説明

キャリブレーション方法

基準マーク301、302、303、310を有する基準デバイス300を様々なキャリブレーション位置402〜407に位置決めし、各キャリブレーション位置において基準マークの配置を感知することによって、位置決めシステム100を自動キャリブレーションする方法。キャリブレーション・パラメータは、様々なキャリブレーション位置に関して実際の座標で表現された、感知された位置の相対位置の違いを減らすか又は好ましくは最小限に抑えるように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決めシステムに関し、詳細には、作業空間に対して要素を位置決めするための位置決めシステムを自動キャリブレーション(較正)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
位置決めシステムは、多種多様の分野で使用されており、それらのシステムの基本的な原理は通常は同じである。しばしば、ワークヘッドがターゲット空間に対する望ましい位置に位置決めされるように、一般に、位置決めシステムを使用して、作業空間内のそれぞれ望ましい位置に1つ又はいくつかの要素を動かす。それらの要素は、通常、ワークヘッド及び/又はターゲット空間であり、それらは、制御装置によって制御される位置決め手段を使用することによって、機械に入力されている望ましい位置に位置決めされる。
【0003】
本明細書では、作業空間という用語は、要素を位置決めシステムによってそこに位置決めすることができる、座標を有する空間を指す。さらに、物又は材料を、例えば、ターゲット空間上の所定の位置に、例えば、実装ヘッド又は分配ヘッドによって配置することができる場合は、それらの位置も通常は作業空間内に含まれる。
【0004】
ターゲット空間に対するワークヘッドの位置決めの制御を行う多くの代替のやり方がある。いくつかのシステムでは、ワークヘッドは固定されており、ターゲット空間は、ワークヘッドがターゲット空間に対して正確に配置されるように位置決めシステムによって動かされる。他のシステムでは、ターゲット空間が固定されており、ワークヘッドが位置決めシステムによって動かされる。さらに他のシステムでは、ワークヘッド及びターゲット空間の両方が、位置決めシステムによって動かされる。例えば、スプリット軸(split axis)機械では、ワークヘッドが第1の軸に沿って移動し、ターゲット空間が第2のほぼ直交する軸に沿って移動する。
【0005】
通常は、異なる2つの組の座標系が、作業空間、又は作業空間の少なくとも一部にわたっており、一つは実際の座標系すなわち実座標系であり、一つは固有の座標系すなわち機械座標系である。さらに、座標系のうちの一方で表された座標をもう一方の座標系で表された対応する座標に変換するための1組の換算値がある。これはマッピングと呼ばれることがある。
【0006】
本明細書では、実際の座標系という用語は、位置決めシステムとは関係なく、一般的には直交の、通常ユーザに最もなじみのある座標系である座標系を指す。典型的には、ターゲット空間に関するCADデータは、最初に実際の座標系で記述され、後で固有の座標系に換算される。
【0007】
固有の座標系という用語は、位置決めシステムの構造及び特性によって決定される座標系を指す。固有の座標系は、たいていの場合、位置決め軸の調整不良又はワークヘッドの位置決めに関連する横揺れ、縦揺れ及び偏揺れなど、位置決めシステムの不完全性が原因で、完全な正規直交ではない。
【0008】
換算値という用語は、実際の座標を固有の座標に、またその逆も同様に、換算又は変換するために使用される1組の数値を指す。通常は、位置決めシステムをキャリブレーションするときの目標の一つは、換算値が前記作業空間の第1の位置を示す実際の座標に適用され、その結果が厳密に同じ位置を示す固有の座標になるように換算値を決定することである。このような1対の実際の及び固有の座標は、対応する1対の座標と称される。したがって、正確な値が機械に入力され、位置決めシステムが完全にキャリブレーションされ、すなわち、換算値が理想的である場合に、要素の望ましい位置と位置決めシステムによって位置決めされた後の実際の位置との間に違いがなくなる。
【0009】
ターゲット空間が2次元、例えば、回路基板である、3次元の位置決めシステムをキャリブレーションする従来の方法は、本質的に位置決めシステムのターゲット表面を覆うキャリブレーション・ボードを使用することである。そのキャリブレーション・ボードは、基準マークを備え、キャリブレーション・ボード上の各基準マークの位置は、位置決めシステムの必要とされる精度より高い精度で認識されている。基準マークの位置は、位置決めシステムの制御の下でキャリブレーション・ボードを走査する、1つ又は複数のセンサによって測定される。固有の座標の各基準マークの感知された位置は、実際の座標のそれぞれ認識されている位置と比較され、対応する正確な値が、基準ボード上の各基準マークについて計算される。
【0010】
キャリブレーション後に、前記作業空間の一部分の固有の座標がキャリブレーションされるようになる。選択された作業空間は、本明細書では、キャリブレーションしようとする作業空間の一部分を指す。作業空間の選択された部分は、前記作業空間全体を含むことがある。
【0011】
従来技術で使用される上述のキャリブレーション手法に関するいくつかの問題点がある。まず、実用上の懸念がある。異なる機械は、異なる寸法のターゲット空間を有する。全てのタイプの機械のターゲット空間全体をキャリブレーションすることができるように、オペレータは、従来は、各寸法のターゲット空間につき1つの、1組の異なるキャリブレーション・ボードを使用する。或いは、最小のターゲット空間に適合するキャリブレーション・ボードを全ての機械で使用することができるが、これにより、ターゲット空間のキャリブレーションされない部分がいくつか残ることがある。
【0012】
他の懸念は、十分に高い精度を提供する大型のキャリブレーション・ボードの製造コストである。具体的には、それらのボードは、少なくとも穏やかな温度変化に耐え、ある期間にわたる耐久性もあるべきである。このことは、使用されている材料並びに製造プロセスに高い要求をする。例えば、キャリブレーション・ボードの不良が原因で、キャリブレーションの質が十分に高くない場合は、位置決めシステムの精度は、それに応じて影響を受けることになる。
【0013】
ワークヘッドの位置決めの精度は、多くの適用分野において、例えば、回路基板の製造、特に回路基板の組立てに必要な工程に関して使用される機械において非常に重要である。
【0014】
回路基板の組立てに関して使用される機械にはいくつかの異なるタイプがあり、例えば、分配、実装及び/又は検査機械である。
【0015】
部品実装機械では、ワークヘッド又は部品配置ヘッドを使用して、部品の供給源から望ましい電気部品を拾い上げ、その部品を回路基板上の望ましい位置に置く。それらの部品が回路基板に正確に取り付けられることが重要であり、高精度で置くことがさらに重要である。そうでない場合は、それに続くボードの機能不良のリスクが差し迫る。
【0016】
分配機械では、ワークヘッド又は分配ヘッドが、電気部品を回路基板に取り付けるために、粘性媒体、例えば、ソルダペースト、接着剤又はアンダーフィル剤をその回路基板上の望ましい位置に分配する分配器を保持する。誤りが起きると、しばしば部品と基板の間の結合が不十分になるので、前記粘性媒体の配置は重要である。
【0017】
自動検査機械にはいくつかのタイプがあり、例えば、一つにはX線を使用するもの、他には可視光線を使用するものがある。それらのシステム両方において、ワークヘッド又は光学検査ヘッドは、検出器を配置するために使用され、その検出器は、取り付けられた部品の取付け、位置若しくは向き及び/又は塗布された粘性媒体を検証することができるように、問題になっている電磁放射に対し感度が高い。他のタイプの検査機械は、物体の接触式検査のための接触式プローブを使用する。次いで、接触式プローブは、位置決めシステムによって制御されたワークヘッド上に取り付けられる。
【0018】
自動キャリブレーションという用語は、不完全にキャリブレーションされた測定機器及び1つ又は複数の不完全にキャリブレーションされた基準デバイスを使用して、その機器及び基準デバイスのキャリブレーションを改善することを指し、前記測定機器は、例えば、位置決めシステムによって使用される。
【0019】
基準デバイスが不完全にキャリブレーションされるときは、基準フィーチャ間の相対位置は、例えば、キャリブレーション後に位置決めシステムのために実現を望む精度よりずっと高い十分な精度で認識されていない。基準デバイスが不完全にキャリブレーションされる理由は、基準デバイスがこのような十分な精度で測定されず、磨耗又は熱変化によって基準デバイス内で変化することがある。
【0020】
より小さい回路に基づく消費者製品に対する需要がさらに増加している。こうした需要を満たすためには、位置決めシステムの精度は、より小さい公差を実現できるように通常はそれに応じて改善しなければならない。機械のアイドル時間をできるだけ小さくすることも望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の一目的は、上述の問題を無くすか又は少なくとも軽減するキャリブレーション方法を提供することである。こうした目的は、添付の請求項1によるキャリブレーション方法によって実現される。好ましい実施例が独立請求項において定義される。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一態様によれば、本発明は、実際の座標系、固有の座標系及び実際の座標と固有の座標の間で換算するための1組の換算関数を提供する段階であって、前記関数が少なくとも1つの換算パラメータによって決定される提供段階を含む、要素を作業空間に位置決めするための位置決めシステムを自動キャリブレーションする方法を提供する。さらに、前記キャリブレーション方法は、前記位置決めシステムの作業空間の複数の異なるキャリブレーション位置で、基準デバイスを非手動で位置決めする段階であって、前記基準デバイスが、ほぼ一定の相対位置に配置された、複数の識別可能な基準フィーチャを備える位置決め段階を含む。前記キャリブレーション方法は、キャリブレーション位置に関して、少なくとも任意の2つの前記基準フィーチャの固有の座標の位置を非接触測定によって感知する段階も含む。最後に、その方法は、異なるキャリブレーション位置について前記実際の座標で表された前記感知された位置の相対位置の違いが、低減されるか、又は好ましくは最小限に抑えられるように、前記各換算パラメータの数値を選択する段階を含む。
【0023】
本発明の上述の態様に関連した利点は、選択された作業空間、すなわち、作業空間のキャリブレーションしようとする部分の寸法とは関係なく、同じ方法及びキャリブレーション・デバイスを使用することができることである。このことは、寸法が異なるように決められた位置決めシステムのキャリブレーションを単純化する。
【0024】
本発明は、基準デバイスを位置決めシステムの作業空間の様々なキャリブレーション位置に置くことによって、位置決めシステムの精度の高いキャリブレーションを実現することが可能であるという見通しに基づいている。その方法は、基準デバイスの配置及び向きが、基準デバイスが同じキャリブレーション位置に残っている限りは一定のままであること、並びに基準フィーチャ間の相対距離など、基準デバイスの特性が、様々なキャリブレーション位置の間で実質上変わらないままであることの実質上2つの仮定に基づいている。
【0025】
本発明は、異なるキャリブレーション位置に関して、例えば、第1の基準フィーチャと第2の基準フィーチャの間の測定距離に違いがある場合は、基準フィーチャの相対位置は一定であると仮定されているので、それらの違いは、おそらく位置決めシステムの不正確性から起きるという考えに基づいている。換算パラメータのための数値を選択するときのねらいの一つは、上述の違いを最小限に抑えるか又は少なくとも低減するようにそれらを選択することである。
【0026】
本明細書では、識別可能な基準フィーチャという用語は、感知装置によって感知又は識別することができる、例えば、角又はマークなど、基準デバイスのフィーチャを指すために使用される。感知装置は、例えば、当業者には知られているような、針などを使用して表面を走査する接触式測定の手段によって基準フィーチャを感知することができる。或いは、レーザーにより発生された光線、可視光線、X線、磁界又は静電界などの、物理的パラメータの変化に対して感度の高い検出器が使用される非接触測定を使用することができる。カメラは、そのような検出器の一実施例であり、非接触測定のために使用することができる。デバイスの基準フィーチャを感知するための検出及び画像処理方法は、当業者にはよく知られており、より詳細には説明しない。前記基準フィーチャの位置は、固有の座標の位置決めシステム及び感知装置によって判定される。
【0027】
「ほぼ一定の相対位置に配置される」という用語は、本明細書では、異なる基準フィーチャの間の相互の距離が、基準デバイスに関して基本的に変わらないままであるということを指す。言い換えれば、基準デバイスはそのような材料から製造され、基準フィーチャは、その様にして配置され、任意の2つの基準フィーチャの間の実際の距離を、ほぼ一定であると仮定することができる。基本的に全ての材料がある程度熱の変化による影響を受けるので、「ほぼ一定」という用語が使用される。基準デバイス、感知装置及び位置決めシステムは、好ましくは、基準フィーチャの相対位置の可能性のある変化が1つのキャリブレーション位置の測定中に小さ過ぎて位置決めシステムによって検出可能ではないように配置される。これは、好ましくは、基準デバイスを金属又はガラスなど、耐熱性の材料から製造することによって実現することができる。適切なガラス材料の実施例は、融解石英及びホウケイ酸である。有利なことに、基準デバイスは、内部の温度差を速く均一にする、すなわち、熱伝導率が高く且つ/又は熱膨張が低い材料から作られる。基準フィーチャは、好ましくは、エッチング、プリント又はクロム処理の手段によって基準デバイス上に提供される。
【0028】
この文書では、「関数」という用語は、数値式、例えば3x+c、「パラメータ」は、未知の値、例えばd、「数値」は、決定された値、例えば、43を指す。
【0029】
基準デバイスのキャリブレーション位置における位置決めという用語は、基準デバイスを望ましいキャリブレーション位置で位置決めし保持する働きと、基準デバイスを望ましいキャリブレーション位置で位置決めし解放する働きの両方を含む。
【0030】
好ましい一実施例によれば、ワークヘッドによる簡単な取り扱いが可能になるように、前記基準デバイスは小さく、すなわち、選択された作業空間よりかなり小さい。小さい基準デバイスは、選択された作業空間のいくつかの異なる部分的に重なった位置に簡単に配置することができる。好ましくは、異なるキャリブレーション位置は、選択された作業空間のできるだけ広い面積をカバーすべきであるが、例えば、基準デバイスを再位置決めするために必要な合計時間に対してバランスがとられなければならない。小さい基準デバイスは、いくつかの異なる位置決めシステムをキャリブレーションするときに同じキャリブレーション方法及びキャリブレーション材料の使用も促進する。言い換えれば、前記基準デバイスは、好ましくは、前記キャリブレーション位置における前記基準デバイスの測定によってキャリブレーションされる合計の空間又は領域より小さくすべきである。その空間は、ほとんどの場合、前記キャリブレーション位置の合計によって形成される空間より大きい。それを図4a〜4cに関してより詳細に説明する。
【0031】
有利なことに、そのキャリブレーション方法は、1つ又はいくつかの異なるキャリブレーション位置において部分的に重なった状態で基準デバイスを位置決めすることを含む。言い換えれば、基準デバイスの異なる部分は、少なくとも2つのキャリブレーション位置に関して、選択された作業空間の同じ部分に位置決めされる。それにより、より大きい統計上の資料が得られるので、より高精度のキャリブレーションを実現することができる。選択された作業空間の同じ部分における基準デバイスの異なる部分の位置決めは、1つ又はいくつかの絶対座標に対して行うことができる。言い換えれば、基準デバイスの異なる部分は、本明細書では空間的に部分的に重なったキャリブレーション位置と称される、少なくとも2つの空間的に隣接したキャリブレーション位置に関して選択された作業空間の同じ部分に位置決めされる。さらに言い換えれば、位置決めは、基準デバイスの異なる部分が、直交する3つの軸方向に対して選択された作業空間の同じ部分に位置決めされるように行われる。
【0032】
或いは、位置決めは、ある次元では重なるが他の次元では重なっていない状態で行われる。例えば、スプリット軸位置決めシステムがキャリブレーションされるときに、選択された作業空間の、キャリブレーションしようとする軸の同じ部分にそれらの両方が対応する、空間的に部分的に重なっていない少なくとも2つの異なる部分に基準デバイスを位置決めすることによって、より高い精度のキャリブレーションを実現することもできる。言い換えると、例えば、位置決めシステムのX軸をキャリブレーションしようとするときに、選択された作業空間の第1及び第2の部分において基準デバイスを位置決めすることができ、それら両方が同じX軸座標に対応するが異なるY軸座標に対応し、前記Y軸座標が非常に異なり、例えば、作業空間の2つの端部に位置することがある。さらに言い換えると、基準デバイスの異なる部分は、1つ又は2つの軸方向に対して作業空間の同じ部分に位置決めされる。それに応じて、空間的に部分的に重なった2つのキャリブレーション位置において基準デバイスの異なる部分を位置決めすることは、直交する3つの軸方向に対して基準デバイスの異なる部分を選択された作業空間の同じ部分に位置決めすると称することもできる。
【0033】
好ましくは、前記基準デバイスの位置決めは、基準デバイスの手動の再配置と比べて一般的に時間的により効率的なのでワークヘッドによって行われる。さらに、手動の再位置決めは、少なくともキャリブレーション・プロセスに必要な時間に関して、オペレータのスキルに依存したキャリブレーション・プロセスの結果を生じることがある。さらに、キャリブレーション・プレートを位置決めするための、キャリブレーションしようとする位置決めシステム及びワークヘッドを使用することが好ましいことが多い。或いは、位置決めシステムによって制御されない別個の再位置決め手段によって、基準デバイスを位置決めすることができる。基準デバイスの非手動の位置決めは、手動で行われない、すなわち、上記のような前記位置決めシステムによって制御することができる、ワークヘッドなどの自動化された位置決め手段によって行われる、基準デバイスの位置決めを基準とする。
【0034】
有利なことに、基準デバイスの基準フィーチャが実質上不規則な配列で測定され、且つ/又は異なるキャリブレーション位置における基準デバイスの位置決めが実質上不規則な配列で行われる。このようにして、例えば、温度依存性及び/又はセンサのドリフトの影響が低減される。しかし、測定プロセスは、完全に不規則である必要はなく、例えば、感知装置は、全ての又はいくつかのキャリブレーション位置に関して同じ基準フィーチャを測定し始める。
【0035】
有利なことに、キャリブレーション方法は、回路基板の製造機械に使用される位置決めシステムのために使用される。前記位置決めシステムは、例えば、部品実装機械(「ピックアンドプレース機械」)、分配機械、自動光学検査(「AOI」)の機械、自動X線機械、又はそれらの組合せである機械において使用することができる。
【0036】
有利なことに、前記基準フィーチャは、前記基準デバイス上に、好ましくは規則的な間隔で配置された基準マークである。前記基準フィーチャをいくつかの組にして配置することができ、それらの組は、前記基準デバイス上に好ましくは規則的な間隔で配置される。前記基準マークのタイプ及び配置は、それらが前記感知装置によって簡単に検出可能になるように選択されることが好ましい。例えば、前記マークは、典型的な寸法の回路基板の方向マークに対応するので正方形又は直径1mmの円形とすることができる。したがって、それらのマークを位置特定するための現在の感知装置は、マークを基準デバイス上に配置するために使用することができる。
【0037】
本発明の一実施例によれば、前記基準デバイスを位置決めする前記段階は、2次元のターゲット空間又はターゲット表面にそれを位置決めする段階を含む。位置決めシステムが回路基板の組立てに関して使用される機械に含まれるときには、ターゲット表面を、例えば、回路基板が組立て手順でその上に配置される空の表面、組立て位置の1つ又はいくつかの回路基板、又は回路基板の代わりに組立て位置に配置される1つ又はいくつかの平坦なボードとすることができる。それらの平坦なボードは、様々なキャリブレーション位置を示すマークを有することがある。要素又はワークヘッドを、部品をターゲット表面の上又は選択された作業空間内に置くために、且つ/又は置かれた物体が正確な配置を有するかどうかを判定するために使用することができる。様々なタイプの要素又はワークヘッドを、材料、例えば、接着剤、フラックス若しくはソルダペーストを分配するために、及び/又は材料がターゲット表面上に正しく位置決めされたかどうかを判定するために使用することができる。
【0038】
好ましくは、キャリブレーション手順の時間的な効率に悪影響を与えないために、基準デバイスを、望ましい精度を得るのに必要以上に再位置決めすべきではない。というのは、各再位置決めにより、追加の未知の変数が導入され、場合によっては細かな位置決めの誤差も導かれるからである。さらに、各再位置決め及びそれに対応する測定は時間がかかり、その結果、キャリブレーション手順が遅くなる。したがって、基準デバイスは、各位置決めデータが位置決めシステム及び感知装置によってそれぞれの位置において収集されることを可能にするために、好ましくは、多数の基準フィーチャを含む。さらに、密集して離隔されたより多くの基準フィーチャは、信頼性のあるキャリブレーションのための十分な測定データを収集するために、重なっている基準位置においてデバイスを再配置する必要性を減らす。基準デバイスを多数の基準フィーチャを有して配置するために、基準デバイスは、好ましくは比較的大きい。
【0039】
その一方で、より大きい基準デバイスは、場合によっては多くの基準フィーチャを有し、欠点を伴うことがある。まず第1に、より大きい基準デバイスは、一般に位置決めシステムが取り扱うのがより難しい。より小さいデバイスは、一般に再配置が簡単である。さらに、より大きい基準デバイスは、より多くの基準フィーチャを含み、通常は、感知装置が測定するのにより時間がかかる。その間に、例えば、熱膨張が原因で基準フィーチャの相対位置が変わることがある。
【0040】
本発明によるキャリブレーション方法は、基準デバイスが同じキャリブレーション位置にある間に行われる測定のために、一定のままの基準フィーチャの相対位置に基づく。したがって、基準デバイスが1つのキャリブレーション位置に残っている間に行われる測定の間に起きる基準フィーチャに関する変化は、通常は、キャリブレーション方法によって補償するのは難しい。それは、2つのキャリブレーション位置の間に生じる温度のばらつきに反しており、それらは、本発明のキャリブレーション方法によって自動的に補償される。そのキャリブレーション方法の一般的な特徴は、基準デバイスの位置決めの精度が、キャリブレーションの結果のために不可欠ではないということであり、例えば、基準フィーチャの位置のばらつきは、一般に、意図するキャリブレーション位置からの移動とみなされるであろう。したがって、基準デバイスの設計は、通常は、多くの様々な要件の間の妥協点になり、それらのいくつかの実施例が上記に与えられている。温度の違いにより、位置決めシステムに含まれる軸の膨張又は収縮も引き起こされることがある。したがって、軸の温度が第1の温度から第2の温度まで変化する場合は、軸が第1の温度のときの実際の座標の第1の位置に対応する固有の座標における位置は、軸が第2の温度のときの第2の異なる位置に後で対応する。そのような変化も、2つのキャリブレーション位置の間で起きる場合は、意図したキャリブレーション位置からの移動とみなされるであろう。こうした影響は、基準デバイスを不規則な配列に位置決めすることによって軽減することができる。
【0041】
一実施例によれば、2次元の選択された作業空間を含む基準デバイスは、好ましくは、プレートのような形状をしており、すなわち、機械によって簡単に取り扱うことができる薄く平坦な材料である。有利なことに、基準フィーチャは、感知装置によって簡単に位置特定できるように基準デバイス上に配置される。それらは、例えば、1つ又はいくつかの実質上直線状に配置することができる。基準フィーチャは、規則的又は不規則な間隔で配置することができ、その配置は、感知装置をそれらのおおよその配置に向けることができるように、好ましくは位置決めシステムによって認識される。基準フィーチャを不規則な模様に配置することに関する利点は、位置決めシステムの、可能性がある周期的な誤差として、基準フィーチャが同じ分配を有する可能性が避けられることである。したがって、可能性があるエイリアシング(alias effects)の影響を避けることができる。模様を完全に又は部分的に不規則にすることができる。完全に不規則な模様の場合は、規則的な模様の繰り返される模様は一部分もない。本明細書では、部分的に不規則な又は準不規則(quasi−irregular)な模様は、1つ又はいくつかの完全に不規則な模様を含み、それらは規則的に繰り返される。
【0042】
基準フィーチャが1つより多い列に配置される場合は、異なる列の基準フィーチャは、好ましくは、互いに関してずれており、それにより基準フィーチャのより高密度の配置を促進する。さらに、第1の距離だけ離隔されたいくつかの列の基準フィーチャは、1行の基準フィーチャにグループ化することができる。基準デバイスは、いくつかのこのような行を備えることができ、それらの行は、前記第1の距離より長い第2の距離だけ離れている。好ましくは、基準フィーチャの配置は、感知手段が基準デバイスの向きを判定することができるように、基準デバイスに関して非対称形である。好ましい実施例では、基準デバイスは、方向マークを備え、その方向マークにより、感知装置が作業空間の基準デバイスの向きを判定することができる。
【0043】
有利なことに、機械の機械的な誤差は、区分線形関数又は3次スプライン関数によって近似することができる。こうした関数は、典型的には、いくつかの等距離の固有の座標のための換算値を指定するキャリブレーション・テーブルによって表される。キャリブレーション・テーブルの隣接するエントリー間の距離は、キャリブレーション・テーブルが所与の作業空間の寸法のために含むエントリーの数を決定する。キャリブレーションを正確にするための要件は、一般的に、方程式系の数式の数が未知の変数の数と少なくとも同数であることである。n次元の作業空間のキャリブレーションでは、方程式系の変数の合計は、
【数1】


上式で、dは、基準フィーチャの配置の次元数であり、例えば、d=1は1つの列の基準フィーチャ、d=2は行列の基準フィーチャであり、nは作業空間の次元数、rは基準デバイス上の基準フィーチャの数、pはキャリブレーション位置の数、vはキャリブレーション・テーブルの独立変数の数である。数式の合計数は、
【数2】


であり、それは各キャリブレーション位置pに関して、基準フィーチャrが配置され、各測定結果はn値になるからである。n*p*rを超える数式の数は、基準デバイスの座標系の平行移動、回転及び倍率変更を指定すべきであることから生じる。それにより、成功するキャリブレーションのための以下の必要条件が導かれる。
【0044】
【数3】


これは、
【数4】


に等しい。
【0045】
実際には、方程式系に追加の冗長性を導入し不規則な計測の誤差を減らすためにその数式によって必要とされるより大きいpにすることが望ましい。一方、pは、測定が受け入れ可能な時間内に完了することができるように十分に小さくすべきである。未知数の3.5倍の数の数式を有することは、優良な結果を示す妥協点である。好ましくは、キャリブレーション・テーブルの全ての未知の変数が方程式系に存在すべきである。これは、基準フィーチャの感知された位置は、好ましくは、多くとも、キャリブレーション・テーブルの2つのエントリーの間の実際の距離とほぼ同じ距離だけ離れているべきであるということを意味する。さらに、キャリブレーション位置は、好ましくは、方程式系をうまく機能させるように(すなわち、条件の数が小さくなるように)選択された作業空間全体にわたって分配されるべきである。キャリブレーション位置は、好ましくは、選択された作業空間の異なる部分が、方程式系の解を見つけるときに使用される最小二乗最適化問題において等しく重要であると考えられるように選択された作業空間にわたってほとんど一様に広げられるべきでもある。
【0046】
有利なことに、換算パラメータの数値は、固有の座標で表される基準フィーチャの測定された位置以外の他の数値情報を使用することなしに決定される。数式AAC=f(N,c,c,c,・・・,c)を使用することによって、固有の座標で表される任意の第1の座標Nを、実際の座標で表される対応する座標AACに換算することができ、上式で、f()は適切な関数、cはキャリブレーション・パラメータである。
【0047】
固有の座標(N,N)から対応する実際の座標(A,A)への近似変換の、スプリット軸式の機械に適切な2次元の実施例は、
=f1x(N)+f2x(N) (6)
=f1y(N)+f2y(N)+f3y(N)*N (7)
によって与えられ、ここで、fniは適切な関数である。fniは、例えば、区分線形関数、3次スプライン関数又は数組のフーリエ級数とすることができる。
【0048】
基準フィーチャの感知された全ての位置を、上記の関係を使用することによって、実際の座標に換算することができる。
【0049】
基準デバイスが1つのキャリブレーション位置に配置されるときには、数値を使用することなしに、例えば、以下の手順によって、基準フィーチャの位置を理論上は実際の座標で表すことができる。第1に、基準フィーチャの配置が、基準デバイスの基準点、例えば、第1の基準フィーチャ又は基準デバイスの角に関して記述される。それらの位置を、ベクトルfによって記述することができ、2つの次元では、(fx1,fx2,fx3,fx4・・・;fy1,fy2,fy3,fy4・・・)と表すことができる。ここで、(fxi,fyiは、前記第1の基準点から数えてi番目の基準フィーチャの座標を示す。言い換えれば、fは、基準フィーチャの相対位置を記述する。基準点が、例えば、(r,rACに等しい座標RACに位置決めされ、基準デバイスが、X軸に対して傾きvを有し、場合によってはz軸(実際の座標)に対しwを有するという仮定を使用して、ベクトルfを以下の数式によって実際の座標に換算することができる。
AC=M(v,w)*f+RAC (8)
上式で、M(v,w)は、方向の行列であり、それは、基準デバイスの回転を記述する。2次元の実施例は、
x1AC=rAC+cos(v)*fx1−sin(v)*fy1 (9)
y1AC=rAC+sin(v)*fx1+cos(v)*fy1 (10)
【0050】
優決定系の数式を、十分な数のキャリブレーション位置及び基準フィーチャのために、第1組の数式(6)、(7)の右辺を第2組の数式(9)、(10)の右辺と等しくすることによって定めることができる。さらに、当技術分野で周知の標準的な手順に従って、いくつかの境界条件が導入される。したがって、換算パラメータfniのための適切な数値は、当技術分野で周知の数理最適化法によって決定することができる。
【0051】
優決定系の数式Ax=bに対する厳密解がないことが多いので、残差ベクトルr=b−Axが小さくなるようにxが決定される場合に、最適解xを見つけることができる。当技術分野で知られているように、解の誤差を判定するために残差ベクトルを使用することができる。例えば、Gauss−Newton法を用いて、最少二乗近似を行うことができ、残差ベクトルのユークリッド・ノルムが減少又は最小にされる。残差ベクトルの標準偏差は、ユークリッド・ノルムに比例する。したがって、ユークリッド・ノルムだけでなく残差ベクトルの標準偏差もGauss−Newton法によって低減される。このことは、キャリブレーションの精度を示すような標準偏差を使用することができるので有利である。
【0052】
残差ベクトルを低減又は最小にするために最適化することができる代替のノルムがあり、一実施例は最大値ノルムである。言い換えれば、方程式系は、残差ベクトルの最大値をできるだけ小さくする解を見つけることによって解かれる。最大値ノルムは、例えば、測定誤差が小さく、小さい標準偏差を実現することより、測定誤差を小さいままで維持することがより重要であるという状態で使用するのが有利である。
【0053】
本発明の一実施例によれば、第1の大きい組のキャリブレーション位置は、例えば、未知数の3.5倍の数の数式があるように、最初に選択される。上述したのと同様にしてキャリブレーションが行われ、キャリブレーションの精度の第1の値、例えば、上述のような残差ベクトルの標準偏差が算出される。その後、第1のサブセットのキャリブレーション位置が選択され、それらの位置で測定が行われる。その第1のサブセットは、前記第1の大きい組のキャリブレーション位置に含まれるキャリブレーション位置をほぼ含むが、いくつかの追加のキャリブレーション位置も含むことがある。さらに、前記第1のサブセットは、キャリブレーション位置を1つしか含まないこともある。前記第1のサブセットの測定結果は、方程式系に加えられ、それらの位置の前の測定に対応する数式が除去される。キャリブレーションの精度の第2の値が算定される。その精度が十分でない場合は、第2のサブセットのキャリブレーション位置が選択され、それらの位置で測定が行われる。その第2のサブセットは、前記第1のサブセットとほぼ等しいか、又は前記第1の大きい組にのみ含まれ、前記第1のサブセットには含まれないキャリブレーション位置を含む。その第2のサブセットは、いくつかの追加のキャリブレーション位置、例えば、前記第1の大きい組に含まれるキャリブレーション位置又は前記第1のサブセットに含まれるキャリブレーション位置を含むこともある。キャリブレーションの精度の第3の値が算定される。例えば、キャリブレーションの算出された精度が十分良くなるか、又はそれに続くキャリブレーションの間の精度の差が十分に小さくなるまで追加のサブセットにおいて選択及び測定の手順が繰り返される。その実施例に関係する一利点は、方程式系のサイズが一定に保たれるが、多数の測定が行われることである。他の利点は、その方法が、キャリブレーションが十分に正確になるときにそのことを判定するための固有の能力を有することである。例えば、機械がキャリブレーションされる間に、位置決めシステムの軸の温度が大きく変化する場合は、キャリブレーションの精度は、軸が一定の温度に達するまで十分であるとは判定されない。これは、例えば、最初に「冷たい」又は使われていない機械でキャリブレーションが行われるときに特に有用である。
【0054】
本発明の要点は、基準デバイスが同じキャリブレーション位置に残っている限り、基準デバイスの配置及び向きが同一のままであるという仮定以外の仮定が実質上ない状態で、換算値の精密なキャリブレーションを行うことができることである。言い換えれば、キャリブレーション段階の前に、基準フィーチャが基準デバイス上にある精度で配置されるか、又はマークの一部分がある精度で認識されている必要はない。したがって、基準デバイスの製造コストを安く維持することができる。
【0055】
本発明のそれらの及び他の態様が、本明細書で以下に説明する実施例から明らかになり、それらを参照して解明されるであろう。
【実施例】
【0056】
図1aは、プリント回路基板121〜124上に電気部品を取り付けるためのピックアンドプレース機械100を概略的に示す。その機械は、スプリット軸と呼ばれるタイプのものである。言い換えれば、その機械は、感知装置111及び要素又はワークヘッド112がそれに沿って移動する第1の軸101と、ターゲット表面106又は回路基板121〜124がそれに沿って移動する第2の軸102とを含む。軸101、102は、ほとんどの場合、厳密ではないがほぼ直交している。その機械は、回路基板121〜124に対して望ましい位置にワークヘッド112を位置決めするための位置決めシステムを備える。さらに、その位置決めシステムは、例えば、回路基板121〜124及び感知装置111がそれぞれそこに取り付けられた、2つの支持部材103、106を動かすためのリニアモータ(図示せず)を備える。回路基板がそれに取り付けられた支持部材106は、例えば、部品をワークヘッド112によって配置することができる、位置決めシステムのターゲット表面と一致する。その機械は、リニアモータを制御するための制御装置107、例えば、マイクロプロセッサも備える。ワークヘッド112は、部品を拾い上げ、それらを回路基板121〜124上に置くために使用される。感知装置111は、カメラであり、画像処理システムに接続され、例えば、位置決めシステムをキャリブレーションし、回路基板の配置及び向きを検証するために使用される。
【0057】
作業空間108は、図1bに示すように、2次元空間であり、そこには、ワークヘッド112及び/又はターゲット表面106をそこに位置決めすることができる位置が渡される。前記ワークヘッド112をそこに位置決めすることができる末端又は端部の配置は、配置1及び3によって示される。前記ターゲット表面106をそこに位置決めすることができる末端又は端部の配置は、配置5a及び5bによって示される。ターゲット表面の配置は、この実施例では、前記支持部材106の中心座標に関して測定される。作業空間108の長さ及び幅は、それぞれワークヘッド112及びターゲット表面106の可能な最長の移動に対応する。言い換えれば、作業空間108には、それぞれ前記第1及び第2の軸101、102の最初の部分が渡される。選択された作業空間は、キャリブレーションしようとする作業空間108の一部と一致する。選択された作業空間の寸法は、この実施例によれば、前記作業空間108内にある支持部材の配置、5a、5b、5cの一部分の領域に一致する。他の実施例によれば、支持部材の全面積が使用されるわけではないので、選択された作業空間の面積はわずかに小さい。第3の実施例によれば、支持部材106がx方向に移動する場合があるので、前記選択された作業空間の面積はわずかに大きい。
【0058】
回路基板の設計者は、回路基板121〜124上の回路のレイアウト、及び様々な部品の望ましい配置を決定する。それらの配置は、ピックアンドプレース機械に入力され、固有の座標すなわち機械座標に換算される。決定されたレイアウトに従ってプリントされ、電気部品にとってそれぞれ望ましい配置にソルダペースト、フラックス、又は接着剤を有する回路基板121〜124は、その機械のターゲット表面106に配置される。その機械の制御システムは、ワークヘッド112が適正なタイプの部品をその部品の供給源(図示せず)から拾い上げ、それらを決定されたレイアウトに従ってターゲット表面106上の望ましい位置に配置するように、位置決めシステムを指示する。拾い上げられた部品の、取付けヘッドに対する正確な配置は、別個のカメラ113によって判定され、その機械は、部品を置く前に、適切な位置又は向きにずれがあればそれを補償する。接着剤、フラックス又はソルダペーストは、部品を回路基板に一時的に取り付けるようになる。その後、同様にして、次の部品が、ワークヘッド112によって回路基板上の望ましい配置に収集され置かれる。
【0059】
図2a〜2cは、当技術分野で知られているように、ターゲット表面及びワークヘッドが互いに対して移動することができる、いくつかの異なるやり方を概略的に示す。スプリット軸機械210は、すでに図1に関して説明しており、より概略的な図が図2aに見られる。ワークヘッド112は、部品を部品の供給源216、217から拾い上げ、それらを回路基板222上に置く。ワークヘッド112を、第1のリニアガイド213に沿って位置決めすることができ、回路基板を、第2のリニアガイド214に沿って位置決めすることができる。
【0060】
図2bは、ターゲット表面又は回路基板222が静止した状態に維持され、ワークヘッド112が部品の供給源228、229から拾い上げられた部品を置く、ガントリーマシン220を概略的に示す。ワークヘッドは、第1のリニアガイド223に沿って第1の方向(X)に移動可能である。さらに、前記第1のリニアガイド223は、第2及び第3のリニアガイド224、225に沿って第2の方向(Y)に移動可能である。
【0061】
図2cは、いくつかのワークヘッド233〜236が使用されるタレットマシンを概略的に示す。ワークヘッドは、円形の装置231上で環状に配置される。ターゲット表面222は、(X及びYの)2つの方向に制御可能である。1つのワークヘッド233がそれぞれの部品を拾い上げるときに同時に、直径に沿って反対側のワークヘッド234が部品をターゲット表面上の望ましい位置に置くことができるように、ターゲット表面が位置決めされる。その後、タレットが1段階回転し、次の対のワークヘッド235、236が、それぞれ部品を拾い上げ配置する。
【0062】
図3aは、図2a〜2cに関して説明されたものなど、本発明による位置決めシステムをキャリブレーションするときに使用するために設計された基準デバイス300を示す。基準デバイス300の寸法は、好ましくは、ワークヘッドを基準として選択される。その場合、ワークヘッドは、真空を使用することによって動作する。基本的には、ワークヘッドは、細い金属製のシリンダを備え、そのシリンダは、基準デバイスの平坦な面に接して位置決めされる。空気がシリンダから取り除かれ、その結果基準デバイスがそれに接して吸引され、基準デバイスをワークヘッドによって持ち上げることができる。典型的なターゲット表面は、約500mm*500mmである。基準デバイスは、金属製又はガラス製の薄いプレートであり、例えば、長さ約150mm、幅約25mm、厚さ約0.1mmである。その寸法の基準デバイスは、上記に述べた寸法のターゲット表面に適切である。識別可能な基準フィーチャ、穴又はエッチング加工されたマークの第1の列又は行311は、プレートの第1の長い側部312に沿って配置される。各穴又はマーク301、302、303、310は、直径が約1mmであり、隣接する2つの穴302、303の中心間の距離は、約2mmであり、穴の行で最も離れている2つの穴301、310の間の距離は、144mmである。基準フィーチャの相対位置(fxi,fyiACは、基準デバイスの左上の角304とそれぞれの基準フィーチャ又は穴の間の距離に等しい。
【0063】
そのプレートは、さらに、それぞれ直径が2mm及び1.5mmである、2つの方向マーク又は2つの追加の穴305、306を含む。それらの方向マーク305、306は、プレートの短い端部でそれぞれ心合せされる。寸法の差は、2つの方向マーク305、306の間の識別可能な違いである。それらのマークは、プレートの方向、例えば、プレートのどちらの側部が上を向いているかを判定するために、画像処理システムによって使用される。画像処理システムは、基準フィーチャに対する方向マークの配置の認識と組合せて、方向マークについての情報を使用して、基準デバイスの方向を判定することができる。さらに、プレートは、画像処理システムをキャリブレーションするときに使用することができるグリッド307を有する。グリッドの模様は、好ましくは、直交する線を含み、カメラの視野全体にわたって延びるように設計される。画像処理システムのキャリブレーションは、画像中の線が十分直交するように見えるように、記録されたカメラ画像を調整することによって行われる。
【0064】
第2の実施例によれば、図3aに関して説明されたものと同様の基準デバイスが使用されるが、この実施例では、基準フィーチャは、図3bに示す基準デバイスの部分図に概略的に示すように2つの平行な行に配置される。
【0065】
誤差の補正がキャリブレーション・テーブルに基づいているときに起きる可能性のある、よく生じる空間的な誤差を補償するためには、キャリブレーション模様は、好ましくは、互いに非常に接近して配置された基準マークを有する。実際のところは、感知装置を使用することによってそれらを正確に位置特定することが可能になるように、それらの直径を比較的大きくすべきなので、基準マークの十分に密集した配置を実現するのが難しいことがある。このことを克服する1つのやり方は、図3cに概略的に示すように、隣接する2つの基準マークの間の中心間距離の約半分だけ離れている、2つの部分的に重なったキャリブレーション位置に、基準デバイスを置くことである。その一方で、基準デバイスを手で移動しなければならない場合は、キャリブレーション模様を近くの2つの位置に十分高い精度で置くことは難しいかもしれない。
【0066】
図3dは、図3aに関して説明した基準デバイスと比較した基準マークの第3の代替の配置を示す。この実施例によれば、k個の行が使用され、基準マークの各行は、隣接する行と比較して穴のピッチの1/k倍ずれている。図示の実施例ではkは4である。したがって、基準フィーチャのより密な配置が実現される。図3eに示すような第4の代替の配置によれば、基準マークは、平行な行及び列に配置される。基準デバイスがターゲット表面に位置決めされるときは、逆正接(1/k)の角度だけ回転する。その角度は、基準フィーチャがそれに沿って測定される軸に関して測定される。それらの第3及び第4の配置は、たとえキャリブレーション・プレートがターゲット表面に正確に置かれない場合でも、キャリブレーションが等距離の測定データを含むことになるという効果を有する。
【0067】
穴又は基準フィーチャを、いくつかの組320にグループ化することもでき、それらの組は、基準デバイス上に等距離の配置で分配される。図3fは、基準デバイスの一部分がエッチング加工された基準フィーチャを備える、基準デバイスの第5の代替の実施例を概略的に示す。基準フィーチャの9本の平行な列が3つの行321〜323にグループ化され、各行は、4組の基準フィーチャを含む。さらに、各組320は、5点形に配置された5個の基準フィーチャを含む。
【0068】
図3gに示すような第6の代替の実施例によれば、前記基準フィーチャ325は、異なる基準フィーチャが様々な距離だけ離れるように、不規則な又は準不規則な模様で配置される。
【0069】
本発明に従ってキャリブレーションが行われるときには、基準プレートは、所定のキャリブレーション位置に置かれる。この好ましい実施例では、図1に関して説明したものによる機械は、図3aに関して説明したものと類似の基準プレートを使用することによってキャリブレーションされる。キャリブレーション位置は、好ましくは、ターゲット表面401全体の長さ及び幅が覆われるように選択される。この実施例では、基準プレートは、重ね合わせたU及びXを描くようにいくつかの位置に配置される。
【0070】
Uを描くには、基準デバイスは、ターゲット空間401の3つの側部に沿って再位置決めされ、穴の行が、実質上、選択された作業空間の各側部に沿って配置されるように、プレートが方向付けされる。図4aは、前記基準デバイスがそこに置かれる、異なるキャリブレーション位置を概略的に示す。プレートがいくつかの絶対座標に関して重なって位置決めされるように、隣接する2つのキャリブレーション位置402、403の中心間距離は、好ましくは、基準プレート300の長さの半分である。
【0071】
Xを描くためには、基準デバイスは、選択された作業空間の対角線に沿って再位置決めされ、図4bに概略的に示すように、プレートがそれに沿って移動する対角線に、穴の行がほぼ直交するように、プレートを方向付けする。基準デバイスがXを描くように置かれるときは、いくつかのキャリブレーション位置404、406の場合に前記第1の軸(X)に関して重なるように置かれ、他のキャリブレーション位置406、407の場合に前記第2の軸(Y)に関して重なるように置かれる。重ね合わせたU及びXを描くためには、プレートは、図4aに関して描かれた配置と図4bに関して描かれた配置の両方に位置決めされる。図4cは、プレートが、ターゲット表面の側部のうち2つに沿って、対角線のうち1つに沿って重なるように置かれる代替の実施例を示す。それぞれ図4a及び4bと図4cに示す異なる2組のキャリブレーション位置の間の違いは、図4cに関して描かれた組は、図4a及び4bに関して描かれたものほどよい統計資料を提供しない。よりよい統計資料は、より信頼性の高いキャリブレーションをもたらす。
【0072】
図4a、4b及び4cでは、全てのキャリブレーション位置の合計が、それぞれU、X及びL/を描く。それらの実施例では、前記キャリブレーション位置で前記基準デバイスを測定することによってキャリブレーションされる領域は、前記ターゲット表面401よりわずかに小さい矩形を形成する。ここでは、前記第1の軸101及び第2の軸102は直交しているので、キャリブレーションされる領域は、前記第1の軸の方向に、前記第1の軸上の全てのキャリブレーション位置に含まれる全ての基準フィーチャの投影の端点の間を延びる。さらに、そのキャリブレーションされる領域は、第2の軸の方向に、前記第2の軸上の全てのキャリブレーション位置に含まれる全ての基準フィーチャの投影の端点を延びる。言い換えれば、キャリブレーションされる領域は、前記投影された基準フィーチャによって画定される矩形に一致する。
【0073】
図4dは、空間的に部分的に重なっていない第1のキャリブレーション位置411及び第2のキャリブレーション位置412を概略的に示す。さらに、前記第1のキャリブレーション位置411の第1の部分414、及び前記第2のキャリブレーション位置412の第1の部分413の両方は、X軸の同じ部分に対応するが、Y軸の異なる部分に対応する。したがって、前記の部分413、414は、前記X軸に関して作業空間の同じ部分に配置される。キャリブレーションが、X軸に関して行われるときは、それらの位置を、空間的に部分的に重なった2つの位置の代わりに又はそれを補完するものとして使用することができる。
【0074】
位置決めシステムのキャリブレーションを、図5のフローチャートによって示されるように以下のようにして行うことができる。その実施例では、図3に関して説明したものと類似の基準プレートが使用される。最初に、システムの最初の準備がある501〜503。数値的なデフォルト値が、換算パラメータのために選択され、機械に入力される501。デフォルト値を選択する様々なやり方がある。1つのやり方は、機械座標が完全に正規直交であると仮定し、それに従ってデフォルト値を調整することである。他のやり方は、送られるデフォルト値がその機械にぴったり合うように作られるように、機械の製造時に換算パラメータを正確に決定し、それらを機械と共に送ることである。第3のやり方は、うまく働くことが知られている典型的な組の換算値を使用することである。
【0075】
さらに、ユーザが、キャリブレーションしようとする領域、すなわち、選択された作業空間を指定し502、システムは、本明細書では選択されたキャリブレーション位置と称されることがある適切なキャリブレーション位置、並びにそれぞれの選択されたキャリブレーション位置において基準デバイスの望ましい向きを自動的に決定する。さらに、本明細書では選択された基準フィーチャと称されることがある、それぞれの選択されたキャリブレーション位置において測定しようとする基準フィーチャが決定される。選択された各キャリブレーション位置のための選択された基準フィーチャの実際の座標の理論上の位置を記述するパラメータと、キャリブレーションしようとする換算パラメータと、選択された基準フィーチャの配置の空エントリーとを含む方程式系が、1組の算出手段に提供される503。
【0076】
その後、測定段階が開始される。第1のキャリブレーション位置は、選択された位置の組から無作為に選択される504。その第1のキャリブレーション位置は、その後、選択されたキャリブレーション位置のリストから消去される。基準デバイスは、おおよそ前記第1のキャリブレーション位置で、おおよそ望ましい向きにワークヘッドによって配置される505。第1の基準フィーチャは、前記第1のキャリブレーション位置に対応する選択された基準フィーチャのリストから無作為に選択される506。第1の基準フィーチャは、その後、前記第1のキャリブレーション位置に対応する選択された基準フィーチャのリストから消去される。感知装置は、位置決めシステムによって前記第1の基準フィーチャ507のおおよその位置に運ばれる。そのおおよその位置は、前記第1のキャリブレーション位置と、前記基準フィーチャの相対位置とを使用することによって算定される。前記おおよその位置で、感知装置は最初に方向マークの位置を判定する。それは、例えば、ターゲット表面が傾斜していることによる、可能性のある倍率変更の誤差を補償するために行われる。それは、基準フィーチャの位置のより良い表示を得るために、それらの位置の判定を容易にするためにも行われる。その後、前記基準フィーチャを記述する固有の座標は、その組の算出手段に供給される508。第2の基準フィーチャは、選択された基準フィーチャのリストから無作為に選択され506、前記第1のキャリブレーション位置に対応する全ての前記選択された基準フィーチャが測定されたことを判定する509まで上述の手順が繰り返される。その後、第2のキャリブレーション位置が、選択されたキャリブレーション位置のリストから無作為に選択され504、前記第2のキャリブレーション位置に対応する選択された基準フィーチャの各位置は、前記第1のキャリブレーション位置に関して説明したのと似たようにして505〜509、測定され算出手段に進む508。その手順は、全ての選択されたキャリブレーション位置510のために全ての選択された基準フィーチャが測定された509ことを判定する510まで繰り返される。
【0077】
最後に、それぞれ返された基準フィーチャの位置のための以下の2つの行を含む方程式系、
AC+cos(v)*fx1−sin(v)*fy1=f1x(n)+f2x(n
AC+sin(v)*fx1+cos(v)*fy1=f1y(n)+f2y(n)+f3y(n)*n
は、換算値がキャリブレーションされるように解かれるか又は最適化される511。上記の方程式系では、関数f1x、f2x、f1y、f2y、及びf3yは、前記換算関数であり、(n,nは、固有の座標の前記返された基準フィーチャ位置、(fx1,fy1は、基準デバイスの基準点に関する基準フィーチャの位置であり、(r,rACは、実際の座標の基準デバイスの基準点、例えば、左上の角の位置であり、vは、基準デバイスとX軸との間の角度を示す。上記の式は、数値が測定される(n,nを除き、全て最初は未知数である。
【0078】
いくつかの境界条件が数式に導入される。第1の基準フィーチャの相対位置、例えば、基準フィーチャの行の最も左の基準フィーチャは、全ての数式でf=(0,0)と定める。前記第1の基準フィーチャと正反対に対向する第2の基準フィーチャは、全ての数式でf=(xLength,0)と定められ、そこで、xLengthは基準フィーチャの行のおおよその長さ、例えば、144mmである。前記第1のキャリブレーション位置のキャリブレーション・プレートのずれ及び傾きは、それぞれ(r,rAC=(0,0)及びv=0と定められる。さらに、1つの実際の座標YACでは、3つの前記換算パラメータは、0、f2x(YAC)=0、f2y(YAC)=0、f3y(YAC)=0と定められる。キャリブレーション位置の数は、好ましくは、未知数の3.5倍の数の数式があるように選択される。それらの10の等式制約の場合、最小二乗問題は、一意的な解を有する。
【0079】
方程式系は、キャリブレーション位置におけるキャリブレーション・プレートの未知の角度のせいで弱非線形である。Gauss−Newton法は、最初の推定から始め、その推定された解で系を線形にし、結果として生じる線形の最小二乗問題を解くことによって補正値を算出する。系を線形にするときに、ヤコビ行列、例えば、全ての偏導関数の行列が必要である。最初の良い推定は機械が完全であると仮定することによって簡単に決定することができるので、Gauss−Newton法は、大域的最適値に非常に速く収束する。典型的には、2回の反復で十分な精度を実現するのに十分である。
【0080】
方程式系は、非常に大きく、組立て機械で稼動しているコンピュータ上で取り扱うには大き過ぎることがある。しかし、方程式系は、疎であり、算出を大幅に速めることを可能にするということを利用する。
【0081】
本発明を、2次元のターゲット表面及び2次元の選択された作業空間を有するスプリット軸ピックアンドプレース機械に関して説明してきたが、多くの他のタイプの位置決めシステムにうまく適用できる。例えば、その方法を、例えばWO99/64167及びWO00/62587に記載されているように、電気部品がそこに取り付けられる、ボード上のいくつかの位置において回路基板上に、例えば、接着剤又はソルダペーストを分配する分配機械の位置決めシステムをキャリブレーションするために使用することができる。実質上図1a及び1bに関して説明した機械として分配機械を構成することができる。分配機械は通常、異なるタイプのワークヘッドを有する。部品を拾い上げ置くために配置されたワークヘッドの代わりに、ワークヘッドは、回路基板上に、例えば、接着剤又はソルダペーストを分配するために配置される。基準デバイスをターゲット表面上に、手動で、又は例えば、感知装置111に隣接して配置された別個のワークヘッドによって配置することができる。一実施例では、分配ヘッドは、分配カセット内に含まれ、その分配カセットは、機械をキャリブレーションするときにキャリブレーション・カセットと交換することができる。キャリブレーション・カセットは、ターゲット表面上に基準デバイスを再位置決めするためのワークヘッドを備える。キャリブレーションが完了した後に、キャリブレーション・カセットが取り除かれ、分配カセットが再位置決めされる。その後、分配プロセスを開始することができる。
【0082】
その方法を、多くの異なるタイプの位置決めシステムにも適用でき、図2a、2b及び2cに関して説明されたそれらは、3つの非限定的な実施例のみである。
【0083】
さらに、本発明のキャリブレーション方法は、1次元及び3次元の両方の選択された作業空間に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1a】スプリット軸位置決めシステムの概略図である。
【図1b】作業空間の概略図である。
【図2a】あるタイプの位置決めシステムの概略図である。
【図2b】あるタイプの位置決めシステムの概略図である。
【図2c】あるタイプの位置決めシステムの概略図である。
【図3a】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図3b】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図3c】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図3d】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図3e】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図3f】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図3g】基準デバイスの概略的な実施例を示す図である。
【図4a】2次元の選択された作業空間の所定のキャリブレーション位置を概略的に示す図である。
【図4b】2次元の選択された作業空間の所定のキャリブレーション位置を概略的に示す図である。
【図4c】2次元の選択された作業空間の所定のキャリブレーション位置を概略的に示す図である。
【図4d】2次元の選択された作業空間の所定のキャリブレーション位置を概略的に示す図である。
【図5】本発明の一実施例によるキャリブレーション・プロセスを説明するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実際の座標系、固有の座標系、及び前記実際の座標と前記固有の座標の間で換算するための1組の換算関数を提供する段階であって、前記関数のそれぞれが少なくとも1つの換算パラメータによって決定される、提供段階と、
作業空間の複数の異なるキャリブレーション位置で基準デバイス(300)を非手動で位置決めする段階であって、前記基準デバイスが、ほぼ一定の相対位置に配置された複数の識別可能な基準フィーチャ(301、302、310)を備える、位置決め段階と、
各キャリブレーション位置に関して、非接触測定によって固有の座標の少なくとも2つの前記基準フィーチャの位置を感知する段階と、
異なるキャリブレーション位置について、前記実際の座標で表された前記感知された位置の相対位置の違いが低減されるように、前記各換算パラメータの数値を選択する段階とを含む、要素(112)を作業空間(108)に位置決めするための位置決めシステムを自動キャリブレーションする方法。
【請求項2】
前記数値を選択する段階が、前記違いが最小限に抑えられるように行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準デバイスを位置決めする段階がさらに、少なくとも2つの異なるキャリブレーション位置について、少なくとも第1の軸の方向に関して、前記作業空間の同じ部分に前記基準デバイスの異なる部分を位置決めする段階を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記基準デバイスの異なる部分を作業空間の同じ部分に位置決めする段階が、前記の部分が空間的に重なったキャリブレーション位置で位置決めされるように行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基準デバイスを位置決めする段階が、前記位置決めシステムによって制御されたワークヘッドによって行われる、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基準デバイスを位置決めする段階が、前記キャリブレーション位置において前記基準デバイスを実質上不規則な配列に位置決めする段階を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記キャリブレーション位置で基準フィーチャを感知する段階が、実質上不規則な配列の前記基準フィーチャを感知する段階を含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記位置決めシステムが、部品配置ヘッド、分配ヘッド、光学検査ヘッド及びX線検査ヘッドのグループから選択された要素を含む、回路基板を製造するための機械で使用される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準フィーチャが、前記基準デバイスに提供された基準マークである、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基準デバイスを位置決めする段階が、2次元のターゲット表面にそれを位置決めする段階を含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記基準デバイスが、前記ターゲット表面よりかなり小さく、好ましくは前記ターゲット表面の半分より小さい部分を占め、さらにより好ましくは前記ターゲット表面の4分の1より小さい部分を占める、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基準デバイスが、好ましくは少なくとも1行の基準マークを含むプレートである、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記基準フィーチャを感知する段階がカメラによって行われる、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
優決定系の数式の最適化が、前記数値を選択するために使用され、前記数式系が、少なくとも1組の固有の座標、前記換算関数及び前記感知された部分の実際の座標の表現を含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
算出された解の精度を判定するために、前記方程式系の残差ベクトルを使用する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
追加のキャリブレーション位置で前記基準デバイスを位置決めする段階と、少なくとも2つの基準フィーチャの配置を感知する段階と、数値を選択する段階が、前記残差ベクトルの標準偏差が所定の値より小さくなるまで繰り返される、請求項14又は15に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−533710(P2008−533710A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500122(P2008−500122)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002156
【国際公開番号】WO2006/099951
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500563005)マイデータ オートメーション アクチボラグ (12)
【Fターム(参考)】