説明

キャビネット

【課題】本発明は、簡単な構造でセキュリティ性を損なわず製造費用を抑えたキャビネットを提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係るキャビネット1は、箱体本体2を施蓋する扉体3のいずれか一方に施錠可能なハンドル8を設け、他方は箱体本体2に設けられたナイラッチ7により箱体本体の内側からロック可能とし、扉体3は複数設け、作業の際、箱体本体2の前面側を広く開放でき、施錠可能な扉体は一枚であってもセキュリティ性を損なわないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱体本体は前面と側面とにそれぞれ扉体が設けられ、通信機器、電気機器等を収納するためのキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器等を収納するためのキャビネット31は、配線作業やメンテナンス作業の作業性を向上させるため、前面と側面とを開口し、それぞれ扉体32で施蓋していた。セキュリティの面や安全性の面から、電気機器等に簡単に触れることができないように、扉体32にはそれぞれ施錠機構が設けることがあった。
【0003】
また、キャビネット31は前面と側面が開口されており、扉体32を開放したときに、キャビネットの31の強度が不足しがちなので、キャビネットの前面と側面の間のコーナー部分にはフレーム33を設けていた。
【特許文献1】特開2003−69246号公報
【特許文献2】特開2003−142857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術におけるキャビネット31では、それぞれの扉体32に施錠機構が設けられているため、いちいちそれぞれを施錠するのに手間が掛かっていた。また、扉体32の数だけ施錠機構が必要となり、製造費用も引き上げられていた。
【0005】
キャビネット31にはフレーム33が設けられているため、キャビネットに収納した機器の配線作業や保守作業の邪魔になる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、簡単な構造でセキュリティ性を損なわず製造費用を抑えたキャビネットを提供することを目的とし、その構造は、箱体本体を施蓋する扉体のいずれか一方に施錠可能なハンドルを設け、他方は箱体本体に設けられたナイラッチにより箱体本体の内側からロック可能であることを特徴とする。
【0007】
また、箱体本体の、上面と背面及び下面と背面とをつなぐように補強部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るキャビネットは、箱体本体を施蓋する扉体のいずれか一方に施錠可能なハンドルを設け、他方は箱体本体に設けられたナイラッチにより箱体本体の内側からロック可能であるため、確実に施錠が可能でセキュリティ性を損なわず、簡単に内部機器に触れることができない。また、施錠機構は代表する一枚の扉体のみに設けられるため製造費用を抑えることができる。
【0009】
また、箱体本体の、上面と背面または下面と背面とをつなぐように補強部を設けたため、部品点数を抑えることができ、製造費用を引き下げると共に、在庫管理の手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、簡単な構造で製造費用を抑えてキャビネットを提供するという目的を、最小の部品点数で、セキュリティ性を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明に係るキャビネットの第一実施例を図1〜図2の添付図面に基いて説明する。
【0012】
本発明に係るキャビネット1は、箱体本体2と、箱体本体2を施蓋する扉体3とから構成される。扉体3は、箱体本体2の前面と、一方の側面に取り付けられる。箱体本体2には、例えばコ字状の機器取り付け部材4を設け、機器取り付け部材4の折曲部5には取り付け穴6を設けておき、取り付け穴6に機器を固定し、キャビネット1に機器を収納するものである。
【0013】

扉体3をすべて開放したとき、キャビネット1内部に収納した機器の多くの部分が露出し、配線作業や保守作業等がしやすい構造となっている。
【0014】
図1においては、前面扉体3aと側面扉体3bと、扉体3は二枚あり、側面扉体3bは閉じたとき、ナイラッチ7により箱体本体2に固定されるものである。
【0015】
前面扉体3aはナイラッチ7により箱体本体2に固定された側面扉体3b端面も被覆するように閉塞するものである。前面扉体3aには施錠構造を有するハンドル8を装備し、他の扉体3bをナイラッチ7で箱体本体2に固定したあとで、前面扉体3aを閉じ施錠する。ナイラッチ7で箱体本体2に固定される扉体3bは、キャビネット1の内側での施錠操作となり、外側からは操作できないようになっている。前面扉体3aのみで施錠するが、一点のみの施錠でセキュリティ性は損なわれない。
【実施例2】
【0016】
本発明に係るキャビネットの第二実施例を図1〜図2の添付図面に基いて説明する。
【0017】
キャビネット1の箱体本体2の上面2aと背面2b、及び下面2cと背面2bとをつなぐ補強部9を設ける。背面2bと上面2a、下面2cとを補強し、しなりや歪みを防止し、箱体本体2の前面側にフレームを設けない。前面扉体3aと側面扉体3bとを開放したとき、箱体本体2の前面側にはフレームがないため、キャビネット1への機器の取り付け作業や、配線作業または、設置後の保守作業等の効率を向上させることができる。
【実施例3】
【0018】
本発明に係るキャビネットの第三実施例を図3の添付図面に基いて説明する。
【0019】
キャビネット10は断面略コ字状に形成された箱体本体11と、箱体本体11の前面を施蓋する前面扉体12と、箱体本体11の左右側面を施蓋する第一の側面扉体13と、第二の側面扉体14とから構成される。
【0020】
箱体本体11は、実施例2に示すものと同様に、上面11aと背面11b、及び下面11cと背面11bとをつなぐ補強部15を設ける。背面11bと上面11a、下面11cとを補強し、しなりや歪みを防止し、箱体本体11の前面側にフレームを設けない。前面扉体12は箱体本体11の上面11aもしくは下面11cに蝶着し、上方もしくは下方へ開放可能とする。第一の側面扉体13と第二の側面扉体14は箱体本体11の背面11bに蝶着する。
【0021】
前面扉体12には施錠可能なハンドル16を設け、また、側面扉体13、14はナイラッチ17で箱体本体11の側面を施蓋する。側面扉体13、14をナイラッチ17で閉塞した後、前面扉体12を閉じ、必要であれば施錠する。キャビネット10全体では、前面扉体12だけが施錠可能であるが、側面扉体13、14は前面扉体12が開放されなければ開けられないのでセキュリティ性は確保されている。
【0022】
扉体12、13、14をすべて開放した状態では、キャビネット10の前面側には障害となるようなフレーム等が形成されていないので、機器取り付け作業や保守作業がしやすく、作業性を向上させる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
箱体本体には前面扉、側面扉とが取り付けられ、それぞれ回動動作により開閉可能であるが、開閉方向は、適宜変更可能であり、前面扉体を左右どちら側にも開けられるように変更可能であり、上下の開閉方向の場合も同様どちら側にも開けられるように変更可能であるので、キャビネットの設置場所が、壁際である場合にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るキャビネットの実施例を示す説明図である。(実施例1、実施例2)
【図2】図1におけるキャビネットの正面図と側面断面図である。(実施例1、実施例2)
【図3】本発明に係るキャビネットの実施例を示す説明図である。(実施例3)
【図4】従来のキャビネットを示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 キャビネット
2 箱体本体
2a 上面
2b 背面
2c 下面
3 扉体
3a 前面扉体
3b 側面扉体
4 機器取り付け部材
5 折曲部
6 取り付け穴
7 ナイラッチ
8 ハンドル
9 補強部
10 キャビネット
11 箱体本体
11a 上面
11b 背面
11c 下面
12 前面扉体
13 第一の側面扉体
14 第二の側面扉遺体
15 補強部
16 ハンドル
17 ナイラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体本体は前面と側面とにそれぞれ扉体が設けられ、通信機器、電気機器等を収納するためのキャビネットにおいて、前記箱体本体を施蓋する扉体のいずれか一方に施錠可能なハンドルを設け、他方は前記箱体本体に設けられたナイラッチにより前記箱体本体の内側からロック可能であることを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記キャビネットにおいて、前記箱体本体の、上面と背面及び下面と背面とをつなぐように補強部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−78545(P2008−78545A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258657(P2006−258657)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】