グリッパ
【課題】 小型化を図ることが可能なグリッパを提供すること。
【解決手段】 リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備したものであり、それによって、リニアモータを用いてダイレクトに直線運動を得るように構成していると共にそれを方向変換手段を介してワークを把持する為の開閉運動に変換するよう構成することにより小型化を実現することができる
【解決手段】 リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備したものであり、それによって、リニアモータを用いてダイレクトに直線運動を得るように構成していると共にそれを方向変換手段を介してワークを把持する為の開閉運動に変換するよう構成することにより小型化を実現することができる
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、産業用ロボットに搭載されてワーク等を選択的に把持するグリッパに係り、特に、その小型化を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、産業用ロボットを使いこなす上でワークを把持するグリッパは不可欠な装置である。この種のグリッパにはワークを確実に把持するための十分な把持力が要求されると共にその小型化が要求される。つまり、グリッパが小型・軽量であれば産業用ロボットはより高速・俊敏な動作が可能になるからである。
【0003】
そのため、従来のグリッパとしては小型化が非常に容易なエアーシリンダを用いたエアーグリッパが多く用いられていた。しかしながら、高圧エアーを用いるエアーシリンダ等は、コンプレッサによる高圧エアー製造及びそのエアー機器までの配管ロスにより電動機器の10倍の電気が必要であり、地球温暖化対策のCO2削減に反することになってしまう。その為、先進企業では工場におけるエアー配管を撤去することが行われている。
【0004】
そして、グリッパにおいても従来のエアーグリッパに代わるものとして電動グリッパが商品化されてきている。ところが、それらの電動グリッパはその小型化が不十分であった。例えば、優れた電動グリッパとして、特許文献1に開示されているものがある。
【0005】
【特許文献1】特許第3469249号公報
【0006】
上記特許文献1に開示されている電動グリッパは、回転モータの回転力をカム及び逆V字部材を用いて直進方向に変換して把持力を発生させるものである。
【0007】
又、別の電動グリッパとして、特許文献2に開示されているものがある。
【0008】
【特許文献2】特開2005−059118号公報
【0009】
上記特許文献2に開示されている電動グリッパは、回転モータの回転力をカム及びリニアガイドを用いて直進方向に変換して把持力を発生させるものである。
【0010】
さらに、別の電動グリッパとして、特許文献3に開示されているものがある。
【0011】
【特許文献3】特開2006−082141号公報
【0012】
上記特許文献3に開示されている電動グリッパは、回転モータの回転力をウォームギヤとウォームホイールギヤ等を用いて直進方向に変換して把持力を発生させるものである。
尚、特許文献3は本件特許出願人によるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来の構成によると次のような問題があった。すなわち、上記特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている電動グリッパは、何れも従来のエアーグリッパに代わるものとして優れた特性を備えるものではあるが、その小型化が不十分であるという問題があった。
【0014】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、小型化を図ることが可能なグリッパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるグリッパは、 リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてソレノイドを用いることを特徴とするものである。
又、請求項3によるグリッパは、請求項2記載のグリッパにおいて、上記ソレノイドを駆動するための電源装置は直流電源を入力電源とする過励磁可能なものであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置はDC/DCコンバータにより降圧電源を作るものであることを特徴とするものである。
又、請求項5によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は有接点または無接点の切替器を用いて過励磁と通常励磁を切り替えるものであることを特徴とするものである。
又、請求項6によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は負荷コイルにキャパシタを並列に接続したものであることを特徴とするものである。
又、請求項7によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてボイスコイルモータを用いることを特徴とするものである。
又、請求項8によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとして単相リニアモータを用いることを特徴とするものである。
又、請求項9によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は弾性案内機能を持つものであることを特徴とするものである。
又、請求項10によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は逆V字部材を用いたものであることを特徴とするものである。
又、請求項11によるグリッパは、請求項10記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記逆V字部材を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするものである。
又、請求項12によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は略円弧形状弾性体を用いたものであることを特徴とするものである。
又、請求項13によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記略円弧形状弾性体を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするものである。
又、請求項14によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記略円弧形状弾性体の中央部を平坦にしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように本願発明の請求項1によるグリッパによると、リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備した構成になっているので、まず、グリッパの小型化を図ることができる。すなわち、従来の電動グリッパの場合には、回転モータからの回転運動をカムやギヤ及びリニアガイドを用いて直線運動に変換しているために構成が複雑でスペースをとり小型化が困難であった。これに対して、本願発明の場合には、リニアモータを用いてダイレクトに直線運動を得るように構成していると共にそれを方向変換手段を介してワークを把持する為の開閉運動に変換するよう構成されているので、機構の簡素化を図ることができ、それによって、小型化を実現することができるものである。又、ギヤやカム等の摩擦も無く摩擦ロスによる機械効率低下もないものである。
又、請求項2によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてソレノイドを用いるようにしているので、上記効果を確実に得ることができるものである。
又、請求項3によるグリッパは、請求項2記載のグリッパにおいて、上記ソレノイドを駆動するための電源装置は直流電源を入力電源とする過励磁可能なものとして構成しているので、直流電源を使用することにより過励磁可能なソレノイド駆動用の電源装置をコンパクトなものとして得ることができる。
又、請求項4によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置はDC/DCコンバータにより降圧電源を作るものとして構成されているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項5によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は有接点または無接点の切替器を用いて過励磁と通常励磁を切り替えるものとして構成されているので、簡単な構成で上記効果を確実に得ることができる。
又、請求項6によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は負荷コイルにキャパシタを並列に接続したものとして構成されているので、過励磁と通常励磁との間の切替をより円滑なものとすることができる。
又、請求項7によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてボイスコイルモータを用いるものとして構成されているので、上記効果をより確実に得ることができる。
又、請求項8によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとして単相リニアモータを用いるものとして構成されているので、上記効果をより確実に得ることができる。
又、請求項9によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は弾性案内機能を持つものとして構成されているので、例えば、別途リニアガイドを設けるような必要もなく、小型化をより確実なものとすることができる。
又、請求項10によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は逆V字部材を用いたものとして構成されているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項11によるグリッパは、請求項10記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記逆V字部材を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっているので、上記効果をより確実なものとすることができると共に、逆V字部材相互の距離を変えることにより様々な寸法のワークを把持することができる。
又、請求項12によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は略円弧形状弾性体を用いたものとして構成しているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項13によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記略円弧形状弾性体を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項14によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記略円弧形状弾性体の中央部を平坦にした構成になっているので、被把持物の把持動作がより安定したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1(a)は、本実施の形態によるグリッパの構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)のb−b断面図である。まず、ハウジング1があり、このハウジング1は中空円筒形状をなしていて、円筒側壁1aと、この円筒側壁1aの上下に設けられた上壁1bと底壁1cとから構成されている。
【0018】
上記ハウジング1内の中心位置には可動部3が図1(b)中上下方向に移動可能な状態で収容・配置されている。上記可動部3は略軸状をなしていて、その上端部は上記上壁1bを貫通した状態で上壁1bの上に突出・配置されている。又、可動部3の下端部はテーパ部3aとなっていて、先端に向かって先細形状になっている。又、可動部3の上端には離間配置用部材5が取り付けられている。
【0019】
又、上記ハウジング1の底壁1cの上記可動部3の先端に対向する部位には着座部7が形成されている。この着座部7は上記可動部3の先端部のテーパ部3aに対応するようにテーパ部7aを備えた構成になっている。そして、上記テーパ部3aとテーパ部7aとの間にはギャップ9が形成されている。
【0020】
上記ハウジング1内であって上記可動部3の外周側にはコイル11が巻回・配置されている。このコイル11と既に説明したハウジング1と上記可動部3とによってソレノイドを構成しているものである。上記コイル11に電流が流されない場合には、可動部3は図1(b)に示すような状態にあって、テーパ部3aとテーパ部7aとの間にギャップ9が形成された状態になっている。これに対して、コイル11に電流を流すことにより、可動部3が図1(b)中下方に移動することになる。
【0021】
上記ハウジング1の上壁1bと離間配置用部材5との間には一対の逆V字部材13、13が取り付けられている。この一対の逆V字部材13、13と上記離間配置用部材5等から方向変換手段を構成していて、上記ソレノイドにより発生される直線運動をワークを把持する為の開閉運動に直接的に変換するようにしているものである。上記逆V字部材13は、図2にも示すように、所定幅の薄板を屈曲・形成した構成になっていて、外側辺部15と内側辺部17とから構成されている。上記外側辺部15には取付部15aが屈曲して設けられていると共に、上記内側辺部17にも取付部17aが屈曲して設けられている。上記逆V字部材13の外側辺部15は上記取付部15aを介して上記上壁1bに固定されていると共に、内側辺部17は上記取付部17aを介して上記離間配置用部材5に固定されている。
尚、上記一対の逆V字部材13、13は共に同様の取付構造になっている。
【0022】
そして、上記コイル11に電流を流すと可動部3が図1(b)中下方に移動することになるが、それによって、一対の逆V字部材13、13の内側辺部17、17が離間配置用部材5を介して図1(b)中下方に引っ張られる。それによって、一対の逆V字部材13、13の先端が相互に接近する方向に移動することになる。それによって、図示しないワークを把持するものである。
【0023】
次に、上記ソレノイド(ハウジング1、可動部3、コイル11とからなるソレノイド)を駆動するための電源装置21の構成を図3を参照して説明する。上記電源装置21は、図3に示すように、24VDC電源23、5VDC電源25、リレー27、タイマー29、キャパシタ(蓄電器)31から構成されている。上記24VDC電源23については、例えば、図示しないリニアアクチュエータ用の電源から引き回す場合には別途用意する必要はない。本実施の形態の場合にはリニアアクチュエータ用の電源から引き回すことになる。又、上記5VDC電源25については、小型でコンパクトなDC/DCコンバータにより作り出している。本実施の形態の場合には、過励磁倍率は、下記の式(I)に示すように、4.8倍である。
24V÷5V=4.8―――(I)
【0024】
そして、励磁コイル11の駆動初期時においては高い電圧(過励磁、この実施の形態の場合には24V)によって勢いよく可動部3を吸引する。これに対して、可動部3が着座部7の近くに来たときには低い電圧(通常励磁、この実施の形態の場合には5V)に切り替えて発熱を抑制するように構成されている。その為、この過励磁電源を用いることによりソレノイドをより小型化させることができる。
【0025】
上記過励磁と通常励磁の切替は上記リレー27とタイマー29によって行われる。つまり、タイマー29によって過励磁を行う時間を予め設定しておき、その設定時間が経過した時点で上記リレー27を動作させてその接点27aを切り替えるものであり、それによって、過励磁から通常励磁に切り替えるものである。
尚、本実施の形態では上記リレー27として有接点(接点27a)のリレーを使用しているが、それ以外にも無接点のFETリレー等の使用が考えられる。
【0026】
本実施の形態のような有接点のリレー27であっても無接点のFETリレーであってもその切替は高速である。しかしながら、切替時に24Vから5Vへ円滑に移行せず、5V以下に励磁電圧が下がってしまうことが懸念される。その様子を図4を参照して説明する。図4は横軸に時間(ms)をとり縦軸に電圧(V)をとり、過励磁から通常励磁へ切り替える場合の電圧の変化(24Vから5Vへリレー切替時の電圧過渡変動)を示す図である。図4に示すように、切替時に24Vから5Vへ円滑に移行せず、5V以下に励磁電圧が下がってしまっていることがわかる。このような現象が生じた場合には、吸引された可動部3が戻ってしまうことになる。
【0027】
そこで、本実施の形態では、励磁コイル11にキャパシタ(蓄電器)31を並列に接続している。それによって、回路の時定数を上げて24Vから5Vへ円滑に移行させるようにしているものである。その時の電圧変化を図5に示す。図5も横軸に時間(ms)をとり縦軸に電圧(V)をとり、過励磁から通常励磁へ切り替える場合の電圧の変化(24Vから5Vへリレー切替時の電圧過渡変動)を示す図である。図5に示すように、切替時に24Vから5Vへ円滑に移行していて、励磁電圧が5V以下に下がってしまうようなことがないことがわかる。
【0028】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、コイル11に電流が流されない場合には、可動部3は図1(b)に示すような状態にあって、テーパ部3aとテーパ部7aとの間にギャップ9が形成された状態になっている。
次に、図1(b)に示す状態において、コイル11に電流を流すと可動部3が図1(b)中下方に移動することになるが、それによって、一対の逆V字部材13、13の内側辺部17、17が離間配置用部材5を介して図1(b)中下方に引っ張られる。それによって、一対の逆V字部材13、13の先端が相互に接近する方向(内側)に移動することになる。すなわち、一対の逆V字部材13、13が閉じることによって、図示しないワークを把持するものである。
これに対して、コイル11への電流を切ることにより、閉じていた逆V字部材13、13自身のばね力によって、可動部3は図1(b)に示すような状態に復帰することになり、上記一対の逆V字部材13、13も開くことになり、それによって、ワークの把持は解除されることになる。
【0029】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、グリッパの小型化を図ることができる。すなわち、従来の電動グリッパの場合には、回転モータからの回転運動をカム、ギヤ、リニアガイドを使用して直線運動に変換しており、その為構成が複雑でスペースをとってしまうために小型化が困難であった。これに対して、 本実施の形態の場合には、リニアモータとしてのソレノイド(ハウジング1、可動部3、コイル11とからなるソレノイド)を用いてダイレクトに直線運動を得るように構成していると共に、それを離間配置用部材5と一対の逆V字部材13、13からなる方向変換手段によってワークを把持する為の開閉運動に直接変換するように構成しているので、機構の簡素化を図ることができ、それによって、小型化を実現することができたものである。
又、ギヤ、カム等を使用した場合に懸念される摩擦もないので摩擦抵抗に起因する機械効率の低下もないものである。
又、離間配置用部材5を交換して逆V字部材13、13の先端部の距離を変えることにより様々な寸法のワークを把持することができる。
尚、この実施の形態の場合には、逆V字部材13を2つ用いているが,ワークの形状によっては、逆V字部材13を3つあるいは4つ以上用いることも考えられ、それによって、ワークをより安定した状態で保持することができる。
又、逆V字部材13として板状の弾性体を用いるようにしているので、図1(b)中紙面に平行な左右方向には剛性は低く、図1(b)中紙面に直交する方向には剛性が高くなっているので、紙面に平行な左右方向のみに変形するよう規制されており、いわゆる弾性案内機構を構成している。そのため従来必要であったリニアガイドを省くことができている。これも小型化が可能になった一因である。
【0030】
次に、図6を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。前記第1の実施の形態の場合には、一対の逆V字部材13、13によってワークを外側から挟んで把持する場合を例に挙げて説明したが、この第2の実施の形態の場合には、例えば、一対の逆V字部材13、13をワークに形成された案内に差し込んで、これを内側から把持しようとする場合の例を挙げて示すものである。
【0031】
まず、一対の逆V字部材13、13の外側辺部15、15は、離間配置用部材5に取付部15a、15aを介して連結されている。一方、一対の逆V字部材13、13の内側辺部17、17は、ハウジング1に固定されたブリッジ部41、41に取付部17a、17aを介して連結されている。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0032】
上記構成によると、コイル11に電流を流すと可動部3が吸引され図6(b)中下方向に駆動される。それによって、逆V字部材13、13の外側辺部15、15は図6(b)中下方向に引っ張られることになり、逆V字部材13、13の先端部は外側に撓むことになる。それによって、例えば、図示しないワークの穴部等に挿入されていた逆V字部材13、13の先端は外側へ開くことになるのでワークを把持することができる。
よって、前記第1の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
【0033】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。前記第1及び第2の実施の形態の場合には、一対の逆V字部材13、13と離間配置用部材5等とによって方向変換手段を構成した例を示したが、この第3の実施の形態の場合には、略円弧形状弾性体と離間配置用部材等によって方向変換手段を構成した例を示すものである。
まず、略円弧形状をなす円弧形状弾性体51、51が設置されていて、この円弧形状弾性体51は、図8にも示すように、下部弾性部53と、中央平坦部55と、上部弾性部57とから構成されている。上記下部弾性部53は取付部53aを介してハウジング1の上壁1bに固定されている。一方、上記上部弾性部57は取付部57aを介して離間配置用部材59に固定されていて、この離間配置用部材59は可動部3の上端に固定されているものである。又、上記円弧形状弾性体51の中央平坦部55、55の外側には一対の把持部材61、61が夫々取り付けられているものである。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0034】
上記構成において、コイル11に電流を流すと、可動部3はハウジング1の底部にあるギャップ9を埋める向きに吸引され、可動部3は図7(b)中下方向に駆動される。それによって、円弧状弾性体51、51の上部弾性部57、57は離間配置用部材59を介して下方に引っ張られる。それによって、円弧状弾性体51、51は圧縮されることになる。そして、円弧状弾性体51、51の中央平坦部55、55は図中左右方向(外側の向き)に移動する。つまり、円弧状弾性体51、51を用いることにより直角方向への方向変換がなされることになる。そして、円弧状弾性体51、51の中央平坦部55、55に接合されている把持部材61、61を、例えば、図示しないワークの穴等へ挿入しておけば、把持部材61、61が相互に離間する方向に拡がることによりワークを把持することができる。
一方、コイル11に流す電流を切れば、開いていた把持部材61、61が、一対の円弧形状弾性体51、51のばね反力により復元して閉じることになるので、ワークの把持は解除される。
【0035】
したがって、この第3の実施の形態の場合にも、前記第1及び第2の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
又、円弧形状弾性体51、51は図7(b)中上下方向に対称な形状にしてあるので、ソレノイド駆動による圧縮で上下対称形状を保持したまま図中左右方向に移動することができる。つまり、把持部材61、61が傾くことなく平行な状態で移動して開閉することになるものである。
尚、円弧状弾性体51、51の上部弾性部57、57が固定されている離間配置用部材59を交換して把持部材61、61間の距離を変えることにより様々な寸法のワークを把持することができる。
又、この円弧状弾性体51として板状の弾性体を用いているので、図7(b)中紙面に平行な方向には剛性は低く、図中紙面に直交する方向には剛性を高くなっているので、紙面に平行な方向のみに変形するよう規制されており、いわゆる弾性案内を構成している。そのため従来必要であったリニアガイドも省くことができている。
また、この実施の形態の場合にも、ギヤやカムなどの複雑な機構を用いていないので小型化が容易であるばかりでなく、ギヤやカムなどの摩擦も無く、摩擦ロスによる機械効率の低下もない。
尚、この実施の形態の場合にも、円弧状弾性体51と把持部材61を2つ用いているが、ワーク形状により3つあるいは4つ以上用いることにより把持をより安定させることができる。
【0036】
次に、図9を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。この第4の実施の形態の場合には、前記第3の実施の形態による構成において、単相リニアモータからなるリニアモータ構造に変えた例を示すものである。すなわち、可動部3の一部が一対の永久磁石71、71が対向・配置された構成になっている。これら永久磁石71、71は同極を突き合わせた状態で配置されている。そして、フレミングの左手の法則の原理により、コイル11のある方向に電流を流すと、可動部3は図9(b)中下向きに駆動され、逆方向に流すと上向きに駆動される。そして、可動部3を下向きに駆動させることにより、円弧形状弾性体51、51を圧縮して把持部材61、61を外に拡げてワークを把持するものである。
その他の構成は前記第3の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0037】
よって、この第4の実施の形態の場合も前記第3の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
尚、ここでは単相リニアモータの例として円柱形状の永久磁石71、71を用いるシャフトタイプの単相リニアモータを挙げたが、このタイプに限定されるものではない。例えば、板形状の永久磁石を用いる単相リニアモータでも良い。
【0038】
次に、図10及び図11を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。この第5の実施の形態の場合には、ボイスコイルモータを用いたリニアモータ構造を採用した例を示すものである。まず、縦断面形状がE字形状をなし磁性材料からなるハウジング81があり、このハウジング81の内側には円筒状の永久磁石83(単極のラジアル着磁)が配置されている。又、上記永久磁石83の内側には可動部85と一体となったコイル87が配置されている。そして、フレミングの左手の法則の原理により、コイル87のある方向に電流を流すと可動部85は図10(b)中下向きに駆動され、逆方向に流すと上向きに駆動される。円弧形状弾性体89は中心部側が内側に向かって凸になるように構成されている。すなわち、上記円弧形状弾性体89は、図11にも示すように、下部弾性部91と、中央平坦部93と、上部弾性部95とから構成されていて、上記中央平坦部93が内側に向かって突出された状態になっている。
【0039】
又、離間配置用部材97はハウジング81に固定されていて、その上に柱99が立ててられている。円弧形状弾性体89の上部弾性部95の取付部95aは柱99に固定されていて、下部弾性部91は取付部91aを介して可動部85に固定されている。
【0040】
したがって、コイル85に電流を流して可動部85を上向きに駆動すると、円弧形状弾性体89、89は圧縮される。それによって、中央平坦部93、93は中心方向に動くことになり、中央平坦部93、93に接合されている把持部材101、101は中心に向かって移動し、2つの把持部材101、101間の距離が狭くなり、それによって、把持部材101、101間にあるワークは把持されることになる。
【0041】
よって、この場合にも前記第3の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0042】
尚、本発明は前記第1〜第5の実施の形態に限定されるものではない。
前記各実施の形態の場合には、逆V字状部材と離間配置用部材の組み合わせ、或いは、円弧形状弾性体と離間配置用部材の組み合わせによって、方向変換手段を構成した例を示したが、それに限定されるものではない。
又、逆V字状部材や円弧形状弾性体を使用する場合において、その個数や離間距離についてはワークに応じて任意に設定することになる。
その他図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、産業用ロボットに用いるワーク等の把持装置であるグリッパに係り、特に、その小型化を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、狭隘な空間に設置された産業用ロボットに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1(a)はグリッパの構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)のb−b断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、逆V字部材の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ソレノイド駆動コイルとソレノイド駆動装置用電源装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、直流24Vから直流5Vへの切替時における電圧過渡変動を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、直流24Vから直流5Vへの切替時における電圧過渡変動を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図6(a)はグリッパの構成を示す平面図、図6(b)は図6(a)のb−b断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す図で、図7(a)はグリッパの構成を示す平面図、図7(b)は図7(a)のb−b断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す図で、円弧形状弾性体の斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す図で、図9(a)はグリッパの構成を示す平面図、図9(b)は図9(a)のb−b断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す図で、図10(a)はグリッパの構成を示す平面図、図10(b)は図10(a)のb−b断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態を示す図で、円弧形状弾性体の斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ハウジング
3 可動部
5 離間配置用部材
7 着座部
9 ギャップ
11 コイル
13 逆V字部材
15 外側辺部
17 内側辺部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、産業用ロボットに搭載されてワーク等を選択的に把持するグリッパに係り、特に、その小型化を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、産業用ロボットを使いこなす上でワークを把持するグリッパは不可欠な装置である。この種のグリッパにはワークを確実に把持するための十分な把持力が要求されると共にその小型化が要求される。つまり、グリッパが小型・軽量であれば産業用ロボットはより高速・俊敏な動作が可能になるからである。
【0003】
そのため、従来のグリッパとしては小型化が非常に容易なエアーシリンダを用いたエアーグリッパが多く用いられていた。しかしながら、高圧エアーを用いるエアーシリンダ等は、コンプレッサによる高圧エアー製造及びそのエアー機器までの配管ロスにより電動機器の10倍の電気が必要であり、地球温暖化対策のCO2削減に反することになってしまう。その為、先進企業では工場におけるエアー配管を撤去することが行われている。
【0004】
そして、グリッパにおいても従来のエアーグリッパに代わるものとして電動グリッパが商品化されてきている。ところが、それらの電動グリッパはその小型化が不十分であった。例えば、優れた電動グリッパとして、特許文献1に開示されているものがある。
【0005】
【特許文献1】特許第3469249号公報
【0006】
上記特許文献1に開示されている電動グリッパは、回転モータの回転力をカム及び逆V字部材を用いて直進方向に変換して把持力を発生させるものである。
【0007】
又、別の電動グリッパとして、特許文献2に開示されているものがある。
【0008】
【特許文献2】特開2005−059118号公報
【0009】
上記特許文献2に開示されている電動グリッパは、回転モータの回転力をカム及びリニアガイドを用いて直進方向に変換して把持力を発生させるものである。
【0010】
さらに、別の電動グリッパとして、特許文献3に開示されているものがある。
【0011】
【特許文献3】特開2006−082141号公報
【0012】
上記特許文献3に開示されている電動グリッパは、回転モータの回転力をウォームギヤとウォームホイールギヤ等を用いて直進方向に変換して把持力を発生させるものである。
尚、特許文献3は本件特許出願人によるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来の構成によると次のような問題があった。すなわち、上記特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている電動グリッパは、何れも従来のエアーグリッパに代わるものとして優れた特性を備えるものではあるが、その小型化が不十分であるという問題があった。
【0014】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、小型化を図ることが可能なグリッパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるグリッパは、 リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてソレノイドを用いることを特徴とするものである。
又、請求項3によるグリッパは、請求項2記載のグリッパにおいて、上記ソレノイドを駆動するための電源装置は直流電源を入力電源とする過励磁可能なものであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置はDC/DCコンバータにより降圧電源を作るものであることを特徴とするものである。
又、請求項5によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は有接点または無接点の切替器を用いて過励磁と通常励磁を切り替えるものであることを特徴とするものである。
又、請求項6によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は負荷コイルにキャパシタを並列に接続したものであることを特徴とするものである。
又、請求項7によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてボイスコイルモータを用いることを特徴とするものである。
又、請求項8によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとして単相リニアモータを用いることを特徴とするものである。
又、請求項9によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は弾性案内機能を持つものであることを特徴とするものである。
又、請求項10によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は逆V字部材を用いたものであることを特徴とするものである。
又、請求項11によるグリッパは、請求項10記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記逆V字部材を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするものである。
又、請求項12によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は略円弧形状弾性体を用いたものであることを特徴とするものである。
又、請求項13によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記略円弧形状弾性体を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするものである。
又、請求項14によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記略円弧形状弾性体の中央部を平坦にしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように本願発明の請求項1によるグリッパによると、リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備した構成になっているので、まず、グリッパの小型化を図ることができる。すなわち、従来の電動グリッパの場合には、回転モータからの回転運動をカムやギヤ及びリニアガイドを用いて直線運動に変換しているために構成が複雑でスペースをとり小型化が困難であった。これに対して、本願発明の場合には、リニアモータを用いてダイレクトに直線運動を得るように構成していると共にそれを方向変換手段を介してワークを把持する為の開閉運動に変換するよう構成されているので、機構の簡素化を図ることができ、それによって、小型化を実現することができるものである。又、ギヤやカム等の摩擦も無く摩擦ロスによる機械効率低下もないものである。
又、請求項2によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてソレノイドを用いるようにしているので、上記効果を確実に得ることができるものである。
又、請求項3によるグリッパは、請求項2記載のグリッパにおいて、上記ソレノイドを駆動するための電源装置は直流電源を入力電源とする過励磁可能なものとして構成しているので、直流電源を使用することにより過励磁可能なソレノイド駆動用の電源装置をコンパクトなものとして得ることができる。
又、請求項4によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置はDC/DCコンバータにより降圧電源を作るものとして構成されているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項5によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は有接点または無接点の切替器を用いて過励磁と通常励磁を切り替えるものとして構成されているので、簡単な構成で上記効果を確実に得ることができる。
又、請求項6によるグリッパは、請求項3記載のグリッパにおいて、上記電源装置は負荷コイルにキャパシタを並列に接続したものとして構成されているので、過励磁と通常励磁との間の切替をより円滑なものとすることができる。
又、請求項7によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとしてボイスコイルモータを用いるものとして構成されているので、上記効果をより確実に得ることができる。
又、請求項8によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記リニアモータとして単相リニアモータを用いるものとして構成されているので、上記効果をより確実に得ることができる。
又、請求項9によるグリッパは、請求項1記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は弾性案内機能を持つものとして構成されているので、例えば、別途リニアガイドを設けるような必要もなく、小型化をより確実なものとすることができる。
又、請求項10によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は逆V字部材を用いたものとして構成されているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項11によるグリッパは、請求項10記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記逆V字部材を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっているので、上記効果をより確実なものとすることができると共に、逆V字部材相互の距離を変えることにより様々な寸法のワークを把持することができる。
又、請求項12によるグリッパは、請求項9記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は略円弧形状弾性体を用いたものとして構成しているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項13によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記方向変換手段は上記略円弧形状弾性体を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項14によるグリッパは、請求項12記載のグリッパにおいて、上記略円弧形状弾性体の中央部を平坦にした構成になっているので、被把持物の把持動作がより安定したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1(a)は、本実施の形態によるグリッパの構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)のb−b断面図である。まず、ハウジング1があり、このハウジング1は中空円筒形状をなしていて、円筒側壁1aと、この円筒側壁1aの上下に設けられた上壁1bと底壁1cとから構成されている。
【0018】
上記ハウジング1内の中心位置には可動部3が図1(b)中上下方向に移動可能な状態で収容・配置されている。上記可動部3は略軸状をなしていて、その上端部は上記上壁1bを貫通した状態で上壁1bの上に突出・配置されている。又、可動部3の下端部はテーパ部3aとなっていて、先端に向かって先細形状になっている。又、可動部3の上端には離間配置用部材5が取り付けられている。
【0019】
又、上記ハウジング1の底壁1cの上記可動部3の先端に対向する部位には着座部7が形成されている。この着座部7は上記可動部3の先端部のテーパ部3aに対応するようにテーパ部7aを備えた構成になっている。そして、上記テーパ部3aとテーパ部7aとの間にはギャップ9が形成されている。
【0020】
上記ハウジング1内であって上記可動部3の外周側にはコイル11が巻回・配置されている。このコイル11と既に説明したハウジング1と上記可動部3とによってソレノイドを構成しているものである。上記コイル11に電流が流されない場合には、可動部3は図1(b)に示すような状態にあって、テーパ部3aとテーパ部7aとの間にギャップ9が形成された状態になっている。これに対して、コイル11に電流を流すことにより、可動部3が図1(b)中下方に移動することになる。
【0021】
上記ハウジング1の上壁1bと離間配置用部材5との間には一対の逆V字部材13、13が取り付けられている。この一対の逆V字部材13、13と上記離間配置用部材5等から方向変換手段を構成していて、上記ソレノイドにより発生される直線運動をワークを把持する為の開閉運動に直接的に変換するようにしているものである。上記逆V字部材13は、図2にも示すように、所定幅の薄板を屈曲・形成した構成になっていて、外側辺部15と内側辺部17とから構成されている。上記外側辺部15には取付部15aが屈曲して設けられていると共に、上記内側辺部17にも取付部17aが屈曲して設けられている。上記逆V字部材13の外側辺部15は上記取付部15aを介して上記上壁1bに固定されていると共に、内側辺部17は上記取付部17aを介して上記離間配置用部材5に固定されている。
尚、上記一対の逆V字部材13、13は共に同様の取付構造になっている。
【0022】
そして、上記コイル11に電流を流すと可動部3が図1(b)中下方に移動することになるが、それによって、一対の逆V字部材13、13の内側辺部17、17が離間配置用部材5を介して図1(b)中下方に引っ張られる。それによって、一対の逆V字部材13、13の先端が相互に接近する方向に移動することになる。それによって、図示しないワークを把持するものである。
【0023】
次に、上記ソレノイド(ハウジング1、可動部3、コイル11とからなるソレノイド)を駆動するための電源装置21の構成を図3を参照して説明する。上記電源装置21は、図3に示すように、24VDC電源23、5VDC電源25、リレー27、タイマー29、キャパシタ(蓄電器)31から構成されている。上記24VDC電源23については、例えば、図示しないリニアアクチュエータ用の電源から引き回す場合には別途用意する必要はない。本実施の形態の場合にはリニアアクチュエータ用の電源から引き回すことになる。又、上記5VDC電源25については、小型でコンパクトなDC/DCコンバータにより作り出している。本実施の形態の場合には、過励磁倍率は、下記の式(I)に示すように、4.8倍である。
24V÷5V=4.8―――(I)
【0024】
そして、励磁コイル11の駆動初期時においては高い電圧(過励磁、この実施の形態の場合には24V)によって勢いよく可動部3を吸引する。これに対して、可動部3が着座部7の近くに来たときには低い電圧(通常励磁、この実施の形態の場合には5V)に切り替えて発熱を抑制するように構成されている。その為、この過励磁電源を用いることによりソレノイドをより小型化させることができる。
【0025】
上記過励磁と通常励磁の切替は上記リレー27とタイマー29によって行われる。つまり、タイマー29によって過励磁を行う時間を予め設定しておき、その設定時間が経過した時点で上記リレー27を動作させてその接点27aを切り替えるものであり、それによって、過励磁から通常励磁に切り替えるものである。
尚、本実施の形態では上記リレー27として有接点(接点27a)のリレーを使用しているが、それ以外にも無接点のFETリレー等の使用が考えられる。
【0026】
本実施の形態のような有接点のリレー27であっても無接点のFETリレーであってもその切替は高速である。しかしながら、切替時に24Vから5Vへ円滑に移行せず、5V以下に励磁電圧が下がってしまうことが懸念される。その様子を図4を参照して説明する。図4は横軸に時間(ms)をとり縦軸に電圧(V)をとり、過励磁から通常励磁へ切り替える場合の電圧の変化(24Vから5Vへリレー切替時の電圧過渡変動)を示す図である。図4に示すように、切替時に24Vから5Vへ円滑に移行せず、5V以下に励磁電圧が下がってしまっていることがわかる。このような現象が生じた場合には、吸引された可動部3が戻ってしまうことになる。
【0027】
そこで、本実施の形態では、励磁コイル11にキャパシタ(蓄電器)31を並列に接続している。それによって、回路の時定数を上げて24Vから5Vへ円滑に移行させるようにしているものである。その時の電圧変化を図5に示す。図5も横軸に時間(ms)をとり縦軸に電圧(V)をとり、過励磁から通常励磁へ切り替える場合の電圧の変化(24Vから5Vへリレー切替時の電圧過渡変動)を示す図である。図5に示すように、切替時に24Vから5Vへ円滑に移行していて、励磁電圧が5V以下に下がってしまうようなことがないことがわかる。
【0028】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、コイル11に電流が流されない場合には、可動部3は図1(b)に示すような状態にあって、テーパ部3aとテーパ部7aとの間にギャップ9が形成された状態になっている。
次に、図1(b)に示す状態において、コイル11に電流を流すと可動部3が図1(b)中下方に移動することになるが、それによって、一対の逆V字部材13、13の内側辺部17、17が離間配置用部材5を介して図1(b)中下方に引っ張られる。それによって、一対の逆V字部材13、13の先端が相互に接近する方向(内側)に移動することになる。すなわち、一対の逆V字部材13、13が閉じることによって、図示しないワークを把持するものである。
これに対して、コイル11への電流を切ることにより、閉じていた逆V字部材13、13自身のばね力によって、可動部3は図1(b)に示すような状態に復帰することになり、上記一対の逆V字部材13、13も開くことになり、それによって、ワークの把持は解除されることになる。
【0029】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、グリッパの小型化を図ることができる。すなわち、従来の電動グリッパの場合には、回転モータからの回転運動をカム、ギヤ、リニアガイドを使用して直線運動に変換しており、その為構成が複雑でスペースをとってしまうために小型化が困難であった。これに対して、 本実施の形態の場合には、リニアモータとしてのソレノイド(ハウジング1、可動部3、コイル11とからなるソレノイド)を用いてダイレクトに直線運動を得るように構成していると共に、それを離間配置用部材5と一対の逆V字部材13、13からなる方向変換手段によってワークを把持する為の開閉運動に直接変換するように構成しているので、機構の簡素化を図ることができ、それによって、小型化を実現することができたものである。
又、ギヤ、カム等を使用した場合に懸念される摩擦もないので摩擦抵抗に起因する機械効率の低下もないものである。
又、離間配置用部材5を交換して逆V字部材13、13の先端部の距離を変えることにより様々な寸法のワークを把持することができる。
尚、この実施の形態の場合には、逆V字部材13を2つ用いているが,ワークの形状によっては、逆V字部材13を3つあるいは4つ以上用いることも考えられ、それによって、ワークをより安定した状態で保持することができる。
又、逆V字部材13として板状の弾性体を用いるようにしているので、図1(b)中紙面に平行な左右方向には剛性は低く、図1(b)中紙面に直交する方向には剛性が高くなっているので、紙面に平行な左右方向のみに変形するよう規制されており、いわゆる弾性案内機構を構成している。そのため従来必要であったリニアガイドを省くことができている。これも小型化が可能になった一因である。
【0030】
次に、図6を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。前記第1の実施の形態の場合には、一対の逆V字部材13、13によってワークを外側から挟んで把持する場合を例に挙げて説明したが、この第2の実施の形態の場合には、例えば、一対の逆V字部材13、13をワークに形成された案内に差し込んで、これを内側から把持しようとする場合の例を挙げて示すものである。
【0031】
まず、一対の逆V字部材13、13の外側辺部15、15は、離間配置用部材5に取付部15a、15aを介して連結されている。一方、一対の逆V字部材13、13の内側辺部17、17は、ハウジング1に固定されたブリッジ部41、41に取付部17a、17aを介して連結されている。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0032】
上記構成によると、コイル11に電流を流すと可動部3が吸引され図6(b)中下方向に駆動される。それによって、逆V字部材13、13の外側辺部15、15は図6(b)中下方向に引っ張られることになり、逆V字部材13、13の先端部は外側に撓むことになる。それによって、例えば、図示しないワークの穴部等に挿入されていた逆V字部材13、13の先端は外側へ開くことになるのでワークを把持することができる。
よって、前記第1の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
【0033】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。前記第1及び第2の実施の形態の場合には、一対の逆V字部材13、13と離間配置用部材5等とによって方向変換手段を構成した例を示したが、この第3の実施の形態の場合には、略円弧形状弾性体と離間配置用部材等によって方向変換手段を構成した例を示すものである。
まず、略円弧形状をなす円弧形状弾性体51、51が設置されていて、この円弧形状弾性体51は、図8にも示すように、下部弾性部53と、中央平坦部55と、上部弾性部57とから構成されている。上記下部弾性部53は取付部53aを介してハウジング1の上壁1bに固定されている。一方、上記上部弾性部57は取付部57aを介して離間配置用部材59に固定されていて、この離間配置用部材59は可動部3の上端に固定されているものである。又、上記円弧形状弾性体51の中央平坦部55、55の外側には一対の把持部材61、61が夫々取り付けられているものである。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0034】
上記構成において、コイル11に電流を流すと、可動部3はハウジング1の底部にあるギャップ9を埋める向きに吸引され、可動部3は図7(b)中下方向に駆動される。それによって、円弧状弾性体51、51の上部弾性部57、57は離間配置用部材59を介して下方に引っ張られる。それによって、円弧状弾性体51、51は圧縮されることになる。そして、円弧状弾性体51、51の中央平坦部55、55は図中左右方向(外側の向き)に移動する。つまり、円弧状弾性体51、51を用いることにより直角方向への方向変換がなされることになる。そして、円弧状弾性体51、51の中央平坦部55、55に接合されている把持部材61、61を、例えば、図示しないワークの穴等へ挿入しておけば、把持部材61、61が相互に離間する方向に拡がることによりワークを把持することができる。
一方、コイル11に流す電流を切れば、開いていた把持部材61、61が、一対の円弧形状弾性体51、51のばね反力により復元して閉じることになるので、ワークの把持は解除される。
【0035】
したがって、この第3の実施の形態の場合にも、前記第1及び第2の実施の形態の場合と略同様の効果を奏することができる。
又、円弧形状弾性体51、51は図7(b)中上下方向に対称な形状にしてあるので、ソレノイド駆動による圧縮で上下対称形状を保持したまま図中左右方向に移動することができる。つまり、把持部材61、61が傾くことなく平行な状態で移動して開閉することになるものである。
尚、円弧状弾性体51、51の上部弾性部57、57が固定されている離間配置用部材59を交換して把持部材61、61間の距離を変えることにより様々な寸法のワークを把持することができる。
又、この円弧状弾性体51として板状の弾性体を用いているので、図7(b)中紙面に平行な方向には剛性は低く、図中紙面に直交する方向には剛性を高くなっているので、紙面に平行な方向のみに変形するよう規制されており、いわゆる弾性案内を構成している。そのため従来必要であったリニアガイドも省くことができている。
また、この実施の形態の場合にも、ギヤやカムなどの複雑な機構を用いていないので小型化が容易であるばかりでなく、ギヤやカムなどの摩擦も無く、摩擦ロスによる機械効率の低下もない。
尚、この実施の形態の場合にも、円弧状弾性体51と把持部材61を2つ用いているが、ワーク形状により3つあるいは4つ以上用いることにより把持をより安定させることができる。
【0036】
次に、図9を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。この第4の実施の形態の場合には、前記第3の実施の形態による構成において、単相リニアモータからなるリニアモータ構造に変えた例を示すものである。すなわち、可動部3の一部が一対の永久磁石71、71が対向・配置された構成になっている。これら永久磁石71、71は同極を突き合わせた状態で配置されている。そして、フレミングの左手の法則の原理により、コイル11のある方向に電流を流すと、可動部3は図9(b)中下向きに駆動され、逆方向に流すと上向きに駆動される。そして、可動部3を下向きに駆動させることにより、円弧形状弾性体51、51を圧縮して把持部材61、61を外に拡げてワークを把持するものである。
その他の構成は前記第3の実施の形態の場合と同様であり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0037】
よって、この第4の実施の形態の場合も前記第3の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
尚、ここでは単相リニアモータの例として円柱形状の永久磁石71、71を用いるシャフトタイプの単相リニアモータを挙げたが、このタイプに限定されるものではない。例えば、板形状の永久磁石を用いる単相リニアモータでも良い。
【0038】
次に、図10及び図11を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。この第5の実施の形態の場合には、ボイスコイルモータを用いたリニアモータ構造を採用した例を示すものである。まず、縦断面形状がE字形状をなし磁性材料からなるハウジング81があり、このハウジング81の内側には円筒状の永久磁石83(単極のラジアル着磁)が配置されている。又、上記永久磁石83の内側には可動部85と一体となったコイル87が配置されている。そして、フレミングの左手の法則の原理により、コイル87のある方向に電流を流すと可動部85は図10(b)中下向きに駆動され、逆方向に流すと上向きに駆動される。円弧形状弾性体89は中心部側が内側に向かって凸になるように構成されている。すなわち、上記円弧形状弾性体89は、図11にも示すように、下部弾性部91と、中央平坦部93と、上部弾性部95とから構成されていて、上記中央平坦部93が内側に向かって突出された状態になっている。
【0039】
又、離間配置用部材97はハウジング81に固定されていて、その上に柱99が立ててられている。円弧形状弾性体89の上部弾性部95の取付部95aは柱99に固定されていて、下部弾性部91は取付部91aを介して可動部85に固定されている。
【0040】
したがって、コイル85に電流を流して可動部85を上向きに駆動すると、円弧形状弾性体89、89は圧縮される。それによって、中央平坦部93、93は中心方向に動くことになり、中央平坦部93、93に接合されている把持部材101、101は中心に向かって移動し、2つの把持部材101、101間の距離が狭くなり、それによって、把持部材101、101間にあるワークは把持されることになる。
【0041】
よって、この場合にも前記第3の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0042】
尚、本発明は前記第1〜第5の実施の形態に限定されるものではない。
前記各実施の形態の場合には、逆V字状部材と離間配置用部材の組み合わせ、或いは、円弧形状弾性体と離間配置用部材の組み合わせによって、方向変換手段を構成した例を示したが、それに限定されるものではない。
又、逆V字状部材や円弧形状弾性体を使用する場合において、その個数や離間距離についてはワークに応じて任意に設定することになる。
その他図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、産業用ロボットに用いるワーク等の把持装置であるグリッパに係り、特に、その小型化を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、狭隘な空間に設置された産業用ロボットに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1(a)はグリッパの構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)のb−b断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、逆V字部材の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、ソレノイド駆動コイルとソレノイド駆動装置用電源装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、直流24Vから直流5Vへの切替時における電圧過渡変動を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、直流24Vから直流5Vへの切替時における電圧過渡変動を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図6(a)はグリッパの構成を示す平面図、図6(b)は図6(a)のb−b断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す図で、図7(a)はグリッパの構成を示す平面図、図7(b)は図7(a)のb−b断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す図で、円弧形状弾性体の斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す図で、図9(a)はグリッパの構成を示す平面図、図9(b)は図9(a)のb−b断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す図で、図10(a)はグリッパの構成を示す平面図、図10(b)は図10(a)のb−b断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態を示す図で、円弧形状弾性体の斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ハウジング
3 可動部
5 離間配置用部材
7 着座部
9 ギャップ
11 コイル
13 逆V字部材
15 外側辺部
17 内側辺部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備したことを特徴とするグリッパ。
【請求項2】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記リニアモータとしてソレノイドを用いることを特徴とするグリッパ。
【請求項3】
請求項2記載のグリッパにおいて、
上記ソレノイドを駆動するための電源装置は直流電源を入力電源とする過励磁可能なものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項4】
請求項3記載のグリッパにおいて、
上記電源装置はDC/DCコンバータにより降圧電源を作るものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項5】
請求項3記載のグリッパにおいて、
上記電源装置は有接点または無接点の切替器を用いて過励磁と通常励磁を切り替えるものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項6】
請求項3記載のグリッパにおいて、
上記電源装置は負荷コイルにキャパシタを並列に接続したものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項7】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記リニアモータとしてボイスコイルモータを用いることを特徴とするグリッパ。
【請求項8】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記リニアモータとして単相リニアモータを用いることを特徴とするグリッパ。
【請求項9】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は弾性案内機能を持つものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項10】
請求項9記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は逆V字部材を用いたものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項11】
請求項10記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は上記逆V字部材を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするグリッパ。
【請求項12】
請求項9記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は略円弧形状弾性体を用いたものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項13】
請求項12記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は上記略円弧形状弾性体を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするグリッパ。
【請求項14】
請求項12記載のグリッパにおいて、
上記略円弧形状弾性体の中央部を平坦にしたことを特徴とするグリッパ。
【請求項1】
リニアモータと、上記リニアモータにより発生される直線運動を被把持物を把持する為の開閉運動に変換する方向変換手段と、を具備したことを特徴とするグリッパ。
【請求項2】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記リニアモータとしてソレノイドを用いることを特徴とするグリッパ。
【請求項3】
請求項2記載のグリッパにおいて、
上記ソレノイドを駆動するための電源装置は直流電源を入力電源とする過励磁可能なものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項4】
請求項3記載のグリッパにおいて、
上記電源装置はDC/DCコンバータにより降圧電源を作るものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項5】
請求項3記載のグリッパにおいて、
上記電源装置は有接点または無接点の切替器を用いて過励磁と通常励磁を切り替えるものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項6】
請求項3記載のグリッパにおいて、
上記電源装置は負荷コイルにキャパシタを並列に接続したものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項7】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記リニアモータとしてボイスコイルモータを用いることを特徴とするグリッパ。
【請求項8】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記リニアモータとして単相リニアモータを用いることを特徴とするグリッパ。
【請求項9】
請求項1記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は弾性案内機能を持つものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項10】
請求項9記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は逆V字部材を用いたものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項11】
請求項10記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は上記逆V字部材を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするグリッパ。
【請求項12】
請求項9記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は略円弧形状弾性体を用いたものであることを特徴とするグリッパ。
【請求項13】
請求項12記載のグリッパにおいて、
上記方向変換手段は上記略円弧形状弾性体を2つ以上用いてそれらを離間・配置した構成になっていることを特徴とするグリッパ。
【請求項14】
請求項12記載のグリッパにおいて、
上記略円弧形状弾性体の中央部を平坦にしたことを特徴とするグリッパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−233761(P2009−233761A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79506(P2008−79506)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(391008515)株式会社アイエイアイ (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(391008515)株式会社アイエイアイ (107)
【Fターム(参考)】
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