クラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末
【課題】ハードディスクからリムーバブル記録媒体へコンテンツをバックアップする際にトランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末を提供する。
【解決手段】クラウドトランスコードシステムは、HDD102から読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後にDVDメディア104aに記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末100と、これに接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有し、クラウド処理制御部101は、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、ボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末200の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託する。
【解決手段】クラウドトランスコードシステムは、HDD102から読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後にDVDメディア104aに記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末100と、これに接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有し、クラウド処理制御部101は、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、ボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末200の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスコード処理を複数の装置で分担して行うクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクレコーダにおいては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)内のハードディスクに記録された映像データをDVD(Digital Versatile Disk)に複製する場合、自装置内で映像データのトランスコードを行って映像データのデータ量を低減した後にディスクへの書き込みを行う。
【0003】
トランスコード処理は、自装置内で専用のハードウェア又はCPU(Central Processing Unit)によって行っていたため、処理に多大な時間を要していた。
【0004】
また、一般的にはトランスコードの処理速度は、DVDへの書き込み処理の速度よりも遅いため、トランスコードの処理時間が映像データのディスクへのバックアップのボトルネックとなる場合があった。
【0005】
デジタルコンテンツのトランスコード処理をネットワークに接続された複数の機器を利用して実施する技術は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−295586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示される発明は、自装置においてトランスコード処理を行えない種類のコンテンツに関して、映像と音声とに分割して別々にトランスコード処理を委託するものであり、トランスコード処理の高速化に何ら寄与するものではない。
【0008】
このように、HDDからDVDメディアへコンテンツをバックアップする際に、トランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるシステムは提供されていなかった。
【0009】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、ハードディスクからリムーバブル記録媒体へコンテンツをバックアップする際にトランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有し、情報処理端末は、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速にトランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコードシステムを提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有するシステムにおけるクラウドトランスコード方法であって、情報処理端末が、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速にトランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコード方法を提供するものである。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行し、複数のトランスコード処理受託端末に接続される情報処理端末であって、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速にトランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とする情報処理端末を提供するものである。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第4の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末に接続されるトランスコード処理受託端末であって、情報処理端末から委託されたトランスコード処理を実行する手段と、情報処理端末からの要求に応じて、自装置のトランスコード処理能力を示す情報を情報処理端末に通知する手段とを有することを特徴とするトランスコード処理受託端末を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハードディスクからリムーバブル記録媒体へコンテンツをバックアップする際にトランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を好適に実施した第1の実施形態に係るクラウドトランスコード処理システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられる情報処理端末の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられるトランスコード処理受託端末の構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの動作の流れを示す図である。
【図5】ボトルネック箇所を特定する処理の流れを示す図である。
【図6】負荷テーブルの一例を示す図である。
【図7】1ファイルが複数のクラスタに分割された状態を示す図である。
【図8】トランスコード処理に委託先を決める際の条件の考慮順の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成例を示す図である。
【図10】クラスタに設定された要求仕様の一例を示す図である。
【図11】トランスコード処理に要する時間がHDDからのデータ読み出しに要する時間と同じとなるようにトランスコード処理の委託先を選定する一例を示す図である。
【図12】本発明を好適に実施した第2の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられるトランスコード処理受託端末の構成を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられるトランスコード処理受託端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成を示す。このシステムは、トランスコード処理を委託する側となる情報処理端末100と、トランスコード処理が委託される側となる複数のトランスコード処理受託端末200(200a〜200c)とを有する。ここではトランスコード処理受託端末200を三つ備えた構成のシステムを示しているが、その数は任意である。なお、図示する構成では情報処理端末100とコンストラクタ200とが1以上のルータ300を介して接続されているが、これらはルータ300を介さずに直接接続されていても良い。
【0017】
図2に、情報処理端末100の構成を示す。情報処理端末100は、クラウド処理制御部101、HDD102、トランスコード処理部103、DVDドライブ104及び通信部105を有する。クラウド処理制御部101は、トランスコード処理を自装置内で行うか否かの判断や、トランスコード処理受託端末200へ委託する場合には委託先を選定する処理を行う。HDD102は、トランスコード処理の対象となるデータを格納するハードディスクを備えた記憶装置である。トランスコード処理部103は、対象データに対してトランスコード処理を実行する。トランスコード処理部103は、一般的なコンピュータのCPUでのソフトウェア処理で実現することも、専用のハードウェアを用いて実現することも、これらを組み合わせて実現することも可能である。DVDドライブ104は、トランスコード処理部103から入力されるトランスコード後のデータをDVDメディア104aに記録する。通信部105は、トランスコード処理受託端末200との通信を行うインタフェースである。なお、情報処理端末100は、専用の装置(ハードディスクレコーダ)に限定される訳ではなく、ハードディスクドライブ及びDVDドライブを備えた一般的なコンピュータであっても良い。
【0018】
図3に、トランスコード処理受託端末200の構成を示す。ここで、トランスコード処理受託端末200a〜200cは性能的な差はあるものの機能構成としては同様であるとする。トランスコード処理受託端末200は、クラウド処理制御部201、HDD202、トランスコード処理部203及び通信部204を有する。
クラウド処理制御部201は、情報処理端末100からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報を情報処理端末100へ送信する。HDD202は、情報処理端末100からトランスコード処理を委託された場合に、トランスコード処理の対象となるデータを格納するハードディスクを備えている。また、HDD202のハードディスクにはトランスコード処理が完了した後のデータも格納される。トランスコード処理部203は、対象データに対してトランスコード処理を実行する。トランスコード処理部203は、一般的なコンピュータのCPUでのソフトウェア処理で実現することも、専用のハードウェアを用いて実現することも、これらを組み合わせて実現することも可能である。通信部204は、情報処理端末100との通信を行うインタフェースである。
【0019】
なお、図2、図3は情報処理端末100及びトランスコード処理受託端末200として必要な機能構成を示したものであり、それぞれの機能を兼ね備えた装置を複数個用いてクラウドトランスコードシステムを形成することも可能であることは言うまでもない。換言すると、情報処理端末100とトランスコード処理受託端末200とが同じ構成であることを妨げるものではない。
【0020】
図4に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの動作の流れを示す。なお、各ステップにおける処理の詳細については後段で説明するため、ここでは動作の概略についてのみ説明する。
まず、クラウド処理制御部101は、対象データをHDD102から読み出し、トランスコードしてDVDメディア104aに書き込む一連の処理において、トランスコード処理がボトルネックになるか否かを判断する(ステップS101)。次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200との間の各通信回線の性能についての情報を取得する(ステップS102)。さらに、クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200のトランスコード処理の能力についての情報を取得する(ステップS103)。そして、クラウド処理制御部101は、通信回線の性能についての情報及びトランスコード処理受託端末200のトランスコード処理能力についての情報に基づいて委託先を決定する(ステップS104)。
【0021】
図5に、トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断する際にクラウド処理制御部101が実行するボトルネック箇所を特定する処理の流れを示す。すなわち、図5に示す処理は、図4のステップS101における処理の一部である。
【0022】
HDD102に格納されているデータをDVDメディア104aに複製(以下、バックアップという。)する要求があった場合、クラウド処理制御部101は、HDD102から帯域性能(対象データの読み出し速度)に関する情報を取得する(ステップS1011)。
【0023】
続いて、クラウド処理制御部101は、DVDドライブ104の最大書き込み速度の情報と、挿入されているDVDメディア104aの最大書き込み速度の情報とを取得し、低速である方をDVDメディア104aへの書き込み処理速度と見なす(ステップS1012)。
【0024】
さらに、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理の内容を評価する(ステップS1013)。
具体的には、クラウド処理制御部101は、図6に示すような負荷テーブルを保持しており、これを参照してトランスコード処理部103にかかる負荷を求める。図6におけるテーブルの値は、ある装置(例えば特定のCPU)のトランスコード処理能力を1単位とした相対的な値であるとし、以下の説明ではこの単位をTCP(Trans Code Performance)と表記する。トランスコード処理によってトランスコード処理部103にかかる負荷は、トランスコード割合と処理速度とによって定まる。すなわち、トランスコード処理部103にかかる負荷は、データ量を大きく減らす(トランスコード割合が小さい)ほど、また高速に処理するほど大きくなる。なお、負荷の大きさは処理対象コンテンツの種類にも依存するため、クラウド処理制御部101はコンテンツの種類に応じた複数の負荷テーブルを備えており、コンテンツに適応する負荷テーブルを用いるようになっている。
ここで、トランスコードの処理速度は、対象データの読み出し速度及びDVDメディア104aへの書き込み処理速度のうち低速な方によって規定される。一方、トランスコード割合は、バックアップ開始時に決定される所定値である。
クラウド処理制御部101は、トランスコード処理部103のトランスコード性能(CPUの種類やトランスコード用ハードウェアの処理速度)の情報をトランスコード処理部103から取得し、これと負荷テーブルから求めた負荷の大きさとに基づいて、自装置内でトランスコード処理が可能であるか否かを判断する。
【0025】
なお、情報処理端末100が予約動作機能を備えている場合には、トランスコード処理中に予約動作が開始されるか否かを判断し、トランスコード処理中に予約動作が開始されるのであれば、予約動作を実行してトランスコード処理部103の負荷が増加した場合のトランスコード処理能力でトランスコード処理が可能であるか否かを判断する。
【0026】
対象データの読み出し速度、DVDへの書き込み処理速度及びトランスコード処理の速度のうち、トランスコード処理の速度が最も低速であれば、負荷テーブルにおいてトランスコード処理の内容が示す値はトランスコード処理部103のトランスコード性能を超えていることとなる。これは、HDD102からDVDメディア104aへのバックアップにおいてトランスコード処理がボトルネックとなることを意味する。一方、対象データの読み出し速度又はDVDへの書き込み処理速度のいずれかが最も低速であれば、負荷テーブルにおいてトランスコード処理の内容が示す値はトランスコード処理部103のトランスコード性能以下となる。これは、バックアップにおいてトランスコード処理はボトルネックとはならないことを意味する。
【0027】
クラウド処理制御部101は、以上のようにしてボトルネック箇所を特定することによって、HDD102からDVDメディア104aへのバックアップ時にトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断する。
【0028】
次に、通信回線の性能に関する情報を取得する手順について説明する。
通信回線の性能の指標としては「スループット」と「遅延」とがある。「遅延」は、あるタイミングにおいて送信元から送出されたデータが送信先に到達するまでに要した時間を測定することで検出可能である。「スループット」は、一定量のデータを送信元から送信先へ転送し終えるまでの時間を測定することで検出可能である。実際には、トランスコード処理のために通信回線を専有できるとは限らないため、リソース予約プロトコル(Resource Reservation Protocol:RSVP)で予約できた「帯域」についてスループットの評価を行う。なお、通信回線は必ずしも上下方向で対称ではないため、情報処理端末→トランスコード処理受託端末の通信回線の性能とトランスコード処理受託端末→情報処理端末の通信回線の性能とは別々に評価する必要がある。すなわち、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200a、トランスコード処理受託端末200a→情報処理端末100、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200b、トランスコード処理受託端末200b→情報処理端末100、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200c、トランスコード処理受託端末200c→情報処理端末100について通信回線の性能を個別に測定する。
また、情報処理端末100とトランスコード処理受託端末200との間に1以上のルータが存在する場合には、通信回線は2以上の区間に分けられることとなるが、この場合には一番性能の低い区間によって通信回線の全体としての性能が規定される。
【0029】
次に、トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力に関する情報を取得する手順について説明する。
クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200のクラウド処理制御部201に対してトランスコード処理部203の性能情報の送信を要求する。クラウド処理制御部201は、クラウド処理制御部101からの要求を受けてトランスコード処理部203の性能情報を取得し、クラウド処理制御部201へ送信する。
【0030】
なお、トランスコード処理受託端末200が予約動作機能を備えている場合には、トランスコード処理中に予約動作が開始されるか否かを判断し、トランスコード処理中に予約動作が開始されるのであれば、予約動作を実行してトランスコード処理部203の負荷が増加した場合のトランスコード処理能力を求める。例えば、予約動作によってトランスコード処理部203に50%の負荷がかかる場合には、クラウド処理制御部201はクラウド処理制御部101に対してトランスコード処理部203のトランスコード処理能力を50%減で通知する。具体例を挙げると、トランスコード処理部203が本来4TCPのトランスコード処理能力を持っている場合でも、予約動作によって50%の負荷がかかる場合には、クラウド処理制御部201はクラウド処理制御部101に対してトランスコード処理部203のトランスコード処理能力は4TCPであるが予約動作開始後には2TCPとなることを通知することとなる。
【0031】
次に、トランスコード処理の委託先を決定する手順について説明する。
図7に示すようにファイルを複数のクラスタに時分割し、各々のクラスタに関して委託先を決定する。すなわち、各クラスタについて所定の要求仕様を満たす委託先を選択する。一般に、期間の先頭に近いクラスタは、委託の際の遅延が小さいことが要求される。これは、バックアップ処理を開始してから最初にトランスコード済みのデータがDVDドライブ104に入力されるまでの間は、DVDドライブ104はデータ待ち状態にあるためである。一方、期間の先頭以外のクラスタに関しては、遅延の小ささよりもスループットが重視される。
【0032】
クラウド処理制御部101は、図8に示すように遅延、通信速度、トランスコード処理能力の順番で、要求仕様などの条件を満たさないトランスコード処理受託端末200を委託先の候補から除いていき、条件を満たすトランスコード処理受託端末200をトランスコード処理の委託先として決定する。
なお、トランスコード処理能力についての条件を単独で満たすトランスコード処理受託端末が存在しない場合には、他の条件を満たす2以上のトランスコード処理受託端末にトランスコード処理を委託すればよい。
各条件への適合を判断する順番は、図8に示すように遅延→通信速度→トランスコード処理能力の順番に限定されることはなく、順番を入れ替えることも可能である。
【0033】
委託先の決定に先立って、複数のトランスコード処理受託端末に対してトランスコード処理を並行して委託可能であるか否かを判断し、並行して委託可能であるならば複数のトランスコード処理受託端末に対して並行してトランスコード処理を委託する。
【0034】
図9に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成の一例を示す。図9を用いて委託先決定の手順の具体例を説明する。
図示するように、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200aのスループットを30Mbps、トランスコード処理受託端末200a→情報処理端末100のスループットを5Mbps、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200bのスループットを100Mbps、トランスコード処理受託端末200b→情報処理端末100のスループットを100Mbps、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200cのスループットを24Mbps、トランスコード処理受託端末200c→情報処理端末100のスループットを12Mbpsとする。説明の簡略化のため、情報処理端末100と各トランスコード処理受託端末200との間にはルータは存在せず、各通信回線において帯域は100%確保できるものとする。
【0035】
HDD102からのデータ読み出し速度が20Mbps、DVDドライブ104におけるDVDメディア104aへの書き込み処理速度が4Mbpsであるとする。
トランスコード割合50%であるとするならば、トランスコード処理前のデータは8Mbpsでトランスコード処理部103へ入力する必要がある。ここで、HDD102からのデータ読み出し速度が20Mbpsであるから、HDD102からの読み出し速度はボトルネックとはならない。
したがって、トランスコード処理後のデータを4Mbpsで出力できればHDDからDVDへのバックアップ処理を最短時間で行えることとなる。
【0036】
図6に示した負荷テーブルを参照すると、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うためには、4TCPのトランスコード処理能力が必要である。情報処理端末100のトランスコード処理能力は必要な処理能力に満たないため、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理がバックアップ動作におけるボトルネックとなると判断し、トランスコード処理の委託先を探す処理を行う。
【0037】
クラウド処理制御部101は、各通信回線及びトランスコード処理受託端末200のトランスコード処理能力に関する情報を取得し、これを基に委託先を選定する。
図10に示すように、先頭に近いクラスタ1〜クラスタ10については遅延5msec以内が要求仕様として設定されているとする。まず、クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200の遅延について考慮する。トランスコード処理受託端末200bの遅延量は要求仕様として設定されている5msecを超過しているため、トランスコード処理受託端末200bはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0038】
続いて、クラウド処理制御部101は、候補として残ったトランスコード処理受託端末200a、200cとの間の通信回線の性能について考慮する。トランスコード処理後のデータを4Mbps以上の速度でDVDドライブ104へ入力するためには、情報処理端末100→トランスコード処理の委託先のトランスコード処理受託端末200の通信速度が8Mbps以上、かつ、トランスコード処理の委託先のトランスコード処理受託端末200→情報処理端末100の通信速度が4Mbps以上でなければならない。トランスコード処理受託端末200a〜情報処理端末100の通信速度及びトランスコード処理受託端末200c〜情報処理端末100の通信速度はいずれもこの条件を満たすため、トランスコード処理受託端末200a、200cはどちらもトランスコード処理の委託先の候補として残る。
【0039】
次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200a、200cのトランスコード処理能力について考慮する。トランスコード処理受託端末200aのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能以上であるため、トランスコード処理の委託先の候補として残る。一方、トランスコード処理受託端末200cのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能を下回るため、トランスコード処理受託端末200cはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0040】
以上のようにして、クラスタ1〜クラスタ10のトランスコード処理の委託先はトランスコード処理受託端末200aに決定される。
【0041】
図10に示すように、クラスタ11〜クラスタ60については、遅延11msec以内、トランスコード処理受託端末→情報処理端末12Mbps、情報処理端末→トランスコード処理受託端末24Mbpsが要求仕様として設定されていたとする。まず、クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200の遅延について考慮する。各トランスコード処理受託端末200の遅延量は要求仕様を満たすため、全てのトランスコード処理受託端末がトランスコード処理の委託先の候補に残る。
【0042】
次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200の通信回線の性能について考慮する。トランスコード処理受託端末200aとの間の通信回線は、要求仕様として定められているトランスコード処理受託端末→情報処理端末12Mbpsの条件を満たさないため、トランスコード処理受託端末200aはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0043】
次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200b、200cのトランスコード処理能力について図6に示した負荷テーブルに基づいて判断する。トランスコード処理受託端末200bのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能以上であるため、トランスコード処理の委託先の候補として残る。一方、トランスコード処理受託端末200cのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能を下回るため、トランスコード処理受託端末200cはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0044】
以上のようにして、クラスタ11〜クラスタ60のトランスコード処理の委託先はトランスコード処理受託端末200bに決定される。
【0045】
トランスコード処理受託端末200a、200bにトランスコード処理を並行して委託可能である場合には並行して委託し、並列して委託できない場合には、トランスコード処理受託端末200aに委託したトランスコード処理が完了した後でトランスコード処理受託端末200bにトランスコード処理を委託する。
なお、図9に示す構成では、情報処理端末100とルータ300との間で通信回線が重複するため、情報処理端末100→ルータ300で16Mbps以上、ルータ300→情報処理端末100で8Mbps以上の通信速度を確保できれば、トランスコード処理受託端末200a、200bに並列してトランスコード処理を委託できることとなる。
【0046】
以上の例では、「トランスコード処理速度」<「DVDへの書き込み処理速度」<「HDDからのデータ読み出し速度」の関係にあるため、トランスコード処理速度をDVD書き込み処理速度に合わせるようにトランスコード処理の委託先を選定したが、「トランスコード処理速度」<「HDDからのデータ読み出し速度」<「DVDへの書き込み処理速度」の関係にある場合には、トランスコード処理速度をHDDからのデータ読み出し速度に合わせるようにトランスコード処理の委託先を選定すればよい。
すなわち、トランスコード処理は処理を分散・委託することで高速化が可能であるが、DVDへの書き込みやHDDからのデータ読み出しは処理を委託できないため、トランスコード処理速度を如何に高速化しても、DVDへの書き込みやHDDからのデータ読み出しの速度によってバックアップ処理速度は制約される。したがって、トランスコード処理速度を必要以上に高速化してもバックアップ処理の高速化は実現されないため、DVDへの書き込み速度又はHDDからのデータ読み出し速度の低速である方に揃えるようにトランスコード処理速度を高速化すれば必要十分である。
【0047】
なお、情報処理端末100からトランスコード処理を委託されたトランスコード処理受託端末200において予定外の動作が発生し、委託されたトランスコード処理を予定した速度で継続できなくなった場合には、情報処理端末100にその旨を通知して、情報処理端末100が別の委託先を探索するようにすればよい。
【0048】
本実施形態においてはCPUによるトランスコード処理能力と専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とを区別しないものとして説明したが、これらを区別しても良い。すなわち、トランスコード処理の委託先の選定において、トランスコード用ハードウェアの有無といった条件を設けることも可能である。
【0049】
上記の動作においては、委託後のトランスコード処理の速度がDVDへの書き込み速度及びHDDからのデータ読み出し速度の内の低速である方と同じとなるようにトランスコード処理の委託先を決定したが、必ずしも処理速度そのものが同じである必要はなく、処理がほぼ同時刻に完了するように(換言すると、前段の処理後のデータ待ち時間が最小となるように)トランスコード処理の委託先を選定しても良い。
図11(a)は、HDDからのデータ読み出し速度がDVDへの書き込み速度よりも遅い場合であり、委託後のトランスコード処理速度がHDDからのデータ読み出し速度と同じとなるように委託先(委託先1、委託先2)が選定されている。この場合は、委託元〜委託先間のデータの送受信に要する時間よるトランスコード処理のタイムラグがそのままDVDへのデータ書き込み処理にも反映されることとなる。
一方、図11(b)は、10番目のクラスタのトランスコード処理がHDDからのデータ読み出し完了後最も早く行われる(トランスコード処理がHDDからのデータ読み出しとほぼ同時刻に完了する)ように委託先を選定した場合であり、6〜10番目のクラスタのトランスコード処理が委託されるトランスコード処理受託端末(委託先3)は、1〜5番目のクラスタが委託されるトランスコード処理受託端末(委託先1)よりもタイムラグが小さく、かつトランスコード処理も高速に行える。このような場合には、DVD書き込み時のデータ待ち時間が削減されることとなり、DVDへのデータの書き込みが完了する時間を早めることが可能となる。なお、処理速度そのものを同じとし、かつ各処理がほぼ同時刻に完了するようにすることが好ましいことは言うまでもない。
【0050】
このように、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムは、HDDからDVDメディアへコンテンツをバックアップする際に、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理を他の装置に委託することによってHDDからのデータの読み出し速度又はDVDへの書き込み処理速度と同じ程度にまで高速化する。これにより、バックアップ処理に要する時間を短縮できる。
【0051】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図12に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成を示す。本実施形態においては、トランスコード処理受託端末400bにはトランスコード処理受託端末500a、500bが接続されており、これらにはさらにトランスコード処理受託端末500c〜500fが接続されている。また、トランスコード処理受託端末400cにはトランスコード処理受託端末500g、500hが接続されており、これらにはさらにトランスコード処理受託端末500i〜500lが接続されている。この他は上記第1の実施形態と同様である。
【0052】
トランスコード処理受託端末400b及び500a〜500fは、トランスコード処理受託端末400bを幹とするツリー状の接続形態となっている。同様に、トランスコード処理受託端末400c及び500g〜500lは、トランスコード処理受託端末400cを幹とするツリー状の接続形態となっている。すなわち、図12に破線で示すように、トランスコード処理受託端末400b及び500a〜500fが一つのグループを形成し、トランスコード処理受託端末400c及び500g〜500lが別のグループを形成している。
【0053】
トランスコード処理受託端末400b、400cは同様の構成であるため、以下の説明では、区別する必要がない場合には添え字b、cは省略する。同様に、トランスコード処理受託端末500a〜500lについても以下の説明では、区別する必要がない場合には添え字a〜lは省略する。
【0054】
図13に、トランスコード処理受託端末400の構成を示す。ここで、トランスコード処理受託端末400b、400cは性能的な差はあるものの機能構成としては同様であるとする。トランスコード処理受託端末400は、クラウド処理制御部401、HDD402、トランスコード処理部403及び通信部404を有する。
クラウド処理制御部401は、情報処理端末100からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報を情報処理端末100へ送信する。また、トランスコード処理が委託された後に予定外の動作を行うこととなった場合には、委託されたトランスコード処理を自装置で継続可能であるか否かを判断し、継続不能と判断した場合には、グループ処理能力取得部405が取得済みの情報に基づいて、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のいずれかにトランスコード処理を再委託する。通信部404は、情報処理端末100やトランスコード処理受託端末500との通信を行うインタフェースである。グループ処理能力取得部405は、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のそれぞれのハードウェア性能(トランスコード処理能力)を、通信部404を介して取得する。なお、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のハードウェア性能は、定期的に取得しても良いし、トランスコード処理を再委託することが決定した段階で取得しても良い。HDD402やトランスコード処理部403は、第1の実施形態のHDD202、トランスコード処理部203と同様である。
【0055】
図14に、トランスコード処理受託端末500の構成を示す。クラウド処理制御部501が、情報処理端末100からの要求に応じてではなく、トランスコード処理受託端末400からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報をトランスコード処理受託端末400へ送信することを除いては、トランスコード処理受託端末200と同様である。
【0056】
トランスコード処理受託端末400は、情報処理端末100からトランスコード処理が委託された後に予定外の動作を行うこととなった場合には、委託されたトランスコード処理を自装置で継続可能であるか否かをトランスコード処理部401で判断する。そして、継続不能であれば、グループ処理能力取得部405が取得済みの情報に基づいてトランスコード処理受託端末500a〜500fのいずれかにトランスコード処理を再委託する。このため、情報処理端末100が委託した処理を確実に実行できる。
トランスコード処理受託端末400がトランスコード処理を継続できず、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500に再委託もできない場合は、情報処理端末100にその旨を通知して、情報処理端末100が別の委託先を捜索するようにすればよい。
【0057】
なお、トランスコード処理部401がトランスコード処理の再委託先を決定する動作は、第1の実施形態において説明したトランスコード処理の委託先を決定する動作と同様であるため説明は割愛する。
【0058】
このように、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムは、HDDからDVDメディアへコンテンツをバックアップする際に、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理を他の装置に委託することによってHDDからのデータの読み出し速度又はDVDへの書き込み処理速度と同じ程度にまで高速化する。これにより、バックアップ処理に要する時間を短縮できる。
【0059】
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成は、第2の実施形態と同様である。トランスコード処理受託端末400やトランスコード処理受託端末500の機能構成も第2の実施形態と同様であるが、クラウド処理制御部401は、情報処理端末100からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報だけでなく、グループ処理能力取得部405が取得済みの、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のそれぞれのハードウェア性能(トランスコード処理能力)をも情報処理端末100に通知する。グループ処理能力取得部405は、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のそれぞれのハードウェア性能(トランスコード処理能力)を、通信部404を介して取得する。なお、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のハードウェア性能は、定期的に取得しても良いし、情報処理端末100からの要求を受けた段階で取得しても良い。
【0060】
本実施形態においては、情報処理端末100からの問い合わせに対して、トランスコード処理受託端末400が同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のトランスコード処理能力についても情報処理端末100に通知する。このため、情報処理端末100に直接接続されているトランスコード処理受託端末400のトランスコード処理能力が低くても、同じグループにトランスコード処理能力の高いトランスコード処理受託端末500が存在すれば、そのトランスコード処理受託端末400にトランスコード処理を委託し、それからさらにトランスコード処理受託端末500にトランスコード処理を再委託できる。
これにより、情報処理端末100と直接接続されていなくとも、トランスコード処理能力が高いトランスコード処理受託端末500に対してトランスコード処理を委託できる。
【0061】
委託先を決定する動作に関しては上記同様であるため、説明は割愛する。
【0062】
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
例えば、上記各実施形態においてはハードディスクからDVDメディアへのバックアップ処理を例に説明したが、必ずしもDVDメディアへのバックアップに限定される訳ではなく、Blu-ray Discメディアや光磁気ディスクメディアなどへのバックアップであってもトランスコード処理が必要となる場合には同様に適用可能である。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
100 情報処理端末
101、201、401、501 クラウド処理制御部
102、202、402、502 HDD
103、203、403、503 トランスコード処理部
104 DVDドライブ
104a DVDメディア
105、204、404、504 通信部
200、400、500 トランスコード処理受託端末
300 ルータ
405 グループ能力取得部
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスコード処理を複数の装置で分担して行うクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクレコーダにおいては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)内のハードディスクに記録された映像データをDVD(Digital Versatile Disk)に複製する場合、自装置内で映像データのトランスコードを行って映像データのデータ量を低減した後にディスクへの書き込みを行う。
【0003】
トランスコード処理は、自装置内で専用のハードウェア又はCPU(Central Processing Unit)によって行っていたため、処理に多大な時間を要していた。
【0004】
また、一般的にはトランスコードの処理速度は、DVDへの書き込み処理の速度よりも遅いため、トランスコードの処理時間が映像データのディスクへのバックアップのボトルネックとなる場合があった。
【0005】
デジタルコンテンツのトランスコード処理をネットワークに接続された複数の機器を利用して実施する技術は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−295586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示される発明は、自装置においてトランスコード処理を行えない種類のコンテンツに関して、映像と音声とに分割して別々にトランスコード処理を委託するものであり、トランスコード処理の高速化に何ら寄与するものではない。
【0008】
このように、HDDからDVDメディアへコンテンツをバックアップする際に、トランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるシステムは提供されていなかった。
【0009】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、ハードディスクからリムーバブル記録媒体へコンテンツをバックアップする際にトランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有し、情報処理端末は、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速にトランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコードシステムを提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有するシステムにおけるクラウドトランスコード方法であって、情報処理端末が、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速にトランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコード方法を提供するものである。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行し、複数のトランスコード処理受託端末に接続される情報処理端末であって、バックアップ処理においてトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速にトランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とする情報処理端末を提供するものである。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第4の態様として、ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末に接続されるトランスコード処理受託端末であって、情報処理端末から委託されたトランスコード処理を実行する手段と、情報処理端末からの要求に応じて、自装置のトランスコード処理能力を示す情報を情報処理端末に通知する手段とを有することを特徴とするトランスコード処理受託端末を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハードディスクからリムーバブル記録媒体へコンテンツをバックアップする際にトランスコード処理がボトルネックとなる場合に、トランスコード処理を他の装置に委託することによってバックアップ処理を高速化できるクラウドトランスコードシステム及び方法並びに情報処理端末、トランスコード処理受託端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を好適に実施した第1の実施形態に係るクラウドトランスコード処理システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられる情報処理端末の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられるトランスコード処理受託端末の構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの動作の流れを示す図である。
【図5】ボトルネック箇所を特定する処理の流れを示す図である。
【図6】負荷テーブルの一例を示す図である。
【図7】1ファイルが複数のクラスタに分割された状態を示す図である。
【図8】トランスコード処理に委託先を決める際の条件の考慮順の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成例を示す図である。
【図10】クラスタに設定された要求仕様の一例を示す図である。
【図11】トランスコード処理に要する時間がHDDからのデータ読み出しに要する時間と同じとなるようにトランスコード処理の委託先を選定する一例を示す図である。
【図12】本発明を好適に実施した第2の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられるトランスコード処理受託端末の構成を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るクラウドトランスコードシステムに用いられるトランスコード処理受託端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成を示す。このシステムは、トランスコード処理を委託する側となる情報処理端末100と、トランスコード処理が委託される側となる複数のトランスコード処理受託端末200(200a〜200c)とを有する。ここではトランスコード処理受託端末200を三つ備えた構成のシステムを示しているが、その数は任意である。なお、図示する構成では情報処理端末100とコンストラクタ200とが1以上のルータ300を介して接続されているが、これらはルータ300を介さずに直接接続されていても良い。
【0017】
図2に、情報処理端末100の構成を示す。情報処理端末100は、クラウド処理制御部101、HDD102、トランスコード処理部103、DVDドライブ104及び通信部105を有する。クラウド処理制御部101は、トランスコード処理を自装置内で行うか否かの判断や、トランスコード処理受託端末200へ委託する場合には委託先を選定する処理を行う。HDD102は、トランスコード処理の対象となるデータを格納するハードディスクを備えた記憶装置である。トランスコード処理部103は、対象データに対してトランスコード処理を実行する。トランスコード処理部103は、一般的なコンピュータのCPUでのソフトウェア処理で実現することも、専用のハードウェアを用いて実現することも、これらを組み合わせて実現することも可能である。DVDドライブ104は、トランスコード処理部103から入力されるトランスコード後のデータをDVDメディア104aに記録する。通信部105は、トランスコード処理受託端末200との通信を行うインタフェースである。なお、情報処理端末100は、専用の装置(ハードディスクレコーダ)に限定される訳ではなく、ハードディスクドライブ及びDVDドライブを備えた一般的なコンピュータであっても良い。
【0018】
図3に、トランスコード処理受託端末200の構成を示す。ここで、トランスコード処理受託端末200a〜200cは性能的な差はあるものの機能構成としては同様であるとする。トランスコード処理受託端末200は、クラウド処理制御部201、HDD202、トランスコード処理部203及び通信部204を有する。
クラウド処理制御部201は、情報処理端末100からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報を情報処理端末100へ送信する。HDD202は、情報処理端末100からトランスコード処理を委託された場合に、トランスコード処理の対象となるデータを格納するハードディスクを備えている。また、HDD202のハードディスクにはトランスコード処理が完了した後のデータも格納される。トランスコード処理部203は、対象データに対してトランスコード処理を実行する。トランスコード処理部203は、一般的なコンピュータのCPUでのソフトウェア処理で実現することも、専用のハードウェアを用いて実現することも、これらを組み合わせて実現することも可能である。通信部204は、情報処理端末100との通信を行うインタフェースである。
【0019】
なお、図2、図3は情報処理端末100及びトランスコード処理受託端末200として必要な機能構成を示したものであり、それぞれの機能を兼ね備えた装置を複数個用いてクラウドトランスコードシステムを形成することも可能であることは言うまでもない。換言すると、情報処理端末100とトランスコード処理受託端末200とが同じ構成であることを妨げるものではない。
【0020】
図4に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの動作の流れを示す。なお、各ステップにおける処理の詳細については後段で説明するため、ここでは動作の概略についてのみ説明する。
まず、クラウド処理制御部101は、対象データをHDD102から読み出し、トランスコードしてDVDメディア104aに書き込む一連の処理において、トランスコード処理がボトルネックになるか否かを判断する(ステップS101)。次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200との間の各通信回線の性能についての情報を取得する(ステップS102)。さらに、クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200のトランスコード処理の能力についての情報を取得する(ステップS103)。そして、クラウド処理制御部101は、通信回線の性能についての情報及びトランスコード処理受託端末200のトランスコード処理能力についての情報に基づいて委託先を決定する(ステップS104)。
【0021】
図5に、トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断する際にクラウド処理制御部101が実行するボトルネック箇所を特定する処理の流れを示す。すなわち、図5に示す処理は、図4のステップS101における処理の一部である。
【0022】
HDD102に格納されているデータをDVDメディア104aに複製(以下、バックアップという。)する要求があった場合、クラウド処理制御部101は、HDD102から帯域性能(対象データの読み出し速度)に関する情報を取得する(ステップS1011)。
【0023】
続いて、クラウド処理制御部101は、DVDドライブ104の最大書き込み速度の情報と、挿入されているDVDメディア104aの最大書き込み速度の情報とを取得し、低速である方をDVDメディア104aへの書き込み処理速度と見なす(ステップS1012)。
【0024】
さらに、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理の内容を評価する(ステップS1013)。
具体的には、クラウド処理制御部101は、図6に示すような負荷テーブルを保持しており、これを参照してトランスコード処理部103にかかる負荷を求める。図6におけるテーブルの値は、ある装置(例えば特定のCPU)のトランスコード処理能力を1単位とした相対的な値であるとし、以下の説明ではこの単位をTCP(Trans Code Performance)と表記する。トランスコード処理によってトランスコード処理部103にかかる負荷は、トランスコード割合と処理速度とによって定まる。すなわち、トランスコード処理部103にかかる負荷は、データ量を大きく減らす(トランスコード割合が小さい)ほど、また高速に処理するほど大きくなる。なお、負荷の大きさは処理対象コンテンツの種類にも依存するため、クラウド処理制御部101はコンテンツの種類に応じた複数の負荷テーブルを備えており、コンテンツに適応する負荷テーブルを用いるようになっている。
ここで、トランスコードの処理速度は、対象データの読み出し速度及びDVDメディア104aへの書き込み処理速度のうち低速な方によって規定される。一方、トランスコード割合は、バックアップ開始時に決定される所定値である。
クラウド処理制御部101は、トランスコード処理部103のトランスコード性能(CPUの種類やトランスコード用ハードウェアの処理速度)の情報をトランスコード処理部103から取得し、これと負荷テーブルから求めた負荷の大きさとに基づいて、自装置内でトランスコード処理が可能であるか否かを判断する。
【0025】
なお、情報処理端末100が予約動作機能を備えている場合には、トランスコード処理中に予約動作が開始されるか否かを判断し、トランスコード処理中に予約動作が開始されるのであれば、予約動作を実行してトランスコード処理部103の負荷が増加した場合のトランスコード処理能力でトランスコード処理が可能であるか否かを判断する。
【0026】
対象データの読み出し速度、DVDへの書き込み処理速度及びトランスコード処理の速度のうち、トランスコード処理の速度が最も低速であれば、負荷テーブルにおいてトランスコード処理の内容が示す値はトランスコード処理部103のトランスコード性能を超えていることとなる。これは、HDD102からDVDメディア104aへのバックアップにおいてトランスコード処理がボトルネックとなることを意味する。一方、対象データの読み出し速度又はDVDへの書き込み処理速度のいずれかが最も低速であれば、負荷テーブルにおいてトランスコード処理の内容が示す値はトランスコード処理部103のトランスコード性能以下となる。これは、バックアップにおいてトランスコード処理はボトルネックとはならないことを意味する。
【0027】
クラウド処理制御部101は、以上のようにしてボトルネック箇所を特定することによって、HDD102からDVDメディア104aへのバックアップ時にトランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断する。
【0028】
次に、通信回線の性能に関する情報を取得する手順について説明する。
通信回線の性能の指標としては「スループット」と「遅延」とがある。「遅延」は、あるタイミングにおいて送信元から送出されたデータが送信先に到達するまでに要した時間を測定することで検出可能である。「スループット」は、一定量のデータを送信元から送信先へ転送し終えるまでの時間を測定することで検出可能である。実際には、トランスコード処理のために通信回線を専有できるとは限らないため、リソース予約プロトコル(Resource Reservation Protocol:RSVP)で予約できた「帯域」についてスループットの評価を行う。なお、通信回線は必ずしも上下方向で対称ではないため、情報処理端末→トランスコード処理受託端末の通信回線の性能とトランスコード処理受託端末→情報処理端末の通信回線の性能とは別々に評価する必要がある。すなわち、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200a、トランスコード処理受託端末200a→情報処理端末100、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200b、トランスコード処理受託端末200b→情報処理端末100、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200c、トランスコード処理受託端末200c→情報処理端末100について通信回線の性能を個別に測定する。
また、情報処理端末100とトランスコード処理受託端末200との間に1以上のルータが存在する場合には、通信回線は2以上の区間に分けられることとなるが、この場合には一番性能の低い区間によって通信回線の全体としての性能が規定される。
【0029】
次に、トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力に関する情報を取得する手順について説明する。
クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200のクラウド処理制御部201に対してトランスコード処理部203の性能情報の送信を要求する。クラウド処理制御部201は、クラウド処理制御部101からの要求を受けてトランスコード処理部203の性能情報を取得し、クラウド処理制御部201へ送信する。
【0030】
なお、トランスコード処理受託端末200が予約動作機能を備えている場合には、トランスコード処理中に予約動作が開始されるか否かを判断し、トランスコード処理中に予約動作が開始されるのであれば、予約動作を実行してトランスコード処理部203の負荷が増加した場合のトランスコード処理能力を求める。例えば、予約動作によってトランスコード処理部203に50%の負荷がかかる場合には、クラウド処理制御部201はクラウド処理制御部101に対してトランスコード処理部203のトランスコード処理能力を50%減で通知する。具体例を挙げると、トランスコード処理部203が本来4TCPのトランスコード処理能力を持っている場合でも、予約動作によって50%の負荷がかかる場合には、クラウド処理制御部201はクラウド処理制御部101に対してトランスコード処理部203のトランスコード処理能力は4TCPであるが予約動作開始後には2TCPとなることを通知することとなる。
【0031】
次に、トランスコード処理の委託先を決定する手順について説明する。
図7に示すようにファイルを複数のクラスタに時分割し、各々のクラスタに関して委託先を決定する。すなわち、各クラスタについて所定の要求仕様を満たす委託先を選択する。一般に、期間の先頭に近いクラスタは、委託の際の遅延が小さいことが要求される。これは、バックアップ処理を開始してから最初にトランスコード済みのデータがDVDドライブ104に入力されるまでの間は、DVDドライブ104はデータ待ち状態にあるためである。一方、期間の先頭以外のクラスタに関しては、遅延の小ささよりもスループットが重視される。
【0032】
クラウド処理制御部101は、図8に示すように遅延、通信速度、トランスコード処理能力の順番で、要求仕様などの条件を満たさないトランスコード処理受託端末200を委託先の候補から除いていき、条件を満たすトランスコード処理受託端末200をトランスコード処理の委託先として決定する。
なお、トランスコード処理能力についての条件を単独で満たすトランスコード処理受託端末が存在しない場合には、他の条件を満たす2以上のトランスコード処理受託端末にトランスコード処理を委託すればよい。
各条件への適合を判断する順番は、図8に示すように遅延→通信速度→トランスコード処理能力の順番に限定されることはなく、順番を入れ替えることも可能である。
【0033】
委託先の決定に先立って、複数のトランスコード処理受託端末に対してトランスコード処理を並行して委託可能であるか否かを判断し、並行して委託可能であるならば複数のトランスコード処理受託端末に対して並行してトランスコード処理を委託する。
【0034】
図9に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成の一例を示す。図9を用いて委託先決定の手順の具体例を説明する。
図示するように、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200aのスループットを30Mbps、トランスコード処理受託端末200a→情報処理端末100のスループットを5Mbps、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200bのスループットを100Mbps、トランスコード処理受託端末200b→情報処理端末100のスループットを100Mbps、情報処理端末100→トランスコード処理受託端末200cのスループットを24Mbps、トランスコード処理受託端末200c→情報処理端末100のスループットを12Mbpsとする。説明の簡略化のため、情報処理端末100と各トランスコード処理受託端末200との間にはルータは存在せず、各通信回線において帯域は100%確保できるものとする。
【0035】
HDD102からのデータ読み出し速度が20Mbps、DVDドライブ104におけるDVDメディア104aへの書き込み処理速度が4Mbpsであるとする。
トランスコード割合50%であるとするならば、トランスコード処理前のデータは8Mbpsでトランスコード処理部103へ入力する必要がある。ここで、HDD102からのデータ読み出し速度が20Mbpsであるから、HDD102からの読み出し速度はボトルネックとはならない。
したがって、トランスコード処理後のデータを4Mbpsで出力できればHDDからDVDへのバックアップ処理を最短時間で行えることとなる。
【0036】
図6に示した負荷テーブルを参照すると、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うためには、4TCPのトランスコード処理能力が必要である。情報処理端末100のトランスコード処理能力は必要な処理能力に満たないため、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理がバックアップ動作におけるボトルネックとなると判断し、トランスコード処理の委託先を探す処理を行う。
【0037】
クラウド処理制御部101は、各通信回線及びトランスコード処理受託端末200のトランスコード処理能力に関する情報を取得し、これを基に委託先を選定する。
図10に示すように、先頭に近いクラスタ1〜クラスタ10については遅延5msec以内が要求仕様として設定されているとする。まず、クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200の遅延について考慮する。トランスコード処理受託端末200bの遅延量は要求仕様として設定されている5msecを超過しているため、トランスコード処理受託端末200bはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0038】
続いて、クラウド処理制御部101は、候補として残ったトランスコード処理受託端末200a、200cとの間の通信回線の性能について考慮する。トランスコード処理後のデータを4Mbps以上の速度でDVDドライブ104へ入力するためには、情報処理端末100→トランスコード処理の委託先のトランスコード処理受託端末200の通信速度が8Mbps以上、かつ、トランスコード処理の委託先のトランスコード処理受託端末200→情報処理端末100の通信速度が4Mbps以上でなければならない。トランスコード処理受託端末200a〜情報処理端末100の通信速度及びトランスコード処理受託端末200c〜情報処理端末100の通信速度はいずれもこの条件を満たすため、トランスコード処理受託端末200a、200cはどちらもトランスコード処理の委託先の候補として残る。
【0039】
次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200a、200cのトランスコード処理能力について考慮する。トランスコード処理受託端末200aのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能以上であるため、トランスコード処理の委託先の候補として残る。一方、トランスコード処理受託端末200cのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能を下回るため、トランスコード処理受託端末200cはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0040】
以上のようにして、クラスタ1〜クラスタ10のトランスコード処理の委託先はトランスコード処理受託端末200aに決定される。
【0041】
図10に示すように、クラスタ11〜クラスタ60については、遅延11msec以内、トランスコード処理受託端末→情報処理端末12Mbps、情報処理端末→トランスコード処理受託端末24Mbpsが要求仕様として設定されていたとする。まず、クラウド処理制御部101は、各トランスコード処理受託端末200の遅延について考慮する。各トランスコード処理受託端末200の遅延量は要求仕様を満たすため、全てのトランスコード処理受託端末がトランスコード処理の委託先の候補に残る。
【0042】
次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200の通信回線の性能について考慮する。トランスコード処理受託端末200aとの間の通信回線は、要求仕様として定められているトランスコード処理受託端末→情報処理端末12Mbpsの条件を満たさないため、トランスコード処理受託端末200aはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0043】
次に、クラウド処理制御部101は、トランスコード処理受託端末200b、200cのトランスコード処理能力について図6に示した負荷テーブルに基づいて判断する。トランスコード処理受託端末200bのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能以上であるため、トランスコード処理の委託先の候補として残る。一方、トランスコード処理受託端末200cのトランスコード処理能力は、トランスコード割合50%、速度4Mbpsのトランスコード処理を行うのに必要な性能を下回るため、トランスコード処理受託端末200cはトランスコード処理の委託先の候補から除外される。
【0044】
以上のようにして、クラスタ11〜クラスタ60のトランスコード処理の委託先はトランスコード処理受託端末200bに決定される。
【0045】
トランスコード処理受託端末200a、200bにトランスコード処理を並行して委託可能である場合には並行して委託し、並列して委託できない場合には、トランスコード処理受託端末200aに委託したトランスコード処理が完了した後でトランスコード処理受託端末200bにトランスコード処理を委託する。
なお、図9に示す構成では、情報処理端末100とルータ300との間で通信回線が重複するため、情報処理端末100→ルータ300で16Mbps以上、ルータ300→情報処理端末100で8Mbps以上の通信速度を確保できれば、トランスコード処理受託端末200a、200bに並列してトランスコード処理を委託できることとなる。
【0046】
以上の例では、「トランスコード処理速度」<「DVDへの書き込み処理速度」<「HDDからのデータ読み出し速度」の関係にあるため、トランスコード処理速度をDVD書き込み処理速度に合わせるようにトランスコード処理の委託先を選定したが、「トランスコード処理速度」<「HDDからのデータ読み出し速度」<「DVDへの書き込み処理速度」の関係にある場合には、トランスコード処理速度をHDDからのデータ読み出し速度に合わせるようにトランスコード処理の委託先を選定すればよい。
すなわち、トランスコード処理は処理を分散・委託することで高速化が可能であるが、DVDへの書き込みやHDDからのデータ読み出しは処理を委託できないため、トランスコード処理速度を如何に高速化しても、DVDへの書き込みやHDDからのデータ読み出しの速度によってバックアップ処理速度は制約される。したがって、トランスコード処理速度を必要以上に高速化してもバックアップ処理の高速化は実現されないため、DVDへの書き込み速度又はHDDからのデータ読み出し速度の低速である方に揃えるようにトランスコード処理速度を高速化すれば必要十分である。
【0047】
なお、情報処理端末100からトランスコード処理を委託されたトランスコード処理受託端末200において予定外の動作が発生し、委託されたトランスコード処理を予定した速度で継続できなくなった場合には、情報処理端末100にその旨を通知して、情報処理端末100が別の委託先を探索するようにすればよい。
【0048】
本実施形態においてはCPUによるトランスコード処理能力と専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とを区別しないものとして説明したが、これらを区別しても良い。すなわち、トランスコード処理の委託先の選定において、トランスコード用ハードウェアの有無といった条件を設けることも可能である。
【0049】
上記の動作においては、委託後のトランスコード処理の速度がDVDへの書き込み速度及びHDDからのデータ読み出し速度の内の低速である方と同じとなるようにトランスコード処理の委託先を決定したが、必ずしも処理速度そのものが同じである必要はなく、処理がほぼ同時刻に完了するように(換言すると、前段の処理後のデータ待ち時間が最小となるように)トランスコード処理の委託先を選定しても良い。
図11(a)は、HDDからのデータ読み出し速度がDVDへの書き込み速度よりも遅い場合であり、委託後のトランスコード処理速度がHDDからのデータ読み出し速度と同じとなるように委託先(委託先1、委託先2)が選定されている。この場合は、委託元〜委託先間のデータの送受信に要する時間よるトランスコード処理のタイムラグがそのままDVDへのデータ書き込み処理にも反映されることとなる。
一方、図11(b)は、10番目のクラスタのトランスコード処理がHDDからのデータ読み出し完了後最も早く行われる(トランスコード処理がHDDからのデータ読み出しとほぼ同時刻に完了する)ように委託先を選定した場合であり、6〜10番目のクラスタのトランスコード処理が委託されるトランスコード処理受託端末(委託先3)は、1〜5番目のクラスタが委託されるトランスコード処理受託端末(委託先1)よりもタイムラグが小さく、かつトランスコード処理も高速に行える。このような場合には、DVD書き込み時のデータ待ち時間が削減されることとなり、DVDへのデータの書き込みが完了する時間を早めることが可能となる。なお、処理速度そのものを同じとし、かつ各処理がほぼ同時刻に完了するようにすることが好ましいことは言うまでもない。
【0050】
このように、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムは、HDDからDVDメディアへコンテンツをバックアップする際に、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理を他の装置に委託することによってHDDからのデータの読み出し速度又はDVDへの書き込み処理速度と同じ程度にまで高速化する。これにより、バックアップ処理に要する時間を短縮できる。
【0051】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図12に、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成を示す。本実施形態においては、トランスコード処理受託端末400bにはトランスコード処理受託端末500a、500bが接続されており、これらにはさらにトランスコード処理受託端末500c〜500fが接続されている。また、トランスコード処理受託端末400cにはトランスコード処理受託端末500g、500hが接続されており、これらにはさらにトランスコード処理受託端末500i〜500lが接続されている。この他は上記第1の実施形態と同様である。
【0052】
トランスコード処理受託端末400b及び500a〜500fは、トランスコード処理受託端末400bを幹とするツリー状の接続形態となっている。同様に、トランスコード処理受託端末400c及び500g〜500lは、トランスコード処理受託端末400cを幹とするツリー状の接続形態となっている。すなわち、図12に破線で示すように、トランスコード処理受託端末400b及び500a〜500fが一つのグループを形成し、トランスコード処理受託端末400c及び500g〜500lが別のグループを形成している。
【0053】
トランスコード処理受託端末400b、400cは同様の構成であるため、以下の説明では、区別する必要がない場合には添え字b、cは省略する。同様に、トランスコード処理受託端末500a〜500lについても以下の説明では、区別する必要がない場合には添え字a〜lは省略する。
【0054】
図13に、トランスコード処理受託端末400の構成を示す。ここで、トランスコード処理受託端末400b、400cは性能的な差はあるものの機能構成としては同様であるとする。トランスコード処理受託端末400は、クラウド処理制御部401、HDD402、トランスコード処理部403及び通信部404を有する。
クラウド処理制御部401は、情報処理端末100からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報を情報処理端末100へ送信する。また、トランスコード処理が委託された後に予定外の動作を行うこととなった場合には、委託されたトランスコード処理を自装置で継続可能であるか否かを判断し、継続不能と判断した場合には、グループ処理能力取得部405が取得済みの情報に基づいて、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のいずれかにトランスコード処理を再委託する。通信部404は、情報処理端末100やトランスコード処理受託端末500との通信を行うインタフェースである。グループ処理能力取得部405は、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のそれぞれのハードウェア性能(トランスコード処理能力)を、通信部404を介して取得する。なお、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のハードウェア性能は、定期的に取得しても良いし、トランスコード処理を再委託することが決定した段階で取得しても良い。HDD402やトランスコード処理部403は、第1の実施形態のHDD202、トランスコード処理部203と同様である。
【0055】
図14に、トランスコード処理受託端末500の構成を示す。クラウド処理制御部501が、情報処理端末100からの要求に応じてではなく、トランスコード処理受託端末400からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報をトランスコード処理受託端末400へ送信することを除いては、トランスコード処理受託端末200と同様である。
【0056】
トランスコード処理受託端末400は、情報処理端末100からトランスコード処理が委託された後に予定外の動作を行うこととなった場合には、委託されたトランスコード処理を自装置で継続可能であるか否かをトランスコード処理部401で判断する。そして、継続不能であれば、グループ処理能力取得部405が取得済みの情報に基づいてトランスコード処理受託端末500a〜500fのいずれかにトランスコード処理を再委託する。このため、情報処理端末100が委託した処理を確実に実行できる。
トランスコード処理受託端末400がトランスコード処理を継続できず、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500に再委託もできない場合は、情報処理端末100にその旨を通知して、情報処理端末100が別の委託先を捜索するようにすればよい。
【0057】
なお、トランスコード処理部401がトランスコード処理の再委託先を決定する動作は、第1の実施形態において説明したトランスコード処理の委託先を決定する動作と同様であるため説明は割愛する。
【0058】
このように、本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムは、HDDからDVDメディアへコンテンツをバックアップする際に、トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、トランスコード処理を他の装置に委託することによってHDDからのデータの読み出し速度又はDVDへの書き込み処理速度と同じ程度にまで高速化する。これにより、バックアップ処理に要する時間を短縮できる。
【0059】
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るクラウドトランスコードシステムの構成は、第2の実施形態と同様である。トランスコード処理受託端末400やトランスコード処理受託端末500の機能構成も第2の実施形態と同様であるが、クラウド処理制御部401は、情報処理端末100からの要求に応じて自装置のハードウェアの性能に関する情報だけでなく、グループ処理能力取得部405が取得済みの、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のそれぞれのハードウェア性能(トランスコード処理能力)をも情報処理端末100に通知する。グループ処理能力取得部405は、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のそれぞれのハードウェア性能(トランスコード処理能力)を、通信部404を介して取得する。なお、同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のハードウェア性能は、定期的に取得しても良いし、情報処理端末100からの要求を受けた段階で取得しても良い。
【0060】
本実施形態においては、情報処理端末100からの問い合わせに対して、トランスコード処理受託端末400が同じグループ内のトランスコード処理受託端末500のトランスコード処理能力についても情報処理端末100に通知する。このため、情報処理端末100に直接接続されているトランスコード処理受託端末400のトランスコード処理能力が低くても、同じグループにトランスコード処理能力の高いトランスコード処理受託端末500が存在すれば、そのトランスコード処理受託端末400にトランスコード処理を委託し、それからさらにトランスコード処理受託端末500にトランスコード処理を再委託できる。
これにより、情報処理端末100と直接接続されていなくとも、トランスコード処理能力が高いトランスコード処理受託端末500に対してトランスコード処理を委託できる。
【0061】
委託先を決定する動作に関しては上記同様であるため、説明は割愛する。
【0062】
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
例えば、上記各実施形態においてはハードディスクからDVDメディアへのバックアップ処理を例に説明したが、必ずしもDVDメディアへのバックアップに限定される訳ではなく、Blu-ray Discメディアや光磁気ディスクメディアなどへのバックアップであってもトランスコード処理が必要となる場合には同様に適用可能である。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
100 情報処理端末
101、201、401、501 クラウド処理制御部
102、202、402、502 HDD
103、203、403、503 トランスコード処理部
104 DVDドライブ
104a DVDメディア
105、204、404、504 通信部
200、400、500 トランスコード処理受託端末
300 ルータ
405 グループ能力取得部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、前記情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有し、
前記情報処理端末は、
前記バックアップ処理において前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、前記トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速に前記トランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコードシステム。
【請求項2】
前記情報処理端末は、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度と、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード処理後の対象データの書き込み速度と、自装置における前記トランスコード処理の処理速度とに基づいて、自装置における前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断することを特徴とする請求項1記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出しが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差、及び、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込みが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差が最小となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項2記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項4】
前記情報処理端末は、委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理の速度が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度及び前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込み速度のうち、低速である方と同じ速度となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項2又は3記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項5】
前記情報処理端末は、前記対象データを複数のクラスタに分割し、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を前記クラスタ単位で選定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項6】
前記情報処理端末は、前記クラスタごとに設定された所定の条件を満たすように前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項5記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項7】
前記情報処理端末は、前記各トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能と、前記各トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力とに基づいて、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項8】
前記情報処理端末は、前記トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能を示す情報を、その通信回線における遅延量及びスループットとして取得することを特徴とする請求項7記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項9】
前記情報処理端末は、前記各トランスコード処理受託端末との通信回線についてリソース予約プロトコルを用いて帯域を予約し、予約できた帯域についてのスループットを取得することを特徴とする請求項8記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項10】
前記情報処理端末は、前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とについて別々に取得することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項11】
前記情報処理端末は、自装置及び前記トランスコード処理受託端末に予約されている動作によって、自装置又は前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力が低下するか否かを判断し、トランスコード処理能力の低下が予想される場合には、低下後のトランスコード処理能力に基づいて、トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項12】
複数のトランスコード処理受託端末の少なくとも一部が1以上のグループを形成しており、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末は、前記情報処理端末からの要求に応じて、同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、自装置におけるトランスコード処理能力とともに、前記情報処理端末へ通知し、
前記情報処理端末は、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末から、そのトランスコード処理能力とともに通知された同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力の一部と見なすことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項13】
複数の前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一部が1以上のグループを形成しており、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末は、前記情報処理端末から前記トランスコード処理を委託されたトランスコード処理受託端末がその処理を実行できなくなった場合には、委託されたトランスコード処理を同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末に再委託することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項14】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、前記情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有するシステムにおけるクラウドトランスコード方法であって、
前記情報処理端末が、前記バックアップ処理において前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、前記トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速に前記トランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコード方法。
【請求項15】
前記情報処理端末が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度と、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード処理後の対象データの書き込み速度と、自装置における前記トランスコード処理の処理速度とに基づいて、自装置における前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断することを特徴とする請求項14記載クラウドトランスコード方法。
【請求項16】
前記情報処理端末が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出しが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差、及び、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込みが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差が最小となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項15記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項17】
前記情報処理端末は、委託による前記トランスコード処理受託端末におけるトランスコード処理の速度が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度及び前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込み速度のうち、低速である方と同じ速度となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項15又は16記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項18】
前記情報処理端末が、前記対象データを複数のクラスタに分割し、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を前記クラスタ単位で選定することを特徴とする請求項14から17のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項19】
前記情報処理端末が、前記クラスタごとに設定された所定の条件を満たすように前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項18記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項20】
前記情報処理端末が、前記各トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能と、前記各トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力とに基づいて、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項14から19のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項21】
前記情報処理端末が、前記トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能を示す情報を、その通信回線における遅延量及びスループットとして取得することを特徴とする請求項20記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項22】
前記情報処理端末が、前記各トランスコード処理受託端末との通信回線についてリソース予約プロトコルを用いて帯域を予約し、予約できた帯域についてのスループットを取得することを特徴とする請求項21記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項23】
前記情報処理端末が、前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とについて別々に取得することを特徴とする請求項20から22のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項24】
前記情報処理端末が、自装置及び前記トランスコード処理受託端末に予約されている動作によって自装置又は前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力が低下するか否かを判断し、トランスコード処理能力の低下が予想される場合には、低下後のトランスコード処理能力に基づいて、トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項20から22のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項25】
複数のトランスコード処理受託端末の少なくとも一部に1以上のグループを形成させ、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末が、前記情報処理端末からの要求に応じて、同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、自装置におけるトランスコード処理能力とともに、前記情報処理端末へ通知し、
前記情報処理端末が、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末から、そのトランスコード処理能力とともに通知された同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力の一部と見なすことを特徴とする請求項20から24のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項26】
複数の前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一部に1以上のグループを形成させ、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末が、前記情報処理端末から前記トランスコード処理を委託されたトランスコード処理受託端末がその処理を実行できなくなった場合には、委託されたトランスコード処理を同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末に再委託することを特徴とする請求項14から24のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項27】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行し、複数のトランスコード処理受託端末に接続される情報処理端末であって、
前記バックアップ処理において前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、前記トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速に前記トランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とする情報処理端末。
【請求項28】
前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度と、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード処理後の対象データの書き込み速度と、自装置における前記トランスコード処理の処理速度とに基づいて、自装置における前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断することを特徴とする請求項27記載の情報処理端末。
【請求項29】
前記ハードディスクからの前記対象データの読み出しが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差、及び、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込みが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差が最小となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項28記載の情報処理端末。
【請求項30】
委託による前記トランスコード処理受託端末におけるトランスコード処理の速度が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度及び前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込み速度のうち、低速である方と同じ速度となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項28又は29記載の情報処理端末。
【請求項31】
前記対象データを複数のクラスタに分割し、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を前記クラスタ単位で選定することを特徴とする請求項27から30のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項32】
前記クラスタごとに設定された所定の条件を満たすように前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項31記載の情報処理端末。
【請求項33】
前記各トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能と、前記各トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力とに基づいて、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項27から32のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項34】
前記トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能を示す情報を、その通信回線における遅延量及びスループットとして取得することを特徴とする請求項33記載の情報処理端末。
【請求項35】
前記各トランスコード処理受託端末との通信回線についてリソース予約プロトコルを用いて帯域を予約し、予約できた帯域についてのスループットを取得することを特徴とする請求項34記載の情報処理端末。
【請求項36】
前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とについて別々に取得することを特徴とする請求項33から35のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項37】
自装置及び前記トランスコード処理受託端末に予約されている動作によって、自装置又は前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力が低下するか否かを判断し、トランスコード処理能力の低下が予想される場合には、低下後のトランスコード処理能力に基づいて、トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項33から36のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項38】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末に接続されるトランスコード処理受託端末であって、
前記情報処理端末から委託されたトランスコード処理を実行する手段と、
前記情報処理端末からの要求に応じて、自装置のトランスコード処理能力を示す情報を前記情報処理端末に通知する手段とを有することを特徴とするトランスコード処理受託端末。
【請求項39】
自装置のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とに分けて前記情報処理端末に通知することを特徴とする請求項38記載のトランスコード処理受託端末。
【請求項1】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、前記情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有し、
前記情報処理端末は、
前記バックアップ処理において前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、前記トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速に前記トランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコードシステム。
【請求項2】
前記情報処理端末は、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度と、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード処理後の対象データの書き込み速度と、自装置における前記トランスコード処理の処理速度とに基づいて、自装置における前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断することを特徴とする請求項1記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出しが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差、及び、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込みが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差が最小となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項2記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項4】
前記情報処理端末は、委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理の速度が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度及び前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込み速度のうち、低速である方と同じ速度となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項2又は3記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項5】
前記情報処理端末は、前記対象データを複数のクラスタに分割し、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を前記クラスタ単位で選定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項6】
前記情報処理端末は、前記クラスタごとに設定された所定の条件を満たすように前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項5記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項7】
前記情報処理端末は、前記各トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能と、前記各トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力とに基づいて、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項8】
前記情報処理端末は、前記トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能を示す情報を、その通信回線における遅延量及びスループットとして取得することを特徴とする請求項7記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項9】
前記情報処理端末は、前記各トランスコード処理受託端末との通信回線についてリソース予約プロトコルを用いて帯域を予約し、予約できた帯域についてのスループットを取得することを特徴とする請求項8記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項10】
前記情報処理端末は、前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とについて別々に取得することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項11】
前記情報処理端末は、自装置及び前記トランスコード処理受託端末に予約されている動作によって、自装置又は前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力が低下するか否かを判断し、トランスコード処理能力の低下が予想される場合には、低下後のトランスコード処理能力に基づいて、トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項12】
複数のトランスコード処理受託端末の少なくとも一部が1以上のグループを形成しており、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末は、前記情報処理端末からの要求に応じて、同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、自装置におけるトランスコード処理能力とともに、前記情報処理端末へ通知し、
前記情報処理端末は、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末から、そのトランスコード処理能力とともに通知された同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力の一部と見なすことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項13】
複数の前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一部が1以上のグループを形成しており、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末は、前記情報処理端末から前記トランスコード処理を委託されたトランスコード処理受託端末がその処理を実行できなくなった場合には、委託されたトランスコード処理を同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末に再委託することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載のクラウドトランスコードシステム。
【請求項14】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末と、前記情報処理端末に接続された複数のトランスコード処理受託端末とを有するシステムにおけるクラウドトランスコード方法であって、
前記情報処理端末が、前記バックアップ処理において前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、前記トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速に前記トランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とするクラウドトランスコード方法。
【請求項15】
前記情報処理端末が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度と、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード処理後の対象データの書き込み速度と、自装置における前記トランスコード処理の処理速度とに基づいて、自装置における前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断することを特徴とする請求項14記載クラウドトランスコード方法。
【請求項16】
前記情報処理端末が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出しが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差、及び、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込みが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差が最小となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項15記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項17】
前記情報処理端末は、委託による前記トランスコード処理受託端末におけるトランスコード処理の速度が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度及び前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込み速度のうち、低速である方と同じ速度となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項15又は16記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項18】
前記情報処理端末が、前記対象データを複数のクラスタに分割し、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を前記クラスタ単位で選定することを特徴とする請求項14から17のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項19】
前記情報処理端末が、前記クラスタごとに設定された所定の条件を満たすように前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項18記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項20】
前記情報処理端末が、前記各トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能と、前記各トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力とに基づいて、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項14から19のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項21】
前記情報処理端末が、前記トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能を示す情報を、その通信回線における遅延量及びスループットとして取得することを特徴とする請求項20記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項22】
前記情報処理端末が、前記各トランスコード処理受託端末との通信回線についてリソース予約プロトコルを用いて帯域を予約し、予約できた帯域についてのスループットを取得することを特徴とする請求項21記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項23】
前記情報処理端末が、前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とについて別々に取得することを特徴とする請求項20から22のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項24】
前記情報処理端末が、自装置及び前記トランスコード処理受託端末に予約されている動作によって自装置又は前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力が低下するか否かを判断し、トランスコード処理能力の低下が予想される場合には、低下後のトランスコード処理能力に基づいて、トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項20から22のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項25】
複数のトランスコード処理受託端末の少なくとも一部に1以上のグループを形成させ、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末が、前記情報処理端末からの要求に応じて、同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、自装置におけるトランスコード処理能力とともに、前記情報処理端末へ通知し、
前記情報処理端末が、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末から、そのトランスコード処理能力とともに通知された同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、前記任意のグループに属するトランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力の一部と見なすことを特徴とする請求項20から24のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項26】
複数の前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一部に1以上のグループを形成させ、
任意のグループに属するトランスコード処理受託端末が、前記情報処理端末から前記トランスコード処理を委託されたトランスコード処理受託端末がその処理を実行できなくなった場合には、委託されたトランスコード処理を同じグループに属する別のトランスコード処理受託端末に再委託することを特徴とする請求項14から24のいずれか1項記載のクラウドトランスコード方法。
【請求項27】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行し、複数のトランスコード処理受託端末に接続される情報処理端末であって、
前記バックアップ処理において前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断し、前記トランスコード処理がボトルネックとなる場合には、前記トランスコード処理受託端末の少なくとも一つに処理の少なくとも一部を委託することによって、自装置において実行するよりも高速に前記トランスコード処理を実行してボトルネックを解消することを特徴とする情報処理端末。
【請求項28】
前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度と、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード処理後の対象データの書き込み速度と、自装置における前記トランスコード処理の処理速度とに基づいて、自装置における前記トランスコード処理がボトルネックとなるか否かを判断することを特徴とする請求項27記載の情報処理端末。
【請求項29】
前記ハードディスクからの前記対象データの読み出しが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差、及び、前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込みが完了する時刻と委託による前記トランスコード処理受託端末における前記トランスコード処理が完了する時刻との時間差が最小となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項28記載の情報処理端末。
【請求項30】
委託による前記トランスコード処理受託端末におけるトランスコード処理の速度が、前記ハードディスクからの前記対象データの読み出し速度及び前記リムーバブル記録媒体への前記トランスコード後の対象データの書き込み速度のうち、低速である方と同じ速度となるように、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項28又は29記載の情報処理端末。
【請求項31】
前記対象データを複数のクラスタに分割し、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を前記クラスタ単位で選定することを特徴とする請求項27から30のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項32】
前記クラスタごとに設定された所定の条件を満たすように前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項31記載の情報処理端末。
【請求項33】
前記各トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能と、前記各トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力とに基づいて、前記トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項27から32のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項34】
前記トランスコード処理受託端末との間の通信回線の性能を示す情報を、その通信回線における遅延量及びスループットとして取得することを特徴とする請求項33記載の情報処理端末。
【請求項35】
前記各トランスコード処理受託端末との通信回線についてリソース予約プロトコルを用いて帯域を予約し、予約できた帯域についてのスループットを取得することを特徴とする請求項34記載の情報処理端末。
【請求項36】
前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とについて別々に取得することを特徴とする請求項33から35のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項37】
自装置及び前記トランスコード処理受託端末に予約されている動作によって、自装置又は前記トランスコード処理受託端末のトランスコード処理能力が低下するか否かを判断し、トランスコード処理能力の低下が予想される場合には、低下後のトランスコード処理能力に基づいて、トランスコード処理の委託先とするトランスコード処理受託端末を選定することを特徴とする請求項33から36のいずれか1項記載の情報処理端末。
【請求項38】
ハードディスクから読み出した対象データにトランスコード処理を施し、トランスコード処理後の対象データをリムーバブル記録媒体に記録するバックアップ処理を実行する情報処理端末に接続されるトランスコード処理受託端末であって、
前記情報処理端末から委託されたトランスコード処理を実行する手段と、
前記情報処理端末からの要求に応じて、自装置のトランスコード処理能力を示す情報を前記情報処理端末に通知する手段とを有することを特徴とするトランスコード処理受託端末。
【請求項39】
自装置のトランスコード処理能力を、普遍的なハードウェアによるトランスコード処理能力と、専用のハードウェアによるトランスコード処理能力とに分けて前記情報処理端末に通知することを特徴とする請求項38記載のトランスコード処理受託端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−9833(P2011−9833A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148654(P2009−148654)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】
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