説明

キャップ式部分洗浄除去装置

【課題】有機太陽電池、有機ELディスプレイ等の溶剤可溶性の機能性膜を基板上に多面付け配列で湿式成膜する際に、スピンコート法やスリットコート法等の方法で基板面上に一括で有機機能性膜を高速成膜する方法を採用した場合には、後に不要な膜部分を除去する工程が必要になるために逆に時間とコストがかかった。そこで、膜除去工程を低コスト迅速化する装置を提供する。
【解決手段】キャップ板2上に基板7の多面付け素子配列に対応して弾性リング1を設け、機能性膜6を成膜した基板7面に弾性リング1が密着するように押し付けた後、膜6の溶解または分散溶剤で、キャップ板2、基板7、弾性リング1で囲まれた部分以外の膜6を洗浄除去し、乾燥し、機能性膜の多面付け配列向けパターンを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機太陽電池、有機ELディスプレイ等に用いられる有機正孔注入輸送材料、有機発光材料、有機電子輸送材料、電荷発生材料等の溶剤可溶性の有機膜や無機膜または有機無機複合膜からなる機能性膜を基板上に概略一面全体に成膜した後、不必要な膜部分を洗浄除去することによりパターンニングする装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高い導電性や発光性を有する高分子からなるキャリア輸送材料、および有機溶媒に可溶な共役系高分子からなる発光材料の開発が盛んに行なわれている。有機EL素子の成膜工程では大面積基板に対しても成膜が容易で、材料使用効率の高いインクジェット法(例えば非特許文献1、2、3、4参照)や凸版印刷法(例えば非特許文献5参照)を用いた発光層の赤、青、緑からなるサブピクセルの塗り分け技術の開発も行なわれている。 これらは、印刷法を用いて発光層を塗り分けることで、製造装置が真空蒸着法よりも低コストで済み、成膜速度も速いために大面積な有機ELカラーディスプレイの実現に有利と考えられる。
【0003】
また、湿式法有機EL素子においては、正孔注入輸送層としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体(以後、PEDOT:PSSと略する)等のポリチオフェン系やポリアニリン系の導電性高分子の水分散液が使われている。それらの正孔注入輸送層をインクジェット法で成膜した場合には生産性に問題があり、樹脂版を用いた凸版印刷法で行なった場合には水性インキにより版が吸水し変形したり、基板上でインクがはじき膜の平滑性に問題が生じ易かった。
また、スリットコート法で基板一面に概略全面塗布する方法で成膜した場合には、凸版印刷法で生じるアニロクスロールのセルのパターンによる膜厚ムラ等も無く膜の均一性が高く、インクジェット法よりも成膜時間は短い利点があった。しかし塗り始めと終わりの膜厚が変動する数cmの範囲の部分、封止ガラス板や封止缶を接着するための接着しろ部、および電極端子を形成する部分上等に成膜された不必要部の膜を除去する必要が生じた。
従来の除去方法では、綿棒や布テープ等に溶剤を付けて拭き取る拭き取り法、レーザーアブレーション法、酸素プラズマ洗浄法、紫外線オゾン洗浄法等があったが、高価な装置が必要になったり、除去時間が遅い等の問題があった。
特に大型基板上に有機EL素子等を多面付けで作製する場合には、従来の方法では拭き取り除去の時間と手間が極めて大きく湿式法によるEL素子の生産性を落とす原因となっていた。
また、有機太陽電池(例えば非特許文献6参照)や光電池においても正孔輸送層にPEDOT:PSS等の導電性高分子が使われ有機EL素子を作製する場合と同様の問題が生じていた。
【非特許文献1】T.FUNAMOTO, Y. Matsueda, O. Yokoyama, A. Tsuda, H. Takeshita, A. Miyashita, SID 02 DIGEST, 27.5L(2002).
【非特許文献2】T. Shimoda, SID 03 DIGEST, 39.1(2003).
【非特許文献3】David Albertalli, SID 05 DIGEST, 30.3(2005).
【非特許文献4】Tadashi Gohda, Yuhki Kobayashi, Kiyoshi Okano, Satoshi Inoue, Ken Okamoto,Satoshi Hashimoto, Emi Yamamoto, Haruyuki Morita, Seiichi Mitsui and Mitsuhiro Koden, SID 06 DIGEST, 58.3(2006).
【非特許文献5】E. Kitazume, K. Takeshita, K. Murata, Y. Qian, Y. Abe, M. Yokoo, K. Oota, T. Taguchi,SID06DIGEST, 41.2(2006).
【非特許文献6】Chu-Jung Ko,Yi-Kai Lin,Fang-Chung Chen and Chi-Wei Chu,Appl.Phys.Lett.,90,063509-1(2007).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有機太陽電池、有機ELディスプレイ等の有機膜等の機能性膜を基板上に多面付け形成する際に、従来スピンコート法やスリットコート法等の基板一面に高速で一括成膜できる方法で有機機能性膜を成膜する方法を採用した場合、後で不要な部分の膜を除去する必要があり、素子の多面付けの際等に所望の形の膜に人手で拭き取り整形するためには多大な時間とコストがかかる問題があった。
【0005】
そこで本発明は、膜除去工程を低コストで高速処理可能な装置化することが可能なキャップ式部分洗浄除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明のキャップ式部分洗浄除去装置は、少なくとも片面に1つ以上の弾性リングを設けたキャップ板と、機能性膜を成膜した基板とを、前記弾性リングと前記機能成膜とが密着するように対向させ、位置合わせして重ね合わせる機構と、前記基板とキャップ板とが積層された積層体の間に機能性膜を溶解または分散させる溶剤を流すか、または積層体を、機能性膜を溶解または分散させる溶剤中に浸漬することにより、前記弾性リングで囲まれた範囲外の不要な膜を洗浄除去する機構とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のキャップ式部分洗浄除去装置によれば、極めて低コストで生産性の高い成膜パターニング装置となり、有機EL素子や有機太陽電池に用いられる有機機能性膜の多面付け成膜パターニング工程の高速化、低コスト化を達成できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態によるキャップ式部分洗浄除去装置に用いるキャップ板の例を示す斜視図であり、図2は同キャップ板を示すA−A断面図である。また、図3はキャップ板の他の例を示すA−A断面図である。
また、図4は本発明の実施の形態によるキャップ式部分洗浄除去装置に用いる全面に機能性膜を成膜した基板の例を示す斜視図である。
さらに、図5〜図9はキャップ式部分洗浄除去装置の作業工程を示す断面図および斜視図であり、図10はキャップ板に設ける弾性リング1の製法を説明する断面図である。
【0009】
本実施の形態によるキャップ式部分洗浄除去装置では、少なくとも片面に1つ以上の弾性リング1を設けたキャップ板2を用いる。ここで用いる弾性リング1は図2または図3に示すように、適当な太さと長さのO−リングや概略三角形状断面のリングを所望の形状でキャップ板に取り付けて用いることができる。
また、図4に示す機能性膜6が基板面上概略一面全体に成膜された基板7を、図5に示すように、基板支持台8に取り付け、キャップ板2に取り付けた弾性リング1の先端が基板面に密着するように対向させ重ね合わせ、機能性膜の必要な部分を保護密封する。次に、図6に示すように、機能性膜の必要な部分以外の膜を溶解または分散させる溶剤で洗浄除去する。その後、キャップ板と基板に付着した溶剤を乾燥した後、キャップ板と基板を図7のように分離することにより、図8の例に示すように、素子の多面付けに対応して機能性膜を配列した基板を容易に製造できる。
【0010】
このようなキャップ式部分洗浄除去装置は、ガラス、金属、プラスチック等の板状またはフィルム状の板面上に概略一面全面に形成されなんらかの溶剤に可溶または分散できる機能性膜を所望の多面付け形状に分割パターン化したい場合に、基板、キャップ板および弾性リングに囲まれ密封保護された範囲外の膜を洗浄除去し機能性膜の配列パターンを形成するために好ましく用いることができる。
ここで、概略一面全面とは基板上全面で無くても、ストライプ状等に間隔を開けて膜が形成されていても良いことを表している。
機能性膜がトルエン等の芳香族系有機溶媒可溶性膜である場合は、芳香族系有機溶媒を用い、機能性膜が水溶性の有機化合物の場合は水およびエチルアルコール、イソプロピルアルコール、シラノール等のアルコール類を含む溶剤を用いて本発明の装置を適用できる。
膜の洗浄除去後の基板乾燥時間を速めるため、洗浄除去の際の溶剤の組成を、最初に水分濃度を高く、後に水よりも蒸気圧の高いアルコール濃度を増した組成に変化させた洗浄溶剤を用いることもできる。
【0011】
また、機能性膜がトルエン等の芳香族系有機溶媒に可溶な膜である場合は、トルエン、キシレン、テトラリン等の芳香族系有機溶媒を含む溶剤を用いて本発明の装置を適用できる。
また、機能性膜が無機化合物から成る膜や有機と無機の複合膜の場合においても水または有機溶剤等何らかの可溶な材料であれば本発明の装置が適用できる。
水に溶ける機能性膜と芳香族有機溶媒に溶ける機能性膜の積層膜に対しても、水と芳香族有機溶媒を順番にまたは交互に用いて不溶部の膜を洗浄除去することにより本発明の装置を適用することができる。
その際、最後に水よりも蒸気圧の高い芳香族系有機溶剤で洗浄を行なうと乾燥時間を短縮できる。
除去すべき膜の対象毎の手順を装置内の記憶装置にプログラムし自動運転できるようにすることが望ましい。
【0012】
従来のスピンコート法、スリットコート法等の基板面上に一括塗布成膜する方法は、成膜速度が速い利点があるが、膜の不必要な部分の拭き取りに手間と時間がかかり、パターンニングが必要な膜の形成には問題があった。
そこで、本実施の形態によるキャップ式部分洗浄除去装置と組み合わせて適用することにより、極めて低コストで生産性の高い成膜パターニング装置となり、有機EL素子や有機太陽電池に用いられる有機機能性膜の多面付け成膜パターニング工程の高速化、低コスト化に役立てることができる。
【0013】
以下、本例のキャップ式部分洗浄除去装置をさらに図を用いて詳しく説明する。
図1に示すキャップ板2は、ステンレス板、チタン板、セラミック板、樹脂板等の洗浄溶剤に耐性のある材料を用いて作製する。
キャップ板2の少なくとも片面には、断面が円形のO−リングまたは、概略三角形型の弾性リング1が配置される。各リングの配置位置は図4に示すように基板と合わせた際に基板面の素子の多面取り配置に合うようにする。具体的には、EL素子の発光画面部や太陽電池の光電変換部よりも外側、かつガラス板等を接着封止するための接着しろよりも内側に密着するよう通常は方形に曲げて複数配置される。ただし、方形以外にも、素子形状に合わせて円形、三角形等の所望の形状に弾性リング1を曲げて用いることが可能である。
洗浄溶剤が弾性リング1で囲まれた範囲内に入り込み必要な膜の部分を溶解することを防ぐため、キャップ板の弾性リング1と基板7は完全に密着させる必要がある。
そこで、例えばキャップ板と対向する基板支持台間を加圧することにより基板7と弾性リング1を密着させるか、あるいは、キャップ板2および弾性リング1と基板7で囲まれた閉空間を真空ポンプ等により減圧することにより密着させても良い。
その際、弾性リング1がつぶれて基板7上の必要な部分の膜6とキャップ板2との接触を防止するとともに、不必要な部分の膜6を洗浄除去する際の溶剤の流れや、乾燥する時のエアの流れを良くするため、図2および図3の断面図のように、弾性リング1を設けた部分に沿った部分以外はキャップ板2の基板7側の面を少なくとも1mm以上掘り込んでおくことが好ましい。
【0014】
本例のキャップ式部分洗浄除去装置に用いる基板7上に、機能性膜6の下に陰極蒸着時のライン分離用の逆テーパーレジスト隔壁が形成されていても良く、また発光領域の周囲にインクジェットや印刷成膜時のインク流出防止用のバンク(土手)が形成されていても良い。さらに薄膜トランジスタや配線等の駆動回路が形成されていても良いが、弾性リング1との密着性向上のため、できるだけ表面を平滑化してあることが望ましい。
また、弾性リング1は耐有機溶剤性、耐酸性のフッ素系ゴムやエチレン−プロピレン系ゴム、シリコーンゴム等や、ばね弾性が発揮されるように断面をC形状とした金属にテフロン(登録商標)コーティングを施したものや、断面をC形状とした合成樹脂等が使用できる。有機溶剤を洗浄溶剤に用いる場合は膨潤し難いフッ素系の架橋ゴムが好ましく用いられる。
この弾性リング1の断面の巾は4mm以下とし、より好ましくは0.5mm〜2mmである。0.5mmより細いと、弾性リング1の強度不足や変形が生じたり、水密シール性が不十分となる。
また、4mmより巾が広いとディスプレイパネルの額縁面積が大きくなってしまう問題がある。基板との接触面積を狭くし、リングの強度を上げるために断面が三角形状を用いることがより望ましい。
また、弾性リング1はキャップ板2に溝2Aを加工してはめ込み、接着剤で接着、固定することができる。
また、より好ましい他の方法では、固体の弾性リング1をはめ込むのではなく、図10に示すようにキャップ板2に奥が広がった溝2Bを形成し、例えば2液硬化性のスリーボンド1119等のフッ素系液状ガスケットをディスペンサー(自動供給装置)11による供給ノズル11Aを用いて流し込み、架橋硬化させて弾性リング1とすることにより、外れ難くかつ任意の形状と細さのリングを容易に作ることができる。
【0015】
また、基板7を固定する基板支持台8は、ステンレス板、チタン板、セラミック板、樹脂板等の洗浄溶剤に耐性のある材料を用いて作製する。例えば基板7の形状に合わせた凹部を基板支持台8上に形成し基板をはめ込むガイドとし、突き当て等の方法で基板の位置を合わせ、吸引等の方法で基板を固定する。精度が要求される場合は、顕微鏡、カメラ等によりキャップ板2と基板の位置合わせと確認が容易にできるようにしてもよい。
具体的な洗浄方法の例としては、図9に示すように、洗浄槽9に水またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、またはキシレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族有機溶剤10を入れキャップ板2と基板7を浸漬し、まず浸漬洗浄を行なう。
なお、この洗浄除去工程の際にキャップ板2を支持棒5を中心に回転運動、上下運動、揺動運動を行ったり、超音波をかけて洗浄効率を上げることがより望ましい。
また、低沸点の溶剤を用いる場合は、洗浄槽の上部周囲を冷却して蒸気を還流させ揮散防止することが望ましい。
次にキャップ板2と基板7を洗浄槽から引き上げ密着させた状態でキャップ板2と基板7の間に汚染されていない新鮮な溶剤を流し、すすぎ洗浄を行なうことがより望ましい。
【0016】
また、基板7からキャップ板2を分離する前の乾燥は、洗浄槽9から引き上げてキャップ板支持棒5を回転させ遠心力で水を吹き飛ばす。または/および、キャップ板2または基板支持台5に取り付けた温水パイプ、電熱ヒーター、ペルチェ素子や、周辺に取り付けた赤外線ヒーター、温風ヒーター等によりキャップ板、基板、基板支持台5を加熱する。または/および、乾燥する際にキャップ板2と弾性リング1で囲まれた範囲以外の部分に圧縮ガスを通したり、真空ポンプで吸引することにより、通風乾燥しても乾燥時間をより速める等の手段を取ることができる。
その際、通風乾燥用の管は洗浄液を流す管と個別に設けても良いし共用管4を使用してもよい。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
ここでは、360mm×460mm角のガラス基板上にインジウム錫酸化物からなる透明導電膜をスパッタリング法で成膜し、塩化第二鉄(III)水溶液と塩酸の混合溶液によりエッチングを行ない、480(走査ライン)×640×赤、青、緑ライン(データライン)対応の対角5インチの単純マトリクスディスプレイ用ストライプ陽極を2行×3列の6面配置に形成した。
このストライプ電極上にポリイミドレジストによるバンクをフォトリソ法で2ミクロン厚で形成した後、紫外線オゾン洗浄を行なった後、ダイコート法で正孔注入輸送層としてPEDOT/PSS(BAYTRON P CH8000)を水、イソプロピルアルコールで適当に希釈したインクを用いて50nmの厚さで基板一面に形成した。
【0018】
一方、キャップ板は斜視図、図1及び図3に示すような形状でステンレス板を加工して作製し、対角5インチディスプレイ6面分に対応し、発光領域から3mm外側に成る方形状に、深さ2mmの底が広がった台形溝を加工した。次にフッ素系液状ガスケット(スリーボンド1119)をディスペンサーから台形溝に充填し、高さ2mmの三角形状断面の弾性リング1になるよう注入した。その後、1週間放置しゴム状硬化させた。
次に基板を基板支持台に埋め込んだ多孔質板を通して吸引固定し、図1で示すキャップ板を基板と位置合わせし重ね合わせ、吸引口3から軽く減圧吸引し密着させた。次に、溶剤10として水を入れた洗浄槽9に浸漬し、ゆっくり回転し、不要部のPEDOT/PSS層を浸漬洗浄した。
【0019】
次に洗浄槽9から引き上げ基板とキャップ板の隙間に洗浄および通風乾燥共用管4から純水を流しすすぎ洗浄し、次にエチルアルコールを流し通風乾燥した。基板とキャップ板を分離すると、図8に示すように、PEDOT/PSS正孔注入輸送層を多面付け配列にパターニングすることができた。
正孔注入輸送層上にはポリフルオレン系の赤、青、緑の発光材料のキシレン溶液からなるインクを用いて凸版印刷法により発光層のストライプラインをデータラインに合わせて画面形成領域内に各色のラインを順に形成した。
次にバリウム/アルミニウム積層膜からなる陰極ラインをデータラインに直交するようにマスク蒸着した後、封止ガラス板を接着することにより、ELディスプレイパネルとすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態によるキャップ式部分洗浄除去装置に用いるキャップ板の例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すキャップ板の一例を示すA−A断面図である。
【図3】図1に示すキャップ板の一例を示すA−A断面図である。
【図4】本発明の実施の形態によるキャップ式部分洗浄除去装置に用いる全面に機能性膜を成膜した基板の例を示す斜視図である。
【図5】図1〜図4に示すキャップ式部分洗浄除去装置の作業工程を示す断面図である。
【図6】図1〜図4に示すキャップ式部分洗浄除去装置の作業工程を示す断面図である。
【図7】図1〜図4に示すキャップ式部分洗浄除去装置の作業工程を示す断面図である。
【図8】図1〜図4に示すキャップ式部分洗浄除去装置の作業工程を示す斜視図である。
【図9】図1〜図4に示すキャップ式部分洗浄除去装置の作業工程を示す断面図である。
【図10】図1に示すキャップ板に設ける弾性リング1の製法を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1……弾性リング1、2……キャップ板、3……吸引管口、4……洗浄および通風乾燥共用管、5……キャップ板支持棒兼吸引管、6……機能性膜、7……基板、8……基板支持板、9……洗浄槽、10……溶剤、11……ディスペンサー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に1つ以上の弾性リングを設けたキャップ板と、機能性膜を成膜した基板とを、前記弾性リングと前記機能成膜とが密着するように対向させ、位置合わせして重ね合わせる機構と、
前記基板とキャップ板とが積層された積層体の間に機能性膜を溶解または分散させる溶剤を流すか、または積層体を、機能性膜を溶解または分散させる溶剤中に浸漬することにより、前記弾性リングで囲まれた範囲外の不要な膜を洗浄除去する機構と、
を有することを特徴とするキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項2】
前記機能性膜を溶解または分散させる溶剤として水およびアルコールを含む溶剤を使用することを特徴とする請求項1記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項3】
前記機能性膜を溶解または分散させる溶剤として芳香族有機溶媒を含む溶剤を使用することを特徴とする請求項1記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項4】
前記機能性膜を溶解または分散させる溶剤として水およびアルコールを含む溶剤と芳香族有機溶媒を含む溶剤とを使用することを特徴とする請求項1記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項5】
前記弾性リングがゴム製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項6】
断面が円形または概略3角形の弾性リングを設けたキャップ板を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項7】
キャップ板の溝に液状ガスケットを注入することにより弾性リングが一体成型されたキャップ板を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項8】
前記弾性リングおよびキャップ板および基板で囲まれた閉空間を減圧することにより、該閉空間を密封する減圧機構または真空ポンプを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項9】
前記キャップ板および基板を乾燥するための加熱機構を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項10】
前記キャップ板と前記弾性リングで囲まれた部分以外を乾燥するための通風機構を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。
【請求項11】
前記キャップ板と基板とを弾性リングを介して密着させた状態で溶剤中浸漬洗浄する1つ以上の洗浄槽を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のキャップ式部分洗浄除去装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−37776(P2009−37776A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199408(P2007−199408)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】