説明

クリーム絞り出し器具

【課題】加工が容易で寿命の長い金属製口金を用いたクリーム絞り出し器具を提供する。
【解決手段】クリーム絞り出し器具1は、先細り筒状周壁6a、6bの外周面に保持部3を設けた中空ホルダー2と、ホルダー2の先端頂壁7に密着可能なフランジ12を有する金属薄板の絞り成形体11の凸部14に絞り出し孔15を穿った口金10と、保持部3に嵌合しつつ口金10のフランジ12をホルダー2の先端頂壁7に密着させて保持する保持ナット20とを有する。好ましくは、口金10を鋼薄板、ステンレス鋼薄板又はアルミニウム薄板製とする。更に好ましくは、ホルダー2の保持部3を先端頂壁7から隔てた外周面上に設け、保持ナット20にホルダー2の保持部3と先端頂壁7との間の周壁6bに外接する先細り薄肉周壁25を設ける。口金10の凸部14は、1回の絞り工程で成形可能な高さhとすることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクリーム絞り出し器具に関し、とくにケーキやシュークリーム等の洋菓子に用いる泡立て生クリーム(ホイップクリーム)、バタークリーム、カスタードクリーム等を絞り出す器具に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、泡立て生クリームやバタークリームを用いてケーキ・ペストリー等の洋菓子のデコレーション(飾り)を仕上げる従来のクリーム絞り出し方法の一例を示す。図示例の絞り袋40は、例えば布製、紙製またはポリエチレン等の合成樹脂製の円錐形状の袋であって、その底面を開放して円形の投入口41aとし、その先端を所定大きさにカットして口金孔41bを設けたものである。絞り袋40の内側から口金孔41bに口金ノズル35を装着し、その口金ノズル35からの漏れ出しを防ぎつつ、投入口41aから絞り袋40内にクリームCを詰め込む。投入口41aを塞ぎつつ絞り袋40に圧力を加えることで、詰め込んだクリームCを口金ノズル35の先端から洋菓子上に絞り出し、口金ノズル35を絞り袋40と共に移動させながら洋菓子上にクリームCで所望の模様や文字を描いてデコレーションを仕上げる。図示例の絞り袋40と口金ノズル35は、デコレーションを仕上げる場合だけでなく、シュークリームの皮の内部にカスタードクリーム等を絞り入れる場合等にも使用する。
【0003】
従来のクリーム絞り出し用の一般的な口金ノズル35は、図4に示すように、円錐状または円錐台状の筒状周壁の先端に花弁形、丸口形、鋸刃形、モンブラン形等の絞り出し孔36を形成したものである。同図のように絞り出し孔36a〜36dの形状が異なる複数の口金ノズル35a〜35dを使い分けることにより、クリームCを異なる太さや断面形状で筋状に絞り出し、その筋状クリームにより様々なデコレーションを仕上げることができる。ただし図3の方法では、絞り袋40にクリームCを詰めたまま口金ノズル35を交換することができないので、口金ノズル35の使い分けに手間がかかる。
【0004】
これに対し特許文献1は、図5(A)〜(C)に示すように、口金ノズル35と共に、外周面上に雄ネジ部33が形成されたテーバー状のホルダー筒体31と、その雄ネジ部33に螺着する雌ネジ部38が内周面に形成されたナット筒体37とを用いたクリーム絞り具30を開示している。同図(A)のように、先ず絞り袋40の口金孔41bにホルダー筒体31の雄ネジ部33より基端側(大径側)のテーパー状外周面32を装着し、ホルダー筒体31の雄ネジ部33とその先端側(小径側)のテーパー状外周面34とを口金孔41から外に突出させる。次に、突出させたテーパー状外周面34に口金ノズル35の円錐面底部を嵌め込んだのち、ナット筒体37を口金ノズル35の先端から嵌め込んで雌ネジ部38をナット筒体37の雄ネジ部33に螺着させ、ナット筒体37の内周面37aで口金ノズル35の外周面を押さえることで口金ノズル35をホルダー筒体31に止着する。同図(B)は口金ノズル35をホルダー筒体31に止着した状態を表わし、同図(C)はその断面図を表わす。図示例のクリーム絞り具30は、ナット筒体37により口金ノズル35とホルダー筒体31とが着脱自在に構成されているので、絞り袋40内にクリームCを詰めたまま口金ノズル35を容易に交換することができる。
【0005】
また特許文献1は、図5(D)に示すように、口金ノズルとナット筒体とを一体化したナット付き口金ノズル39も提案している。同図のナット付き口金ノズル39は、例えば合成樹脂性であって、先細り筒状の口金ノズルの基端部にナット部39aを一体成形し、ナット部39aの内周面に雌ネジ部39bを形成したものである。このナット付き口金ノズル39もホルダー筒体31と着脱自在に構成されているので、絞り袋40内にクリームCを詰めたままナット付き口金ノズル39を簡単に交換することが可能である。
【0006】
【特許文献1】特開平9−094067号公報
【特許文献2】特開平11−147549号公報
【特許文献3】特開平7−327606号公報
【非特許文献1】社団法人日本塑性加工学会「プレス絞り加工−工程設計と型設計−」コロナ社、初版第3刷、2003年10月10日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図5のクリーム絞り具30は、口径の異なる口金ノズル35に対応できない問題点がある。従来の口金ノズル35は、絞り出しクリームCで模様や文字を描く作業性の観点から筆先のような形状とすることが求められ、例えば図4(E)のような扇形状の金属薄板51の直線辺51a、51bを溶接することで円錐状または円錐台状に成形されている。このため、絞り出し孔36の大きさに応じて底部の口径が異なる円錐形状を採用し、例えば同図(A)及び(B)のように絞り出し孔36a、36bが比較的小さいときは底部口径も小さくし、同図(C)及び(D)のように絞り出し孔36c、36dが比較的大きいときは底部口径の大きい円錐形状としている。図5のクリーム絞り具30において口径の異なる口金ノズル35に交換する場合は、口金ノズル35を嵌め込むホルダー筒体31も交換する手間が必要になる。
【0008】
図5のクリーム絞り具30において、ホルダー筒体31を交換する手間を省くためには、できるだけ多くの口金ノズル35の口径を統一することが有効である。しかし、溶接により加工する口金ノズル35は加工性に優れた真鍮(黄銅)製とすることが多く、メッキによる防錆処理を施しているが使用するうちにメッキが剥げて有毒な緑青錆が発生するので、使用できる期間(寿命)が比較的短い問題点がある。寿命の短い小さい口金ノズル35(例えば図4(B)参照)を大きな口径(例えば図4(D)参照)に統一することは、材料費及び加工費が嵩むため経済性・実用性に欠ける。図5(D)のように口金ノズル35を合成樹脂製として口径を統一することも考えられるが、合成樹脂製の口金ノズル35は熱湯消毒すると変形しやすく、クッキリとしたクリームの絞り出し形状が得にくい欠点がある。口金ノズル35の口径を統一するためには、加工が容易で寿命の長い金属製の口金ノズルを開発する必要がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、加工が容易で寿命の長い金属製口金を用いたクリーム絞り出し器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1の実施例を参照するに、本発明によるクリーム絞り出し器具は、先細り筒状周壁6a及び6b(以下、筒状周壁6a及び6bを区別する必要がない場合は、両者を纏めて筒状周壁6ということがある)の外周面にナット保持部3を設けた中空ホルダー2、ホルダー2の先端頂壁7に密着可能なフランジ12を有する金属薄板の絞り成形体11の凸部14に絞り出し孔15を穿った口金10、及び保持部3に嵌合しつつ口金10のフランジ12をホルダー2の先端頂壁7に密着させて保持する保持ナット20を備えてなるものである。例えば、保持ナット20の軸心孔21の先端に口金10の凸部より大きくフランジ12より小さい口径の縮径部26(図1(C)参照)を設け、その縮径部26により口金10のフランジ12をホルダー2の先端頂壁7に密着させる。
【0011】
好ましくは、口金10を鋼薄板、ステンレス鋼薄板またはアルミニウム薄板製とし、図2に示すように、ホルダー2の先端口8と同じ口径dで絞り加工された円筒状、円錐台状または半球状の凸部14を有するフランジ12付き絞り成形体11とする。更に好ましくは、図1に示すように、ホルダー2のナット保持部3を先端頂壁7から隔てた外周面上に設け、保持ナット20にホルダー2の先端頂壁7からナット保持部3に至る外周面に嵌合する先細り薄肉周壁25を設ける。口金10の凸部14は、1回の絞り工程で成形可能な高さh(図2参照)とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のクリーム絞り出し器具は、金属薄板のフランジ12付き絞り成形体11の凸部14に絞り出し孔15を穿った口金10を用い、外周面にナット保持部3を設けた中空ホルダー2の先細り筒状周壁6の先端頂壁7に口金10のフランジ12を密着させて保持ナット20により保持するので、次の顕著な効果を奏する。
【0013】
(イ)口金を絞り成形体とすることにより、従来の溶接作業を必要とする口金ノズルに比し加工が容易であり、口金の加工費を低く抑えることができる。
(ロ)また口金の成形に溶接を必要としないので、口金の材質を錆びにくい鋼薄板、ステンレス鋼薄板またはアルミニウム薄板とすることができ、従来の真鍮製の口金ノズルに比し使用できる期間(寿命)の長い口金とすることができる。
(ハ)口金の絞り出し孔の大きさや形状に応じて、フランジの形状を維持しつつ、凸部の形状を円筒状、円錐台状または半球状等とすることが可能である。
(ニ)口金の凸部の高さが小さい場合は、ホルダーのナット保持部と先端頂壁との間の間隔を長くすることにより、クリームで模様や文字を描くために十分な長さの筆先形状を確保することができる。
(ホ)絞り出し孔の大きさや形状が異なる複数の口金を容易に使い分けできると共に、絞り出し孔のない絞り成形体を蓋口金として用いることができ、クリームを保護する場合や保存する場合にも利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明のクリーム絞り出し器具1の実施例を示す。図示例のクリーム絞り出し器具1は、フランジ12付き絞り成形体11の凸部14に絞り出し孔15を設けた口金10と、その口金10のフランジ12に密着可能な先端頂壁7を有する先細り筒状の中空ホルダー2と、中空ホルダー2に嵌合しつつ口金10のフランジ12をホルダー2の先端頂壁7に密着させて保持する保持ナット20とを有する。口金10は絞り成形が可能な金属薄板製とするが、ホルダー2及び保持ナット20は金属製または合成樹脂製とすることができる。
【0015】
中空ホルダー2の外周面上の所定部位にナット保持部3を設け、保持ナット10の軸心孔21にホルダー2のナット保持部3と位置合わせして結合する嵌合部24を設ける。図示例ではホルダー2の保持部3及びナット20の嵌合部24をそれぞれネジ部とし、ホルダー2とナット3とを螺着させて結合しているが、例えばナット3またはホルダー2を磁性体製とし、保持部3または嵌合部24を磁石として両者を磁力により結合してもよい。また図示例のナット20は、軸心孔21の先端口22に口金10の凸部14より大きくフランジ12より小さい口径の縮径部26を設け、ナット20の縮径部26をホルダー2の先端頂壁7に当接させることにより、ホルダー2の保持部3とナット20の嵌合部24とを位置合わせする。
【0016】
図2は、本発明で用いるフランジ12付き絞り成形体11を用いた口金10の実施例を示す。図示例の口金10a〜10dは何れも、従来の絞り加工技術を用いて比較的容易に成形することができる。例えば、所定形状で所定大きさの金属薄板(ブランク)をダイとしわ抑え板との間に位置合わせして挟み込み、しわが生じないように円筒形パンチをダイの中へ押し込むことにより絞り成形体11を成形し、成形した凸部14の頂面にドリル等で絞り出し孔15を穿って口金10とする。または、予め金属薄板に絞り出し孔15を穿ったのち、絞り出し孔15が凸部14となるように絞り成形して口金10とする。金属薄板の形状や大きさ(ブランク径)は、絞り成形体11の凸部14の口径d、フランジ12の外径D、絞り高さh等から予め算出することができる(非特許文献1の44〜48頁参照)。好ましくは口金10を、錆びにくくメッキ等を必要としない鋼薄板、ステンレス鋼薄板またはアルミニウム薄板製とする。
【0017】
口金10の凸部14の形状は、絞り出し孔15の大きさや形状に応じて、例えば図2(A)の円筒状、同図(B)の円錐台状、または同図(D)の半球状のように適宜選択することができる。円筒状の口金10aは凸部14の頂面が比較的大きいので、従来の比較的大口径の口金ノズル35d(図4(D)参照)と同様の絞り出し孔15を設けることができる。また円錐台状の口金10b及び半球状の口金10dは、比較的小さな絞り出し孔15(図4(B)参照)を設ける場合に適している。更に凸部14の形状は、絞り出し孔15の形状や大きさに応じて適当に変形することが可能である。図2(C)は凸部14を楕円錐状に成形した口金10cを示し、この口金10cは鋸刃形のような直線状の絞り出し孔15(図4(C)参照)を設ける場合に適している。
【0018】
絞り成形体11を用いた口金10は、凸部14の形状に拘らず、凸部14の口径dを中空ホルダー2の先端口8の口径と一致させ、フランジ12の外径Dをホルダー2の先端頂壁7の外径と一致させることができる。こうして、図2のように様々な大きさや形状の絞り出し孔15を設けた口金10a、10b、10c、10dのフランジ12を、ホルダー2の先端頂壁7に密着可能な大きさ及び形状に統一する。フランジ12をホルダー2の先端頂壁7に密着可能な形状とすることにより、図1(D)のように口金10をホルダー2に密着させて保持した際に、ホルダー2の中空部5と口金10の凸部14とにより滑らかに連通するクリームの通路を形成できる。
【0019】
口金10の凸部14の絞り高さhは、絞り加工の繰り返し(再絞り)により大きくすることも可能であるが、できる限り1回の絞り工程で成形できる高さとすることが望ましい。例えば図2(B)の円錐台状の凸部14を有する口金10を成形する場合に、絞り高さhが凸部14の口径dの0.4〜0.55倍であれば大体1回の絞り工程で成形できるが、絞り高さhが口径dの0.8〜1.5倍以上となると1回の絞り工程で成形することはできないといわれている(非特許文献1の43頁参照)。凸部14の口径dが10〜30mm程度であれば、1回で成形できる絞り高さは5.5〜16.5mm程度である。すなわち、1回の絞り工程で成形できる口金10の絞り高さhには限界がある。
【0020】
口金10の凸部14の絞り高さhが小さい場合は、図示例のように、ホルダー2のナット保持部3を先端頂壁7から隔てた外周面上に設け、ホルダー2の保持部3と先端頂壁7との間に間隔Lの先細り周壁6bを設けることが望ましい。この場合は、保持ナット20の嵌合部24を軸心孔21の基端側(大径側)に設け、軸心孔21の先端側(小径側)にホルダー2の先細り周壁6bの外周面に嵌合(外接)する先細り薄肉周壁25を設ける。ホルダー2の先細り周壁6bの先端に口金10を密着させて保持することにより、ホルダー2の先端に、先細り周壁6bの間隔Lと口金10の絞り高さhとの合計(L+h)からなる十分な長さの筆先のような先細り形状を確保することができる。
【0021】
図示例のクリーム絞り出し器具1を絞り袋40に取り付けてクリームを絞り出す場合は、図5の場合と同様に、先ず絞り袋40の口金孔41bにホルダー2の保持部3より基端側(大径側)の先細り周壁6aを装着し、ホルダー2のナット保持部3とその先端側の先細り周壁6bとを口金孔41から外に突出させる。図示例のホルダー2の基端側周壁6aは環状段部を設けて滑りにくくなっており、この環状段部により絞り袋40の口金孔41bへ確実に止着させることができる。次いで、口金孔41bから突出させた先端側の先細り周壁6bの先端頂壁7に所望の絞り出し口15が穿たれた口金10のフランジ12を位置合わせし、保持ナット10の嵌合部24をナット保持部3と結合するまでホルダー2に嵌合させることにより、口金10のフランジ12をホルダー2の先端頂壁7に密着させて保持する。図1(D)は、口金10をホルダー2に密着させて保持した状態の断面図を表わす。この状態で絞り袋40内にクリームCを詰め込み、ホルダー2のクリーム取り入れ口9からクリームCを圧入することにより、図3及び図5の場合と同様に、口金10の絞り出し孔15に応じた断面形状及び太さでクリームCを筋状に絞り出すことができる。
【0022】
本発明のクリーム絞り出し器具1は、口金10の口径(フランジ径)を変えずに凸部14の絞り出し孔15の大きさや形状を変えることができ、従来のクリーム絞り出し具に比して絞り出し孔15の使い分けに応じた口金10の交換が容易である。また、ホルダー2のナット保持部3から先端頂壁7までの間隔Lを長くすることにより、口金10の凸部14の高さhが小さい場合でも、模様や文字を描くために十分な長さの筆先のような先細り形状を確保することができる。更に、口金10を絞り成形体とすることにより、溶接作業が不要となるので加工費を低く抑えることができると共に、材質を錆びにくいステンレス鋼薄板製等とすることができるので口金10の使用できる期間(寿命)を長くすることができる。
【0023】
こうして本発明の目的である「加工が容易で寿命の長い金属製口金を用いたクリーム絞り出し器具」の提供が達成できる。
【実施例1】
【0024】
図2(E)は、絞り出し孔15のないフランジ12付き絞り成形体11からなる蓋口金17の実施例を示す。この蓋口金17は、口金10と同様の絞り工程で成形することができる。図3または図5に示す従来の絞り出し方法では、絞り袋40に詰め込んだクリームCが残った場合等に、口金ノズル35に蓋をする適切な方法がなく、例えば口金ノズル35の絞り出し孔36を上向きにして絞り袋40を一時的に冷蔵庫等で貯蔵する等の方法で対応している(特許文献2参照)。しかし、口金ノズル35からクリームCが漏れ出したり、逆にクリームC内に埃が混入する等の衛生上の懸念があった。本発明のクリーム絞り出し器具1は、同図(A)〜(D)のように凸部14に絞り出し孔15を穿った口金10に代えて、図2(E)のように蓋口金17を用いることにより、絞り袋40に残ったクリームCの保存や保護に有効に利用することができる。絞り出し孔15を穿った口金10に蓋口金17を重ねることで、クリームCに蓋をすることをも可能である。
【0025】
図示例の蓋口金17は、絞り袋40にクリームCを詰め込む際の漏れ出しを防ぐために利用することもできる。すなわち、絞り袋40の口金孔41bにホルダー2を装着する際にはホルダー2の先端口8を蓋口金17で塞いでおき、絞り袋40内にクリームCを詰め込んだのち、ホルダー2の先端口8の蓋口金17を所望の絞り出し口15が穿たれた口金10に付け替えてクリームCを絞り出す。また、クリームCを詰め込んだ絞り袋40を市場に流通させるような場合にも、蓋口金17を設けた本発明のクリーム絞り出し器具1を利用することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のクリーム絞り出し器具の実施例の説明図である。
【図2】本発明で用いる絞り成形体製の口金及び蓋口金の説明図である。
【図3】従来のクリーム絞り出し方法の説明図である。
【図4】従来のクリーム絞り出し方法で用いる口金ノズルの説明図である。
【図5】従来のクリーム絞り出し具の説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1…クリーム絞り出し器具 2…中空ホルダー
3…ナット保持部 5…中空部
6、6a、6b…先細り筒状周壁
7…先端頂壁 8…先端口
9…クリーム取り入れ口 10…口金
11…絞り成形体 12…フランジ
14…凸部 15…絞り出し孔
17…蓋口金 20…保持ユニット
21…軸心孔 22…先端口
23…基端口 24…嵌合部
25…先細り薄肉周壁 26…縮径部
30…クリーム絞り出し具
31…ホルダー筒体 32…テーバー周壁
33…雄ネジ部 34…テーパー周壁
35…口金ノズル
36…絞り出し孔 37…ナット筒体
38…雌ネジ部 39…ナット付き口金ノズル
39a…ナット部 39b…雌ネジ部
40…絞り袋 41a…投入孔
41b…口金孔
51…扇形金属薄板 51a、51b…直線辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先細り筒状周壁の外周面にナット保持部を設けた中空ホルダー、前記ホルダーの先端頂壁に密着可能なフランジを有する金属薄板の絞り成形体の凸部に絞り出し孔を穿った口金、及び前記保持部に嵌合しつつ口金のフランジをホルダーの先端頂壁に密着させて保持する保持ナットを備えてなるクリーム絞り出し器具。
【請求項2】
請求項1の絞り出し器具において、前記口金を鋼薄板、ステンレス鋼薄板またはアルミニウム薄板製としてなるクリーム絞り出し器具。
【請求項3】
請求項2の絞り出し器具において、前記口金を、前記ホルダーの先端口と同じ口径で絞り加工された円筒状、円錐台状または半球状の凸部を有するフランジ付き絞り成形体としてなるクリーム絞り出し器具。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの絞り出し器具において、前記保持ナットの軸心孔の先端に口金の凸部より大きくフランジより小さい口径の縮径部を設けてなるクリーム絞り出し器具。
【請求項5】
請求項4の絞り出し器具において、前記ホルダーのナット保持部を先端頂壁から隔てた外周面上に設け、前記保持ナットにホルダーの先端頂壁からナット保持部に至る外周面に嵌合する先細り薄肉周壁を設けてなるクリーム絞り出し器具。
【請求項6】
請求項1から5の何れかの絞り出し器具において、前記口金の凸部を1回の絞り工程で成形可能な高さとしてなるクリーム絞り出し器具。
【請求項7】
請求項1から6の何れかの絞り出し器具において、前記絞り成形体の凸部に絞り出し孔を穿った口金に代えてまたは加えて、絞り出し孔のない前記絞り成形体からなる蓋口金を設けてなるクリーム絞り出し器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−325560(P2006−325560A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157872(P2005−157872)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(503311748)
【Fターム(参考)】