説明

グルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニスト及びその製造方法と用途

本発明はグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストおよびその製造方法を提供し、
薬理試験により、当該アゴニストがグルカゴン類似ペプチドー1受容体との良好な結合能力を有することが明らかになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグルカゴン類似ペプチド−1受容体(GLP-IR)アゴニストに関する。具体的には、非ペプチド類GLP-IRアゴニストに替わる五員複素環誘導体低分子有機化合物を指す。当該化合物はII型糖尿病、インシュリン不敏感、肥満症等糖代謝紊乱に関連な病気薬物に使用される。本発明はGLP-IRの製造方法にも及ぶ。
【背景技術】
【0002】
糖尿病(DM)は常に見られる遺伝傾向のある内分泌病気で、主な病因はインシュリン分泌の絶対又は相対な不足によって、糖、脂肪、蛋白質と後天性のビタミン、水、電解質代謝紊乱を引き起こしたことである。具体的な表現は血糖、尿糖が上昇し、患者は飲食過量、多尿、ノドが渇く及び体がだるいなどの症状がある。人込みの発病率は1%〜5%で、日に日に上昇する傾向がある。この病気は癌、心血管病とともに、世界的な三大疾病と言われている。糖尿病治療の目的は糖代謝紊乱を直すことによって、症状を消し、インシュリン機能回復を促し、インシュリンの抵抗を改善し、より好ましい健康と体力を維持する、及び各併発症を防止することにある。
【0003】
糖尿病は一般にインシュリン依存型(I型、IDDM)とインシュリン非依存型(II型、NIDDM)に分類される。この二種類の糖尿病の発病メカニズムが異なっているから使用薬も下記のように異なっている。
【0004】
I型糖尿病はウイルス感染が遺伝傾向のある人に免疫メカニズムによってインシュリン
細胞の異常反応を起し、インシュリンを破壊し始め、さらに完全機能を失うまで破壊する。約5%の糖尿病がI型に属する。現在、I型糖尿病を治療する薬物は主に外源性インシュ
リン(人インシュリンと動物インシュリンを含む)であり、インシュリン類似作用の薬物、インシュリン類似成長因子−1(TGF−1)、新しい長期有効インシュリン製剤、金が
糖降錠剤などがある。
【0005】
II型糖尿病について、少数は膵島β細胞が直接に損害を受けて、インシュリン分泌を減少させる。多数は上記原因で体内の筋肉、肝臓、脂肪組織のインシュリンに対する敏感性が低下し、グルコースの摂取が減少する。ほとんどの糖尿病患者はII型糖尿病に属する。現在、NIDDMの臨床治療薬物は主にサルフウレア類、ジグアニジン類、他の糖降薬及び補
助用薬などがある。
【0006】
サルフウレア類糖降薬が膵臓β細胞膜の受容体と結合した後、カリウムイオンチャンネルを閉め、カリウムイオンの流出を阻止し、細胞膜の消極化を導き、Ca2+チャンネルの開放を促すから、細胞外のカリウムイオンを内部に流動し、細胞内のカリウムイオン濃度を増加させ、インシュリンの釈放をトリガーする。その発見順番により、二代に分けた、第一代はtolpropa mldeなどがあり、第二代はGlibencla mlde、Gliclazide、Glipizide、Gliquidone等がある。
【0007】
ジグアニジン類糖降薬は食欲を抑制し、インシュリンと受容体の結合を増加し、細胞がグルコースに対する無酸素酵素分解を促し、組織の呼吸を抑制し、レバー糖元の変異を抑制する。主にはmetaglip、phenfor mln とbufo mlnがある。
【0008】
他の糖降薬は主にチアゾリジンジオン類(thazolidinediones)薬物(例えばtroglitazone 、rosiglitazone 、pioglitazone)、β3−アドレナリン受容体調節剤、グルカゴン
受容体アンタゴニスト、脂肪酸代謝インターフェランス薬、α−グルコシダーゼ抑制薬(
例えばacarbose、voglibose 、 mlglitolなど)、アルドーズ還元酵素等がある。
【0009】
最近、糖代謝に関連する内源ペプチドホルモンに対する研究進展が糖尿病の治療に新しい考え筋道を提供した。人体が栄養物質を摂取するに当たって腸内分泌細胞がエンテロペプチドホルモン、主にグルカゴン類似ペプチド−1(Glucagon like Peptide-1,GLP-1)
とグルコース依存のインシュリノトロピクペプチド−1(Glucose-dependant Insulinotropic Peptide,GIP)を釈放し、且つ、これによってインシュリンの生成、胃腸の蠕動、膵島細胞増殖などに作用し、代謝を調節する。その中、GLP-1はランゲルハンス細胞で分泌
され、膵島β細胞GLP-1受容体との高度特異的な結合によりアデニレートシクラーゼを活
性化した後、cAMPを合成し、更にプロテインキナーゼを活性化する。代謝シグナル(糖代謝)とキナーゼシグナル(GLP-1結合)が細胞膜面で協同作用し、最終にCa2+チャンネル
の開放を導いて、Ca2+は内部へ流動し、さらにインシュリンの生成を刺激すると同時にグルカゴンの生成を抑制でき、食事後の血糖を低下させ一定の水平を維持する。また、GLP-1は神経調整機能を備え、胃が空になるのを遅延し、食欲を減少する。これらは糖尿病の
制御に対し、非常に有利である。通常、GLP-1のインシュリン分泌に与える刺激は血糖濃
度に依存されるものであり、血糖濃度の低下によって、GLP-1のインシュリン分泌に対す
る促進作用は低下する。従って、GLP-1の降血糖作用は制限性があり、低血糖現象が発生
しないため、糖尿病の治療立場から見れば、GLP-1に類似する薬物は非常に理想的な糖尿
病治療薬物である。GLP-1Rアゴニストを探すことは既に国際新薬開発機構の注目を集めている。目下、GLP-1Rに対する研究はポリペプチド調整剤に集中し、例えば、Amylin会社のAC2993は既にアメリカで臨床試験(IND)を申請した。これは39−アミノ酸ポリペプチド
であり、GLP-1のインシュリン分泌を促進する作用を備えている。ポリペプチド薬物は内
服が不便、分解しやすいので、非ペプチド類GLP-1R調整剤を探索することは現在の研究の新しい方向である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的はグルカゴン類似ペプチド−1受容体(GLP-1R)アゴニストとして、新規置換五員複素環誘導体低分子有機化合物を設計及び合成する。従って、抗糖尿病薬物研究の先導化合物又は抗糖尿病薬物を探すために道を開く。さらに、本発明は当該類化合物の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に関するグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストの具体的な構造は以下通りである:
【0012】
【化1】

【0013】
式中、Ar1、Ar2は各々フェニル基または置換されたフェニル基を表し、但し、置換されたフェニル基における置換基は以下の基団から選択した一つ、二つ又は三つである。即ちアルキル基;水酸基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルコキシ基又はアルキルアミノ基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基
を含む置換基によって置換されたアルキルアシルオキシ基またはアルキルアシルアミノ基、酸素又はアミノ基によって置換されたC2−C6アルキレン基、フェニル基、ベンジル基、C2−C6アルキレンアシル基、C3−C6シクロアルキルアシル基、ベンゾイル基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基を含む一つ、二つ又は三つ置換基によって置換されたベンゾイル基、ベンジルアシル基、テノイル(thenoyl)基、tert-ブチルオキシカルボニル基(Boc)、アダマンタンホルミル基(
【0014】
【化2】

【0015】
)、マンデルアシル基(
【0016】
【化3】

【0017】
);アルコキシ基;アルキルアミノ基;サイクロアルコキシ基;シクロアルキルアミノ基;アミノ基;アミド基;アルコキシカルボニル基;シクロアルコキシカルボニル基;アルキルアシルオキシ基;アルキルアシルアミノ基;シクロアルキルアシルオキシ基;シクロアルキルアシルアミノ基;ウレイド基;ウレイレン基;アルキルアシル基;ニトロ基;カルボキシ基;アルデヒド基。
XはO、S或いはNHを表す。
YはO、Sを表す。
【0018】
Ar1
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R1は以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、アルコキ
シ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオキシカ
ルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表す。)である場合、
Ar2
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、R2は以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、アルコキ
シ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオキシカ
ルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;X2はO或いはNHを表す。)である。
【0023】
或いはAr2
【0024】
【化6】

【0025】
(式中、R3、R4は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、
アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオ
キシカルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表し、X2はO或いはNHを表す。)である。
【0026】
Ar1
【0027】
【化7】

【0028】
(式中、R5、R6は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、
アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオキ
シカルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミ
ル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表し、X2はO或いはNHを表す。)である場合、
Ar2
【0029】
【化8】

【0030】
(式中、R2は以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、アルコキ
シ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボ
ニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;X2はO或いはNHを表す。)である。
【0031】
或いはAr2
【0032】
【化9】

【0033】
(式中、R3、R4は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、
アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオキ
シカルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表し、X2はO或いはNHを表す。)である。
【0034】
本発明は以下の手段によって実施される。
化学反応式
【0035】
【化10】

【0036】
(式中、Ar1、Ar2は各々フェニル基または置換されたフェニル基を表し、但し、置換されたフェニル基における置換基は以下の基団から選択した一つ、二つ又は三つ、即ち、ニト
ロ基;カルボキシ基;アルデヒド基;オキシ又はアミノ基によって置換されたtert-ブチ
ルオキシカルボニル基;テノイル基;XはO、S或いはNH3を表す。YはO、Sを表す。)に根
拠する、
或いは化学反応式
【0037】
【化11】

【0038】
(式中、R1、R2、R3は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原
子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチル
オキシカルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;XはO或いはNHを表し、YはO又はSを表す。X1、X2、X3は各
々O或いはNHを表し、X4はCl又はOHを表す。)を根拠にした。
【0039】
化合物Iと化合物IIが縮合され、化合物IIIが得られる、化合物Iと化合物IIの縮合反応
は以下の溶媒で行われた。即ち、ジクロロメタン、無水酢酸、テトラヒドロフラン、ジメチルフラン、エチレンジクロライド、トルエン、ベンゼン、水、ジオキサン又は上記溶媒の混合溶媒である。ある場合、ピリジン、N−メチルモルヒリン、塩素蟻酸イソブチルエ
ステル、トリエチルジアミン、ジエチルプロピルエチルアミン又はDMAP等の活性化剤を添加したほうが望ましい。化合物の反応状況に基づき、反応温度は、通常、−78℃〜室温(例えばWng462など)、或いは50℃〜230℃(例えばWng520など)まで加熱する。反応時間
は具体的な反応物によって決まる。通常、TLC分析により反応進行状況を判断し、反応終
了後、吸引ろ過、反応液の濃縮による溶媒除去、抽出、カラムクロマトグラフィなどの後処理方法が利用される。最終生成物IIIはNMRで測定し確認した。
【0040】
本発明に関する置換五員複素環構造単位の合成方法はOrganic Syntheses, CV2, 55.を
参照。
【発明の効果】
【0041】
本発明は新規のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストを設計・合成した。本化合物はGLP-IRと良好な結合能力を持ち、cAMPの合成を促進する。これはII型糖尿病の治療、インシュリン不敏感、肥満症など糖代謝紊乱関連の病気の薬物に使用される。さらに、現在のポリペプチド調整剤薬物の内服が不便、分解し易いなどの欠点を克服した。本発明の化合物は構造が相対的に簡単、製造し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、具体的な実施例を基づいて、本発明を更に詳しく説明するが本発明はこれらに限
られない。
合成例1−3における化合物の製造方法は主に以下の三つの反応方法からなる。
【0043】
反応方法1
【0044】
【化12】

【0045】
化合物I、化合物II、酢酸ナトリウムと無水酢酸を混合させ、溶融(150℃―230℃)ま
で加熱し、溶融状態を1時間保持した後、エタノールを添加し冷却した結果、生成物の結
晶が析出された。吸引ろ過して残った液体を濃縮させ、溶媒を除去して、カラムクロマトグラフィによって分離した。
【0046】
反応方法2
【0047】
【化13】

【0048】
化合物Iをジクロロメタンに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却して、トリフルオロ酢
酸を添加し、室温まで徐々に昇温させた後、TLCで反応追跡し、化合物Iが完全に反応した後、トリフルオロ酢酸を完全に除去した。更に残余物をジクロロメタンに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却して、ピリジン、アシルクロライドを順次に添加し、室温まで徐々に昇温させた後、TLCで反応追跡した。反応物を濃縮させてからカラムクロマトグラフィに
よって分離させ、生成物を得た。
【0049】
反応方法3
【0050】
【化14】

【0051】
化合物Iをジクロロメタンに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却して、トリフルオロ酢
酸を添加し、室温までに徐々に昇温した後、TLCで反応を追跡し、化合物Iが完全に反応した後、トリフルオロ酢酸を完全に除去した。さらに、化合物IIをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却した後、N−メチルモルヒリン(NMM)、塩素蟻
酸イソブチルエステル(ClCOOiBU)を順番に加えた。化合物Iとトリフルオロ酢酸の反応
生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、シリンジで上記混合物に添加し、室温
に反応させた。TLCで反応を追跡し、反応終了後、反応液を濃縮させ、カラムクロマトグ
ラフィによって分離させ、生成物を得た。
【0052】
その中、化合物wang520、wang337、wang405、wang450、wang520−1、wang462−1は反応方法1によって製造され、化合物wang420、wang462、wang524、wang516、wang448、wang568、wang502、wang530、wang504、wang554、wang866、2f、wang582、wang538、wang496は
化合物wang520から、反応方法2によって製造され、化合物wang516−1、wang591は化合物wang520から、反応方法3によって製造された。
【0053】
以下の合成例では、NMRはVarian製Mercury-Vx300Mを用い測定し、NMR基準は:δH/C7.26/77.0ppm(CDCI3);δH/C2.50/39.51ppm(DMSO-d6);δH/C3.31/49.15ppm(Methyl−d3 Alcohol-d)試薬であり、主に上海化学試剤公司が提供、製品の単離は主にカラムクロマトグ
ラフィで行い、用いたシリカゲル(200−300篩目)は青島海洋化学工場支場製の粗空(ZLX-II)型である。
【実施例1】
【0054】
【化15】

【0055】
室温で、化合物II(466 mg, 1.78 mmol)、化合物I(576 mg, 1.96 mmol)、酢酸ナト
リウム(146 mg, 1.78 mmol)と無水酢酸2 mlを混合させ、170℃までに加熱し、溶融してから溶融状態で1時間保持した。その後、エタノール2 mlを添加し、室温までに冷却させた後、黄色固体が析出し、吸引ろ過した。残った液体を濃縮させ、溶媒除去して最初製品を得た。最初製品を石油エ−テル/酢酸エチル(5/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィ
にて分離した結果、生成物wang520が556 mg得られた(収率60%)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3) δ1.54(s, 9H), 3.95(s, 3H), 6.79(br, 1H), 7.16(s, 1H), 7.20(dd, J = 4.8 Hz, 3.9 Hz, 1H), 7.25(d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.53(d, J =9.0 Hz, 2H),
7.63(dd, J = 8.4Hz, 2.1 Hz, 1H), 7.69(dd, J = 4.8 Hz, 1.2 Hz, 1H), 8.02(dd, J =3.9 Hz, 1.2 Hz, 1H), 8.06(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.17(d, J = 1.5Hz, 1H); 13C NMR(75 MHz, CDCI3) δ28.17, 55.79, 81.23, 115.28, 117.92, 119.11, 123.09, 125.74, 128.02, 129.29, 129.41, 132.18, 132.75, 133.29, 133.71, 134.99, 141.57, 143.46, 151.37, 152.08, 159.93, 163.13, 167.46。
【0056】
【化16】

【0057】
室温で、化合物II(466 mg, 1.78 mmol)、化合物I(576 mg, 1.96 mmol)、酢酸ナト
リウム(146 mg, 1.78 mmol)と無水酢酸2 mlを混合させ、200℃までに加熱し、溶融して、溶融状態で1時間を保持した。その後、エタノール2 mlを添加し、室温に冷却した後、液体を濃縮させ、溶媒除去後、最初製品が得られ、最初製品は石油エーテル/酢酸エチル
(5/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離した結果、生成物wang520−1を100 mg得た。油エーテル/酢酸エチル(1/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離し
た結果、生成物wang462−1を158 mg得た。
1H NMR(300 MHz, CDCI3, wang520−1) δ1.50(s, 9H), 3.88(s, 3H), 7.27(s, 1H), 7.33-7.37(2H), 7.69(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.01(d, J = 8.7Hz, 2H), 8.07(d, J =3.9 Hz, 1H), 8.13(d, J = 4.8Hz, 1H), 8.22-8.26(2H), 9.93(s, 1H)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3, wang462−1) δ2.22(s, 3H), 3.91(s, 3H), 7.07(d,J =8.7 Hz,
1H), 7.14(s, 1H), 7.21(m, 1H), 7.42(m, 1H), 7.66(d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.71(d, J = 4.8Hz, 1H), 7.99(d, J =8.7 Hz, 1H), 8.05(m, 1H), 8.10(d, J = 8.4Hz, 2H), 8.19(m, 1H)。
【0058】
【化17】

【0059】
室温で、化合物II(1.46g, 9.6 mmol)、化合物I(1.9 mg, 10.7 mmol)、酢酸ナトリ
ウム(0.8g, 9.8 mmol)と無水酢酸2.8 mlを混合させ170℃まで加熱し、溶融してから溶
融状態で1時間を保持した。その後、エタノール5 mlを添加し、室温までに冷却させた後、黄色固体が析出し、吸引ろ過した結果生成物wang337を2.0g得た(収率62%)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3) δ2.35(s, 3H), 3.97(s, 3H), 7.13(d, J = 8.4Hz, 1H), 7.20
(s, 1H), 7.50-7.56(2H), 7.59-7.65(2H), 8.12-8.15(3H)。
【0060】
【化18】

【0061】
室温で、化合物II(262 mg, 1 mmol)、化合物I(200 mg, 1.1 mmol)、酢酸ナトリウ
ム(82 mg, 1 mmol)と無水酢酸1 mlを混合させ、170℃までに加熱し、溶融してから溶融状態で1時間を保持した。その後、エタノール5 mlを添加し室温までに冷却させた後、黄色固体が析出し、吸引ろ過した。残った液体を濃縮させ、溶媒除去して最初製品を得た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(6/1,体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離
した結果、生成物wang405が265 mg得られた(収率58%)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3) δ3.97(s, 3H), 7.20(dd, J = 4.8Hz, 3.9 Hz, 1H), 7.24(s, 1H), 7.26(d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.51-7.57(2H), 7.60-7.70(3H), 8.02(dd, J =3.6 Hz, 0.9 Hz, 1H), 8.14-8.19(3H)。
【0062】
【化19】

【0063】
室温で、化合物II(262 mg, 1 mmol)、化合物I(250 mg, 1.1 mmol)、酢酸ナトリウ
ム(82 mg, 1 mmol)と無水酢酸4 mlを混合させ加熱し、210℃〜230℃状態で1時間を保持した。その後、エタノール5 mlを添加し、室温までに冷却させた後、黄色固体が析出し、吸引ろ過した結果、生成物wang450が100 mg得られた(収率22%)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3) δ3.97(s, 3H), 7.21(dd, J = 4.8Hz, 3.9 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.37(s, 1H), 7.70(d, J =5.1 Hz, 1H), 7.73(dd, J = 9.9Hz, 1.5 Hz, 1H), 8.02(d, J = 3.9Hz, 1H), 8.09(d, J =1.8 Hz, 1H), 8.33(d, J = 9.0 Hz, 2H), 8.40(d, J = 9.3Hz, 2H)。
【実施例2】
【0064】
【化20】

【0065】
化合物I(50 mg, 0.1 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却して、トリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温した後、TLCで反応を追
跡し、化合物Iが完全に反応した後、反応液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去
して、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却して、ピリジン40μL(0.6 mmol)を加え、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応物を濃縮させ、溶媒を除去することにより、最初製品が得られ、最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(2/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離させた結果、
生成物wang420が38 mg得られた(収率90%)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3) δ3.94(s, 3H), 7.20-7.24(m, 2H), 7.27(d, J = 1.8Hz, 1H), 7.66 (dd, J = 8.1 Hz, 1.5 Hz, 1H), 7.71(dd, J = 4.8 Hz, 0.9 Hz, 1H), 7.76(d, J =9.0 Hz, 2H), 8.03(dd, J = 3.6Hz, 0.9 Hz, 1H), 8.07(d, J = 1.5Hz, 1H), 8.14(d, J
=8.7 Hz, 2H), 8.20(br, 2H)。
【0066】
【化21】

【0067】
化合物I(50 mg, 0.1 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反応
追跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去
して、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(27μL 0.39 mmol)を加え、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応物を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得
た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(1.5/1,体積比)、カラムクロマトグラフィに
て分離させた結果、生成物wang462が26 mg得られた(収率56%)。
1H NMR(300 MHz, CDCI3) δ2.19(s, 3H), 3.88(s, 3H), 7.12(s, 1H), 7.20-7.24(m, 2H), 7.55(d, J = 1.5Hz, 1H), 7.60 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.71(dd, J = 4.8 Hz, 0.9 Hz,
1H), 7.77(br, 1H), 7.97(d, J =8.7 Hz, 2H), 8.03(dd, J = 3.9Hz, 0.9 Hz, 1H), 8.07(d, J = 1.5Hz, 1H); 13C NMR(75 MHz, CDCI3) δ24.66, 55.84, 155.64, 119.55, 120.54, 123.35, 126.15, 128.43, 129.59, 129.87, 132.37, 133.12, 133.52, 134.26, 135.41, 141.85, 143.13, 151.63, 160.63, 163.28, 167.60, 168.99。
【0068】
【化22】

【0069】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反
応追跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除
去して、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(23μL ,0.2 mmol)を添加し、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応液を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品
を得た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(5/1,体積比)、カラムクロマトグラフィ
にて分離させた結果、生成物wang524が15 mg得られた(収率36%)。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ3.90(s, 3H), 7.22 (d, J = 5.4Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.39-7.44(1H), 7.50-7.58(2H), 7.83 (d, J = 8.4 Hz), 7.98 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.04-8.22(7H), 10.74(s, 1H)。
【0070】
【化23】

【0071】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反
応追跡し、化合物Iが完全に反応してから、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に
除去して、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(25μL 0.2 mmol)を加え、室温までに徐
々に昇温させて、TLCで反応を追跡した。反応液を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を
得た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(4/1,体積比)カラムクロマトグラフィにて
分離させた結果、生成物wang516が25 mg得られた(収率62.5%)。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ1.57(m, 2H), 1.63-1.77(m, 4H), 1.80-1.89(m, 2H), 2.84(m, 1H), 3.89(s, 3H), 7.31(m, 2H), 7.40(d, J = 8.4Hz, 1H), 7.86 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.94 (dd, J = 8.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 3.9 Hz, 1.2 Hz, 1H), 8.07(d, J = 9.0 Hz, 2H), 8.10 (dd, J = 4.8 Hz, 1.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.8 Hz, 1H),
10.35(s, 1H); 13C NMR(75 MHz, DMSO-d6) δ25.62, 30.00, 55.97, 115.74, 118.71, 1
19.04, 123.52, 125.27, 128.51, 128.77, 129.24, 131.19, 132.78, 133.34, 135.43, 135.50, 140.86,144.42,151.04,159.24, 162.91, 166.93, 175.11。
【0072】
【化24】

【0073】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温まで徐々に昇温させ、TLCで反応追跡
し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去して
、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(23μL 0.2 mmol)を加え、室温まで徐々に昇温さ
せ、TLCで反応を追跡した。反応液を濃縮させ、溶媒を除去してから最初製品をえた。最
初製品を石油エーテル/酢酸エチル(4/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離
させ結果、生成物wang488が25 mg得られた(収率64%)。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ0.80(m, 2H), 0.85(m, 2H), 1.84(m, 1H), 3.88(s, 3H), 7.28(s, 1H), 7.32(dd, J = 5.1Hz, 3.9Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.85 (d, J
= 8.7Hz, 2H), 7.92 (dd, J = 8.4Hz, 1.5 Hz, 1H), 8.04(m, 1H), 8.05(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.11 (dd, J = 4.8 Hz, 1.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 10.68(s, 1H); 13C NMR(75 MHz, DMSO-d6) δ7.78, 14.83, 55.97, 115.71, 118.73, 118.93, 123.53,
125.32, 128.54, 128.81, 129.32, 131.22,132.80, 133.36, 135.46, 135.53, 140.88, 144.24, 151.05, 159.29, 162.91, 166.96, 172.44。
【0074】
【化25】

【0075】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追
跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去し
て、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(23μL 0.2 mmol)を加え、室温までに徐々に昇
温させて、TLCで反応を追跡した。反応物を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得た。
最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(4/1,体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離
させた結果、生成物wang568が26 mg得られた(収率57%)。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ3.95(s, 2H), 4.13(s, 2H), 4.68(s, 2H), 7.18(s, 1H), 7.19−7.26(m, 2H), 7.39−7.50(m, 5H), 7.63(dd, J = 6.9Hz, 0.9Hz, 1H), 7.69(d, J = 4.8 Hz, 0.9 Hz, 1H), 7.74(d, J = 9.0Hz, 2H), 8.01 (dd, J = 3.6Hz, 1.2 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.16 (d, J = 1.5Hz, 1H), 8.56(s, 1H)。
【0076】
【化26】

【0077】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追
跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去し
て、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(23μL 0.2 mmol)を添加し、室温までに徐々に
昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応物を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得
た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(4/1,体積比)、カラムクロマトグラフィにて
分離させた結果た結果、生成物wang502が22 mg得られた(収率56%)。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ1.81−1.94(m, 2H), 2.12−2.28(m, 4H), 3.29(m, 1H), 3.89(s, 3H), 7.31(s, 1H), 7.33(m, 1H), 7.40(d, J = 7.5Hz, 1H), 7.87(d, J =8.1 Hz, 2H), 7.94(d, J = 8.1Hz, 2H), 8.04-8.08 (2H), 8.12 (d, J = 5.1Hz, 1H), 8.19(s, 1H) , 10.20(s, 1H)。
【0078】
【化27】

【0079】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追
跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去し
て、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(23μL 0.2 mmol)を加え、室温までに徐々に昇
温させた後、TLCで反応を追跡した。反応液を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得た
。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(4/1,体積比)、カラムクロマトグラフィにて分
離させた結果、生成物wang530が24 mg得られた(収率57%)。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ1.20−1.48(6H), 1.65−1.81(4H), 2.39(m, 1H), 3.89(s, 3H), 7.32(s, 1H), 7.34(m, 1H), 7.41(d, J = 8.4Hz, 1H), 7.87(d, J =8.1 Hz, 2H), 7.95(d, J = 8.1Hz, 1H), 8.04 (m, 1H), 8.08 (d, J = 8.7Hz, 2H), 8.12(d, J =4.8Hz, 1H), 8.20(m, 1H) , 10.31(s, 1H)。
【0080】
【化28】

【0081】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追
跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去し
て、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(23μL 0.2 mmol)を添加し、室温までに徐々に
昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応物を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得
た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(6/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィに
て分離させた結果、生成物wang504が4 mg得られた(収率10%)。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ1.34(s, 9H), 3.94(s, 3H), 7.15(s, 1H), 7.20(dd,J = 4.8Hz, 3.6Hz, 1H), 7.23(s, 1H), 7.58(br, 1H), 7.64−7.69(2H), 7.72(d, J = 8.7Hz, 2H), 8.02(dd, J = 3.6Hz, 1.5Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.0Hz, 2H), 8.11(d, J =1.8Hz, 1H)。
【0082】
【化29】

【0083】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて
冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追
跡し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去し
て、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してか
らピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(27μL 0.2 mmol)を加え、室温までに徐々に
昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応物を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得
た。最初製品をCH2Cl2、カラムクロマトグラフィにて分離させた結果、生成物wang554が4
0 mg得られた(収率89%)。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ3.83(s, 3H), 6.28(s, 1H), 7.05(s, 1H), 7.16(d,J = 8.1Hz, 1H), 7.20(dd, J = 5.1Hz, 3.6Hz, 1H), 7.39−7.41(2H), 7.50−7.55(3H), 7.60(d, J
= 9.0Hz, 2H), 7.71(dd, J = 5.1Hz, 1.2Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.4Hz, 2H), 7.99(d, J =1.2Hz), 8.03(dd, J = 3.6Hz, 0.9Hz, 2H), 8.24(s, 1H), 8.42(s, 1H)。
【0084】
【化30】

【0085】
化合物I(52 mg, 0.1 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追跡
し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去して
、更に反応中間体をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからピリジン40μL(0.6 mmol)、化合物II(10 mg, 0.2 mmol)を加え、室温までに徐々に昇温させた後、TLCで反応を追跡した。反応液を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得た。
最初製品をCH2Cl2、カラムクロマトグラフィにて分離させた結果、生成物wang866が19 mg得られた(収率44%)。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ3.89(s, 6H), 7.33(dd, J = 4.8Hz, 3.9Hz, 2H), 7.36(s, 2H), 7.41 (d, J = 8.4Hz, 2H), 7.93−7.96(2H), 7.96(d, J = 8.7Hz, 4H), 8.04(dd, J
= 3.3Hz, 0.9Hz, 2H), 8.12(dd, J = 4.8Hz, 0.9Hz, 2H), 8.17(d, J = 8.7Hz, 4H), 8.20(d, J = 1.8Hz, 2H), 11.66(s, 2H)。
【0086】
【化31】

【0087】
同じ方法で化合物
【0088】
【化32】

【0089】
とトリフルオロ酢酸の反応生成物leq(当量)とl.5eq(当量)の塩化アセチルから2fを
合成した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ1.41(t, J = 6.9Hz, 3H), 2.24(s, 3H), 4.18(q, J =6.9Hz, 2H), 7.11(s, 1H), 7.19(m, 1H), 7.45(m, 2H), 7.62−7.70(4H), 8.02(m, 1H), 8.08(d,
J = 9.0Hz, 2H) (収率56%)。
【0090】
【化33】

【0091】
同じ方法で化合物wang520とトリフルオロ酢酸の反応生成物leq(当量)と、l.5eq(当
量)のアダマタンホルミルクロライドからwang582を製造した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ1.76(6H), 1.99(6H), 2.12(3H), 3.95(s, 3H), 7.14−7.23(2H), 7.54(s, 1H),7.61−7.70(2H), 7.73(d, J =9.0Hz, 2H), 8.02(dd, J = 3.9Hz, 1H) ,
8.09(d, J = 9.0Hz, 2H) , 8.12(d, J = 1.8Hz, 1H),(収率38%)。
【0092】
【化34】

【0093】
同じ方法での化合物wang520とトリフルオロ酢酸の反応生成物leq(当量)と、l.5eq(
当量)のベンジルアセチルクロライドII からwang538を製造した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ3.78(s, 2H), 3.92(s, 3H), 7.16(s, 1H), 7.19−7.24(2H), 7.34−7.74(6H), 7.59(d, J =8.7Hz, 2H), 7.62(m, 1H), 7.70(d, J = 4.8Hz, 1H) , 8.02(d, J = 8.7Hz, 2H) ,8.13(m, 1H),(収率58%)。
【0094】
【化35】

【0095】
同じ方法で化合物wang520とトリフルオロ酢酸の反応生成物とleq(当量)、l.5eq(当
量)の塩素アセチルクロライドからwang496を製造した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ3.89(s, 3H), 4.36(s, 2H), 7.34(s, 1H), 7.41(d,J =8.1Hz,
1H), 7.88(d, J = 9.0Hz, 2H) , 7.93−7.98(2H), 8.05(m, 1H), 8.12(d, J = 7.5Hz, 2H) , 8.22 (m, 1H), 8.89 (m, 1H), 10.95(s, 1H),(収率70%)。
【実施例3】
【0096】
【化36】

【0097】
化合物I(40 mg, 0.08 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴にて冷却してからトリフルオロ酢酸1 mlを添加し、室温までに徐々に昇温させ、TLCで反応追跡
し、化合物Iが完全に反応した後、溶液を濃縮させ、トリフルオロ酢酸を完全に除去した
。化合物II(19μL 0.16 mmol)をテトラヒドロフラン2 mlに溶解させ、−20℃の氷塩浴
にて冷却し, 同じ温度で10分間攪拌した後、N−メチルモルヒリン(NMM)(53μL 0.48 mmol)、塩素蟻酸イソブチルエステル(ClCOOiBU)(21μL 0.16 mmol)を加えた。続けて−20℃で半時間攪拌した。化合物Iとトリフルオロ酢酸の生成物をテトラヒドロフラン1mlに溶解させてしシリンジを用い、上記混合物に添加し室温でおよそ15時間反応させた。
反応物を濃縮させ、溶媒を除去して最初製品を得た。最初製品を石油エーテル/酢酸エチ
ル(5/1, 体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離させた結果、生成物wang516-1が12 mg得られた(収率30%)。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ1.74(s, 3H), 1.87(s, 3H), 3.18(d, J = 7.8Hz, 2H), 3.95(s, 3H), 5.42(m, 1H), 7.19(s, 1H), 7.20−7.27(2H), 7.63(2H), 7.65(d, J = 1.8Hz, 1H), 7.70(d, J = 8.4Hz, 2H), 8.02(dd, J = 3.6Hz, 0.9Hz, 1H), 8.09(d, J = 9.0Hz, 2H), 8.16(d, J = 2.1Hz, 1H)。
【0098】
【化37】

【0099】
同じ方法で化合物wang520とトリフルオロ酢酸の反応生成物leq(当量)と、2eq(当量
)のBoc-Ala-OHからwang591を製造した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ 1.45(d, J =6.9Hz, 3H), 1.48(s, 9H), 3.95(s, 3H), 4.35 (m, 1H), 4.98(d, J =7.8Hz, 1H), 7.15(s, 1H),7.20(dd, J = 4.8Hz, 3.9Hz, 1H) , 7.24(d, J = 8.4Hz, 1H) , 7.62(d, J = 1.8Hz, 1H), 7.67(d, J = 8.1Hz, 2H) , 7.70(d, J
= 1.5Hz, 1H), 8.02(dd, J = 3.9Hz, 1.2Hz, 1H) , 8.05(d, J = 8.7Hz, 2H), 8.12(d, J = 2.1Hz, 1H) ,9.04 (br, 1H),(収率18%)。
【実施例4】
【0100】
【化38】

【0101】
wang568(11 mg, 0.02 mmol)をジクロロメタン2 mlに溶解させ、−70℃に10分間冷却
した後、0.2 ml(1M)BCI3/n-ヘキサン溶液を加え、また−78℃に10分間反応させ、−18℃にまで昇温させ、さらに4時間反応させた。エ−テル2 mlを加え反応を中止し、室温で30分攪拌してから5 ml水を添加した。水相と有機相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出し、有機相と合一させ、無水 MgSO4で乾燥させて有機相を濃縮した。最初製品を石油エーテル/酢酸エチル(1/2,体積比)、カラムクロマトグラフィにて分離させた結果、生
成物wang477が得られた。(1.5 mg、収率17%)。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ1.86 (br, 1H), 3.95(s, 3H), 4.26 (s, 2H), 7.18(s, 1H), 7.20(dd, J = 8.7Hz, 4.8Hz, 1H) , 7.23(d, J = 3.3Hz, 1H) , 7.63(d, J = 8.1Hz, 1H), 7.71(dd, J = 5.1Hz, 1.5Hz, 1H) , 7.75(d, J = 8.7Hz, 2H), 8.02(d, J = 3.6Hz, 1H) , 8.08(d, J = 8.7Hz, 2H), 8.14(m, 1H) , 8.57 (br, 1H)。
【0102】
【化39】

【0103】
wang591(3mg)をジクロロメタン1.5 mlに溶解させ、氷浴中5分間冷却した後、トリフ
ルオロ酢酸0.15 mlを添加し、室温までに昇温させ、TLCで反応進行を追跡し、原料がなくなったことを確認した後、溶媒とリフルオロ酢酸を完全に乾燥させて、生成物wang605を2
mg 得た(収率65%)。
1H NMR(300 MHz, Methyl-d3 Alcohol- d) δ 1.63(d, J = 7.2Hz, 3H), 3.95(s, 3H), 4.09 (m, 1H), 7.265(s, 1H), 7.267(d, J = 8.7Hz, 1H) , 7.29(d, J = 8.1Hz, 1H) , 7.81(dd, J = 8.7Hz, 2.1Hz, 1H), 7.87(d, J = 9.0Hz, 2H) , 7.91(dd, J = 5.1Hz, 1.2Hz,
1H), 8.01(dd, J = 3.6Hz, 0.9Hz, 1H) , 8.16(d, J = 9.3Hz, 2H), 8.25(d, J = 2.1Hz, 1H),。
[実施例4] 生物活性測定試験
1. レポータージーン エクスプレッション検定
GLP―1RはGLP―1又はアゴニストと結合した後、そのGαサブ単位が活性化され、アデニルサイクラーゼに刺激を与える、かつ細胞内cAMPのレベルを上昇させる。前インシュリン遺伝子のプロモ−タゾ−ンにcAMP反応素子が存在しているので、cAMPは当該反応素子と結合した後、前インシュリン遺伝子の遺伝子転写をプロモートし、グルコースに対する膵島β細胞の敏感性を向上させ、インシュリンのエクスプレッションと分泌を促す(Diabetes,2000,Vol.49:1156-1164)。スクリーンモデルは安定ZS GLP−IR受容体遺伝子エクスプ
レッション担体と、cAMP反応素子で調整されたホタル・ルシフェラーゼレポータージーン
エクスプレッション担体の人胚腎細胞株を用い、測定された化合物に対する反応を検定する(Cell Biology, 1992, Vol.89: 8641-8645; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1987,
Vol.84: 3434-3438)。化合物をスクリーニングする時、ホタル・ルシフェラーゼレポータージーン エクスプレッションを誘導できるものはGLP―1 アゴニスト活性を有すると評価する。
【0104】
1.1 試験材料と機器
細胞株:GLP−IRとホタル・ルシフェラーゼが安定に表現できるHEK 293/GLPIR+Luc細胞株(国家新薬選別センター)
胎牛血清(GIBCO/BRL会社)
DMEM培基(GIBCO/BRL会社)
Steady-gloTM ホタル・ルシフェラーゼ分析システム(Promega会社)
GLP−1基準品(Sigma会社)
G418(Invitrogen会社)
Forma二酸化炭素培養容器(Form会社)
Victor 読み出し機(Wallac会社)
測定される化合物:wang524、wang520、wang462、2f、wang516、wang516-2、wang502、wang504。
【0105】
1.2 試験方法
HEK293/GLPIR+Luc細胞は20000個/100μl/穴 で96穴アッセイプレートに入れ、10%胚牛
血清と500μg/ ml G418nのDMEM培基、37℃で一晩培養した。測定されるwang516-2、wang502、wang504はそれぞれ2mM、1mM、0.3mM、0.01mM、0.003mMに希釈し、外の化合物は1:3
の比率から始め、8段階(30mM、10mM、3mM、1mM、0.3mM、0.1mM、0.03mM、0.01mM)に希
釈して、1μl/穴で上記96穴微量アッセイプレートに加入した。37℃、5%CO2の条件で6時間培養した。Steady-gloTM ホタル・ルシフェラーゼ分析システム試薬キットの説明によ
ってホタル・ルシフェラーゼ活性を検定し、Victor 2にて読み出した。陽性コントロールとしては30n MGLP-1基準品を用いた。
【0106】
1.3 試験結果
測定した化合物のレポーター遺伝子試験結果は図1と表1に示した:
図1から、最終濃度が30μMのwang520は一番よい相対活性(94%)を用い、2fの活性(21
%)は明らかに上昇したことを分かる。尚、表1に表示されたすべての化合物はGLP−1Rのアゴニスト活性に対し、試薬量の依存性を持ち、その中にwang520、wang516、wang516、wang554、wang488、wang516−2、wang502及びwang504の半数が有効な試薬量(EC50)が共
に10μMより低い。この結果は化合物とGLP−IR相互作用の有利な構造を確定するための方向を明らかにした。
【0107】
【表1】

【0108】
2. 細胞内cAMP濃度の測定
上記測定はレポーター遺伝子のエクスプレッション状況によって間接に細胞内のcAMPレベルを判断するので、間接的な検定方法である。活性物質は確実に細胞内のcAMP濃度を向上できることを確認するため、直接cAMP検定試薬キットで何回も測定してから確定した。
【0109】
2.1 試験材料と機器
cAMP検定試薬キット(Applied Biosystems 会社)
Forma 二酸化炭素培養箱(Forma 会社)
Victor 2読み出し機 (Wallc 会社)
GLP−IRと、ホタル・ルシフェラーゼが安定に表現できるHEK293細胞株(国家新薬選
別センター)
検定化合物:2f
cAMP 基準品(試薬キット備え)(Applied Biosystems 会社)
2.2 試験方法
HEK293細胞を20000個/100ul/孔で96穴アッセイプレートに植え、37℃で一晩培養した。ジメチルスルホキシドで2fを1.00E−03M、1.00E−04M、1.00E−05M、1.00E−06M、1.00E
−07Mまで希釈させ、1ul/孔で上記96穴アッセイプレートに添加した。5%二酸化炭素の条件で1時間培養した。cAMP-screen direct TM system試薬キットの説明に基づいて細胞内cAMPの濃度レベルを測定した。
【0110】
2.3 試験結果
細胞内cAMP濃度の測定結果は図2に示した。図2から2f濃度の増加に従い、刺激されたcAMP濃度が指数で上昇した。これは本化合物がGLP-IRアゴニストとしてGLP-IRシグナル伝達作用に対して一定の作用を持っていることを示唆した。2f濃度を30μMと100μMまでに高
めた場合、cAMP濃度が低下の傾向を示した。これは高濃度2f細胞の毒作用の結果である。
【0111】
3. 配合体結合活性測定
活性物質が受容体に対する結合能力を確定するために、大量のGLP−1Rエクスプレッシ
ョン細胞を製造し、125IマーキングGLP−1を配位基とすると同時に測定化合物を添加した。測定化合物は125IマーキングGLP−1と競争して結合を行う場合、細胞膜におけるアイソトープ標記が減少される。これによって化合物が受容体に対する親合力(J Mol Bndocrinol.2000 VoI.25;321-35)を評価できる。
【0112】
3.1 試験材料と機器
HEK293/GLPIR+Luc 細胞株(国家新薬選別センター)
標記化合物:125IマキングGLP−1(Amersham Biosciences会社)
Wallac mlcro Bata (perkin EIner会社)
Tom tech細胞収集器(Tom Tec会社)
測定緩衝液:
20mM tris-HCl(pH7.4)(上海生工生物工程技術服務有限公司)、100 mM NaCl(上海化
学試剤公司)、2mM ジオキシピリドキシン(deoxypyridoxine)(Sigma公司)、0.2mM フ
ェニルメチルサルフォニルフロライド(phenylmethylsulfonylfluoride)(Sigma公司)、
アプロチニン(上海生工生物工程技術服務有限公司)(1μg/ ml)、ルペプチン(leupeptin)(上海生工生物工程技術服務有限公司)(1μg/ ml)。
【0113】
洗浄溶液:
20mM tris-HCl(pH7.4)、100 mM NaCl、15mM NaF
シンチレーション液:(Wallac公司)
測定化合物はジメチルスルホキシドで希釈され、濃度グレードが0.1 mM、1 mM、1 0mM
、100 mM、1000 mM、10000 mM、100000mMである。
【0114】
3.2 試験方法
105 ロガリズム成長期のHEK293/GLPIR+Luc細胞を取り、25℃で、200μl の測定緩衝液において、125I標GLP−I陽性ペプチド(最終濃度40pM)と共に、4時間インキュベーター
すると同時に、非標記陽性ペプチド又は選別薬物を加える。細胞収集器を使用し、洗浄液で細胞を三回洗浄する。シンチレーション液を添加し、 mlcrobataカウンターにて穴毎の示度を読み出す。
【0115】
3.3 試験結果
受容体結合試験結果は表3に示した。表3に示された結果から2fがGLP―1Rに対し比較的
な良い親和活性を備え、wang520、wang516の作用は少し弱い、ほかの化合物は測定濃度範囲に基本的に結合してないことを分かる。
【0116】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】図1は化合物のレポータージーン エクスプレッション検定結果で、GLP−IRに対する化合物の激励活性を評価するためのものである。30nM陽性標品GLP−Iによって誘導されたホタル・ルシフェラーゼの相対活性を100%とした。
【図2】図2は化合物2fの293/ GLP−IR細胞内のcAMP濃度に対する影響を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】

(式中、Ar1、Ar2は各々フェニル基または置換されたフェニル基を表し、但し、置換されたフェニル基における置換基は以下の基団から選択した一つ、二つ又は三つである、即ちアルキル基;水酸基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルコキシ基又はアルキルアミノ基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキルアシルオキシ基またはアルキルアシルアミノ基、酸素又はアミノ基によって置換されたC2−C6アルキレン基、フェニル基、ベンジル基、C2−C6アルキレンアシル、C3−C6シクロアルキルアシル基、ベンゾイル基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ置換基によって置換されたベンゾイル基、ベンジルアシル基、テノイル基、tert-ブチルオキシカルボニル基(Boc)、アダマンタンホルミル基、マンデルアシル基;アルコキシ基;アルキルアミノ基;サイクロアルコキシ基;シクロアルキルアミノ基;アミノ基;アミド基;アルコキシカルボニル基;サイクロアルコキシカルボニル基;アルキルアシルオキシ基;アルキルアシルアミノ基;シクロアルキルアシルオキシ基;シクロアルキルアシルアミノ基;ウレイド基;ウレイレン基;アルキルアシル基;ニトロ基;カルボキシ基;アルデヒド基;
XはO、S或いはNHを表す、
YはO、Sを表す。)で表されることを特徴とするグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニスト。
【請求項2】
Ar1
【化2】

(式中、R1は以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、アルコキ
シ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボニル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基
;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表す。)である場合、
Ar2
【化3】

(式中、R2は以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、アルコキ
シ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボニル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基
;マンデルアシル基;X2はO或いはNHを表す。)である、
或いはAr2
【化4】

(式中、R3、R4は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、
アルコキシ基または水酸基を含む置換基によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボニル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホル
ミル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表し、X2はO或いはNHを表す。)であることを特徴とする請求項1記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニスト。
【請求項3】
Ar1
【化5】

(式中、R5、R6は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、
アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボニル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミ
ル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表し、X2はO或いはNHを表す。)である場合、
Ar2
【化6】

(式中、R2は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、アル
コキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;アルコキシ基又はアル
キルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボニル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基
;マンデルアシル基;X2はO或いはNHを表す。)である、
或いはAr2
【化7】

(式中、R3、R4は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、
アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;tert-ブチルオキシカルボニル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミ
ル基;マンデルアシル基;X1はO或いはNHを表し、X2はO或いはNHを表す。)であることを特徴とする請求項1記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニスト。
【請求項4】
化合物
【化8】

とAr1CHOを縮合して獲得する、
(式中、Ar1、Ar2は各々フェニル基または置換されたフェニル基を表し、但し、置換されたフェニル基における置換基は以下の基団から選択した一つ、二つ又は三つ、即ちニトロ基;カルボキシ基;アルデヒド基;オキシ又はアミノ基によって置換されたtert-ブチル
オキシカルボニル基;テノイル基;XはO、S或いはNH3を表し、YはO或いはSを表す。)こ
とを特徴とする請求項1記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストの製造方法

【請求項5】
化合物
【化9】

は、化合物
【化10】

とトリフルオロ酢酸の反応生成物と化合物R1COX4と縮合することによって得られる(式中、R1、R2、R3は各々以下の任意置換基であり、即ち、H;アルキル基;ハロゲン原子、ア
ルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキル基;C2−C6アルキレン基;C3−C6シクロアルキル基;フェニル基;ベンジル基;アルキルアシル基;ハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基を含む基団によって置換されたアルキルアシル基;C2−C6アルキレンアシル基;C3−C6シクロアルキルアシル基;ベンゾイル基;tert-ブチルオキシ
カルボニル基;アルコキシ基又はアルキルアミノ基を含有する一つ、二つ又は三つ基団によって置換されたベンゾイル基;ベンジルアシル基;テノイル基;アダマンタンホルミル基;マンデルアシル基;XはO或いはNHを表し、YはO又はSを表す、X1、X2、X3は各々O或いはNHを表し、X4はCI又はOHを表す。)ことを特徴とする請求項1記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストの製造方法。
【請求項6】
縮合反応溶媒はジクロロメタン、無水酢酸、テトラヒドロフラン、ジメチルフラン、エチレンジクロライド、トルエン、ベンゼン、水、ジオキサン又は上記溶媒の混合溶媒であることを特徴とする請求項4または5記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストの製造方法。
【請求項7】
反応温度は−78℃〜室温或いは加熱温度は50℃〜230℃であることを特徴とする請求項
4または5記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストの製造方法。
【請求項8】
縮合反応するにはピリジン、トリエチルジアミン、ジエチルプロピルエチルアミン、DMAP、N−メチルモルヒリン、塩素蟻酸イソブチルエステル等活性化剤を使用することを特
徴とする請求項4または5記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストの製造方
法。
【請求項9】
請求項1記載のグルカゴン類似ペプチド−1受容体アゴニストを使用したことを特徴とするII型糖尿病、インシュリン不敏感、肥満症等の糖代謝紊乱に関連する病気の薬物。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−523828(P2007−523828A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511631(P2005−511631)
【出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【国際出願番号】PCT/CN2003/001115
【国際公開番号】WO2005/056537
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(506201884)中国科学院上海薬物研究所 (9)
【Fターム(参考)】