グラビア塗工装置
【課題】塗工剤の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるグラビア塗工装置を提供する。
【解決手段】本発明のグラビア塗工装置1においては、供給装置4から供給された塗工剤60がドクターノズル3の一次貯留室15に貯留されており、計量流路18を介して、所望の流量に計量され、かつ、均一配分された塗工剤60が一次貯留室15から二次貯留室21へ輸送される。ドクターノズル3の二次貯留室21は、ドクターブレード6、貯留プレート7、グラビアロール2、支持部材5およびサイドパネル8によってクローズド化されている。二次貯留室21からオーバーフローした塗工剤60は回収パイプ9を介して二次貯留室21から供給装置4へ再循環する。
【解決手段】本発明のグラビア塗工装置1においては、供給装置4から供給された塗工剤60がドクターノズル3の一次貯留室15に貯留されており、計量流路18を介して、所望の流量に計量され、かつ、均一配分された塗工剤60が一次貯留室15から二次貯留室21へ輸送される。ドクターノズル3の二次貯留室21は、ドクターブレード6、貯留プレート7、グラビアロール2、支持部材5およびサイドパネル8によってクローズド化されている。二次貯留室21からオーバーフローした塗工剤60は回収パイプ9を介して二次貯留室21から供給装置4へ再循環する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア塗工装置に係り、特に、グラビアロールの外周面にドクターノズルが隣位して配設されている場合に好適に利用できるグラビア塗工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のグラビア塗工装置は、グラビアロール、ドクターノズルおよび塗工剤の供給装置を備えている。また、従来のドクターノズルはドクターブレード、プレートおよび支持部材を有している。支持部材は、塗工剤の一次貯留室および計量流路を有しているとともに、ドクターノズルに対してグラビアロールの回転方向前方において支持部材に支持されたプレートとともに塗工剤の二次貯留室を形成している。
【0003】
従来のグラビア塗工装置においては、上記構成を有していることにより、供給装置から供給された塗工剤がドクターノズルの支持部材の一次貯蔵室に一時貯蔵され、一時貯蔵された塗工剤が計量流路を通過することにより所望量の塗工剤が二次貯蔵室に輸送される。そして、二次貯留室に貯蔵された塗工剤はグラビアロールの外周面に付着し、その付着した塗工剤のうちの余剰分の塗工剤がドクターブレードによって二次貯留室に掻き取られるように戻される。そのため、グラビアロールの外周面には計量された適量の塗工剤を塗布することができる。
【0004】
また、一次貯留室に対する塗工剤の供給量と、二次貯留室から取り出された塗工剤をグラビアロールによって塗工する塗工剤の塗工量とを同等とすることにより、塗工剤をオーバーフローさせることなく有効利用することができるので、塗工剤の供給量を少量にしても良好な塗工を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−57335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のグラビア塗工装置において、二次貯留室から塗工剤をオーバーフローさせずに塗工剤の供給量と塗工量とを同等にする条件の下、塗工剤の供給量を適切な値に設定することが容易でないという問題があった。
【0007】
また、従来のグラビア塗工装置において二次貯留室から塗工剤をオーバーフローさせてしまった場合、オーバーフローした塗工剤が外気に触れることによって酸化したり、溶剤が揮発したりするので、塗工剤を再循環して使用することができない場合があった。
【0008】
また、ドクターノズルから低粘度の塗工剤をグラビアロールに供給する場合、グラビアロールにドクターノズルを近接配置しなければならない。しかし、従来のグラビア塗工装置において、支持部材に支持されたプレートはアルミニウムなどの金属製であったため、プレートがグラビアロールの外周面に接触してグラビアロールの外周面を傷つけるおそれがあるので、ドクターノズルの位置決めが困難であった。
【0009】
また、従来のグラビア塗工装置においては、グラビアロールの外周面に均一量の塗工剤を供給することができる最大の塗工幅が約600mmだったため、それ以上の塗工にスケールアップに対応することが困難であった。
【0010】
また、従来のグラビア塗工装置においては、ドクターノズルの配置用スペースに制限があったため、基材の両面にグラビアロールおよびドクターノズルを配設し、基材への両面同時コーティングを行うことが困難であった。
【0011】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、塗工剤の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるグラビア塗工装置を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明のグラビア塗工装置は、その第1の態様として、走行する基材の一方の面に塗工剤を塗布するグラビアロールと、グラビアロールに対向配置されているドクターノズルと、ドクターノズルに塗工剤を供給する供給装置とを備えており、ドクターノズルは、供給装置から供給された塗工剤を貯留する一次貯留室および一次貯留室に貯留された塗工剤から所望量の塗工剤だけ輸送する計量流路を有する支持部材と、支持部材からグラビアロールに向かって伸びるドクターブレードと、ドクターブレードに対するグラビアロールの回転方向前方において支持部材からグラビアロールに向かって伸びる貯留プレートと、ドクターブレード、貯留プレート、グラビアロールおよび支持部材によって囲まれた空間であって支持部材の計量流路から輸送された塗工剤を貯留する空間となる二次貯留室をドクターブレードおよび貯留プレートの幅方向から閉じるサイドパネルと、二次貯留室からオーバーフローする塗工剤をサイドパネルに設けられた排出口から供給装置へ輸送する回収パイプとを有していることを特徴としている。
【0013】
本発明の第1の態様のグラビア塗工装置によれば、二次貯留室をクローズド化するとともに、二次貯留室からオーバーフローする塗工剤を外気に触れさせることなく供給装置へ再循環しているので、途工剤のオーバーフローや劣化を気にすることなく塗工剤の供給量を適切な値に設定することができる。
【0014】
本発明の第2の態様のグラビア塗工装置は、第1の態様のグラビア塗工装置において、サイドパネルにおいてグラビアロールに対面する端部は、グラビアロールの外周面に沿って湾曲していることを特徴としている。
【0015】
本発明の第2の態様のグラビア塗工装置によれば、サイドパネルの端部をグラビアロールの外周面に近接させることができるので、二次貯留室のクローズド化をさらに向上させることができるとともに、サイドパネルとグラビアロールとの隙間から塗工剤が漏れることを防止することができる。
【0016】
本発明の第3の態様のグラビア塗工装置は、第1または第2の態様のグラビア塗工装置において、貯留プレートは、可撓性材料を用いて形成されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の第3の態様のグラビア塗工装置によれば、貯留プレートがグラビアロールに接触してもグラビアロールに傷が付くことを防止することができるので、ドクターノズルの位置決めを容易にすることができる。
【0018】
本発明の第4の態様のグラビア塗工装置は、第1から第3のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、支持部材は、グラビアロールに対するドクターブレードもしくは貯留プレートの離接距離を調整する調整機構を有していることを特徴としている。
【0019】
本発明の第4の態様のグラビア塗工装置によれば、グラビアロールに対するドクターブレードもしくは貯留プレートの離接距離を塗工剤の粘度に応じて容易に調整することができる。
【0020】
本発明の第5の態様のグラビア塗工装置は、第1から第4のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、支持部材は、ドクターブレードの幅方向において所望の間隔をもって計量流路を仕切る1個または複数個の仕切部を有していることを特徴としている。
【0021】
本発明の第5の態様のグラビア塗工装置によれば、塗工剤が計量流路を通過して二次貯蔵室に輸送される際、塗工剤がドクターブレードの幅方向において偏って供給されることを防止することができる。
【0022】
本発明の第6の態様のグラビア塗工装置は、第1から第5のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、サイドパネルの排出口は、二次貯留室の下方に設けられていることを特徴としている。
【0023】
本発明の第6の態様のグラビア塗工装置によれば、重力を利用して塗工剤の再循環を促進することができる。
【0024】
本発明の第7の態様のグラビア塗工装置は、第1から第6のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、貯留プレートは、グラビアロールに接触しており、かつ、グラビアロールの外周面において二次貯留室に対向している任意の一部分を接点とする接線の傾きに近似した角度となるように傾斜配置されていることを特徴としている。
【0025】
本発明の第7の態様のグラビア塗工装置によれば、塗工剤の縦筋ムラを生じさせることなく、貯留プレートとグラビアロールとの間から塗工剤が漏れることを防止することができる。
【0026】
本発明の第8の態様のグラビア塗工装置は、第1から第7のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、グラビアロールおよびドクターノズルは、基材の両面にそれぞれ配置されていることを特徴としている。
【0027】
本発明の第8の態様のグラビア塗工装置によれば、二次貯留室のクローズド化により塗工剤の漏れを気にすることなくドクターノズルの配設位置を自由に設定することができるので、基材への両面同時コーティングに適した位置にグラビアロールおよびドクターノズルを配設することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のグラビア塗工装置によれば、塗工剤の供給量の設定、ドクターノズルの位置決め、ドクターブレードおよび貯留プレートの位置決めの微調整ならびに塗工幅のスケールアップを容易にするとともに、基材への両面同時コーティングを可能にしたので、塗工剤の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のグラビア塗工装置の一実施例を示す概念図
【図2】第1の実施形態のドクターノズルを示す縦断面図
【図3】第1の実施形態の下押え部材を示す平面図
【図4】第1の実施形態のアーチグリップの一例を示す平面図
【図5】第1の実施形態のドクターノズルに取付けられたサイドパネルの一例を示す縦断面図
【図6】第1の実施形態のサイドパネルの一例を示す斜視図
【図7】第1の実施形態のグラビア塗工装置においてグラビアロールおよびドクターノズルが塗工される基材の両面に配設された状態を示す正面図
【図8】第1の実施形態のドクターノズルに塗工剤が供給された状態を示す縦断面図
【図9】第1の実施形態のアーチグリップの他の例を示す平面図
【図10】第2の実施形態のサイドパネルの一例を示す平面図
【図11】図10の11−11矢視断面図
【図12】第3の実施形態のドクターノズルを示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明のグラビア塗工装置をその第1から第3の実施形態により説明する。
【0031】
第1の実施形態のグラビア塗工装置1は、図1に示すように、グラビアロール2、ドクターノズル3および供給装置4を備えている。
【0032】
グラビアロール2は、連続走行する基材50の一方の面に対向しており、基材50の一方の面に塗工剤を塗布する部材である。このグラビアロール2は、従来より用いられているものを用いる。グラビアロール2の幅寸法は、ドクターノズル3の幅寸法によって決定する塗工幅よりも大きな寸法に設定されている。
【0033】
ドクターノズル3は、図1に示すように、グラビアロール2に対向配置されており、グラビアロール2に塗工剤を塗布する部材である。このドクターノズル3は、図2に示すように、グラビアロール2の回転方向R2の前方から後方に向かって傾斜配置されていることが好ましい。また、このドクターノズル3は、支持部材5、ドクターブレード6、貯留プレート7、サイドパネル8および回収パイプ9を有している。
【0034】
支持部材5は、グラビアロール2の回転方向R2の前方から順に、下押え部材10、アーチグリップ11、上押え部材12の順に積層されている。下押え部材10およびアーチグリップ11ならびにアーチグリップ11および上押え部材12は、下押え部材10の配設側から締めた第1のボルト14および上押え部材12の配設側から締めた第2のボルト13により、それぞれ好適な位置に固定されている。
【0035】
下押え部材10は、図2および図3に示すように、アーチグリップ11との対向平面に、ドクターブレード6の幅方向に延在するU字溝(15)を有している。このU字溝(15)は、供給装置4から供給された塗工剤を貯留する一次貯留室15となる。また、この下押え部材10は、供給装置4から供給された塗工剤を一次貯留室15に貯留するため、図2に示すように、一次貯留室15の形成面(アーチグリップ11との対向平面)の反対面から一次貯留室15の底部に向かって貫通する流入口16を複数個有している。さらに、この下押え部材10は、図2および図3に示すように、アーチグリップ11との対向平面であって一次貯留室15よりもグラビアロール2の配設側において、ドクターブレード6の幅方向に延在し、かつ、アーチグリップ11との対向方向およびグラビアロール2の配設方向に開放された第1の凹状段部17を有している。この第1の凹状段部17は、貯留プレート7を載置する部分となる。
【0036】
アーチグリップ11は、図2および図4に示すように、下押え部材10との対向平面において、ドクターブレード6の幅方向に延在し、かつ、下押え部材10との対向方向およびグラビアロール2の配設方向に開放された第2の凹状段部(18)を有している。この第2の凹状段部(18)は、一次貯留室15に係る開口部の全部もしくは一部と重なることにより、一次貯留室15に貯留された塗工剤から所望量の塗工剤だけ輸送する計量流路18となる。また、アーチグリップ11は、図4または図9に示すように、ドクターブレード6の幅方向において、所望の間隔をもって計量流路18を仕切る1個または複数個の仕切部18aを有していることが好ましい。例えば、図4に示すように、仕切部18aを2個形成した場合、仕切部18aの間隔はおおむね570mmである。さらに、このアーチグリップ11は、図2に示すように、上押え部材12との対向平面において、ドクターブレード6の幅方向に延在し、かつ、上押え部材12との対向方向およびグラビアロール2の配設方向に開放された第3の凹状段部19を有している。この第3の凹状段部19は、ドクターブレード6を載置する部分となる。
【0037】
上押え部材12におけるアーチグリップ11との対向面は、平滑に形成されている。ドクターブレード6の振れを抑制するため、この上押え部材12は、図2に示すように、グラビアロール2の配設方向において、アーチグリップ11よりも長く延在している。
【0038】
薄板状のドクターブレード6は、従来と同様の部材であり、支持部材5における上押え部材12とアーチグリップ11との間からグラビアロール2に向かって伸びている。ドクターブレード6の幅寸法は、ドクターノズル3の塗工幅と同じく、おおむね1700mmである。このドクターブレード6は、上押え部材12、アーチグリップ11および第2のボルト13をドクターブレード6の調整機構として、グラビアロール2に対するドクターブレード6の離接距離を調整することができるようになっていることが好ましい。また、ドクターブレード6の振れを抑制するため、このドクターブレード6には、図2に示すように、グラビアロール2の回転方向R2の前方に1枚の振動抑制板20が積層されている。
【0039】
薄板状の貯留プレート7は、支持部材5における下押え部材10とアーチグリップ11との間からグラビアロール2に向かって伸びており、ドクターブレード6に対してグラビアロール2の回転方向R2の前方に配設されている。貯留プレート7の幅寸法は、ドクターノズル3の塗工幅と同じく、おおむね1700mmである。この貯留プレート7は、下押え部材10、アーチグリップ11および第1のボルト14を貯留プレート7の調整機構として、グラビアロール2に対する貯留プレート7の離接距離を調整することができるようになっている。また、この貯留プレート7は、例えばナイロンブレードなど、グラビアロール2の表面に接触してもそれを傷つけない程度の柔軟性を有する可撓性材料を用いて形成されている。
【0040】
2枚のサイドパネル8は、図5および図6に示すように、グラビアロール2に対面するその端部8aがグラビアロール2の外周面に沿って湾曲した薄板であって、支持部材5におけるアーチグリップ11の両側方および下押え部材10の両側方においてネジ22などによってそれぞれ固定されている。これら2枚のサイドパネル8は、図2に示すように、ドクターブレード6、貯留プレート7、グラビアロール2および支持部材5のアーチグリップ11のグラビアロール2側端部によって囲まれた空間であって支持部材5の計量流路18から輸送された塗工剤を貯留する空間となる二次貯留室21をクローズド化するための一部材になっている。2枚のサイドパネル8の間隔は、ドクターノズル3の塗工幅と同じく、おおむね1700mmである。
【0041】
回収パイプ9は、図1に示すように、ゴム製や金属製など、塗工剤によって腐食しない種々の材質を用いて形成された配管である。この回収パイプ9は、図1および図5に示すように、サイドパネル8に設けられた排出口8bと供給装置4とを接続している。また、この回収パイプ9は、二次貯留室21からオーバーフローする塗工剤をサイドパネル8の排出口8bから供給装置4へ輸送している。
【0042】
供給装置4は、図1に示すように、主として、タンク22、ポンプ23およびフィルタ24を用いて形成されており、ドクターノズル3の支持部材5の一次貯留室15に塗工剤を供給する装置である。フィルタ24は、供給パイプ25および流入口16を介して、ドクターノズル3の一次貯留室15に接続されている。タンク22は、排出口8bおよび回収パイプ9を介して、ドクターノズル3の二次貯留室21に接続されている。ポンプ23は、ドクターノズル3からグラビアロール2に供給される塗工剤の塗工量よりも多くの塗工剤をドクターノズル3に供給するように設定されている。
【0043】
なお、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図7に示すように、グラビアロール2およびドクターノズル3が基材50の両面にそれぞれ配置されている。
【0044】
次に、第1の実施形態のグラビア塗工装置1の作用を説明する。
【0045】
第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図2および図8に示すように、供給装置4から供給された塗工剤60がドクターブレード6の幅方向に延在するドクターノズル3の一次貯留室15に貯留されており、その一次貯留室15と同様にドクターブレード6の幅方向に延在する計量流路18を通過することにより、所望の流量に計量され、かつ、ドクターブレード6の幅方向に対して均一に配分された塗工剤60が一次貯留室15から二次貯留室21へ輸送される。また、ドクターノズル3の二次貯留室21は、ドクターブレード6、貯留プレート7、グラビアロール2、支持部材5のアーチグリップ11の端部および2枚のサイドパネル8によって外気に対してクローズド化されている。さらに、供給装置4からドクターノズル3に対して所望の塗工量よりも多めに供給された塗工剤60が二次貯留室21からオーバーフローしたとき、図1に示すように、そのオーバーフローした塗工剤60が回収パイプ9を介して二次貯留室21から供給装置4へ再循環させられる。そのため、グラビアロール2に対して所望の塗工厚および塗工幅をもって塗工剤60を供給することができるとともに、二次貯留室21からの塗工剤60のオーバーフローを気にすることなく、供給装置4からの塗工剤60の供給量を適切な値に設定することができる。供給装置4からの塗工剤60の供給量が二次貯留室21からわずかにオーバーフローする程度の量であれば、塗工剤60の供給量を少量に節約しつつ、好適なグラビア塗工を実現することができる。
【0046】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、二次貯留室21がクローズド化しているため、塗工剤60の揮発や酸化がほとんど生じない。そのため、ドクターノズル3によるグラビアロール2への塗工工程や回収パイプ9による再循環工程において塗工剤60が経時劣化することを防止することができる。
【0047】
さらに、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、塗工剤60の粘度の高低如何にかかわらず、クローズド化された二次貯留室21から塗工剤60が外部へ漏れることがなくなるため、どの粘度の塗工剤60を使用しても塗工剤60の高速塗工を実現させることができる。
【0048】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図5および図6に示すように、サイドパネル8におけるグラビアロール2に対面する端部8aが、グラビアロール2の外周面に沿って湾曲している。この場合、サイドパネル8の端部8aをグラビアロール2の外周面に近接させることができるので、二次貯留室21のクローズド化を確実化させることができるとともに、サイドパネル8とグラビアロール2との隙間から塗工剤60が漏れることを確実に防止することができる。
【0049】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1において、貯留プレート7は、可撓性材料を用いて形成されている。グラビアロール2に対するドクターノズル3の位置決めを行う際、グラビアロール2とドクターノズル3との間の距離を目視確認することが難しいため、貯留プレート7がグラビアロール2に接触するおそれがある。しかし、貯留プレート7が可撓性を有していれば、貯留プレート7がグラビアロール2に接触してもグラビアロール2に傷が付くことを防止することができるので、ドクターノズル3の位置決めを容易にすることができる。
【0050】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1において、支持部材5は、図2に示すように、グラビアロール2に対するドクターブレード6もしくは貯留プレート7の離接距離を調整する調整機構を有している。前述した通り、グラビアロール2に対するドクターノズル3の位置決めが難しいが、第1の実施形態のグラビア塗工装置1が前述の調整機構を有していれば、ドクターブレード6および貯留プレート7の微調整を行うことができるので、ドクターノズル3の位置決めを容易に行うことができる。また、グラビアロール2に対するドクターブレード6もしくは貯留プレート7の離接距離を塗工剤60の粘度に応じて容易に調整することができる。
【0051】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1において、支持部材5のアーチグリップ11は、図4および図9に示すように、ドクターブレード6の幅方向において所望の間隔をもって計量流路18を仕切る1個または複数個の仕切部18aを有している。従来のグラビア塗工装置1においては、塗工幅を600mm以上に設定した場合、塗工剤60が計量流路18を通過して二次貯留室21に輸送されるとき、ドクターノズル3がグラビアロール2に対して均一厚さの塗工剤60を供給することができず、塗工剤60の供給量がドクターブレード6の幅方向において偏って供給されることがあった。第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、均一厚さの塗工剤60をドクターブレード6の幅方向において均一に供給することができる塗工幅を仕切部18aの間隔に設定しているので、仕切部18aの個数に応じて塗工幅をスケールアップすることができる。第1の実施形態においては、仕切部18aを2個形成しているので、従来の塗工幅に対しておおむね3倍の塗工幅である1700mmまで塗工幅をスケールアップすることができる。
【0052】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図7に示すように、グラビアロール2およびドクターノズル3を、基材50の両面にそれぞれ配置することができる。二次貯留室21のクローズド化により塗工剤60の漏れを気にすることなくドクターノズル3の配設位置を自由に設定することができるので、基材50への両面同時コーティングに適した位置にグラビアロール2およびドクターノズル3を配設することができる。両面同時コーティングが可能になると、基材50の塗工コストが低廉になるばかりでなく、ニッケル水素電池やリチウム電池などに多く使用されており両面同時コーティングを必須とするラスメタル板などの有孔板に対しても容易にグラビア塗工を行なうことができるようになる。
【0053】
次に、第2の実施形態のグラビア塗工装置1Bを図10および図11によって説明する。第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、サイドパネルの形状である。第2の実施形態のサイドパネル8Bの排出口8Bbは、図10および図11に示すように、図5または図8に示した塗工剤が二次貯留室21の側方から排出されるように設けられているのではなく、塗工剤が二次貯留室21の下方から排出されるように、サイドパネル8Bの下方に設けられている(なお、図11において塗工剤の流れを流れ矢印Fで示している。)。それにともない、回収パイプ9は、サイドパネル8の下方側からその排出口8Bbに接続されている。
【0054】
次に、第2の実施形態のグラビア塗工装置1Bの作用を説明する。第2の実施形態のサイドパネル8Bの排出口8Bbは、その下方に設けられている。そのため、二次貯留室21からオーバーフローした塗工剤は、重力を利用し、二次貯留室21の下方に設けられた排出口8Bbおよび回収パイプ9を通して供給装置4に再循環されるので、図6に示した第1の実施形態のように排出口8bが二次貯留室21の側方に設けられたサイドパネル8と比較して、塗工剤の再循環効率を向上させることができる。これは、塗工剤の粘度が高いほどより効果的である。
【0055】
次に、第3の実施形態のグラビア塗工装置1Cを図12によって説明する。第1の実施形態と第3の実施形態との相違点は、主に、貯留プレート7がグラビアロール2に接触している点にある。貯留プレート7の材質は可撓性であることが好ましい。また、接触にともない、第3の実施形態の貯留プレート7は、図12に示すように、グラビアロール2の外周面において二次貯留室21に対向している任意の一部分を接点とする接線の傾きに近似した角度となるように傾斜配置されている。なお、機能的な変化はないが、流入口16、一次貯留室15、計量流路18は、下押え部材10ではなく、アーチグリップ11に形成されている。
【0056】
次に、第3の実施形態のグラビア塗工装置1Cの作用を説明する。第3の実施形態の貯留プレート7はグラビアロール2の外周面に接触しており、貯留プレート7とグラビアロール2との間に隙間がないので、塗工剤の粘度が低く、塗工剤が隙間から漏れやすい場合であっても、貯留プレート7とグラビアロール2との間から漏れることを防止することができる(なお、図12において塗工剤の流れを流れ矢印Fで示している。)。この作用効果は、両面同時コーティングを行なう際のドクターノズル3の配置および向きの自由度を向上させることにもつながる。また、グラビアロール2に対して貯留プレート7を好適に傾斜配置しているので、貯留プレート7がグラビアロール2に接触しても塗工剤の縦筋ムラが生じることを防止することができる。
【0057】
すなわち、本実施形態のグラビア塗工装置1によれば、塗工剤60の供給量の設定、ドクターノズル3の位置決め、ドクターブレード6および貯留プレート7の位置決めの微調整ならびに塗工幅のスケールアップを容易にするとともに、基材50への両面同時コーティングを可能にしたので、塗工剤60の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるという作用効果を奏する。
【0058】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 グラビア塗工装置
2 グラビアロール
3 ドクターノズル
4 供給装置
5 支持部材
6 ドクターブレード
7 貯留プレート
8 サイドパネル
9 回収パイプ
15 一次貯留室
18 計量流路
21 二次貯留室
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア塗工装置に係り、特に、グラビアロールの外周面にドクターノズルが隣位して配設されている場合に好適に利用できるグラビア塗工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のグラビア塗工装置は、グラビアロール、ドクターノズルおよび塗工剤の供給装置を備えている。また、従来のドクターノズルはドクターブレード、プレートおよび支持部材を有している。支持部材は、塗工剤の一次貯留室および計量流路を有しているとともに、ドクターノズルに対してグラビアロールの回転方向前方において支持部材に支持されたプレートとともに塗工剤の二次貯留室を形成している。
【0003】
従来のグラビア塗工装置においては、上記構成を有していることにより、供給装置から供給された塗工剤がドクターノズルの支持部材の一次貯蔵室に一時貯蔵され、一時貯蔵された塗工剤が計量流路を通過することにより所望量の塗工剤が二次貯蔵室に輸送される。そして、二次貯留室に貯蔵された塗工剤はグラビアロールの外周面に付着し、その付着した塗工剤のうちの余剰分の塗工剤がドクターブレードによって二次貯留室に掻き取られるように戻される。そのため、グラビアロールの外周面には計量された適量の塗工剤を塗布することができる。
【0004】
また、一次貯留室に対する塗工剤の供給量と、二次貯留室から取り出された塗工剤をグラビアロールによって塗工する塗工剤の塗工量とを同等とすることにより、塗工剤をオーバーフローさせることなく有効利用することができるので、塗工剤の供給量を少量にしても良好な塗工を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−57335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のグラビア塗工装置において、二次貯留室から塗工剤をオーバーフローさせずに塗工剤の供給量と塗工量とを同等にする条件の下、塗工剤の供給量を適切な値に設定することが容易でないという問題があった。
【0007】
また、従来のグラビア塗工装置において二次貯留室から塗工剤をオーバーフローさせてしまった場合、オーバーフローした塗工剤が外気に触れることによって酸化したり、溶剤が揮発したりするので、塗工剤を再循環して使用することができない場合があった。
【0008】
また、ドクターノズルから低粘度の塗工剤をグラビアロールに供給する場合、グラビアロールにドクターノズルを近接配置しなければならない。しかし、従来のグラビア塗工装置において、支持部材に支持されたプレートはアルミニウムなどの金属製であったため、プレートがグラビアロールの外周面に接触してグラビアロールの外周面を傷つけるおそれがあるので、ドクターノズルの位置決めが困難であった。
【0009】
また、従来のグラビア塗工装置においては、グラビアロールの外周面に均一量の塗工剤を供給することができる最大の塗工幅が約600mmだったため、それ以上の塗工にスケールアップに対応することが困難であった。
【0010】
また、従来のグラビア塗工装置においては、ドクターノズルの配置用スペースに制限があったため、基材の両面にグラビアロールおよびドクターノズルを配設し、基材への両面同時コーティングを行うことが困難であった。
【0011】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、塗工剤の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるグラビア塗工装置を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明のグラビア塗工装置は、その第1の態様として、走行する基材の一方の面に塗工剤を塗布するグラビアロールと、グラビアロールに対向配置されているドクターノズルと、ドクターノズルに塗工剤を供給する供給装置とを備えており、ドクターノズルは、供給装置から供給された塗工剤を貯留する一次貯留室および一次貯留室に貯留された塗工剤から所望量の塗工剤だけ輸送する計量流路を有する支持部材と、支持部材からグラビアロールに向かって伸びるドクターブレードと、ドクターブレードに対するグラビアロールの回転方向前方において支持部材からグラビアロールに向かって伸びる貯留プレートと、ドクターブレード、貯留プレート、グラビアロールおよび支持部材によって囲まれた空間であって支持部材の計量流路から輸送された塗工剤を貯留する空間となる二次貯留室をドクターブレードおよび貯留プレートの幅方向から閉じるサイドパネルと、二次貯留室からオーバーフローする塗工剤をサイドパネルに設けられた排出口から供給装置へ輸送する回収パイプとを有していることを特徴としている。
【0013】
本発明の第1の態様のグラビア塗工装置によれば、二次貯留室をクローズド化するとともに、二次貯留室からオーバーフローする塗工剤を外気に触れさせることなく供給装置へ再循環しているので、途工剤のオーバーフローや劣化を気にすることなく塗工剤の供給量を適切な値に設定することができる。
【0014】
本発明の第2の態様のグラビア塗工装置は、第1の態様のグラビア塗工装置において、サイドパネルにおいてグラビアロールに対面する端部は、グラビアロールの外周面に沿って湾曲していることを特徴としている。
【0015】
本発明の第2の態様のグラビア塗工装置によれば、サイドパネルの端部をグラビアロールの外周面に近接させることができるので、二次貯留室のクローズド化をさらに向上させることができるとともに、サイドパネルとグラビアロールとの隙間から塗工剤が漏れることを防止することができる。
【0016】
本発明の第3の態様のグラビア塗工装置は、第1または第2の態様のグラビア塗工装置において、貯留プレートは、可撓性材料を用いて形成されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の第3の態様のグラビア塗工装置によれば、貯留プレートがグラビアロールに接触してもグラビアロールに傷が付くことを防止することができるので、ドクターノズルの位置決めを容易にすることができる。
【0018】
本発明の第4の態様のグラビア塗工装置は、第1から第3のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、支持部材は、グラビアロールに対するドクターブレードもしくは貯留プレートの離接距離を調整する調整機構を有していることを特徴としている。
【0019】
本発明の第4の態様のグラビア塗工装置によれば、グラビアロールに対するドクターブレードもしくは貯留プレートの離接距離を塗工剤の粘度に応じて容易に調整することができる。
【0020】
本発明の第5の態様のグラビア塗工装置は、第1から第4のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、支持部材は、ドクターブレードの幅方向において所望の間隔をもって計量流路を仕切る1個または複数個の仕切部を有していることを特徴としている。
【0021】
本発明の第5の態様のグラビア塗工装置によれば、塗工剤が計量流路を通過して二次貯蔵室に輸送される際、塗工剤がドクターブレードの幅方向において偏って供給されることを防止することができる。
【0022】
本発明の第6の態様のグラビア塗工装置は、第1から第5のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、サイドパネルの排出口は、二次貯留室の下方に設けられていることを特徴としている。
【0023】
本発明の第6の態様のグラビア塗工装置によれば、重力を利用して塗工剤の再循環を促進することができる。
【0024】
本発明の第7の態様のグラビア塗工装置は、第1から第6のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、貯留プレートは、グラビアロールに接触しており、かつ、グラビアロールの外周面において二次貯留室に対向している任意の一部分を接点とする接線の傾きに近似した角度となるように傾斜配置されていることを特徴としている。
【0025】
本発明の第7の態様のグラビア塗工装置によれば、塗工剤の縦筋ムラを生じさせることなく、貯留プレートとグラビアロールとの間から塗工剤が漏れることを防止することができる。
【0026】
本発明の第8の態様のグラビア塗工装置は、第1から第7のいずれか1の態様のグラビア塗工装置において、グラビアロールおよびドクターノズルは、基材の両面にそれぞれ配置されていることを特徴としている。
【0027】
本発明の第8の態様のグラビア塗工装置によれば、二次貯留室のクローズド化により塗工剤の漏れを気にすることなくドクターノズルの配設位置を自由に設定することができるので、基材への両面同時コーティングに適した位置にグラビアロールおよびドクターノズルを配設することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のグラビア塗工装置によれば、塗工剤の供給量の設定、ドクターノズルの位置決め、ドクターブレードおよび貯留プレートの位置決めの微調整ならびに塗工幅のスケールアップを容易にするとともに、基材への両面同時コーティングを可能にしたので、塗工剤の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のグラビア塗工装置の一実施例を示す概念図
【図2】第1の実施形態のドクターノズルを示す縦断面図
【図3】第1の実施形態の下押え部材を示す平面図
【図4】第1の実施形態のアーチグリップの一例を示す平面図
【図5】第1の実施形態のドクターノズルに取付けられたサイドパネルの一例を示す縦断面図
【図6】第1の実施形態のサイドパネルの一例を示す斜視図
【図7】第1の実施形態のグラビア塗工装置においてグラビアロールおよびドクターノズルが塗工される基材の両面に配設された状態を示す正面図
【図8】第1の実施形態のドクターノズルに塗工剤が供給された状態を示す縦断面図
【図9】第1の実施形態のアーチグリップの他の例を示す平面図
【図10】第2の実施形態のサイドパネルの一例を示す平面図
【図11】図10の11−11矢視断面図
【図12】第3の実施形態のドクターノズルを示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明のグラビア塗工装置をその第1から第3の実施形態により説明する。
【0031】
第1の実施形態のグラビア塗工装置1は、図1に示すように、グラビアロール2、ドクターノズル3および供給装置4を備えている。
【0032】
グラビアロール2は、連続走行する基材50の一方の面に対向しており、基材50の一方の面に塗工剤を塗布する部材である。このグラビアロール2は、従来より用いられているものを用いる。グラビアロール2の幅寸法は、ドクターノズル3の幅寸法によって決定する塗工幅よりも大きな寸法に設定されている。
【0033】
ドクターノズル3は、図1に示すように、グラビアロール2に対向配置されており、グラビアロール2に塗工剤を塗布する部材である。このドクターノズル3は、図2に示すように、グラビアロール2の回転方向R2の前方から後方に向かって傾斜配置されていることが好ましい。また、このドクターノズル3は、支持部材5、ドクターブレード6、貯留プレート7、サイドパネル8および回収パイプ9を有している。
【0034】
支持部材5は、グラビアロール2の回転方向R2の前方から順に、下押え部材10、アーチグリップ11、上押え部材12の順に積層されている。下押え部材10およびアーチグリップ11ならびにアーチグリップ11および上押え部材12は、下押え部材10の配設側から締めた第1のボルト14および上押え部材12の配設側から締めた第2のボルト13により、それぞれ好適な位置に固定されている。
【0035】
下押え部材10は、図2および図3に示すように、アーチグリップ11との対向平面に、ドクターブレード6の幅方向に延在するU字溝(15)を有している。このU字溝(15)は、供給装置4から供給された塗工剤を貯留する一次貯留室15となる。また、この下押え部材10は、供給装置4から供給された塗工剤を一次貯留室15に貯留するため、図2に示すように、一次貯留室15の形成面(アーチグリップ11との対向平面)の反対面から一次貯留室15の底部に向かって貫通する流入口16を複数個有している。さらに、この下押え部材10は、図2および図3に示すように、アーチグリップ11との対向平面であって一次貯留室15よりもグラビアロール2の配設側において、ドクターブレード6の幅方向に延在し、かつ、アーチグリップ11との対向方向およびグラビアロール2の配設方向に開放された第1の凹状段部17を有している。この第1の凹状段部17は、貯留プレート7を載置する部分となる。
【0036】
アーチグリップ11は、図2および図4に示すように、下押え部材10との対向平面において、ドクターブレード6の幅方向に延在し、かつ、下押え部材10との対向方向およびグラビアロール2の配設方向に開放された第2の凹状段部(18)を有している。この第2の凹状段部(18)は、一次貯留室15に係る開口部の全部もしくは一部と重なることにより、一次貯留室15に貯留された塗工剤から所望量の塗工剤だけ輸送する計量流路18となる。また、アーチグリップ11は、図4または図9に示すように、ドクターブレード6の幅方向において、所望の間隔をもって計量流路18を仕切る1個または複数個の仕切部18aを有していることが好ましい。例えば、図4に示すように、仕切部18aを2個形成した場合、仕切部18aの間隔はおおむね570mmである。さらに、このアーチグリップ11は、図2に示すように、上押え部材12との対向平面において、ドクターブレード6の幅方向に延在し、かつ、上押え部材12との対向方向およびグラビアロール2の配設方向に開放された第3の凹状段部19を有している。この第3の凹状段部19は、ドクターブレード6を載置する部分となる。
【0037】
上押え部材12におけるアーチグリップ11との対向面は、平滑に形成されている。ドクターブレード6の振れを抑制するため、この上押え部材12は、図2に示すように、グラビアロール2の配設方向において、アーチグリップ11よりも長く延在している。
【0038】
薄板状のドクターブレード6は、従来と同様の部材であり、支持部材5における上押え部材12とアーチグリップ11との間からグラビアロール2に向かって伸びている。ドクターブレード6の幅寸法は、ドクターノズル3の塗工幅と同じく、おおむね1700mmである。このドクターブレード6は、上押え部材12、アーチグリップ11および第2のボルト13をドクターブレード6の調整機構として、グラビアロール2に対するドクターブレード6の離接距離を調整することができるようになっていることが好ましい。また、ドクターブレード6の振れを抑制するため、このドクターブレード6には、図2に示すように、グラビアロール2の回転方向R2の前方に1枚の振動抑制板20が積層されている。
【0039】
薄板状の貯留プレート7は、支持部材5における下押え部材10とアーチグリップ11との間からグラビアロール2に向かって伸びており、ドクターブレード6に対してグラビアロール2の回転方向R2の前方に配設されている。貯留プレート7の幅寸法は、ドクターノズル3の塗工幅と同じく、おおむね1700mmである。この貯留プレート7は、下押え部材10、アーチグリップ11および第1のボルト14を貯留プレート7の調整機構として、グラビアロール2に対する貯留プレート7の離接距離を調整することができるようになっている。また、この貯留プレート7は、例えばナイロンブレードなど、グラビアロール2の表面に接触してもそれを傷つけない程度の柔軟性を有する可撓性材料を用いて形成されている。
【0040】
2枚のサイドパネル8は、図5および図6に示すように、グラビアロール2に対面するその端部8aがグラビアロール2の外周面に沿って湾曲した薄板であって、支持部材5におけるアーチグリップ11の両側方および下押え部材10の両側方においてネジ22などによってそれぞれ固定されている。これら2枚のサイドパネル8は、図2に示すように、ドクターブレード6、貯留プレート7、グラビアロール2および支持部材5のアーチグリップ11のグラビアロール2側端部によって囲まれた空間であって支持部材5の計量流路18から輸送された塗工剤を貯留する空間となる二次貯留室21をクローズド化するための一部材になっている。2枚のサイドパネル8の間隔は、ドクターノズル3の塗工幅と同じく、おおむね1700mmである。
【0041】
回収パイプ9は、図1に示すように、ゴム製や金属製など、塗工剤によって腐食しない種々の材質を用いて形成された配管である。この回収パイプ9は、図1および図5に示すように、サイドパネル8に設けられた排出口8bと供給装置4とを接続している。また、この回収パイプ9は、二次貯留室21からオーバーフローする塗工剤をサイドパネル8の排出口8bから供給装置4へ輸送している。
【0042】
供給装置4は、図1に示すように、主として、タンク22、ポンプ23およびフィルタ24を用いて形成されており、ドクターノズル3の支持部材5の一次貯留室15に塗工剤を供給する装置である。フィルタ24は、供給パイプ25および流入口16を介して、ドクターノズル3の一次貯留室15に接続されている。タンク22は、排出口8bおよび回収パイプ9を介して、ドクターノズル3の二次貯留室21に接続されている。ポンプ23は、ドクターノズル3からグラビアロール2に供給される塗工剤の塗工量よりも多くの塗工剤をドクターノズル3に供給するように設定されている。
【0043】
なお、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図7に示すように、グラビアロール2およびドクターノズル3が基材50の両面にそれぞれ配置されている。
【0044】
次に、第1の実施形態のグラビア塗工装置1の作用を説明する。
【0045】
第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図2および図8に示すように、供給装置4から供給された塗工剤60がドクターブレード6の幅方向に延在するドクターノズル3の一次貯留室15に貯留されており、その一次貯留室15と同様にドクターブレード6の幅方向に延在する計量流路18を通過することにより、所望の流量に計量され、かつ、ドクターブレード6の幅方向に対して均一に配分された塗工剤60が一次貯留室15から二次貯留室21へ輸送される。また、ドクターノズル3の二次貯留室21は、ドクターブレード6、貯留プレート7、グラビアロール2、支持部材5のアーチグリップ11の端部および2枚のサイドパネル8によって外気に対してクローズド化されている。さらに、供給装置4からドクターノズル3に対して所望の塗工量よりも多めに供給された塗工剤60が二次貯留室21からオーバーフローしたとき、図1に示すように、そのオーバーフローした塗工剤60が回収パイプ9を介して二次貯留室21から供給装置4へ再循環させられる。そのため、グラビアロール2に対して所望の塗工厚および塗工幅をもって塗工剤60を供給することができるとともに、二次貯留室21からの塗工剤60のオーバーフローを気にすることなく、供給装置4からの塗工剤60の供給量を適切な値に設定することができる。供給装置4からの塗工剤60の供給量が二次貯留室21からわずかにオーバーフローする程度の量であれば、塗工剤60の供給量を少量に節約しつつ、好適なグラビア塗工を実現することができる。
【0046】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、二次貯留室21がクローズド化しているため、塗工剤60の揮発や酸化がほとんど生じない。そのため、ドクターノズル3によるグラビアロール2への塗工工程や回収パイプ9による再循環工程において塗工剤60が経時劣化することを防止することができる。
【0047】
さらに、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、塗工剤60の粘度の高低如何にかかわらず、クローズド化された二次貯留室21から塗工剤60が外部へ漏れることがなくなるため、どの粘度の塗工剤60を使用しても塗工剤60の高速塗工を実現させることができる。
【0048】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図5および図6に示すように、サイドパネル8におけるグラビアロール2に対面する端部8aが、グラビアロール2の外周面に沿って湾曲している。この場合、サイドパネル8の端部8aをグラビアロール2の外周面に近接させることができるので、二次貯留室21のクローズド化を確実化させることができるとともに、サイドパネル8とグラビアロール2との隙間から塗工剤60が漏れることを確実に防止することができる。
【0049】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1において、貯留プレート7は、可撓性材料を用いて形成されている。グラビアロール2に対するドクターノズル3の位置決めを行う際、グラビアロール2とドクターノズル3との間の距離を目視確認することが難しいため、貯留プレート7がグラビアロール2に接触するおそれがある。しかし、貯留プレート7が可撓性を有していれば、貯留プレート7がグラビアロール2に接触してもグラビアロール2に傷が付くことを防止することができるので、ドクターノズル3の位置決めを容易にすることができる。
【0050】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1において、支持部材5は、図2に示すように、グラビアロール2に対するドクターブレード6もしくは貯留プレート7の離接距離を調整する調整機構を有している。前述した通り、グラビアロール2に対するドクターノズル3の位置決めが難しいが、第1の実施形態のグラビア塗工装置1が前述の調整機構を有していれば、ドクターブレード6および貯留プレート7の微調整を行うことができるので、ドクターノズル3の位置決めを容易に行うことができる。また、グラビアロール2に対するドクターブレード6もしくは貯留プレート7の離接距離を塗工剤60の粘度に応じて容易に調整することができる。
【0051】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1において、支持部材5のアーチグリップ11は、図4および図9に示すように、ドクターブレード6の幅方向において所望の間隔をもって計量流路18を仕切る1個または複数個の仕切部18aを有している。従来のグラビア塗工装置1においては、塗工幅を600mm以上に設定した場合、塗工剤60が計量流路18を通過して二次貯留室21に輸送されるとき、ドクターノズル3がグラビアロール2に対して均一厚さの塗工剤60を供給することができず、塗工剤60の供給量がドクターブレード6の幅方向において偏って供給されることがあった。第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、均一厚さの塗工剤60をドクターブレード6の幅方向において均一に供給することができる塗工幅を仕切部18aの間隔に設定しているので、仕切部18aの個数に応じて塗工幅をスケールアップすることができる。第1の実施形態においては、仕切部18aを2個形成しているので、従来の塗工幅に対しておおむね3倍の塗工幅である1700mmまで塗工幅をスケールアップすることができる。
【0052】
また、第1の実施形態のグラビア塗工装置1においては、図7に示すように、グラビアロール2およびドクターノズル3を、基材50の両面にそれぞれ配置することができる。二次貯留室21のクローズド化により塗工剤60の漏れを気にすることなくドクターノズル3の配設位置を自由に設定することができるので、基材50への両面同時コーティングに適した位置にグラビアロール2およびドクターノズル3を配設することができる。両面同時コーティングが可能になると、基材50の塗工コストが低廉になるばかりでなく、ニッケル水素電池やリチウム電池などに多く使用されており両面同時コーティングを必須とするラスメタル板などの有孔板に対しても容易にグラビア塗工を行なうことができるようになる。
【0053】
次に、第2の実施形態のグラビア塗工装置1Bを図10および図11によって説明する。第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、サイドパネルの形状である。第2の実施形態のサイドパネル8Bの排出口8Bbは、図10および図11に示すように、図5または図8に示した塗工剤が二次貯留室21の側方から排出されるように設けられているのではなく、塗工剤が二次貯留室21の下方から排出されるように、サイドパネル8Bの下方に設けられている(なお、図11において塗工剤の流れを流れ矢印Fで示している。)。それにともない、回収パイプ9は、サイドパネル8の下方側からその排出口8Bbに接続されている。
【0054】
次に、第2の実施形態のグラビア塗工装置1Bの作用を説明する。第2の実施形態のサイドパネル8Bの排出口8Bbは、その下方に設けられている。そのため、二次貯留室21からオーバーフローした塗工剤は、重力を利用し、二次貯留室21の下方に設けられた排出口8Bbおよび回収パイプ9を通して供給装置4に再循環されるので、図6に示した第1の実施形態のように排出口8bが二次貯留室21の側方に設けられたサイドパネル8と比較して、塗工剤の再循環効率を向上させることができる。これは、塗工剤の粘度が高いほどより効果的である。
【0055】
次に、第3の実施形態のグラビア塗工装置1Cを図12によって説明する。第1の実施形態と第3の実施形態との相違点は、主に、貯留プレート7がグラビアロール2に接触している点にある。貯留プレート7の材質は可撓性であることが好ましい。また、接触にともない、第3の実施形態の貯留プレート7は、図12に示すように、グラビアロール2の外周面において二次貯留室21に対向している任意の一部分を接点とする接線の傾きに近似した角度となるように傾斜配置されている。なお、機能的な変化はないが、流入口16、一次貯留室15、計量流路18は、下押え部材10ではなく、アーチグリップ11に形成されている。
【0056】
次に、第3の実施形態のグラビア塗工装置1Cの作用を説明する。第3の実施形態の貯留プレート7はグラビアロール2の外周面に接触しており、貯留プレート7とグラビアロール2との間に隙間がないので、塗工剤の粘度が低く、塗工剤が隙間から漏れやすい場合であっても、貯留プレート7とグラビアロール2との間から漏れることを防止することができる(なお、図12において塗工剤の流れを流れ矢印Fで示している。)。この作用効果は、両面同時コーティングを行なう際のドクターノズル3の配置および向きの自由度を向上させることにもつながる。また、グラビアロール2に対して貯留プレート7を好適に傾斜配置しているので、貯留プレート7がグラビアロール2に接触しても塗工剤の縦筋ムラが生じることを防止することができる。
【0057】
すなわち、本実施形態のグラビア塗工装置1によれば、塗工剤60の供給量の設定、ドクターノズル3の位置決め、ドクターブレード6および貯留プレート7の位置決めの微調整ならびに塗工幅のスケールアップを容易にするとともに、基材50への両面同時コーティングを可能にしたので、塗工剤60の供給量を少量に設定した場合であっても所望のグラビア塗工を容易に行うことができるという作用効果を奏する。
【0058】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 グラビア塗工装置
2 グラビアロール
3 ドクターノズル
4 供給装置
5 支持部材
6 ドクターブレード
7 貯留プレート
8 サイドパネル
9 回収パイプ
15 一次貯留室
18 計量流路
21 二次貯留室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する基材の一方の面に塗工剤を塗布するグラビアロールと、
前記グラビアロールに対向配置されているドクターノズルと、
前記ドクターノズルに前記塗工剤を供給する供給装置と
を備えており、
前記ドクターノズルは、
前記供給装置から供給された塗工剤を貯留する一次貯留室および前記一次貯留室に貯留された前記塗工剤から所望量の塗工剤だけ輸送する計量流路を有する支持部材と、
前記支持部材から前記グラビアロールに向かって伸びるドクターブレードと、
前記ドクターブレードに対する前記グラビアロールの回転方向前方において前記支持部材から前記グラビアロールに向かって伸びる貯留プレートと、
前記ドクターブレード、前記貯留プレート、前記グラビアロールおよび前記支持部材によって囲まれた空間であって前記支持部材の前記計量流路から輸送された前記塗工剤を貯留する空間となる二次貯留室を前記ドクターブレードおよび前記貯留プレートの幅方向から閉じるサイドパネルと、
前記二次貯留室からオーバーフローする前記塗工剤を前記サイドパネルに設けられた排出口から前記供給装置へ輸送する回収パイプと
を有していることを特徴とするグラビア塗工装置。
【請求項2】
前記サイドパネルにおいて前記グラビアロールに対面する端部は、前記グラビアロールの外周面に沿って湾曲している
ことを特徴とする請求項1に記載のグラビア塗工装置。
【請求項3】
前記貯留プレートは、可撓性材料を用いて形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグラビア塗工装置。
【請求項4】
前記支持部材は、前記グラビアロールに対する前記ドクターブレードもしくは前記貯留プレートの離接距離を調整する調整機構を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記ドクターブレードの幅方向において所望の間隔をもって前記計量流路を仕切る1個または複数個の仕切部を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項6】
前記サイドパネルの排出口は、前記二次貯留室の下方に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項7】
前記貯留プレートは、前記グラビアロールに接触しており、かつ、前記グラビアロールの外周面において前記二次貯留室に対向している任意の一部分を接点とする接線の傾きに近似した角度となるように傾斜配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項8】
前記グラビアロールおよび前記ドクターノズルは、前記基材の両面にそれぞれ配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項1】
走行する基材の一方の面に塗工剤を塗布するグラビアロールと、
前記グラビアロールに対向配置されているドクターノズルと、
前記ドクターノズルに前記塗工剤を供給する供給装置と
を備えており、
前記ドクターノズルは、
前記供給装置から供給された塗工剤を貯留する一次貯留室および前記一次貯留室に貯留された前記塗工剤から所望量の塗工剤だけ輸送する計量流路を有する支持部材と、
前記支持部材から前記グラビアロールに向かって伸びるドクターブレードと、
前記ドクターブレードに対する前記グラビアロールの回転方向前方において前記支持部材から前記グラビアロールに向かって伸びる貯留プレートと、
前記ドクターブレード、前記貯留プレート、前記グラビアロールおよび前記支持部材によって囲まれた空間であって前記支持部材の前記計量流路から輸送された前記塗工剤を貯留する空間となる二次貯留室を前記ドクターブレードおよび前記貯留プレートの幅方向から閉じるサイドパネルと、
前記二次貯留室からオーバーフローする前記塗工剤を前記サイドパネルに設けられた排出口から前記供給装置へ輸送する回収パイプと
を有していることを特徴とするグラビア塗工装置。
【請求項2】
前記サイドパネルにおいて前記グラビアロールに対面する端部は、前記グラビアロールの外周面に沿って湾曲している
ことを特徴とする請求項1に記載のグラビア塗工装置。
【請求項3】
前記貯留プレートは、可撓性材料を用いて形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグラビア塗工装置。
【請求項4】
前記支持部材は、前記グラビアロールに対する前記ドクターブレードもしくは前記貯留プレートの離接距離を調整する調整機構を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記ドクターブレードの幅方向において所望の間隔をもって前記計量流路を仕切る1個または複数個の仕切部を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項6】
前記サイドパネルの排出口は、前記二次貯留室の下方に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項7】
前記貯留プレートは、前記グラビアロールに接触しており、かつ、前記グラビアロールの外周面において前記二次貯留室に対向している任意の一部分を接点とする接線の傾きに近似した角度となるように傾斜配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【請求項8】
前記グラビアロールおよび前記ドクターノズルは、前記基材の両面にそれぞれ配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のグラビア塗工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−143387(P2011−143387A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7940(P2010−7940)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(591091629)株式会社康井精機 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(591091629)株式会社康井精機 (9)
【Fターム(参考)】
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