説明

ガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法

【課題】発光素子の波長可変範囲を超える吸収特性を持つ複数種類のガスの濃度を単体で計測する。
【解決手段】ガス濃度測定装置の送信側の光学系には、2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を出射する複数の発光素子5a〜5dを設け、光波長が互いに異なる複数の発光素子5a〜5dからレーザ光を時系列的に出射させ、吸収波長が互いに異なる2成分以上の測定対象ガスを透過させてから、単一の受光素子10にて検出し、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にかかる部分についての基本波成分と2倍波成分との振幅比を信号処理装置11にて順次算出し、測定対象ガスの特定の成分の濃度を順次算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法に関し、特に、周波数変調されたレーザ光を用いてガスの濃度を測定する方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
気体状のガス分子にはそれぞれ固有の光吸収スペクトルが有ることが知られており、ガス分子の吸収線の中心周波数における減衰量はガスの濃度に比例する。このため、ガス分子の吸収線の中心周波数に一致した発振周波数をもつ半導体レーザ光をガスに照射し、その時のレーザ光の減衰量を測定することで、ガスの濃度を推定することができる(特許文献1)。
【0003】
この原理を発展させたものとして2波長差分方式及び周波数変調方式があり、2波長差分方式では、半導体レーザの発振周波数はTHzオーダの信号であることから、複雑な信号処理を行うことができないのに対して、周波数変調方式では、数kHzのベースバンド領域で信号処理を行うことができるという利点がある。
ここで、周波数変調方式では、ガスの吸収線幅よりもレーザ光の線幅の方が小さいことから、ガスの吸収波長と半導体レーザの発光波長とを合わせる必要がある。この方法として、予め測定したいガスと同じ成分を封入した参照ガスセルを用いる方法がある(特許文献2)。
【0004】
図12(a)は、従来の周波数変調方式におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す平面図、図12(b)は、従来の周波数変調方式におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す側面図である。
図12において、光源ユニットには、半導体レーザモジュール121、参照ガスセル122およびフォト検出器123が収容され、光源ユニットのケース本体126の底面には、冷却用フィン127が取り付けられたペルチェ素子128が配設されている。ここで、半導体レーザモジュール121には、周波数変調されたレーザ光を両面から出射する半導体レーザが配設されるとともに、コネクタ125aを備えた光ケーブル125が延出され、半導体レーザから出射される一方の光が光ケーブル125を介して測定対象ガスの雰囲気に出射される。
【0005】
また、参照ガスセル122は、半導体レーザの後ろ側の光路上に配設され、参照ガスセル122を通過したレーザ光は、参照ガスセル122の後ろ側に配設されたフォト検出器123によって受光検出される。
そして、参照ガスセル122を通過したレーザ光を参照しながらペルチェ素子128にて半導体レーザの温度制御を行い、2倍波と基本波との比が最大となるように半導体レーザの発光波長を制御することにより、ガスの吸収波長と半導体レーザの発光波長とを合わせることができる。
【特許文献1】特開平7−151681号公報
【特許文献2】特開2001−235418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の周波数変調方式におけるガス濃度の測定方法では、煙道などから排出される複数種類のガスの濃度を同時に計測する場合、1つの半導体レーザで可変できる波長の範囲が狭く、1台の成分計では1成分または特定の2成分しか計測できないため、単成分計を複数台設置する必要がある。このため、設置面積、設置工事費および光軸調整費などが設置台数に比例して増大し、計測システムの大型化や高価格化を招くという問題があった。
そこで、本発明の目的は、発光素子の波長可変範囲を超える吸収特性を持つ複数種類のガスの濃度を単成分計にて計測することが可能なガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1記載のガス濃度測定装置によれば、2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を出射する複数の発光素子と、前記発光素子からそれぞれ出射されたレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させる高周波変調信号を発生する高周波変調信号発生部と、前記周波数変調されたレーザ光の発光波長にて測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯をそれぞれスキャンさせる波長走査駆動信号を発生する波長走査駆動信号発生器と、前記高周波変調信号および前記波長走査駆動信号に基づいて前記発光素子をそれぞれ駆動することにより、前記発光素子の発光波長を変調させるレーザ駆動信号発生部と、前記レーザ駆動信号発生部にて駆動される発光素子を時系列的に切り替える切り替え制御手段と、前記レーザ駆動信号発生部にて駆動されるレーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように前記発光素子の温度を設定する温度設定部と、前記レーザ駆動信号発生部にてそれぞれ周波数変調された複数のレーザ光を共通に検出する光検出部と、前記複数の発光素子から出射されたレーザ光を前記光検出部に導く光反射手段と、前記光検出部にて検出されたレーザ光から基本波成分を検出する基本波成分検出部と、前記光検出部にて検出されたレーザ光から2倍波成分を検出する2倍波成分検出部と、前記基本波成分と2倍波成分との振幅比に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの特定の成分の濃度をそれぞれ算出するガス濃度算出部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載のガス濃度測定装置によれば、前記複数の発光素子の一部は、レーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからないように選択されることを特徴とする。
また、請求項3記載のガス濃度測定方法によれば、2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させるステップと、前記周波数変調されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように、前記レーザ光をそれぞれ出射する発光素子の温度を設定するステップと、前記周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯がスキャンされるようにそれぞれ変化させながら、前記測定対象ガスに前記レーザ光を順次入射させるステップと、前記測定対象ガスを順次透過したレーザ光を共通の検出器にて検出するステップと、前記検出器にて順次検出されたレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、前記抽出された基本波成分および2倍波成分に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの特定の成分の濃度をそれぞれ算出するステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載のガス濃度測定方法によれば、2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させるステップと、前記周波数変調されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように、前記レーザ光をそれぞれ出射する発光素子の温度を設定するステップと、前記周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯がスキャンされるようにそれぞれ変化させながら、前記測定対象ガスに前記レーザ光を順次入射させるステップと、前記測定対象ガスを順次透過したレーザ光を共通の検出器にて検出するステップと、前記検出器にて順次検出されたレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、前記抽出された基本波成分および2倍波成分に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの特定の成分の濃度をそれぞれ算出するステップと、前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光を前記変調周波数で周波数変調させるステップと、前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光を前記測定対象ガスに入射させるステップと、前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光を前記検出器にて検出するステップと、前記検出器にて検出された前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光から抽出された基本波成分および2倍波成分に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの濃度を補正するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、発光波長が互いに異なる複数の発光素子からレーザ光を時系列的に出射させ、吸収波長が互いに異なる2成分以上の測定対象ガスを透過させてから、単一の光検出部にて検出することにより、単一の発光素子の波長可変範囲を超える吸収特性を持つ複数種類のガスの濃度を単成分計にて計測することが可能となり、計測システムの大型化や高価格化を抑制しつつ、煙道などから排出される複数種類のガスの濃度を計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るガス濃度測定装置における光学系の概略構成を示す断面図である。
図1において、ガス濃度測定装置の送信側の光学系には、2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を出射する複数の発光素子5a〜5d、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されたレーザ光の光軸を同一方向に一致させるプリズム型ミラー6が設けられている。なお、プリズム型ミラー6には、反射面を4面設けることができ、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されたレーザ光をプリズム型ミラー6の各面で反射させることにより、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されたレーザ光の光軸を同一方向に一致させることができる。なお、発光素子5a〜5dとしては、DFBレーザ(Distributed Feedback Laser)やVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの半導体レーザを用いることができる。
【0012】
また、ガス濃度測定装置の受信側の光学系には、測定対象ガスを透過したレーザ光を集光する集光レンズ9、測定対象ガスを透過したレーザ光を検出する受光素子10が設けられている。なお、受光素子10としては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。そして、受光素子10は、測定対象ガスを透過したレーザ光の基本波成分と2倍波成分との振幅比を算出する信号処理装置11に接続されている。
【0013】
ここで、発光素子5a〜5dおよびプリズム型ミラー6はハウジング4に収容されるとともに、集光レンズ9、受光素子10、および信号処理装置11はハウジング8に収容されている。そして、煙道などの測定対象ガスが流れる配管などの隔壁1a、1bには、固定フランジ2a、2bが溶接などの方法にて取り付けられる。そして、発光素子5a〜5dおよびプリズム型ミラー6が収容されたハウジング4は、光軸調整用の調整フランジ3aを介してフランジ2aに取り付けられるとともに、ウェッジ窓7aにて配管内と仕切られている。また、集光レンズ9、受光素子10、および信号処理装置11が収容されたハウジング8は、光軸調整用の調整フランジ3bを介してフランジ2bに取り付けられるとともに、ウェッジ窓7bにて配管内と仕切られている。なお、ウェッジ窓7a、7bとしては、溶融石英などを材料として構成することができる。
【0014】
そして、中心周波数fc、変調周波数fmで発光素子5a〜5dの出力が周波数変調されるとともに、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯がそれぞれスキャンされるようにレーザ光の発光波長が変化されながら、発光素子5a〜5dからレーザ光が順次出射される。そして、発光素子5a〜5dから出射されたレーザ光は、プリズム型ミラー6にて受光素子10の方向に反射された後、ウェッジ窓7aを介して隔壁1a、1b間の測定対象ガスを透過する。そして、測定対象ガスを透過したレーザ光は、測定対象ガスのガス分子の吸収線に対応した波長の吸収を受けた後、ウェッジ窓1bを介して集光レンズ9に入射し、集光レンズ9にて受光素子10の受光面上に集光される。そして、受光素子10にレーザ光が入射すると、受光素子10にて電気信号に変換され、その電気信号が信号処理装置11に送られる。そして、受光素子10にて変換された電気信号が信号処理装置11に送られると、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にかかる部分についての基本波成分と2倍波成分との振幅比が信号処理装置11にて順次算出され、測定対象ガスの特定の成分の濃度を順次算出することができる。
【0015】
これにより、発光波長が互いに異なる複数の発光素子5a〜5dからレーザ光を時系列的に出射させ、吸収波長が互いに異なる2成分以上の測定対象ガスを透過させてから、単一の受光素子10にて検出することができる。このため、単一の発光素子5a〜5dの波長可変範囲を超える吸収特性を持つ複数種類のガスの濃度を単成分計にて計測することが可能となり、計測システムの大型化や高価格化を抑制しつつ、煙道などから排出される複数種類のガスの濃度を計測することができる。
【0016】
図2は、図1のガス濃度測定装置における送信側の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。
図2において、ガス濃度測定装置の送信側には、複数の発光素子5a〜5dが設けられ、発光素子5a〜5dには、発光素子5a〜5dの温度をそれぞれ検出する温度検出素子16a〜16dおよび発光素子5a〜5dの温度をそれぞれ調整する温度調整素子17a〜17dが搭載されている。なお、温度検出素子16a〜16dとしては、例えば、サーミスタ、温度調整素子17a〜17dとしては、例えば、ペルチェ素子を用いることができる。また、温度検出素子16a〜16dは、発光素子5a〜5dに直接接触させることなく、アルミニウムなどの熱伝導性のよい材料に穴を空け、熱伝導性のよいシリコーンなどの樹脂を用いることで、サーミスタなどの温度検出素子16a〜16dをその穴に埋め込むようにしてもよい。
【0017】
そして、ペルチェ素子などの温度調整素子17a〜17dは、温度検出素子16a〜16dが埋め込まれたアルミブロックを介して発光素子5a〜5dに装着することができる。
なお、発光素子5a〜5dの温度を制御する温度制御素子としては、例えば、マキシム社製MAX1978やリニアテクノロジ社製LTC1923などを用いることができる。
【0018】
また、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されたレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させる高周波変調信号を発生する高周波変調信号発生部13a〜13d、周波数変調されたレーザ光の発光波長にて測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯をそれぞれスキャンさせる波長走査駆動信号を発生する波長走査駆動信号発生器12、高周波変調信号発生部13a〜13dにてそれぞれ発生された高周波変調信号および波長走査駆動信号発生器12にてそれぞれ発生された波長走査駆動信号に基づいて発光素子5a〜5dをそれぞれ駆動することにより、発光素子5a〜5dの発光波長を変調させるレーザ駆動信号発生部14a〜14d、レーザ駆動信号発生部14a〜14dにてそれぞれ駆動される発光素子5a〜5dを時系列的に切り替える切り替え制御部19、温度検出素子16a〜16dにて検出された温度に基づいて温度調整素子17a〜17dを駆動する温度制御回路18a〜18dが設けられている。
【0019】
そして、温度検出素子16a〜16dにて検出された温度は温度制御回路18a〜18dに入力され、温度制御回路18a〜18dは、温度検出素子16a〜16dにて検出された温度に基づいて温度調整素子17a〜17dを駆動することにより、発光素子5a〜5dから出射されるレーザ光の発光波長が測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように発光素子5a〜5dの温度をそれぞれ制御する。例えば、温度制御回路18a〜18dは、温度検出素子16a〜16dとして用いられるサーミスタの抵抗値が一定になるように、温度調整素子17a〜17dとして用いられるペルチェ素子のPID制御などを行うことにより、発光素子5a〜5dの温度を調整し、発光素子5a〜5dから出射されるレーザ光の発光波長を一定に保つことができる。
【0020】
そして、レーザ駆動信号発生部14a〜14dは切り替え制御部19にて時系列的に選択されながら、波長走査駆動信号発生器12にて発生された波長走査駆動信号および高周波変調信号発生部13a〜13dにてそれぞれ発生された高周波変調信号がレーザ駆動信号発生部14a〜14dに順次入力される。
そして、レーザ駆動信号発生部14a〜14dに順次入力された波長走査駆動信号および高周波変調信号は、レーザ駆動信号発生部14a〜14dにてそれぞれ合成され、電圧−電流変換処理が行われた後、発光素子5a〜5dに順次注入される。そして、発光素子5a〜5dに電流が順次注入されると、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯をそれぞれスキャンする波長帯で発光素子5a〜5dが順次発光し、図1のプリズム型ミラー6を介して測定対象ガスに入射した後、受光素子10にて検出される。
【0021】
なお、図2の実施形態では、発光素子5a〜5dに対して波長走査駆動信号発生器12を共通に設けるとともに、高周波変調信号発生部13a〜13dを個別に設ける方法について説明したが、高周波変調信号発生部13a〜13dは発光素子5a〜5dに対して共通に設けるようにしてもよい。ただし、受光素子10にて検出された信号の信号処理を同一の回路で行えるようにするために、高周波変調信号の周波数は同一に設定するのが好ましい。なお、高周波変調信号の周波数は同一に設定した場合、波長スキャン幅や波長変調幅は互いに異なっていてもよい。
【0022】
図3は、図1のガス濃度測定装置における受信側の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。
図3において、ガス濃度測定装置の受信側には、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されたレーザ光を共通に検出する受光素子10、受光素子10から出力される電流を電圧に変換するI−V変換回路25、高周波変調信号の2倍の周波数の信号を発生させる参照信号発生器26、I−V変換回路25の出力から高周波変調信号の2倍の周波数成分を抽出する同期検波器27、同期検波器27の出力から不要な帯域成分を除去するフィルタ28が設けられている。
【0023】
そして、発光素子5a〜5からそれぞれ出射されたレーザ光は測定対象ガスを通過すると、測定対象ガスの特定の成分による吸収量に対応した減衰を受けた後、受光素子10に入射し、受光素子10にてレーザ光が検出される。そして、受光素子10にて検出された電流はI−V変換回路25にて電圧に変換され、参照信号発生器26にて発生された2倍周波数信号とI−V変換回路25からの出力が同期検波器27にて合成されることにより、I−V変換回路25の出力から高周波変調信号の2倍の周波数成分が抽出され、フィルタ28にてノイズが除去される。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態に係る周波数変調方式によるガス濃度の測定原理を説明する図である。
図4において、中心周波数fc、変調周波数fmで発光素子5a〜5dの出力をそれぞれ周波数変調し、測定対象ガスに照射されたものとする。ここで、測定対象ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、受光素子10では変調周波数fmの2倍の周波数の成分(2倍波成分)が得られる。ここで、変調周波数fmは任意の周波数でよいので、例えば、変調周波数fmを数kHz程度に選ぶと、ディジタル信号処理装置(DSP)または汎用のプロセッサを用い高度な信号処理を施すことが可能となる。
【0025】
そして、発光素子5a〜5dと受光素子10との距離に起因するレーザ光の減衰量の影響を周波数変調方式にてキャンセルするためには、発光素子5a〜5dの出力に周波数変調を行うと同時に変調周波数fmで振幅変調を行えばよく、発光素子5a〜5dの出力に周波数変調をかけることで振幅変調もかけることができる。そして、光検出側でエンベロープ検波をそれぞれ行うことで振幅変調による基本波成分を推定することができ、この基本波成分の振幅と2倍波成分の振幅の比を位相同期させて取ることで、発光素子5a〜5dと受光素子10との距離に依存することなく、測定対象ガスの濃度に比例した値をそれぞれ得ることができる。
【0026】
図5は、本発明の一実施形態に係る駆動電流と半導体レーザの発光波長との関係を示す図である。
図5において、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されるレーザ光の発光波長は駆動電流が増加するに従って長くなる。このため、発光素子5a〜5dの駆動電流を制御することにより、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されるレーザ光の発光波長を調整することができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る温度と半導体レーザの発光波長との関係を示す図である。
図6において、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されるレーザ光の発光波長は温度が増加するに従って長くなる。このため、発光素子5a〜5dの温度を制御することにより、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されるレーザ光の発光波長を調整することができる。
【0027】
図7(a)は、図2の波長走査駆動信号発生器12にて生成される電流波形を示す図、図7(b)は、図2の高周波変調信号発生部13a〜13dにて生成される電流波形を示す図、図7(c)は、図7(a)の電流波形と図7(b)の電流波形とが合成された信号を印加した時に発光素子5a〜5dから出射される光の波長の変化を示す図である。
図7において、図2の波長走査駆動信号発生器12にて発生される波長走査信号は、強度が一定に保たれた部分20と、強度が台形状に直線的に増加する部分19と、強度が0である部分21とから構成することができる。ここで、強度が台形状に直線的に増加する部分19は、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯が走査されるように、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されるレーザ光の波長を徐々に変化させることができる。
【0028】
そして、測定対象ガスの濃度を測定する場合、図2の温度制御回路18a〜18dは、温度検出素子16a〜16dにて検出された温度を参照しながら温度調整素子17a〜17dを駆動することにより、波長走査信号の強度が直線的に増加する部分19の中心付近で測定対象ガスの特定の成分の濃度が検出されるように、発光素子5a〜5dの温度をそれぞれ事前に設定する。
【0029】
そして、図2の波長走査駆動信号発生器12は、発光素子5a〜5dの発光をそれぞれ安定化させるために、波長走査信号の強度が一定に保たれた部分20が発光素子5a〜5dのスレッショルドカレント以上になるようにして一定に保ちながら、波長走査信号の強度が一定に保たれた部分20をレーザ駆動信号発生部14a〜14dに出力するとともに、高周波変調信号発生部13a〜13dは周波数が10kHz、波長変調幅が0.02nmの正弦波からなる高周波変調信号22をレーザ駆動信号発生部14a〜14dにそれぞれ出力する。
【0030】
そして、波長走査信号の強度が一定に保たれた部分20と高周波変調信号22とはレーザ駆動信号発生部14a〜14dにてそれぞれ合成され、波長走査信号の強度が一定に保たれた部分20と高周波変調信号22が合成された信号に基づいて発光素子5a〜5dの電流がそれぞれ制御されることにより、測定対象ガスによる吸収を受けない波長を中心として10kHz程度の正弦波にてレーザ光が周波数変調される。
【0031】
そして、周波数変調されたレーザ光は測定対象ガスを通過すると、測定対象ガスによる吸収を受けることなく受光素子10に入射し、受光素子10にてレーザ光が検出される。そして、受光素子10にて検出された電流はI−V変換回路25にて電圧に変換され、参照信号発生器26にて発生された2倍周波数信号とI−V変換回路25からの出力が同期検波器27にて合成されることにより、I−V変換回路25の出力から高周波変調信号22の2倍の周波数成分が抽出される。ここで、測定対象ガスによる吸収を受けない波長を中心としてレーザ光が周波数変調されると、I−V変換回路25の出力から高周波変調信号22の2倍の周波数成分が抽出されることはなく、同期検波器27からの出力は一定となる。
【0032】
次に、図2の波長走査駆動信号発生器12は、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯をスキャンさせるために、波長走査信号の強度を台形状に直線的に増加させることで、波長走査信号の強度が台形状に直線的に増加する部分19をレーザ駆動信号発生部14a〜14dに出力するとともに、高周波変調信号発生部13a〜13dは周波数が10kHz、波長変調幅が0.02nmの正弦波からなる高周波変調信号22をレーザ駆動信号発生部14a〜14dにそれぞれ出力する。なお、波長走査駆動信号発生器12は、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯が走査されるように波長走査信号の波長スキャン幅を発光素子5a〜5dごとに個別に設定することができ、例えば、発光素子5aから出射されたレーザ光にて、NH3ガスの濃度を測定する場合、波長走査駆動信号発生器12は、発光素子5aに対する波長スキャン幅を0.2nm程度に設定することができる。
【0033】
そして、波長走査信号の強度が台形状に直線的に増加する部分19と高周波変調信号22とはレーザ駆動信号発生部14a〜14dにてそれぞれ合成され、波長走査信号の強度が台形状に直線的に増加する部分19と高周波変調信号22とが合成された信号に基づいて発光素子5a〜5dの電流がそれぞれ制御されることにより、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯を含むように10kHz程度の正弦波にてレーザ光が周波数変調される。
【0034】
そして、周波数変調されたレーザ光は測定対象ガスを通過すると、測定対象ガスによる吸収量に対応した減衰を受けた後、受光素子10に入射し、受光素子10にてレーザ光が検出される。そして、受光素子10にて検出された電流はI−V変換回路25にて電圧に変換され、参照信号発生器26にて発生された2倍周波数信号とI−V変換回路25からの出力が同期検波器27にて合成されることにより、I−V変換回路25の出力から高周波変調信号22の2倍の周波数成分が抽出される。
ここで、測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯を含むように周波数変調されたレーザ光は測定対象ガスの特定の成分による吸収量に対応した減衰を受けるため、同期検波器27からの出力は測定対象ガスの特定の成分による吸収波形に対応した値となる。
【0035】
図8は、図1のガス濃度測定装置における発光素子5a〜5dの駆動方法を示すタイミングチャートである。
図8において、測定対象ガスには吸収波長が互いに異なる4つの成分が含まれ、測定対象ガスの吸収波長帯は単一の発光素子5a〜5dの波長可変範囲を超えているものとする。
そして、発光素子5aは、その波長可変範囲が測定対象ガスの第1の成分の吸収波長帯に対応するように発光波長を選択し、発光素子5bは、その波長可変範囲が測定対象ガスの第2の成分の吸収波長帯に対応するように発光波長を選択し、発光素子5cは、その波長可変範囲が測定対象ガスの第3の成分の吸収波長帯に対応するように発光波長を選択し、発光素子5dは、その波長可変範囲が測定対象ガスの第4の成分の吸収波長帯に対応するように発光波長を選択することができる。
【0036】
そして、図2の切り替え制御部19は、レーザ駆動信号発生部14a〜14dを時系列的に選択し、発光素子5a〜5dを規定の時間だけ順次オンさせることにより、発光素子5a〜5dからそれぞれ出射されたレーザ光を測定対象ガスに順次入射させることができる。そして、測定対象ガスを透過したレーザ光は共通の受光素子10にて順次検出され、測定対象ガスの4つの成分の濃度を順次算出することができる。
【0037】
図9(a)は、NH3ガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図9(b)は、HClガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図9(c)は、H2Sガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図9(d)は、CH4ガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図10は、図1のガス濃度測定装置における受光素子10の検出感度を波長に対して示す図である。
【0038】
図9において、測定対象ガスには、NH3ガス、HClガス、H2Sガス、CH4ガスの4種類が含まれているとする。この場合、この測定対象ガスの吸収特性を有する波長帯は1600nm〜2000nmの範囲に及ぶため、単一の発光素子5a〜5dの波長可変範囲ではカバーすることができない。このため、発光素子5aは、その波長可変範囲がNH3ガスの吸収波長帯に対応するように発光波長を選択し、発光素子5bは、その波長可変範囲がHClガスの吸収波長帯に対応するように発光波長を選択し、発光素子5cは、その波長可変範囲がH2Sガスの吸収波長帯に対応するように発光波長を選択し、発光素子5dは、その波長可変範囲がCH4ガスの吸収波長帯に対応するように発光波長を選択することができる。
【0039】
一方、受光素子10としては、図10に示すように、1600nm〜2000nmの範囲に波長感度を持つフォトダイオードを選択することにより、NH3ガス、HClガス、H2Sガス、CH4ガスの吸収特性をカバーすることができ、単一の受光素子10を用いることで、NH3ガス、HClガス、H2Sガス、CH4ガスの濃度を計測することができる。
なお、1600nm〜2000nmの範囲に波長感度を持つフォトダイオードとしては、例えば、浜松フォトニクス製G8372−01を用いることができる。
【0040】
図11は、図3の同期検波器の出力波形の一例を示す図である。
図11において、例えば、NH3ガスの吸光特性がある場合、図3の同期検波器27の出力波形には、ピークが発生する。そして、吸光特性はピーク値がそのままガス濃度を表すため、ピークの振幅を測定したり、出力波形の変化部分を積分したりすることで、NH3ガスの濃度を測定することができる。
なお、上述した実施形態では、波長可変範囲が測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれ対応するように発光素子5a〜5dの発光波長を選択する方法について説明したが、全ての発光素子5a〜5dの発光波長を測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれ対応させる必要はなく、受光素子10が感度を持つ範囲内において、複数の発光素子5a〜5dのうちの一部は、測定対象ガスによる吸収がない発光波長を選択するようにしてもよい。
【0041】
例えば、複数の発光素子5a〜5dのうちの発光素子5aについては、水分の吸収波長帯に対応するように発光波長を選択することができる。そして、発光素子5aから出射されたレーザ光を測定対象ガスに透過させ、そのレーザ光を受光素子10にて検出することにより、水分によるレーザ光の吸収量を測定することができる。そして、水分によるレーザ光の吸収量の測定結果に基づいて、発光素子5b〜5dを用いて測定された測定対象ガスの特定の成分の濃度を補正することで、ダストの影響を除去することができ、測定対象ガスの特定の成分の濃度の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係るガス濃度測定装置における光学系の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1のガス濃度測定装置における送信側の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1のガス濃度測定装置における受信側の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る周波数変調方式によるガス濃度の測定原理を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る駆動電流と半導体レーザの発光波長との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る温度と半導体レーザの発光波長との関係を示す図である。
【図7】図7(a)は、図2の波長走査駆動信号発生器12にて生成される電流波形を示す図、図7(b)は、図2の高周波変調信号発生部13a〜13dにて生成される電流波形を示す図、図7(c)は、図7(a)の電流波形と図7(b)の電流波形とが合成された信号を印加した時に発光素子5a〜5dから出射される光の波長の変化を示す図である。
【図8】図1のガス濃度測定装置における発光素子5a〜5dの駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図9】図9(a)は、NH3ガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図9(b)は、HClガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図9(c)は、H2Sガスの吸収スペクトラムの一例を示す図、図9(d)は、CH4ガスの吸収スペクトラムの一例を示す図である。
【図10】図1のガス濃度測定装置における受光素子10の検出感度を波長に対して示す図である。
【図11】図3の同期検波器の出力波形の一例を示す図である。
【図12】従来の周波数変調方式におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1a、1b 隔壁
2a、2b 固定フランジ
3a、3b 調整フランジ
4、8 ハウジング
5a〜5d 発光素子
6 プリズム型ミラー
7a、7b 窓材
9 集光レンズ
10 受光素子
11 信号処理装置
12 波長走査駆動信号発生器
13a〜13d 高周波変調信号発生部
14a〜14d レーザ駆動信号発生部
16a〜16d 温度検出素子
17a〜17d 温度調整素子
18a〜18d 温度制御回路
19 切り替え制御部
25 IV変換回路
26 参照信号発生器
27 同期検波器
28 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を出射する複数の発光素子と、
前記発光素子からそれぞれ出射されたレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させる高周波変調信号を発生する高周波変調信号発生部と、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長にて測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯をそれぞれスキャンさせる波長走査駆動信号を発生する波長走査駆動信号発生器と、
前記高周波変調信号および前記波長走査駆動信号に基づいて前記発光素子をそれぞれ駆動することにより、前記発光素子の発光波長を変調させるレーザ駆動信号発生部と、
前記レーザ駆動信号発生部にて駆動される発光素子を時系列的に切り替える切り替え制御手段と、
前記レーザ駆動信号発生部にて駆動されるレーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように前記発光素子の温度を設定する温度設定部と、
前記レーザ駆動信号発生部にてそれぞれ周波数変調された複数のレーザ光を共通に検出する光検出部と、
前記複数の発光素子から出射されたレーザ光を前記光検出部に導く光反射手段と、
前記光検出部にて検出されたレーザ光から基本波成分を検出する基本波成分検出部と、
前記光検出部にて検出されたレーザ光から2倍波成分を検出する2倍波成分検出部と、
前記基本波成分と2倍波成分との振幅比に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの特定の成分の濃度をそれぞれ算出するガス濃度算出部とを備えることを特徴とするガス濃度測定装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子の一部は、レーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからないように選択されることを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。
【請求項3】
2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させるステップと、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように、前記レーザ光をそれぞれ出射する発光素子の温度を設定するステップと、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯がスキャンされるようにそれぞれ変化させながら、前記測定対象ガスに前記レーザ光を順次入射させるステップと、
前記測定対象ガスを順次透過したレーザ光を共通の検出器にて検出するステップと、
前記検出器にて順次検出されたレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、
前記抽出された基本波成分および2倍波成分に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの特定の成分の濃度をそれぞれ算出するステップとを備えることを特徴とするガス濃度測定方法。
【請求項4】
2成分以上の測定対象ガスの吸収波長にそれぞれ対応した波長を有するレーザ光を共通の変調周波数で周波数変調させるステップと、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯にそれぞれかかるように、前記レーザ光をそれぞれ出射する発光素子の温度を設定するステップと、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの特定の成分の吸収波長帯がスキャンされるようにそれぞれ変化させながら、前記測定対象ガスに前記レーザ光を順次入射させるステップと、
前記測定対象ガスを順次透過したレーザ光を共通の検出器にて検出するステップと、
前記検出器にて順次検出されたレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、
前記抽出された基本波成分および2倍波成分に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの特定の成分の濃度をそれぞれ算出するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光を前記変調周波数で周波数変調させるステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光を前記測定対象ガスに入射させるステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光を前記検出器にて検出するステップと、
前記検出器にて検出された前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長にかからない波長を有するレーザ光から抽出された基本波成分および2倍波成分に基づいて、前記レーザ光が透過した測定対象ガスの濃度を補正するステップとを備えることを特徴とするガス濃度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−41941(P2009−41941A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204369(P2007−204369)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】