説明

グラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法

【課題】グラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法の提供。
【解決手段】一種のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法において、画像の三原色データをYCbCrデータとオーバードライブYCbCrデータに置き換えてから、ビデオ圧縮規格に従い、サンプリング及び整合を行い、YCbCrデータとオーバードライブYCbCrデータ一部の保存ビットをさらに減少させ、周波数分割多重回路を介し、各データバスの更新時間を柔軟に、オーバードライブYCbCrデータに従い、従来の出力電位より高い/又はより低いオーバードライブ補償電位をN回に与え、グラフィックメモリ追加によらない液晶表示装置の反応時間及び動画像のぼけ現象を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の受動ネマチック液晶表示装置技術、特に一種のねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)受動ネマチック液晶表示装置(LCD)はグラフィックメモリの追加によらない、かつ、液晶反応時間を有効に短縮し、動画像のぼけ現象を改善する駆動方法に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置は駆動表示方式により、受動ネマチック型(PM-LCD)と能動ネマチック型(AM-LCD)の二種類に分けることができる。そのうち、PM-LCDの駆動表示式は上下2枚のガラスパネルのうち、一つのパネル上に水平方向の透明インジウム錫酸化物(Induium Tin Oxide, ITO)電極を設け、もう一つのパネル上に垂直方向の透明インジウム錫酸化物(ITO)を設ける。2枚のパネルを貼り合わせた後(中層に液晶を充填)、上・下パネルで電極を交叉した格子状の場所は表示パネルの画素となる。画素の電位差は外部提供の駆動電圧により両方向の電極を制御し、画素の液晶の反転を実現する。
【0003】
良く見かけるねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)とも受動ネマチック液晶表示装置(PM-LCD)である。装置自身は非線形素子(スイッチ素子に類似するもの)による画素の液晶制御操作がないため、各画素は水平方向のコモン(Common)電極配線と垂直方向のセグメント(Segment)電極配線の重ね区域より形成する。その基本の操作原理は液晶材料が印加する電圧の二乗平均平方根値(Root Mean Square Value, RMS)より発生する電気光学効果を利用している。液晶材料の反応時間は駆動パルスの操作周期に対してはるかに大きくしなければならず、もし、フレームレート(frame rate)が60ヘルツの場合、1本の水平走査線(すなわち、共極電極)の選択される時間間隔が16.67msのとき、液晶材料の必要な反応時間は通常200ms、これは液晶が二乗平均平方根値(RMS)に反応するための必須条件である。
【0004】
しかしながら、従来の振幅選択駆動(Alt & Pleshko Therory, APT)方式において、動画像を表示するとき、液晶材料の反応時間が遅いため、移動画像のにじみ現象が起きる。一方、快速反応の液晶材料を使用する場合は、画面にひどいチラツキ(Flicker)現象を引き起こしていまい、画面の対比も大幅に低下される。
【0005】
図1は、通常のオーバードライブ(Over-driving)電気回路参照テーブルのブロック概略図である。前記の課題につき、通常の解決方法として、それぞれの画像フレームに対し異なるオーバードライブ電圧V’値を与える。その方法は画像画像判断回路10により、送り込まれた現行画像フレ―ム(Current Field)とあらかじめ駆動装置内部(又は外部)グラフィックメモリ11に保存された前画像フレーム(Previous Field)は比較回路12によって比較を行い、データが異なるときは、動画像と見なされる。通常、動画像データは参照テーブル(LUT)演算回路13を介してテーブル参照方式を用いて、対応のオーバードライブの出力電圧利値を送ることは、公知のオーバードライブ回路の操作原理である。
【0006】
参照テーブル(LUT)は参照の配分を新しいオーバードライブ電圧V’値表とし、非線形及び複雑な演算を常数に整合して代表することにより、全体の演算過程に複雑な計算を省き、実質の映像処理効率を引き上げる。なお、送り出された出力電圧値はセグメント電極に合わせて、オーバードライブ電圧V’を出力することにより、従来の受動ネマチック液晶表示装置(TN型とSTN型)で用いられていた振幅選択駆動(APT)の反応時間を確実に短縮させ、再生動画像のにじみ現象を抑制できる。
【0007】
受動ネマチック液晶表示装置は一種の受動構成のため、各画素の内部にスイッチ素子を持たない。液晶で保存されたコンデンサー充電後の電荷をロックできない。よって、セグメント電極より電圧出力した後、液晶コンデンサー内部の電荷は浮遊容量又はその充電経路より漏洩するため、液晶コンデンサーは固定したレベルに維持できなくなる。このため、セグメント電極は一つの画像フレーム時間で充電した後、液晶画素コンデンサーの正味な有効電位はセグメント電極の出力に対してはるかに小さくなり、動画像表示に輪郭部のぼけ(Blurring)現象を引き起してしまう。
【0008】
さらに、駆動補償の方式は前画像フレームのデータを現行画像フレ―ムデータと比較のために必要のほか、比較後の補償画像(補償電圧)データも合わせて保存する必要がある。よって、比較後の補償画像(補償電圧)データ保存のためにグラフィックメモリの保存容量を追加必要がある。これにより、駆動集積回路(IC)内部のメモリに不足を発生し、新たに倍のメモリ空間を追加必要があるため、製品のメモリ容量を膨大化させ、生産コスト増につながるほか、駆動集積回路(IC)のダイサイズ(die size)の大型化に強いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記した欠点を解決し欠点をなくすため、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の振幅選択駆動は、色域間データの置き換え、オーバードライブ補償手段を加えて、高周波更新レートの方法のほか、保存データのビット再配分(Bit re-allocation)を行い、前後の奇数と偶数の原始データとオーバードライブデータの両者合計と従来の奇数と偶数の三原色(RGB)の保存ビット数と同一にして、グラフィックメモリ(GRAM)を追加しない条件において、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の反応時間を向上させ、動画像のぼけ(Blurring)現象を改善する。
【0010】
前記した目的を実現するため、本発明のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法は、オーバードライブの操作原理を利用し、現在の三原色を動画像の判断機能により、現行画像フレ―ムと前画像フレームとのデータが異なるときは、参照テーブル(LUT)演算回路のテーブル参照方式を用いて、対応のオーバードライブの三原色データを出力する。なお、グラフィックメモリの保存空間を軽減するため、現行画像フレ―ムの三原色データをYCbCrデータに置き換えるほか、現行画像フレ―ムの出力オーバードライブ三原色データをオーバードライブYCbCrに置き換えた上、YCbCrデータとオーバードライブYCbCrデータをビデオ圧縮規格に従い圧縮し、サンプリング及び整合を行い、YCbCrデータのCbCr保存ビットを減少させ、オーバードライブYCbCrのYCbCr保存ビット数を減少する。データビットの再配分によりビット数が減少されたYCbCrデータとオーバードライブのYCbCrデータと合わせてグラフィックメモリに保存した上、周波数分割多重出力回路により、フレキシブルに各データバスの更新時間内に、オーバードライブYCbCrデータは従来の出力電位より高い(又は低い)オーバードライブ補償電位特定N回に与える。そのうち、該Nは2に等しいか又はより大きい、8より小さいか又は等しい整数である。
【0011】
そのうち、該オーバードライブよりの三原色データ出力は、参照テーブルにて演算を行い、各画像に対応しそれぞれのオーバードライブ補償電位を特定し与える。該オーバードライブ補償電位は0より大きいか又は液晶駆動の最高電圧に等しいか又はより小さい。一方、三原色データをYCbCrに圧縮した後のサンプリングはY:Cb:Cr=4:2:2、Y:Cb:Cr=4:2:0及びY:Cb:Cr=4:1:1のうち、いずれのサンプリング演算規則を用いる。
【0012】
これは、通常一つのフレーム(frame)時間に対し1回のデータ電圧を出力して、液晶コンデンサーに充電を行う。ただし、受動ネマチック液晶表示装置(TN型とSTN型)の画素にスイッチ素子を持たないため、液晶コンデンサー内部の電荷は浮遊容量又は充電経路より漏洩し、一つの画像フレーム時間を経過した後液晶コンデンサーの電圧はデータバスが望んだ電圧レベルを満たなくなる。本発明は改めて一つの画像フレーム時間内にN回(すなわち、一つの画像フレーム時間において、画素コンデンサーに対しN回の充電を行う。)を出力するほか、より高い(又はより低い)のオーバードライブ補償電圧を与えるため、より短い時間に液晶をねじれさせ、所定の輝度を実現し、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置で起きる反応時間の遅いによる画像ぼけ(blurring)の課題を大幅に改善できる。
【0013】
オーバードライブ方式により、一つの画像フレーム時間内に複数回の駆動により望ましい輝度を実現するものである。よって、数ビット少ない又はあまり精確でない電圧においても同じく反応時間の改善効果がある。このため、グラフィックメモリを追加しないで、前画像フレームと現行画像フレ―ムはオーバードライブ補償処理後のデータを合わせて、従来の駆動集積回路(IC)内部一つのグラフィックメモリに保存される。ねじれネマチック型と超ねじれネマチック型(TN/STN)受動ネマチック液晶表示装置反応時間の改善目的を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、駆動方式は以下の項目を含み、
駆動操作の原理を利用し、三原色データを動画像判断機能により、現行画像フレームと前画像フレームデータ内容が異なるときは、オーバードライブの三原色データを出力し、 現行画像フレームの三原色データをYCbCrデータに置き換え、オーバードライブの三原色データをオーバードライブYCbCrデータに置き換えて、かつ、
現行画像フレームのYCbCrデータとオーバードライブのYCbCrデータをビデオ圧縮規格に従い圧縮し、サンプリング及び整合を行い、
現行画像フレームYCbCrデータのCbCr保存ビットを減少し、かつ、オーバードライブYCbCrのYCbCr保存ビット数を減少して、再配分によりビットが減少したYCbCrデータとオーバードライブYCbCrデータをグラフィックメモリに保存し、及び、
周波数分割多重出力回路を介し、各データバスの更新時間内に、オーバードライブYCbCrデータに従い、従来の出力電位より高い/又はより小さいオーバードライブ補償電位を特定しN回を与えることを特徴とするグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法としている。
請求項2の発明は、該オーバードライブ三原色データは参照テーブル演算回路を介して、対応した画像フレームをそれぞれのオーバードライブ補償電位に出力、かつ、該オーバードライブ補償電位は0より大きいか又は等しい、液晶駆動の最高電圧より小さいか又は等しい範囲の特徴を有することを特徴とする請求項1記載のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法としている。
請求項3の発明は、該圧縮サンプリングはY:Cb:Cr=4:2:2、Y:Cb:Cr=4:2:0及びY:Cb:Cr=4:1:1のうち、いずれのサンプリング演算規則にすることを特徴とする請求項1又は請求項1記載のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法としている。
請求項4の発明は、該Nは2より大きいか又は等しい、8より小さいか又は等しい整数にすることを特徴とする請求項1記載のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明のねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の振幅選択駆動は、色域間データの置き換え、オーバードライブ補償手段を加えて、高周波更新レートの方法のほか、保存データのビット再配分(Bit re-allocation)を行い、前後の奇数と偶数の原始データとオーバードライブデータの両者合計と従来の奇数と偶数の三原色(RGB)の保存ビット数と同一にして、グラフィックメモリ(GRAM)を追加しない条件において、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の反応時間を向上させ、動画像のぼけ(Blurring)現象を改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ねじれネマチック型と超ねじれネマチック型(TN/STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の駆動方式、駆動集積回路(IC)のデータに従い、各画像フレームに入力するデジタル赤、緑、青三原色データにより、それぞれのグレースケール出力電圧に変換する。ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)は白と黒の2色しかなく、一方、グレースケールは1本の走査線(1 line)時間をパルス幅変調(Pulse Width Modulation, PWM)方式によって、色調を分ける。図2に、セグメント電極が一つの走査フレーム時間内における出力波形の概略図を示す。一つの画像フレーム時間内にm本の走査線(m×nネマチック表示装置)において、一つの読み書き(WR)周期を1本の走査線時間(1 line time)とした場合、図2から、セグメント電極はデータに含まれるそれぞれ異なるグレースケール出力電圧により、異なるパルス幅変調波形を出力することが分かる。
【0017】
図3に示す通り、仮に1本の走査線の充電時間を16等分に分割し、セグメント電極信号SEG0は、ある1本のライン時間における全黒色の等分は6/16を占め、次の1本のラインは12/16を占め、セグメント電極SEG1はこの1本のライン時間において、全黒色を占める等分は13/16、次の1本のラインは10/16を占めることとなる。しかしながら、受動ネマチック液晶表示装置の画素内部にスイッチ素子を持たないため、セグメント電極より電圧を出力した後、液晶コンデンサー内部の電荷は浮遊容量又は充電経路より漏洩することにより、液晶コンデンサーは一定のレベルを維持することができない。その結果、セグメント電極は一つの画像フレーム時間において充電した後、液晶画素コンデンサーの正味有効電位はセグメント電極から出力したものに対してかなり小さい。
【0018】
図4は、一つの画素における、液晶の初期点灯から希望輝度位置までに来る概略図を示す。セグメント電極は複数個の画像フレーム時間分の充電を経て、画素内部の液晶は初期位置から目標位置までの有効電圧Veffに届く、このことは、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の反応時間を遅くする原因である。一つの画像フレーム時間のセグメント電極は、液晶コンデンサーに対する充電電圧はVlですが、浮遊容量又は充電経路の漏洩電圧dlがさらにあるため、第1の画像フレーム時間のセグメント電極は最終的液晶コンデンサーに対する有効電圧はV1-d1=Veff1となる。これを類推し、第2のフレーム時間のセグメント電極は液晶コンデンサーに対する有効電圧はV1-d1=Veff2となる。仮に、セグメント電極より12回の同じ電圧を出力することで望む輝度を実現した場合、液晶表示装置の反応時間は一つの画像フレーム時間16.67ms× 12、ほぼ200msになる。
【0019】
図5は、本発明のオーバードライブ回路のブロック概略図を示す。本発明は通常のオーバードライブ操作原理を利用し各画像フレームに異なるオーバードライブ電圧V1値を特定し、画像判断回路20により、新規導入される現行画像フレ―ム(Current Field)のデータとあらかじめ、駆動装置内部(又は外部)に保存されたグラフィックメモリ21の前画像フレ―ム(Previous Field)データは、比較装置22により比較を行い、異なるときは動画像と判断する。通常、動画像のデータは参照テーブル(LUT)演算回路23にてテーブル参照方式より参照した後、対応のオーバードライブ電圧V’値を出力する。
【0020】
本発明は三原色(RGB)データバスに入力した後、動画像判断の比較装置22により、現行画像フレ―ムのデータが前画像フレ―ムと異なるときは、該参照テーブル(LUT)演算回路23の後に設ける周波数分割多重出力回路24経由、各データバスの更新時間内に、従来の出力電位Vより高い(又は低い)オーバードライブ補償電位V’をN回与え、かつ、該N値は2より大きいか又は等しい、8より小さいか又は等しい整数(2≦N≦8)である。また、該補償電位V’は従来の出力電圧Vを参照テーブル(LUT)より対応参照し対応するオーバードライブ出力電圧値を出力する。該電圧の範囲は0≦V’≦液晶駆動の最高電圧となる。よって、駆動素子のセグメント電極より表示パネルに書き込むレートは、三原色(RGB)データバスに入力する更新レートのN倍となる。
【0021】
図6は、駆動素子のセグメント電極がパネルへの書き込レートは入力デ―タバスの更新レートのN倍(6倍)となり、従来の更新レートと比較した概略図である。右側に示すものは、一つの画素内の液晶は初期のゼロレベルから目標輝度までの目標電圧レベル(Target Voltage)に到達するまで、セグメント電極は六つの画像フレーム時間をかけて、同じ出力電圧V1を送り出してから目標輝度を実現できる。よって、反応時間は各画像フレーム(Frame)の時間16.6ms×6、ほぼ接近100msとなる。そのうち、dlは画素の漏洩経路により引きずられた電圧レベルを示す。なお、図6の左側は本発明により、セグメント電極従来の出力レベルV1を一つのデータ更新時間(すなわち、一つの画像フレーム時間)以内に、該周波数分割多重出力回路24経由に、該出力電圧V1を繰り返して6回出力させる。これにより、一つの画像フレーム時間に液晶を希望する目標輝度を実現できるため、反応時間は一つの画像フレーム時間=16.6msまでに短縮できる。
【0022】
図7は、駆動素子のセグメント電極はオーバードライブ電圧によりパネルに書き込み、そのレートは入力デ―タバスの更新レートのN倍(6倍)となり、従来の更新レートと比較した概略図である。本図の左側を参照する。もし、セグメント電極の出力電圧V1をオーバードライブ電圧V’によって取り代わると、反応時間をさらに短縮(反応時間は一つの画像フレーム時間より少なくなる)すれば、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の遅い反応時間に対する改善効果はさらに大きい。このようなやり方は、セグメント電極の有効電圧出力を従来の出力電位Vより大きい(又はより小さい)することができるほか、一つのデータ更新時間において、複数回を出力できる。よって、より短い時間に液晶をねじれさせ、本発明の希望する目標輝度を実現し、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置反応時間が遅いため、移動画面にぼけ(blurring)を引き起こす課題を大幅に改善できる。
【0023】
図8に、オーバードライブ(Over-driving)補償セグメント電極レベル波形の概略図(図3の出力レベルのオーバードライブ)を示す。オーバードライブ後のセグメント電極SEG0は1本のライン時間において、全黒色の等分は1本ごとの走査線時間(1 line time)の13/16を占め、次の1本のラインは14/16を占める。なお、セグメント電極SEG1がある1本のラインの時間において、全黒色の等分は15/16を占め、次の1本のラインは12/16を占める。
【0024】
本発明は各データ更新時間内にセグメント電極をN回のオーバードライブ補償を行うことにより、画素内部の液晶はより短い時間(一つの画像フレーム時間に近い)に、画素内部の液晶を初期位置から目標位置までの有効電圧Veffの目標輝度に到達するか又は近づけられるため、移動画面のぼけ現象を大幅に改善できる。なお、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)の基本駆動方式は振幅選択駆動(APT)である。その操作原理は、液晶材料より印加する電圧の二乗平均平方根値(RMS)より発生する電気光学効果を利用するものである。よって、本発明のオーバードライブ電圧補償方式を二乗平均平方根値(RMS)にかけても、厳重なチラツキを発生しない。
【0025】
さらに、図形データの保存において、従来のオーバードライブ電圧補償方式は、前画像フレーム比較後の画像フレーム全体のデータを保存し現時点に取り込まれた画像フレームデータとの比較をため、グラフィックメモリ(GRAM)を追加しなければならない。本発明は画像データの三原色(RGB)データをYCbCrに置き換えて、ビデオ圧縮規格に従い圧縮し、サンプリング及び整合を行う(図5に示す)。前画像フレームのデータはまず、第1変換ユニット25により、前画像フレームの三原色(RGB)画像データを受け入れ、かつ、該三原色(RGB)データをYCbCrデータに置き換える。一方、動画像についても、YCbCrデータをオーバードライブYCbCrに置き換えてから、YCbCrデータとオーバードライブYCbCrデータをビデオ圧縮規格に従い圧縮し、サンプリング及び整合を行った後、YCbCrデータを駆動装置内部(又は外部)のグラフィックメモリ21に保存させ、第2変換ユニット26により、YCbCrデータをふたたび三原色(RGB)データに置き換えて、該データを該比較装置22に伝送する。そのうち、該圧縮サンプリングはY:Cb:Cr=4:2:2、Y:Cb:Cr=4:2:0及びY:Cb:Cr=4:1:1のうち、いずれのサンプリング演算規則を用いる。Yは輝度(luminance)信号を表し、CbとCrは色差を表す。人間の視覚で最も敏感なY成分を比例サンプリングし圧縮した後、グラフィックメモリに保存して、駆動装置の必要メモリ容量を軽減する。
【0026】
図9に示す通り、RGBデータの形式は6ビットとすれば、色域間データを置き換える前、各組の奇数と偶数18ビットの三原色(RGB)データを合計し36ビットとなる。本発明はます、奇数と偶数二つのRGBをY:Cb:Cr=4:2:2色域間データ変換を行い、保存データの量を減少させる。よって、変換後の前画像フレームのデータは24ビット、オーバードライブ補償画面のデータも24ビット、両者を合計した後48ビットとなり、従来の36ビットに比べて、12ビット多い。これにより、1/3のメモリ容量を追加必要がある。よって、色域間データ変換を行い、Y:Cb:Cr=4:2:2となる。また、変換後の奇数と偶数の元来のYCbCrデータのCbとCrにビット数減少したビット再配分(Bit re-allocation)を行い、元来の6ビット保存を5ビット保存に変更することにより、元来のYCbCrデータは合計20ビットのメモリ容量を占める。一方、変換後の奇数と偶数のオーバードライブYCbCrデータ、Y’、Y’はそれぞれ5ビットのメモリ容量を占めるほか、Cb’とCr’は3ビットのスペースしか取らない。よって、駆動のYCbCrデータは合計16ビットを占める。色域間のデータ変換と保存データビットの再配分により、前後の奇数と偶数の元来データとオーバードライブデータ両者の合計は36ビットとなり、色域間データ変換前の各組の奇数と偶数RGBデータ量と同じである。このため、本発明はグラフィックメモリを追加しない条件において、ねじれネマチック型(TN)と超ねじれネマチック型(STN)などの受動ネマチック液晶表示装置の反応時間を改善し、動画像のぼけ(Blurring)現象を改善できる。
【0027】
このような保存ビット数を減少できることは、受動ネマチック液晶表示装置の反応時間が遅いため、前記した方式は一つの画像フレーム時間内において、複数回の駆動により望ましい輝度を実現しているため、ビット数の少ない又はあまり精確でない電圧においても同じく反応時間の改善効果がある。このため、グラフィックメモリを追加しないで、前画像フレームと現行画像フレームはオーバードライブ補償処理後のデータを合わせて、従来の駆動集積回路(IC)内部一つのグラフィックメモリに保存してねじれネマチック型と超ねじれネマチック型(TN/STN)受動ネマチック液晶表示装置反応時間の改善目的を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】通常のオーバードライブ回路の演算ブロック概略図である。
【図2】セグメント電極が一つの走査フレーム時間内における出力波形の概略図である。
【図3】セグメント電極信号は、1本のライン時間を16等分に分割した出力レベルと波形の概略図である。
【図4】一つの画素における液晶の初期点灯から希望輝度位置に来るまでの概略図である。
【図5】本発明のオーバードライブ回路のブロック概略図である。
【図6】駆動素子のセグメント電極のパネルへの書き込レートは入力デ―タバスの更新レートのN倍(64倍)となり、従来の更新レートと比較した概略図である。
【図7】駆動素子のセグメント電極はオーバードライブ電圧によりパネルに書き込み、そのレートは入力デ―タバスの更新レートのN倍(6倍)となり、従来の更新レートと比較した概略図である。
【図8】オーバードライブ補償のセグメント電極信号(SEG)は、1本のライン時間を16等分に分割した出力レベルと波形の概略図である。
【図9】三原色データのYCbCr(4:2:2)変換及びビット数減少の概略図である。
【符号の説明】
【0029】
10 画像画像判断回路
11 グラフィックメモリ
12 比較回路
13 参照テーブル(LUT)演算回路
20 画像判断回路
22 比較装置
21 グラフィックメモリ
23 参照テーブル(LUT)演算回路
24 周波数分割多重回路
25 第1変換ユニット
26 第2変換ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動方式は以下の項目を含み、
駆動操作の原理を利用し、三原色データを動画像判断機能により、現行画像フレームと前画像フレームデータ内容が異なるときは、オーバードライブの三原色データを出力し、 現行画像フレームの三原色データをYCbCrデータに置き換え、オーバードライブの三原色データをオーバードライブYCbCrデータに置き換えて、かつ、
現行画像フレームのYCbCrデータとオーバードライブのYCbCrデータをビデオ圧縮規格に従い圧縮し、サンプリング及び整合を行い、
現行画像フレームYCbCrデータのCbCr保存ビットを減少し、かつ、オーバードライブYCbCrのYCbCr保存ビット数を減少して、再配分によりビットが減少したYCbCrデータとオーバードライブYCbCrデータをグラフィックメモリに保存し、及び、
周波数分割多重出力回路を介し、各データバスの更新時間内に、オーバードライブYCbCrデータに従い、従来の出力電位より高い/又はより小さいオーバードライブ補償電位を特定しN回を与えることを特徴とするグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法。
【請求項2】
該オーバードライブ三原色データは参照テーブル演算回路を介して、対応した画像フレームをそれぞれのオーバードライブ補償電位に出力、かつ、該オーバードライブ補償電位は0より大きいか又は等しい、液晶駆動の最高電圧より小さいか又は等しい範囲の特徴を有することを特徴とする請求項1記載のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法。
【請求項3】
該圧縮サンプリングはY:Cb:Cr=4:2:2、Y:Cb:Cr=4:2:0及びY:Cb:Cr=4:1:1のうち、いずれのサンプリング演算規則にすることを特徴とする請求項1又は請求項1記載のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法。
【請求項4】
該Nは2より大きいか又は等しい、8より小さいか又は等しい整数にすることを特徴とする請求項1記載のグラフィックメモリ追加によらないTN型とSTN型液晶表示装置反応時間改善の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−287016(P2008−287016A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132002(P2007−132002)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(505467775)▲しい▼創電子股▲ふん▼有限公司 (13)
【Fターム(参考)】