説明

キシリトール結晶粒子および他のポリオールを含有する粉末の製造方法

本発明は、キシリトール結晶粒子および他のポリオールを含有する粉末の製造方法に関し、この粉末は、キシリトールシロップと他のポリオールを含有する混合物を含有し、この乾燥固形分は95重量%以上であり、乾燥固形分に対して、キシリトール含有量は85から97.5重量%の範囲にあり、他のポリオールの含有量は少なくとも15から2.5重量%の範囲にある。本発明による方法は、該混合物を、同時に、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップと、キシリトール含有種晶とを、キシリトールベースの顆粒を含有する蓋無し回転容器中で分散させ、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップと、キシリトール含有種晶とを、該容器中に含有するキシリトール含有種晶の表面で混合し、該容器から、他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒を回収し、該顆粒中に含有した他のポリオールおよびキシリトールを結晶化することを含み、前記容器中の他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒は、該容器の回転によって移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キシリトール結晶粒子と、より低い比率の他のポリオールとを含有する粉末の連続製造方法に関する。
【0002】
“他のポリオール”なる表現は、本発明では、好ましくは、スレイトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ラクチトール、水素化イソマルツロース、グリセロール、および水素化デンプン加水分解物からなる群から選択されたポリオールであって、その単独物、または混合物を意味するものと理解される。
【0003】
より好ましくは、前記他のポリオールは、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、および水素化イソマルツロースからなる群から選択された、単独物、または混合物である。
【0004】
“より低い比率”なる表現は、本発明では、キシリトールの結晶粒子を含有する粉末中における、前記他のポリオールの含有量が、ポリオールの全量の2.5と15重量%の間、好ましくは、5から10重量%であることを意味するものと理解される。
【背景技術】
【0005】
キシリトールは、5つの炭素原子を有するポリオールであり、キシロースの水素化によって得られるものである。ポリオールは、特に吸ったり噛んだりする錠剤形態の、食品工業および薬理学的調製物において、砂糖代用品として、および/またはサポート物質として使用されている。
【0006】
結晶化キシリトールの製造方法は既に知られており、たとえば、キシリトールが豊富で十分に精製されたシロップ中で前記キシリトールを結晶化させることが挙げられる。したがって、比較的単一なサイズの四面体の単結晶が得られる。
【0007】
しかしながら、純粋なキシリトールは、製造方法に関係なく、圧縮特性が非常に低い。
【0008】
これらの特性を改善するために、従来技術においては、90重量%より多いキシリトール含有量を有し、全ポリオール含有分の残りは他のポリオール、たとえばソルビトールである、キシリトール粉末を製造することが提案されている。
【0009】
特許EP 528604では、ソルビトールのキシリトールに対する比率が50/50から97/3の間、好ましくは、65/35から95/5の間である、キシリトールとソルビトールの共結晶化を行うことが提案されている。
【0010】
これらの共結晶が50%よりも多いソルビトールを含む(キシリトールはこの場合、混合物の少数成分である)にもかかわらず、前記混合物は、いずれの場合も、格別な圧縮特性を示すわけではない。
【0011】
特許DE 19845339では、90重量%より多いキシリトールをソルビトールとともに共噴射する、または、前記混合物を流動床で顆粒化することが提案されている。
【0012】
その結果、スプレーすることによって顆粒化した純粋なキシリトールは、他の添加剤なしでは、直接的に錠剤化するのに適していないものであることがわかった。20kNの圧力下、約60Nの錠剤の硬度は、低すぎ、製造された錠剤は摩耗性が高すぎる。
【0013】
本分野の専門家にとっては、硬度は、実質的に、たとえば2重量%の量のカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いてキシリトールが顆粒化された場合にのみ、実用性が得られるものである。
【0014】
国際出願WO92/10168はまた、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液、ポリデキストロース溶液、または水素化マルトースシロップであってもよい、バインダーを使用することにより、細かく粉末化したキシリトールの湿式造粒からなる、直接的に圧縮可能なキシリトール顆粒の製造方法を記載している。最終乾燥工程は、必須である。したがって、0.1から5%のバインダーを含有する顆粒が得られる。
しかしながら、錠剤中に含有されたCMCが、官能特性に不利益な影響を及ぼす。
【0015】
特許FR 2336123はまた、錠剤の重量に対して、10から80重量%のキシリトールと、80から10重量%のポリオールのドライ混合物から、チュアブルタブレットを製造することを提案している。このポリオールはソルビトール、マンニトール、またはこれらの混合物であってもよい。
この特許出願の開示から、ポリオールは、キシリトールに対して少なくとも50重量%存在することが明らかである。したがって、キシリトールを、圧縮されるべき粉末の主成分として見なすことはできない。このような状況下、キシリトールに特有の全ての優位点を最適に得ることはできない。
【0016】
特許EP 329977は、ソルビトールシロップを用いて、非常に細かい粒径を有する結晶化キシリトール粉末を激しく撹拌しながら凝集させることにより、結合および希釈剤を提供するものであり、前記結合および希釈剤は、直接圧縮に使用可能であり、その顆粒は、0.1と1mmの間のサイズを有し、94から98重量%のキシリトールと、1から5重量%のソルビトールと、0から2重量%の他のポリオールと、1重量%より少ない量の水とを含有するものである。
この結合および希釈剤は、0.7から0.8g/mlのタッピングしたプロダクトのかさ密度を有する。
【0017】
予めキシリトールを粉末化して微粒子径を得て、低い固形分のソルビトールシロップを用いて凝集して、最後に粉末を乾燥させるという工程は、方法を簡素化するものではなく、実行コストが増加するさらなる操作となるものである。
【特許文献1】EP 528604
【特許文献2】DE 19845339
【特許文献3】WO92/10168
【特許文献4】FR 2336123
【特許文献5】EP 329977
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明のある特別な目的は、キシリトールの結晶粒子を他のポリオールとともに含有する粉末の製造方法を提供することであり、前記粒子は、前記欠点をあまり受けることなく、前記方法は、所望の特性を有するキシリトールの結晶粒子を含有する粉末を効果的に得ることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、非常に高い濃度のキシリトールを必要とせず、顆粒化/結晶化工程中、温度の正確な測定や制御を行う必要もない、キシリトールと他のポリオールの結晶粒子の製造方法を提供するものである。
【0020】
さらに、本発明の方法は、白下(massecuite)の形成を含まず、せん断力または混練力を適用することなく、キシリトールと他のポリオールの凝集混合物をキシリトールの融点より低い温度で成長させながら、単に、結晶化の誘発、凝集、およびコーティングを同時に行って、固形顆粒を形成するものである。
【0021】
本発明によれば、キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末の製造方法であって、少なくとも95重量%の固形分を有し、前記固形分に基づいて、85から97.5重量%のキシリトール含有量および、少なくとも15から2.5重量%の他のポリオールの含有量を有する、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを連続して混合することを含み、前記混合が、同時に、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを、キシリトールベースの顆粒を含有する蓋無し回転容器中で、キシリトールを含有する種晶を用いて、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを分散させ、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップおよびキシリトールを含有する種晶を前記容器中に含有するキシリトールベースの顆粒の表面で混合し、前記容器から前記他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒を回収し、前記顆粒中に含有した他のポリオールおよびキシリトールを結晶化することを含み、前記容器中の他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒が、前記容器の回転によって移動し続けている、製造方法が提供される。
【0022】
本発明の方法の実施中、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップは、好ましくは、細分化形態で、たとえば、液滴、小球、ジェット(jets)、またはジェットのグループの形態で、前記容器に導入される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
前記方法のある好ましい実施態様によれば、少なくとも95重量%の固形分を有する、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを、少なくとも80℃の温度に加熱し、連続的にキシリトールを含有する種晶とともに容器中で混合し、前記種晶/シロップ比、大きさ、回転軸の方向、および容器の回転速度が、容器から回収したプロダクトが100から10000μmの直径を有する顆粒の形態となるように選択される。
【0024】
本発明の方法は、水平方向に傾いていても良い回転軸を有する、蓋無しの回転容器と、容器内に設けられた領域に、容器を部分的に満たすより多い量(mass)を供給し、好ましくは上記形態に細分化されたキシリトールのおよび他のポリオールのシロップの一部とキシリトールを含有するいくつかの種晶をそこに分散する手段と、容器を部分的に満たす移動物(moving mass)の表面において、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップと、キシリトールを含有する種晶との混合を確実に行うための手段とを含有する装置において、行われる。
【0025】
キシリトールベースの顆粒は好ましくは、前記容器の出口においてオーバーフローすることによって回収される。容器からの顆粒の残存時間が、キシリトールのおよび他のポリオールの結晶化を確実にするのに十分であるような大きさを有する回転シリンダーに、前記顆粒を移送することによって、結晶化度をあげて、キシリトールベースの顆粒を成長させてもよい。これらの顆粒は、ついで、残存水分量を減少させるためにドライヤーに移送し、ついで、粉末化およびふるいにかけるための手段に移送されてもよい。
【0026】
本発明の方法の好ましい第1の実施態様によれば、商業的に入手可能なタイプのキシリトールおよびソルビトールシロップを製造することが可能であり、または、即席シロップを調製可能であり、この固形分は少なくとも95%であり、キシリトールの含有量が前記固形分に基づいて約95%であり、ソルビトールの含有量が前記固形分に基づいて約5%であり、前記シロップは、主に平底を有する蓋無しドラムまたはタンク形態の、蓋無し回転容器内に、約80℃の温度で分散される。前記蓋無し回転容器の回転軸は、水平面に25から45°傾いていても良い。
【0027】
本発明の方法の好ましい第2の実施態様によれば、少なくとも95%の固形分を有し、前記固形分に基づいて約85%のキシリトールの含有量と、前記固形分に基づいて約15%のソルビトールの含有量とを含有する、キシリトールおよびソルビトールシロップを即席に調製することが可能である。前記シロップは、主に平底を有する蓋無しドラムまたはタンク形態の、蓋無し回転容器内に、約80℃の温度で分散される。前記蓋無し回転容器の回転軸は、水平面に25から45°傾いていても良い。
【0028】
本発明の方法の好ましい第3の実施態様によれば、少なくとも95%の固形分を有し、前記固形分に基づいて約90%のキシリトールの含有量と、前記固形分に基づいて約10%のマルチトールの含有量とを含有する、キシリトールおよびマルチトールシロップを即席に調製することが可能である。前記シロップは、主に平底を有する蓋無しドラムまたはタンク形態の、蓋無し回転容器内に、約80℃の温度で分散される。前記蓋無し回転容器の回転軸は、水平面に25から45°傾いていても良い。
【0029】
空気噴霧ノズルが、優位には、パイロット規模造粒機中に、前記水性シロップをキシリトール含有種晶物質の回転床にスプレーするために、これら3つの好ましい実施態様において使用される。
【0030】
キシリトール含有種晶と、キシリトールおよびソルビトール(またはマルチトール)シロップからなる混合物中の重量比は、1/1である。
【0031】
混合は、前記容器を部分的に満たす移動物(moving mass)の表面において行われ、この移動物(movement)は、ピル製造機内のピルの質量に類似しており、次第に大きな顆粒が形成されると、最も大きな顆粒が移動物の表面に来る傾向にあることが観察されている。
【0032】
このようにして得られたキシリトールのおよび他のポリオールの顆粒を、ついで、結晶化度を増加させるために成長させる。
この成長工程は、空気流中、顆粒の融点より低い温度で、好ましくは5から85℃の温度で、1から20時間、顆粒を移動させながら行われても良い。
【0033】
顆粒化したプロダクトは、ついで、約1%以下である残存水分量を得るために、乾燥される。
【0034】
これら顆粒は、ついで、所望の粒子径に粉末化し、ついで、ふるいにかけて仕分けされる。ふるいにかけて除去された粒子は、優位には、前記容器に再利用されてもよく、他のポリオールおよびキシリトールを含有する種晶(seeds)として使用されてもよい。
【0035】
本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末のある非常に優位な特性は、以下に例解するような、テストBによる圧縮値が、80Nよりも大きく、好ましくは100Nよりも大きく、さらに好ましくは、150Nよりも大きい。
【0036】
テストBは、1%のステアリン酸マグネシウムと、本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子(粒子径カット:250−425μm)を含有する粉末0.9gを含む錠剤を得るために、Carver No.3619 13 mmペレットダイに18kニュートンの荷重をかけることによって、Carverプレス上に製造した錠剤サンプルの硬度を測定することからなる。硬度はニュートンで表される。
【0037】
錠剤の硬度は、錠剤テスター(Dr Schleuniger Pharmatronモデル6D錠剤テスター)において定められる。
【0038】
結果から、キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する、本発明による粉末は、高い硬度を有し、本出願会社の知るところではまだ記載されていないような高い硬度を有することがわかる。
【0039】
キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する、得られた粉末はまた、テストAによる、1分よりも低い、好ましくは、20および30秒5秒の間の、水中の溶解速度を有することによって、特徴付けられている。
【0040】
本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末の前記特徴、すなわち溶解時間を測定するために、テストAが行われる。
【0041】
テストAの第1工程は、マグネティックスターラープレート上に置かれた2000ml真空フラスコ中、マグネティックスターラーバー(長さ6.06cmおよび直径1.15cm)を用いて、20℃の水を脱気することからなる。前記バーの回転速度(200rpm)は、十分な撹拌ができるように調整される。真空は、溶解ガスの残存と同義である、泡が見えなくなるまで行われる。
【0042】
第2工程は、テストすべき粉末をふるいにかけることからなり、これによって、315と500μmの間の粒子径を有すフラクションを回収する。
【0043】
ついで、150gの脱気した水を、円筒マグネティックスターラーバー(長さ:45mmおよび直径:9,5mm)を含有する250mlの透明ガラスビーカー(外側直径70mm、高さ96mm)に入れる。
前記ビーカーは、200rpmの回転速度にセットした、ラボラトリーマグネティックスターラープレート上に置く。
【0044】
ついで、5gのふるいにかけた粉末をいれ、タイマーをスタートさせる。
【0045】
溶解が完了する(目に見えて検知できる粒子がない)と、タイマーを止め、経過時間を記載する。
【0046】
これらの条件下では、本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末は、一般的には、1分よりも低い溶解速度、好ましくは、20および30秒5秒の間の溶解速度を有する。
【0047】
本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末のかさ密度を測定するために、テストCを行う。
【0048】
テストCは、セット条件下、タッピングする前と後のかさ容積、タッピング適性、および得られた粉末のかさ密度を定めるために行われる。
【0049】
テストCの必須要件としては、100と1000μmの間の粒子径を有する粉末が得られるように、本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末を、粉末にして、ふるいにかける。
【0050】
装置は、J.Engelsmann AGから販売されているSTAV2003タップド容積計である。この容積計は、以下のものからなる。
−1分あたり、3mm0.2mmの高さから250液滴15液滴を生成可能である、タッピング機。接続装置を用いた、試験片サポートは、450g5gの質量を有するものでなければならない。
−2mlごとに目盛り付けられた250ml試験片。この質量は、220g40gでなければならない。
【0051】
0.5%の精度で秤量した100gのテストサンプルMを、タッピングしないで、乾燥試験片に導入する。試験片をサポートに取り付ける。1ml以内で測定されるタッピングする前のかさ容積Vを読み取る。
【0052】
10、500、および1250液滴を落とし、1ml以内で測定される相当する容積V10,V500,およびV1250を読み取る。
【0053】
かさ密度は、以下の表現によって、表される。
−タッピング前のかさ密度(ルースプロダクト(loose product)の密度として知られている)=100/タッピング前のかさ容積;および
−タッピング後のかさ密度(タッピングしたプロダクトの密度として知られている)=100/1250滴下後のかさ容積
【0054】
結果から、本発明によるキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末は、0.5と2g/mlの間、好ましくは、0.6と1g/mlの間のタッピング後のかさ密度を有することがわかる。
【0055】
本発明はまた、錠剤を製造するための、本発明による方法によって得ることが可能な粉末、または、本発明による粉末の使用にも関する。
【0056】
以下の実施例は、本発明の方法を用いて、キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末の調製を例解するものである。
【実施例1】
【0057】
固形分に基づいて、95%のキシリトール含有量と、5%のソルビトール含有量を有する溶液を、95%の固形分を有するキシリトールおよびソルビトールシロップを得るために、蒸発容器に入れた。
このキシリトールおよびソルビトールシロップを、約80℃の温度の保存タンクに置き、ノズルによる小球形態の分散を確保するために、ポンプで連続的に取り出した。
【0058】
キシリトールおよびソルビトールシロップの分散と同時に、さらなる種晶物質を連続してパイロットスケールの造粒機に導入して、1部のキシリトールおよびソルビトールシロップあたり、約1部の種晶の、種晶/シロップ比率とした。
【0059】
種晶は、生成した固体化材料のあるフラクションを連続再利用することによって、得られた。
【0060】
最初の造粒用種晶には、いかなる結晶キシリトール固体粒子も使用可能である。
造粒機の温度制御には、格別な取り組みは行わなかった。
【0061】
造粒機は、約6.5rpmの速度で回転し、その傾きは30°であり、約500μmかた10000μmの平均直径を有する顆粒を得ることが可能であった。
【0062】
前記造粒工程後、前記顆粒を、成長装置(細長い回転ドラム)中、結晶化を完全にすることにより、60℃で成長させた。
【0063】
このようにして得られた成長した顆粒は、97.3/2.7のキシリトール/ソルビトール組成を有しており、約45℃の流動床中で乾燥し、ついで、粗い粉末化を行った。
【0064】
このように処理した顆粒は、残存水分が約0.27%である粉末形態であった。
乾燥粉末は、ついで、ふるいにかけられ、本発明によるキシリトールおよびソルビトールの結晶粒子を含有する粉末を形成した。
【0065】
テストAによって測定した溶解速度は、30秒であり、テストBによって定められた硬度は、130Nであった。
【0066】
以下の表Iは、テストCによって行われた測定結果を示す。
【0067】
【表1】

【0068】
ルースプロダクトのかさ密度は0.588g/mlであり、タッピングしたプロダクトのかさ密度は、0.676g/mlであった。
【実施例2】
【0069】
95%の固形分を有するキシリトールおよびソルビトールシロップを得るべく、固形分に基づいて、85%のキシリトール含有量と15%のソルビトール含有量を有する溶液を、蒸発容器中に入れた。
【0070】
このキシリトールおよびソルビトールシロップを、約80℃の温度の保存タンクに置き、ノズルによる小球形態の分散を確保するために、ポンプで連続的に取り出した。
【0071】
キシリトールおよびソルビトールシロップの分散と同時に、さらなる種晶物質を連続してパイロットスケールの造粒機に導入して、1部のキシリトールおよびソルビトールシロップあたり、約1部の種晶の、種晶/シロップ比率とした。
【0072】
種晶は、生成した固体化材料のあるフラクションを連続再利用することによって、得られた。
【0073】
最初の造粒用種晶には、いかなる結晶キシリトール固体粒子も使用可能である。
造粒機の温度制御には、格別な取り組みは行わなかった。
【0074】
造粒機は、約6.5rpmの速度で回転し、その傾きは30°であり、約500μmかた10000μmの平均直径を有する顆粒を得ることが可能であった。
【0075】
前記造粒工程後、前記顆粒を、オーブン中、60℃で30から40分間、成長させた。
【0076】
このようにして得られた成長した顆粒は、90/10のキシリトール/ソルビトール組成を有しており、約45℃の空気を用いた流動床中で乾燥し、ついで、粗い粉末化を行った。
【0077】
このように処理した顆粒は、残存水分が約0.41%である粉末形態であった。
乾燥粉末は、ついで、ふるいにかけられ、本発明によるキシリトールおよびソルビトールの結晶粒子を含有する粉末を形成した。
【0078】
テストAによって測定した溶解速度は、20秒であり、テストBによって定められた硬度は、170Nであった。
【0079】
以下の表IIは、テストCによって行われた測定結果を示す。
【0080】
【表2】

【0081】
ルースプロダクトのかさ密度は0.645g/mlであり、タッピングしたプロダクトのかさ密度は、0.746g/mlであった。
【実施例3】
【0082】
95%の固形分を有するキシリトールおよびマルチトールシロップを得るべく、固形分に基づいて、85%のキシリトール含有量と15%のマルチトール含有量を有する溶液を、蒸発容器中に入れた。
【0083】
このキシリトールおよびマルチトールシロップを、約80℃の温度の保存タンクに置き、ノズルによる小球形態の分散を確保するために、ポンプで連続的に取り出した。
【0084】
キシリトールおよびマルチトールシロップの分散と同時に、さらなる種晶物質を連続してパイロットスケールの造粒機に導入して、1部のキシリトールおよびマルチトールシロップあたり、約1部の種晶の、種晶/シロップ比率とした。
【0085】
種晶は、生成した固体化材料のあるフラクションを連続再利用することによって、得られた。
【0086】
最初の造粒用種晶には、いかなる結晶キシリトール固体粒子も使用可能である。
造粒機の温度制御には、格別な取り組みは行わなかった。
【0087】
造粒機は、約6.5rpmの速度で回転し、その傾きは30°であり、約500μmかた10000μmの平均直径を有する顆粒を得ることが可能であった。
【0088】
前記造粒工程後、前記顆粒を、オーブン中、70℃で30から40分間、成長させた。
【0089】
このようにして得られた成長した顆粒は、90/10のキシリトール/マルチトール組成を有しており、約45℃の空気を用いた流動床中で乾燥し、ついで、粗い粉末化を行った。
【0090】
このように処理した顆粒は、残存水分が約0.37%である粉末形態であった。
乾燥粉末は、ついで、ふるいにかけられ、本発明によるキシリトールおよびマルチトールの結晶粒子を含有する粉末を形成した。
【0091】
テストAによって測定した溶解速度は、23秒であり、テストBによって定められた硬度は、95Nであった。
【0092】
以下の表IIIは、テストCによって行われた測定結果を示す。
【0093】
【表3】

【0094】
ルースプロダクトのかさ密度は0.794g/mlであり、タッピングしたプロダクトのかさ密度は、0.926g/mlであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末の製造方法であって、少なくとも95重量%の固形分を有し、前記固形分に基づいて、85から97.5重量%のキシリトール含有量および、少なくとも15から2.5重量%の他のポリオールの含有量を有する、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを連続して混合することを含み、前記混合が、同時に、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを、キシリトールベースの顆粒を含有する蓋無し回転容器中で、キシリトールを含有する種晶を用いて、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを分散させ、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップおよびキシリトールを含有する種晶を前記容器中に含有するキシリトールベースの顆粒の表面で混合し、前記容器から前記他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒を回収し、前記顆粒中に含有した他のポリオールおよびキシリトールを結晶化することを含み、前記容器中の他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒が、前記容器の回転によって移動し続けている、製造方法。
【請求項2】
前記他のポリオールが、スレイトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ラクチトール、水素化イソマルツロース、グリセロール、および水素化デンプン加水分解物からなる群から選択された、単独物、または混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記他のポリオールが、好ましくは、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、および水素化イソマルツロースからなる群から選択された、単独物、または混合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記キシリトールのおよび他のポリオールのシロップが、前記容器に、細分化して導入される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記キシリトールのおよび他のポリオールのシロップが、液滴形態で導入される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記キシリトールのおよび他のポリオールのシロップが、ジェット形態で導入される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記容器の回転軸が、水平に対して傾いている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記他のポリオールおよびキシリトールベースの顆粒が、前記容器の出口でオーバーフローすることによって回収される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
100から10000μmの直径を有する顆粒が回収される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
95重量%の固形分を有する、キシリトールのおよび他のポリオールのシロップを、少なくとも80℃の温度に加熱し、連続的にキシリトールを含有する種晶と混合し、前記種晶/シロップ比、大きさ、回転軸の方向、および容器の回転速度が、容器から回収したプロダクトが100から10000μmの直径を有する顆粒の形態となるように選択される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記種晶/シロップ比が、1/1前後である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記容器が、主に平底を有する、蓋無しドラムまたはタンクの形態である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記容器の回転軸が、水平に対して25から45°の角度を形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
回収された他のポリオールのおよびキシリトールの顆粒を、結晶化度を上げるために、空気流中に顆粒を移動させながら、5から90℃の温度で1から20時間、顆粒を保持することによって、成長させる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
回収された成長したキシリトールのおよび他のポリオールの顆粒を、約1%以下の残存水分量を得るために、乾燥し、次いで粉末にする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法によって得ることが可能な、キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末。
【請求項17】
80Nよりも大きく、好ましくは100Nよりも大きく、さらに好ましくは150Nよりも大きい、テストBによる硬度を有する、キシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末。
【請求項18】
前記他のポリオールが、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、および水素化イソマルツロースからなる群から選択された、単独物、または混合物である、請求項17に記載の粉末。
【請求項19】
1分よりも少ない、好ましくは20と30秒5秒の間の、テストAによる水中溶解速度を有する、請求項16ないし18のいずれか1項に記載のキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末。
【請求項20】
0.5と2g/mlの間、好ましくは0.6と1g/mlの間の、テストCによって定めた、タッピングしたプロダクトのかさ密度を有する、請求項16ないし19のいずれか1項に記載のキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末。
【請求項21】
請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法によって得ることの可能な、または、請求項16ないし20のいずれか1項に記載のキシリトールのおよび他のポリオールの結晶粒子を含有する粉末を、錠剤を製造するために使用する使用。

【公表番号】特表2009−500379(P2009−500379A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519958(P2008−519958)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001507
【国際公開番号】WO2007/006885
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(592097428)ロケット・フルーレ (58)
【Fターム(参考)】