説明

キーシート及びそれを備えたキーユニットと、そのキーシートの製造方法

【課題】 キーシートの部品点数の低減を図り、組立工数の低減を図り、不良率の低減を図り、製造コストの低減を図り、延いては、キーシート、それを用いたキーユニットの価格の低減を図る。
【解決手段】キーシートを、複数のキートップ28、28、・・・が一体に形成されたキートップ形成板26と、裏面の上記各キートップ28、28、・・・と対応する部分に押し子16、16、・・・を有するキーベース26とにより構成する。そして、キートップ形成板26の裏面に、キーベース14を、各押し子16、16、・・・と対応するキートップ28、28、・・・との位置が整合するように位置合わせして接合(接着)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器類、例えば携帯電話機、PHS、携帯情報端末(PDA等)、携帯オーディオ、家電製品用リモートコントローラ等の照光式のキーシート及びそれを備えたキーユニットと、そのキーシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話機、PHS、携帯情報端末(PDA等)、携帯オーディオ、家電製品用リモートコントローラ等の電子機器に用いられるキーシートとして、キートップ等が所定の照明用発光手段(例えば発光ダイオードからなる)により照光されるものが多い。周囲が暗い場所でもキーの表示を容易に視認でき、操作が容易になると言う利点があるためである。
【0003】
照光式のキーシート、或いはそのようなキーシートを配線基板等に組み付けたキーユニットに関して、例えば特開2003−178639号公報等により種々の提案が行なわれている。
図6はそのようなキーシートを配線基板上に配置したキーユニットの一つの従来例を示す断面図である。
【0004】
図面において、aは配線基板で、例えば多層配線構造を有し、最表面には後述する各キートップと対応して設けられたスイッチング素子を構成するメタルドームb、b、・・・及び発光ダイオード(LED)c、c、・・・並びにこれ等と接続された配線膜が形成されている。
dは、シリコーン樹脂から成る可動部e、e、・・・と、金属板又はポリカーボネート樹脂などから成るベース部fを有するキーベースで、可動部e、e、・・・の裏面には上記メタルドームb、b、・・・と対応する押し子g、g、・・・が形成されている。このキーベースdがスペーサーhを介して上記配線基板a上に配設されている。
【0005】
i、i、・・・はキートップで、図示しない接着層を介してキーベースdの上面に接着されている。上記キーベースd及びキートップi、i、・・・によってキーシートjが構成される。
k、lは携帯電話機などの筐体である。
【特許文献1】特開2003−178639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図6に示すような従来のキーシートにおいては、一つのキーシート(例えば携帯電話機用等)を構成する各キートップが互いに独立した別々の部品により構成され、さらに、キーベースも複数の異種材料からなる複合部材であるので、部品点数が多く、組立が面倒で、不良等の発生率が高く、製造コストがかかるという問題があった。
【0007】
より具体的に説明すると、例えば携帯電話機の場合、キートップの種類数が20以上になるのが普通であり、従って、従来の技術によれば、一つのキーシートをつくるには、1台の携帯電話機当たり表示の異なる20種以上のキートップをつくり、それを一つのキーベース上の所定位置に位置や向きなどを合わせて接着する必要がある。
構成部品点数の多さに最も影響しているのは、一つの携帯電話機当たり、表示の異なる20種以上のキートップを用意しなければならないことである。通常、キートップは成形用の金型を用意し、その金型に樹脂を注入するという方法(射出成形)で形成する。キートップは、比較的小さな部品であり、しかも、高い寸法精度や面精度などが必要とされ、形状も複雑であるので、必然的に成形用の金型には高度な加工精度が必要とされ、金型作成に要するコストも無視できない。
【0008】
また、20種以上のキートップはそれぞれ文字・記号などの表示が異なり、これら表示を含む加飾を行う必要がある。そして、キーベースと一体化させるために、各々、表示と対応するキーベース上の位置に精確に位置合わせして接着するという作業も必要となり、位置合わせ作業が面倒であるばかりでなく、各位置合わせ毎に位置合わせ不良の生じる可能性がある。
そして、組み立てが終わった段階で、20種以上あるキートップのうちの一部、例えば1個のキートップに不良があっても、キーシート全体として不良品となってしまうので、不良の発生率を低めることが難しく、延いては、歩留まり向上が図りにくく、製造コストの低減を阻む要因となるという問題もあった。
これらは、当然に、製造工数を少なくすることを制約し、製造コストを低めることを制約する要因になる。
【0009】
本発明は、このような問題を解決すべく為されたものであり、キーシートの部品点数の低減を図り、組立工数の低減を図り、不良率の低減を図り、製造コストの低減を図り、延いては、キーシート、それを用いたキーユニットの価格の低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1のキーシートは、複数のキートップが一体に形成された一又は複数枚のキートップ形成板と、裏面の上記各キートップと対応する部分に押し子を有するキーベースと、からなり、上記一又は複数枚のキートップ形成板の裏面に、上記キーベースが、上記各押し子と対応するキートップとの位置が整合するように位置合わせして接合(接着)されたことを特徴とする。
【0011】
請求項2のキーユニットは、請求項1記載のキーシートと、該キーシートを載置する配線基板と、該配線基板上の上記キーシートの前記各キーベースに対応する位置に配置され前記パッド上の前記キートップの操作によりスイッチングされるスイッチング素子と、照明用光源と、を少なくとも有し、上記照明用光源から発した光で上記キートップ形成板の各キートップを照明するようにされてなることを特徴とする。
【0012】
請求項3のキーシートの製造方法は、走行させたキャリアテープ上に、キートップ形成板となる板状体を順次載置し、上記キャリアテープ上の上記板状体の反キャリアテープ側の面に複数のキートップ用の表示を印刷することにより順次上記板状体を複数のキートップが一体に形成されたキートップ形成板とすることを特徴とする。
【0013】
請求項4のキーシートの製造方法は、走行させたキャリアテープに載置され反キャリアテープ側の面に複数のキートップ用の表示が印刷されたキートップ形成板に、上記キャリアテープとは別の走行させたキャリアテープに載置されたキーベースを、貼り合わせて上記両キャリアテープに載置された状態のキーシートを製造することを特徴とする。
請求項5のキーシートの製造方法は、請求項3又は請求項4に記載のキーシートの製造方法において、キートップ形成板は、該キートップ形成板よりも大きな樹脂板又は樹脂フィルムから打ち抜き成形により形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のキーシートによれば、複数のキートップを、キートップ形成板に一体に形成したので、各キートップを互いに独立して個別に形成してキーベースの互いに異なる場所にそれぞれ位置合わせして接着していた従来におけるよりも、キーシートの部品点数の低減を図り、組立工数の低減を図り、不良率の低減を図り、製造コストの低減を図り、延いては、キーシート、それを用いたキーユニットの価格の低減を図ることができる。
【0015】
即ち、板状体に複数のキー領域を示す複数の表示を印刷等により所定の位置関係で形成したキートップ形成板を用意しておくことにより、そのキートップ形成板の複数のキートップを互いに独立して用意する必要をなくすことができる。従って、部品点数を少なくすることができる。
また、小さくて複雑な表示を有するキートップをつくるために従来必要であった寸法精度や面精度が高いキートップ形成用の金型を要することなく必要な複数のキートップを備えたキートップ形成板を形成できるので、高価な金型を用意する必要がなくなり、キーシートの製造コストを更に低減する要因となる。
そして、キートップ形成板をキーベースに位置合わせして接着さえすれば、そのキートップ形成板の複数のキートップが自ずとキーベースに位置合わせされてしまうので、組立工数の低減を図り、不良率の低減を図り、製造コストの低減を図ることができる。
【0016】
請求項2のキーユニットによれば、請求項1記載のキーシートを用いるので、請求項1に係るキーシートの発明の奏する効果を、キーユニットとして享受することができる。
請求項3のキーシートの製造方法によれば、走行キャリアテープ上に、キートップ形成板用板状体を順次載置し、その板状体の反キャリアテープ側の面の複数のキー領域各々にキートップ用の表示を印刷することにより順次キートップ形成板を製造するので、連続的にキートップ形成板を製造することができる。従って、キートップ形成板の量産が可能になり、延いては、キーシート、キーユニットの製造コストの低減を図ることができる。
【0017】
請求項4のキーシートの製造方法によれば、走行キャリアテープ上に載置されたキートップ形成板に、上記キャリアテープとは別の走行させたキャリアテープに載置されたキーベースを、貼り合わせてキーシートを製造するので、キーベース上にキートップ形成板を接合することを連続的に行うことができる。従って、キートップ形成板をキーベースに積層したキーベースの量産が可能になり、延いては、キーユニットの製造コストの低減を図ることができる。
そして、キーユニットを、キャリアテープに載置された状態で得ることができるので、その状態で管理することができ、延いては管理がやり易くなり、管理コストを低減できる。
【0018】
請求項5のキーシートの製造方法によれば、キートップ形成板は、該キートップ形成板よりも大きな樹脂板又は樹脂フィルムから打ち抜き成形により形成するので、射出成形でキートップを形成しないで済み、延いては、高精度で高価な成形金型が不要となり、比較的安価な打ち抜き用の金型で対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、基本的に、複数のキートップを一つのキートップ形成板として一体に形成するものであり、キートップ形成板を成す板状体は、例えばPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル/アクリル)等の樹脂が好適であり、板厚は例えば0.4mm〜1.0mmが好適である。この程度の厚さがあれば、キートップ形成板の任意のキー領域を押してその押した領域と対応した押し子を通じてメタルドーム内のスイッチ素子をオンさせ、キートップを解放したときメタルドームを元の状態に復元させてスイッチ素子をオフさせるに必要な撓みが得られるからである。
但し、キートップ形成板の要所に溝或いはスリットを形成して得られる撓みを大きくするようにしても良いことはいうまでもない。
【0020】
キートップ形成板の製造は、具体的には、例えば透明性を有する(完全に透明である必要はない。)樹脂からなる板状体を個々のキートップ形成板を成し得る形状に打ち抜いたものを、キートップ形成板の母体として用いる。
そして、打ち抜かれた個々の板状体の表面(天面)或いは裏面に複数のキートップを成す表示を、例えば印刷や塗装で形成することにより複数のキートップを有するキートップ形成板を得るとようにすると良い。
しかし、キートップを成す(キー領域を示す)表示の態様は一種類に限定されず、一つのキートップ形成板に複数のキートップを存在させ得る態様であればどのような態様をも採り得る。例えば、キートップ形成板の表面に表示となる凹部を設け、それにインク、絵の具等着色材料を埋め込むようにすることもできる。該凹部の形成は、熱プレス加工によって凹形状を転写することが望ましい。
【0021】
キーベースの材料は、シリコーンラバー或いはエラストマーが好適であり、その形成方法は一般的な、プレス成形又は射出成形が用いられる。その厚さはスタビライザ部で例えば0.5mm〜1.0mm程度が好適である。このキーベースは上記キートップ形成板の裏面に一体化されるが、その一体化には、次の二つの方法が好適である。
その一つは、キーベース形成用の金型内にキートップ形成板をコアとしてインサートし、金型内にキーベース用の樹脂を射出するインサート成型法であり、他の一つは、走行するキャリアテープ上にキートップ形成板を順次載置し、一方、それとは別の走行キャリアテープ上にキーベースを順次載置し、そのキャリアテープ上に載置されたキートップ形成板とキーベースとをホットメルトにより接着する方法である。尚、この後者についてその一例を実施例の項で図3、4を参照して説明した。
【0022】
このホットメルトによる接着をする場合には、予め、キートップ形成板の裏面にホットメルト接着剤層を印刷しておき、加熱、加圧によりキートップ形成板とキーベースを積層一体化する。
尚、キートップ形成板のキートップを成す表示は、キートップ形成板とキーベースとの一体化前に、キートップ形成板の表面(天面)或いは裏面に印刷することにより形成しておくようにしても良いが、キートップ形成板とキーベースとの一体化後にキートップ形成板の表面(天面)に印刷することにより形成するようにしても良い。
【0023】
尚、一つのキーシートのキートップ形成板の枚数は、1枚であっても良いが、複数、例えば2枚或いは3枚であっても良い。特に、意匠的に優れた高級感のある携帯電話機等のキーユニットを得る場合には、キートップ形成板を複数枚にし、互いに色を異ならせるようにすると良い。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明を図示実施例に基いて詳細に説明する。
図1(A)〜(C)及び図2は本発明の第1の実施例(:実施例1)のキーユニット2を示すもので、図1(A)はキーユニット2を斜め表側から視た斜視図、(B)はキートップ形成板とキーベースとの積層体を斜め裏側から視た斜視図、(C)は配線基板を斜め表側から視た斜視図である。本実施例は本発明を例えば携帯電話機に用いられるキーユニットに適用したものである。
【0025】
キーユニット2は、後述するキーベース及びキートップ形成板から成るキーシート3と、次に述べる配線基板(4)によって構成される。
4は例えば携帯電話機に内蔵される多層配線構造の配線基板で、例えばプリント配線基板(PCB)である。
配線基板4の最表面には、接点部分を含む図示しない配線膜が形成されるとともにメタルドーム10、10、・・・と発光ダイオード12、12、・・・が戴置固定されている。上記メタルドーム10、10、・・・は、ドーム状に形成された極薄のステンレス板(SUS)から成り、上記配線膜の接点部分とともにスイッチを構成する。発光ダイオード12、12、・・・は照明用光源を成す。尚、配線基板4表面上にメタルドーム10、10、・・・を保持するドームシートの図示は省略する。
【0026】
14はキーベースで、例えばシリコーンラバー或いは各種エラストマーからなり、押し子16、16、・・・とそれを保持する可動部18と、スタビライザー部20、20、・・・とからなる。22、22、・・・はスタビライザー部20、20、・・・により囲繞された凹部であり、この凹部22、22、・・・内に上記押し子16、16、・・・が位置されている。
キーベース14は、キートップ形成板24の裏面にホットメルト膜32を介して接着された状態で、上記スタビライザー部20、20、・・・にて配線基板4の表面上に固定されており、上記各凹部22、22、・・・内の各押し子16、16、・・・は対応する上記メタルドーム10、10、・・・上に位置し、また、上記発光ダイオード12、12、・・・も上記各凹部22、22、・・・内に納まるように位置設定されている。
【0027】
この発光ダイオード12、12、・・・から発生した光は表側(天面側)に向かって進みキートップ形成板26の各表示28を照らすことにより各キー領域を明るくする照明光となる。
上記キートップ形成板26は、例えばPC或いはPMMA等からなる樹脂製板状体(厚さ例えば0.4mm〜1.0mm)を打ち抜き等によりキーユニット分毎に分離独立させた状態にし、例えばインクのスクリーン印刷による例えば裏面印刷により複数のキートップを成す(キー領域を示す)複数の表示28、28、・・・を一体に形成したものである。30は表示28、28、・・・を成す印刷層である。
このキートップ形成板26とキーベース14とが積層され、キートップ形成板26、キーベース14及び配線基板4の積層体からなるキーユニット(:本実施例)2が構成される。
【0028】
この図1、図2に示す実施例2によれば、樹脂からなる一つの板状体に例えば裏面印刷により複数のキートップを成す(キー領域を示す)表示28、28、・・を形成することにより複数のキートップを一体に有するキートップ形成板26を用い、これをキーベース14と一体化することによりキーシートを構成するので、従来におけるように、各キートップを別個の部品として互いに独立して形成する必要がなくなる。
【0029】
従って、各キートップ毎に部品として用意する必要がなく、複数のキートップを一つのキートップ形成板26で代用することができ、キーシート、キーシートを用いたキーユニットの部品点数を少なくすることができる。
また、板状体とその各キートップを成す各表示との位置関係を所定通りになるように設定して表示の印刷或いは塗装等をしておけば、その印刷或いは塗装等によって形成されたキートップ形成板26をキーベース14に位置合わせをすることによってそのキートップ形成板26に形成された全キートップ28、28、・・・各々が自ずとキーベース14に対して位置合わせされる。
【0030】
従って、位置合わせ作業が簡単になり、また、位置合わせ不良も生じにくくなる。
依って、製造効率が高くなり、歩留まりも高くなるので、よりキーシートの生産効率を高め、延いてはキーシートの製造コストをより低くすることができる。
また、表示の異なる多種類、例えば20種以上のキートップを用意しなくても済むので、従来のキートップ形成方法である、キートップ成形用の金型を用意し、その金型に樹脂を注入するという方法(射出成形)で形成する方法は採る必要がなくなり、高い寸法精度や面精度を要するキートップ形成用の金型を用意する必要がないので、金型作成に要するコスト分、キーシート、キーユニットの製造コストを低減することができる。
【実施例2】
【0031】
図3は本発明のキートップ形成板の製造方法の一例(:実施例2)を示す図である。
同図において、40はキートップ形成板を成す板状体形成用の例えばPCからなる樹脂板、42はその樹脂板打ち抜き用金型であり、この金型42により樹脂板40を打ち抜くことによりキートップ形成板26となる板状体44を得ることができる。
【0032】
46は繰り出しローラで、図面に現れない引き出しローラにより引っ張られるキャリアテープ48を一定速度で走行するように繰り出す。そして、その一定速度で走行するキャリアテープ48上に、上記金型42により打ち抜かれた板状体44が1個ずつ載置され、この板状体44はキャリアテープ48により支持ローラ50及び印刷ローラ52からなるロール印刷部に搬送される。
ローラ50はキャリアテープ48を印刷部において下側から支える。ローラ52はローラ50に対してキャリアテープ48及びそれに支持された板状体44を上から押圧して全キートップ分の表示の印刷(転写)をする。
【0033】
ローラ50・52間を通り全キートップ分の印刷をされて板状体44は乾燥機54内に供給されて乾燥されてキートップ形成板26となる。
このようなロール印刷によれば、連続的にキートップ形成板26を製造することができ、キートップ形成板26の量産が可能となり、キーシートの低価格化を図ることができる。
即ち、キートップ形成板を該キートップ形成板よりも大きな樹脂板又は樹脂フィルムから打ち抜き成形により形成するので、射出成形でキートップを形成しないで済み、延いては、高精度で高価な成形金型が不要となり、比較的安価な打ち抜き用の金型で対応することができる。
【実施例3】
【0034】
図4は本発明のキーシートの製造方法の一例(:実施例2)を示す図である。
図4の支持ローラ50、印刷ローラ52、乾燥機54は図3のそれ等と同じである。
56は支持ローラ、58は圧着ローラで、これ等ローラ56・58間に、上記キャリアテープ48に載置されたキートップ形成板26と、別のキャリアテープ60に載置されたキーベース14とが通され、ホットスタンプ接着剤等の適宜な接着手段により互いに接着される。そして、キートップ形成板26とキーベース14とを接着してなるキーシート62は、キャリアテープ38、50に載置された状態で搬送され、配線基板4上に装着されるまで管理される。
【0035】
このようなキートップ形成板26とキーベース14との接着によるキーシートの形成方法によれば、キートップ形成板26とキーベース14とをキャリアテープ48、60により搬送しながら、ローラ56・58により連続的に接着することができるので、キーシート62の量産が可能となり、キーシート62の低価格化を図ることができる。
【0036】
図5(A)〜(C)は本発明のキーシートを成すキートップ形成板の各別の構成例をキートップを成す表示を捨象して示す平面図である。
図5(A)に示す例は、キーシート一個分のキートップ形成板26が1枚26aのみからなるものであり、上記第1の実施例もそれに該当する。
【0037】
図5(B)に示す例は、キーシート一個分のキートップ形成板26が2枚の互い別体の部分26a、26bからなるものであり、26aにはテンキー、ファンクションキーが配置され、26bにはカーソルキーが配置される。そして、部分26aと部分26bとの色が異なるようにされている。
図5(C)に示す例は、キーシート一個分のキートップ形成板26が3枚の互いに別体の部分26a、26b、26cからなるものであり、26aにはテンキー、26bにはカーソルキーが、26cにはファンクションキーが配置される。そして、部分26aと部分26b、部分26cとの色が異なるようにされている。
【0038】
図5(B)、(C)に示すように、キートップ形成板26を互いに別体の複数の部分により構成するのは、部分毎に色、光沢を異ならせてゴージャスな感じ、高級感が醸し出されるようにするためである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、電子機器類、例えば携帯電話機、PHS、携帯情報端末(PDA等)、携帯オーディオ、家電製品用リモートコントローラ等の照光式のキーシート及びそれを備えたキーユニットと、キーシートの製造方法に利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(A)〜(C)は本発明の第1の実施例(:実施例1)を示すためのもので、(A)は実施例(キーユニット)を斜め表側から視た斜視図、(B)はキートップ形成板とキーベースとの積層体を斜め裏側から視た斜視図、(C)は配線基板を斜め表側から視た斜視図である。
【図2】上記第1の実施例の断面図である。
【図3】本発明のキートップ形成板の製造方法の一つの実施例(第2の実施例:実施例2)の説明図である。
【図4】本発明のキーシートの製造方法の一つの実施例(第3の実施例:実施例3)の説明図である。
【図5】(A)〜(C)は本発明のキーシートを成すキートップ形成板の各別の構成例をキートップを成す表示を捨象して示す平面図である。
【図6】背景技術を説明するための一つの従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
2・・・キーユニット、4・・・配線基板、6・・・メタルドーム、
10・・・メタルドーム、12・・・照明用光源を成す発光ダイオード、
14・・・キーベース、16・・・押し子、18・・・可動部、
26(26a、26b、26c)・・・キートップ形成板、
28・・・キートップ(を成す表示)、48、60・・・キャリアテープ、
62・・・キーシート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキートップが一体に形成された一又は複数枚のキートップ形成板と、
裏面の上記各キートップと対応する部分に押し子を有するキーベースと、
からなり、
上記一又は複数枚のキートップ形成板の裏面に、上記キーベースが、上記各押し子と対応するキートップとの位置が整合するように位置合わせして接合された
ことを特徴とするキーシート。
【請求項2】
請求項1記載のキーシートと、
上記キーシートを載置する配線基板と、
上記配線基板上の上記キーシートの前記各キーベースに対応する位置に配置され前記パッド上の前記キートップの操作によりスイッチングされるスイッチング素子と、
照明用光源と、
を少なくとも有し、
上記照明用光源から発した光で上記キートップ形成板の各キートップを照明するようにされてなる
ことを特徴とするキーユニット。
【請求項3】
走行させたキャリアテープ上に、キートップ形成板となる板状体を順次載置し、
上記キャリアテープ上の上記板状体の反キャリアテープ側の面に複数のキートップ用の表示を印刷することにより順次上記板状体を複数のキートップが一体に形成されたキートップ形成板とする
ことを特徴とするキーシートの製造方法。
【請求項4】
走行させたキャリアテープに載置され反キャリアテープ側の面に複数のキートップ用の表示が印刷されたキートップ形成板に、上記キャリアテープとは別の走行させたキャリアテープに載置されたキーベースを、貼り合わせて上記各キャリアテープに載置されたキーシートを製造する
ことを特徴とするキーシートの製造方法。
【請求項5】
キートップ形成板は、該キートップ形成板よりも大きな樹脂板又は樹脂フィルムから打ち抜き成形により形成する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のキーシートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−48845(P2009−48845A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213258(P2007−213258)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(390001487)サンアロー株式会社 (58)
【Fターム(参考)】