キャップ付き容器
【課題】液体の詰め替え作業を容易なものとし、なお且つ、容器本体から取り外したキャップユニットを静置したときに、このキャップユニットが転倒することを防止したキャップ付き容器を提供する。
【解決手段】口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニット3は、容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップ4と、注出キャップ4に着脱自在に被せられるカバーキャップ5と、注出キャップ4の側面部から延長して設けられた把手6とを有し、このキャップユニット3を容器本体の口頸部から取り外して、カバーキャップ5側を下に向けた状態で静置可能とされると共に、把手6の静置面Pに接する部分には、少なくとも幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部30が設けられている。
【解決手段】口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニット3は、容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップ4と、注出キャップ4に着脱自在に被せられるカバーキャップ5と、注出キャップ4の側面部から延長して設けられた把手6とを有し、このキャップユニット3を容器本体の口頸部から取り外して、カバーキャップ5側を下に向けた状態で静置可能とされると共に、把手6の静置面Pに接する部分には、少なくとも幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部30が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ付き容器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体洗剤や液体漂白剤、柔軟仕上げ剤などの液体製品を容器本体に収容し、この容器本体に着脱自在に被せられるキャップを計量カップとして使用するキャップ付き容器が提供されている。
【0003】
このようなキャップ付き容器は、例えば図13に示すように、内容液を収容する容器本体100と、この容器本体100から注出された内容液を計り取る計量部101aが設けられた計量キャップ101と、この計量キャップ101に内容液を注出するための注出ノズル102aが設けられた注出キャップ102とを備えている。また、注出キャップ102には、注出ノズル102aの基端部から周囲に広がる環状の底壁102bと、注出ノズル102aとの間に環状の空隙R’を隔てて底壁102bの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁102cと、底壁102bに向かって流れ落ちる内容液を容器本体100内に戻す戻し口102dとが設けられている。
【0004】
そして、このような液体製品を用いて洗濯などを行う場合には、図14に示すように、計量キャップ101を注出キャップ102から取り外し、注出ノズル102aから注出された内容液を計量キャップ101の計量部101aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0005】
このような計量キャップ101と注出キャップ102との嵌合には、ネジ方式による螺合が多く用いられている。これにより、注出キャップ102から計量キャップ101の取り外しが容易となり、良好な使い勝手が得られている。
【0006】
一方、上述のように計量キャップ101を注出キャップ102から取り外す際に、誤って容器本体100から注出キャップ102が外れることを防止するため、容器本体100と注出キャップ102との嵌合には、ラチェット方式やストッパーを併用したネジ方式、或いは打ち込み方式が用いられている。これにより、液体が充填されて生産時に嵌合された後には、消費者が外すことができないようになっている。
【0007】
ところで、このようなキャップ付き容器に入った液体製品では、資源の有効利用の観点から、内容液を使い切った後に、簡易包装された詰め替え容器を購入してきて、この詰め替え容器に収容された内容液をキャップ付き容器に詰め替えることにより、このキャップ付き容器を買い換えずに再利用するといったことが行われてきている。
【0008】
上述したキャップ付き容器の詰め替え作業の際には、例えば図15に示すように、詰め替え容器200から注出された内容液を注出ノズル102aと周壁102cとの間にある空隙R’から注ぎ入れるといった操作を行う。これにより、内容液が戻し口102dを通じて容器本体100内に補充される。
【0009】
しかしながら、従来のキャップ付き容器では、このような詰め替え作業の際に、注出ノズル102aが邪魔となってしまい、上述した空隙R’を利用して内容液をうまく注ぎ入れることができず、非常に詰め替えにくいといった問題が発生している。
【0010】
一方、容器本体100に内容液を注ぎ入れ易くするためには、ネジ方式等を適用して容器本体100に対して注出キャップ102を着脱自在とし、注出キャップ102を取り外した容器本体100の口頸部から内容液を注ぐことが考えられる。しかしながら、容器本体100に対して注出キャップ102を着脱自在とすると、計量キャップ101を取り外す際に注出キャップ102を共回ししてしまうおそれがある。また、共回しを防ぐために注出キャップ102が外れることがないようにきつくネジを締めると、詰め替え作業の際に、注出キャップ102を素手で取り外すことができなくなるといった問題が発生してしまう。
【0011】
また、液体収容容器に係る公知文献として、例えば下記特許文献1,2が知られている。このうち、特許文献1には、上部の一端部に形成された注ぎ口及び該注ぎ口に対向する側に形成された片手取手を有するキャップ部、並びに該キャップ部と係合される液体収納ボディ部から構成されており、且つ収納された液体が注ぎ易い液体収容容器が記載されている。
【0012】
一方、特許文献2には、容器のキャップに設けた取手が支柱とその支柱から延びた指受けによって構成され、その取手の縦断面形状が略T字形状となっており、中軽量容器の移動を目的としたキャップと一体形状の取手が記載されている。
【0013】
しかしながら、何れの特許文献1,2も、上述した課題を解決すること、すなわち液体の詰め替え作業が容易なキャップ付き容器を提供することについては開示されておらず、示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】実開昭62−544号公報
【特許文献2】特開2002−249156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明者らは、液体の詰め替え作業が容易なキャップ付き容器として、容器本体の口頸部に装着される注出キャップを螺合により着脱自在とすると共に、この注出キャップの側面部に把手を設けたキャップ付き容器を「特願2008−229782」において提案している。
【0016】
ここで、液体の詰め替え作業を行うときは、計量キャップが装着された状態の注出キャップを容器本体の口頸部から取り外し、この取り外した注出キャップから液体が漏れ出さないように計量キャップ側を下に向けた状態で、机などの静置面上に静置しておく。このとき、静置面上に静置された注出キャップの接地安定性が悪いと、注出キャップが転倒し、この注出キャップから漏れ出した液体によって周囲を汚損してしまう虞があるため、そのための対策を施す必要がある。
【0017】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、液体の詰め替え作業を容易なものとし、なお且つ、容器本体から取り外したキャップユニットを静置したときに、このキャップユニットが転倒することを防止したキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットとを備え、キャップユニットは、容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、注出キャップに着脱自在に被せられるカバーキャップと、注出キャップの側面部から延長して設けられた把手とを有し、キャップユニットを容器本体の口頸部から取り外して、カバーキャップ側を下に向けた状態で静置可能とされると共に、把手の静置面に接する部分に、少なくとも幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部が設けられていることを特徴とするキャップ付き容器である。
【0019】
また、請求項2に係る発明は、接地安定部として、把手の長手方向において連続的に幅が変化する又は幅が一定となる部分に対して、その一部が幅方向に突出した部分を形成していることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0020】
また、請求項3に係る発明は、接地安定部として、把手の接地部分に平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0021】
また、請求項4に係る発明は、接地安定部として、把手の接地部分に脚部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0022】
また、請求項5に係る発明は、把手の幅方向の寸法が静置面に垂直な方向の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【0023】
また、請求項6に係る発明は、カバーキャップの接地部分に平坦部又は脚部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【0024】
また、請求項7に係る発明は、カバーキャップが、注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【0025】
また、請求項8に係る発明は、カバーキャップが、計量部の底面部を構成する天板部と、計量部の側面部を構成する内筒部と、内筒部の外側に位置して注出キャップに着脱自在に装着される外筒部とを有し、内筒部の側面部に、目盛りが設けられて、この目盛りの少なくとも一部が、当該内筒部の側方から見て前記外筒部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ付き容器である。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るキャップ付き容器では、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットを有しているため、このキャップユニットを容器本体から取り外した後に、容器本体の口頸部を通して液体の詰め替え作業を容易に行うことができる。
【0027】
また、このキャップ付き容器では、注出キャップの側面部に把手が設けられていることから、カバーキャップを取り外す際に、一方の手で把手を把持しながら、他方の手でカバーキャップを旋回させることで、注出キャップの共回りを防ぐことができる。
【0028】
一方、このキャップ付き容器では、キャップユニットを取り外す際に、把手を把持しながら、この把手と一体に注出キャップを旋回させることで、注出キャップを直接回す場合よりも、より小さな力でキャップユニットを容器本体から取り外すことができる。さらに、キャップユニットを取り外す際に、把手を把持することで、仮に注出キャップに液体が付着していても、注出キャップに直接触れることがないため、手を汚すことなく、液体の詰め替え作業を行うことができる。
【0029】
そして、このキャップ付き容器では、キャップユニットを容器本体の口頸部から取り外して、カバーキャップ側を下に向けた状態で静置したときに、把手の静置面に接する部分に設けられた接地安定部が、少なくとも幅方向の接地安定性を確保することによって、このキャップユニットが転倒して、漏れ出した液体によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明を適用したキャップ付き容器の一例を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャップ付き容器の分解側面図である。
【図3】図3は、キャップユニットの構造を示す縦断面図である。
【図4】図4は、キャップユニットの注出キャップ及び把手の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、キャップユニットの注出キャップ及び把手の構成を示す分解斜視図である。
【図6】図6(a)は、注出キャップの構成を示す平面図、図6(b)は、把手の構成を示す平面図、図6(c)は、注出キャップに把手を組み付けた状態を示す平面図、図6(d)は、更にカバーキャップが取り付けられた状態を示す平面図である。
【図7】図7は、注出キャップに把手を組み付けた状態を示す断面図である。
【図8】図8(a)は、キャップユニットの静置状態を示す側面図、図8(b)は、把持部の接地部分における断面図である。
【図9】図9(a)は、キャップユニットの変形例を示す平面図、図9(b)は、そのキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図10】図10(a)は、キャップユニットの変形例を示す平面図、図10(b)は、そのキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図11】図11(a)は、キャップユニットの変形例を示す平面図、図11(b)は、そのキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図12】図12は、変形例として示すキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図13】図13は、従来のキャップ付き容器を示す断面図である。
【図14】図14は、従来のキャップ付き容器の計量時の状態を示す斜視図である。
【図15】図15は、従来のキャップ付き容器の詰め替え時の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を適用したキャップ付き容器について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態として図1に示すキャップ付き容器1は、例えば液体として液体洗剤が収容された容器本体2と、この容器本体2の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニット3とを備えている。
【0032】
容器本体2は、図1及び図2に示すように、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。また、この容器本体2の底部2aから筒状に起立した胴部2bの上端部には、略円筒状に縮径された口頸部2cが設けられている。また、口頸部2cの外周面には、ネジ部2dが形成されている。さらに、このネジ部2dの基端側には、容器本体2の口頸部2cに対するキャップユニット3の取り付け位置を規制するストッパー2eが設けられている。なお、容器本体2の形状については、特に限定されないものの、使用する際に持ち易く且つ注出操作のし易い形状のものが好ましい。
【0033】
キャップユニット3は、図1、図2及び図3に示すように、容器本体2の口頸部2cに螺合により着脱自在に装着される注出キャップ4と、この注出キャップ4に螺合により着脱自在に被せられるカバーキャップ5と、注出キャップ4の側面から延長して設けられた把手6とを備えている。
【0034】
注出キャップ4は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この注出キャップ4は、口頸部2cの内側から上方に向かって立ち上がる注出ノズル7と、注出ノズル7の基端部から周囲に広がる環状の底壁8と、注出ノズル7との間に空隙Rを隔てて底壁8の周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の下部内周壁9と、下部内周壁9の上方に位置してカバーキャップ5が着脱自在に装着される上部内周壁10と、下部内周壁9の外側に位置して口頸部2cに着脱自在に装着される外周壁11とを有している。
【0035】
このうち、注出ノズル7は、注出キャップ4内の略中央位置において、この注出キャップ4の開口周縁部よりも上方に突出して設けられると共に、その先端部に注出口7aを有している。また、注出ノズル7は、この注出口7aを部分的に切り抜くスリット7bが形成されることによって樋状を呈している。
【0036】
底壁8は、容器本体2を傾ける方向とは反対方向に傾斜して設けられている。そして、この底壁8の下端部には、注出ノズル7やカバーキャップ5に付着した液体洗剤を回収するための液溜め部8aが設けられている。
【0037】
液溜め部8aには、この液溜め部8aに溜まった液体洗剤を容器本体2内に戻すための戻し口12が設けられている。この戻し口12は、底壁8の下端部にスリット7bと連続した開口部を形成している。なお、戻し口12は、容器本体2を傾ける側とは反対側であれば、注出ノズル7、底壁8、又は下部内周壁9に設けることも、或いはそれらの間に亘って設けることもできる。
【0038】
下部内周壁9は、口頸部2cの内側に挿入される部分であり、環状の空隙Rを隔てて注出ノズル7の周囲を囲むように設けられている。上部内周壁10は、この下部内周壁9の上端部から段差部13を介して更に口頸部2cよりも上方に向かって略円筒状に立ち上がり形成されている。また、上部内周壁10の外周面には、ネジ部10aが形成されている。
【0039】
外周壁11は、上部内周壁10のネジ部10aよりも下方に位置するフランジ部14を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外周壁11の内周面には、上述した口頸部2cのネジ部2dに螺合されるネジ部11aが形成されている。これにより、注出キャップ4は、容器本体2の口頸部2cに対して着脱自在に装着することが可能となっている。
【0040】
カバーキャップ5は、図1、図2及び図3に示すように、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。このカバーキャップ5は、注出キャップ4から取り外して注出ノズル7から注出された液体洗剤を計り取る計量部5aを有することで、いわゆる計量キャップを構成している。
【0041】
具体的に、このカバーキャップ5は、計量部5aの底面部を構成する天板部15と、計量部5aの側面部を構成する内筒部16と、内筒部16の外側に位置して注出キャップ4に着脱自在に装着される外筒部17とを有している。
【0042】
このうち、天板部15は、内筒部16と一体に形成されて内筒部16の上面部を閉塞している。内筒部16は、天板部15の下面から注出ノズル7の周囲を囲むように垂下されている。外筒部17は、内筒部16の外周面の中途部に位置するフランジ部18を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部17の内周面には、上述した上部内周壁10のネジ部10aに螺合されるネジ部17aが形成されている。これにより、カバーキャップ5は、注出キャップ4に対して着脱自在に被せることが可能となっている。なお、外筒部17の外周面には、このカバーキャップ5を回す際の滑り止めとなる複数の縦溝19が全周に亘って設けられている。
【0043】
また、カバーキャップ5は、計量部5aによる計量を行い易くするため、透明であることが好ましく、内筒部16の側面部には、容量表示のための目盛り(図示せず。)が設けられている。目盛りについては、例えば、シルク印刷や、タンポ印刷、レーザー印字などを用いることによって、内筒部16の側面部に対して視認性の良い表示を行うことができる。
【0044】
特に、レーザー印字を用いた場合には、内筒部16の側方から見て外筒部17と重なる位置に目盛りを印字することができるため、この目盛りの表示可能な範囲を拡げることが可能である。これにより、計量部5aで計り取る量(容量)を正確に表示したり、細かく表示したりすることができるため、利便性をより向上させることが可能である。
【0045】
把手6は、図4、図5及び図6(a)〜(c)に示すように、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなり、上記注出キャップ4とは別体に形成されて、上記注出キャップ4に対して外側から嵌合された状態で取り付けられている。
【0046】
具体的に、この把手6は、上記注出キャップ4の外周部と嵌合される嵌合筒部20と、嵌合筒部20の側面に一体に形成された把持部21とを有している。
【0047】
嵌合筒部20は、上記注出キャップ4の外周壁11の外形に対応した内形を有して略円筒状に形成されている。また、嵌合筒部20には、複数のスリット22が周方向に並んで設けられている。これら複数のスリット22は、一定の幅を有して嵌合筒部20の下端側から上下方向の中途部に亘って直線状に切り欠かれた形状を有している。そして、これら複数のスリット22が形成されることによって、各スリット22の間には、嵌合筒部20の径方向に弾性変形可能とされた複数の弾性片23が形成されている。
【0048】
さらに、これら弾性片23の下端部には、外周壁11の下端部に係止される係止爪24が設けられている。係止爪24は、嵌合筒部20の内側に向かって突出形成されると共に、嵌合筒部20の内側に上記注出キャップ4を嵌合し易くするため、下面が外側に向かって傾斜した傾斜面(図示せず。)とされている。
【0049】
把持部21は、嵌合筒部20の側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって湾曲した形状を有している。また、把持部21は、キャップユニット3が容器本体2の口頸部2cに装着された際に、注出時に容器本体2を傾ける側とは反対側に位置することになるが、この把持部21と対向する容器本体2の胴部2bとの間には、図1に示すように、把持用の空間Sが設けられている。なお、この把手6の形状については、上記形状のものに必ずしも限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
【0050】
一方、上記注出キャップ4の外周部には、複数の係合凸部25が周方向に並んで設けられている。これら複数の係合凸部25は、上記複数のスリット22に対応した形状を有するものであり、外周壁11の外周面から嵌合筒部20の厚みと略一致する高さで突出形成されると共に、一定の幅を有して外周壁11の下端側から上下方向の中途部に亘って直線状に突出された形状を有している。
【0051】
そして、このキャップ付き容器1では、図4、図5及び図7に示すように、上記注出キャップ4に対して把手6を位置合わせしながら、嵌合筒部20の各スリット22に上記注出キャップ4の各係合凸部25が係合されるように、嵌合筒部20の内側に上記注出キャップ4の外周壁11を嵌合させる。そして、各弾性片23の係止爪24を外周壁11の下端部に係止する。これにより、上記注出キャップ4に対して把手6を一体に取り付けることが可能となっている。
【0052】
このように、本発明を適用したキャップ付き容器1では、上述した把手6を注出キャップ4とは別体に形成した後に、この把手6を注出キャップ4に組み付けることで、この把手6と注出キャップ4とを一体に成形する場合よりも、成形金型等にかかるコストを抑えることが可能である。
【0053】
また、このキャップ付き容器1では、容器本体2に液体洗剤を充填した後に、この容器本体2の口頸部2cに注出キャップ4を装着するといった通常のキャッピング工程の後で、上述した外嵌めにより把手6を注出キャップ4に一体に取り付けることが可能である。したがって、この場合は、把手6と一体に形成された注出キャップ4を容器本体2の口頸部2cに装着する場合よりも、容器本体2に液体洗剤を充填した後のキャッピング工程を容易なものとすることが可能である。
【0054】
また、このキャップ付き容器1では、上述したスリット22と各係合凸部25との係合によって、注出キャップ4に対して把手6が周方向に回転することを防止することが可能である。なお、上述したスリット22と係合凸部25とは、外観上の見映えを損なうことがないように、係合時に面一となるように形成されている。
【0055】
なお、上記キャップ付き容器1では、注出キャップ4側の係合凸部25を嵌合筒部20側のスリット22に係合させる構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、上記スリット25の代わりに、嵌合筒部22の内面に係合凸部25が係合される係合凹部を設けた構成としてもよい。さらに、嵌合筒部20側に設けられた係合凸部25を注出キャップ4側に設けられた係合凹部に係合させる構成とすることも可能である。なお、このような係合凸部25やスリット22(又は係合凹部)の配置や数、形状等については、適宜変更して実施することが可能である。
【0056】
以上のようなキャップ付き容器1を用いて洗濯などを行う場合には、一方の手で把手6を把持した状態で、他方の手でカバーキャップ5を旋回させながら、このカバーキャップ5を注出キャップ4から取り外す。そして、その後に、容器本体2を傾けて注出ノズル7から注出された液体洗剤をカバーキャップ5の計量部5aで計り取り、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0057】
また、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持し、他方の手で把手6を把持した状態で、この把手6と一体に注出キャップ4を旋回させながら、キャップユニット3を容器本体2から取り外す。そして、その後に、容器本体2の口頸部2cを通して詰め替え容器に収容された液体洗剤を容器本体2に詰め替えるといった操作を行う。
【0058】
このように、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2の口頸部2cに着脱自在に装着されるキャップユニット3を有しているため、このキャップユニット3を容器本体2から取り外した後に、容器本体2の口頸部2cを通して液体洗剤の詰め替え作業を容易に行うことができる。
【0059】
また、このキャップ付き容器1では、注出キャップ4の側面部に把手6が設けられていることから、カバーキャップ5を取り外す際に、一方の手で把手6を把持しながら、他方の手でカバーキャップ5を旋回させることで、注出キャップ4の共回りを防ぐことができる。
【0060】
一方、このキャップ付き容器1では、キャップユニット3を取り外す際に、把手6を把持しながら、この把手6と一体に注出キャップ4を旋回させることで、注出キャップ4を直接旋回させる場合よりも、より小さな力でキャップユニット3を容器本体2から取り外すことができる。さらに、キャップユニット3を取り外す際に、把手6を把持することで、仮に注出キャップ4に液体洗剤が付着していても、注出キャップ4に直接触れることがないため、手を汚すことなく、液体洗剤の詰め替え作業を行うことができる。
【0061】
ところで、本発明を適用したキャップ付き容器1では、キャップユニット3を容器本体2の口頸部2cから取り外した後、注出キャップ4内の液体洗剤が漏れ出さないようにカバーキャップ5側を下に向けた状態で静置する。このとき、静置面Pとはカバーキャップ5の天板部15と把手6の把持部21との2点が接触することになる。
【0062】
この場合、これら2点を結ぶ把手6の長手方向においては十分な接地安定性が得られるものの、把手6の幅方向においてはキャップユニット3が傾き易くなる。特に、上記カバーキャップ5の天板部15は湾曲した形状を有しているため、その傾向がより顕著なものとなる。
【0063】
そこで、本発明では、キャップユニット3の幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部として、例えば図8(a)に示すように、把手6の接地部分に平坦部30が設けられている。キャップユニット3は、このような平坦部30を把手6の接地部分に設けることによって、把手6と静置面Pとの接地面積を拡大しながら、このキャップユニット3の幅方向の接地安定性を向上させることができる。これにより、本発明では、キャップユニット3が転倒して、漏れ出した液体洗剤によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことが可能である。
【0064】
また、本発明では、図8(b)に示すように、把持部21の幅方向の寸法を静置面Pに垂直な方向の寸法よりも大きくすることが好ましい。これにより、キャップユニット3の幅方向の接地安定性を確保することができる。なお、把手6は、把持部21の強度を確保しつつ、その使用する樹脂量の低減(軽量化)を図るために、H型の断面形状を有している。
【0065】
さらに、本発明では、このキャップユニット3の更なる接地安定性の向上を図るため、カバーキャップ5の静置部分に脚部31が設けられている。この脚部31は、図6(d)に示すように、上記カバーキャップ5の天板部15において複数の突起部が周方向に並ぶことによって構成されている。
【0066】
キャップユニット3は、図8(a)に示すように、このような脚部31をカバーキャップ5の接地部分に設けることによって、このカバーキャップ5側の接地安定性を向上させることが可能である。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、以下の説明では、上記キャップユニット3と同等の部位については説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0068】
具体的に、本発明では、接地安定部として、上記平坦部30の代わりに、例えば図9(a)及び図10(a)に示すキャップユニット3A,3Bのように、把手6の接地部分に脚部32A,32Bが設けられた構成としてもよい。
【0069】
これら脚部32A,32Bは、把手6の接地部分に複数の突起部が並ぶことによって構成されている。キャップユニット3A,3Bでは、図9(b)及び図10(b)に示すように、このような脚部32A,32Bが幅方向の接地安定性を確保することによって、このキャップユニット3A,3Bが転倒して、漏れ出した液体洗剤によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことが可能である。
【0070】
また、本発明では、接地安定部として、上記平坦部30の代わりに、例えば図11(a)に示すキャップユニット3Cのように、把手6の長手方向において連続的に幅が変化する又は幅が一定となる部分に対して、その一部が幅方向に突出した部分33を形成している構成としてもよい。すなわち、このキャップユニット3Cには、把手6の接地部分において幅方向に突出した一対の突出部33が設けられている。
【0071】
キャップユニット3Cでは、図11(b)に示すように、このような突出部33を把手6の接地部分に設けることによって、把手6と静置面Pとの接地面積を拡大しながら、このキャップユニット3の幅方向の接地安定性を向上させることができる。したがって、この場合も、キャップユニット3Cが転倒して、漏れ出した液体洗剤によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことが可能である。
【0072】
また、本発明では、上記カバーキャップ5側に設けられた脚部31の代わりに、例えば図12(a)に示すキャップユニット3Dのように、カバーキャップ5の接地部分に平坦部34が設けられた構成としてもよい。本発明では、このような平坦部34をカバーキャップ5の接地部分に設けることによって、このカバーキャップ5側の接地安定性を向上させることが可能である。
【0073】
なお、本発明は、上述した計量カップとして使用できるカバーキャップ(いわゆる計量キャップ)5を備えたキャップ付き容器1に限らず、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットとして、容器本体に収容された液体を注出する注出キャップと、注出キャップに着脱自在に被せられるカバーキャップと、注出キャップの側面部から延長して設けられた把手とを備えたキャップ付き容器に対して幅広く適用することが可能である。また、容器本体に収容される内容液についても、上述した液体洗剤を収容したものに限らず、その他の液体製品や、薬品、食品等といった液体を収容したものに幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…キャップ付き容器 2…容器本体 3…キャップユニット 4…注出キャップ 5…カバーキャップ 5a…計量部 6…把手 7…注出ノズル 20…嵌合筒部 21…把持部 22…スリット 23…弾性片 24…係止爪 25…係合凸部 30…平坦部(接地安定部) 31…脚部(接地安定部) 32A,32B…(接地安定部) 33…突出部(接地安定部) 34…平坦部(接地安定部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ付き容器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体洗剤や液体漂白剤、柔軟仕上げ剤などの液体製品を容器本体に収容し、この容器本体に着脱自在に被せられるキャップを計量カップとして使用するキャップ付き容器が提供されている。
【0003】
このようなキャップ付き容器は、例えば図13に示すように、内容液を収容する容器本体100と、この容器本体100から注出された内容液を計り取る計量部101aが設けられた計量キャップ101と、この計量キャップ101に内容液を注出するための注出ノズル102aが設けられた注出キャップ102とを備えている。また、注出キャップ102には、注出ノズル102aの基端部から周囲に広がる環状の底壁102bと、注出ノズル102aとの間に環状の空隙R’を隔てて底壁102bの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁102cと、底壁102bに向かって流れ落ちる内容液を容器本体100内に戻す戻し口102dとが設けられている。
【0004】
そして、このような液体製品を用いて洗濯などを行う場合には、図14に示すように、計量キャップ101を注出キャップ102から取り外し、注出ノズル102aから注出された内容液を計量キャップ101の計量部101aで計り取った後に、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0005】
このような計量キャップ101と注出キャップ102との嵌合には、ネジ方式による螺合が多く用いられている。これにより、注出キャップ102から計量キャップ101の取り外しが容易となり、良好な使い勝手が得られている。
【0006】
一方、上述のように計量キャップ101を注出キャップ102から取り外す際に、誤って容器本体100から注出キャップ102が外れることを防止するため、容器本体100と注出キャップ102との嵌合には、ラチェット方式やストッパーを併用したネジ方式、或いは打ち込み方式が用いられている。これにより、液体が充填されて生産時に嵌合された後には、消費者が外すことができないようになっている。
【0007】
ところで、このようなキャップ付き容器に入った液体製品では、資源の有効利用の観点から、内容液を使い切った後に、簡易包装された詰め替え容器を購入してきて、この詰め替え容器に収容された内容液をキャップ付き容器に詰め替えることにより、このキャップ付き容器を買い換えずに再利用するといったことが行われてきている。
【0008】
上述したキャップ付き容器の詰め替え作業の際には、例えば図15に示すように、詰め替え容器200から注出された内容液を注出ノズル102aと周壁102cとの間にある空隙R’から注ぎ入れるといった操作を行う。これにより、内容液が戻し口102dを通じて容器本体100内に補充される。
【0009】
しかしながら、従来のキャップ付き容器では、このような詰め替え作業の際に、注出ノズル102aが邪魔となってしまい、上述した空隙R’を利用して内容液をうまく注ぎ入れることができず、非常に詰め替えにくいといった問題が発生している。
【0010】
一方、容器本体100に内容液を注ぎ入れ易くするためには、ネジ方式等を適用して容器本体100に対して注出キャップ102を着脱自在とし、注出キャップ102を取り外した容器本体100の口頸部から内容液を注ぐことが考えられる。しかしながら、容器本体100に対して注出キャップ102を着脱自在とすると、計量キャップ101を取り外す際に注出キャップ102を共回ししてしまうおそれがある。また、共回しを防ぐために注出キャップ102が外れることがないようにきつくネジを締めると、詰め替え作業の際に、注出キャップ102を素手で取り外すことができなくなるといった問題が発生してしまう。
【0011】
また、液体収容容器に係る公知文献として、例えば下記特許文献1,2が知られている。このうち、特許文献1には、上部の一端部に形成された注ぎ口及び該注ぎ口に対向する側に形成された片手取手を有するキャップ部、並びに該キャップ部と係合される液体収納ボディ部から構成されており、且つ収納された液体が注ぎ易い液体収容容器が記載されている。
【0012】
一方、特許文献2には、容器のキャップに設けた取手が支柱とその支柱から延びた指受けによって構成され、その取手の縦断面形状が略T字形状となっており、中軽量容器の移動を目的としたキャップと一体形状の取手が記載されている。
【0013】
しかしながら、何れの特許文献1,2も、上述した課題を解決すること、すなわち液体の詰め替え作業が容易なキャップ付き容器を提供することについては開示されておらず、示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】実開昭62−544号公報
【特許文献2】特開2002−249156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明者らは、液体の詰め替え作業が容易なキャップ付き容器として、容器本体の口頸部に装着される注出キャップを螺合により着脱自在とすると共に、この注出キャップの側面部に把手を設けたキャップ付き容器を「特願2008−229782」において提案している。
【0016】
ここで、液体の詰め替え作業を行うときは、計量キャップが装着された状態の注出キャップを容器本体の口頸部から取り外し、この取り外した注出キャップから液体が漏れ出さないように計量キャップ側を下に向けた状態で、机などの静置面上に静置しておく。このとき、静置面上に静置された注出キャップの接地安定性が悪いと、注出キャップが転倒し、この注出キャップから漏れ出した液体によって周囲を汚損してしまう虞があるため、そのための対策を施す必要がある。
【0017】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、液体の詰め替え作業を容易なものとし、なお且つ、容器本体から取り外したキャップユニットを静置したときに、このキャップユニットが転倒することを防止したキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、口頸部が設けられた容器本体と、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットとを備え、キャップユニットは、容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、注出キャップに着脱自在に被せられるカバーキャップと、注出キャップの側面部から延長して設けられた把手とを有し、キャップユニットを容器本体の口頸部から取り外して、カバーキャップ側を下に向けた状態で静置可能とされると共に、把手の静置面に接する部分に、少なくとも幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部が設けられていることを特徴とするキャップ付き容器である。
【0019】
また、請求項2に係る発明は、接地安定部として、把手の長手方向において連続的に幅が変化する又は幅が一定となる部分に対して、その一部が幅方向に突出した部分を形成していることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0020】
また、請求項3に係る発明は、接地安定部として、把手の接地部分に平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0021】
また、請求項4に係る発明は、接地安定部として、把手の接地部分に脚部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器である。
【0022】
また、請求項5に係る発明は、把手の幅方向の寸法が静置面に垂直な方向の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【0023】
また、請求項6に係る発明は、カバーキャップの接地部分に平坦部又は脚部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【0024】
また、請求項7に係る発明は、カバーキャップが、注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のキャップ付き容器である。
【0025】
また、請求項8に係る発明は、カバーキャップが、計量部の底面部を構成する天板部と、計量部の側面部を構成する内筒部と、内筒部の外側に位置して注出キャップに着脱自在に装着される外筒部とを有し、内筒部の側面部に、目盛りが設けられて、この目盛りの少なくとも一部が、当該内筒部の側方から見て前記外筒部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ付き容器である。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るキャップ付き容器では、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットを有しているため、このキャップユニットを容器本体から取り外した後に、容器本体の口頸部を通して液体の詰め替え作業を容易に行うことができる。
【0027】
また、このキャップ付き容器では、注出キャップの側面部に把手が設けられていることから、カバーキャップを取り外す際に、一方の手で把手を把持しながら、他方の手でカバーキャップを旋回させることで、注出キャップの共回りを防ぐことができる。
【0028】
一方、このキャップ付き容器では、キャップユニットを取り外す際に、把手を把持しながら、この把手と一体に注出キャップを旋回させることで、注出キャップを直接回す場合よりも、より小さな力でキャップユニットを容器本体から取り外すことができる。さらに、キャップユニットを取り外す際に、把手を把持することで、仮に注出キャップに液体が付着していても、注出キャップに直接触れることがないため、手を汚すことなく、液体の詰め替え作業を行うことができる。
【0029】
そして、このキャップ付き容器では、キャップユニットを容器本体の口頸部から取り外して、カバーキャップ側を下に向けた状態で静置したときに、把手の静置面に接する部分に設けられた接地安定部が、少なくとも幅方向の接地安定性を確保することによって、このキャップユニットが転倒して、漏れ出した液体によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明を適用したキャップ付き容器の一例を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示すキャップ付き容器の分解側面図である。
【図3】図3は、キャップユニットの構造を示す縦断面図である。
【図4】図4は、キャップユニットの注出キャップ及び把手の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、キャップユニットの注出キャップ及び把手の構成を示す分解斜視図である。
【図6】図6(a)は、注出キャップの構成を示す平面図、図6(b)は、把手の構成を示す平面図、図6(c)は、注出キャップに把手を組み付けた状態を示す平面図、図6(d)は、更にカバーキャップが取り付けられた状態を示す平面図である。
【図7】図7は、注出キャップに把手を組み付けた状態を示す断面図である。
【図8】図8(a)は、キャップユニットの静置状態を示す側面図、図8(b)は、把持部の接地部分における断面図である。
【図9】図9(a)は、キャップユニットの変形例を示す平面図、図9(b)は、そのキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図10】図10(a)は、キャップユニットの変形例を示す平面図、図10(b)は、そのキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図11】図11(a)は、キャップユニットの変形例を示す平面図、図11(b)は、そのキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図12】図12は、変形例として示すキャップユニットの静置状態を示す側面図である。
【図13】図13は、従来のキャップ付き容器を示す断面図である。
【図14】図14は、従来のキャップ付き容器の計量時の状態を示す斜視図である。
【図15】図15は、従来のキャップ付き容器の詰め替え時の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を適用したキャップ付き容器について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態として図1に示すキャップ付き容器1は、例えば液体として液体洗剤が収容された容器本体2と、この容器本体2の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニット3とを備えている。
【0032】
容器本体2は、図1及び図2に示すように、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。また、この容器本体2の底部2aから筒状に起立した胴部2bの上端部には、略円筒状に縮径された口頸部2cが設けられている。また、口頸部2cの外周面には、ネジ部2dが形成されている。さらに、このネジ部2dの基端側には、容器本体2の口頸部2cに対するキャップユニット3の取り付け位置を規制するストッパー2eが設けられている。なお、容器本体2の形状については、特に限定されないものの、使用する際に持ち易く且つ注出操作のし易い形状のものが好ましい。
【0033】
キャップユニット3は、図1、図2及び図3に示すように、容器本体2の口頸部2cに螺合により着脱自在に装着される注出キャップ4と、この注出キャップ4に螺合により着脱自在に被せられるカバーキャップ5と、注出キャップ4の側面から延長して設けられた把手6とを備えている。
【0034】
注出キャップ4は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。この注出キャップ4は、口頸部2cの内側から上方に向かって立ち上がる注出ノズル7と、注出ノズル7の基端部から周囲に広がる環状の底壁8と、注出ノズル7との間に空隙Rを隔てて底壁8の周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の下部内周壁9と、下部内周壁9の上方に位置してカバーキャップ5が着脱自在に装着される上部内周壁10と、下部内周壁9の外側に位置して口頸部2cに着脱自在に装着される外周壁11とを有している。
【0035】
このうち、注出ノズル7は、注出キャップ4内の略中央位置において、この注出キャップ4の開口周縁部よりも上方に突出して設けられると共に、その先端部に注出口7aを有している。また、注出ノズル7は、この注出口7aを部分的に切り抜くスリット7bが形成されることによって樋状を呈している。
【0036】
底壁8は、容器本体2を傾ける方向とは反対方向に傾斜して設けられている。そして、この底壁8の下端部には、注出ノズル7やカバーキャップ5に付着した液体洗剤を回収するための液溜め部8aが設けられている。
【0037】
液溜め部8aには、この液溜め部8aに溜まった液体洗剤を容器本体2内に戻すための戻し口12が設けられている。この戻し口12は、底壁8の下端部にスリット7bと連続した開口部を形成している。なお、戻し口12は、容器本体2を傾ける側とは反対側であれば、注出ノズル7、底壁8、又は下部内周壁9に設けることも、或いはそれらの間に亘って設けることもできる。
【0038】
下部内周壁9は、口頸部2cの内側に挿入される部分であり、環状の空隙Rを隔てて注出ノズル7の周囲を囲むように設けられている。上部内周壁10は、この下部内周壁9の上端部から段差部13を介して更に口頸部2cよりも上方に向かって略円筒状に立ち上がり形成されている。また、上部内周壁10の外周面には、ネジ部10aが形成されている。
【0039】
外周壁11は、上部内周壁10のネジ部10aよりも下方に位置するフランジ部14を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外周壁11の内周面には、上述した口頸部2cのネジ部2dに螺合されるネジ部11aが形成されている。これにより、注出キャップ4は、容器本体2の口頸部2cに対して着脱自在に装着することが可能となっている。
【0040】
カバーキャップ5は、図1、図2及び図3に示すように、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなる。このカバーキャップ5は、注出キャップ4から取り外して注出ノズル7から注出された液体洗剤を計り取る計量部5aを有することで、いわゆる計量キャップを構成している。
【0041】
具体的に、このカバーキャップ5は、計量部5aの底面部を構成する天板部15と、計量部5aの側面部を構成する内筒部16と、内筒部16の外側に位置して注出キャップ4に着脱自在に装着される外筒部17とを有している。
【0042】
このうち、天板部15は、内筒部16と一体に形成されて内筒部16の上面部を閉塞している。内筒部16は、天板部15の下面から注出ノズル7の周囲を囲むように垂下されている。外筒部17は、内筒部16の外周面の中途部に位置するフランジ部18を介して下方に向かって略円筒状に垂下されている。また、外筒部17の内周面には、上述した上部内周壁10のネジ部10aに螺合されるネジ部17aが形成されている。これにより、カバーキャップ5は、注出キャップ4に対して着脱自在に被せることが可能となっている。なお、外筒部17の外周面には、このカバーキャップ5を回す際の滑り止めとなる複数の縦溝19が全周に亘って設けられている。
【0043】
また、カバーキャップ5は、計量部5aによる計量を行い易くするため、透明であることが好ましく、内筒部16の側面部には、容量表示のための目盛り(図示せず。)が設けられている。目盛りについては、例えば、シルク印刷や、タンポ印刷、レーザー印字などを用いることによって、内筒部16の側面部に対して視認性の良い表示を行うことができる。
【0044】
特に、レーザー印字を用いた場合には、内筒部16の側方から見て外筒部17と重なる位置に目盛りを印字することができるため、この目盛りの表示可能な範囲を拡げることが可能である。これにより、計量部5aで計り取る量(容量)を正確に表示したり、細かく表示したりすることができるため、利便性をより向上させることが可能である。
【0045】
把手6は、図4、図5及び図6(a)〜(c)に示すように、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの合成樹脂材料からなり、上記注出キャップ4とは別体に形成されて、上記注出キャップ4に対して外側から嵌合された状態で取り付けられている。
【0046】
具体的に、この把手6は、上記注出キャップ4の外周部と嵌合される嵌合筒部20と、嵌合筒部20の側面に一体に形成された把持部21とを有している。
【0047】
嵌合筒部20は、上記注出キャップ4の外周壁11の外形に対応した内形を有して略円筒状に形成されている。また、嵌合筒部20には、複数のスリット22が周方向に並んで設けられている。これら複数のスリット22は、一定の幅を有して嵌合筒部20の下端側から上下方向の中途部に亘って直線状に切り欠かれた形状を有している。そして、これら複数のスリット22が形成されることによって、各スリット22の間には、嵌合筒部20の径方向に弾性変形可能とされた複数の弾性片23が形成されている。
【0048】
さらに、これら弾性片23の下端部には、外周壁11の下端部に係止される係止爪24が設けられている。係止爪24は、嵌合筒部20の内側に向かって突出形成されると共に、嵌合筒部20の内側に上記注出キャップ4を嵌合し易くするため、下面が外側に向かって傾斜した傾斜面(図示せず。)とされている。
【0049】
把持部21は、嵌合筒部20の側面部から延長されて、その先端部が下方に向かって湾曲した形状を有している。また、把持部21は、キャップユニット3が容器本体2の口頸部2cに装着された際に、注出時に容器本体2を傾ける側とは反対側に位置することになるが、この把持部21と対向する容器本体2の胴部2bとの間には、図1に示すように、把持用の空間Sが設けられている。なお、この把手6の形状については、上記形状のものに必ずしも限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
【0050】
一方、上記注出キャップ4の外周部には、複数の係合凸部25が周方向に並んで設けられている。これら複数の係合凸部25は、上記複数のスリット22に対応した形状を有するものであり、外周壁11の外周面から嵌合筒部20の厚みと略一致する高さで突出形成されると共に、一定の幅を有して外周壁11の下端側から上下方向の中途部に亘って直線状に突出された形状を有している。
【0051】
そして、このキャップ付き容器1では、図4、図5及び図7に示すように、上記注出キャップ4に対して把手6を位置合わせしながら、嵌合筒部20の各スリット22に上記注出キャップ4の各係合凸部25が係合されるように、嵌合筒部20の内側に上記注出キャップ4の外周壁11を嵌合させる。そして、各弾性片23の係止爪24を外周壁11の下端部に係止する。これにより、上記注出キャップ4に対して把手6を一体に取り付けることが可能となっている。
【0052】
このように、本発明を適用したキャップ付き容器1では、上述した把手6を注出キャップ4とは別体に形成した後に、この把手6を注出キャップ4に組み付けることで、この把手6と注出キャップ4とを一体に成形する場合よりも、成形金型等にかかるコストを抑えることが可能である。
【0053】
また、このキャップ付き容器1では、容器本体2に液体洗剤を充填した後に、この容器本体2の口頸部2cに注出キャップ4を装着するといった通常のキャッピング工程の後で、上述した外嵌めにより把手6を注出キャップ4に一体に取り付けることが可能である。したがって、この場合は、把手6と一体に形成された注出キャップ4を容器本体2の口頸部2cに装着する場合よりも、容器本体2に液体洗剤を充填した後のキャッピング工程を容易なものとすることが可能である。
【0054】
また、このキャップ付き容器1では、上述したスリット22と各係合凸部25との係合によって、注出キャップ4に対して把手6が周方向に回転することを防止することが可能である。なお、上述したスリット22と係合凸部25とは、外観上の見映えを損なうことがないように、係合時に面一となるように形成されている。
【0055】
なお、上記キャップ付き容器1では、注出キャップ4側の係合凸部25を嵌合筒部20側のスリット22に係合させる構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、上記スリット25の代わりに、嵌合筒部22の内面に係合凸部25が係合される係合凹部を設けた構成としてもよい。さらに、嵌合筒部20側に設けられた係合凸部25を注出キャップ4側に設けられた係合凹部に係合させる構成とすることも可能である。なお、このような係合凸部25やスリット22(又は係合凹部)の配置や数、形状等については、適宜変更して実施することが可能である。
【0056】
以上のようなキャップ付き容器1を用いて洗濯などを行う場合には、一方の手で把手6を把持した状態で、他方の手でカバーキャップ5を旋回させながら、このカバーキャップ5を注出キャップ4から取り外す。そして、その後に、容器本体2を傾けて注出ノズル7から注出された液体洗剤をカバーキャップ5の計量部5aで計り取り、洗濯機に投入するといった操作を行う。
【0057】
また、液体洗剤を詰め替える場合には、一方の手で容器本体2を把持し、他方の手で把手6を把持した状態で、この把手6と一体に注出キャップ4を旋回させながら、キャップユニット3を容器本体2から取り外す。そして、その後に、容器本体2の口頸部2cを通して詰め替え容器に収容された液体洗剤を容器本体2に詰め替えるといった操作を行う。
【0058】
このように、本発明を適用したキャップ付き容器1では、容器本体2の口頸部2cに着脱自在に装着されるキャップユニット3を有しているため、このキャップユニット3を容器本体2から取り外した後に、容器本体2の口頸部2cを通して液体洗剤の詰め替え作業を容易に行うことができる。
【0059】
また、このキャップ付き容器1では、注出キャップ4の側面部に把手6が設けられていることから、カバーキャップ5を取り外す際に、一方の手で把手6を把持しながら、他方の手でカバーキャップ5を旋回させることで、注出キャップ4の共回りを防ぐことができる。
【0060】
一方、このキャップ付き容器1では、キャップユニット3を取り外す際に、把手6を把持しながら、この把手6と一体に注出キャップ4を旋回させることで、注出キャップ4を直接旋回させる場合よりも、より小さな力でキャップユニット3を容器本体2から取り外すことができる。さらに、キャップユニット3を取り外す際に、把手6を把持することで、仮に注出キャップ4に液体洗剤が付着していても、注出キャップ4に直接触れることがないため、手を汚すことなく、液体洗剤の詰め替え作業を行うことができる。
【0061】
ところで、本発明を適用したキャップ付き容器1では、キャップユニット3を容器本体2の口頸部2cから取り外した後、注出キャップ4内の液体洗剤が漏れ出さないようにカバーキャップ5側を下に向けた状態で静置する。このとき、静置面Pとはカバーキャップ5の天板部15と把手6の把持部21との2点が接触することになる。
【0062】
この場合、これら2点を結ぶ把手6の長手方向においては十分な接地安定性が得られるものの、把手6の幅方向においてはキャップユニット3が傾き易くなる。特に、上記カバーキャップ5の天板部15は湾曲した形状を有しているため、その傾向がより顕著なものとなる。
【0063】
そこで、本発明では、キャップユニット3の幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部として、例えば図8(a)に示すように、把手6の接地部分に平坦部30が設けられている。キャップユニット3は、このような平坦部30を把手6の接地部分に設けることによって、把手6と静置面Pとの接地面積を拡大しながら、このキャップユニット3の幅方向の接地安定性を向上させることができる。これにより、本発明では、キャップユニット3が転倒して、漏れ出した液体洗剤によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことが可能である。
【0064】
また、本発明では、図8(b)に示すように、把持部21の幅方向の寸法を静置面Pに垂直な方向の寸法よりも大きくすることが好ましい。これにより、キャップユニット3の幅方向の接地安定性を確保することができる。なお、把手6は、把持部21の強度を確保しつつ、その使用する樹脂量の低減(軽量化)を図るために、H型の断面形状を有している。
【0065】
さらに、本発明では、このキャップユニット3の更なる接地安定性の向上を図るため、カバーキャップ5の静置部分に脚部31が設けられている。この脚部31は、図6(d)に示すように、上記カバーキャップ5の天板部15において複数の突起部が周方向に並ぶことによって構成されている。
【0066】
キャップユニット3は、図8(a)に示すように、このような脚部31をカバーキャップ5の接地部分に設けることによって、このカバーキャップ5側の接地安定性を向上させることが可能である。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、以下の説明では、上記キャップユニット3と同等の部位については説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0068】
具体的に、本発明では、接地安定部として、上記平坦部30の代わりに、例えば図9(a)及び図10(a)に示すキャップユニット3A,3Bのように、把手6の接地部分に脚部32A,32Bが設けられた構成としてもよい。
【0069】
これら脚部32A,32Bは、把手6の接地部分に複数の突起部が並ぶことによって構成されている。キャップユニット3A,3Bでは、図9(b)及び図10(b)に示すように、このような脚部32A,32Bが幅方向の接地安定性を確保することによって、このキャップユニット3A,3Bが転倒して、漏れ出した液体洗剤によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことが可能である。
【0070】
また、本発明では、接地安定部として、上記平坦部30の代わりに、例えば図11(a)に示すキャップユニット3Cのように、把手6の長手方向において連続的に幅が変化する又は幅が一定となる部分に対して、その一部が幅方向に突出した部分33を形成している構成としてもよい。すなわち、このキャップユニット3Cには、把手6の接地部分において幅方向に突出した一対の突出部33が設けられている。
【0071】
キャップユニット3Cでは、図11(b)に示すように、このような突出部33を把手6の接地部分に設けることによって、把手6と静置面Pとの接地面積を拡大しながら、このキャップユニット3の幅方向の接地安定性を向上させることができる。したがって、この場合も、キャップユニット3Cが転倒して、漏れ出した液体洗剤によって周囲を汚損してしまうといったことを未然に防ぐことが可能である。
【0072】
また、本発明では、上記カバーキャップ5側に設けられた脚部31の代わりに、例えば図12(a)に示すキャップユニット3Dのように、カバーキャップ5の接地部分に平坦部34が設けられた構成としてもよい。本発明では、このような平坦部34をカバーキャップ5の接地部分に設けることによって、このカバーキャップ5側の接地安定性を向上させることが可能である。
【0073】
なお、本発明は、上述した計量カップとして使用できるカバーキャップ(いわゆる計量キャップ)5を備えたキャップ付き容器1に限らず、容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットとして、容器本体に収容された液体を注出する注出キャップと、注出キャップに着脱自在に被せられるカバーキャップと、注出キャップの側面部から延長して設けられた把手とを備えたキャップ付き容器に対して幅広く適用することが可能である。また、容器本体に収容される内容液についても、上述した液体洗剤を収容したものに限らず、その他の液体製品や、薬品、食品等といった液体を収容したものに幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…キャップ付き容器 2…容器本体 3…キャップユニット 4…注出キャップ 5…カバーキャップ 5a…計量部 6…把手 7…注出ノズル 20…嵌合筒部 21…把持部 22…スリット 23…弾性片 24…係止爪 25…係合凸部 30…平坦部(接地安定部) 31…脚部(接地安定部) 32A,32B…(接地安定部) 33…突出部(接地安定部) 34…平坦部(接地安定部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口頸部が設けられた容器本体と、
前記容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットとを備え、
前記キャップユニットは、前記容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、前記注出キャップに着脱自在に被せられるカバーキャップと、前記注出キャップの側面部から延長して設けられた把手とを有し、
前記キャップユニットを前記容器本体の口頸部から取り外して、前記カバーキャップ側を下に向けた状態で静置可能とされると共に、前記把手の静置面に接する部分に、少なくとも幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部が設けられていることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
前記接地安定部として、前記把手の長手方向において連続的に幅が変化する又は幅が一定となる部分に対して、その一部が幅方向に突出した部分を形成していることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記接地安定部として、前記把手の接地部分に平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記接地安定部として、前記把手の接地部分に脚部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記把手は、その幅方向の寸法が前記静置面に垂直な方向の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項6】
前記カバーキャップの接地部分に平坦部又は脚部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項7】
前記カバーキャップは、前記注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項8】
前記カバーキャップは、前記計量部の底面部を構成する天板部と、前記計量部の側面部を構成する内筒部と、前記内筒部の外側に位置して前記注出キャップに着脱自在に装着される外筒部とを有し、
前記内筒部の側面部には、目盛りが設けられて、この目盛りの少なくとも一部が、当該内筒部の側方から見て前記外筒部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ付き容器。
【請求項1】
口頸部が設けられた容器本体と、
前記容器本体の口頸部に着脱自在に装着されるキャップユニットとを備え、
前記キャップユニットは、前記容器本体に収容された液体を注出する注出口が設けられた注出キャップと、前記注出キャップに着脱自在に被せられるカバーキャップと、前記注出キャップの側面部から延長して設けられた把手とを有し、
前記キャップユニットを前記容器本体の口頸部から取り外して、前記カバーキャップ側を下に向けた状態で静置可能とされると共に、前記把手の静置面に接する部分に、少なくとも幅方向の接地安定性を確保するための接地安定部が設けられていることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
前記接地安定部として、前記把手の長手方向において連続的に幅が変化する又は幅が一定となる部分に対して、その一部が幅方向に突出した部分を形成していることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項3】
前記接地安定部として、前記把手の接地部分に平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項4】
前記接地安定部として、前記把手の接地部分に脚部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ付き容器。
【請求項5】
前記把手は、その幅方向の寸法が前記静置面に垂直な方向の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項6】
前記カバーキャップの接地部分に平坦部又は脚部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項7】
前記カバーキャップは、前記注出口から注出された液体を計り取る計量部が設けられた計量キャップであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のキャップ付き容器。
【請求項8】
前記カバーキャップは、前記計量部の底面部を構成する天板部と、前記計量部の側面部を構成する内筒部と、前記内筒部の外側に位置して前記注出キャップに着脱自在に装着される外筒部とを有し、
前記内筒部の側面部には、目盛りが設けられて、この目盛りの少なくとも一部が、当該内筒部の側方から見て前記外筒部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ付き容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−254352(P2010−254352A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107834(P2009−107834)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】
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