説明

グアー抽出物含有組成物並びに表面処理剤及び/又は表面改質剤としてのグアー抽出物の使用

本発明は、表面の処理及び/又は改質用の組成物、例えば、誘導体の形態であってよいグアー抽出物を含む化粧組成物、薬理学的組成物、植物衛生組成物又は家庭用処理組成物であって、該蛋白質抽出物が少なくとも65重量%の蛋白質含有量を有するものに関する。グアー蛋白質抽出物は、例えば、肌、毛髪、家庭用表面、織物表面及び植物の葉の表面から選択される表面の処理剤及び/又は改質剤として特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の処理及び/又は改質用の組成物、例えば、グアー抽出物を含む化粧組成物、薬理学的組成物、植物衛生組成物又は家庭用処理組成物に関する。また、本発明は、該抽出物を表面処理剤及び/又は表面改質剤として使用することに関する。この組成物及び使用は、化粧品の分野、具体的には、ヘアスタイリング剤を製造するための分野、髪型をつくるための分野又はシャンプー、コンディショナー若しくはシャワー用ジェルを製造するための分野、肌及び/又は毛髪を整えるための分野において特に利益がある。また、これらは、洗剤の分野、具体的には、家庭用処理のための洗剤の分野及び植物衛生の分野においても興味のあるところである。
【背景技術】
【0002】
グアー抽出物を使用することは周知である。例えば、グアーガム又はグアー誘導体が、化粧品及び食品の分野において、特に組成物又は食品のレオロジー及び/又はテクスチャーを改変するための試剤として、或いは肌及び/又は毛髪用のコンディショナーとして使用されている。
【0003】
さらに、グアーガム中に含まれる蛋白質画分やグアーから抽出される粉末に関する記載もある(Anderson外,Food Additives and Contaminants,1985,第2巻,第4号,225−230;Nath外,J.Agric.Food Chem.,1980,28,844−847)。M.M.Khalil(Production of Isolated Guar Protein,Food 45,2001,No.1,21−24)は、グアー種子粉末から単離された蛋白質の栄養価に特に関心を持った。
【0004】
さらに、産業界には、例えば、新たな特性を示すことができる新規な物質や所定の特性を改善させることができる新規な物質を含む新規な組成物に対する要望が常に存在している。特に、植物起源の物質に大きな関心が寄せられている。
【0005】
【非特許文献1】Anderson外,Food Additives and Contaminants,1985,第2巻,第4号,p.225−230
【非特許文献2】Nath外,J.Agric.Food Chem.,1980,28,p.844−847
【非特許文献3】M.M.Khalil,Production of Isolated Guar Protein,Food 45,2001,No.1,p.21−24
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今のところ、グアー蛋白質抽出物及びその誘導体は、皮膚及び皮膚付属器、具体的には毛髪に対して効果的であり、且つ、これらのものを化粧品によるケア及び薬理学、特に皮膚用途に有用なものにする特性を有することが分かっている。
【0007】
従って、グアー蛋白質抽出物を含む組成物は、毛髪及び肌の優れたコンディショニング特性だけでなく、消費者が望み得る感覚的な又は化粧的な有用な特性も有し得る。そのため、これらのものは、柔らかさ、しなやかさ、ボリューム、絡まりにくさ、濡れた毛髪及び/又は乾いた毛髪のスタイリング能力並びに毛髪の修復能力の点で、有益な特徴を有し得る。これらの効果は、処方物をさらに単純化し及び/又は安価にすることができる。また、これらの組成物は、肌を活性化させるために及び/又は肌に潤いを与えるためにも特に有用である。さらに、この抽出物は処方するのが容易である。これによって、その使用が単純化でき且つ安価にできる。
【0008】
同様に、これらの化合物は、家庭用処理(私的な場において消費者が行う処理だけでなく、公的な場において行われる処理、例えば、表面及び織物の産業上又は業務上の洗浄)用の組成物、特に洗剤組成物、具体的には所定の処理用、例えば陶器類を含めた硬質表面の洗浄又は織物表面の洗浄用の洗剤組成物に使用できる。さらに具体的には、これらの組成物は、生地を柔らかくし、そのアイロンがけを容易にする。また、これらのものは、硬質表面の洗浄を容易にすることも可能にする。
【0009】
驚くべきことに、植物に塗布される該処方物にグアー蛋白質抽出物又はその誘導体を導入することによって液滴の反撥を低減させると共に植物衛生処方物及び/又は栄養素の保持力を増大させることが可能であることも分かった。このグアー蛋白質抽出物及びその誘導体は、瞬間的な付着に好ましい効果を及ぼし、その結果として、噴霧液滴の保持力に、粒度の大きい条件であっても好ましい効果を及ぼす。好都合なことに、これらの抽出物は、通常粒度の大きな液滴での噴霧の場合に観察される反撥の現象を有意に低減させることに加えて、流出の現象を制限する。そのため、グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、瞬間的な付着を改善させ、その結果として、処理される植物に液滴の状態で塗布される場合には、植物衛生の保持力及び/又は栄養素の保持力を改善させる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、第1の態様によれば、本発明は、誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物を含む表面の処理用及び/又は改質用の組成物であって、該蛋白質抽出物が少なくとも65重量%の蛋白質含有量を有するものに関する。
【0011】
この組成物は、例えば、
・化粧組成物、
・薬理学的組成物、
・家庭用処理のための組成物、又は
・植物衛生組成物
であることができる。
【0012】
別の態様によれば、本発明は、誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物の、表面処理剤及び/又は表面改質剤としての使用に関する。
【0013】
別の形態によれば、本発明は、誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物を含む組成物を所定の表面に塗布する工程を含む表面処理方法及び/又は表面改質方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
定義
本願において、「グアー」とは、シアノプシス・テトラゴノローバ(Cyanopsis tetragonoloba)という植物をいう。本明細書において、重量パーセントは、特に示さない限り、乾燥重量により表す。
【0015】
本願において、「グアー種子」とは、グアー由来の種子を意味する。グアー種子は、多かれ少なかれ繊維状の外皮、胚芽及びグアーの内胚乳を構成する2個の「グアースプリット」、すなわち「内胚乳の半分」を含む。このスプリット(又は内胚乳)はガラクトマンナンに富む。グアー種子は、一般に、35〜40重量%の内胚乳、42〜47重量%の胚芽及び14〜17重量%の外皮からなる。
【0016】
本願において、「グアー細粉」又は「グアー粉末」とは、グアー内胚乳に由来する粉末をいう。
【0017】
本願において、「ネイティブグアー」とは、グアー内胚乳から誘導され、化学基のグラフトによる化学的改質を受けていないガラクトマンナン型の高分子鎖をいう。ネイティブグアーは、β(1−4)位で結合したD−マンノピラノース単位の主鎖を含有し、β(1−6)位においてD−ガラクトピラノース単位で置換された高分子を含む。ネイティブグアーは、約2のマンノース/ガラクトース比を有する。ネイティブグアーは、部分的に解重合されていてもよい(分子量の減少)。
【0018】
本願において、「グアーガム」とは、グアースプリット又はグアー細粉若しくはグアー粉末の状態のネイティブグアーから実質的になる物質をいう。
【0019】
グアー胚芽は、一般に、35〜45重量%の蛋白質、30〜35重量%の繊維、5%未満のガラクトマンナン、約5%の塩、約5〜10%の水、約6%の脂質を含むが、ここで、この重量パーセントは、グアー胚芽の総重量に対して表す。グアー胚芽(インド及びパキスタンの栽培地においてとりわけ使用されている用語で「チュリ」)は、用語「グアー蛋白質」で表すのには不適当な場合がある。本願において、「グアー蛋白質」は、グアー胚芽を指すものではない。
【0020】
グアースプリットは、約4〜6%の蛋白質を含む。
【0021】
グアー外皮は、一般に、いかなる蛋白質も含まない(約0重量%)。このグアー外皮は、インド及びパキスタンの栽培地において特に使用される用語で「コルマ」と呼ばれることがある。
【0022】
グアーガムは、一方では、グアースプリット(若干の不純物を有し得る)を含む物質と、他方では外皮及び胚芽(若干の不純物を有し得る)を含む副産物とを細かく又はさほど細かくなく分離することを含む方法によって得られる。この方法は、機械的に行うのが一般的であるが、ただし、その間に、水又は溶媒又は充填剤を用いて行われる洗浄及び/又は抽出工程並びに酸性化剤又はアルカリ化剤による精製工程を行うことができる。これらの方法、工程、生成物及び副産物は当業者に知られている。
【0023】
本願において、「グアー粉」とは、スプリットの回収によって得られた副産物であって、通常約70〜80重量%のグアー胚芽(「チュリ」)と、約20〜30重量%の外皮(「コルマ」)と、10重量%未満の内胚乳とを含むものをいう。
【0024】
本願において、「グアー蛋白質抽出物」又は「グアー蛋白質」とは、少なくとも65重量%の蛋白質と、通常グアー細粉から出発する濃縮及び/又は抽出及び/又は単離の方法によって得られる、典型的には65〜95重量%のグアー胚芽抽出物とを含む物質をいう。本願においては、「グアー蛋白質単離物」又は「グアー蛋白質濃縮物」ということもできる。
【0025】
本願において、特に示さない限り、重量に基づく蛋白質の量は、既知のケルダール法に従って測定される窒素レベルから決定される。この方法については、例えば、次のURL:http://www.rosesci.com/Products/Chemical%20Analysis/Kjeldahl%20 Chemistry%20-%20Overview.htmで説明されている。窒素レベルに6.25を乗じて重量に基づく蛋白質量を得る。
【0026】
この組成物は、誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物を含み、ここで、該蛋白質抽出物は、少なくとも65重量%、好ましくは65重量%〜95重量%、例えば65重量%〜85重量%の蛋白質を含む。
【0027】
グアー蛋白質抽出物は、脂質、水、糖質及び無機塩をさらに含んでいてよい。
【0028】
蛋白質抽出物の分子量分布のアミノ酸組成は、そのグアー種子の起源、それらの熟成の度合い及び抽出に使用した条件に応じて、多かれ少なかれ変動し得る。
【0029】
グアー蛋白質抽出物中に存在するアミノ酸としては、主として、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Arg)、アスパラギン酸(Asp)、ロイシン(Leu)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)及びプロリン(Pro)が挙げられる。
【0030】
つまり、グアー蛋白質抽出物は、
・10%〜30%、特に15%〜25%のグルタミン酸;
・5%〜25%、特に10%〜20%、特に12%〜16%のアルギニン;
・5%〜20%、特に10%〜15%のアスパラギン酸;
・1%〜10%、特に5%〜10%のロイシン;
・1%〜8%、特に4%〜6%のグリシン
を含むことができ、ここで、
このパーセンテージは、該抽出物中に含まれるアミノ酸の総質量に対する質量で表すものとする。
【0031】
好ましくは、グアー蛋白質抽出物は、次のアミノ酸組成:
【表1】

【0032】
このように、グアー蛋白質抽出物は、化粧品の分野で日常的に使用されている蛋白質、例えば、大豆蛋白質、乳蛋白質又はエン麦蛋白質と比較して、比較的大量のアルギニンを有する。ここで、アルギニンは、例えば肌に保湿作用を及ぼすため、化粧品の分野において特に有用なアミノ酸である。
【0033】
誘導体
本発明に従う組成物は、誘導体の形態のグアー蛋白質抽出物を含むことができる。
誘導体の形態のグアー蛋白質抽出物は、通常、随意に低分子量の、非誘導抽出物と同一のアミノ酸区分を有することができる。
【0034】
本願において、「誘導体の形態のグアー蛋白質抽出物」又は「誘導グアー蛋白質抽出物」又は「誘導グアー蛋白質」とは、グアー蛋白質抽出物分子の化学的改質によって得ることができる物質をいう。言い換えれば、このものは、
・同一の又は異なる基であって、該蛋白質抽出物中に含まれるアミノ酸官能基に共有結合するものを有する蛋白質抽出物、及び/又は
・加水分解グアー蛋白質抽出物
である。
【0035】
いかなる理論にも限定されるものではないが、化学基は、蛋白質のアミノ酸側鎖及び/又は末端官能基上に保持される−OH又は−NH2又は−COOH官能基に特異的にグラフトできる。
【0036】
蛋白質抽出物中のアミノ酸にグラフトできる化学基としては、次のものが挙げられる。
・陽イオン性又は陽イオン化性基。「陽イオン化性基」とは、潜在的に陽イオン性の基、すなわち、媒体のpHに応じて陽イオン性になることができる基を意味する。
・陰イオン性又は陰イオン化性基。「陰イオン化性基」とは、潜在的に陰イオン性の基、すなわち、媒体のpHに応じて陰イオン性になることができる基を意味する。
・非電荷親水性又は疎水性基。非電荷疎水性基から誘導されるグアー蛋白質抽出物は、界面活性特性を有することができる。
・グアー蛋白質抽出物を架橋する基、随意に重合基。最後の場合において、グアー蛋白質抽出物から誘導される「架橋重合体」ということができる。
【0037】
複数の改質、例えば加水分解とグラフトとを組み合わせることが可能である。数種の異なる基のグラフトを組み合わせることが可能である。
【0038】
加水分解誘導体
グアー蛋白質抽出物の加水分解誘導体又は「加水分解物」は、通常、10,000g/mol未満、例えば8,000g/mol未満の分子量を有することができ、或いは、5,000又は1,000g/mol未満の分子量さえも有することができる。
【0039】
加水分解は、酸性又はアルカリ性のpHレベルで化学的に、酵素的に、又は、例えば電子ガンによる照射(「E−光線」)によって実施できる。
【0040】
加水分解誘導体は、具体的には、非加水分解グアー蛋白質抽出物及び/又は高分子量の加水分解誘導体及び/又は化学的にグラフトした誘導体との混合物の組成物として使用したり、該誘導体と共に使用したりすることができる。
【0041】
陽イオン性又は潜在的に陽イオン性の誘導体
陽イオン性基又は陽イオン化性基としては、第四アンモニウム若しくは第三アミン、ピリジニウム、グアニジニウム、ホスホニウム又はスルホニウムを含む基が挙げられる。
本発明に従う陽イオン性生成物は、グアー蛋白質抽出物の蛋白質を、そのペプチド結合を開裂させるように酵素的又は化学的加水分解に付すと同時に又はそれに付した後に、従来の方法で反応させることによって得ることができる。
【0042】
求核置換による陽イオン化
陽イオン性又は陽イオン化性基をグアー蛋白質抽出物に導入することは、求核置換反応によって実施できる。
アンモニウム基を導入することが望ましい場合には、使用する好適な試薬は、
・デグッサ社がGUAB 188という商品名で販売する、塩化3−クロル−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム;
・第四アンモニウムを有するエポキシド、例えば、デグッサ社がQUAB 151という商品名で販売する塩化2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウム又は同様の化合物;
・塩化ジエチルアミノエチル;又は
例えば、第四アンモニウム又は第三アミンを有するアクリレート又はメタクリレートのようなマイケル受容体基
であることができる。
【0043】
エステル化による陽イオン化
陽イオン性又は陽イオン化性基をグアー蛋白質抽出物のアミノ酸に導入することは、例えば、グリシン、リシン、アルギニン、6−アミノカプロン酸のようなアミノ酸や、例えば、ベタイン塩酸塩のような四級化アミノ酸の誘導体でエステル化することによって実施できる。
【0044】
ラジカル重合による陽イオン化
陽イオン性基又は陽イオン化性基をグアー蛋白質抽出物に導入することは、少なくとも1個の陽イオン性基又は陽イオン化性基を含む単量体をグアー蛋白質抽出物のアミノ酸にグラフトさせることを伴うラジカル重合によって実施できる。
ラジカル開始は、文献「European Polymer Journal,vol.12,p.535−541,1976」に記載されるようなセリウムを使用して実施できる。また、ラジカル開始は、電離放射線、特に電子線による照射によっても実施できる。
このラジカル重合を実施するために使用される少なくとも1個の陽イオン性基又は陽イオン化性基を含む単量体は、例えば、少なくとも1個のエチレン系不飽和及び第四窒素又はpHを調整することによって四級化できる窒素のうち少なくとも1個を含む単量体であることができる。少なくとも1個のエチレン系不飽和及び第四窒素又はpHを調整することによって四級化できる窒素のうち少なくとも1個を含むこれらの単量体としては、次式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)の化合物:
・一般式(I)の化合物
【化1】

(式中、
・An-は、Cl-、Br-、I-、SO42-、CO32- ,CH3−OSO3- 、OH-又はCH3−CH2−OSO3-イオンを表し、
・R1〜R5は同一のもの又は異なるものであり、それぞれ独立に、1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基、ベンジル基又はH原子を表し、
・n=1又は2である。)、又は
・一般式(II)の化合物
【化2】

(式中、
・Xは−NH基又は酸素原子Oを表し、
・R4は水素原子又は1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
・R5は1〜20個の炭素原子を含有するアルケン基を表し、
・R1、R2、R3は同一のもの又は異なるものであり、それぞれ独立に、1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
・Bn-は、Cl-、Br-、I-、SO42-、CO32-、CH3−OSO3-、OH-又はCH3−CH2−OSO3-イオンを表し、
・n=1又は2である。)、又は
・一般式(III)の化合物
【化3】

(式中、
・R1〜R6は同一のもの又は異なるものであり、それぞれ独立に、水素原子又は1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基を表すが、ただし、基R1〜R6の一つは−CH=CH2基を表すものとし、
・Cn-は、Cl-、Br-、I-、SO42-、CO32-、CH3−OSO3-、OH-又はCH3−CH2−OSO3-イオンを表し、
・n=1又は2である。)、又は
・一般式(IV)の化合物
【化4】

(式中、
・Dn-は、Cl-、Br-、I-、SO42-、CO32-、CH3−OSO3-、OH-又はCH3−CH2−OSO3-イオンを表し、
・n=1又は2である。)
が挙げられる。
【0045】
好ましくは、少なくとも1個のエチレン系不飽和及び少なくとも1個の第四窒素原子又は四級化可能な窒素原子を含む単量体は、
・アクリル酸2−ジメチルアミノエチル(DMAA)、
・四級化アクリル酸2−ジメチルアミノエチル(Quat−DMAA)、
・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル(DMAMA)、
・四級化メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル(Quat−DMAMA)、
・ローム社がPleximon735又はTMAE MC80という商品名で販売する四級化メタクリル酸2−ジエチルアミノエチルクロリド、
・塩化ジアリルジメチルアンモニウム(DADMAC)、
・MAPTACと呼ばれる塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、又は
・これらの混合物
から選択される。
【0046】
陽イオン性グアー蛋白質抽出物誘導体は、重合後に、陽イオン性又は陽イオン化性官能基の前駆体単量体の化学変換によって得られる陽イオン性単位又は陽イオン化性単位を含有することができる。ここで、トリメチルアミンような第三アミンとの反応後に四級化ポリ−p−トリメチルアミノメチルスチレンを形成するポリ−p−クロルメチルスチレンを例として挙げることができる。
【0047】
陽イオン性単位又は陽イオン化性単位は、負に荷電した対イオンと結合する。これらの対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、弗化物イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン、燐酸イオン、ヒドロゲノ燐酸イオン、ホスホン酸イオン、炭酸イオン、ヒドロゲノ炭酸イオン又は水酸化物イオンから選択できる。好ましくは、ヒドロゲノ燐酸、メチル硫酸、水酸化物及び塩化物から選択される対イオンが使用される。
【0048】
本発明に従う改質陽イオン性グアー蛋白質抽出物の置換度は、少なくとも0.01、好ましくは少なくとも0.05である。置換度が0.01未満の場合には、処理すべき表面に該蛋白質抽出物が固定する効果が低減し得る。置換度が0.05を超えると、表面に対する親和性という観点での効果が際だって改善し得る。改質陽イオン性グアー蛋白質抽出物の置換度は、アミノ酸によって導入された陽イオン性電荷の平均数に相当する。当該置換度は、例えば窒素の元素分析によって決定できる。
【0049】
陰イオン性又は潜在的に陰イオン性の誘導体
陰イオン性又は潜在的に陰イオン性の基は、陰イオン化剤、例えば、プロパンサルトン、ブタンサルトン、モノクロル酢酸、クロルスルホン酸、マレイン酸無水物、琥珀酸無水物、クエン酸、スルフェート、スルホネート、ホスフェート、ホスホネート、オルトホスフェート、ポリホスフェート、メタホスフェートなどとの反応によって得ることができる。
【0050】
非電荷親水性又は疎水性誘導体
親水性基としては、特に1種以上の糖類又はオリゴ糖残基、1種以上のエトキシ基、1種以上のヒドロキシエチル基又は1種以上のオリゴエチレンオキシドが挙げられる。
導入できる疎水性基としては、特にアルキル、アリール、フェニル、ベンジル、アセチル、ヒドロキシブチル若しくはヒドロキシプロピル基又はそれらの混合物が挙げられる。また、所定の脂肪酸がアミノ酸官能基にグラフトした脂肪酸基も挙げることができる。アルキル又はアリール又はアセチル基とは1〜22個の炭素原子を含有するアルキル又はアリール又はアセチル基を意味する。
【0051】
架橋誘導体
化学架橋によって架橋基を導入することができる。デンプンの化学架橋は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、ハロヒドリン類、例えば、エピクロルヒドリン又はエピブロムヒドリン、オキシ塩化燐、ポリホスフェート、ジイソシアネート、ジエチレン尿素、ポリ酸、例えば、アジピン酸、クエン酸、アクロレインなどから選択される架橋剤の作用によって達成できる。また、化学架橋は、例えば、ジルコニウム(IV)のような金属錯化剤の作用によっても達成できる。また、化学架橋は、電離放射線の作用下でも達成できる。
【0052】
グアー蛋白質抽出物を得るための方法
グアー蛋白質抽出物は、植物から蛋白質、特に大豆蛋白質を抽出するための通常の方法に従って、グアー種子から出発して又は好ましくはグアー粉から出発して製造できる。このタイプの方法は、カークオスマーの百科事典,「工業化学百科事典」,第A22巻,295〜300頁及び612〜614頁に記載されている。
【0053】
グアー蛋白質抽出物は、特に、グアー種子のスプリット回収の副産物であるグアー粉から出発して単離又は濃縮できる。当該グアー粉は市販されている。このものは、例えば、ロディア社が商品名「Guar Meal」100%又は31%で販売している。また、これらのグアー粉は、North J.P.,Subramanian N.,Narasinja Rao,M.S.,J.Agric.Food Chem.26(5),1243(1978)に記載された方法に従って製造することもできる。
【0054】
グアー蛋白質抽出物は、「濃縮」として知られている方法によって製造できる。この方法は、一般に、
a1)好ましくはグアー粉からのグアー胚芽を抽出液に懸濁し;
b1)固相S1を分離し、そして液相L1を回収し;
c1)回収した液相L1のpHを酸性のpHに調整し;
d1)蛋白質抽出物を沈殿物として回収すること
を伴う。
【0055】
この方法の工程a1)で使用されるグアー胚芽は、例えば、それらの外皮を有していなくてもよく及び/又は粉末化された状態に粉砕されていてよいグアー種子中、グアー細粉中又はグアー粉中に存在していたかもしれないグアー胚芽を包含する。好ましくは、工程a1)において、グアー粉を抽出する。
【0056】
工程a1)における抽出液は、有機溶媒、水又はそれらの混合物から選択できる。
抽出液として有用な有機溶媒としては、エタノールのようなアルコール類、n−ヘキサンのような炭化水素溶媒及びジエチルエーテルのようなエーテルが挙げられる。
また、この抽出液は、水、好ましくは脱イオン水、より好ましくはアルカリ性のpHの溶液を、随意にアルコールのような有機共溶媒と組み合わせたものであることもできる。
アルカリ性pHの溶液は、pH>7、具体的には>8、特に>9の溶液である。これらは、特に、アルカリ金属水酸化物の溶液、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの溶液であることができる。この抽出媒体は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムのような無機塩をさらに含有してもよい。
【0057】
抽出媒体中の無機塩濃度は、最大限まで変更できるが、当該濃度は、一般に、0.5M〜1.5Mの範囲内にある。
【0058】
抽出は、広範囲の温度、具体的には20℃〜80℃、好ましくは40℃〜60℃,より好ましくは約55℃で行うことができる。
【0059】
抽出は、重量で1:100〜50:100のグアー粉:抽出液、好ましくは重量で2:100〜25:100の比で実施できる。
【0060】
また、抽出に必要な時間は、多数の要因、具体的には抽出温度及び抽出の液体によってかなり変動し得る。通常、10分〜3時間の時間の長さで十分であることが分かる。
【0061】
その後、工程a1)で得られた粗抽出物は、例えば、ろ過又は遠心分離によって分離される。蛋白質にさほど富んでおらず且つ例えば内胚乳及び/又は外皮を含有し得る固相S1を除去し、そして蛋白質に富む抽出物に相当する液相L1を回収する。
【0062】
一変形例によれば、工程c1)の前に、工程b1)に続いて固体S1を回収し、そして工程a1)におけるグアー胚芽のために使用した抽出液と同一でも異なってもよい抽出液で同様に抽出する。その後、得られた粗抽出物を分離し、そして液相L2を回収する。
【0063】
抽出された液相L1又は(L1+L2)は、その後、塩酸のような無機酸の濃縮溶液を添加することによって酸性化される。この酸の十分な量を添加して、該液体L1又はL1+L2のpHをpH値≦7、特に≦5、さらに具体的には≦4に調整する。
【0064】
その後に形成する沈殿物を、例えば遠心分離又はろ過によって回収する。
次いで、このものは、例えば、真空下での濃縮、微粒化又は凍結乾燥によって乾燥できる。得られた沈殿物の特定の画分は、有機溶媒又は分取クロマトグラフィーによる液/液抽出によって精製又は濃縮できることに留意すべきである。
【0065】
有利な変形例によれば、グアー蛋白質抽出物は、「単離技術」と呼ばれる技術に従って、グアー粉又はグアー細粉から出発して製造される。この方法は、工程a1)で使用されるグアー胚芽が次の工程で予め蛋白質を富化させたグアー細粉又はグアー粉の形態にあることを除き、濃縮工程で使用される工程を伴う:
a2)グアー細粉又はグアー粉をふるい分けし、そして1500μm未満、具体的には1400μm未満の直径の粒子を回収し;
b2)ふるい分けされたグアー細粉又はグアー粉中に含まれる最も重い粒子を分離・回収する。
【0066】
工程a2)の間に、蛋白質が少ないグアー内胚乳の大部分を除去する。
工程b2)は、慣用技術に従って、例えば、空気流によって運ばれる最も軽い粒子を集めるための装置を備えた流動床乾燥器によって実施できる。そのため、この工程は、繊維に富む軽い粒子の除去と、一般に蛋白質に富む最も濃厚な粒子の回収とを可能にする。
【0067】
得られた蛋白質抽出物は、抽出方法に準じるように使用でき、且つ、解重合、すなわち蛋白質の部分加水分解に至り得る。
【0068】
変形例では、工程d1)の後に、この方法は、ペプチド結合の化学的又は酵素的加水分解をさらに伴うことができる。好ましい実施形態によれば、この蛋白質は、30,000ダルトンよりも低い分子量、具体的には100〜30,000、好ましくは500〜20,000、より好ましくはおよそ750〜15,000ダルトンの分子量を有するが、この質量は、化粧品の分野で特に好ましい。実際には、加水分解蛋白質は、通常、さらに本質的なものであり、毛髪の毛皮質又は表皮にさらに容易に浸透する。
【0069】
この蛋白質解重合工程に有用な酵素としては、動物、植物、細菌類又は真菌類由来のプロテアーゼが挙げられる。
【0070】
この解重合工程に有用な試薬の例としては、無機塩基、例えば、水酸化アルカリ金属又は水酸化アルカリ土類金属、及び無機酸、例えば塩酸が挙げられる。
【0071】
グアー蛋白質抽出物誘導体は、次の工程:
(a)グアー蛋白質抽出物の製造;
(b)該蛋白質抽出物中に含まれるアミノ酸官能基へのグラフト反応;及び随意に
(c)得られた生成物の回収
を含む方法に従って製造できる。
【0072】
工程(a)で使用するグアー蛋白質抽出物は、上記の方法のいずれか一つに従って製造できる。
【0073】
工程(b)に関する技術は上に開示した。
【0074】
グアー蛋白質抽出物中に含まれるアミノ酸が保持する官能基へのグラフト反応は、これまで使用されている求核置換、エステル化又はラジカル重合方法又は文献、例えばR.C.Larock,Comprehensive Oranic Transformations,VCH Publishers,1989に開示されたものを適用したり改変したりすることによって実施できる。
【0075】
この誘導体が加水分解物でない場合には、工程(b)は実施しない。上記のような加水分解が使用できる。
【0076】
組成物:使用
表面改質及び/又は表面処理用の組成物は、誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物及び一般に他の成分(又は「構成成分」)を含む。特に、このものは、一般に、化粧組成物又は薬理学的組成物の局所適用のためのキャリヤー(液体である場合が最も多い)を含む。
【0077】
すなわち、有用な組成物は、表面処理及び/又は表面改質用の組成物であって、
・液体キャリヤー、例えば、水性キャリヤー、アルコールキャリヤー又はヒドロキシアルコールキャリヤーと、
・誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物と、
・随意に、少なくとも1種の界面活性剤、例えば陰イオン性、非イオン性又は両性界面活性剤又はそれらの混合物と、
・随意に他の成分と
を含むものであることができる。
【0078】
この組成物は、表面の処理又は改質プロセスであって、次の工程:
・該組成物を該表面に塗布し、そして
・随意に、キャリヤーを除去し又は該組成物を希釈し又はpHを調整すること
を伴うものに使用できる。
【0079】
対象とする表面は、具体的には、
・化粧組成物の場合には、肌及び/又は毛髪、
・口腔歯科ケア用組成物の場合には、歯、
・家庭用処理用の組成物の場合には、陶器類を含めた硬質表面、例えば、
手又は食器洗浄機によって陶器類を洗浄することを目的とした処方物の場合には、陶器類の表面(金属、セラミックス、プラスチック材料、ガラスなど)、
多目的クリーニング用又は床洗浄用組成物の場合には、床(木材、セラミックス、プラスチック材料、コンクリートなど)、
多目的クリーニング用又は台所の洗浄用の組成物の場合には、台所に見いだされる表面、
多目的クリーニング用又は浴室の洗浄用の組成物の場合には、浴室に見いだされる表面、
ガラス窓又はフロントガラスの洗浄用組成物の場合には、ガラス窓又はフロントガラス、
・薬理学的組成物の場合には、肌、
・植物衛生組成物の場合には、植物の葉、
・衣類の洗浄及び/又はすすぎ(例えば柔軟剤での)及び/又はアイロンがけ用の組成物の場合には、織物表面
であることができる。
【0080】
本発明に従う化粧組成物の塗布は、好ましくは、局所的に実施される。
【0081】
組成物は、特に肌又は毛髪の処理を目的とし、且つ、軟膏、クリーム、オイル、乳液、ポマード、粉末、染み込ませたパッド、溶液、流体、ゲル、スプレー、ローション、懸濁液、成形製品(例えば石鹸)又はフォームの形態にあることができる。また、本発明に従う化粧組成物は、単純水中油型又は油中水型エマルジョン、複合エマルジョン、マイクロエマルジョン又は水性ゲル若しくは水性アルコールゲルの形態であることもできる。
【0082】
具体的には、シャンプー、コンディショナー(リンス又は非リンス)、スタイリング剤(例えば、髪型をつくるためのもの)又はシャワー用ジェルが挙げられる。
【0083】
この化粧組成物は、肌及び/又は毛髪をケアし且つ清潔にするための組成物であることができる。
【0084】
毛髪用の化粧組成物の例は、具体的には、シャンプー、コンディショナ−、ヘアスタイリング剤又は保護、修復若しくは柔軟製品用の組成物或いはパーマネントのウェービング及びカラーリング用の他の組成物である。
【0085】
いかなる理論にも限定されるものではないが、グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、毛髪に対して非常に強い親和性を有し、それによってそれらの実質的な固定特性、具体的には乾いた毛髪での耐湿性が説明できることが分かってきた。
【0086】
肌用の化粧組成物のいくつかの例は、具体的には、顔及び身体用の製品、日中及び夜間の製品、日焼け止め製品、老化防止及び皺防止衛生製品、汚れ防止製品、シャワー用ジェル及びハンドクリームである。
【0087】
本発明に従う化粧組成物は、該組成物の重量に基づき、当該抽出物を0.0001〜4%、好ましくは0.01〜1%含むことができる。
【0088】
従って、本発明に従う化粧組成物中に含まれるグアー蛋白質は、該化粧組成物の0.00003重量%〜4重量%、特に0.001%〜1重量%を占めることができる。
【0089】
洗剤組成物の例は、具体的には、家事用組成物及び/又は家庭用処理のための組成物、例えば、洗剤、柔軟剤のような織物処理用製品、衣類の維持用製品又は床の洗浄若しくは維持用の製品のような硬質表面の処理用製品である。
【0090】
本発明に従うグアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、毛髪若しくは肌のような皮膚付属器、又は織物若しくは家庭の表面若しくは植物の表面、特に植物の葉の表面を処理するのに特に有用である。
【0091】
グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、肌、毛髪又は頭皮を処置し及び/又は修復し及び/又は保護することを目的とした組成物において化粧品として許容できる媒体と併用できる。
【0092】
そのため、グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、肌の水分補給、弾力性又はなめらかさを増大又は改善させることや、さらに肌を安定させるために、化粧品として許容できる媒体と併用できる。また、これらのものは、ふけ防止、毛髪の再生及び抜け毛予防の組成物及び再度潤いを与える組成物、滋養になる組成物及び再度活力を与えるヘアケア組成物において化粧品として許容できる媒体と併用できる。また、これらのものは、寒さ、日光又は公害によるダメージから毛髪を保護することを目的とした組成物にも使用できる(「ウィンターケア」組成物、「サマーケア」組成物及び「公害防止」組成物という。)。最後に、これらのものは、ボリューム、輝き、自然な色の艶や色合い、肌触りの良さ、カールの張り又は滑らかな効果を与えることを目的とした組成物に使用できる。
【0093】
「化粧品として許容できる媒体」とは、ヒト及び動物の細胞、特に表皮細胞と接触した状態で使用するのに好適で、毒性、刺激性、アレルギー応答の誘導などがなく、且つ、有利な効果/妥当な危険性の釣り合った媒体を意味する。
【0094】
グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、洗剤、柔軟剤、家庭用メンテナンス製品、例えば、床又は家庭用表面のための洗浄用製品及びアンチダスト製品に使用できる。
【0095】
好都合なことに、本発明に従う製品は、織物の処理に関わる場合に柔軟効果及び防しわ効果を有し、又は家庭用表面に関わる場合にはきず防止効果及び汚れ防止効果を有する。
【0096】
いかなる理論にも限定されるものではないが、本発明に従う製品を塗布すると、織物や家庭用表面が親水化するため、乾燥中にきずが形成するのが防止され、その後の洗浄をさらに容易なものにすることができるものと思われる。
【0097】
グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、植物の葉の表面に反撥防止剤としてスプレーされるように工夫された植物衛生組成物及び/又は栄養素組成物に使用できる。この反撥防止剤は、好都合なことに直ちに付着するため、該組成物のスプレーの有効性を改善させることが可能である。
【0098】
植物衛生組成物の例は、除草剤、茎除去剤、やぶ除去剤、除菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤又は成長調節剤のような活性物質を含有する処方物である。
【0099】
従って、グアー蛋白質抽出物又はその誘導体は、スプレーされた組成物の地面への損失を制限することが可能であり、土壌及び地下水の汚染を生じさせる可能性が小さい。
【0100】
当該組成物において、誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物は、特に発泡性化粧組成物又は陶器類若しくは衣類の手洗い用組成物において、気泡安定化効果を奏することができる。
【0101】
さらなる詳細及び利点は、限定的な性質のものではない次の実施例から明らかになるであろう。
【実施例】
【0102】
例1:「グアー蛋白質」グアー蛋白質抽出物の製造
1.機械的処理による蛋白質濃縮
使用した原料は、米国バーノンにあるロディア社の工場によって提供された「31%モード」のグアー粉である。この製品は、34重量%の蛋白質(=ケルダール法によって測定された%窒素×6.25)を含有する。
1kgの「31%モード」グアー粉を手作業でふるい分けして1,400μmを超える粒子を除去する。この工程によって、蛋白質の少ない116gのグアー内胚乳を除去することが可能である。
その後、この製品の残り884gを空気流によって運ばれる最も軽い粒子を集めるための装置を備えた流動床乾燥器(Retsch TG1)内に置いた。一般に、種のうち蛋白質の豊富な部分(例えば胚芽部分)がさらに濃厚であることが分かる。従って、この装置は、蛋白質が最も豊富な粒子を、これよりも軽い繊維が豊富な粒子を除去することによって単離することが可能である。
乾燥器の手段によって分離した後に、625gの重い粒子(A)及び259gのダストを回収する。この重い粒子は、39.2%の蛋白質(=ケルダール法によって測定される%窒素×6.25)を含有する。先の分離試験によって、42%の蛋白質を含有する製品を得ることができた。
【0103】
2.蛋白質の抽出
上記の方法に従って蛋白質を豊富にした120gのグアー粉(A)を、55℃に加熱した2280gの脱イオン水を含有する5Lビーカーに添加した。そのpHを30%の水酸化ナトリウムによって10に調整する。この懸濁液を1時間撹拌すると同時に、温度を55℃に維持する。
その後、この懸濁液を3000Gで5分間遠心分離する。このようにして、2,491gの液体(1)及び391.4gの固体(2)を回収する。
この固体(2)を再度55℃の水に懸濁して3kgの懸濁液を調製する。そのpHは約7である。30%の水酸化ナトリウムを添加してこのpHを10に上昇させ、さらに55℃で1時間撹拌する。
同様に、この懸濁液を3000Gで5分間遠心分離する。このようにして、2,504.3gの液体(3)及び386gの固体(4)を回収する。
予め得られた2種の上澄み液(1)及び(3)を5Lビーカー中で混合する。pHを35%の塩酸で4.3に低下させ、蛋白質を沈殿させる。この懸濁液を4200Gで10分間遠心分離する。このようにして、4,772gの液体(5)及び135.5gの固体(6)を回収する。
固体(6)をオーブン(40℃,〜30mmHg)内で24時間にわたり減圧下で乾燥させる。
得られた生成物は、7.4%の水及び73.8%の蛋白質(=ケルダール法によって測定される%窒素×6.25)を含有する。
【0104】
例2:「グアー蛋白質」グアー蛋白質抽出物の製造
10%グアー粉を含有する懸濁液を、45.3kgのグアー粉(ロディア社,バーノン工場)を55℃に予備加熱した454Lの水に分散させることによって調製した。懸濁液の初期pHは4.85である。1,980mLの30%水酸化ナトリウムを添加してpHを9.53まで上げる。この懸濁液を55℃で45分間撹拌する。
この懸濁液を遠心分離し、394.4kgの液体(1)及び107.7kgの固体(2)を回収する。固体(2)は再度使用しない。
液体(1)のpHは8.62である。3,920mLの30%塩酸を添加してpHを4.54まで下げ、蛋白質を沈殿させる。この懸濁液を45℃で30分間撹拌する。
この懸濁液を遠心分離する。固体(3)を回収し、310.5kgの液体(4)を除去する。
固体(3)を洗浄のために再度水に懸濁する。固体(3)の質量にほぼ等しい水の量を添加する。この懸濁液のpHは4.75である。
この懸濁液を遠心分離する。46.3kgの固体(4)及び110.7kgの液体(5)を回収する。液体(5)は再度使用しない。
510mLの30%水酸化ナトリウムを湿った固体(4)に添加してpHを6.94にする。
その後、この固体を90℃で20秒間の熱処理によって低温殺菌し、次いで微粉化する。このようにして、6.8kgの単離グアー蛋白質を得る。
単離蛋白質の試料は、
71〜72%の蛋白質
5.6%の灰分(か焼)
6.6%の脂質(加水分解/抽出)
水中8.8%濃度[カールフィッシャー]

糖質(HPLC/屈折率測定)
フルクトース<0.1%
グルコース<0.1%
スクロース0.3%
マルトース<0.5%
ラクトース<0.5%
【0105】
アミノ酸組成
【表2】

【0106】
【表3】

【0107】
蛋白質の分子量:13,133ダルトン(MALDI−TOF−MS分析)。
重金属:As+Cd+Cr+Ni+Hg+Pb+Se+Sn<15ppm。
【0108】
例3:陽イオン化された誘導グアー蛋白質抽出物の製造
陽イオン性トリメチルアンモニウム基を導入するためにグアー蛋白質抽出物を改質する。例2のグアー蛋白質抽出物を出発化合物として使用する。
160mLの脱イオン水、続いて0.75gの水酸化ナトリウム錠剤を、機械撹拌器及び上方に凝縮器を備えた1リットル二重壁ガラス反応器に導入する。撹拌を1分当たり50回転で開始して固体の水酸化ナトリウムを溶解させる。水酸化ナトリウムが溶解したら、7.3質量%の湿分を有する30gのグアー蛋白質抽出物粉末を添加する。
次いで、この反応器を二重壁の内部に温熱伝導流体を循環させることによって全体にわたり60℃にする。60℃で1時間撹拌後、66mL容量のQuab(商標)151(デグッサ社が販売する塩化2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの70質量%水溶液)を20分間にわたり滴下で添加する。この添加後に、この反応混合物を60℃で5時間撹拌する。
周囲温度にまで再度冷却した後に、氷酢酸を7に等しいpHが達成されるまでこの反応媒体に添加する。
反応器の内容物を分液漏斗に移し、そして2リットルの農芸用無水エタノールに撹拌しつつ滴下で添加する。沈殿が形成する。この固形物を、3連続のデカント操作と、上澄みの除去と、1.5リットルの新鮮なエタノール懸濁液への交換とを連続して行うことによって洗浄した。最後に、この固形物を、多孔度2のフリットガラスから作られたろ過漏斗中で乾燥させる。当該固形物を16時間にわたり45℃で200mbarの真空下(窒素で180mbarに変更する)で乾燥させる。最終的に、21.6gの粉末化固体が得られた。
【0109】
例2で得られた蛋白質抽出物(以下、「ナチュラルグアー蛋白質」という。)及び例3で得られた蛋白質抽出物(以下、「陽イオン化グアー蛋白質」という。)により、例4〜6を実施した。
【0110】
例4:グアー蛋白質抽出物及び陽イオン化グアー蛋白質抽出物の特性
(a)ナチュラルグアー蛋白質及び陽イオン化グアー蛋白質抽出物の等電点(塩の不存在下)
例2で得られた蛋白質抽出物の等電点を、UV−Vis分光光度計により600nmでの透過率をpHの関数として測定することによって決定した。
蛋白質抽出物の1%蒸留水溶液を調製する。この溶液のpHは7.3である。このpHが低い場合には、この溶液は乳液状になる。4.9のpHで、沈殿が観察される:そのときに、該蛋白質の等電点、すなわち蛋白質の全電荷がゼロの時のpHに達した。この蛋白質の全陽イオン電荷のため、蛋白質の再溶解を開始させるためには、このpHを2.8まで低下させなければならない。アルカリ性のpH値については、この蛋白質の全負電荷の増大のため、その混濁度が減少する。
例3の陽イオン化蛋白質抽出物の等電点を、該溶液の混濁度を600nmに設定されたUV−Vis分光光度計により、pHメーターで測定されたpHの関数として測定することによって決定した。
混濁度に及ぼすpHの影響、つまり陽イオン化グアー蛋白質の0.5%脱イオン水溶液の溶解度を示すために、グラフを作成する。
沈殿は観察されないが、11.4のpHでこの溶液はかなり濁り、このときに透過率はゼロである。次いで、このpHを上昇させることによって、この溶液はそれよりも透明になる。陽イオン化蛋白質の等電点は、陽イオン化のため、それよりも高いpH値(およそ11.4のpH)にシフトする。
従って、陽イオン化蛋白質抽出物の等電点は、11.4近辺である。
【0111】
(b)表面張力
ナチュラルグアー蛋白質抽出物又は陽イオン化グアー蛋白質抽出物の0.5%蒸留水溶液の表面張力の経時的な変化を懸摘張力計で300秒間測定した。表面張力の低下は急速である。平衡点での値は、約45mN/m(等濃度では、ゼラチン又はβ−ラクトグロブリンのような動物性蛋白質とほぼ同一の平衡値が得られる。)。
【0112】
(c)乳化
オレンジオイルの乳化を実施した:中性のpHでは、2.5%のナチュラルグアー蛋白質又は陽イオン化グアー蛋白質は、10%のオイルをUltra Turraxで乳化させることが可能であり、且つ、ほぼ4μmのエマルジョン寸法にする。
【0113】
例5:シャンプー及び処方能力
使用した従来の処方物は次の成分を含む:
・0.3%のナチュラルグアー蛋白質抽出物又は陽イオン化グアー蛋白質抽出物;
・2%の両性界面活性剤;
・14%の陰イオン性界面活性剤;
・1〜2%のNaCl塩;
・処方を100%にするための水。
使用した界面活性剤:
CAPB:コカミドプロピルベタイン(両性界面活性剤);
SLES:ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(陰イオン性界面活性剤)。
【0114】
手順
好適なシャンプー処方物を得るための手順は次の通りである:
・例2のナチュラルグアー蛋白質抽出物又は例3の改質グアー蛋白質抽出物をビーカー中の水に混合し、溶解が生じるまで撹拌する(この重合体に従ってかなり変動できる時間は、pHの変化を必要とし得る);
・塩を添加し、溶解が生じるまで撹拌する;
・その間に、2種の界面活性剤を別のビーカー中で30分間混合する;
・塩及び重合体を含有する水を、これらの界面活性剤を含有するビーカーに注ぐ。2時間撹拌する;
・pHを水酸化ナトリウム又はクエン酸で5.5〜6.5の間に調整する。
【0115】
粘度の測定
このシャンプーの粘度を、ブルックフィールド型粘度計を使用して測定した。心棒(心棒4)をこのシャンプーに浸し、そして25℃で1分あたり12回転の速度で回転させる。
【0116】
経時安定性
密封したガラスフラスコ中の試料を45℃のオーブンに3ヶ月間放置してその老化を促進させる。
【0117】
透過率
透過率を1cmセル中において、W−Vis分光光度計により600nmの波長で測定した。
結果は次の通りであった:
【表4】

【0118】
「ナチュラル」グアー蛋白質又は陽イオン化グアー蛋白質によって、シャンプーに好適な粘度の処方物を得ることが可能になる。シャンプーの粘度は、概して、2,000〜15,000cPの粘度でなければならない。
【0119】
得られたシャンプーは透明であるものの、%で表す透過率はさほど高くない。というのは、この軽く色付いたナチュラルグアー蛋白質又は陽イオン化グアー蛋白質は、600nmの光を吸収するからである。
【0120】
ここで製造したシャンプー組成物は、例えば、輝きを増大させ、毛髪を修復及び/又は保護し、その色を保護及び/又は固定するのに有用であり得る。
【0121】
【表5】

【0122】
例6:ヘアスタイリング剤
(a)グアー蛋白質抽出物を含有するヘアスタイリング剤の製造
使用したもの:
・増粘性重合体(処方物:ゲル、フォーム又はスプレーによる):Carbomer C(Carbomer C(商標)(ロディア社))
・固定用物質:ナチュラルグアー蛋白質抽出物又は陽イオン化グアー蛋白質抽出物
・他の成分:
AMP(アミノメチルプロパノール)90%:電荷を中和する;
Kathon(商標)CG:保存料。
【0123】
手順
一方のAMPも含有するストック溶液と、他方の固定用物質ストック水溶液とを製造する。
水と、増粘性重合体溶液及びAMPと、固定用物質溶液とを、以下の表に与える割合で、環状の撹拌羽根を備えた100mLビーカーに注ぐ。その後、2滴の保存料を添加し、続いてpHを5.5〜7.5に調整する。
【表6】

【0124】
処方物の経時安定性を、完全に気密のプラグを有するガラスフラスコ中において45℃のオーブン内で促進老化を検討することによって評価した。期間:3ヶ月。
5.5〜7.5に調整したpHは、pHメーターで測定した。
粘度:異なる増粘性重合体について製造された処方物は、粘度、すなわちゲルの詰め込み(包装)を決める:
瓶への詰め込み(η>30,000cP)。
ポンプ式包装容器用の処方物(5,000cP<η<30,000cP)
スプレーとしての処方物(η<5,000cP)。
【0125】
溶液の透明度を混濁度メーター(662光度計,Metrohm社)により600nmで測定した。得られたゲルは着色していた;従って、600nmでの透明度と同時に、この色の測定値を得た。
【表7】

【0126】
(b)湿度制御下での抵抗性試験
0.2%carbomer及び0.1%ナチュラルグアー蛋白質抽出物又は陽イオン化グアー蛋白質抽出物を有する処方物の湿度制御下での抵抗性を以下に定義する条件下で試験した。
この試験は、天然の毛髪を撚りあわせたもの(毛髪のストランド)を検量するために制御された量のゲルを塗布することからなる;3種の毛髪のストランドを使用して再現性を検討した。
これらのストランドを調製したら、これらのものを周囲温度及び周囲湿度の室内に放置し、およそ2時間にわたり乾燥させる;これらのものを変形が生じない順序で垂直に設置する。
ストランドが乾燥したら、これらのものを21℃及び90%湿度のオーブン内に水平に設置し、次いで傾き(水平位置に対する)の角度の進行をt=5分、15分、30分、1時間、2時間、3時間及び4時間で測定する。
ストランドの経時的な保持パーセンテージを次式に従って算出した:
((90°−α)/(90°−α0))*100
α=tでの傾斜角度
α0=t0での傾斜角度(=処方物全てについて0)
t=この角度の測定値を得た時の時間。
【0127】
この耐湿性を、次の成分を含む市販の処方物に相当する異なる処方物で比較した:
・0.4%の増粘性重合体、及び
・0.3%の固定用物質:PQ4(ナショナルスターチ社のCelquat(商標)H100)、PQ11(ISP社のGafquat(商標))、PVP(ポリビニルピロリドン,ISP社)、PQ46(BASF社のLuviquat(商標)Hold)、PVP/VA(ISP社)。
【0128】
【表8】

【0129】
表8に示されるように、得られた結果は、固定用物質の濃度が低いにもかかわらず(0.1%のナチュラルグアー蛋白質又は陽イオン化グアー蛋白質)、処方物において4時間後であっても60%を超える非常に良好な耐湿性が達成されることを実証するものである。
【0130】
しかし、固定用重合体PQ4、PQ11、PQ46、PVP及びPVP/VAを有するストランドで得られた保持パーセンテージは、たとえCarbomer及び重合体の使用割合が大きくても、60分後には60%未満である。
【0131】
0.2%の増粘性重合体及び0.1%の固定用物質を使用する場合には、固定用物質PQ4、PQ11、PQ46、PVP及びPVP/VAを有するストランドで得られた保持パーセンテージは、さらに低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物を含む表面処理及び/又は表面改質用組成物であって、該蛋白質抽出物が少なくとも65重量%の蛋白質含有量を有する、前記組成物。
【請求項2】
前記組成物が
・化粧組成物、
・薬理学的組成物、
・家庭用処理組成物、又は
・植物衛生組成物
であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記蛋白質抽出物が65〜95重量%の蛋白質含有量を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記蛋白質抽出物が65〜85重量%の蛋白質含有量を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記蛋白質抽出物が
・10%〜30%のグルタミン酸;
・5%〜25%のアルギニン;
・5%〜20%のアスパラギン酸;
・1%〜10%のロイシン;
・1%〜8%のグリシン;
(ここで、当該パーセンテージは、該抽出物中に含まれるアミノ酸の全質量に基づく質量で表すものとする。)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記蛋白質が30,000ダルトン未満の分子量を有する、請求項1〜5のいずれかに組成物。
【請求項7】
前記抽出物が、グアー粉から出発して、抽出及び/又は濃縮及び/又は単離によって得られた、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記グアー蛋白質抽出物が、
・同一の又は異なる基であって、該蛋白質抽出物中に含まれるアミノ酸官能基にグラフトする基、及び/又は
・加水分解される基
を有する誘導体である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記グラフトする基が陽イオン性基又は陽イオン化性基を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記陽イオン性基又は陽イオン化性基が第四アンモニウム若しくは第三アミン、ピリジニウム、グアニジニウム、ホスホニウム又はスルホニウムよりなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記陽イオン性基又は陽イオン化性基が、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、弗化物イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン、リン酸イオン、ヒドロゲノリン酸イオン、ホスホン酸イオン、炭酸イオン、ヒドロゲノ炭酸イオン又は水酸化物イオンから選択される負に荷電した対イオンと結合する、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
前記グラフトする基が陰イオン性又は潜在的に陰イオン性の基を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記グラフトする基が非電荷の親水性基又は疎水性基を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
前記グラフトする基が、グアー蛋白質抽出物を架橋する、重合基であってよい基を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
軟膏、クリーム、オイル、乳液、ポマード、粉末、染み込ませたパッド、溶液、流体、ゲル、スプレー、ローション、懸濁液、成形製品又はフォームの形態にある、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
シャンプー、シャワー用ジェル、ヘアコンディショナー又はヘアスタイリング剤であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
誘導体の形態であってもよいグアー蛋白質抽出物の、織物表面を含む家庭用表面及び植物の葉の表面から選択される表面の処理剤及び/又は改質剤としての使用。
【請求項18】
陶器類を含めた硬質表面用の洗剤、柔軟剤及び洗浄製品における請求項17に記載の使用。
【請求項19】
誘導体の形態であってよいグアー蛋白質抽出物の、化粧剤としての又は医薬組成物の製造のための使用。
【請求項20】
毛髪及び/又は肌を処置し及び/又は修復し及び/又は保護するための請求項19に記載の使用。
【請求項21】
ヘアスタイリング用組成物における固定剤としての請求項19に記載の使用。

【公表番号】特表2009−503041(P2009−503041A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524551(P2008−524551)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001914
【国際公開番号】WO2007/017591
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】