説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】簡易・安価な構成で、回転ブラシ104の清掃能力を長期にわたって良好に維持すること可能とする。
【解決手段】像担持体、帯電ローラ、中間転写体等からなる被清掃部材103の表面に接触する回転ブラシ104の毛先部分に生じる移動速度変化の比率(V4/V2)を、被清掃部材103の表面に接触した状態の移動速度に対して3倍〜20倍の範囲となるように設定し、回転ブラシ104の毛長にかかわらず、付着物の掻き落とし作用や耐久安定性を長期にわたって良好に維持させるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃部材の表面の汚れを掻き落とす回転ブラシを備えたクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の技術分野における機械・装置において、被清掃部材に回転ブラシを接触回転させて清掃を行うようにしたクリーニング装置が広く採用されている。例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置には、被清掃部材として、感光ドラム(像担持体)や、感光ドラムを帯電する帯電ローラ、或いは中間転写体等の転写ベルトなどがあり、それらの被清掃部材の外周表面に付着する残留トナーや紙粉などの付着物をクリーニング装置の回転ブラシにより除去して清掃を行うようにしている。クリーニング装置の回転ブラシは、感光ドラム等の被清掃部材の表面に毛先部分が接触するように配置されて回転されるように構成されており、その回転ブラシの回転に伴い、当該回転ブラシの毛先部分が被清掃部材の表面に接触した状態から弾けるようにして離脱する状態に移行する。そして、その回転ブラシの毛先部分が被清掃部材の表面に接触した状態から離脱する際に生じる当該回転ブラシの毛先部分の移動速度変化に基づいて、被清掃部材の表面上に付着している付着物を掻き落とす構成になされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−140763号公報
【特許文献2】特開2005−352335号公報
【特許文献3】特開平08−115031号公報
【特許文献1】特開2000−137382
【特許文献2】特開2006−251485
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような回転ブラシを用いたクリーニング装置においては、ブラシ倒れと呼ばれるブラシ繊維の永久変形が発生しやすいことが知られている。このブラシ倒れ、つまりブラシの弾性変形を抑えるためには、被清掃部材に対する回転ブラシの接触圧を低く設定することが行われているが、その場合には、回転ブラシと被清掃部材との回転方向のおける接触幅であるニップ幅が狭くなって回転ブラシと被清掃部材との接触が不安定になり、付着物を均一に除去しきれなくなるなど、回転ブラシの清掃能力を長期間にわたって安定的に維持することが出来なくなるおそれがある。
【0005】
なお、回転ブラシと被清掃部材とのニップ幅を一定に保つために、被清掃部材の表面に対する回転ブラシの毛先部分の真直度を一定に維持する保持手段を設けることも従来から行われているが、そのような保持手段を備えた分だけコストアップになるという問題がある。さらに、回転ブラシに弾性層を設けた提案もなされているが、弾性層の弾性力が比較的短期間で喪失してしまい、清掃能力を長期にわたって維持することは難しい。さらにまた、回転ブラシの毛先部分の作用力の指標を数値で規定した提案もなされているが、特にブラシ長さが短い場合にはブラシ先端力が全て軸の加重となるなどのように、毛先部分の作用力を測定することができない場合もあることから実現性に問題がある。
【0006】
そこで本発明は、簡易・安価な構成によって、良好な清掃能力を長期にわたって維持することができるようにしたクリーニング装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明では、被清掃部材の表面に回転ブラシの毛先部分を接触させて当該回転ブラシを回転させるものであって、前記回転ブラシの毛先部分が前記被清掃部材の表面に接触した状態から離脱するときに生じる当該回転ブラシの毛先部分の移動速度変化に基づいて、前記被清掃部材の表面上に付着している付着物を掻き落とすように構成されたクリーニング装置において、前記回転ブラシの毛先部分が、前記被清掃部材の表面に接触した状態から離脱するときに生じる移動速度変化の比率を、3倍〜20倍の範囲となるように設定している。
【0008】
このような構成を有する本発明によれば、回転ブラシの毛長にかかわらず、付着物の掻き落とし作用や耐久安定性が長期にわたって良好に維持されることが判明した。
【0009】
このとき、前記回転ブラシは、前記被清掃部材の表面に向かって適宜の付勢手段により押し付けられていることが望ましい。
【0010】
このような構成を有する本発明によれば、回転ブラシが安定的に保持され、より良好な清掃作用が得られることが判明した。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、像担持体、帯電ローラ、中間転写体等からなる被清掃部材の表面に接触する回転ブラシの毛先部分に生じる移動速度変化の比率を3倍〜20倍の範囲となるように設定し、回転ブラシの毛長にかかわらず、付着物の掻き落とし作用や耐久安定性を長期にわたって良好に維持させるように構成したものであるから、簡易・安価な構成で、回転ブラシの清掃能力を長期にわたって良好に維持することができ、クリーニング装置及び画像形成装置の信頼性を安価かつ大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態にかかるクリーニング装置を備えた電子写真装置の一例としてのプリンターの概略構成を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたプリンターに用いられているクリーニング装置の帯電ローラを表したものであって、(a),(b)及び(c)の3種類の概略構成を表した横断面説明図である。
【図3】図2に示された帯電ローラに接触配置された回転ブラシの概略構成を表した横断面説明図である。
【図4】図3に示された回転ブラシの構成を表した外観斜視説明図である。本発明に係わる端部シールの構成を説明するための概略図回転ブラシの製造を説明するための模式図である。
【図5】回転ブラシの先端速度の変化に基づく付着物の掻き取りのメカニズムを表したものであって、(A)は回転ブラシのブラシ繊維の毛先部分が帯電ローラの表面に当接する直前の状態を表した模式的側面図、(B)は回転ブラシのブラシ繊維の毛先部分が帯電ローラの表面に当接した直後の状態を表した模式的側面図、(C)は回転ブラシのブラシ繊維の毛先部分が帯電ローラの表面との対向位置に移動した状態を表した模式的側面図、(D)は回転ブラシのブラシ繊維の毛先部分が帯電ローラの表面から離脱した直後の状態を表した模式的側面図である。
【図6】回転ブラシの毛先部分における移動速度を測定する超高速度カメラの配置状態を模式的に表した側面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をプリンターに適用した実施の形態を図面に沿って詳細に説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0014】
図1に示されている画像形成装置の一例としてのプリンター1は、静電潜像を形成するための回転可能な像担持体として、ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)101を用いた接触帯電方式・転写方式の電子写真画像形成装置である。このプリンター1は、近年一般的になっている本体内排紙型の排紙手段を有しているが、本発明においてはこの限りでない。また、リーダー部Rについては、本発明との関係が小さいことから詳細な説明は行わないこととし、まず画像形成部(プリンター部)Prについての説明を行う。
【0015】
感光ドラム101は、ドラム軸線を中心に回転自在に支持されて配設されており、駆動機構(不図示)により矢印102の半反時計方向に所定の速度で回転駆動される。この回転駆動される感光ドラム101の表面は、帯電手段により所定の極性・電位に一様に帯電される。本実施形態における帯電手段は、帯電部材として帯電ローラ103を用いた接触帯電装置(ローラ帯電装置)である。帯電ローラ103は、ローラ軸体(導電性支持体、芯金)を有する導電性弾性ローラである。そして、ローラ軸体の両端部をそれぞれ軸受け部材を介して回転自在に支持させ、ローラ軸線を感光ドラム101のドラム軸線に対してほぼ並行に配列して感光ドラム101に対して所定の押圧力で接触させて配設されている。本実施形態における帯電ローラ103は、感光ドラム101の回転に従動して回転する構成になされている。
【0016】
上述した帯電部材としての帯電ローラ103は、本発明にかかる被清掃部材を構成するものであって、当該帯電ローラ103の表面には、上述した画像形成部に備えられているクリーニング装置に設けられた回転ブラシ(清掃部材)104の毛先部分が接触するように配置されている。この回転ブラシ104は、前記帯電ローラ103の表面に向かって図示を省略した加圧バネ等からなる適宜の付勢手段により押し付けられているとともに、同じく図示を省略した駆動系により回転駆動されるように構成されていて、その回転ブラシ104の回転によって、当該回転ブラシの毛先部分が前記帯電ローラ(被清掃部材)103の表面に接触した状態から弾けるようにして離脱した状態に移行し、その際、当該回転ブラシ104の毛先部分に移動速度変化が生じる。そして、その回転ブラシ104の毛先部分の移動速度変化に基づいて、上述した帯電ローラ103の表面上に付着している残留トナーや紙粉等の付着物が掻き落とされることとなり、帯電ローラ103の表面が局部的、或いは全面的に清掃されて汚染が防止される構成になされている。この点については本発明の要部であるので、後段において詳細に説明することとする。
【0017】
上述した帯電ローラ103のローラ軸体に対しては、帯電バイアス印加電源部S1から所定の直流電圧(DC帯電方式)、或いは所定の直流電圧に所定の交流電圧を重畳した電圧(AC+DC帯電方式)が帯電バイアスとして印加され、これによって前記感光ドラム101の表面が所定の極性・電位に一様に接触帯電される。本実施形態においては、感光ドラム101の表面がマイナスの所定電位に帯電され、その感光ドラム101の帯電面に対して像露光手段105により像露光がなされ、それによって前記感光ドラム101の表面に対する露光明部が電位減衰し、当該感光ドラム101の表面に像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。像露光手段105は、原稿画像を結像投影露光するアナログ露光装置でもよいし、レーザスキャナやLEDアレイ等のデジタル露光装置であってもよい。本例では、波長λ=780nmのレーザ走査露光Lを行うレーザスキャナを像露光手段105として用いている。
【0018】
上記のようにして感光ドラム表面に形成された静電潜像は現像手段によりトナー像として現像される。本実施形態における現像手段としては、現像剤として一成分磁性ネガ極性トナーを用いたジャンピング反転現像装置106が用いられている。現像装置106は、回転駆動される現像スリーブ107と、現像スリーブ107に現像剤を供給するためのホッパー部108を有し、現像スリーブ107と感光ドラム101との間に装置長手に渡り0.3mmの一定間隔を保つように配置されている。現像スリーブ107には現像バイアス印加電源部S2から所定のAC成分とDC成分を重畳した電圧が印加される。これにより、感光ドラム表面の静電潜像が現像装置106によりジャンピング反転される(後述でトナーも含め詳細説明)。
【0019】
感光ドラム101の表面に形成されたトナー像は引き続き感光ドラム101の回転により、感光ドラム101と転写ローラ109との当接ニップ部である転写部Tに至り、この転写部Tに給送された記録材Pに転写される。転写ローラ109は、ローラ軸体(導電性支持体、芯金)を有する導電性弾性ローラである。そして、ローラ軸体の両端部をそれぞれ軸受け部材を介して回転自在に支持させ、ローラ軸線を感光ドラム101のドラム軸線に対してほぼ並行に配列して感光ドラム101に対して所定の押圧力で接触させて配設されている。本実施形態における転写ローラ109は、感光ドラム101の回転に従動して回転する。記録材Pは、給紙機構部110から所定の制御タイニングで給送され、レジストレーションローラ111により前記感光ドラム101に対する画像形成と同期取りされて適正なタイミングをもって転写部Tに導入され、感光ドラム101と転写ローラ109により挟持搬送される。転写ローラ109には、記録材Pが転写部Tを通過している間、転写バイアス印加電源部S3からトナーの帯電極性とは逆極性の所定電位の直流電圧が印加される。本例ではプラス極性の所定電位の直流電圧が印加される。これにより、転写部Tにおいて記録材Pの裏面側(感光ドラム対向面側とは反対面側)にプラスの電荷が付与されて感光ドラム表面のトナー像が順次に記録材Pの表面に静電的に転写される。
【0020】
トナー像の転写を受けた記録材Pは、転写部Tを出ると感光ドラムの表面から分離され、定着装置112に導入される。本実施形態における定着装置112は、ヒートローラ113と加圧ローラ114との圧接回転ローラ対を有する熱定着装置であり、定着装置112に導入された記録材Pはローラ対113・114の圧接ニップ部である定着部Nに進入して挟持搬送される。これにより、記録材P上の未定着のトナー像が記録材面に固着画像として熱と圧力により定着され、その後、記録材は画像形成物として装置本体外部に排出される。
【0021】
一方、記録材分離後の感光ドラム101の表面は、クリーニング装置115により転写残トナー・紙粉等の残留物の除去を受けて清掃され、繰り返して画像形成に供される。本実施形態のおけるクリーニング装置115は、クリーニング部材として注型タイプのクリーニングブレード116を枠体117の内部に備えたブレードクリーニング装置から構成されている。なお、注型タイプとは、型にゴム材などを流し込み成形するクリーニングブレードのタイプである。このクリーニングブレード116により感光ドラム111表面が摺擦されることで感光ドラム表面111から残留物が掻き取られる。掻き取られた残留物は回収トナー収容部117に収容される。
【0022】
ここで、上述した帯電ローラ103を清掃する清掃部材としての回転ブラシ104の構造を説明することとするが、それに先立って、被清掃部材としての帯電ローラ103の構造と、その帯電ローラ103に汚れを発生される原因のひとつであるトナーについて説明しておく。
【0023】
すなわち、上記帯電ローラ103は、例えば図2(a)に示されているような構成を有していて、芯金(軸体)103aの外周に導電性の弾性材料からなる発砲層103bが設けられているとともに、その発泡層103bの外周には、導電剤を配合して導電性を付与した可溶性フッ素樹脂からなる導電膜層103cが被覆形成されている。
【0024】
このときの発砲層103bとしては、上述した回転ブラシ(清掃部材)104の毛先部分の移動速度を加速させる硬度と弾性を有するもの、例えば発砲導電性ゴムを採用することがが望ましい。発砲導電性ゴムとしては、特に制限されるものではないが、エチレンプロピレンゴムに導電材を配合したもの、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとの共重合ゴムの発泡体又はエピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとの共重合ゴムに導電剤を配合したものの発泡体を好適に使用することができる。これらゴム組成物に配合する導電材としては、カーボンブラック、黒鉛、金属、導電性の各種金属酸化物(酸化錫,酸化チタン等)などの導電性粉体やカーボンファイバー、金属酸化物の短繊維等の各種導電性繊維を用いることができる。その配合量は、全ゴム成分100重量部に対して2〜70重量部、特に3〜30重量部とすることができ所定の抵抗がでるように調整する。なお、このベース層2の形成は、公知の加硫成形法により行うことができ、その厚さはロールの用途等に応じて適宜設定されるが、通常1〜5mmとされる。
【0025】
上述したように、本実施形態にかかる帯電ローラ103は、発泡層103b上に導電剤の配合により導電性を付与した可溶性フッ素樹脂で導電膜層103cを形成したものであるが、この場合の可溶性フッ素樹脂は、溶剤に可溶な非晶性フッ素樹脂が用いられ、具体的にはテトラフルオロエチレン成分にフッ素化アルキルビニルエーテル成分を導入した共重合体などを使用することができる。また、これら可溶性フッ素樹脂に導電性を付与するために配合する導電剤としては、導電性酸化チタン、カーボン、導電性酸化錫等の一般に使用されている種々の導電性材料を使用することができ、その配合量は、特に制限されるものではないが、フッ素樹脂100重量部に対して30〜300重量部程度とすることができ、これにより導電性ロールの導電膜層として適当な電気抵抗値である10〜10Ωとすることができる。
【0026】
この導電膜層103cは、溶剤に溶解されて塗料状に調製された上記可溶性フッ素樹脂に上記導電材を添加し、これをディップ、ハケ塗又はスプレー等の通常の塗装法で上記発泡層上にコーティングした後、自然乾燥、真空引きもしくは加熱処理等の強制乾燥を行うことにより、容易に形成することができる。また、この導電膜層103cを上述した発泡層上に形成するに際し、帯電ローラ103の電気抵抗値を調整するため、例えば図2(b)に示したように発泡層103bと導電膜層103cとの間に下塗層103dを形成することもできる。この場合、下塗層103dとしては、特に制限されないが、ポリエステル系ウレタン、例えば1,4ブタンジオール、エチレングコールとアジピン酸のエステルのジオールとをMDI(メチレンジフェニルイソシアネート)で鎖延長したウレタンに各種カーボンブラック又は導電性酸化チタン、導電性錫を分散させたものなどが好適に用いられる。また、従来導電膜層として用いられているN−メトキシメチル化共重合ナイロン(商品名,トレジン)に導電剤を配合して導電性を付与したものも下塗層103dとして好適に使用することができる。
【0027】
このような帯電ローラ103の硬度は一般的なものでよく、硬度(JIS ASKER C 定荷重測定器)は55〜40°の範囲のものが良い。硬度が55°より大きくなると帯電能力がおちる傾向あがり、また40°より小さくなると、ブラシでの汚れムラができやすい傾向がある。
【0028】
また、帯電ローラ103は、図2(c)に示されているような構成とすることも可能である。すなわち、図2(c)に表された帯電ローラ103は、芯金(軸体)103aと、その外周に形成される導電性弾性体層103eと、その外周に軟化剤移行防止層103f、さらにその外周に形成される抵抗調整層(或いは誘電層)103g、及び保護層103hとから構成されている。上記軸体11としては、特に限定するものではなく、例えば金属製の円柱体からなる芯金や内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体、具体的には、ステンレススチール、鉄、黄銅、また、別途、導電性プラスチック等の良導電性材料などが用いられてもよい。
【0029】
上記芯金(軸体)103aの外周に形成される導電性弾性体層103eは、特に限定するものではなく、従来から帯電部材の弾性体層として使用されるゴムや熱可塑性エストラマー等のソリッド体で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム及びエピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物、或いは熱可塑性エラストマーで、その種類としては特に制限はなく、汎用のスチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマー等から選ばれる1種或いは複数種の熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。このような導電性弾性体層は、通常、その導電性が10‐1 〜10‐4 Ω程度に設定され抵抗調整層よりはかなり低く設定される。そして、その厚みは、通常、1〜10mm、好適には2〜4mm程度に設定される。
【0030】
このとき、上記導電性弾性体層103eの外周に形成される軟化剤移行防止層103f25としては、導電性弾性体層中に含有されるオイル等のような軟化剤の滲み出しの遮断防止のために、N−メトキシメチル化ナイロンを主体とする層が構成をとることが特に好ましい。軟化剤移行防止層24の厚みは、一般に3〜20μmに設定され、好適には4〜10μmに設定される。そして、この軟化剤移行防止層の電気抵抗は、10〜2Ω程度に設定される。N−メトキシメチル化ナイロン(8−ナイロン)は、特に限定するものではなく、従来公知のものが用いられる。また、軟化剤移行防止層24にも導電剤として、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが含有されている。
【0031】
更に、軟化剤移行防止層103fの外周に形成される抵抗調整層103gは、エピクロルヒドリンゴム(CHR)およびアクリルゴム(ACM)の片方もしくは双方と、導電剤を主体とする組成物を用いて形成されるものである。そして、その厚みは、本発明に係わる部分であり、通常、50〜400μm、に設定される必要がある。50μmより小さくなると、抵抗調整層の影響が少なく、帯電ローラとして機能が成され難くなる。また、400μmより大きくなると、抵抗調整層の影響が大きくなりすぎて、電圧をかなり高い状態で使用しなければならないため、電子写真装置の電源の使用が一般的なものを使用し難くなる。なお、ここで、上記エピクロルヒドリンゴムとは、共重合成分としてのエチレンオキシドを含有しない単独重合体もしくは共重合体のことである。そして、この発明において主体とするとは、全体が主体のみからなる場合も含める趣旨である。
【0032】
このように、上記CHRとACMの片方もしくは双方と導電剤は、前記軟化剤移行防止層を含めた形で使用し、帯電ムラの原因にもなるが、帯電の特性を生かすためには欠かせないものである。この抵抗調整層の電気抵抗は10〜10Ωの範囲のものが用いられる。導電剤としては、特に制限されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム及び変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩及び塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩及び高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN及びNaCl等のLi+、Na+及びK+等の周期律表第1族の金属塩或いは第四級アンモニウム塩等の電解質、また、Ca(ClO4)2等のCa2+及びBa2+等の周期律表第2族の金属塩及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個以上の水酸基、カルボキシル基及び一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったものが挙げられる。更には、それらと1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等の錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体等のイオン導電剤、或いはケッチェンブラックEC及びアセチレンブラック等の導電性カーボン、或いはSuper Abrasion Furnace(SAF 超耐磨耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF 準超耐磨耗性)、High Abrasion Furnace(HAF 高耐磨耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF 良押出性)、General Purpose Furnace(GPF 汎用性)、Semi Reinforcing Furnace(SRF 中補強性)、Fine Thermal(FT 微粒熱分解)及びMedium Thermal(MT 中粒熱分解)等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀及びゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、或いはポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等の導電性ポリマー等も可能である。尚、本発明で特に、第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤が好ましく、更に環境変動が少ない導電性カーボン系のもの併せて用いられるほうが良い。なお、ここで、第四級アンモニウム塩とは、純粋な塩のみではなく第四級アンモニウム塩に過塩素酸塩がイオン結合しているものをも含む趣旨である。
【0033】
導電剤の配合量は、CHRおよびACMからなるゴム成分100重量部(以下「部」と略す)に対して0.5〜5部に設定することが好ましい。すなわち、導電剤の配合量が0.5部未満ではムラには非常に良いが、電気抵抗が調整できず、これも過剰に電圧をかけなければならなくなる。また、5部を超えると逆に導電剤ムラが抵抗ムラにつながり本発明の範囲では、画像ムラが発生しやすくなる。
【0034】
上述した抵抗調整層103gの形成材料には、上記A成分以外に、加硫剤,充填剤等が適宜に配合される。上記加硫剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア,トリアジン,イオウ等があげられる。また、上記充填材としては、シリカ,タルク,クレー,酸化チタン等の絶縁性の充填剤があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。なお、カーボンブラック等の導電性充填剤は高電圧下での使用においては絶縁破壊を招き易いため、ゴム成分に対して10容量%以下の使用量にとどめるべきである。抵抗調整層103gの外周に最外層として形成される保護層103hは、帯電ローラ表面で用いられる公知のものでよい。具体的には、先に述べたN−メトキシメチル化ナイロンを主体とするものや、イソシアネート化合物を主成分として含有するものであればよいが、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、導電性付与剤との少なくとも一方を添加するようにしてもよい。ここで、イソシアネート化合物としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)および前記記載の多量体および変性体などを挙げることもできる。また、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。
【0035】
本発明に関して言えば、N−メトキシメチル化ナイロンが好ましいが、N−メトキシメチル化ナイロンに関しては、先に述べたと同様、従来公知のものをそのまま使用することができる。そして、この保護層103hにも前記記載のカーボンブラックのような導電剤を混合分散させると、低温低湿時の導電性を含む環境特性が良好となり低温低湿環境下でも良好な性能が発揮されるようになる。このような保護層103hは、通常、5〜30μmの厚みに設定されるのが好ましく、特に好適な範囲は7〜23μmである。また、この保護層の電気抵抗は、10〜10Ωに設定される。なお、上記導電剤としては、カーボンブラックに限定されるものではなく、従来公知の導電剤を上記カーボンブラックに代えて使用することができる。
【0036】
また、本発明に関わる帯電ローラ103としては、前者の方がよいが、後者のほうも後述の硬度を規定できれば使用可能となる。すなわち、芯金103aの外周面に、接着剤を塗布し、先に述べたゴム組成物を用い金型加硫を利用して、導電性弾性体層103eを形成する。つぎに、予めN−メトキシメチル化ナイロンと導電剤とを混合した混合樹脂液を作製し、これを上記導電性弾性体層103eの表面を必要に応じて研磨して、そのうえにスプレー,ディッピング等でコーティングして乾燥し、必要な場合には熱処理して架橋させ軟化剤移行防止層化103fする。そして、このようにして形成された導電剤含有の軟化剤移行防止層103fの上に抵抗調整層103gを形成する。この抵抗調整層103gの形成は、CHRとACMの片方もしくは双方とイオン導電剤(A成分)に、補強剤,加工助剤,加硫剤,充填剤等を、通常のゴム加工方法(バンバリーミキサー,ロール等)により混練して未加硫ゴム組成物化し、この未加硫ゴム組成物を適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等)に溶解し、前記導電性弾性体層103eの外周面に塗工したのち乾燥し、ついで加熱加硫することによって形成することができる。上記塗工に際してはディップ方式によることが好適である。ディップ方式とは、溶液などのジャブ漬けし、引き抜き速度で膜厚を管理しつつ、乾燥させる方式である。つぎに、導電性弾性体層103eが形成されたロールをディップ方式で、繰り返し浸漬することにより、導電性弾性体層103eの外周面にA成分を主体とするゴム膜を形成させる。このときのディップ溶液粘度,昇降速度,昇降回数,乾燥時間等の条件は、上記A成分を主体とする溶液の液膜が乾燥時に50〜400μmの範囲になるような条件に設定することが好ましい。このような液膜が形成されたものについて25〜80℃の温度で0.5〜4時間乾燥を施して溶剤を除去し、続いて150〜200℃の温度で10分〜2時間加熱することによりA成分を主体とするゴム膜を加硫し抵抗調整層103g化させる。つぎに、上記のように抵抗調整層103gを形成したのち、その上にN−メトキシメチル化ナイロンからなる樹脂液、場合によってはそれに導電剤等を混合した樹脂液をスプレー,ディッピング等でコーティングして乾燥し、必要な場合には熱処理して架橋させ保護層化させる。このようにして、図1に示すような層構成が可能となる。なお、この層構成においては、好ましい構成であり、途中、塗工乾燥を繰り返し、4層構成以上を形成しても良い。また、最外層の保護層と抵抗調整層を一同に構成する3層、更に軟化剤移行防止層も一同に構成する2層についても適応可能であるが、好ましくは4層構成以上が良い。
【0037】
このようにして得られる帯電ローラ103は、ロール全体の電気抵抗が103〜108Ω程度に設定される。前述で示したように、電気抵抗の大半は抵抗調整層103gと保護層103hの導電剤の量で決まる。更に膜厚から考えると基本的には抵抗調整層103gがほとんどであるがこの限りではない。ちなみに、帯電ローラ103の抵抗値は、次のように測定する。まず、画像形成装置の感光ドラムをアルミニウム製のドラムと入れ替える。その後、アルミニウム製ドラムと帯電ローラ103の芯金103aとの間に100Vの電圧を加える。そして、このときに流れる電流値を測定することにより、帯電ローラ103の抵抗値を求める。
【0038】
一方、感光ドラム101に形成された静電潜像の現像方法としては、感光ドラム101に対して非接触状態で現像する方法(1成分非接触現像)、感光ドラム101に対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像)がある。また、トナー粒子に対して磁性キャリアを混合したものを現像剤として用い、この現像剤を磁気力により搬送し、感光ドラムに対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)がある。また、上記2成分現像剤を感光ドラム1に対して非接触状態で現像する方法(2成分非接触現像法)がある。何れも好適に用いることが出来る。本例において、静電潜像の現像のために使用されるトナーとしては、色成分剤、結着樹脂、脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂、ワックス、磁性剤等で形成された粒径7μmのものが使用されている。
【0039】
結着樹脂としては、従来公知の樹脂が使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。かかるポリエステル樹脂はポリオール成分とポリカルボン酸成分から重縮合により合成される。使用されるポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオールが挙げられる。また、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸が挙げられる。また、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸1,2,5ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。また、トナー中に含まれる脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂はワックスの分散助剤として作用する。このため、樹脂中のワックス分散、低温定着性を維持したまま耐オフセット性、粉砕性、現像担持体へのワックスのフィルミングによる帯電劣化が原因の画像濃度低下、像担持体へのフィルミングによる被写体の画像欠陥の発生が著しく改善される。また、磁性現像剤に添加する場合も同様の効果が得られる。この芳香族炭化水素共重合石油樹脂は、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィン及びモノオレフィンを原料として合成されたものである。下記のような脂肪族炭化水素モノマーと芳香族炭化水素モノマーを共重合させたものが望ましい。脂肪族炭化水素モノマーは、イソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2から選ばれる少なくも1種以上である。芳香族炭化水素モノマーは、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、イソプロペニルトルエンから選ばれる少なくも1種以上である。芳香族炭化水素モノマーとしては、モノマー純度の高いピュアモノマーを使用すると、樹脂の着色や、加熱時の臭気を低く押さえることができるのでより好ましい。芳香族炭化水素モノマーの純度としては95%以上、より好ましくは98%以上である。芳香族炭化水素モノマーは、炭素数が9以上のモノマーからなる。このモノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂の場合には、炭素数が9未満の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂に比べて結着樹脂、例えば、ポリエステル樹脂との相溶性がより高くなる。さらに、トナーの粉砕性や熱保存性を満足するために脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合体の構成としては芳香族炭化水素モノマー量が多いほうが好ましい。ただし、芳香族炭化水素モノマーの量が多すぎると、離型剤の分散性が悪くなる。一方、脂肪族炭化水素モノマーが多すぎると、熱保存性等が低下する。そのため、芳香族炭化水素モノマー量と脂肪族炭化水素モノマー量の重量は、99:1〜50:50、より好ましくは98:2〜60:40、さらに好ましくは98:2〜90:10である。また、その使用量としてはトナー結着樹脂100重量部に対して2〜50重量部である。より好ましくは3〜30重量部である。前記石油樹脂の量が2重量部未満の場合、ワックス分散に効果がなく、50重量部を越えるとトナーが過粉砕性されやすくなり、現像機の中でトナーの粒子径が小さくなって、カブリが生じ、画像濃度が低濃度となり、現像性が低下するおそれがある。
【0040】
更に、トナーの表面に表面処理剤(外添剤)として微粉体を付着させることによって、トナーの流動性を向上できる。これは、この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性及び帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外の微粉体も使用可能である。例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレンやマグネシウム、亜鉛、アルミニウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、マンガン、クロム、セリウム、ストロンチウム、錫等の酸化物の微粉体も使用可能である。また、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、錫酸バリウム、錫酸カルシウム等の複合金属酸化物である、無機酸化物微粉体も使用可能である。炭酸塩化合物としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等がある。これらの中でもカラートナーでは、疎水性シリカ、モノクロトナーではチタン酸ストロンチウムがよく用いられる。なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、質量として0.1〜20%とする。上記研摩粒子を表面処理剤として使用することでより効果が増す。ただし、この場合、この研摩剤に限って言えば、質量は1%以下にしなければならない。1%より多くいれると現像性、及び、濃度の低下に影響を及ぼす。本発明に関して、帯電ローラ103の表面を主に汚すものは上述した外添剤が主である。
【0041】
次に、回転ブラシ104の一実施形態について説明する。すなわち、図3及び図4に示されている回転ブラシ104は、軸体(回転軸)104aに対して、基布104bに所定の太さと密度のブラシ繊維(ブラシの毛)104cを植毛してなるブラシパイル地104dが、螺旋状に巻き付けられて固定されたものであって、全体として外径が整えられることによってブラシローラの形態になされている。この回転ブラシ104に設けられた軸体104aの両端部は、それぞれ軸受け部材(不図示)を介して回転自在に支持されており、軸線を帯電ローラ103の軸線に対してほぼ並行に配列してブラシ繊維104cの毛先部分を上述した帯電ローラ103の表面に接触させるように配設されている。
【0042】
このときの軸体104aとしては、前述した帯電ローラ103の軸体と同様に特に限定されるものではなく、例えば金属製の円柱体からなる芯金や内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体が用いられる。ブラシ繊維(ブラシの毛)104cとしては、一般に知られている繊維単独、及び導電材を分散したものを利用することができる。繊維材料としては、ポリアミド(ナイロン)、アクリル、ポリエステル、レーヨン、ビニロンを例示できる。導電材としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケルなどの金属や、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンなどの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどの炭素微粒子を例示することができるが、様々な温湿度環境での影響を受け難い点で、ナイロン系のポリアミド(ナイロン6)にカーボンブラックを分散したものが好ましい。
【0043】
上述したブラシ繊維104cの特性としては、ヤング率が1000〜3700N/mm2の範囲となっていることが望ましい。すなわち、ヤング率が1000N/mm2より小さいときには、後述するように繊維の弾きが弱くなって清掃能力が低下する。また、ヤング率が3700N/mm2より大きくなると、今度は清掃対象物に傷をつける傾向となる。また、ブラシ繊維104cの太さとしては、2デニール以上6デニール以下がよい。2デニールより細くなると、当該ブラシ繊維104cの先端速度、すなわち帯電ローラ(被清掃部材)103の表面に接触した状態から弾けるようにして離脱した状態に移行する際における毛先部分の移動速度変化が十分に形成されず、すぐに折れやすくなってしまう。また、60デニールより太くなると、今度は、繊維としてのしなやかさがなくなり、先端速度におけるはじき力が失われる。
【0044】
さらに、前記ブラシ繊維104cの繊維長さLとしては、1mm以上3mm以下が良い。1mmより短くなると、帯電ローラ103と回転ブラシ104の軸の交差の振れで、帯電ローラ103に対する当たりムラができやすくなる。また、3mmより長いと、先端がしなびてくるため、毛先部分の先端速度、つまり接触状態から離脱状態に移行する際の毛先部分の移動速度変化が早くなるよりも、毛倒れが発生しやすくなる。また、ブラシ繊維104cの電性繊維の植毛密度は、その太さにもよるが、50〜1000本/mmであることが好ましく、より好ましくは75〜800本/mmである。さらに、ブラシ繊維104cの導電性繊維は、基材に対して、それぞれ30〜90°の角度で植毛されていることが好ましく、より好ましくは50〜90°、更に好ましくは70〜90°である。この角度が90°に近いほど、毛先部分の先端速度(移動速度変化)が速くなる傾向がある。
【0045】
回転ブラシ104の回転方向については、帯電ローラ103と従動側に回転させるのがよい。従動にしないと、駆動構成が用いられることによってコスト的に安価な設計が難しくなるとともに技術的な制約が大きくなる。また、本実施形態における回転時の周速差については、ブラシの材質や帯電ローラ103の材質を調整することで周速比を規定する周速比が40〜80%がよい。40%より遅くなると、後述する毛先部分の先端速度(移動速度変化)を維持できなくなって汚れを除去することが出来なくなる。また、周速比が80%より大きくなると、後述で説明する毛先部分の先端速度(移動速度変化)による弾きを維持できなくなる。これらの点関する詳細な説明は後段において行う。
【0046】
なお、上述した周速比の定義については、帯電ローラ103の速度に対して回転ブラシ104の軸体104aの表面速度を同じにすると100%の周速比とし、回転ブラシ104の軸体104aの表面の速度が半分の速度になれば50%とする。
【0047】
このとき、上記軸体104aの表面に接着剤を塗布し、その接着剤に、上述した多数のブラシ繊維104cの基端部を静電的に付着させ、当該繊維の基端部を接着剤を介して軸体104aに固定することができる。接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、合成ゴム及び天然ゴム等を主成分とする接着剤を用いることができる。また、これらの樹脂を主成分とする水系接着剤は、基材として弾性多孔質のものを用いた場合、基材を膨潤させることが少ないため好ましい。特に、この樹脂としてはアクリル樹脂が好ましい。このアクリル樹脂は、非反応性ポリアクリル酸エステル(非架橋型)、反応性ポリアクリル酸エステル(主としてメチロールメラミンを架橋剤として用いる)及び自己架橋型ポリアクリル酸エステルに分けられ、反応型、自己架橋型は耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性等に優れるため、多く用いられている。また、反応型アクリル樹脂の場合、物性を改良するために官能基としてカルボキシル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基及びヒドロキシル基等の少なくとも1種を導入したものであってもよい。尚、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。この方法の方が製造方法も簡単となることから好ましい。
【0048】
ブラシ繊維104cの材質も適宜選択できるが、実験によると、特にナイロン66又はPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂により当該繊維を構成すると、より安価で簡易な構成で回転回転ブラシーが製造できる。
【0049】
ここで本実施形態においては、上述した回転ブラシ104の毛先部分に生じる移動速度変化、つまり被清掃部材としての帯電ローラ103の表面に接触した状態から離脱する際に生じる当該回転ブラシ104の毛先部分の移動速度変化が、前記帯電ローラ(被清掃部材)103の表面に接触した状態の移動速度に対して3倍〜20倍の範囲となるように設定されている。
【0050】
このときの前記回転ブラシ104の毛先部分における移動速度(以下において、先端速度と呼ぶ。)は、例えば次のような測定方法で測定することが可能である。すなわち図6に示されているように、超高速度カメラ(FASTCAM-MAX 120K/120KC:Photron社製)62を、帯電ローラ(被清掃部材)103と回転ブラシ104のとの接触部位に向けるようにしてセッティングし、フルフレーム5,000コマ/秒でメタルハライド光源(LS-350:SUMITA社製)61を2個用いることで画像を取り込む。さらに、その取り込んだ画像を、動画解析ソフト(TEMA:Photron社製)をもちいて画像を1コマずつ動かして1コマ時における先端の動いた距離を算出し、それを先端速度Vとして採用する。そして、この先端速度Vの変化、つまり被清掃部材としての帯電ローラ103の表面に接触した状態から離脱する際に生じる回転ブラシ104の毛先部分の移動速度変化が、軸体104aの表面の速度の3〜20倍に設定されていることが望ましい。この点については後述するが、移動速度変化が3倍より遅いと、毛先部分の先端が動く速度が遅すぎて帯電ローラ103上を汚す物質(外添剤)などを掻き取れない。また、20倍より早くなると、逆に早すぎてこれも掻き取ることができない。この先端速度につては、太さが太い方が毛の先端速度が速くなり、また毛長においても長い方が先端速度が速くなる傾向がある。さらには、加圧についても圧が高いほうが毛の先端速度は速くなる傾向がある。
【0051】
ここで、回転ブラシ104の先端速度の変化に基づく付着物の掻き取りのメカニズムを、その回転ブラシ104のブラシ繊維104cの1本に着目して説明しておく。まず基本的な構成として、図5(A)に示されているように、回転ブラシ104の軸体104a上の回転移動速度V1に対して、回転ブラシ104は、同等の回転角速度に基づく先端移動速度V2で従動回転している。また、帯電ローラ103は、前記回転ブラシ104の先端移動速度V2よりも速い移動速度(周速度)V3で回っており、当該帯電ローラ103の表層材質と、回転ブラシ104の材質との摩擦係数によって周速比を生じているものとする。
【0052】
次に、図5(B)に示されているように、回転ブラシ104のブラシ繊維104cの毛先部分が帯電ローラ103の表面に当接した瞬間に、当該回転ブラシ104のブラシ繊維104cは、より速い移動速度V3を有する帯電ローラ103に引っ張られてカウンターの向きに変形する。そして、図5(C)に示されているように、回転ブラシ104の軸体104aと帯電ローラ103の表面の一番狭い対向部Uにおいて、ブラシ繊維104cの全長が湾曲状に変形して変形応力が発生する。次いで、図5(D)のように回転ブラシ104のブラシ繊維104cの毛先部分が帯電ローラ103から離脱した瞬間に、上述した変形応力が一気にとき離れ、それによって回転ブラシ104のブラシ繊維104cの移動速度が急加速され、その急加速によって汚れ物質である付着物Sが跳ねとばされるようにして掻き取られる。その回転ブラシ104のブラシ繊維104cが加速された後における移動速度V4に本発明者は着目し、そのときの回転ブラシ104の毛先部分に生じる移動速度変化の比率(V4/V2)を、3倍〜20倍の範囲となるように設定したものである。
【0053】
次に、上述した実施形態に関する具体的な実施例を挙げて説明する。実施例及び比較例を表1に示すが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【表1】

【0054】
[実施例1]
1)帯電ローラ103の調製
直径8mmの芯金に、230℃×3分の加硫条件で3.8mmの厚さの発泡層を形成し、その発泡層の形成材料の調整を下記のものとした。
エチレンプロピレンゴム 100重量部
オイル 70重量部
ポリエチレングリコール 1重量部
発泡剤 3重量部
【0055】
次に、上述した発泡層上に、アジピン酸と1,4ブタンジオールのポリエステルジオールをMDI(メチレンジフェニルイソシアネート)で鎖延長したウレタン100重量部にカーボンを30重量部分散させてなる下塗層を200μm厚に形成し、更に旭硝子(株)のルミフロンを塗料化したものである日本油脂(株)製のベルフロン100重量部に対して導電性酸化錫を170重量部分散させて導電性を付与し、これを上記発泡層と下塗層からなるロールにディップし、ロール表面に厚さ10μmの導電膜層を形成して帯電ローラを得た。このときの帯電ローラ103の硬度はアスカーCで45°となった。
【0056】
2)回転ブラシ104の調製
芯金径8φの表面に、厚さ20μm程度となるようにホットメルト接着剤(乾燥後)を塗布し、静電植毛装置(東洋電植株式会社製)により、60kVの電圧で、絶縁性のナイロン66繊維(長さ;1.0mm、太さ;3デニール)の植毛(植毛密度;100本/mm2)を行い、温度80℃に調整した熱風循環乾燥炉内で30分間乾燥させて繊維を固着し、回転ブラシ104を製造した。
【0057】
これらの帯電ローラ103と回転ブラシ104を図1に示すような本体に改造したiR3045(キヤノン株式会社製)に入れ、ドラムの回転速度を230mm/Sとし、帯電ローラ103も同時に回転速度を230mm/Sとした。そのときの回転ブラシ104の軸上の速度は161mm/sとなり、先端が接触した際の速度が1614mm/sとなって、回転ブラシ104の毛先部分に生じる移動速度変化の比率(表1ではb/a)が10倍となった。これを通常環境下(20℃/50%)でトナー載り量0.025g/A4サイズの画像を1枚間欠で通紙画像試験(200K枚)を行い、帯電ローラ103上の汚れを、50K,100K,150K,200K枚で確認した。その結果、非常に良好で画像上、問題ないものとなった。また、耐久時の汚れについても問題のないレベルであった。さらに、スジ状の汚れも発生しなかった。
【0058】
[実施例2]
また、上述した実施例1において、帯電ローラ103に接触させる清掃部材としての回転ブラシ104は、次のように調製した。
基布(厚み0.5mm)42に、ブラシ繊維104cとして、太さ1デニール、長さ1.5mm、材質ナイロン(カーボン混入品)を植毛したブラシパイル地(基材)49を帯状体に裁断する。この帯状の基材49を、6Φの芯金43に、図5のように、螺旋状に重なることなく巻きつけて、外径として9Φの回転ブラシを作製する。
さらには、加圧を205mN/cmにする以外、実施例と1と同様の検討をおこなった。そのときの軸面上の速度は161mm/sであり、毛先端速度は1097mm/sとなり6.8倍の速度差が出た。これを実施例1と同様の検討を行い帯電ローラ103上の汚れを(50K、100K、150K、200K枚)確認した。非常に良好で画像上問題ないものとなった。また、耐久時の汚れ方についても問題ないレベルであった。さらにスジ状の汚れも発生しなかった。
【0059】
[実施例3]
実施例1において、ブラシの構成の毛長を0.8mmとし、太さを0.5デニールとし、さらには、加圧を227mN/cmにする以外、実施例と1と同様の検討をおこなった。そのときの軸面上の速度は161mm/sであり、毛先端速度は1558mm/sとなり9.7倍の速度差が出た。これを実施例1と同様の検討を行い帯電ローラ103上の汚れを(50K、100K、150K、200K枚)確認した。非常に良好で画像上問題ないものとなった。また、耐久時の汚れ方についても問題ないレベルであった。さらにスジ状の汚れも発生しなかった。
【0060】
[実施例4]
上述した実施例1において、芯金をφ10にし、加圧を300mN/cmにする以外、実施例と1と同様の検討をおこなった。そのときの軸面上の速度は161mm/sであり、毛先端速度は1214mm/sとなり7.5倍の速度差が出た。これを実施例1と同様の検討を行い帯電ローラ103上の汚れを(50K、100K、150K、200K枚)確認した。非常に良好で画像上問題ないものとなった。また、耐久時の汚れ方についても問題ないレベルであった。さらにスジ状の汚れも発生しなかった。
【0061】
[比較例1]
上述した実施例1において、ブラシの構成を芯金径6mmとし、毛長を0.5mmとし、太さを0.8デニールとし、さらには、加圧を113mN/cmにする以外、実施例と1と同様の検討をおこなった。そのときの軸面上の速度は161mm/sであり、毛先端速度は440mm/sとなり2.7倍の速度差が出た。これを実施例1と同様の検討を行い帯電ローラ103上の汚れを(50K、100K、150K、200K枚)確認した。汚れのレベルが悪くなり、200K枚もたないうちに画像上に汚れムラが出た。
【0062】
[比較例2]
上述した実施例1において、ブラシの構成を芯金径8mmとし、毛長を1mmとし、太さを3デニールとし、さらには、加圧を104mN/cmにし、帯電ローラ103の表層の材料を以下のようにした。
〔保護層形成材料の調製〕
保護層形成材料として、下記に示す各成分を用いて樹脂液を調製した。
N−メトキシメチル化ナイロン 100部
カーボンブラック 8部
スプレー塗工する以外、実施例と1と同様の検討をおこなった。そのときの軸面上の速度は230mm/sであり、毛先端速度は670mm/sとなり2.9倍の速度差が出た。これを実施例1と同様の検討を行い帯電ローラ103上の汚れを(50K、100K、150K、200K枚)確認した。汚れのレベルが悪くなり、200K枚もたないうちに画像上に汚れムラが出た。
【0063】
[比較例3]
上述した実施例3におけるバネ加圧を自重(加圧21mN/cm)にし、実施例1と同様の検討をおこなった。先端速度が(上記の枚数で調べると)すごく不安定で何をみているか分からない状態になった。一様、そのときの軸面上の速度は138mm/sであり、毛先端速度は300mm/sとなり2.2倍の速度差が出た。スジ状の汚れは発生し、耐久時も不安定となった。
【0064】
このように本実施形態によれば、回転ブラシ104における平均ブラシ表における毛先部分に生じる移動速度変化の比率(V4/V2)が、帯電ローラ(被清掃部材)103の表面に接触した状態の移動速度に対して3倍〜20倍の範囲となるように設定することによって、回転ブラシ104の毛長にかかわらず、付着物の掻き落とし作用や耐久安定性が長期にわたって良好に維持されることが判明した。
【0065】
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0066】
例えば、上述した実施形態は、被清掃部材として帯電ローラを採用したものであるが、その他、回転ブラシを用いて清掃を行う各種の被清掃部材を同様に採用することが可能である。
【0067】
また、上述した実施形態は、プリンタに対して本発明を適用したものであるが、複写機等の画像形成装置、或いはその他の装置に対しても本発明は同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上述べたように本発明にかかるクリーニング装置及びそれを備えた画像形成装置は、プリンタや複写機などの多種多様な画像形成装置等に対して広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 プリンター(画像形成装置)
101 感光ドラム(像担持体)
R リーダー部
Pr 画像形成部(プリンター部)
103 帯電ローラ(被清掃部材)
103a 芯金
103b 発砲層
103c 導電膜層
103d 下塗層
103e 導電性弾性体層
103f 軟化剤移行防止層
103g 抵抗調整層(誘電層)
103h 保護層
104 回転ブラシ(清掃部材)
104a 軸体(回転軸)
104b 基布
104c ブラシ繊維(ブラシの毛)
104d ブラシパイル地
L ブラシ繊維長さ
V1 回転ブラシの芯軸上の回転移動速度
V2 回転ブラシの先端移動速度
V3 帯電ローラの移動速度(周速度)
V4 回転ブラシのブラシ繊維の離脱後における移動速度
V4/V2 移動速度変化の比率
U 回転ブラシの芯軸と帯電ローラの表面との対向部
S 付着物(汚れ物質)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃部材の表面に回転ブラシの毛先部分を接触させて当該回転ブラシを回転させるものであって、
前記回転ブラシの毛先部分が前記被清掃部材の表面に接触した状態から離脱するときに生じる当該回転ブラシの毛先部分の移動速度変化に基づいて、前記被清掃部材の表面上に付着している付着物を掻き落とすように構成されたクリーニング装置において、
前記回転ブラシの毛先部分が、前記被清掃部材の表面に接触した状態から離脱するときに生じる移動速度変化の比率を、3倍〜20倍の範囲となるように設定したことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
前記回転ブラシは、前記被清掃部材の表面に向かって適宜の付勢手段により押し付けられていることを特徴とする請求項1記載のクリーニング装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたクリーニング装置を画像形成部に備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−133692(P2011−133692A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293536(P2009−293536)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】