説明

クォーターウエザストリップ

【課題】生産性が高く、取付が容易で、寸歩のバラツキを吸収することができるクォーターウエザストリップを得る。
【解決手段】クォーターウエザストリップ20は、環状に形成され、断面形状は、中央部に基部21を形成する。基部の内周側に、クォーター部材6の外周が挿入され、保持するクォーター部材保持溝28と、クォーター部材の車外側側面を保持する車外側側壁24と、クォーター部材の車内側側面を保持する車内側側壁25とを形成する。クォーターウエザストリップの底辺部20cの基部の外周側には、クォーターウエザストリップを保持するドアフレームのパネル9に当接する支持脚部22、23を車輌の前後方向に複数個形成し、支持脚部は、所定の幅を有して、車輌の前後方向に対し直角方向に開口した中空部22b、23bが形成されたことを特徴とするクォーターウエザストリップである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアフレームと、ドアフレームの上辺部の下面とドアパネルとの間に接続されたパーティションサッシュと、ドアのベルトラインとで形成された空間に固定されるクォーター部材の外周を保持し、シールするクォーターウエザストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車ドアは図5に示すように、ドア1のベルトラインの上部にドアフレーム2が形成され、リヤドア1bにおいては、ドアフレーム2の上辺部におけるリヤ側に寄った部位の下面から下方にパーティションサッシュ3が延設されている。そして、リヤドア1bのパーティションサッシュ3のリヤ側の部分には固定して装着されるクォータードアガラス6が装着され、パーティションサッシュ3のフロント側にはドアガラス5が昇降自在に装着されている。
【0003】
そして、図6に示すように、クォータードアガラス6とドアフレーム2及びパーティションサッシュ3との間には、クォーターウエザストリップ120が装着されてその間をシールしている。また、ドアガラス5とドアフレーム2及びパーティションサッシュ3との間には、ガラスラン110が装着されてその間をシールしている。
【0004】
クォーターウエザストリップ120は、図6に示すように、クォータードアガラス6の外周を全周に亘り取り囲んで取付けられている。クォーターウエザストリップ120の底辺部分、即ち、ドアパネルのベルトラインに取付けられる部分の断面図を図7に示す。図7は、図6のA−A線に沿った断面図である。
【0005】
クォーターウエザストリップ120の底辺部分では、車外側側壁124と車内側側壁125でクォータードアガラス6を挟持して、ガラス保持溝128でクォータードアガラス6を保持している。クォータードアガラス6とクォーターウエザストリップ120の重量を支えるために、支持脚部122が下方に延設されエクステンションパネル9に当接している。
【0006】
しかしながら、クォータードアガラス6とクォーターウエザストリップ120との寸法のバラツキにより、クォータードアガラス6の下端とエクステンションパネル9との間の寸法がばらつくが、この寸法が小さくなる場合には、図7の矢印Bの方向に力が加わるために、上部では矢印Cの方向に力が加わる。そうすると、クォーターウエザストリップ120が反時計方向に回転し、車外側側壁124とクォータードアガラス6の間に隙間が生じたり、ガーニッシュ50やインナーウエザストリップとの間に隙間が生じたりすることとなり、シール性が低下する。
【0007】
そのため、図8に示すように、クォーターウエザストリップ220の回転を防止するため、ドアアウターパネル8に取付けたクリップ260を、支持脚部222に当接させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この場合には、クリップ260を別部材として製造する必要があり、取付にも手間がかかり、コストアップの要因となっている。
【0008】
また、図9に示すように、ドアアウターパネル8とドアインナーパネル7の先端によりクォーターウエザストリップ320を挟持して、クォータードアガラス6を保持するものがある(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この場合には、ドアアウターパネル8とドアインナーパネル7の先端部分の寸法のバラツキを極めて小さくする必要があり、実用性に乏しかった。
【0009】
そこで、図7に示すように、支持脚部122を点線で示すような先端が互いにハ字形に開いて形成された支持脚部123、123にすることも考えられるが、型成形において、アンダーカット部が生じてスライド型を必要とするため、生産性がよくなかった。
【特許文献1】特開平7−81400号公報
【特許文献2】実開平6−71229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このため、生産性が高く、取付が容易で、寸歩のバラツキを吸収することができるクォーターウエザストリップが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、ドアフレームと、ドアフレームの上辺部の下面とドアパネルとの間に接続されたパーティションサッシュと、ドアのベルトラインで形成された空間に固定されるクォーター部材の外周を保持し、シールするクォーターウエザストリップにおいて、
クォーターウエザストリップは、クォーター部材の外周に勘合されるように環状に形成され、クォーターウエザストリップの断面形状は、中央部に基部を形成し、基部の内周側に、クォーター部材の外周が挿入され、保持するクォーター部材保持溝と、クォーター部材の車外側側面を保持する車外側側壁と、クォーター部材の車内側側面を保持する車内側側壁とを形成し、クォーターウエザストリップの底辺部の基部の外周側には、クォーターウエザストリップを保持するドアフレームのパネルに当接する支持脚部を車輌の前後方向に複数個形成し、支持脚部は、所定の幅を有して、車輌の前後方向に対し直角方向に開口した中空部が形成されたことを特徴とするクォーターウエザストリップである。
【0012】
請求項1の本発明では、クォーターウエザストリップは、クォーター部材の外周に勘合されるように環状に形成されたため、クォーター部材の外周全周を完全に包むことができ、環状のため、クォーター部材に勘合されると、その弾性により締め付けるように保持されて、クォーター部材から外れにくくなる。
【0013】
クォーターウエザストリップの断面形状は、中央部に基部を形成し、基部の内周側に、クォーター部材の外周が挿入され、保持するクォーター部材保持溝と、クォーター部材の車外側側面を保持する車外側側壁と、クォーター部材の車内側側面を保持する車内側側壁とを形成する。このため、クォーター部材保持溝にクォーター部材の外周端部が確実に挿入されて保持されることができる。又、車外側側壁と車内側側壁でクォーター部材の側面をそれぞれ保持するため、クォーター部材とクォーターウエザストリップの間のシール性を確保することができる。
【0014】
クォーターウエザストリップの底辺部の基部の外周側には、クォーターウエザストリップを保持するドアフレームのパネルに当接する支持脚部を形成した。このため、支持脚がドアのベルトライン付近のパネルに当接して、支持脚でクォーター部材とクォーターウエザストリップの重量を保持することができる。
【0015】
クォーターウエザストリップを保持するドアフレームのパネルに当接する支持脚部を車輌の前後方向に複数個形成したため、クォーターウエザストリップの底辺部が長手方向に寸法がばらついても、支持脚部が車両の前後方向のばらつきを吸収し、安定して保持することができる。また、支持脚部が底辺部と同様に幅を有する。
【0016】
このため、クォーターウエザストリップが倒れることがなく、クォーター部材と、車外側側壁及び車内側側壁の間に隙間が生じることがなく、シール性を確保することができる。
また、支持脚部が所定の幅を有して形成されているため、安定性が大きく、クォーターウエザストリップの傾きを防止することができる。
【0017】
支持脚部は、車輌の前後方向に対し直角方向に開口した中空部が形成されたため、支持脚部がドアのベルトライン付近のパネルに当接するときに、クォーター部材とクォーターウエザストリップのそれぞれの寸法がばらついても、中空形状を有する支持脚部が自由に撓むことができ、そのバラツキを吸収して、クォーター部材を保持することができる。
また、クォーターウエザストリップを型成形する金型において、支持脚部の成形部分のアンダーカット部分がなくなり、スライド型を使用する必要がなく、製造速度が速く、金型コストも低くすることができる。
【0018】
請求項2の本発明は、支持脚部の車輌の前後方向の断面形状は、円弧状又は曲線状であるクォーターウエザストリップである。
【0019】
請求項2の本発明は、支持脚部の車輌の前後方向の断面形状は、円弧状又は曲線状であるため、支持脚部がドアパネルに当接したときに、弾力性を持って、撓むことができ、クォーターウエザストリップの底辺部を保持することができ、クォーターウエザストリップが倒れることをバランスよく防止できる。
【0020】
請求項3の本発明は、クォーター部材は、クォータードアガラスであるクォーターウエザストリップである。
【0021】
請求項3の本発明では、クォーター部材は、クォータードアガラスであるため、自動車のフロントドアやリヤドアにクォーターガラスを設けた場合、その周囲にクォーターウエザストリップを装着し、そのクォーターウエザストリップをドアフレーム、パーティションサッシュとドアパネルの上端に固定するとともに、クォータードアガラスの外周をシールすることができる。
【0022】
請求項4の本発明は、クォーターウエザストリップは、全体が一体に型成形で形成されたクォーターウエザストリップである。
【0023】
請求項4の本発明では、クォーターウエザストリップは、全体が一体に型成形で形成されたため、直線部とコーナー部の境界には段差や色差や境界線が無く、シール性に優れており、型成形のみでクォーターウエザストリップ全体を成形することができ、効率的に製造することができる。
【0024】
請求項5の本発明は、車外側側壁と車内側側壁の外面には、それぞれドアのドアアウターパネル及びドアインナーパネルに当接する車外側保持リップと車内側保持リップが形成されたクォーターウエザストリップである。
【0025】
請求項5の本発明では、車外側側壁と車内側側壁の外面には、それぞれドアのドアアウターパネル及びドアインナーパネルに当接する車外側保持リップと車内側保持リップが形成された。このため、クォーターウエザストリップとドアアウターパネル及びドアインナーパネルの間にシール性を確保することができるとともに、車外側保持リップと車内側保持リップでクォーターウエザストリップがドアパネルに対して傾くことを防止することができる。
【0026】
請求項6の本発明は、クォーターウエザストリップの底辺部は、ドアのベルトライン付近に取付けられ、ベルトラインの車外側にはアウターウエザストリップが取付けられ、車内側にはインナーウエザストリップが取付けられ、クォーター部材は、車外側側面をアウターウエザストリップでシールされ、車内側側面をインナーウエザストリップでシールされたクォーターウエザストリップである。
【0027】
請求項6の本発明では、クォーターウエザストリップの底辺部は、ドアのベルトライン付近に取付けられ、ベルトラインの車外側にはアウターウエザストリップが取付けられ、車内側にはインナーウエザストリップが取付けられ、クォーター部材は、車外側側面をアウターウエザストリップでシールされ、車内側側面をインナーウエザストリップでシールされた。このため、ドアのベルトライン付近では、車外側も車内側もクォーター部材は、クォーターウエザストリップと、アウターウエザストリップ及びインナーウエザストリップにより2重にシールされて、シール性が高い。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上記のように、クォーターウエザストリップの底辺部の基部の外周側には、ドアフレームのクォーターウエザストリップを保持するパネルに当接する支持脚部を形成したため、支持脚がドアのベルトライン付近のパネルに当接して、支持脚でクォーター部材とクォーターウエザストリップの重量を保持することができる。
クォーターウエザストリップを保持するドアフレームのパネルに当接する支持脚部を車輌の前後方向に複数個形成したため、クォーターウエザストリップの底辺部が長手方向に寸法がばらついても、支持脚部が安定して保持することができる。
【0029】
支持脚部は、車輌の前後方向に対し直角方向に開口した中空部が形成されたため、クォーター部材とクォーターウエザストリップのそれぞれの寸法がばらついても、そのバラツキを吸収して、クォーター部材を保持することができるため、クォーターウエザストリップが倒れることがなく、クォーター部材と、車外側側壁及び車内側側壁の間に隙間が生じることがなく、シール性を確保することができる。
また、クォーターウエザストリップを型成形する金型において、支持脚部の成形部分のアンダーカット部分がなくなり、スライド型を使用する必要がなく、製造速度が速く、金型コストも低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態を図1〜図6に基づき説明する。
本発明を自動車のリヤドア1bにはめ込まれるクォータードアガラス6に使用されるクォーターウエザストリップ20を例に取り説明するが、本発明はフロントドア1aに使用されるクォータードアガラスまたは、サイドミラーブラケットに使用されるクォーターウエザストリップについても使用することができる。
【0031】
図5は、は自動車の側面図である。図5に示すように、自動車の側面のドア1であるフロントドア1aとリヤドア1bの両方のベルトラインよりも上部には、ドアガラス5、5が昇降可能に設けられている。
リヤドア1bには、パーティションサッシュ3のフロント側に、上下方向に昇降して、ドア窓を開閉することができるドアガラス5と、パーティションサッシュ3のリヤ側と、ドアフレーム2と、リヤドア1bのドアパネルの上端で形成される三角形の部分に固定されたクォータードアガラス6が設けられている。
【0032】
パーティションサッシュ3は、図6に示すように、ドアフレーム2の上辺部の下面から下方に延出され、リヤドア1bのドアパネル内の部分にまで延出されて装着されている。すなわち、ドアのベルトライン位置よりも上方部分では、外部に露出しており、パーティションサッシュ3の下端は、リヤドア1bのドアパネルのパネル内部に固定され、上端はエンドキャップ4を介してドアフレーム2の車内側側壁と車外側側壁の下面に接続され、ブラケットによりドアフレーム2の上辺部の底壁下面に固定されている。
【0033】
リヤドア1bにおいて、図5に示すように、ドアフレーム2の上辺部と、フロント側の縦辺部及びパーティションサッシュ3のフロント側溝部44には、ガラスランが装着されて、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2およびパーティションサッシュ3との間をシールしている。
【0034】
リヤドア1bのドアガラス5のリヤ側において、図5に示すように、ドアフレーム2の上辺部とパーティションサッシュ3のリヤ側溝部とリヤドア1bのドアパネル上端には、クォーターウエザストリップ20が装着されて、クォータードアガラス6をドアフレーム2の上辺部と、パーティションサッシュ3、リヤドア1bのドアパネルの上端であるベルトラインに固定するとともに、クォーターウエザストリップ20とドアフレーム2、リヤドア1bの上端であるベルトライン及びパーティションサッシュ3との間をシールしている。
【0035】
クォーターウエザストリップ20は図4と図6に示すように、全体として型成形で形成される。即ち、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる上辺部20aと、パーティションサッシュ3に取付けられる縦辺部20bと、リヤドア1bの上端であるベルトラインに取付けられる底辺部20cの直線部と、それぞれを接続するコーナー部から構成される略三角形状に形成されている。
【0036】
クォーターウエザストリップ20の直線部とコーナー部は、合わせて全体として一体に同時に型成形で成形される。
なお、クォーターウエザストリップ20のコーナー部は、ドアフレーム2の上辺部とパーティションサッシュ3とリヤドア1bの上端との間で形成される三角形状のコーナー部の部分に装着されるように、コーナー部の角度等を規定して形成されている。
【0037】
リヤドア1bのドアパネルの上端であるベルトラインに取付けられるクォーターウエザストリップ20の底辺部20c部分の斜視図を図1に示し、図2は、底辺部20cに形成されたフロント側支持脚部22、リヤ側支持脚部23の斜視図である。図3は、図6のA−A線に沿った断面図であり、フロント側支持脚部22を含む部分の断面図である。
【0038】
クォーターウエザストリップ20の上半分は、図3に示すように、基部21に上側に車外側側壁24と、車内側側壁25と、その間にガラス保持溝28が形成された断面略コ字状である。このガラス保持溝28が形成された断面略コ字状の形状は、上辺部20aと縦辺部20bも同様であり、ガラス保持溝28にクォータードアガラス6の外周が挿入されている。
【0039】
基部の上側とは、環状に形成されたクォーターウエザストリップ20の内周側であり、底辺部20cではガラス保持溝28は、基部21の上側に形成されるが、上辺部20aでは、基部21の下側に形成され、縦辺部20bでは、基部21のリヤ側に形成される。このようにして、クォータードアガラス6の外周の全周にガラス保持溝28をはめ込むことができる。
【0040】
上述のように、ガラス保持溝28にクォータードアガラス6の外周が挿入されると、車外側側壁24と車内側側壁25がクォータードアガラス6の側面に密着して、それぞれ保持するため、クォータードアガラス6とクォーターウエザストリップ20の間のシール性を確保することができる。
【0041】
車外側側壁24と車内側側壁25の外面には、それぞれリヤドア1bのドアアウターパネル8及びドアインナーパネル7に当接する車外側保持リップ26と車内側保持リップ27が形成されている。車外側保持リップ26と車内側保持リップ27は、それぞれ、車外側側壁24と車内側側壁25の外面から略直角に延設されている。本実施の形態では、ドアアウターパネル8及びドアインナーパネル7に直接当接するのではなく、ドアアウターパネル8及びドアインナーパネル7にそれぞれ取付けられる後述するアウターウエザストリップ30とインナーウエザストリップ40に当接している。
【0042】
このため、クォーターウエザストリップ20とドアアウターパネル8及びドアインナーパネル7の間のシール性を確保して、ドアアウターパネル8及びドアインナーパネル7との間のシール性を確保することができる。さらに、車外側保持リップ26と車内側保持リップ27によりクォーターウエザストリップ20がドアアウターパネル8とドアインナーパネル7に対して傾くことを防止することができる。
【0043】
次に、クォーターウエザストリップ20の下半分を説明する。
クォーターウエザストリップ20の底辺部20cの外周側、即ち下半分においては、基部21からクォーターウエザストリップ20を保持するためにエクステンションパネル9に当接するフロント側支持脚部22と、リヤ側支持脚部23を車輌の前後方向に2個形成した。支持脚部は3個以上形成することもできる。
【0044】
フロント側支持脚部22と、リヤ側支持脚部23を車輌の前後方向に複数個形成したため、クォーターウエザストリップ10の底辺部20cが長手方向に寸法がばらついても、支持脚部が安定してクォータードアガラス6を保持することができる。
エクステンションパネル9は、図3に示すように、ドアインナーパネル7に接合されて、ドアアウターパネル8との間の隙間を塞ぐように形成されている。
【0045】
フロント側支持脚部22とリヤ側支持脚部23は、形状が同じであり、フロント側支持脚部22を例にとり形状を説明する。
フロント側支持脚部22は、基部21の下面から円弧状に形成され、内部に中空部22bを有している。フロント側支持脚部22の形状は、図2(a)に示すように半円形又は三日月状に形成することも、楕円形の半分の形状にすることもできる。また、図2(b)に示すように、略円形に形成することもできる。半円形にする場合には、フロント側支持脚部22を小さく形成することができる。円形に製造する場合には、円形の中央部分が撓みやすく、柔軟性が大きい。
【0046】
また、フロント側支持脚部22は、所定の幅、例えば、クォーターウエザストリップ10の底辺部20cと同じ幅を有して形成されている。このため、フロント側支持脚部22の安定性が大きく、クォーターウエザストリップ10の傾きを防止することができる。
【0047】
フロント側支持脚部22の中空部22bは、車輌の前後方向に対し直角方向に開口して形成されている。このため、フロント側支持脚部22がリヤドア1bのエクステンションパネル9に当接するときに、クォータードアガラス6とクォーターウエザストリップ10のそれぞれの寸法がばらついても、中空部22bを有するフロント側支持脚部22が中空部22bの内部に撓むことができ、そのバラツキを吸収してクォータードアガラス6を保持することができる。
【0048】
また、クォーターウエザストリップ10を型成形する金型において、クォーターウエザストリップ10のフロント側支持脚部22は、金型の開く方向に中空部22bが開口しており、アンダーカット部分がなくなり、スライド型を使用する必要がなく、製造速度が速く、金型コストも低くすることができる。
【0049】
フロント側支持脚部22とリヤ側支持脚部23が撓んで、クォータードアガラス6とクォーターウエザストリップ10の重量を支えて、寸法のバラツキを吸収する。このため、クォーターウエザストリップ20に対して回転させるような力が働くことがなく、クォーターウエザストリップ20が傾くことがない。そのため、クォーターウエザストリップ20が倒れることがなく、クォータードアガラス6と、車外側側壁24及び車内側側壁25の間に隙間が生じることがなく、シール性を確保することができる。
【0050】
なお、ドアアウターパネル8の先端であるベルトラインには、アウターウエザストリップ30が取付けられている。アウターウエザストリップ30は、断面略U字形のトリム部31と、トリム部31の車内側の先端から斜め上方にシールリップ部32が延設されている。トリム部31は、ドアアウターパネル8の先端が挿入され、アウターウエザストリップ30が保持されている。
【0051】
このため、アウターウエザストリップ30を取り付けると、シールリップ部32がクォータードアガラス6の車外側側面に当接して、クォーターウエザストリップ20の車外側側壁24と合わせて、クォータードアガラス6の車外側側面を2重にシールすることができる。さらに、上述の通り、車外側保持リップ26もトリム部31の車内側側面に当接して、リヤドア1bの上端のシール性を向上させている。
【0052】
また、ドアインナーパネル7の先端であるベルトラインには、インナーウエザストリップ40が取付けられている。インナーウエザストリップ40は、断面略コ字形のトリム部41と、トリム部41の車外側の先端から斜め上方にシールリップ部42が延設されている。トリム部41は、ドアインナーパネル7の先端が挿入され、インナーウエザストリップ40が保持されている。
【0053】
このため、インナーウエザストリップ40を取り付けると、シールリップ部42がクォータードアガラス6の車内側側面に当接して、クォーターウエザストリップ20の車内側側壁25と合わせて、クォータードアガラス6の車内側側面を2重にシールすることができる。さらに、上述の通り、車内側保持リップ27もトリム部41の車外側側面に当接して、リヤドア1bの上端のシール性を向上させている。
【0054】
次に、クォーターウエザストリップ20の製造方法について説明する。
クォーターウエザストリップ20は、全体を金型で一度に型成形する。
成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、オレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。
合成ゴムの場合は、金型に成形材料を注入後に加熱されて、加硫が行われる。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、冷却され固化される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態における、クォーターウエザストリップの底辺部分の車内側から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における、クォーターウエザストリップの支持脚部の斜視図であり、(a)は、円弧状の支持脚部、(b)は円形の支持脚部である。
【図3】本発明の実施の形態における、リヤドアの上端にクォーターウエザストリップの底辺部を取り付けた状態の断面図であり、図4のA−A線に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における、クォーターウエザストリップの全体の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態における、自動車の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態における、自動車のリヤドアのコーナー部の側面図である。
【図7】従来のリヤドアの上端にクォーターウエザストリップの底辺部を取り付けた状態の断面図であり、図6のA−A線に沿った断面図である。
【図8】従来の他のリヤドアの上端にクォーターウエザストリップの底辺部を取り付けた状態の断面図である。
【図9】従来の他のリヤドアの上端にクォーターウエザストリップの底辺部を取り付けた状態の断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ドア
6 クォータードアガラス
9 エクステンションパネル
20 クォーターウエザストリップ
21 基部
22 フロント側支持脚部
23 リヤ側支持脚部
24 車外側側壁
25 車内側側壁
28 ガラス保持溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアフレームと、該ドアフレームの上辺部の下面とドアパネルとの間に接続されたパーティションサッシュと、ドアのベルトラインで形成された空間に固定されるクォーター部材の外周を保持し、シールするクォーターウエザストリップにおいて、
該クォーターウエザストリップは、上記クォーター部材の外周に勘合されるように環状に形成され、上記クォーターウエザストリップの断面形状は、中央部に基部を形成し、該基部の内周側に、上記クォーター部材の外周が挿入され、保持するクォーター部材保持溝と、上記クォーター部材の車外側側面を保持する車外側側壁と、上記クォーター部材の車内側側面を保持する車内側側壁とを形成し、上記クォーターウエザストリップの底辺部の上記基部の外周側には、上記クォーターウエザストリップを保持する上記ドアフレームのパネルに当接する支持脚部を車輌の前後方向に複数個形成し、該支持脚部は、所定の幅を有して、車輌の前後方向に対し直角方向に開口した中空部が形成されたことを特徴とするクォーターウエザストリップ。
【請求項2】
上記支持脚部の車輌の前後方向の断面形状は、円弧状又は曲線状である請求項1に記載のクォーターウエザストリップ。
【請求項3】
上記クォーター部材は、クォータードアガラスである請求項1又は請求項2に記載のクォーターウエザストリップ。
【請求項4】
上記クォーターウエザストリップは、全体が一体に型成形で形成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたクォーターウエザストリップ。
【請求項5】
上記車外側側壁と車内側側壁の外面には、それぞれ上記ドアのドアアウターパネル及びドアインナーパネルに当接する車外側保持リップと車内側保持リップが形成された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたクォーターウエザストリップ。
【請求項6】
上記クォーターウエザストリップの底辺部は、上記ドアのベルトライン付近に取付けられ、該ベルトラインの車外側にはアウターウエザストリップが取付けられ、車内側にはインナーウエザストリップが取付けられ、上記クォーター部材は、車外側側面を上記アウターウエザストリップでシールされ、車内側側面を上記インナーウエザストリップでシールされた請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたクォーターウエザストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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