説明

クロストリジウム・ディフィシル感染症のための選択的抗菌薬

本発明は式(I)の化合物を特徴とし、この化合物は、特にクロストリジウム・ディフィシル関連疾患に対する抗菌剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2009年9月11日に出願された米国仮出願第61/276,436号の利益を主張する。
【0002】
連邦支援研究に関する記述
本明細書に記載されている発明は、国立衛生研究所からSBIR認可番号AI051103によって全体的又は部分的に支援された。政府は本発明において特定の権利を有する。
【0003】
本発明は、インビトロ及びインビボにおいてクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)に対して選択的に活性である抗菌化合物、さらに特に、7-置換2-ベンジルアミノ-6-オキソプリン及びその塩に関する。
【背景技術】
【0004】
細菌性病原体は公衆衛生に深刻な脅威を及ぼす。グラム陽性病原体の2種であるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)及びエンテロコッカス・フェカリス/フェシウム(Enterococcus fecalis/fecium)は、主に院内の(院内感染)病原体であり、ともに現在、院内疾患の大多数を占めている。エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)及びシュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)などのグラム陰性菌も、ヒトにおいて重大な疾患を引き起こす。これらの生物は好気性細菌、即ち、酸素含有雰囲気中で増殖する細菌である。
【0005】
衛生に重要であるのは、「嫌気性」細菌、即ち、腸管内環境において認められるなど酸素欠乏雰囲気中で増殖する細菌である。ラクトバチルス属(Lactobacilli)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacteria)及びユーバクテリウム属(Eubacteria)などのグラム陽性嫌気性菌、並びにバクテロイデス属(Bacteroides)などのグラム陰性嫌気性菌は、衛生に重要な「善玉」腸管内生物の代表であり、一方グラム陽性嫌気性菌のクロストリジウム・ディフィシル及びクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)は、病原性細菌の代表である。クロストリジウム・ディフィシル(C.diff.)は、皮肉にもしばしば特定の抗生物質薬物を用いる治療の結果として、ヒト患者における疾患との関連が増している。最も一般的疾患は、C.diff.関連下痢症(CDAD)と称される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、本発明は、特定の7-置換-2-(ベンジルアミノ)-6-オキソプリンが腸管内嫌気性菌C.diff.の増殖に対して強力な活性を有するが、予想外にも他の、腸管内グラム陽性嫌気性菌に対して弱い活性を有するという予期しなかった発見に基づいている。該化合物を投与することで、ヒト患者におけるC.diff.感染症を発症する可能性を低減又は治療することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、下記式を有する化合物若しくはその光学異性体又は薬学的に許容されるその塩を特徴とする
【化1】

【0008】
[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4である]。
【0009】
特定の実施形態において、R1及びR2がクロロである場合、R3は、4-メトキシブチル、4-(N-モルホリニル)ブチル、2-メトキシエチル、5-メトキシペンチル、5-エトキシペンチル、5-プロポキシペンチル、5-メチルチオペンチル、4-ヒドロキシブチル、4-アセトキシブチル、4-ブロモブチル、4-ヨードブチル、4-(N-ピペラジニル)ブチル、5-ヒドロキシペンチル、5-アセトキシペンチル又は5-ヨードペンチルではない。
【0010】
特定の実施形態において、R1及びR2は、独立してH、ハロ、トリハロメチル、トリフルオロエチル又はトリハロメトキシである。特に、R1及びR2は、独立して、Cl、Br、I、CF3、OCF3、CF2CF3及びCH2CF3からなる群から選択することができ、例えば両方がクロロであり得る。R3は、例えば、2-(N-モルホリニル)エチル、3-(N-モルホリニル)プロピル、5-(N-モルホリニル)ペンチル、2-[(N-モルホリニル)エトキシ]エチル、2-[(N-モルホリニル)-メチル]シクロブチルメチル又は2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチルである。他の例において、R3は、ω-(N-アジリジニル)-C1-10アルキル、ω-(N-ピロリジニル)-C1-10アルキル、ω-(N-ピペリジニル)-C1-10アルキル及びω-(N-ピペラジニル)-C1-10アルキルからなる群から選択される。
【0011】
例示的な化合物は、下記式の一つを有する。
【化2】

【0012】
本発明の特定の化合物として、7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び 7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンが挙げられる。追加の化合物は、7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物258D)及びその塩酸塩である。
【0013】
本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含めた医薬組成物をさらに特徴とする。
【0014】
本発明は、治療有効量の本発明の化合物を必要とする動物に投与することによって、C.diff.関連疾患を治療又は発症する可能性を低減する方法も特徴とする。例示的なC.diff.関連疾患として、C.diff.関連下痢症又はC.diff.関連大腸炎が挙げられる。特定の実施形態において、動物は、本明細書に記載されている通りのC.diff.感染症の危険性が増加している。
【0015】
本発明は、インビトロにおけるC.diff.の増殖を阻害する方法をさらに特徴とし、該方法は、適切な培養培地中で酸素の非存在において、C.diff.を有効量の本発明の化合物と接触させるステップを含む。
【0016】
本発明の化合物は、例えばC.diff.関連疾患を治療又は発症の可能性を低減するのに使用するための医薬として使用することができる。
【0017】
「アシル」によって、Rがアルキルである-C(O)Rが意味される。例えば、C1アシルはアセチルである。
【0018】
「アルキル」によって、望ましくは1個から6個の炭素原子を有する分枝又は非分枝の飽和非環式炭化水素基が意味される。例として、メチル;エチル;n-プロピル;イソプロピル;n-ブチル;イソ-ブチル;sec-ブチル;tert-ブチル;ペンチル;1-メチルブチル;2-メチルブチル;3-メチルブチル;2,2-ジメチルプロピル;1-エチルプロピル;1,1-ジメチルプロピル;1,2-ジメチルプロピル;1-メチルペンチル;2-メチルペンチル;3-メチルペンチル;4-メチルペンチル;1,1-ジメチルブチル;1,2-ジメチルブチル;1,3-ジメチルブチル;2,2-ジメチルブチル;2,3-ジメチルブチル;3,3-ジメチルブチル;1-エチルブチル;2-エチルブチル;1,1,2-トリメチルプロピル;1,2,2-トリメチルプロピル;1-エチル-1-メチルプロピル;1-エチル-2-メチルプロピル;及びヘキシルが挙げられる。アルキル基は、本明細書に記載されている通り、非置換であるか又は置換されていてよい。
【0019】
「アルコキシ」によって、Rがアルキル基である-ORを意味する。
【0020】
「アルキルアミノ」によって、Rがアルキル基である-NHRを意味する。
【0021】
「アルキルアリール」によって、Rが例えば6個から12個の炭素のアリール基であり、R'が例えば1個から8個の炭素のアルキル基である-RR'を意味する。
【0022】
「アルキルスルホニル」によって、Rがアルキル基である-SO2Rを意味する。
【0023】
「アルキルチオ」によって、Rがアルキル基である-SRを意味する。
【0024】
「アリール」によって、一つ又は複数の芳香環を有する単環式、二環式又は多環式の炭素環系が意味される。各環には、好ましくは、6〜12個の炭素原子が含まれる。例として、フェニル、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インダニル及びインデニルが挙げられる。アリール基は、本明細書に記載されている通り、非置換であるか又は置換されていてよい。
【0025】
「アリールアルキル」によって、Rが例えば1個から8個の炭素のアルキル基であり、R'が例えば6個から12個の炭素のアリール基である-RR'を意味する。
【0026】
「アリールアミノ」によって、Rがアリール基である-NHRを意味する。
【0027】
「アリールオキシ」によって、Rがアリール基である-ORを意味する。
【0028】
「アリールチオ」によって、Rがアリール基である-SRを意味する。
【0029】
「シクロアルキル」によって、環(単数又は複数)に炭素原子のみを有する単環又は二環構造が意味され、ここで、各環は望ましくは3員から6員を有する。例示的なシクロアルキル基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。シクロアルキル基は、本明細書に記載されている通り、非置換であるか又は置換されていてよい。
【0030】
「二置換アミノ」によって、R及びR'が独立してアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルである-NRR'が意味される。
【0031】
細菌の増殖を阻害するという文脈において、化合物の「有効量」によって、インビボ又はインビトロにおいて投与されると細胞増殖率が少なくとも80%低減する量が意味される。
【0032】
「ハロ」によって、フルオロ、ブロモ、クロロ又はヨードが意味される。
【0033】
「ハロアルキル」によって、一つ又は複数のハロ基で置換されているアルキル基、例えば、ペルフルオロアルキルが意味される。
【0034】
「ハロアルコキシ」によって、一つ又は複数のハロ基で置換されているアルコキシ基が意味される。
【0035】
「ヘテロアリール」によって、一つ又は複数の芳香環を有する単環式、二環式又は多環式の複素環系が意味される。各環には、好ましくは、1個から10個、例えば2個から9個の炭素原子、並びに1個から4個の酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子が含まれる。例として、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾトリアゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、プリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キノリニル、テトラゾリル、チエニル、トリアジニル及びトリアゾリルが挙げられる。ヘテロアリール基は、本明細書に記載されている通り、非置換であるか又は置換されていてよい。
【0036】
「ヘテロシクリル」によって、芳香環が含まれない単環式、二環式又は多環式の複素環系が意味される。各環には、好ましくは、2個から9個、例えば、2個から8個の炭素原子、並びに1個から4個の酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子が含まれる。例として、アジリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキセタニル、オキセパニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル及びテトラヒドロチオピラニルが挙げられる。ヘテロシクリル基は、本明細書に記載されている通り、非置換であるか又は置換されていてよい。
【0037】
「阻害する」によって、細胞増殖率を少なくとも80%低減することが意味される。特定の実施形態において、該増殖は、90%、95%、又は99%以上も阻害することができる。
【0038】
「オキソ」によって、=Oが意味される。
【0039】
「C.diff.感染症にかかりやすい人」によって、C.diff.感染症に罹患する危険性が一般集団と比較して増加している動物、例えばヒトが意味される。こうした人の例として、別の細菌感染症のための抗生物質治療を近年受けたばかりの人、若年者及び高齢者が挙げられる。こうした人は、当業者に知られている方法を使用して同定することができる。
【0040】
「薬学的に許容される塩」によって、薬学的に許容される無機塩基及び有機塩基から誘導されるものが意味される。例えば、薬学的に許容される塩は、Bergeら、J. Pharmaceutical Sciences 66:1-19、1977、及びPharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use、(編集P.H.Stahl及びC.G.Wermuth)、Wiley-VCH、2008に記載されている。代表的な酸付加塩として、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩及び吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムなどが挙げられる。追加の塩として、これらに限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びエチルアミンなどを含めて、非毒性アンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオンが挙げられる。薬学的に許容されるカチオンは、正電荷を持つそれらの塩形成イオンである。以下本発明による化合物と称することで、示されている一般式の化合物、並びにそれらの薬学的に許容される塩を含める。
【0041】
「医薬組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載されている化合物を含有し、薬学的に許容される賦形剤とともに処方され、哺乳動物における疾患の治療のための治療計画の一部として政府規制当局の認可を得て製造又は販売されている組成物を表す。医薬組成物は、例えば、単位剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ジェルキャップ又はシロップ)における経口投与用;局所投与用(例えば、クリーム、ゲル、ローション又は軟膏として);静脈内投与用(例えば、粒子状塞栓がない滅菌溶液として、及び静脈内使用に適当な溶媒系における);又は本明細書に記載されている任意の他の製剤に処方することができる。
【0042】
「薬学的に許容される賦形剤」は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載され(例えば、該活性化合物を懸濁又は溶解することができるビヒクル)、患者において非毒性及び非炎症性である特性を有する化合物以外の任意の材料を指す。賦形剤として、例えば、付着防止剤、抗酸化剤、バインダー、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、色素(色)、軟化薬、乳化剤、充填剤(希釈剤)、膜形成剤又は膜コーティング剤、香料、芳香、流動促進剤(流量強化剤)、潤滑剤、保存料、印刷インク、吸着剤、懸濁化剤若しくは分散剤、甘味料又は水和水を挙げることができる。例示的な賦形剤として、これらに限定されないが、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化ケイ素、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及びキシリトールが挙げられる。
【0043】
「4級アミノ」によって、R、R'及びR"が独立してアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルである-NRR'R"が意味される。
【0044】
「置換されている」によって、基の一つ若しくは複数の水素原子、又は基の一部分が、これらに限定されないが、C1-6アルコキシ(例えば、C1-4)、C6-12アリールオキシ、スルフヒドリル(-SH)、C1-6アルキルチオ、C6-12アリールチオ、アミノ(-NH2)、C1-6アルキルアミノ、C6-12アリールアミノ、二置換アミノ、4級アミノ、ヒドロキシル(-OH)、カルボキシル(-COOH)、ハロゲン、シアノ(-CN)、アジド(-N3)、オキソ、-C(O)-C1-6アルキル、C(O)-C3-8シクロアルキル、-C(O)-C6-12アリール、-C(O)-C5-12ヘテロアリール、-C(O)-C2-9ヘテロシクリル、C1-6アルキルスルホニル、-(SO2)O-C1-6アルキル、-(SO2)-C3-8シクロアルキル、-(SO2)O-C3-8シクロアルキル、-(SO2)-C6-12アリール、-(SO2)O-C6-12アリール、-(SO2)-C5-12ヘテロアリール、-(SO2)O-C5-12ヘテロアリール、-(SO2)-C2-9ヘテロシクリル及び-(SO2)O-C2-9ヘテロシクリルを含めた置換基によって置き換えられていることが意味される。さらに、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロシクリル基は、C6-12アリール、C3-8シクロアルキル、C4-12ヘテロアリール(例えば、C4-6又はC5-12ヘテロアリール)、又はC2-12ヘテロシクリル(例えば、C2-9又はC5-12ヘテロシクリル)基で置換されていてよい。シクロアルキル基、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は、アルキル基で置換されていてもよい。置換基は順じて、親基に関して記載されている通り、例えばハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシル又はカルボキシルで置換されていてよい。
【0045】
「治療有効量」によって、必要な動物に投与されるとC.diff.感染症の症状の少なくとも一部を軽減する量が意味される。予防の文脈において、「治療有効量」は、C.diff.感染症にかかりやすい人に投与されるとこうした感染症を阻害又は可能性を低減する量である。
【0046】
「発症する可能性を低減する」という用語は、本明細書で使用される場合、該化合物を受けない対象又は患者集団と比較して、本発明の化合物を投与することによって、C.diff.関連疾患を発症する機会又は率において対象又は患者集団に低減(例えば、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%)をもたらす予防的治療又は治療を指す。予防的な治療は、例えば、C.diff.感染症の発生に先行する事象の前(「前暴露予防」)又は後(「暴露後予防」)で開始することができる。本発明の化合物又はその医薬組成物の投与を含める予防的治療は、急性、短期又は慢性であってよい。投与される用量は、予防的治療のクール中に変動することができる。該用語には、インビトロにおける活性の予防も含まれる。
【0047】
本明細書で使用される通り、及び当分野においてよく理解されている通り、「治療」は、臨床的な結果など有益又は所望の結果を得るための手法である。有益又は所望の結果として、これらに限定されないが、一つ又は複数の症状又は状態の軽減又は改善;疾患、障害又は状態の程度の減少;疾患、障害又は状態の安定化(即ち、悪化しない)容態;疾患、障害又は状態の進行の遅延又は減速;疾患、障害又は状態の改善又は緩和;及び検出可能又は検出不可能な寛解(一部又は全部)を挙げることができる。「治療」は、治療を受けない場合に予想される生存と比較して、生存を延長することも意味することができる。疾患、障害又は状態を「緩和する」とは、治療の非存在下での程度又は時間経過と比較して、疾患、障害若しくは状態の程度及び/若しくは望ましくない臨床徴候が和らぐこと、並びに/又は進行の時間経過が緩徐若しくは延長されることを意味する。
【0048】
本発明の一つ又は複数の実施形態の詳細を、下記の添付記載において説明する。本発明の他の特徴、目的及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1A】7-(2-ブロモエチル)-2-クロロ-6-メトキシプリンの1H-NMRスペクトルである。
【図1B】9-(2-ブロモエチル)-2-クロロ-6-メトキシプリンの1H-NMRスペクトルである。
【図1C】7-(2-ブロモエチル)-2-クロロ-6-メトキシプリンの13C-NMRスペクトルである。
【図2】化合物362Eの1H-NMRスペクトルである。
【図3A】7-(3-ブロモプロピル)-2-クロロ-6-メトキシプリンの1H-NMRスペクトルである。
【図3B】9-(3-ブロモプロピル)-2-クロロ-6-メトキシプリンの1H-NMRスペクトルである。
【図3C】7-(3-ブロモプロピル)-2-クロロ-6-メトキシプリンの13C-NMRスペクトルである。
【図4】化合物363Aの13C-NMRスペクトルである。
【図5】化合物359Eの1H-NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、C.diff.に起因又は関連する感染症を治療するための方法及び組成物を特徴とする。本発明の化合物は、下記式又はその光学異性体を有する
【化3】

【0051】
[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4である]。
【0052】
R1-3のために選択される置換基が、原子価の要求が満たされている安定な化合物をもたらすことは理解されよう。例えば、O-O、O-S、O-ハロ、S-ハロ又はN-ハロの結合を持つ化合物は、式Iから除外される。
【0053】
一連の実施形態において、R1及びR2はクロロであり、R3は2-(N-モルホリニル)エチル、3-(N-モルホリニル)プロピル、4-(N-モルホリニル)ブチル、5-(N-モルホリニル)ペンチル、2-[(N-モルホリニル)エトキシ]エチル、2-[(N-モルホリニル)-メチル]シクロブチルメチル又は2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチルである。一部の化合物において、R1及びR2は、独立して、Cl、Br、I、CF3、OCF3、CF2CF3及びCH2CF3からなる群から選択される。また他の化合物において、R3は、ω-(N-アジリジニル)アルキル、ω-(N-ピロリジニル)アルキルω-(N-ピペリジニル)アルキル及びω-(N-ピペラジニル)アルキルからなる群から選択される。
【0054】
C.diff.種に対する選択的抗菌活性を有する化合物として、下記一般構造の特定の7-置換-2-(ベンジルアミノ)-6-オキソプリンが挙げられる。
【化4】

【0055】
好ましい化合物として、7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物258D);
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンが挙げられる。
【0056】
哺乳動物におけるこれらの化合物の低い経口生物学的利用能は、例えばC.diff.の腸管感染症を軽減するのに有利な特徴を、このクラスの薬剤に付与する。
【0057】
作用機序
理論によって拘束されることを望まないが、該化合物は、以前は任意の市販抗生物質の標的ではなかったDNA複製における必須酵素を標的とし、したがって、薬剤耐性の発生が最小化される。該化合物を使用することで、従来の抗菌薬、例えばバンコマイシン及びメトロニダゾールに対する病原性C.diff.の自然耐性及び獲得耐性を回避することができる。
【0058】
ゲノム配列分析は、いわゆる低G:Cクラスのグラム陽性真正細菌、即ち0.5未満の割合のグアニン+シトシンを含有するゲノムを持つものは、DNAポリメラーゼIII(pol III)の2種である、polC遺伝子によってコードされるpol IIIC及び一つ又は複数のdnaE遺伝子によってコードされるpol IIIEを含有することを示唆した(Wright, G.及びBrown、N. Current Opinion in Anti-Infective Investigational Drugs 1:45-48(1999)並びにBraithewaite, D.及びIto, J.Nucl.Acids Res.21:787-802(1993)を参照のこと)。本明細書に記載されている化合物は、pol IIIC酵素及びpol IIIE酵素の一方又は両方を阻害するように設計された。
【0059】
グラム陽性pol IIIC及びグラム陽性pol IIIEは、グラム陽性菌の染色体の複製を伴うDNAの複製合成にともに必要とされる酵素である。グラム陰性pol IIIEは、グラム陰性細菌染色体の複製に伴うDNAの複製合成に必要とされる酵素である。本明細書に記載されている化合物は、プリンデオキシリボヌクレオシド-5-トリホスフェートを模倣し、DNAポリメラーゼを物理的に阻害する。関連するN3-置換ピリミジンの作用機序は、米国特許第5,516,905号においてさらに記載されている。本明細書に記載されている特定の化合物は、好気性及び嫌気性グラム陽性菌の両方に由来するDNAポリメラーゼを阻害するので、これらの細菌の増殖を阻害するのに原則として有用である。しかし、本明細書において示されている結果は、他のグラム陽性嫌気性細菌を残し、C.diff.菌株の増殖を阻害する選択性を示唆している。
【0060】
合成の方法
該化合物は、米国特許第6,926,763号において一般に記載されている方法によって合成することができる。特に、米国特許第6,926,763号には、本発明の化合物を調製するのに使用される中間体である7-(4-ブロモブチル)DCBG及び7-(5-ヨードペンチル)DCBGの調製が記載されている。
【0061】
一部の化合物の合成の改善方法には、一例として、周知の2-クロロ-6-メトキシプリンから出発する化合物363Aの合成を示す以下のスキームが利用される。
【化5】

【0062】
化合物の使用
本発明の化合物を使用することで、C.diff.の増殖を阻害し、C.diff.関連疾患を治療又は発症する可能性を低減することができる。C.diff.の増殖を阻害するための方法は、有効量の本発明の化合物を投与することを伴う。阻害の程度は、インビトロ増殖アッセイ、例えば標準的液体培養技術によって確認することができる。適当なMIC(最小阻害濃度)、例えば<10μg/mlでコロニー形成の阻害を示す化合物は、治療剤として有用である。C.diff.関連感染症を治療又は発症する可能性を低減するための方法は、好ましくは経口経路によって本発明の化合物の治療有効量を投与するステップを伴う。
【0063】
本明細書に記載されている化合物は、C.diff.の高毒性及び抗生物質耐性菌株に起因する疾患を含めて、C.diff.関連下痢症(CDAD)又は大腸炎などのC.diff.関連疾患の治療に有用である。該化合物は、ヒト並びにブタ、雌ウシ、ウマ、ヤギ、ニワトリ、シチメンチョウ、ヒツジ、ラット、マウス及びウサギなどの他の動物におけるこうした感染症の治療に有用である。
【0064】
一実施形態において、本発明の化合物又は組成物は、C.diff.関連感染症と診断された対象に投与される。該化合物は、予防的に、及び感染症が発症した後の両方で投与することができる。予防は、感染症又は感染症の再発の危険性がある患者に最も適切であり得る。
【0065】
該化合物は、C.diff.感染症にかかりやすい人に投与することができる。C.diff.感染症に対する感受性は、抗生物質暴露、胃腸手術/操作、医療の場における長期滞在(例えば、1週を超える)、重篤な基礎疾病、免疫低下状態、加齢、プロトンポンプ阻害剤の使用、悪性腫瘍、慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制又は嬬動抑制薬物療法、炎症性腸疾患、腎不全、低アルブミン血症及び臓器移植の結果として生じ得る。周産期の女性は、C.diff.関連感染症の危険も増加している。C.diff.関連感染症に対する感受性を増加させる恐れがある抗生物質として、クリンダマイシン、ペニシリン、セファロスポリン及びフルオロキノロンが挙げられる。
【0066】
本発明の化合物は、バンコマイシン、メトロニダゾール及びニタゾキサニドを含めて、C.diff.関連感染症を治療又は発症する可能性を低減するための他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。
【0067】
本発明の方法の適用に関連性のある状態のこの一覧は限定することを意図するものではなく、該化合物に応答する任意の適切な感染症は、本明細書に記載されている方法及び/又は化合物を使用して治療することができる。
【0068】
医薬組成物
本発明の化合物は、インビボ又はインビトロにおける投与に適当な生物学的に適合性のある形態における、ヒト又は動物の対象に投与するための医薬組成物に処方することができる。すなわち、本発明は、賦形剤と混合した本発明の化合物を含める医薬組成物を提供する。
【0069】
本発明の方法に従って、記載化合物又はその塩は、当業者に理解される通り、投与の選択経路に依存する様々な形態で患者に投与することができる。本発明の化合物は、例えば経口、非経口、口腔内、舌下、経鼻、直腸、パッチ、ポンプ又は経皮の投与によって投与することができ、該医薬組成物はそれに応じて処方される。非経口投与として、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、経鼻、肺内、くも膜下腔内、直腸及び局所的な投与方法が挙げられる。非経口投与は、選択された期間にわたる持続注入によるものであってよい。ヒト又は動物の使用に関し、本発明の製剤は、経口、口腔内、直腸及び腟内の経路によって、又は局所投与によって投与することができる。本発明の製剤は、ボーラスとして又は事前に選択した期間をかけてゆっくりのいずれかで本発明の化合物を放出する外科インプラントの使用によって投与することもできる。
【0070】
限定することなく、経口投与に関し、該製剤は、例えば錠剤、カプセル、溶液及び懸濁液(ここで、こうした溶液及び懸濁液は、特に、小児使用を意図した製剤用である)の形態であってよい。
【0071】
本発明の化合物は、非経口的に投与することもできる。本発明の水溶性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適当に混合された水中で調製することができる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、及びアルコールの有無にかかわらないそれらの混合物、並びに油中で調製することもできる。貯蔵及び使用の一般条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を阻止するための保存料を含有することができる。適当な製剤の選択及び調製のための従来の手順及び成分は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(2003年、第20版)、及び1999年に出版された米国薬局方:The National Formulary(USP 24 NF19)に記載されている。
【0072】
注入可能な使用に適当な医薬品形態として、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射可能溶液又は分散液の即時調製用滅菌粉末が挙げられる。いかなる場合でも、該形態は、無菌であり、シリンジを介して容易に投与される程度に流動性でなければならない。
【0073】
経鼻投与のための組成物は、好都合には、エアロゾル、点滴剤、ゲル及び粉末として処方することができる。エアゾール製剤として、通常生理学的に許容できる水性又は非水性溶媒における該活性物質の溶液又は微懸濁液が挙げられ、通常密閉容器内に滅菌形態における単回又は複数回投与量で提供され、これは、噴霧装置での使用のためのカートリッジ又はレフィルの形態をとることができる。別法として、密閉容器は、単回用量鼻吸入器、又は使用後の廃棄を意図されている計量バルブが取り付けられているエアゾールディスペンサーなどの単位分配装置であってよい。剤形がエアゾールディスペンサーを含む場合、圧縮空気などの圧縮ガス又はフルオロクロロ炭化水素などの有機噴霧剤であってよい噴霧剤を含有する。エアゾール剤形は、ポンプ噴霧器の形態をとることもできる。
【0074】
口腔内又は舌下の投与に適当な組成物として、錠剤、ドロップ剤及び芳香錠が挙げられ、ここで、該活性成分は、糖、アカシア、トラガカント、又はゼラチン及びグリセリンなどの担体を用いて処方される。直腸投与のための組成物は、好都合には、カカオ脂などの従来の坐薬基剤を含有する坐剤の形態である。
【0075】
本発明の化合物は、動物例えばヒトに、上記で述べられている通り、単独又は薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて投与することができ、この割合は、化合物の溶解性及び化学的性質、投与の選択経路、及び標準的医学診療によって決定される。
【0076】
本発明の化合物及び/又は本発明の化合物を含む組成物の投与量は、化合物の薬力学的特性;投与方法;レシピエントの年齢、健康及び体重;症状の性質及び程度;治療の頻度、及びもしあれば併用治療の型;並びに治療される動物における化合物のクリアランス速度などの多くの因子に依存して変動し得る。当業者は、上記因子に基づいて適切な投与量を決定することができる。本発明の化合物は、臨床応答に依存し、必要に応じて調節することができる適当な投与量で当初に投与することができる。一般に、本発明の化合物は、約0.1%w/vから10%w/vの化合物を含有する生理緩衝水溶液、又は錠剤若しくはカプセルなどの固体剤形で提供することができる。一般的用量範囲は、1日当たり約0.01mg/体重kgから約1g/体重kgである。
【0077】
水溶性
本明細書に記載されている化合物は一般に低い水溶性を有するが、しかし、該化合物の一部は、無機酸又は有機酸などと塩を形成することができ、したがって、それらの水溶性を大きく増加させる。向上した水溶性は、製剤及び試験用動物の投薬において、並びにヒトにおける最終の治療的使用のための顕著な利点である。好ましい薬学的に許容される塩は塩酸塩である。他の塩は本明細書に記載されている。
【実施例】
【0078】
以下の具体例は、単に例示的であると解釈されるべきであり、決して開示の残部を限定するものではない。
【0079】
実施例1:代表的化合物の合成
化合物362E。
【0080】
ステップ1.炭酸カリウム(1.38g、10mmol)を、アセトニトリル(40mL)中の2-クロロ-6-メトキシプリン(830mg、4.5mmol)の溶液に添加した。懸濁液を室温で10分間撹拌した後、1、2-ジブロモエタン(5.64g、30mmol)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(37mg、0.1mmol)を添加した。混合物を油浴中にて45℃で48時間撹拌した。混合物を油浴から除去し、溶媒をロータリーエバポレーター上にて45℃で除去した。残渣をシリカゲルカラムに適用し、0.7%メタノール:塩化メチレンで洗浄することで、最初に7-異性体(289mg、22%)及び9-異性体(380mg、29%)が得られた。両方の1H NMRスペクトルを図1A〜1Bに示し、7-異性体の13C NMRスペクトルを図1Cに示す。
【0081】
ステップ2.モルホリン(87mg、1mmol)を、アセトニトリル(6mL)中の7-(2-ブロモエチル)-2-クロロ-6-メトキシプリン(80mg、0.275mmol)の懸濁液に添加し、混合物を50℃で終夜撹拌した。反応混合物を50℃未満でロータリーエバポレーターにおいて高真空下で濃縮し(0.1mmHg)、残渣を次の反応で直接使用した。3,4-ジクロロベンジルアミン(352mg、2mmol)を上記残渣に添加し、混合物を125℃で4時間撹拌した。冷却した混合物をシリカゲルカラムに適用し、カラムを6%メタノール:クロロホルムで洗浄した。生成物を2-プロパノールから結晶化することで、28mgの純粋な及び40mgのおよそ90%純粋な362E(全体でおよそ56%)を得た。1H NMRスペクトルを図2に示す。
【0082】
化合物363A
ステップ1.炭酸カリウム(552mg、4mmol)を、アセトニトリル(15mL)中の2-クロロ-6-メトキシプリン(553.5mg、3mmol)の懸濁液に添加し、懸濁液を5分間撹拌した。1,3-ジブロモプロパン(4.04g、20mmol)を添加し、出発原料がほとんど消失するまで(TLC)懸濁液を室温で36時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーター上で除去し、残渣[1H NMRにより、9:7の異性体比は約1.7:1であった]をシリカゲルカラムに適用した。0.7%メタノール:塩化メチレンで洗浄することで、最初に7-異性体(250mg、27%)及び9-異性体(420mg、46%)が得られた。両方の1H NMRスペクトルを図3A〜3Bに示す。7-異性体の13C NMRスペクトルを図3Cに示す。
【0083】
ステップ2.モルホリン(0.2mL)を、アセトニトリル(6mL)中の7-(3-ブロモプロピル)-2-クロロ-6-メトキシプリン(90mg、0.295mmol)の溶液に室温で添加した。溶液を48時間撹拌し、続いて、TLCにより出発原料の消失が示された。溶媒をロータリーエバポレーター上にて室温で除去し、残渣を塩化メチレン(60mL)と水(30mL)との間で分配した。水層を分離し、塩化メチレン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(1×30mL)及びブライン(1×30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。濾過後、溶液をロータリーエバポレーター上にて室温で蒸発させることで、中間体7-(3-N-モルホリニル)プロピル-2-クロロ-6-メトキシプリン90mgが得られた。3,4-ジクロロベンジルアミン(264mg、1.5mmol)を、25mL三角フラスコ中で中間体に添加し、アルゴン下で撹拌しながら混合物を125℃で4時間加熱した。混合物を油浴から除去し、空気中で室温にした。ジエチルエーテル(10mL)を添加し、混合物を5分間撹拌し、1時間静置した。エーテル層をデカントし、この手順を2回反復した。メタノール(6ml)を残渣に添加し、懸濁液を5分間撹拌した。0.5時間静置した後、沈殿物を真空濾過によって回収し、漏斗中にて吸引で乾燥させることで、363A 50mg(全体で39%)が白色固体として得られた。13C NMRスペクトルを図4に示す。
【0084】
化合物359E
ステップ1.7-(5-ヨードペンチル)DCBG(2.5g、4.94mmol)及びモルホリン(2mL、2g、21.8mmol)を、アセトニトリル60mL中にて12時間還流した。反応物を室温で2時間静置し、白色の沈殿物を吸引で濾過した。固体をアセトニトリル(3×15mL)、続いて水(3×15mL)で洗浄した。固体を室温で終夜乾燥させることで、白色の粉末2.19g(95%)が得られた。1H NMRスペクトルを図5に示す。
【0085】
実施例2:7-置換-2-ベンジルアミノ-6-オキソプリンによる嫌気性細菌増殖の阻害
臨床検査標準協会のガイドライン(CLSI文書M11-A7、CLSI、Wayne、PA、2007)に従って、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属種などのグラム陽性生物、及びバチルス・フラギリス(Bacillus fragilis)種などのグラム陰性菌からなる、培養下の嫌気性細菌のパネルに対して、各化合物をアッセイした。DMSO中の試験化合物の原液を、薬物を含まない培地で希釈し、約32μg/mLから0.015μg/mLの一連の2倍段階希釈における一連のペトリプレート又はチューブを作製するのに使用した。500〜1000コロニー形成単位(CFU)を含有する希釈細菌1/10mLをプレーティングして広げ、プレートを24〜48時間37℃でインキュベートした。MIC(最小阻害濃度)は、増殖、即ちコロニー形成が認められないμg/mlの最低濃度と等しい。典型的な結果を表1〜4に示す。
【0086】
嫌気性細菌の寒天希釈MICアッセイに用いた培地は、ヘミン、ビタミンK1、及び5%溶解ヒツジ血液を補充したBrucella Agarであった。基準寒天希釈方法を使用して、細菌をアッセイした。薬物希釈物及び薬物を補充した寒天プレートを手動で調製した。試験生物を-80℃で凍結保持した。単離物を補充Brucella Agar(SBA)プレート上にてBactron II嫌気性チャンバ内で継代培養し、48時間35〜36℃にてBactron II嫌気性チャンバ内でインキュベートした。接種に続いて、薬物補充プレートを35℃で48時間、Bactron IIの嫌気性環境(5%水素、5%二酸化炭素、90%窒素)にてインキュベートした。μg/mlにおけるMICを、臨床検査標準協会ガイドラインに従って読み取った。
【0087】
グラム陽性嫌気性細菌、及び比較用に比較抗生物質の増殖を阻害することに関して、構造が下記に示されている化合物を試験した(表1)。結果は、式Iの化合物、即ち332Eが、抗C.diff.化合物として最も強力及び選択的であったことを示している。
【表1】

【0088】
式Iの他の類似体(下記構造を参照のこと)を試験することで、これらの化合物の抗C.diff.活性を確認した(表2)。
【表2】

【0089】
化合物359Eのアイソステリック類似体(下記構造を参照のこと)のより詳細なスクリーニングで、359Eは最良のプロフィール、即ちC.diff.菌株に対する高い効力、及び他のグラム陽性嫌気性菌に対する低い効力を有することが明らかになった(表3)。
【表3】

【0090】
最終的に、化合物359Eの近似類似体を合成及び試験することで、対応するプロピル(化合物363A)及びブチル類似体(化合物258D)及びメチル類似体(化合物362C)は効力において359Eと同様であるが、エチル類似体(化合物362E)はC.diff.菌株に対して好ましい活性を有することが明らかになった(表4)。
【表4】

【0091】
実施例3:C.diff.関連感染症からのハムスターの保護
シリアンゴールデンハムスターにおけるクリンダマイシン誘発C.diff.感染症モデルを利用して、実験用C.diff.関連下痢症(CDAD)に対する試験化合物の効力をインビボにおいて実証する。化合物359Eは、C.diff.の致死的感染症からハムスターを保護した(表5を参照のこと)。
【0092】
クリンダマイシンで皮下に前処理され、表5に記載されているC.diff.(ATCC43255)を経口的に感染させたシリアンゴールデンハムスターに、化合物359Eを1%カルボキシメチルセルロース中の懸濁液として経口的に与えた。1日2回の投与計画の経口359Eに対する応答及び経口バンコマイシンの効力との比較を表5に表す。
【表5】

【0093】
他の実施形態
本発明の複数の実施形態を記載した。それでもなお、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な改変がなされ得ることを理解されよう。すなわち、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【0094】
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び化学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は同等の方法及び材料が、本発明の実用又は試験に使用され得るが、適当な方法及び材料を下記に記載する。本明細書に記述されている全ての公開、特許出願、特許及び他の文献は、全体を参照とて組み込まれる。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が優先する。さらに、材料、方法及び実施例は例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。
【0095】
他の実施形態は特許請求の範囲の中にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式を有する化合物若しくはその光学異性体、又は薬学的に許容されるその塩
【化1】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4であり、
ただし、R1及びR2がクロロである場合、R3は4-メトキシブチル、4-(N-モルホリニル)ブチル、2-メトキシエチル、5-メトキシペンチル、5-エトキシペンチル、5-プロポキシペンチル、5-メチルチオペンチル、4-ヒドロキシブチル、4-アセトキシブチル、4-ブロモブチル、4-ヨードブチル、4-(N-ピペラジニル)ブチル、5-ヒドロキシペンチル、5-アセトキシペンチル又は5-ヨードペンチルでないことを条件とする]。
【請求項2】
R1及びR2が独立してH、ハロ、トリハロメチル、トリフルオロエチル又はトリハロメトキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1及びR2がクロロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R3が2-(N-モルホリニル)エチル、3-(N-モルホリニル)プロピル、5-(N-モルホリニル)ペンチル、2-[(N-モルホリニル)エトキシ]エチル、2-[(N-モルホリニル)-メチル]シクロブチルメチル又は2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R1及びR2が独立して、Cl、Br、I、CF3、OCF3、CF2CF3及びCH2CF3からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R3がω-(N-アジリジニル)-C1-10アルキル、ω-(N-ピロリジニル)-C1-10アルキル、ω-(N-ピペリジニル)-C1-10アルキル及びω-(N-ピペラジニル)-C1-10アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
下記式を有する請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項8】
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
下記式を有する化合物若しくはその光学異性体又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、それを必要とする動物に投与するステップを含む、クロストリジウム・ディフィシル関連疾患を治療又は発症する可能性を低減する方法
【化3】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4である]。
【請求項12】
前記化合物が請求項1から8のいずれかに記載の化合物である、請求項11に記載の方法
【請求項13】
R1及びR2がクロロである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物258D);
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記疾患がクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症又はクロストリジウム・ディフィシル関連大腸炎である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記動物が、クロストリジウム・ディフィシル感染症の危険性が増加している動物である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
適切な培養培地中にて酸素の非存在下で、クロストリジウム・ディフィシルを下記式を有する化合物若しくはその光学異性体又は薬学的に許容されるその塩の有効量と接触させるステップを含む、インビトロにおけるクロストリジウム・ディフィシルの増殖を阻害する方法
【化4】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4である]。
【請求項18】
前記化合物が請求項1から8のいずれかに記載の化合物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
R1及びR2がクロロである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が、
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物258D);
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
クロストリジウム・ディフィシル関連疾患を治療又は発症する可能性を低減するのに使用するための、下記式を有する化合物若しくはその光学異性体又は薬学的に許容されるその塩
【化5】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル、又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4である]。
【請求項22】
前記化合物が請求項1から8のいずれかに記載の化合物である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
R1及びR2がクロロである、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
前記化合物が、
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物258D);
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンからなる群から選択される、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
クロストリジウム・ディフィシル関連疾患を治療又は発症する可能性を低減するための医薬の製造のための、下記式を有する化合物若しくはその光学異性体又は薬学的に許容されるその塩の使用
【化6】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、ハロ、C1-6ハロアルキル、又はC1-6ハロアルコキシであり、
式中、R3は(CH2)m-{(A)o-(CH2)p}q-Bであり、
ここで、Aは、CH2、CH=CH、C≡C、CO、O、S、NR6、CHR7、OC(O)、(O)CO、CONR10、NR11CO、SO2NH、NHSO2又はC3-8シクロアルキルであり、式中、各R6、R10及びR11は、独立して、H又はC1-6アルキルであり、R7は、OH又はC1-6アルキルであり、R8及びR9のそれぞれは、独立して、H、ハロ又はC1-6アルキルであり、
ここで、Bは、H、ハロ、置換又は非置換のC1-10アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC1-10ヘテロアリール、NH2、CN、OR12、SR13、COR14、OCOR15、NR16COR17、NR18R19、NR20CONHR21、CN、CH(CO2R22)2、CO2R23、NHSO2R24、CONR25R26又はCH2COR27であり、ここで、R12〜R27のそれぞれは、独立して、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキル、置換又は非置換のC6-12アリール、置換又は非置換のC7-20アリールアルキル、置換又は非置換のC7-20アルキルアリール、置換又は非置換のC2-8ヘテロシクリル又はC4-10ヘテロアリール、置換又は非置換のC1-3アシル、又は置換又は非置換のC1-6アルキルスルホニルであり、
mは1〜5であり、oは0〜4であり、pは0〜4であり、qは0〜4である]。
【請求項26】
前記化合物が請求項1から8のいずれかに記載の化合物である、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
R1及びR2がクロロである、請求項25に記載の使用。
【請求項28】
前記化合物が、
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物362E);
7-[2-(N-モルホリニル)エチル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物363A);
7-[3-(N-モルホリニル)プロピル-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物258D);
7-[4-(N-モルホリニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン(化合物359E);
7-[5-(N-モルホリニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-[2-(N-モルホリニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピペリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピペリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピペリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-アゼチジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-アゼチジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-アゼチジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[4-(N-ピロリジニル)ブチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[5-(N-ピロリジニル)ペンチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-[2-(N-ピロリジニル)エトキシエチル]-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン塩酸塩;
7-{2-[(N-モルホリニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロブチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリン;及び
7-{2-[(N-ピペリジニル)メチル]シクロペンチルメチル}-2-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-6-オキソプリンからなる群から選択される、請求項25に記載の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−504592(P2013−504592A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528919(P2012−528919)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048379
【国際公開番号】WO2011/031935
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(512059741)グルシンシーシス インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】