説明

ガス濃度計測装置

【課題】簡素な構造で高精度にガス濃度を計測することができ、しかも製造コストの低減を可能にしたガス濃度計測装置を提供する。
【解決手段】周波数変調されたレーザ光を出射するレーザ光源部101と、測定対象ガスが存在する空間を介して伝播されたレーザ光を受光する受光素子202と、その出力信号からレーザ光の変調信号の2倍周波数成分を抽出して測定対象ガスの濃度を測定する受光信号処理回路203と、測定対象ガスと同一成分で濃度が既知である参照ガスが封入された参照ガスセル103と、参照ガスを透過したレーザ光から抽出した2倍周波数成分に基づいてレーザ光の波長を制御する波長制御回路101eとを備え、前記参照ガスが、レーザ光源部101から出射して受光素子202に入射するレーザ光L1の直線状の光軸L0上に存在するように、参照ガスセル103を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数変調したレーザ光を用いて各種のガス濃度を測定するガス濃度計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体状のガス分子には、それぞれ固有の光吸収スペクトルがあることが知られている。例えば、図4は、NH(アンモニア)ガスの吸収スペクトラム例である。
レーザ光を用いたガス濃度計測装置は、レーザ光の特定波長の吸収量が測定対象ガスの濃度に比例することを利用した計測装置であり、ガス濃度の測定方法としては、2波長差分方式と周波数変調方式とに大別される。このうち、本発明は周波数変調方式を用いたガス濃度計測装置に関するものである。
【0003】
まず、周波数変調方式を用いた従来のガス濃度計測装置の測定原理を説明する。
図5は、周波数変調方式の原理図を示している。周波数変調方式のガス濃度計測装置では、中心周波数f、変調周波数fで半導体レーザの出射光を周波数変調し、測定対象ガスに照射する。ここで、周波数変調とは、半導体レーザに供給するドライブ電流の波形を正弦波状にすることである。
半導体レーザは、図6(a),(b)に示すようにドライブ電流や温度によって出射波長が変化するので、周波数変調を行うことにより、ドライブ電流の変調に伴ってレーザ光の波長が変調されることになる。
【0004】
図5に示したように、ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、受光部では変調周波数fの2倍の周波数成分の信号(2倍波信号)が得られる。ここで、変調周波数fは任意の周波数でよいため、例えば、変調周波数fを数kHz程度に選ぶと、ディジタル信号処理装置(DSP)または汎用のプロセッサを用いて、2倍波信号の抽出等の高度な信号処理を行うことが可能になる。
また、受光部において検出される2倍波信号の振幅は測定対象ガス濃度に比例した値となっており、変調周波数fに同期した2倍波信号の周波数によって受光信号を同期検波することで、測定対象ガス濃度を計測することができる。
【0005】
この周波数変調方式では、半導体レーザの中でも、分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)を用いて単一波長のレーザ光のみを出射し、ガス濃度を測定する場合が多い。
この場合、DFBレーザが発光するスペクトル線幅の方が測定対象ガスの吸収線幅よりも小さいため、DFBレーザの出射波長を測定対象ガスの吸収波長に合わせる必要が生じる。
その方法として、例えば特許文献1に記載されているように、測定対象ガスと同一成分で濃度が既知である参照ガスを予め封入した参照ガスセルを用いて、DFBレーザの出射波長を温度によって制御する方法が用いられている。
【0006】
図7は、特許文献1に記載されたガス濃度計測装置の主要部を示す構成図である。この計測装置は、例えば酸素ガス濃度の計測に用いられる。
図7において、窒素ガスがパージされた容器2の中に、レーザダイオード(LD)3、ハーフミラー6,計測セル7、第1のフォトダイオード(PD)8、ミラー9、参照セル10,第2のフォトダイオード(PD)11が設けられている。
計測セル7は、ガス供給装置(図示せず)に連通するガス管7c,7dを介して、測定対象ガスとして種々異なる酸素濃度の標準ガスが計測セル7内を循環する。標準ガスの酸素濃度は、例えば0%,2%,10.5%,21%のように、既知の値にそれぞれ調整される。
【0007】
計測セル7の一端には入射窓7aが、他端には出射窓7bが設けられている。入射窓7aの前方にはハーフミラー6が配置され、ハーフミラー6の更に前方には光源としてのレーザダイオード3が配置されている。レーザダイオード3から出射されたレーザ光5はハーフミラー6を通って部分透過光5aとなり、入射窓7aを介して計測セル7に入射する。
なお、レーザダイオード3のレーザ発振動作は、レーザダイオードドライバ4からの制御信号S1により制御される。このドライバ4は、レーザダイオード3から出射するレーザ光5の波長を酸素分子(O)に固有の吸収波長の一つにマッチングさせる制御回路を備えている。
【0008】
計測セル7の出射窓7bの後方には、第1のフォトダイオード(PD)8が配置されている。このフォトダイオード8は、計測セル7を通過したレーザ光5bを受光し、その強度に応じた信号S4を直流成分検出部としてのローパスフィルタ(LPF)21及び位相敏感検波器(PSD:ロックインアンプともいう)22にそれぞれ出力する。
【0009】
ハーフミラー6の近傍にはミラー9が設けられ、ハーフミラー6からの反射光5cを参照セル10に入射させる。反射光5cは窓10aを通って参照セル10に入射し、参照セル10を通過した後に、窓10bを通って出て行く。参照セル10の中には酸素濃度21%の標準ガスが封入されている。参照セル10を通過したレーザ光5dは、第2のフォトダイオード11により受光される。このフォトダイオード11から、受光信号S6がローパスフィルタ(LPF)12及び位相敏感検波器(PSD)13のそれぞれに出力される。
【0010】
変調部は、レーザ発振波長に対して異なる周波数の変調信号をそれぞれ印加すると共に、その変調信号に同期した参照信号をそれぞれ出力する第1及び第2の波形発生器(FG:変調成分発生器ともいう)16,17を備えている。
第1の変調成分発生器16は、レーザ発振波長に変調を加えるための変調信号S2をレーザダイオードドライバ4に出力すると共に、その変調信号に同期した参照信号S2を位相敏感検波器13,22にそれぞれ出力する。
第2の変調成分発生器17は、レーザ発振波長に変調を加えるための変調信号S3をレーザダイオードドライバ4に出力すると共に、その変調信号に同期した参照信号S3を位相敏感検波器14,15及び位相敏感検波器(PSD:ロックインアンプともいう)23にそれぞれ出力する。
【0011】
位相敏感検波部は、第1,第2の変調成分発生器16,17からそれぞれ出力される参照信号S2,S3とフォトダイオード8から出力される受光信号S4とを用いて、計測セル7中の酸素分子によるレーザ光の吸収量を検出するロックインアンプ22,23を備えている。
一方のロックインアンプ22は、受光信号S4の交流成分中から参照信号(第1変調信号)S2の2倍高調波に同期する成分の強度を示す信号S8を他方のロックインアンプ23に出力する。他方のロックインアンプ23は、信号S8の交流成分中から参照信号(第2変調信号)S3の2倍高調波に同期する成分の強度を示す信号S9をパーソナルコンピュータ24に出力する。
【0012】
解析部は、ロックインアンプ23からの信号S9及びローパスフィルタ21からの信号S5に基づいて、計測セル7内の酸素濃度及び固体粒子濃度をそれぞれ算出するパーソナルコンピュータ24と、このコンピュータ24により算出した各濃度値を数値化またはグラフ化して画面に表示する表示装置(図示せず)と、を備えている。
【0013】
更に、レーザダイオード3からのレーザ光5を2つに分光し、一方の光5cを、一定の酸素濃度(例えば21%)に保持した標準ガスを封入してなる参照セル10に入射させ、位相敏感検波器13,14やローパスフィルタ12を用いて、パーソナルコンピュータ24により計測セル7中の酸素濃度計測値を校正したり、位相敏感検波器13,15を用いてレーザダイオード3の出射波長を酸素分子の吸収中心波長に固定するためのロック機構を備えている。
【0014】
上記のように、特許文献1記載のガス濃度計測装置では、レーザダイオードドライバ4内の制御回路が、参照セル10を通過したレーザ光5dによる受光信号S6を用いて、レーザ光5の波長が酸素分子に固有の吸収波長の一つになるように制御すると共に、レーザ光5を、計測対象空間を介してフォトダイオード8により受光させ、その出力から2倍波信号を抽出することにより、測定対象ガス濃度を測定している。
【0015】
【特許文献1】特開2001−74654号公報(段落[0051]〜[0059]、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前述したように周波数変調方式のガス濃度計測装置では、測定対象ガスの吸収波長にレーザ光5の波長を合わせる必要がある。そのためには、測定対象ガスと同一成分で濃度が既知である参照ガスを封入した参照セルが必要であり、図7の従来技術では、レーザ光5のうちの一部の光5cを参照セル10に入射させるため、ハーフミラー6を用いてレーザ光5を分岐させている。
【0017】
しかし、光軸上にハーフミラー6等の光学部材を配置することは、光の干渉ノイズを増大させる要因になり、検出精度が低下するという問題がある。また、測定対象ガスを検出するためのレーザ光量(計測セル7に到達する光量)がほぼ1/2に減少するので、検出信号のS/Nが劣化するといった問題がある。
更に、参照セル用のフォトダイオード11、ローパスフィルタ12、及び位相敏感検波器14,15等の検出回路が必要であるため、構造が複雑で部品点数が多く、参照セル10の周辺の光学系部品の光軸調整作業も必要なことから、製造コストが高くなるという問題がある。
【0018】
そこで、本発明の解決課題は、簡素な構造で高精度にガス濃度を計測することができ、しかも製造コストの低減を可能にしたガス濃度計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を達成するため、請求項1に係る発明は、周波数変調されたレーザ光を出射するレーザ光源部と、測定対象ガスが存在する空間を介して伝播されたレーザ光を受光する受光手段と、その出力信号からレーザ光の変調信号の2倍周波数成分を抽出し、この2倍周波数成分から測定対象ガスの濃度を測定する受光信号処理手段と、測定対象ガスと同一成分で濃度が既知である参照ガスが封入された参照ガスセルと、参照ガスを透過したレーザ光から抽出した2倍周波数成分に基づいて、レーザ光の波長を制御する波長制御手段と、を備えたガス濃度計測装置において、
前記参照ガスが、レーザ光源部から出射して受光手段に入射するレーザ光の直線状の光軸上に存在するように、参照ガスセルを配置したものである。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記受光信号処理手段が、測定対象ガス及び参照ガスを透過したレーザ光を受光手段が受光したときの2倍周波数成分の振幅と、参照ガスのみを透過したレーザ光を受光手段が受光したときの2倍周波数成分の振幅と、の差を求めて、測定対象ガスの濃度を測定するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、レーザ光源部から受光手段に至るレーザ光の直線状の光軸上に参照ガスセルを配置したため、従来技術のようにハーフミラーを用いてレーザ光を分岐させ、参照ガスセルに入射させる構造に比べて、光の干渉ノイズが少なく、検出精度の低下を招く恐れがない。また、受光手段に到達するレーザ光が減少する心配もないので、S/Nの低下も生じない。
更に、光学系の構成を単純化できるため、低コストで高精度なガス濃度計測装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。まず、図1は、実施形態に係る周波数変調方式のガス濃度計測装置の全体的な構成図である。
このガス濃度計測装置は、発光部100及び受光部200を備えている。これらの発光部100及び受光部200は、例えば煙道303のように測定対象ガスが内部を流通する配管壁301,302の外周面に、フランジ401,402を用いて溶接により取り付けられる。なお、発光部100及び受光部200の取付箇所や取付構造は、図示例に何ら限定されるものではない。
【0023】
発光部100は、レーザ光源部101と、レーザ光L1の光軸L0上に順次配置されたレンズ102及び参照ガスセル(図7における参照セルと同義である)103を備えている。
参照ガスセル103には、測定対象ガスと同一成分で濃度が既知である参照ガスが封入されている。この参照ガスセル103は、石英ガラス等により形成された専用のガスセルであっても良いし、金属配管の軸方向両端部にレーザ光L1を入出射させるためのガラス窓を設けたものであっても良い。図示例では、参照ガスセル103がフランジ401の内部空間に取り付けられているが、光軸L0上であれば他の場所でも良い。
【0024】
発光部100では、周波数変調されてレーザ光源部101から出射したレーザ光L1をレンズ102により平行光にコリメートし、参照ガスセル103の内部を透過させた後、煙道303の内部へ入射させる。レーザ光L1は、参照ガスセル103を透過することにより、予め既知である所定波長のガス吸収を受ける。
【0025】
参照ガスセル103の内部を透過したレーザ光L1は、煙道303内の測定対象ガスを透過して、光軸L0上に配置された受光部200に到達する。
受光部200は、レンズ201と、フォトダイオード等の受光素子202と、受光信号処理回路203とを備えている。ここで、受光素子202はレーザ光L1の波長に感度を有している。
上記構成の受光部200では、煙道303の内部を透過したレーザ光L1をレンズ201により集光して受光素子202にて受光し、受光信号処理回路203において電気信号として検出される。
【0026】
なお、受光素子202の出力電流は、受光信号処理回路203内のI/V(電流/電圧)変換回路により適当な大きさの電圧に変換される。そして、この電圧信号を同じく受光信号処理回路203内の同期検波回路に入力して、レーザ光L1の変調周波数の2倍の周波数の信号(2倍波信号)S21を抽出し、必要に応じてフィルタ処理や増幅を行って所望の波形、大きさの信号を生成する。そして、この2倍波信号S21は、CPU等の演算回路による測定対象ガス濃度の演算に用いられる。
また、受光信号処理回路203から出力された2倍波信号S21は、発光部100のレーザ光源部101に伝送されてレーザ光L1の波長制御を行うようになっている。
【0027】
図2は、上記レーザ光源部101の構成を示している。
レーザ光源部101は、互いに密接して配置されたレーザダイオード等のレーザ素子101a及びペルチェ素子101bと、波長制御回路101cと、高周波変調回路101dと、図示しない電源回路等を備えている。
波長制御回路101cは、温度制御信号S22をペルチェ素子101bに送ってレーザ素子101aの温度を可変とすることによりレーザ光L1の波長を制御し、高周波変調回路101dは、例えば10kHz程度の正弦波でレーザ光L1を周波数変調するための高周波変調信号S23をレーザ素子101aに送っている。
【0028】
ここで、レーザ光L1は参照ガスセル103を必ず透過するので、参照ガスセル103内で参照ガスによる吸収を受ける。
また、参照ガス及び測定対象ガスを透過したレーザ光L1による2倍波信号S21は、図3に実線で示す波形のように検出され、2倍波信号S21のピーク位置Aにおける波長が測定対象ガス及び参照ガスの吸収波長(中心波長)である。従って、図2における波長制御回路101cは、2倍波信号S21のレベルが最大値になるように温度制御信号S22によってレーザ素子101aの温度を微調整し、レーザ光L1の波長が測定対象ガスの吸収波長に一致するように制御する。
上記のような構成により、測定対象ガスの有無にかかわらず、レーザ光L1の波長を常に測定対象ガスの吸収波長にロックすることが可能である。
【0029】
次に、この実施形態におけるガス濃度の測定方法について説明する。
前述したように、レーザ素子101aから出射するレーザ光L1の波長は、波長制御回路101cにより測定対象ガスの吸収波長と等しくなるように制御されると共に、レーザ光L1は高周波変調回路101dにより変調周波数fにて周波数変調されている。
そのような設定条件のもとで、レーザ素子101aを駆動して煙道303内にレーザ光L1を照射し、その透過光を受光素子202へ入射させる。
【0030】
受光部200において、煙道303内に測定対象ガスがない場合は、受光信号処理回路203内の同期検波処理による2倍波信号S21は参照ガスセル103内の参照ガスによる吸収のみであるから、図3における既知の値S210(図3の点線で示す波形の正側ピーク値)が検出される。
これに対し、煙道303内に測定対象ガスが存在する場合の2倍波信号S21は、参照ガスセル103内の参照ガスによる吸収分S210に、測定対象ガスによる吸収分を加算した値に相当する値S211(図3の実線で示す波形の正側ピーク値)となる。
従って、受光信号処理回路203内の演算回路がこれらの差である(S211−S210)を演算することにより、測定対象ガス濃度に比例した値を求めることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、2倍波信号S21の正側のピーク値S211(図3のA点)のみを検出してガス濃度を算出する場合を説明したが、A点の吸収波長を基準にして波長挿引させ、図3のB点及びC点における2倍波信号S21の負側のピーク値も用いてガス濃度を検出してもよい。
【0032】
以上のように、本実施形態では、レーザ素子101aから出射して受光素子202に入射するレーザ光L1の直線状の光軸L0上に参照ガスセル103を配置している。
このため、従来技術のようにハーフミラーを用いてレーザ光を参照ガスセルに入射させる構造に比べて、光の干渉ノイズの増大や検出信号のS/Nの低下等を生じる恐れがないと共に、光学系の構成も至って単純である。従って、レーザ光L1の波長制御による高精度なガス濃度計測を、簡素な構成によって安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係るガス濃度計測装置の全体構成図である。
【図2】図1におけるレーザ光源部の構成図である。
【図3】本発明の実施形態における2倍波信号の検出例を示す図である。
【図4】NHガスの吸収スペクトラム例である。
【図5】周波数変調方式の原理図である。
【図6】半導体レーザの出射波長の変化を示す図である。
【図7】特許文献1に記載されたガス濃度測定装置の主要部を示す構成図である。
【符号の説明】
【0034】
100:発光部
101:レーザ光源部
101a:レーザ素子
101b:ペルチェ素子
101c:波長制御回路
101d:高周波変調回路
102,201:レンズ
103:参照ガスセル
200:受光部
202:受光素子
203:受光信号処理回路
301,302:配管壁
303:煙道
401,402:フランジ
L1:レーザ光
L0:光軸
S21:2倍波信号
S22:温度制御信号
S23:高周波変調信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数変調されたレーザ光を出射するレーザ光源部と、
測定対象ガスが存在する空間を介して伝播されたレーザ光を受光する受光手段と、
前記受光手段の出力信号からレーザ光の変調信号の2倍周波数成分を抽出し、この2倍周波数成分から前記測定対象ガスの濃度を測定する受光信号処理手段と、
前記測定対象ガスと同一成分で濃度が既知である参照ガスが封入された参照ガスセルと、
前記参照ガスを透過したレーザ光から抽出した前記2倍周波数成分に基づいて、レーザ光の波長を制御する波長制御手段と、
を備えたガス濃度計測装置において、
前記参照ガスが、前記レーザ光源部から出射して前記受光手段に入射するレーザ光の直線状の光軸上に存在するように、前記参照ガスセルを配置したことを特徴とするガス濃度計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載したガス濃度計測装置において、
前記受光信号処理手段は、
前記測定対象ガス及び前記参照ガスを透過したレーザ光を前記受光手段が受光したときの前記2倍周波数成分の振幅と、前記参照ガスのみを透過したレーザ光を前記受光手段が受光したときの前記2倍周波数成分の振幅と、の差を求めて、前記測定対象ガスの濃度を測定することを特徴とするガス濃度計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−14661(P2009−14661A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179737(P2007−179737)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】