説明

キャパシタンス流体容積測定

流体容量測定ポンプ輸送システムは、流体ポンプおよび流体ポンプのポンプチャンバの周りに配置されたコンデンサー板(16、18)を有する。コンデンサー板(16、18)の間のキャパシタンスは、ポンプチャンバ中の流体の容積が変化するにつれて、変化する。電気回路は、その板間のキャパシタンスの変化を測定し、ポンプチャンバ中の流体容積の指標となるシグナルを出力する。本発明のキャパシタンスセンサ(10)を有するポンプは、患者に流体接続される。一実施形態において、腹膜透析システムは、ポンプを介して患者に透析物を提供し、そのキャパシタンスセンサは、患者に供給されてかつ患者の腹腔から排出される透析物の容積を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般に、流体を検知し、流体の容積を測定するデバイスに関する。より具体的には、本発明は、流体、好ましくは、医療流体(例えば、透析治療の間に使用される流体)容積を測定するセンサに関する。
【0002】
疾患、発作または他の原因に起因して、個人の腎臓系は、衰え得る。任意の原因の腎不全において、いくつかの生理学的混乱がある。水、ミネラルおよび毎日の代謝負荷の排出のバランスは、もはや、腎不全において不可能である。腎不全の間、窒素代謝の毒性および産物(尿素、クレアチニン、尿酸など)が、血液および組織に蓄積し得る。
【0003】
腎不全および低下した腎機能は、透析により処置されてきた。透析は、老廃物、毒素および過剰の水を身体から除去する。そうでなければ、正常に機能する腎臓によって除去される。腎機能の置換のための透析処置は、多くの人々によって重大である。なぜなら、その処置は、生命を救うからである。腎臓を損なったヒトは、腎臓の少なくとも濾過機能を置換することなく、生存し続けることはできない。血液透析および腹膜透析は、腎機能の喪失を処置するために一般的に使用される2つの型の透析治療である。
【0004】
腹膜透析は、患者の腹腔内に注入される透析溶液または透析物を使用する。この透析物は、腹腔内において患者の腹膜に接触する。老廃物、毒素および過剰な水は、患者の血流から腹膜を通して、透析物へと移る。老廃物、毒素および水の、血流から透析物への移動は、拡散および浸透圧により生じる。なぜなら、腹膜をまたがって、浸透圧勾配があるからである。使用済み透析物は、患者の腹腔から排出されて、老廃物、毒素および水を患者から除去する。新たな透析物は、使用済み透析物を置換し、このプロセスが繰り返される。
【0005】
透析治療の間、透析流体交換は、一般に、使用済み透析流体を腹腔から排出し、新たな透析物で腹腔を満たす工程を包含する。腹腔から排出され、腹腔に供給される透析溶液の量または容積を追跡し続けることは、適切な透析治療のために重要である。交換の間に成体の腹腔から排出され、腹腔に供給される透析物溶液の代表的な量は、約2〜3リットルであり得る。透析流体交換は、通常は、患者によって手動で行われているか、または自動化透析機によって自動的に行われている。
【0006】
手動で行われる透析物交換は、交換を行う患者または他の個人が、腹腔から流体の適切な量を手動で排出し、腹腔に流体の適切な新たな量を手動で供給することが必要である。交換される流体の量の間違いは、手動の流体交換に依存する場合に生じ得る。複数の交換に対して使用される流体の蓄積量を知ることが所望される場合、蓄積総流体は、手動で追跡されなければならない。
【0007】
連続透析物流動を提供するように支持する、いわゆる連続流腹膜透析(「CFPD」)システムが、存在する。これらのシステムにおいて、患者からの「使用済み」透析物(老廃物を積んだ透析物)は、排出バッグに収集され、これは廃棄され、家庭で排出されるか、または他の排出に流される。患者は、代表的には、1回の処置で3リットルまでの透析物で腹腔を満たす。結論として、既知のCFPD透析処置は、多量の新たな透析物を必要とし、この透析物は、追跡または計算されなければならない。
【0008】
自動化透析機は、1以上の流体ポンプを使用して、透析物交換を行う。すなわち、ポンプは、使用済み透析物流体を、排出モードの間に腹腔からポンプ輸送し、充填モードの間に腔へと透析物をポンプ輸送する。公知の自動化透析機は、交換の間に排出および充填される流体の量を測定および制御している。1つの自動化腹膜透析(「ADP」)システムは、参照チャンバおよびボイルの法則を使用して、ポンプ輸送された流体の容積を決定する。
【0009】
透析処置の間に使用される流体の容積を測定する別の公知の方法は、スケールで容積を重量測定している。腹腔の充填を準備するに当たり、透析物のバッグが、スケールに配置され、重量が記録される。流体がバッグから除去された(腹腔に供給された)後、バッグに残っている流体の重量が読み取られ、記録される。患者に供給される流体の容積は、流体のバッグの減少した重量から決定され得る。同様に、患者の排出の間に、流体のバッグの重量増加は、腹腔から除去された流体の容積を決定するために使用される。流体容積を決定するために流体を重量測定することは、スケールを必要とし、バッグまたは他のレザバが、スケールに配置されることを必要とする。
【0010】
ポンプによってポンプ輸送される流体の容積を測定する別の公知の方法は、単に、ポンプチャンバの容積を知り、各ポンプストロークの際にチャンバを完全に充填することを予測することによる。それによってポンプ輸送される流体の容積は、ポンプストロークの回数を計数し、その回数にポンプチャンバの容積をかけることにより決定される。
【0011】
しかし、ポンプチャンバが流体内を完全には充填しない場合が頻繁にある。例えば、ポンプチャンバまたはポンプ中に存在し得る空気は、単に、十分なストロークを完全にするわけではない。従って、ポンプ輸送される流体の量の測定は、例えば、正確でない可能性があり、計算される量より少ない流体が、実際にポンプ輸送される可能性がある。これらの欠点は、多くのポンプストロークを通じてより顕著になり得る。例えば、より小さなポンプが、腹腔を充填または空にするために多くのポンプストロークが必要になる。
【0012】
ポンプ輸送される流体容積を測定する正確性は、ポンプチャンバのサイズが小さく、ポンプが多くのポンプストロークを通じて動作される場合により困難になり得る。例えば、特定の透析システムは、約10〜15ミリリットルの内部容積を有するポンプで、腹腔へ2〜3リットルの透析物をポンプ輸送しなければならない。完全に充填されたポンプチャンバの多くのポンプストローク(約200回のポンプストローク)が、2〜3リットルの透析物をポンプ輸送することが必要である。そのポンプチャンバが正確でなく、かつ各ポンプストロークあたりの透析物で一貫して充填または空にされる場合、ポンプストロークの総回数でポンプ輸送される透析物の総量は、不正確に測定され得る。
【0013】
従って、ポンプ輸送される流体容積を正確に測定し得るデバイスが必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、一般に、新たな流体センサおよび流体容積測定デバイスに関する。このセンサおよび測定デバイスは、非侵襲性であり、医療流体容積を検知および測定する新たな方法を提供する。このセンサまたは測定デバイスは、医療操作の多くの型において使用され得、血液透析および腹膜透析(連続流腹膜透析を含む)のような透析に特に適している。
【0015】
この目的で、本発明の一実施形態において、医療流体の容積を測定するためのデバイスが提供される。このデバイスは、固定された間隔の複数のコンデンサー板を備える。一実施形態において、このコンデンサー板は、少なくとも1つの対向する対を形成する。医療流体レセプタクルは、この一対のコンデンサー板の間に位置づけられる。回路は、この一対のコンデンサー板に電気的に接続される。この回路は、流体が流体レセプタクル中に存在する場合に、その医療流体の容積を示す出力を有する。
【0016】
一実施形態において、医療流体レセプタクルは、少なくとも1つの流体ポートを有するポンプチャンバをさらに備える。このポンプチャンバは、その一対のコンデンサー板の間に位置づけられる。
【0017】
一実施形態において、そのポンプチャンバは、医療流体をポンプ輸送するために移動可能な、少なくとも1つの可撓性膜壁をさらに備える。
【0018】
一実施形態において、そのデバイスはまた、そのポンプチャンバに対して流体ポンプ輸送関係において、ポンプピストンを備えるかまたはポンプピストンで作動する。その一対のコンデンサー板のうちの一方は、ポンプピストンで動く。
【0019】
一実施形態において、その医療流体レセプタクルは、第1および第2の可撓性膜壁をさらに備える。その第1および第2の膜壁のうちの少なくとも1つは、レセプタクル内の容積を変化するために動かされ得る。
【0020】
一実施形態において、その医療流体レセプタクルは、透析機とともに使用可能な使い捨て透析流体流路の一部をさらに備える。
【0021】
一実施形態において、そのコンデンサー板は、形状または両方の組み合わせが平面または非平面であり得る。その形状は、充填された場合にレセプタクルと実質的に同じであり得るか、またはポンプチャンバの一部と実質的に同じであり得る。
【0022】
一実施形態において、その回路は、一対のコンデンサー板の1つに対する接地接続および一対のコンデンサー板の他方に接続された電圧センサをさらに備え得る。
【0023】
一実施形態において、そのデバイスは、コンデンサー板からの信号の少なくとも一部を電気的に保護するガードを備える。
【0024】
一実施形態において、そのデバイスは、そのプレートの間のキャパシタンスに比例して電圧が生成され得る電圧源を備える。
【0025】
本発明のさらなる実施形態において、患者へまたは患者からの流体の容積を測定するためのシステムが提供される。そのシステムは、患者に流体接続される流体レセプタクルを備える。第1および第2のコンデンサー板が提供される。これらのコンデンサー板の間に、流体レセプタクル中の流体の量に依存して、可変性誘電体が作製される。電気回路は、コンデンサー板に接続される。その回路は、可変性誘電体に基づいて、信号を出力する。その信号は、前記レセプタクル中の前記流体の容積の指標である。
【0026】
一実施形態において、その流体レセプタクルは、流体ポンプチャンバの内部で作動する。
【0027】
一実施形態において、その流体レセプタクルは、第1のコンデンサー板と第2のコンデンサー板との間に位置づけられる。
【0028】
一実施形態において、そのシステムは、ポンプピストンを備える。その第1および第2のコンデンサー板のうちの一方は、ピストンの一部をそのプレートの外側に延ばす開口部を規定する。
【0029】
一実施形態において、そのシステムは、ポンプピストンを備え、第1および第2のコンデンサー板のうちの一方は、ポンプピストンの一部である。
【0030】
一実施形態において、そのシステムは、流体レセプタクルを拡張および収縮して、そのレセプタクルを流体で満たし、そしてそのレセプタクルから流体を空にする置換流体を備える。
【0031】
一実施形態において、そのコンデンサー板は、効果的に動かされて、そのレセプタクル内の流体を拡張する。
【0032】
一実施形態において、その流体レセプタクルは、可変性の容積を有し、ポンプチャンバに対して吸引され得、そのポンプチャンバは、そのレセプタクルに対して真空に引くために適合される。
【0033】
一実施形態において、その第1および第2のコンデンサー板の少なくとも一方は、移動可能であり、レセプタクルが充填された場合に、レセプタクルのような形状にされる。そのコンデンサー板はまた、ポンプハウジングのような形状にされ得る。
【0034】
一実施形態において、その流体レセプタクルは、使い捨てカセットを備える。そのカセット壁の少なくとも一方は、可撓性膜を備える。
【0035】
一実施形態において、そのシステムは、電気回路によって出力される信号から、その流体の容積を決定するプロセッサまたはコントローラを備える。
【0036】
一実施形態において、そのシステムは、流体レセプタクル中の流体の複数の個々の容積から、流体の蓄積容積を決定するコントローラを備える。
【0037】
本発明のなお別の実施形態において、患者へのまたは患者からの流体の容積を測定するためのシステムが提供される。そのシステムは、患者に流体接続される流体レセプタクルを備える。第1および第2のコンデンサー板が提供される。電気回路は、コンデンサー板に接続される。その回路は、その板の間の可変性誘電体に基づいて、信号を出力する。その信号はまた、その板の一方または両方の距離を変化させること、およびその板の一方または両方の表面積を変化させることに基づき得る。その信号は、前記流体レセプタクル中の前記流体の容積の指標である。
【0038】
一実施形態において、コンデンサー板の少なくとも一方は、変化する表面積を有する。
【0039】
一実施形態において、その電気回路により出力される信号は、その信号を追跡する電圧によって電気的にガードされる。ここでその電圧は、その信号を遮蔽するガードに印加される。
【0040】
さらに、本発明の別の実施形態において、透析システムが提供される。そのシステムは、流体流路を備える。流体レセプタクルは、流体流路に流体接続される。キャパシタンスセンサは、その流体レセプタクルに対して位置づけられる。そのキャパシタンスセンサは、そのレセプタクル中の流体の容積を測定し得る。
【0041】
一実施形態において、そのキャパシタンスセンサは、パルス状の電圧を利用し、そのパルスの間に形成される電圧の量を測定する。
【0042】
一実施形態において、その流体レセプタクルは、透析治療のための使い捨てセットの一部である。
【0043】
本発明の別の実施形態において、流体ポンプによってポンプ輸送される医療流体の容積を測定する方法が提供される。その方法は、その医療流体レセプタクルが、実質的に流体が空になった場合に、キャパシタンス板で流体レセプタクルの第1の状態を検知する工程を包含する。次に、その医療流体は、その流体レセプタクルに提供される。次いで、その流体レセプタクルの第2の状態は、その流体レセプタクルが医療流体で実質的に満たされた場合に、コンデンサー板で検知される。さらに、流体レセプタクル中の医療流体の容積は、そのキャパシタンス板により検知される第1の状態および第2の状態に基づいて決定される。
【0044】
一実施形態において、この方法は、流体レセプタクルの流体を実質的に空にする工程、医療流体をそのレセプタクルに提供する工程、別の第2の状態を検知する工程、およびその医療流体の別の容積を決定する工程をさらに包含する。
【0045】
一実施形態において、その方法は、流体がそのレセプタクルに入る場合に、その流体レセプタクルの状態を連続して検知する工程を包含する。
【0046】
一実施形態において、その方法は、そのレセプタクルに提供される医療流体の複数の容積から、総流体容積を決定する工程を包含する。
【0047】
一実施形態において、その方法は、ポンプチャンバの対向する側にコンデンサー板を位置づける工程を包含する。
【0048】
本発明のなお別の実施形態において、透析物が必要な患者に透析物を提供する方法が提供される。その方法は、透析流体の容積を、キャパシタンスセンサで測定する工程およびその透析流体の容積を患者の部分に通す工程を包含する。
【0049】
一実施形態において、その部分は、患者の腹腔を含む。
【0050】
一実施形態において、その方法は、眠っている患者に測定された流体容積を注入する工程を包含する。
【0051】
一実施形態において、その方法は、夜間に患者へ測定された流体を注入する工程を包含する。
【0052】
本発明のさらに別の実施形態において、連続流腹膜透析を患者に提供する方法が提供される。その方法は、一対のコンデンサー板を介して透析流体のある容積を通過させて、その容積を測定する工程、その流体の容積を患者の部分に進める工程、およびその患者からの流体の体積を再循環させて、その流体を清浄にする工程を包含する。
【0053】
一実施形態において、その一対のコンデンサー板を介して流体の容積を通過させる工程およびその流体の容積をその患者の部分に進める工程は、流体ポンプで同時に行われる。
【0054】
さらになお、本発明の別の実施形態において、医療流体を置換するシステムを作動する方法が提供される。その方法は、その医療流体を第1の位置から第2の位置へ動かす工程、およびキャパシタンスセンサによって動かされた流体の容積を測定する工程を包含する。
【0055】
一実施形態において、その方法は、その医療流体を患者に送達する工程を包含する。
【0056】
一実施形態において、その方法は、そのキャパシタンスセンサで流体の容積を測定することによって、その患者に提供される医療流体の量を制御する工程を包含する。
【0057】
一実施形態において、その方法は、患者または操作者に動かされた量またはポンプ輸送された量を視覚的に示す工程を包含する。
【0058】
従って、改善された医療流体容積測定システムを提供することが本発明の利点である。
【0059】
本発明の別の利点は、透析処置を提供するための改善されたシステムを提供することである。
【0060】
本発明の利点は、容積測定システムおよび連続流腹膜透析処置において使用するための方法を提供することである。
【0061】
本発明の別の利点は、医療流体容積を測定する改善された方法を提供することである。
【0062】
本発明のさらなる利点は、非侵襲性流体容積測定を提供することである。
【0063】
本発明のなお別の利点は、キャパシタンス流体検知および流体容積測定デバイスおよび方法を提供することである。
【0064】
本発明のなおさらなる利点は、多くのポンプストロークにわたって流体ポンプについての正確な流体容積測定を提供することである。
【0065】
本発明のなお別の利点は、そのポンプチャンバが、流体で完全には満たされないし、空にもされない場合に、流体ポンプについての正確な流体容積測定を提供することである。
【0066】
さらに、本発明の利点は、透析を提供する改善された方法を提供することである。
【0067】
本発明のなおさらなる利点は、比例した出力を提供し、それによって、部分的に十分な容積測定が得られ得る比例流体容積検知システムを提供することである。
【0068】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の発明の詳細な説明および図面からに記載され、それらから明らかである。
【0069】
(発明の詳細な説明)
本発明は、医療流体容積センサ、医療流体容積センサを使用する医療処置を行うためのシステム、およびこれを行うための方法を提供する。本発明は、流体容積センサ、腹膜透析処置に、腹膜透析システムとともに使用され得るシステムおよび方法を特に提供する。1つのこのような腹膜透析システムは、患者の腹腔にまたは患者の腹腔から透析物を連続的にかつ同時に注入および排出する連続流腹膜透析システムである。その腹膜透析システム、従って、本発明は、例えば、腹腔中に移植された二重管腔カテーテルまたは他の複数管腔患者アクセスに接続され得る。
【0070】
しかし、本発明は、種々の医療処置ならびに種々の透析システムおよび方法のために使用され得ることに留意すべきである。例えば、本発明は、血液透析において使用され得る。同様に、本発明の原理および方法はまた、非透析適用において医療流体を検知するために使用され得る。
【0071】
本発明は、患者に提供されるかまたは患者から除去される流体の容積を測定し得る。その流体容積検知および測定装置および本発明の方法は、非侵襲性測定システムである。すなわち、本発明は、流体に接触することも達することもなく、流体の容積を測定し得る。そのシステムは、キャパシタンス測定技術を使用して、チャンバの内部で流体の容積を決定する。
【0072】
流体の容積が変化するにつれて、キャパシタンスの変化に比例して、検知される電圧は、変化する。従って、そのセンサは、そのチャンバが、例えば、空、8分の1充填、4分の1充填、2分の1充填、もしくは完全に充填、または任意の他の%の充填か否かを決定し得る。これらの測定値の各々は、例えば、少なくとも公知の重力測定スケールまたは圧力/容積測定によって達成される正確性のオーダーに対して、正確に、行われ得る。しかし、本発明は、より単純で、非侵襲性で、安価であり、医療操作がバッチ操作である必要はない。
【0073】
1つの流体容積センサまたは測定デバイス10は、図1A、1Bおよび1Cに模式的に示される。図1Aは、流体容器14中の実質的に流体12のない量を有するセンサ10を示す。その容器14は、一実施形態において、空気の誘電率と類似の、比較的低い誘電率を有するプラスチックまたはいくつかの他の材料である。例示されるように、その容器14は、2つのクラムシェル型板を備える。その板の端部は、医療流体(例えば、透析物)がその容器14に入ることを可能にする。しかし、その容器14が、任意の数の異なる部品(固体部品を含む)であり得ることが理解されるべきである。その容器14は、医療流体の容積の出入りを可能にするための任意の種類の開口部を規定し得る。
【0074】
図1Bは、図1Aの容器14中の流体12より大きな容積の流体12を有する流体容器14を示す。図1Cは、流体12で実質的に満たされた流体容器14を示す。一実施形態において、その流体容器14は、剛性であるが、その容器14はまた、可撓性であり得るか、もしくは可撓性構成要素を有し得る。一実施形態において、その容器14の少なくとも一部は、医療流体(例えば、透析物)を移動するための使い捨てカセット中に含められる。使い捨てカセットの一部として、その容器14は、ポンプと一体化され得、ここでその容器14は、ポンプチャンバになり得る。
【0075】
流体12は、可撓性膜レセプタクル24の間に維持され、可撓性膜レセプタクル24は、医療流体のための囲われた滅菌経路を提供する。一実施形態において、その容器は、以下に詳細に記載されるように、医療流体のためのポンプチャンバの一部を提供する。しかし、その容器14は、能動的にポンプ輸送されるチャンバの一部である必要はなく、代わりに、受動的チャンバであり得る。
【0076】
その流体容積センサ10は、流体容器14の対向する側かつ外側に位置づけられた、第1のコンデンサー板16および第2のコンデンサー板18を備える。そのコンデンサー板は、導電性材料または金属である。その金属コンデンサー板は、流体12にも滅菌使い捨て膜24にも接触しておらず、代わりに、容器14によってそれらから分離される。
【0077】
流体容器14の流体12は、第1のコンデンサー板16と第2のコンデンサー板18との間に位置づけられる。用語「板」は、本明細書中全体を通して使用されるが、板は、例示されるように、平坦である必要はない。そのコンデンサー板16および18は、任意の所望の形状および構造を有し得る。本明細書中で示される場合、そのコンデンサー板16および18は、一実施形態において、流体容器14(および容器14(例えば、ポンプピストンヘッド)に作動可能に接続されたデバイス)の形状に実質的に適合する非平面形状を有する。その形状はまた、そのレセプタクルが、充填または実質的に充填されるまで拡張する場合、レセプタクル24の形状に実質的に適合する。
【0078】
図1A〜1Cにおいて、流体12の誘電率は、流体30の誘電率より遙かに高い。流体30は、一実施形態において、空気である。例えば、水ベースの流体12は、空気の誘電率の約8倍の誘電率を有し得る。
【0079】
誘電性値の間の大きな不均衡が原因で、流体12の拡張する流体が、板18に向かって高誘電性流体12に隣接したコンデンサー板16を効率的に動かす。このようにして、板16と18との間のキャパシタンスは、流体12の拡張する表面と、コンデンサー板18との間の相対的位置に依存して変化する。すなわち、流体容器14中の流体12の容積が変化するにつれて、板16と18との間のキャパシタンスもまた、以下により詳細に記載するように、変化する。
【0080】
その流体容積センサ10は、キャパシタンスセンサ回路20を備え、この回路は、活性金属(active metal)またはそうでなければ導電性のコンデンサー板18に電気的に連結される。そのセンサ10は、接地コンデンサー板16に対して接地接続22を維持する。そのキャパシタンス検知回路20は、信号ライン36を介してコンデンサー板18を電気的に連結する。その信号ライン36は、信号を、活性板18からキャパシタンスセンサ回路20へと伝達する。そのセンサ回路20は、それぞれ、図1A〜1Cの各々と関連した電圧傾斜の高さV1、V2、V3によって図式的に示されるように、流体容器14中のその流体12に比例した電圧を出力する。
【0081】
その流体容積センサ10は、一実施形態において、電気ガード30を備える。電気ガード30の目的は、信号ライン36に沿って動く活性板18によって検知される電圧を保護することである。板16および18にまたがって生成されるキャパシタンスは、一実施形態において、ピコファラッドのオーダーである。結論として、板18からその回路20への信号ライン36は、隣接する電気構成要素によって、および一般に周辺領域から生成される外側キャパシタンスに非常に影響を受けやすい。
【0082】
そのガード30は、板部分32およびライン部分34を有する。すなわち、そのガードは、コンデンサー板18から、信号ライン36全工程に沿って、キャパシタンスセンサ回路20までのキャパシタンス信号を保護する。その板部分32は、一実施形態において、コンデンサー板18から電気的に絶縁され、コンデンサー板18を電気的に絶縁する、導電性金属シェルである。そのライン部分34は、一実施形態において、同軸ケーブルにおいて周辺金属である。作動時に、ガード30のプレート部分32およびライン部分34は、活性コンデンサー板18からの信号と同じ電位で維持される。ここでそのガード30は、信号ライン36を外部信号(電場または他の理由)により影響を受けることから遮蔽する。
【0083】
図1Aにおいて、その流体容器14は、流体12が実質的に空である。「実質的に空」によって、流体容器14は、実質的に充填された図1Cの容器14に対して、完全にからであり得るか、または少量の流体12を含み得る。板16と18との間に流体12を有するセンサ10のキャパシタンスは、容器14内の流体12の非存在に少なくとも一部起因して、特定の値にある。
【0084】
センサ10のキャパシタンスセンサ回路20は、金属またはそうでなければ導電性のコンデンサー板16および18にまたがる電圧を測定して、グラフにより示される電圧V1を生成する。図1Aにおける板16と18にまたがるキャパシタンスC1は、1/V1に比例する。図1Aのキャパシタンスおよび反比例する電圧V1は、実質的に空の流体容器14を示す。
【0085】
外部供給源または一体型供給源が、流体12を流体容器14に添加するにつれて、その流体容器14中の膜レセプタクル24は、図1Bに示されるように、充填および拡張する。高誘電性流体12が充填された膜レセプタクル24の拡張する縁部は、接地キャパシタンス板16の機能的等価物になる。容器14内の液体12の容積が増大するにつれて、容器14の残りを充填している置換流体30(例えば、空気)の容積は、必然的に減少する。キャパシタンスCは、関数C=k×(S/d)に従って変化し、ここでkは、2つの板の間の材料の誘電特性によって決定される誘電率である。Sは、個々の板の表面積であり、dは、板16と18との間の距離である。
【0086】
供給源が、容器14中にまたは容器14から流体12を動かす場合、流体12の容積は、連続して変化する。流体12で充填されているその膜レセプタクル24は、容積の変化、重力の影響などに起因して、異なる形状を形成し得る。上記の関数の表面積Sは、コンデンサー板16の機能的等価物として作用する、拡張している膜レセプタクル24に起因して変化し得る。上記の関数の距離dはまた、膜レセプタクル24内の流体12の拡張している容積に起因して変化し得る。容器14の膜レセプタクル24中の流体12の容積が拡張するにつれて、板16の面積Sは、変化するのであれば、増大し、板16と18との間の距離dは、変化するのであれば減少し、面積Sおよび距離dの両方は、上記の関数におけるキャパシタンスCを増大させる(そして回路20の出力電圧を比例して低下させる)ことが理解されるべきである。
【0087】
容器14の膜レセプタクル24中の流体12が、図1A〜図1Bから増大するにつれて、板16と18との間のキャパシタンスもまた増大する。上記に説明されるキャパシタンスと電圧との間の関係に従って、板16と18にまたがる電圧は、同様に低下する。このことは、図1Aおよび1Bのそれぞれ電圧V1およびV2によって模式的に例示される。測定される電圧V2は、測定される電圧V1より低いので、キャパシタンスC2は、V1/V2倍だけキャパシタンスC1に比例する。すなわち、電圧変化は、キャパシタンスの変化に反比例する。
【0088】
同様に、図1Cは、流体12が、膜レセプタクル24を拡張して、容器14の内部容積を実質的に達成したことを示す。流体容器14を「実質的に充填する」によって、流体12で完全に満たされ得るか、または図1Aのように、実質的に空であることと比較して、多量の流体12を有し得る。図1Cの出力電圧V3は、流体容器14中の流体12の実質的に満たされた容積の指標である。
【0089】
板16と18との間の距離dの変化、およびあり得ることには膜レセプタクル24の膜表面積Sの変化に関連すると同時に、キャパシタンスの変化は、おそらく、低誘電性流体30が、高誘電性流体12によって置換されるので、誘電率kの変化に少なくとも一部起因している。板16と18との間のキャパシタンスの変化および単純な板キャパシタンス等式C=k×(S/d)の3つの変数が、キャパシタンスCに関することの正確な寄与の理由は、複雑な外形および非理想誘電性によって影響を受けることである。より重大なことには、キャパシタンスの変化は、以下のように較正され得る:(i)キャパシタンスの変化は、信号ライン36に沿って電位によって測定され得る;および(ii)異なる電圧は、容器14の膜レセプタクル24内の流体12の異なる信号容積に相関され得る。
【0090】
その容器14が、空である場合の信号電位および容器14が充填される場合の電圧を知ることは、任意の中間電圧が、流体12の負荷%または容積%に相関され得ることが理解されるべきである。異なる経路が、(流体12の電圧 対 容積のグラフに対して)空から充填および充填から空でとられる履歴現象効果が存在し得るが、その履歴現象効果は、ソフトウェアにおいて説明され得るか、または回路構成を介して排除され得るかのいずれかである。
【0091】
任意の中間電圧もまた、誘電性流体30(すなわち、空気)の容積%に相関され得ることもまた理解されるべきである。従って、本発明のキャパシタンスセンサ10はまた、レセプタクル24内の空気の存在を検出するために使用され得る。例えば、レセプタクル24が、特定の時間で充填状態または実質的に充填状態にあると予測されるが、センサ10が半分充填の状態のみを示す場合、センサ10のシステムは、レセプタクル29が、閉じこめられた空気を有し、この空気の%を計算し得ることが決定され得る。これは、流体送達システムについての望ましい特徴であり、ここでその送達システムは、混入された空気をパージすることにときおり必要とする。
【0092】
図1A〜1Cは、全般的な実施形態を示し、ここでその容器14は、容積またはチャンバなどの任意の型を規定し、ここで流体12は、膜レセプタクル24内で拡張および収縮する。膜レセプタクル24を流体12で拡張および収縮するための任意のデバイスが、使用され得、容器14内に一体化されても、されてなくてもよい。また、別の実施形態において、膜レセプタクル24は、省略され得る。
【0093】
コンデンサー板16および18は、実質的に平行に対向する様式で提供され得るか、または別の対向する平行でない外形を有し得る。さらに、2を超えるコンデンサー板が使用され得、1を超える信号が生成され得る。
【0094】
図2は、システム回路40の実施形態を例示し、これは、上記のように、キャパシタンスセンサ回路20、信号ライン36、ガード30、信号ライン36に電気接続された活性コンデンサー板18、および接地22に電気接続された接地コンデンサー板16を考慮に入れる。このキャパシタンスセンサ回路20は、信号ライン36に電気的に接続された増幅器26を備える。ここでその信号ライン36は、活性コンデンサー板18から電位を伝達する。
【0095】
信号ライン36に沿った信号は、高いインピーダンス信号であり、このインピーダンス信号は、他の電気的構成要素および一般的に環境によって生成される外部信号に非常に影響されやすい。その増幅器26は、信号ライン36から信号を増幅して、低インピーダンス出力Voutを生成する。その増幅された低インピーダンス出力Voutは、ループ38を介してガード30のライン部分34へと周辺にフィードバックされる。このようにして、そのシステム回路40は、ガード30および信号ライン36に沿って同じ電位を連続して維持する。
【0096】
システム回路40のキャパシタンスセンサ回路20は、電圧源42を備える。一実施形態において、電圧源42は、5VDCを供給するが、電圧源42は、他の適切な電圧を供給し得る。システム回路40のそのキャパシタンスセンサ回路20はまた、スイッチ44を備える。そのスイッチ44が閉鎖される場合、電圧源42によって供給される電圧は、接地に分路される。すなわち、スイッチ44が閉鎖される場合、増幅器26は、実質的に電位を出力せず、Voutは、実際はゼロである。
【0097】
スイッチ44が開いている場合、Voutは、傾斜46(図1A〜1Cは、電圧V1〜V3において最高に達するそれぞれ類似の傾斜を示す)によって示されるように、経時的に増大する。サンプリングされた電圧Voutは、関数1/(R×C)に比例して変化する。ここでRは、抵抗器28の一定値であり、Cは、活性板18および接地板16にまたがって変化するキャパシタンスである。
【0098】
実質的には、十分な時間が与えられる場合、Voutは、電圧源42の電圧+Vに等しいように上昇することが理解されるべきである。時間量は、キャパシタンスに依存する。キャパシタンスCが、比較的低い(容器14は、相対的に、流体12がなく、低誘電性流体30で満たされる)場合、Voutは、比較的短時間で+Vに上昇する。キャパシタンスが比較的高い(容器14が、相対的に、流体12で満たされ、低誘電性流体30がない)場合、Voutは、比較的長時間かかって、+Vに上昇する。
【0099】
この推論は、キャパシタンスCが低い場合に、+Vに上昇させるために、Voutに必要な時間より短いで固定された時間量(t開口〜tサンプル)にわたって、キャパシタンスCに依存して、+Vよりいくらか低い電圧にVoutを上昇させることである。このようにして、測定されるVoutは、高誘電性流体12(例えば、透析物)および低誘電性流体30(例えば、空気)にまたがって作製されるキャパシタンス全体に比例する。繰り返すと、履歴現象は、キャパシタンス全体が、増大しているか否か(容器14が流体12で満たされている)またはキャパシタンス全体が、減少しているか否か(容器14が流体12を失っている)に依存して、Voutの値に影響を及ぼす。
【0100】
抵抗器28の値また増加は、システムのダイナミクスに影響を及ぼし、電圧源42の値および板16および18にまたがって生成されるキャパシタンス値の範囲に基づいて選択されなければならない。1つの実施形態において、抵抗器28および電圧源42の値は、Voutが、空から充填までのキャパシタンス値の範囲にわたって、ゼロボルト〜+Vの間の反復可能かつ検出可能な範囲にまたがるように選択される。一実施形態において、キャパシタンスの範囲は、約2〜60ピコファラドであり、抵抗器28の抵抗は、50〜150kΩの範囲である。これらの値は、明らかに変動され得、本発明の1つのあり得る実施を示すためにのみ提供される。
【0101】
その信号Voutは、アナログ信号であり、その信号は、板16と18との間のキャパシタンスCが変化するにつれて、変動する。アナログデジタル変換器48は、信号Voutをデジタル信号50に変換する。次いで、そのデジタル信号50は、マイクロプロセッサ52に提供される。そのマイクロプロセッサ52は、(流体12の)充填%または流体12の容積が生成されることを可能にするデータを保存する。そのマイクロプロセッサ52は、複数のデジタル信号50を経時的に加算する。例えば、そのマイクロプロセッサ52は、ポンプの複数の充填および放出サイクルを加算する(例えば、透析物ポンプチャンバは、15ミリリットルのオーダーであり得、患者は、約2リットルの透析物を要し得る)。そのマイクロプロセッサ52は、ポンプ輸送されるか、もしくはさもなければ、患者に伝達し得る医療流体12の総容積を決定し得るか、または所定の合計値に達した際に使用時間に対する終了の信号を送り得る。
【0102】
医療システムまたは透析システムのいずれかの型において、本発明は、患者または操作者に容積に依存する流体の容積および/または流速のディスプレイを可能にする。そのマイクロプロセッサ52は、一実施形態において、t開口にスイッチ44を空け、その信号Voutが測定される時間tサンプルまでに、キャパシタンスセンサ板18に充電することを可能にする内部タイマーを順序づける。代表的な実施形態において、そのスイッチは、tサンプル後に、ある時間で閉鎖する。そのマイクロプロセッサ52はさらに、フィルタリングソフトウェアを備え得、このソフトウェアは、複数のデジタル信号50を平均し、そして/または偽の信号を検知および排除する。
【0103】
システム回路40のキャパシタンスセンサ回路20は、一実施形態において、外部信号を、真の信号を信号ライン36に沿って変造することから防止するために、種々の特徴を備える。例えば、その回路20は、当該分野で周知である「ブートストラッピング」技術を使用して、信号ライン36を、回路内の他の構成要素と関連したキャパシタンス値からガードし得る。例えば、そのスイッチ44は、信号ライン36に沿ってキャパシタンスに影響を及ぼす、関連するキャパシタンス値を有し得る。このブートストラッピング技術(ガード技術フィードバックループ38に類似する)は、スイッチ44にまたがって発生するいかなるキャパシタンスからのその効果も打ち消す。
【0104】
このキャパシタンスセンサ回路20は、一実施形態において、システム回路40の正確性および安定性を増すための他の電気構成要素を備え得る。これらの構成要素の機能は、当業者に周知である。例えば、コンデンサー54は、「ブートストラップ」デバイスであり、これは、傾斜46の線形性を維持するために役立つ。種々の電気構成要素(示されない)はまた、システム回路の性能を高めるために付加され得る。
【0105】
上記の回路および操作モードは、種々の異なる流体容器構成において実施され得る。図1A〜1Cは、この容器14が、ポンプ輸送チャンバに必ずしも対応しない実施形態を例示する。
【0106】
ここで図3を参照すると、本発明のセンサ60は、キャパシタンスの変化を、ポンプチャンバ66内の医療流体の容積に相関させる。すなわち、この実施形態における容器は、ポンプチャンバである。
【0107】
センサ60は、第1の部分62および第2の部分64を有する「クラムシェル」設計を備える。これらの部分は、ともに、ポンプチャンバ66を形成する。一実施形態において、その部分62および64は、既知の容積の、剛性の、固定した容積の、ディスク状の形状であるポンプチャンバ66を形成する。チャンバ66の容積は、計算され得るか、または較正プロセスによって決定され得る。次いで、チャンバ66の容積は、マイクロプロセッサ(例えば、図2のプロセッサ52)にプログラムされ得る。
【0108】
クラムシェルである第1の部分62および第2の部分64は、閉鎖され、使い捨てかつ拡張可能な膜レセプタクル70に対してシールされる。その使い捨てレセプタクル70は、2つの可撓性膜72および74を備える。本発明の可撓性膜は、ポンプ輸送される流体と適合性の任意の適切な材料(例えば、不活性プラスチックまたはゴム材料)から作製され得る。1以上の流体経路73(例えば、使い捨て透析物のバルブ付き経路)は、第1の部分62と第2の部分64、および可撓性膜72と74との間に規定される開口(opening)または開口部75と流体連絡する。
【0109】
1以上の経路73は、医療流体(例えば、透析物)がレセプタクル70の膜72と74との間でチャンバ66を出入りすることを可能にする。一実施形態において、その1以上の流体経路73は、マニホルド77に導き、ここでそのマニホルドは、プログラムに従って、その流体経路73を開閉する一連のバルブ79と作動可能に連絡する。
【0110】
図3は、空状態のポンプチャンバ66を示し、このポンプチャンバは、可撓性レセプタクル70が閉鎖されるように、弛緩した位置で両方のフィルム72および74を有する。空の容積状態は、フィルム72および74が、実質的に全ての流体が、滅菌レセプタクル70、同様に、ポンプチャンバ66から除去されるように、折りたたまれる場合に達成される。
【0111】
空の容積状態は、例えば、両方の膜72および74がともに、互いにまたはポンプチャンバ66の一部62および64の内部のうちのいずれか一方に対して押されることによって達成され得る。その空のポンプチャンバ状態は、この位置において較正され得る。そのポンプチャンバ66が充填状態である場合、その医療流体は、レセプタクル70のフィルム72と74との間に存在する。ここでそのフィルムは、ポンプチャンバ66の一部62および64の内部壁に圧縮され、そして/またはその内部壁に対して引き込まれる。その充填チャンバ容積は、この状態において較正され得る。
【0112】
クラムシェル部分62および64ならびにレセプタクル70のフィルム72および74は、膜ポンプを形成することが理解されるべきである。そのフィルム72および74のうちのいずれか一方またはその両方は、任意の適切な活性化デバイスによってクラムシェル62および64に向かって動き得るか、またはこれらのクラムシェルから離れるように動き得る。種々の実施形態において、その膜ポンプは、空気式により、液圧式により、または機械的に作動される。
【0113】
図3の膜ポンプは、一実施形態において、空気式により、液圧式により、またはさもなければ流体により作動される。すなわち、そのポンプは、別個のピストンも機械的アクチュエータも必要としない。そのクラムシェル部分62および64は、ポート開口76および78をそれぞれ規定して、置換流体(例えば、空気流体または作動液)の、レセプタクル70の外側のチャンバ領域へまたはその領域からの移動を可能にし、膜ポンプを作動する。
【0114】
代替的実施形態において、その医療流体(例えば、透析物)は、フィルム72と74との間で、ポンプチャンバ66中にまたはポンプチャンバ66から動くように加圧される。別個の圧力源が使用されて、流体をレセプタクル70へと押される。
【0115】
さらなる代替的実施形態において、膜72および74によって規定されるレセプタクル70は、陰圧をチャンバポート76および78の一方または両方に付与することにより、医療流体で充填され得る。フィルム72と74との間のチャンバ66中の医療流体は、陽圧を、チャンバポート76および78のうちの少なくとも一方に付与することによって空にされ得る。
【0116】
容量センサ60において、クラムシェル部分62および64は、本発明のコンデンサー板を形成および保持する。一実施形態において、下のクラムシェル部分64は、不活性プラスチックから生成される。ここで金属コンデンサー板63は、プラスチッククラムシェル部分64の外側表面に取り付けられる。適切な滅菌のために、金属コンデンサー板63は、医療流体と直接は接しないことが所望される。一実施形態において、クラムシェル部分64の外側に配置されたその金属コンデンサー板63は、接地に電気的に連結される。
【0117】
一実施形態において、クラムシェル部分62は、多くの層(内側層62a、中間層62bおよび外側層62c)内に、活性金属またはそうでなければ導電性キャパシタンス板65を備える。層62aから62cの各々は、不活性プラスチックから作製される。活性金属コンデンサー板65は、プラスチック層62aと62bとの間に存在する。上記のように、活性板、およびこれに取り付けられる回路構成にノイズ保護を提供する金属ガード板67は、プラスチック層62bおよび62cの間に存在する。従って、金属は、透析物と直接接触するようにも、または潜在的にヒトに接触するようにも曝されない。
【0118】
クラムシェル部分62の活性コンデンサー板65は、キャパシタンス検知回路(例えば、図1A、1B、1Cおよび2と関連して記載される回路20)に電気的に接続される。そのガード板67はまた、上記の図に例示されるキャパシタンス検知回路のフィードバックループに電気的に接続される。
【0119】
1つの実施において、陰圧は、ポート78にて一定に維持され、その結果、下側膜74は、多くの充填および空のサイクルの間に、接地したクラムシェル部分64の内表面に適合するように引っ張られる。この実施において、上側膜72は、ポンプ作用作業を行う。すなわち、陰圧が、クラムシェル62のポート76に付与される場合、膜72は、クラムシェル層62aの内表面に対して引き上げられ、その内表面と適合する。この作用は、流体を流体経路73のうちの1つおよび開口部(aperture)または開口(opening)75を通じて、マニホルド77から拡張可能なレセプタクル70へと引き上げる。流体を押し出すために、その陰圧は、ポート76から解放され、ここで膜72は、流体をレセプタクル70から押し出すように折りたたまれる。あるいは、陰圧の代わりに、ポート76を介して、正圧が付与される。
【0120】
操作時に、そのレセプタクル70は、部分62と64との間で拡張する(レセプタクル24は、図1A〜1Cにおいて容器14の一方の側から拡張する)。拡張レセプタクル70と収縮レセプタクル70の間および部分62と64との間の低誘電性置換流体の種々の距離dは、接地板63と活性板65との間のキャパシタンスに対していくらかの影響を有し得る。同様に、表面積S(接地板および活性キャパシタンス板および拡張膜72により規定される)は、キャパシタンス全体に対していくらか影響を有し得る。確かに、誘電性全体の変化は、検知したキャパシタンスに影響を及ぼす。
【0121】
フィルム70および72が、医療流体(例えば、透析物)で拡張および充填されるにつれて、キャパシタンスは変化する(すなわち増大する)。従って、チャンバ66内の各異なる量の医療流体は、特有の全体的キャパシタンスを有する。従って、特有のキャパシタンス値は、そのチャンバ中の各特定の流体容積(例えば、実質的に空、半分充填、または実質的に充填)と関連し得る。
【0122】
特定かつ所定の時間にわたって、パルス状の電圧を生成することによって、そのシステム回路は、活性および接地コンデンサー板65および63、それぞれにまたがって、高インピーダンス電位を生成する。そのキャパシタンス検知回路は、その高インピーダンス信号を増幅して、低インピーダンス電位Vout(これはまた、キャパシタンス信号をガードするためにフィードバックされる)を生成し、このVoutは、チャンバ中の流体の容積全体に依存して変化する。増幅される電位は、デジタル信号に変換され、マイクロプロセッサに供給される。ここでこのデジタル信号は、フィルタにかけられ、そして/または加算され、患者もしくは操作者に容積および/もしくは流速の指標を提供するか、またはシステムのポンプ輸送を制御する(例えば、総全体容積に達した際に透析物流動を終わらせる)ために利用される。容積指標は、任意の所望の形態(例えば、視覚、数値、音、電気およびそれらの組み合わせ)であり得る。
【0123】
部分62および64のコンデンサー板65および63、それぞれ(およびガード67)は、フィルム72および74のレセプタクル70内で拡張する流体の形状に適合することが理解されるべきである。部分62および64のそのコンデンサー板65および63は、流体で十分に拡張したレセプタクル70と実質的に同じ形状を有する。センサ60の正確性は、コンデンサー板65および63が、流体容器と適合するか、または流体容器と実質的に同じ形状を有するという事実に起因して高められる。すなわち、杯形状の部分62および64の湾曲したコンデンサー板65および63それぞれによって提供される正確性は、板65および63が、単にまっすぐで、平行な板である場合より大きい。
【0124】
上記のように、図1A〜1Cと関連して、そのコンデンサー板63および65は、実質的に平行であり得るが、必ずしも平行でなくてもよい。代替的実施形態において、2つより多いコンデンサー板が提供され得、多重信号が生成され得る。
【0125】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、別の実施形態において、本発明のセンサ80が例示される。そのセンサ80は、上記のように、ポンプ82を備える。しかし、この実施形態において、ポンプ82は、少なくとも部分的に機械的に駆動される。そのポンプ82は、ポンプチャンバ84を規定し、ポンプピストン86を有する。このポンプピストンは、ピストンヘッド87を備える。そのポンプチャンバ84は、上部の剛性ポンプ収容部材88および下部剛性ポンプ収容膜98により規定される。上記のように、可撓性流体レセプタクル85は、拡張可能な膜またはシート90aおよび90bによって規定され、これは、一実施形態において、透析システム(例えば、連続流透析システム)とともに使用するための使い捨てユニットの一部を形成する。
【0126】
図4Aにおいて、そのポンプ82が医療流体で充填された場合、そのポンプチャンバ84および流体レセプタクル85は、実質的に同じ形状を有する。図4Bにおいて、そのポンプ82が、医療流体の全てまたはほぼ全てを排出した場合、そのポンプチャンバ84は、同じ容積を維持するが、流体レセプタクル85を規定する膜90aおよび90bは、実質的にゼロ容積に折りたたまれる。
【0127】
ポンプ膜90aは、一実施形態において、ポンプピストン86のピストンヘッド87のフェース92に対してシールするように適合されるか、または機械的に取り付けられるように適合される。膜90bは、部材88に対してシールするかまたは膜88に取り付けられる。ピストンヘッド87および部材88は、それぞれ、ポート83および89を規定し、これらのポートを通って、真空が引き込まれ得る(または正圧が付与される)。ポート83および89は、種々の方向でポート83および89から半径方向に外側に可変的に延びるチャネル(示されない)に流体接続される。このチャネルは、ポート83および89を通じて付与される陰圧を分配するために役立ち、その結果、それぞれの膜90aおよび90bは、センサ80に1以上の真空が付与される場合に、部材88および98ならびにピストンヘッド87の内部形状に実質的に適合する。
【0128】
一実施形態において、陰圧は、ポート89を介して一定に付与されて、膜90bを、部材88に対して保持する(図3と同様)。部材88は、接地金属またはそうでなければ導電性のキャパシタンス板100を支持する。その部材98は、活性金属またはそうでなければ導電性のコンデンサー板102およびガード104を支持する。ピストンヘッド87および膜90aは、例えば、ピストン86、流体アクチュエータまたは任意の他の適切なアクチュエーターに作動可能に接続されたリニアアクチュエーターを介して、上部ポンプ収容部材88に向かって、またはこの部材から離れるように往復運動する。
【0129】
ポンプチャンバ84内の膜90aおよび90bによって規定されるレセプタクル85に対する少なくとも1つの流体ポート開口部94は、流体が、ポンプチャンバ84内のレセプタクル85を出入りすることを可能にする。ポンプ充填ストロークの間に、膜90bは、部材88に対して真空加圧され、膜90aは、部材98およびピストンヘッド87に対して真空加圧され、ピストンヘッド87は、チャンバ84の中央部にある中心ピストンから離すように膜90aを引っ張って、レセプタクル85内に陰圧を生成し、これは、流体を使い捨て透析物を通して、レセプタクル85へと引っ張る。
【0130】
図4Aは、充填ストロークの最後でのセンサのポンプ82を示す。ポンプの空ストロークの間、アクチュエータは、ピストン86を駆動し、このピストンは、ピストンヘッド87を押し、付随して膜90aを持ち上げる。膜90aは、医療流体(例えば、透析物)を、膜90aと90bとの間および部材88と98との間に規定される開口部94を通して外に押しだす。
【0131】
流体ポンプ駆動機構を、機械的ポンプピストン86およびピストンヘッド87で置き換える以外に、センサ80は、図3のセンサ60と実質的に同じように作動する。両方のシステムは、静的容積容器またはチャンバ、および流体供給源(例えば、透析物バッグ)と流体連絡する交換容積可撓性レセプタクルを使用する。この可撓性レセプタクルは、使い捨てユニットの一部であり得る。両方のシステムは、充填された場合のレセプタクルによって生成される形状または容積に適合するコンデンサー板、および活性コンデンサー板の形状に適合する回路ガードを有する。
【0132】
システム80は、上部部材88と下部部材98との間にそれぞれ張られたさらなる基板96を備える。その基板96は、膜90aとともに、閉鎖した空気の容積を規定し、それによって、ピストンヘッド87のポート83に付与される陰圧を介して、システムから引っ張られる。従って、真空が、ポート83に付与され、ピストンヘッド87が、部材98から上方向に離れるように作動される場合、膜90aは、さらなる基材96に引っ張られたままであり、その形状と適合したままである。
【0133】
操作時に、レセプタクル85は、部材88と98との間に拡張する。拡張レセプタクル85と収縮レセプタクル85との間の低誘電性置換流体の変化する距離dおよび下部部材98は、接地板100と活性板102との間のキャパシタンスに対して、いくらかの効果を有し得る。同様に、キャパシタンス板および移動する膜90aの表面積Sは、キャパシタンスに対していくらかの効果を有し得る。確かに、変化する全体的な誘電性は、検知されるキャパシタンスに影響を及ぼす。
【0134】
膜90aおよび90bが拡張し、医療流体(例えば、透析物)で充填されるにつれて、キャパシタンス全体が変化する(すなわち、増大する)。特定のかつ所定の時間にわたってパルス状の電圧を生成することにより、システム回路は、接地コンデンサー板100および活性コンデンサー板102にまたがって、高インピーダンス電位を生成する。その高インピーダンス電位は、レセプタクル85中の流体量の指標である。その電位が、変化することが予測されるときに経時的に変化しない場合、センサ80はまた、レセプタクル80内の空気の量または一部を示し得る。
【0135】
キャパシタンス検知回路は、高インピーダンス信号を増幅して、低インピーダンス電位Vout(これは、ガード104にもフィードバックされる)を生成し、この電位は、全体的なキャパシタンスに依存して変化する。増幅される電位は、デジタル信号に変換され、マイクロプロセッサに供給される。ここでこの信号は、フィルタにかけられるか、または加算され、患者もしくは操作者に容積および/もしくは流速の指標を視覚的に提供するか、またはシステムのポンプ輸送を制御する(例えば、総全体容積に達した際に透析物流動を終わらせる)ために利用される。任意の適切な媒体が、容積または流速を示すために使用され得る。
【0136】
繰り返すと、そのコンデンサー板100および102は、膜90aおよび90bのレセプタクル85内に拡張する流体の形状に適合する。このコンデンサー板100および102は、流体で完全に拡張したレセプタクル85と実質的に同じ形状を有する。センサ80の正確性は、コンデンサー板100および102が、流体容器と適合するかまたは流体容器と実質的に同じ形状を有するという事実に起因して高められる。
【0137】
上記のように、図1A〜1Cおよび図3と関連して、そのコンデンサー板100および102は、実質的に平行であるが、必ずしも平行でなくてもよい。代替的実施形態において、2つより多いコンデンサー板が提供され得、多重信号が生成され得る。
【0138】
ここで図5を参照すると、本発明のさらなる実施形態において、キャパシタンスセンサ110aおよび110bのセット(本明細書中でまとめてセンサ110ともいわれる)が例示される。図5は、2つのセンサ110aおよび110bが協働していることを示す。左側にあるそのセンサ100aは、現在医療流体で満たされているポンプ112と協働している一方で、右側にあるそのセンサ110bは、現在空であるポンプ112と協働している。そのポンプ112は、一方のポンプが、充填されている間に、他方のポンプが空になっているように、タイミングが合わせられる。本明細書中で開示されるポンプセンサ60、80または110のいずれかが、他のポンプセンサに作動可能に連結される。ポンプ112において検知される容積は、加算されて、患者に移動される医療流体の量全体を生成する。
【0139】
センサ110は、センサ60および80とは異なる。なぜなら、その流体レセプタクル114は、固定されたプラスチックの使い捨てカセット116に対して一方の側に規定され、可撓性の不活性の使い捨て膜118に対して他方の側に規定されるからである。先の実施形態は、内部可撓性膜を有する固定した硬いプラスチックハウジングを備えた。
【0140】
図5の充填チャンバセンサ110aは、レセプタクル114が透析物で満たされた場合に、ピストンヘッド120が、膜118を逆にするか、または膜118をカセット116から離して動かすことを例示する。空のチャンバセンサ110bは、レセプタクル114が空である場合に、そのピストンヘッド120が、膜118を、カセット116によって規定されるチャンバ腔へと押すことを例示する。
【0141】
センサ80のように、リニアアクチュエータ122は、ピストン124を駆動して、レセプタクル114中にまたはレセプタクル114から流体をポンプ輸送する。しかし、先のセンサ60および80は異なり、接地コンデンサー板126に向かって第2の膜を常に引っ張るための真空は必要でない。保護カバー130がカセット界面116に配置されて、接地金属またはそうでなければ導電性のコンデンサー板126を電気的に分離される。
【0142】
真空は、ピストン124によって規定される開口部128を通じて付与されて、膜118をピストンヘッド120に対して引っ張り、シールする。先のシステムのいずれかのように、膜118は、代替的実施形態において、任意の適切な機械的または接着技術を介して、ピストンヘッド(またはポンプチャンバ壁およびケースも同様)をシールし、接続される。
【0143】
図5および6を参照すると、コンデンサーカップ140(活性金属またはそうでなければ導電性のコンデンサー板132に対応する)および電気的ガード134が例示される。このカップ140は、一実施形態において、不活性の剛性プラスチックから形成される。このカップ140は、開口部144を規定する一体型内部部分142を備え、この部分は、ピストン124が、医療流体システムに位置的に固定されるカップ140内で前後に動くことを可能にする。
【0144】
電気的ガード134は、カップ140の後ろに固定される。活性コンデンサー板132は、内部部分142の表面に固定される。一実施形態において、不活性のプラスチックカバー(示さず)は、コンデンサー板132を電気的に分離する。あるいは、システム110は、コンデンサー板132を分離するように、ピストンヘッド120上にある。
【0145】
カップ140は、内部部分142を収容する外側リッジ146を規定する。この内部部分142および外側リッジ146は、連続開口部148を規定し、このことによって、ピストンヘッド120が、連続開口部148内で前後に動くことを可能になる。一実施形態において、活性コンデンサー板132は、内部部分142の外形を、開口部148へとカップ140の後ろ側フランジ部分に沿って外側に進み、内部部分142にリッジ146を連結する。内部部分142、後ろ側フランジ部分およびリッジ146は、カップ140を一体形成し得る。他の実施形態において、その部分のうちの1以上は、カップ140を形成するために別個に取り付けられ得る。
【0146】
コンデンサセンサ110は、システム60および80を用いて、実質的に上記のように作動する。医療流体(例えば、透析物)でレセプタクル114が充填され、そしてその流体が空になるように、膜118が前後に動くにつれて、キャパシタンス全体が変化する。特定かつ所定の時間にわたってパルス状の電圧を精製することによって、活性板132に電気的に連結されたシステム回路は、高インピーダンス電位を生成する。その高インピーダンス電位は、レセプタクル114中の流体量の指標である。その電位が変化すると予測されるときに、経時的に変化しない場合、そのセンサ110はまた、レセプタクル114内の空気の量または一部を示し得る。
【0147】
キャパシタンス検知回路は、高インピーダンス信号を増幅して、低インピーダンス電位vout(ガード134にもフィードバックされる)を生成し、この電位は、キャパシタンス全体に依存して変化する。増幅された電位は、デジタル信号に変換され、マイクロプロセッサに供給される。ここでこのデジタル信号は、フィルタにかけられ、そして/または加算され、患者もしくは操作者に容積および/もしくは流速の指標を視覚的に提供するか、またはシステムのポンプ輸送を制御する(例えば、総全体容積に達した際に透析物流動を終わらせる)ために利用される。そのセンサ110は、容積または流速を示すために、任意の適切な媒体を空にし得る。
【0148】
本明細書中に記載される現在好ましい実施形態に対する種々の変更および改変が、当業者に明らかであることが理解されるべきである。このような変更および改変は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を低下させることなく、行われ得る。従って、このような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】図1A、1Bおよび1Cは、種々の流体容積を有する本発明の流体容積センサを示す模式図である。
【図2】図2は、本発明のキャパシタンスセンサ回路の1つの実施形態を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施形態に従う流体容積センサの断面図である。ここでそのセンサは、空気式にまたは水力学的に駆動されるポンプと組み合わせて配置される。
【図4】図4Aおよび4Bは、本発明のさらなる実施形態に従う流体容積センサの断面図である。ここでそのセンサは、手動で駆動されるポンプと組み合わせて配置される。
【図5】図5は、本発明のなお別の実施形態に従う複数の、協働する流体容積センサの断面図である。ここで各センサは、機械的に駆動されるポンプと組み合わせて配置される。
【図6】図6は、本発明のキャパシタンスカップの1つの実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に医療流体を提供するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
複数のコンデンサー板;
該複数のコンデンサー板の間に位置づけられた流体レセプタクル;
該複数のコンデンサー板に電気的に接続された回路であって、該回路は、該流体レセプタクル中の該流体の容積を示す出力を有する、回路;および
患者へまたは患者からの流体の容積の少なくとも一部を提供するための部材、
を備える、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、前記レセプタクルは、少なくとも1つの流体ポートを有するポンプチャンバで作動する、デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスであって、前記コンデンサー板は、前記ポンプチャンバの形状と実質的に同じ形状を有する、デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスであって、前記レセプタクルは、医療流体をポンプ輸送するために移動可能な少なくとも1つの可撓性膜壁を備える、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスであって、前記レセプタクルは、第1および第2の可撓性膜壁を備え、該第1および第2の膜壁のうちの少なくとも一方は、該レセプタクルの容積を変化させるために移動可能である、デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のデバイスであって、前記レセプタクルは、透析機とともに使用可能な使い捨て透析流体流路の一部を備える、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスであって、前記複数のコンデンサー板のうちの少なくとも一方のコンデンサー板は、非平面形状を有する、デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスであって、前記流体レセプタクルが流体で実質的に満たされた場合に、前記コンデンサー板は、該流体レセプタクルと実質的に同じ形状を有する、デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスであって、前記回路は、前記コンデンサー板を充電し、時間間隔で該コンデンサー板からの電圧の変化を測定する、デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のデバイスであって、前記回路は、さらに以下:
前記コンデンサー板のうちの一方に対する接地接続;および
他方のコンデンサー板に接続されたキャパシタンスセンサ回路、
を備える、デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のデバイスであって、該デバイスは、一対の実質的に平行なコンデンサー板を備える、デバイス。
【請求項12】
患者に透析を提供するためのデバイスであって、該デバイスは以下:
複数のコンデンサー板;
該複数のコンデンサー板の間に位置づけられた透析流体の容積を保持するためのレセプタクル;
該複数のコンデンサー板に電気的に接続された回路であって、該回路は、該レセプタクル中の透析流体の容積を示す出力を有する、回路;および
該患者へまたは該患者からの透析流体の容積の少なくとも一部を送達するために該患者に連結される流体ライン、
を備える、デバイス。
【請求項13】
連続流腹膜透析を提供するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
患者と流体接続して配置され得る透析レセプタクル;
第1および第2のコンデンサー板であって、該コンデンサー板は、該板間に、該レセプタクル中の透析流体の量に依存する可変性誘電体を有する、第1および第2のコンデンサー板;ならびに
該可変性誘電体に関連した信号を生じる、該コンデンサー板に接続された電気回路、
を備える、デバイス。
【請求項14】
患者にまたは患者から提供される流体の容積を測定するためのシステムであって、該システムは、以下:
患者に流体接続され得る流体レセプタクル;
第1および第2のコンデンサー板であって、該板間に、流体レセプタクル中の流体の量に依存する可変性誘電体を有する、第1および第2のコンデンサー板;ならびに
該可変性誘電体に関連した信号を生じる、該コンデンサー板に接続された電気回路、
を備える、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記信号は、前記流体レセプタクル中の前記流体の容積の指標である、システム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムであって、前記信号は、前記流体レセプタクル中の空気の容積の指標である、システム。
【請求項17】
請求項14に記載のシステムであって、前記信号は、前記流体レセプタクル中の流体の一部および空気の一部の指標である、システム。
【請求項18】
請求項14に記載のシステムであって、前記流体レセプタクルは、流体ポンプチャンバの内部で作動する、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記コンデンサー板は、前記流体ポンプチャンバと実質的に同じ形状を有する、システム。
【請求項20】
請求項14に記載のシステムであって、前記流体レセプタクルは、前記第1と第2のコンデンサー板との間に位置づけられる、システム。
【請求項21】
請求項14に記載のシステムであって、該システムはさらに、ポンプピストンを備え、ここで前記第1および第2のコンデンサー板のうちの一方は、該ピストンの一部を該板の外側に延ばす開口部を規定する、システム。
【請求項22】
請求項14に記載のシステムであって、該システムはさらに、ポンプピストンをさらに備え、ここで該ポンプピストンは、前記コンデンサー板の間を動く、システム。
【請求項23】
請求項14に記載のシステムであって、該システムはさらに、前記レセプタクル中に前記流体を充填し、そして前記レセプタクルから前記流体を空にするための流体レセプタクルを拡張および収縮する置換流体をさらに備える、システム。
【請求項24】
請求項14に記載のシステムであって、該システムは、ポンプチャンバ壁を備え、該ポンプチャンバ壁は、前記レセプタクルに陰圧を付与し得、そして該ポートに向かって前記膜の少なくとも一部を引っ張り得るポートを規定する、システム。
【請求項25】
請求項14に記載のシステムであって、該システムは、一対のポンプチャンバ壁を備え、該ポンプチャンバ壁は、各々ポートを規定する、システム。
【請求項26】
請求項14に記載のシステムであって、前記第1および第2のコンデンサー板のうちの少なくとも一方は、隣接する流体の表面によって表される、システム。
【請求項27】
請求項14に記載のシステムであって、前記流体レセプタクルは、使い捨てカセットをさらに備え、該カセットの少なくとも一方の壁は、可撓性膜である、システム。
【請求項28】
請求項14に記載のシステムであって、該システムは、前記電気回路によって出力される前記シグナルから、前記流体の容積を決定するプロセッサをさらに備える、システム。
【請求項29】
請求項14に記載のシステムであって、該システムは、前記流体レセプタクル中の流体の複数の個々の容積から流体の蓄積容積を決定するプロセッサをさらに備える、システム。
【請求項30】
請求項14に記載のシステムであって、前記レセプタクルが流体で満たされた場合に、前記一対のコンデンサー板は、該レセプタクルと実質的に同じ形状を有する、システム。
【請求項31】
患者にまたは患者から提供される流体の容積を測定するためのシステムであって、該システムは、以下:
該患者と流体接続して配置され得る流体レセプタクル;
該流体レセプタクルの外側に位置づけられた第1および第2のコンデンサー板;ならびに
該レセプタクル中の該流体の該容積を示すシグナルが生成されることを可能にする電圧源を提供する電気回路、
を備える、システム。
【請求項32】
請求項31に記載のシステムであって、前記出力信号は、前記板の間の可変性誘電体、前記板のうちの一方の表面積の変化、および前記板の間の距離の変化、のうちの少なくとも1つに基づく、システム。
【請求項33】
請求項31に記載のシステムであって、前記信号は、前記流体と空気との間の変動性の誘電率に基づく、システム。
【請求項34】
請求項31に記載のシステムであって、前記回路は、前記コンデンサー板に充電し、前記コンデンサー板からの電圧の変化を時間間隔で測定する、システム。
【請求項35】
請求項34に記載のシステムであって、前記時間間隔は、固定された時間間隔である、システム。
【請求項36】
医療流体送達システムであって、該システムは、以下:
患者接続を備える流体流路;
そのように構築され、該流体流路と流体接続されるように配置された流体レセプタクル;および
流体レセプタクルに対して位置づけられ、該レセプタクル中の流体の容積を示し得るキャパシタンスセンサ、
を備える、システム。
【請求項37】
請求項36に記載のシステムであって、前記流体レセプタクルは、ポンプチャンバで作動する、システム。
【請求項38】
請求項37に記載のシステムであって、前記キャパシタンスセンサは、前記ポンプチャンバの対向する側に、第1および第2のコンデンサー板をさらに備える、システム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムであって、前記コンデンサー板は、前記ポンプチャンバの一部と実質的に同じ形状を有する、システム。
【請求項40】
請求項36に記載のシステムであって、前記キャパシタンスセンサは、前記流体レセプタクルの対向する側に位置づけられた、第1および第2のコンデンサー板をさらに備える、システム。
【請求項41】
請求項36に記載のシステムであって、前記キャパシタンスセンサは、非平面形状を有する、少なくとも1つのコンデンサー板を備える、システム。
【請求項42】
請求項36に記載のシステムであって、前記流体レセプタクルは、使い捨てセットの一部である、システム。
【請求項43】
請求項36に記載のシステムであって、前記キャパシタンスセンサは、第1および第2のコンデンサー板ならびに該板に接続された電気回路を備える、システム。
【請求項44】
請求項36に記載のシステムであって、前記流体レセプタクルが流体で実質的に満たされた場合に、前記一対のコンデンサー板は、該流体レセプタクルと実質的に同じ形状を有する、システム。
【請求項45】
請求項36に記載のシステムであって、前記医療流体送達システムは、透析システムである、システム。
【請求項46】
請求項45に記載のシステムであって、前記透析システムは、連続流腹膜透析システムである、システム。
【請求項47】
透析システムであって、該システムは、以下:
透析処置の間に流体を運搬し得る流体流動機構;および
そのように位置づけられ、そして該流体流動機構に対して配置されて、該透析処置の間の該流体の容積を測定する流体容積キャパシタンスセンサ、
を備える、システム。
【請求項48】
請求項47に記載のシステムであって、前記流体流動機構は、連続流透析を実施し得る連続流動機構である、システム。
【請求項49】
請求項47に記載のシステムであって、前記流体流動機構は、腹膜透析カテーテルに流体接続される、システム。
【請求項50】
請求項47に記載のシステムであって、前記流体流動機構は、複数の腹膜アクセス管腔に流体接続される、システム。
【請求項51】
流体ポンプによってポンプ輸送される医療流体の容積を測定する方法であって、該方法は、以下の工程:
該医療流体レセプタクルが、実質的に流体が空である場合に、コンデンサー板で、流体レセプタクルの第1の状態を検知する工程;
医療流体を該流体レセプタクルに提供する工程;
該流体レセプタクルが医療流体で実質的に満たされている場合に、該コンデンサー板で、該流体レセプタクルの第2の状態を検知する工程;ならびに
該コンデンサー板によって検知される該第1および第2の状態に基づいて、該流体レセプタクル中の該医療流体の容積を決定する工程、
を包含する、方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法であって、該方法は、さらに以下の工程:
前記流体レセプタクルの流体を実質的に空にする工程;および
該レセプタクルにさらなる医療流体を提供し、別の第2の状態を検知し、そして該医療流体の別の容積を決定する工程、
を包含する、方法。
【請求項53】
請求項51に記載の方法であって、該方法は、前記流体が前記レセプタクルに入るときに、該流体レセプタクルの状態を連続して検知する工程を包含する、方法。
【請求項54】
請求項51に記載の方法であって、該方法は、前記レセプタクルに提供される医療流体の複数の容積から、流体の総容積を決定する工程を包含する、方法。
【請求項55】
請求項51に記載の方法であって、該方法は、患者により必要とされる医療流体の総量を知る工程、および該総量が提供された場合に、該医療流体の提供を停止する工程を包含する、方法。
【請求項56】
請求項51に記載の方法であって、該方法は、前記コンデンサー板によって検知された前記第1および第2の状態に基づいて、前記流体レセプタクル中の空気の容積を決定する工程を包含する、方法。
【請求項57】
患者に透析を提供する方法であって、該方法は、以下の工程:
透析流体の容積をキャパシタンスセンサで測定する工程;および
該透析流体の該容積の一部を、患者の部分に通過させる工程、
を包含する、方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法であって、前記部分は、前記患者の腹腔を含む、方法。
【請求項59】
請求項57に記載の方法であって、前記測定する工程は、ポンプチャンバ中の前記透析流体の前記容積を測定する工程をさらに包含する、方法。
【請求項60】
連続流腹膜透析を患者に提供する方法であって、該方法は、以下の工程:
透析流体のある容積を、一対のコンデンサー板を介して通過させて、該透析流体の容積を測定する工程;
該透析流体の容積を患者の部分に動かす工程;ならびに
該透析流体の容積が該患者に動かされると同時に、透析流体を該患者から除去する工程、
を包含する、方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法であって、前記透析流体の容積を、一対のコンデンサー板を介して通過させる工程は、流体ポンプで生じる、方法。
【請求項62】
患者に透析を提供する方法であって、該方法は、以下の工程:
透析物を提供する工程;
透析物のある容積を、キャパシタンスセンサで測定する工程;
該透析物の容積を、患者に注入する工程;ならびに
該透析物を該患者から引き出す工程、
を包含する、方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法であって、該方法は、連続流腹膜透析方法を使用して、透析物を前記患者に注入する工程を包含する、方法。
【請求項64】
請求項62に記載の方法であって、該方法は、前記測定された容積を個人に視覚的に示す工程を包含する、方法。
【請求項65】
請求項62に記載の方法であって、前記測定する工程は、ポンプチャンバ中の前記透析流体の容積を測定する工程をさらに包含する、方法。
【請求項66】
請求項62に記載の方法であって、該方法は、空気の容積を、前記キャパシタンスセンサで測定する工程を包含する、方法。
【請求項67】
患者によって受容されるように設計された医療流体を置換するシステムを操作する方法であって、該方法は、以下の工程:
該医療流体を、第1の位置から第2の位置へ動かす工程;および
該動かされた流体の容積を、キャパシタンスセンサによって測定する工程、
を包含する、方法。
【請求項68】
請求項67に記載の方法であって、前記測定する工程は、ポンプチャンバ中の前記流体の容積を測定する工程をさらに包含する、方法。
【請求項69】
請求項67に記載の方法であって、該方法は、患者に前記医療流体を送達する工程をさらに包含する、方法。
【請求項70】
請求項67に記載の方法であって、前記医療流体で透析を行う工程をさらに包含する、方法。
【請求項71】
請求項70に記載の方法であって、前記透析を行う工程は、連続流腹膜透析を行う工程をさらに包含する、方法。
【請求項72】
請求項67に記載の方法であって、該方法は、前記キャパシタンスセンサで前記容積を測定することによって、動かされる必要がある前記医療流体の量を制御する工程を包含する、方法。
【請求項73】
請求項67に記載の方法であって、該方法は、患者へと動かされる前記医療流体の量を示す工程を包含する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2006−503598(P2006−503598A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−561673(P2003−561673)
【出願日】平成14年12月13日(2002.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2002/040011
【国際公開番号】WO2003/061733
【国際公開日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】