説明

ガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器

【課題】電子の増幅率を低下させることなく従来よりも電子の広がりを小さくすることを可能にし、高い電子増幅率を備えかつ位置分解能を向上する。
【解決手段】放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、ガスを充填したチャンバーと、上記チャンバー内に配置された単一のガス電子増幅フォイルとを有し、上記ガス電子増幅フォイルは、厚さ100〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層と上記絶縁層の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり、上記板状多層体には貫通孔構造を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器に関し、さらに詳細には、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、荷電粒子、ガンマ線、X線、中性子あるいは紫外線などのような放射線を検出するために、ガス電子増幅器(GEM:Gas Electorn Multiplier)が使用されている。
【0003】
このガス電子増幅器は、検出対象の放射線が入射すると、放射線とガスとの光電効果による相互作用によりガス原子から飛び出した光電子を電子なだれ効果により増幅させ、当該放射線を電気信号として検出することを可能にするというものである。
【0004】
図1には、従来のガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明図が示されている。
【0005】
この図1に示す放射線検出器100は、所定の検出用のガスを充填したチャンバー102と、チャンバー102内に配置されたドリフト電極104および捕集電極106と、チャンバー102内においてドリフト電極104と捕集電極106との間に所定の間隔TRを開けて配置された第1ガス電子増幅フォイル(GEMフォイル)108および第2ガス電子増幅フォイル110とを有して構成されている。
【0006】
なお、チャンバー102に充填される検出用のガスとしては、一般に、希ガスとクエンチャーガスとの組合せが使用される。希ガスとしては、例えば、He、Ne、Ar、Xeなどがあり、クエンチャーガスとしては、例えば、CO、CH、C、CFなどがある。また、希ガス中へのクエンチャーガスの混合量は、5〜30%が好適である。
【0007】

ここで、所定の検出用のガスを充填したチャンバー102と第1ガス電子増幅フォイル108、第2ガス電子増幅フォイル110とにより、ガス電子増幅器が構成される。これら第1ガス電子増幅フォイル108と第2ガス電子増幅フォイル110とは、それぞれ同一の構成を備えた板状多層体よりなるものであり、電子なだれ効果により電荷増倍を行う作用を果たすものである。
【0008】
第1ガス電子増幅フォイル108と第2ガス電子増幅フォイル110は、より詳細には、厚さt0が50μmの樹脂製の板状の絶縁層108a、110aと、この絶縁層108a、110aの両面に被覆された平面状の金属層108b、108c、110b、110cとを有して構成されている。また、第1ガス電子増幅フォイル108、第2ガス電子増幅フォイル110には、電界を集束させるための貫通孔構造108d、110dが複数形成されている。
【0009】
また、放射線検出器100には、金属層108b、108c、110b、110cおよびドリフト電極104へ電圧を印加するための電源部112と、捕集電極106に接続された検出部114とが設けられている。
【0010】

以上の構成において、放射線検出器100においては、電源部112から金属層108b、108c、110b、110cおよびドリフト電極104へ所定の電圧が印加され、ドリフト電極100と金属層108bとの間に電界Edが、貫通孔構造108d、110dの内部を含む金属層108cと金属層110bとの間に電界Etが、金属層108cと捕集電極106との間に電界Eiが発生する。
【0011】
この際に、貫通孔構造108d、110dの内部で電界Etが収束され、ここに侵入した電子が加速されることにより電子なだれ効果が生じることになる。そして、この電子なだれ効果により増倍された電子を捕集電極106で検出し、検出信号を検出部114が受け取って各種検出データを演算する。
【0012】

ここで、上記した放射線検出器100のガス電子増幅器においては、電子なだれ効果による電子の増幅率を高めるために、第1ガス電子増幅フォイル108と第2ガス電子増幅フォイル110との2段のガス電子増幅フォイルを用いていた。
【0013】
即ち、従来のガス電子増幅器は、電子の増幅率を上げるために、ガス電子増幅フォイルを複数段重ねた構造を備えていた。
【0014】
一方、放射線とガスによる相互作用が起こるときに飛び出した光電子は、数百μm程度の広がりをもつ。
【0015】
この電子の広がりはガス電子増幅フォイルを通過する毎に大きくなって、そのため位置分解能が低下して正確な位置情報が得られなくなり、結果的に、検出部で取得した画像がぼやけたものになってしまうという問題点があった。
【0016】
光電効果だけでなく、コンプトン散乱、電子対生成でも検出が可能である。
【0017】

なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電子の増幅率を低下させることなく従来よりも電子の広がりを小さくすることを可能にし、高い電子増幅率を備えかつ位置分解能に優れたガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器は、単一の電子増幅フォイルを用い、かつ、その電子増幅フォイルの絶縁層を従来の電子増幅フォイルに比べて厚くしたものである。
【0020】
また、本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器は、単一の電子増幅フォイルを用い、かつ、その電子増幅フォイルの絶縁層を多層構造にして各絶縁層の間に金属層を配設した積層体により構成するようにしたものである。
【0021】
こうした本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器によれば、電子の増幅率を低下させることなく従来よりも電子の広がりを小さくすることができ、高い電子増幅率を維持しながら位置分解能を向上することができる。
【0022】

こうした本発明のうち請求項1に記載の発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、ガスを充填したチャンバーと、上記チャンバー内に配置された単一のガス電子増幅フォイルとを有し、上記ガス電子増幅フォイルは、厚さ100〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層と上記絶縁層の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり、上記板状多層体には貫通孔構造を設けるようにしたものである。
【0023】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、ガスを充填したチャンバーと、上記チャンバー内に配置された単一のガス電子増幅フォイルとを有し、上記ガス電子増幅フォイルは、高分子ポリマー材料からなる板状の複数の絶縁層を平面状の金属層を間に形成して積層した積層体と上記積層体の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり、上記板状多層体には貫通孔構造を設けるようにしたものである。
【0024】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項2に記載の発明において、上記複数の絶縁層の厚さの合計値が100〜600μm程度であるようにしたものである。
【0025】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器を使用した放射線検出器であって、上記ガス電子増幅器を、本発明のうち請求項1、2または3のいずれか1項に記載の発明に係るものとした。
【0026】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法において、厚さ100〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平面状の金属層を被覆し、上記金属層を所定のパターンでエッチングし、上記所定のパターンに従って、上記絶縁層を上記金属層の平面に垂直にレーザー光を照射して除去し、上記金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、上記金属層の表面および上記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にてデスミア処理するようにしたものである。
【0027】
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法において、放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法において、厚さ50〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平面状の金属層を被覆し、上記金属層を所定のパターンでエッチングし、上記金属層の片面または両面上に、厚さ50〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の片面に平面状に金属層を被覆したものを積層し、該積層されたものの最外面の金属層を、上記所定のパターンに従ってエッチングし、上記所定のパターンに従って、上記絶縁層の全てを上記最外面の金属層の平面に垂直にレーザー光を照射して除去し、上記最外面の金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、上記金属層の表面および上記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にてデスミア処理するようにしたものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、電子の増幅率を低下させることなく従来よりも電子の広がりを小さくすることが可能になり、高い電子増幅率を備えかつ位置分解能に優れたガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器を提供することができるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるガス電子増幅器およびそれに用いるガス電子増幅フォイルの製造方法ならびにガス電子増幅器を使用した放射線検出器の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0030】
なお、以降の説明においては、図1などのように図面を参照しながら従前に説明した構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を付して示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は省略する。
【0031】

図2には、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明図が示されている。
【0032】
この放射線検出器10は、所定の検出用ガスを充填したチャンバー102と単一のガス電子増幅フォイル12とによりガス電子増幅器が構成されている点において、従来の放射線検出器100と異なる。
【0033】
ここで、ガス電子増幅フォイル12は、樹脂製の板状の絶縁層12aと、この絶縁層12aの両面に被覆された平面状の金属層12b、12cとを有して構成されている。また、ガス電子増幅フォイル12には、電界を集束させるための貫通孔構造として、金属層12b、12cの平面に対して垂直方向に延長する貫通孔構造12dが複数形成されている。
【0034】
また、絶縁層12aは、その厚さt1が従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層t0に比べて厚く、例えば、100μmに設定されている。この絶縁層12aの厚さは、例えば、100〜300μm程度の範囲で適宜に設定すればよい。
【0035】
なお、絶縁層12aの厚さt1が100μmである場合には、電源部112により金属層12b、12c間に700〜1000V程度の電圧を印加することができる。
【0036】
こうした絶縁層12aの材料としては、例えば、ポリイミドや液晶ポリマーなどの高分子ポリマー材料を使用することができる。
【0037】
一方、貫通孔構造12dの内部に電界を発生させる電極として機能する金属層12b、12cの材料としては、例えば、銅、アルミニウム、金あるいはボロンなどを使用することができる。なお、絶縁層12aに対して金属層12b、12cを形成するには、ラミネート、スパッタ蒸着あるいはメッキなどの手法を用いるようにすればよく、金属層12b、12cの厚さは、例えば、5μmに程度に設定する。
【0038】

以上の構成において、放射線検出器10においては、電源部112から金属層12b、12cおよびドリフト電極104へ所定の電圧が印加され、ドリフト電極100と金属層12bとの間に電界Edが、貫通孔構造12dの内部に電界Etが、金属層12cと捕集電極106との間に電界Eiが発生する。
【0039】
この際に、貫通孔構造12dの内部で電界Etが収束され、ここに侵入した電子が加速されることにより電子なだれ効果が生じることになる。そして、この電子なだれ効果により増倍された電子を捕集電極106で検出し、検出信号を検出部114が受け取って各種検出データを演算する。
【0040】
この放射線検出器10は、ガス電子増幅フォイルとして単一のガス電子増幅フォイル12のみであるため、複数のガス電子増幅フォイルを用いる従来のものと比較すると、電子の広がりを小さくすることができる。
【0041】
また、絶縁層12aの厚さt1を従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層の厚さt0に比べて厚くしたため、電源部112から金属層12b、12cおよびドリフト電極104へ印加する電圧値を、従来の放射線検出器がガス電子増幅フォイルおよびドリフト電極へ印加する電圧値よりも高く設定することができるため、従来と比較しても電子の増幅率が低下することはない。
【0042】

次に、図3には、本発明の第2の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明図が示されている。
【0043】
この放射線検出器20は、所定の検出用ガスを充填したチャンバー102と単一のガス電子増幅フォイル22とによりガス電子増幅器が構成されている点において、従来の放射線検出器100と異なる。
【0044】
ここで、ガス電子増幅フォイル22は、複数の樹脂製の板状の絶縁層と金属層とを交互に積層した積層体よりなる多層構造を備えている。
【0045】
より詳細には、ガス電子増幅フォイル22は、樹脂製の板状の絶縁層22a−1と樹脂製の板状の絶縁層22a−2とを備え、絶縁層22a−1と絶縁層22a−2との間には、平面状の金属層22eが形成されている。さらに、絶縁層22a−1における金属層22eが形成された面とは異なる面には平面状の金属層22bが形成されており、一方、絶縁層22a−2における金属層22eが形成された面とは異なる面には平面状の金属層22cが形成されている。また、ガス電子増幅フォイル22には、電界を集束させるための貫通孔構造22dが複数形成されている。
【0046】
また、絶縁層22a−1の厚さt2−1と絶縁層22a−2の厚さt2−2との厚さの合計が、従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層の厚さt0に比べて厚く、例えば、100μmに設定されている。この絶縁層22a−1の厚さt2−1と絶縁層22a−2の厚さt2−2とは、例えば、50〜300μm程度の範囲でそれぞれ適宜に設定すればよい。また、絶縁層22a−1の厚さt2−1と絶縁層22a−2の厚さt2−2との厚さの合計値は、例えば、100〜600μm程度の範囲で適宜に設定すればよい。
【0047】
なお、この実施の形態においては、絶縁層22a−1の厚さt2−1と絶縁層22a−2の厚さt2−2とをそれぞれ50μmとし、絶縁層22a−1の厚さt2−1と絶縁層22a−2の厚さt2−2との合計が100μmとなるようにした。
【0048】
なお、絶縁層22a−1、22a−2の厚さt2−1、t2−2が50μmである場合には、電源部112により金属層22b、22e間または金属層22e、22c間に350〜500V程度の電圧を印加することができ、また、絶縁層22a−1、22a−2の厚さt2−1、t2−2が100μmである場合には、電源部112により金属層22b、22e間または金属層22e、22c間に700〜1000V程度の電圧を印加することができる。
【0049】
こうした絶縁層22a−1、22a−2の材料としては、例えば、ポリイミドや液晶ポリマーなどの高分子ポリマー材料を使用することができる。
【0050】
一方、貫通孔構造22dの内部に電界を発生させる電極として機能する金属層22b、22c、22eの材料としては、例えば、銅、アルミニウム、金あるいはボロンなどを使用することができる。なお、絶縁層22a−1、22a−2に対して金属層22b、22c、22eへ形成するには、ラミネート、スパッタ蒸着あるいはメッキなどの手法を用いるようにすればよく、金属層22b、22c,22eの厚さは、例えば、5μmに程度に設定する。
【0051】

以上の構成において、放射線検出器20においては、電源部112から金属層22b、22c、22eおよびドリフト電極104へ所定の電圧が印加され、ドリフト電極100と金属層22bとの間に電界Edが、貫通孔構造22dの内部に電界Etが、金属層22cと捕集電極106との間に電界Eiが発生する。
【0052】
この際に、貫通孔構造22dの内部で電界Etが収束され、ここに侵入した電子が加速されることにより電子なだれ効果が生じることになる。そして、この電子なだれ効果により増倍された電子を捕集電極106で検出し、検出信号を検出部114が受け取って各種検出データを演算する。
【0053】
この放射線検出器20は、ガス電子増幅フォイルとして単一のガス電子増幅フォイル22のみであるため、複数のガス電子増幅フォイルを用いる従来のものと比較すると、電子の広がりを小さくすることができる。
【0054】
また、絶縁層22a−1の厚さt2−1と絶縁層22a−2の厚さt2−2との厚さの合計を従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層の厚さt0に比べて厚くしたため、電源部112から金属層22b、22c、22eおよびドリフト電極104へ印加する電圧値を、従来の放射線検出器がガス電子増幅フォイルおよびドリフト電極へ印加する電圧値よりも高く設定することができるため、従来と比較しても電子の増幅率が低下することはない。
【0055】
さらに、放射線検出器20においては、金属層22bと金属層22cとの間に生成される電界Etが、金属層22eへの電圧の印加により整形されて電子なだれ効果が効率的に生成される。
【0056】

次に、上記した従来の放射線検出器100、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器10ならびに本発明の第2の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器20を用いた本願発明者による実験の結果について説明する。
【0057】
ここで、実験に用いた放射線検出器100は、絶縁層108a、110aとしては厚さt0が50μmのポリイミドを用い、金属層108b、108c、110b、110cとして厚さ5μmの銅を被覆し、電源部112により金属層108b、108c間および金属層110b、110c間に350〜450Vの電圧を印加した。
【0058】
また、実験に用いた放射線検出器10は、絶縁層12aとしては厚さt1が100μmの液晶ポリマーを用い、金属層12b、12cとして厚さ5μmの銅を被覆し、電源部112により金属層12b、12c間に700Vの電圧を印加した。
【0059】
さらに、実験に用いた放射線検出器20は、絶縁層22a−1、22a−2としては厚さt2−1、t2−2がそれぞれ50μmの液晶ポリマーを用い、金属層22b、22c、22eとして厚さ5μmの銅を被覆し、電源部112により金属層22e、22c間に700Vの電圧を印加した。
【0060】
なお、この実験においては、検出部114として電荷読み出し用のピクセル検出器を用いた。また、放射線検出器10、20、100のいずれにおいても、ドリフト領域DRを5.5mmとし、インダクション領域IRを2.7mmとした。なお、放射線検出器100における第1ガス電子増幅フォイル108と第2ガス電子増幅フォイル110との間隔TRは2.0mmとした。
【0061】
計測方法としては、55Fe放射線源からのX線(5.9keV)の反応点がどのように広がるかを測定することにより、信号(電子)の広がりを測定した。
【0062】
図4(a)は放射線検出器10における測定結果を示すグラフであり、また、図4(b)は放射線検出器20における測定結果を示すグラフであり、また、図4(c)は放射線検出器100における測定結果を示すグラフである。なお、図4(a)(b)(c)に示すグラフにおいて、縦軸はカウント数N[Count]であり、横軸は信号の広がり[10μm]である。
【0063】

これら図4(a)(b)(c)に示すグラフから、放射線検出器10における信号の広がりの測定値は353μm(FWHM)であり、放射線検出器20における信号の広がりの測定値は344μm(FWHM)であり、放射線検出器100における信号の広がりの測定値は608μm(FWHM)であった。
【0064】
このことより、放射線検出器10、20は、放射線検出器100よりも電子の広がりが小さくなっていた。
【0065】

次に、図5には、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用したX線の2次元画像検出器の構成例の一例の断面構成説明図が示されている。
【0066】
この2次元画像検出器200においては、チャンバー102内に、検出用のガスとしてアルゴン(Ar)中に二酸化炭素(CO)30%を混合した混合ガスが充填されている。
【0067】
こうしたチャンバー102内において、ドリフト電極104と捕集電極106との間に単一のガス電子増幅フォイル12が配置されており、ドリフト電極104とガス電子増幅フォイル12の金属層12b、12cとには、電源部112から所定の電圧が印加されるようになされている。
【0068】
また、検出部114は、各画素毎に薄膜トランジスタ202を備えていて、各画素毎の検出信号を出力するように構成されている。
【0069】
以上の構成において、2次元画像検出器200によれば、X線がチャンバー102内に侵入すると、検出用のガスに作用して電子が発生する。この電子がガス電子増幅フォイル12により加速されて、電子なだれ効果により100倍から10万倍程度に電子増幅されて検出部114で検出される。
【0070】
従って、2次元画像検出器200を用いると、X線の高い検出効率と鮮明な画像とを得ることができる。
【0071】
なお、こうした2次元画像検出器200は、例えば、医療用X線撮影装置、CT装置、あるいは線量モニターに搭載される検出器などに適用することが可能である。
【0072】

次に、図6および図7には、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した光検出器の構成例の一例の断面構成説明図がそれぞれ示されている。
【0073】
ここで、図6に示す光検出器300は、ガス電子増幅フォイル12の金属層12b上に光電層302が形威されている点において、図5に示す2次元画像検出器200と異なっている。
【0074】
以上の構成において、光検出器300によれば、紫外光または可視光などの光がチャンバー102内に侵入すると、光電層302により光電子が発生し、ガス電子増幅フォイル12に形成された貫通孔構造12dの内部の電界で電子増幅が行われる。増幅された電子は、図5に示す2次元画像検出器200と同様に、検出部114で検出される。
【0075】

また、図7に示す光検出器400は、光電層402が入射窓の内側面に形成されている点において、図5に示す2次元画像検出器200と異なっている。
【0076】
以上の構成において、光検出器400によれば、チャンバー102へ紫外光または可視光などの光が侵入すると、この先電層402により光電子が発生し、その後は光検出器300と同様な原理により増幅された電子が検出部114で検出される。
【0077】

次に、図8(a)〜(d)を参照しながら、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器のガス電子増幅フォイル12の製造方法について説明する。
【0078】
即ち、ガス電子増幅フォイル12を製造するには、まず、例えば、厚さ100μmの液晶ポリマー製の板状の絶縁層12aの両面に平面状の金属層12b、12cを被覆し、金属層12b、12cの表面に前処理を施してからレジスト層500を形成する(図8(a)参照)。なお、金属層12b、12cは、例えば、銅により形成する。また、レジスト層500としては、例えば、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社製AQ2558)を使用することができる。
【0079】
それから、レジスト層500を貫通孔構造12dの配置に合わせてパターンニングし、次いで金属層12b、12cも上記パターンニングに合わせて開口する(図8(b)参照)。上記パターンニングは、例えば、所定のパターンの露光用マスクを用い、露光量60mJ/cmで真空密着露光を行い、その後に1%の炭酸ソーダを用いて現像を行うことにより実施できる。また、金属層12b、12cの開口の形成は、金属層12b、12cが銅である場合には、例えば、塩化第二鉄液にてエッチングすることにより実施できる。
【0080】
次に、例えば、3%の水酸化ナトリウム水溶液などでレジスト層500を除去し(図8(c)参照)、COレーザーなどのレーザー光を照射して、絶縁層12aを除去して貫通させ、貫通孔構造12dを形成する(図8(d)参照)。
【0081】
レーザー光により絶縁層12aを除去して貫通させる場合、貫通孔構造12dの壁が金属層12b、12cの平面に垂直になる方向にレーザー光を照射する。
【0082】
なお、図8(d)に示す工程で形成された貫通孔構造12dの壁は、表面仕上げ工程により表面粗度を向上させることが好ましい。これにより、ガス電子増幅器の動作中に貫通孔構造12dの壁に電荷蓄積性の堆積物が発生することを抑制できる。
【0083】
こうした表面仕上げ工程は、ガス比SF:0.05、N:0.10、O:1.0、RF出力2.1kWの条件にて、プラズマエッチングを表裏より3分ずつ行い、貫通孔構造12dの壁に上記レーザー光の照射により付着した煤状の物質を除去する。
【0084】
次に、過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶液などで貫通孔構造12dの壁の表面を処理し、表面の平滑度を向上させる。これにより、貫通孔構造12dの壁の表面粗度は4μm以下となる。この過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶液による表面処理は、例えば、メルテックス社製エンプレートMLBホールクリーニングプロセスにより実施できる。
【0085】
上記のようなデスミア処理を行うことにより、貫通孔構造12dの内壁の表面粗度を4μm以下にすることができる。また、貫通孔構造12dの内壁に突出部が生じても、その高さを絶縁層12aの厚さの15%以下とすることができる。
【0086】

次に、図9(a)〜(f)を参照しながら、本発明の第2の実施の形態によるガス電子増幅器のガス電子増幅フォイル22の製造方法について説明する。
【0087】
即ち、ガス電子増幅フォイル22を製造するには、まず、例えば、厚さ50μmの液晶ポリマー製の板状の絶縁層22a−1の両面に平面状の金属層22b、22eを被覆し、金属層22b、22eの表面に前処理を施してからレジスト層500を形成する(図9(a)参照)。なお、金属層22b、22eは、例えば、銅により形成する。また、レジスト層500としては、例えば、ドライフィルムレジスト(旭化成株式会社製AQ2558)を使用することができる。
【0088】
それから、レジスト層500を貫通孔構造22dの配置に合わせて金属層22e面にパターンニングし、かつ、金属層22b、22e上に積層後の位置合わせ露光のためのマークをパターニンングし、次いで金属層22b、22eも上記パターンニングに合わせて開口する(図9(b)参照)。上記パターンニングは、例えば、所定のパターンの露光用マスクを用い、露光量60mJ/cmで真空密着露光を行い、その後に1%の炭酸ソーダを用いて現像を行うことにより実施できる。また、金属層22b、22eの開口の形成は、金属層22b、22eが銅である場合には、例えば、塩化第二鉄液にてエッチングすることにより実施できる。
【0089】
次に、例えば、3%の水酸化ナトリウム水溶液などでレジスト層500を除去し、厚さ50μmの液晶ポリマー製の板状の絶縁層22a−2の片面に平面状の金属層22cを被覆した2層材を、高温真空下で熱プレスし接着させて積層する(図9(c)〜(d)参照)。なお、上記した積層の手法は、熱プレスに限られるものではなく、適宜の接着剤などを用いてもよい。
【0090】
それから、再度レジスト層500を貫通孔構造22dの配置に合わせてパターンニングし、次いで金属層22b、22cも上記パターンニングに合わせて開口する(図9(d)参照)。上記パターンニングは、例えば、所定のパターンの露光用マスクを用い、露光量60mJ/cmで真空密着露光を行い、その後に1%の炭酸ソーダを用いて現像を行うことにより実施できる。また、金属層22b、22cの開口の形成は、金属層22b、22cが銅である場合には、例えば、塩化第二鉄液にてエッチングすることにより実施できる。
【0091】
次に、例えば、3%の水酸化ナトリウム水溶液などでレジスト層500を除去し、COレーザーなどのレーザー光を照射して、絶縁層22a−1、22a−2を除去して貫通させ、貫通孔構造22dを形成する(図9(f)参照)。
【0092】
レーザー光により絶縁層22a−1、22a−2を除去して貫通させる場合、貫通孔構造22dの壁が金属層12b、12cの平面に垂直になる方向にレーザー光を照射する。
【0093】
なお、図9(f)に示す工程で形成された貫通孔構造22dの壁は、表面仕上げ工程により表面粗度を向上させることが好ましい。これにより、ガス電子増幅器の動作中に貫通孔構造22dの壁に電荷蓄積性の堆積物が発生することを抑制できる。
【0094】
こうした表面仕上げ工程は、ガス比SF:0.05、N:0.10、O:1.0、RF出力2.1kWの条件にて、プラズマエッチングを表裏より3分ずつ行い、貫通孔構造22dの壁に上記レーザー光の照射により付着した煤状の物質を除去する。
【0095】
次に、過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶液などで貫通孔構造22dの壁の表面を処理し、表面の平滑度を向上させる。これにより、貫通孔構造22dの壁の表面粗度は4μm以下となる。この過マンガン酸系溶液または水酸化ナトリウム水溶液による表面処理は、例えば、メルテックス社製エンプレートMLBホールクリーニングプロセスにより実施できる。
【0096】
上記のようなデスミア処理を行うことにより、貫通孔構造22dの内壁の表面粗度を4μm以下にすることができる。また、貫通孔構造22dの内壁に突出部が生じても、その高さを絶縁層22a−1、22a−2の厚さの15%以下とすることができる。
【0097】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)〜(3)に示すように変形することができるものである。
【0098】
(1)上記した第2の実施の形態においては、金属層22eを間に挟んで絶縁層22a−1と絶縁層22a−2との2つの絶縁層を設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、金属層と絶縁層とを交互に積層するようにして、3つ以上の絶縁層を設けるようにしてもよい。
【0099】
(2)上記した第2の実施の形態においては、絶縁層22a−1と絶縁層22a−2との厚さを同一としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、両者の厚さが異なるようにしてもよい。要するに、各絶縁層の厚さの合計が、従来のガス電子増幅フォイルの絶縁層に比べて厚くなるようにすればよい。
【0100】
(3)上記した実施の形態ならびに上記した(1)〜(2)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、医療画像診断分野における放射線量の低減化や宇宙放射線検出、生化学分野などに利用されるものであり、具体的には、X線線量モニター、医療用X線撮影装置(マンモグラフィー、一般X線撮影装置)、産業用非破壊検査装置、荷電粒子飛跡検出器、宇宙X線検出器、光検出イメージャーあるいは低速中性子検出器などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、従来のガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器の概略構成断面説明図である。
【図4】図4は、本願発明者による実験結果を示すグラフであり、図4(a)は本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器における測定結果を示すグラフであり、また、図4(b)は本発明の第2の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した放射線検出器における測定結果を示すグラフであり、また、図4(c)は従来の放射線検出器における測定結果を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用したX線の2次元画像検出器の構成例の一例の断面構成説明図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した光検出器の構成例の一例の断面構成説明図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器を使用した光検出器の構成例の他の例の断面構成説明図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態によるガス電子増幅器のガス電子増幅フォイルの製造方法の工程説明図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態によるガス電子増幅器のガス電子増幅フォイルの製造方法の工程説明図である。
【符号の説明】
【0103】
10 放射線検出器
12 ガス電子増幅フォイル
12a 絶縁層
12b、12c 金属層
12d 貫通孔構造
20 放射線検出器
22 ガス電子増幅フォイル
22a−1、22a−2 絶縁層
22b、22c、22e 金属層
22d 貫通孔構造
100 放射線検出器
102 チャンバー
104 ドリフト電極
106 捕集電極
108 第1ガス電子増幅フォイル
108a 絶縁層
108b、108c 金属層
108d 貫通孔構造
110 第2ガス電子増幅フォイル
110a 絶縁層
110b、110c 金属層
110d 貫通孔構造
112 電源部
114 検出部
200 2次元画像検出器
202 薄膜トランジスタ
300 光検出器
302 光電層
400 光検出器
402 光電層
500 レジスト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、
ガスを充填したチャンバーと、
前記チャンバー内に配置された単一のガス電子増幅フォイルと
を有し、
前記ガス電子増幅フォイルは、
厚さ100〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層と前記絶縁層の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり、
前記板状多層体には貫通孔構造が設けられた
ことを特徴とするガス電子増幅器。
【請求項2】
放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器において、
ガスを充填したチャンバーと、
前記チャンバー内に配置された単一のガス電子増幅フォイルと
を有し、
前記ガス電子増幅フォイルは、
高分子ポリマー材料からなる板状の複数の絶縁層を平面状の金属層を間に形成して積層した積層体と前記積層体の両面に被覆された平面状の金属層とを有して構成された板状多層体よりなり、
前記板状多層体には貫通孔構造が設けられた
ことを特徴とするガス電子増幅器。
【請求項3】
請求項2に記載のガス電子増幅器において、
前記複数の絶縁層の厚さの合計値は、100〜600μm程度である
ことを特徴とするガス電子増幅器。
【請求項4】
放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器を使用した放射線検出器であって、
前記ガス電子増幅器は、請求項1、2または3のいずれか1項に記載のガス電子増幅器である
ことを特徴とする放射線検出器。
【請求項5】
放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法において、
厚さ100〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平面状の金属層を被覆し、
前記金属層を所定のパターンでエッチングし、
前記所定のパターンに従って、前記絶縁層を前記金属層の平面に垂直にレーザー光を照射して除去し、
前記金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、
前記金属層の表面および前記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にてデスミア処理する
ことを特徴とするガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法。
【請求項6】
放射線とガスとの光電効果による相互作用を用いたガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法において、
厚さ50〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の両面に平面状の金属層を被覆し、
前記金属層を所定のパターンでエッチングし、
前記金属層の片面または両面上に、厚さ50〜300μm程度の高分子ポリマー材料からなる板状の絶縁層の片面に平面状に金属層を被覆したものを積層し、
該積層されたものの最外面の金属層を、前記所定のパターンに従ってエッチングし、
前記所定のパターンに従って、前記絶縁層の全てを前記最外面の金属層の平面に垂直にレーザー光を照射して除去し、
前記最外面の金属層の平面に対して垂直方向に延長する貫通孔を形成し、
前記金属層の表面および前記絶縁層の貫通孔壁面を、プラズマおよび薬液にてデスミア処理する
ことを特徴とするガス電子増幅器に用いるガス電子増幅フォイルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−234485(P2007−234485A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56997(P2006−56997)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【出願人】(505153199)サイエナジー株式会社 (5)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】