル炉内、538℃の温度で1時間焼成した。
【0049】
比較触媒
比較触媒はCriterion Catalysts CompanyによってCriterion 234として市販される商業的に入手可能なテールガス処理触媒である。この触媒は、アルミナをコバルトおよびモリブデンと共に含む、3.2mm三裂押出物の形態にある。コバルト含有率は約2.5重量%であり、モリブデン含有率は約7.2重量%である。
【0050】
本発明の触媒組成物および比較触媒の、水銀圧入法を用いて測定される、細孔サイズ径の関数としての累積細孔容積のプロットが図1に示される。これらのプロットから観察できるように、本発明の触媒組成物の細孔容積の大きな割合が比較触媒において見出されるものよりも有意に大きいサイズの細孔に収まる。その上、本発明の触媒のプロットはより大きい細孔およびより小さい細孔の間の細孔径の範囲で比較的水平であり、例えば、非常に僅かな傾斜である。細孔容積の有意の量もより小さい細孔に収まる。本発明の触媒組成物のプロットは細孔サイズの二峰細孔サイズ分布を示す。他方、比較触媒の代表的なプロットは細孔径の中間範囲で水平ではなく、これは本発明の触媒組成物よりも一様な細孔サイズの分布を示唆する。
【0051】
本発明の触媒組成物および比較触媒の、水銀圧入法を用いて測定される、細孔サイズ径の関数としての増分細孔容積のプロットが図2に示される。これらのプロットから観察できるように、本発明の触媒組成物の増分細孔容積のより大きな割合が比較触媒において見出されるものよりも有意に大きいサイズの細孔に収まる。これは、比較触媒の類似ピークの外側にこのピークから離れてシフトする、本発明の触媒組成物のより大きい細孔を代表するピークによって示される。その上、本発明の触媒組成物のプロットは、比較触媒の類似ピークの外側にこのピークから離れてシフトする、より小さい細孔を代表するピークを示し、従って、細孔サイズの二峰分布だけではなく、本発明の触媒組成物の細孔容積の有意の割合が非常に小さいサイズの細孔に収まることが示される。
【0052】
(実施例II)
この実施例IIは、少なくとも1種類の硫黄化合物濃度を含有するガス流体の加水分解における実施例Iに記述される触媒の使用を説明し、これら2つの触媒の性能データを示す。
【0053】
実施例Iの2つの触媒を、反応器温度の制御に用いられる管状炉を備えるテールガス・パイロットユニット反応器を用いて性能試験した。活性試験の準備において、反応器内にHSおよびHを含む供給物を一晩導入することにより、それぞれの触媒を各々硫化した。次に、HS、SO、COS、CS、S、H、CO、Nおよび蒸気を含む合成テールガスを、様々な反応器温度で稼働するテールガス反応器に2000GHSVをもたらす速度で投入した。反応器温度条件各々の反応器排出物の組成をガス/液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この試験からの結果が下記表2に示され、これらの結果が図3のプロットに示される。
【0054】
【表2】

【0055】
反応器温度の関数としての、処理気体中に含有される硫化カルボニル(COS)の量の2つのプロットが図3に示される。これらのプロットから明瞭にわかるように、本発明の触媒組成物は、COSの所与の変換を達成するのに、比較触媒の使用で必要とされる反応器温度よりも有意に低い反応器温度での加水分解反応器の稼働を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流体に含有される硫黄化合物の接触還元において有用な触媒組成物であって、前記触媒組成物がアルミナ、VI族金属成分およびVIII族金属成分を含み、前記触媒組成物の全細孔容積の高い割合が10,000Aを上回る細孔径を有する前記触媒組成物の細孔内に含有されるような細孔構造を有する触媒組成物。
【請求項2】
前記触媒組成物の全細孔容積の前記高い割合が10%を超える、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
前記VI族金属成分が前記触媒組成物中に上方に20重量%までの範囲の量で存在し、ならびに前記VIII族金属成分が前記触媒組成物中に上方に10重量%までの範囲の量で存在し、重量パーセントは酸化物形態にある金属成分および前記触媒組成物の総量に基づくものである、請求項1または2に記載の触媒組成物。
【請求項4】
前記触媒組成物が30%を上回るマクロ多孔性を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項5】
前記触媒組成物の前記アルミナの50%を上回るものがη−アルミナの形態にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項6】
前記触媒組成物の全細孔容積の60%未満が70A未満の細孔径を有する前記触媒組成物の細孔に含有される、請求項1から5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項7】
前記触媒組成物が250m/gから400m/gの範囲の合計表面積を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項8】
加水分解方法であって、適切な還元反応条件で稼働する反応器にガス流体を導入する工程であって、前記ガス流体は硫黄化合物を含む工程、ならびに前記ガス流体を触媒組成物と接触させる工程であって、前記触媒組成物はアルミナ、VI族金属成分およびVIII族金属成分を含み、前記触媒組成物の全細孔容積の高い割合が10,000Aを上回る細孔径を有する前記触媒組成物の細孔内に含有されるような細孔構造を有する工程;ならびに前記反応器から前記硫黄化合物の減少濃度を有する処理ガス流体を得る工程を含む方法。
【請求項9】
前記硫黄化合物が前記ガス流体中に0.01容積%から2容積%の範囲の硫黄化合物濃度で存在し、ならびに前記硫黄化合物が硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS)、二酸化硫黄(SO)および元素状硫黄(S)からなる化合物の群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記適切な還元反応条件が115℃から300℃の範囲である前記反応器への導入口温度を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記処理気体中の前記硫黄化合物の前記減少濃度が75ppmv未満である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ガス流体に含有される硫黄化合物の接触還元において有用な触媒組成物の製造方法であって、VI族金属成分およびVIII族金属成分を、この全細孔容積の10%を上回るものが10,000Aを上回る細孔径を有する細孔に収まるアルミナを含むアルミナ粒子に組み込み、これにより中間体を得;ならびに前記中間体を焼成し、これにより前記触媒組成物を得ることを含む方法。
【請求項13】
前記アルミナ粒子に組み込まれる前記VI族金属成分の量が前記触媒組成物において上方に20重量%までの範囲のVI族金属成分の量をもたらすようなものであり、ならびに前記アルミナ粒子に組み込まれるVIII族金属成分の量が前記触媒組成物において上方に10重量%までの範囲のVIII族金属成分の量をもたらすようなものであり、重量パーセントは酸化物形態にある金属成分および前記触媒組成物の総重量を基準とするものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アルミナが30%を上回るマクロ多孔性を有し;前記アルミナの50%を上回るものがη−アルミナの形態にあり;ならびに前記触媒組成物の全細孔容積の60%未満が、70A未満の細孔径を有する前記触媒組成物の細孔内に含有される、請求項12または13に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−538824(P2010−538824A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524969(P2010−524969)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/075913
【国際公開番号】WO2009/039019
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】