説明

キナゾリン化合物を有効成分とする医薬組成物

【課題】キナゾリン化合物を有効成分として含有する、がん等の細胞増殖阻害剤として有用な医薬組成物を提供すること。
【解決手段】下記式(I)で表されるキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。[式中、Rは、水素原子又は各種置換基を表し、R及びRは、一方の基が、−C(OH)(Ar)R(式中、Arは、アリール基又は芳香族複素環基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す)を表し、他方の基は、Rと同義である]
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キナゾリン化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関し、特に、がん等の細胞増殖阻害活性を有するキナゾリン化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記式(A)
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、Arは、フェニル基又は塩素原子、臭素原子若しくはメトキシ基で置換されたフェニル基又はフリル基を表し、Rは、メチル基、フェニル基又はベンジル基を表し、Rは、水素原子又はフェニル基を表す)
で表わされるα,α−ジ置換−4−キナゾリンメタノール化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)が、その薬理活性については知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Chem.Pharm.Bull.、46、199−206(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、ある種のキナゾリン化合物を含有する医薬組成物、特にがん等の細胞増殖阻害剤として有用な医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、これまでに合成した様々な化合物の薬理作用についてスクリーニングを続けた結果、少なくともアリール基又は芳香族複素環基等で置換されたα−置換−又はα,α−ジ置換−ヒドロキシメチル基を置換基として有するある種のキナゾリン化合物にがん等の細胞増殖阻害作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1) 式(I)
【化2】

{式中、
は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基、COR11(式中、R11は、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基又は置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基を表す)、COOR12(式中、R12は、前記R11と同義である)、C(=Q)NR1314[式中、Qは、酸素原子、硫黄原子又はNR15(式中、R15は、前記R11と同義である)を表し、R13及びR14は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基、又は、R13とR14が一緒になって、含窒素複素環基を表す]、OR16(式中、R16は、前記R11と同義である)、OCOR17(式中、R17は、前記R11と同義である)、S(O)pR18(式中、pは、0、1又は2を表し、R18は、前記R11と同義である)、SONR1920(式中、R19及びR20は、同一又は異なって、それぞれ前記R13及びR14と同義である)、NR2122[式中、R21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基、COR23(式中、R23は、前記R11と同義である)、COOR24(式中、R24は、前記R11と同義である)、SO25(式中、R25は、前記R11と同義である)、又は、R21とR22が一緒になって、含窒素複素環基を表す]、N(R26)C(=Q)NR2728[式中、Qは、酸素原子、硫黄原子、NR29(式中、R29は、前記R11と同義である)、NCN、CHNO又はC(CN)を表し、R26は、前記R11と同義であり、R27及びR28は、同一又は異なって、それぞれ前記R13及びR14と同義である]、N(R30)SONR3132(式中、R30は、前記R11と同義であり、R31及びR32は、同一又は異なって、それぞれ前記R13及びR14と同義である)、SiR333435(式中、R33、R34及びR35は、同一又は異なって、前記R11と同義である)、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、
及びRは、一方の基が、
【化3】

(式中、Arは、置換若しくは非置換アリール基又は置換若しくは非置換芳香族複素環基を表し、Rは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基を表す)
を表し、他方の基は、前記Rと同義であり、
mは、0〜4の整数を表す}
で表わされるキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、
(2) 式(I)で表わされる化合物が下記式(Ia)
【化4】

(式中、R、R、R、Ar及びmは、前記と同義である)
で表わされるキナゾリン化合物であることを特徴とする上記(1)記載の医薬組成物や、
(3) Arが置換フェニル基を、Rがメチル基であることを特徴とする上記(2)記載の医薬組成物や、
(4) 置換フェニル基の置換基が、アルコキシ基又はアルキルチオ基であるであることを特徴とする上記(3)の医薬組成物や、
(5) アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基を、アルキルチオ基がメチルチオ基であることを特徴とする上記(4)記載の医薬組成物や、
(6) Rが水素原子、置換若しくは非置換フェニル基、フリル基、トリクロロメチル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリルオキシ基、ジメチルアミノ基、モルホリノ基又はクロロ基であることを特徴とする上記(2)〜(5)のいずれか記載の医薬組成物や、
(7) 置換フェニル基の置換基がクロロ基を、アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基を、アルキルチオ基がメチルチオ基であることを特徴とする上記(6)記載の医薬組成物や、
(8) R及びRが水素原子を、Rがメチル基を、Arが4−メトキシフェニル基であることを特徴とする上記(2)記載の医薬組成物や、
(9) 式(I)で表わされる化合物が下記式(Ib)
【化5】

(式中、R、R、R、Ar及びmは、前記と同義である)
で表わされるキナゾリン化合物であることを特徴とする上記(1)記載の医薬組成物に関する。
【0010】
さらに、本発明は、
(10) 上記(1)〜(9)のいずれか記載の式(I)で表わされるキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖阻害剤や、
(11) 細胞が、がん細胞であることを特徴とする上記(10)記載の細胞増殖阻害剤に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、がん細胞等に対して優れた増殖阻害活性を有している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の医薬組成物として使用される化合物(I)における各基の定義の具体例を示すが、これらは本発明の好ましい例を示すものであって、勿論これらによって限定されるものではない。
【0013】
アルキル基並びにアルコキシ基及びアルキルチオ基におけるアルキル部分は、例えば、直鎖又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。
【0014】
シクロアルキル基は、飽和又は一部不飽和結合が存在してもよい3〜12員のシクロアルキル基であり、単環性或いは該単環性のシクロアルキル基が複数又はアリール基若しくは芳香族複素環基と縮合した多環性の縮合シクロアルキル基であってもよく、単環性のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜8の単環性シクロアルキル、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、1−シクロヘキセニル等が挙げられ、多環性のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数5〜12の多環性シクロアルキル、具体的には、ピナニル、アダマンチル、ビシクロ[3.3.1]オクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル等が挙げられる。
【0015】
アルケニル基は、例えば、直鎖又は分岐状の炭素数2〜12のアルケニル、具体的には、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、メタクリル、ブテニル、1,3−ブタジエニル、クロチル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、デセニル、ドデセニル等が挙げられる。
【0016】
アルキニル基は、例えば、直鎖又は分岐状の炭素数2〜12のアルキニル、具体的には、エチニル、プロパルギル、1−プロピニル、イソプロピニル、2−ブチニル、ペンチニル、2−ペンテン−4−イニル、ヘキシニル、ヘプチニル、デシニル、ドデシニル等が挙げられる。
【0017】
脂環式複素環基は、同一又は異なって、少なくとも1以上の異項原子、例えば、窒素、酸素、硫黄等を含み、飽和又は一部不飽和結合が存在してもよい3〜8員の脂環式複素環基であり、単環性或いは該単環性の複素環基が複数又はアリール基若しくは芳香族複素環基と縮合した多環性の縮合脂環式複素環基であってもよい。単環性の脂環式複素環基として、具体的には、アジリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、チオラニル、オキサゾリジル、チアゾリジニル、ピペリジノ、ピペリジル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、オキサチアニル、オキサジアジニル、チアジアジニル、ジチアジニル、アゼピニル、ジヒドロアゾシニル等が例示され、多環性の縮合脂環式複素環基として、具体的には、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、キヌクリジニル等を挙げることができる。
【0018】
脂環式複素環アルキル基は、その脂環式複素環部分は前記脂環式複素環基と同義であり、アルキル部分は前記アルキル基と同義であり、例えば、少なくとも1以上の異項原子を含む脂環式複素環アルキル、具体的には、ピロリジニルエチル、ピペリジノエチル、モルホリノエチル等を挙げることができる。
【0019】
アリール基は、例えば、炭素数6〜14のアリール、具体的には、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0020】
アラルキル基は、そのアリール部分は前記アリール基と同義であり、アルキル部分は前記アルキル基と同義であり、例えば、炭素数7〜15のアラルキル、具体的にはベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、フェニルシクロプロピル等を挙げることができる。
【0021】
芳香族複素環基は、同一又は異なって、少なくとも1以上の異項原子、例えば、窒素、酸素、硫黄等を含む5員又は6員の芳香族複素環基からなり、該複素環基は、単環性又は該単環性複素環基が複数又はアリール基と縮合した多環性の縮合芳香族複素環基、例えば、二環性若しくは三環性複素環基であってもよい。単環性の芳香族複素環基の具体例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル等が挙げられ、多環性の縮合芳香族複素環基としては、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリドピリミジニル、ピリミドピリミジニル、プテリジニル、アクリジニル、チアントレニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル等を挙げることができる。
【0022】
芳香族複素環アルキル基は、その芳香族複素環部分は前記芳香族複素環基と同義であり、アルキル部分は前記アルキル基と同義であり、例えば、少なくとも1以上の異項原子を含む芳香族複素環アルキル、具体的にはピリジルメチル、ピリジルエチル、フラニルメチル、チエニルメチル等を挙げることができる。
【0023】
含窒素複素環基としては、前記脂環式複素環基又は芳香族複素環基のうち、異項原子として少なくとも一つの窒素原子を含む複素環基であり、具体的には、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル等を挙げることができる。
【0024】
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
【0025】
また、これらの各基において位置異性体が存在する基は、すべての可能な位置異性体を表す。
【0026】
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、脂環式複素環基、脂環式複素環アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基、芳香族複素環アルキル基及び含窒素複素環基における置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、脂環式複素環基、脂環式複素環アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基、芳香族複素環アルキル基、OR、NR、S(O)tR(式中、tは、0、1又は2を表す)、COR、COOR、OCOR、CONR、NRCOR、NRCOOR、NRSO、C(=NR)NR、NRSONR、SONR、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、オキソ基及びチオキソ基から適宜選択される。ここで、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、脂環式複素環基、脂環式複素環アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基、芳香族複素環アルキル基等を表し、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR並びにR及びRは、一緒になって含窒素複素環基を形成してもよい。
【0027】
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、脂環式複素環基、脂環式複素環アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基、芳香族複素環アルキル基及び含窒素複素環基は、前記と同義である。
【0028】
また、置換基としてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、脂環式複素環基、脂環式複素環アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基、芳香族複素環アルキル基及び含窒素複素環基は、さらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記した置換基と同様のものが挙げられる。
【0029】
これら置換基の置換数としては、同一又は異なって、最大各基に存在する水素原子の数まで可能であるが、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
【0030】
式(I)で表される化合物の薬理学的に許容される塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の各無機酸塩、及び、有機酸としてのギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類が挙げられる。薬理学的に許容される金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩が、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の各塩が、薬理学的に許容される有機アミン塩としては、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、トルイジン等の各塩が、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩が挙げられる。
【0031】
次に、化合物(I)の製造法について説明する。
【0032】
製造法1
化合物(I)は、非特許文献1記載の方法に準じて、次の反応工程に従い製造することができる。
【0033】
【化6】

【0034】
[式中、Lは、ハロゲン原子を表し、Lは、MgX(式中、Xはハロゲン原子を表す)、ハロゲン原子、テトラメチルシリル基を表し、R、R、R、Ar及びmは、前記と同義である]
ここで、ハロゲン原子は前記と同義である。
【0035】
(工程1)
キナゾリンの4位をアロイル化した4−アロイルキナゾリン化合物(IVa)は、4−ハロゲン化キナゾリン化合物(IIa)とアルデヒド化合物(III)とを、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム、ヨウ化1−(2−エトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウム等の含窒素複素環カルベン(N−heterocyclic carbene)を触媒として、水素化ナトリウム等の塩基の存在下に反応させることにより得ることができる。
【0036】
(工程2)
4位にヒドロキシメチル基を有する目的化合物(Ia)は、化合物(IVa)にグリニャール試薬等の化合物(V)を反応させることにより得ることができる。
【0037】
(工程3)
キナゾリンの2位及び4位にアロイル基を有する2,4−ジアロイルキナゾリン化合物(IVb)は、Rがハロゲン原子(L)である化合物(IIa)に2当量以上の化合物(III)を工程1の方法に準じて反応させることにより得ることができる。
【0038】
(工程4)
化合物(IVb)は、工程1で得られるRがハロゲン原子(L)である化合物(IVa)から、工程1の方法に準じて得ることもできる。
【0039】
(工程5)
キナゾリンの2位及び4位が共にヒドロキシメチル基である化合物(Ic)は、化合物(IVb)に2当量以上の化合物(V)を工程2の方法に準じて反応させることにより得ることができる。
【0040】
(工程6)
2位がヒドロキシメチル基で、Rが水素原子である目的化合物(Ib)は、化合物(Ic)にシアン化カリウム、シアン化テトラブチルアンモニウム等のシアン化物イオンを作用させることにより得ることができる。
製造法2
【0041】
【化7】

【0042】
(式中、R、R、R、Ar、L、L及びmは、前記と同義である)
【0043】
(工程7)
キナゾリンの2位をアロイル化した2−アロイルキナゾリン化合物(IVc)は、2−ハロゲン化キナゾリン化合物(IIb)とアルデヒド化合物(III)とから、工程1の方法に準じて得ることができる。
【0044】
(工程8)
2位にヒドロキシメチル基を有する目的化合物(Ib)は、化合物(IVc)から工程2の方法に準じて得ることができる。
【0045】
製造法3
(工程9)
化合物(I)において、Rが水素原子である化合物は、上記化合物(IVa)又は(IVb)等で表わされるアロイルキナゾリン化合物(IV)を還元することにより得ることができる。
【0046】
【化8】

【0047】
(式中、Arは、前記と同義である)
還元に使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
【0048】
また、化合物(I)におけるR、R及びR等の各種置換基については、例えば、上記各製造法で得られる化合物(I)或いはその中間体におけるR〜Rがハロゲン原子(L)である化合物に求核試薬等を反応させることにより得ることもできる。
【0049】
上記各工程における反応は、適当な不活性溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、ピリジン、キノリン等の塩基性溶媒若しくはこれらの混合溶媒中、−78℃〜用いた溶媒の沸点の間の温度で、5分〜48時間反応させることにより得ることができる。
【0050】
上記各製造法において、定義した基が実施方法の条件下で変化するか又は方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入及び脱離方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T. W. Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1981年)参照]等を用いることにより目的化合物を得ることができる。また、各置換基に含まれる官能基の変換は、上記製造法以外にも公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations) 、R.C.ラロック(Larock)著(1989年)等]によっても行うことができ、化合物(I)の中には、これを合成中間体としてさらに別の誘導体(I)へ導くことができるものもある。
【0051】
上記各製造法における中間体及び目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
【0052】
化合物(I)の中には、異性体が存在し得るものがあるが、本発明は、全ての可能な異性体及びそれらの混合物を抗がん剤として使用することができる。
【0053】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な有機溶媒に溶解若しくは懸濁させ、酸又は塩基を加えて通常の方法により塩を形成させればよい。
【0054】
また、化合物(I)及びその薬理学的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明の医薬組成物として使用することができる。
【0055】
上記製造法によって得られる化合物(I)の具体例を表1〜表5に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
化合物(I)又はそれらの薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤とすることが望ましく、該医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種若しくは二種以上の担体と混合し、製剤学の常法により製造することができる。
【0062】
投与経路としては、経口投与又は吸入投与、静脈内投与などの非経口投与が挙げられる。
【0063】
投与形態としては、錠剤、注射剤などが挙げられ、錠剤は、例えば乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、界面活性剤、グリセリン等の、各種添加剤を混合し、常法に従い製造すればよく、吸入剤は、例えば乳糖等を添加し、常法に従い製造すればよい。注射剤は、水、生理食塩水、植物油、可溶化剤、保存剤等を添加し、常法に従い製造すればよい。
【0064】
化合物(I)又はそれらの薬理学的に許容される塩の有効量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通常成人一人当たり、0.001mg〜5g、好ましくは0.1mg〜1g、より好ましくは1〜500mgを、一日一回ないし数回に分けて投与する。
【0065】
以下、実施例、製造例等により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0066】
A549細胞増殖阻害活性
A549細胞を96ウェルプレ−ト(グライナー社)に播種し(5×10cells/well)、10%FBS及び20units/mLのPenicillin/Streptomycinを含むフェノールレッド不含DMEM培地(GIBCO社)で37℃、5%CO存在下で一晩培養した。使用直前に調製した各濃度の被検化合物(DMSOの終濃度は0.25%)を含む培地を添加し、37℃、5%CO存在下で72時間接触させた。
各ウェルの培地を除いてPBS及び培地で洗浄し、培地を100μL添加後、CellTiter 96 AQueous One Solution Reagent(プロメガ社)を20μL添加した。反応試薬を添加後、直ちにMultiplate reader(モレキュラーデバイス社)を用いて495nmにおける吸光度を測定した。さらに37℃、5%CO存在下で1時間反応させた後、吸光度を測定し、次式によって細胞増殖阻害率を算出した。
【0067】
細胞増殖阻害率(%)=100−100×(A−A)/(A−A
:被検化合物で処理したウェルの反応後の吸光度
:DMSOのみで処理したウェルの反応後の吸光度
:各ウェルでの反応試薬添加直後の吸光度
【0068】
試験結果は、各化合物の濃度25μMにおける細胞増殖阻害率で表した。結果を表6に示す。
【0069】
【表6】

【実施例2】
【0070】
化合物(化合物Ia−8)10mg、乳糖70mg、デンプン15mg、ポリビニルアルコール4mg及びステアリン酸マグネシウム1mg(計100mg)からなる組成を用い、常法により、錠剤を調製する。
【実施例3】
【0071】
常法により、化合物(化合物Ia−22)70mg、精製大豆油50mg、卵黄レシチン10mg及びグリセリン25mgからなる組成に、全容量100mLとなるよう注射用蒸留水を添加し、バイアルに充填後、加熱滅菌して注射剤を調製する。
[製造例1]
【0072】
1−フェニル−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール (化合物Ia−1)
参考例1で得られる4−ベンゾイルキナゾリン(化合物a)(117mg, 0.5mmol)のTHF(4mL)溶液に氷冷下ヨウ化メチルマグネシウムの1Mジエチルエーテル溶液(1.5mL,1.5mmol)を滴下し、アルゴン雰囲気下室温で終夜攪拌した。反応液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(70mg,0.28mmol)を収率55%で無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.35 (1H, s), 8.07 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.81-7.78 (1H, m), 7.73 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.41-7.25 (6H, m), 7.05 (0H, s), 6.38 (1H, s).
FAB-Mass: 251 ((M+1)+)
[製造例2]
【0073】
1−(3−ヒドロキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−2)
製造例4で得られる化合物Ia−4を、水素雰囲気下、パラジウム炭素を用いて接触還元することにより表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.26 (1H, s), 8.02 (1H, dd, J = 9.2 Hz, 1.2 Hz), 7.79-7.76 (2H, m), 7.42-7.38 (1H, m), 7.21 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.03 (1H, dd, J = 6.1 Hz, 1.2 Hz), 6.77-6.75 (2H, m), 6.28 (1H, s), 5.57 (1H, s), 2.09 (3H, s).
FAB-Mass: 255 ((M+1)+)
[製造例3]
【0074】
1−(3−メトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−3)
4−ベンゾイルキナゾリン(化合物a)のかわりに参考例2で得られる化合物bを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.06 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 1.0 Hz), 7.81-7.78 (2H, m), 7.41-7.39 (1H, m), 7.24 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.97-6.92 (2H, m), 6.81 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 2.5 Hz), 6.33 (1H, s), 3.74 (5H, s), 3.05 (0H, s), 2.10 (4H, s).
FAB-Mass: 281 ((M+1)+)
[製造例4]
【0075】
1−(3−ベンジルオキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−4)
化合物aのかわりに参考例3で得られる化合物cを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.33 (1H, s), 8.06 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.80 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.39-7.24 (8H, m), 7.00 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.90-6.88 (1H, m), 6.41 (1H, s), 5.00 (2H, q, J= 11.0 Hz), 2.09 (3H, s).
FAB-Mass: 357 ((M+1)+)
[製造例5]
【0076】
1−(4−フルオロフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−5)
化合物aのかわりに参考例4で得られる化合物dを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.08 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83-7.80 (1H, m), 7.70 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.42-7.36 (4H, m), 7.03-6.99 (2H, m), 6.40 (1H, s), 2.12 (4H, s).
FAB-Mass: 269 ((M+1)+)
[製造例6]
【0077】
1−(4−クロロフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−6)
化合物aのかわりに参考例5で得られる化合物eを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.08 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84-7.80 (1H, m), 7.71 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.43-7.40 (1H, m), 7.33 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.34 (1H, s), 2.11 (4H, s).
FAB-Mass: 285 ((M+1)+)
[製造例7]
【0078】
1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−7)
化合物aのかわりに参考例6で得られる化合物fを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.35 (1H, s), 8.08 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.84-7.81 (1H, m), 7.71 (1H, d, J= 8.6 Hz), 7.59 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.49-7.41 (1H, m), 6.36 (1H, s), 2.15 (3H, s).
FAB-Mass: 319 ((M+1)+)
[製造例8]
【0079】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−8)
化合物aのかわりに参考例7で得られる化合物gを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.07 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.82-7.79 (1H, m), 7.75 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.41-7.38 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.86 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.44 (1H, s), 3.79 (3H, s), 2.11 (3H, s).
FAB-Mass: 281 ((M+1)+)
【0080】
上記で得られた化合物Ia−8をCHIRALCELL−OD (φ1.0cm×25cm)(ダイセル社製)を用い、ヘキサン−イソプロパノール(95/5)を溶出液(溶出速度:1mL/分)として、各エナンチオマーを分割した。
分析用カラムとしてCHIRALCELL−OD (φ0.45cm×25cm)(ダイセル社製)を用い、ヘキサン−イソプロパノール(95/5)を溶出液(溶出速度:1mL/分)として分析した。
(−)体:保持時間 21.7分
(+)体:保持時間 26.8分
[製造例9]
【0081】
1−(4−エトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−9)
化合物aのかわりに参考例8で得られる化合物hを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.33 (1H, s), 8.06 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.79 (1H, dt, J = 8.0 Hz, 1.0 Hz), 7.74 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.39 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.84 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.50 (1H, s), 4.00 (2H, q, J = 7.0 Hz), 2.10 (3H, s), 1.39 (3H, t, J = 7.0 Hz).
FAB-Mass: 295 ((M+1)+)
[製造例10]
【0082】
1−(4−n−ブトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−10)
化合物aのかわりに参考例9で得られる化合物iを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.32 (1H, s), 8.05 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.80-7.76 (2H, m), 7.38 (1H, dt, J = 11.1 Hz, 3.8 Hz), 7.29 (2H, d, J= 8.5 Hz), 6.83 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.46 (1H, s), 3.92 (2H, t, J= 6.5 Hz), 2.09 (3H, s), 1.76-1.70 (2H, m), 1.48-1.44 (2H, m), 0.95 (3H, t, J= 7.5 Hz).
FAB-Mass: 323 ((M+1)+)
[製造例11]
【0083】
1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−11)
化合物aのかわりに参考例10で得られる化合物jを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.35 (1H, s), 8.09 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84-7.81 (1H, m), 7.71 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.44-7.40 (3H, m), 7.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.35 (1H, s), 2.13 (4H, s).
FAB-Mass: 335 ((M+1)+)
[製造例12]
【0084】
1−(4−メチルチオフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−12)
化合物aのかわりに参考例11で得られる化合物kを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.09 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.82-7.79 (1H, m), 7.74 (1H, d, J= 8.5 Hz), 7.40 (1H, ddd, J = 8.5 Hz, 7.0 Hz, 1.0 Hz), 7.30 (2H, d, J= 8.5 Hz), 7.20 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.40 (1H, s), 2.45 (4H, s), 2.10 (3H, s).
FAB-Mass: 297 ((M+1)+)
[製造例13]
【0085】
1−(4−メチルアミノフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−13)
化合物aのかわりに参考例12で得られる化合物lを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.31 (1H, s), 8.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.82-7.77 (2H, m), 7.38 (1H, ddd, J = 8.5 Hz, 8.0 Hz, 1.0 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.54 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.46 (1H, s), 2.81 (3H, s), 2.07 (3H, s).
FAB-Mass: 280 ((M+1)+)
[製造例14]
【0086】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−14)
化合物aのかわりに参考例13で得られる化合物mを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.32 (1H, s), 8.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.82-7.76 (2H, m), 7.40-7.37 (1H, ddd, J = 8.5 Hz, 8.0 Hz, 1.0 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.66 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.39 (1H, s), 2.92 (8H, s), 2.08 (4H, s).
FAB-Mass: 294 ((M+1)+)
[製造例15]
【0087】
1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−15)
化合物aのかわりに参考例14で得られる化合物nを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.32 (1H, s), 8.07 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 1.0 Hz), 7.83-7.80 (2H, m), 7.42 (1H, td, J = 8.0 Hz, 1.5 Hz), 6.95 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 2.0 Hz), 6.78-6.76 (2H, m), 6.41 (1H, s), 5.92 (1H, d, J = 11.5 Hz), 5.92 (1H, d, J = 11.5 Hz), 2.07 (4H, s).
FAB-Mass: 295 ((M+1)+)
[製造例16]
【0088】
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−16)
化合物aのかわりに参考例15で得られる化合物oを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.07 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83-7.77 (2H, m), 7.41-7.38 (1H, m), 7.01 (1H, dd, J = 8.2 Hz, 2.1 Hz), 6.84-6.82 (2H, m), 6.41 (1H, s), 3.86 (4H, s), 3.74 (4H, s), 2.10 (3H, s).
FAB-Mass: 311 ((M+1)+)
[製造例17]
【0089】
1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−17)
化合物aのかわりに参考例16で得られる化合物pを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.34 (1H, s), 8.08 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.85-7.80 (2H, m), 7.45-7.42 (1H, m), 6.60 (2H, s), 6.29 (1H, s), 3.82 (3H, s), 3.76 (6H, s), 2.09 (3H, s).
FAB-Mass: 341 ((M+1)+)
[製造例18]
【0090】
(4−メトキシフェニル)(キナゾリン−4−イル)メタノール(化合物Ia−18)
参考例7で得られる化合物gを水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより、表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.44 (1H, s), 8.18 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.07 (2H, t, J = 8.0 Hz), 8.01-7.95 (3H, m), 7.68 (1H, t, J= 7.5 Hz), 6.99 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.97 (1H, d, J = 7.5 Hz), 3.91 (3H, s), 3.91 (2H, d, J = 7.5 Hz).
FAB-Mass: 267 ((M+1)+)
[製造例19]
【0091】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)プロパン−4−オール(化合物Ia−19)
化合物aのかわりに参考例7で得られる化合物gを、ヨウ化メチルマグネシウムのかわりにヨウ化エチルマグネシウムを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.33 (1H, s), 8.06 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.82-7.78 (2H, m), 7.40 (1H, td, J = 7.5 Hz, 1.0 Hz), 7.31 (2H, d, J= 8.5 Hz), 6.84 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.45 (1H, s), 3.77 (3H, s), 2.70 (2H, td, J = 14.5 Hz, 7.5 Hz), 2.62 (2H, td, J = 14.5 Hz, 7.5 Hz), 0.64 (3H, t, J = 7.5 Hz).
FAB-Mass: 295 ((M+1)+)
[製造例20]
【0092】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−20)
参考例7で得られる化合物g(132mg,0.5mmol)のTHF(4mL)溶液に、氷冷下トリフルオロメチルトリメチルシラン(177μL,1.2mmol)とテトラブチルアンモニウムフルオリドの1MTHF溶液(20μL,0.02mmol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で終夜攪拌した。反応液を水にあけ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(95mg,0.28mmol)を無色結晶として収率57%で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.41 (1H, s), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83 (1H, ddd, J = 8.0 Hz, 7.3 Hz, 1.2 Hz), 7.69 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.41-7.34 (3H, m), 7.13 (1H, s), 6.88 (2H, d, J = 9.1 Hz), 3.80 (3H, s).
FAB-Mass: 335 ((M+1)+)
[製造例21]
【0093】
1−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−21)
化合物aのかわりに参考例7で得られる化合物gを、ヨウ化メチルマグネシウムのかわりに臭化フェニルマグネシウム用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.06 (1H, s), 8.07 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.99 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.87-7.83 (1H, m), 7.49 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.39 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.08 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.00 (2H, t, J= 8.0 Hz), 6.90 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.65 (2H, d, J = 8.0 Hz), 5.95 (1H, s), 3.97 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.93 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.82 (3H, s).
FAB-Mass: 357 ((M+1)+)
[製造例22]
【0094】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−メチルキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−22)
化合物aのかわりに参考例17で得られる化合物qを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.97 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.77-7.73 (1H, m), 7.64 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.33-7.29 (3H, m), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.85 (1H, s), 3.79 (3H, s), 2.98 (3H, s), 2.09 (3H, s).
FAB-Mass: 295 ((M+1)+)
[製造例23]
【0095】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−フェニルキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−23)
化合物aのかわりに参考例18で得られる化合物rを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.68 (2H, dd, J = 8.0 Hz, 2.0 Hz), 8.10 (1H, d, J= 8.0 Hz), 7.78-7.72 (2H, m), 7.60-7.53 (3H, m), 7.38-7.31 (3H, m), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.69 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.15 (3H, s).
FAB-Mass: 357 ((M+1)+)
[製造例24]
【0096】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−トリクロロメチルキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−24)
化合物aのかわりに参考例19で得られる化合物sを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.98 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.82-7.79 (2H, m), 7.40-7.37 (1H, m), 7.32 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.53 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.10 (3H, s).
FAB-Mass: 397 ((M+1)+)
[製造例25]
【0097】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−クロロキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−25)
化合物aのかわりに参考例20で得られる化合物tを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.96 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83-7.78 (2H, m), 7.41-7.36 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.85 (3H, d, J = 8.5 Hz), 5.58 (1H, s), 3.77 (4H, s), 2.09 (3H, s).
FAB-Mass: 315 ((M+1)+)
[製造例26]
【0098】
1−[2−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル] −1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−26)
製造例25で得られる化合物Ia−25(31mg,0.1mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(25mg,0.15mmol)、炭酸カリウム (28mg,0.2mg)、酢酸パラジウム(1.2mg,0.005mol)、1,1’−ジ−tert−ブチルホスフィノフェロセン(D−t−BPF)(2.4mg, 0.005mol)の1,4−ジオキサン (5mL)溶液をアルゴン雰囲気下20時間還流した。反応液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(42mg, 0.15mmol)を無色結晶として、収率90%で得た。
1H -NMR (CDCl3) δ: 8.13 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.04-8.02 (1H, m), 7.73-7.76 (2H, m), 7.60-7.58 (1H, m), 7.48-7.44 (2H, m), 7.42-7.37 (3H, m), 6.87 (2H, d, J = 9.1 Hz), 6.73 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.17 (2/5 x 3H, s), 2.15 (3/5 x 3H, s).
FAB-Mass: 391 ((M+1)+)
[製造例27]
【0099】
1−[2−(3−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル] −1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−27)
2−クロロフェニルボロン酸のかわりに3−クロロフェニルボロン酸を用い、製造例26記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.67 (1H, t, J = 2.0 Hz), 8.58-8.55 (1H, m), 8.10 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.80-7.74 (2H, m), 7.54-7.51 (2H, m), 7.37-7.34 (3H, m), 6.86 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.53 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.16 (3H, s).
FAB-Mass: 391 ((M+1)+)
[製造例28]
【0100】
1−[2−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル] −1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−28)
2−クロロフェニルボロン酸のかわりに4−クロロフェニルボロン酸を用い、製造例26記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.63 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.08 (1H, d, J= 8.0 Hz), 7.80-7.76 (1H, m), 7.73 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.55 (2H, d, J= 8.5 Hz), 7.37-7.27 (3H, m), 6.86 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.53 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.15 (3H, s).
FAB-Mass: 391 ((M+1)+)
[製造例29]
【0101】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(3−チエニルキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−29)
2−クロロフェニルボロン酸のかわりに3−チエニルボロン酸を用い、製造例26記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.50 (1H, dd, J = 3.5 Hz, 1.0 Hz), 8.11 (1H, dd, J = 5.0 Hz, 1.0 Hz), 8.04 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.77-7.73 (1H, m), 7.68 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.47 (1H, dd, J = 5.0 Hz, 3.5 Hz), 7.35 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.32-7.28 (1H, m), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.67 (1H, s), 3.78 (4H, s), 2.14 (3H, s).
FAB-Mass: 263 ((M+1)+)
[製造例30]
【0102】
4−[1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)エチル]キナゾリン−2(1H)−オン(化合物Ia−30)
製造例25で得られる化合物Ia−25を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解することにより、表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 12.28 (1H, s), 7.61 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.49 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.38 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.03 (1H, t, J = 8.5 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.02 (1H, s), 3.79 (3H, s), 2.09 (3H, s).
FAB-Mass: 297 ((M+1)+)
[製造例31]
【0103】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−メトキシキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−31)
製造例25で得られる化合物Ia−25をナトリウムメトキシドの1Mメタノール溶液と反応させることにより、表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.83 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.70-7.65 (2H, m), 7.33 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.19-7.15 (1H, m), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.96 (1H, s), 4.21 (3H, s), 3.79 (3H, s), 2.10 (3H, s).
FAB-Mass: 311 ((M+1)+)
[製造例32]
【0104】
1−(2−エトキシキナゾリン−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−32)
ナトリウムメトキシドのかわりにナトリウムエトキシドを用い、製造例31記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.80 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.68-7.62 (2H, m), 7.32 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.17-7.13 (1H, m), 6.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.02 (1H, s), 4.64 (2H, q, J = 7.0 Hz), 3.78 (3H, s), 2.08 (3H, s), 1.56 (9H, t, J = 7.0 Hz).
FAB-Mass: 321 ((M+1)+)
[製造例33]
【0105】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−プロポキシキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−33)
ナトリウムメトキシドのかわりにナトリウムプロポキシドを用い、製造例31記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.80 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.68-7.64 (1H, m), 7.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.32 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.16-7.13 (1H, m), 6.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.09 (1H, s), 4.55-4.51 (2H, m), 3.78 (3H, s), 2.08 (3H, s), 1.97 (2H, sextet, J = 7.5 Hz), 1.13 (3H, t, J= 7.5 Hz).
FAB-Mass: 335 ((M+1)+)
[製造例34]
【0106】
1−(2−アリルオキシキナゾリン−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−34)
ナトリウムメトキシドのかわりにナトリウムアリルオキシドを用い、製造例31記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.81 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.68-7.63 (2H, m), 7.32 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.18-7.15 (1H, m), 6.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.27-6.19 (1H, m), 6.01 (1H, s), 5.54 (1H, dq, J = 17.1 Hz, 1.5 Hz), 5.37 (1H, dd, J= 10.5 Hz, 1.5 Hz), 5.10 (2H, dt, J = 5.5 Hz, 1.0 Hz), 3.78 (3H, s), 2.08 (3H, s).
FAB-Mass: 333 ((M+1)+)
[製造例35]
【0107】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−フェノキシキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−35)
ナトリウムメトキシドのかわりにナトリウムフェノキシドを用い、製造例31記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.79 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.70-7.66 (2H, m), 7.48 (2H, dd, J = 8.5 Hz, 7.5 Hz), 7.36-7.28 (4H, m), 7.23-7.19 (1H, m), 6.86 (2H, d, J = 9.0 Hz), 5.77 (1H, s), 3.79 (3H, s), 2.08 (3H, s).
FAB-Mass: 372 ((M+1)+)
[製造例36]
【0108】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−メチルチオキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−36)
ナトリウムメトキシドのかわりに15%ナトリウムメタンチオラート溶液を用い、製造例31記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.86 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.71-7.67 (1H, m), 7.61 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.31 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.23-7.20 (1H, m), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.21 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.74 (3H, s), 2.17 (2H, s), 2.08 (3H, s).
FAB-Mass: 323 ((M+1)+)
[製造例37]
【0109】
1−(2−ジメチルアミノキナゾリン−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−37)
ピペリジンのかわりにジメチルアミンを用い、製造例39記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.59 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.52-7.48 (1H, m), 7.39 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.32 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.91-6.87 (1H, m), 6.84 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.60 (1H, s), 3.78 (3H, s), 3.38 (6H, s), 2.05 (3H, s).
FAB-Mass: 320 ((M+1)+)
[製造例38]
【0110】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−フェニルアミノキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−38)
ピペリジンのかわりにアニリンを用い、製造例39記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.82 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.76 (1H, d, J= 8.0 Hz), 7.62-7.55 (2H, m), 7.51 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.41-7.34 (4H, m), 7.11-7.03 (2H, m), 6.86 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.25 (1H, s), 3.78 (3H, s), 2.10 (3H, s).
FAB-Mass: 373 ((M+1)+)
[製造例39]
【0111】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−ピペリジノキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−39)
化合物Ia−25(62mg,0.2mmol)とピペリジン(34mg,0.4mmol)の1,4−ジオキサン (5mL)溶液を3時間還流した。放冷後反応液を水にあけ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(53mg, 0.15mmol)を黄色結晶として、収率74%で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.56 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.51-7.48 (1H, m), 7.38 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.33 (2H, d, J = 9.2 Hz), 6.89 (1H, ddd, J = 8.5 Hz, 6.9 Hz, 1.7 Hz), 6.85 (2H, d, J = 9.2 Hz ), 6.52 (1H, s), 4.00-3.98 (4H, m), 3.79 (3H, s), 2.06 (3H, s), 1.77-1.70 (6H, m).
FAB-Mass: 364 ((M+1)+)
[製造例40]
【0112】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(2−モルホリノキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−40)
ピペリジンのかわりにモルホリンを用い、製造例39記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.61 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.57-7.53 (1H, m), 7.45 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.33 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.98-6.95 (1H, m), 6.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.28 (1H, s), 4.02 (4H, t, J = 5.0 Hz), 3.88 (4H, t, J = 5.0 Hz), 3.80 (3H, s), 2.07 (3H, s).
FAB-Mass: 373 ((M+1)+)
[製造例41]
【0113】
1−(4−メトキシフェニル)−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]エタノール(化合物Ia−41)
ピペリジンのかわりにN−メチルピペラジンを用い、製造例39記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.58 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.52 (1H, t, J= 7.5 Hz), 7.42 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.32 (2H, d, J = 8.0 Hz), 6.93 (1H, t, J = 7.5 Hz), 6.85 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.37 (1H, s), 4.06 (4H, t, J = 5.0 Hz), 3.79 (3H, s), 2.58 (4H, t, J = 5.0 Hz), 2.40 (3H, s), 2.07 (3H, s).
FAB-Mass: 379 ((M+1)+)
[製造例42]
【0114】
1−(4−メトキシフェニル)−1−{2−[4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−4−イル}エタノール(化合物Ia−42)
ピペリジンのかわりにN−(4−フルオロフェニル)ピペラジンを用い、製造例39記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.61 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.54 (1H, t, J= 7.5 Hz), 7.44 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.33 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.04-6.94 (6H, m), 6.85 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.33 (1H, s), 4.19 (5H, t, J= 5.0 Hz), 3.79 (4H, s), 3.27 (5H, t, J = 5.0 Hz), 2.08 (4H, s).
FAB-Mass: 459 ((M+1)+)
[製造例43]
【0115】
1−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール(化合物Ia−43)
化合物aのかわりに参考例23で得られる化合物wを用い、製造例1記載の方法に準じて表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.13 (1H, s), 7.34 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.30 (1H, s), 6.91 (1H, s), 6.85 (2H, d, J = 9.0 Hz), 6.54 (1H, s), 3.99 (3H, s), 3.77 (2H, s), 3.62 (3H, s), 2.06 (3H, s).
FAB-Mass: 341 ((M+1)+)
[製造例44]
【0116】
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−44)
化合物aのかわりに参考例24で得られる化合物xを用い、製造例1記載の方法に準じて表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.16 (1H, s), 7.31 (1H, s), 7.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.96 (1H, s), 6.84 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.82 (1H, s), 6.48 (1H, s), 4.01 (3H, s), 3.86 (3H, s), 3.72 (3H, s), 3.63 (3H, s), 2.06 (3H, s).
FAB-Mass: 371 ((M+1)+)
[製造例45]
【0117】
1−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−1−(2−フェニルキナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−45)
化合物aのかわりに参考例7で得られる化合物gを用い、ヨウ化メチルマグネシウムのかわりに臭化ベンジルマグネシウムを用い、製造例1記載の方法に準じて表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.39-8.38 (2H, m), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.98 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.82 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.52-7.51 (3H, m), 7.45-7.40 (3H, m), 7.01-6.97 (3H, m), 6.90 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.74 (2H, dd, J = 7.5 Hz, 2.0 Hz), 6.00 (1H, s), 4.01 (2H, s), 3.82 (3H, s).
FAB-Mass: 433 ((M+1)+)
[製造例46]
【0118】
1,2−ジフェニル−1−(キナゾリン−4−イル)エタノール(化合物Ia−46)
ヨウ化メチルマグネシウムのかわりに臭化ベンジルマグネシウムを用い、製造例1記載の方法に準じて表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.09 (1H, s), 8.07 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.99 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.86-7.83 (1H, m), 7.49-7.46 (3H, m), 7.37 (2H, td, J = 7.5 Hz, 2.0 Hz), 7.32 (1H, tt, J = 7.5 Hz, 2.0 Hz), 7.09 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.01 (2H, t, J = 7.5 Hz), 6.68 (2H, d, J = 7.0 Hz), 5.89 (1H, s), 3.98 (2H, s).
FAB-Mass: 327 ((M+1)+)
[製造例47]
【0119】
1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−メトキシキナゾリン−2−イル)エタノール(化合物Ib−1)
化合物aのかわりに参考例22で得られる化合物vを用い、製造例1記載の方法に準じて標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.10 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 1.4 Hz), 7.91 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.82-7.78 (1H, m), 7.71 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.55-7.49 (1H, m), 6.84 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.93 (1H, s), 4.18 (3H, s), 3.77 (3H, s), 2.04 (3H, s).
FAB-Mass: 311 ((M+1)+)
[参考例1]
【0120】
4−ベンゾイルキナゾリン(化合物a)
4−クロロキナゾリン(329mg,2mmol) 、ベンズアルデヒド(254mg,2.4mmol) 、ヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム(23mg,0.1mmol)のTHF(20mL)懸濁液に、60%水素化ナトリウム(100mg,2.5mmol)を加え、アルゴン雰囲気下1時間還流・攪拌した。反応液を氷水にあけ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(376mg,1.61mmol)を無色結晶として、収率80%で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.44 (1H, s), 8.18 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.08 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.01-7.95 (4H, m), 7.70-7.65 (3H, m), 7.51 (2H, t, J= 7.6 Hz).
FAB-Mass: 235 ((M+1)+)
[参考例2]
【0121】
4−(3−メトキシベンゾイル)キナゾリン(化合物b)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 235 ((M+1)+)
[参考例3]
【0122】
4−(3−ベンジルオキシベンゾイル)キナゾリン(化合物c)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 241 ((M+1)+)
[参考例4]
【0123】
4−(4−フルオロベンゾイル)キナゾリン(化合物d)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 253 ((M+1)+)
[参考例5]
【0124】
4−(4−クロロベンゾイル)キナゾリン(化合物e)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 269 ((M+1)+)
[参考例6]
【0125】
4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)キナゾリン(化合物f)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 303 ((M+1)+)
[参考例7]
【0126】
4−(p−アニソイル)キナゾリン(化合物g)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 265 ((M+1)+)
[参考例8]
【0127】
4−(4−エトキシベンゾイル)キナゾリン(化合物h)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 279 ((M+1)+)
[参考例9]
【0128】
4−(4−n−ブトキシベンゾイル)キナゾリン(化合物i)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 307 ((M+1)+)
[参考例10]
【0129】
4−(4−トリフルオロメトキシベンゾイル)キナゾリン(化合物j)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 319 ((M+1)+)
[参考例11]
【0130】
4−(4−メチルチオベンゾイル)キナゾリン(化合物k)
4−(4−フルオロベンゾイル)キナゾリン(126mg,0.5mmol)の1,4−ジオキサン (10mL)溶液に15%ナトリウムメタンチオラート溶液(2.0mL)を滴下し、終夜還流・攪拌した。反応液は放冷後水にあけ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(118mg,0.42mmol)を黄色結晶として、収率84%で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.43 (1H, s), 8.17 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.08 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.01-7.98 (1H, m), 7.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.69-7.66 (1H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.5 Hz), 2.54 (4H, s).
FAB-Mass: 281 ((M+1)+)
[参考例12]
【0131】
4−(4−メチルアミノベンゾイル)キナゾリン(化合物l)
参考例11の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 263 ((M+1)+)
[参考例13]
【0132】
4−(4−ジメチルアミノベンゾイル)キナゾリン(化合物m)
参考例11の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 278 ((M+1)+)
[参考例14]
【0133】
4−ピペロニロイルキナゾリン(化合物n)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 279 ((M+1)+)
[参考例15]
【0134】
4−ベラトロイルキナゾリン(化合物o)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 295 ((M+1)+)
[参考例16]
【0135】
4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)キナゾリン(化合物p)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 325 ((M+1)+)
[参考例17]
【0136】
4−(p−アニソイル)−2−メチルキナゾリン(化合物q)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 279 ((M+1)+)
[参考例18]
【0137】
4−(p−アニソイル)−2−フェニルキナゾリン(化合物r)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 341 ((M+1)+)
[参考例19]
【0138】
4−(p−アニソイル)−2−トリクロロメチルキナゾリン(化合物s)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 382 ((M+1)+)
[参考例20]
【0139】
4−(p−アニソイル)−2−クロロキナゾリン(化合物t)
参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 299 ((M+1)+)
[参考例21]
【0140】
2−クロロ−4−メトキシキナゾリン(化合物u)
2,4−ジクロロキナゾリン(398mg,2.0mmol)のTHF(15mL)溶液にナトリウムメトキシドの1Mメタノール溶液(2.0mL,2.0mmol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣に水と酢酸エチルを加え生成物を抽出した。酢酸エチル層は硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(293mg,1.51mmol)を無色油状物として、収率75%で得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.14 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.89-7.83 (2H, m), 7.57 (1H, ddd, J = 8.1 Hz, 6.3 Hz, 1.8 Hz), 4.24 (3H, s).
FAB-Mass: 195 ((M+1)+)
[参考例22]
【0141】
2−(p−アニソイル)−4−メトキシキナゾリン(化合物v)
参考例21で得られる化合物uとアニスアルデヒドから、参考例1の方法に準じて標記化合物を得た。
FAB-Mass: 295 ((M+1)+)
[参考例23]
【0142】
4−(p−アニソイル)−6,7−ジメトキシキナゾリン(化合物w)
参考例1の方法に準じて表記化合物を得た。
FAB-Mass: 325 ((M+1)+)
[参考例24]
【0143】
6,7−ジメトキシ−4−ベラトロイルキナゾリン(化合物x)
参考例1の方法に準じて表記化合物を得た。
FAB-Mass: 387 ((M+1)+
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明のキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、がん細胞の増殖阻害活性等を有し、各種のがんに対して抗がん剤として使用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

{式中、
は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基、COR11(式中、R11は、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基又は置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基を表す)、COOR12(式中、R12は、前記R11と同義である)、C(=Q)NR1314[式中、Qは、酸素原子、硫黄原子又はNR15(式中、R15は、前記R11と同義である)を表し、R13及びR14は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基、又は、R13とR14が一緒になって、含窒素複素環基を表す]、OR16(式中、R16は、前記R11と同義である)、OCOR17(式中、R17は、前記R11と同義である)、S(O)pR18(式中、pは、0、1又は2を表し、R18は、前記R11と同義である)、SONR1920(式中、R19及びR20は、同一又は異なって、それぞれ前記R13及びR14と同義である)、NR2122[式中、R21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基、COR23(式中、R23は、前記R11と同義である)、COOR24(式中、R24は、前記R11と同義である)、SO25(式中、R25は、前記R11と同義である)、又は、R21とR22が一緒になって、含窒素複素環基を表す]、N(R26)C(=Q)NR2728[式中、Qは、酸素原子、硫黄原子、NR29(式中、R29は、前記R11と同義である)、NCN、CHNO又はC(CN)を表し、R26は、前記R11と同義であり、R27及びR28は、同一又は異なって、それぞれ前記R13及びR14と同義である]、N(R30)SONR3132(式中、R30は、前記R11と同義であり、R31及びR32は、同一又は異なって、それぞれ前記R13及びR14と同義である)、SiR333435(式中、R33、R34及びR35は、同一又は異なって、前記R11と同義である)、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、
及びRは、一方の基が、
【化2】

(式中、Arは、置換若しくは非置換アリール基又は置換若しくは非置換芳香族複素環基を表し、Rは、水素原子、置換若しくは非置換アルキル基、置換若しくは非置換シクロアルキル基、置換若しくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換アルキニル基、置換若しくは非置換脂環式複素環基、置換若しくは非置換脂環式複素環アルキル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換アラルキル基、置換若しくは非置換芳香族複素環基、置換若しくは非置換芳香族複素環アルキル基を表す)
を表し、他方の基は、前記Rと同義であり、
mは、0〜4の整数を表す}
で表わされるキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項2】
式(I)で表わされる化合物が下記式(Ia)
【化3】

(式中、R、R、R、Ar及びmは、前記と同義である)
で表わされるキナゾリン化合物であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
Arが置換フェニル基を、Rがメチル基であることを特徴とする請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
置換フェニル基の置換基が、アルコキシ基又はアルキルチオ基であるであることを特徴とする請求項3記載の医薬組成物。
【請求項5】
アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基を、アルキルチオ基がメチルチオ基であることを特徴とする請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
が水素原子、置換若しくは非置換フェニル基、フリル基、トリクロロメチル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリルオキシ基、ジメチルアミノ基、モルホリノ基又はクロロ基であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の医薬組成物。
【請求項7】
置換フェニル基の置換基がクロロ基を、アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基を、アルキルチオ基がメチルチオ基であることを特徴とする請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
及びRが水素原子を、Rがメチル基を、Arが4−メトキシフェニル基であることを特徴とする請求項2記載の医薬組成物。
【請求項9】
式(I)で表わされる化合物が下記式(Ib)
【化4】

(式中、R、R、R、Ar及びmは、前記と同義である)
で表わされるキナゾリン化合物であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか記載の式(I)で表わされるキナゾリン化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖阻害剤。
【請求項11】
細胞が、がん細胞であることを特徴とする請求項10記載の細胞増殖阻害剤。

【公開番号】特開2011−178753(P2011−178753A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46911(P2010−46911)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(506374708)一般社団法人ファルマIP (9)
【Fターム(参考)】