説明

クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】耐久性を向上させ効率よくクリーニングができる転写ベルトのクリーニング装置とそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】クリーニング装置において、転写ベルト上の不揮発性キャリアを有する液体現像剤を回収するクリーニングローラと、クリーニングブレードと、前記クリーニングブレードに配されたシール部材と、を有するクリーニング手段を、前記転写ベルトに対して離当接可能とし、前記クリーニングブレードが前記転写ベルトに当接した後、前記シール部材を当接させるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜像担持体上の不揮発性キャリアを有する液体現像剤像が転写される転写ベルトのクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不揮発性キャリア中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる液体現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性の不揮発性の有機溶剤(キャリア)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。液体現像剤を用いた画像形成装置においては、潜像担持体上の液体現像剤像を転写ベルトに転写する転写装置を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−71836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
潜像担持体上の液体現像剤像を転写する転写ベルトでは、転写後の転写ベルト上の残存液体現像剤を次の転写の前にクリーニングする必要がある。湿式の転写ベルトのクリーニングでは、乾式の場合よりもクリーニング部材を転写ベルトを介して巻回ローラに強く押圧してクリーニングする。また、乾式の場合は、クリーニングブレードのみでクリーニング可能であるが、湿式の場合、クリーニングローラとクリーニングブレードの2つのクリーニング手段を組み合わせて用いる必要がある。さらに、クリーニングブレードを転写ベルトに当接してクリーニングするとキャリアがクリーニングブレードの両端部側に流れ、キャリアが転写ベルトの裏側に廻り込み転写ベルトのスリップ等の問題が発生する。そのために、クリーニングブレードの両端にシール部材を配しキャリアの廻り込みを防止するようにしている。このようなクリーニング装置を必要に応じて転写ベルトと離当接可能とした場合、離間状態から当接状態する際、シール部材が乾いた状態で転写ベルトに当接し摺擦すると摩擦によりシール部材が摩耗するという問題が発生する。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術が持つ課題を解決する、耐久性を向上させ効率よくクリーニングができる転写ベルトのクリーニング装置とそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1発明は、前記課題を解決するために、クリーニング装置において、転写ベルト上の不揮発性キャリアを有する液体現像剤を回収するクリーニングローラと、クリーニングブレードと、前記クリーニングブレードに配されたシール部材と、前記クリーニングブレード及び前記シール部材を前記転写ベルトに対して離当接させる離当接機構と、を有し、前記クリーニングブレードが前記転写ベルトに当接した後、前記シール部材を当接するようにしたことを特徴とする。シール部材が乾いた状態で転写ベルトに摺擦すると摩擦により摩耗するので、クリーニングブレードが先に転写ベルトに当接させ、転写ベルト上のキャリアを横方向に流し、ある程度シール部材にキャリアを含浸させてから当接させることでシール部材の滑りを良くし、シール部材の耐久性を向上することができる。
【0006】
本第2発明は、本第1発明のクリーニング装置において、前記シール部材を前記クリーニングブレードより柔らかい材料で形成したものである。クリーニングブレードは転写ベルト上の液体現像剤を掻き取る機能を持つのに対して、シール部材は、クリーニングブレードの両端に流れるキャリアの転写ベルト裏側への廻り込みを防止する機能を持つものであるので、転写ベルトに強く押し付ける必要がないのでリーニングブレードより柔らかな材料で形成することができる。
【0007】
本第3発明は、本第1または第2発明のクリーニング装置において、前記クリーニングローラを前記クリーニングブレードのクリーニング位置の上流に配し、前記クリーニングブレードの前記転写ベルトへの当接の後、前記クリーニングローラを前記転写ベルトに当接させるものである。クリーニングローラはクリーニングブレードより上流側に配されるので、クリーニングローラがクリーニングブレードより先に転写ベルトに当接するとクリーニングローラがキャリアを取ってしまうが、クリーニングブレードを先に当接することでクリーニングブレードにキャリアを溜めやすくすることができる。
【0008】
本第4発明は、本第1〜第3発明のいずれかのクリーニング装置において、前記クリーニングブレードを前記転写ベルトから離間した状態では、前記シール部材の当接面を鉛直方向の上向きにしたものである。不揮発性のキャリアを使用するので、クリーニング手段を離間させている状態でシール部材の当接面を重力方向の上向きにしておくことでシール部材のキャリア含浸状態を保持することができる。
【0009】
本第5発明は、本第1〜第4発明のいずれかのクリーニング装置において、前記クリーニングブレードは、前記転写ベルトを巻き掛けるとともに前記転写ベルトにテンションを付与する巻回ローラに前記転写ベルトを介して当接させるものである。クリーニング手段を強く転写ベルトに押圧することができるのでクリーニング効果を向上することができる。
【0010】
本第6発明は、本第1〜第5発明のいずれかのクリーニング装置において、前記転写ベルトは、潜像担持体の液体現像剤像を一次転写部で転写されるとともに、二次転写部で液体現像剤像を転写材に転写する中間転写ベルトとした。二次転写後の転写ベルトを適切にクリーニングすることができ一次転写部での画像汚れを防止できる。
【0011】
本第7発明は、画像形成装置において、回転可能に設けられかつ静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像を液体現像剤で現像して前記潜像担持体上に液体現像剤像を形成する現像装置と、前記潜像担持体上の液体現像剤像を転写ベルトに転写する一次転写装置と、前記転写ベルト上の液体現像剤像を転写材に転写する二次転写装置と、二次転写後の前記転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置を少なくとも備え、前記クリーニング装置を本第1〜第6発明のいずれかのクリーニング装置とするものである。二次転写後の転写ベルトを適切にクリーニングすることができ一次転写部での画像汚れを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のクリーニング装置の一実施形態を示す斜視図であり、図2はその平面図であり、図3は、その側面図であり、図4は、図2のA−A線を切断線とした断面図である。
【0013】
複数の潜像担持体である感光体の不揮発性キャリアを有する液体現像剤を一次転写する中間転写体である中間転写ベルト70は、駆動ローラ71a、従動ローラ71bに張架されたエンドレスのベルトであり、感光体と当接しながら回転駆動される。中間転写ベルト70の内側の各感光体に対応する位置には、一次転写バイアスを印加するバックアップローラが配置され、それぞれ一次転写部を形成する。一次転写部の下流に位置する駆動ローラ71aと対向する位置に二次転写バイアスを印加する二次転写ローラが配置され二次転写ユニットを形成する。二次転写ユニットで中間転写ベルト70に転写された液体現像剤像が転写材に転写される。二次転写後の中間転写ベルト70をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置77が従動ローラ71b側に配される。
【0014】
中間転写ベルト70を支持するベルト支持フレーム101は、その一端に駆動ローラ71aを軸支する。ベルト支持フレーム101の他端には、テンションばね102を配したテンション支持軸が設置される。テンション支持軸は従動ローラ71bを従動ローラ軸受け103で回転自在に軸支するテンションフレーム104に連結する。中間転写ベルト70は、駆動ローラ71aと従動ローラ71bに巻き掛けられ、モータ等の駆動手段(図示せず)により駆動される駆動ローラ71aを介して駆動され、従動ローラ71bによりテンション力が付与される。
【0015】
従動ローラ71bを軸支したテンションフレーム104の内側にクリーニングフレーム105が、従動ローラ71bと同軸に軸支される。クリーニングフレーム105には中間転写ベルトクリーニング装置77が配される。中間転写ベルトクリーニング装置77は、中間転写ベルト70に当接する中間転写クリーニングローラ72と、中間転写クリーニングローラに当接するローラクリーニングブレード73と、中間転写ベルトクリーニングブレード74を備えている。中間転写クリーニングローラ72は、中間転写クリーニングブレード74より上流位置で中間転写ベルト70に当接する。中間転写クリーニングローラ72は駆動手段により中間転写ベルト70とほぼ等速で駆動しても良い。また、中間転写クリーニングローラ72にバイアス印加手段によりバイアスを印加し、静電吸着により中間転写ベルト70上の固形分を除去するようにしても良い。
【0016】
クリーニングフレーム105に回動規制部材106を設ける。また、テンションフレーム104に、回動規制部材106と係合するストッパー107を配置する。クリーニングフレーム105は、回動規制部材106とストッパー107の係合により係止され、中間転写クリーニングローラ72と中間転写クリーニングブレード74の中間転写ベルト70への当接位置が正確に決められる。
【0017】
図5は、中間転写ベルトクリーニング装置77の一部拡大図である。中間転写クリーニングローラ72に当接し回収した液体現像剤を?き取り除去するローラクリーニングブレード73の両側にローラクリーニングブレードシール材78が配される。ローラクリーニングブレードシール材78は、ローラクリーニングブレード73により掻き取った液体現像剤がその端部から再び中間転写クリーニングローラ72に流れて付着するのを防止する。ローラクリーニングブレード73はゴム等の材料で形成され、ローラクリーニングブレードシール材78は、スポンジ等の油吸収性の材料で形成され、ローラクリーニングブレードシール材78は、ローラクリーニングブレード73より柔らかい材料で形成される。
【0018】
中間転写ベルト70に当接して液体現像剤を掻き取り除去する中間転写クリーニングブレード74の両端に中間転写クリーニングブレードシール材79が配される。中間転写クリーニングブレードシール材79は、中間転写クリーニングブレード74で掻き取った液体現像剤がその両端部から流れ中間転写ベルト70の裏面側に廻り込むのを防止する。ローラクリーニングブレード74はゴム等の材料で形成され、中間転写クリーニングブレード74は、スポンジ等の油吸収性の材料で形成され、中間転写クリーニングブレードシール材79は、中間転写クリーニングブレード74より柔らかい材料で形成される。
【0019】
クリーニングフレーム105を中間転写ベルト70への当接方向と逆方向に回動し、中間転写ベルトクリーニング装置70を離間する場合がある。そして再びクリーニングフレーム105を中間転写ベルト70への当接方向に回動し、回動規制部材106とストッパー107の係合により中間転写ベルト70への当接位置が正確に決められる。
【0020】
中間転写ベルトクリーニング装置70の中間転写ベルト70からの離間が所定時間以上経過した後、再び中間転写ベルト70に当接すと、乾いた状態の中間転写クリーニングブレードシール材79が中間転写ベルト70に当接し摺擦することになる。中間転写クリーニングブレードシール材79は柔らかい材料で形成されているため中間転写ベルト70との摩擦により短期間に摩耗するという問題が発生する。
【0021】
図6(a)(b)(c)(d)は、このような問題を解決するために中間転写ベルトクリーニング装置70を構成する各構成部材の配置関係により中間転写ベルト70への当接の工程を示す図である。
【0022】
図6(a)は、中間転写ベルトクリーニング装置70が、中間転写ベルト70から離間した状態を示す。この状態において、中間転写クリーニングブレードシール材79の中間転写ベルト70の当接部側を重力方向の上向きとなるようにしている。不揮発性キャリアを有する液体現像剤を用いているため、中間転写クリーニングブレードシール材79中の不揮発性キャリアの含浸状態を保持し乾燥するのを防止する。
【0023】
図6(b)は、中間転写ベルトクリーニング装置70が、中間転写ベルト70への当接方向の回動した場合の第1工程を示す図である。最初に中間転写クリーニングブレード74が中間転写ベルト70に当接し、中間転写クリーニングブレードシール材79は中間転写ベルト70に当接していない。中間転写クリーニングブレード74が先ず中間転写ベルト70に当接することでキャリアをその両端部側に流し中間転写クリーニングブレードシール材79に含浸させる。
【0024】
図6(c)は、中間転写クリーニングブレードシール材79が中間転写クリーニングブレード74に続き中間転写ベルト70に当接する工程を示す。この工程では、前の工程で中間転写クリーニングブレードシール材79がキャリアを含浸した状態であるので摩擦力が軽減されてスムーズに中間転写ベルト70に当接して摺擦する。そのため、中間転写クリーニングブレードシール材79を長寿命化することができる。
【0025】
図6(d)は、中間転写クリーニングローラ72が中間転写ベルト70に当接する工程を示す。中間転写クリーニングローラ72は、中間転写クリーニングブレード74より上流位置で中間転写ベルト70に当接するため、中間転写クリーニングローラ72が中間転写クリーニングブレード74より先に中間転写ベルト70に当接するとクリーニングローラがキャリアを取ってしまい、中間転写クリーニングブレード74の両端にキャリアが流れず中間転写クリーニングブレードシール材79にキャリアを含浸するのに時間を要し、乾いた状態の中間転写クリーニングブレードシール材79が中間転写ベルト70と摺擦し、摩擦により摩耗してしまうからである。
【0026】
本発明の中間転写ベルトクリーニング装置77によれば、クリーニング部材の耐久性を向上させ効率よく二次転写後の中間転写ベルト70をクリーニングすることができる。
【0027】
図7は、本発明の画像形成装置10の全体概略図である。図7に示すように、4つの画像形成ステーション15(Y、M、C、K)、中間転写ベルト70、二次転写ユニット80を有し、さらに、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルからなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御し画像形成装置としての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0028】
画像形成ステーション15(Y、M、C、K)は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーで画像を形成する機能を有している。画像形成ステーション15(Y、M、C、K)の構成は同様であるので、以下、画像形成ステーション15Yについて説明する。
【0029】
画像形成ステーション15Yは、図7に示すように、像担持体の一例としての感光体20Yの回転方向に沿って、帯電ユニット30Y、露光ユニット23Y、現像装置の一例としての現像ユニット50Y、一次転写部B1、感光体クリーニングユニット75Yを有している。
【0030】
感光体20Yは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、矢印で示すように時計回りに回転する。
【0031】
帯電ユニット30Yは、感光体20Yを帯電するための装置である。露光ユニット23Yからは、レーザを照射することによって帯電された感光体20Y上に潜像を形成する。
【0032】
露光ユニット23Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20Y上に照射する。
【0033】
現像ユニット50Yは、感光体20Y上に形成された潜像を、イエロー(Y)の液体現像材を用いて現像するための装置である。
【0034】
現像ユニット50Yで使用される液体現像剤は、トナーに使用される公知の熱可塑性樹脂中へ同じく公知の顔料等の着色剤を分散させた例えば平均粒径1μmの粒子を用いることができる。一方、液体キャリアとしては、低粘性低濃度の液体現像剤の場合は、例えばIsopar(商標:エクソン社)の絶縁性液体キャリアを用いることができる。また、液体キャリアとして、高粘性高濃度の液体現像剤の場合は、例えば、有機溶媒、フェニルメチルシロキサン、ジメチルポリシロキサンおよびポリジメチルシクロシロキサン等の引火点210℃以上のシリコーンオイル、鉱物油、沸点170℃以上で40℃での粘度が3mPa・sの比較的低粘度の流動パラフィンなどの脂肪族飽和炭化水素、ノルマルパラフィン、植物油、食用油、高級脂肪酸エステル、等の不揮発性で絶縁性液体キャリアを用いることができる。そして、液体現像剤23Y,23M,23C,23Kはトナー粒子を液体キャリアへ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%としたものである。
【0035】
一次転写部B1、B2、B3、B4は、感光体20Yに形成されたイエロー液体現像剤像を中間転写ベルト70に転写するところである。一次転写部B1、B2、B3、B4で4色のトナーが順次重ねて転写された場合には、中間転写ベルト70にフルカラー液体現像剤像が形成される。
【0036】
中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ71a、テンションローラ71c、従動ローラ71dに張架されたエンドレスのベルトであり、感光体20(Y、M、C、K)と当接しながら回転駆動される。
【0037】
二次転写ユニット80は、中間転写ベルト70上に形成された単色液体現像剤像やフルカラー液体現像剤像を紙、フィルム、布等の転写材に転写するための装置である。
【0038】
定着ユニット90は、定着ローラ90aと加圧ローラ90bにより構成され、転写材上に転写された単色液体現像剤像やフルカラー液体現像剤像を転写材に融着させて永久像とするための装置である。
【0039】
感光体クリーニングユニット75Yは、感光体20Yの表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード76Yを有し、一次転写部B1で中間転写ベルト70上に液体現像剤像が転写された後に、感光体20Y上に残存する液体現像剤を感光体クリーニングブレード76Yにより掻き落として除去するための装置である。
【0040】
中間転写ベルトクリーニング装置77は、中間転写クリーニングローラ72、ローラクリーニングブレード73、中間転写クリーニングブレード74により構成される。
【0041】
次に、このように構成された画像形成装置10の動作について説明する。
【0042】
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイスを介して画像形成装置のメインコントローラに入力されると、このメインコントローラからの指令に基づくユニットコントローラの制御により感光体20Y、現像ユニット50Yに備えられた現像ローラ、及び、中間転写ベルト70等が回転する。感光体20Yは、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30Yにより順次帯電される。
【0043】
感光体20Yの帯電された領域は、感光体20Yの回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット23Yによって、イエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。
【0044】
感光体20Y上に形成された潜像は、感光体20Yの回転に伴って現像位置に至り、現像ユニット50Yによって現像される。これにより、感光体20Y上に液体現像剤像が形成される。
【0045】
感光体20Y上に形成された液体現像剤像は、感光体20Yの回転に伴って一次転写部B1位置に至り、一次転写ユニットによって、中間転写ベルト70に転写される。一次転写部B1の上流側には中間転写ベルト70を感光体20Yに近接もしくは当接させる前ローラ66Yを配置し、必要に応じて一次転写部B1の下流側に後ローラ67Yを配置してロングニップを形成する。この際、一次転写ユニットには、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。この結果、各々感光体20(Y、M、C、K)上に形成された4色の液体現像剤像は、中間転写ベルト70に重なり合って転写され、中間転写ベルト70上にはフルカラー液体現像剤像が形成される。
【0046】
中間転写ベルト70は、モータ等のベルト駆動手段71dからの駆動力がベルト駆動ローラ71aを介して伝達されることによって駆動される。
【0047】
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラー液体現像剤像は、二次転写ユニット80によって紙等の転写材に転写される。このような転写材は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94a、レジローラ94bを介して二次転写ユニット80へ搬送される。
【0048】
フルカラー液体現像剤像が二次転写ユニット80によって転写材に転写された後、中間転写ベルト70はさらに反時計回りに回転して、中間転写ベルト70表面に残留したトナーを、中間転写ベルトクリーニングユニット87によって除去する。
【0049】
転写材に転写されたフルカラー液体現像剤像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて転写材に融着される。定着ユニット90の通過後、排紙ローラ94cにより排紙される。
【0050】
一方、感光体20(Y、M、C、K)は一次転写部B1、B2、B3、B4位置を経過した後に、除電ユニット(図示せず)によって除電され、さらに、感光体クリーニングユニット75(Y、M、C、K)に支持された感光体クリーニングブレード76(Y、M、C、K)によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、感光体クリーニングユニット75(Y、M、C、K)が備える残存トナー回収部に回収される。
【0051】
二次転写後の中間転写ベルト70の従動ローラ71b側に中間転写ベルトクリーニング装置77が設置される。中間転写ベルトクリーニング装置77は、中間転写クリーニングローラ72と、中間転写クリーニングブレード73を備えている。中間転写クリーニングローラ72には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加するバイアス印加手段(図示せず)が配され、中間転写ベルト70上の残留トナーを静電吸着して除去する。中間転写クリーニングローラ72にローラクリーニングブレード73が当接し、中間転写クリーニングローラ72上のトナーを掻き取り除去する。中間転写クリーニングローラ72はローラ駆動手段76により駆動され、その際の周速は中間転写ベルト70の周速より若干遅いほぼ等速とする。
【0052】
中間転写クリーニングローラ72の下流で中間転写クリーニングブレード74が中間転写ベルト70に当接し、中間転写ベルト70上の残存トナーを掻き取り除去する。中間転写クリーニングローラ72の静電吸着により残トナーの固形分が多く除去されるので、その下流で中間転写ベルト70に当接する中間転写クリーニングブレード74のクリーニング負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10:画像形成装置、20(Y、M、C、K):感光体、23(Y、M、C、K):露光ユニット、30(Y、M、C、K):帯電ユニット、50(Y、M、C、K):現像ユニット、70:中間転写ベルト、80:二次転写ユニット、90:定着ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写ベルト上の不揮発性キャリアを有する液体現像剤を回収するクリーニングローラと、クリーニングブレードと、前記クリーニングブレードに配されたシール部材と、前記クリーニングブレード及び前記シール部材を前記転写ベルトに対して離当接させる離当接機構と、を有し、前記クリーニングブレードが前記転写ベルトに当接した後、前記シール部材を当接するようにしたことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
前記シール部材を前記クリーニングブレードより柔らかい材料で形成した請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記クリーニングローラの前記転写ベルトへの当接位置を前記クリーニングブレードの当接位置の上流とし、前記クリーニングブレードの前記転写ベルトへの当接の後、前記クリーニングローラを前記転写ベルトに当接させる請求項1または2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記クリーニングブレードを前記転写ベルトから離間した状態では、前記シール部材の当接面を鉛直方向の上向きにした請求項1〜3のいずれか1つに記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記クリーニングブレードは、前記転写ベルトを巻き掛けるとともに前記転写ベルトにテンションを付与する巻回ローラに前記転写ベルトを介して当接させる請求項1〜4のいずれかに記載のクリーニング装置。
【請求項6】
前記転写ベルトは、潜像担持体の液体現像剤像を一次転写部で転写されるとともに、二次転写部で液体現像剤像を転写材に転写する中間転写ベルトとした請求項1〜5のいずれか1つに記載のクリーニング装置。
【請求項7】
回転可能に設けられかつ静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像を液体現像剤で現像して前記潜像担持体上に液体現像剤像を形成する現像装置と、前記潜像担持体上の液体現像剤像を転写ベルトに転写する一次転写装置と、前記転写ベルト上の液体現像剤像を転写材に転写する二次転写装置と、二次転写後の前記転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置を少なくとも備え、前記クリーニング装置は、前記請求項1〜6のいずれか1つに記載のクリーニング装置とすることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−192911(P2009−192911A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34552(P2008−34552)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】