説明

キーボード用のキー配列

【課題】好適なキー配列を提供する。
【解決手段】キー配列は横列と縦列の規則正しい格子状に配列された複数のキーを含む。縦列は第1縦列、最終縦列および少なくとも一つの中央縦列を含む。第1および最終縦列のキーは、上記少なくとも一つの中央縦列のキーより小さい。固定サイズのキーボード上のキー配列の人間工学を改良する方法が提供される。移動通信デバイス用のキー配列をデザインする方法も提供される。手のひらサイズ携帯通信装置は、例えば、筐体と、横列と縦列とに配列された複数のキーを含むキー配列であって、該縦列は、第1縦列と、少なくとも2つの内側縦列と、最終縦列とを含み、該第1縦列および該最終縦列におけるキーが、該内側縦列のうちの少なくとも1つにおけるキーよりも小さい、キー配列とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は電子装置のキーボードのためのキー配列に関する。特に、本技術は手のひらサイズの携帯通信装置のためのキー配列に関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、電話および携帯通信装置を含む多くの手のひらサイズの装置に使用されている。より新しく、より小さい装置に人気が集まるに従って、キーボードのサイズは年々小さくなっている。例えば、今日では、携帯電話はポケットあるいは手のひらに収まるほどの大きさである。装置のサイズが小さくなるにつれ、キーボードおよびキーボード上のキーのサイズも小さくなってきている。キーのサイズが小さくなるにつれて、大きな指は一度に一つ以上のキーを押さえる傾向があるので、ユーザが正確に所望のキーを選択することがより困難になっている。小さなキーボードが利用される場合、正しいキーを選択するには、注意しなくてはならない。
【0003】
より小さな装置に加えて、より大きなキーボードもまた人気が高まっている。テキストメッセージと無線Eメール伝達頻度が高くなるにつれて、テキスト入力キーボードが必需品になった。その結果、多くのメーカはユーザになじみのある配列での完全アルファベットキーボードを装置に利用している。異なった基準によるアルファベットキーボード配列が知られている。最も広く使用されている英語アルファベットキー配列はQWERTY配列である。周知の他の配列の中でも、標準的な英語アルファベットキー配列の他の形式には、QWERTZ,AZERTYおよびDVORAKが含まれる。携帯通信装置はまた電話をかけたるための数字も利用する。数字は標準的電話キーパッド配列としてキーボード上に配列することができるし、あるいは標準的テンキーパッド配列として配列することもできる。数字キーはアルファベット文字とキーを共有することがあり、あるいは別個のキーに配列されることもある。あるいは、通常のタイプライタキーボードにあるように、数字は文字の最上列を共有し得るか、あるいは文字の最上列の上に配列され得る。普通サイズのアルファベットキーボードに加えて、縮小サイズのキーボードもまた利用されているが、この縮小サイズのキーボードは、標準的アルファベット配列より少ない数の横列あるいは縦列を利用する。周知の縮小サイズキーボードは電話機に見られ、電話機では、文字はアルファベット順に配列されている。
【0004】
携帯通信装置のキーボード上でキーを選択する場合、ユーザにとってキーボード周辺のキーを正しく押すことのほうが、キー配列の内部にあるキーを押すことより容易であることがしばしばである。キーボード周辺のキーは通常、他のキーの隣には位置せず、ユーザの指は通常、選択されたキーと装置の筺体の一部に及ぶ。これとは対照的に、キーボードの内側では、ユーザの指は一つ以上のキーに及ぶ可能性がより高く、また間違ってキーを押すことが時々ある。これはユーザにとって厄介なことであり、ユーザはこの間違いをその都度正さなくてはならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここに記述される教示によると、キー配列は横列と縦列の規則正しい格子状に配列された複数のキーを含む。縦列は第1縦列、少なくとも一つの中央縦列および最終縦列を含む。第1および最終縦列のキーは、上記少なくとも一つの中央縦列のキーより小さい。
【0006】
複数のキーは幅と高さを有し得、第1と最終縦列のキー幅は、上記少なくとも一つの中央縦列のキー幅よりも狭い。あるいは、複数のキーは少なくとも第1次元と第2次元を有し得、第1と最終縦列のキーの第1次元は、上記少なくとも一つの中央縦列のキーの第1次元よりも小さい。
【0007】
キーは形を有し、その形は規則正しいものあるいは不規則なものがある。複数のキーはそれぞれ同じ形を有し得、第1と最終縦列のキーはこの同じ形の小さめのバージョンである。複数のキーは、少なくとも第1の形、第2の形および第3の形を有するキーを含み得る。
【0008】
別の実施形態においては、携帯通信装置は筺体、キー配列を含み上で論ぜられ、また筺体と結合されたキーボード、および筺体と結合された表示装置を含む。筺体は、上側、底側、左側および右側を有する面を有し得、第1縦列は左側面に隣接して配置され、最終縦列は右側面に隣接して配置されている。
【0009】
また別の実施形態においては、キー配列は、少なくとも一つの第1サイズを有し、複数の側面を有する型に配列された第1キーセット、および型の少なくとも2つの側面の周りに配置された第2キーセットを含む。第2キーセットは、上記少なくとも一つの第1サイズよりも小さい第2サイズを有する。上記少なくとも2つの側面は型の周辺の部分を含み得る。
【0010】
第1サイズは第1幅を含み得、第2サイズは第2幅を含み得、第1幅は第2幅よりも大きい。また別の実施形態では、第1サイズは第1高さおよび第1幅を含み、第2サイズは第2高さおよび第2幅を含み、第1高さは第2高さより高く、第1幅は第2幅より広い。型は複数の横列と複数の縦列を含み得、型の最も外側の縦列のキーは第2キーセットである。
【0011】
また別の実施形態では、装置は上面、底面、左側および右側を有する面を有する筺体を含む。表示装置およびキーボードは筺体の面に結合されている。キーボードは、複数の横列と複数の縦列を有する型に配列された複数のキーを含み、その複数の縦列は第1縦列、最終縦列および少なくとも一つの中央縦列を含む。第1縦列のキーは筺体の左側に隣接して配置され、最終縦列のキーは筺体の右側に隣接して配置されている。第1および最終縦列のキーは、上記少なくとも一つの中央縦列のキーよりサイズが小さい。
【0012】
さらにまた別の実施形態において、定まったサイズのキーボード上のキー配列の人間工学を改善するための方法は、複数の縦列と複数の横列に配列された複数のキーを供給することを含み、この複数の縦列は第1縦列、最終縦列および少なくとも一つの中央縦列を含む。この方法はまた、上記少なくとも一つの中央縦列のキーのキーサイズを、少なくとも一つの第1サイズを有するように規定し、かつ第1および最終縦列のキーのキーサイズを、対応する上記少なくともひとつの第1サイズよりも小さい第2サイズを有するように規定することを含む。第1サイズは幅と高さのうちの少なくとも一つである。
【0013】
さらに別の実施形態では、携帯通信装置のためのキー配列をデザインする方法が示されている。キー配列は、複数の縦列を含む格子状に配列された複数のキーを含む。複数の縦列は、外側縦列が側面に配置された複数の中央縦列を含む。この方法は、携帯通信装置の面幅を計ること、予備的キー幅を決定するために面幅をキーの縦列数に対応する数で割ること、および外側縦列のキー幅を決定するために予備的キー幅からある一定量を差し引くことを含み、その量は格子状キーにおける外側縦列のキー幅の減量に相当する。この方法はさらに、予備的中央キー幅合計を決定するために、予備的キー幅を中央縦列数で乗じること、中央キー幅最終合計を決定するために、予備的中央キー幅合計を前記量に2を乗じた量に加えること、および中央縦列のキーの最終キー幅を決定するために、中央縦列数で中央キー幅最終合計を割ることを含む。
(項目1)
横列および縦列の規則正しい格子状に配列された複数のキーを含むキー配列であって、該縦列は、第1縦列と、少なくとも1つの中央縦列と、最終縦列とを含み、該第1縦列および該最終縦列におけるキーが、該少なくとも1つの中央縦列におけるキーよりも小さい、キー配列。
(項目2)
前記複数のキーは、幅と高さを有し、前記第1縦列および前記最終縦列におけるキーの幅は、前記少なくとも1つの中央縦列におけるキーの幅よりも小さい、項目1に記載のキー配列。
(項目3)
前記複数のキーは、少なくとも第1次元と第2次元を有し、前記第1縦列よび前記最終縦列におけるキーの第1次元は、前記少なくとも1つの中央縦列におけるキーの第1次元よりも小さい、項目1に記載のキー配列。
(項目4)
前記キーは、形を有し、該形は、規則正しいものと不規則なものとのうちの一方である、項目1に記載のキー配列。
(項目5)
前記複数のキーの各々は、同じ形を有し、前記第1縦列および前記最終縦列におけるキーは、該同じ形の小さめのバージョンである、項目1に記載のキー配列。
(項目6)
前記複数のキーは、少なくとも第1の形、第2の形および第3の形を有するキーを含む、項目1に記載のキー配列。
(項目7)
筺体と、
該筐体に結合された項目1に記載のキー配列を含むキーボードと、
該筐体に結合された表示装置と
を備える、携帯通信装置。
(項目8)
前記筺体は、上側、底側、左側および右側を有する面を有し、前記第1縦列は、左側面に隣接して配置され、前記最終縦列は、右側面に隣接して配置されている、項目7に記載の携帯通信装置。
(項目9)
少なくとも1つの第1サイズを有する第1セットのキーであって、複数の側面を有する型に配列された第1セットのキーと、
該型の複数の側面のうちの少なくとも2つの側面の周りに配置された第2セットのキーであって、該少なくとも1つの第1サイズよりも小さい第2セットのキーと
を含む、キー配列。
(項目10)
前記少なくとも2つの側面は、前記型の周辺の部分を含む、項目9に記載のキー配列。
(項目11)
前記第1サイズは、第1幅を含み、第2サイズは、第2幅を含み、該第1幅は、該第2幅よりも大きい、項目9に記載のキー配列。
(項目12)
前記第1サイズは、第1高さおよび第1幅を含み、第2サイズは、第2高さおよび第2幅を含み、該第1高さは、該第2高さより大きく、該第1幅は、該第2幅より大きい、項目9に記載のキー配列。
(項目13)
前記型は、複数の横列と複数の縦列とを含み、該型の最も外側の縦列のキーは、前記第2セットのキーである、項目9に記載のキー配列。
(項目14)
上面、底面、左側および右側を有する面を有する筺体と、
該筐体の面に結合された表示装置と、
該筺体の面に結合されたキーボードと
を備える、装置であって、
該キーボードは、複数の横列と複数の縦列とを有する型に配列された複数のキーを含み、該複数の縦列は、第1縦列、最終縦列および少なくとも1つの中央縦列を含み、該第1縦列のキーは、該筺体の左側に隣接して配置され、該最終縦列のキーは、該筺体の右側に隣接して配置され、該第1縦列および該最終縦列のキーは、該少なくとも1つの中央縦列のキーのサイズより小さいサイズを有する、装置。
(項目15)
定まったサイズのキーボード上のキー配列の人間工学を改善するための方法であって、
該方法は、
複数の縦列と複数の横列とに配列された複数のキーを提供することであって、該複数の縦列は、第1縦列、最終縦列および少なくとも1つの中央縦列を含む、ことと、
該少なくとも1つの中央縦列のキーのキーサイズを、少なくとも1つの第1サイズを有するように規定することと、
該第1縦列および該最終縦列のキーのキーサイズを、対応する該少なくとも1つの第1サイズよりも小さい第2サイズを有するように規定することと
を含む、方法。
(項目16)
前記第1サイズは、幅および高さのうちの少なくとも1つである、項目15に記載の方法。
(項目17)
携帯通信装置のためのキー配列をデザインする方法であって、
該キー配列は、複数の縦列を含む格子状に配列された複数のキーを含み、該複数の縦列は、外側縦列が側面に配置された複数の中央縦列を含み、
該方法は、
携帯通信装置の面の幅を計ることと、
予備的キー幅を決定するために該面の幅をキーの縦列の数に対応する数で割ることと、
外側縦列のキー幅を決定するために、該予備的キー幅からある一定量を差し引くことであって、該量は、該格子状のキーの外側縦列のキーの幅の減量に対応する、ことと、
予備的中央キー幅合計を決定するために、該予備的キー幅を中央縦列の数で乗じることと、
中央キー幅最終合計を決定するために、該予備的中央キー幅合計を該量に2を乗じた量に加えることと、
該中央縦列のキーの最終キー幅を決定するために、中央縦列数で中央キー幅最終合計を割ることと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】キー配列の1例を組み込んだ携帯通信装置の平面図である。
【図2】キー配列の1例を組み込んだ別の携帯通信装置の平面図である。
【図3】キー配列の1例の平面図である。
【図4】キー配列の1例を組み込んだ携帯通信装置の平面図である。
【図5】キー配列の別の1例の平面図である。
【図6】キー配列のもう一つ別の例の平面図である。
【図7】キー配列のさらにもう一つ別の例の平面図である。
【図8】キー配列のもう一つ別の例の平面図である。
【図9】キー配列のさらにもう一つ別の例の平面図である。
【図10】キー配列の1例を組み込んだ手のひらサイズ携帯通信装置の分解図である。
【図11】携帯通信装置の1例を図解する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、図面を参照すると、図1から図9まではキーボードのための多くのキー配列を描写している。図1、図2および図4は携帯通信装置10のキー配列の1例を描写し、一方、図3および図5から図9まではキー配列の例を描写している。どのキー配列でもあらゆる種類の入力装置に利用し得、上記キー配列の例は特別な適用に限られていない。上記キー配列の例から利益を享受し得る携帯通信装置10の例には、移動局、携帯電話、無線パーソナルデジタルアシスタント(PDA),双方向ページング装置およびその他が含まれる。加えて、上記キー配列の例は、キーボードあるいはキーパッドを有する従来型電話機、計算機およびその他の装置に利用され得る。
【0016】
キー配列例20は、格子状に配列された複数のキーを利用する。図示された実施形態それぞれにおいて、上記格子状は、複数の横列および縦列を利用すると言う意味において、規則正しい。キー配列例20はまた、不規則なキー配列にも適用可能であり、その不規則なキー配列において、キーは必ずしも規則正しい型に配列されるわけではなく、あるいは上記不規則なキー配列において、さらなるキーが規則正しい格子状の周囲に配列され得る。
【0017】
キー配列例20は、キーボード14周辺の少なくとも一部の周りに、より小さいキーを利用する。図示された実施形態において、より小さいキーは、ユーザがキーを押す過程において、装置10の筺体12にも触れながらキーを少なくとも部分的に押し得るように、装置10の側面近くに配置される。
【0018】
より小さな周辺のキーは、幅が、高さが、幅および高さ両方ともが、あるいは寸法一般がより小さくあり得る。キーボード14の周辺に、より小さなキーを利用することにより、キー配列20の内側あるいは中央部にはより多くの空間が割り当てられる。キー配列例20を標準的な大きさ均一のキー配列と比較した場合、配列中央のキーはより小さな周辺キーの結果として、より大きくなされ得る。このようにして、キー配列は、装置10の面22上に同じ広さのスペースを占めるが、内側のキーのほうがより大きく、周辺のキーのほうがより小さい。より大きな内側のキーは有益である、というのはユーザが所望のキーを押さえる確立はより高く、より小さなキーにかかわるまちがいは避け得るからである。
【0019】
図1は、筺体面22、表示装置16およびキーボード14を有する携帯通信装置10を示す。キーボードは、ほぼ規則正しい格子状に配列されたキーからなる5つの横列と5つの縦列を有する。5つの縦列は第1縦列24、最終縦列26および3つの中央縦列28を含む。5つの横列は第1横列30、第2横列32、第3横列34、第4横列36および第5横列38を含む。本実施形態においては、より小さな周辺のキーが、第1および最終縦列24、26、第1から第4横列30、32、34、36に存在する。外側縦列のキーすなわち第1および最終縦列24、26は、それぞれの横列の中央縦列28のキー幅W2よりも小さな幅W1を有するキーを有する。キーボード14は筺体12の面22の上に一定の広さのスペースを占める。第1から第4横列30、32、34、36の周辺のキーサイズを減じることにより、これら同じ横列の内側キーはより幅広くされる。より大きな内側のキーは押さえることがより容易である。加えて、第1および最終縦列24、26、の若干狭めの周辺のキーもまた押さえやすい、というのはユーザの指は、選択する過程で、いかなる不利な結果もなく、筺体12の一部と重なり得るからである。第1および最終縦列24、26、第1から第4横列30、32、34、36のキーは同じ幅を有し、一方、中央縦列28のキーは異なる幅を有する。
【0020】
図2は、筺体面22、表示装置16およびキーボード14を有する携帯通信装置10を描写する。最上列は切り詰められ、かつ横列2から横列5より少ない数のキーを有するけれども、キーボード14は、5つの横列と5つの縦列を有する。5つの縦列は第1縦列24、最終縦列26および3つの中央縦列28を含む。キーはほぼ規則正しい格子状に配列され、上記格子状においてはそれぞれの縦列および横列のキーは互いに整列している。横列はアーチ形を有し、縦列は内側方向に、共通中心線X−Xに向かって傾いている。本実施形態においては、より小さな周辺のキーは、第1および最終縦列24、26、横列2から横列5、32、34、36、38に配置されている。より小さな周辺のキーは、それらに対応する横列の他のキーに対して狭められた幅を有する。全てのキーの高さは同じである。第1および最終縦列24、26のキーは筺体面22の側面近くに配置されている。その結果、ユーザは望んでいない内側のキーを偶然に押すことなく、外側周辺のキーをより容易に選択し得る。加えて、外側のキーはより狭い幅を有しているので、中央内側縦列28のキーはより幅広い。その結果、中央縦列28のキーはユーザによってより容易に押され得る。
【0021】
図3は、矩形のキーを有するキーボード14のためのキー配列20を描写する。キーは、5つの縦列および4つの横列のほぼ規則正しい格子状に配列されている。縦列および横列のキーは互いにほぼ整列している。5つの縦列は第1縦列24、最終縦列26および3つの中央縦列28を含む。図3は縮小した縦列QWERTYキーボード配列を表し、二つ以上のアルファベット文字が、4つの横列のうち3つの横列のキー一つに結びついている。加えて、電話機キーパッドは、キーボード14がテキスト入力および数字入力のために使用され得るように、中央の3つの縦列28のキーと結びついている。本実施形態において、スペースキー40以外、キーは全て同じ高さを有し、スペースキーは残りのキーよりも若干高い高さを有している。しかしながら、第1および最終縦列24、26のキーは、それぞれの横列の他のキーに対して狭められた幅を有している。
【0022】
図4は筐体面22、表示装置16、およびキーボード14を有する携帯通信装置10を描写している。キーボード14は5つの横列および5つの縦列を有する。キーは規則正しい格子状に配列されて、それぞれの縦列と横列のキーは互いに整列している。横列はアーチ形を有し、縦列は筐体の縦方向の軸X−Xと整列している。本実施形態において、キーは楕円形であり、第1および最終縦列24、26のキーは、他のキーの形状と異なる形状を有するように切り詰められている。この切り詰めの結果、第1および最終縦列24、26のキーは、キーボード14上の他のキーに対して狭められた幅を有している。すべてのキーの高さは同じである。第1および最終縦列24、26のキーは、筐体12の左側42および右側44近くに配置されている。その結果、ユーザは望んでいないキーを偶然に押すことなく、外側のキーをより容易に選択し得る。加えて、外側のキーは中央縦列28のキーとは異なる形を有するので、外側のキーは触れることにより、より容易に区別がつき得る。本実施形態は側面が切り詰められたキーを示すが、キーは他にも上面および/あるいは底面、あるいは右側面が切り詰められ得る。
【0023】
図5は、キーが矩形をなすキー配列20のもう一つの例である。キーは7つの縦列と4つの横列の規則正しい格子状に配列されている。縦列および横列のキーは互いに水平および垂直に整列している。図5は縮小した縦列QWERTYキーボード配列を表し、二つ以上のアルファベット文字が、4つの横列のうち3つの横列のキー一つと結びついている。本実施形態においては、キーはすべて同じ高さを有する。しかしながら、第1および最終縦列24、26のキーは、上記縦列のキーそれぞれの横列の他のキーに対して狭められた幅を有している。外側縦列24、26のキーは狭められた幅を有するので、中央縦列28のキーは定まったサイズのキーボード14のため、より幅広くされ得る。
【0024】
図6は、円形のキーを利用するキー配列20の1例である。図示するキーボード14は、普通サイズのアルファベットQWERTYキーボード14であり、アルファベットの文字は配列20の中で合計26のキーを占める。本実施形態においては、第1および最終縦列24、26のキーは、横列の他のキーに対して狭められた幅および低くめられた高さ両方を有する。外側縦列24、26のキーは、中央縦列28の幅W2よりも狭い幅W1を有する。加えて、外側縦列24、26のキーは、中央縦列28のキーの高さH2よりも低い高さH1を有する。本キー配列20は、指がより小さな周辺のキーに、より容易に接触するように、キー配列20の第1および最終縦列24、26は、装置10の左側および右側42、44に配置されるようにデザインされている。外側縦列24、26のキーは、縮小されたサイズを有するので、中央縦列28のキーは定まったサイズのキーボード14のため、より幅広くされ得る。
【0025】
図7は、矩形をなすキーを利用するキー配列20のもう一つの例である。図6のキー配列20のように、図示するキー配列20は、普通サイズのアルファベットQWERTYキーボードであり、アルファベットの文字は本配列の中で合計26のキーを占める。第1および最終縦列24、26、すなわち、キーボード14の左右側のキーは、中央縦列28のキー幅W2よりも狭い幅W1を有する。本キー配列20は、ユーザの指がより小さな周辺のキーに、より容易に接触するように、キー配列20の第1および最終縦列24、26は、装置10の側面42、44に配置されるようにデザインされている。周辺のキーはより小さいので、中央縦列28のキーは、定まったサイズのキーボード14のため、より幅広くされ得る。
【0026】
図8は、形が矩形をなすキーを同じく利用するキー配列20の1例である。キーは、縮小されたアルファベットキーフォーマットに配列され、アルファベット文字のために、26よりも少ない数のキーが利用されている。本実施形態において、4つの横列と5つの縦列が利用され、第1および最終縦列24、26は、中央縦列28のキー幅よりも狭い幅を有する。
【0027】
図9は、標準的な電話機キーパッドのためのキー配列20の1例である。キーは矩形を有し、第1および最終縦列24、26のキーは、中央縦列28のキー幅W2よりも狭い幅W1を有する。
【0028】
キー配列20の例は、複数の多機能のキーを含む物理的なキーボード14と結びついたほうが好ましい。キーは、アルファベット文字、数字、プッシュホン、記号および/あるいはファンクション、あるいは他の周知の入力を入力するために使用され得るので、多機能的である。キーボード14は、可動式であるキーを利用してキーの下に配置されたスイッチを作動させる、という意味で物理的キーボードである。
【0029】
キーボード14はテキスト入力および電話入力のために使用され得る。図示する実施形態では、キーボード14のうちのいくつかは、テキスト入力のために、他の周知のフォーマットのうちたとえばQWERTY、QWERTZ、AZERTYあるいはDVORAKなどのような標準的なアルファベットのフォーマットを含むアルファベット文字を含む第1ユーザインターフェイス、および、電話入力のために、数字を含む第2ユーザインターフェイスを提供する。縮小したキーフォーマットキーボードの例は、2004年2月24日出願の米国特許出願第10/785,790号および、2002年12月17日出願の国際出願第PCT/CA02/01961号で提示され、それらの開示はここにその全体像を参照して組み込まれている。
【0030】
キー配列20の例は、普通サイズおよび縮小サイズキーボード14両方に役立つ。図示する文字、数字および記号に加えて、キーはさらに、通常キーボードに利用される記号およびファンクションを含み得る。記号例は、他の周知の記号のうち、「.」「,」「;」「”」「‘」「:」「?」「/」「>」「<」「!」「@」「〜」「$」「%」「^」「&」「(」「)」「_」「−」「+」「=」「[」「]」「{」「}」「|」および「\」を含む。ファンクションの例は、テキスト入力あるいは電話入力と結びつく他の周知の機能のうち、「tub」「caps lock」「shift」「control」「alt」「return/enter」「backspace」「insert」「delete」「home」「end」「page up」「page down」「end」「escape」「pause」「break」「send」「end」「txt」「sym」および「scroll lock」を含む。
【0031】
さまざまな形状が、さまざまな実施形態のキーのために図示されている。他の形状もまた、制限なく利用され得る。図示する実施形態において、第1および最終縦列24、26のキーは、中央縦列28のキーより小さなサイズを有するものとして図示されている。加えて、携帯通信装置10の底辺に配置されているキー配列のためには、底辺列46のキーは上位列のキーより小さいサイズを有する方が好ましいことがあり得る。底辺列のキーは、同じ使用方針が当てはまり、かつキーは装置の縁に近いために利用がより容易となるように、携帯通信装置10の筐体12の面22の底縁46近くに配置される方が好ましい。あるいは、筐体12の最上48にキーボードが位置する装置のためには、最上列は、キー配列20の下位列のキーよりサイズがより小さいキーを有し得る。
【0032】
図10は、キーボード14上にキー配列20の例を組み込む携帯通信装置10のハードウエアの分解図である。装置は第1装置筐体部260および第2装置筐体部262を含む。筐体部は、複数の穴250、254と係合して携帯通信装置10の内部構成要素を収容する単一統合装置筐体を形成する締め具(図示せず)で接続合体される。締め具はねじ、リベット等であり得る。締め具は、装置筐体部を一体結合するために使用され得る構成要素のほんの一例に過ぎない。他の構成要素は、おそらく装置筐体部の一つと一体となり、他方の装置筐体部の上で、あるいは装置筐体部それぞれの上で協同構造と係合して、あるいは変形して、装置筐体部を一体保持する柔軟性の、あるいは剛体ではあるが変形可能な部材を含む。装置筐体部はまた、あるいは別案として、たとえば接着剤などにより接着結合され得る。しかしながら、装置筐体部は、ねじなど、取り外し可能な締め具を用いて結合するほうが好ましい。
【0033】
図10に描写された装置10はPCB(プリント回路基板)264を含む。携帯通信装置10の内部構成要素のほとんどはPCB264の上に取り付けられるほうが好ましい。キーボード14は、キーウエッブ233Aを複数のスイッチ233BにかぶせてPCB264の上に配置することによって形成されるほうが好ましい。キーウエッブ233Aと複数のスイッチ233Bは、キーウエッブ233Aのキーそれぞれが、キーが押された場合、スイッチ233Bのうちの一つに接触して作動させるように構成されるほうが好ましい。他の構成もまたインプリメントされ得るが、そこではスイッチ233Bの数はキーウエッブ233Aのキーの数より少ないこともあり得、あるいは、スイッチ233Bの数はキーウエッブ233Aのキーの数より多いこともあり得る。キーウエッブ233Aとスイッチ233Bはまた、第1装置筐体部260の隙間235が少なくとも部分的にキーボード14を露出させるように配置される。キーウエッブ233Aの部分は、装置10にデータ入力を提供するためにユーザによって押され得るキー表面を提供するために、隙間235によって露出される。そのようなデータ入力は、例えば装置10にデータ通信を生成するために使用され得る。
【0034】
表示装置16は、PCB264の上に取り付けられるほうが好ましい。第1装置筐体部260と第2装置筐体部262とが一体結合される場合、第1装置筐体部260の隙間223は少なくとも部分的に表示装置16を露出させる。第1装置筐体部260の隙間223とPCB264の表示装置16は、表示装置16の窓表示域225が露出されるように配置され得る。第1および第2装置筐体部260、262が一体結合される場合、表示装置16と結びつくフレームおよび他の構成要素は、見えないように隠されるほうが好ましい。
【0035】
スピーカ234はPCB264の最上に、あるいはその近くに取り付けられるほうが好ましい。第1および第2装置筐体部260、262が一体結合される場合、第1装置筐体部260の一つ以上の隙間235は、少なくとも部分的にスピーカ234を露出させるように配置される。マイクロホン236は、第2装置筐体部262に取り付けられる。マイクロホン236は、第2装置筐体部の隙間237Bによって、少なくとも部分的に露出され、かつPCBおよびその他の装置構成要素に結合される。マイクロホン236への音響あるいは音声入力が、たとえば音声通信を生成するために使用され得る。マイクロホン236が筐体に配置される場合、隙間(図示せず)が、少なくとも部分的にマイクロホン236を露出させるために、第1装置筐体部260に提供される。マイクロホン236は別法として、第1装置筐体部260の中に、あるいはPCB264の上に取り付けられ得る。
【0036】
装置筐体部260、262は他の装置構成要素を露出、あるいは部分的に露出させるために、さらに隙間を含み得る。第1装置筐体部260において、隙間270、272および274は、補助入出力装置を部分的に露出させるために構成される。隙間268は、補助出入力装置228Dを少なくとも部分的に露出させるために、第2装置筐体部262に、同様に配置される。第2装置筐体部262の隙間266は、例えばバッテリーのような電源を収容するために提供され得る。他の隙間もまた、必要に応じて、装置筐体に提供され得る。
【0037】
装置10の他の内部構成要素もまた、PCB264に取り付けられ得る。それら装置構成要素は、さらなる局所非通信機能および近距離通信機能におそらく加えて、少なくともデータおよび音声通信機能性を提供するために、相互に接続される。これら他の内部構成要素は、図10には示されていないけれども、それらのほとんどは、PCB264の裏面、つまり、キーボード14、表示装置16およびスピーカ234が取り付けられている側の反対側に取り付けられたほうが好ましいが、構成要素の中には、表示装置16および/あるいはキーボード14に隣接して、あるいはPCB264の縁の上にあるいは縁に沿って取り付けられ得るものもある。装置10の内部構成要素は、有線接続、PCBトラック、他のタイプのコネクタあるいは接続、あるいはその組み合わせを通して、必要に応じて相互に接続される。
【0038】
第1および第2装置筐体部260、262は、一体結合された場合、PCB264および内部構成要素を収容する手のひらサイズ携帯通信装置筐体10を形成する。隙間235、223、235および237Bは少なくとも部分的に、スピーカ234、表示装置16、キーボード14およびマイクロホン236を、上記のように露出させる。これら構成要素の部分的露出は、ユーザがこれらの構成要素を利用することを可能にするが、同時に構成要素が損傷を受けないように保護する。隙間268、270、272、274は同様に補助入出力装置を露出させ、かつ保護する。構成要素にアクセスする必要性が通常比較的少ない頻度で生じる場合、取り外し可能なカバー要素が、対応する装置筐体隙間のために提供され得る。装置電源の上記の例において、カバー(図示せず)が隙間266のために提供されるほうが好ましい。必要な場合は、電源へのアクセスが可能であるが、バッテリーは、アクセスが必要でない場合は、保護されたままである。
【0039】
携帯通信装置10はまた、キーボードに関連して使用される予測テキストコンピュータプログラムも含み得る。予測テキストソフトウェアは、ユーザのキー打ちの組み合わせから、望まれる入力を特定するために、たとえば例のキーボードのような縮小フォーマットキーボードに役立つ。予測テキストコンピュータプログラムは、一つ以上のキー打ちから完全な一語あるいは句を予測するために、例えば、使われ得る。予測テキストコンピュータプログラムが望まれる語あるいは句をうまく予測しない場合、キー上でふさわしい文字を選択することにより、より遅くではあるが、より正確にふさわしいテキスト入力文字は入力され得る。予測テキストコンピュータプログラムの1例が次の共同所有特許出願に説明されているが、その共同所有特許出願はここにその全体像を参照して組み込まれている:“Customizable Predictive Text Method For Reduced Keyboards”2002年7月23日出願の米国仮特許出願第60/397,680号;“Systems and Methods of Building and Using Custom Word Lists”2003年7月23日出願の国際特許出願第PCT/CA03/01103号、および“Portable Electronic Device With Keyboard”2002年6月10日出願の国際特許出願第PCT/CA02/00862。
【0040】
図1、2、4および10に提示された手のひらサイズ携帯通信装置10は、例えば筐体12、キーボード14および出力装置16のような、同様な特徴を含む。図示される出力装置は表示装置16であり、この表示装置は完全グラフィックLCDであるほうが好ましい。出力装置の他のタイプが、あるいは利用され得る。図11に模式的に示される処理装置18は、筐体12内部に収納され、かつ物理的キーボード14と表示装置16の間に結合される。処理装置18は、ユーザによるキーボード14のキーの操作に応答して、表示装置16の作動および携帯通信装置10の全体的作動を制御する。
【0041】
筐体12は縦に長くされ得るし、あるいは、他の構造の中でもとりわけクラムシェル筐体構造を含めて、他のサイズおよび形状を取り得る。キーボードは、テキスト入力および電話入力の間を切り換えるため、モード選択キー、あるいは他のハードウェアあるいはソフトウェアを含み得る。
【0042】
処理装置18に加えて、携帯通信装置10の他の部分が図11に模式的に示される。これらは、通信サブシステム100、近距離通信サブシステム、他の入出力装置106、108、110および112と共に、キーボード14および表示装置16、記憶装置116、118および様々な他の装置サブシステム120を含む。携帯通信装置10は、音声およびデータ通信能力を有する双方向無線周波数通信装置であるほうが好ましい。加えて、携帯通信装置10はインターネットを介して他のコンピュータシステムと通信する能力を有しているほうが好ましい。
【0043】
処理装置18によって実行されるオペレーティングシステムソフトウェアは、例えば、フラッシュメモリ116のような永続的記憶装置に記憶されるほうが好ましいが、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)あるいは同様な記憶素子のような他のタイプのメモリ装置に記憶され得る。加えて、システムソフトウェア、特定の装置アプリケーション、あるいはその一部が一時的に、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)118などのような揮発性記憶装置に読み込まれ得る。携帯通信装置によって受信された通信信号もまた、RAM118に記憶され得る。
【0044】
処理装置18は、そのオペレーティングシステム機能に加えて、装置10のソフトウェアアプリケーション130A−130Nの実行を可能にする。例えばデータおよび音声通信130Aおよび130Bのような基本的な装置作動を制御する所定のアプリケーションのセットが、製造中に装置10にインストールされ得る。加えて、個人情報管理プログラム(PIM)アプリケーションが、製造中にインストールされ得る。PIMは、たとえばEメール、カレンダー行事、音声メール、予約およびタスク項目のようなデータ項目を組織し、かつ管理する能力があるほうが好ましい。PIMアプリケーションはまた、無線ネットワーク140を介して、データ項目を送受信できるほうが好ましい。できることなら、PIMデータ項目は、ホストコンピュータシステムに記憶されているか、あるいは結びついている装置のユーザの対応するデータ項目と共に、無線ネットワーク140を介して、シームレスに統合され、同期させられ、かつ更新されるほうが好ましい。このようなステップを達成するためのシステムと方法の1例は“System And Method
For Pushing Information From A Host System To A Mobile Device Having A Shared Electronic Address,”米国特許第6,219,694号に開示され、この特許は本出願の譲受人によって所有されかつここに参照により組み込まれている。
【0045】
データおよび音声通信を含む通信機能は、通信サブシステム100を通して、かつおそらく近距離通信サブシステムを通して実行される。通信サブシステム100は、受信機150、送信機152および一つ以上のアンテナ154、156を含む。加えて、通信サブシステム100はまた、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)158のような処理モジュールおよび局部発振機(LO)160を含む。通信サブシステム100の特定デザインおよびインプリメンテーションは、携帯通信装置10がその中で作動するように意図されている通信ネットワークに依存する。例えば、携帯通信装置10は、MobitexTM,Data TACTMあるいは汎用パケット無線システム(GPRS)移動データ通信ネットワークと共に作動するようにデザインされ、かつ、たとえばAMPS,TDMA,CDMA,PCS,GSMその他のような様々な音声通信ネットワークのいずれとも共に作動するようにもデザインされている通信サブシステム100を含む。分離および統合の両方を含んで、データおよび音声ネットワークの他のタイプもまた、携帯通信装置10と共に利用され得る。
【0046】
ネットワークアクセスの必要条件は、通信システムのタイプによって変化する。例えば、MobitexおよびDataTACネットワークにおいては、携帯装置は、装置それぞれと結びついている一意の個人識別番号すなわちPINを使ってネットワーク上で登録される。しかしながら、GPRSネットワークにおいては、ネットワークアクセスは装置の加入者あるいはユーザと結びついている。したがって、GPRS装置は、GPRSネットワーク上で作動するためには、SIMカードと普通称される加入者識別モジュールを必要とする。
【0047】
所望のネットワーク登録または起動手順が完了した場合、携帯通信装置10は、通信ネットワーク140で通信信号を送受信し得る。アンテナ154によって通信ネットワーク140から受信した信号は、受信機150へ発送され、この受信機150は信号増幅、周波数下方変換、フィルタリング、選局その他を提供し、かつアナログからデジタルへの変換も提供し得る。受信された信号のアナログからデジタルへの変換は、DSP158が、例えば復調および復号のようなもっと複雑な通信機能を実行することを可能にする。同様に、ネットワーク140に送信される信号はDSP158によって処理され(例えば、変調されたり、コード化されたり)かつ、次にはデジタルからアナログへの変換、周波数上方変換、フィルタリング、増幅のために、およびアンテナ156を介しての通信ネットワーク140(あるいは複数のネットワーク)への送信のために送信機152へ提供される。
【0048】
通信信号を処理することに加えて、DSP158は受信機150および送信機152の制御を提供する。例えば、受信機150および送信機152の通信信号へ適用される利得は、DSP158でインプリメントされる自動利得制御アルゴリズムを通して適応制御され得る。
【0049】
データ通信モードにおいて、たとえばテキストメッセージあるいはウェッブページダウンロードのような受信された信号は通信サブシステム100によって処理され、かつ処理装置18に入力される。受信された信号は、次に、表示装置16への、あるいは別法として何らかの他の補助入出力装置106への出力のために、処理装置18によってさらに処理される。装置のユーザはまた、キーボード14および/あるいは、例えばタッチパッド、ロッカースイッチ、サムホイールなどの何らかの他の補助入出力装置106、あるいは何らかの他の入力装置のタイプを使用して、例えばEメールメッセージのようなデータ項目を構成し得る。構成されたデータ項目は次に、通信サブシステム100を介して、通信ネットワーク140で送信され得る。
【0050】
音声通信モードにおいて、装置の全般的な作動は、受信された信号はスピーカ110へ出力され、送信のための信号はマイクロホン112によって生成されるという点を除いて、データ通信モードとほぼ同様である。例えば、音声メッセージ録音サブシステムのような別の音声あるいは音響入出力サブシステムもまた、装置10でインプリメントされ得る。加えて、表示装置16はまた、発呼者の身元、音声電話の継続時間あるいは他の音声電話関連の情報を、例えば表示するために音声通信モードにおいて利用され得る。
【0051】
近距離通信サブシステムは、携帯通信装置10と他の近接したシステムあるいは装置との間の通信を可能にするが、それら装置は必ずしも同様の装置である必要はない。例えば、近距離通信サブシステムは、同様に可能にされたシステムおよび装置との通信を提供するため、赤外線装置および関連回路および構成要素、あるいはBluetoothTM 通信モジュールを含み得る。
【0052】
一定サイズのキーボード14のキー配列10の人間工学を改善するための方法もまた提供されている。上記方法は、複数の縦列と複数の横列に配列された複数のキーを提供することを含む。複数の縦列は、第1縦列24、最終縦列26および一つ以上の中央縦列28を含む。上記方法はまた、中央縦列28のキーのためのキーサイズを、少なくとも一つの第1サイズを有するように規定すること、かつ第1および最終縦列24、26のキーのためのキーサイズを、対応する第1サイズより小さい第2サイズを有するように規定することを含む。第1サイズはキーの幅W、キーの高さHあるいはキーの何らかの他の寸法であり得る。
【0053】
もう一つの実施形態において、携帯通信装置10のためのキー配列20をデザインする方法が提供されている。キー配列20は、複数の縦列を含む格子状に配列された複数のキーを含む。縦列は一つ以上の中央縦列28を含む。中央縦列28の両側には外側縦列がある。外側縦列は第1および最終縦列24、26である。方法の第1ステップは携帯通信装置10の面22の幅を測ることである。面22の幅は、キーボード14が装置10に配置される領域であるほうが好ましい。この幅は次に、キーボード14の一部を形成するキーの縦列総数で割られる。縦列総数で割った幅は予備的なキー幅を提供する。予備的キー幅は、すべてのキーが同じ幅を有している場合、それぞれの縦列におけるキーのおよその幅である。
【0054】
上記方法の次のステップは、外側縦列のキー幅を決定するために、予備的キー幅から所定の量を差し引くことに関わる。上記量は、格子状のキーの外側縦列におけるキー幅の減少量に対応する。次に、予備的キー幅は、予備的中央キー幅合計を決定するために、中央縦列数で乗ぜられる。予備的中央キー幅合計は、中央キー幅最終合計を決定するために、上記量に2を乗じた量に加えられる。次に、中央キー幅最終合計は、中央縦列のキーのための最終キー幅を決定するために、中央縦列数で割られる。
【0055】
上記方法はまた、キーに覆われていない装置10の面22の幅のいかなる部分をも考慮に入れるステップを含み得る。この量は、幅が縦列総数で割られる前に、面22の幅から差し引かれ得る。
【0056】
請求項に係る発明の様々な特徴が以上提示されているが、この特徴は単独であるいはそのいかなる組み合わせででも使用し得るということを理解されたい。したがって、請求項に係る発明はここに説明された特定の実施形態のみに限定されない。
【0057】
さらに、変形例および変容例が、請求項に係る発明が関係する当業者に思い浮かび得るということを理解されたい。ここに説明された実施形態は、請求項に係る発明の典型的な例である。本開示によって、当業者は、本特許請求の範囲に列挙された本発明の要素に同様に対応する代替要素を有する実施形態を作成し、かつ使用することができ得る。本発明の意図する範囲はこのように、本特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならないか、あるいは実質的には異ならない他の実施形態を含み得る。本発明の範囲は、以上に従って、添付された特許請求の範囲に述べられた通りに規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載のキー配列。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−187563(P2009−187563A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83685(P2009−83685)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【分割の表示】特願2007−522889(P2007−522889)の分割
【原出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】