説明

グリース組成物およびグリース封入軸受

【課題】高温高速耐久性に優れ、グリース封入軸受のコストダウンが可能であるグリース組成物、および、このグリース組成物を封入したグリース封入軸受を提供する。
【解決手段】本発明のグリース組成物7は、パーフルオロポリエーテル油である基油と、フッ素樹脂粒子である増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなり、上記添加剤は、(1)植物由来のポリフェノール化合物、および、(2)植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物、から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有する。グリース封入軸受1は、内輪2および外輪3と、複数の転動体4とを備え、この転動体の周囲に上記グリース組成物7が封入され、シール部材6が軸方向両端開口部8a、8bに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は転がり軸受に関し、特に、高温で使用する自動車などの電装・補機および複写機の定着ローラに用いる転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
電装・補機である電磁クラッチ、オルタネータ、フライホイールダンパは高温になるため、その電装・補機に用いる転がり軸受の封入グリースには一般にウレア系グリースが使用されている。さらに、200℃付近の超高温になるファンクラッチに用いられる転がり軸受の封入グリースには、増ちょう剤としてフッ素樹脂粒子を用い、基油にパーフルオロポリエーテル油を用いた耐熱性に優れるフッ素グリースが使用されている。
【0003】
また、複写機のヒートローラは熱可塑性樹脂と着色剤からなるトナーを加熱溶融して、圧力により紙面に定着させるため、ローラ軸心にヒータが挿入されており、このヒートローラを支持する転がり軸受は200℃付近の超高温になる。そのため、ヒートローラを支持する転がり軸受には上記フッ素グリースが封入されている。
【0004】
従来、フッ素グリースとして基油にフッ素油とフッ素油より比重が小さく、フッ素油と混合しない油を含有するグリースを封入した玉軸受(特許文献1参照)や、グリースとして基油に芳香族エステル、ポリフェニルエーテル、アルキル化ポリフェニルエーテル、エステル油、およびペルフルオロ−ポリアルキルエーテル油を用い、増ちょう剤にジカルバミドを用い、その他PTFE、ポリイミドなどの固体潤滑剤と一般的な添加剤を用いたグリース(特許文献2参照)などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−21859号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特表2000−514105号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2のような潤滑(グリース)組成物を使用する場合や、これらに従来の酸化防止剤を組み合わせて添加する場合でも、自動車などの電装・補機および複写機の定着ローラなど高温高速回転で使用される軸受に封入した際に、高温高速耐久性について性能を満足させることができない場合がある。
【0007】
また、電装・補機は近年、自動車の小型化、軽量化および静粛性向上の要求に伴い、同様の小型化、軽量化およびエンジンルーム内の密閉化が図られている。その一方、装置の性能自体にも高出力、高効率化の要求が増大している。この電装・補機に用いる転がり軸受に封入される潤滑グリースは、超高温に耐えるものでなければならない。また、200℃付近の超高温になるファンクラッチや複写機のヒートローラを支持する転がり軸受の封入グリースには上記フッ素グリースを用いているが、フッ素グリースは高価であり、グリース組成物および該グリース封入軸受のコストダウンの妨げになる。
【0008】
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、高温高速耐久性に優れ、グリース封入軸受のコストダウンが可能であるグリース組成物、および、このグリース組成物を封入したグリース封入軸受の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のグリース組成物は、パーフルオロポリエーテル(以下、PFPEと記す)油である基油と、フッ素樹脂粒子である増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなるグリース組成物であって、上記添加剤は、(1)植物由来のポリフェノール化合物、および、(2)植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物、から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有することを特徴とする。
【0010】
上記植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物は、1分子内に複数の水酸基を有することを特徴とする。また、上記植物由来のポリフェノール化合物は、クロロゲン酸またはその誘導体であることを特徴とする。また、上記植物由来のポリフェノール化合物は、クルクミンまたはその誘導体であることを特徴とする。また、上記植物由来のポリフェノール化合物は、ケルセチンまたはその誘導体であることを特徴とする。
【0011】
上記化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部であることを特徴とする。
【0012】
上記フッ素樹脂粒子は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)樹脂粒子であることを特徴とする。
【0013】
本発明のグリース封入軸受は、上記グリース組成物が封入されてなることを特徴とする。また、上記グリース封入軸受は、深溝玉軸受であることを特徴とする。また、上記グリース封入軸受は、自動車電装・補機に用いられる転がり軸受であることを特徴とする。また、上記グリース封入軸受は、複写機の定着ローラに用いられる転がり軸受であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のグリース組成物は、PFPE油である基油と、フッ素樹脂粒子である増ちょう剤とからなるベースグリースに、植物由来のポリフェノール化合物、および、植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物、から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有する添加剤が配合されているので、この添加剤を配合しない場合、または、従来の酸化防止剤などを配合した場合よりも耐酸化劣化性を向上させることができ、高温高速下での軸受の長寿命化が図れる。軸受の長寿命化により、低コスト化が図れる。
【0015】
本発明のグリース封入軸受は、耐酸化劣化性に優れる上記グリース組成物を封入しているので、高温高速下において長寿命であり、自動車の電装・補機や複写機の定着ローラなどの高温高速回転で使用される転がり軸受として好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のグリース封入軸受の一実施例を示す深溝玉軸受の断面図である。
【図2】本発明のグリース封入軸受を複写機の定着ローラに適用した例を示す断面図である。
【図3】本発明のグリース封入軸受を電装・補機のオルタネータに適用した例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
グリース封入軸受について、高温高速耐久性に優れ、長寿命化を図る方法を鋭意検討した。この結果、PFPE油である基油と、フッ素樹脂粒子である増ちょう剤とからなるベースグリースに、植物由来のポリフェノール化合物(またはその分解化合物)を含有する添加剤を配合したグリース組成物を封入した転がり軸受を用いて、高温耐久性試験を行なったところ、上記化合物を配合しないフッ素グリースと比較して、軸受寿命を延長できることがわかった。これは、ポリフェノール化合物を配合することにより、ポリフェノール化合物が酸化防止剤としての効果を発揮し、グリースの酸化劣化を抑制できるためであると考えられる。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0018】
本発明において使用できるポリフェノール化合物は、芳香族炭化水素環の水素原子を水酸基(ヒドロキシ基)で置換した、1分子内に複数の水酸基を有する芳香族ヒドロキシ化合物である。ポリフェノール化合物は、ほとんどの植物に含有され、光合成によってできる植物由来の成分である。
【0019】
また、上記植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物は、該ポリフェノール化合物の加水分解などで生成する芳香族または脂環族ヒドロキシ化合物などである。ポリフェノール化合物と同様の作用効果を得るため、該分解化合物においても、1分子内に複数の水酸基を有することが好ましい。
【0020】
本発明において使用できる植物由来のポリフェノール化合物またはその分解化合物としては、例えば、タンニン、エラグ酸、クロロゲン酸、クルクミン、ケルセチン、テアフラビン、アントシアニン、ルチン、リグナン、カテキンなどが挙げられる。また、植物由来のセサミン、イソフラボン、クマリンなどから得られるポリフェノール化合物も使用できる。以上のようなポリフェノール化合物またはその分解化合物は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
これらの中で、より長期間、酸化劣化を抑制できることから、クロロゲン酸またはその誘導体、クルクミンまたはその誘導体、ケルセチンまたはその誘導体を用いることが好ましい。
【0022】
本発明に用いる、クロロゲン酸は化1に、クルクミンは化2に、ケルセチンは化3にそれぞれ示す構造を有する。
【化1】

【化2】

【化3】

【0023】
上記構造式を示したクロロゲン酸、クルクミン、ケルセチンについては、それぞれの誘導体も使用できる。
【0024】
植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部である。上記化合物の配合割合が 0.1 重量部未満であると、高温条件下の用途においてグリースの酸化劣化を効果的に防止できない。上記化合物の配合割合が 5 重量部をこえても潤滑剤の酸化劣化を防止する効果がそれ以上に向上しにくい。
【0025】
本発明のグリース組成物におけるベースグリースは、PFPE油を基油とし、フッ素樹脂粒子を増ちょう剤とする。PFPE油は、脂肪族炭化水素ポリエーテルの水素原子をフッ素原子で置換した化合物であれば使用できる。そのようなPFPE油を例示すれば、以下の化4および化5で示される側鎖を有するPFPE油と、化6から化8で示される直鎖状のPFPE油とがある。これらは単独でもまた混合しても使用できる。m、nは整数である。
【0026】
化4の市販品としてはフォンブリンY(ソルベイ ソレクシス社商品名)、化5の市販品としてはクライトックス(デュポン社商品名)やバリエルタJオイル(NOKクリューバー社商品名)、化6の市販品としてはフォンブリンZ(ソルベイ ソレクシス社商品名)、化7の市販品としてはフォンブリンM(ソルベイ ソレクシス社商品名)、化8の市販品としてはデムナム(ダイキン社商品名)などを例示できる。
【0027】
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【0028】
本発明において増ちょう剤として用いるフッ素樹脂粒子は、上記PFPE油と親和性が高く、高温安定性、耐薬品性を有する粉末が使用できる。フッ素樹脂を例示すれば、PTFE樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのパーフルオロ系フッ素樹脂が好ましく、特に、PTFE樹脂が高温安定性、耐薬品性が優れているため好ましい。
【0029】
上記ベースグリースは、PFPE油を 50〜90 重量%、フッ素樹脂粒子を 50〜10 重量%配することが好ましい。この範囲の配合とすることにより、軸受封入グリースとして洩れが少なく、長時間トルクを下げられる好ましいちょう度に調整できる。
【0030】
また、ポリフェノール化合物とともに、必要に応じて公知のグリース用添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系化合物などの上記ポリフェノール化合物以外の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑剤、金属スルホネート、ポリアルコールエステルなどの防錆剤、有機モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤、りん系化合物などの摩耗防止剤などが挙げられる。これらを単独または 2 種類以上組み合せて添加できる。
【0031】
本発明のグリース組成物は、グリースの耐酸化劣化性を向上できるので、グリース封入軸受の高温高速下での寿命を向上させることができる。このため、玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受、スラスト針状ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などの封入グリースとして使用できる。
【0032】
本発明のグリース組成物が封入されている軸受について図1により説明する。図1は本発明のグリース封入軸受の一実施例を示す深溝玉軸受の断面図である。グリース封入軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。この複数個の転動体4を保持する保持器5が設けられている。また、外輪3に固定されるシール部材6が内輪2および外輪3の軸方向両端開口部8a、8bにそれぞれ設けられている。少なくとも転動体4の周囲に本発明のグリース組成物7が封入される。このグリース組成物7は、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに、上述の植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つを含有する添加剤が配合されている。
【0033】
本発明のグリース封入軸受を利用した定着部材の構造を図2に基づいて説明する。図2は、深溝玉軸受11で軸部9aを支持された定着装置の定着ローラ9を示す。この定着ローラ9はアルミニウムで中空に形成され、中空部に配設されたハロゲンヒータ10によって200℃程度まで加熱されるようになっている。定着ローラ9の両端の軸部9aは内輪12の内径面にすきま嵌めで嵌合され、外輪13が定着装置のフレーム18に固定されている。内輪12と外輪13との間に複数個の転動体14が配置され、この複数個の転動体14を保持する保持器15が設けられている。また、外輪13に固定されるシール部材16が設けられている。少なくとも転動体14の周囲に本発明のグリース組成物17が封入される。このグリース組成物17は、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに、上述の植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つを含有する添加剤が配合されている。
【0034】
本発明のグリース封入軸受の他の実施例として自動車電装・補機であるオルタネータに用いられるグリース封入軸受を図3により説明する。図3はオルタネータの構造の断面図である。オルタネータは、高温のエンジン室内に配設され、静止部材であるハウジングを形成する一対のフレーム19a、19bに、ロータ20を装着されたロータ回転軸26が、一対のグリース封入軸受21、21で回転自在に支持されている。ロータ20にはロータコイル22が取り付けられ、ロータ20の外周に配置されたステータ23には、120°の位相で3巻のステータコイル24が取り付けられている。ロータ回転軸26は、その先端に取り付けられたプーリ25にベルト(図示省略)で伝達される回転トルクで回転駆動されている。プーリ25は片持ち状態でロータ回転軸26に取り付けられており、ロータ回転軸26の高速回転に伴って振動も発生するため、特にプーリ25側を支持するグリース封入軸受21は、苛酷な負荷を受ける。本発明のグリース封入軸受21には、少なくとも転動体の周囲に本発明のグリース組成物が封入される。このグリース組成物は、基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに、上述の植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つを含有する添加剤が配合されている。
【実施例】
【0035】
実施例1〜実施例3
市販のフッ素グリース(NOKクリューバー社製、NOXLUBE BF 2420(基油:PFPE油 増ちょう剤:PTFE樹脂粒子))に、ポリフェノール化合物を表1に示す配合割合で加えてさらに 100℃〜120℃で 10 分間撹拌した。その後冷却し、三本ロールで均質化し、グリース組成物を得た。得られたグリース組成物の高温耐久性試験を行なった。試験方法および試験条件を以下に示す。また、結果を表1に併記する。なお、グリース封入軸受のコスト相対比については、比較例1の場合を基準として、高温高速寿命時間から算出した。
【0036】
<高温耐久性試験>
石油ベンジンでよく洗浄した軸受6204ZZ(軸受寸法:内径 20 mm、外径 47 mm、幅 14 mm)に、得られたグリース組成物を 0.7 g 封入し、軸受外輪外径部温度 200℃、ラジアル荷重 67 N 、アキシアル荷重 67 N の下で 10000 rpm の回転数で回転させ、焼き付きに至るまでの時間を測定した。結果を表1に併記する。
【0037】
比較例1
市販のグリース(NOKクリューバー社製、NOXLUBE BF 2420)を実施例と同様の試験を行なって評価した。結果を表1に併記する。
【0038】
比較例2
市販のグリース(NOKクリューバー社製、NOXLUBE BF 2420)にフェノール系酸化防止剤であるBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を表1の配合割合で加えた。得られたグリース組成物を実施例と同様の試験を行なって評価した。結果を表1に併記する。
【0039】
【表1】

【0040】
表1に示すように、各実施例は、高温耐久性試験において寿命が全て800時間以上の優れた高温耐久性を示した。これは、特定のフッ素グリースを用いたことに加え、添加剤として配合されたポリフェノール化合物が、グリース組成物の酸化劣化を抑制できたことによると考えられる。一方、比較例1および比較例2では、各実施例と比較して寿命が短い結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のグリース組成物は、高温下において耐酸化劣化性に優れ、このグリース組成物を封入する軸受は高温高速下において長寿命であるので、自動車の電装・補機および複写機の定着ローラなどの高温高速回転で使用される転がり軸受として好適に利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 グリース封入軸受(深溝玉軸受)
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
8a、8b 両端開口部
9 定着ローラ
9a 軸部
10 ハロゲンヒータ
11 転がり軸受(深溝玉軸受)
12 内輪
13 外輪
14 転動体
15 保持器
16 シール部材
17 グリース組成物
18 フレーム
19a、19b フレーム
20 ロータ
21 グリース封入軸受(深溝玉軸受)
22 ロータコイル
23 ステータ
24 ステータコイル
25 プーリ
26 ロータ回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーフルオロポリエーテル油である基油と、フッ素樹脂粒子である増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなるグリース組成物であって、
前記添加剤は、植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有することを特徴とするグリース組成物。
【請求項2】
前記植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物は、1分子内に複数の水酸基を有することを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
【請求項3】
前記植物由来ポリフェノール化合物は、クロロゲン酸またはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
【請求項4】
前記植物由来ポリフェノール化合物は、クルクミンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
【請求項5】
前記植物由来ポリフェノール化合物は、ケルセチンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
【請求項6】
前記化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載のグリース組成物。
【請求項7】
前記フッ素樹脂粒子は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載のグリース組成物。
【請求項8】
グリース組成物が封入されてなるグリース封入軸受であって、前記グリース組成物が請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載のグリース組成物であることを特徴とするグリース封入軸受。
【請求項9】
前記グリース封入軸受は、深溝玉軸受であることを特徴とする請求項8記載のグリース封入軸受。
【請求項10】
前記グリース封入軸受は、自動車電装・補機に用いられる転がり軸受であることを特徴とする請求項8または請求項9記載のグリース封入軸受。
【請求項11】
前記グリース封入軸受は、複写機の定着ローラに用いられる転がり軸受であることを特徴とする請求項8または請求項9記載のグリース封入軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−63676(P2011−63676A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214168(P2009−214168)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】