ギヤボックス
本発明は、第一の並進運動を第二の並進運動へ変換させるためのギヤボックスに関し、ギヤボックスは、並進駆動手段(11)に連結可能な駆動カラー(13)を含んでなり、そして駆動手段(11)のグラウンディング(12)に対して回転を阻止し、駆動スリーブ(14)は、回転可能に、少なくとも、部分的に駆動カラー(13)の内側に配置され、そして、第一のねじ(15)により、駆動カラー(13)に係合され、そして並進運動が阻止され、ここで、プランジャ(8)は、少なくとも部分的に、駆動スリーブ(14)内に配置され、第二のねじ(16)により駆動スリーブ(14)に係合され、そして回転を阻止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の並進運動を第二の並進運動に転換するためのギヤボックスに関し、特に、液体薬剤の用量を送達するための自動注射器への適用に関する。
【背景技術】
【0002】
注射を適用することは、使用者や医療専門家にとって、精神的及び肉体的に多くのリスク及び挑戦を与えるプロセスである。
【0003】
注射デバイス(即ち、投薬容器から薬剤を送達することができるデバイス)は、一般的に、二つのカテゴリ−手動デバイス及び自動デバイス−に分けられる。
【0004】
手動デバイスにおいて、使用者は、針を通して流体を駆動させる機械的エネルギを提供しなければならない。これは、一般的に、注射中、使用者が継続的に押す必要のある、ある種の形体のボタン/プランジャにより行われる。この方法から使用者にとっては多くの不利益がある。使用者がボタン/プランジャを押すことを止めた場合、その後、また、注射は停止するであろう。これは、使用者がデバイスを適切に使用しなかった場合(即ち、プランジャがその末端位置まで完全に押されない場合)、過少用量を送達するかもしれないことを意味する。注射力(injection force)は、使用者にとって、特に患者が年長者であり、又は器用さに問題を抱えている場合、大き過ぎるかもしれない。
【0005】
ボタン/プランジャの伸長部が大きすぎるかもしれない。それ故、完全に伸びたボタンに到達することは、使用者にとって不都合であるかもしれない。注射力とボタンの伸びの組み合わせは、挿入された針が動くにつれて、次々に不愉快さを増加させる手の震え/振動を起こすことができる。
【0006】
自動注射器デバイスは、患者にとって容易な注射治療の自己投与を行うことを目的とする。自己投与注射を用いて送達される現行の治療は、糖尿病用(インスリン及び新しいGLP−1クラスの薬剤の両方)、片頭痛、ホルモン療法、抗凝血剤などの薬剤を含む。
【0007】
自動注射器は、標準的なシリンジから非経口的薬剤送達に関連する活動を完全に、又は部分的に代替するデバイスである。これらの活動は、保護シリンジキャップの取り外し、患者の皮膚内への針の挿入、薬剤の注射、針の除去、針の遮蔽、及びデバイスの再使用の阻止を含み得る。これは手動デバイスの多くの不利益に打勝つものである。使用者/ボタンの伸びに要求される力、手の震え、及び不完全な用量を送達する可能性は低下する。トリガリング(triggering)は、多くの手段で、例えば、トリガボタン又はその注射深さに到達する針の作用により実施され得る。ある種のデバイスにおいて、流体を送達するためのエネルギは、スプリングで提供される。
【0008】
自動注射器は、薬剤の一用量を送達するためにのみ使用され得て、そして、使用後、廃棄しなければならない使い捨て又は単回使用のデバイスであってもよい。他タイプの自動注射器は再使用可能であり得る。通常は、それらは、使用者が標準シリンジに積載し、及び積載を解除することを可能とするよう配置される。シリンジは、薬剤を使い切り、自動注射器からの積載を解除された後、廃棄されるが、再使用可能の自動注射器は、複数回の非経口薬剤送達を実施するために使用し得る。シリンジは、追加の機能性を提供するための追加の部品で包装されてもよい。
【0009】
特許文献1は、張力ばねが解除されるとき、流体薬剤の事前に測定された量を自動的に注射する自動注射デバイスを開示している。張力ばねが、アンプル及び注射針を、それが解除されたとき、貯蔵位置から配置位置へ動かす。アンプルの内容物は、その後、アンプルの内側にピストンを前進させる張力ばねにより放出される。流動薬剤が注射された後、張力ばねに保存されていたエネルギは解放され、そして注射り針は自動的にその元の貯蔵位置まで後退する。
【0010】
特許文献2は、反対方向に切られた内部ねじ山を備えた第一の部材及び第二の部材、並びに、第一及び第二の部材上に提供されるねじ山に対して補完的である外部ねじ山を経由して、第一及び第二の部材に対して係合し、及び軸方向に変位可能な中間部材を含む線形アクチュエータを開示する。線形アクチュエータは、更に、中間部材を横切って伸びるシース(sheath)を含み、シースは、第一及び第二の部材に対して、回転不可能であるが、縦方向に、摺動可能に配置される。線形アクチュエータは、また、回転不可能であるが、縦方向に、摺動可能に中間部材内に配置される駆動ロッドを含む。そのような線形アクチュエータを備えた薬物送達デバイスは、また、開示される。
【0011】
自動注射器がスプリングで駆動されるとき、スプリング力は、普通は、運動の初期で最も高くなる。スプリングの伸びが上昇すると、スプリング力は減衰する。これは、注射サイクルにおいて、用量送達の変動をもたらすかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US第2002/0095120号A1
【特許文献2】WO第03/062672号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、並進運動駆動手段から希望の出力及び出力走行距離に利用可能な力を適合させるための手段を提供することである。
【0014】
本目的は請求項1に記載のギヤボックスにより達成される。
【0015】
本発明の好ましい実施態様は、従属項において与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によると、ギヤボックスは第一の並進運動を第二の並進運動へ変換させるのに役立つ。ギヤボックスは、並進駆動手段に連結可能な駆動カラーを含み、駆動カラーは、駆動手段のグラウンド(ground)に対して回転が阻止され、それは、ハウジング又はシャーシ又はそれに固定されたグラウンディング部材(grounding member)であり得る。駆動スリーブは、少なくとも部分的に駆動カラーの内側で回転可能に配置され、第一のねじで駆動カラーと係合し、そしてグラウンドに対して並進運動が阻止される。プランジャは、少なくとも部分的に駆動スリーブの内側に配置され、第二のねじにより駆動スリーブと係合し、そして回転を阻止される。プランジャは第二の並進運動を出力する構成部材である。
【0017】
ギヤボックスは改良することができ、即ち、第一の並進運動に対して第二の並進運動の距離と力を両方低下させ、及び増幅させることができる。
【0018】
駆動手段として圧縮スプリングで自動注射器に適用したとき、ギヤボックスは、シリンジに、又はシリンジのストッパに伝達されるスプリング力の量を改変するために使用できる。
【0019】
それ故、スプリング力は、自動注射器内で構成部材により経験した衝撃荷重を低下させるために、スプリング力が最も高いとき、注射サイクルの初めに弱くなるかもしれない。ガラスシリンジに直接適用したとき、衝撃によりガラスが破壊するリスクは、著しく低下する。更にその上、高い衝撃荷重に関連した使用者の不愉快さも低下する。自動注射器の投与特性は、例えば、患者が感じる苦痛の量を低下させることに関する利点を提供すると想定される迅速な針挿入を提供するために変化し得る。更にその上、伝達された力を適用することにより、用量はより確実に送達され得て、そして注射サイクルに要求される時間の再現性は改善する。さもなければ、サイクル時間が同タイプで異なった自動注射器の間において高度に変更可能である場合、使用者は、注射を送達するとき、混乱し、エラーを犯すかもしれない。駆動手段からの利用可能な力は、デバイスの特別な操作のために改善してもよく、例えば、針の後退をトリガするためのラッチ機構の操作などの操作サイクルにおける工程は大きい力を必要とするかもしれない、そこでギヤボックスが必要な力を送達するために適合される(tailored)。特に、駆動手段として使用される圧縮スプリングに関しては、スプリング力は、スプリングの伸びの増大により減衰する。ギヤボックスはその減衰を相殺するように適合され得る。これは上限の用量負荷の実施と初期スプリング負荷の最小化の間の妥協を取り除くために使用し得る。用量送達の流速は一定に保つ方がよい。
【0020】
本発明によると、第一のねじ及び第二のねじは、ライクハンディッド(like-handed)であり、即ち、両方右回り、又は左回りである。
【0021】
別の実施態様において、駆動スリーブは、プランジャと係合した内部ねじを有してもよく、そして駆動カラーは、駆動スリーブと係合した内部ねじを有してもよい。
【0022】
第二の並進運動(出力)力、及び第一の並進運動(入力)に対する走行の改善は、好ましくは、第一のねじ、及び/又は、第二のねじの個々のねじの長さに対するピッチ角を変更することによりにより達成される。
【0023】
第一のねじ及び/又は第二のねじは、一方の係合構成部材におけるカムトラック、及び他方の係合構成部材におけるボール又は従動子を含んでもよい。個々の構成部材におけるポケットに保持されたボールは、従動子又はペグ(peg)と比較してその低摩擦であることが好ましい。ねじは、また、従動子又はボールの個々の数に対して荷重を分配するために、複数の平行カムトラック、即ち、多条ねじを有し、それ故、各従動子又はボールに対する個別の点荷重は低下し、それにより、機構の安定性及び並進運動の円滑さを改良する。
【0024】
ギヤボックスは、液体薬剤の用量を投与するために自動注射器に適用してもよい。自動注射器は、遠位端、及び注射サイト、例えば、使用者の皮膚に対して適用する意図を持ったオリフィスを備えた近位端を有する。
【0025】
本明細書の文脈において、用語「近位」は、注射中、患者に向かう方向を参照し、一方、用語「遠位」は、患者から離れた反対方向を参照する。自動注射器の近位及び遠位部分を参照するとき、その個々の遠位及び近位端は、注射中、各々の方向を指す端部である。
【0026】
自動注射器は、更に:
−中空針を備えたシリンジ、及びシリンジをシールし、薬剤を投与するためのストッパを含むように配置された細長いハウジング、ここでシリンジはハウジングに対して摺動可能に配置され;
−駆動時に;
−後退位置からオリフィスを通して、近位端を過ぎて前進位置へ針を押すこと;及び
−薬剤の用量を供給するためにシリンジを操作すること;
が可能な駆動手段;
−手動操作の前に圧縮状態において駆動手段を固定するように配置され、注射のために駆動手段を解除する、手動操作が可能な起動手段;
を含む。
【0027】
ギヤボックスは、圧縮スプリング力を注射の要求特性に適合させるために、駆動手段とシリンジ又はストッパの間に配置される。
【0028】
自動注射器の駆動手段は、好ましくは、ハウジングに固定されたグラウンディング部材の遠位端に基礎を置いた圧縮スプリングとして配置され、ここで、圧縮スプリングの近位端は、駆動カラーに重みがかかる。
【0029】
中間構成部材は、ストッパへの荷重を避け、その結果、注射漏れ(wet injection)、即ち、針が注射サイト内へ完全に挿入される前に、針の先端からの薬剤の漏れを避ける間、初めに、シリンジ及び針を前進させるために、プランジャの並進運動をシリンジに伝達するように配置され得る。中間構成部材は、更にその上、針が事前に規定された注射深さに到達したとき、シリンジから係合を解除されるように配置される。同時に、並進運動は、用量を注射するために、ストッパに結合される。
【0030】
好ましい実施態様において、シュラウドは、少なくとも、部分的にハウジングの内側に配置される。シュラウドは、少なくとも、針が露出可能である後退位置と針がシュラウドで被覆される前進位置の間で縦軸方向に摺動可能であってもよい。シュラウドは、起動手段の手動操作の前に後退位置においてロックされるように配置される。一度駆動手段が解除されると、シュラウドはロックを解除され、そして、シリンジスプリングの荷重の下で、自動的に前進位置に向かって動いてもよい。この自動的な動きは、針を隠し、そして使用者が自分自身を損傷することを防ぐために、自動注射器が、注射過程中、又は注射が完結した後、注射サイトから取り外されるとき発生するであろう。使用者が、注射サイクル中、注射サイトに対して押された状態で自動注射器を維持する限り、シュラウドは後退位置に留まるであろう。
【0031】
シュラウドは、遠位位置から、遠位方向で、シュラウドで配置されてもよい少なくとも一つの曲げエレメントの付勢に対してわずかな距離だけロック解除位置へ摺動可能であり得る。更にその上、インターロッキング手段は、シュラウドがロック解除位置にあるとき、起動手段のみを操作することを可能にするように配置されてもよく、ここで、他の方法で、インターロッキング手段は、起動手段を操作されることを阻止するように配置される。それ故、皮膚インターロッキング機能は、自動注射器が使用者により注射を起動することを可能となる前に、注射サイトに対して適切に位置することを確実にするために提供される。
【0032】
普通は、中空針は、針を滅菌状態に維持し、それを機械的損傷から防ぐために、保護ニードルシールドを備えて装備される。保護ニードルシールドは、シリンジ又は自動注射器が組立てられるとき、針に取り付けられる。
【0033】
用量を送達するために自動注射器を準備するために、保護ニードルシールドは、針から取り外さなければならない。
【0034】
一つの実施態様において、保護ニードルシールドは、その前進位置において針と一緒に、オリフィスを通してシュラウドの近位端を超えて部分的に突出する形で針に取り付け可能であり、それは自動注射器の「出荷状態」(“as shipped” state)であってもよい。シリンジのキャリヤは、シリンジ、シュラウドに対して摺動可能なシリンジホルダを保持するためにシュラウドの内側に配置されてもよい。シリンジホルダは、相対的軸方向運動を阻止するために、シュラウドに対してそれを固定するため、少なくとも一つの弾力スナップを含んでもよい。スナップは、保護ニードルシールドが、シュラウドとの係合を維持するために、針に取り付けられるとき、保護ニードルシールドにより内側から支持可能に配置され得る。スナップは、保護ニードルシールドの除去のため、自動的に係合を解除する方法で、内側から支持なしでシュラウドからの係合を解除するために内側に付勢される。一度スナップが係合を解除されると、シリンジスプリングは、シリンジキャリヤ、シリンジ、及びシュラウドの内側に隠蔽された針と一緒に被覆された位置内へ後退させる。出荷中の状態においては、自動注射器は、針が隠蔽される保護ニードルシールドに基づき安全な針である。シリンジ、及び保護ニードルシールドの除去時に直ちに後退する針を備えて、自動注射器は、針が取り付けられても、安全な針を維持する。
【0035】
尚、本発明の別の実施態様において、多数の歯は、駆動スリーブの外面上に円周状に配置される。シュラウドの部分は、シュラウドの部分がその前進位置にあるとき、駆動スリーブの回転を阻止するために歯との係合用の内歯スプラインを有する。スプライン結合された部分と近位的に隣接するシュラウドの別の部分は、駆動スリーブの回転を可能とするように配置される。この機能は、完全な用量送達の前に、自動注射器を注射サイトから取り外したとき、用量の送達を直ちに停止することを可能にする。これは、自動注射器を注射サイトから取り除いた後、シリンジから継続した薬剤の投与を避ける。
【0036】
少なくとも一つの弾力性のラッチは、シュラウドがその前進位置に並進運動するときハウジングの個々の凹部と係合するために、シュラウド上に配置され得る。それ故、シュラウドが注射サイクルの終了後、再度遠位方向に押すことができないので、注射後の針の安全性は改良する。両方の場合、自動注射器が、注射中、又は完全な用量を送達した後で、注射サイトから取り外されるとき、針は覆われ、安全な針となる。
【0037】
起動手段又はトリガボタンをシュラウドと一緒にインターロックするために、少なくとも一つのスナップアームは、駆動手段の膨張を防ぐために、グラウンディング部材上のショルダを超えて係合可能となるような方法で、駆動カラーにおいて遠位的に配置され得る。スナップアームは、トリガボタンの個々の弾力的な伸長部により外側に押すことにより、ショルダから係合を解除可能であり得る。弾力的な伸長部は、トリガボタンを近位方向に押すことにより、外側に曲げるように配置してもよく、それにより、弾力的な伸長部を外側に力を加えるグラウンディング部材の先細り面に沿って弾力的な伸長部を動かす。シュラウドがその後退位置にあるとき、シュラウドは、少なくとも一つの弾力的な伸長部を外側に曲げることを阻止するように配置され得る。少なくとも一つの遠位の凹部は、個々の弾力的伸長部をシュラウドがその解除位置にあるとき、凹部又は開口部を通して外側に曲げられることを可能にするため、シュラウドに配置されてもよい。
【0038】
シリンジスプリングは、シュラウドにおける内部ショルダに対して、及びシリンジキャリヤの後部フランジに対して重みがかかるように配置され得る。
【0039】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、好ましくは、少なくとも一つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン又はオリゴヌクレオチド、若しくは上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの処置、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は、予防のための、少なくとも一つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも一つのヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0040】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0041】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0042】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0043】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0044】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0045】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0046】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0047】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩、及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基;場合により置換されるC2〜C6アルケニル基;場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩の別の例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0048】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の適用性の更なる範囲は、以下に与えられた詳細な記載から明白にあるであろう。しかし、詳細な記載及び具体的実例は、それは本発明の好ましい実施態様を指示するものであるが、図面のみ用いて与えられることは当然である。何故ならば、本発明の精神及び範囲内にある様々な変更及び改変は、この詳細な記述より当業者には明白になるであろう。
【0050】
本発明は、以下に与えられた詳細な記述、及び図のみを用いて与えられるが、それは本発明を制限するものではない添付図面からより完全に理解され、ここで:
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1A〜図1Cは、出荷状態における力制御を備えた自動注射器の二つの断面における縦方向の部分である。
【図2】保護ニードルシールドの取り外し中の自動注射器である。
【図3】保護ニードルシールドの除去に続くシュラウドからのラッチを解除するシリンジキャリヤを備えた自動注射器である。
【図4】図4A及び図4Bは、ラッチを解除後、シュラウド内に後退するシリンジキャリヤ、シリンジ及び針を備えた自動注射器である。
【図5】図5A及び図5Bは、注射サイト対してシュラウドを押すことによりインターロックの非活性化の間の自動注射器である。
【図6】図6A及び図6Bは、注射サイト内へ針を挿入中の自動注射器である。
【図7】図7A〜図7Cは、注射過程中、注射サイトから取り外し中の自動注射器である。
【図8】図8A及び図8Bは、注射の終了近くの自動注射器である。
【図9】注射を完了した後、注射サイトから引き出された自動注射器であり、ここで、シュラウドは針を覆うために伸びる。
【図10】ハウジング内へロックするシュラウドを備えた自動注射器である。
【図11】摩擦カラーで力を制御する自動注射器の詳細な別の実施態様の側面図である。
【図12】図12A〜図12Cは、詳細な図11の三つの横断面図である。
【図13】詳細な図11の縦断面図である。
【0052】
全ての図において、対応部分は、同一の参照記号で記される。
【0053】
図1は出荷状態における力を制御した自動注射器1の二つの断面における縦方向の部分を示す。自動注射器1は、細長いハウジング2、ハウジング2の内側に配置され、ハウジング2に対して縦方向に摺動可能である本質的に管状のシュラウド3を含む。シュラウドの遠位部分3.1は、ハウジング2内に嵌合するために選択された外径を有する。遠位部分3.1は、本質的に、遠位端Dへ全ハウジング2を通して伸びる。遠位部分3.1の最大部分は、自動注射器1の他部分を、相対的回転を阻止するために、ハウジング内に係合することを可能にするために、管形状よりむしろ二つの縦方向の伸長部より成る。これは、あるいは、縦スロットを備えた管状遠位部分3.1により実施できる。シュラウド3の近位部分3.2は、シリンジキャリヤ4を摺動可能に収納するため、遠位部分3.1と比較して小さい直径を有する。シリンジキャリヤ4は、シリンジ5を保持し、そしてそのフィンガフランジ5.1に対して応力を避けるために、それをその近位端で支持する。中空の注射針6は、シリンジ5の近位端で取り付けられる。ストッパ7は、シリンジ5の遠位端をシールするために役立つ。シリンジ5に貯蔵された液体薬剤Mは、プランジャ8を用いて近位方向Pにストッパ7を押すことにより、針6を通して移動し得る。出荷状態において、シリンジ5及びシリンジキャリヤ4は、所定の位置で固定され、その結果、プランジャ8とストッパ7の間にクリアランスを提供する。針6は自動注射器1の近位端Pを超えて突出するが、針突き刺し損傷は、出荷状態において針6に取り付けられる保護ニードルシールド9により避けられる。シリンジキャリヤ4は、シュラウド3におけるショルダ3.3に対して、及びシリンジキャリヤ4におけるリアフランジ4.1に対して荷重のかかるシリンジスプリング10を用いて、シュラウド3に対して遠位方向Dに付勢される。ショルダ3.3は、遠位部分3.1及び近位部分3.2の間で定義される。リアフランジ4.1は、シリンジキャリヤ4の遠位端で配置される。駆動スプリング11は、シュラウド3の内側の自動注射器1の遠位端Dの近くに配置される。駆動スプリング11は、好ましくは、圧縮スプリングとして配置される。駆動スプリング11の遠位端は、ハウジング2に、又はハウジング2に固定されたグラウンディング材料12にグラウンディングされる。駆動スプリング11の近位端は、駆動スプリング11の内側に配置され、ハウジング2内のスプライン2.4で回転方向に固定されるが、縦方向に並進運動が可能である駆動カラー13に重みがかかる。駆動カラー13の内側に、プランジャ8の周囲に、順番に配置された駆動スリーブ14が配置される。駆動スリーブ14は回転が自由であり、そしてグラウンディング部材12に遠位方向に重みがかかり、そして第二のバルクヘッド2.2に対して、近位方向に重みがかかることにより軸方向に固定される。プランジャ8は回転方向が固定され、軸方向に自由である。駆動カラー13は、第一のねじ15により駆動スリーブ14に係合される。駆動スリーブ14は、第二のねじ16によりプランジャ8と係合する。それ故、駆動カラー13が、駆動スプリング11により近位方向Pに押されたとき、プランジャ8の軸方向の運動を発生させる駆動スリーブ14は回転を引き起こす。第一のねじ15及び第二のねじ16は、ライクハンディッドである。二つのねじ15、16のピッチを変更することにより、駆動カラー13とプランジャ8の並進運動比は変化し、その結果、伝達力は増幅されるか、又は低下する。
【0054】
ねじ15、16は、カムトラック及び従動子又はボールベアリングを含んでもよい。
【0055】
シリンジの内容物を検査するためのスプリング視界窓17は、シュラウド3の近位部分3.2において提供される。
【0056】
ハウジングキャップ18及びトリガボタン19は、自動注射器1の遠位端Dで配置される。
【0057】
図1における出荷状態において、駆動カラー13上の駆動スプリング11の予備荷重は、グラウンディング部材12におけるショルダ12.1の後部に係合される駆動カラー13の遠位スナップアーム13.1を通して静的に分解される。シリンジキャリヤ4は、ハウジング2で提供される第一のバルクヘッド2.1に重みがかかるリアフランジ4.1により近位方向Pに動くことを阻止される。シュラウド3のハウジング2への引き出しは、近位側からハウジング2の第一のバルクヘッド2.1に対して作用するシュラウド3上の曲げエレメント3.4により抵抗を受ける(詳細は図1C参照)。近位方向Pにおけるシュラウド3の伸びは、駆動カラー13に接触する内側の突起3.5により阻止される。シリンジキャリヤ4は少なくとも二つのスナップ4.2により固定される。
【0058】
保護ニードルシールド9は、シリンジキャリヤ4にインターロックされる。この目的のために、シリンジキャリヤ4は、シリンジ5の近位端を支持するシリンジキャリヤ4の部分を超えて近位的に伸びる一対の弾力スナップ4.2を有する。出荷状態において、これらのスナップ4.2は、シュラウド3の近位部分3.2において提供される対応する凹部内にスナップ結合され、それ故、シュラウド3とシリンジキャリヤ4間の相対的な軸方向の並進運動を阻止する。スナップ4.2は、内側に曲げず、そして保護ニードルシールド9による凹部からの係合を解除することを避ける。保護ニードルシールド9は、オリフィスを通してシュラウド3の近位端を超えて突出する。
【0059】
自動注射器1を取り付けるために、保護ニードルシールド9の突出部分は、使用者により握られ、そしてシリンジ5及び近位方向Pにおける針6を剥す(図2参照)。一度、保護ニードルシールド9が除去されると、スナップ4.2は、最早、内側に支持されず、そして凹部3.6からの係合が解除される(図3参照)。好ましくは、スナップ4.2は、支持されないとき、内側に緩和するため、付勢される。別の実施態様において、スナップ4.2及びシュラウド3は、スナップ4.2を内側に動かすために、角度の付いた嵌合面を有し、その結果、スナップ4.2が内側に支持されないとき、シリンジスプリング10からの力の元で凹部3.6からの係合を解除する。この場合、スナップ4.2は、内側に付勢する必要がない。
【0060】
ここでシュラウド3からラッチを解除し、シリンジキャリヤ4は、シリンジ5及び針6と一緒に、シリンジスプリング10の荷重に基づき、遠位方向Dで並進運動する(図4参照)。その結果、針6はシュラウド3の内側に隠蔽され、使用者が偶発的な針突き刺し損傷から保護される。
【0061】
次の操作段階において、使用者は、自動注射器1の近位端Pを注射サイト、例えば、患者の皮膚に置く。注射サイトに接触するとき、シュラウド3は、押し下げられ、そして曲げエレメント3.4の荷重に対してハウジング2(図5参照)内へ遠位方向Dにおいてわずかな距離を並進運動する。シュラウド3が並進運動すると、トリガボタン19は、固定から解除される。
【0062】
トリガボタン19は、グラウンディング部材12に面する多くの弾力的伸長部19.1を含む。グラウンディング部材12は、トリガボタン19に面する先細り面12.1を有する。弾力的伸長部19.1は、駆動カラー13のスナップアーム13.1内に少なくとも部分的に配置される。トリガボタン19が近位方向Pに押されるとき、弾力的伸長部19.1は、先細り面12.2に接触し、そして離れて広がる。結果的に、弾力スナップアーム13.1は、また、離れて広がり、そしてグラウンディング部材12のショルダ12.1から係合が解除される。それ故、駆動カラー13は、最早、軸方向に制限されず、そして駆動スプリング11により近位方向で前方に押される。
【0063】
シュラウド3が押し下げられる前に(図1〜4)、シュラウド3の遠位部分3.1は、トリガボタン19の弾力的伸長部19.1を外側に広げるのを阻止する。シュラウド3が押し下げられると(図5)、それは遠位方向Dにおいて弾力的伸長部19.1が個々の遠位の凹部3.7に合致するそのような伸びへ走行し、その結果、弾力的伸長部19.1を離れて広がることを可能にする(詳細は図5c参照)。同時にシリンジスプリング10は、シュラウド3を押し下げることにより部分的に圧縮される。
【0064】
トリガボタン19が押され、そして駆動カラー13がグラウンディング部材12からラッチを解除されるとき、駆動スプリング11の力が駆動カラー13を近位方向Pで並進運動させる(図6参照)。駆動カラー13の回転が、ハウジング2内のスプライン係合で阻止される。駆動スリーブ14は、第一のねじ15を通した駆動カラー13への係合により回転させられる。プランジャ8は、第二のねじ16を通した駆動スリーブ14への係合によりストッパ7に向かって伸びる。第一のねじ15は、駆動カラー13の内面上のポケットに位置するボールと係合する駆動スリーブ14において外部の右回りのねじを含んでもよい。第二のねじ16は、駆動スリーブ14の内面上のポケットに位置するボールと係合するプランジャ8において外部の右回りねじを含んでもよい。あるいは、両方のねじ15、16は、左回りであってもよい。プランジャ8の回転は、グラウンディング部材12におけるスプライン係合により阻止される。これは、対応する非円形横断面、例えば、四角横断面により達成でき得る。
【0065】
駆動カラー13、第一のねじ15、駆動スリーブ14及び第二のねじ16を含むギヤボックスのギヤ比は、二つのねじ15、16のピッチ角で画成される。駆動スリーブ14のピッチ角がプランジャ8のそれより大きい場合、ギヤ比は1より大きくなるであろう、即ち、ギヤボックスは、距離の乗数(distance multiplier)として作用するであろう。逆に、プランジャ8のピッチ角が駆動スリーブ14のそれより大きいとき、ギヤ比は1より小さくなり、即ちギヤボックスは力の乗数として作用するであろう。
【0066】
別の実施態様において、駆動スリーブ14は、プランジャ8と係合する内部ねじを有してもよく、そして駆動カラー13は、駆動スリーブ14に係合する内部スクリュネジ山を有してもよい。
【0067】
別の実施態様において、駆動スリーブ14は、プランジャ8上の外部ねじと係合してもよく、そして駆動カラー13は、駆動スリーブ14上の外部ねじ山と係合する。この場合、二つのねじは、正しく機能するために、ライクハンディッドであることが要求される。
【0068】
プランジャ8が前方に走行するにつれて、それがストッパ7に合致し、そしてシリンジスプリング10を通して分割されるその上に力をかける。圧縮中のシリンジスプリング10の反作用力は、ストッパ7とシリンジ5の内壁間の摩擦に基づき、及び中空針6を通して投与される液体薬剤Mの静水圧抵抗に基づき、ストッパ7の反作用力より大きくなければならない。シリンジスプリング10が圧縮されると、シリンジキャリヤ4は、近位方向Pにおいて、シリンジ5及び針6と一緒に走行する。それ故、針6は、注射サイト内へ挿入される。注射深さは、第一のベッド停止部2.1に接触するシリンジキャリヤ4のリアフランジ4.1により設定される。
【0069】
リアフランジ4.1が第一のベッド停止部2.1を叩くとき、プランジャ8の力は、ストッパ7を近位方向Pに押し、その結果、液体薬剤Mをシリンジ5から針6を通して、注射サイト内へ投与する。薬剤Mの注射中、ねじ15、16のピッチ角は、ギヤボックスの機械的利点を適用するために変更してもよい。
【0070】
図7A及び7Cは、注射サイクルの過程において、注射サイトから除去中の自動注射器1を示す。これが発生する場合、シュラウド3は、シリンジスプリング10の荷重下で針6を覆うために伸びるであろう。平行して、シュラウド3の遠位部分3.1上での内歯スプライン3.8は、駆動スリーブ14の外面上の歯14.1と係合する。これは、駆動スリーブ14の更なる回転を阻止し、そしてその結果、プランジャ8の広がり、及びシリンジ5の更なる内容物排出を阻止する。図7Bは、注射サイトに対して持続的に押されたシュラウド3と共に注射中の駆動スリーブ14及びシュラウド3を示す。従って、スプライン3.8及び歯14.1は係合せず、そして駆動スリーブ14は、回転を継続する。それに対して、図7Cは、注射サイクル過程における注射サイトから自動注射器1を除去中の駆動スリーブ14及びシュラウド3を示す。シュラウド3は、近位方向Pにおいて、ある程度、歯14.1とスプライン3.8を係合するまで並進運動をおこなう。
【0071】
シュラウド3の前方への伸びが駆動カラー13の位置で制限されても、自動注射器1は、操作サイクルの全ての段階において針の安全性を提供するよう構成される:
図示する通り、1又はそれ以下の転換比の場合、針が注射サイト内に挿入されるにつれて、駆動カラー13はシリンジ5と同期して動く。従って、シュラウド3が完全に伸び、そして針6が駆動カラー13と同期するとき、針6は初めに完全に覆われる場合、針は駆動カラー13及び内側突起3.5により許される距離より、シュラウド3からの大きい距離を突出することができない。転換比が1より大きい場合、注射の全ての段階で針の安全性を確実にするために、デザインは、シュラウド3の近位端から針6を、更に、位置合わせするために改変してもよい。
【0072】
図8において、ストッパ7はシリンジの端部5に到達し、そして用量が完全に送達される。自動注射器1は、これが駆動カラー13、及び/又は、プランジャ8が個々のねじ15,16上の走行端に到達する前に、特に、駆動カラー13のフランジ13.2が駆動スリーブ14のフランジ14.2に接触する前に発生するようなサイズである。用量の目的は、経過時間(例えば、10秒)、シリンジ視界窓17を通した可視的検査、又は、相対運動を伴ったいかなる二つの部品、例えば、ハウジングと駆動スリーブ14間で係合されたラッチェト運動の可聴的検出で使用者に表示され得る。
【0073】
用量が完全に送達されたとき、使用者は自動注射器1を注射サイトから取り除き、その後、針6を引き抜く。自動注射器1が取り除かれると、シュラウド3は、シリンジスプリング10の付勢下で伸びる(図9参照)。
【0074】
シュラウド3が少なくともほとんど完全に伸びている場合、シュラウド3の遠位部分3.1における弾力ラッチ3.9は、ハウジング2に配置された個々の凹部2.3にスナップ結合され、その結果、シュラウド3を遠位方向Dに再度押されることが阻止され、それで、注射後の針の安全性が提供される(図10)。これは、自動注射器1が注射中(図7A)、又は完全用量の送達後(図8)、注射サイトから取り除かれるとき、両方の場合に適用する。
【0075】
注射器キャリヤ4は、シリンジ5の目視検査を可能にするために、シリンジ視界窓17に対応する側面開口部を有する。
【0076】
駆動カラー13、第一のねじ15、駆動スリーブ14、及び第二のねじ16を含んでなる先行図面で示されたギヤボックスは、図11〜13で示された回転摩擦エレメントにより代替され得る。回転摩擦エレメントは、摩擦カラー20を含む。この実施態様において、駆動スプリング11は、プランジャ8と同期する摩擦カラー20を順番に押す駆動カラー13に重みがかかる。事前に決定された回数を、摩擦カラー20は、グラウンディング部材12で提供されるカムトラック12.3とのその係合により、回転させられる。この目的のために、摩擦カラー20は、カム従動子20.1を有する。
【0077】
ギヤボックスにおいて(図1)、駆動カラー13は、回転は固定されるが、軸方向には自由である。一方、摩擦カラー20は、軸方向に自由で、摩擦及びカムトラック12.3により回転が拘束される。プランジャ8は、グラウンディング部材12のシャフトにかみ合う中空の遠位部分8.1及び直径が小さい近位部分8.2を含む。中空遠位部分8.1及びグラウンディング部材12のシャフトの両方の断面は、プランジャ8の回転を阻止するように設計され得る。例えば、プランジャ8は、カムトラック12.3の直線部分に続くカム従動子を有してもよい。摩擦カラー20の回転は、カムトラック12.3により定義される。摩擦カラー20上の荷重は、ストッパ7に力を適用する、回転が固定され、軸方向に自由なプランジャ8に連結される。駆動カラー13及びプランジャ8に向かう摩擦カラー20の嵌合面に作用する駆動スプリング11の圧縮力は、摩擦力を反対方向の回転に導入する。摩擦カラー20が軸方向に並進運動するので、それは、自動注射器1の縦軸とは平行ではないカムトラック12.3のいかなる部分によっても回転させられる。摩擦カラー20は、駆動カラー13の嵌合面とプランジャ8の間の摩擦力が打勝つ場合のみ、回転するであろう。この摩擦力に打勝つためのトルクは、カム従動子20.1、とカム従動子20.1が係合するカムトラック12.3の間の接触力により発生する。接触力は、駆動スプリング11のスプリング力で発生する。スプリング力と接触力の間の結合の程度は、カムトラック12.3の個々の角度で画成される。カムトラックの角度を適切に改変することにより、摩擦力に打勝つために必要とされるスプリング力の量は改変できる。例えば、カム角度を上昇させることは、カムトラック12.3を通して反応すべきスプリング力がより多く必要となり、それによりストッパ7に適用される力は低下する。
【0078】
別の実施態様において、針6がその注射深さに到達するまで、中間構成部材は、初めに、プランジャ8をシリンジキャリヤ4に、又はストッパ7に作用することなく、直接、シリンジ5に連結するために提供されてもよい。プランジャ8は、その後、中間構成部材により、シリンジ5又はシリンジキャリヤ4から係合が解除され、そしてその代りに、シリンジ5から薬剤Mを投与するために、ストッパ7に連結される。その結果、注射漏れが避けられ、即ち、薬剤は、針が挿入される前に、針の先端から漏れ出すことはない。中間の構成部材は、シリンジキャリヤ4における伝達スリーブ又は追加の機能であってもよい。伝達スリーブ及びプランジャ8は初期に連結し、そして共に並進運動するだろう。しかし、シリンジキャリヤ4が、針の挿入中、その走行の終了時に近いとき、伝達スリーブはプランジャからの係合を解除するであろう。この点から前方に向かって、プランジャ8の荷重は、直接、ストッパ7へ伝達されるであろう。この係合解除の配置は、いかなる好適な自動注射配置においても具現化され得る。例えば、伝達スリーブは、幾つかのクリップにより、プランジャに留められる。走行の終了近くで、クリップは、プランジャ8を伝達スリーブから係合を解除するために、プランジャ8を広げ、又は押すためのある場所を見つけることができるであろう。
【0079】
参照番号リスト:
1:自動注射器;
2:ハウジング;
2.1:第一のバルクヘッド;
2.2:第二のバルクヘッド;
2.3:凹部;
2.4:スプライン;
3:シュラウド;
3.1:遠位部分;
3.2:近位部分;
3.3:ショルダ;
3.4:曲げエレメント;
3.5:内側の突起;
3.6:凹部;
3.7:遠位の凹部;
3.8:スプライン;
3.9:ラッチ;
4:シリンジキャリヤ;
4.1:リアフランジ;
4.2:スナップ;
4:シリンジ;
5:シリンジ;
5.1:フィンガフランジ;
6:針;
7:ストッパ;
8:プランジャ;
8.1:遠位部分;
8.2:近位部分;
9:保護ニードルシールド;
10:シリンジスプリング;
11:駆動スプリング;
12:グラウンディング部材;
12.1:ショルダ;
12.2:先細り面;
12.3:カムトラック;
13:駆動カラー;
13.1:スナップアーム;
13.2:フランジ;
14:駆動スリーブ;
14.1:歯;
14.2:フランジ;
15:第一のねじ;
16:第二のねじ;
17:シリンジ視界窓;
18:ハウジングキャップ;
19:トリガボタン;
19.1:弾力的伸長部;
20:摩擦カラー;
20.1:カム従動子;
D:遠位端、遠位方向;
M:薬剤;
P:近位端、近位方向;
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の並進運動を第二の並進運動に転換するためのギヤボックスに関し、特に、液体薬剤の用量を送達するための自動注射器への適用に関する。
【背景技術】
【0002】
注射を適用することは、使用者や医療専門家にとって、精神的及び肉体的に多くのリスク及び挑戦を与えるプロセスである。
【0003】
注射デバイス(即ち、投薬容器から薬剤を送達することができるデバイス)は、一般的に、二つのカテゴリ−手動デバイス及び自動デバイス−に分けられる。
【0004】
手動デバイスにおいて、使用者は、針を通して流体を駆動させる機械的エネルギを提供しなければならない。これは、一般的に、注射中、使用者が継続的に押す必要のある、ある種の形体のボタン/プランジャにより行われる。この方法から使用者にとっては多くの不利益がある。使用者がボタン/プランジャを押すことを止めた場合、その後、また、注射は停止するであろう。これは、使用者がデバイスを適切に使用しなかった場合(即ち、プランジャがその末端位置まで完全に押されない場合)、過少用量を送達するかもしれないことを意味する。注射力(injection force)は、使用者にとって、特に患者が年長者であり、又は器用さに問題を抱えている場合、大き過ぎるかもしれない。
【0005】
ボタン/プランジャの伸長部が大きすぎるかもしれない。それ故、完全に伸びたボタンに到達することは、使用者にとって不都合であるかもしれない。注射力とボタンの伸びの組み合わせは、挿入された針が動くにつれて、次々に不愉快さを増加させる手の震え/振動を起こすことができる。
【0006】
自動注射器デバイスは、患者にとって容易な注射治療の自己投与を行うことを目的とする。自己投与注射を用いて送達される現行の治療は、糖尿病用(インスリン及び新しいGLP−1クラスの薬剤の両方)、片頭痛、ホルモン療法、抗凝血剤などの薬剤を含む。
【0007】
自動注射器は、標準的なシリンジから非経口的薬剤送達に関連する活動を完全に、又は部分的に代替するデバイスである。これらの活動は、保護シリンジキャップの取り外し、患者の皮膚内への針の挿入、薬剤の注射、針の除去、針の遮蔽、及びデバイスの再使用の阻止を含み得る。これは手動デバイスの多くの不利益に打勝つものである。使用者/ボタンの伸びに要求される力、手の震え、及び不完全な用量を送達する可能性は低下する。トリガリング(triggering)は、多くの手段で、例えば、トリガボタン又はその注射深さに到達する針の作用により実施され得る。ある種のデバイスにおいて、流体を送達するためのエネルギは、スプリングで提供される。
【0008】
自動注射器は、薬剤の一用量を送達するためにのみ使用され得て、そして、使用後、廃棄しなければならない使い捨て又は単回使用のデバイスであってもよい。他タイプの自動注射器は再使用可能であり得る。通常は、それらは、使用者が標準シリンジに積載し、及び積載を解除することを可能とするよう配置される。シリンジは、薬剤を使い切り、自動注射器からの積載を解除された後、廃棄されるが、再使用可能の自動注射器は、複数回の非経口薬剤送達を実施するために使用し得る。シリンジは、追加の機能性を提供するための追加の部品で包装されてもよい。
【0009】
特許文献1は、張力ばねが解除されるとき、流体薬剤の事前に測定された量を自動的に注射する自動注射デバイスを開示している。張力ばねが、アンプル及び注射針を、それが解除されたとき、貯蔵位置から配置位置へ動かす。アンプルの内容物は、その後、アンプルの内側にピストンを前進させる張力ばねにより放出される。流動薬剤が注射された後、張力ばねに保存されていたエネルギは解放され、そして注射り針は自動的にその元の貯蔵位置まで後退する。
【0010】
特許文献2は、反対方向に切られた内部ねじ山を備えた第一の部材及び第二の部材、並びに、第一及び第二の部材上に提供されるねじ山に対して補完的である外部ねじ山を経由して、第一及び第二の部材に対して係合し、及び軸方向に変位可能な中間部材を含む線形アクチュエータを開示する。線形アクチュエータは、更に、中間部材を横切って伸びるシース(sheath)を含み、シースは、第一及び第二の部材に対して、回転不可能であるが、縦方向に、摺動可能に配置される。線形アクチュエータは、また、回転不可能であるが、縦方向に、摺動可能に中間部材内に配置される駆動ロッドを含む。そのような線形アクチュエータを備えた薬物送達デバイスは、また、開示される。
【0011】
自動注射器がスプリングで駆動されるとき、スプリング力は、普通は、運動の初期で最も高くなる。スプリングの伸びが上昇すると、スプリング力は減衰する。これは、注射サイクルにおいて、用量送達の変動をもたらすかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US第2002/0095120号A1
【特許文献2】WO第03/062672号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、並進運動駆動手段から希望の出力及び出力走行距離に利用可能な力を適合させるための手段を提供することである。
【0014】
本目的は請求項1に記載のギヤボックスにより達成される。
【0015】
本発明の好ましい実施態様は、従属項において与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によると、ギヤボックスは第一の並進運動を第二の並進運動へ変換させるのに役立つ。ギヤボックスは、並進駆動手段に連結可能な駆動カラーを含み、駆動カラーは、駆動手段のグラウンド(ground)に対して回転が阻止され、それは、ハウジング又はシャーシ又はそれに固定されたグラウンディング部材(grounding member)であり得る。駆動スリーブは、少なくとも部分的に駆動カラーの内側で回転可能に配置され、第一のねじで駆動カラーと係合し、そしてグラウンドに対して並進運動が阻止される。プランジャは、少なくとも部分的に駆動スリーブの内側に配置され、第二のねじにより駆動スリーブと係合し、そして回転を阻止される。プランジャは第二の並進運動を出力する構成部材である。
【0017】
ギヤボックスは改良することができ、即ち、第一の並進運動に対して第二の並進運動の距離と力を両方低下させ、及び増幅させることができる。
【0018】
駆動手段として圧縮スプリングで自動注射器に適用したとき、ギヤボックスは、シリンジに、又はシリンジのストッパに伝達されるスプリング力の量を改変するために使用できる。
【0019】
それ故、スプリング力は、自動注射器内で構成部材により経験した衝撃荷重を低下させるために、スプリング力が最も高いとき、注射サイクルの初めに弱くなるかもしれない。ガラスシリンジに直接適用したとき、衝撃によりガラスが破壊するリスクは、著しく低下する。更にその上、高い衝撃荷重に関連した使用者の不愉快さも低下する。自動注射器の投与特性は、例えば、患者が感じる苦痛の量を低下させることに関する利点を提供すると想定される迅速な針挿入を提供するために変化し得る。更にその上、伝達された力を適用することにより、用量はより確実に送達され得て、そして注射サイクルに要求される時間の再現性は改善する。さもなければ、サイクル時間が同タイプで異なった自動注射器の間において高度に変更可能である場合、使用者は、注射を送達するとき、混乱し、エラーを犯すかもしれない。駆動手段からの利用可能な力は、デバイスの特別な操作のために改善してもよく、例えば、針の後退をトリガするためのラッチ機構の操作などの操作サイクルにおける工程は大きい力を必要とするかもしれない、そこでギヤボックスが必要な力を送達するために適合される(tailored)。特に、駆動手段として使用される圧縮スプリングに関しては、スプリング力は、スプリングの伸びの増大により減衰する。ギヤボックスはその減衰を相殺するように適合され得る。これは上限の用量負荷の実施と初期スプリング負荷の最小化の間の妥協を取り除くために使用し得る。用量送達の流速は一定に保つ方がよい。
【0020】
本発明によると、第一のねじ及び第二のねじは、ライクハンディッド(like-handed)であり、即ち、両方右回り、又は左回りである。
【0021】
別の実施態様において、駆動スリーブは、プランジャと係合した内部ねじを有してもよく、そして駆動カラーは、駆動スリーブと係合した内部ねじを有してもよい。
【0022】
第二の並進運動(出力)力、及び第一の並進運動(入力)に対する走行の改善は、好ましくは、第一のねじ、及び/又は、第二のねじの個々のねじの長さに対するピッチ角を変更することによりにより達成される。
【0023】
第一のねじ及び/又は第二のねじは、一方の係合構成部材におけるカムトラック、及び他方の係合構成部材におけるボール又は従動子を含んでもよい。個々の構成部材におけるポケットに保持されたボールは、従動子又はペグ(peg)と比較してその低摩擦であることが好ましい。ねじは、また、従動子又はボールの個々の数に対して荷重を分配するために、複数の平行カムトラック、即ち、多条ねじを有し、それ故、各従動子又はボールに対する個別の点荷重は低下し、それにより、機構の安定性及び並進運動の円滑さを改良する。
【0024】
ギヤボックスは、液体薬剤の用量を投与するために自動注射器に適用してもよい。自動注射器は、遠位端、及び注射サイト、例えば、使用者の皮膚に対して適用する意図を持ったオリフィスを備えた近位端を有する。
【0025】
本明細書の文脈において、用語「近位」は、注射中、患者に向かう方向を参照し、一方、用語「遠位」は、患者から離れた反対方向を参照する。自動注射器の近位及び遠位部分を参照するとき、その個々の遠位及び近位端は、注射中、各々の方向を指す端部である。
【0026】
自動注射器は、更に:
−中空針を備えたシリンジ、及びシリンジをシールし、薬剤を投与するためのストッパを含むように配置された細長いハウジング、ここでシリンジはハウジングに対して摺動可能に配置され;
−駆動時に;
−後退位置からオリフィスを通して、近位端を過ぎて前進位置へ針を押すこと;及び
−薬剤の用量を供給するためにシリンジを操作すること;
が可能な駆動手段;
−手動操作の前に圧縮状態において駆動手段を固定するように配置され、注射のために駆動手段を解除する、手動操作が可能な起動手段;
を含む。
【0027】
ギヤボックスは、圧縮スプリング力を注射の要求特性に適合させるために、駆動手段とシリンジ又はストッパの間に配置される。
【0028】
自動注射器の駆動手段は、好ましくは、ハウジングに固定されたグラウンディング部材の遠位端に基礎を置いた圧縮スプリングとして配置され、ここで、圧縮スプリングの近位端は、駆動カラーに重みがかかる。
【0029】
中間構成部材は、ストッパへの荷重を避け、その結果、注射漏れ(wet injection)、即ち、針が注射サイト内へ完全に挿入される前に、針の先端からの薬剤の漏れを避ける間、初めに、シリンジ及び針を前進させるために、プランジャの並進運動をシリンジに伝達するように配置され得る。中間構成部材は、更にその上、針が事前に規定された注射深さに到達したとき、シリンジから係合を解除されるように配置される。同時に、並進運動は、用量を注射するために、ストッパに結合される。
【0030】
好ましい実施態様において、シュラウドは、少なくとも、部分的にハウジングの内側に配置される。シュラウドは、少なくとも、針が露出可能である後退位置と針がシュラウドで被覆される前進位置の間で縦軸方向に摺動可能であってもよい。シュラウドは、起動手段の手動操作の前に後退位置においてロックされるように配置される。一度駆動手段が解除されると、シュラウドはロックを解除され、そして、シリンジスプリングの荷重の下で、自動的に前進位置に向かって動いてもよい。この自動的な動きは、針を隠し、そして使用者が自分自身を損傷することを防ぐために、自動注射器が、注射過程中、又は注射が完結した後、注射サイトから取り外されるとき発生するであろう。使用者が、注射サイクル中、注射サイトに対して押された状態で自動注射器を維持する限り、シュラウドは後退位置に留まるであろう。
【0031】
シュラウドは、遠位位置から、遠位方向で、シュラウドで配置されてもよい少なくとも一つの曲げエレメントの付勢に対してわずかな距離だけロック解除位置へ摺動可能であり得る。更にその上、インターロッキング手段は、シュラウドがロック解除位置にあるとき、起動手段のみを操作することを可能にするように配置されてもよく、ここで、他の方法で、インターロッキング手段は、起動手段を操作されることを阻止するように配置される。それ故、皮膚インターロッキング機能は、自動注射器が使用者により注射を起動することを可能となる前に、注射サイトに対して適切に位置することを確実にするために提供される。
【0032】
普通は、中空針は、針を滅菌状態に維持し、それを機械的損傷から防ぐために、保護ニードルシールドを備えて装備される。保護ニードルシールドは、シリンジ又は自動注射器が組立てられるとき、針に取り付けられる。
【0033】
用量を送達するために自動注射器を準備するために、保護ニードルシールドは、針から取り外さなければならない。
【0034】
一つの実施態様において、保護ニードルシールドは、その前進位置において針と一緒に、オリフィスを通してシュラウドの近位端を超えて部分的に突出する形で針に取り付け可能であり、それは自動注射器の「出荷状態」(“as shipped” state)であってもよい。シリンジのキャリヤは、シリンジ、シュラウドに対して摺動可能なシリンジホルダを保持するためにシュラウドの内側に配置されてもよい。シリンジホルダは、相対的軸方向運動を阻止するために、シュラウドに対してそれを固定するため、少なくとも一つの弾力スナップを含んでもよい。スナップは、保護ニードルシールドが、シュラウドとの係合を維持するために、針に取り付けられるとき、保護ニードルシールドにより内側から支持可能に配置され得る。スナップは、保護ニードルシールドの除去のため、自動的に係合を解除する方法で、内側から支持なしでシュラウドからの係合を解除するために内側に付勢される。一度スナップが係合を解除されると、シリンジスプリングは、シリンジキャリヤ、シリンジ、及びシュラウドの内側に隠蔽された針と一緒に被覆された位置内へ後退させる。出荷中の状態においては、自動注射器は、針が隠蔽される保護ニードルシールドに基づき安全な針である。シリンジ、及び保護ニードルシールドの除去時に直ちに後退する針を備えて、自動注射器は、針が取り付けられても、安全な針を維持する。
【0035】
尚、本発明の別の実施態様において、多数の歯は、駆動スリーブの外面上に円周状に配置される。シュラウドの部分は、シュラウドの部分がその前進位置にあるとき、駆動スリーブの回転を阻止するために歯との係合用の内歯スプラインを有する。スプライン結合された部分と近位的に隣接するシュラウドの別の部分は、駆動スリーブの回転を可能とするように配置される。この機能は、完全な用量送達の前に、自動注射器を注射サイトから取り外したとき、用量の送達を直ちに停止することを可能にする。これは、自動注射器を注射サイトから取り除いた後、シリンジから継続した薬剤の投与を避ける。
【0036】
少なくとも一つの弾力性のラッチは、シュラウドがその前進位置に並進運動するときハウジングの個々の凹部と係合するために、シュラウド上に配置され得る。それ故、シュラウドが注射サイクルの終了後、再度遠位方向に押すことができないので、注射後の針の安全性は改良する。両方の場合、自動注射器が、注射中、又は完全な用量を送達した後で、注射サイトから取り外されるとき、針は覆われ、安全な針となる。
【0037】
起動手段又はトリガボタンをシュラウドと一緒にインターロックするために、少なくとも一つのスナップアームは、駆動手段の膨張を防ぐために、グラウンディング部材上のショルダを超えて係合可能となるような方法で、駆動カラーにおいて遠位的に配置され得る。スナップアームは、トリガボタンの個々の弾力的な伸長部により外側に押すことにより、ショルダから係合を解除可能であり得る。弾力的な伸長部は、トリガボタンを近位方向に押すことにより、外側に曲げるように配置してもよく、それにより、弾力的な伸長部を外側に力を加えるグラウンディング部材の先細り面に沿って弾力的な伸長部を動かす。シュラウドがその後退位置にあるとき、シュラウドは、少なくとも一つの弾力的な伸長部を外側に曲げることを阻止するように配置され得る。少なくとも一つの遠位の凹部は、個々の弾力的伸長部をシュラウドがその解除位置にあるとき、凹部又は開口部を通して外側に曲げられることを可能にするため、シュラウドに配置されてもよい。
【0038】
シリンジスプリングは、シュラウドにおける内部ショルダに対して、及びシリンジキャリヤの後部フランジに対して重みがかかるように配置され得る。
【0039】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、好ましくは、少なくとも一つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン又はオリゴヌクレオチド、若しくは上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの処置、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は、予防のための、少なくとも一つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも一つのヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0040】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0041】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0042】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0043】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0044】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0045】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0046】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0047】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩、及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基;場合により置換されるC2〜C6アルケニル基;場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩の別の例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0048】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の適用性の更なる範囲は、以下に与えられた詳細な記載から明白にあるであろう。しかし、詳細な記載及び具体的実例は、それは本発明の好ましい実施態様を指示するものであるが、図面のみ用いて与えられることは当然である。何故ならば、本発明の精神及び範囲内にある様々な変更及び改変は、この詳細な記述より当業者には明白になるであろう。
【0050】
本発明は、以下に与えられた詳細な記述、及び図のみを用いて与えられるが、それは本発明を制限するものではない添付図面からより完全に理解され、ここで:
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1A〜図1Cは、出荷状態における力制御を備えた自動注射器の二つの断面における縦方向の部分である。
【図2】保護ニードルシールドの取り外し中の自動注射器である。
【図3】保護ニードルシールドの除去に続くシュラウドからのラッチを解除するシリンジキャリヤを備えた自動注射器である。
【図4】図4A及び図4Bは、ラッチを解除後、シュラウド内に後退するシリンジキャリヤ、シリンジ及び針を備えた自動注射器である。
【図5】図5A及び図5Bは、注射サイト対してシュラウドを押すことによりインターロックの非活性化の間の自動注射器である。
【図6】図6A及び図6Bは、注射サイト内へ針を挿入中の自動注射器である。
【図7】図7A〜図7Cは、注射過程中、注射サイトから取り外し中の自動注射器である。
【図8】図8A及び図8Bは、注射の終了近くの自動注射器である。
【図9】注射を完了した後、注射サイトから引き出された自動注射器であり、ここで、シュラウドは針を覆うために伸びる。
【図10】ハウジング内へロックするシュラウドを備えた自動注射器である。
【図11】摩擦カラーで力を制御する自動注射器の詳細な別の実施態様の側面図である。
【図12】図12A〜図12Cは、詳細な図11の三つの横断面図である。
【図13】詳細な図11の縦断面図である。
【0052】
全ての図において、対応部分は、同一の参照記号で記される。
【0053】
図1は出荷状態における力を制御した自動注射器1の二つの断面における縦方向の部分を示す。自動注射器1は、細長いハウジング2、ハウジング2の内側に配置され、ハウジング2に対して縦方向に摺動可能である本質的に管状のシュラウド3を含む。シュラウドの遠位部分3.1は、ハウジング2内に嵌合するために選択された外径を有する。遠位部分3.1は、本質的に、遠位端Dへ全ハウジング2を通して伸びる。遠位部分3.1の最大部分は、自動注射器1の他部分を、相対的回転を阻止するために、ハウジング内に係合することを可能にするために、管形状よりむしろ二つの縦方向の伸長部より成る。これは、あるいは、縦スロットを備えた管状遠位部分3.1により実施できる。シュラウド3の近位部分3.2は、シリンジキャリヤ4を摺動可能に収納するため、遠位部分3.1と比較して小さい直径を有する。シリンジキャリヤ4は、シリンジ5を保持し、そしてそのフィンガフランジ5.1に対して応力を避けるために、それをその近位端で支持する。中空の注射針6は、シリンジ5の近位端で取り付けられる。ストッパ7は、シリンジ5の遠位端をシールするために役立つ。シリンジ5に貯蔵された液体薬剤Mは、プランジャ8を用いて近位方向Pにストッパ7を押すことにより、針6を通して移動し得る。出荷状態において、シリンジ5及びシリンジキャリヤ4は、所定の位置で固定され、その結果、プランジャ8とストッパ7の間にクリアランスを提供する。針6は自動注射器1の近位端Pを超えて突出するが、針突き刺し損傷は、出荷状態において針6に取り付けられる保護ニードルシールド9により避けられる。シリンジキャリヤ4は、シュラウド3におけるショルダ3.3に対して、及びシリンジキャリヤ4におけるリアフランジ4.1に対して荷重のかかるシリンジスプリング10を用いて、シュラウド3に対して遠位方向Dに付勢される。ショルダ3.3は、遠位部分3.1及び近位部分3.2の間で定義される。リアフランジ4.1は、シリンジキャリヤ4の遠位端で配置される。駆動スプリング11は、シュラウド3の内側の自動注射器1の遠位端Dの近くに配置される。駆動スプリング11は、好ましくは、圧縮スプリングとして配置される。駆動スプリング11の遠位端は、ハウジング2に、又はハウジング2に固定されたグラウンディング材料12にグラウンディングされる。駆動スプリング11の近位端は、駆動スプリング11の内側に配置され、ハウジング2内のスプライン2.4で回転方向に固定されるが、縦方向に並進運動が可能である駆動カラー13に重みがかかる。駆動カラー13の内側に、プランジャ8の周囲に、順番に配置された駆動スリーブ14が配置される。駆動スリーブ14は回転が自由であり、そしてグラウンディング部材12に遠位方向に重みがかかり、そして第二のバルクヘッド2.2に対して、近位方向に重みがかかることにより軸方向に固定される。プランジャ8は回転方向が固定され、軸方向に自由である。駆動カラー13は、第一のねじ15により駆動スリーブ14に係合される。駆動スリーブ14は、第二のねじ16によりプランジャ8と係合する。それ故、駆動カラー13が、駆動スプリング11により近位方向Pに押されたとき、プランジャ8の軸方向の運動を発生させる駆動スリーブ14は回転を引き起こす。第一のねじ15及び第二のねじ16は、ライクハンディッドである。二つのねじ15、16のピッチを変更することにより、駆動カラー13とプランジャ8の並進運動比は変化し、その結果、伝達力は増幅されるか、又は低下する。
【0054】
ねじ15、16は、カムトラック及び従動子又はボールベアリングを含んでもよい。
【0055】
シリンジの内容物を検査するためのスプリング視界窓17は、シュラウド3の近位部分3.2において提供される。
【0056】
ハウジングキャップ18及びトリガボタン19は、自動注射器1の遠位端Dで配置される。
【0057】
図1における出荷状態において、駆動カラー13上の駆動スプリング11の予備荷重は、グラウンディング部材12におけるショルダ12.1の後部に係合される駆動カラー13の遠位スナップアーム13.1を通して静的に分解される。シリンジキャリヤ4は、ハウジング2で提供される第一のバルクヘッド2.1に重みがかかるリアフランジ4.1により近位方向Pに動くことを阻止される。シュラウド3のハウジング2への引き出しは、近位側からハウジング2の第一のバルクヘッド2.1に対して作用するシュラウド3上の曲げエレメント3.4により抵抗を受ける(詳細は図1C参照)。近位方向Pにおけるシュラウド3の伸びは、駆動カラー13に接触する内側の突起3.5により阻止される。シリンジキャリヤ4は少なくとも二つのスナップ4.2により固定される。
【0058】
保護ニードルシールド9は、シリンジキャリヤ4にインターロックされる。この目的のために、シリンジキャリヤ4は、シリンジ5の近位端を支持するシリンジキャリヤ4の部分を超えて近位的に伸びる一対の弾力スナップ4.2を有する。出荷状態において、これらのスナップ4.2は、シュラウド3の近位部分3.2において提供される対応する凹部内にスナップ結合され、それ故、シュラウド3とシリンジキャリヤ4間の相対的な軸方向の並進運動を阻止する。スナップ4.2は、内側に曲げず、そして保護ニードルシールド9による凹部からの係合を解除することを避ける。保護ニードルシールド9は、オリフィスを通してシュラウド3の近位端を超えて突出する。
【0059】
自動注射器1を取り付けるために、保護ニードルシールド9の突出部分は、使用者により握られ、そしてシリンジ5及び近位方向Pにおける針6を剥す(図2参照)。一度、保護ニードルシールド9が除去されると、スナップ4.2は、最早、内側に支持されず、そして凹部3.6からの係合が解除される(図3参照)。好ましくは、スナップ4.2は、支持されないとき、内側に緩和するため、付勢される。別の実施態様において、スナップ4.2及びシュラウド3は、スナップ4.2を内側に動かすために、角度の付いた嵌合面を有し、その結果、スナップ4.2が内側に支持されないとき、シリンジスプリング10からの力の元で凹部3.6からの係合を解除する。この場合、スナップ4.2は、内側に付勢する必要がない。
【0060】
ここでシュラウド3からラッチを解除し、シリンジキャリヤ4は、シリンジ5及び針6と一緒に、シリンジスプリング10の荷重に基づき、遠位方向Dで並進運動する(図4参照)。その結果、針6はシュラウド3の内側に隠蔽され、使用者が偶発的な針突き刺し損傷から保護される。
【0061】
次の操作段階において、使用者は、自動注射器1の近位端Pを注射サイト、例えば、患者の皮膚に置く。注射サイトに接触するとき、シュラウド3は、押し下げられ、そして曲げエレメント3.4の荷重に対してハウジング2(図5参照)内へ遠位方向Dにおいてわずかな距離を並進運動する。シュラウド3が並進運動すると、トリガボタン19は、固定から解除される。
【0062】
トリガボタン19は、グラウンディング部材12に面する多くの弾力的伸長部19.1を含む。グラウンディング部材12は、トリガボタン19に面する先細り面12.1を有する。弾力的伸長部19.1は、駆動カラー13のスナップアーム13.1内に少なくとも部分的に配置される。トリガボタン19が近位方向Pに押されるとき、弾力的伸長部19.1は、先細り面12.2に接触し、そして離れて広がる。結果的に、弾力スナップアーム13.1は、また、離れて広がり、そしてグラウンディング部材12のショルダ12.1から係合が解除される。それ故、駆動カラー13は、最早、軸方向に制限されず、そして駆動スプリング11により近位方向で前方に押される。
【0063】
シュラウド3が押し下げられる前に(図1〜4)、シュラウド3の遠位部分3.1は、トリガボタン19の弾力的伸長部19.1を外側に広げるのを阻止する。シュラウド3が押し下げられると(図5)、それは遠位方向Dにおいて弾力的伸長部19.1が個々の遠位の凹部3.7に合致するそのような伸びへ走行し、その結果、弾力的伸長部19.1を離れて広がることを可能にする(詳細は図5c参照)。同時にシリンジスプリング10は、シュラウド3を押し下げることにより部分的に圧縮される。
【0064】
トリガボタン19が押され、そして駆動カラー13がグラウンディング部材12からラッチを解除されるとき、駆動スプリング11の力が駆動カラー13を近位方向Pで並進運動させる(図6参照)。駆動カラー13の回転が、ハウジング2内のスプライン係合で阻止される。駆動スリーブ14は、第一のねじ15を通した駆動カラー13への係合により回転させられる。プランジャ8は、第二のねじ16を通した駆動スリーブ14への係合によりストッパ7に向かって伸びる。第一のねじ15は、駆動カラー13の内面上のポケットに位置するボールと係合する駆動スリーブ14において外部の右回りのねじを含んでもよい。第二のねじ16は、駆動スリーブ14の内面上のポケットに位置するボールと係合するプランジャ8において外部の右回りねじを含んでもよい。あるいは、両方のねじ15、16は、左回りであってもよい。プランジャ8の回転は、グラウンディング部材12におけるスプライン係合により阻止される。これは、対応する非円形横断面、例えば、四角横断面により達成でき得る。
【0065】
駆動カラー13、第一のねじ15、駆動スリーブ14及び第二のねじ16を含むギヤボックスのギヤ比は、二つのねじ15、16のピッチ角で画成される。駆動スリーブ14のピッチ角がプランジャ8のそれより大きい場合、ギヤ比は1より大きくなるであろう、即ち、ギヤボックスは、距離の乗数(distance multiplier)として作用するであろう。逆に、プランジャ8のピッチ角が駆動スリーブ14のそれより大きいとき、ギヤ比は1より小さくなり、即ちギヤボックスは力の乗数として作用するであろう。
【0066】
別の実施態様において、駆動スリーブ14は、プランジャ8と係合する内部ねじを有してもよく、そして駆動カラー13は、駆動スリーブ14に係合する内部スクリュネジ山を有してもよい。
【0067】
別の実施態様において、駆動スリーブ14は、プランジャ8上の外部ねじと係合してもよく、そして駆動カラー13は、駆動スリーブ14上の外部ねじ山と係合する。この場合、二つのねじは、正しく機能するために、ライクハンディッドであることが要求される。
【0068】
プランジャ8が前方に走行するにつれて、それがストッパ7に合致し、そしてシリンジスプリング10を通して分割されるその上に力をかける。圧縮中のシリンジスプリング10の反作用力は、ストッパ7とシリンジ5の内壁間の摩擦に基づき、及び中空針6を通して投与される液体薬剤Mの静水圧抵抗に基づき、ストッパ7の反作用力より大きくなければならない。シリンジスプリング10が圧縮されると、シリンジキャリヤ4は、近位方向Pにおいて、シリンジ5及び針6と一緒に走行する。それ故、針6は、注射サイト内へ挿入される。注射深さは、第一のベッド停止部2.1に接触するシリンジキャリヤ4のリアフランジ4.1により設定される。
【0069】
リアフランジ4.1が第一のベッド停止部2.1を叩くとき、プランジャ8の力は、ストッパ7を近位方向Pに押し、その結果、液体薬剤Mをシリンジ5から針6を通して、注射サイト内へ投与する。薬剤Mの注射中、ねじ15、16のピッチ角は、ギヤボックスの機械的利点を適用するために変更してもよい。
【0070】
図7A及び7Cは、注射サイクルの過程において、注射サイトから除去中の自動注射器1を示す。これが発生する場合、シュラウド3は、シリンジスプリング10の荷重下で針6を覆うために伸びるであろう。平行して、シュラウド3の遠位部分3.1上での内歯スプライン3.8は、駆動スリーブ14の外面上の歯14.1と係合する。これは、駆動スリーブ14の更なる回転を阻止し、そしてその結果、プランジャ8の広がり、及びシリンジ5の更なる内容物排出を阻止する。図7Bは、注射サイトに対して持続的に押されたシュラウド3と共に注射中の駆動スリーブ14及びシュラウド3を示す。従って、スプライン3.8及び歯14.1は係合せず、そして駆動スリーブ14は、回転を継続する。それに対して、図7Cは、注射サイクル過程における注射サイトから自動注射器1を除去中の駆動スリーブ14及びシュラウド3を示す。シュラウド3は、近位方向Pにおいて、ある程度、歯14.1とスプライン3.8を係合するまで並進運動をおこなう。
【0071】
シュラウド3の前方への伸びが駆動カラー13の位置で制限されても、自動注射器1は、操作サイクルの全ての段階において針の安全性を提供するよう構成される:
図示する通り、1又はそれ以下の転換比の場合、針が注射サイト内に挿入されるにつれて、駆動カラー13はシリンジ5と同期して動く。従って、シュラウド3が完全に伸び、そして針6が駆動カラー13と同期するとき、針6は初めに完全に覆われる場合、針は駆動カラー13及び内側突起3.5により許される距離より、シュラウド3からの大きい距離を突出することができない。転換比が1より大きい場合、注射の全ての段階で針の安全性を確実にするために、デザインは、シュラウド3の近位端から針6を、更に、位置合わせするために改変してもよい。
【0072】
図8において、ストッパ7はシリンジの端部5に到達し、そして用量が完全に送達される。自動注射器1は、これが駆動カラー13、及び/又は、プランジャ8が個々のねじ15,16上の走行端に到達する前に、特に、駆動カラー13のフランジ13.2が駆動スリーブ14のフランジ14.2に接触する前に発生するようなサイズである。用量の目的は、経過時間(例えば、10秒)、シリンジ視界窓17を通した可視的検査、又は、相対運動を伴ったいかなる二つの部品、例えば、ハウジングと駆動スリーブ14間で係合されたラッチェト運動の可聴的検出で使用者に表示され得る。
【0073】
用量が完全に送達されたとき、使用者は自動注射器1を注射サイトから取り除き、その後、針6を引き抜く。自動注射器1が取り除かれると、シュラウド3は、シリンジスプリング10の付勢下で伸びる(図9参照)。
【0074】
シュラウド3が少なくともほとんど完全に伸びている場合、シュラウド3の遠位部分3.1における弾力ラッチ3.9は、ハウジング2に配置された個々の凹部2.3にスナップ結合され、その結果、シュラウド3を遠位方向Dに再度押されることが阻止され、それで、注射後の針の安全性が提供される(図10)。これは、自動注射器1が注射中(図7A)、又は完全用量の送達後(図8)、注射サイトから取り除かれるとき、両方の場合に適用する。
【0075】
注射器キャリヤ4は、シリンジ5の目視検査を可能にするために、シリンジ視界窓17に対応する側面開口部を有する。
【0076】
駆動カラー13、第一のねじ15、駆動スリーブ14、及び第二のねじ16を含んでなる先行図面で示されたギヤボックスは、図11〜13で示された回転摩擦エレメントにより代替され得る。回転摩擦エレメントは、摩擦カラー20を含む。この実施態様において、駆動スプリング11は、プランジャ8と同期する摩擦カラー20を順番に押す駆動カラー13に重みがかかる。事前に決定された回数を、摩擦カラー20は、グラウンディング部材12で提供されるカムトラック12.3とのその係合により、回転させられる。この目的のために、摩擦カラー20は、カム従動子20.1を有する。
【0077】
ギヤボックスにおいて(図1)、駆動カラー13は、回転は固定されるが、軸方向には自由である。一方、摩擦カラー20は、軸方向に自由で、摩擦及びカムトラック12.3により回転が拘束される。プランジャ8は、グラウンディング部材12のシャフトにかみ合う中空の遠位部分8.1及び直径が小さい近位部分8.2を含む。中空遠位部分8.1及びグラウンディング部材12のシャフトの両方の断面は、プランジャ8の回転を阻止するように設計され得る。例えば、プランジャ8は、カムトラック12.3の直線部分に続くカム従動子を有してもよい。摩擦カラー20の回転は、カムトラック12.3により定義される。摩擦カラー20上の荷重は、ストッパ7に力を適用する、回転が固定され、軸方向に自由なプランジャ8に連結される。駆動カラー13及びプランジャ8に向かう摩擦カラー20の嵌合面に作用する駆動スプリング11の圧縮力は、摩擦力を反対方向の回転に導入する。摩擦カラー20が軸方向に並進運動するので、それは、自動注射器1の縦軸とは平行ではないカムトラック12.3のいかなる部分によっても回転させられる。摩擦カラー20は、駆動カラー13の嵌合面とプランジャ8の間の摩擦力が打勝つ場合のみ、回転するであろう。この摩擦力に打勝つためのトルクは、カム従動子20.1、とカム従動子20.1が係合するカムトラック12.3の間の接触力により発生する。接触力は、駆動スプリング11のスプリング力で発生する。スプリング力と接触力の間の結合の程度は、カムトラック12.3の個々の角度で画成される。カムトラックの角度を適切に改変することにより、摩擦力に打勝つために必要とされるスプリング力の量は改変できる。例えば、カム角度を上昇させることは、カムトラック12.3を通して反応すべきスプリング力がより多く必要となり、それによりストッパ7に適用される力は低下する。
【0078】
別の実施態様において、針6がその注射深さに到達するまで、中間構成部材は、初めに、プランジャ8をシリンジキャリヤ4に、又はストッパ7に作用することなく、直接、シリンジ5に連結するために提供されてもよい。プランジャ8は、その後、中間構成部材により、シリンジ5又はシリンジキャリヤ4から係合が解除され、そしてその代りに、シリンジ5から薬剤Mを投与するために、ストッパ7に連結される。その結果、注射漏れが避けられ、即ち、薬剤は、針が挿入される前に、針の先端から漏れ出すことはない。中間の構成部材は、シリンジキャリヤ4における伝達スリーブ又は追加の機能であってもよい。伝達スリーブ及びプランジャ8は初期に連結し、そして共に並進運動するだろう。しかし、シリンジキャリヤ4が、針の挿入中、その走行の終了時に近いとき、伝達スリーブはプランジャからの係合を解除するであろう。この点から前方に向かって、プランジャ8の荷重は、直接、ストッパ7へ伝達されるであろう。この係合解除の配置は、いかなる好適な自動注射配置においても具現化され得る。例えば、伝達スリーブは、幾つかのクリップにより、プランジャに留められる。走行の終了近くで、クリップは、プランジャ8を伝達スリーブから係合を解除するために、プランジャ8を広げ、又は押すためのある場所を見つけることができるであろう。
【0079】
参照番号リスト:
1:自動注射器;
2:ハウジング;
2.1:第一のバルクヘッド;
2.2:第二のバルクヘッド;
2.3:凹部;
2.4:スプライン;
3:シュラウド;
3.1:遠位部分;
3.2:近位部分;
3.3:ショルダ;
3.4:曲げエレメント;
3.5:内側の突起;
3.6:凹部;
3.7:遠位の凹部;
3.8:スプライン;
3.9:ラッチ;
4:シリンジキャリヤ;
4.1:リアフランジ;
4.2:スナップ;
4:シリンジ;
5:シリンジ;
5.1:フィンガフランジ;
6:針;
7:ストッパ;
8:プランジャ;
8.1:遠位部分;
8.2:近位部分;
9:保護ニードルシールド;
10:シリンジスプリング;
11:駆動スプリング;
12:グラウンディング部材;
12.1:ショルダ;
12.2:先細り面;
12.3:カムトラック;
13:駆動カラー;
13.1:スナップアーム;
13.2:フランジ;
14:駆動スリーブ;
14.1:歯;
14.2:フランジ;
15:第一のねじ;
16:第二のねじ;
17:シリンジ視界窓;
18:ハウジングキャップ;
19:トリガボタン;
19.1:弾力的伸長部;
20:摩擦カラー;
20.1:カム従動子;
D:遠位端、遠位方向;
M:薬剤;
P:近位端、近位方向;
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤボックスは、並進駆動手段(11)に連結可能であり、駆動手段(11)のグラウンド(12)に対して回転が阻止される駆動カラー(13)、少なくとも部分的に駆動カラー(13)の内側に回転可能に配置され、駆動カラー(13)を第一のねじ(15)により係合し、そして並進運動を阻止する駆動スリーブ(14)を含んでなり、ここで、プランジャ(8)は、駆動スリーブ(14)の内側に少なくとも部分的に配置され、第二のねじ(16)により駆動スリーブ(14)に係合されて、回転運動が阻止される、第一の並進運動を第二の並進運動に変換するためのギヤボックスであって、第一のねじ(15)及び第二のねじ(16)がライクハンディッドであることを特徴とする、
ギヤボックス。
【請求項2】
第一のねじ(15)及び/又は第二のねじ(16)のピッチ角が、個々のねじ(15、16)の長さにわたって変化することを特徴とする、請求項1に記載のギヤボックス。
【請求項3】
第一のねじ(15)及び/又は第二のねじ(16)が、係合された構成部材(13、14、8)の内の一つにおいて、少なくとも一つのカムトラック、及び係合された構成部材(13、14、8)のもう一つにおける、各々のカムトラック用のボール又は従動子を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載ギヤボックス。
【請求項4】
−中空針(6)、及びシリンジ(5)をシールし、薬剤(M)を移動させるためのストッパ(7)を備えたシリンジ(5)、を含むように配置された細長いハウジング(2)(ここでシリンジ(5)は、ハウジング(2)に対して摺動可能に配置される)
−起動の際、
−後退位置からオリフィス通して、近位端(P)を経過して、前進位置に針(6)を押すこと;及び
−薬剤(M)の用量を供給するためにシリンジ(5)を操作すること;
が可能な駆動手段;
−手動操作の前に圧縮状態で駆動手段(11)をロックするように配置され、そして手動操作の際に、注射のために駆動手段(11)を解除可能な起動手段(19)、
を、含んでなり;
遠位端(P)、及び注射サイトに対して適用することを意図したオリフィスを備えた近位端(D)を有する、
液体薬剤(M)の用量を投与するための自動注射器(1)であって:
請求項1〜3のいずれか1項に記載のギヤボックスが、駆動手段(11)及びシリンジ(5)又はストッパ(7)の間に配置されることを特徴とする、上記自動注射器(1)。
【請求項5】
駆動手段(11)が、ハウジング(2)に固定されたグラウンディング部材(12)の遠位端に基礎を置いた圧縮スプリングとして配置され、駆動手段(11)の近位端が駆動カラー(13)に対して重みがかかることを特徴とする、請求項4に記載の自動注射器(1)。
【請求項6】
中間構成部材は、シリンジ(5)及び針(6)を前進させるため、プランジャ(8)のシリンジ(5)への並進運動を伝達するように配置され、ここで、中間構成部材は、シリンジ(5)から係合を解除され、そして、針(6)が規定された深さに到達したとき、ストッパ(7)に対して並進運動を連結するように配置されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の自動注射器(1)。
【請求項7】
シュラウド(3)がハウジング(2)の内側に少なくとも部分的に配置され、シュラウド(3)は、少なくとも、針(6)が露出可能な後退位置と針(6)がシュラウドで被覆される前進位置の間で縦方向に摺動可能であり、ここで、シュラウド(3)が、起動手段(19)の手動操作の前に、後退位置でロックされるように配置され、そしてここで、シュラウド(3)は、駆動手段(11)が解除されたとき、シリンジスプリング(10)によって前進位置に向かって押されるように配置されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項8】
シュラウド(3)が、遠位方向(D)の後退位置からロック解除位置へ少なくとも一つの曲げエレメント(3.4)の付勢に対して若干の距離だけ摺動可能であり、ここで、インターロッキング手段は、シュラウド(3)がロック解除位置にあるときのみ、起動手段(19)を操作することが可能になるように配置され、ここで、インターロッキング手段は、他の方法で、起動手段(19)が操作されることを阻止するように配置される、
ことを特徴とする、請求項7に記載の自動注射器(1)。
【請求項9】
保護ニードルシールド(9)が、その前進位置において針(6)と一緒にオリフィスを通してシュラウド(3)の近位端を超えて部分的に突出する形で針(6)に取り付け可能であり、ここで、シリンジキャリヤ(4)がシリンジ(5)を保持するためにシュラウド(3)の内側に配置され、シリンジキャリヤ(4)は、シュラウド(3)に対して摺動可能であり、ここで、シリンジキャリヤ(4)は、相対的軸方向運動を阻止するために、シュラウド(3)に対してそれをロックするための少なくとも一つの弾力スナップ(4.2)を含み、ここで、スナップ(4.2)は、シュラウド(3)と係合したまた留めるために、針(6)を取り付けたとき、保護ニードルシールド(9)により、内側から支持可能になるように配置され、そしてここで、スナップ(4.2)は、保護ニードルシールド(9)の除去した際に、自動的に係合が解除される形で、内側からの支持なしで、シュラウド(3)から係合を解除するように内側に付勢され、その結果、シリンジ(5)及び針(6)をシリンジスプリング(10)の荷重下で後退位置に後退させることを可能とすることを特徴とする、請求項7又は8に記載の自動注射器(1)。
【請求項10】
歯(14.1)が駆動スリーブ(14)の外面上に円周状に配置され、 ここで、シュラウド(3)のセクションは、シュラウド(3)がその前進位置にあるとき、駆動スリーブ(14)の回転を阻止するために、歯(14.1)と係合するための内歯スプライン(3.8)を有し;ここで、スプライン連結されたセクションと近位的に隣接するシュラウド(3)の別のセクションは、駆動スリーブ(14)の回転を可能とするように配置されることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項11】
少なくとも一つの弾力ラッチ(3.9)は、シュラウド(3)がその前進位置に並進運動するとき、ハウジング(2)のそれぞれの凹部(2.3)に係合するようにシュラウド(3)に配置されることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項12】
少なくとも一つのスナップアーム(13.1)が、駆動手段(11)の膨張を阻止するために、グラウンディング部材(12)上でショルダ(12.1)の後部で係合可能であるような形で、駆動カラー(13)に遠位的に配置され、スナップアーム(13.1)は、トリガボタン(19)の個々の弾力的伸長部(19.1)により、外側に押されることにより、ショルダ(12.1)から係合の解除が可能であり、弾力的伸長部(19.1)は、近位方向(P)においてトリガボタン(19)を押すことにより、外側に曲げられるように配置され、それにより、弾力的伸長部(19.1)をグラウンディング部材(12)の先細り面(12.2)に沿って動かし、ここで、シュラウド(3)は、後退位置において弾力的伸長部(19.1)の少なくとも一つを外側に曲げることを阻止するように配置され、そしてここで、少なくとも一つの遠位の凹部(3.7)は、シュラウド(3)がそのロックされていない位置にあるとき、個々の弾力的伸長部(19.1)が外側に曲げられることを可能にするようにシュラウド(3)に配置されることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項13】
シリンジスプリング(10)が、遠位部分(3.1)と近位部分(3.2)の間で配置されたシュラウド(3)におけるショルダ(3.3)、及びシリンジキャリヤ(4)のリアフランジ(4.1)に重みがかかることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項1】
ギヤボックスは、並進駆動手段(11)に連結可能であり、駆動手段(11)のグラウンド(12)に対して回転が阻止される駆動カラー(13)、少なくとも部分的に駆動カラー(13)の内側に回転可能に配置され、駆動カラー(13)を第一のねじ(15)により係合し、そして並進運動を阻止する駆動スリーブ(14)を含んでなり、ここで、プランジャ(8)は、駆動スリーブ(14)の内側に少なくとも部分的に配置され、第二のねじ(16)により駆動スリーブ(14)に係合されて、回転運動が阻止される、第一の並進運動を第二の並進運動に変換するためのギヤボックスであって、第一のねじ(15)及び第二のねじ(16)がライクハンディッドであることを特徴とする、
ギヤボックス。
【請求項2】
第一のねじ(15)及び/又は第二のねじ(16)のピッチ角が、個々のねじ(15、16)の長さにわたって変化することを特徴とする、請求項1に記載のギヤボックス。
【請求項3】
第一のねじ(15)及び/又は第二のねじ(16)が、係合された構成部材(13、14、8)の内の一つにおいて、少なくとも一つのカムトラック、及び係合された構成部材(13、14、8)のもう一つにおける、各々のカムトラック用のボール又は従動子を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載ギヤボックス。
【請求項4】
−中空針(6)、及びシリンジ(5)をシールし、薬剤(M)を移動させるためのストッパ(7)を備えたシリンジ(5)、を含むように配置された細長いハウジング(2)(ここでシリンジ(5)は、ハウジング(2)に対して摺動可能に配置される)
−起動の際、
−後退位置からオリフィス通して、近位端(P)を経過して、前進位置に針(6)を押すこと;及び
−薬剤(M)の用量を供給するためにシリンジ(5)を操作すること;
が可能な駆動手段;
−手動操作の前に圧縮状態で駆動手段(11)をロックするように配置され、そして手動操作の際に、注射のために駆動手段(11)を解除可能な起動手段(19)、
を、含んでなり;
遠位端(P)、及び注射サイトに対して適用することを意図したオリフィスを備えた近位端(D)を有する、
液体薬剤(M)の用量を投与するための自動注射器(1)であって:
請求項1〜3のいずれか1項に記載のギヤボックスが、駆動手段(11)及びシリンジ(5)又はストッパ(7)の間に配置されることを特徴とする、上記自動注射器(1)。
【請求項5】
駆動手段(11)が、ハウジング(2)に固定されたグラウンディング部材(12)の遠位端に基礎を置いた圧縮スプリングとして配置され、駆動手段(11)の近位端が駆動カラー(13)に対して重みがかかることを特徴とする、請求項4に記載の自動注射器(1)。
【請求項6】
中間構成部材は、シリンジ(5)及び針(6)を前進させるため、プランジャ(8)のシリンジ(5)への並進運動を伝達するように配置され、ここで、中間構成部材は、シリンジ(5)から係合を解除され、そして、針(6)が規定された深さに到達したとき、ストッパ(7)に対して並進運動を連結するように配置されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の自動注射器(1)。
【請求項7】
シュラウド(3)がハウジング(2)の内側に少なくとも部分的に配置され、シュラウド(3)は、少なくとも、針(6)が露出可能な後退位置と針(6)がシュラウドで被覆される前進位置の間で縦方向に摺動可能であり、ここで、シュラウド(3)が、起動手段(19)の手動操作の前に、後退位置でロックされるように配置され、そしてここで、シュラウド(3)は、駆動手段(11)が解除されたとき、シリンジスプリング(10)によって前進位置に向かって押されるように配置されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項8】
シュラウド(3)が、遠位方向(D)の後退位置からロック解除位置へ少なくとも一つの曲げエレメント(3.4)の付勢に対して若干の距離だけ摺動可能であり、ここで、インターロッキング手段は、シュラウド(3)がロック解除位置にあるときのみ、起動手段(19)を操作することが可能になるように配置され、ここで、インターロッキング手段は、他の方法で、起動手段(19)が操作されることを阻止するように配置される、
ことを特徴とする、請求項7に記載の自動注射器(1)。
【請求項9】
保護ニードルシールド(9)が、その前進位置において針(6)と一緒にオリフィスを通してシュラウド(3)の近位端を超えて部分的に突出する形で針(6)に取り付け可能であり、ここで、シリンジキャリヤ(4)がシリンジ(5)を保持するためにシュラウド(3)の内側に配置され、シリンジキャリヤ(4)は、シュラウド(3)に対して摺動可能であり、ここで、シリンジキャリヤ(4)は、相対的軸方向運動を阻止するために、シュラウド(3)に対してそれをロックするための少なくとも一つの弾力スナップ(4.2)を含み、ここで、スナップ(4.2)は、シュラウド(3)と係合したまた留めるために、針(6)を取り付けたとき、保護ニードルシールド(9)により、内側から支持可能になるように配置され、そしてここで、スナップ(4.2)は、保護ニードルシールド(9)の除去した際に、自動的に係合が解除される形で、内側からの支持なしで、シュラウド(3)から係合を解除するように内側に付勢され、その結果、シリンジ(5)及び針(6)をシリンジスプリング(10)の荷重下で後退位置に後退させることを可能とすることを特徴とする、請求項7又は8に記載の自動注射器(1)。
【請求項10】
歯(14.1)が駆動スリーブ(14)の外面上に円周状に配置され、 ここで、シュラウド(3)のセクションは、シュラウド(3)がその前進位置にあるとき、駆動スリーブ(14)の回転を阻止するために、歯(14.1)と係合するための内歯スプライン(3.8)を有し;ここで、スプライン連結されたセクションと近位的に隣接するシュラウド(3)の別のセクションは、駆動スリーブ(14)の回転を可能とするように配置されることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項11】
少なくとも一つの弾力ラッチ(3.9)は、シュラウド(3)がその前進位置に並進運動するとき、ハウジング(2)のそれぞれの凹部(2.3)に係合するようにシュラウド(3)に配置されることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項12】
少なくとも一つのスナップアーム(13.1)が、駆動手段(11)の膨張を阻止するために、グラウンディング部材(12)上でショルダ(12.1)の後部で係合可能であるような形で、駆動カラー(13)に遠位的に配置され、スナップアーム(13.1)は、トリガボタン(19)の個々の弾力的伸長部(19.1)により、外側に押されることにより、ショルダ(12.1)から係合の解除が可能であり、弾力的伸長部(19.1)は、近位方向(P)においてトリガボタン(19)を押すことにより、外側に曲げられるように配置され、それにより、弾力的伸長部(19.1)をグラウンディング部材(12)の先細り面(12.2)に沿って動かし、ここで、シュラウド(3)は、後退位置において弾力的伸長部(19.1)の少なくとも一つを外側に曲げることを阻止するように配置され、そしてここで、少なくとも一つの遠位の凹部(3.7)は、シュラウド(3)がそのロックされていない位置にあるとき、個々の弾力的伸長部(19.1)が外側に曲げられることを可能にするようにシュラウド(3)に配置されることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【請求項13】
シリンジスプリング(10)が、遠位部分(3.1)と近位部分(3.2)の間で配置されたシュラウド(3)におけるショルダ(3.3)、及びシリンジキャリヤ(4)のリアフランジ(4.1)に重みがかかることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の自動注射器(1)。
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【公表番号】特表2013−520618(P2013−520618A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553305(P2012−553305)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052303
【国際公開番号】WO2011/101381
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052303
【国際公開番号】WO2011/101381
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】
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