説明

キノリニルメチル化合物

本発明は、式(I)の新規なビフェニル−4−スルホン酸(キノリン−4−イルメチル)−アミド化合物〔式中、R及びRは水素、OH、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニルなどであり;R、R、R、Rはハロゲン、H、CN、NH、NO、OH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニルなどであり;mは0、1、2、3、4又は5であり;そしてnは1又は2である〕;並びにそのN−オキシド及び塩、そして節足動物害虫及び線虫を駆除するためのそれらの使用、そしてまた活性成分としてこのような化合物を含む組成物に関する。本発明はまた、節足動物害虫又は線虫害虫の防除方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なビフェニル−4−スルホン酸(キノリン−4−イルメチル)−アミド化合物、並びにそのN−オキシド及び塩、そして節足動物害虫及び線虫を駆除するためのそれらの使用、そしてまた活性成分としてこのような化合物を含む組成物に関する。本発明はまた、節足動物害虫又は線虫の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物害虫、特に節足動物及び線虫は、育成中の及び収穫された作物を破壊し、そして木造住宅及び商業建築を攻撃し、食糧供給及び財産に大きな経済的損失を引き起こす。多数の殺虫剤が知られているが、標的害虫が該殺虫剤に耐性を生じる能力があるために、節足動物及び線虫を駆除するための新しい薬剤が依然として必要とされている。従って、本発明の課題は、多数の異なる動物害虫、特に防除が困難な昆虫、クモ形類動物及び線虫に対して良好な殺虫活性を有し、そして広域活性スペクトルを示す化合物を提供することである。
【0003】
WO 2005/033081 は、殺菌性4−ピリジニルメチルスルホンアミド誘導体を記載している。これらの化合物はピリジン部分に縮合したベンゼン環を有していてよい。
【0004】
WO 2006/097489 (PCT/EP/2006/060753) は、ビフェニルスルホン酸の種々の4−ピリジルメチルアミドを記載しており、ここで、ビフェニル部分は、ビフェニル部分のフェニル環(スルホンアミド基側)に置換基を有していてよい。これらの化合物は節足動物害虫を駆除するため、そして材料を該害虫による侵入及び/又は破壊に対して保護するために使用される。
【0005】
WO 2006/097488 (PCT/EP/2006/060752) は特に、式(A)の節足動物用キノロン化合物
【化1】

【0006】
〔式中、R及びRは両方とも水素、ハロゲン、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり、Rは水素又はメチルであり、そしてRは非置換であってよいか又はクロロ、C−C−アルキル、メトキシ、トリフルオロメトキシ若しくはフェニルから選択される1個の置換基を有していてもよいフェニルから選択される〕を記載している。
【0007】
US 60/782429 は、スルホンアミド基にビフェニル部分を有する特定のキノリンメチルスルホンアミドを記載しており、ここで、ビフェニルのフェニレン部分は非置換である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
有害節足動物、例えば昆虫及びダニを駆除するために有用な化合物を提供することが依然として必要とされている。これらの化合物は有害節足動物に対して改善された作用及び/又はより広域の活性を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、この課題は、式(I)のキノリン化合物
【化2】

【0010】
〔式中、
、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシ、C(OH)(CF、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルケニルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C(R)=O又はC(R)=NORであり;
は水素又はC−C−アルキルであり;
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキル又はC−C−ハロアルケニルであり;
、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル又はC(=O)ORであり;
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル又はC−C−アルキニルであり;
mは0、1、2、3、4又は5であり、
nは1又は2である〕;
並びにそのN−オキシド及び塩
により達成されることを見出した。
【0011】
従って、本発明は、一般式(I)のキノリン化合物、並びにそのN−オキシド及び塩に関する。
【0012】
本発明の化合物はまた、節足動物害虫及び線虫害虫を駆除するために有用である。従って、本発明はまた、節足動物害虫又は線虫害虫を駆除するための、一般式(I)のキノリン化合物、並びにそれらのN−オキシド及び塩の使用に関する。
【0013】
本発明は更に、節足動物害虫又は線虫の防除方法であって、昆虫、クモ形類動物又は線虫又はそれらの食糧供給物、生息地、繁殖地又はそれらの場(locus)を、式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは塩と接触させることを含む方法に関する。更に、本発明は、育成中の植物を節足動物害虫又は線虫による攻撃又は侵入から保護する方法であって、該植物に、又はそれらが成長している土壌若しくは水に、式(I)の少なくとも一つ化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩を施用することを含む方法に関する。上記の方法の好ましい実施形態において、式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは塩、又はそれらを含む組成物が、式(I)の化合物として計算して、5g/ha〜2000g/haの量で施用される。
【0014】
更に、本発明は、式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩、又はこれらの化合物(I)の少なくとも一つを含む組成物を殺虫有効量で用いて種子を保護する方法に関する。好ましくは、式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩、又はこれらの化合物の少なくとも一つを組成物は、種子100kg当たり0.1g〜10kgの量で施用される。
【0015】
従って、本発明のもう一つの対象は、式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩を、式(I)の化合物として計算して、好ましくは、種子100kg当たり0.1g〜10kgの量で含む種子である。
【0016】
本発明はまた、動物を寄生虫による侵入又は感染に対して治療、制御、予防又は保護する方法であって、該動物に殺寄生虫有効量の式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは獣医学上許容される塩を投与又は適用することを含む方法に関する。
【0017】
本発明はまた、式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは塩、並びに有機(チオ)ホスフェート類、カルバメート類、ピレスロイド類、成長調節剤、ネオニコチノイド類、ニコチン性受容体作動剤/拮抗剤化合物、GABA拮抗剤化合物、大環状ラクトン殺昆虫剤、METI I、II 及び III 化合物、酸化的リン酸化阻害剤化合物、脱皮かく乱化合物、混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物、ナトリウムチャンネル遮断剤化合物、ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタプ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シアノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、アントラニルアミド類、及びN−R’−2,2−ジハロ−1−R’’−シクロ−プロパンカルボキサミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)ヒドラゾン又はN−R’−2,2−ジ(R’’’)−プロピオンアミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−ヒドラゾン〔ここで、R’はメチル又はエチルであり、ハロはクロロ又はブロモであり、R’’は水素又はメチルであり、そしてR’’’はメチル又はエチルである〕から選択される殺虫剤を含む、相乗的殺虫性混合物に関する。
【0018】
置換パターンに応じて、式(I)の化合物及びそれらのN−オキシドは1個以上のキラリティー中心を有していてよく、その場合、それらは純粋な鏡像体又は純粋なジアステレオマーとして、又は鏡像体又はジアステレオマー混合物として存在する。純粋な鏡像体又はジアステレオマー及びそれらの混合物は、両方とも本発明の対象である。
【0019】
化合物(I)の農業上有用な塩は、特に、陽イオンの塩又は酸の酸付加塩であって、その陽イオン及び陰イオンがそれぞれ化合物(I)の殺虫作用に悪影響を及ぼさないものを包含する。従って好適な陽イオンは、特に、アルカリ金属、好ましくはナトリウム及びカリウムの、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウム及びバリウムの、遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、そしてまた、所望により1〜4個のC−C−アルキル置換基及び/又は1個のフェニル若しくはベンジル置換基を有していてよいアンモニウムイオン、好ましくはジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、更にホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C−C−アルキル)スルホニウム及びスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C−C−アルキル)スルホキソニウムである。
【0020】
有用な酸付加塩の陰イオンは、主として塩化物、臭化物、フッ化物、硫酸水素塩、硫酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、六フッ化ケイ酸塩、六フッ化リン酸塩、安息香酸塩の陰イオン、そしてC−C−アルカン酸の陰イオン、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩及び酪酸塩のものである。それらは、式(I)の化合物を対応する陰イオンの酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸又は硝酸と反応させることにより形成することができる。
【0021】
式(I)の化合物の獣医学上許容される塩は、特に、獣医学上の使用のための塩の形成について当技術分野において公知で一般に認められている、陽イオンの塩又は酸付加塩を包含する。好適な酸付加塩、例えば、塩基性窒素原子、例えばアミノ基を含有する式(I)の化合物により形成されるものは、無機酸との塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩及び硝酸塩、並びに有機酸の塩、例えば酢酸塩、マレイン酸の塩、例えばマレイン酸の1塩基酸塩又は2塩基酸塩、二マレイン酸の塩、フマル酸の塩、例えばフマル酸の1塩基酸塩又は2塩基酸塩、二フマル酸の塩、メタンスルフェン酸の塩、メタンスルホン酸の塩及びコハク酸の塩を葉がする。
【0022】
上記で与えられる可変部の定義において、問題の置換基を一般に代表する集合語が用いられる。C−Cとい接頭辞は、何れの場合にも、問題の置換基又は置換基部分において可能な炭素原子の数を示す。
【0023】
本明細書で用いられる「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。
【0024】
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル及び1−エチル−2−メチルプロピルを指す。
【0025】
本明細書で用いられる「ハロアルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基(上記のとおり)であって、これらの基の幾つかの又は全ての水素原子が上記のハロゲン原子で置き換えられていてもよいもの、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル及びペンタフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、2,3−ジフルオロプロピル、2−クロロプロピル、3−クロロプロピル、2,3−ジクロロプロピル、2−ブロモプロピル、3−ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3−トリクロロプロピル、CH−C、CF−C、CF(CF、1−(フルオロメチル)−2−フルオロエチル、1−(クロロメチル)−2−クロロエチル、1−(ブロモメチル)−2−ブロモエチル、4−フルオロブチル、4−クロロブチル、4−ブロモブチル、ノナフルオロブチル、5−フルオロ−1−ペンチル、5−クロロ−1−ペンチル、5−ブロモ−1−ペンチル、5−ヨード−1−ペンチル、5,5,5−トリクロロ-1-ペンチル、ウンデカフルオロペンチル、6−フルオロ−1−ヘキシル、6−クロロ−1−ヘキシル、6−ブロモ−1−ヘキシル、6−ヨード−1−ヘキシル、6,6,6−トリクロロ−1−ヘキシル又はドデカフルオロヘキシルを指す。
【0026】
従って、本明細書で用いられる「アルコキシ」及び「アルキルチオ」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基(上記のとおり)であって、アルキル基の任意の位置でそれぞれ酸素原子又は硫黄原子により結合しているものを指す。その例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ及びn−ブチルチオを包含する。
【0027】
同様に、「アルキルスルフィニル」及び「アルキルスルホニル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基(上記のとおり)であって、アルキル基中の任意の位置でそれぞれ−S(=O)−部分又は−S(=O)−部分により結合しているものを指す。その例は、メチルスルフィニル及びメチルスルホニルを包含する。
【0028】
同様に、「ハロアルコキシ」及び「ハロアルキルチオ」(それぞれハロアルキルスルフェニル)は、アルキル基の任意の結合でそれぞれ酸素原子又は硫黄原子により結合している1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基(上記のとおり)であって、これらの基の幾つかの又は全ての水素原子が上記のハロゲン原子で置換されているもの、例えば、C−C−ハロアルコキシ、例えばクロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1−クロロエトキシ、1−ブロモエトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−クロロ−2−フルオロエトキシ、2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ、2,2−ジクロロ−2−フルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ及びペンタフルオロエトキシ、更にC−C−ハロアルキルチオ、例えばクロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロフルオロメチルチオ、ジクロロフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1−クロロエチルチオ、1−ブロモエチルチオ、1−フルオロエチルチオ、2−フルオロエチルチオ、2,2−ジフルオロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、2−クロロ−2−フルオロエチルチオ、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチルチオ、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチルチオ、2,2,2−トリクロロエチルチオ及びペンタフルオロエチルチオなどを指す。
【0029】
本明細書で用いられる「C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ」という用語は、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基(上記のとおり)であって、アルコキシ基の1個の水素原子がC−C−アルコキシ基で置き換えられているものを指す。
【0030】
本明細書で用いらる「C−C−アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子及び任意の位置に二重結合を有する分枝状又は非分枝状の不飽和炭化水素基、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−エテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル;1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル及び1−エチル−2−メチル−2−プロペニルを意図する。
【0031】
本明細書で用いられる「アルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を有する分枝状又は非分枝状の不飽和炭化水素基、例えばエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニルなどを指す。
【0032】
同様に、「アルケニルオキシ」及び「アルキニルオキシ」は、それぞれ直鎖状又は分枝状のアルケニル又はアルキニル基(上記のとおり)であって、アルケニル基の任意の炭素原子において、又はアルキニル基の任意の炭素原子において、酸素原子により結合しているもの、例えばアリルオキシ又はプロパルギルオキシを指す。
【0033】
本明細書で用いられる「シクロアルキル」という用語は、単環式の3〜7員の飽和炭素原子環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを指す。
【0034】
本明細書で用いられる「C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(上記のとおり)であって、アルキル基の1個の水素原子がC−C−シクロアルキル基で置き換えられているものを指す。
【0035】
同様に、本明細書で用いられる「C−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシ」という用語は、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ(上記のとおり)であって、アルコキシ基の1個の水素原子がC−C−シクロアルキル基で置き換えられているものを指す。
【0036】
式(I)の化合物の意図される用途に関して、置換基R〜R並びに可変数n及びmは何れの場合にも、それら単独で又は組み合わせて、以下の意味を有することが好ましい:
がハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−ハロアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルホニル又はC−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から独立して選択される式(I)の化合物が好ましい。Rがハロゲン、特にF、Cl、Br;C−C−アルキル、特にCH、C−C−ハロアルキル、特にC−C−フルオロアルキル、例えばCHF、CF、C−C−アルコキシ、特にOCH、並びにC−C−ハロアルコキシ、特にC−C−フルオロアルコキシ、例えばOCHF及びOCFからなる群から独立して選択される式(I)の化合物が特に好ましい;
mが1、2又は3である式(I)の化合物が好ましい;
がハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−ハロアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルホニル又はC−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から独立して選択される式(I)の化合物が好ましい。Rがハロゲン、特にF、Cl、Br;C−C−アルキル、特にCH、C−C−ハロアルキル、特にC−C−フルオロアルキル、例えばCHF、CF及びCF(CF;C−C−アルコキシ、特にOCH、及びC−C−ハロアルコキシ、特にC−C−フルオロアルコキシ、例えばOCHF、OCF、OCF(CFからなる群から独立して選択される式(I)の化合物が特に好ましい;
、R、R、Rがそれぞれ水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ又はC−C−アルキルチオからなる群から独立して選択される式(I)の化合物が好ましい。
【0037】
、R、R、Rがそれぞれ水素である式(I)の化合物が非常に特に好ましい。
【0038】
本発明の別の好ましい実施形態は、nが1である式(I)の化合物に関する。
【0039】
本発明の非常に好ましい実施形態は、置換基Rがスルホンアミド部分に対してメタ位でフェニル基に結合している式(I)の化合物に関する。この化合物は式(I.1)の化合物とも称され、ビフェニル部分が下記スキームのとおりの置換パターンを有し、そしてR、R、R、R、R、R及びmが式(I)の化合物のために上記で定義されるとおりである:
【化3】

【0040】
当業者は、式(I)の化合物に関してR〜R及びmのために与えられる好ましいものが式(I.1)及び以下で定義される(I.1a)のためにも適用されることを容易に理解する。
【0041】
式(I.1)の化合物において、Rがフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、メチルチオ、トリフルオロメチルチオ及びトリフルオロメトキシの群から選択される化合物が好ましい。
【0042】
このような化合物の好ましい実施形態は、以下のものを包含する:
、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが0である式(I.1)の化合物;
、R、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが1である式(I.1)の化合物;
、R、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが2である式(I.1)の化合物;
、R、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが3である式(I.1)の化合物。
【0043】
がF、Cl又はBrである式(I.1)の化合物もまた好ましい。
【0044】
更に、Rがハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル及びC−C−アルコキシからなる群から独立して選択される式(I.1)の化合物が好ましい。
【0045】
式(I.1)の化合物の中で、Rがスルホンアミド部分に対してメタ位でフェニル基に結合しており、nが1であり、そしてR、R、R、Rがそれぞれ水素である式(I.1)の化合物が特に好ましく、これは以下で式(I.1.a)のキノリン化合物と称する
【化4】

【0046】
〔式中、
、R及びmは上記の意味、特に、好ましいとして挙げられる意味を有する〕。
【0047】
本発明の別の非常に好ましい実施形態は、置換基Rがスルホンアミド部分に対してオルト位でフェニル基に結合している式(I)の化合物に関する。この化合物は式(I.2)の化合物とも称され、ここで、ビフェニル部分は下記スキームのとおりの置換パターンを有し、そしてR、R、R、R、R、R及びmは式(I)の化合物のために上記で定義されるとおりである:
【化5】

【0048】
当業者は、式(I)の化合物に関してR〜R及びmのために与えられる好ましいものが式(I.2)及び以下で定義される(I.2.a)のためにも適用されることを容易に理解する。
【0049】
式(I.2)の化合物において、Rがフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、メチルチオ、トリフルオロメチルチオ及びトリフルオロメトキシの群から選択される化合物が好ましい。
【0050】
このような化合物の好ましい実施形態は、以下のものを包含する:
、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが0である式(I.2)の化合物;
、R、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが1である式(I.2)の化合物;
、R、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが2である式(I.2)の化合物;
、R、R、R及びRが上記で定義されるとおりであり、そしてmが3である式(I.2)の化合物。
【0051】
がF、Cl又はBrである式(I.2)の化合物もまた好ましい。
【0052】
更に、Rがハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル及びC−C−アルコキシからなる群から独立して選択される式(I.2)の化合物が好ましい。
【0053】
式(I.2)の化合物の中で、Rがスルホンアミド部分に対してオルト位でフェニル基に結合しており、nが1であり、そしてR、R、R、Rがそれぞれ水素である式(I)の化合物が特に好ましく、これは以下で式(I.2.a)のキノリン化合物と称する
【化6】

【0054】
〔式中、
、R及びmは上記の意味、特に、好ましいとして挙げられる意味を有する〕。
【0055】
好適なキノリン部分Qの例は、下記の表Aに与えられる。
【化7】

【0056】
式(Q)において、は骨格との結合部位を意味する。
【表1】

【0057】

【0058】
それらの使用に関して、下記表にまとめて示される式(I)の化合物が好ましい。更に、これらの表に置換基のために挙げられる基は、それら自体で、それらが挙げられている組み合わせから独立して、問題の置換基の特に好ましい実施形態である。
【0059】
表1
QがQ-1 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【化8】

【表2】

【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】

【0066】

【0067】

【0068】

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】
表2
QがQ-2 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0073】
表3
QがQ-3 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0074】
表4
QがQ-4 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0075】
表5
QがQ-5 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0076】
表6
QがQ-6 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0077】
表7
QがQ-7 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0078】
表8
QがQ-8 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0079】
表9
QがQ-9 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0080】
表10
QがQ-10 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0081】
表11
QがQ-11 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0082】
表12
QがQ-12 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0083】
表13
QがQ-13 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0084】
表14
QがQ-14 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0085】
表15
QがQ-15 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0086】
表16
QがQ-16 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0087】
表17
QがQ-17 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0088】
表18
QがQ-18 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0089】
表19
QがQ-19 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0090】
表20
QがQ-20 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0091】
表21
QがQ-21 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0092】
表22
QがQ-22 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0093】
表23
QがQ-23 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0094】
表24
QがQ-24 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0095】
表25
QがQ-25 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0096】
表26
QがQ-26 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0097】
表27
QがQ-27 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0098】
表28
QがQ-28 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0099】
表29
QがQ-29 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0100】
表30
QがQ-30 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0101】
表31
QがQ-31 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0102】
表32
QがQ-32 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0103】
表33
QがQ-33 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0104】
表34
QがQ-34 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0105】
表35
QがQ-35 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0106】
表36
QがQ-36 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0107】
表37
QがQ-37 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0108】
表38
QがQ-38 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0109】
表39
QがQ-39 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0110】
表40
QがQ-40 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0111】
表41
QがQ-41 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0112】
表42
QがQ-42 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0113】
表43
QがQ-43 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0114】
表44
QがQ-44 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0115】
表45
QがQ-45 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0116】
表46
QがQ-46 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0117】
表47
QがQ-47 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0118】
表48
QがQ-48 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0119】
表49
QがQ-49 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0120】
表50
QがQ-50 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0121】
表51
QがQ-51 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0122】
表52
QがQ-52 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0123】
表53
QがQ-53 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0124】
表54
QがQ-54 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0125】
表55
QがQ-55 を意味し、そして(R及び(Rの組み合わせが何れの場合にも表Bの一つの行に対応する式(I.A)の化合物。
【0126】
本発明に係る式(I)の化合物は、ビフェニル化合物を製造するための自体公知の先行技術の方法と同様にして、種々の経路により製造することができる。有利には、それらはスキーム1及び2で概説されるようにして得ることができる。
【0127】
一般に、式(I)のキノリン化合物は、式(II)の化合物を式(III)のボロン酸誘導体と、スキーム1に示されるように Suzuki カップリングさせることにより製造することができる。
【0128】
スキーム1:
【化9】

【0129】
スキーム1において、R、R、R、R、R、R、n及びmは上記で定義されるとおりであり、R及びRはそれぞれ独立して水素又はC−C−アルキルであるか、又はR及びRは一緒になって1,2−エチレン又は1,2−プロピレン部分を形成し、その炭素原子は非置換であってよく、又は全て又は一部がメチルで置換されていてもよく、そしてLは好適な脱離基である。
【0130】
好適な脱離基Lはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、アルキルカルボキシレート、ベンゾエート、アルキルスルホネート、ハロアルキルスルホネート又はアリールスルホネート、最も好ましくは塩素又は臭素である。
【0131】
この反応は一般に、塩基及び触媒、特にパラジウム触媒、例えば次の文献: Synth. Commun. Vol. 11, p. 513 (1981); Acc. Chem. Res. Vol. 15, pp. 178-184 (1982); Chem. Rev. Vol. 95, pp. 2457-2483 (1995); Organic Letters Vol. 6 (16), p. 2808 (2004); "Metal catalyzed cross coupling reactions", 2nd Edition, Wiley, VCH 2005 (Eds. De Meijere, Diederich); "Handbook of organopalladium chemistry for organic synthesis" (Eds Negishi), Wiley, Interscience, New York, 2002; "Handbook of functionalized organometallics", (Ed. P. Knochel), Wiley, VCH, 2005 に記載の触媒などの存在下に行われる。
【0132】
好適な触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド;ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)クロリド;[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)クロリド/メチレンクロリド(1:1)錯体;ビス[ビス−(1,2−ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0);ビス(ビス−(1,2−ジフェニルホスフィノ)ブタン]−パラジウム(II)クロリド;パラジウム(II)アセテート;パラジウム(II)クロリド;並びにパラジウム(II)アセテート/トリ−o−トリルホスフィン錯体、又はホスフィン及びPd塩の混合物、又はホスフィン及びPd−錯体、例えばジベンジリデンアセトン−パラジウム及びトリ−tert−ブチルホスフィン(又はそのテトラフルオロホウ酸塩)、トリスシクロヘキシルホスフィンの混合物;又はポリマーに結合したPd−トリフェニルホスフィン触媒系である。
【0133】
好適な塩基は、一般に無機化合物、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物、例えば酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸カルシウム、そしてまたアルカリ金属の重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシド、更に有機塩基、例えば第三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びN−メチルピペリジン、ピリジン、置換ピリジン、例えばコリジン、ルチジン及び4−ジメチルアミノピリジン、そしてまた二環式アミンである。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン及び重炭酸ナトリウムなどの塩基が特に好ましい。
【0134】
塩基は1モルの化合物(II)に対して1:1〜1:10、好ましくは1:1.5〜5のモル比で用いられ、ボロン酸は1モルの化合物(II)に対して1:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:2.5のモル比で用いられる。場合によっては、ボロン酸を1モルの化合物(II)に対して0.7:1〜0.99:1の化学量論量以下で用いることが、容易な精製にとって有益なことがある。
【0135】
この反応は不活性有機溶剤中で一般に行われる。好適な溶剤は、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテル、芳香族炭化水素、例えばトルエン、o−、m−及びp−キシレン、エーテル、例えばジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン及びジメトキシエタン、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びtert−ブチルメチルケトン、そしてまたジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド、特に好ましくはエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン及びジメトキシエタンである。上記の溶剤の混合物、又は水との混合物を用いることも可能である。
【0136】
この反応は一般に20℃〜180℃、好ましくは40℃〜120℃の温度で行われる。
【0137】
反応が終了した後、従来の方法、例えば反応混合物を水に加え、有機溶剤で抽出し、抽出物を濃縮するなどの方法を用いて、式(I)の化合物を単離することができる。単離された化合物(I)は、必要ならばクロマトグラフィー、再結晶などの技術により精製することができる。
【0138】
反応混合物に捕捉剤を加え、副生成物又は未反応出発物質と結合させ、そして簡単な濾過により副生成物又は未反応出発物質を除去することが可能である。詳細については、"Synthesis and purification catalog", Argonaut, 2003 及びそこで引用されている文献を参照されたい。
【0139】
ボロン酸又はエステル(III)は市販されているか、又は "Science of Synthesis" Vol. 6, Thieme, 2005; WO 02/042275; Synlett 2003, (8) p.1204; J. Org. Chem., 2003, 68, p. 3729, Synthesis, 2000, p.442, J. Org. Chem., 1995, 60, p. 750; 又は "Handbook of functionalized organometallics", (Ed. P. Knochel), Wiley, VCH, 2005 により製造することができる。
【0140】
化合物(II)は、スキーム2に示されるようにスルホニルクロリド(IV)とキノリン(V)との反応により得ることができる。
【0141】
スキーム2
【化10】

【0142】
スキーム2において、L、R、R、R、R、R、R、n及びmは上記で定義されるとおりであり、Lは脱離基、例えばヒドロキシ又はハロゲン、好ましくは塩素である。
【0143】
スルホニルクロリド(IV)とキノリン(V)との反応は有機化学の標準的方法により行うことができ、例えば Lieb. Ann. Chem. P. 641, 1990、又は WO 2005/033081 を参照されたい。
【0144】
この反応は不活性有機溶剤中で一般に行われる。好適な溶剤は、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及び石油エーテル、芳香族炭化水素、例えばトルエン、o−、m−及びp−キシレン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム及びクロロベンゼン、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソール及びテトラヒドロフラン、ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びtert−ブチルメチルケトン、そしてまたジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド、好ましくはテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン又はジメチルホルムアミドである。上記の溶剤の混合物を用いることも可能である。
【0145】
この反応を塩基の存在下に行うことが有利な場合がある。好適な塩基は、一般に無機化合物、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物、例えば酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸カリウム及び炭酸カルシウム、そしてまたアルカリ金属の重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、更に有機塩基、例えば第三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びN−メチルピペリジン、ピリジン、置換ピリジン、例えばコリジン、ルチジン及び4−ジメチルアミノピリジン、そしてまた二環式アミンである。ピリジン、トリエチルアミン及び炭酸カリウムが特に好ましい。塩基は一般に等モル量で、過剰に又は適切ならば溶剤として用いられる。塩基の過剰は1モルの化合物(V)に対して典型的には0.5〜5モル当量である。
【0146】
一般に、この反応は−30℃〜120℃、好ましくは−10℃〜100℃の温度で行われる。
【0147】
出発物質を一般に互いに等モル量で反応させる。
【0148】
スルホニルクロリド(IV)が市販されていないならば、それらは当技術分野で公知の方法により得ることができる。
【0149】
キノリン(V)は文献から公知であるか又は市販されており(例えば:4−メチレンアミノキノリン: CAS-Nr 5632-13-3;6−クロロ−4−メチレンアミノキノリン: CAS-Nr 859814-05-5;6−メトキシ−4−メチレンアミノキノリン: CAS-Nr 708261-71-6;8−ヒドロキシ−4−メチレンアミノキノリン: CAS-Nr 33976-91-9;6−メトキシ−8−クロロ−4−メチレンアミノキノリン: CAS-Nr 857207-07-9)、又はそれらはXが下記スキームで定義されるとおりであるキノリン前駆体(VI)から還元により製造することができる:
【化11】

【0150】
この還元方法は文献、例えば Houben-Weyl, Band 10/4, Thieme, Stuttgart, 1968; Band 11/2, 1957; Band E5, 1985; J. Heterocycl. Chem., 1997, 34 (6), pp. 1661-1667; J. Chem. Soc. 1954, p. 1165; Heterocycles, 41(4), pp. 675-688, 1995; J. Org. Chem., 1982, 47, p. 3153; Heterocycles, 1996, 43 (9), pp.1893-1900; J. Prakt. Chem-Chem. Ztg. 336(8), pp. 695-697, 1994 に見出すことができるか、又は当業者に公知である。
【0151】
オキシム(VIa)は、個々のアルデヒド(X=CHO;化合物(VId))又はメチル誘導体(X=CH;化合物(VIe))の何れからも、Houben-Weyl, Band 10/4, Thieme, Stuttgart, 1968; Band 11/2, 1957; Band E5, 1985; J. Prakt. Chem-Chem. Ztg. 336(8), pp. 695-697, 1994; Tetrahedron Lett. 42(39), pp.6815-6818, 2001; 又は Heterocycles, 29(9), pp.1741-1760, 1989 に記載されているように製造することができる。
【0152】
アルデヒド(VId)は市販されており(例えば6−クロロ−4−キノリンカルボアルデヒド、7−メトキシ−4−キノリンカルボアルデヒド、キノリン−4−キノリンカルボアルデヒド)、又は4−メチルキノリンから J. Org. Chem. 51(4), pp. 536-537, 1986 で概説されているように、又はハロ誘導体(X=ハロゲン、化合物(VIf))から Eur. J. Org. Chem., 2003, (8), pp. 1576-1588; Tetrahedron Lett. 1999, 40 (19), pp. 3719-3722; Tetrahedron, 1999, 55 (41), pp. 12149-12156 に示されているように合成することができる。
【0153】
メチル誘導体(VIe)は市販されており(例えば6−クロロ−4−メチルキノリン;6,8−ジメトキシ−キノリン)、又は "Science of Synthesis", Vol 15, Thieme, Stuttgart, 2005 により合成することができる。
【0154】
ニトリル(VIb)は、個々のハロゲン誘導体(VIf)(X=ハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素)から、追加の触媒を用いるか又は用いることなく、シアン化物源と反応させることにより、例えば Tetrahedron Lett. 42(38), pp. 6707-6710, 2001; Chem. Eur. J., 2003, 9 (8), pp. 1828-1836; Chem. Commun. (Cambridge), 2004, (12), pp. 1388-1389; J. Organomet. Chem. 2004, 689 (24), pp. 4576-4583; or J. Chem. Soc. Perk. T., 1 (16), pp. 2323-2326, 1999 に記載されているように製造することができる。別法として、アミド又はオキシムを、"Synthesis", Stuttgart, (10), pp. 943-944, 1992;又はそこで引用されている文献;又は Heterocycl. Chem. 1997, 34 (6), pp. 1661-1667 で概説されているように脱水して、対応するニトリル(VIb)にすることができる。
【0155】
4−ハロゲンキノリン(VIf)は市販されているか、又は "Science of Synthesis", Vol 15, Thieme, Stuttgart, 2005 によるか、又は以下の文献又はその引用文献により合成することができる:4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キノリン: Journal Med. Chem. 48(5), p. 1359, 2005;4−クロロ−5,7−ジクロロ−キノリン:Indian, 187817, 29 Jun 200;4−クロロ−7−クロロ−キノリン:Tetrahedron, 60 (13), p. 3017, 2004;4−クロロ−7−トリフルオロメチル−キノリン: Tetrahedron lett., 31(8), p. 1093, 1990;4−クロロ−7,8−ジメトキシ−キノリン: Tetrahedron, 41 (15), p.3033, 1985;4−クロロ−8−メトキシ−キノリン: Chem. Berichte 118(4), p.1556, 1985;4−クロロ−(6又は7又は8)−ヨード−キノリン、4−ブロモ−(6又は7又は8)−ヨード−キノリン、4−ヨード−(6又は7又は8)−ヨード−キノリン: J. Med. Chem., 21(3), p. 268, 1978。
【0156】
適切な前駆体を作製するため又は置換パターンを変更するための更なる方法は、"Synthesis", Stuttgart (1), pp. 31-32, 1993; Tetrahedron, 1993, 49 (24), pp. 5315-5326; "Methods in Science of Synthesis", Band 15 及びその引用文献; Bioorg. Med. Chem. Lett. 1997, 7 (23), pp. 2935-2940; J. Am. Chem. Soc., 1946, 68, p. 1264; 又は Org. Synth. 1955, III, p. 272 に見出すことができる。
【0157】
N−オキシドは化合物(I)から従来の酸化方法により、例えば化合物(I)を有機過酸、例えばメタクロロ過安息香酸〔Journal of Medicinal Chemistry, 38(11), 1892-1903 (1995); WO 03/64572〕で、又は無機酸化剤、例えば過酸化水素〔Jounal of Heterocyclic Chemistry, 18(7), 1305-8 (1981) 参照〕で、又はオキソン〔Journal of the American Chemical Society, 123(25), 5962-5973 (2001) 参照〕で処理することにより製造することができる。
【0158】
場合によっては、仕上げ処理又は精製の容易さの観点から、化合物(VI)から化合物(V)への還元及びアミン(V)と化合物(IV)との反応を、化合物(V)を単離することなくワンポット法で行うことが有益なことがある。
【0159】
式(II)の中間体の幾つかは新規である。これらはもまた、本発明の対象である。
【0160】
特に、式(II.1)の中間体は本発明の対象である:
【化12】

【0161】
〔式中、
は塩素、臭素又はヨウ素であり、そして
n、R、R、R、R及びRは式(I)の化合物のために上記で定義される意味、特に、好ましいものとして与えられる意味を有する〕。
【0162】
個々の化合物(I)を上記の経路により得ることができないならば、それらは他の化合物(I)の誘導体化によるか、又は上記の合成経路の慣例の変更により製造することができる。
【0163】
式(I)の化合物の製造は、それらを異性体混合物(立体異性体、鏡像体)として得られるものに導くことがある。所望により、分割の目的に慣例の方法、例えば結晶化又はクロマトグラフィー(光学活性吸着質上でもよい)により、これらを分割して純粋な異性体を与えることができる。
【0164】
それらの優れた活性により、一般式(I)の化合物、並びにそのN−オキシド及び塩は、有害な昆虫、ダニ及び線虫から選択される動物害虫を防除するために使用することができる。
【0165】
従って、本発明は更に、このような動物害虫を駆除するための農業用組成物であって、殺虫作用を有する量の一般式(I)の少なくとも一つの化合物、そのN−オキシド又は農学的に許容される塩、並びに少なくとも一つの液体及び/又は固体の農学的に許容される担体、及び所望により少なくとも一つの界面活性剤を含む組成物に関する。
【0166】
このような組成物は、本発明によれば、式(I)の単一の活性化合物、そのN−オキシド若しくは農学的に許容される、又は式(I)の幾つかの化合物、そのN−オキシド若しくは農学的に許容される塩の混合物を含有することができる。
【0167】
式(I)の化合物だけでなくそのN−オキシド又は農学的に許容される塩、及びそれらを含む殺虫組成物は、節足動物害虫及び線虫を防除するために有効な薬剤である。式(I)の化合物により防除される動物害虫は、例えば下記のものを包含する。
【0168】
鱗翅目昆虫(鱗翅目(Lepidoptera))からの昆虫、例えばアグロティス・イプシロン(Agrotis ypsilon)、アグロティス・セゲトゥム(Agrotis segetum)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルギレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella)、オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチキュラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、コレストノイラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、コレストノイラ・オクシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、シルフィス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)、デンドロリムス・ピニ(Dendrolimus pini)、ジアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)、ジアトラエア・グランディオセラ(Diatraea grandiosella)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)、ユウポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリア・ボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・スブテラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、グラフォリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、グラフォリタ・モレスタ(Grapholitha molesta)、ヘリオチス・アルミゲラ(Heliothis armigera)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)、ヘリオチス・ゼア(Heliothis zea)、ヘルラ・ヌダリス(Hellula undalis)、ヒベルニア・デフォリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ヒポノモイタ・マリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ランブディナ・フィセラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エキシグマ(Laphygma exigua)、ロイコプテラ・コーヒーラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、ロキソステゲ・スチクチカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ジスパー(Lymantria dispar)、リマントリア・モナカ(Lymantria monacha)、リオネチア・クレレケラ(Lyonetia clerkella)、マラコソマ・ノイストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシケ(Mamestra brassicae)、オルギア・シュードツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ペリドロマ・サウシア(Peridroma saucia)、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス・ブラシケ(Pieris brassicae)、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)、スパルガノチス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リトゥラ(Spodoptera litura)、タウマトポエア・ピチオカマ( Thaumatopoea pityocampa)、トルトリキシ・ビリダンス(Tortrix viridana)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)及びゼイラフェラ・カナデンシス (Zeiraphera Canadensis);
甲虫類昆虫(鞘翅目(Coleoptera))、例えばアグリルス・シヌアトゥス(Agrilus sinuatus)、アグリオテス・リニアトゥス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクルス(Agriotes obscurus)、アンフィマルス・ソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルス・ジスパー(Anisandrus dispar)、アントノムス・グランディス(Anthonomus grandis)、アントノムス・ポモルム(Anthonomus pomorum)、アトマリア・リニアリス(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダタ(Blitophaga undata)、ブルクス・ルフィマンス(Bruchus rufimanus)、ブルクス、ピソルム(Bruchus pisorum)、ブルクス、レンチス(Bruchus lentis)、ビスチスクス・ベツレ(Byctiscus betulae)、カシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、シュートリンクス・アシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、シュートリンクス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、ケトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、ジアブトチカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ジアブロチカ・12−プンクタータ(Diabrotica 12-punctata)、ジアブロチカ・ジアブロチカ(Diabrotica virgifera)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)、エピトリクス・ヒルチペンニス(Epitrix hirtipennis)、ユーチノボトルス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエチス(Hylobius abietis)、ヒペラ・ブルネイペンニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、イプス・タイポグラフス(Ips typographus)、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウス・カリフォルニクス(Limonius californicus)、リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノトゥス・コムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・エネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒポカスタニ(Melolontha hippocastani)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、オウレマ・オリゼ(Oulema oryzae)、オルチオリンクス・スルカトゥス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オチオリンクス・オバトゥス(Otiorrhynchus ovatus)、フェドン・コクレアリエ(Phaedon cochleariae)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガの種(Phyllophaga sp.)、フィロペルタ・フォルチコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタ・ネモルス(Phyllotreta nemorum)、フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)、ポリリア・ヤポニカ(Popillia japonica)、シトナ・リニアトゥス(Sitona lineatus)及びシトフィルス・グラナリア(Sitophilus granaria);
双翅類昆虫(双翅目(Diptera))、例えばエデス・エギプチ(Aedes aegypti)、エデス・ベキサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルーデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、セラチチス・カピタータ(Ceratitis capitata)、クリソミア・ベジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラクス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola)、コルディロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、ダクス・ククルビテ(Dacus cucurbitae)、ダクス・オレエ(Dacus oleae)、ダシノイラ・ブラシケ(Dasineura brassicae)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒレミア・プラトゥラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リニアタ(Hypoderma lineata)、リリオミザ・サチベLiriomyza sativae)、リリオミザ・トリフォリイ(Liriomyza trifolii)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカータ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マイエチオラ・デストラクター(Mayetiola destructor)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans)、エストルス・オビス(Oestrus ovis)、 オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・フィゾシアニ(Pegomya hysocyami)、フォルビア・アンチクア(Phorbia antiqua)、フォビア・ブラシケ(Phorbia brassicae)、フォビア・カルクタータ(Phorbia coarctata)、ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)及びチプラ・パルドサ(Tipula paludosa;
アザミウマ類昆虫(総翅目(Thysanoptera))、例えばジクロモトリプス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラ・トリチキ(Frankliniella tritici)、シロトトリプス・シトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリゼ(Thrips oryzae)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)及びトリプス・タバキ(Thrips tabaci);
膜翅類昆虫(膜翅目(Hymenoptera))、例えばアタリア・ロゼ(Athalia rosae)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・セクスデンス(Atta sexdens)、 アッタ・テキサンス(Atta texana)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テストゥティネス(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナータ(Solenopsis geminata)及びソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta);
異翅類昆虫(異翅目(Heteroptera))、例えばアクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ビリスス・ロイコプレルス(Blissus leucopterus)、シルトペルチス・ノータトゥス(Cyrtopeltis notatus)、ディスデルクス・シングラトゥス(Dysdercus cingulatus)、ディスデルクス・インテルメディウス(Dysdercus intermedius)、ユーリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、ユーシストゥス・イミクチベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リグス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリドゥラ(Nezara viridula)、ピエスマ・クアドラータ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)及びチアンタ・ペルディトール(Thyanta perditor);
同翅類昆虫(同翅目(Homoptera))、例えばアキルトシフォン・オノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリキス(Adelges laricis)、アフィドゥラ・ナストゥルチイ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・フォルベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)、アフィス・グロスラリアエ(Aphis grossulariae)、アフィス・シュナイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピレコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブキ(Aphis sambuci)、アキルトシフォン・ピスム(Acyrthosiphon pisum)、オーラコルトゥム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・アルゲンチフォリイ(Bemisia argentifolii)、ブラキカウドゥス・カルドゥイ(Brachycaudus cardui)、ブラキカウドゥス・ベリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラキカウドゥス・ペリシケ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウドゥス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、 ブレビコリネ・ブラシケ(Brevicoryne brassicae)、カプチロフォルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピイ(Cerosipha gossypii)、ケトシフォン・フラゲフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、シプロミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマンニアネ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセエ(Dreyfusia piceae)、ディサフィス・ラジコラ(Dysaphis radicola)、ディサウラコルトゥム・シュードソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ディサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、ディサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカ・バベ(Empoasca fabae)、 ヒアォプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)、ヒペロミズス・ラクトゥケ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフム・アベネ(Macrosiphum avenae)、マクロシフム・ユーフォルビエ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシフォン・ロゼ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ビシエ(Megoura viciae)、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、メトポロフィウム・ディロドゥム(Metopolophium dirhodum)、ミゾデス・ペリシケ(Myzodes persicae)、ミズス・アスカロニクス(Myzus ascalonicus)、ミズス・セラシ(Myzus cerasi)、ミズス・ペリシケ(Myzus persicae)、ミズス・バリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビス−ニガー(Nasonovia ribis-nigri)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ペンフィグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida)、フォロドン・フミリ(Phorodon humuli)、シラ・マリ(Psylla mali)、シラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、ロパロシフム・マイディス(Rhopalosiphum maidis)、ロパロシフム・パディ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシフム・インサートゥム(Rhopalosiphum insertum)、サパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サパフィス・マリ(Sappaphis mali)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、シゾノイラ・ラヌキノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベネ(Sitobion avenae)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、トリアロイロデス・バピラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トキソテラ・オーランチイアンド(Toxoptera aurantiiand)及びビテウス・ビチフォリイ(Viteus vitifolii);
シロアリ類昆虫(等翅目(Isoptera))、例えばカロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus) 及びテルメス・ナタレンシス(Termes natalensis);
直翅目昆虫(直翅目(Orthoptera))、例えばアケタ・トメスチカ(Acheta domestica)、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、フォルフィクラ・オーリクラリア(Forficula auricularia)、グリロタルパ・グリロタリパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプルス・ビビタトゥス(Melanoplus bivittatus)、メラノプルス・フェムル−ルブルム(Melanoplus femur-rubrum)、メラノプルス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプルス・スプレトゥス(Melanoplus spretus)、ネマダクリス・セプテムfッシアタ(Nomadacris septemfasciata)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana)、シストセルカ・ペレブリナ(Schistocerca peregrina)、スタウロノトゥス・マロカヌス(Stauronotus maroccanus)及びタキシネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus);
クモ綱動物、例えば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae) 及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae) のクモ形類動物(ダニ目(Acarina))、例えばアンブリオーマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオーマ・バリエガトゥム(Amblyomma variegatum)、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ブーフィルス・アニュラトゥス(Boophilus annulatus)、ブーフィルス・デコロラトゥス(Boophilus decoloratus)、ブーフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)、デルマセントル・シルバルム(Dermacentor silvarum)、ヒアローマ・トルンカトゥム(Hyalomma truncatum)、イクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ルビクンドゥス(Ixodes rubicundus)、オルニトドルス・モウバータ(Ornithodorus moubata)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニスス・ガリネ(Dermanyssus gallinae)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファルス・アペンジクラトゥス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、並びにフシダニ科(Eriophyidae)の種、例えばアクルス・シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)及びエリオフィース・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);タルソネミデ科(Tarsonemidae)の種、例えばフィトネムス・パリドゥス(Phytonemus pallidus)及びポリファゴタルソネムス・ラトゥス(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)の種、例えばブレビパルプス・フォエニシス(Brevipalpus phoenicis);ハダニ科(Tetranychidae)の種、例えばテトラニクス・シンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニクス・パシリクス(Tetranychus pacificus)、テトラニクス・テラリウス(Tetranychus telarius)及びテトラニクス・ウルチケ(Tetranychus urticae)、パノニクス・ウリミ(Panonychus ulmi)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)及びオリゴニクス・プラテンシス(oligonychus pratensis);
隠翅目動物(Siphonatera)、例えばゼノプシラ・ケオプシス(Xenopsylla cheopsis)、ナガノミ属(Ceratophyllus)の種;
式(I)の組成物及び化合物は、線虫、特に植物寄生線虫、例えば根コブ線虫、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica)及び他のメロイドギネ属の種;
嚢腫形成線虫、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)及び他のグロボデラ属(Globodera)の種;ヘテロデラ・アベネ(Heterodera avenae)、ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・シャクチイ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラ・トリフォリイ(Heterodera trifolii)及び他のヘテロデラ属の種;種子コブ線虫、アングイナ属(Anguina)の種;茎及び葉の線虫、アフェレンコイデス属(Aphelenchoides)の種;刺咬線虫、ベロノライムス・ロンギカウダトゥス(Belonolaimus longicaudatus)及び他のベロノライムス属の種;松の線虫、ブルサフェレンクス・キシロフィルス(Bursaphelenchus xylophilus)及び他のブルサフェレンクス属の種;リング線虫、クリコネマ属(Criconema)の種、クリコネメラ属(Criconemella)の種、クリコネモイデス属(Criconemoides)の種、メソクリコネマ属(Mesocriconema)の種;茎及び球根の線虫、ジチレンクス・デストラクター(Ditylenchus destructor)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)及び他のジチレンクス属の種;オール線虫、ドリコドルス属(Dolichodorus)の種;スパイラル線虫、ヘリオコチレンクス・マルチシンクトゥス(Heliocotylenchus multicinctus)及び他のヘリオコチレンクス属の種;葉鞘及び類葉鞘の線虫、ヘミシクリオフォラ属(Hemicycliophora)の種及びヘミクリコネモイデス属(Hemicriconemoides)の種;ヘルシュマンニエラ属(Hirshmanniella)の種;ランス線虫、ホプロアイムス属(Hoploaimus)の種;偽根コブ線虫、ナコブス属(Nacobbus )の種;ニードル線虫、ロンギドルス・エロンガトゥス(Longidorus elongatus)及び他のロンギドルス属の種;ピン線虫、パラチレンクス属(Paratylenchus)の種; 病変線虫、プラチレンクス・ネグレクトゥス(Pratylenchus neglectus)、プラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans)、プラチレンクス・クルブタトゥス(Pratylenchus curvitatus)、プラチレンクス・ゴーデイイ(Pratylenchus goodeyi)及び他のプラチレンクス属の種;穿孔線虫、ラドフォルス・シミリス(Radopholus similis)及び他のラドフォルス属の種;腎臓形線虫、ロチレンクス・ロブストゥス(Rotylenchus robustus )及び他のロチレンクス属の種;スクテロネマ属(Scutellonema)の種;短くて太い根の線虫(Stubby root nematodes)、トリコドルス・プリミティブス(Trichodorus primitivus)及び他のトリコドルス属(Trichodorus)の種、パラトリコドルス属の種;スタント線虫、チレンコリンクス・クライトニ(Tylenchorhynchus claytoni)、チレンコリンクス・ドゥビウス(Tylenchorhynchus dubius)及び他のチレンコリンクス属の種;柑橘類線虫、チレンクルス属(Tylenchulus)の種;ダガー線虫、キシフィネマ属(Xiphinema)の種;並びに他の植物寄生線虫の種
を防除するために有用である。
【0169】
本発明の好ましい実施形態において、式(I)の化合物、それらのN−オキシド又はそれらの農学的に許容される塩は、節足動物、例えば昆虫又はクモ形類動物、特に鱗翅目、鞘翅目及び同翅目の昆虫、並びにダニ目のクモ形類動物を防除するために使用される。本発明に係る式(I)の化合物は、総翅目及び同翅目の昆虫を防除するために特に有用である。
【0170】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド、それらの農学的に許容される塩又はそれらを含む殺虫組成物は、育成中の植物及び作物を動物害虫、特に昆虫、コナダニ科又はクモ形類動物による攻撃又は侵入から保護するために、該植物/作物を殺虫有効量の式(I)の化合物と接触させることにより使用することができる。「作物」という用語は、育成中の及び収穫された作物の両者を指す。
【0171】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩は、慣例の製剤、例えば溶液、エマルジョン、懸濁液、ダスト、粉末、ペースト及び顆粒に変換することができる。使用形態は、特定の意図される目的に依存する;何れの場合にも、それは本発明に係る化合物の微細かつ一様な分布を確保すべきである。
【0172】
製剤は公知の方法で(例えば概説については US 3,060,084、EP-A 707 445 (液状濃縮物について)、Browning, "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48, Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, 8-57 頁以下、WO 91/13546、US 4,172,714、US 4,144,050、US 3,920,442、US 5,180,587、US 5,232,701、US 5,208,030、GB 2,095,558、US 3,299,566、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、Hance et al., Weed Control Handbook, 8th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989 及び Mollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2. D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8) を参照されたい)、例えば、活性化合物を農薬の製剤に適する助剤、例えば溶剤及び/又は担体、所望により乳化剤、界面活性剤及び分散剤、保存剤、消泡剤、凍結防止剤を用いて、種子処理用製剤のためには任意により着色剤及び/又は結合剤及び/又はゲル化剤を用いて増量することにより製造される。
【0173】
好適な溶剤の例は、水、芳香族溶剤(例えば Solvesso 製品、キシレン)、パラフィン(例えば鉱油留分)、アルコール(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えばシクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトン)、ピロリドン(N−メチル−ピロリドン[NMP]、N−オクチル−ピロリドン[NOP])、酢酸エステル(グリコール二酢酸)、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルである。原則として、溶剤混合物を使用することもできる。
【0174】
好適な乳化剤は、非イオン及び陰イオン乳化剤(例えばポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネート及びアリールスルホネート)である。
【0175】
分散剤の例は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0176】
使用される好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪アルコールスルフェート、脂肪酸及び硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、更にスルホン化ナフタレン及びナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコールのエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸塩廃液、並びにメチルセルロースである。
【0177】
直接噴霧可能な溶液、エマルジョン、ペースト又は油分散液の製造のために適する物質は、中〜高沸点の鉱油留分、例えばケロシン又はジーゼル油、更にコールタール油、並びに植物又は動物起源の油、脂肪族、環式及び芳香族の炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン又はそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、高極性溶剤、例えばジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン又は水である。
【0178】
また、凍結防止剤、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール及び殺菌剤などを製剤に加えることができる。
【0179】
好適な消泡剤は、例えばケイ素又はステアリン酸マグネシウムに基づく消泡剤である。
【0180】
好適な保存剤は、例えばジクロロフェンである。
【0181】
種子処理用製剤は、結合剤及び任意により着色剤を追加して含むことができる。
【0182】
結合剤は、処理後に種子上への活性物質の接着力を増大するために加えることができる。好適な結合剤は、ブロック共重合体EO/PO界面活性剤だけでなく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)、Polymin(登録商標))、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、チロース及びこれらの重合体から誘導される共重合体である。
【0183】
また、任意により着色剤を製剤に含めることができる。種子処理用製剤のために適する着色剤又は染料は、ローダミンB、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ソルベント・レッド1、ピグメント・ブルー15:4、ピグメント・ブルー15:3、ピグメント・ブルー15:2、ピグメント・ブルー5:1、ピグメント・ブルー 80、ピグメント・イエロー1、ピグメント・イエロー13、ピグメント・レッド112、ピグメント・レッド48:2、ピグメント・レッド48:1、ピグメント・レッド57:1、ピグメント・レッド53:1、ピグメント・オレンジ43、ピグメント・オレンジ34、ピグメント・オレンジ5、ピグメント・グリーン36、ピグメント・グリーン7、ピグメント・ホワイト6、ピグメント・ブラウン25、ベーシック・バイオレット10、ベーシック・バイオレット49、アシッド・レッド51、アシッド・レッド52、アシッド・レッド14、アシッド・ブルー9、アシッド・イエロー23、ベーシック・レッド10、ベーシック・レッド108である。
【0184】
ゲル化剤の例は、カラギーン(Satiagel(登録商標))である。
【0185】
粉末、散布用(spreading)物質及び散粉可能な(dustable)生成物は、活性物質と固体担体との混合又は同時粉砕によって製造することができる。
【0186】
顆粒、例えば被覆顆粒、含浸顆粒及び均質顆粒は、活性化合物を固体担体に結合させることによって製造することができる。
【0187】
固体担体の例は、鉱物土、例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など、及び植物起源の生成物、例えば穀類ミール、樹皮ミール、木材ミール及び堅果殻ミール、セルロース粉末、並びに他の固体担体である。
【0188】
一般に、製剤は0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性化合物を含む。この場合、活性化合物は90重量%〜100%、好ましくは95重量%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)で用いられる。
【0189】
種子処理の目的のために、個々の製剤を2〜10倍希釈して、すぐに使用できる調製物中の活性化合物濃度を0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%にすることができる。
【0190】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩は、そのままで、それらの製剤の形態で又はそれらから製造される使用形態で、例えば直接噴霧可能な溶液、粉末、懸濁液若しくは分散液、エマルジョン、油分散液、ペースト、散粉可能な生成物、散布用物質又は顆粒の形態で、噴霧、霧吹き、散粉、散布又は潅水によって使用することができる。使用形態は、意図される目的に全面的に依存する;それらは、何れの場合にも、本発明に係る活性化合物の可能な限り微細な分布を確保することを意図している。
【0191】
水性使用形態は、エマルジョン濃縮物、ペースト又は水和剤(湿潤可能な粉末、油分散液)から水の添加によって製造することができる。エマルジョン、ペースト又は油分散液を製造するためには、そのままの又は油若しくは溶剤に溶解された物質を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤により水中でホモジナイズすることができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤、及び適切ならば溶剤若しくは油から構成される濃縮物を製造することもでき、このような濃縮物は水で希釈するために適している。
【0192】
すぐに使用できる調製物中の活性化合物濃度は、比較的広い範囲内で変動することができる。一般に、それらは0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1重量%である。
【0193】
活性化合物はまた、超低用量法(ULV)で成功裏に使用でき、95重量%を超える活性化合物を含む製剤の施用、又は添加剤を含まない活性化合物の施用さえも可能である。
【0194】
以下は製剤の例である:
1.葉面施用のために水で希釈するための生成物。種子処理の目的のためには、このような生成物は希釈して又は希釈することなく種子に施用することができる。
【0195】
A)水溶性濃縮物(SL、LS)
10重量部の活性化合物を90重量部の水又は水溶性溶剤に溶解する。別法として、湿潤剤又は他の助剤を加える。水で希釈すると活性化合物は溶解し、それによって10%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0196】
B)分散性濃縮物(DC)
20重量部の活性化合物を70重量部シクロヘキサノンに、10重量部の分散剤、例えばポリビニルピロリドンを加えて溶解する。水で希釈すると分散液を与え、それによって20%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0197】
C)乳化性濃縮物(EC)
15重量部の活性化合物を7重量部のキシレンに、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びヒマシ油エトキシル化物(何れの場合にも5重量部)を加えて溶解する。水で希釈するとエマルジョンを与え、それによって15%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0198】
D)エマルジョン(EW、EO、ES)
25重量部の活性化合物を35重量部のキシレンに、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びヒマシ油エトキシル化物(何れの場合にも5重量部)を加えて溶解する。この混合物を乳化装置(例えば Ultraturax)により30重量部の水中に導入し、均質なエマルジョンにする。水で希釈するとエマルジョンを与え、それによって25%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0199】
E)懸濁液(SC、OD、FS)
攪拌式ボールミル中で、20重量部の活性化合物を、10重量部の分散剤、湿潤剤、及び70重量部の水又は有機溶剤を加えて粉砕して、微細活性化合物懸濁液を与える。水で希釈すると活性化合物の安定な懸濁液を与え、それによって20%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0200】
F)水分散性顆粒及び水溶性顆粒(WG、SG)
50重量部の活性化合物を、50重量部の分散剤及び湿潤剤を加えて微細に粉砕し、工業的装置(例えば押し出し機、噴霧塔、流動床)により水分散性又は水溶性顆粒として製造する。水で希釈すると活性化合物の安定な分散液又は溶液を与え、それによって50%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0201】
G)水分散性粉末及び水溶性粉末(WP、SP、SS、WS)
75重量部の活性化合物を、ローター−ステーターミル中で、25重量部の分散剤、湿潤剤及びシリカゲルを加えて粉砕する。水で希釈すると活性化合物の安定な分散液又は溶液を与え、それによって75%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0202】
H)ゲル製剤(GF)
攪拌式ボールミル中で、20重量部の活性化合物を、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤湿潤剤及び70重量部の水又は有機溶剤を加えて粉砕して、活性化合物の安定な懸濁液液を与える。水で希釈すると活性化合物の安定な懸濁液を与え、それによって20%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。
【0203】
2.葉面施用のために希釈することなく施用すべき生成物。種子処理の目的のためには、このような生成物は希釈して又は希釈することなく種子に施用することができる。
【0204】
I)散粉可能な粉末(DP、DS)
5重量部の活性化合物を微細に粉砕し、95重量部の微粉カオリンと緊密に混合する。これは5重量%の活性化合物を含む散粉可能な生成物を与える。
【0205】
J)顆粒(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の活性化合物を微細に粉砕し、95.5重量部の担体と一緒にし、それによって0.5%(w/w)の活性化合物を含む製剤が得られる。現在の方法は押し出し、噴霧乾燥又は流動床である。これは葉面使用のために希釈することなく施用すべき顆粒を与える。
【0206】
K)ULV溶液(UL)
10重量部の活性化合物を90重量部の有機溶剤、例えばキシレンに溶解する。これは10(w/w)の活性化合物を含む生成物を与え、これは葉面使用のために希釈することなく施用される。
【0207】
式(I)の化合物はまた、種子の処理のために適している。従来の種子処理用製剤は、例えば流動性濃縮物FS、溶液LS、乾式処理のための粉末DS、スラリー処理のための水分散性粉末WS、水溶性粉末SS、並びにエマルジョンES及びEC、並びにゲル製剤GFを包含する。これらの製剤は希釈して又は希釈することなく種子に施用することができる。種子への施用は、播種の前に種子上に直接に、又は種子を予備発芽させた後に、の何れでも行われる。
【0208】
好ましい実施形態において、FS製剤が種子処理のために用いられる。典型的には、FS製剤は、1〜800gの活性化合物/l、1〜200gの界面活性剤/l、0〜200gの凍結防止剤/l、0〜400gの結合剤/l、0〜200gの色素/l及び1リットル以下の溶剤、好ましくは水を含むことができる。
【0209】
種子処理のための式(I)の化合物の他の好ましいFS製剤は、0.5〜80重量%の活性化合物、0.05〜5重量%の水、0.5〜15重量%の分散剤、0.1〜5重量%の増粘剤、5〜20重量%の凍結防止剤、0.1〜2重量%の消泡剤、1〜20重量%の色素及び/又は染料、0〜15重量%の粘着剤/接着剤、0〜75重量%の充填剤/ビヒクル、及び0.01〜1重量%の保存剤を含む。
【0210】
様々な種類の油、湿潤剤、助剤、除草剤、殺菌剤、他の殺虫剤又は殺細菌剤を、適切ならば使用直前に、活性化合物に添加することができる(タンクミックス)。これらの物質は、本発明に係る物質と1:10〜10:1の重量比で混合される。
【0211】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩は、接触(土壌、ガラス、壁、蚊帳、カーペット、植物部分又は動物部分による)、及び摂取(餌、及び植物部分)の両方によって有効である。
【0212】
アリ、シロアリ、カリバチ、ハエ、蚊、コオロギ又はゴキブリに対して使用するために、式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩は、餌組成物で好ましく使用される。
【0213】
餌は、液体、固体又は半固体(例えばゲル)の調製物であってよい。固体餌は、個々の施用に適する種々の形状及び形態、例えば顆粒、ブロック、スティック、ディスクに成形することができる。液体餌は、適正な施用を確保する種々の装置、例えば蓋の開いた容器、噴霧装置、液滴ソース又は蒸発ソースに充填することができる。ゲルは、水性又は油性マトリックスに基づくものであってよく、そして粘性、水分保持性又は経時特性に関して特別の必要性を満たすように製剤することができる。
【0214】
組成物に用いられる餌は、昆虫、例えばアリ、シロアリ、カリバチ、ハエ、蚊、コオロギなど又はゴキブリが食べるように駆り立てるのに十分に引き付ける生成物である。引き付けることは、摂食刺激物又は性ホルモンの使用により操作することができる。摂食刺激物は、例えば動物及び/又は植物タンパク質(肉粉、魚粉又は血粉、昆虫部分、卵黄)から、動物及び/又は植物起源の油脂又は有機単糖、オリゴ糖若しくは多糖から、特に蔗糖、乳糖、果糖、デキストロース、グルコース、澱粉、ペクチン又は更に糖蜜若しくは蜂蜜から選択されるが、これらに限定されない。果実、作物、植物、動物、昆虫又はそれらの特定部分の新鮮な又は腐りかけの部分もまた、摂食刺激物として役立つことができる。性フェロモンは、より昆虫特異的であることが知られている。特異的フェロモンは文献に記載されており、そして当業者に公知である。
【0215】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩の製剤、例えばエアゾール(例えばスプレー缶入り)、油性スプレー又はポンプスプレーは、害虫、例えばはハエ、ノミ、ダニ、蚊又はゴキブリを防除するために、非専門的ユーザにとって極めて適している。エアゾール処方は、活性化合物、溶剤、例えば低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、約50〜250℃の沸騰範囲を有するパラフィン炭化水素(例えばケロシン)、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、水、更に助剤、例えば乳化剤、例えばソルビトールモノオレエート、3〜7モルのエチレンオキシドを有するオレイルエトキシル化物、脂肪アルコールエトキシル化物、香油、例えばエーテル油、中鎖脂肪酸と低級アルコールとのエステル、芳香族カルボニル化合物、適切ならば安定剤、例えば安息香酸ナトリウム、両性界面活性剤、低級エポキシド、オルトギ酸トリエチル、並びに必要ならば噴射剤、例えばプロパン、ブタン、窒素、圧縮空気、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素又はこれらのガスの混合物から好ましく構成される。
【0216】
油性スプレー製剤は、噴射剤が用いられていない点でエアゾール処方と異なる。
【0217】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩、並びにそれらの個々の組成物は、蚊取り線香及び薫蒸コイル、スモークカートリッジ、気化プレート又は長期気化器、そしてまた防虫紙、防虫パッド又は他の熱に依存しない気化装置において用いることもできる。
【0218】
昆虫により伝染する感染性疾患(例えばマラリア、デング熱及び黄熱病、リンパ管フィラリア症及びリーシュマニア症)を、式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの農学的に許容される塩、並びにその個々の組成物を用いて防除する方法はまた、小屋及び家屋の表面を処理すること、空中噴霧すること、及びカーテン、テント、衣料品、蚊帳、ツェツェバエ捕虫器などを含浸することを含む。繊維、布、ニット製品、不織布、ネット材料又はホイル及び防水シートに施用するための殺昆虫組成物は、殺昆虫剤、任意により忌避剤及び少なくとも一つの結合剤を含む混合物を好ましく含んでいる。好適な忌避剤は、例えばN,N−ジエチル−メタ−トルアミド(DEET)、N,N−ジエチルフェニルアセタミド(DEPA)、1−(3−シクロヘキサン−1−イル−カルボニル)−2−メチルピペリン、(2−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)酢酸ラクトン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、インダロン、メチルネオデカンアミド(MNDA)、昆虫防除に用いられないピレスロイド、例えば{(+/−)−3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペンタ−2−(+)−エンイル−(+)−トランス−クリサンセメート(エスビオスリン(Esbiothrin))、植物抽出物から誘導されるか又はそれと同一の忌避剤、例えばリモネン、オイゲノール、(+)−ユーカマロール(1)、(−)−1−エピ−ユーカマロール、又はユーカリプトゥス・マクラタ((Eucalyptus maculate))、ビテックス・ロトゥンジフォリア((Vitex rotundifolia))、シンボポガン・マルチニイ((Cymbopogan martini))、シンボポガン・シトラトゥス((Cymbopogan citrates)(レモングラス))、シンボポガン・ナルトドゥス((Cymopogan nartdus)(シトロネラ))などの植物からの粗製植物抽出物である。好適な結合剤は、例えば、脂肪酸のビニルエステル(例えば酢酸ビニルバーサチル酸ビニル)、アルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステル、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸メチル、モノ−及びジ−エチレン性不飽和炭化水素、例えばスチレン、及び脂肪族ジエン、例えばブタジエンの重合体及び共重合体から選択される。
【0219】
カーテン及び蚊帳の含浸は、繊維材料を殺虫剤のエマルジョン若しくは分散液中に浸漬するか、又はそれらをネット上に噴霧することによって一般に行われる。
【0220】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの獣医学上許容される塩はまた、動物の中及びその上の寄生虫の駆除に使用するために特に適している。
【0221】
従って、本発明の目的はまた、動物の中及びその上の寄生虫を防除する新規な方法を提供することである。本発明の別の目的は、動物に対してより安全な殺虫剤を提供することである。本発明の別の目的は更に、現在の殺虫剤よりも低用量で使用できる動物用殺虫剤を提供することである。そして本発明の別の目的は、寄生虫の長期残留防除性を与える動物用殺虫剤を提供することである。
【0222】
本発明はまた、殺寄生虫有効量の式(I)の化合物、それらのN−オキシド又はその獣医学上許容される塩、並び許容される担体を含む、動物の中及びその上の寄生虫を駆除するための組成物に関する。
【0223】
本発明はまた、動物を寄生虫の侵入又は感染に対して処理(治療)、制御、予防及び保護する方法であって、殺寄生虫有効量の式(I)の化合物、そのN−オキシド若しくは獣医学上許容される塩又はそれを含む組成物を、動物に経口的、局所的又は非経口的に投与又は適用することを含む方法に関する。
【0224】
本発明はまた、動物を寄生虫の侵入又は感染に対して処理(治療)、制御、予防及び保護するための組成物の製造方法であって、該組成物が殺寄生虫有効量の式(I)の化合物、そのN−オキシド若しくは獣医学上許容される塩又はそれを含む組成物を含む方法に関する。
【0225】
農業病害虫に対する化合物の活性は、動物の中及びその上の内部及び外部寄生虫の防除に対するそれらの適切性、例えば、経口適用する場合に嘔吐を催さない低い用量を必要とするという適切性、動物との代謝適合性及び安全な取り扱い性を示唆しない。
【0226】
驚くべきことに、このたび、式(I)の化合物、それらのN−オキシド及びそれらの獣医学上許容される塩が、動物の中及びその上の内部及び外部寄生虫を駆除するために適していることを見出した。
【0227】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は獣医学上許容される塩及びそれらを含む組成物は、例えば温血動物(ヒトを包含する)及び魚などの動物への侵入及び感染を制御又は予防するために好ましく用いられる。それらは、例えば、哺乳動物、例えばウシ、ヒツジ、イノシシ、ラクダ、シカ、ウマ、ブタ、家禽、ウサギ、ヤギ、イヌ及びネコ、スイギュウ、ロバ、ダマジカ及びトナカイ、そしてまた毛皮動物、例えばミンク、チンチラ及びアライグマ、鳥類、例えばメンドリ、ガチョウ、シチメンチョウ及びアヒル、並びに魚、例えば淡水魚及び塩水魚、例えばマス、コイ及びウナギにおける侵入及び感染を制御及び予防するために適している。
【0228】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又はその獣医学上許容される塩及びそれらを含む組成物は、家庭動物、例えばイヌ又はネコにおける侵入及び感染を制御及び予防するために好ましく用いられる。
【0229】
温血動物及び魚における侵入は、シラミ、ハジラミ、ダニ、鼻にたかる虫 (nasal bots)、ヒツジシラミバエ、刺咬ハエ、ムスコイドハエ (muscoid flies)、ハエウジ病を生じるハエの幼虫、ツツガムシ、ブヨ、蚊及びノミを包含するが、これらに限定されない。
【0230】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は獣医学上許容される塩及びそれらを含む組成物は、内部及び外部寄生虫を浸透的及び/又は非浸透的に防除するために適している。それらは全ての発達段階又はその一部で活性である。
【0231】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は獣医学上許容される塩は、外部寄生虫を駆除するために特に有用である。
【0232】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は獣医学上許容される塩は、それぞれ下記の目及び種の寄生虫を駆除するために特に有用である:
ノミ類(ノミ目(Siphonaptera))、例えばイヌノミ属(Ctenocephalides)のノミ、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、プレックス・イリタンス(Pulex irritans)、スナノミ及びヨーロッパネズミノミ、
ゴキブリ類(ゴキブリ目(Blattaria - Blattodea)、例えばブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒネ(lattella asahinae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta Americana)、ペリプラネタ・ヤポニカ(Periplaneta japonica)、ペリプラネタ・ブルネラ(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノーサ(Periplaneta fuligginosa)、ペリプラネタ・オーストラリアンス(Periplaneta Australasia)及びブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、
ハエ類、蚊類(双翅目(Diptera))、例えばアデス・エギプチ(Aedes aegypti)、アデス・アルボピクトゥス(Aedes albopictus)、アデス・ベクサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルーデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルシアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ガンビエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・フリーボルニ(Anopheles freeborni)、アノフェレス・ロイコスフィルス(Anopheles leucosphyrus)、アノフェレス・ミニムス(Anopheles minimus)、アノフェレス・クアドリマクラトゥス(Anopheles quadrimaculatus)、カリフォラ・ビシナ(Calliphora vicina)、クリソミア・ベジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミヤ・ホミニボラクス(Chrysomya hominivorax)、クリソミヤ・マセラリア(Chrysomya macellaria)、クリソプス・ディスカリス(Chrysops discalis)、クリソプス・シラケア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランティクス(Chrysops atlanticus)、コクリオミヤ・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・ニグリパルプス(Culex nigripalpus)、クレクス・キンクエファシアトゥス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・トラサリス(Culex tarsalis)、クリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、クリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ガステロフィルス・インテスティナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、グロシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロシナ・フシペス(Glossina fuscipes)、グロシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ヘマトビア・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒペラテス属(Hippelates)の種、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、ルシリア・カルピナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マンソニア属(Mansonia)の種、ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)、ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans)、エストルス・オビス(Oestrus ovis)、フウレボトムス・アルゲンチゲス(Phlebotomus argentipes)、プソロフォラ・コルンビエ(Psorophora columbiae)、プソロフォラ・ジスカラー(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクストゥム(Prosimulium mixtum)、サルコファガ・ヘモロイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、サルコファガ属の種、シムリウム・ビタトゥム(Simulium vittatum)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、ストラトゥス(Tabanus atratus)、タバヌス・リネオラ(Tabanus lineola)及びタバヌス・シミリス(Tabanus similis)、
シラミ類(フチラプテラ(Phthiraptera))、例えばアタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミ、ウシジラミ、ブタジラミ、リノグナトゥス・ビトゥイ(Linognathus vituli)、ウシハジラミ、ニワトリハジラミ、メナカントゥス・ストラミノイス(Menacanthus stramineus)及びソレノポテス・カピラトゥス(Solenopotes capillatus)、
ダニ類及び寄生ダニ類 (Parasitiformes): ダニ類(マダニ属(Ixodida))、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロシクルス(Ixodes holocyclus)、イクソデス・パソフィクス(Ixodes pacificus)、リフィセファルス・サンギネス(Rhiphicephalus sanguineus)、デルマセントル・アンダーソニ(Dermacentor andersoni)、デルマセントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis)、アンブリオマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオマ・マクラトゥム(Ambryomma maculatum)、オルニトトルス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトトルス・トゥリカタ(Ornithodorus turicata)、並びに寄生ダニ類(中気門亜目(Mesostigmata))、例えばオルニトニスス・バコチ(Ornithonyssus bacoti)及びデルマニスス・ガリネ(Dermanyssus gallinae)、
アクチネジダ(前気門類(Prostigmata))及びアカリジダ(コナダニ亜目(Astigmata))、例えばアカラピス属(Acarapis)の種、ケイレチエラ属(Cheyletiella)の種、オルニトケイレチア属(Ornithocheyletia)の種、ミオビア属(Myobia)の種、プソレルガテス属(Psorergates)の種、デモデクス属(Demodex)の種、トロムビクラ属(Trombicula)の種、リストロフォルス属(Listrophorus )の種、アカルス属(Acarus)の種、チロファグス属(Tyrophagus)の種、カログリフス属(Caloglyphus)の種、ヒポデクテス属(Hypodectes)の種、プレロリクス属(Pterolichus)の種、プソロプテス属(Psoroptes)の種、コリオプテス属(Chorioptes )の種、オトデクテス属(Otodectes)の種、サクロプテス属(Sarcoptes)の種、モトエドレス属(Notoedres)の種、クネミドコプテス属(Knemidocoptes)の種、シトジテス属(Cytodites)の種及びラミノシオプテス属(Laminosioptes)の種、
ナンキンムシ類(ヘテロプテリダ(Heteropterida)):トコジラミ(Cimex lectularius)、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、レドビウス・セニリス(Reduvius senilis)、トリアトマ属( Triatoma )の種、ロドニウス属(Rhodnius )の種、パンストロンギルス属(Panstrongylus)の種及びアリルス・クリタトゥス(Arilus critatus)、
アノプルリダ(Anoplurida)、例えばヘマトピヌス属(Haematopinus) の種、リノグナトゥス属(Linognathus)の種、ペディクルス属(Pediculus) の種、プチルス属(Phtirus)の種及びソレノポテス属(Solenopotes)の種、
マロファギダ(Mallophagida)(アルンブリセリア(Arnblycerina)及びイシュノセリナ(Ischnocerina)亜目)、例えばトリメノポン属(Trimenopon)の種、メノポン属(Menopon)の種、トリノトン属(Trinoton)の種、ボビコラ属(Bovicola)の種、ウェルネキエラ属(Werneckiella)の種、レピケントロン属(Lepikentron)種、トリコデクテス属Trichodectes)の種及びフェリコラ属(Felicola)の種、
回虫類線虫類:
ワイプワーム及び旋毛虫類(Wipeworms 及び Trichinosis)(トリコシリンギダ(Trichosyringida))、例えばトリキネリデ (Trichinellidae)(旋毛虫属の種)、(トリクリデ(Trichuridae))、鞭虫属の種、毛頭虫属の1種、
杵線虫類、例えば杵線虫属の種、ストロンギロイデス属(Strongyloides)の種、ヘリセファロブス属(Helicephalobus)の種、
円虫目、例えばストロンギルス属(Strongylus)の種、鉤虫属の種、アメリカ鉤虫、ブノストムム属(Bunostomum)の種(鉤虫)、毛様線虫属の種、ヘモンクス・コントルトゥス(Haemonchus contortus)(捻転胃虫属の1種)、オステリタジア属(Ostertagia)の種、クーペリア属(Cooperia)の種、 ネマトジルス属(Nematodirus)の種、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)の種、 シアトストマ属(Cyathostoma)の種、エソファゴストムム属(Oesophagostomum)の種、ステファヌルス・デンタトゥス(Stephanurus dentatus)、オルラヌス属(Ollulanus)の種、カベルチア属(Chabertia)の種、ステファヌルス・デンタトゥス(Stephanurus dentatus )、シンガムス・トラケア(Syngamus trachea)、アンキロストマ属の種、ウンシナリア属(Uncinaria)の種、グロボセファルス属(Globocephalus)の種、ネカトル属( Necator)の種、メタストロンギルス属(Metastrongylus)の種、ミューレリウス・カピラリスMuellerius capillaris)、プロトストロンギルス属(Protostrongylus)の種、アンギオストロンギルス属(Angiostrongylus)の種、パレラフォストロンギルス属(Parelaphostrongylus)の種、アリューロストロンギルス・アブルトルスス (Aleurostrongylus abstrusus)及びジオクトフィマ・レナル(Dioctophyma renale)、
胃回虫類(回虫目)、例えば回虫、アスカリス・スウム(Ascaris suum)、アスカリジダ・ガリ(Ascaridia galli)、パラスカリス・エクオルム(Parascaris equorum)、ヒト蟯虫(線虫)、イヌ回虫、トキサスカリス・レオニネ(Toxascaris leonine)、スクリヤビネマ属(Skrjabinema)の種及びウマ蟯虫、
カマラヌス目(カマラニダ(Camallanida))、例えばメジナ虫 (ギニア虫)、
旋尾線虫目、例えばテラジア属(Thelazia)の種、ブクレリア属(Wuchereria)の種、ブルギア属(Brugia)の種、オンコセルカ属(Onchocerca)の種、ジロフィラリ属(Dirofilari)の種、ジペロネマ属(Dipetalonem)の種、セタリア属(Setaria)の種、エレオフォラ属(Elaeophora)の種、スピロセルカ・ルピ(Spirocerca lupi)及びハブロネマ属(Habronema)の種、
頭に刺を有する虫類(Thorny headed worms)(鉤頭虫類)、例えばアカントセファルス属(Acanthocephalus)の種、マクロアカントリンクス・ヒルジナセウス(Macracanthorhynchus hirudinaceus)及びオンシコラ属(Oncicola)の種、
プラナリア類(扁形動物):
吸虫類(吸虫綱)、例えばファキオラ属(Faciola)の種、ファシオォイデス・マグナ (Fascioloides magna)、パラゴニムス属(Paragonimus)の種、ジクロコエリウム属(Dicrocoelium)の種、ファシオロプシス・ブスキ(Fasciolopsis buski)、クロノルキス・シネンシス(Clonorchis sinensis)、シストソマ属(Schistosoma)の種、トリコビルハルジア属(Trichobilharzia)の種、アラリア・アラタ(Alaria alata)、パラゴニムス属(Paragonimus)の種、及びナノシエテス属(Nanocyetes)の種、
セルコメロモルファ(Cercomeromorpha)、特に多節条虫亜綱(サナダムシ類)、例えば裂頭条虫属の種、テニア属(Tenia)の種、エキノコックス属(Echinococcus)の種、瓜実条虫、マルチセプス属(Multiceps)の種、膜様条虫属の種、メソセストイデス属(Mesocestoides)の種、バムピロレピス(Vampirolepis)の種、メニエジア属(Moniezia)の種、裸頭条虫属の種、シロメトラ属(Sirometra)の種、及び裸頭条虫属の種。
【0233】
式(I)の化合物及びそれらを含む組成物は、双翅目、隠翅目及びマダニ目からの害虫を防除するために特に有用である。
【0234】
更に、蚊を防除するための、式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩及びそれらを含む組成物の使用が特に好ましい。
【0235】
ハエを防除するための、式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩及びそれらを含む組成物の使用は、本発明のもう一つの好ましい実施形態である。
【0236】
更に、ノミを防除するための、式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩及びそれらを含む組成物の使用が特に好ましい。
【0237】
ダニを防除するための、式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩又はそれを含む組成物の使用は、本発明のもう一つの好ましい実施形態である。
【0238】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩はまた、内部寄生虫(回虫、線虫、鉤頭虫及びプラナリア)を駆除するために特に有用である。
【0239】
投与は予防的及び治療的に行うことができる。
【0240】
活性化合物の投与は、直接に又は好適な調製物の形態で、経口的に、局所的/皮膚に又は非経口的に行われる。
【0241】
温血動物に経口投与するために、式(I)の化合物、そのN−オキシド又は獣医学上許容される塩は、動物飼料、動物飼料プレミックス、動物飼料濃縮物、ピル、溶液、ペースト、懸濁液、ドレンチ、ゲル、錠剤、ボーラス及びカプセルとして製剤することができる。加えて、式(I)の化合物、そのN−オキシド又は獣医学上許容される塩は、動物にそれらの飲み水に入れて投与することができる。経口投与のためには、選ばれる投与形態は、動物に1日当たり0.01mg/kg〜100mg/動物体重kgの式(I)の化合物、好ましくは1日当たり0.5mg/kg〜100mg/動物体重kgを与えるべきである。
【0242】
別法として、式(I)の化合物は、動物に非経口的に、例えば、反すう胃内、筋肉内、静脈内に又は皮下注射により投与することができる。式(I)の化合物は、皮下注射のために生理学的に許容される担体に分散又は溶解することができる。別法として、式(I)の化合物は、皮下投与のためにインプラントに製剤することができる。加えて、式(I)の化合物は動物に経皮投与することができる。非経口投与のためには、選ばれる投与形態は、動物に1日当たり0.01mg/kg〜100mg/動物体重kgの式(I)の化合物を与えるべきである。
【0243】
式(I)の化合物はまた、動物にディップ、ダスト、首輪、メダル、スプレー、シャンプー、スポットオン及びポアオン製剤の形態、並びに軟膏、水中油型若しくは油中水型エマルジョンで局所適用することができる。局所適用のためには、ディップ及びスプレーは通常0.5ppm〜5000ppm、好ましくは1ppm〜3000ppmの式(I)の化合物を含有する。加えて、式(I)の化合物は、動物用の、特にウシ及びヒツジなどの四肢動物用の耳標として製剤することができる。
【0244】
好適な調製物は以下のものである:
経口溶液などの溶液、希釈後に経口投与するための濃縮物、皮膚上又は体腔内で使用するための溶液、ゲル;
経口又は皮膚投与のための溶液;半固体調製物;
活性化合物が軟膏基剤又は水中油型若しくは油中水型エマルジョン基剤中に加工されている製剤;
固体調製物、例えば粉末、プレミックス又は濃縮物、顆粒、ペレット、錠剤、ボーラス、カプセル;エアゾール及び吸入剤、並びに活性化合物含有造形品。
【0245】
注射に適する組成物は、活性成分を好適な溶剤に溶解し、そして任意により更なる成分、例えば酸、塩基、緩衝塩、保存剤及び可溶化剤を加えることにより製造される。これらの溶液は濾過され、無菌的に充填される。
【0246】
好適な溶剤は、生理学的に耐容される溶剤、例えば水、アルカノール、例えばエタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、2−ピロリドン及びそれらの混合物である。
【0247】
活性化合物は、任意により、注射に適する生理学的に耐容される植物油又は合成油に溶解することができる。
【0248】
好適な可溶化剤は、主溶剤への活性化合物の溶解を促進するか又はその沈殿を防ぐ溶剤である。その例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチル化ヒマシ油及びポリオキシエチル化ソルビタンエステルである。
【0249】
好適な保存剤は、ベンジルアルコール、トリクロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル及びn−ブタノールである。
【0250】
経口溶液は直接投与される。濃縮物は、事前に使用濃度に希釈した後に経口投与される。経口溶液及び濃縮物は、技術水準に従い、注射溶液について上記されるように製造されるが、無菌手法の必要がない。
【0251】
皮膚上で使用するための溶液は、散水され、塗られ、擦り込まれ、振り掛けられ、又は噴霧される。
【0252】
皮膚上で使用するための溶液は、技術水準に従い、注射溶液について上記されるように製造されるが、無菌手法の必要がない。
【0253】
更なる好適な溶剤は、ポリプロピレングリコール、フェニルエタノール、フェノシキシエタノール、エステル、例えば酢酸エチル又はブチル、安息香酸ベンジル、エーテル、例えばアルキレングリコールアルキルエーテル、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素、植物油及び合成油、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、トランスクトール (transcutol)、ソルケタール (solketal)、プロピレンカーボネート、並びにそれらの混合物である。
【0254】
製造中に増粘剤を加えることが有利な場合がある。好適な増粘剤は、無機増粘剤、例えばベントナイト、コロイド状ケイ酸、一ステアリン酸アルミニウム、有機増粘剤、例えばセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、並びにそれらの重合体、アクリレート及びメタクリレートである。
【0255】
ゲルは皮膚上に適用若しくは塗られるか、又は体腔内に導入される。ゲルは、注射溶液の場合に記載されるように製造される溶液を、軟膏様稠度を有する透明物質を生じるのに十分な増粘剤で処理することにより製造される。用いられる増粘剤は、上記に挙げられる増粘剤である。
【0256】
ポアオン製剤は皮膚の限られた領域に注がれるか又は噴霧され、活性化合物が皮膚に浸透して全身的に作用する。
【0257】
ポアオン製剤は、活性化合物を好適な皮膚適合性溶剤又は溶剤混合物に溶解、懸濁又は乳化することにより製造される。適切ならば、他の助剤、例えば着色剤、生物吸収促進物質、抗酸化剤、光安定剤、接着剤を加えられる。
【0258】
好適な溶剤は、水、アルカノール、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジル、エーテル、例えばアルキレングリコールアルキルエーテル、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、環状カーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、芳香族及び/又は脂肪族炭化水素、植物油及び合成油、DMF、ジメチルアセトアミド、n−アルキルピロリドン、例えばメチルピロリドン、n−ブチルピロリドン又はn−オクチルピロリドン、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、2,2−ジメチル−4−オキシ−メチレン−1,3−ジオキソラン及びグリセロールホルマールである。
【0259】
好適な着色剤は、動物への使用が許され、そして溶解又は懸濁できる全ての着色剤である。
【0260】
好適な吸収促進物質は、例えばDMSO、展着油、例えばミリスチン酸イソプロピル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、シリコーン油及びそれとポリエーテルとの共重合体、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂肪アルコールである。
【0261】
好適な抗酸化剤は、亜硫酸塩又はメタ重亜硫酸塩、例えばメタ重亜硫酸塩カリウム、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロールである。
【0262】
好適な光安定剤は、例えばノバンチソル酸 (novantisolic acid) である。
【0263】
好適な接着剤は、例えばセルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリアクリレート、天然高分子、例えばアルギン酸塩、ゼラチンである。
【0264】
エマルジョンは、経口的に、皮膚に又は注射として投与することができる。
【0265】
エマルジョンは、油中水型又は水中油型の何れかである。
【0266】
それらは、活性化合物を疎水性相又は親水性相の何れかに溶解し、そしてこれを、好適な乳化剤及び適切ならば他の助剤、例えば着色剤、吸収促進物質、保存剤、抗酸化剤、光安定剤、粘度上昇物質を用いて、他方の相の溶剤と均質化することにより製造される。
【0267】
好適な疎水性相(油)は以下のものである:
流動パラフィン、シリコーン油、天然植物油、例えばゴマ油、アーモンド油、ヒマシ油、合成トリグリセリド、例えばカプリル/カプリンビグリセリド、鎖長C−C12の植物脂肪酸又は特別に選択される天然脂肪酸とのトリグリセリド混合物、ヒドロキシル基を含有してもよい飽和又は不飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、C−C10脂肪酸のモノ−及びジグリセリド、
脂肪酸エステル、例えばステアリン酸エチル、アジピン酸ジ−n−ブチリル、ラウリン酸ヘキシル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、中鎖長の分枝状脂肪酸と鎖長C12−C18の飽和脂肪アルコールとのエステル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鎖長C12−C18の飽和脂肪アルコールのカプリル/カプリル酸エステル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸エチル、乳酸エチル、ワックス様脂肪酸エステル、例えば合成アヒル鼻骨腺脂肪、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、及び後者に関するエステル混合物、
脂肪アルコール、例えばイソトリデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコール、オレイルアルコール、及び
脂肪酸、例えばオレイン酸、並びに
それらの混合物。
【0268】
好適な親水性相は、水、アルコール、例えばプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール及びそれらの混合物である。
【0269】
好適な乳化剤は下記のものである:
非イオン界面活性剤、例えばポリエトキシル化ヒマシ油、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチルステアレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル;
両性界面活性剤、例えばN−ラウリル−p−イミノジプロピオン酸二ナトリウム又はレシチン;
陰イオン界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、脂肪アルコールエーテル硫酸塩、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルのモノエタノールアミン塩;
陽イオン界面活性剤、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウム。
【0270】
好適な更なる助剤は、粘度を上昇し、そしてエマルジョンを安定化する物質、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及び他のセルロース、並びに澱粉誘導体、ポリアクリレート、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸の共重合体、ポリエチレングリコール、ワックス、コロイド状ケイ酸、又は前記の物質の混合物である。
【0271】
懸濁液は経口的に又は局所/皮膚に投与することができる。それらは、活性化合物を懸濁剤に、適切ならば他の助剤、例えば湿潤剤、着色剤、生物吸収促進物質、保存剤、抗酸化剤、光安定剤を加えて溶解することにより製造される。
【0272】
液体懸濁剤は全ての均質な溶剤及び溶剤混合物である。
【0273】
好適な湿潤剤(分散剤)は上記に与えられる乳化剤である。
【0274】
挙げることのできる他の助剤は上記に与えられるものである。
【0275】
半固体調製物は経口的に又は局所/皮膚に投与することができる。それらは、上記の懸濁液及びエマルジョンとは、それらの粘度が高いことによってのみ異なる。
【0276】
固体調製物を製造するために、活性化合物を好適な賦形剤と、適切ならば助剤を加えて混合し、そして所望の形にする。
【0277】
好適な賦形剤は生理学的に耐容される全ての固体不活性物質である。用いられるものは無機及び有機物質である。無機物質は、例えば、塩化ナトリウム、炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭酸水素塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸、陶土、沈降若しくはコロイド状シリカ、又はリン酸塩である。有機物質は、例えば糖、セルロース、食品及び飼料、例えば粉乳、動物性ミール、穀物ミール及細断物、澱粉である。
【0278】
好適な助剤は、上記に挙げられる保存剤、抗酸化剤及び/又は着色剤である。
【0279】
他の好適な助剤は、潤滑剤及び流動促進剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ベントナイト、崩壊促進物質、例えば澱粉又は架橋ポリビニルピロリドン、結合剤、例えば澱粉、ゼラチン又は線状ポリビニルピロリドン、及び乾燥結合剤、例えば微結晶セルロースである。
【0280】
一般に、「殺寄生虫有効量」は、標的生物の生長に対して観測可能な効果を達成するために必要とされる活性成分の量を意味し、該効果は、標的生物の壊死、死、遅延、防止及び除去、破壊、又はそのほかに発生及び活動の減少の効果を包含する。殺寄生虫有効量は、本発明に用いられる種々の化合物/組成物に対して変動し得る。組成物の殺寄生虫有効量はまた、一般的な状態、例えば望まれる殺寄生虫効果及び持続期間、標的の種、施用方式などにより変動する。
【0281】
本発明に使用できる組成物は、一般に0.001〜95%の式(I)の化合物又はそのN−オキシド若しくは塩を含むことができる。
【0282】
一般に、式(I)の化合物を、総量で1日当たり0.5mg/kg〜100mg/kg、好ましくは1日当たり1mg/kg〜50mg/kgを適用することが好ましい。
【0283】
すぐに使用できる調製物は、寄生虫、好ましくは外部寄生虫に対して作用する化合物を10ppm〜80重量%、好ましくは0.1〜65重量%、より好ましくは1〜50重量%、最も好ましくは5〜40重量%の濃度で含有する。
【0284】
使用前に希釈される調製物は、外部寄生虫に対して作用する化合物を0.5〜90重量%、好ましくは1〜50重量%の濃度で含有する。
【0285】
更に、調製物は、外部寄生虫に対しては、式(I)の化合物を10ppm〜2重量%、好ましくは0.05〜0.9重量%、非常に特に好ましくは0.005〜0.25重量%の濃度で含む。
【0286】
本発明の好ましい実施形態において、式(I)の化合物を含む組成物は、皮膚/局所に適用される。
【0287】
もう一つの実施形態において、局所適用は、化合物を含有する造形品、例えば首輪、メダル、耳標、体の部分に固定するためのバンド、並びに接着ストリップ及びホイルの形態で行われる。
【0288】
一般に、式(I)の化合物を総量で10mg/kg〜300mg/kg、好ましくは20mg/kg〜200mg/kg、最も好ましくは25mg/kg〜160 mg/kgの処理される動物体重の量で放出する固体製剤を適用することが好ましい。
【0289】
造形品の製造のためには、熱可塑性で柔軟なプラスチック並びにエラストマー及び熱可塑性エラストマーが用いられる。好適なプラスチック及びエラストマーは、式(I)の化合物と十分に適合するポリビニル樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、セルロース誘導体、ポリアミド及びポリエステルである。プラスチック及びエラストマーの詳細な目録並びに造形品の製造手法は、例えば WO 03/086075 に記載されている。
【0290】
本発明により使用すべき組成物はまた、他の活性成分、例えば他の殺虫剤、殺昆虫剤、除草剤、殺菌剤、他の殺虫剤又は殺細菌剤、肥料、例えば硝酸アンモニウム、尿素、カリ及び過リン酸塩、植物に有害な物質及び植物成長調節剤、毒性緩和剤及び殺線虫剤を含有することができる。これらの追加の成分は、順次に又は上記の組成物と組み合わせて使用することができ、また適切ならば使用直前に加えてもよい(タンクミックス)。例えば、他の活性成分で処理される前又はその後の何れにも、植物に本発明の組成物を噴霧することができる。
【0291】
これらの物質は、本発明により用いられる物質と1:10〜10:1の重量比で混和される。式(I)の化合物、又は殺虫剤としての使用形態にあるそらを含む組成物を他の殺虫剤と混合すると、多くの場合により広域の殺虫力スペクトルが生じる。
【0292】
式(I)の化合物と一緒に使用できる下記目録の殺虫剤は、可能な組み合わせの例示を意図しており、何らかの限定を強いるものではない:
有機(チオ)リン酸エステル類:アセフェート、アザメチオホス、アジンホス−エチル、アジンホス−メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルフェンビンホス、コウマホス、シアノホス、デメトン−S−メチル、ジアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフル、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メチル−パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラオキソン、パラチオン、パラチオン−メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス、ピリミホス−メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテプ、スルプロテプ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
カルバミン酸エステル類:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオホンカルブ、フェノブカルブ、フェノキシカルブ、ホルメタナト、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノクス、トリアゼメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート;
ピレスロイド類:アクリナスリン、アレスリン、d−シス−トランスアレスリン、d−トランスアレスリン、ビフェンスリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンS−シクロペンチル、ビオレスメスリン、シクロプロスリン、シフルスリン、ベータ−シフルスリン、シハロスリン、ラムダ−シハロスリン、ガンマ−シハロスリン、シフェノスリン、シペルメスリン、アルファ−シペルメスリン、ベータ−シペルメスリン、シータ−シペルメスリン、ゼータ−シペルメスリン、デルタメスリン、エムペンスリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンプロパスリン、フェンバレレート、フルシスリネート、フルメスリン、タウ−フルバリネート、ハルフェンプロクス、イミプロスリン、ペルメトスリン、フェノスリン、プラレンスリン、プロフルスリン、ピレスリンI及びII、レスメスリン、RU15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルスリン、テトラメスリン、トラロメスリン、トランスフルスリン、ジメフルスリン、ZXI8901;
成長調節剤:a)キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素類;ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンテジン;b)エクジソン拮抗剤:クロルマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラキチン;c)幼若ホルモン様物質:ピリプロキシフェン、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、フェノキシカルブ;d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
ニコチン性受容体作動剤/拮抗剤化合物:アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム、ニコチン、ベンスルタプ、塩酸カルタプ、チオシクラム、チオスルタプ−ナトリウム;
式(Γ)のチアゾール化合物
【化13】

【0293】
GABA拮抗剤化合物:アセトプロール、クロルダン、エンドスルファン、エチプロール、ガンマ−HCH(リンダン)、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、バニリプロール、式Γのフェニルピラゾール化合物
【化14】

【0294】
大環状ラクトン殺昆虫剤:アバメクチン、エマメクチン、安息香酸エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド。
【0295】
METI I化合物:フェナザキン、フェンピロキシメート、フルフェネリム、ピリダベン、ピリミジフェン、ロテノン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;
METI II及びIII化合物:アセキノシル、フルアクリプリム、ヒドラメチルノン;
脱共役剤化合物:クロルフェナピル、DNOC;
酸化的リン酸化阻害剤化合物:アゾシクロチン、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット、テトラジフホン;
脱皮かく乱化合物:シロマジン;
混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物:ピペロニルブトキシド;
ナトリウムチャンネル遮断剤化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
無機化合物:リン化アルミニウム、ホウ砂、氷晶石、シアン化物、フッ化スルフリル、ホスフィン;
昆虫中腸膜の微生物かく乱物質:バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエンシス(bacillus thuringiensis subsp. israelensis)、バチルス・スフェリクス(bacillus sphaericus)、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ(Kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス((tenebrionis);
各種のもの:アミトラズ、ベンクロチアズ、ベンゾキシマト、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、カルタプ、キノメチオナト、クロロピクリン、フロニカミド、臭化メチル、ピリダリル、ピメトロジン、リナキシパーサルファー、吐酒酸、チオシクラム、トリブホスフルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、NNI−0101;
N−R’−2,2−ジハロ−1−R’’−シクロプロパンカルボキサミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)ヒドラゾン又はN−R’−2,2−ジ(R’’’)−プロピオンアミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−ヒドラゾン〔ここで、R’はメチル又はエチルであり、ハロはクロロ又はブロモであり、R’’は水素又はメチルであり、そしてR’’’はメチル又はエチルである〕、式Γのアントラニルアミド化合物
【化15】

【0296】
〔式中、AはCH、Cl、Br、Iであり、XはC−H、C−Cl、C−F又はNであり、Y’はF、Cl又はBrであり、Y’’はF、Cl、CFであり、Bは水素、Cl、Br、I、CNであり、BはCl、Br、CF、OCHCF、OCFHであり、そしてRは水素、CH又はCH(CHである〕、及び JP 2002 284608、WO 02/89579、WO 02/90320、WO 02/90321、WO 04/06677、WO 04/20399 又は JP 2004 99597 に記載されているマロノニトリル化合物。
【0297】
本発明の式(I)の化合物はまた、下記:
【化16】

【0298】
1−アセチル−3−[(ピリジン−3−イルメチル)−アミノ]−6−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オンのようなフッ素化キナゾリノン化合物と組み合わせることができる。
【0299】
本発明の式(I)の化合物はまた、ピリミジルアルキニルエーテル化合物Γ又はチアジアゾリルアルキニルエーテル化合物Γ
【化17】

【0300】
〔式中、Rはメチル又はエチルであり、そしてHetは3,3−ジメチルピロリジン−1−イル、3−メチルピペリジン−1−イル、3,5−ジメチルピペリジン−1−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、ヘキサヒドロアゼピン−1−イル、2,6−ジメチルヘキサヒドロアゼピン−1−イル又は2,6−ジメチルモルホリン−4−イルである〕と組み合わせることができる。これらの化合物は、例えば JP 2006131529 に記載されている。
【0301】
上記の混合パートナーは市販されており、そして幾つかある刊行物の中でも、The Pesticide Manual, 13th Edition, British Crop Protection Council (2003) に見出すことができる。
【0302】
式Γのチアミド及びそれらの製造は、WO 98/28279 に記載されている。
【0303】
レピメクチオンは、Agro Project, PJB Publications Ltd, November 2004 から公知である。ベンクロチアズ及びその製造は、EP-A1 454621 に記載されている。メチダチオン及びパラオキソン並びにそれらの製造は、Farm Chemicals Handbook, Volume 88, Meister Publishing Company, 2001 に記載されている。アセトプロール及びその製造は、WO 98/28277 に記載されている。メタフルミゾン及びその製造は、EP-A1 462 456 に記載されている。フルピラゾホスは、Pesticide Science 54, 1988, p.237-243 及び US 4822779 に記載されている。ピラフルオロプロール及びその製造は、JP 2002193709 及び WO 01/00614 に記載されている。ピリプロール及びその製造は、WO 98/45274 及び US 6335357 に記載されている。アミドフルメト及びその製造は、US 6221890 及び JP 21010907 に記載されている。フルフェネリム及びその製造は、WO 03/007717 及び WO 03/007718 に記載されている。シフルメトフェン及びその製造は、WO 04/080180 に記載されている。
【0304】
式Γのアントラニルアミド化合物及びそれらの製造は、WO 01/70671;WO 02/48137;WO 03/24222;WO 03/15518;WO 04/67528;WO 04/33468;及び WO 05/118552 に記載されている。
【0305】
殺菌剤混合パートナーは、以下の殺菌剤からなる群から選択されるものである:
アシルアラニン類、例えばベナラキシル、メタラキシル、オフラーセ、オキサジキシル、
アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン、トリデモルフ、
アニリノピリミジン類、例えばピリメタニル、メパニピリム又はシロジニル、
抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシン又はストレプトマイシン、
アゾール類、例えばビテルタノール、ブロムモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェンコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキコナゾール、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、フルトリアホル、
ジカルボキシイミド類、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン、
ジチオカルバメート類、例えばフェルバム、ナバム、マネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカルバメート、チラム、ジラム、ジネブ、
ヘテロ環式化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンザジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメト、ジチアノン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモール、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノクス、ピロキロン、キノキシフェン、シツチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チアジニル、トリシクラゾール、トリホリン、
銅殺菌剤、例えばボルドー混合物、酢酸銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、
ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカプ、ジノブトン、ニトロフタルイソプロピル、
フェニルピロール類、例えばフェンピクロニル又はフルジオキソニル、
硫黄、
他の殺菌剤、例えばアシベンゾラー−S−メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロメト、ジエトフェンカルブ、エジフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、フェンチン−アセテート、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、フォセチル、フォセチル−アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパモカルブ、フタリド、トロクロホス−メチル、キントゼン、ゾキサミド、
ストロビルリン類、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレゾキシム−メチル、メトミノストロビン、オリザストロビン、ピコキシストロビン又はトリフロキシストロビン、
スルフェン酸誘導体、例えばカプタホル、カプタン、ジクロフルアニド、ホルペト、トリルフルアニド、
桂皮酸アミド類及び類似体、例えばジメトモルフ、フルメトベル又はフルモルフ。
【0306】
動物害虫、すなわちクモ形類動物及び線虫、植物、植物が生長している土壌又は水を、本発明の化合物(I)、そのN−オキシド若しくは塩又はそれらを含む組成物と、当技術分野で公知の任意の施用方法により接触させることができる。それ自体として、「接触」は、直接接触(化合物/組成物を動物害虫又は植物に − 典型的には植物の葉、茎又は根に直接施用すること)、及び間接接触(化合物/組成物を動物害虫又は植物の場(locus)に施用すること)の両方を包含する。
【0307】
更に、動物害虫は、標的害虫、その食糧供給物、生息地、繁殖地又はその場を殺虫有効量の式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩と接触させることにより防除することができる。それ自体として、施用は、場(locus)、育成中の作物又は収穫された作物が害虫に感染する前又は感染した後に行うことができる。
【0308】
「場(locus)」は、生息地、繁殖地、害虫若しくは寄生虫が成長しているか又は成長できる植物、種子、土壌、材料又は環境を意味する。
【0309】
一般に、「殺虫有効量」は、標的生物の生長に対して観測可能な効果を達成するために必要とされる活性成分の量を意味し、該効果は、標的生物の壊死、死、遅延、防止及び除去、破壊、又はそのほかに発生及び活動の減少の効果を包含する。殺虫有効量は、本発明に用いられる種々の化合物/組成物に対して変動し得る。組成物の殺虫有効量はまた、一般的な状態、例えば望まれる殺虫効果及び持続期間、気候、標的の種、場、施用方式などにより変動する。
【0310】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩及びそれらを含む組成物は、木製材料、例えば木、板塀、枕木など、及び建物、例えば家屋、納屋、工場だけでなく、建築材料、家具、皮革、繊維、ビニル製品、電線及びケーブルなどを、アリ及び/又はシロアリから保護するために、そしてアリ及びシロアリが作物又はヒトに害を及ぼすこと(例えば害虫が家屋及び公共施設に侵入する場合)から抑制するために用いることができる。式(I)の化合物は、木製材料を保護するために周辺の土壌表面上に又は床下の土壌中に施用されるだけでなく、製材製品、例えば床下コンクリートの表面、床柱、梁、合板、家具など、木製製品、例えばパーチクルボード、ハーフボードなど、及びビニル製品、例えば被覆電線、ビニルシート、断熱材、例えば発泡スチロールなどに施用することができる。作物又はヒトに害を及ぼすアリに対して施用する場合には、本発明のアリ制御剤は作物若しくは周辺土壌に施用されるか、又はアリの巣などに直接施用される。
【0311】
本発明の化合物はまた、害虫の発生が予測される場所に予防的に施用することができる。
【0312】
式(I)の化合物、そのN−オキシド又は塩はまた、育成中の植物を害虫による攻撃又は侵入から保護するために、植物を殺虫有効量の式(I)の化合物と接触させることにより用いることができる。それ自体として、「接触」は、直接接触(化合物/組成物を害虫及び/又は植物に − 典型的的には植物の葉、茎又は根に直接施用すること)、及び間接接触(化合物/組成物を害虫及び/又は植物の場(locus)に施用すること)の両方を包含する。
【0313】
土壌処理又は害虫が存在する場所若しくは巣に施用する場合、活性成分の量は、100cm当たり0.0001〜500g、好ましくは100cm当たり0.001〜20gの範囲にある。
【0314】
材料の保護における慣例の施用量は、例えば、処理される材料1m当たり0.01g〜1000g、望ましくは1m当たり0.1g〜50gの活性成分である。
【0315】
材料の含浸に使用するための殺昆虫組成物は、典型的には0.001〜95重量%、好ましくは0.1〜45重量%、より好ましくは1〜25重量%の少なくとも一つの忌避剤及び/又は殺昆虫剤を含有する。
【0316】
餌組成物中で使用するためには、活性成分の典型的な含有量は、0.001重量%〜15重量%、望ましくは0.001重量%〜5重量%の活性化合物である。
【0317】
スプレー組成物中で使用するためには、活性成分の含有量は、0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜50重量%、最も好ましくは0.01〜15重量%である。
【0318】
作物植物の処理に使用するためには、本発明の活性成分の施用量は、1ヘクタール当たり0.1g〜4000g、望ましくは1ヘクタール当たり25g〜600g、より望ましくは50g〜500gである。
【0319】
種子処理において、混合物の施用量は、一般に100kgの種子当たり0.1g〜10kg、好ましくは100kgの種子当たり1g〜5kg、特に100kgの種子当たり1g〜200gである。
【実施例】
【0320】
さて、下記の実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0321】
I.実験手法
更なる化合物(I)を得るために、出発化合物にしかるべき変更を加えて下記の合成例に示されるプロトコールを用いた。生成した化合物を物理的データと共に下記の表Cに示す。
【0322】
生成物は、結合高速液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MB)により、CDCl若しくはd−DMSO中でのH−NMR(400MHz)により、又は生成物の融点により特性決定された。HPLCカラム: RP-18カラム(Merck KgaA, Germany からの Chromolith Speed ROD)。溶離:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/水、比率5:95〜95:5、40℃で5分間。MS:四極エレクトロスプレーイオン化、80V(ポジティブ方式)。
【0323】
1.1.1 ブロモスルホンアミド(II.B)の製造
【化18】

【0324】
1.1.1.a) 4−ブロモ−3−フルオロ−N−[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=F)の製造
トリエチルアミン (3.81 ml, 0.027 mol) 中のキノリンメチルアミン (61 g, 0.023 mol) の溶液を、3−フルオロ−4−ブロモ−スルホン酸クロリド (6.24 g, 0.023 mol) の溶液に加えた。この混合物を周囲温度で16時間攪拌させた。水 (20 ml) を加え;沈殿を濾別し、次いで水及びメチル−tert−ブチルエーテルですすぎ、乾燥して、表題の化合物 (4.92 g) を無色固体として得た。1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ = 8.8 (m, 1 h), 8.1-7.8 (m, 3 H), 7.8.-7.4 (m, 5 h), 4.6 ppm (s, 2 H)。
【0325】
1.1.1.b) 4−ブロモ−3−トリフルオロメチル−N−[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=CF)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ = 8.8 (m, 2 H), 8.1 (m, 8 H), 4.6 ppm (s, 2 H)。
【0326】
I.1.1.c) 4−ブロモ−3−メチル−N−[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=CH)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ = 8.8 (m, 1 H), 8.5 (t, 1 H), 8.2-8.0 (m, 2 H), 7.8-7.5 (m, 6 H), 4.6 (d, 2 H), 2.4 ppm (s, 3 H)。
【0327】
I.1.1.d) 4−ブロモ−3−クロロ−N−[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=Cl)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ = 8.8 (m, 1 H), 8.6 (t, 1 H), 8.1-7.6 (m, 8 H), 4.6 ppm (d, 2 H)。
【0328】
1.1.2 ブロモスルホンアミド(II.B)の製造
【化19】

【0329】
1.1.2.a) 4−ブロモ−2−フルオロ−N[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=F)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 MHz, d8-THF) δ = 8.6 (m, 1 H), 8.1 (m, 1 H), 8.0 (m, 1 H), 7.6-7.4 (m, 5 H), 7.2 (m, 2 H), 4.5 (d, 2 H)。
【0330】
I.1.2.b) 4−ブロモ−2−メチル−N[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=CH)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ = 8.8 (m, 1 H), 8.6 (m, 1 H), 8.1-8.0 (m, 2 H), 7.8-7.4 (m, 6 H), 7.2 (m, 2 H), 4.5 (d, 2 H), 2.5 (s, 3H)。
【0331】
I.1.2.c) 4−ブロモ−2−トリフルオロメトキシ−N[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=OCF)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ = 8.8 (m, 1 H), 8.1-8.0 (m, 2 H), 7.8-7.4 (m, 7 H), 7.2 (m, 2 H), 4.5 (d, 2 H)。
【0332】
I.1.2.d) 4−ブロモ−2−クロロ−N[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=Cl)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 Mhz, d6-DMSO) δ = 8.8 (br, 2 H), 8.1-7.9 (m, 2 H), 7.8-7.4 (m, 6 H), 7.2 (m, 2 H), 4.6 (d, 2 H)。
【0333】
I.1.2.e) 4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−N[(キノリン−4−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(R=CF)の製造
この化合物は、1.1.1.a) に記載される方法と同様の方法を用いて製造した。1H-NMR (400 Mhz, d6-DMSO) δ = 8.8 (m, 2 H), 8.2-7.6 (m, 5 H), 7.7 (m, 1 H),7.6 (m, 1 H), 7.4 (m, 1 H), 4.5 (d, 2 H)。
【0334】
1.2 化合物(I)を製造するための一般的手法
テトラヒドロフラン (3 ml) 及び水 (0.5 ml) 中の、上記の一般式(II)の好適なスルホンアミド (0.48 mmol)、CsCO (200 mg)、ポリスチレン−トリフェニルホスフィン−Pd (400 mg, Argonaut) 及びボロン酸 (0.6 mmol) の混合物を、75℃で反応させた。20時間後にこの混合物を周囲温度に冷却し、ポリスチレン−ジエタノールアミン (100 mg, Novabiochem) で6時間処理した。固定化された反応関与体を濾別し、テトラヒドロフラン (10 ml) ですすいだ。濾液を集め、揮発分を真空除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー (SiO2, シクロヘキサン/酢酸エチル) にかけた。
【0335】
代表的な化合物の分析データを表C及び表Dに記載する。
【0336】
上記の手法により、表Cに列記される式(I.B)の化合物を製造した。
【化20】

【表3】

【0337】

【0338】
上記の手法により、表Dに列記される式(I.B)の化合物を製造した。
【化21】

【表4】

【0339】

【0340】

【0341】
同様にして、表Eに列記される式(I.B)の比較例を製造した。
【表5】

【0342】
II.生物学的活性の評価
II.1 ワタアブラムシ (Aphis gossypii) に対する活性、混合ライフステージ
活性化合物を50:50のアセトニトリル:水及び100ppmの Kinetic(登録商標) 界面活性剤中で製剤した。
【0343】
子葉期のワタ植物を、処理前に、アブラムシの主コロニーからの酷く感染した葉を各子葉の頂部に置くことにより感染させた。アブラムシを一夜移行させておき、ホスト葉を除去した。次いで感染した子葉を試験溶液に3秒間浸漬して攪拌し、ドラフト内で乾燥させた。試験植物を25℃及び20〜40%の相対湿度で、蛍光照明下に24時間の明期で維持した。5日後に、処理された植物上のアブラムシの死亡率を未処理の照合用植物上の死亡率に対して決定した。
【0344】
この試験において、化合物B1、B3、B7、B12、B14、B27、B45、B56、B59、B85、B90、B115、B117及びB123は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0345】
II.2 モモアカアブラムシ (Myzus persicae) に対する活性
活性化合物を50:50のアセトニトリル:水及び100ppmの Kinetic(登録商標) 界面活性剤中で製剤した。
【0346】
第二双葉期のペッパー植物(品種カリフォルニア・ワンダー(California Wonder))を約40匹のアブラムシに感染させたが、これは感染した葉の切片を試験植物の頂部に置くことによった。葉の切片を24時間後に除去した。無傷植物の葉を試験化合物の勾配溶液に浸漬し、乾燥させた。試験植物を25℃及び20〜40%の相対湿度で蛍光照明下(24時間の明期)で維持した。5日後に、処理された植物上のアブラムシの死亡率を照合用植物上の死亡率に対して決定した。
【0347】
この試験において、化合物B1、B3、B9、B14、B27、B31、B56及B85は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0348】
II.3 サザンヨトウガ幼虫(スポドプテラ・エリダニア(Spodoptera eridania))に対する活性、二〜三齢幼虫
活性化合物を35%アセトン及び水の混合物中の10000ppm溶液として製剤し、これを必要に応じて水で希釈した。
【0349】
第一本葉まで伸びたシーバ(Sieva) ライマメの葉を試験溶液に3秒間浸漬して攪拌し、次いでドラフト内で乾燥させた。次いで処理された植物を25cmのジッパー付きプラスチック多孔封入バッグに入れ、10匹の二齢幼虫を加え、バッグを閉じた。4日後に、死亡率、植物摂食、及び幼虫成長の何らかの障害について観測を行った。
【0350】
この試験において、化合物B1、B3、B8、B10、B12、B26、B31、B32、B45、B60、B84、B90、B98及びB103は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0351】
II.4 コロラドジャガイモハムシ (Leptinotarsa decemlineata) に対する活性
ジャガイモ植物をバイオアッセイのために利用した。切り取った植物の葉を1:1のアセトン/水での活性化合物希釈液に浸漬した。葉が乾燥した後、それらを個々に、ペトリ皿の底に敷いた水で湿らせた濾紙の上に置いた。各皿を5〜7匹の幼虫に感染させ、蓋で覆った。各処理希釈液を4回反復した。試験皿を約27℃及び60%の湿度で保持した。処理適用の5日後に、各皿で生きた幼虫及び死んだ幼虫の数を評価し、パーセント死亡率を計算した。
【0352】
この試験において、化合物B2、B16、B32、B68、B84、B121及びB122は2500ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0353】
II.5 コナガ (plutella xylostella) に対する活性
活性化合物を50:50のアセトニトリル:水及び0.1% (vol/vol) の Alkamuls EL 620 界面活性剤中で製剤した。
【0354】
キャベツの葉の6cmディスクを試験溶液に3秒間浸漬し、湿った濾紙を敷いたペトリ皿内で空気乾燥させた。葉のディスクに10匹の三齢幼虫を接種し、25〜27℃及び50〜60%の湿度に3日間保持した。処理の72時間後に死亡率を評価した。
【0355】
この試験において、化合物B1、B3、B12、B23、B27及びB115は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0356】
II.6 ナミハダニ (Tetranychus urticae、OP−耐性系統) に対する活性
活性化合物を50:50のアセトニトリル:水及び100ppmの Kinetic(登録商標) 界面活性剤中で製剤した。
【0357】
初生葉が7〜12cmに伸びたシーバライマメ植物を、主コロニーから採取した感染した葉(約100匹のダニ)からの各小片上に置くことにより感染させる。これは、ダニが試験植物に移動して産卵できるように、処理の約2時間前に行われる。ダニを移すために用いた葉の小片を除去する。新たに感染させた葉を試験溶液に浸漬し、乾燥させる。試験植物を約25℃及び20〜40%の相対湿度で蛍光照明下(24時間の明期)で保持した。5日後に、1枚の葉を除去し、死亡率の計算を行う。
【0358】
この試験において、化合物B1及びB7は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0359】
II.7 トビイロウンカ (nilaparvata lugens) に対する活性
活性化合物を20:80のアセトニトリル:水の溶液として製剤した。界面活性剤 (Alkamuls EL 620) を0.1% (vol/vol) の割合で加えた。
【0360】
3〜4週齢の鉢植えイネ植物に、圧縮空気駆動式噴霧器 (Devillbis 噴霧器) を用いて1.7バールで10mlの試験溶液を噴霧する。処理された植物を約1時間乾燥させ、マイラー製ケージで覆う。植物にその種の10匹の成虫(雄5匹及び雌5匹)を接種し、25〜27℃及び50〜60%の湿度で3日間保持する。処理の24、48及び72時間後に死亡率を評価する。死んだ昆虫は通常は水面に見出される。各処理を1回反復する。
【0361】
この試験において、化合物B16は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0362】
II.8 ワタミゾウムシ (Anthonomus grandis) に対する活性
活性化合物を1:3のDMSO:水中で製剤した。水中の2%の寒天及び300ppmのホルマリンを満たしたマイクロタイタープレートに、10〜15個の卵を入れた。卵に20μlの試験溶液を噴霧し、プレートを穴あきホイルで封をし、24〜26℃及び75〜85%の湿度で昼/夜サイクルで3〜5日間保持した。寒天表面上に残った孵化していない卵又は幼虫及び/又は孵化した幼虫に起因して掘られた溝の量及び深さに基づいて死亡率を評価した。試験を2回反復した。
【0363】
この試験において、化合物B68、B116及びB117は2500ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0364】
II.9 チチュウカイミバエ (Ceratitis capitata) に対する活性
活性化合物を1:3のDMSO:水中で製剤した。水中の0.5%の寒天及び14%の餌を満たしたマイクロタイタープレートに50〜80個の卵を入れた。卵に5μlの試験溶液を噴霧し、プレートを穴あきホイルで封をし、27〜29℃及び75〜85%の湿度で蛍光照明下に6日間保持した。孵化した幼虫の敏捷性に基づいて死亡率を評価した。試験を2回反復した。
【0365】
この試験において、化合物B85及びB98は2500ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0366】
II.10 ニセアメリカタバコガ (Heliothis virescens) に対する活性
活性化合物を1:3のDMSO:水中で製剤した。餌を満たしたマイクロタイタープレートに15〜25個の卵を入れた。卵に10μlの試験溶液を噴霧し、プレートを穴あきホイルで封をし、27〜29℃及び75〜85%の湿度で蛍光照明下に6日間保持した。孵化した幼虫の敏捷性及び比較摂食に基づいて死亡率を評価した。試験を2回反復した。
【0367】
この試験において、化合物は2500ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0368】
II.11 ベッチアブラムシ (Megoura viciae) に対する活性
活性化合物を1:3のDMSO:水中で製剤した。0.8%の寒天及び2.5ppmの OPUS(登録商標)を満たしたマイクロタイタープレートにマメの葉のディスクを入れた。葉のディスクに2.5μlの試験溶液を噴霧し、5〜8匹のアブラムシ成虫をマイクロタイタープレートに入れ、次いでこれ閉じ、22〜24℃及び35〜45%で蛍光照明下に6日間保持した。元気な増殖したアブラムシに基づいて死亡率を評価した。試験を2回反復した。
【0369】
この試験において、化合物は2500ppmで未処理対照の0%死亡率と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0370】
II.12 ニセアメリカタバコガ (Heliothis virescens) に対する活性
双葉のワタ植物をバイオアッセイのために利用する。切り取られた植物の葉を1:1のアセトン/水での活性化合物希釈液に浸漬する。葉が乾燥した後、それらを個々に、ペトリ皿の底に敷いた水で湿らせた濾紙の上に置く。各皿を5〜7匹の幼虫に感染させ、蓋で覆う。各処理希釈液を4回反復する。試験皿を約27℃及び60%の湿度で保持する。処理適用の5日後に、各皿で生きた幼虫及び死んだ幼虫の数を評価し、パーセント死亡率を計算する。
【0371】
II.13 シルバーリーフコナジラミ (bemisia argentifolii) に対する活性
活性化合物を50:50のアセトニトリル:水及び100ppmの Kinetic(登録商標)界面活性剤中で製剤した。
【0372】
選択されたワタ植物を子葉期まで栽培した(1鉢当たり1本)。子葉を試験溶液に浸漬して葉に完全な被覆を与え、よく換気された場所に置いて乾燥した。処理された苗の各鉢をプラスチックカップに入れ、10〜12匹のフコナジラミ成虫(約3〜5日齢)を接種した。アスピレーター及びバリアピペットチップに接続された0.6cmの無毒性 Tygon 管を用いて昆虫を集めた。次いで収集された昆虫を含むチップを、処理された植物を含む土壌に静かに差し込み、昆虫がチップから這い出し、葉に到達して摂食できるようにした。カップを再利用できるスクリーン付き蓋(Tetko Inc からの150メッシュのポリエステルスクリーン PeCap)で覆った。植物を保持室内で25℃及び20〜40%の相対湿度で3日間維持したが、カップ内に熱がこもるのを防ぐために蛍光照明(24時間の明期)への直接照射を避けた。処理の3日後に、植物の死亡率を評価した。
【0373】
この試験において、化合物B56、B84、B85、B115及びB117は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも70%の死亡率を示した。
【0374】
II.14 カウピー (cowpea) アブラムシ (aphis craccivora) に対する活性
活性化合物を50:50のアセトニトリル:水中で製剤した。種々の成長期の100〜150匹のアブラムシを移植した鉢植えカウピー植物に、害虫の個体数を記録した後に噴霧した。個体数の減少を24、72及び120時間後に記録した。
【0375】
この試験において、化合物は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも80%の死亡率を示した。
【0376】
II.15 ネッタイシマカ (Aedes aegypti) に対する活性
試験化合物(アセトン中1 vol%)を、四齢幼虫 aedes aegypti を含有するガラス皿中の水に施用した。試験皿を約25℃で維持し、死亡率を毎日観測した。各試験を3個の試験皿で反復した。
【0377】
この試験において、化合物は300ppmで6日後に未処理対照と比べて90%を超える死亡率を示した。
【0378】
II.16 イースタン地下シロアリ (Reticulitermes flavipes) に対する活性
毒物処理(1.0%試験化合物 w/w)を、アセトン溶液中の4.25cm(直径)の濾紙に施用する。106.5mgの濾紙当たりの平均重量に基づいて処理レベル(%試験化合物)を計算する。処理溶液を213mlのアセトン中で濾紙当たり毒物の必要量(mg)を与えるように調節する。未処理対照のためにアセトンのみを施用する。処理された濾紙を通気してアセトンを蒸発し、0.25mlの水で湿潤し、密閉できる蓋を備えた50×9mmのペトリ皿内に入れる。
【0379】
シロアリのバイオアッセイを100×15mmのペトリ皿内で、各皿の底に10gの微粒砂を薄い層として広げて行う。追加の2.5gの砂を各皿の側面に対して堆積する。堆積された砂に2.8mlの水を与えて砂を湿潤する。バイオアッセイの期間にわたり、必要に応じて水を更に加えて高い水分含有量を維持する。バイオアッセイは試験皿当たり1枚の処理された濾紙(囲い内部)及び30匹の働きシロアリを用いて行う。各処理レベルを2個の試験皿で反復する。試験皿を約25℃及び85%の湿度に12日間維持し、死亡率を毎日観測する。
【0380】
II.17 ランアザミウマ (dichromothrips corbetti) に対する活性
バイオアッセイに用いられる Dichromothrips corbetti 成虫は実験室条件下に連続的に維持されるコロニーから得られる。試験の目的のために、試験化合物をアセトン:水の1:1混合物、プラス 0.01%の Kinetic 界面活性剤で500ppmの濃度(化合物の重量:希釈剤の体積)に希釈する。
【0381】
各化合物のアザミウマに対する効力を、花の浸漬技術の使用により評価する。プラスチックペトリ皿を試験領域として用いる。個々の無傷のランの花の全花弁を処理溶液に約3秒間浸漬し、2時間乾燥させる。処理された花を個々のペトリ皿に10〜15匹のアザミウマ成虫と共に入れる。次いでペトリ皿を蓋で覆う。全ての試験領域をアッセイ期間中、連続照明下に約28℃の温度で保持する。4日後に、各花の上の、及び各ペトリ皿の内壁の生きたアザミウマの数を数える。アザミウマの死亡率のレベルを処理前のアザミウマの数から外挿する。
【0382】
II.18 ガラス接触によるアルゼンチンアリ、収穫アリ、アクロバットアリ、オオアリ、ヒアリ、イエバエ、サシバエ、ニクバエ、ネッタイシマカ、イエカ、マラリアカ、チャバネゴキブリ、ネコノミ及びチャイヌダニに対する活性
ガラスバイアル(20mlシンチレーションバイアル)をアセトン中の活性化合物溶液0.5mlで処理する。各バイアルをキャップをすることなく約10分間回転して、バイアルを活性化合物で完全に被覆させ、そしてアセトンを十分に乾燥させる。昆虫又はダニを各バイアルに入れる。バイアルを22℃に保持し、種々の時間間隔で処理効果について観測する。
【0383】
II.19 ノミハムシ (Phylotretta striolata) に対する活性
バイオアッセイに用いられるノミハムシ (Phylotretta striolata) 成虫は実験室条件下に連続的に維持されるコロニーから得られる。試験の目的のために、試験化合物をアセトン:水の1:1混合物、プラス 0.1%の EL 620 界面活性剤で300ppmの濃度(化合物の重量:希釈剤の体積)に希釈する。
【0384】
リップ−ディップ技術を用いて各化合物の活性を評価する。湿った濾紙を敷いたガラスペトリ皿(60×15mm)を試験領域として役立てる。全ての葉のディスクを処理溶液に約3秒間浸漬し、2時間乾燥させる。それぞれ処理された葉のディスクを個々のペトリ皿に入れ、10匹のハムシ成虫を接種する。次いでペトリ皿を蓋で覆う。全ての試験領域をアッセイ期間中、連続照明下に約28℃の温度で保持する。3日後に、パーセント死亡率を観測する。
【0385】
この試験において、化合物B85は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0386】
II.20 ツマグロヨコバイ (Nephotettix virescens) に対する活性
バイオアッセイに用いられるヨコバイ成虫は実験室条件下に連続的に維持されるコロニーから得られる。試験の目的のために、試験化合物をアセトン:水の1:1混合物、プラス 0.1%の EL 620 界面活性剤で300ppmの濃度(化合物の重量:希釈剤の体積)に希釈する。
【0387】
葉の噴霧技術を用いてヨコバイの活動を評価する。施用の前に鉢植えイネ植物(2〜3週齢、品種NT−1)を洗浄し、乾燥する。全ての植物をドラフト内で Devillbis 噴霧器を用いて25psiで、5ml/植物の噴霧量で処理する。一様な噴霧分布を確保するために、ドラフト内の平らな回転型枠に入れる。次いで処理された植物を保持室内に入れ、2時間乾燥させる。マイラー製ケージ(直径4インチ×長さ19インチ)を用いて各植物を囲い、10匹の成虫ヨコバイを接種する。全ての試験植物をアッセイの期間中、連続照明下に約28℃及の温度で保持する。72時間後に、パーセント死亡率を観測する。
【0388】
この試験において、化合物B85は300ppmで未処理対照と比べて少なくとも75%の死亡率を示した。
【0389】
III. 生物学的活性に関する比較データ
本発明に係る式(I)の化合物の生物学的活性に関する比較データを下記の表Fにまとめて示す。
【表6】

【0390】
これらの結果は、本発明に係る式(I)の化合物の向上した生物学的活性を明確に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のキノリン化合物
【化1】

〔式中、
、Rはそれぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシ、C(OH)(CF、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルケニル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−ハロアルケニルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C(R)=O又はC(R)=NORであり;
は水素又はC−C−アルキルであり;
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキル又はC−C−ハロアルケニルであり;
、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル又はC(=O)ORであり;
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル又はC−C−アルキニルであり;
mは0、1、2、3、4又は5であり、
nは1又は2である〕;
並びにそのN−オキシド及び塩。
【請求項2】
nが1である、請求項1に記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項3】
置換基Rがスルホンアミド部分に対してメタ位でフェニル基に結合している、請求項2に記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項4】
置換基Rがスルホンアミド部分に対してオルト位でフェニル基に結合している、請求項2に記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項5】
がハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−ハロアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルホニル又はC−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から独立して選択される、請求項1〜4の何れかに記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項6】
がF、Cl、Br、CH、CHF、CF、OCH、OCHF及びOCFからなる群から独立して選択される、請求項5に記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項7】
mが1、2又は3である、請求項1〜6の何れかに記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項8】
がハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−ハロアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−アルキルスルホニル又はC−C−ハロアルキルスルホニルからなる群から独立して選択される、請求項1〜7の何れかに記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項9】
がF、Cl、Br、CH、CHF、CF、OCH、OCHF及びOCFからなる群から独立して選択される、請求項8に記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項10】
、R、R、Rがそれぞれ水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ又はC−C−アルキルチオからなる群から独立して選択される、請求項1〜9の何れかに記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項11】
、R、R、Rがそれぞれ水素である、請求項10に記載の式(I)のキノリン化合物。
【請求項12】
式(I.1.a)のキノリン化合物
【化2】

〔式中、
、R及びmは請求項1〜11の何れかで与えられる意味を有する〕
と称する、式(I)のキノリン化合物。
【請求項13】
式(I.2.a)のキノリン化合物
【化3】

〔式中、
、R及びmは請求項1〜11の何れかで与えられる意味を有する〕
と称する、式(I)のキノリン化合物。
【請求項14】
請求項1〜13に記載の式(I)のキノリン化合物の製造方法であって、
式(II)の化合物と式(III)のボロン酸誘導体とを、塩基及び遷移金属触媒の存在下に反応させて式(I)のキノリン化合物を与えることを含む方法:
【化4】

〔ここで、上記の化合物(II)及び(III)における可変部は式(I)のキノリン化合物のために上記で定義される意味を有し、R及びRはそれぞれ独立して、水素又はC−C−アルキルであるか、又はR及びRは一緒になって、1,2−エチレン又は1,2−プロピレン部分を形成し、その炭素原子は非置換であってよく、又は全て若しくは一部がメチル基で置換されていてよく、そしてLは好適な脱離基である〕。
【請求項15】
請求項14に記載の式(I)のキノリン化合物の製造方法であって、
スルホニルクロリド(IV)とキノリン(V)とを、塩基の存在下に反応させて式(II)の化合物を与えることを更に含む方法:
【化5】

〔ここで、上記の化合物(IV)及び(V)における可変部は式(I)のキノリン化合物のために上記で定義される意味を有し、そしてL及びLは好適な脱離基である〕。
【請求項16】
式(II.1)の化合物
【化6】

〔式中、
は塩素、臭素又はヨウ素であり、そしてn、R、R、R、R及びRは請求項1〜13の何れかで与えられる意味を有する〕。
【請求項17】
節足動物害虫又は線虫を駆除するための、請求項1〜13の何れかに記載の式(I)の化合物及びそれらのN−オキシド又は塩の使用。
【請求項18】
式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは塩、並びに担体材料を含む組成物。
【請求項19】
節足動物害虫又は線虫の防除方法であって、昆虫、クモ形類動物若しくは線虫又はそれらの食糧供給物、生息地、繁殖地又はそれらの場(locus)を、請求項1〜13の何れかに記載の式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩と接触させることを含む方法。
【請求項20】
育成中の植物を節足動物害虫又は線虫による攻撃又は侵入から保護する方法であって、該植物に、又はそれらが成長している土壌又は水に、請求項1〜13の何れかに記載の式(I)の少なくとも一つ化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩を施用することを含む方法。
【請求項21】
式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩を、式(I)の化合物として計算して、5g/ha〜2000g/haの量で施用する、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
種子を、請求項1〜13の何れかに記載の式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩又はこれらの化合物の少なくとも一つを含む組成物と、殺虫有効量で接触させることを含む、種子の保護方法。
【請求項23】
式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩を、式(I)の化合物として計算して、種子100kg当たり0.1g〜10kgの量で施用することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1〜13に記載の式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは農業上許容される塩を含む種子。
【請求項25】
動物を寄生虫による侵入又は感染に対して治療、制御、予防又は保護する方法であって、該動物に殺寄生虫有効量の請求項1〜13に記載の式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは獣医学上許容される塩を投与又は適用することを含む方法。
【請求項26】
請求項1〜13に記載の式(I)の少なくとも一つの化合物及び/又はそのN−オキシド若しくは塩、並びに有機(チオ)ホスフェート類、カルバメート類、ピレスロイド類、成長調節剤、ネオニコチノイド類、ニコチン性受容体作動剤/拮抗剤化合物、GABA拮抗剤化合物、大環状ラクトン殺昆虫剤、METI I、II 及び III 化合物、酸化的リン酸化阻害剤化合物、脱皮かく乱化合物、混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物、ナトリウムチャンネル遮断剤化合物、ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタプ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シアノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、アントラニルアミド類、及びN−R’−2,2−ジハロ−1−R’’−シクロプロパンカルボキサミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)ヒドラゾン又はN−R’−2,2−ジ(R’’’)−プロピオンアミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−ヒドラゾン〔ここで、R’はメチル又はエチルであり、ハロはクロロ又はブロモであり、R’’は水素又はメチルであり、そしてR’’’はメチル又はエチルである〕から選択される殺虫剤を含む、相乗的殺虫性混合物。

【公表番号】特表2010−502683(P2010−502683A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527159(P2009−527159)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059538
【国際公開番号】WO2008/031824
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】