説明

グリル面

【課題】 低い熱膨張定数を有するグリル構成部材を提供する。
【解決手段】 食品を調理するために使用されるグリル構成部材(10)が、低い熱膨張定数を有する材料からなるグリル面(16)を含む。一つの例では、グリル面(16)がInvar(登録商標)からなる。Invar(登録商標)は、鉄と36%のニッケルとからなる合金であり、他の微量な元素を含んでいてもよい。Invar(登録商標)は、低い熱膨張定数を有し、加熱されたときにほとんど移動及び膨張しない。グリル面(16)はさらに、Teflon(登録商標)のようなこびり付き防止コーティング(18)を含んでいる。グリル面はまた、ヒータ(26)上を移動するコンベアベルト(32)であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、食品を調理するために使用される低い熱膨張定数を有するグリル面に関する。
【背景技術】
【0002】
グリルあるいはフライパンは、ハンバーガーのような様々な食品を調理するために使用される。従来のグリルでは、食品の両側が別々にグリルされる。食品は平坦なグリル部分上に配置され、該平坦なグリル部分に接触する食品の片側をグリルする。食品の片側が調理された後、該食品はその反対側を調理するために手でひっくり返される。食品が調理された後、該食品は提供されるために手でグリルから取り除かれる。
【0003】
従来の他のグリルでは、食品の両側が同時にグリルされる。コントロールユニットに食品のタイプをプログラムした後、該食品は下部グリル部分上に配置される。それから、上部グリル部分を有する圧板が食品を覆うように下げられ、食品を上部及び下部グリル部分の間に位置させ、食品の両側を同時にグリルする。圧板を下げた後、上部及び下部グリル部分の間の距離は、コントロールユニットにプログラムされた食品のタイプにしたがって自動的に調整される。予め規定された量の時間が経過した後、圧板が上がり、食品が手でグリルから取り除かれる。
【0004】
また、ヒータ上を移動するコンベアベルトが、食品をグリルするために使用されている。食品のアイテムがコンベアベルトに載せられてヒータ上を移動すると、該食品のアイテムが調理される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グリル面の材料は、一般にステンレススチールである。ステンレススチールを使用することの欠点は、それが高い熱膨張定数を有し、膨張して食品のアイテムから浮き上がってしまう傾向にあることである。これが生じるとき、食品は完全に調理されないかもしれない。低い熱膨張定数を有する材料のグリル面を使用することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
食品をグリルするために使用されるグリル構成部材は、ヒータと、低い熱膨張定数を有する材料からなるグリル面とを備えている。一つの例では、グリル面がInvar(登録商標)からなる。Invar(登録商標)は、鉄と36%のニッケルとからなる合金であり、他の微量な元素を含んでいてもよい。Invar(登録商標)は、低い熱膨張定数を有し、加熱したときにほとんど移動及び膨張しない。グリル面はさらに、Teflon(登録商標)のようなこびり付き防止コーティングを含んでいる。
【0007】
グリル面は、グリル構成部材のグリル構造の周囲に配置されるコンベアベルトであってもよい。グリル構成部材はさらに、ヒータと、駆動プーリと、非駆動プーリとを含む。駆動プーリは、コンベアベルトをグリル構造の周囲で移動させるために駆動モータによって作動され、ヒータ上を移動する面を生じさせる。複数の食品アイテムがコンベアベルトに載せられてヒータ上を移動すると、該複数の食品アイテムが調理される。
【0008】
本発明のこれら及び他の特徴は、以下の明細書及び図面から良く理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、ハンバーガーパティのような複数の食品アイテム12をグリルするために使用されるグリル構成部材10を概略的に示している。グリル構成部材10は、複数の食品アイテム12を調理するためのヒータ14と、低い熱膨張定数を有する適当な材料からなるグリル面16とを含んでいる。
【0010】
一つの例では、グリル面16が、フランス国パリのImphy S.A. Corporationから市販されているInvar(登録商標)からなる。Invar(登録商標)は、鉄と36%のニッケルとからなる合金であり、他の微量な元素を含んでいてもよい。Invar(登録商標)は、低い熱膨張定数を有し、加熱したときにほとんど移動及び膨張しない。Invar(登録商標)が記載されているが、低い熱膨張定数を有する他の適当な材料が使用されていてもよいことは理解できる。
【0011】
グリル面16はさらに、こびり付き防止コーティング18を含んでいる。一つの例では、こびり付き防止コーティング18が、デラウェア州ウィルミントンのE.I. DuPont Nemours and Company Corporationから市販されているTeflon(登録商標)である。しかしながら、他の適当な材料がこびり付き防止コーティング18として使用されていてもよい。
【0012】
図2は、グリル面としてコンベアベルト32を使用した他のグリル構成部材20を示している。グリルコンベアベルト32は、グリル構造24、ヒータ26、駆動プーリ28及び非駆動プーリ30の周囲に配置されている。一つの例では、ヒータ26が、400度の温度の電気抵抗ヒータである。駆動プーリ28は、コンベアベルト32をグリル構造24の周囲で移動させるために駆動モータ34によって作動され、ヒータ26上を移動する面を生じさせる。複数の食品アイテム22がコンベアベルト32に載せられてヒータ26上を移動すると、該複数の食品アイテム22が調理される。
【0013】
コンベアベルト32は、Invar(登録商標)のような低い熱膨張定数を有する任意の適当な材料からなる。コンベアベルト32はさらに、Teflon(登録商標)のようなこびり付き防止コーティング36を含んでいる。
【0014】
図3は、ギャップdによって隔てられた一対のグリル構成部材124a及び124bを含んだ他のグリル構成部材120を概略的に示している。各グリル構成部材124a及び124bは、ヒータ126a及び126bと、駆動プーリ128a及び128bと、非駆動プーリ130a及び130bと、グリル構成部材124a及び124bのそれぞれの周囲に配置されたコンベアベルト132a及び132bとを含んでいる。駆動プーリ128a及び128bは、駆動モータ132a及び132bのそれぞれによって作動され、ヒータ126a及び126b上を移動する面を生じさせる。駆動コントローラ134は、コンベアベルト132a及び132bの速度を同期させるために駆動モータ132a及び132bにコントロール信号を供給する。複数の食品アイテム22がコンベアベルト132a及び132bの間を移動する間に該複数の食品アイテム22がギャップd内を通過することによって、複数の食品アイテム22がグリルされる。複数の食品アイテム22はギャップd内で締め付けられているため、該複数の食品アイテム22はコンベアベルト132a及び132の間で滑らない。
【0015】
本発明のグリル面は、2002年4月17日に出願された係属中の特許出願第10/124,629号“自動グリル”に記載されているような自動グリル内で使用されることができる。
【0016】
Invar(登録商標)のグリル面を利用することの利点がいくつかある。一例として、Invar(登録商標)が低い熱膨張定数を有しているため、加熱されたときにほとんど膨張あるいは移動しないことである。したがって、それが調理中の複数の食品アイテムから浮き上がることがなく、複数の食品アイテム全体の調理を改善する。
【0017】
前述の説明は、本発明の主要部の単なる例示である。多くの修正及び変形が、上述の教示を考慮して可能である。したがって、本発明は、添付された請求の範囲内で、詳細に記載された具体例を使用するよりも他の方法で実行されてもよい。そのような理由により、本発明の請求の範囲は、本発明の真の範囲及び内容を規定するように考慮されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】グリル構成部材の概略図である。
【図2】グリル面としてコンベアベルトを使用したグリル構成部材の概略図である。
【図3】グリル面として一対のコンベヤベルトを含んだグリル構成部材の概略図である。
【符号の説明】
【0019】
10…グリル構成部材
12…食品アイテム
14…ヒータ
16…グリル面
18…こびり付き防止コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリル面(16)と、前記グリル面(16)上に位置するこびり付き防止コーティング(18)とを備え、
前記グリル面(16)が、低い熱膨張定数を有する材料からなる無端部材(32)であることを特徴とするグリル構成部材。
【請求項2】
前記こびり付き防止コーティングがフッ素含有ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のグリル構成部材。
【請求項3】
前記グリル面(16)を加熱するヒータ(26)をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のグリル構成部材。
【請求項4】
前記グリル面(16)がコンベアベルト(32)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグリル構成部材。
【請求項5】
前記無端部材(32)をヒータ(26)上で駆動するためのモータ(34)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグリル構成部材。
【請求項6】
前記グリル面(16)が実質的に平坦であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のグリル構成部材。
【請求項7】
前記グリル面を有する第1のグリル構成部材(124a)と、前記グリル面を有する第2のグリル構成部材(124b)と、をさらに備え、
前記第1のグリル構成部材と、前記第2のグリル構成部材とがギャップ(d)によって隔てられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグリル構成部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−14338(P2009−14338A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237261(P2008−237261)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【分割の表示】特願2003−585551(P2003−585551)の分割
【原出願日】平成15年3月6日(2003.3.6)
【出願人】(504386244)マクドナルズ・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】