説明

ガラス板、その製法、並びにそれを使用したディスプレイデバイス及びタッチセンシティブディスプレイ

【課題】ガラス板の強度及び耐クラック性を高める。
【解決手段】ガラス板は、透明ガラスベースのエレメント及び高重合体プラスチック膜を含む。透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部が、高重合体プラスチック膜で縁取られており、高重合体プラスチック膜は、液体状態において少なくとも一部で毛管作用を起こし、凝固後に透明ガラスベースのエレメントと緊密に結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化構造を備えたガラス板及びその製法に関する。本発明はまた、開示のガラス板を使用するディスプレイデバイス及びタッチセンシティブディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチセンシティブディスプレイがますます一般的になりつつある。設計構造において、接触又は加圧が原因の損傷を低減するための保護カバーとして、LCD又はタッチセンシティブディスプレイの表面上に透明ガラス基板が形成される。さらに、タッチセンシティブディスプレイは、タッチセンシティブ機能を備えた別の透明ガラス基板も有する。したがって、ガラスの保護が重要なので、多くの製造者は、透明ガラス基板の強化技術の開発に次第に焦点を合わせている。
【0003】
透明ガラスパネルの製造法では通常、LCD製造者又はタッチセンシティブディスプレイ製造者の製品要求を満たすために、小さな透明ガラスパネルが、大きな透明ガラスパネルから切断される。ホイールスクライビング及び破断技術、並びにレーザースクライビング及び破断技術は、従来のダイレクトカット技術である。しかし、小さな透明ガラス基板の切り口は通常、破損及びチッピングなどのいくらかの欠陥と共に形成される。これらの欠陥は、透明ガラス基板の強度を低下させるだけでなく、後の積層プロセスの間に深刻な問題の原因となるであろう。
【0004】
上述の問題を解決するために、コンピュータ数値制御(CNC)製造法が導入されて、ダイレクトカット技術により生じる欠陥が回避されている。当業者であれば、CNC製造法は、やはりある種の破壊的な切断製造法であり、同様に透明ガラス基板の表面強度を低下させることを承知しているであろう。だが、CNC製造法により生じる損傷は、ダイレクトカット技術によるものよりは少ない。しかし、大型の透明ガラス基板がCNC製造工程を経た後には、小型透明ガラスパネルの強度は、高温試験、高湿度試験並びに高温及び低温変化試験などの信頼性試験をした場合、大幅に低下しているであろう。
【0005】
加えて、いったん透明ガラスパネルがエレクトロニクス製品(LCD又はタッチセンシティブディスプレイなど)に組み込まれると、透明ガラスパネルは、衝突が原因の損傷を避けるには、エレクトロニクス製品の結合する機械部品に頼ることしかできない。したがって、LCD又はタッチセンシティブディスプレイの透明ガラス基板の強度を高める必要性に基づき、ガラス強化の開発を進めることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の問題を考慮して、本発明は、周囲位置でのガラスベースのエレメントの脆弱な特性に基づいて、ガラスベースのエレメントの周囲位置を強化することを目的とし、例えば、製造されたガラス板を、その強度及び耐クラック性を高めるために、外周面の少なくとも一部についてプラスチック膜で縁取ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施形態は、ガラス板の提供である。このガラス板は、透明ガラスベースのエレメント及び高重合体プラスチック膜を含む。透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部を、この高重合体プラスチック膜で縁取る。
【0008】
本発明の他の実施形態は、ガラス板の提供である。このガラス板は、透明ガラスベースのエレメント及び高重合体プラスチック膜を含む。透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部は、この高重合体プラスチック膜で縁取られ、かつ液体状態では少なくとも一部で毛管作用を起こす。この高重合体プラスチック膜は、透明ガラスベースのエレメント上で凝固した後には、透明ガラスベースのエレメントと緊密にかつしっかりと結合する。同じプロセスが、任意の形状、例えば正方形、三角形、円形、長方形又は台形の透明ガラスベースのエレメントに、強化のために適用できる。
【0009】
本発明の他の実施形態は、ガラス板を製造する方法の提供である。この方法は、透明ガラスベースのエレメントを用意するステップと、次に透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部を液体状態の高重合体プラスチック膜で縁取るステップと、この高重合体が少なくとも一部で毛管作用を起こすステップと、高重合体プラスチック膜を凝固させて高重合体プラスチック膜を透明ガラスベースのエレメントに緊密にかつしっかりと結合させるステップとを含む。
【0010】
本発明の他の実施形態は、ディスプレイデバイスの提供である。このディスプレイデバイスは、ディスプレイモジュール及びガラス板を含む。ガラス板は、透明ガラスベースのエレメント及び高重合体プラスチック膜を含み、ディスプレイモジュールの上面に配置される。透明ガラスベースのエレメントは、カバーガラスである。カバーガラスの外周面の少なくとも一部は、液体状態の高重合体プラスチック膜で縁取られ、高重合体プラスチック膜は、少なくとも一部で毛管作用を起こし、カバーガラス上で凝固された後にカバーガラスと緊密にかつしっかりと結合する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、タッチセンシティブディスプレイの提供である。このタッチセンシティブディスプレイは、ディスプレイモジュール及びガラス板を含む。ガラス板は、透明ガラスベースのエレメント及び高重合体プラスチック膜を含み、ディスプレイモジュールの上面に配置される。透明ガラスベースのエレメントは、タッチパネルガラスである。タッチパネルガラスの外周面の少なくとも一部は、液体状態の高重合体プラスチック膜で縁取られ、高重合体プラスチック膜は、少なくとも一部で毛管作用を起こし、タッチパネルガラス上で凝固された後にタッチパネルガラスと緊密にかつしっかりと結合する。
【0012】
本発明によって提供される効果に関して、製造者は、透明ガラスベースのエレメントの材料を変える必要はないが、任意の形状の透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部を高重合体プラスチック膜で縁取る必要があり、そうすることで高重合体プラスチック膜は、透明ガラスベースのエレメントでの切断プロセスが原因の破損及びチッピングを効果的に修復することができる。さらに、破砕、落下及び圧力などの環境試験でのガラス板の耐久性を高めることもできる。
【0013】
上記の記載、下記の記載及び添付の図面は、全て技術を説明するために提供されており、本発明が、上述の目的及び効果を達成していることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明によるガラス板の実施形態の概略上面図である。
【図1B】本発明によるガラス板の実施形態の概略側面図である。
【図1C】図1Aの平面A−Aに沿った概略断面図である。
【図2】本発明によるガラス板を製造する方法の実施形態のフローチャートである。
【図3】本発明によるディスプレイデバイスの実施形態の概略断面図である。
【図4】本発明によるタッチセンシティブディスプレイの第1の実施形態の概略断面図である。
【図5】本発明によるタッチセンシティブディスプレイの第2の実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、強度が高められたガラス板に関し、このガラス板は、強度及び耐クラック性を高めるために高重合体プラスチック膜によって縁取られた透明ガラスベースのエレメントである。本発明のガラス板は、移動通信装置、ポータブルメディアプレーヤ、全地球位置測定システム、デジタルカメラ、携帯情報端末、ノートブック型パソコン及びタブレット型PCなどの3Cエレクトロニクス製品のディスプレイデバイス又はタッチセンシティブディスプレイに適用される。
【0016】
本発明によるガラス板の実施形態が示されている図1A、図1B及び図1Cを同時に参照する。図示のとおり、本実施形態は、透明ガラスベースのエレメント11及び高重合体プラスチック膜12を含むガラス板1を提供する。ここで、透明ガラスベースのエレメント11は、正方形、三角形、円形、長方形、台形などの様々な形状を形成するために、切断、エッジ研磨、エッチング、被覆及び表面処理などの1つ以上の製造プロセスを既に経ていてもよい。
【0017】
さらに、透明ガラスベースのエレメント11はまた、積層プロセスによって加工された多層の透明ガラスベースのエレメント11であってもよい。言い換えると、透明ガラスベースのエレメント11は、様々な製造プロセスを経て形成され得る。例えば、透明ガラスベースのエレメント11は、タッチパネルガラス、カバーガラスなどであってもよい。
【0018】
液体状態の高重合体プラスチック膜12で、透明ガラスベースのエレメント11の外周面の少なくとも一部を縁取る。本実施形態及び下記の実施形態では、透明ガラスベースのエレメント11は長方形の形状を有するように設計されており、透明ガラスベースのエレメント11の周囲が、高重合体プラスチック膜12で縁取られる。言い換えると、高重合体プラスチック膜12で、透明ガラスベースのエレメント11の外周面の四辺全てを縁取りしている。
【0019】
実際の設計では、高重合体プラスチック膜12の材料は、これらに限定されないが、加熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤及び湿気硬化型接着剤などの硬化型の液体接着剤の種類にすることができる。詳細には、高重合体プラスチック膜12の材料は、低分子量単位が多数集合した分子を含む。例えば、フリーラジカルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、2液型エポキシ樹脂、デュアルカチオンエポキシ樹脂、エポキシアクリル樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリイミド又はメラミンホルムアルデヒド樹脂である。これにより、液体状態の高重合体プラスチック膜12は、透明ガラスベースのエレメント11上で毛管作用を起こし、透明ガラスベースのエレメント11上で凝固した後に透明ガラスベースのエレメント11と緊密にかつしっかりと結合することになる。また、高重合体プラスチック膜12は、凝固する前に、切断プロセスの間に生じた透明ガラスベースのエレメント11に形成された破損及びチッピングを修復することができる。
【0020】
さらに、限定ではないが、射出成形法、ディスペンシング法、噴霧塗装法又はローラー塗装法を含む様々な縁取り手法で高重合体プラスチック膜12を与えて、透明ガラスベースのエレメント11の周囲を縁取ることができる。そして、高重合体プラスチック膜12の実際のカバー範囲は、ある条件を満たす。その条件とは、ガラス板1がエレクトロニクス製品に適用された際に、高重合体プラスチック膜12がガラス板1の可視域を妨げないことである。透明ガラスベースのエレメント11の少なくとも一部を高重合体プラスチック膜12で縁取ることについて、他には何の制限もない。
【0021】
ガラス板1の製法をより十分に説明するために、図1Aから図1Cを基に図2を参照する。図2には、本発明によるガラス板の製造方法の実施形態についてのフローチャートが示されている。図2で説明されるとおり、本実施形態は、ガラス板1を製造する方法を提供する。この方法は、最初に透明ガラスベースのエレメント11を用意するステップ(S201)と、次に透明ガラスベースのエレメント11の周囲を高重合体プラスチック膜12で縁取るステップ(S203)とを含み、高重合体プラスチック膜12は、凝固する前に透明ガラスベースのエレメント11上で毛管作用を起こし得る。言い換えると、高重合体プラスチック膜12は、凝固する前に、透明ガラスベースのエレメント11の破損部及びチッピング部に浸入し得る。
【0022】
ここで、本実施形態では、縁取り手法は、高重合体プラスチック膜12を使用して縁取るために、射出成形法、ディスペンシング法、噴霧塗装法又はローラー塗装法を採用することができる。当業者であれば、個々の具体的な手順により様々な縁取り手法を実施できることは理解し得る。例えば、噴霧塗装法では、噴霧塗装の前に透明ガラスベースのエレメント11の可視域を遮蔽物で覆うカバーステップが先行するであろう。
【0023】
最後に、高重合体プラスチック膜12が透明ガラスベースのエレメント11の周囲位置をしっかりと覆って固着するように、高重合体プラスチック膜12は凝固される(S205)。要するに、本実施形態によるガラス板1は、毛管作用によって切断が原因の欠陥(破損及びチッピングなど)を修復することができ、それにより透明ガラスベースのエレメント11は、劣化してさらに大きな破損又はクラックが生じることがない。さらに、凝固した高重合体プラスチック膜12は、透明ガラスベースのエレメントの周囲位置における脆弱性の欠点を効果的に改善し、耐クラック性を高めることができる。
【0024】
実際の設計を例にとると、本実施形態の透明ガラスベースのエレメント11がタッチパネルガラスである場合、製造されるガラス板1は、プラスチックの縁取りを備えたタッチパネルガラスになるであろう。
【0025】
図3には、本発明によるディスプレイデバイスの実施形態の断面概略図が示される。図示のとおり、本実施形態は、ハウジング20、ディスプレイモジュール21及びカバーガラス22(ミラーガラスなど)を含むディスプレイデバイス2を開示している。ハウジング20は、ディスプレイモジュール21及びカバーガラス22を保持するための収容部201を有する。ここでは、接着剤(図示せず)を介してディスプレイモジュール21の上面にカバーガラス22が配置及び積層されている。なお、種々のディスプレイデバイス2を構成するために、限定ではないが、ディスプレイモジュール21に液晶ディスプレイモジュール(LCDモジュール)、プラズマディスプレイモジュール及び陰極線管(ブラウン管)ディスプレイモジュール(CRTモジュール)を採用することができる。
【0026】
さらに図3を参照すると、本実施形態は、強度を高めたカバーガラス22を対象にし、それ故にカバーガラス22の周囲を高重合体プラスチック膜221で縁取る。したがって、ディスプレイデバイス2が組み立てられた時、カバーガラス22は、それ自体が耐クラック性を有し、ハウジング20の機械的保護への依存を軽減することができる。
【0027】
図4は、本発明によるタッチセンシティブディスプレイデバイスの第1の実施形態の断面概略図を示す。図示のとおり、第1の実施形態は、ハウジング30、ディスプレイモジュール31、タッチパネルガラス32及びカバーガラス33を含むタッチセンシティブディスプレイ3を開示している。ここで、ハウジング30は、下から順にディスプレイモジュール31、タッチパネルガラス32及びカバーガラス33を保持するための収容部301を有する。さらに、タッチパネルガラス32が、接着剤(図示せず)を介してディスプレイモジュール31の上面に配置及び積層され、カバーガラス33が別の接着剤(図示せず)を介してタッチパネルガラス32の上面に配置及び積層される。
【0028】
図4に示すとおり、第1の実施形態は、強度を高めたタッチパネルガラス32を対象とし、それ故にタッチパネルガラス32の周囲を高重合体プラスチック膜321で縁取る。したがって、タッチセンシティブディスプレイ3が組み立てられた時、タッチパネルガラス32は、それ自体が耐クラック性を有し、ハウジング30の機械的保護への依存を軽減することができる。
【0029】
さらに、タッチセンシティブディスプレイ3の実際の設計では、第1の実施形態は、強度を高めたカバーガラス33を対象とすることができる。カバーガラス33は、強度及び耐クラック性を高めるために、他の高重合体プラスチック膜(図示せず)でさらに縁取られることができる。
【0030】
図5は、本発明によるタッチセンシティブディスプレイの第2の実施形態の断面概略図を示す。図示のとおり、第2の実施形態は、第1の実施形態と類似したタッチセンシティブディスプレイ3を開示する。第2の実施形態のタッチセンシティブディスプレイ3は、収容部301を備えたハウジング30、ディスプレイモジュール31及びタッチパネルガラス32を含む点で相違する。加えて、タッチパネルガラス32は、タッチセンシティブデバイス3の支持及び保護ガラスとして設計されている。さらに、第2の実施形態もまた、強度を高めたタッチパネルガラス32を対象としており、このタッチパネルガラス32が、高重合体プラスチック膜321で縁取られている。即ち、ガラス板が全て縁取られている。そのガラス板が、タッチセンスとカバー保護との両方の機能を同時に実行できる。したがって、第1の実施形態と比較して、第2の実施形態は、カバーガラス33のコストを節約できる。
【0031】
最後に、本発明のガラス板が一般的な透明ガラスベースのエレメントよりも高い強度を有することをより十分に説明するために、いくつかの数値を下記の表1及び表2に記載する。これらの表は、第1の実験データ表及び第2の実験データ表であり、それぞれ種々の透明ガラスベースのエレメントの試験強度及び切断後の試験強度を示す。
【0032】
表1は、破壊係数(MOR)の試験結果を示す。表1は、一般的な透明ガラスベースのエレメント、並びにフリーラジカルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、2液型エポキシ樹脂及びデュアルカチオンエポキシ樹脂で別々に縁取られた種々の透明ガラスベースのエレメントを含む。
【0033】
【表1】

【0034】
表2は、MORの試験結果を示す。表2は、ダイレクトカット技術によって切断された透明ガラスベースのエレメント、コンピュータ数値制御(CNC)製造法によって切断された透明ガラスベースのエレメント、及びダイレクトカット技術によって切断され、本発明に従ってエポキシアクリル樹脂で縁取られた透明ガラスベースのエレメントを含む。
【0035】
【表2】

【0036】
表1及び表2の実験データで示されるとおり、一般的な透明ガラスベースのエレメントと比較すると、高重合体プラスチック膜で縁取られた透明ガラスベースのエレメントである本発明のガラス板は、強度を効果的に高めることができる。
【0037】
なお、本発明は、高重合体プラスチック膜の材料を限定しない。異なる材料の凝固条件は、厳密には同一ではない。例えば、フリーラジカルエポキシ樹脂は、光硬化型接着剤の一種であり、これは紫外線(UV線)によって直接凝固し得る。他の材料である2液型エポキシ樹脂は、熱硬化型接着剤の一種であり、その凝固条件は、15分以内にコーティングを完了し、24時間安定して置き、80℃で1時間加熱して凝固させることである。したがって、そのような種々の高重合体プラスチック膜の凝固条件は、それらの特性に依存することが分かる。もちろん製造者であれば、種々の設計要求(粘着性、硬度及び収縮率など)に応じて、凝固条件を変更することも可能である。
【0038】
まとめると、透明ガラスベースのエレメントの周囲を高重合体プラスチック膜で縁取る設計により、本発明は、透明ガラスベースのエレメントの成分を何も変える必要がない。この設計によって、周囲位置でのガラスベースのエレメントの脆弱性という欠点を克服し、その強度を高めることができる。本発明によって、切断が原因の破損及びチッピングを修復し、破砕試験、落下試験及び圧力試験などの様々な環境試験での耐久性を大幅に高めることができる。
【0039】
特定の実施形態を示して説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び置換がなされ得る。したがって、本発明は例示により説明されており、それらは限定ではないことが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 ガラス板
2 ディスプレイデバイス
3 タッチセンシティブディスプレイデバイス
11 透明ガラスベースのエレメント
12 高重合体プラスチック膜
20、30 ハウジング
21、31 ディスプレイモジュール
22、33 カバーガラス
32 タッチパネルガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明ガラスベースのエレメントと、
前記透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部を縁取るように構成された高重合体プラスチック膜と、
を含むガラス板。
【請求項2】
前記透明ガラスベースのエレメントが、多層の透明ガラスベースのエレメントである、請求項1に記載のガラス板。
【請求項3】
前記透明ガラスベースのエレメントが、タッチパネルガラス又はカバーガラスである、請求項1に記載のガラス板。
【請求項4】
前記高重合体プラスチック膜の材料が、硬化型の液体接着剤の一種である、請求項1に記載のガラス板。
【請求項5】
前記高重合体プラスチック膜が、前記透明ガラスベースのエレメントの外周面の四辺全てを縁取るように構成される、請求項1に記載のガラス板。
【請求項6】
透明ガラスベースのエレメントと、
前記透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部を縁取るように構成され、液体状態において少なくとも一部で毛管作用を起こし、凝固後に前記透明ガラスベースのエレメントと結合する高重合体プラスチック膜と、
を含むガラス板。
【請求項7】
ガラス板を製造する方法であって、
透明ガラスベースのエレメントを用意するステップと、
前記透明ガラスベースのエレメントの外周面の少なくとも一部を高重合体プラスチック膜で縁取るステップと、
液体状態の前記高重合体プラスチック膜が少なくとも一部で毛管作用を起こすステップと、
前記高重合体プラスチック膜を凝固させて前記透明ガラスベースのエレメントと結合させるステップとを含む方法。
【請求項8】
前記透明ガラスベースのエレメントが、タッチパネルガラス又はカバーガラスである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記縁取るステップが、射出成形法、ディスペンシング法、噴霧塗装法又はローラー塗装法である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記高重合体プラスチック膜が、硬化型の液体接着剤の一種である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
ディスプレイモジュールと、
請求項1に記載のガラス板と、
を含み、前記ガラス板が前記ディスプレイモジュールの上面に配置され、前記透明ガラスベースのエレメントがカバーガラスである、ディスプレイデバイス。
【請求項12】
ディスプレイモジュールと、
請求項1に記載のガラス板と、
を含み、前記ガラス板が前記ディスプレイモジュールの上面に配置され、前記透明ガラスベースのエレメントがタッチパネルガラスである、タッチセンシティブディスプレイ。
【請求項13】
前記ガラス板の上面に配置されているカバーガラスをさらに含む、請求項12に記載のタッチセンシティブディスプレイ。
【請求項14】
前記カバーガラスの外周面の少なくとも一部が、さらに別の高重合体プラスチック膜で縁取られている、請求項13に記載のタッチセンシティブディスプレイ。
【請求項15】
前記タッチパネルガラスが、前記タッチセンシティブディスプレイの支持及び保護ガラスである、請求項12に記載のタッチセンシティブディスプレイ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−111688(P2012−111688A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258668(P2011−258668)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(509205375)宸鴻科技(廈門)有限公司 (17)
【Fターム(参考)】