説明

クレンジング料

【課題】泡立ちや持続性に優れ、肌での延展時において泡質が極めてきめ細かくクリーミィーな状態に変化し、またメイクや皮脂汚れによる泡の立ち切れが無く、かつ、メイクや皮脂汚れを落とす効果に優れ、洗浄後に肌にハリとうるおいを与えるクレンジング料を提供する。
【解決手段】(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を5〜20質量%、(B)式1で示されるアミンオキシド型半極性界面活性剤を0.5〜3質量%、(C)グリコシルトレハロースを3〜20質量%、及び(D)炭素数3〜6の多価アルコールを5〜30質量%含有するクレンジング料。


(式中のRは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時に泡立てて使用するクレンジング料に関し、さらに詳しくは泡立ちや持続性に優れ、肌での延展時において泡質が極めてきめ細かくクリーミィーな状態に変化し、またメイクや皮脂汚れによる泡の立ち切れが無く、かつ、メイクや皮脂汚れを落とす効果に優れ、洗浄後に肌にハリとうるおいを与えるクレンジング料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メイクアップ化粧料や皮脂汚れなどの油性汚れを落とすのに、油剤や界面活性剤などを主成分として構成したクレンジング料が用いられている。これらのクレンジング料はメイク汚れに対する洗浄力は優れているものの、皮脂や細胞間脂質を過剰に落とすことがあり、またそのことによって肌のうるおいが損なわれるという問題があった。そして近年マスカラやアイライナーなどの目の周りへのメイクが流行していることもあり、このようなメイクを落とす時、クレンジング料が目に入る恐れがあり、そうなった場合には目に刺激を与える等の問題があった。また通常これらのクレンジング料を使用した後には皮膚に残存した油性成分を落とす必要があり、上記のクレンジング料とは別に、洗顔料を用いる「ダブル洗顔」を行わなければならず、使用者にとっては2回洗浄することとなり手間となってしまう。
【0003】
一方でダブル洗顔不要のクレンジング料も用いられており手間は省けるものの、通常低刺激性で親水性の界面活性剤を主成分としているため、メイク汚れや皮脂汚れに対する洗浄力は決して満足いくものではない。ただこのようなクレンジング料は通常泡立てて、その泡で洗浄することを特徴としており、泡の特性を生かした洗浄料と言える。つまり洗浄時において泡には、すすぎ後の独特の洗い感や、また泡の大きさが小さく、泡質がクリーミィーであるほど、皮膚の毛穴などの小さな部位にも入りこめることから汚れのかき出しに優れており、またその弾力性からくる緩衝作用によって皮膚への刺激低減などの特性がある。そして、このような泡の特性は、さらに泡量が多く、また泡質が肌での延展時においてきめ細かく、クリーミィーであり、かつ、そのような泡が長時間持続され、汚れに対して立ち切れない泡であることで、さらに活かすことができる。
【0004】
上記のような観点から特許文献1(特開2004−277365)には、皮膚に対して刺激の低い非イオン性界面活性剤を用いた泡状の洗浄料が提案されているが、泡立ちや肌での延展時における泡質が乏しく、洗浄力が不十分である。特許文献2(特開2006−193484)には、泡立ちや泡質を向上させるために、界面活性剤とグルコシルトレハロースを組み合わせた洗浄料が提案されているが、メイク汚れによる泡の立ち切れが生じたり、持続性が足りずに泡がへばったり、洗浄後の肌のうるおいにおいて不十分なものであった。そこで泡の特性と洗浄力を十分に満たす、つまりは泡立ち、泡質や洗浄力において優れ、かつ、肌での延展時に泡が立ち切れることなく、きめ細かくクリーミィーな泡の状態で使用でき、すすいだ乾燥後に肌にハリやうるおいを与えるクレンジング料が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−277365号公報
【特許文献2】特開2006−193484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
泡立ちや持続性に優れ、肌での延展時において泡質が極めてきめ細かくクリーミィーな状態に変化し、またメイクや皮脂汚れによる泡の立ち切れが無く、かつ、メイクや皮脂汚れを落とす効果に優れ、洗浄後に肌にハリとうるおいを与えるクレンジング料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決する為、鋭意研究をした結果、ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、アミンオキシド型半極性界面活性剤、グリコシルトレハロースと炭素数3〜6の多価アルコールとを特定の比率で組み合わせることで、上記課題を解決したクレンジング料を提供するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を5〜20質量%、(B)式1で示されるアミンオキシド型半極性界面活性剤を0.5〜3質量%、(C)グリコシルトレハロースを3〜20質量%、(D)炭素数3〜6の多価アルコールを5〜30質量%含有し、かつ、(A)と(B)との質量比 A/Bが4/1〜20/1であり、(A)と(B)との合計と、(C)と(D)との合計との質量比(A+B)/(C+D)が3/10〜9/10であり、かつ(C)と(D)との合計が20〜40質量%であるクレンジング料である。
【0008】
【化1】

【0009】
(式中のRは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を示す。)
(2)上記クレンジング料をフォーマー容器に充填してなる泡状のクレンジング料である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクレンジング料は、泡立てて使用すると泡質がきめ細かく、クリーミィーなものとなり、そのような特徴を最大限生かすためにフォーマー容器に充填した場合には、泡が吐出時から使用時(延展時)にかけて、極めてきめ細かく、クリーミィーな状態となる。また泡の持続性が優れ、かつ、メイクアップ化粧料や皮脂汚れによる泡の立ち切れが無く、またメイクアップ化粧料や皮脂汚れを落とす効果に優れ、洗い上がりの肌にハリとうるおいを与えるものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明で用いる(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤は、炭素数10〜20の飽和または不飽和脂肪酸と、重合度4〜15、好ましくは6〜12のポリグリセリンとのエステル化合物である。具体的に脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などの飽和脂肪酸、パルミトレイン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。製造法としては、アルカリ触媒の存在下、ポリグリセリンと脂肪酸のエステル化反応またはポリグリセリンと脂肪酸エステルのエステル交換反応、もしくはグリシドールを使用した脂肪酸への付加重合反応などがある。化合物として具体的には、テトラグリセリンモノラウレート、ペンタグリセリンモノラウレート、ペンタグリセリンミリステート、ペンタグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノオレート、ドデカグリセリンモノラウレートなどが挙げられる。中でも泡立ちの点から、デカグリセリンモノラウレートが好ましい。
【0012】
本発明で用いる(B)アミンオキシド型半極性界面活性剤は、式1で示されるものである。式中Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、具体的にはアルキル基としてカプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基などが挙げられ、アルケニル基としてパルミトオレイル基、オレイル基などが挙げられる。式1で示されるアミンオキシド型半極性界面活性剤の代表例としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシドなどが挙げられる。中でも、泡質においてミリスチルジメチルアミンオキシドが好ましい。
【0013】
本発明で用いる(C)グリコシルトレハロースは、2つのグルコースがα1位同士で結合したα−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノシド(α,α−トレハロース)を基本骨格とし、一方のグルコースの4位とα−グルコースの1位が結合したオリゴ糖であり、グルコースの重合度が2〜6の三糖ないし七糖の化合物である。より具体的には、重合度2であるα−マルトシルα−グルコシド、重合度3であるα−マルトトリオシルα−グルコシド、重合度4であるα−マルトテトラオシルα−グルコシド、重合度5であるα−マルトペンタオシルα−グルコシド、および重合度6であるα−マルトヘキサオシルα−グルコシドが挙げられる。具体的な製品としては、株式会社林原生物化学研究所製の「トルナーレ」が挙げられる。
【0014】
本発明で用いる(D)多価アルコールは、炭素数3〜6で水酸基が2個以上の水溶性のアルコール類を指し、具体的には1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール等が挙げられる。中でも泡立ちや安定性において、グリセリン、ジグリセリンが好ましい。
【0015】
本発明の(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤の配合量は組成物全量中に5〜20質量%であり、好ましくは8〜18質量%、更に好ましくは10〜15質量%である。5質量%未満では泡の持続性、起泡力や洗浄力が得られなく、20質量%を超えると洗浄後のつっぱり感が強くなるだけでなく、低温での保存安定性が悪くなる。またフォーマー容器に充填した場合の押し出し性が悪くなる。
【0016】
本発明の(B)アミンオキシド型半極性界面活性剤の配合量は組成物全量中に0.5〜3質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは1〜2質量%である。0.5質量%未満では泡質や洗浄力が不十分であり、3質量%を超えると泡質が悪くなり、またすすぎ後のぬめりを有して洗い上がりの感触が悪くなる。
【0017】
本発明の(C)グリコシルトレハロースの配合量は組成物全量中に3〜20質量%であり、好ましくは5〜15質量%であり、さらに好ましくは8〜12質量%である。3質量%未満では延展時における泡質が悪くなり、洗浄後の感触が悪くなるとともに泡の立ち切れが生じ易くなり、20質量%を超えると配合量に見合った効果が得られない。また、フォーマー容器に充填した場合には吐出性が悪くなる。
【0018】
本発明の(D)多価アルコールの配合量は組成物全量中に5〜30質量%であり、好ましくは7〜25質量%、更に好ましくは10〜18質量%である。5質量%未満では泡質、泡持続性が悪くなるとともに泡の立ち切れが生じ易くなり、30質量%を超えると泡立ちが悪くなる。
【0019】
本発明において(A)と(B)の質量比 A/Bは、4/1〜20/1であり、好ましくは5/1〜18/1であり、更に好ましくは6/1〜16/1である。4/1未満では泡の持続性や延展時の泡質が悪くなる。20/1を超えると洗浄力が不十分になる。また、フォーマー容器に充填した場合は延展時の泡質が悪くなる。
【0020】
そして、(A)と(B)の合計と、(C)と(D)の合計との質量比(A+B)/(C+D)は、3/10〜9/10であり、好ましくは3/10〜8/10であり、更に好ましくは4/10〜7/10である。3/10未満では、泡の持続性や泡質、洗浄力が悪くなり、9/10を超えると泡立ちや、フォーマー容器に充填した場合には吐出時や肌での延展時の泡質が悪くなる。
【0021】
さらに、(C)と(D)の合計(C+D)は合わせて、20〜40質量%であり、好ましくは21〜35質量%であり、更に好ましくは23〜32質量%である。20質量%未満では、延展時において泡質がクリーミィーな状態に変化せず、また乾燥後の肌へのハリやうるおいが不十分であり、40質量%を超えると泡質が悪くなる。
【0022】
本発明において、組成物の有する泡の特性を最大限生かすためにはクレンジング料をフォーマー容器に充填することが好ましい。即ち本発明でフォーマー容器を使用した洗浄料は、吐出時の泡の状態よりも使用時(延展時)の泡の方がよりきめ細かく、クリーミィーな状態に変化し、泡の持続性、洗浄力、使用感に優れる状態になる。そのことから肌の状態を改善するパック料としても応用できる。そして本発明でいうフォーマー容器は、単数又は複数の一定の孔径を有する多孔体を用い、所定の割合で洗浄剤組成物と空気を混合し、該洗浄剤組成物を泡状として吐出させるものである。これによりクリーミィーな泡を形成することができ、洗浄時に良好な感触を得ることができる。多孔体としては、ネット、スポンジなどが挙げられる。一般的にネットのメッシュとしては、100〜400メッシュが好ましい。上記のように泡を形成することができる容器であれば、その種類は特に制限されるものではなく、ポンプ式やスクイズ式は問わない。フォーマー容器に充填する場合は、組成物の有効分量(A+B+C+D)を合わせた量は通常30〜60質量%である。
【0023】
本発明のクレンジング料には、洗浄剤に常用されている添加剤を本発明の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。
そして、本発明のクレンジング料は、通常次のようにして調製される。すなわち、ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤、アミンオキシド型半極性界面活性剤、グリコシルトレハロースおよび多価アルコールを混合し、イオン交換水を加えて約70〜80℃で均一に溶解する。その後、防腐剤やキレート剤等を添加して冷却し、約40℃にて香料等の揮発性添加剤を添加して目的の組成物を得る。
【実施例】
【0024】
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。実施例1〜6、比較例1〜10、表1に示す組成のクレンジング料を調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、下記表記中の部および%とあるのは、それぞれ質量部および質量%を意味する。
【0025】
(1)フォーマー容器からの吐出性の評価
10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して、十分に空射ちしてから容器に各組成物を20回繰り返して吐出し、吐出時のポンプの目詰まり性、吐出性について下記のように判定し、10名の合計値が15点以上を泡の吐出が良好であると評価した。
2点:ポンプの目詰まりがなく、無理なく吐出することができた場合
1点:ホンプにやや目詰まりがあり、わずかに力を要して吐出することができた場合
0点:ポンプの目詰まりにより、強い力を要して吐出することができた場合
【0026】
(2)泡持続性の評価
大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)を使用し、十分に空射ちしてから20mLガラスビーカーに各組成物を5回吐出する。吐出から1分後の泡の高さ(最低位置からの泡の高さ)と5分後の泡の高さを測定し、次の式から求めた数値により評価した。
泡持続率(%)= [(5分後の泡の高さ)/(1分後の泡の高さ)] ×100
泡量が、15mm以上の場合を泡量が多い(十分な)組成物と評価した。
泡持続率の値が90%以上の場合を泡持続性が良好な組成物と評価した。
【0027】
(3)吐出時の泡質の評価
10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して、肌に吐出した時の泡質について下記のように判定し、10名の合計値が15点以上を泡質が良好であると評価した。
2点:泡質がクリーミィーで良好であると感じた場合
1点:泡質が若干粗く、クリーミィーさがやや劣ると感じた場合
0点:泡質が粗いと感じた場合
【0028】
(4)肌での延展時の泡質の評価
10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して5回吐出し、肌上で延展した時の泡質について下記のように判定し、10名の合計値が15点以上を吐出時に比べて泡質が良好であると評価した。
2点:泡質が吐出時に比べてさらにクリーミィーで良好な状態に変化したと感じた場

1点:泡質が吐出時に比べて同等、もしくは若干粗く、クリーミィーさがやや劣ると
感じた場合
0点:泡質が吐出時に比べて粗いと感じた場合
【0029】
(5)メイクに対する洗浄性の評価
メイクをした10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して5回吐出した泡により洗顔し、下記のように判定して10名の合計値が15点以上をメイク落ちが良好な組成物であると評価した。
2点:メイク汚れが十分落ちると感じた場合
1点:メイク汚れの落ちが若干悪いと感じた場合
0点:メイク汚れの落ちが悪いと感じた場合
【0030】
(6)乾燥後の肌のハリとうるおいの評価
10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して3回吐出した泡により油性汚れを洗浄し、乾いた後の肌のハリとうるおいについて下記のように判定し、10名の合計値が15点以上を肌にハリとうるおいを与える組成物であると評価した。
2点:肌にハリとうるおいがあり、ふっくらしていると感じた場合
1点:肌にハリとうるおいがやや少ないと感じた場合
0点:肌にハリとうるおいが少ないと感じた場合
【0031】
【表1】

【0032】
実施例1〜6より、本発明のクレンジング料はいずれも泡質、泡の持続性に優れ、吐出時だけでなく、肌での延展時においても泡質が良好であり、さらには極めてきめ細かく、クリーミィーなものに変化し、メイクアップ化粧料や皮脂汚れによる泡の立ち切れが無く、メイクアップ化粧料や皮脂汚れを落とす効果に優れ、洗い上がりの肌にハリとうるおいを与えていた。一方、比較例1〜10では十分な性能が得られていない。
【0033】
比較例1では、(C)が本発明の範囲より少ないことから、肌での延展時において泡質がクリーミィーな状態にはならなかった。比較例2では、(B)が本発明の範囲を超えていることから、フォーマー容器からの吐出時の泡質が悪く、また延展時においてもクリーミィーな泡とはならなかった。比較例3では、(A)が本発明の範囲より少なく、(C)と(D)を合計した質量%(C+D)が本発明の範囲より少ないことから、泡の持続性や洗浄力が悪く、また肌での延展時に泡質がクリーミィーな状態とはならず、また乾燥後の肌のハリとうるおいが乏しかった。比較例4では、(C)と(D)を合計した質量%(C+D)が本発明の範囲より少ないことから、肌での延展時に泡質がクリーミィーな状態とはならず、また乾燥後の肌のハリとうるおいが乏しかった。比較例5では(D)成分が本発明の範囲より少ないことから、延転時において泡質がクリーミィーにならなかった。比較例6では、(A)が本発明の範囲を超えていることから、フォーマー容器からの吐出性や乾燥後の肌の感触が悪くなる問題を生じた。比較例7では、(A)と(B)の質量比 A/Bが本発明の範囲を超えていることから、延展時において泡質がクリーミィーな状態にならなかった。比較例8では、(A)と(B)の合計と、(C)と(D)の合計との質量比(A+B)/(C+D)が本発明の範囲を下回っていることから、泡の持続性や泡質、洗浄力が悪くなっている。一方、比較例9では、(C)と(D)を合計した質量%(C+D)が本発明の範囲より超えていることから、フォーマー容器からの吐出性、吐出時および延展時の泡質が悪くなった。さらに、比較例10では、(A)と(B)の質量比 A/Bが本発明の範囲を下回っていることから、泡の持続性や延展時の泡質が悪くなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリグリセリン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を5〜20質量%、(B)式1で示されるアミンオキシド型半極性界面活性剤を0.5〜3質量%、(C)グリコシルトレハロースを3〜20質量%、及び(D)炭素数3〜6の多価アルコールを5〜30質量%含有し、かつ、(A)と(B)の質量比 A/Bが4/1〜20/1であり、(A)と(B)成分の合計と、(C)と(D)の合計の質量比(A+B)/(C+D)が3/10〜9/10であり、かつ(C)と(D)の合計が20〜40質量%の範囲であるクレンジング料。
【化1】

(式中のRは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を示す。)
【請求項2】
請求項1に記載のクレンジング料をフォーマー容器に充填してなる泡状のクレンジング料。

【公開番号】特開2011−105606(P2011−105606A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259230(P2009−259230)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】