説明

ケイ素含有組成物を有する発光デバイスの製造方法

発光デバイスの製造方法を開示する。該方法は、発光ダイオードを提供する工程と、光学要素を提供する工程と、光学要素を発光ダイオードに光重合可能な組成物で取り付ける工程と、該光重合可能な組成物は、ケイ素含有樹脂及び金属含有触媒を含み、該ケイ素含有樹脂は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含む、該ケイ素含有樹脂内でヒドロシリル化を開始するために700nm以下の波長を有する化学線を適用する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光デバイスの製造方法、特に、光学要素を発光ダイオード(LED)に、重合可能なケイ素含有組成物で取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを備える発光デバイスは部分的に光源として望ましく、その理由は、それらのサイズが比較的小さく、低電力/電流要件、迅速な応答時間、長寿命、堅固なパッケージング、種々の利用可能な出力波長、及び最新の回路基板と適合するからである。これらの特性は、それらが過去数十年にわたって、多数の異なる最終用途の応用において広く用いられてきたことを説明する一助となり得る。LEDに対する改良は、効率性、輝度、及び出力波長の分野において引き続き行われており、潜在的な最終用途の応用の範囲が更に拡大している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
LEDを備える発光デバイスを製造するのに使用し得る、光化学的及び熱的に安定な組成物に対する必要性が存在する。特に、光学部品をLEDに取り付けるのに使用し得る材料に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発光デバイスの製造方法を本明細書に開示する。該方法は、LEDを提供する工程と;光学要素を提供する工程と;光学要素を発光ダイオードに光重合可能な組成物で取り付ける工程と、該光重合可能な組成物は、ケイ素含有樹脂及び金属含有触媒を含み、該ケイ素含有樹脂は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含む;該ケイ素含有樹脂内でヒドロシリル化を開始するために700nm以下の波長を有する化学線を適用する工程とを含む。該化学線は、光学要素が取り付けられる前、後、又は前後に適用されてよい。
【0005】
本明細書に開示される方法は、そこに光学要素が取り付けられるLEDを備える発光デバイスを提供する。該光学要素は、レンズ、多層光学フィルムもしくは輝度向上フィルムのような光学フィルム、蛍光反射体アセンブリー(phosphor-reflector assembly)、又はそれらの組み合わせを備えてよい。該発光デバイスは様々なやり方で、例えばセラミックもしくはポリマーのパッケージ内、又は回路基板上に実装されるLEDを備えてよい。該光学要素は該LEDと接触してよく、又は該LEDから離間してよい。
【0006】
該方法は、たとえ比較的低い温度であっても比較的迅速な硬化機構を有する光重合可能な組成物を使用して、光学要素をLEDに取り付ける方法を提供する。
【0007】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の「発明を実施するための最良の形態」から明らかになるであろう。しかし、上記要約は、請求項に記載された主題に関する限定として決して解釈されるべきではなく、この主題は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、出願中に補正されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書において開示されるのは、重合可能なケイ素含有組成物でLEDに取り付けられる光学要素を備える発光デバイスの調製方法である。広くは、ケイ素含有樹脂がその熱的及び光化学的安定性のために有利である。ケイ素含有樹脂は、典型的にオルガノシロキサン構成成分に結合されるシラノール基間の酸触媒縮合反応、又はオルガノシロキサン構成成分に結合される脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素が組み込まれた基間の金属触媒ヒドロシリル化反応のいずれかにより硬化されるオルガノシロキサンを含む。第1の例では、硬化反応が相対的に遅く、完了するまでに何時間も必要とすることが時折ある。第2の例では、比較的短時間に所望のレベルの硬化を得るためには、室温を大きく上回る温度が通常必要とされる。
【0009】
本明細書に開示される方法も、オルガノシロキサン構成成分に結合した、脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素が組み込まれた基の間の金属触媒ヒドロシリル化反応によって硬化されるオルガノシロキサン組成物を利用する。しかしながら、本明細書で使用する金属含有触媒は化学線によって活性化可能である。光重合可能な組成物を硬化するのに放射活性ヒドロシリル化を使用することの利点は、(1)LED、取り付けられる基板、又はパッケージ又はシステムに存在する他のあらゆる材料が、潜在的に有害な温度を被ることなく光重合可能な組成物を硬化できること(2)阻害物質不在で長い稼動時間(別名、浴寿命又は保管寿命)を示す一成分型光重合可能な組成物を製造できること(3)ユーザーの裁量で要求に応じて光重合可能な組成物を硬化できること(4)一般に、熱的に硬化可能なヒドロシリル化組成物に必要なような二成分型配合物の必要性を避けることによって製造工程を単純化できること、を含む。
【0010】
開示される方法は、700ナノメートル(nm)以下の波長を有する化学線の使用を伴う。故に、開示される方法は、有害な温度を回避するという点で特に有利である。好ましくは、開示される方法は、120℃未満の温度、より好ましくは60℃未満の温度、及び更により好ましくは25℃以下の温度で化学線を適用することを伴う。広くは、化学線を、例えば、光重合可能な組成物の粘度を減少させるために、任意の捕捉されたガスの放出を容易にするために、又は硬化を加速するために適用している間、光重合可能な組成物が約30℃〜約120℃の温度であることが望ましい場合がある。
【0011】
開示される方法に使用される化学線には、可視光線及び紫外線を含む700nm以下の広範囲の波長の光が含まれるが、好ましくは化学線は、600nm以下、及びより好ましくは200〜600nm、及び更により好ましくは250〜500nmの波長を有する。好ましくは、化学線は少なくとも200nm、及びより好ましくは少なくとも250nmの波長を有する。
【0012】
光学要素をLEDに取り付ける前に十分な量の化学線を適用してよい。十分な量は光重合可能な組成物を少なくとも部分的に硬化させるのに十分であってよく、部分的に硬化した組成物とは、脂肪族不飽和物の少なくとも5モルパーセントがヒドロシリル化反応で消費されることを意味する。十分な量はまた、光重合可能な組成物を少なくとも実質的に硬化させるのに十分であってもよく、実質的に硬化した組成物とは、反応前に反応物質種中に存在する脂肪族不飽和物の60モルパーセント超が、ケイ素結合水素と脂肪族不飽和種との光活性付加反応の結果として消費されていることを意味する。好ましくは、そのような硬化は30分未満、より好ましくは10分未満、更により好ましくは5分未満で発生する。特定の実施形態において、そのような硬化は数秒で発生することができる。
【0013】
光学要素をLEDに取り付けた後に十分な量の化学線を適用してよい。十分な量は光重合可能な組成物を少なくとも部分的に硬化させるのに十分であってよく、部分的に硬化した組成物とは、脂肪族不飽和物の少なくとも5モルパーセントがヒドロシリル化反応で消費されることを意味する。十分な量はまた、光重合可能な組成物が少なくとも実質的に硬化させるのに十分であってもよく、実質的に硬化した組成物とは、反応前に反応物質種中に存在する脂肪族不飽和物の60モルパーセント超が、ケイ素結合水素と脂肪族不飽和種との光活性付加反応の結果として消費されていることを意味する。好ましくは、そのような硬化は30分未満、より好ましくは10分未満、更により好ましくは5分未満で発生する。特定の実施形態において、そのような硬化は数秒で発生することができる。
【0014】
化学線の供給源の例としては、非常に広範囲のものが挙げられる。これらのものとしては、タングステンハロゲンランプ、キセノンアークランプ、水銀アークランプ、白熱ランプ、殺菌ランプ、及び蛍光ランプが挙げられる。特定の実施形態において、化学線の供給源はLEDである。
【0015】
一部の例において、光重合可能な組成物内の特定の構成成分によっては、化学線を、光学要素がLEDに取り付けられる前ではなく、その後に適用してよい。或いは、化学線を、光学要素が取り付けられる後ではなく、その前に適用してよい。一部の例において、化学線を、光学要素をLEDに取り付ける前と後の両方で適用してよい。
【0016】
一部の例において、該方法は別の工程、即ち、化学線の適用なしに加熱することを更に含んでよい。化学線が適用される前又は後に、並びに光学要素及びLEDが取り付けられる前又は後に、加熱が行われてよい。適用される場合、加熱は、150℃未満、又はより好ましくは120℃未満、及び更により好ましくは60℃未満であってよい。
【0017】
加熱は、光重合可能な組成物の粘度を低下させるために、例えばあらゆる捕捉されたガスの放出を促進するために行われてよい。熱は、任意に、化学線の適用中又は適用後に、硬化を加速するために適用されてよい。加熱は、ケイ素含有樹脂をゲル化し、光重合可能な組成物中に存在し得る、例えば粒子、蛍光体などの任意の追加の構成成分の沈降を制御するために適用されてよい。粒子又は蛍光体の制御された沈降は、光重合可能な組成物内での粒子又は蛍光体の特定の有用な空間分布を達成するために使用されてよい。例えば、本方法は、制御された粒子の沈降が、LEDの効率又は発光パターンを向上させ得る勾配のある屈折率分布を形成するのを可能にし得る。また、光重合可能な組成物の一部が透明であり、他の部分が蛍光体を包含するように、蛍光体の部分的な沈降を可能にすることも有利となる場合がある。この場合、光重合可能な組成物の透明な部分を、蛍光体から放出される光のためのレンズとして作用するように成形できる。
【0018】
ケイ素含有樹脂は、モノマー類、オリゴマー類、ポリマー類、又はこれらの混合物を含むことができる。該樹脂は、ヒドロシリル化(即ち、炭素−炭素二重結合又は三重結合に対するケイ素結合水素の付加)を可能にするケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含む。ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物は、同じ分子中に存在してもよく、又は存在しなくてもよい。更に、脂肪族不飽和物は、ケイ素に直接結合してもよく、又はしていなくてもよい。
【0019】
好ましいケイ素含有樹脂は、液体、ゲル、エラストマー、又は非弾性固体の形態であることができ、熱的及び光化学的に安定なものである。紫外線には、少なくとも1.34の屈折率を有するケイ素含有樹脂が好ましい。一部の実施形態に関しては、少なくとも1.50の屈折率を有するケイ素含有樹脂が好ましい。
【0020】
好ましいケイ素含有樹脂は、該ケイ素含有樹脂が熱的及び光化学的に安定である光重合組成物を提供するように選択される。本明細書において、光安定性とは、特に着色又は光吸収性分解生成物の形成という観点から、化学線に長期間さらされたときに化学的に分解しない材料を指す。本明細書において、熱安定性とは、特に着色又は光吸収性分解生成物の形成という観点から、熱に長期間さらされたときに化学的に分解しない材料を指す。更に、好ましいケイ素含有樹脂は、製造時間を速め、全体的なLEDコストを削減するために比較的迅速な硬化機構(例えば、数秒から30分未満)を有するものである。
【0021】
適したケイ素含有樹脂の例としては、例えば、米国特許第6,376,569号(オックスマンら(Oxman et al.))、同第4,916,169号(ボードマンら(Boardman et al.))、同第6,046,250号(ボードマンら)、同第5,145,886号(オックスマンら)、同第6,150,546号(バット(Butts))、及び米国特許出願公開第2004/0116640号(ミヨシ(Miyoshi))に開示されている。好ましいケイ素含有樹脂としては、オルガノポリシロキサン類を含むオルガノシロキサン(即ち、シリコーン類)が挙げられる。こうした樹脂は、典型的に、1つはケイ素結合水素を有し、もう一方は脂肪族不飽和物を有する少なくとも2つの構成成分を含む。しかし、ケイ素結合水素及びオレフィン性不飽和の両方が、同じ分子内に存在してよい。
【0022】
1つの実施形態において、ケイ素含有樹脂は、1分子中にケイ素原子に結合した少なくとも2つの脂肪族不飽和物部位(例えば、アルケニル又はアルキニル基)を有するシリコーン構成成分、並びに1分子中にケイ素原子に結合した少なくとも2つの水素原子を有するオルガノハイドロジェンシラン及び/又はオルガノハイドロジェンポリシロキサン構成成分を含むことができる。好ましくは、ケイ素含有樹脂は、基部ポリマー(すなわち、組成物中の主要なオルガノシロキサン構成成分)として脂肪族不飽和物を含有するシリコーンと共に、両方の構成成分を含む。好ましいケイ素含有樹脂は、オルガノポリシロキサン類である。こうした樹脂は、典型的に、少なくとも2つの構成成分を含み、それらの少なくとも1つは脂肪族不飽和物を含有し、それらの少なくとも1つはケイ素結合水素を含有する。こうしたオルガノポリシロキサン類は当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第3,159,662号(アシュビイ(Ashby))、同第3,220,972号(ラモレアズ(Lamoreauz))、同第3,410,886号(ジョイ(Joy))、同第4,609,574号(ケリーク(Keryk))、同第5,145,886号(オクスマンら)、及び同第4,916,169号(ボードマンら)のような特許に開示されている。硬化性の一成分型オルガノポリシロキサン樹脂は、単一樹脂構成成分が脂肪族不飽和物とケイ素結合水素との両方を含有する場合に可能である。
【0023】
脂肪族不飽和物を含有するオルガノポリシロキサン類は、好ましくは、式:RSiO(4−a−b)/2の単位を含む線状、環状、又は分岐状のオルガノポリシロキサンである(式中:Rは、脂肪族不飽和物が無く1〜18個の炭素原子を有する、一価で、直鎖状、分岐鎖又は環状の、非置換もしくは置換の炭化水素基であり;Rは、脂肪族不飽和物及び2〜10個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり;ただし、1分子当り平均で少なくとも1つのRが存在する、aは0、1、2、又は3であり;bは0、1、2、又は3であり;a+bの合計は0、1、2、又は3である)。
【0024】
脂肪族不飽和物を含有するオルガノポリシロキサン類は、好ましくは、25℃で少なくとも5mPa・sの平均粘度を有する。
【0025】
適したR基の例は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、n−デシル、n−ドデシル、及びn−オクタデシル;芳香族基、例えば、フェニル又はナフチル;アルカリール基、例えば、4−トリル;アラルキル基、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、及び2−フェニルエチル;並びに置換アルキル基、例えば、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロ−n−ヘキシル、及び3−クロロ−n−プロピルである。
【0026】
適したR基の例は、アルケニル基、例えば、ビニル、5−ヘキセニル、1−プロペニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、7−オクテニル、及び9−デセニル;並びにアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル及び1−プロピニルである。本発明において、脂肪族炭素−炭素多重結合を有する基としては、脂環式炭素−炭素多重結合を有する基が挙げられる。
【0027】
ケイ素結合水素を含有するオルガノポリシロキサン類は、好ましくは、式:RSiO(4−a−c)/2の単位を含む線状、環状又は分岐状のオルガノポリシロキサンである(式中:Rは上記で定義した通りであり;ただし、1分子当り平均で少なくとも1つのケイ素結合水素原子が存在する、aは0、1、2、又は3であり;cは0、1、又は2であり;a+cの合計は0、1、2、又は3である)。
【0028】
ケイ素結合水素を含有するオルガノポリシロキサン類は、好ましくは、25℃で少なくとも5mPa・sの平均粘度を有する。
【0029】
脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素の両方を含有するオルガノポリシロキサン類は、好ましくは、式RSiO(4−a−b)/2及び式RSiO(4−a−c)/2の両方の式の単位を含む。これらの式において、R、R、a、b、及びcは上記で定義した通りであるが、脂肪族不飽和物及び1つのケイ素結合水素原子を含有する基が、1分子当り平均で少なくとも1つ存在することが条件である。
【0030】
ケイ素含有樹脂(特にオルガノポリシロキサン樹脂)におけるケイ素結合水素原子と脂肪族不飽和物とのモル比は、0.5〜10.0モル/モル、好ましくは0.8〜4.0モル/モル、及びより好ましくは1.0〜3.0モル/モルの範囲であってよい。
【0031】
一部の実施形態に関しては、R基の大部分がフェニル又はその他のアリール、アラルキル、もしくはアルカリールであるような上述されたオルガノポリシロキサン樹脂は、これらの基を組み込むことにより、Rラジカルの全てが、例えばメチルであるような材料よりも高い屈折率を有する材料を提供するので、好ましい。
【0032】
光重合可能な組成物としては、放射活性ヒドロシリル化によりケイ素含有樹脂の硬化が可能になる金属含有触媒が挙げられる。これらの触媒は当該技術分野において既知であり、典型的に、例えば白金、ロジウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、及びパラジウムのような貴金属の錯体を含む。貴金属含有触媒は白金を含有するのが好ましい。開示される組成物はまた、共触媒、すなわち2つ以上の金属含有触媒の使用を含むこともできる。
【0033】
こうした様々な触媒は、例えば、米国特許第6,376,569号(オクスマンら)、同第4,916,169号(ボードマンら)、同第6,046,250号(ボードマンら)、同第5,145,886号(オクスマンら)、同第6,150,546号(バッツ)、同第4,530,879号(ドラナク(Drahnak))、同第4,510,094号(ドラナク)、同第5,496,961号(ダウス(Dauth))、同第5,523,436号(ダウス)、同第4,670,531号(エックバーグ(Eckberg))、並びにPCT国際公開特許WO95/025735(ミグナニ(Mignani))に開示されている。
【0034】
特定の好ましい白金含有触媒は、Pt(II)β−ジケトナート錯体(例えば、米国特許番号第5,145,886号(オクスマンら)に開示されるもの)、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)白金錯体(例えば、米国特許番号第4,916,169号(ボードマンら)及び同第4,510,094号(ドラナク)に開示されるもの)、及びC7〜20−芳香族置換(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)白金錯体(例えば、米国特許番号第6,150,546号(バッツ)に開示されるもの)から成る群から選択される。
【0035】
こうした触媒は、ヒドロシリル化反応を促進するのに有効な量で使用される。このような触媒は、光重合可能な組成物に光重合可能な組成物100万部につき、少なくとも一部、好ましくは少なくとも5部の量で含まれることが好ましい。このような触媒は、光重合可能な組成物100万部につき、金属の1000部以下、より好ましくは金属の200部以下の量で光重合可能な組成物に含まれることが好ましい。
【0036】
ケイ素含有樹脂及び触媒に加えて、光重合可能な組成物としてはまた、非吸収性金属酸化物粒子、半導体粒子、蛍光体、増感剤、光重合開始剤、抗酸化剤、触媒阻害物質、及び顔料も挙げることができる。使用される場合、こうした添加剤は所望の効果を生み出す量で使用される。
【0037】
光重合可能な組成物内に含まれる粒子は、樹脂の粒子の分散性を改良するために表面処理可能である。こうした表面処理化学物質の例としては、シラン類、シロキサン類、カルボン酸類、ホスホン酸類、ジルコン酸塩類、チタン酸塩類などが挙げられる。こうした表面処理化学物質を適用する技術は既知である。
【0038】
非吸収性金属酸化物及び半導体粒子はその屈折率を増加させるために任意で光重合可能な組成物に含むことができる。好適な非吸収性粒子は、LEDの発光バンド幅にわたって実質的に透明なものである。非吸収性金属酸化物及び半導体粒子の例としては、Al3、ZrO2、TiO、V、ZnO、SnO、ZnS、SiO、及びこれらの混合物、並びに他の十分に透明な非酸化物セラミック材料、例えばZnS、CdS、及びGaNのような材料を含む半導体材料が挙げられるが、これらに限定されない。相対的に低い屈折率を有するシリカ(SiO)も、一部の用途において粒子材料として有用な場合があるが、より重要なことには、それがまた、より屈折率の高い材料から製造された粒子用の薄い表面処理として有用であることもでき、オルガノシラン類を用いる表面処理をより容易にできることである。この点に関して、粒子は、別の種類の材料が付着した1つの材料のコアを有する種を含むことができる。使用される場合、このような非吸収性金属酸化物及び半導体粒子は、光重合可能な組成物に光重合可能な組成物の総重量に基づいて好ましくは85重量%以下の量で含まれる。好ましくは、非吸収性金属酸化物及び半導体粒子は、光重合可能な組成物に光重合可能な組成物の総重量に基づいて少なくとも10重量%の量、より好ましくは少なくとも45重量%の量で含まれる。一般に、粒子は、その大きさが1ナノメートル〜1ミクロン、好ましくは10ナノメートル〜300ナノメートル、より好ましくは10ナノメートル〜100ナノメートルの範囲であることができる。この粒径は平均粒径であるが、ここで、粒径は、球状粒子の直径である粒子の最長寸法である。金属酸化物及び/又は半導体粒子の体積パーセントが、モノモーダル分布の球状粒子を考えると74体積パーセントを超えることができないことは、当業者にはわかるであろう。
【0039】
蛍光体は、LEDから発される色を調節するために、任意に光重合可能な組成物に含まれることができる。本明細書に記載されるように、蛍光体は蛍光材料から成る。蛍光材料は、無機粒子、有機粒子、もしくは有機分子、又はそれらの組み合わせであり得る。好適な無機粒子としては、ドープされたガーネット(例えばYAG:Ce及び(Y、Gd)AG:Ce)、アルミネート類(例えば、SrAl1425:Eu、及びBAM:Eu)、ケイ酸塩類(例えばSrBaSiO:Eu)、硫化物類(例えば、ZnS:Ag、CaS:Eu、及びSrGa:Eu)、オキシ−硫化物類、オキシ−窒化物類、リン酸塩類、ホウ酸塩類、及びタングステン酸塩類(例えば、CaWO)が挙げられる。これらの材料は、従来の蛍光体粉末又はナノ粒子蛍光体粉末の形態であってよい。別の種類の適した無機粒子は、Si、Ge、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、PbS、PbSe、PbTe、InN、InP、InAs、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs及びそれらの組み合わせを含む半導体ナノ粒子から製造される、いわゆる量子ドット蛍光体である。一般に、それぞれの量子ドットの表面は、アグロメレーションを防止するために、及び結合剤との適合性を増大させるために、有機分子で少なくとも部分的にコーティングされる。一部の例では、半導体量子ドットは、コア−シェル構造で異なる材料のいくつかの層で構成されていてよい。適した有機分子としては、米国特許番号第6,600,175号(バレッツ(Baretz)ら)に列挙されるもののような蛍光染料が挙げられる。好ましい蛍光材料は、良好な耐久性と安定な光学特性を示すものである。蛍光体層は、単一層又は一連の層で異なる種類の蛍光体のブレンドから成っていてよく、それぞれは1種類以上の蛍光体を含有する。蛍光体層中の無機蛍光体粒子は大きさ(例えば、直径)が異なっていてよく、それらは、それらが組み込まれるシロキサン層の断面にわたって平均粒径が均一ではないように分離されていてよい。使用される場合、光重合可能な組成物の総重量に基づいて、85重量%以下、少なくとも1重量%の量の蛍光体粒子が光重合可能な組成物に含まれるのが好ましい。使用される蛍光体の量は、蛍光体を含有するシロキサン層の厚さ及び放出される光の所望の色に応じて調節される。
【0040】
増感剤は、放射を開始する所定の波長で硬化処理(又はヒドロシリル化反応)の全体的な割合を増やすため、及び/又は放射を開始するのに最適で効果的な波長をより長い値にシフトするために、任意に光重合可能な組成物に含まれることができる。有用な増感剤としては、例えば、多環式芳香族化合物及びケトン発色団を含有する芳香族化合物(例えば、米国特許番号第4,916,169号(ボードマンら)及び同第6,376,569号(オクスマンら))に開示されるもの)が挙げられる。有用な増感剤の例としては、2−クロロチオキサントン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、及び2−エチル−9,10−ジメチルアントラセンが挙げられるが、これらに限定されない。使用される場合、このような増感剤は、光重合可能な組成物に、好ましくは100万部の組成物につき50,000重量部以下、より好ましくは5,000重量部以下の量で含まれることが好ましい。使用される場合、このような増感剤は、光重合可能な組成物に、100万部の組成物につき、少なくとも50重量部、より好ましくは少なくとも100重量部の量で含まれることが好ましい。
【0041】
光重合開始剤は、硬化工程(又はヒドロシリル化反応)の全体的な割合を増やすために任意に光重合可能な組成物に含まれることができる。有用な光重合開始剤としては、例えば、α−ジケトン類又はα−ケトアルデヒド類のモノケタール類、及びアシロイン類、並びにそれらの対応するエーテル類(例えば、米国特許番号第6,376,569号(オクスマンら)に開示されるもの)が挙げられる。使用される場合、該光重合開始剤は、光重合可能な組成物中に、100万部の組成物当たり、50,000重量部以下、より好ましくは5,000重量部以下の量で含まれることが好ましい。使用される場合、該光重合開始剤は、光重合可能な組成物中に、100万部の組成物当たり、少なくとも50重量部、より好ましくは少なくとも100重量部の量で含まれることが好ましい。
【0042】
触媒阻害物質は、組成物の有効な保管寿命を更に延ばすために、任意に光重合可能な組成物に含まれることができる。触媒阻害物質は当該技術分野において既知であり、アセチレン性アルコール類(例えば、米国特許番号第3,989,666号(ニエミ(Niemi))及び同第3,445,420号(クークットシデス(Kookootsedes)ら)を参照のこと)、不飽和カルボン酸エステル類(例えば、米国特許番号第4,504,645号(メランコン(Melancon))、同第4,256,870号(エックバーグ)、同第4,347,346号(エックバーグ)、及び同第4,774,111号(ロー(Lo))を参照のこと)、及び特定のオレフィン性シロキサン類(例えば、米国特許番号第3,933,880号(バーグストロム(Bergstrom))、同第3,989,666号(ニエミ)、及び同第3,989,667号(リー(Lee)ら)を参照のこと)のような材料が挙げられる。使用される場合、該触媒阻害物質は、好ましくはモル基準で金属含有触媒の量を超過しない量で光重合可能な組成物中に含まれる。
【0043】
光学要素は、光の指向性を何らかの方法で、典型的には上向き及び向こう側並びに/或いは発光デバイスの両側で制御するためのレンズを備えてよい。代表的なレンズ12を備える代表的な発光デバイス10が図1に示されている。示されているLED14が基板16に実装されているが、以下に記載の他の構成も可能である。明確にするために、電気的接続のような他の機構は示されていない。レンズは、半球形状12aのような球面を有する単レンズを含んでよく、又は三角形の形状12b、矩形の形状、又は六角形の形状を有する角柱のような多面体として成形されてよい。他の有用な形状としては、カスプ(cusps)12c、錐体、角状、又はトロイド(toroids)が挙げられる。光学要素はまた、凸部及び/又は凹部表面のいくつかの組み合わせを有する合成レンズ、例えば、無収差レンズを備えていてもよい。レンズはまた、形状の組み合わせを含んでいてもよく、例えば、鋸歯様の形状とカスプ形状12dを有していてもよい。
【0044】
広くは、レンズは、ポリマー、ガラス、石英、溶融シリカ、セラミック等のような透明な材料を含んでよい。レンズは、特定のレンズに応じて、典型的には約1.4〜約1.6、好ましくは約1.5〜1.55の範囲の屈折率を有し得る。
【0045】
図1に示すようにレンズは典型的には予備作製され、凹部下面を有していてよい。この場合、レンズは変形可能な状態(完全に硬化していない)の間に光重合可能な組成物18に接触して置かれてよく、LEDに対して空気及び過剰組成物が排出されるように配置されてよい。図2に示すように、レンズ22は、光重合可能な組成物28と接触して置かれる平面的下面を有していてよい。
【0046】
発光ダイオードが発光する光の少なくとも一部の色を変えるために、蛍光材料を発光デバイスに組み込んでよい。例えば、蛍光材料を重合可能な材料の至るところに分散してもよく、又は重合可能な材料に隣接するレンズの下面上に配置してもよい。
【0047】
光学要素は、光を意図的に強める、操作する、制御する、維持する、透過する、反射する、屈折させる、吸収する等するように光をマネージすることが可能な光学フィルムを備えてよい。光学フィルムの例としては、反射偏光フィルム、吸収偏光フィルム、再帰反射フィルム、光ガイド、拡散フィルム、輝度向上フィルム、グレア制御フィルム(glare control film)、保護フィルム、プライバシーフィルム又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
光学フィルムは、光学用途での使用に好適な任意の材料を含んでよい。代表的な性質としては、紫外線、可視、及び赤外線領域の様々な部分にわたる光学効率、光学的透明度、高屈折率、耐久性、及び環境安定性が挙げられる。一部の例では、光学フィルムは実質的に鏡面反射性であってよく、対象の所定の波長領域わたる光を実質的に吸収しない、即ち、第1又は第2光学層の表面上に照射される該領域にわたる光の実質的に全てを反射又は透過する。
【0049】
典型的には、光学フィルムは、縮合もしくは付加ポリマー、それらのブレンド、又はそれらの一部の混合であるポリマーを含む。縮合ポリマーの例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルロースエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。付加ポリマーの例としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、環状オレフィン、エポキシ、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フッ化エチレンプロピレン(FEP)等が挙げられる。光学フィルムはまた、ヒドロシリル化反応によって形成されるポリオルガノシロキサンのような金属触媒重合から生じるポリマーを含んでもよい。
【0050】
光学フィルムは、偏光子、例えば、2つの異なる高分子材料が交互に重なった何百もの層を含む反射偏光子のような多層光学フィルムを含んでよい。多層光学フィルムに使用される材料としては、例えば、PEN/co−PEN、PET/co−PEN、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/ESTAR、PET/ESTAR、PEN/EDCEL、PET/EDCEL、PEN/THV、及びPEN/co−PETのような結晶性、半結晶性、又は非晶質ポリマーが挙げられ、ここでPENはポリエチレンナフタレートであり、co−PENはナフタレンジカルボン酸に基づくコポリマー又はブレンドを含み、PETはポリエチレンテレフタレートを含み、sPSはシンジオタクチックポリスチレンを含み、及びESTARはイーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Co.)からのポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートを含み、EDCELはイーストマン・ケミカル社からの熱可塑性ポリマーを含み、THVは3M社(3M Company)からのフルオロポリマーであり、及びco−PETはテレフタル酸に基づくコポリマー又はブレンドを含む。多層光学フィルムの全厚さは、望ましくは5〜2,000μmである。製造方法としては、任意のいくつかの既知のプロセス、例えば押出成形、共押出し、コーティング、及び積層が挙げられる。
【0051】
多層光学フィルムは、米国特許第5,882,774号;同第5,828,488号;同第5,783,120号;同第6,080,467号;同第6,368,699(B1)号;同第6,827,886(B2)号;同第2005/0024558(A1)号;同第5,825,543号;同第5,867,316号;又は同第5,751,388号;或いは同5,540,978号に記載されている。例としては、DBEF−E、DBEF−D200及びDBEF−D440多層反射偏光子を含む、3M社からビキュイティ(Vikuiti)(商標)ブランドとして入手可能な二重輝度向上フィルム(DBEF)製品のいずれか、又は拡散反射偏光フィルム(DRPF)製品のいずれかが挙げられる。
【0052】
1つの特定の実施例において、多層光学フィルムは、可視光線を反射すること及び紫外線を透過することのできるショートパス反射体、又は紫外線を反射すること及び可視光線を透過することのできるロングパス反射体を含み、これら反射体は米国特許第2004/145913(A1)号に記載されており、その開示は当該特許に含まれる内容全てを参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0053】
光学フィルムはまた、蛍光層、拡散層、つや消し層、耐摩耗性層、化学的防護又は紫外線防護ための層、支持層、磁気シールド層、接着剤層、プライマー層、表面薄層、二色性偏光子層、又はそれらの組み合わせを備えてもよい。有用な支持層の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、金属又はガラスが挙げられる。1以上の追加層を光学フィルムの他の層と共に押出し、コーティング又は積層してよい。
【0054】
特定の例において、図3aに示すように、発光デバイス30は蛍光反射体アセンブリー32を光学フィルムとして備えてもよい。蛍光反射体アセンブリーは、ショートパス反射体又はロングパス反射体であってよい反射体36上に配置された蛍光体物質34の層を含む。蛍光体物質の層は、LEDにより放射された光で照射されて反射体を透過すると、可視光線を放射する。別の特定な例において、図3bに示すように、発光デバイス38は蛍光反射体アセンブリー40を備え、該アセンブリーは2つの反射体44と46との間に配置される蛍光体物質42の層を含む。一方の反射体はショートパス反射体であり、他方はロングパス反射体であってよく、例えば、反射体44がショートパス反射体であってよく、反射体46がロングパス反射体であってよい。
【0055】
光学フィルムはミクロ構造化表面を有する輝度向上フィルムを含んでよく、該構造表面はプリズム要素のアレイを含む。これらの光学フィルムは、スクリーンを高角度で出て、そうでなければ観察者に届かない光を観察者(通常、ディスプレイデバイスの前側に直接置かれる)に方向付けることを最終的に補助する反射と屈折のプロセスを通して、光を再利用する。輝度向上フィルムにおける光の作用に関する包括的な議論は、例えば、米国特許出願番号第11/283307号に見られ得る。例としては、BEFII90/24、BEFII90/50、BEFIIIM90/50、及びBEFIIITを含む、ミネソタ州セントポール(St. Paul, Minnesota)の3M社から入手可能なプラズマフィルムの一群ビキュイティ(商標)BEFII及びBEFIIIが挙げられる。輝度向上フィルムは、再帰反射フィルム又は当該フィルムと共に使用するための要素としての機能を果たすことができる。
【0056】
ミクロ構造化表面はまた、例えば、隆起部、柱、ピラミッド、半球及び円錐を含む一連の形状を含んでもよく、並びに/或いは平坦部、尖端部、切頭部、又は円形部を有する突出部又は窪みであってよく、これらはいずれも、表面の平面に対して、曲がっていても又は垂直であってもよい。任意のレンズ状ミクロ構造が有用である場合があり、例えば、ミクロ構造化表面は、それぞれ典型的に単一の基準点すなわち頂点で交差する3つの互いに実質的に垂直な光学面を有する立方体角部要素(cube corner elements)を含んでよい。ミクロ構造化表面は、規則的な繰り返しパターンを有していても、ランダムであっても、又はそれらの組み合わせであってもよい。一般に、ミクロ構造化表面は、1つ以上の機構を含み、各機構は、2mm未満の少なくとも2つの横寸法(すなわち、フィルムの平面の寸法)を有する。
【0057】
以下に記載のようなミクロ構造化表面を有する光学フィルムのような一部の例において、ミクロ構造化された工具又はライナーに流動性を有する組成物をコーティングし、続いて組成物を硬化させることにより層を作製してよい。例えば、流動性を有する組成物は放射線硬化性であってよく、ミクロ構造の工具又はライナーにコーティングした後、紫外線、電子ビーム、又は他の種類の放射線を適用することで固まる又は硬化する反応性希釈剤、オリゴマー、架橋剤、及び任意の光重合開始剤を含んでいてよい。別の例では、流動性を有する組成物は、高温で流動性を有するように作られ、続いてミクロ構造の工具又はライナーにコーティングした後に冷却される組成物であってよい。ミクロ構造の層に有用な放射線硬化組成物の例が以下に記載される。
【0058】
ミクロ構造の層は、重合可能な組成物、ネガティブミクロ構造化成型表面を有するマスター、及び時に基部層と呼ばれる事前形成された第2光学層を使用して調製されてよい。重合可能な組成物は、どちらか1つは可撓性であるマスターと第2光学層との間に配置され、組成物がマスターのミクロ構造を充填するように、組成物のビーズが移動される。重合可能な組成物は、重合されて層を形成し、その後、マスターから分離される。マスターは、ニッケル、ニッケルめっき銅又は真鍮のような金属質であることができ、或いは、重合条件下で安定で、好ましくは重合した層をマスターからきれいに除去することを可能にする表面エネルギーを有する熱可塑性材料であることができる。ミクロ構造の層は、約10〜約200μmの厚さを有してよい。
【0059】
重合可能な組成物は、モノ−、ジ−、又はより高い官能性モノマーを含むモノマー、及び/又はオリゴマー、好ましくは高屈折率、例えば約1.4超過、又は約1.5超過を有するものを含んでよい。モノマー及び/又はオリゴマーは、紫外線を使用して重合可能であってよい。好適な材料としては、米国特許番号第4,568,445号、同第4,721,377号、同第4,812,032号、同第5,424,339号、及び米国特許第6,355,754号に記載されている、(メタ)アクリレート、ハロゲン化誘導体、テレケリック(telechelic)誘導体等が挙げられ、これらは全て本明細書に参考として組み込まれる。好ましい重合可能な組成物は、米国特許出願番号第10/747985号(2003年12月30日出願)に記載されており,これは本明細書に参考として組み込まれる。この重合可能な組成物は、主要部分の2−プロペン酸、(1−メチルエチリデン)ビス[(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートを含む第一モノマーを含む。
【0060】
重合可能な組成物に使用される材料の特定の選択は、ミクロ構造の層を形成するのに使用される方法に依存し、例えば、粘度は重要な要因であり得る。輝度向上フィルムを使用する特定用途もまた考えられ、例えば、フィルムは特定の光学特性を有し、更に長期間物理的及び化学的に丈夫である必要がある。
【0061】
輝度向上フィルムの第2光学層は、基部層として記載されてよい。この層は、光学的製品において使用するのに適した任意の材料、即ち、光学的に透明であり、光の流れを調節するために設計されるものを含んでよい。特定の用途に従い、輝度向上フィルムを光学デバイスに組み込み得るように、第2光学層は構造的に十分に強い必要がある場合がある。好ましくは、第2光学層を第1の光学層に良好に接着し、光学デバイスの性能が長期間損なわれないように温度及び老朽化に十分に抵抗する。第2光学層に有用な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸に基づくコポリエステル、又はポリエステルブレンドのようなポリエステル;ポリカーボネート;ポリスチレン;スチレン−アクリロニトリル;酢酸セルロース;ポリエーテルスルホン;ポリメチルメタクリレートのようなポリ(メチル)アクリレート;ポリウレタン;ポリ塩化ビニル;ポリシクロ−オレフィン;ポリイミド;ガラス;或いはこれらの組み合わせ又はブレンドが挙げられる。第2光学層はまた、上記のような及び米国特許第6,111,696号に記載のような多層光学フィルムを備えていてもよい。
【0062】
光学要素はまた、米国特許出願番号第10/977577号、同第10/977225号、同第10/977248号、同第10/977241号、同第11/027404号、同第11/381324号、同第11/381329号、同第11/381332号、同第11/381984号(弁理士事件整理番号60217、60218、60219、60296、62044、62076、62080、62081、及び62082)、及び米国特許出願第2005/0023545(A1)号に抽出器又は光学濃縮器(optical concentrator)として記載のものを含む光学要素を含んでよく、これらの特許の開示はそれらの特許に含まれる内容全てが参照することにより本明細書に組み込まれる。これら光学要素は、LEDからの光の周囲媒質への抽出、並びに光の放射パターンの修正を補助するために使用されることができる。これら光学素は典型的には、約1.75以上の屈折率を有し、そしてガラス、ダイアモンド、炭化ケイ素、サファイア、ジルコニア、酸化亜鉛、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0063】
光学要素とLEDは、得られる発光デバイスが所望のように機能する限り、適正な関連するいかなる構成で互いに取り付けられてよい。図4は、代表的な光学要素であるボールレンズ42が、光重合組成物46とどのようにLED44に取り付けられ得るかの例を示している。図4aにおいて、光学要素を発光ダイオードに取り付ける工程が光学要素と発光ダイオードとを接触させる工程を含むように、ボールレンズとLEDとが互いに接触している。図4bにおいて、光学要素を発光ダイオードに取り付ける工程が光学要素を発光ダイオードの100nm以内に置く工程を含むように、ボールレンズとLEDは物理的に互いに近く、互いに離間している。両方の場合において、これら2つは光重合組成物46によって共に保持されている。ほとんどの場合において、光学要素がLEDに光学的に結合されているのが望ましく、これは2つが物理的に互いに近い場合、例えば、互いに100nm以内にある場合である。
【0064】
図4cにおいて、光学要素54及びLED56は、少量の光重合組成物58により取り付けられている。図5において、光学要素は抽出器59であり、抽出器は光重合組成物58でLED56に取り付けられている。或いは、光学要素を発光ダイオードに取り付ける工程が発光ダイオードを封入する工程を含むように、光重合可能な組成物がカプセル材であってよい。光学要素はカプセル材の任意の部分、例えば、上部表面の上に取り付けられ得て、更には図3cに示すようにカプセル材内に埋め込まれ得る。図3cにおいて、発光デバイス48は光重合組成物52で封入されているLED50を含んでおり、光重合組成物内に埋め込まれているのは蛍光反射体アセンブリー40である。図3cに示されている発光デバイスは蛍光体ベースの光源、即ちPLEDと呼ばれてよく、例えば、米国特許第2004/0145913(A1)号、同第2004/0145288号、及び同第2004/0144987号に記載されており、これらの開示は参照することにより本明細書に組み込まれる。光重合可能な組成物はまた、様々な基板上に表面実装されるLEDのアレイを封入するために使用されてもよい。
【0065】
本明細書に記載の発光デバイスは、可視、紫外線、又は赤外線にかかわらず光を放射するLEDを備える。それは、従来のもの又は超放射のものの種類にかかわらず、「LED」として販売されているカプセル型半導体デバイスを含む。垂直キャビティ面発光レーザーダイオードはLEDの別の形態である。「LED成形型」は、最も基本的な形態、すなわち、半導体ウェハ加工手順によって製造される個々の構成要素又はチップの形態のLEDである。構成要素又はチップは、デバイスを作動させるための電力の印加に適した電気接点を含むことができる。構成要素又はチップの個々の層及びその他の機能的要素は、典型的に、ウェハスケールで形成され、仕上がったウェハは最終的に個々の小片部に切られて、多数のLEDダイとなる。
【0066】
有用なLEDとしては、モノクロLED及び蛍光体LEDが挙げられる(青色又は紫外線は蛍光性蛍光体を介して別の色に変換される)。LEDは、どちらかが反射カップを有していても有していなくてもよいセラミック又はポリマーのパッケージに表面実装又は側面実装されていてよく、或いは回路基板上又はプラスチック電子基板上に実装されていてもよい。
【0067】
LEDの放出する光は、LED源が放出できるいかなる光であることもでき、半導体層の組成及び構造に依存して電磁スペクトルの紫外線部分から赤外線部分までの範囲であることができる。化学線の供給源がLED自体である場合、LED発光は350〜500nmの範囲であることが好ましい。
【0068】
本明細書に記載される光重合組成物は、熱及び光分解に抵抗性であり(黄変に抵抗性であり)、そのため白色光源(すなわち、白色発光デバイス)に特に有用である。構造内でLEDを利用する白色光源は2つの基本的構成を有することができる。本明細書で直接発光LEDと称するその1つにおいて、白色光は異なる色のLEDの直接発光により生成される。一例には赤色LED、緑色LED、青色LEDの組み合わせ、青色LED及び黄色LEDの組み合わせがある。本明細書においてLED励起蛍光体ベース光源(PLED)と呼ばれる他の基本的構成では、単一のLEDが狭い範囲の波長にて光を発生させ、これが蛍光体物質に当り、励起させて可視光線を作り出す。蛍光体は異なった蛍光体物質の混合物又は組み合わせを含むことができ、蛍光体により放出される光は、放出される光が人間の裸眼にとって実質的に白色に見えるように可視波長範囲にわたって分布した複数の狭い輝線を含むことができる。
【0069】
PLEDの例は、青色波長を赤色と緑色との両波長に変換する蛍光体を照らす青色LEDである。青色励起光の一部は蛍光体に吸収されず、残存青色励起光は蛍光体により放出される赤色及び緑色光と組み合わされる。PLEDの別の例は、紫外線を吸収し、赤色、緑色、及び青色光に変換する蛍光体を照らす紫外線(UV)LEDである。蛍光体による化学線の競合吸収が光重合開始剤による吸収を減少させ、システムが注意深く組み立てられていない場合には硬化を遅延させるか、又は更には妨げることが、当業者には明白である。
【実施例】
【0070】
LEDパッケージ
本実施例で使用するLEDパッケージは、アルミニウムリードフレーム上に射出成型されたポリフタルアミド体(polyphthalamide body)を含んだ。パッケージは、厚さ2mm以下の9×9mmの正方形の基部、及び直径8mm以下の1.5mmの厚さの追加的円筒形区域を上部に有していた。パッケージは、ウェルの上部で直径が6mm以下及びウェルの底部で直径が4mm以下の内部ウェルを有していた。ウェルの側壁は約70度で傾斜しており、ウェルの上部区域と底部区域との間の側壁に小さな棚(shelf)があった。パッケージ内のアルミニウムリードをウェルの基部で暴露し、1つの大きなアルミニウ固着パッドがウェルのベースの半分以上及び2つの小さなアルミニウ固着パッドを被っていた。パッケージは、LEDが装着されていなかった。
【0071】
光重合可能な組成物の調製
1Lのナルゲンボトル(Nalgene bottle)に、500.0gのVQM−135(ペンシルバニア州モーリスビル(Morrisville, PA)のゲレスト社(Gelest, Inc.)から入手可能なビニル末端ポリジメチルシロキサン中のビニルQ−樹脂分散)、及び25.0gのSYL−OFF7678架橋剤(ミシガン州ミッドランド(Midland, MI)のダウ・コーニング社(Dow Corning)から入手可能)を添加した。2つの構成成分を手で十分に混合して無触媒シリコーンベースのマスターバッチを得た。500mLのナルゲンボトルに、100.0gの上記のシリコーンベース、及び1mLのトルエン中に33mgの(トリメチル)メチルシクロペンタジエニル白金(IV)(マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill, MA)のアルファ・エイサー(Alfa Aesar)から入手可能)を溶解した溶液50マイクロリットルを添加した。該混合物を十分に撹拌し、閉じ込められた空気を除去するために真空下で脱気した。
【0072】
(実施例1)
ウェルの上部とぴったり重なるように、上記のパッケージを上記の光重合可能な組成物で充填した。光重合性組成物を有するポリフタルアミドのパッケージを、主に350nmで発光する2つの40.6cm(16インチ)のシルバニア(Sylvania)F15T8/350BLバルブを取り付けたUVPブラク−レイ(Blak-Ray)ランプモデルXX−15の下で140秒間照射した。照射後、光重合可能な組成物、即ちカプセル材はゲル化され、非常にべたっとしていた。LEDパッケージ及びカプセル材の表面上に、外側に向いた線状プリズムを有する、輝度向上フィルムBEFII(3M社から入手可能)の9×9mm以下の正方形の小片を定置した。フィルムはカプセル材で十分に濡れているように見え、120℃のオーブンに10分間定置してシリコーンカプセル材の硬化を仕上げた。パッケージをオーブンから取り出した後、パッケージを視覚的に検査すると、フィルムはカプセル材の表面に光学的に結合していた。フィルムをピンセットで精査すると、カプセル材の表面に付着していた。
【0073】
(実施例2)
ウェルの上部とぴったり重なるように、上記のパッケージを上記の光重合可能な組成物で充填した。光重合性組成物を有するポリフタルアミドのパッケージを、主に350nmで発光する2つの40.6cm(16インチ)のシルバニアF15T8/350BLバルブを取り付けたUVPブラク−レイランプモデルXX−15の下で140秒間照射した。照射後、カプセル材はゲル化され、非常にべたっとしていた。LEDパッケージ及びカプセル材の表面上に、多層光学フィルムDBEF−E(3M社から入手可能)の9×9mm以下の正方形の小片を定置した。フィルムはカプセル材で十分に濡れているように見え、120℃のオーブンに10分間定置してシリコーンカプセル材の硬化を仕上げた。パッケージをオーブンから取り出した後、パッケージを視覚的に検査すると、フィルムはカプセル材の表面に光学的に結合していた。フィルムをピンセットで精査すると、カプセル材の表面に堅く付着していた。
【0074】
(実施例3)
ウェルの上部とぴったり重なるように、上記のパッケージを上記の光重合可能な組成物で充填した。光重合性組成物を有するポリフタルアミドのパッケージを、主に350nmで発光する2つの40.6cm(16インチ)のシルバニアF15T8/350BLバルブを取り付けたUVPブラク−レイランプモデルXX−15の下で140秒間照射した。照射後、カプセル材はゲル化され、非常にべたっとしていた。LEDパッケージ及びカプセル材の表面上に、BK7ガラス(エドモンド・インダストリアル・オプティクス社(Edmund Industrial Optics)から入手可能)で製造した6mmの薄玉レンズ(half-ball lens)を定置した。レンズはカプセル材で十分に濡れているように見え、120℃のオーブンに10分間定置してシリコーンカプセル材の硬化を仕上げたパッケージをオーブンから取り出した後、パッケージを視覚的に検査すると、レンズはカプセル材の表面に光学的に結合していた。レンズをピンセットで精査すると、カプセル材の表面に堅く付着していた。
【0075】
本明細書中に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が参照することによって組み込まれる。本発明に対する様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、以下に記述する特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する本発明の範囲に関して例示のためにのみ示されることを理解すべきである。
【0076】
以下に記載される図面と関連して「発明を実施するための最良の形態」及び「実施例」を考慮することにより、本発明をより完全に理解し得る。図面は、請求項に記載された主題に関する限定として決して解釈されるべきでなく、その主題は、本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1a】光学要素がレンズであり、LEDが表面装着されている、代表的な発光デバイスを示す。
【図1b】光学要素がレンズであり、LEDが表面装着されている、代表的な発光デバイスを示す。
【図1c】光学要素がレンズであり、LEDが表面装着されている、代表的な発光デバイスを示す。
【図1d】光学要素がレンズであり、LEDが表面装着されている、代表的な発光デバイスを示す。
【図2】光学要素がレンズであり、LEDが凹型空洞の中にある、代表的な発光デバイスを示す。
【図3a】光学要素が蛍光反射体アセンブリーである、代表的な発光デバイスを示す。
【図3b】光学要素が蛍光反射体アセンブリーである、代表的な発光デバイスを示す。
【図3c】光学要素が蛍光反射体アセンブリーである、代表的な発光デバイスを示す。
【図4a】光学要素がボールレンズである、代表的な発光デバイスを示す。
【図4b】光学要素がボールレンズである、代表的な発光デバイスを示す。
【図4c】光学要素がボールレンズである、代表的な発光デバイスを示す。
【図5】光学要素が抽出器である、代表的な発光デバイスを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスの製造方法であって、
前記方法は、
発光ダイオードを提供する工程と
光学要素を提供する工程と、
光学要素を発光ダイオードに光重合可能な組成物で取り付ける工程と、
前記光重合可能な組成物は、ケイ素含有樹脂及び金属含有触媒を含み、前記ケイ
素含有樹脂は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含む、
前記ケイ素含有樹脂内でヒドロシリル化を開始するために700nm以下の波長を
有する化学線を適用する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記ケイ素結合水素及び前記脂肪族不飽和物が、同じ分子中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ素結合水素及び前記脂肪族不飽和物が、異なる分子中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化学線を適用する工程が、120℃以下の温度で化学線を適用する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属含有触媒が白金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属含有触媒が、Pt(II)β−ジケトナート錯体、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)白金錯体、及びC7〜20−芳香族置換(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)白金錯体から成る群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記重合可能な材料が、式:
SiO(4−a−b)/2
(式中、
は、脂肪族不飽和物が無く1〜18個の炭素原子を有する、一価で、直鎖状、分岐鎖又は環状の、非置換もしくは置換の、炭化水素基であり、
は、脂肪族不飽和物を有し、2〜10個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
aは、0、1、2、又は3であり、
bは、0、1、2、又は3であり、
a+bの合計は、0、1、2、又は3であり、
ただし、1分子当り平均で少なくとも1つのRが存在する)、
の単位を含むオルガノシロキサンを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記重合可能な材料が、式:
SiO(4−a−c)/2
(式中、
は、脂肪族不飽和物が無く1〜18個の炭素原子を有する、一価で、直鎖、分岐鎖又は環状の、非置換もしくは置換の、炭化水素基であり、
aは、0、1、2、又は3であり、
cは、0、1、又は2であり、
a+cの合計は、0、1、2、又は3であり、
ただし、1分子当り平均で少なくとも1つのケイ素結合水素が存在する)、
の単位を含むオルガノシロキサンを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記ケイ素結合水素及び前記脂肪族不飽和物が、1.0〜3.0のモル比で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化学線を適用する工程が、前記光学要素を前記発光ダイオードに取り付ける前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記脂肪族不飽和物の少なくとも5モルパーセントが、ヒドロシリル化反応で消費される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記脂肪族不飽和物の少なくとも60モルパーセントが、ヒドロシリル化反応で消費される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記化学線を適用する工程が、前記光学要素の取り付けた後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記脂肪族不飽和物の少なくとも5モルパーセントが、ヒドロシリル化反応で消費される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記脂肪族不飽和物の少なくとも60モルパーセントが、ヒドロシリル化反応で消費される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記化学線を適用する工程が、光学要素の取り付ける前及び後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
120℃以下の温度で加熱することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記光学要素が、ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記光学要素がレンズを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記光学要素が光学フィルムを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記光学フィルムが、反射偏光フィルム、吸収偏光フィルム、再帰反射フィルム、光ガイド、拡散フィルム、輝度向上フィルム、グレア制御フィルム、保護フィルム、プライバシーフィルム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記光学フィルムが、ショートパス反射体又はロングパス反射体を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記光学フィルムが蛍光反射体アセンブリーを備え、前記蛍光反射体アセンブリーがロングパス反射体及びショートパス反射体に配置された蛍光体物質の層を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記光学要素がミクロ構造化表面を有する輝度向上フィルムを備え、前記ミクロ構造化表面がプリズム要素のアレイを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記光学要素が約1.75以上の屈折率を有し、そしてガラス、ダイアモンド、炭化ケイ素、サファイア、ジルコニア、酸化亜鉛、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記光学要素を前記発光ダイオードに取り付ける工程が、前記光学要素と発光ダイオードとを接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記光学要素を前記発光ダイオードに取り付ける工程が、前記光学要素を前記発光ダイオードの100nm以内に置く工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記光学要素を前記発光ダイオードに取り付ける工程が、前記発光ダイオードを封入する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記発光ダイオードが、セラミック又はポリマーのパッケージ内に実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記発光ダイオードが、回路基板又はプラスチック電子基板上に実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法を用いて調製された発光デバイス。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−537991(P2009−537991A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511138(P2009−511138)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/067266
【国際公開番号】WO2007/136956
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】