説明

クロピドグレルの製造方法及びこの方法に用いられる中間体

光学的に純粋なクロピドグレルは光学的に活性なアミンを用いて式(II)の化合物のラセミ型を光学的に分割し、光学的に活性な型の式(III)の化合物またはその酸付加塩を形成し式(III)の化合物またはその酸付加塩をメチル化することにより高収率で製造することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的に純粋なクロピドグレルを高収率で製造する方法及びこの方法に用いられる新規な中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−a]ピリジン−5(4H)−酢酸メチルである化Iのクロピドグレル(clopidogrel)は、血小板凝集阻害剤であって、脳卒中、血栓、塞栓などのような末梢動脈性疾患、及び心筋梗塞、狭心症などのような冠状動脈性疾患の治療に効果的である:
【化1】

ヨーロッパ特許第0,281,459号、第0,466,569号、第0,971,915号、第0,099,802号、第1,021,449号、第1,404,681号、第1,353,928号、及び国際公開番号WO2004/094374などにはクロピドグレルを製造する様々な方法が開示されている。これらの方法のうち、実用化に適する方法は前記化Iのクロピドグレルのラセミ体またはその中間体及びその左旋性の異性体を光学分割剤を用いて光学分割する方法である。
【0003】
例えば、ヨーロッパ特許第0,281,459号にはクロピドグレルのラセミ体を(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸と反応させてクロピドグレルのカンファースルホン酸を選択的に製造し、これからカンファースルホン酸を除去することによって化Iのクロピドグレルを製造する方法;ヨーロッパ特許第0,099,802号及び第1,353,928号には、クロピドグレルラセミ体の中間体を(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸を用いて上述のように光学分割した後、光学分割された中間体から所望のクロピドグレルを製造する方法が開示されている(反応式1参照)。
[反応式1]
【化2】

【0004】
しかし、これらの方法は、クロピドグレルのラセミ体またはその中間体と(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸との選択的結晶化によって形成されたクロピドグレルの塩またはその中間体の光学純度が十分ではないという問題点を有するので、さらに精製する必要があり、これは収率の低下をもたらす。また、(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸は高い水溶解度を有するために、反応溶液から回収することは困難である。
【0005】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第0,281,459号
【特許文献2】ヨーロッパ特許第0,466,569号
【特許文献3】ヨーロッパ特許第0,971,915号
【特許文献4】ヨーロッパ特許第0,099,802号
【特許文献5】ヨーロッパ特許第1,021,449号
【特許文献6】ヨーロッパ特許第1,404,681号
【特許文献7】ヨーロッパ特許第1,353,928号
【特許文献8】国際公開番号WO2004/094374
【特許文献9】ヨーロッパ特許第0,281,459号
【特許文献10】ヨーロッパ特許第0,099,802号
【特許文献11】ヨーロッパ特許第1,353,928号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、光学的に純粋なクロピドグレルを簡便に高収率で製造する方法を提供することである。
本発明のまた他の目的は、クロピドグレルの製造に用いられる新規な中間体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明は、
(a)化IIのラセミ体化合物を、光学活性アミンを用いて光学分割することにより光学活性体である化IIIの化合物またはその酸付加塩を製造する段階;及び
(b)前記化IIIの化合物またはその酸付加塩をメチル化する段階;
を含む、化Iのクロピドグレルの製造方法を提供する。
【化3】

また、本発明はクロピドグレルの製造に中間体として用いられる化IVの塩を提供する:
【化4】

【発明の効果】
【0008】
本発明は、光学的に純粋なクロピドグレルを高収率で提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の方法は、反応式2に示す光学分割工程(段階(a−1)及び段階(a−2)からなる段階(a))及びメチル化工程(段階(b))を含む。
[反応式2]
【化5】

【0010】
<段階(a)>
本発明による光学分割工程(段階(a))は、化IIのラセミ体化合物を光学活性アミンと反応させて化IVの塩を結晶化させる段階(段階(a−1))、及び前記塩から光学活性アミンを除去して光学活性体である化IIIの化合物を製造する段階(段階(a−2))を含む。
【0011】
<段階(a−1)>
段階(a−1)での化IVの塩の結晶化は、適宜な溶媒に化IIの化合物と光学活性アミンとを添加した後に、室温〜溶媒の沸点の範囲の温度で攪拌して得られた混合物を0℃〜室温に冷却することによって行うことができる。
前記光学活性アミンとしては、ラセミ体カルボン酸の光学分割に常用されるものを用いることができ(E.L.Eliel,S.L.Eliel及びL.N.Mander,Stereochemistry of Organic Chemistry,1994,John Wiley & Son,New York,pp329−337参照)、好ましくは、エフェドリン、2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、α−メチルベンジルアミン、α−(1−ナフチル)エチルアミン、グルカミン、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール誘導体及びこれらの誘導体からなる群から選択され、より好ましくは、化Vの(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−置換されたフェニル)−1,3−プロパンジオール化合物が用いられる。
【化6】

前記式中、Rは水素、ハロゲン、ニトロ、メチルまたはメトキシである。
前記光学活性アミンは、化IIの化合物の量に対して0.4〜1.1モル当量の範囲の量で用いることができる。
【0012】
前記溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒またはこの有機溶媒と水との混合溶媒を用いることができる。
前記で得られた化IVの塩は光学純度が十分高いために、追加的な精製過程は特に必要でないが、必要に応じて前記の溶媒中でさらに再結晶化させてより高い光学純度を得ることもできる。
【0013】
<段階(a−2)>
段階(a−2)では、化IVの塩の水溶液を塩基でアルカリ化し、ろ過または抽出によって化IVの塩から光学活性アミンを遊離させ、ろ過液または抽出液を酸性化した後で、有機溶媒で抽出して化IIIの化合物を製造することができる。
塩基の例としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが挙げられ、その塩基の量は化IVの化合物に対して1〜3モル当量の範囲の量で用いることが好ましい。
前記塩から遊離された光学活性アミンが固体であればろ過により分離でき、液体であれば通常の有機溶媒で抽出することにより分離できる。このように分離された光学活性アミンは、再結晶化または蒸留段階を含む簡単な精製工程によって、段階(a−1)の結晶化工程に再使用できる。
【0014】
前記光学活性アミンが除去されたろ液を、好ましくはpH2〜5に酸性化した後、酢酸エチル、クロロホルム及びジクロロメタンのような有機溶媒で抽出する。抽出溶媒を濃縮すれば化IIIの化合物が泡状で得られる。このように得られた化IIIの化合物は、純粋な酸付加塩、例えば、結晶状の塩酸塩の形態で得ることが好ましい。
化IIのラセミ体化合物は、通常の方法によって製造できるが(ヨーロッパ特許第0,099,802号参照)、本発明では、反応式3に示すように、市販されている4,5,6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジンまたはその酸付加塩とα−ブロモ−(2−クロロフェニル)酢酸とを反応させて製造し得る。
【化7】

【0015】
具体的に記述すれば、適宜の溶媒中で塩基の存在下でα−ブロモ−(2−クロロフェニル)酢酸を4,5,6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジンまたはその酸付加塩と反応させることによって化IIの化合物を製造し得る。ここで用いられる溶媒の例としては水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル及びこれらの混合物などが挙げられる。本発明で用いられる塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びこれらの混合物などが挙げられる。前記塩基の量は、4,5,6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジンまたはその酸付加塩に対して1〜10モル当量、好ましくは2〜4モル当量の範囲の量で用いることができる。α−ブロモ−(2−クロロフェニル)酢酸の使用量は、4,5,6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジンまたはその酸付加塩に対して0.5〜2モル当量、好ましくは0.9〜1.1モル当量の範囲の量で用いることができる。前記反応は0℃〜用いられた溶媒の沸点温度、好ましくは5〜40℃の範囲の温度で行うことができる。
【0016】
<段階(b)>
段階(b)のメチル化工程は、(i)化IIIの化合物またはその酸付加塩を不活性溶媒中で塩素化剤と反応させて化VIの塩素化化合物またはその酸付加塩を製造し、これをメタノールと反応させるか;(ii)化IIIの化合物またはその酸付加塩を塩基の存在下で不活性溶媒中でアルキルクロロホルメートと反応させて化VIIの酸無水物を製造し、これをメタノールと反応させるか;または(iii)化IIIの化合物またはその酸付加塩を酸触媒の存在下でメタノールと反応させることによって行うことができる。
【化8】

前記式中、RはC1−4アルキルである。
【0017】
段階(b)で、化IIIの化合物またはその酸付加塩と塩素化剤との反応は、−30〜40℃、好ましくは−15℃〜室温の範囲の温度でジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン及びトルエンなどのような不活性溶媒中で行って、化VIの塩素化化合物またはその酸付加塩を製造し得る。本発明で用いられる塩素化剤の例としては、チオニルクロリド、オキサリルクロリド、五塩化リン、ホスホリルクロリド、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくはオキサリルクロリドが用いられる。この塩素化剤の量は、化IIIの化合物またはその酸付加塩に対して1〜5モル当量の範囲の量で用いることが好ましい。
【0018】
その後、化VIの塩素化化合物またはその酸付加塩とメタノールとの反応は、−15℃〜室温の範囲の温度で行うことができる。メタノールの量は化IIIの化合物またはその酸付加塩に対して1〜10モル当量の範囲の量で用いることが好ましい。
【0019】
化IIIの化合物またはその酸付加塩とアルキルクロロホルメートとの反応は、−30℃〜40℃、好ましくは−15℃〜室温の範囲の温度で塩基の存在下で、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼンまたはトルエンなどのような不活性溶媒中で行って化VIIの酸無水物を製造し得る。用いられるアルキルクロロホルメートの適切な例としては、メチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、n−プロピルクロロホルメート、イソプロピルクロロホルメート及びイソブチルクロロホルメートなどが挙げられる。用いられる塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジメチルアミノピリジン及びその混合物が挙げられる。アルキルクロロホルメートと塩基との量は、化IIIの化合物またはその酸付加塩に対してそれぞれ1〜3モル当量、1〜4モル当量の範囲の量が好ましい。
【0020】
化VIIの酸無水物とメタノールとの反応は、前記段階で製造された反応溶液にメタノールを添加して生成した混合物を−15℃〜室温の範囲の温度で攪拌することによって行うことができる。この際、メタノールの量は、化IIIの化合物またはその酸付加塩に対して1〜10モル当量の範囲の量で用いられることが好ましい。
【0021】
化IIIの化合物またはその酸付加塩とメタノールとの反応は、無水塩酸、無水硫酸、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸などのような酸触媒の存在下で行うことができる。前記酸触媒は、化IIIの化合物またはその酸付加塩に対して1〜4モル当量の範囲の量で用いることが好ましい。該反応は反応溶媒として用いられるメタノールの沸点で行うことが好ましい。
【0022】
このように得られた化Iのクロピドグレルの光学活性メチルエステルは、実質的に左旋性の異性体を含有せず、通常の方法を用いて酸付加塩の形態に転換され得る(ヨーロッパ特許第0,281,459号及び国際出願番号第PCT/KR2004/002665号参照)。このようなクロピドグレルの塩の例としては、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸水素塩、ベンゼンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩及び1,5−ナフタレンジスルホン酸塩などが挙げられる。
本発明によって製造されたクロピドグレルまたはその酸付加塩は、アメリカ薬局方(US Pharmacopoeia)が薬製学的に求める最小限の光学純度である98%ee以上の高純度を有する。
【0023】
なお、本発明によるクロピドグレルの製造工程で得られる中間体化IVの塩は、新規な物質であって、例えば、エフェドリン、2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、α−メチルベンジルアミン、α−(1−ナフチル)エチルアミン、グルカミン及び2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール及びこれらの誘導体が挙げられ、好ましくは、化Vの(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−置換されたフェニル)−1,3−プロパンジオール誘導体である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。但し、これらの実施例は本発明を制限しない。
【実施例】
【0024】
実施例1
(±)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸(化II)の製造
水275mlとメタノール75mlとの混合溶液に4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン塩酸塩50.0gとα−ブロモ−(2−クロロフェニル)酢酸74.6gを順次加え、攪拌しながら10℃以下に冷却した。これに、85.0%水酸化カリウム63.9gを水142mlに溶解した溶液を15℃以下に維持しながら滴加した後、生成した透明溶液を加熱して40℃で3時間攪拌した。得られた反応液に6N塩酸を滴加してpHを3.5に調整した後、溶液の温度を室温に徐々に冷却してから、2時間攪拌した。その後、溶液温度を5℃以下に低めて2時間攪拌した。沈殿された結晶をろ過して集収し、水150mlとn−ヘキサン100mlで順次洗浄した後、40℃で乾燥して微白色一水化物としての表題化合物81.7g(収率88%)を得た。
融点:114℃〜116℃
水分含量:5.6%(カールフィッシャー法)
H−NMR(CDCl,ppm):δ3.00(brs,2H),3.16−3.56(m,2H),4.05−4.28(m,2H),5.14(d,1H,J=4.4Hz),6.04(brs,H),6.55−6.68(m,1H),7.04−7.31(m,1H),7.31−7.41(m,1H),7.85−7.98(m,1H)
13C−NMR(CDCl,ppm):δ22.64,48.47,50.43,67.13,124.72,125.58,128.00,129.35,130.36,130.57,130.72,132.01,132.06,135.63,170.34
IR(KBr,cm−1):3394,3079,1668,1638
MS(ESI,M/Z):308.2(M+H)
【0025】
実施例2
(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸と(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールの塩(化IV)の製造
実施例1で得られた(±)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸一水和物167.0gと(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール(化V;Rはニトロ)55.0gを水1,000mlとメタノール1,500mlの混合溶液に加え、生成した溶液を12時間還流させた。生成した反応混合物を5℃以下に徐々に冷却し、2時間以上攪拌した。沈殿された結晶をろ過し、メタノール200mlで洗浄した後、40℃で乾燥して微白色の粉末状の表題化合物113g(計算値収率の85%)を得た。
融点:199〜201℃
旋光度:[α]20+9.53°(c=1%、DMF)
光学純度:99.0%ee(化IIIの化合物に対するHPLC分析)
H−NMR(DMSO−d,ppm):δ2.61−2.91(m,4H),2.92−3.07(m,1H),3.12−3.28(m,1H),3.35−3.45(m,1H),3.52(d,1H,J=14.5Hz),3.68(d,1H,J=14.5Hz),4.50(s,1H),4.79(d,1H,J=7.0Hz),6.74(d,1H,J=5.1Hz),7.10−7.35(m,3H),7.39(d,1H,J=7.4Hz),7.63(d,2H,J=8.6Hz),7.74(d,1H,J=7.4Hz),8.21(d,2H,J=8.6Hz)
13C−NMR(DMSO−d,ppm):δ25.29,47.95,50.34,58.19,59.38,70.13,70.57,122.75,123.27,125.50,126.74,128.09,128.34,128.91,130.41,132.78,133.76,134.33,137.45,146.89,150.15,173.77
IR(KBr,cm−1)3419,1920,1606,1556,1518,1350
【0026】
前記で得られた化合物40.0gを90%のイソプロパノール280mlで再結晶して光学的により純粋な表題化合物35.0gを得た。
融点:207〜208℃
旋光度:[α]20+9.56°(c=1%、DMF)
光学純度:99.9%ee(化IIIの化合物に対するHPLC分析)
【0027】
実施例3
(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸と(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールの塩(化IV)の製造
実施例1で得られた(±)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸一水和物130.0gと(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール(化V;Rはニトロ)42.4gを、水800mlとイソプロパノール3,200mlの混合溶液に加え、生成した懸濁液を、均質溶液になるまで還流させた。生成溶液を5℃以下に徐々に冷却させ、2時間以上攪拌した。沈殿された結晶をろ過し、イソプロパノール200mlで洗浄した後、40℃で乾燥して微白色の固体状の表題化合物78.0g(計算値収率の75%)を得た。得られた生成物は実施例2で得たものと同一であった。
融点:201〜202℃
旋光度:[α]20+9.50°(c=1%、DMF)
光学純度:99.4%ee(化IIIの化合物に対するHPLC分析)
【0028】
実施例4
(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸と(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオールの塩(化IV)の製造
実施例1で得られた(±)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸一水和物10.0gと(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール(化V;Rは水素)2.8gを95%のイソプロパノール100mlの溶液に加え、生成した懸濁液を、均質溶液になるまで還流させた。生成溶液を5℃以下に徐々に冷却させて2時間以上攪拌した。生成した結晶をろ過し、イソプロパノール10mlで洗浄した後、40℃で乾燥して微白色の固体状の表題化合物4.2g(計算値収率の57%)を得た。
融点:181〜183℃
光学純度:99.0%ee(化IIIの化合物に対するHPLC分析)
H−NMR(DMSO−d,ppm):δ2.72−2.84(4H,m),2.99−3.03(1H,m),3.18(1H,dd,J=11.51,5.76Hz.),3.34(1H,dd,J=11.63,3.47Hz.),3.60(2H,dd,J=49.87,14.40Hz.),4.48(1H,s),4.58(1H,d,J=8.37Hz.),6.74(1H,d,J=5.09Hz.),7.22−7.41(9H,m),7.75(1H,dd,J=7.54,1.89Hz.)
13C−NMR(DMSO−d,ppm):δ25.32,47.96,50.35,58.57,59.01,70.83,70.91,122.70,125.49,126.67,126.81,127.57,128.17,128.83,130.45,132.77,133.74,134.42,137.74,142.18,173.90
IR(KBr,cm−1):3455,3069,1561
【0029】
実施例5
(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸(化III)の製造
実施例2または3で得られた塩113.0gを水250mlに加え、5℃以下に冷却した。ここに、水酸化ナトリウム17.4gを蒸留水125mlに溶解した溶液を添加し、同一な温度で30分間攪拌した。生成した結晶をろ過し、蒸留水125mlで洗浄して(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール(化V;Rはニトロ)43.0g(回収率93%)を分離及び回収した。また、ろ液に塩化ナトリウム113gとクロロホルム340mlを加え、6N塩酸で溶液のpHを3.5に調整して有機層を分離した。水層をクロロホルム340mlでさらに抽出し、クロロホルム層を合わせて減圧下で濃縮して泡状の表題化合物68gを得た。
光学純度:99.0%ee(HPLC分析)
【0030】
実施例6
(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸塩酸塩(化IIIの塩酸塩)の製造
実施例5で得られた(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−酢酸61gをアセトン300mlとメタノール15mlの混合液に加え、40℃まで加熱した。ここに、高濃度の塩酸16.4mlを滴加し、生成混合物を室温で2時間攪拌した後、5℃以下で2時間以上攪拌した。沈殿物として生成した結晶をろ過し、アセトン100mlで洗浄した後、40℃で減圧乾燥して微白色の固体状の表題化合物61g(収率90%)を得た。
融点:200〜201℃
旋光度:[α]20+64.87°(c=1%、MeOH)
光学純度:99.5%ee(HPLC分析)
H−NMR(DMSO−d,ppm):δ3.10(s,3H),3.47(s,2H),4.30(s,2H),5.54(s,1H),6.91(d,1H,J=4.8Hz),7.44(d,1H,J=4.8Hz),7.46−7.58(m,2H),7.65(d,1H,7.4Hz),7.97(d,1H,J=7.1Hz)
13C−NMR(DMSO−d,ppm):δ21.78,48.81,50.17,65.43,125.04,125.54,127.99,128.29,128.36,130.37,130.46,131.49,132.02,134.43,167.53
IR(KBr,cm−1):3435,3114,1728
【0031】
実施例7
メチル(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−a]ピリジン−5(4H)−アセテート(化I)の製造
実施例5で得られた(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−酢酸8.9gを無水メタノール150mlに溶解し、無水硫酸6.4mlを滴加した。生成混合物を24時間還流した後、減圧下で濃縮してメタノールを除去した。残留物に酢酸エチル200mlと水150mlを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で混合液のpHを8に調整して相分離を誘導した。有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して黄色オイル状の表題化合物7.2g(収率77%)を得た。
光学純度:98.5%ee(HPLC分析)
H−NMR(DMSO−d,ppm):δ2.89(s,4H),3.60−3.78(m,2H),3.73(s,3H),4.93(s,1H),6.67(d,1H,J=5.1Hz),7.06(d,1H,J=5.1Hz),7.26−7.30(m,2H),7.37−7.45(m,1H),7.68−7.77(m,1H)
【0032】
実施例8
メチル(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−a]ピリジン−5(4H)−アセテート(化I)の製造
実施例5で得られた(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−酢酸8.9gを無水メタノール150mlに溶解し、メタンスルホン酸7.5mlを滴加した。生成混合物を24時間還流した後、減圧下で濃縮してメタノールを除去した。残留物に酢酸エチル200mlと水150mlを添加して攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で混合液のpHを8に合わせ、相分離を誘導した。有機層を分離して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して黄色オイル状の表題化合物6.1g(収率65%)を得た。得られた生成物は実施例7で得たものと同一であった。
光学純度:98.5%ee(HPLC分析)
【0033】
実施例9
メチル(+)−(S)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−a]ピリジン−5(4H)−アセテート(化I)の製造
実施例5で得られた(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−酢酸8.9gをジクロロメタン60mlに溶解した後、ジメチルホルムアミド0.2mlを添加した。この溶液を−20℃に冷却し、ここに、オキサリルクロリド4.7mlとジクロロメタン20mlの混合液を−10℃以下で30分に亘って滴加し、−10℃〜0℃で2時間攪拌した。前記混合液にメタノール5.4mlとジクロロメタン20mlの混合液を約30分に亘って滴加し、室温に徐々に加熱して、その温度で2時間攪拌した。生成溶液に水70mlを滴加した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応液のpHを7.5に調整して、相分離を誘導した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液150mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して黄色オイル状の表題化合物8.9g(収率96%)を得た。得られた生成物は実施例7で得たものと同一であった。
光学純度:98.1%ee(HPLC分析)
【0034】
実施例10
メチル(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−a]ピリジン−5(4H)−アセテート(化I)の製造
実施例6で得られた(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−酢酸の塩酸塩41.8gをジクロロメタン252mlに懸濁し、ここに、ジメチルホルムアミド0.94mlを添加して−20℃に冷却した。ここに、−10℃以下でオキサリルクロリド12.8mlとジクロロメタン84mlとの混合液を30分に亘って滴加した後、−10℃〜0℃で2時間攪拌した。反応液にメタノール24.6mlとジクロロメタン84mlとの混合液を約30分に亘って滴加し、生成混合物を徐々に室温に加熱した後、同一温度で2時間攪拌した。生成溶液に水170mlを滴加した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応液のpHを7.5に調整して相分離を誘導した。有機層を分離して飽和塩化ナトリウム溶液150mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して黄色オイル状の表題化合物37.1g(収率95%)を得た。得られた生成物は実施例7で得たものと同一であった。
光学純度:98.5%ee(HPLC分析)
【0035】
実施例11
メチル(S)−(+)−α−(o−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロチエノ[3,2−a]ピリジン−5(4H)−アセテート(化I)の製造
実施例5で得られた(S)−(+)−α−(2−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−酢酸7.9gをジクロロメタン80mlに溶解した後、ここに、トリエチルアミン5mlを滴加し、生成溶液を−10℃以下に冷却させた。この混合液にメチルクルロロポメイト2.6mlを滴加した後、0℃で2時間攪拌した。生成混合物にメタノール4mlを添加した後に4−ジメチルアミノピリジン1.6gを添加して1時間攪拌し、室温まで昇温してさらに1時間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液でさらに洗浄した。有機層を分離して無水硫酸マグネシウムで乾燥させて減圧濃縮して黄色オイル状の表題化合物6.0g(収率73%)を得た。得られた生成物は実施例7で得たものと同一であった。
光学純度:98.0%ee(HPLC分析)
【0036】
参照実施例1
クロピドグレル硫酸水素塩(化Iの硫酸水素塩)の製造
ヨーロッパ特許第0,281,459号の方法と同様に、実施例9で得られたクロピドグレル35.0gをアセトン150mlに溶解した後に高濃度の硫酸12.5gを滴加した。生成混合物を10℃以下に冷却してから一晩中攪拌した。生成した結晶をろ過し、アセトンで洗浄した後に乾燥して表題化合物39.7g(収率87%)を得た。
光学純度:98.5%ee(HPLC分析)
【0037】
参照実施例2
クロピドグレル1,5−ナプタルレンジスルホン酸塩(化Iの1,5−ナプタレンジスルホン酸塩)の製造
国際出願番号第PCT/KR2004/002665号の方法と同様に、実施例9で得られたクロピドグレル35.0gをアセトン200mlに溶解した。このクロピドグレル溶液に、アセトン140mlと水10mlとの混合液に溶解させた1,5−ナフタレンジスルホン酸四水和物20.2gを30分に亘って滴加した後、生成混合物を室温で12時間攪拌した後、0〜5℃でさらに4時間攪拌した。沈殿された結晶をろ過して、冷えたアセトン100mlで洗浄した後、50℃で乾燥して白色の粉末状の表題化合物結晶46.7g(収率90%)を一水和物として得た。
融点:223〜225℃
水気含量:1.91%(カールフィッシャー法)
光学純度:99.8%ee(HPLC分析)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)化IIのラセミ体化合物を、光学活性アミンを用いて光学分割することにより光学活性体である化IIIの化合物またはその酸付加塩を製造する段階;及び
(b)前記化IIIの化合物またはその酸付加塩をメチル化する段階;
を含む、化Iのクロピドグレルの製造方法:
【化1】

【請求項2】
前記段階(a)の光学分割が、前記化IIのラセミ体化合物を光学活性アミンと反応させて化IVの塩を結晶化させ、この塩から前記光学活性アミンを分離することによって行われることを特徴とする、請求項1に記載のクロピドグレルの製造方法:
【化2】

【請求項3】
前記光学活性アミンが、エフェドリン、2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、α−メチルベンジルアミン、α−(1−ナフチル)エチルアミン、グルカミン、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール誘導体及びこれらの誘導体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項4】
前記光学活性アミンが化Vの化合物であることを特徴とする、請求項2に記載のクロピドグレルの製造方法:
【化3】

前記式中、Rは水素、ハロゲン、ニトロ、メチルまたはメトキシである。
【請求項5】
前記Rが水素またはニトロであることを特徴とする、請求項4に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項6】
前記化IVの塩の結晶化が、溶媒に前記化IIの化合物と光学活性アミンとを加え、室温〜溶媒の沸点の範囲の温度で攪拌して生成した混合物を0℃〜室温の範囲の温度に冷却させることによって行われることを特徴とする請求項2に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項7】
前記光学活性アミンが前記化IIの化合物の量に対して0.4〜1.1モル当量の範囲の量で用いられることを特徴とする、請求項6に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項8】
前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド及びこれらの混合物からなる群から選択された有機溶媒、または前記有機溶媒と水との混合溶媒であることを特徴とする、請求項6に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項9】
前記光学活性アミンの分離が、前記化IVの塩の水溶液を塩基でアルカリ化して行われることを特徴とする、請求項2に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項10】
前記塩基が、前記化IVの塩に対して1〜3モル当量の範囲の量で用いることを特徴とする請求項9に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項11】
前記塩基が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであることを特徴とする、請求項9に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項12】
前記化IIのラセミ体化合物が、α−ブロモ−(2−クロロフェニル)酢酸を4,5,6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジンまたはその酸付加塩で置換反応させて製造されることを特徴とする、請求項1に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項13】
前記置換反応が、塩基の存在下で行われることを特徴とする、請求項12に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項14】
前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項15】
前記塩基が、4,5,6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジンまたはその酸付加塩に対して2〜4モル当量の範囲の量で用いられることを特徴とする、請求項13に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項16】
前記段階(b)のメチル化が、(i)前記化IIIの化合物またはその酸付加塩を不活性溶媒中で塩素化剤と反応させて化VIの塩素化化合物またはその酸付加塩を製造し、これをメタノールと反応させて行われるか;(ii)前記化IIIの化合物またはその酸付加塩を不活性溶媒中でアルキルクロロホルメートと反応させて化VIIの酸無水物を製造し、これをメタノールと反応させて行われるか;または(iii)化IIIの化合物またはその酸付加塩を酸触媒の存在下でメタノールと反応させて行われることを特徴とする、請求項1に記載のクロピドグレルの製造方法:
【化4】

前記式中、RはC1−4アルキルである。
【請求項17】
前記塩素化剤が、チオニルクロリド、五塩化リン、ホスホリルクロリド、オキサリルクロリド、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンオキサリルクロリド及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項18】
前記塩素化剤が、オキサリルクロリドであることを特徴とする、請求項16に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項19】
前記塩素化剤が、前記化IIIの化合物またはその酸付加塩に対して1〜5モル当量の範囲の量で用いることを特徴とする、請求項16に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項20】
前記アルキルクロロホルメートが、メチルクロロホルメート、エチルクロロホルメート、n−プロピルクロロホルメート、イソプロピルクロロホルメート、イソブチルクロロホルメート及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項21】
前記塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジメチルアミノピリジン及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項22】
前記酸触媒が、無水塩酸、無水硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載のクロピドグレルの製造方法。
【請求項23】
請求項1または請求項2に記載の方法で中間体として用いられる化IVの塩:
【化5】

【請求項24】
前記光学活性アミンが、エフェドリン、2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、α−メチルベンジルアミン、α−(1−ナフチル)エチルアミン、グルカミン、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール及びこれらの誘導体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項23に記載の塩。
【請求項25】
前記光学活性アミンが、化Vの化合物であることを特徴とする、請求項23に記載の塩:
【化6】

前記式中、Rは水素、ハロゲン、ニトロ、メチルまたはメトキシである。
【請求項26】
前記Rが、水素またはニトロであることを特徴とする、請求項25に記載の塩。

【公表番号】特表2008−546761(P2008−546761A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518011(P2008−518011)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004017
【国際公開番号】WO2006/137628
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(599139534)ハンミ ファーム. シーオー., エルティーディー. (56)
【Fターム(参考)】