説明

ガラス基材の製造方法

【課題】製造工程が簡単であり、寸法精度や機械的強度に優れたガラス基材を得ることができるガラス基材の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のガラス基材の製造方法は、板状のガラス基板の主表面上に、印刷法により、前記ガラス基板のエッチャントに対してエッチング耐性を有する樹脂パターンを形成する工程と、前記樹脂パターンをマスクとして、前記ガラス基板のエッチングが可能なエッチャントで前記ガラス基板をエッチングにより所望の形状に切り抜く工程と、前記ガラス基板上に形成された前記樹脂パターンを除去する工程と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置やディジタルスチルカメラ(DSC)の保護に用いられるカバーガラスや、携帯機器の本体に用いられるガラス基材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、PDAなどの携帯端末装置やDSCの薄型化、高品質化を背景に、ディスプレイカバー及びボディのカバーとしてガラスが使用されている。従来のプラスチック(ポリカーボネートやアクリル樹脂)に比較して硬度に優れるガラスは、傷が付き難くいといった利点がある。近年、携帯端末装置や携帯機器の薄型化に伴い、撓みを抑えつつ、しかも薄板であっても強度のある化学強化ガラスを使った保護板が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−99557号公報
【0003】
特許文献1に記載された従来の加工方法では、ガラス端面の表面粗さが粗く、ガラス端面の面取り加工した面に数十μm〜数百μm程度のマイクロクラックが存在することによって、ガラス基材に求められる機械的強度が得られないという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために、本出願人は、先行出願(特願2007−325542号)において、ガラス基板上に所望形状のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクにしてガラス基板をエッチングすることにより、所望形状のガラス基板を得ることを提供している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的なフォトリソグラフィを応用したプロセスでは、寸法精度や機械的強度に優れた基板が得られる半面、製造工程は複雑であり、その条件設定など多様な制約を受ける。また、感光性樹脂など高価な薬品も使用することから高コストなプロセスになってしまう。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、製造工程が簡単であり、寸法精度や機械的強度に優れたガラス基材を得ることができるガラス基材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のガラス基材の製造方法は、板状のガラス基板の主表面上に、印刷法により、前記ガラス基板のエッチャントに対してエッチング耐性を有する樹脂パターンを形成する工程と、前記樹脂パターンをマスクとして、前記ガラス基板のエッチングが可能なエッチャントで前記ガラス基板をエッチングにより所望の形状に切り抜く工程と、前記ガラス基板上に形成された前記樹脂パターンを除去する工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
この方法によれば、マスク形成にフォトリソグラフィを用いずに印刷法を用いているので、製造工程が簡単であり、寸法精度や機械的強度に優れたガラス基材を得ることができる。
【0009】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記印刷法は、メッシュスクリーン印刷法又はメタルスクリーン印刷法であることが好ましい。
【0010】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記樹脂パターンは、フッ酸を含む溶媒に対して耐性を有し、かつ、アルカリ性溶媒に対して溶解可能な材料であることが好ましい。
【0011】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記樹脂パターンは、熱硬化性樹脂からなる材料であることが好ましい。
【0012】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記樹脂パターンは、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びジアリルフタレート樹脂からなる群より選ばれた材料であることが好ましい。
【0013】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記ガラス基板は、SiO、Al、LiO及びNaOからなる群から選ばれた少なくとも一つを含有したアルミノシリケートガラスであることが好ましい。この構成によれば、板状のガラス基板をダウンドロー法(フュージョン法)により成形することが可能となるので、ガラス基板の主表面をキズがなく、ナノメートルオーダーの極めて高い平滑性を有する熔解ガラス面とすることができる。したがって、ガラス基材の作製時に主表面の鏡面研磨加工が不要となり、主表面においてもマイクロクラックのないガラス基材が得られ、機械的強度が優れたガラス基材となる。
【0014】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記ガラス基板上に形成された樹脂パターンを除去した後、該ガラス基板をイオン交換処理により化学強化処理する工程を有することが好ましい。この構成によれば、ガラス基材の主表面や端面に圧縮応力層が形成されるので、さらに機械的強度を高めることができる。
【0015】
本発明のガラス基材の製造方法においては、前記ガラス基材が携帯端末装置の表示画面の保護に用いられるカバーガラスであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のガラス基材の製造方法は、板状のガラス基板の主表面上に、印刷法により、前記ガラス基板のエッチャントに対してエッチング耐性を有する樹脂パターンを形成する工程と、前記樹脂パターンをマスクとして、前記ガラス基板のエッチングが可能なエッチャントで前記ガラス基板をエッチングにより所望の形状に切り抜く工程と、前記ガラス基板上に形成された前記樹脂パターンを除去する工程と、を有するので、製造工程が簡単であり、寸法精度や機械的強度に優れたガラス基材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るガラス基材は、板状のガラス基板の主表面上に、印刷法により、前記ガラス基板のエッチャントに対してエッチング耐性を有する樹脂パターンを形成し、前記樹脂パターンをマスクとして、前記ガラス基板のエッチングが可能なエッチャントで前記ガラス基板をエッチングにより所望の形状に切り抜き、前記ガラス基板上に形成された前記樹脂パターンを除去することにより得られる。
【0018】
本発明において、ガラス基板のエッチャントに対してエッチング耐性を有する樹脂パターンをガラス基板の主表面上に形成する際に印刷法を用いる。この樹脂パターンの膜厚は、ガラス基板のエッチャントに対して十分なエッチャント耐性を有する膜厚であれば任意に設定が可能であるが、一般にガラス基板のエッチャントに含まれるフッ酸などの酸溶液に対する耐性並びに樹脂パターンの無孔化、膜厚バラツキを考慮すると、厚膜にした方が好ましい。具体的な印刷法としては、印刷膜厚が20μm以上のパターンを形成することができる方法であれば良い。例えば、メッシュスクリーン印刷法、メタルスクリーン印刷法などのスクリーン印刷法を挙げることができる。
【0019】
樹脂パターンの材料は、ガラス基材をエッチングする際に使用するエッチャントに対して十分な耐性を有するものであれば適宜使用することが可能だが、一般にガラス基材のエッチャントに含まれるフッ酸などの酸溶液に対する耐性を考慮すると、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂を用いる場合、印刷法により、前記ガラス基材のエッチャントに対して耐性を有する熱硬化性樹脂パターンを形成する工程の後、前記熱硬化性樹脂パターンを熱処理する工程が加わる。
【0020】
この熱硬化性樹脂は、フッ酸を含む溶媒に対して耐性を有し、かつ、アルカリ性溶媒に対して溶解可能な材料であることが好ましい。このような材料としては、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系、アルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、レゾルシンーホルマリン樹脂系、ユリア樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、又はジアリルフタレート樹脂系などを挙げることができる。この中で、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はジアリルフタレート樹脂が特に好ましい。
【0021】
これらの熱硬化性樹脂パターンは、印刷後に熱処理を施すことにより熱硬化する。この熱処理の条件としては、熱硬化性樹脂の種類により異なるが、100℃〜250℃で1分〜60分である。
【0022】
樹脂パターンをマスクとしてガラス基板をエッチングするエッチング方法は、湿式エッチング(ウェットエッチング)、乾式エッチング(ドライエッチング)どちらでも構わない。加工コストを低くする点からは、ウェットエッチングが好ましい。ウェットエッチングに使用するエッチャントは、ガラス基材を食刻できるものであれば、何でも良い。好ましくは、フッ酸を主成分とする酸性溶液や、フッ酸に、硫酸、硝酸、塩酸、ケイフッ酸のうち少なくとも一つの酸を含む混酸などを用いることができる。また、ドライエッチングに使用するエッチャントは、ガラス基材を食刻できるものであれば何でも良いが、例えばフッ素系ガスを使用することができる。
【0023】
ガラス基板上に残存する樹脂パターンを除去する薬剤としては、NaOH(水酸化ナトリウム)、KOH(水酸化カリウム)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などの有機アルカリなどを用いることができる。
【0024】
ガラス基板としては、溶融ガラスから直接シート状に成形したもの、あるいは、ある厚さに成形されたガラス体を所定の厚さに切り出し、主表面を研磨して所定の厚さに仕上げたものなどを使用することができる。好ましくは、溶融ガラスから直接シート状に成形したものを使用することが好ましい。なぜなら、溶融ガラスから直接シート状に成形したガラス基板の主表面は、熱間成形された表面であり、極めて高い平滑性を有し、マイクロクラックのない表面状態を有するからである。溶融ガラスから直接シート状に成形する方法としては、ダウンドロー法、フロート法などが挙げられる。中でも、ダウンドロー法が好ましい。上述の高平滑性等の効果に加え、エッチング工程による外形加工を行う場合、ガラス基板の両主表面に形成されたレジストパターンをマスクにして、ガラス基材を両主表面からエッチングする際に、両主表面から均等にエッチングすることができるので、寸法精度もよく、ガラス基材の端面の断面形状も良好となるからである。ガラス基板の厚さは、0.3mm以上1.3mm以下であることが好ましい。
【0025】
ダウンドロー法によるガラス板成形が可能なガラスとしては、SiO、Al、LiO及び/又はNaOを含有したアルミノシリケートガラスが挙げられる。特に、アルミノシリケートガラスは、62重量%〜75重量%のSiO、5重量%〜15重量%のAl、4重量%〜10重量%のLiO、4重量%〜12重量%のNaO、及び5.5重量%〜15重量%のZrOを含有することが好ましく、さらに、NaO/ZrOの重量比が0.5〜2.0であり、さらにAl/ZrOの重量比が0.4〜2.5である組成とすることが好ましい。
【0026】
SiOは、ガラス骨格を形成する主要成分である。携帯端末、特に携帯電話用カバーガラスは、人肌に触れたり、水や雨水などが接触したりするなど非常に厳しい環境下で使用されるが、このような環境化においても十分な化学的耐久性を要する必要がある。SiOの割合は、前記化学的耐久性や、溶融温度を考慮すると、62重量%〜75重量%であることが好ましい。
【0027】
Alは、ガラス表面のイオン交換性能を向上させるため含有される。Alの割合は、化学的耐久性や、耐失透性を考慮して、5重量%〜15重量%であることが好ましい。
【0028】
LiOは、ガラス表層部でイオン交換処理浴中の主としてNaイオンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化する際の必須成分である。LiOの割合は、イオン交換性能や、耐失透性と化学的耐久性を考慮して、4重量%〜10重量%であることが好ましい。
【0029】
NaOは、ガラス表層部でイオン交換処理浴中のKイオンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化する際の必須成分である。NaOの割合は、前記機械的強度や、耐失透性、化学的耐久性を考慮して、4重量%〜12重量%であることが好ましい。
【0030】
ZrOは、機械的強度を高める効果がある。ZrOの割合は、化学的耐久性や、均質なガラスを安定して製造することを考慮して、5.5重量%〜15重量%であることが好ましい。
【0031】
また、上述のアルミノシリケートガラスは、イオン交換処理により化学強化してガラス表面に圧縮応力層を形成することで機械的強度をさらに高めることが可能である。化学強化されたガラスとは、ガラスを構成するアルカリ金属イオンを、それよりもサイズが大きいアルカリ金属イオンで、イオン交換により置換することで強化されたガラスをいう。なお、アルミノシリケートガラスの代わりに、他の多成分系ガラスを用いても良い。また、ガラス基材として必要な透明性が確保されるのであれば、結晶化ガラスを用いても良い。
【0032】
また、イオン交換処理条件としては、硝酸カリウム(KNO)の単塩、硝酸ナトリウム(NaNO)の単塩、及び硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを任意の重量比で混合した混合塩を使用しても良く、温度は350℃〜450℃、時間は1時間〜20時間の範囲で選択すれば良い。
【0033】
なお、得られたガラス基材の機械的強度は、3点抗折強度(3点曲げ強さ)で5000kgf/cm以上が好ましく、さらに好ましくは、7000kgf/cm以上、最も好ましくは、10000kgf/cm以上であることが望ましい。
【0034】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。以下に示す実施例では、ガラス基材として携帯端末用カバーガラスを例に挙げて説明する。
【0035】
(実施例1)
まず、SiOを63.5重量%、Alを8.2重量%、LiOを8.0重量%、NaOを10.4重量%、ZrOを11.9重量%含むアルミノシリケートガラスをダウンドロー法により、板厚0.5mmの板状のガラス基板(シート状ガラス)に成形した。このダウンドロー法により形成されたシート状ガラスの主表面の表面粗さ(算術平均粗さRa)を、原子間力顕微鏡により調べたところ0.2nmであった。
【0036】
次いで、シート状ガラスの両主表面上に、メッシュスクリーン印刷法により携帯端末用カバーガラス形状のフェノール系熱硬化性樹脂パターンを厚さ20μmで形成し、このフェノール系熱硬化性樹脂パターンに対して200℃で15分のベーキング処理を施した。
【0037】
次いで、フェノール系熱硬化性樹脂パターンをマスクにして、エッチャントとしてフッ酸(15%)と硫酸(24%)の混酸水溶液(40℃)を用いて、シート状ガラスを両主表面側から被エッチング領域をエッチングして所定の形状に切り抜いた。その後、NaOH溶液を用いてガラス上に残存したフェノール系熱硬化性樹脂を溶解させてガラスから剥離し、リンス処理を行った。このようにして実施例1の携帯端末用カバーガラス(以下、単にカバーガラスと称す。)を得た。また、このカバーガラスに対して、硝酸ナトリウム(NaNO)と硝酸カリウム(KNO)の比率(NaNO:KNO)を、重量比4:6で混合した熔融塩中で、380℃、2時間浸漬して、イオン交換処理して化学強化を行った。得られたカバーガラスについて、化学強化前後の抗折強度測定を行った。その結果を下記表1に示す。
【0038】
なお、抗折強度測定は、図1(a)に示すように、ガラス基材1であるカバーガラスを一定距離に配置された2支持体(支点)2,3上に置き、支持体2,3間の中央の1点に荷重体4を介して荷重Pを加えて、破壊したときの最大曲げ応力を測定することにより行った。この3点曲げ強さは、支点間距離、基板幅、基板厚さに依存するため、次式により規格化を行った。
σ=(3PL)/(2wt
ここで、σは3点曲げ強さ(kgf/cm)を示し、Pはガラス基材(カバーガラス)が破壊したときの最大荷重(kgf)を示し、Lは支持体2,3間距離(cm)を示し、wは図1(b)に示すようにガラス基材(カバーガラス)幅(cm)を示し、tは図1(b)に示すようにガラス基材(カバーガラス)の厚さ(cm)を示す。
【0039】
(実施例2)
実施例1と同じシート状ガラスの両主表面上にメッシュスクリーン印刷法により、携帯端末用カバーガラス形状の不飽和ポリエステル樹脂パターンを厚さ30μmで形成した以外は実施例1と同様にして携帯端末用カバーガラスを作製した。得られたカバーガラスについて、化学強化前後の抗折強度測定を行った。その結果を下記表1に併記する。
【0040】
(実施例3)
実施例1と同じシート状ガラスの両主表面上にメッシュスクリーン印刷法により、携帯端末用カバーガラス形状のジアリルフタレート樹脂パターンを厚さ25μmで形成した以外は実施例1と同様にして携帯端末用カバーガラスを作製した。得られたカバーガラスについて、化学強化前後の抗折強度測定を行った。その結果を下記表1に併記する。
【0041】
(実施例4)
実施例1と同じシート状ガラスの両主表面上にメタルスクリーン印刷法により、携帯端末用カバーガラス形状のフェルール系樹脂パターンを厚さ40μmで形成した以外は実施例1と同様にして携帯端末用カバーガラスを作製した。得られたカバーガラスについて、化学強化前後の抗折強度測定を行った。その結果を下記表1に併記する。
【0042】
(比較例1)
実施例1と同じシート状ガラスを携帯端末用カバーガラス形状に機械加工により切り抜き、その後実施例1と同様にして化学強化を行って携帯端末用カバーガラスを作製した。得られたカバーガラスについて、化学強化前後の抗折強度測定を行った。その結果を下記表1に併記する。
【表1】

【0043】
表1から分かるように、実施例1〜実施例4のガラス基材は、3点抗折強度(3点曲げ強さ)が5000kgf/cm以上で機械的強度が高いものであった。これは、ガラス端面がエッチング面であるので、その表面粗さが小さく、切り抜き面に数十μm〜数百μm程度のマイクロクラックが存在していないからであると考えられる。一方、比較例1のガラス基材は、ガラス端面が機械加工面であるので、切り抜き面に数十μm〜数百μm程度のマイクロクラックが存在しているからであると考えられる。
【0044】
本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態における材料や処理手順などは一例であり、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の方法により得られたガラス基材は、携帯電話、PDAなどの携帯端末装置やディジタルスチルカメラの保護に用いられるカバーガラスや、携帯機器の本体に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】抗折強度測定装置を説明するための図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ガラス基材
2,3 支持体
4 荷重体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のガラス基板の主表面上に、印刷法により、前記ガラス基板のエッチャントに対してエッチング耐性を有する樹脂パターンを形成する工程と、前記樹脂パターンをマスクとして、前記ガラス基板のエッチングが可能なエッチャントで前記ガラス基板をエッチングにより所望の形状に切り抜く工程と、前記ガラス基板上に形成された前記樹脂パターンを除去する工程と、を有することを特徴とするガラス基材の製造方法。
【請求項2】
前記印刷法は、メッシュスクリーン印刷法又はメタルスクリーン印刷法であることを特徴とする請求項1記載のガラス基材の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂パターンは、フッ酸を含む溶媒に対して耐性を有し、かつ、アルカリ性溶媒に対して溶解可能な材料であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガラス基材の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂パターンは、熱硬化性樹脂からなる材料であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガラス基材の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂パターンは、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びジアリルフタレート樹脂からなる群より選ばれた材料であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガラス基材の製造方法。
【請求項6】
前記ガラス基板は、SiO、Al、LiO及びNaOからなる群から選ばれた少なくとも一つを含有したアルミノシリケートガラスであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のガラス基材の製造方法。
【請求項7】
前記ガラス基板上に形成された前記樹脂パターンを除去した後、該ガラス基板をイオン交換処理により化学強化処理する工程を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のガラス基材の製造方法。
【請求項8】
前記ガラス基材が携帯端末装置の表示画面の保護に用いられるカバーガラスであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のガラス基材の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−6644(P2010−6644A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168213(P2008−168213)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】